説明

熱板及び熱転写プレス装置

【課題】 簡単かつ安価な構成でありながら、スタンパの処理面延いては被処理対象物を均一かつ急速に加熱及び冷却することができると共に、精度良く温度を制御可能な熱板を提供する。
【解決手段】 このため、本発明に係る熱板は、被処理対象物に対して熱の授受を行うための熱板30であって、被処理対象物に対する熱の授受面に対して略平行に並んで配設される複数の流体通路31と、当該複数の流体通路31より前記熱の授受面から遠い位置において前記複数の流体通路31と略平行に並んで配設され内部に電熱ヒータが挿入される複数のヒータ穴32と、を備え、前記熱の授受面に略直交する方向から見たときに、ヒータ穴32の長軸方向中心軸が流体通路31の長軸方向中心軸と略一致すると共に、隣接するヒータ穴32の間に少なくとも1つの流体通路31が配設されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱板及び該熱板を備えた熱転写プレス装置に関する。例えば、所定温度条件下で板状の被処理対象物(熱可塑性樹脂)に対してスタンパ(転写板)を押圧して所定パターンを転写する熱転写プレス装置に用いられる熱板及び該熱板を備えた熱転写プレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のプレス装置として、例えば特許文献1、特許文献2などには、熱可塑性樹脂製の板状体に対して金型に取り付けられたスタンパを押圧し、該スタンパに刻設されている所定パターンを前記板状体に熱転写(プレス成形)することで、液晶ディスプレイパネル等に用いられる導光板を製造する装置が記載されている。
【0003】
ここで、熱転写によるプレス成形処理においては、被処理対象である熱可塑性樹脂製の板状体を、所定に加熱し昇温させて軟化させ、かかる状態でプレス成形を行い、当該プレス成形後は離型性を考慮して被処理対象を所定に冷却することが必要とされる。
【0004】
このため、連続プレス成形を行う場合において、生産性を高めるためには、被処理対象を急速に加熱し冷却できるようにして処理サイクルを短縮化できるようにすることが求められる。
【0005】
かかる観点から、特許文献1に記載される装置では、スタンパを加熱する抵抗加熱板(電熱ヒータ)をスタンパの近傍に配設すると共に、当該抵抗加熱板の背面側に複数の温調用媒体通路が形成された冷却盤を配設している。
【0006】
また、特許文献2に記載される装置では、スタンパの背面に、内部に流体が流れる流路を有する温度調整プレートを配設し、加熱時には高温流体を前記流路に流し、冷却時には低温流体を前記流路に流すように構成されている。
【0007】
更に、特許文献3に記載される装置は、スタンパの背面に、蒸気及び冷却水を流通させる通路が内部に配設された熱板を備えて構成されている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−74769号公報
【特許文献2】特開2006−7755号公報
【特許文献3】特開2007−83402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載される装置では、スタンパを加熱する抵抗加熱板の背面に冷却盤を配設しているため、冷却の際に抵抗加熱板も冷却しなければならず、熱容量が大きく、冷却速度が遅いといった実情がある。
【0010】
また、特許文献2に記載される装置では、加熱抵抗体(電熱ヒータ)を備えない構造であるため、熱容量が小さく、冷却速度を比較的高めることができる。また、特許文献2には、昇温速度の向上を図るべく、熱容量の小さい薄膜ヒータを備えた例についても記載されているが、温度調整プレートの背面側に配設するものであるため、スタンパの冷却速度への影響は小さいものと想定される。
【0011】
しかし、薄膜ヒータは、例えば蛇行する電熱配線を絶縁樹脂膜上にプリントすることで形成されるものであり、電熱配線の存在する部分と、電熱配線のない部分と、でヒータの厚さ方向に段差が存在する(電熱配線の存在する部分の厚さが電熱配線のない部分の厚さに比べて厚い)。
【0012】
そして、プレス成形の際には薄膜ヒータは加熱状態にあるため、電熱配線の存在する部分が熱膨張して前記段差が更に大きくなり、スタンパ延いては温度調整プレートの背面から受けるプレス成形の際の押圧力を当該電熱配線の存在する部分で支えることとなるため電熱配線の面圧が高くなり、更には電熱配線は高温となって変形抵抗が低下していることと相俟って、電熱配線が断線し易くなるといった惧れがある。
【0013】
また、温度調整プレートの背面も電熱配線の存在する部分と強く接触し、電熱配線の存在する部分と、電熱配線のない部分と、の間で、温度調整プレートの弾性変形量が異なることになるため、被処理対象物の被処理面内において均一な応力(押圧力)を付与することが難しくなり、成形される製品の品質の維持が難しくなるといった惧れもある。
【0014】
なお、特許文献3に記載される装置は、加熱の際に熱板内に配設された通路に蒸気を流入させて熱板を昇温させ、冷却の際には当該通路に冷却水を流入させる構成であり、蒸気を加熱媒体として用いることは熱板を急速に昇温させることができる点で適しているものの、当該装置のように熱板の一側からのみ流入させる構成では蒸気流入直後における熱板全体での温度ムラが大きく反り等の問題が生じ易いといった問題がある。また、昇温速度の制御は困難であり、使用温度も蒸気圧により影響されるため、高温保持の際にボイラ蒸気圧の変動により熱板温度を一定に保持することが難しく、成形される製品の品質の維持が難しくなるといった惧れがある。
【0015】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ安価な構成でありながら、スタンパの処理面延いては被処理対象物を均一かつ急速に加熱及び冷却することができると共に、精度良く温度を制御可能な熱板及び該熱板を備えた熱転写プレス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このため、本発明に係る熱板は、
被処理対象物に対して熱の授受を行うための熱板であって、
被処理対象物に対する熱の授受面に対して略平行に並んで配設される複数の流体通路と、
当該複数の流体通路より前記熱の授受面から遠い位置において、前記複数の流体通路と略平行に並んで配設され、内部に電熱ヒータが挿入される複数のヒータ挿入部と、
を備え、
前記熱の授受面に略直交する方向から見たときに、ヒータ挿入部の長軸方向中心軸が流体通路の長軸方向中心軸と略一致すると共に、隣接するヒータ挿入部の間に少なくとも1つの流体通路が配設されることを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記複数の流体通路の穴径が、ヒータ挿入部の穴径より小さいことを特徴とすることができる。
【0018】
本発明に係る熱転写プレス装置は、本発明に係る熱板を備え、
被処理対象物を冷却する際に、前記流体通路に冷却媒体を流通させることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る熱転写プレス装置において、複数の流体通路の少なくとも一部を流れる冷却媒体は、他の流体通路を流れる冷却媒体の流れ方向と逆方向であることを特徴とすることができる。
【0020】
本発明に係る熱転写プレス装置において、隣接する流体通路を流れる冷却媒体の流れ方向が逆方向であることを特徴とすることができる。
【0021】
本発明に係る熱転写プレス装置において、熱板は、プレス動作方向において所定の遊動が許容されつつ保持されることを特徴とすることができる。
【0022】
本発明に係る熱転写プレス装置において、プレス圧力を熱板の背面で支える背面側受圧領域外形が、プレス圧力を受ける熱板のスタンパ側の受圧領域外形をプレス動作方向から投影したときの投影線と、背面側受圧平面と、の交点に対して、熱板の板厚×(±tan略30°)の範囲内に収まることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、スタンパの処理面延いては被処理対象物を均一かつ急速に加熱及び冷却することができると共に、精度良く温度を制御可能な熱板及び該熱板を備えた熱転写プレス装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態に係る熱転写プレス装置について、添付の図面に従って説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る熱転写プレス装置1の構成を示す断面図である。
図1において、熱転写プレス装置1は、下型10と、当該下型10に対向する上型20と、が備えられ、下型10はベース部分に取り付けられ、上型20は、図示しないプレス機構を介してプレス動作(昇降運動)可能に構成されている。
【0026】
下型10及び上型20の相互に対向する面には、図示しないスタンパ(転写板)がそれぞれ取り付けられ、対面するスタンパの間に搬送されるワーク(被処理対象物、例えば、アクリル、ポリカーボネイト等の熱可塑性樹脂製の板状体)に対して、上型20の昇降運動を利用して、スタンパに刻設されている所定パターンを熱転写(プレス成形)し、例えば液晶ディスプレイパネル等に用いられる導光板を製造するようになっている。
【0027】
下型10は、図1において、基台11の上に断熱板12が載置され、その上に熱板30が載置され、当該熱板30の上面に、図示しないスタンパが取り付けられる構成となっている。
【0028】
上型20は、下型10とワークを挟んで略対称に構成されており、図1に示したように、基台11の下に断熱板12が取り付けられ、その下に熱板30が取り付けられ、当該熱板30の下面に、図示しないスタンパが取り付けられる構成となっている。
【0029】
本実施の形態に係る熱板30は、スタンパの処理面を均一かつ急速に加熱及び冷却することができ、かつ信頼性高く昇温速度を制御することができるように、以下のように構成されている。
【0030】
熱板30は、図1〜図4に示すように、例えばステンレス等の金属製の厚さ約20mmの板状体(有効面積1100mm×600mm程度、受圧能力は10MPa程度)で構成され、スタンパ側表面に近い部分に、本発明に係る流体通路としての冷却水穴31がスタンパ側表面と略平行に比較的細かいピッチ(例えば中心軸間距離5mm)で複数並んで開口されている。
【0031】
なお、当該冷却水穴31は、例えば、φ3〜4mm程度の貫通穴をガンドリル等で開口して形成することができる。このため、安価な加工法で形成できると共に、入手容易な一般的なサイズの止栓を使用することができ、製品コストを低く維持することができるという利点がある。
【0032】
この冷却水穴31には、冷却の際に、冷却水マニホールド50、これに接続用コネクタ60(60A、60B)を介して接続される冷却水供給・排出用ホース61によって冷却水が導入されるようになっている。但し、冷却水に限定されるものではなく、他の冷媒を導入させる構成とすることも可能である。
また、加熱の際には、冷却水マニホールド50、これに接続用コネクタ60(60A、60B)を介して接続される冷却水供給・排出用ホース61によってエア等が導入されるようになっている。
【0033】
冷却水穴31の断熱板12側には、ヒータ穴32が形成されている。当該ヒータ穴32は、冷却水穴31に対して断熱板12側寄りの部位に、スタンパ側表面と略平行に比較的粗いピッチ(例えば中心軸間距離10mm)で複数並んで開口される。
【0034】
当該ヒータ穴32は、例えば、φ6〜8mm程度の貫通穴をガンドリル等で穿孔することで形成することができ、従って前記冷却水穴31と同様、安価な加工法で形成できるという利点がある。
このヒータ穴32には、円柱状(或いは棒状)の電熱ヒータが挿入され、加熱の際には当該電熱ヒータが通電されて熱板30を加熱するようになっている。
【0035】
ところで、サイクルタイムの短縮化などのために急速昇温、急速冷却が求められるが、電熱ヒータを熱源として用いる場合においても、エネルギ損失の少ない熱の授受を行う必要がある。
【0036】
このため、本実施の形態においては、図1等に示したように、熱板30と基台11との間に断熱板12を介装し、熱板30以外への熱移動を極力抑制するように構成されている。
【0037】
なお、断熱板12を介装したとしても完全に遮熱することはできないため、熱板30から断熱板12へ熱は伝達されるが、この熱は熱板30を急冷した後の次サイクルにおける昇温過程において熱板30への熱の供給源として利用することができる。
【0038】
一方で、熱板30のスタンパ側表面を急冷するためには、熱板30のスタンパ側表面近傍に冷却水穴31を設けることが望ましく、これは熱板30全体として見れば極力熱板30を冷却しないことにも繋がる。
【0039】
このようなことから、本実施の形態では、図1等に示したように、冷却媒体(例えば冷却水)が流れる冷却水穴32を熱板30のスタンパ側表面の近傍に配設すると共に、熱の供給源である電熱ヒータが挿入されるヒータ穴32を断熱板12側表面近傍に配設するようにし、かかる構成によって熱サイクルにおけるエネルギ損失を極力抑制し、以って熱源及び冷却源の小容量化を可能にしながら、急速昇温、急速冷却を可能にし、延いてはサイクルタイムの短縮化などを促進したものである。
【0040】
ところで、図4に拡大して示したように、前記冷却水穴31の軸方向(図1、図4平面に略直交する方向)における中心軸と、前記ヒータ穴32の軸方向(図1、図4平面に略直交する方向)における中心軸と、は略平行で、かつ1つおきの冷却水穴31の軸方向における中心軸と、ヒータ穴32の軸方向における中心軸と、が、スタンパ方向から見たときに(熱板30を厚さ方向に沿う方向から見たときに)略一致するように、本実施の形態では配設されている。
なお、要求される加工コスト、昇温・冷却特性、ヒータ径、平面度(加熱時)などによっては、2つおき、3つおきに重畳するように配設することもできる。
【0041】
ところで、熱板30のスタンパ側表面は、熱源からの距離が遠い程、温度ムラは改善されるが、熱源からの距離が遠ければ熱板30の質量が増して熱容量が大きくなるため昇温速度が低下してしまう。
【0042】
従って、熱板30の質量を下げ(例えば薄肉化など)、温度ムラを小さくするには面状ヒータなどを使用することが考えられるが、特許文献2について既述したように、面状ヒータは成形面圧に耐えることができない。
【0043】
このため、本実施の形態では、図4で示したように、熱板30自体に比較的細かなピッチで並ぶ横穴加工を施して比較的小径のヒータ穴32を形成し、これに小径の電熱ヒータを挿入することで小径の電熱ヒータを高密度に配置し、熱板30自体を実質的な面状ヒータとして捉えることができるようにしている。
【0044】
また、熱板30の冷却についても、できるだけ小径の冷却管を高密度に配置するのが温度ムラの低減、冷却速度の点などから望ましい。
【0045】
このため、本実施の形態では、図4で示したように、ヒータ穴32よりスタンパ寄りの位置に比較的小径の冷却穴31を前記ヒータ穴32より細かなピッチで横穴加工し、スタンパ方向から見たときに(熱板30を厚さ方向に沿う方向から見たときに)、隣接するヒータ穴32の中心軸と略一致する中心軸を持つ冷却水穴31の間に、更に別の冷却穴31を設けるように構成している。
【0046】
かかる構成の熱板30によれば、加熱の際には、熱板30のスタンパ側表面へのヒータ穴32内の電熱ヒータから受けた熱の伝導は、隣接する冷却水穴31の間(中間位置)を通らなければならない。つまり、本実施の形態の熱板30は、図5に示すように、冷却穴31をヒートダム(熱伝導を中断する構造)として機能させることで、隣接するヒータ穴32内の電熱ヒータにより重畳的に加熱される部位への熱の供給を遮断し、これにより熱板30のスタンパ側表面から見てヒータ穴32(電熱ヒータ)が存在する部分と、ヒータ穴32(電熱ヒータ)が存在しない部分と、の温度ムラを軽減することができるように構成されている。
【0047】
更に、本実施の形態においては、図6に示すように、隣接する冷却穴31同士の中間位置と、当該中間位置の一つと隣接し当該中間位置への熱伝導に対する影響が大きい2つのヒータ穴32(電熱ヒータ)と、の間の距離(図6中A、B参照)の和(A+B)が何れの中間位置においても等しくなるように構成しているので、一定時間内に任意の中間位置に供給される熱量とその時の温度は、熱板30のスタンパ側表面から見るとすべての中間位置において略同等である。
【0048】
従って、円柱状(棒状)の電熱ヒータを用いた構造でありながら、熱板30の有効面積部分の全面をカバーするように面状ヒータを配設した場合と同程度に、熱板30を温度ムラなく昇温させることができることになる。
【0049】
すなわち、本実施の形態によれば、熱板30のスタンパ側表面に近い部位に円柱状の電熱ヒータを配設しただけの構造に比べ、加熱の際に、熱板30のスタンパ側表面の温度ムラの発生を効果的に抑制することができる。また、薄膜ヒータを採用した場合に比べて、成形の際のプレス荷重に耐える強度を確保できると共に、比較的容量の大きな円柱状の電熱ヒータを採用することができるため、加熱時における急速加熱も容易であり、以って熱転写プレスの処理サイクルを短縮することも可能となる。
【0050】
更に、加熱の際には、冷却水穴31内の冷却水をエア等を供給して抜いておくようにすると、冷却水穴31内はエア等で満たされるため、実質的な熱容量を小さくできるのでより効果的に急速加熱が可能であると共に、冷却水穴31のヒートダムとしての機能を効果的に奏させることができることになる。
【0051】
また、冷却の際には、円柱状の電熱ヒータへの通電を停止する一方で、スタンパ側表面近傍に細かいピッチで配設された冷却水穴31に冷却水を流すようにしたので、スタンパ側表面延いてはワークを急速に冷却することができ、以ってスタンパとワークとの間の離型性を良好なものとすることができ、延いては熱転写プレスの処理サイクルを短縮することが可能となる。
【0052】
(熱板保持方法に関して)
ところで、熱板30は、熱膨張により寸法変化を絶えず繰り返すので、熱板30へ応力負荷が生じないように、熱板30を保持することが好ましい。
【0053】
すなわち、熱板30を保持するために熱板30に保持応力が負荷されてしまうと、応力負荷した箇所の熱膨張が妨げられるので、熱板30を保持している部分に偏った応力が加わり、熱板30全体にひずみが生じ、これと当接するスタンパの平面度も悪化することになるため、ワークに対して均一に応力を負荷することができなくなり、以って製品品質を低下させることになる。
【0054】
このため、本実施の形態においては、熱板30の保持は、図2に示したような、基台11に取り付けられるしめ板40(40A、40B、40C)を熱板30の凹部30A、30B、30Cに収容させて保持するだけの構造とした。
【0055】
当該しめ板40(40A、40B、40C)と、熱板30の凹部30A、30B、30Cと、の間のプレス動作方向には、図7に示したように、熱板30が熱膨張した際にも隙間ができるように各寸法が設定されている。また、しめ板40(40A、40B、40C)と、熱板30の凹部30A、30B、30Cと、の間の水平方向(プレス動作方向と略直交する方向)にも、熱板30の熱膨張を許容する隙間が設定されている。
【0056】
但し、図2に示したように、中央付近におけるしめ板40Bの幅方向寸法X1と、熱板30に形成されている凹部30Bの幅方向寸法X2と、の差はやや小さめに設定される共に、一対のしめ板40Bに開口されている窓部40Dの内幅寸法Y1と、この窓部40Dに収容される熱板30の一対の凸部30Dの内幅寸法Y2と、の差は比較的小さな値に設定されており、これにより熱板30の図2平面内における位置決めがなされるようになっている。
【0057】
このような位置決め方法によれば、熱膨張の影響を受け難くしつつ、対面する熱板30同士延いてはスタンパ同士を、図2平面内において基台11に対して良好に位置決めすることができる。
なお、しめ板40Bと、基台11と、の間には、断熱板12と同様の断熱材12Aが介装されている。
【0058】
(断熱板大きさに関して)
本実施の形態では、断熱板12が熱板30の背面全体に接しており、熱板30より狭い面積を持つワーク(延いてはスタンパ)を介して熱板30にプレス荷重が加わると、熱板30のプレス荷重の受圧面積部分(ワーク面積相当部分)に対応する領域の断熱板12は圧縮され弾性変形するが、受圧面積部分以外の領域の断熱板12は、熱板30によって片持ちはりの状態で圧縮され、図8に示すように、熱板30側に反るように変形するため、熱板30に対してプレス荷重の方向と逆方向の力を付与することとなり、熱板30に対して曲げ変形を及ぼす。
【0059】
かかる変形が生じた場合には、熱板30が略おわん状に弾性変形するため、ワークに対して均一に応力を負荷することができなくなり、以って製品品質を低下させることになる。
【0060】
これに対して、図9に示すように、断熱板12の面積を熱板30のプレス荷重の受圧面積部分(ワーク面積相当部分)のみと重畳するように設定した場合には、熱板30の受圧面積部分に荷重が加わった場合でも断熱板12は均等に圧縮されるだけなので、断熱板12が熱板30に対して上述したような曲げ変形を生じさせるようなことはなく、熱板30が略おわん状に変形することを回避することができる。
【0061】
なお、応力の伝達角度を約30度として、断熱板12の外形の大きさは、熱板30の受圧面積の外形を投影した位置を中心として、熱板30の板厚×tan(±30°)(degrees)の大きさにするのが望ましい(図9参照)。
【0062】
(実験結果)
ここで、熱板30について、冷却水穴31を5mmピッチで配設し、ヒータ穴32を10mmピッチで配設し、熱板30の厚さ方向の寸法を20mm、熱板30の有効面積を1100mm×600mm、受圧能力は10MPaとし、
断熱板12は、熱板30の有効面積と等しく1100mm×600mmとし、熱板保持のためのしめ板40と熱板30との間隔は4mmとして実験を行った。
【0063】
その結果、室温20°Cから180°Cまでの昇温速度は、最速で1分で面内の温度ムラは7°C以内であった。
【0064】
特に、熱板30のスタンパ側表面において、ヒータ穴32内に挿入されている電熱ヒータが直下に存在する部分と、ヒータ穴32延いては電熱ヒータが存在しない部分と、の温度ムラは熱電対(サーモカップル:TC)の取り付けやサーモグラフィを用いても1°C以下であり、正確な測定は困難な程度に低減できたことが確認された。
【0065】
なお、ヒータ穴32の直上に冷却水穴31を設けない構成の熱板についても同様の実験を行ったが、熱板のスタンパ側表面において、ヒータ穴32が直下に存在する部分と、ヒータ穴32延いては電熱ヒータが存在しない部分と、の間で、3°C以上の温度差が確認された。
【0066】
(面圧分布)
また、常温にて熱板30の有効エリアにて圧力測定シート(プレスケール(登録商標) 低圧用(LW):測定範囲2.5〜10MPa、フジフィルム社製)を用いて熱板30に8MPaの応力を負荷したところ均一な応力分布を示すことが確認された。
更に、0.5mmのアクリルシート2枚を熱板30で挟み込み、4.5MPaの応力を負荷し、180°C/1miniuteで昇温させたが、エアの混入は1100mm×600mmの有効面積の範囲において一切生じなかった。
以上より、ワーク(製品)には均等な応力が負荷されていることが確認できた。
【0067】
(温度制御)
蒸気や熱媒体を用いて熱板を加熱する場合は、媒体自身の温度が決まっているので昇温特性の制御(例えば、昇温カーブを比較的高い自由度で種々のパターンに制御したり、一定温度に保持することなど)は困難である。
【0068】
これに対し、電熱ヒータを用いて加熱する場合は、電熱ヒータ自身の温度を比較的自由に制御することができることから、最速での急速加熱カーブ(最速カーブ)以下の昇温カーブヘの対応は可能であるし、一定温度に保温制御したり、その後に所望の昇温カーブに沿って再昇温させたりすることも精度良く対応することができる。
【0069】
従って、電熱ヒータを用いる場合には、例えば、急冷後にワークを取り出して次ワークを搬入する間に、熱板30の温度を所望の温度まで昇温させておくことなどが可能であり、それによりサイクルタイムを短くすることができる。
【0070】
また、図2において符号TCで示したような位置に、熱電対(サーモカップル)を埋め込むことで、温度をモニターしながら、電熱ヒータへの通電制御を行うことが可能であり、これにより、より高精度に所望の昇温特性に制御することができる。
なお、TCは、例えば冷却水穴31を配線用通路として利用して取り付けることが可能である。
【0071】
ここで、本実施の形態において採用している冷却水マニホールド50の構造について説明する。
冷却水穴31に対して冷媒(例えば、冷却水)を供給し排出するためには、冷却水供給・排出用供給ホースと接続する必要があるが、冷却水穴31の径が小さいため、個別に冷却水供給・排出用供給ホースを接続するには、小さな接続用コネクタ等も必要となる。
【0072】
小さな径の冷却水供給・排出用供給ホースや接続コネクタは、それぞれに肉厚分を確保する必要があるため実質的な通路面積が小さくならざるを得ず、以って通路抵抗が大きくなり冷却水の供給・排出の効率が悪いといった実情がある。
【0073】
また、接続用コネクタと冷却穴31との接続には、一般に管用テーパねじ(Rc)が採用されるが、径が小さいと、取り付け強度が低く、シール性等を長期に亘って確保することも困難で、更にはねじ穴が破損し易く(所謂バカになり易く)使い勝手が悪いといった実情がある。
【0074】
このため、例えば、管用ねじとして、ある程度以上の強度を有するRc1/4インチ程度(管の外径としては約13.8mm程度)の大きさのものを用いることができるようにすることが望ましい。
【0075】
しかしながら、細かいピッチで配設され小径な冷却水穴31に対して、個別にこのようなサイズの接続用コネクタを取り付けることは難しいため、本実施の形態では、冷却水マニホールド50を採用することとしている。
【0076】
また、冷却水マニホールドを採用するにあたっては、加熱時に熱板30から当該冷却水マニホールド50に熱が逃げないように、また冷却時に冷却水が熱板30から効率良く熱を奪うことができるようにするために、冷却水マニホールド50の質量、サイズはできる限り小さくすることが望まれる。
【0077】
このようなことから、本実施の形態に係る冷却水マニホールド50は、以下のような構成とした。
【0078】
図3に示したように、冷却水マニホールド50は、熱板30の冷却水穴31の長軸方向の両端部の裏側(断熱板12側)に配設される。なお、冷却水マニホールド50は熱板30と同様の材料を用いて形成されることができる。
【0079】
冷却水マニホールド50には、接続用コネクタ60(60A、60B)(Rc1/4インチ程度のサイズの管用テーパねじが備えられている)を取り付けるためのテーパねじ穴51A、51Bが、冷却水穴31が所定ピッチで複数並んで配設されている方向に比較的大きなピッチで複数並んで設けられている。なお、ここでは、テーパねじ穴51A、51Bに、接続用コネクタ60A、60Bが対応してそれぞれ取り付けられるものとして説明する。
【0080】
また、図10に示したように、冷却水マニホールド50の長手方向に亘って2つの冷却水メインホール53A、53Bが相互に独立に設けられている。これら冷却水メインホール53A、53Bは、例えばφ5mmの内径を有し、ガンドリル等により比較的容易に形成することができ、その端部は止栓される。
【0081】
冷却水メインホール53A、53Bには、図10〜図12に示したように、冷却水メインホール53A、53Bと前記テーパねじ穴51A、51Bの底部とをそれぞれ連通する連通路52A、52Bが設けられている。
【0082】
なお、連通路52A、52Bは、ドリル加工等により丸穴の断面形状で形成することができるが、本実施の形態では、図10に示したように、通路断面積をできるだけ大きく(通路抵抗を小さく)するためにエンドミル等を用いて略楕円状の断面形状で形成している。
【0083】
また、前記冷却水メインホール53A、53Bには、図11、図12に示したように、前記連通路52A、52Bと略直交し、熱板30方向に延びる連通路54A、54Bが接続され、これら連通路54A、54Bは、熱板30に設けられている冷却水穴31に、それぞれ独立に接続されるようになっている。なお、連通路54A、54Bは、例えばφ3mmの内径を有し、ドリル加工等により形成することができる。
【0084】
すなわち、テーパねじ穴51Aのそれぞれは連通路52Aを介して冷却水メインホール53Aに接続されると共に、当該冷却水メインホール53Aに接続されている連通路54Aはそれぞれ、熱板30の冷却水穴31の一つと接続されている。
【0085】
そして、これらとは独立に、テーパねじ穴51Bのそれぞれが連通路52Bを介して冷却水メインホール53Bに接続されると共に、当該冷却水メインホール53Bに接続されている連通路54Bはそれぞれ、熱板30の冷却水穴31の一つと接続されている。
【0086】
なお、本実施の形態においては、連通路54Aのそれぞれが接続される冷却水穴31と、連通路54Bのそれぞれが接続される冷却水穴31と、は、熱板30に交互に配設されている。
【0087】
従って、図11に示した接続用コネクタ60B(図2の左側の接続用コネクタ60Bに相当)から冷却水マニホールド50に冷却水が供給されると、冷却水は、一つおきの冷却水穴31を通って反対側の冷却水マニホールド50に導かれ、これに接続されている接続用コネクタ60B(図2の右側の接続用コネクタ60Bに相当)を介して排出されることになると共に、図2の左側の接続用コネクタ60Aから冷却水マニホールド50に冷却水が供給されると、冷却水は、一つおきの冷却水穴31を通って反対側の冷却水マニホールド50に導かれ、図11に示される接続用コネクタ60A(図2の左側の接続用コネクタ60Aに相当)を介して排出されることになる。
【0088】
なお、本実施の形態では、隣接する冷却水穴31同士は、冷却水の流れる方向が相互に逆行するようにし、これにより冷却水穴31について冷却水を同一方向に流す場合に比べて熱板30の温度分布を均一化することができ、以って熱板30の熱ひずみ等を最小に抑制することができる。
【0089】
但し、本実施の形態において、冷却水を同一方向に流すことは可能であるし、一つおきに限らず、部分的に冷却水の流れ方向を逆行させることも可能である。すなわち、少なくとも一つの接続用コネクタ60A或いは60Bへの冷却水の流れ込み(或いは排出)方向を、他の接続用コネクタ60A或いは60Bへの冷却水の流れ込み(或いは排出)方向と異ならせることができるものである。
【0090】
このように、本実施の形態によれば、管用ねじとして所定以上の強度を有するRc1/4インチ程度(管の外径としては約13.8mm程度)の大きさのものを用いることを可能にしながら、冷却水マニホールド50の質量、サイズ延いては熱容量をできる限り小さくすることができ、以って使用勝手を所望に維持しながら、エネルギロスの少ない効率の良い加熱冷却サイクルを実現することができ、延いてはサイクルタイムを短縮することが可能となる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、隣接する冷却水穴31の冷却水の流れる方向を相互に逆行させることができるので、冷却水を同一方向に流す場合に比べて熱板30の温度分布を均一化して熱ひずみ等を効果的に抑制することができる。
【0092】
更に、本実施の形態によれば、冷却水メインホール53A、53Bを設け、各接続用コネクタ60A、60Bから導入される冷却水をここで一旦混合して圧力を均してから、各連通路54A、54B延いては冷却水穴31へ導入するようにしたので、複数の冷却水穴31のうち一部の冷却水穴31への供給圧が高く流れる冷却水量にバラツキが生じて熱の持ち去り量にバラツキが生じるといったことを効果的に抑制することができ、以って熱板30の温度分布を均一化して熱ひずみ等を抑制することができる。
【0093】
本実施の形態では、冷却媒体として冷却水として説明したが、これに限定されるものではなく、他の流体(液体、気体)を熱媒体として用いることができるものである。
【0094】
ところで、冷却水マニホールド50と熱板30との間に温度差があると、冷却水マニホールド50の長手方向(複数の流体通路31の並び方向)において比較的大きな熱膨張差(熱膨張差は長さに比例する)が生じるため、両者の接合面に滑りが生じ、熱板30がボルト締結部の影響により変形し、熱板30の平面度が低下する惧れがある。
【0095】
このような熱板の平面度の低下は、スタンパの平面度の低下を招き、以って成形される製品の品質の維持が難しくなるといった実情がある。
【0096】
このため、本実施の形態においては、複数の流体通路31の並び方向において、冷却水マニホールド50を少なくとも2つに分割した構成とすることができる。これにより、温度差により生ずる冷却水マニホールド50と熱板30の長さの差を低減し(熱膨張差は長さに比例する)、以って熱板30と冷却水マニホールド50間の滑り量を減少させ、延いては滑ったことで発生する熱板30の反り量(たわみ量)を減少させることができ、成形される製品の品質を高く維持することができることになる。
【0097】
なお、冷却水マニホールド50を長手方向において分割した場合、隣接する冷却水マニホールド50の間に隙間を設けることで、冷却水マニホールド50が高温となって膨張した場合でも、隣接する冷却水マニホールド50同士が干渉し合うことを回避でき、以って熱板30に反りを発生させるなどの悪影響を一層確実に抑制することができる。
【0098】
ところで、最終的な被処理対象物はワークであるが、熱板から見ると、熱の授受を行う対象はスタンパ(延いてはワーク)であり、従って、本発明において、スタンパを熱板が熱の授受という処理を行う対象、すなわち被処理対象物とすることもできるものである。
【0099】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る熱板及び熱転写プレス装置によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、スタンパの処理面延いては被処理対象物を均一かつ急速に加熱及び冷却することができると共に、精度良く温度を制御することができ有益である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施の形態に係る熱板装置(熱板、冷却水マニホールド、電熱ヒータなど)を備えた熱転写プレス装置を概略的に示す正面図である。
【図2】同上実施の形態に係る熱板装置の構造を説明するための熱板装置の上面図である。
【図3】同上実施の形態に係る熱板装置の側面図である。
【図4】同上実施の形態に係る熱板に配設された冷却水穴とヒータ穴の一例を示す熱板の側面図である。
【図5】図4に示した熱板の熱伝導の様子を説明するための図である。
【図6】図4に示した熱板の温度分布の均一化(ヒータ穴から冷却水穴の中間位置への熱伝導)について説明するための図である。
【図7】同上実施の形態に係る熱板の支持方法について説明するための図である。
【図8】ワーク(延いてはスタンパ)を介して熱板にプレス荷重が加わった際の断熱板の弾性変形の様子について説明するための図である。
【図9】同上実施の形態における断熱板の外形サイズの設定について説明するための図である。
【図10】同上実施の形態に係る熱板装置に用いられる冷却水マニホールドをテーパねじ穴方向から見た図である。
【図11】図10の冷却水マニホールドを熱板方向から見た図である。
【図12】図10の冷却水マニホールドの側面図である。
【符号の説明】
【0102】
1 熱転写プレス装置
10 下型
20 上型
30 熱板
31 冷却水通路(流体通路)
32 ヒータ穴(ヒータ挿入部)
50 冷却水マニホールド
51A、51B テーパねじ穴
52A、52B 連通路
53A、53B メインホール
54A、54B 連通路
60A、60B 接続用コネクタ
61 流体供給・排出用ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理対象物に対して熱の授受を行うための熱板であって、
被処理対象物に対する熱の授受面に対して略平行に並んで配設される複数の流体通路と、
当該複数の流体通路より前記熱の授受面から遠い位置において、前記複数の流体通路と略平行に並んで配設され、内部に電熱ヒータが挿入される複数のヒータ挿入部と、
を備え、
前記熱の授受面に略直交する方向から見たときに、ヒータ挿入部の長軸方向中心軸が流体通路の長軸方向中心軸と略一致すると共に、隣接するヒータ挿入部の間に少なくとも1つの流体通路が配設されることを特徴とする熱板。
【請求項2】
前記複数の流体通路の穴径が、ヒータ挿入部の穴径より小さいことを特徴とする請求項1に記載の熱板。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の熱板を備えた熱転写プレス装置であって、
被処理対象物を冷却する際に、前記流体通路に冷却媒体を流通させることを特徴とする熱転写プレス装置。
【請求項4】
複数の流体通路の少なくとも一部を流れる冷却媒体は、他の流体通路を流れる冷却媒体の流れ方向と逆方向であることを特徴とする請求項3に記載の熱転写プレス装置。
【請求項5】
隣接する流体通路を流れる冷却媒体の流れ方向が逆方向であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の熱転写プレス装置。
【請求項6】
熱板は、プレス動作方向において所定の遊動が許容されつつ保持されることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか1つに記載の熱転写プレス装置。
【請求項7】
プレス圧力を熱板の背面で支える背面側受圧領域外形が、プレス圧力を受ける熱板のスタンパ側の受圧領域外形をプレス動作方向から投影したときの投影線と、背面側受圧平面と、の交点に対して、熱板の板厚×(±tan略30°)の範囲内に収まることを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1つに記載の熱転写プレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−64413(P2010−64413A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234339(P2008−234339)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000100861)アイダエンジニアリング株式会社 (153)
【Fターム(参考)】