説明

物品搬送設備

【課題】 移載装置に装備の制御手段のメモリ容量を極力小さくしながら、目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを予め記憶しておく作業の簡素化を図る。
【解決手段】 複数の目標停止位置を示す、移動体についての基準水平位置からの目標水平移動距離情報と昇降体についての基準昇降位置からの目標昇降移動距離情報とのうち、少なくとも目標水平移動距離情報を記憶する記憶手段41が、移載装置4の外部に、制御手段と通信自在に設けられ、移載装置4に装備の制御手段は、複数の目標停止位置を示す目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報の両者を記憶手段から取得する、または、目標水平移動距離情報を記憶手段から取得しかつ目標昇降移動距離情報を予め記憶保持することにより求める目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降体を選択的に位置させるべく、移動体の水平移動および昇降体の昇降移動を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業通路が、その側脇に複数の収納部を縦横に備える物品収納棚を配置する状態で、その長手方向に直交する方向を並設方向として複数並設され、前記作業通路を水平移動する移動体、および、その移動体に立設された昇降マストに沿って昇降移動自在でかつ物品移載手段を備える昇降体を備える移載装置が、前記作業通路の数よりも少なくなる形態で複数設けられ、前記複数の移載装置の夫々が、前記移動体の水平移動により、複数の前記作業通路の夫々においてその端部の外方の乗降箇所まで水平移動自在に構成され、複数の前記作業通路についての複数の前記乗降箇所のいずれかに選択的に位置するように前記作業通路の並設方向に移動自在で、前記乗降箇所において前記移載装置を乗降する搬送装置が設けられ、複数の前記作業通路の夫々における前記移動体の水平移動について、基準水平位置からの前記移動体の水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段と、前記昇降マストに沿った前記昇降体の昇降移動について、基準昇降位置からの前記昇降体の昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段とが設けられ、前記移載装置に装備されてその運転を制御する制御手段が、前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報に基づいて、複数の作業通路のうちでその移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置された前記物品収納棚における複数の前記収納部の夫々に対応する複数の目標停止位置のいずれかに前記昇降体を選択的に位置させるべく、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、前記昇降体を目標停止位置に位置させた状態で前記収納部に対する物品の出し入れを行うべく、前記物品移載手段の移載作動を制御するように構成されている物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品搬送設備は、自動倉庫などに適応され、搬送装置が複数の乗降箇所のうちから目的の乗降箇所に位置するように移動して移載装置を乗り降りさせ、移載装置に装備の制御手段が、複数の目標停止位置のうちから目的の収納部に対応する目標停止位置に昇降体が位置するように移動体を水平移動および昇降体を昇降移動してその目標停止位置に昇降体を位置させた状態において物品移載手段にて物品の出し入れを行うことにより、物品収納棚の収納部へ物品を入庫する入庫作業や物品収納棚の収納部から物品を出庫する出庫作業を行うものである。
【0003】
このような物品搬送設備では、移載装置としてスタッカークレーンが設けられ、搬送装置としてトラバーサが設けられ、トラバーサが目的の乗降箇所に位置するように移動してスタッカークレーンを乗り降りさせ、スタッカークレーンに装備の制御手段が、複数の作業通路のうちでそのスタッカークレーンが現在位置する作業通路に対応して設置された物品収納棚に対して、目的の収納部に対応する目標停止位置に昇降体を位置するように移動体の水平移動および昇降体の昇降移動を制御し、かつ、その目標停止位置に昇降体を位置させた状態で物品移載手段の移載作動を制御することにより、複数の収納部のうちで目的の収納部に対して物品の出し入れを行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
前記複数の目標停止位置は、移動体についての基準水平位置からの目標水平移動距離情報と昇降体についての基準昇降位置からの目標昇降移動距離情報とから示される。
そして、複数の作業通路の夫々における移動体の水平移動について、基準水平位置からの水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段と、昇降マストに沿った昇降体の昇降移動について、基準昇降位置からの昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段とを設け、移載装置に装備の制御手段が、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報と、水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報とに基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降体を選択的に位置すべく、移動体の水平移動および昇降体の昇降移動を制御する。
【0005】
複数の目標停止位置については、組み立て誤差などにより物品収納棚によって異なることがあるので、複数の作業通路のいずれかに対応して設置された物品収納棚における複数の目標停止位置に昇降体を適正に位置させるためには、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てについての目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報が必要となる。
そこで、従来では、複数の移載装置に装備の制御手段の全てが、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てについて、目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを予め記憶保持している。
【0006】
【特許文献1】特開2004−99213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の物品搬送設備では、移載装置に装備の制御手段のメモリに、複数の作業通路に対応して設置された物品収納棚が備える複数の収納部の全てについての目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶保持するだけの容量を必要とするが、その制御手段のメモリには、移動体の水平移動および昇降体の昇降移動を制御するための情報も記憶しているので、移載装置に装備の制御手段のメモリとして容量の大きなものが必要となる。
したがって、コストアップを招いたり、さらに、作業通路の数を増加させて、その増加する作業通路に対応して設置する物品収納棚が備える複数の収納部についての目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を追加して記憶させることができず、設備の大型化を図ることができない虞がある。
【0008】
また、上記従来の物品搬送設備では、複数の移載装置に装備の制御手段の全てに対して、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てについての目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを予め記憶保持させておく必要があるので、それだけ作業が煩わしいものとなっている。
【0009】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、移載装置に装備の制御手段のメモリ容量を極力小さくしながら、目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを予め記憶しておく作業の簡素化を図ることができる物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品搬送設備の第1特徴構成は、作業通路が、その側脇に複数の収納部を縦横に備える物品収納棚を配置する状態で、その長手方向に直交する方向を並設方向として複数並設され、前記作業通路を水平移動する移動体、および、その移動体に立設された昇降マストに沿って昇降移動自在でかつ物品移載手段を備える昇降体を備える移載装置が、前記作業通路の数よりも少なくなる形態で複数設けられ、前記複数の移載装置の夫々が、前記移動体の水平移動により、複数の前記作業通路の夫々においてその端部の外方の乗降箇所まで水平移動自在に構成され、複数の前記作業通路についての複数の前記乗降箇所のいずれかに選択的に位置するように前記作業通路の並設方向に移動自在で、前記乗降箇所において前記移載装置を乗降する搬送装置が設けられ、複数の前記作業通路の夫々における前記移動体の水平移動について、基準水平位置からの前記移動体の水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段と、前記昇降マストに沿った前記昇降体の昇降移動について、基準昇降位置からの前記昇降体の昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段とが設けられ、前記移載装置に装備されてその運転を制御する制御手段が、前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報に基づいて、複数の作業通路のうちでその移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置された前記物品収納棚における複数の前記収納部の夫々に対応する複数の目標停止位置のいずれかに前記昇降体を選択的に位置させるべく、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、前記昇降体を目標停止位置に位置させた状態で前記収納部に対する物品の出し入れを行うべく、前記物品移載手段の移載作動を制御するように構成されている物品搬送設備において、
前記複数の目標停止位置を示す、前記移動体についての前記基準水平位置からの目標水平移動距離情報と前記昇降体についての前記基準昇降位置からの目標昇降移動距離情報とのうち、少なくとも前記目標水平移動距離情報を記憶する記憶手段が、前記移載装置の外部に、前記制御手段と通信自在に設けられ、前記移載装置に装備の前記制御手段は、前記複数の目標停止位置を示す前記目標水平移動距離情報と前記目標昇降移動距離情報の両者を前記記憶手段から取得する、または、前記目標水平移動距離情報を前記記憶手段から取得しかつ前記目標昇降移動距離情報を予め記憶保持することにより求める前記目標水平移動距離情報と前記目標昇降移動距離情報に基づいて、前記複数の目標停止位置のいずれかに前記昇降体を選択的に位置させるべく、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御するように構成されている点にある。
【0011】
すなわち、記憶手段が、複数の作業通路に対応して設置された物品収納棚が備える複数の収納部の全てについての目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とのうち、少なくとも目標水平移動距離情報を記憶することになる。
前記記憶手段が目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報との両者を記憶する場合には、移載装置に装備の制御手段が、記憶手段との間の通信により、移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置される物品収納棚が備える複数の収納部についての目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報との両者を取得できることになる。
また、記憶手段が目標水平移動距離情報を記憶する場合には、移載装置に装備の制御手段が、記憶手段との間の通信により、移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置される物品収納棚が備える複数の収納部についての目標水平移動距離情報を取得できる。そして、目標昇降移動距離情報については、移載装置に装備の制御手段が、複数の作業通路に対応して設置された物品収納棚が備える複数の収納部の全てについての目標昇降移動距離情報を予め記憶保持しておくことにより、その記憶保持している目標昇降移動距離から移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置される物品収納棚が備える複数の収納部についての目標昇降移動距離情報を求めることができる。
このようにして、複数の移載装置に装備の複数の制御手段の全ては、移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置される物品収納棚における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを取得することができ、移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置される物品収納棚における複数の目標停止位置のいずれかに昇降体を選択的に位置すべく、移動体の水平移動および昇降体の昇降移動を制御できることになる。
【0012】
そして、移載装置に装備の制御手段に対しては、目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報のうち、多くとも目標昇降移動距離を予め記憶保持させておくだけでよく、目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報との両者を予め記憶保持させておく必要はないので、制御手段に予め記憶保持させる情報量を少なくできることになる。
また、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報のうち、目標水平移動距離情報については、記憶手段に記憶させるだけでよく、複数の移載装置に装備の複数の制御手段の全てに対して記憶させる必要はないので、目標水平移動距離情報については記憶手段に記憶させる作業を行うだけでよい。
【0013】
以上のことから、本発明によれば、移載装置に装備の制御手段のメモリ容量を極力小さくしながら、目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを予め記憶しておく作業の簡素化を図ることができる物品搬送設備を提供できるに至った。
【0014】
本発明にかかる物品搬送設備の第2特徴構成は、前記昇降体に、前記物品収納棚における前記各収納部に対応する部材を検出する部材検出手段が設けられ、前記制御手段が、学習運転を指令されると、複数の前記収納部の夫々に対応する部材を前記部材検出手段にて順次検出させるように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、前記部材検出手段が前記収納部に対応する部材を検出した状態における前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報に基づいて、その収納部に対応する目標停止位置についての、前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を求める学習運転を行うように構成され、前記記憶手段が、前記制御手段が前記学習運転により求めた前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報のうちの少なくとも前記目標水平移動距離情報を記憶するように構成されている点にある。
【0015】
すなわち、移載装置に装備の制御手段に対して学習運転を指令すると、その制御手段が、学習運転を行う。そして、制御手段は、学習運転を行うことにより、複数の収納部の夫々に対応する部材を部材検出手段にて順次検出させるように、移動体を水平移動および昇降体を昇降移動させて、部材検出手段が収納部に対応する部材を検出した状態における水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報に基づいて、その収納部に対応する目標停止位置についての、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めることになる。
そして、記憶手段が、制御手段が学習運転により求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報のうちの少なくとも目標水平移動距離情報を記憶するので、制御手段が学習運転により求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報のうちの少なくとも目標水平移動距離情報を記憶手段に記憶させる作業を行うだけでよい。
【0016】
このように学習指令を与えて学習運転を行い、その学習運転により求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報のうちの少なくとも目標水平移動距離情報を記憶手段に記憶させる作業を行うだけで、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てについての目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とのうち、少なくとも目標水平移動距離情報を記憶手段に記憶させておくことができ、作業の簡素化を図ることができることになる。
そして、記憶手段に記憶される情報は、学習運転を行って実際に移動体を水平移動および昇降体を昇降移動させることにより得られた情報であるので、適正な情報を記憶手段に記憶されることができることになる。
【0017】
本発明にかかる物品搬送設備の第3特徴構成は、前記物品収納棚が、前記作業通路の長手方向に間隔を隔てて立設される複数の支柱とその支柱の長手方向に間隔を隔てて設けられる複数の物品載置用の載置支持部とを備え、前記収納部が、前記載置支持部に物品を載置支持する形態で物品を収納するように構成され、前記部材検出手段が、前記支柱を検出する支柱検出手段と前記載置支持部を検出する載置支持部検出手段とから構成され、前記制御手段が、前記学習運転において、各収納部における前記載置支持部を前記載置支持部検出手段にて検出させ、かつ、各収納部に隣接位置する前記支柱における各収納部の前記載置支持部の設置箇所相当部分を前記支柱検出手段にて検出させるように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御するように構成されている点にある。
【0018】
すなわち、各収納部が、隣接位置する支柱の長手方向に間隔を隔てて設けられる載置支持部に物品を載置支持する形態で物品を収納するので、各収納部に対応する目標停止位置についての目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報は、収納部に隣接位置する支柱についての基準水平位置からの距離および収納部に対応する載置支持部についての基準昇降位置からの距離を基準に求めることができることになる。
そして、制御手段は、学習運転を行うことにより、各収納部における載置支持部を載置支持部検出手段にて検出させ、かつ、各収納部に隣接位置する支柱における各収納部の載置支持部の設置箇所相当部分を支柱検出手段にて検出させるように、移動体の水平移動および昇降体の昇降移動を制御して、載置支持部検出手段が載置支持部を検出した状態における昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報に基づいて、その載置支持部についての基準昇降位置からの距離を求めることができ、かつ、支柱検出手段が支柱における載置支持部の設置箇所相当部分を検出した状態における水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報に基づいて、その支柱についての基準水平位置からの距離を求めることができることになる。
したがって、制御手段が学習運転を行うことにより求める載置支持部についての基準昇降位置からの距離および支柱についての基準水平位置からの距離に基づいて、各収納部に対応する目標停止位置を示す目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を的確に求めることができることになる。
【0019】
本発明にかかる物品搬送設備の第4特徴構成は、前記制御手段が、前記学習運転において、前記目標水平移動距離情報については、複数の前記物品収納棚が備える複数の前記収納部の全てを学習対象とし、かつ、前記目標昇降移動距離情報については、複数の前記物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の前記収納部を学習対象として、学習対象としない前記物品収納棚における前記収納部に対応する目標停止位置についての、前記目標昇降移動距離情報を、学習した物品収納棚における前記収納部について求めた前記目標昇降移動距離情報を代用するように構成されている点にある。
【0020】
すなわち、目標水平移動距離情報については、制御手段が、複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てを学習対象として学習運転を行うことによって、複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てにおける目標停止位置についての目標水平移動距離情報を求めることができることになる。
前記目標昇降移動距離情報については、制御手段が、複数の物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の収納部を学習対象として学習運転を行うことによって、その学習対象とした収納部における目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を求めることができる。そして、学習対象としない物品収納棚に対応する目標停止位置についての目標昇降移動距離情報については、学習運転を行うことにより求めた目標昇降移動距離情報を代用することにより求めることができる。したがって、複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てにおける目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を求めることができることになる。
【0021】
例えば、物品収納棚に備えられる支柱が傾いた状態で組み立てられると、各収納部に対応する目標停止位置は、上下方向よりも水平方向に大きく変位し易い。また、例えば、物品移載手段がフォーク式の物品移載手段にて構成されているものでは、目標停止位置に位置する昇降体を昇降させることにより収納部に対して物品の出し入れを行うので、目標停止位置に昇降体を位置させるに当り、上下方向での昇降体の位置について高い精度を求められない。
したがって、目標昇降移動距離情報は、目標水平移動距離情報に比べて、精度の高い情報が求められないので、学習対象としない物品収納棚に対応する目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を、学習運転を行うことにより求めた目標昇降移動距離情報にて代用しても、学習対象としていない物品収納棚が備える複数の収納部に対しても、物品の出し入れを適正に行うことができる情報を得られることになる。
【0022】
このようにして、学習運転を行うことにより複数の物品収納棚が備える複数の収納部の全てにおける目標停止位置についての適正な目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを求めることができる。
しかも、目標昇降移動距離情報については、複数の物品収納棚のうちの一部の物品収納棚だけを学習対象として学習運転を行うことから、学習対象とする収納部の数を少なくすることができ、作業の簡素化を図ることができることになる。
【0023】
本発明にかかる物品搬送設備の第5特徴構成は、複数の前記移載装置のうちの一部が学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、複数の作業通路に対応して設置された複数の前記物品収納棚の全てに対して前記学習運転を実行するように構成され、前記記憶手段が、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転により求めた前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を記憶するように構成され、複数の前記移載装置のうちの前記学習運転を実行しない移載装置が個体差学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、前記個体差学習運転として、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転を行った複数の前記物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の前記収納部のうちの少なくとも一部を学習対象として、前記学習運転を行うように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、その学習運転により、学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報と、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転によって、前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報との比較により個体差情報を求めるように構成され、かつ、複数の前記物品収納棚における複数の収納部のうちで、少なくとも前記学習運転を実行していない収納部についての目標停止位置を示す前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を、前記記憶手段に記憶されている前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を前記個体差情報にて補正することにより求めるように構成されている点にある。
【0024】
すなわち、複数の移載装置の間では個体差があるので、移載装置に装備の制御手段が学習運転を行うことにより求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報は、その移載装置に対応する情報であり、他の移載装置に対しては必ずしもその移載装置に対応した情報とはなっていない虞がある。したがって、複数の移載装置に装備の複数の制御手段の夫々は、自己が運転を制御する移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得することが要求される。
そこで、複数の移載装置の全てを学習運転用の移載装置として定めて、それに装備の制御手段が、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚の全てに対して学習運転を実行するように構成することが考えられる。
しかしながら、この場合には、複数の移載装置に装備の複数の制御手段の全てが、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚の全てに対して学習運転を行うことになり、学習対象とする収納部の数が増大して、作業の複雑化を招くとともに、作業にかかる時間が長時間になる。
【0025】
本発明によれば、複数の移載装置のうちの一部を学習運転用の移載装置として定め、学習運転を実行しない残りを個体差学習運転用の移載装置として定める。
そして、学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚の全てを学習対象として学習運転を実行して、学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めることができ、その求めた学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶手段が記憶することになる。
また、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、学習運転用の移載装置に装備の制御手段が学習運転を行った複数の物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の収納部のうちの少なくとも一部を学習対象として学習運転を行い、その学習対象とする収納部について水平移動距離検出情報および昇降移動距離検出情報を検出する。そして、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、その学習対象とする収納部について、自己が検出した水平移動距離検出情報および昇降移動距離検出情報と、学習運転用の移載装置に装備の制御手段が検出した水平移動距離検出情報および昇降移動距離検出情報とを比較することにより、学習運転用の移載装置と個体差学習運転用の移載装置との間での個体差を示す個体差情報を求めることができることになる。個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、記憶手段との通信により記憶手段に記憶されている学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得して、その取得した目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を個体差情報にて補正することにより、個体差学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めることができることになる。
【0026】
このようにして、学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得することができ、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段も、個体差学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得できることとなって、複数の移載装置に装備の複数の制御手段の夫々は、自己が運転を制御する移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得できることになる。
【0027】
そして、学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、複数の物品収納棚の全てを学習対象とするものの、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、学習運転用の移載装置に装備の制御手段が学習運転を行った複数の物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の収納部のうちの少なくとも一部を学習対象とすることから、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段が学習対象とする収納部の数を少なくすることができ、作業の簡素化を図ることができるとともに、作業にかかる時間の短縮化を図ることができることになる。
また、例えば、複数の移載装置のうちの一つを学習運転用の移載装置として定め、残りを個体差学習運転用の移載装置として定めることにより、学習対象とする収納部の数を極力少なくすることができることとなって、作業の簡素化および作業にかかる時間の短縮化が顕著なものとなる。
【0028】
本発明にかかる物品搬送設備の第6特徴構成は、複数の前記移載装置のうちの一部が学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、複数の作業通路に対応して設置された複数の前記物品収納棚の全てに対して前記学習運転を実行するように構成され、前記記憶手段が、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転により求めた前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報のうち、前記目標水平移動距離情報を記憶するように構成され、複数の前記移載装置のうちの前記学習運転を実行しない移載装置が個体差学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、前記個体差学習運転として、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転を行った複数の前記物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の前記収納部のうちの少なくとも一部を学習対象として、前記目標水平移動距離情報についての学習運転を行い、かつ、複数の前記物品収納棚のうちの少なくとも一部を学習対象として、前記目標昇降移動距離情報についての学習運転を行うように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、その学習運転により、学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報と、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転によって、前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離情報との比較により個体差情報を求めるように構成され、かつ、複数の前記物品収納棚における複数の収納部のうちで、少なくとも前記学習運転を実行していない収納部についての目標停止位置を示す前記目標水平移動距離情報を、前記記憶手段に記憶されている前記目標水平移動距離情報を前記個体差情報にて補正することにより求めるように構成されている点にある。
【0029】
すなわち、複数の移載装置のうちの一部を学習運転用の移載装置として定め、学習運転を実行しない残りを個体差学習運転用の移載装置として定める。
そして、学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚の全てを学習対象として学習運転を行うわけであるが、目標水平移動距離情報については、複数の作業通路に対応して設置された複数の物品収納棚の全てを学習対象として学習運転を行い、かつ、目標昇降移動距離情報については、複数の物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の前記収納部を学習対象として学習運転を行い、学習対象としない物品収納棚における収納部に対応する目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を、学習した物品収納棚における収納部について求めた目標昇降移動距離情報を代用することになる。このようにして、学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めることができることになる。
そして、学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報については、記憶手段が記憶し、かつ、学習運転用の移載装置に対応する目標昇降移動距離情報については、学習運転用の移載装置に装備の制御手段が記憶保持する。
また、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、学習運転用の移載装置に装備の制御手段が学習運転を行った複数の物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の収納部のうちの少なくとも一部を学習対象として目標水平移動距離情報についての学習運転を行い、その学習対象とする収納部について水平移動距離検出情報を検出する。そして、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、目標水平移動距離情報についての学習運転において学習対象とする収納部について、自己が検出した水平移動距離検出情報と、学習運転用の移載装置に装備の制御手段が検出した水平移動距離検出情報とを比較することにより、学習運転用の移載装置と個体差学習運転用の移載装置との間での個体差を示す個体差情報を求めることができることになる。個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、記憶手段との通信により記憶手段に記憶されている学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報を取得して、その取得した目標水平移動距離情報を個体差情報にて補正することにより、個体差学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報を求めることができることになる。また、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、複数の物品収納棚のうちの少なくとも一部を学習対象として目標昇降移動距離情報についての学習運転を行い、学習対象としない物品収納棚における収納部に対応する目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を、学習した物品収納棚における収納部について求めた目標昇降移動距離情報を代用することにより、個体差学習運転用の移載装置に対応する目標昇降移動距離情報を求めることができることになる。
【0030】
このようにして、学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得することができ、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段も、個体差学習運転用の移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得できることとなって、複数の移載装置に装備の複数の制御手段の夫々は、自己が運転を制御する移載装置に対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得できることになる。
【0031】
そして、目標水平移動距離情報について、学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、複数の物品収納棚の全てを学習対象とするものの、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、学習運転用の移載装置に装備の制御手段が学習運転を行った複数の物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の収納部のうちの少なくとも一部を学習対象とすることから、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段が学習対象とする収納部の数を少なくすることができ、作業の簡素化を図ることができるとともに、作業にかかる時間の短縮化を図ることができることになる。
また、例えば、複数の移載装置のうちの一つを学習運転用の移載装置として定め、残りを個体差学習運転用の移載装置として定めることにより、学習対象とする収納部の数を極力少なくすることができることとなって、作業の簡素化および作業にかかる時間の短縮化が顕著なものとなる。
【0032】
本発明にかかる物品搬送設備の第7特徴構成は、前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段は、前記個体差学習運転において、前記物品収納棚が備える一つの支柱を学習対象として、前記目標水平移動距離情報についての学習運転を行うように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御するように構成されている点にある。
【0033】
すなわち、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、一つの支柱における各収納部の載置支持部の設置箇所相当部分を支柱検出手段にて検出させるように、移動体の水平移動および昇降体の昇降移動を制御することになる。したがって、学習対象とする部材が一つの支柱となり、作業の簡素化および作業にかかる時間の短縮化を図ることができることになる。
【0034】
本発明にかかる物品搬送設備の第8特徴構成は、前記水平移動距離検出手段が、前記移動体に設けられて、前記移動体の水平移動方向に沿って設けられた係合体に対して係合する回転体の回転によりパルスを出力するエンコーダにて構成され、前記移動体には、その水平移動経路に間隔を隔てて少なくとも二つ設けられた基準部材を検出する基準部材検出手段が設けられ、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段は、前記基準部材検出手段にて少なくとも二つの前記基準部材を検出させるように、前記移動体の水平移動を制御し、かつ、前記基準部材検出手段が前記基準部材を検出してから次の前記基準部材を検出するまでにおける前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報に基づいて、二つの前記基準部材間の距離についてのパルス数情報を求めるように構成され、前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段は、前記基準部材検出手段にて少なくとも二つの前記基準部材を検出させるように、前記移動体の水平移動を制御し、かつ、前記基準部材検出手段が前記基準部材を検出してから次の前記基準部材を検出するまでにおける前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報に基づいて求めた二つの前記基準部材間の距離についてのパルス数情報と、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が求めた前記パルス数情報との比較によりパルス数の差情報を求めるように構成され、かつ、前記記憶手段に記憶されている前記目標水平移動距離情報と前記パルス数の差情報に基づいて、前記複数の目標停止位置のいずれかに前記昇降体を選択的に位置させるべく、前記移動体の水平移動を制御するように構成されている点にある。
【0035】
すなわち、水平移動距離検出手段が、移動体の水平移動方向に沿って設けられた係合体に対して係合する回転体の回転によりエンコーダにて構成されているので、移載装置に装備の制御手段は、エンコーダから出力されるパルス数を検出することにより、移動体についての基準水平位置からの水平移動距離検出情報を検出できることになる。
そして、制御手段は、エンコーダから出力されるパルス数に相当する距離情報が目標水平移動距離情報と一致すべく、移動体の水平移動を制御することにより、水平方向において目標停止位置に昇降体を位置させることができることになる。
【0036】
前記記憶手段に記憶される目標水平移動距離情報は、学習運転用の移載装置の移動体に設けたエンコーダから出力されたパルス数情報となる。しかしながら、エンコーダによる個体差によって、エンコーダから出力される1パルスに相当する距離情報はエンコーダによって異なる虞があるので、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、記憶手段から取得する目標水平移動距離情報をそのまま用いると、水平方向において目標停止位置から位置ズレした状態で昇降体を位置させることになる可能性がある。
【0037】
本発明によれば、学習運転用の移載装置に装備の制御手段、および、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段の両者が、基準部材検出手段にて少なくとも二つの基準部材を検出させるように移動体を水平移動させて、基準部材検出手段が基準部材を検出してから次の基準部材を検出するまでにおけるエンコーダから出力されるパルス数に基づいて、二つの基準部材間の距離についてのパルス数情報を求める。
前記個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、自己が求めたパルス数情報と学習運転用の移載装置に装備の制御手段が求めたパルス数情報とを比較することにより、パルス数の差情報を求めることになる。
そして、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、記憶手段に記憶されている目標水平移動距離情報とパルス数の差情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降体を選択的に位置させるべく、移動体の水平移動を制御することになる。
【0038】
このようにして、個体差学習運転用の移載装置に装備の制御手段は、記憶手段に記憶されている目標水平移動距離情報をそのまま用いるのではなく、パルス数の差情報により個体差学習運転用の移載装置の移動体に設けたエンコーダから出力される1パルスに相当する距離情報を基準としたものに変換させて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降体を選択的に位置させるべく、移動体の水平移動を制御することとなって、水平方向において目標停止位置に昇降体を位置させることができることになる。
【0039】
本発明にかかる物品搬送設備の第9特徴構成は、前記記憶手段が、前記複数の作業通路の夫々に配設された複数の情報記憶用タグにて構成され、複数の前記情報記憶用タグの夫々が、設置された作業通路に対応する前記物品収納棚における前記複数の目標停止位置についての情報を記憶するように構成されている点にある。
【0040】
すなわち、複数の作業通路の夫々に配設される複数の情報記憶用タグの夫々は、設置された作業通路に対応する物品収納棚における複数の目標停止位置についての情報を記憶しているので、情報記憶用タグには、物品収納棚とその物品収納棚における複数の目標停止位置についての情報とを関連付けて記憶することができ、その記憶構成の簡素化を図ることができることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明にかかる物品搬送設備を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態について説明すると、この第1実施形態における物品搬送設備は、図1および図2に示すように、物品収納棚1に対する入出庫作業用の作業通路2が、その側脇に物品収納棚1を配置する状態で、その長手方向に直交する方向を並設方向として複数並設されている。
図1は、物品搬送設備の平面図であり、図2は、物品搬送設備の一つの作業通路2における斜視図である。
【0042】
そして、物品収納棚1に縦横に並べて備えられた複数の収納部3の夫々に対して物品Bの出し入れを行う移載装置としてのスタッカークレーン4と、このスタッカークレーン4の走行により乗り降り自在で複数の作業通路2の一つに選択的に位置するように移動自在な搬送装置としてのトラバーサ5とが設けられている。
【0043】
前記物品収納棚1は、作業通路2の側面図を示す図3に示すように、複数の支柱6が水平方向(作業通路2の長手方向)に間隔を隔てて立設され、その支柱6の夫々に、水平方向に延びる複数の物品載置用の載置支持部7を支柱6の長手方向に間隔を隔てて配設されている。
そして、収納部3が、載置支持部7に物品Bを載置支持する形態で物品Bを収納するように構成されている。
【0044】
前記作業通路2の夫々には、スタッカークレーン4を水平移動させるための案内レール8が作業通路2の長手方向に沿って備えられている。
前記スタッカークレーン4は、図3に示すように、案内レール8に沿って走行自在な移動体としての走行台車9と、その走行台車9に対して昇降自在な昇降体としての昇降台10とを備えて構成され、昇降台10に物品9を載せたパレットPごと移載可能な物品移載手段としてのフォーク装置11を設けている。
また、スタッカークレーン4の上端部は、図2に示すように、支持フレーム12により支持される左右両側のガイドローラ13が、物品収納棚1に設けたガイドレール14に沿って案内支持されている。
【0045】
そして、スタッカークレーン4は、走行台車9の走行および昇降台10の昇降により、複数の作業通路2のうちで現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の収納部3の夫々に対応する複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させ、かつ、フォーク装置11の移載作動により、昇降台10を目標停止位置に位置させた状態で収納部3に対する物品Bの出し入れを行うように構成されている。
前記スタッカークレーン4は、作業通路2の数よりも少なくなる形態で複数設けられ、この実施形態では、作業通路2が4つ並設され、スタッカークレーン4が2つ設けられている。
【0046】
前記昇降台10は、走行台車9に立設した前後一対の昇降マスト15に沿って昇降自在に案内支持され、その左右両側に連結した昇降用チェーン16にて吊下げ支持されている。
この昇降用チェーン16は、スタッカークレーン4の上部フレーム17に設けた案内スプロケット18と一方の昇降マスト15に設けた案内スプロケット19とに巻き掛けられて、走行台車9の一端に装備した巻き取りドラム20に連結されている。
そして、巻き取りドラム20をインバータ式のモータである昇降用電動モータ21にて正逆に駆動回転させて、昇降用チェーン16の繰り出しや巻き取り操作で昇降台10を昇降させるように構成されている。
【0047】
前記走行台車9には、その水平方向に測距用のビーム光を投射する昇降用レーザ測距計22と、その昇降用レーザ測距計22にて投射されたビーム光の進路を鉛直上方に屈曲させて昇降台10の下面に設置された反射板23に照射するためのミラー24とが設けられている。
そして、昇降用レーザ測距計22は、昇降台10の昇降方向において、走行台車9に設けられたミラー24の配設位置を基準昇降位置として、その基準昇降位置と昇降台10との距離を検出することにより、基準昇降位置からの昇降移動距離を検出するように構成されている。このようにして、昇降マスト15に沿った昇降台10の昇降移動について、基準昇降位置からの昇降台10の昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段が、昇降用レーザ測距計22にて構成されている。
【0048】
また、走行台車9には、案内レール8上を走行自在な前後二つの車輪25が設けられ、それら二つの車輪25の一端側の車輪が、インバータ式のモータである走行用電動モータ26にて駆動される推進用の駆動輪25aとして構成され、他端側の車輪が、遊転自在な従動輪25bとして構成されている。
【0049】
前記案内レール8の一端側には、水平方向に測距用のビーム光を投射する走行用レーザ測距計27が設けられ、走行台車9には、走行用レーザ測距計27からのビーム光を反射する反射板28が設けられている。
そして、走行用レーザ測距計27は、走行台車9に設置されている反射板28に向けて投射して、自己の設置位置を基準水平位置として、基準水平位置からの水平移動距離を検出するように構成されている。このようにして、複数の作業通路2の夫々における走行台車9の水平移動について、基準水平位置からの走行台車9の水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段が、走行用レーザ測距計27にて構成されている。
【0050】
前記各作業通路2の端部の外方には、図1に示すように、トラバーサ5にスタッカークレーン4を乗り降りさせる乗降箇所30が設けられ、スタッカークレーン4が、走行台車10の走行により、各作業通路2において乗降箇所30まで水平移動してトラバーサ5に対して載り降りするように構成されている。
そして、トラバーサ5には、乗降箇所30に位置する状態において、作業通路2の案内レール8の端部とトラバーサ5上の位置との間で、スタッカークレーン4を走行案内させるレール部33とガイドレール部34とが設けられている。
【0051】
また、トラバーサ5は、遊転輪31と電動モータ32により回転駆動させる駆動輪31aとを備えて、作業通路2の並設方向に沿って設けられた2本のレール29上を移動自在で、複数の乗降箇所30のいずれかに選択的に位置するように、2本のレール29上を作業通路2の並設方向に移動自在に構成されている。
前記トラバーサ5の走行経路の端部には、搬出入箇所40が設けられており、トラバーサ5は、この搬出入箇所40まで移動自在に構成されている。
【0052】
そして、トラバーサ5には、床側に設けられた被検出板44を検出する位置検出用の光電センサ45が設けられており、被検出板44は、複数の乗降箇所30の夫々に対応して配設されており、光電センサ45にて被検出板44を検出することにより、各乗降箇所30に停止できるように構成されている。
【0053】
図1に示すように、複数のスタッカークレーン4およびトラバーサ5の運転を集中制御するための集中制御装置35が設けられている。
前記複数のスタッカークレーン4の夫々には、図4に示すように、スタッカークレーン4の作動を制御する制御手段としてのクレーン用制御装置36が設けられ、トラバーサ5には、トラバーサ5の作動を制御するトラバーサ用制御装置37が設けられている。
【0054】
前記集中制御装置35とクレーン用制御装置36との間、および、集中制御装置35とトラバーサ用制御装置37との間は、光信号によって各種の情報を伝達するように構成されている。
具体的には、図1に示すように、トラバーサ5の走行経路の一端側に、集中制御装置35に接続された光送受信装置38aが設置され、この光送受信装置38aと、トラバーサ5側の光送受信装置38bとが、トラバーサ5の走行経路に沿って発信される光信号を送受信するように構成されている。
また、各作業通路2の乗降箇所30とは反対の端部外方位置に、集中制御装置35に接続された光送受信装置39aが設置され、この各作業通路2の端部の光送受信装置39aと、各スタッカークレーン4に設置された光送受信装置39bとが、作業通路2の長手方向に沿って発信される光信号を送受信するように構成されている。
【0055】
そして、集中制御装置35は、搬出入箇所40から搬入した物品Bを物品収納棚1に入庫する入庫要求や物品収納棚1から搬出入箇所40に物品Bを出庫する出庫要求などの物品搬送要求があると、複数の乗降箇所30から目的の乗降箇所30および搬出入箇所40に対応する箇所を指令する運転指令情報をトラバーサ用制御装置37に与えるとともに、複数の収納部3から物品の出し入れを行う目的の収納部3を指令する運転指令情報をクレーン用制御装置36に運転指令情報を与える。
一方、トラバーサ用制御装置37は、集中制御装置35からの運転指令情報に基づいて、トラバーサ5を目的の乗降箇所30および搬出入箇所40に対応する箇所にトラバーサ5を位置させるように、トラバーサ5の作動を制御し、クレーン用制御装置36は、集中制御装置35からの運転指令情報に基づいて、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御し、かつ、その目標停止位置に昇降台10を位置させた状態で目的の収納部3に対する物品の出し入れを行うべく、フォーク装置11の移載作動を制御する。
【0056】
前記スタッカークレーン4の動作について説明を加える。
前記目標停止位置は、作業通路2に対応して設置された物品収納棚1が備える複数の収納部3の夫々に対応して定められているものであり、走行台車9についての基準水平位置からの目標水平移動距離情報と昇降台10についての基準昇降位置からの目標昇降移動距離情報とから示される。また、目標停止位置としては、収納部3からフォーク装置11に物品9を掬い取る掬い用の目標停止位置とフォーク装置11から収納部3に物品9を卸す卸し用の目標停止位置とが定められ、複数の収納部3の夫々に対応して2種類の目標停止位置が定められている。掬い用の目標停止位置と卸し用の目標停止位置とは、卸し用の目標停止位置が掬い用の目標停止位置よりも上方側に位置する状態で上下方向に異なる位置となっているが、水平方向では同じ位置となっている。
そして、図1〜図3に示すように、複数の目標停止位置を示す、走行台車9についての基準水平位置からの目標水平移動距離情報と昇降台10についての基準昇降位置からの目標昇降移動距離情報とを複数の作業通路2の夫々に対応して設置された物品収納棚1のすべてについて記憶する記憶手段41が、スタッカークレーン4の外部に、クレーン用制御装置36と通信自在に設けられている。
【0057】
前記記憶手段41は、図1に示すように、複数の作業通路2の夫々に配設された複数の情報記憶用タグ42であり、複数の情報記憶用タグ42の夫々は、その配設位置に対応する作業通路2に対応する物品収納棚1における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報とを記憶するように構成されている。
【0058】
前記スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、リーダ/ライタ装置43にて無接触通信により情報記憶用タグ42に記憶されている目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得し、その取得した目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報と、走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報とに基づいて、複数の作業通路2のうちでスタッカークレーン4が現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の収納部3の夫々に対応する複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置すべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
【0059】
すなわち、クレーン用制御装置36は、乗降箇所30にてトラバーサ5から作業通路2に降りると、まず、その乗降箇所30の近辺に配設された情報記憶用タグ42とリーダ/ライタ装置43との無接触通信により、スタッカークレーン4が現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得する。
その後、クレーン用制御装置36は、取得した目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報と、走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報とに基づいて、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10が位置するように走行台車9を走行させかつ昇降台10を昇降させるべく、走行用電動モータ26および昇降用電動モータ21の作動を制御する。このとき、目的の収納部3からフォーク装置11に物品9を掬い取るときには、掬い用の目標停止位置に昇降台10を位置させるように走行台車9を走行させかつ昇降台10を昇降させ、かつ、フォーク装置11から目的の収納部3に物品9を卸すときには、卸し用の目標停止位置に昇降台10を位置させるように走行台車9を走行させかつ昇降台10を昇降させる。
そして、クレーン用制御装置36は、昇降台10を目的の収納部3に対応する目標停止位置に位置させると、昇降台10をその目標停止位置に位置させた状態で、フォーク装置11の移載作動を制御することにより、目的の収納部3に対する物品Bの出し入れを行う。
【0060】
前記クレーン用制御装置36は、作業モードと学習モードとを備え、作業モードに切り換えることにより、上述の如く、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させるように走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御して、その目標停止位置に昇降台10を位置させた状態で収納部3に対する物品の出し入れを行うようにフォーク装置11の作動を制御する。
そして、クレーン用制御装置36は、学習モードに切り換えることにより、走行台車9を走行および昇降台10を昇降させて、収納部3に対応する目標停止位置についての、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求める学習運転を行うように構成されている。
前記作業モードと学習モードとの切り換えについては、モード切換スイッチ44にて切り換えられ、このモード切換スイッチ44にて学習モードに切り換えられると、クレーン用制御装置36は、学習指令が指令されたとして、学習運転を行うように構成されている。
【0061】
前記学習運転について説明を加えると、クレーン用制御装置36は、光電センサなどからなる支柱検出センサ46にて物品収納棚1における支柱6を検出するとともに、光電センサなどから載置支持部検出センサ47にて載置支持部7を検出しながら、走行台車9を学習用速度にて水平移動させかつ昇降台10を学習用速度にて昇降移動させる。
そして、クレーン用制御装置36は、支柱検出センサ46にて支柱6を検出したときの走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報に基づいて各目標停止位置についての目標水平移動距離情報を求めるとともに、載置支持部検出センサ47にて載置支持部7を検出したときの昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報に基づいて各目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を求めるように構成されている。
【0062】
すなわち、クレーン用制御装置36が、学習運転として、複数の収納部3の夫々に対応する部材を部材検出手段としての支柱検出センサ46および載置支持部検出センサ47にて順次検出させるように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御し、かつ、部材検出手段が収納部3に対応する部材を検出した状態における走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報に基づいて、その収納部3に対応する目標停止位置についての、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めるように構成されている。
【0063】
説明を加えると、クレーン用制御装置36は、学習運転において、各収納部3における載置支持部7を載置部検出センサ47にて検出させ、かつ、各収納部3に隣接位置する支柱6における各収納部3の載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出させるように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
そして、クレーン用制御装置36は、支柱検出センサ46にて支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を検出したときの走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および載置支持部検出センサ47にて載置支持部7を検出したときの昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報に基づいて、複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めるように構成されている。
【0064】
前記目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求める構成について説明を加える。
まず、走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報の取得について説明する。
前記クレーン用制御装置36が、例えば、支柱6に設けられた載置支持部7の設置箇所相当部分に昇降台10を位置させた状態で、水平方向に間隔を隔てる複数の支柱6を支柱検出センサ46にて順次検出させるように、物品収納棚1の一端側から他端側まで走行台車9を走行させることにより、図5(イ)に示すように、支柱6に設けられた一つの載置支持部7の設置箇所相当部分についての走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報(P11〜P14)を取得する。そして、支柱検出センサ46が検出対象とする載置支持部7の設置箇所相当部分を変更しながら上述の動作を繰り返すことにより、クレーン用制御装置36は、物品収納棚1の支柱6および載置支持部7の全てについて、支柱検出センサ46にて支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を検出したときの走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報(P11〜P14、P22〜P24、P31〜34、P41〜P44)を取得する。ちなみに、図5(イ)は、物品収納棚1の一部のみを示したものである。
【0065】
次に、昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報の取得について説明する。
前記クレーン用制御装置36が、例えば、支柱6に設けられた載置支持部7に昇降台10を位置させた状態で、その支柱6に設けられた上下方向に間隔を隔てた複数の載置支持部7の夫々を載置支持部検出センサ47にて順次検出させるように、物品収納棚1の下端部から上端部まで昇降台10を昇降させることにより、図5(ロ)に示すように、一つの支柱6における複数の載置支持部7についての昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報(Q11〜Q14)を取得する。そして、載置支持部検出センサ47が検出対象とする支柱6を変更しながら上述の動作を繰り返すことにより、クレーン用制御装置36は、物品収納棚1の支柱6および載置支持部7の全てについて、載置支持部検出センサ47にて載置支持部7を検出したときの昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報(Q11〜Q14、Q21〜Q24、Q31〜Q34、Q41〜Q44)を取得する。ちなみに、図5(ロ)は、物品収納棚1の一部のみを示したものである。
【0066】
そして、クレーン用制御装置36は、走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報を取得すると、支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用レーザ測距計27の水平移動距離情報とその支柱6に水平方向に隣接する支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用レーザ測距計27の水平移動距離情報との中間点をそれら支柱6に隣接位置する収納部3に対応する目標停止位置として、その目標停止位置についての目標水平移動距離情報を求めるように構成されている。
また、クレーン用制御装置36は、昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報を取得すると、載置支持部検出センサ47にて載置支持部7を検出したときの昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報に設定距離を減算および加算して、その載置支持部7にて物品Bを載置支持する収納部3に対応する掬い用の目標停止位置および卸し用の目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を求めるように構成されている。
【0067】
このようにして、クレーン用制御装置36は、学習運転を行うことにより、作業通路2に対応して設置される物品収納棚1が備える複数の収納部3に対応する複数の目標停止位置の全てについての目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めるように構成されている。
【0068】
前記複数の作業通路2の全てに対して、複数のスタッカークレーン4の夫々に装備のクレーン用制御装置36が学習運転を行うのではなく、複数の作業通路2の夫々には、複数のスタッカークレーン4のうちから、学習運転を行う学習運転用のスタッカークレーン4が設定されている。
【0069】
すなわち、複数のスタッカークレーン4のうちの一部が学習運転用のスタッカークレーンとして定められ、それに装備のクレーン用制御装置36が、複数の作業通路2に対応して設置された複数の物品収納棚1の全てに対して学習運転を実行するように構成されている。
そして、記憶手段41が、学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が学習運転により求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶するように構成されている。つまり、学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、学習運転を行うことにより求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を、リーダ/ライタ装置43により学習運転を行った物品収納棚1が設置された作業通路2に配設された情報記憶用タグ42に記憶させるように構成されている。
【0070】
また、複数のスタッカークレーン4のうちの学習運転を実行しないスタッカークレーン4が個体差学習運転用のスタッカークレーン4として定められ、それに装備のクレーン用制御装置36が、学習運転用のスタッカークレーン4が学習運転を行った一部の物品収納棚1に対して重複して学習運転を行うことにより、学習運転用のスタッカークレーン4と個体差学習運転用のスタッカークレーン4との個体差を示す個体差情報を求める個体差学習運転を行うように構成されている。
【0071】
前記個体差学習運転について説明すると、個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が学習運転を行った複数の物品収納棚1のうちの一部の物品収納棚1が備える複数の収納部3のうちの少なくとも一部を学習対象として、学習運転を行うように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
そして、個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、その学習運転により、学習対象とする収納部3について検出した走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報と、学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が学習運転によって、個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が学習対象とする収納部3について検出した走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報との比較により個体差情報を求めるように構成されている。
【0072】
以下、学習運転および個体差学習運転における動作について説明を加える。この学習運転および個体差学習運転は、例えば、設備の設置初期など、スタッカークレーン4を稼動させる前に行う。
この実施形態では、図1に示すように、作業通路2が4つ並設され、スタッカークレーン4が2つ設けられているので、図1中上方側に位置する第1スタッカークレーン4aを学習運転用のスタッカークレーンとして定め、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が、学習運転を行い、図1中下方側に位置する第2スタッカークレーン4bを個体差学習運転用のスタッカークレーンとして定め、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36が、個体差学習運転を行う。
【0073】
前記学習運転について説明すると、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、まず、図1中一番上方側に位置する第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対して学習運転を行い、その学習運転にて求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を、第1作業通路2aに配設された情報記憶用タグ42に記憶させる。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、第2作業通路2bと第3作業通路2cと第4作業通路2dとの夫々に対応して設置された物品収納棚1に対しても、第1作業通路2aと同様に、学習運転を行い、その学習運転にて学習した目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を、第2作業通路2b、第3作業通路2c、第4作業通路2dに配設された情報記憶用タグ42の夫々に記憶させる。
【0074】
このようにして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、複数の物品収納棚1の全てに対して学習運転を行い、その学習運転にて求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶手段41に記憶させることにより、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を予め求めて記憶しておく。
【0075】
次に、個体差学習運転について説明すると、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える複数の収納部3の全てを学習対象として、学習運転を行うように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御する。
この学習運転によって、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える複数の収納部3の全てについて、支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報、および、載置支持部7を支持部検出センサ47にて検出したときの昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報を取得する。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、上述の学習運転を行うことによって、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える複数の収納部3の全てについて、支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報、および、載置支持部7を支持部検出センサ47にて検出したときの昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報を取得している。
そこで、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える複数の収納部3の全てについて検出した走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報について、自己が取得した検出情報と第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が取得した検出情報との偏差に基づいて、個体差情報を求めて記憶保持しておく。
【0076】
このようにして、スタッカークレーン4を稼動させる前には、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が学習運転にて求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶手段41に記憶させ、かつ、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36が個体差学習運転にて求めた個体差情報を記憶保持しておく。
そして、スタッカークレーン4を稼動させるときには、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36および第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36が、作業モードに切り換えられる。
【0077】
前記学習運転用のスタッカークレーン4である第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、学習運転用のスタッカークレーン4が現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の目標停止位置を示す目標水平移動距離情報と目標昇降移動距離情報の両者を記憶手段41から取得してその目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
説明を加えると、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、乗降箇所30にてトラバーサ5から作業通路2に第1スタッカークレーン4aが降りるときに、その作業通路2に配設された情報記憶用タグ42とリーダ/ライタ装置43との無接触通信により、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得する。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、取得した目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報と、走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報とに基づいて、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10が位置するように走行台車9を走行させかつ昇降台10を昇降させるべく、走行用電動モータ26および昇降用電動モータ21の作動を制御する。
【0078】
前記個体差学習運転用のスタッカークレーン4である第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、複数の物品収納棚2における複数の収納部3のうちで、少なくとも学習運転を実行していない収納部3についての目標停止位置を示す目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を、記憶手段41に記憶されている目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を個体差情報にて補正することにより求めるように構成されている。
説明を加えると、記憶手段41に記憶されている目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報は、第1スタッカークレーン4aに対応するものであるので、第2スタッカークレーン4bに対応するものを求める必要がある。
そこで、第2スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、情報記憶用タグ42とリーダ/ライタ装置43との無接触通信により目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得すると、その取得した目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を個体差情報にて補正することにより、第2スタッカークレーン4aに対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求める。
そして、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報と、走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報とに基づいて、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10が位置するように走行台車9を走行させかつ昇降台10を昇降させるべく、走行用電動モータ26および昇降用電動モータ21の作動を制御する。
【0079】
このようにして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36も、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36も、適正な目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を取得できることとなって、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させるように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御することができることになる。
【0080】
以下、第1スタッカークレーン4aを学習運転用のスタッカークレーンとしかつ第2スタッカークレーン4bを個体差学習運転用のスタッカークレーンとして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36の動作、および、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36の動作について、図6および図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0081】
まず、図6に基づいて、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36の動作について説明する。
第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、学習モードに切り換えられると、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行う第1水平昇降学習運転を行う(ステップ1,2)。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対する動作と同様に、第2作業通路2bに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行う第2水平昇降学習運転を行い、第3作業通路2cに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行う第3水平昇降学習運転を行い、第4作業通路2dに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行う第4水平昇降学習運転を行う(ステップ3〜5)。
このようにして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、複数の物品収納棚1の全てに対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行い、その学習運転にて求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶手段41に記憶させる。
【0082】
前記第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、作業モードに切り換えられていると、第1スタッカークレーン4aが現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報Maおよび目標昇降移動距離情報Mbを記憶手段41から取得する(ステップ6,7)。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、取得した目標水平移動距離情報Maおよび目標昇降移動距離情報Mbに基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御する走行昇降制御を行う(ステップ8)。
【0083】
次に、図7に基づいて、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36の動作について説明する。
第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、学習モードに切り換えられると、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行う第1水平昇降学習運転を行う(ステップ11,12)。
そして、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対して、第1水平昇降学習運転により検出した走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報と、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が第1水平昇降学習運転により検出した走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報および昇降用レーザ測距計22の昇降移動距離検出情報とを比較することにより、個体差情報を求めて記憶保持する(ステップ13)。
【0084】
また、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、作業モードに切り換えられていると、第2スタッカークレーン4bが現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報Maおよび目標昇降移動距離情報Mbを記憶手段41から取得する(ステップ14,15)。
前記第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、記憶手段41から取得した目標水平移動距離情報Maおよび目標昇降移動距離情報Mbを個体差情報にて補正することにより、第2スタッカークレーン4aに対応する目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求める(ステップ16)。
そして、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、求めた目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御する走行昇降制御を行う(ステップ17)。
【0085】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明するが、上記第1実施形態とは異なる構成について詳細に説明し、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0086】
この第2実施形態における物品搬送設備では、図8に示すように、各作業通路2のうち、乗降箇所30が位置する側とは反対側において物品収納棚1の側脇に、物品収納棚1に入庫する物品Bを外部から搬入する搬入部48と物品収納棚1から出庫する物品Bを外部に搬出する搬出部49とが設けられている。
この搬入部48および搬出部49は、図示は省略するが、外部との間で物品Bを搬送するコンベヤと物品Bを載置可能な荷受台とを備え、物品収納棚1に入庫する物品Bおよび物品収納棚1から出庫する物品Bを荷受台に載置するように構成されている。
【0087】
そして、スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、搬入部48における荷受台に載置された物品Bを物品収納棚1における複数の収納部3のいずれかに収納する入庫作業、あるいは、物品収納棚1における複数の収納部3のいずれかに収納されている物品Bを搬出部49における荷受台に出庫する出庫作業を行うように、走行台車9の走行、昇降台10の昇降、および、フォーク装置11の移載作動を制御するように構成されている。
【0088】
上記第1実施形態では、昇降移動距離検出手段が昇降用レーザ測距計22にて構成され、水平移動距離検出手段が走行用レーザ測距計27にて構成されているが、この第2実施形態では、レーザ測距計に代えて、昇降移動距離検出手段が昇降用ロータリエンコーダ50にて構成され、水平移動距離検出手段が走行用ロータリエンコーダ51にて構成されている。
図9に基づいて説明すると、昇降用ロータリエンコーダ50は昇降台10に設けられており、その昇降用ロータリエンコーダ50の回転軸には、昇降マスト15の昇降方向に沿って設けられたチェーン52に歯合するスプロケット50aが設けられている。そして、昇降用ロータリエンコーダ50は、昇降台10の昇降によりスプロケット50aが回転することによりパルスを出力する。
また、走行用ロータリエンコーダ51は走行台車9に設けられており、その走行用ロータリエンコーダ51の回転軸には、走行台車9の走行方向に沿って設けられた係合体としてのチェーン53に歯合する回転体としてのスプロケット51aが設けられている。そして、走行用ロータリエンコーダ51は、走行台車9の走行によりスプロケット51aが回転することによりパルスを出力する。
【0089】
前記基準昇降位置については、昇降台10の最下端位置を基準昇降位置とし、基準水平位置については、乗降箇所30が位置する側とは反対側の案内レール8の端部を基準水平位置としている。
そして、スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、基準昇降位置を基準にして昇降用ロータリエンコーダ50が出力するパルス数を検出することによりそのパルス数を昇降移動距離検出情報として検出し、かつ、基準水平位置を基準にして走行用ロータリエンコーダ51が出力するパルス数を検出することによりそのパルス数を水平移動距離検出情報として検出する。
【0090】
上記第1実施形態では、記憶手段41が、目標停止位置を示す、走行台車9についての基準水平位置からの目標水平移動距離情報および昇降台10についての基準昇降位置からの目標昇降移動距離情報を記憶するようにしているが、この第2実施形態では、記憶手段41が、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報のうち、目標水平移動距離情報を記憶しており、記憶手段41としての複数の情報記憶用タグ42の夫々は、その配設位置に対応する作業通路2に対応する物品収納棚1における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報を記憶している。
そして、目標昇降移動距離情報については、スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36の夫々が記憶保持している。
【0091】
前記集中制御装置35は、図10に示すように、物品収納棚1に物品Bを入庫する入庫要求や物品収納棚1から物品Bを出庫する出庫要求などの物品搬送要求があると、その物品搬送要求による物品Bの出し入れの対象とする物品収納棚1が設置された作業通路2にスタッカークレーン4が位置すれば、そのスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36に対して、複数の収納部3から物品の出し入れを行う目的の収納部3を指令する運転指令情報を指令する。
そして、集中制御装置35は、物品搬送要求による物品Bの出し入れの対象とする物品収納棚1が設置された作業通路2にスタッカークレーン4が位置しなければ、まず、その作業通路2にスタッカークレーン4を搬送するように運転指令情報をトラバーサ用制御装置37に指令する。次に、集中制御装置35は、物品搬送要求による物品Bの出し入れの対象とする物品収納棚1が設置された作業通路2にスタッカークレーン4が位置されると、そのスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36に対して複数の収納部3から物品の出し入れを行う目的の収納部3を指令する運転指令情報を指令する。
【0092】
そして、クレーン用制御装置36は、運転指令情報が指令されると、記憶手段41との間の通信により取得する目標水平移動距離情報と、記憶保持している目標昇降移動距離情報から求める目標昇降移動距離情報と、走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報および昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報とに基づいて、複数の作業通路2のうちでそのスタッカークレーン4が現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の収納部3のうち目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御し、かつ、その目標停止位置に昇降台10を位置させた状態でその目的の収納部3に対する物品Bの出し入れを行うべく、フォーク装置11の移載作動を制御するように構成されている。
【0093】
前記スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が、学習運転および個体差学習運転を行うように構成されているので、以下、その学習運転および個体差学習運転について説明する。
【0094】
前記スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が、モード切換スイッチ44にて学習モードに切り換えられることにより学習運転が指令されると、上記第1実施形態と同様に、学習運転として、複数の収納部3の夫々に対応する部材を部材検出手段としての支柱検出センサ46および載置支持部検出センサ47にて順次検出させるように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御し、かつ、部材検出手段が収納部3に対応する部材を検出した状態における走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報および昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報に基づいて、その収納部3に対応する目標停止位置についての、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めるように構成されている。
【0095】
まず、走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報の取得について説明する。このときの動作は、上記第1実施形態において図5(イ)に基づいて説明した動作と同様であるので、図5(イ)に基づいて簡単に説明する。
前記クレーン用制御装置36が、例えば、支柱6に設けられた載置支持部7の設置箇所相当部分に昇降台10を位置させた状態で、水平方向に間隔を隔てる複数の支柱6を支柱検出センサ46にて順次検出させるように、物品収納棚1の一端側から他端側まで走行台車9を走行させる動作を、支柱検出センサ46が検出対象とする載置支持部7の設置箇所相当部分を変更しながら繰り返す。そうすると、図5(イ)に示すように、クレーン用制御装置36は、物品収納棚1の支柱6および載置支持部7の全てについて、支柱検出センサ46にて支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を検出したときの走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報(P11〜P14、P22〜P24、P31〜34、P41〜P44)を取得する。
【0096】
次に、昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報の取得について説明する。このときの動作は、上記第1実施形態において図5(ロ)に基づいて説明した動作と同様であるので、図5(ロ)に基づいて簡単に説明する。
前記クレーン用制御装置36が、例えば、支柱6に設けられた載置支持部7に昇降台10を位置させた状態で、その支柱6に設けられた上下方向に間隔を隔てた複数の載置支持部7の夫々を載置支持部検出センサ47にて順次検出させるように、物品収納棚1の下端部から上端部まで昇降台10を昇降させる動作を、載置支持部検出センサ47が検出対象とする支柱6を変更しながら繰り返す。そうすると、図5(ロ)に示すように、クレーン用制御装置36は、物品収納棚1の支柱6および載置支持部7の全てについて、載置支持部検出センサ47にて載置支持部7を検出したときの昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報(Q11〜Q14、Q21〜Q24、Q31〜Q34、Q41〜Q44)を取得する。
【0097】
このようにして、クレーン用制御装置36は、走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報および昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報を取得すると、支柱検出センサ46にて支柱6における載置支持部7の設置箇所相当部分を検出したときの走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報に設定距離を加算することにより、その支柱6に隣接位置する収納部3に対応する目標停止位置についての目標水平移動距離情報を求め、かつ、載置支持部検出センサ47にて載置支持部7を検出したときの昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報に設定距離を減算または加算することにより、その載置支持部7にて物品Bを載置支持する収納部3に対応する掬い用の目標停止位置および卸し用の目標停止位置についての目標昇降移動距離情報を求めるように構成されている。
【0098】
前記クレーン用制御装置36は、学習運転において、目標水平移動距離情報については、複数の物品収納棚1が備える複数の収納部3の全てを学習対象とし、かつ、目標昇降移動距離情報については、複数の物品収納棚1のうちの一部の物品収納棚1が備える複数の収納部3を学習対象として、学習対象としない物品収納棚1における収納部3に対応する目標停止位置についての、目標昇降移動距離情報を、学習した物品収納棚1における収納部3について求めた目標昇降移動距離情報を代用するように構成されている。
そして、複数のスタッカークレーン4のうちの一部が学習運転用のスタッカークレーン4として定められ、それに装備のクレーン用制御装置36が、複数の作業通路2に対応して設置された複数の物品収納棚1の全てに対して学習運転を実行するように構成されている。
また、複数のスタッカークレーン4のうちの学習運転を実行しないスタッカークレーン4が個体差学習運転用のスタッカークレーン4として定められて、それに装備のクレーン用制御装置36が、個体差情報を求める個体差学習運転を行うように構成されている。
【0099】
この第2実施形態では、図8に示すように、作業通路2が4つ並設され、スタッカークレーン4が2つ設けられているので、図8中上方側に位置する第1スタッカークレーン4aを学習運転用のスタッカークレーンとして定め、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が、学習運転を行い、図8中下方側に位置する第2スタッカークレーン4bを個体差学習運転用のスタッカークレーンとして定め、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36が、個体差学習運転を行う。
【0100】
前記学習運転について説明すると、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、まず、図8中一番上方側に位置する第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行い、その学習運転にて求めた目標水平移動距離情報については第1作業通路2aに配設された情報記憶用タグ42に記憶させかつその学習運転にて求めた目標昇降移動距離情報については記憶保持しておく。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、第2作業通路2bと第3作業通路2cと第4作業通路2dとの夫々に対応して設置された物品収納棚1に対しては、目標水平移動距離情報ついてのみ学習運転を行い、その学習運転にて求めた目標水平移動距離情報を、第2作業通路2b、第3作業通路2c、第4作業通路2dに配設された情報記憶用タグ42の夫々に記憶させる。
また、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、第2作業通路2b、第3作業通路2c、第4作業通路2dに対応して設置された物品収納棚1に対応する複数の目標停止位置についての目標昇降移動距離情報については、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1について学習した目標昇降移動距離情報を代用する。
【0101】
前記個体差学習運転について説明すると、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が学習運転を行った複数の物品収納棚1のうちの一部の物品収納棚1が備える複数の収納部3のうちの少なくとも一部を学習対象として、学習運転を行うように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
そして、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、その学習運転により、学習対象とする収納部3について検出した走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報と、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が学習運転によって、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36が学習対象とする収納部3について検出した走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報との比較により個体差情報を求めるように構成されている。
また、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、個体差学習運転において、物品収納棚1が備える一つの支柱6を学習対象として、目標水平移動距離情報についての学習運転を行うように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
【0102】
説明を加えると、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、例えば、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える支柱6のうち、乗降箇所30に近い側から5本目の支柱6を学習対象として、目標水平移動距離情報についての学習運転を行うように、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御する。
この学習運転によって、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、図11(イ)に示すように、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える支柱6のうち、乗降箇所30に近い側から5本目の支柱6において、各載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報(V1〜V4)を取得する。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、上述の学習運転を行うことによって、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える支柱6のうち、乗降箇所30に近い側から5本目の支柱6において、各載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報(W1〜W4)を取得している。
そこで、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、図11(ロ)に示すように、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1が備える支柱6のうち、乗降箇所30に近い側から5本目の支柱6において、各載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報について、自己が取得した検出情報と第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が取得した検出情報とを比較して各載置支持部7の設置箇所相当部分における偏差Δt1〜Δt4を求め、それら偏差を個体差情報として記憶保持しておく。
【0103】
このようにして、スタッカークレーン4を稼動させる前には、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が学習運転にて求めた目標水平移動距離情報を記憶手段41に記憶させ、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が学習運転にて求めた目標昇降移動距離情報を記憶保持しておき、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36が個体差学習運転にて求めた目標昇降移動距離情報および個体差情報を記憶保持しておく。
そして、スタッカークレーン4を稼動させるときには、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36および第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36が、作業モードに切り換えられる。
【0104】
前記学習運転用のスタッカークレーン4である第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が、第1スタッカークレーン4aが現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の目標停止位置を示す目標水平移動距離情報を記憶手段41から取得しかつ予め記憶保持している目標昇降移動距離情報より求める目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
説明を加えると、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、乗降箇所30にてトラバーサ5から作業通路2に第1スタッカークレーン4aが降りるときに、その作業通路2に配設された情報記憶用タグ42とリーダ/ライタ装置43との無接触通信により、目標水平移動距離情報を取得する。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、取得した目標水平移動距離情報と、予め記憶保持している目標昇降移動距離情報より求める目標昇降移動距離情報と、走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報および昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報とに基づいて、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10が位置するように走行台車9を走行させかつ昇降台10を昇降させるべく、走行用電動モータ26および昇降用電動モータ21の作動を制御する。
【0105】
前記個体差学習運転用のスタッカークレーン4である第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、複数の物品収納棚2における複数の収納部3のうちで、少なくとも学習運転を実行していない収納部3についての目標停止位置を示す目標水平移動距離情報を、記憶手段41に記憶されている目標水平移動距離情報を個体差情報にて補正することにより求めるように構成されている。
説明を加えると、記憶手段41に記憶されている目標水平移動距離情報は、第1スタッカークレーン4aに対応するものであるので、第2スタッカークレーン4bに対応するものを求める必要がある。
そこで、第2スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、情報記憶用タグ42とリーダ/ライタ装置43との無接触通信により目標水平移動距離情報を取得すると、その取得した目標水平移動距離情報を記憶保持している個体差情報にて補正することにより、第2スタッカークレーン4bに対応する目標水平移動距離情報を求める。具体的に説明すると、個体差情報は、各載置支持部7の設置箇所相当部分を支柱検出センサ46にて検出したときの走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報の偏差であるので、目的の収納部3に対応する載置支持部7の設置箇所相当部分についての走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報の偏差にて取得した目標水平移動距離情報を補正することにより、目的の収納部3における第2スタッカークレーン4bに対応する目標水平移動距離情報を求める。
そして、第2スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、求めた目標水平移動距離情報と、予め記憶保持している目標昇降移動距離情報から求めた目標昇降移動距離情報と、走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報および昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報とに基づいて、目的の収納部3に対応する目標停止位置に昇降台10が位置するように走行台車9を走行させかつ昇降台10を昇降させるべく、走行用電動モータ26および昇降用電動モータ21の作動を制御する。
【0106】
以下、第1スタッカークレーン4aを学習運転用のスタッカークレーンとしかつ第2スタッカークレーン4bを個体差学習運転用のスタッカークレーンとして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36の動作、および、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36の動作について、図12および図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0107】
まず、図12に基づいて、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36の動作について説明する。
第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、学習モードに切り換えられると、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報についての学習運転を行う第1水平昇降学習運転を行う(ステップ21,22)。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対する動作とは異なり、第2作業通路2bに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報についての学習運転を行う第2水平学習運転を行う(ステップ23)。
また、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、第2作業通路2bに対応して設置された物品収納棚1に対する動作と同様に、第3作業通路2cに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報についての学習運転を行う第3水平学習運転を行い、第4作業通路2dに対応して設置された物品収納棚1に対して目標水平移動距離情報についての学習運転を行う第4水平学習運転を行う(ステップ24,25)。
このようにして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、目標水平移動距離情報については、複数の物品収納棚1の全てに対して学習運転を行い、その学習運転にて求めた目標水平移動距離情報を記憶手段41に記憶させる。そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、目標昇降移動距離情報については、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1に対してのみ学習運転を行い、その学習運転にて求めた目標昇降移動距離情報を記憶保持する。
【0108】
前記第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、作業モードに切り換えられていると、第1スタッカークレーン4aが現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報Maを記憶手段41から取得する(ステップ26,27)。
そして、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36は、取得した目標水平移動距離情報Ma、および、記憶保持している目標昇降移動距離情報から求めた目標昇降移動距離情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御する走行昇降制御を行う(ステップ28)。
【0109】
次に、図13に基づいて、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36の動作について説明する。
第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、学習モードに切り換えられると、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1の一つの支柱6に対して学習運転を行う第1支柱学習運転を行う(ステップ31,32)。
そして、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、第1作業通路2aに対応して設置された物品収納棚1の一つの支柱6に対して、第1支柱学習運転により検出した走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報と、第1スタッカークレーン4aに装備のクレーン用制御装置36が第1水平昇降学習運転により検出した走行用レーザ測距計27の水平移動距離検出情報とを比較することにより、個体差情報を求めて記憶保持する(ステップ33)。
【0110】
前記第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、作業モードに切り換えられていると、第2スタッカークレーン4bが現在位置する作業通路2に対応して設置された物品収納棚1における複数の目標停止位置についての目標水平移動距離情報Maを記憶手段41から取得する(ステップ34,35)。
前記第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、記憶手段41から取得した目標水平移動距離情報Maを個体差情報にて補正することにより、第2スタッカークレーン4aに対応する目標水平移動距離情報を求める(ステップ36)。
そして、第2スタッカークレーン4bに装備のクレーン用制御装置36は、求めた目標水平移動距離情報、および、記憶保持している目標昇降移動距離情報から求めた目標昇降移動距離情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御する走行昇降制御を行う(ステップ37)。
【0111】
前記クレーン用制御装置36は、スタッカークレーン4を稼動させるに当り、目標水平移動距離情報、目標昇降移動距離情報、個体差情報に加えて、他の情報をも求めているので、以下、その点について説明する。
【0112】
まず、走行用ロータリエンコーダ51についての情報である。
前記記憶手段に41に記憶される目標水平移動距離情報は、学習運転用のスタッカークレーン4の走行台車9に設けた走行用ロータリエンコーダ51から出力されたパルス数情報となる。しかしながら、エンコーダによる個体差によって、エンコーダから出力される1パルスに相当する距離情報はエンコーダによって異なる虞があるので、個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、記憶手段41から取得する目標水平移動距離情報をそのまま用いると、水平方向において目標停止位置から位置ズレした状態で昇降台10を位置させる可能性がある。そこで、個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が、走行用ロータリエンコーダ51についての情報を求めて用いることにより、水平方向において目標停止位置に昇降台10を位置させるようにしている。
【0113】
前記走行台車9には、その水平移動経路に間隔を隔てて少なくとも二つ設けられた基準部材54(図8参照)を検出する基準部材検出手段としての基準部材検出センサ55が設けられている。前記基準部材54は、案内レール8の両端部に設けられている。
そして、学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、基準部材検出センサ55にて二つの基準部材54を検出させるように、走行台車9の走行を制御し、かつ、基準部材検出センサ55が一つ目の基準部材54を検出してから二つ目の基準部材54を検出するまでにおける走行用ロータリエンコーダ51の水平移動情報検出情報に基づいて、二つの基準部材54間の距離についてのパルス数情報を求めるように構成されている。
また、個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、基準部材検出センサ55にて二つの基準部材54を検出させるように、走行台車9の走行を制御し、かつ、基準部材検出センサ55が一つ目の基準部材54を検出してから二つ目の基準部材54を検出するまでにおける水平移動情報検出情報に基づいて求めた二つの基準部材54間の距離についてのパルス数情報と、学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36が求めたパルス数情報との比較によりパルス数の差情報を求めるように構成されている。
前記個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、記憶手段41に記憶されている目標水平移動距離情報とパルス数の差情報に基づいて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行を制御するように構成されている。
【0114】
このようにして、個体差学習運転用のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、記憶手段41に記憶されている目標水平移動距離情報をそのまま用いるのではなく、パルス数の差情報により個体差学習運転用のスタッカークレーン4の走行台車9に設けた走行用ロータリエンコーダ51から出力される1パルスに相当する距離情報を基準としたものに変換させて、複数の目標停止位置のいずれかに昇降台10を選択的に位置させるべく、走行台車9の走行を制御することとなって、水平方向において目標停止位置に昇降台10を位置させることができることになる。
【0115】
次に、走行台車9における制動距離についての情報である。
前記走行台車9を制動させるために備えるブレーキの効き具合やブレーキギャップなどによって、スタッカークレーン4によって走行台車9における制動距離が異なる。そこで、複数のスタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36の全ては、自己が運転を制御するスタッカークレーン4の走行台車9における制動距離を求めて、その制動距離に基づいて、水平方向において目標停止位置に昇降台10を位置させるための走行台車9を制動させる制動開始タイミングを求めている。
【0116】
前記スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、走行中の走行台車9を制動させてその制動開始時点から走行台車9が停止するまでの走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報に基づいて、走行台車9における制動距離を求めるように、走行台車9の走行を制御するように構成されている。
すなわち、クレーン用制御装置36は、走行台車9を走行させた状態でブレーキをかけることにより走行台車9を制動させ、走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報に基づいて、その制動開始時点から走行台車9が停止するまでに走行台車9が走行した距離を制動距離として求める。
【0117】
次に、昇降台10における制御距離についての情報である。
前記昇降台10を制動させるために備えるブレーキの効き具合やブレーキギャップなどによって、スタッカークレーン4によって昇降台10における制動距離が異なることから、走行台車9における制動距離と同様に、昇降台10における制動距離を求めている。
【0118】
前記スタッカークレーン4に装備のクレーン用制御装置36は、上昇中または下降中の昇降台10を制動させてその制動開始時点から昇降台10が停止するまでの昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報に基づいて、昇降台10における制動距離を求めるように、昇降台10の昇降を制御するように構成されている。
すなわち、クレーン用制御装置36は、昇降台10を昇降させた状態でブレーキをかけることにより昇降台10を制動させ、昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報に基づいて、その制動開始時点から昇降台10が停止するまでに昇降台10が昇降した距離を制動距離として求める。
【0119】
次に、搬入部48および排出部49における荷受台についての情報である。
前記クレーン用制御装置36は、搬入部48および排出部49における荷受台に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させるべく、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御し、かつ、その目標停止位置に昇降台10を位置させた状態で、搬入部48および排出部49における荷受台との間で物品Bを移載すべく、フォーク装置11の移載作動を制御するように構成されている。
したがって、搬入部48および排出部49における荷受台に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させるために、搬入部48および排出部49における荷受台に対応する目標停止位置を示す目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を予め求めておく必要がある。
そこで、複数のスタッカークレーン4に装備の複数のクレーン用制御装置36の全ては、搬入部48および排出部49における荷受台に対応する目標停止位置を示す目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めている。
【0120】
前記クレーン用制御装置36は、走行指令および昇降指令に基づいて、走行台車9の走行および昇降台10の昇降を制御し、かつ、搬入部48および搬出部49における荷受台に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させた状態での走行用ロータリエンコーダ51の水平移動距離検出情報および昇降用ロータリエンコーダ50の昇降移動距離検出情報に基づいて、目標停止位置を示す目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を求めて記憶保持するように構成されている。
ちなみに、走行指令および昇降指令については、搬入部48および搬出部49における荷受台に対応する目標停止位置に昇降台10を位置させるように、作業者が指令操作部を操作することによりクレーン用制御装置36に対して指令する。
【0121】
〔別実施形態〕
(1)上記第1および第2実施形態では、記憶手段41が、複数の作業通路2の夫々に配設された複数の情報記憶用タグ42である例を示したが、例えば、集中制御部35が、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報のうち、少なくとも目標水平移動距離情報を記憶して、記憶手段41を兼用することも可能である。この場合には、集中制御部35が、光送受信装置39a,39bにより、クレーン用制御装置36に目標停止位置についての記憶している情報を与えるように構成する。
また、目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を複数の作業通路2の夫々について記憶する専用の記憶手段41を設け、この記憶手段41とクレーン用制御装置36との間で通信自在に構成して実施することもでき、このときの専用の記憶手段41の設置箇所については適宜変更が可能である。
【0122】
(2)上記第1および第2実施形態では、スタッカークレーン4が学習運転を行うことにより学習した目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶手段41に記憶させるようにしているが、例えば、作業者の手入力にて目標水平移動距離情報および目標昇降移動距離情報を記憶手段41に記憶させることもできる。
【0123】
(3)上記第1および第2実施形態では、部材検出手段として、支柱検出センサ46と載置支持部検出センサ47と各別を設けた例を示したが、支柱検出センサと載置支持部検出センサとを兼用する一つのセンサを設けて実施することも可能であり、部材検出手段をどのようなセンサにて構成するかについては適宜変更が可能である。
【0124】
(4)上記第1および第2実施形態では、複数の物品収納棚1のすべてを床面に固定し、複数の作業通路2が現出しているものを例示したが、例えば、作業通路2の並設方向の両端部に位置する物品収納棚1のみを床面に固定し、この固定した物品収納棚1の間に位置する物品収納棚1を床面に対して物品収納棚1の並び方向に移動自在な移動棚にて構成し、この移動棚を移動させることにより物品収納棚1の間に作業通路2を現出させるようにして実施することもできる。
【0125】
(5)上記第1および第2実施形態では、作業通路2を4つ設け、スタッカークレーン4を2つ設けた例を示したが、作業通路2の数よりもスタッカークレーン4の数の方が少なければ、作業通路2の数およびスタッカークレーン4の数については適宜変更が可能である。
そして、例えば、作業通路2を5つ設け、スタッカークレーン4を3つ設けるものでは、3つのスタッカークレーン4のうちの一つを学習運転用のスタッカークレーン4とし、残りの2つを個体差学習運転用のスタッカークレーンとする。
【0126】
(6)上記第1および第2実施形態では、物品収納棚1を作業通路2を挟む状態で作業通路2の両側に設置しているが、作業通路2の片側のみに物品収納棚1を設置して実施することも可能であり、各作業通路2において物品収納棚1をどのように設置するかは適宜変更が可能である。
【0127】
(7)上記第2実施形態では、各作業通路2に二つの基準部材54を設け、走行台車10に設けた基準部材検出センサ55にて基準部材54を検出するようにしているが、物品収納棚1における支柱6を基準部材とし、支柱検出センサ46を基準部材検出センサとして実施することもでき、基準部材および基準部材検出手段をどのように構成するかは適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】第1実施形態における物品搬送設備の平面図
【図2】作業通路の斜視図
【図3】第1実施形態におけるスタッカークレーンの側面図
【図4】第1実施形態における物品搬送設備の制御ブロック図
【図5】学習運転の検出情報を示す図
【図6】第1スタッカークレーンに装備のクレーン用制御装置の動作を示すフローチャート
【図7】第2スタッカークレーンに装備のクレーン用制御装置の動作を示すフローチャート
【図8】第2実施形態における物品搬送設備の平面図
【図9】第2実施形態におけるスタッカークレーンの側面図
【図10】第2実施形態における物品搬送設備の制御ブロック図
【図11】第2実形形態における個体差学習運転の検出情報を示す図
【図12】第1スタッカークレーンに装備のクレーン用制御装置の動作を示すフローチャート
【図13】第2スタッカークレーンに装備のクレーン用制御装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0129】
1 物品収納棚
2 作業通路
3 収納部
4 移載装置
5 搬送装置
6 支柱
7 載置支持部
9 移動体
10 昇降体
11 物品移載手段
22 昇降移動距離検出手段
27 水平移動距離検出手段
30 乗降箇所
36 制御手段
41 記憶手段
42 情報記憶用タグ
46 部材検出手段としての支柱検出手段
47 部材検出手段としての載置支持部検出手段
50 昇降移動距離検出手段
51 水平移動距離検出手段
51a 回転体
53 係合体
54 基準部材
55 基準部材検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業通路が、その側脇に複数の収納部を縦横に備える物品収納棚を配置する状態で、その長手方向に直交する方向を並設方向として複数並設され、
前記作業通路を水平移動する移動体、および、その移動体に立設された昇降マストに沿って昇降移動自在でかつ物品移載手段を備える昇降体を備える移載装置が、前記作業通路の数よりも少なくなる形態で複数設けられ、
前記複数の移載装置の夫々が、前記移動体の水平移動により、複数の前記作業通路の夫々においてその端部の外方の乗降箇所まで水平移動自在に構成され、
複数の前記作業通路についての複数の前記乗降箇所のいずれかに選択的に位置するように前記作業通路の並設方向に移動自在で、前記乗降箇所において前記移載装置を乗降する搬送装置が設けられ、
複数の前記作業通路の夫々における前記移動体の水平移動について、基準水平位置からの前記移動体の水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段と、前記昇降マストに沿った前記昇降体の昇降移動について、基準昇降位置からの前記昇降体の昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段とが設けられ、
前記移載装置に装備されてその運転を制御する制御手段が、前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報に基づいて、複数の作業通路のうちでその移載装置が現在位置する作業通路に対応して設置された前記物品収納棚における複数の前記収納部の夫々に対応する複数の目標停止位置のいずれかに前記昇降体を選択的に位置させるべく、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、前記昇降体を目標停止位置に位置させた状態で前記収納部に対する物品の出し入れを行うべく、前記物品移載手段の移載作動を制御するように構成されている物品搬送設備であって、
前記複数の目標停止位置を示す、前記移動体についての前記基準水平位置からの目標水平移動距離情報と前記昇降体についての前記基準昇降位置からの目標昇降移動距離情報とのうち、少なくとも前記目標水平移動距離情報を記憶する記憶手段が、前記移載装置の外部に、前記制御手段と通信自在に設けられ、
前記移載装置に装備の前記制御手段は、前記複数の目標停止位置を示す前記目標水平移動距離情報と前記目標昇降移動距離情報の両者を前記記憶手段から取得する、または、前記目標水平移動距離情報を前記記憶手段から取得しかつ前記目標昇降移動距離情報を予め記憶保持することにより求める前記目標水平移動距離情報と前記目標昇降移動距離情報に基づいて、前記複数の目標停止位置のいずれかに前記昇降体を選択的に位置させるべく、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御するように構成されている物品搬送設備。
【請求項2】
前記昇降体に、前記物品収納棚における前記各収納部に対応する部材を検出する部材検出手段が設けられ、
前記制御手段が、学習運転を指令されると、複数の前記収納部の夫々に対応する部材を前記部材検出手段にて順次検出させるように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、前記部材検出手段が前記収納部に対応する部材を検出した状態における前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報に基づいて、その収納部に対応する目標停止位置についての、前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を求める学習運転を行うように構成され、
前記記憶手段が、前記制御手段が前記学習運転により求めた前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報のうちの少なくとも前記目標水平移動距離情報を記憶するように構成されている請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記物品収納棚が、前記作業通路の長手方向に間隔を隔てて立設される複数の支柱とその支柱の長手方向に間隔を隔てて設けられる複数の物品載置用の載置支持部とを備え、
前記収納部が、前記載置支持部に物品を載置支持する形態で物品を収納するように構成され、
前記部材検出手段が、前記支柱を検出する支柱検出手段と前記載置支持部を検出する載置支持部検出手段とから構成され、
前記制御手段が、前記学習運転において、各収納部における前記載置支持部を前記載置支持部検出手段にて検出させ、かつ、各収納部に隣接位置する前記支柱における各収納部の前記載置支持部の設置箇所相当部分を前記支柱検出手段にて検出させるように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御するように構成されている請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記制御手段が、前記学習運転において、前記目標水平移動距離情報については、複数の前記物品収納棚が備える複数の前記収納部の全てを学習対象とし、かつ、前記目標昇降移動距離情報については、複数の前記物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の前記収納部を学習対象として、学習対象としない前記物品収納棚における前記収納部に対応する目標停止位置についての、前記目標昇降移動距離情報を、学習した物品収納棚における前記収納部について求めた前記目標昇降移動距離情報を代用するように構成されている請求項2または3に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
複数の前記移載装置のうちの一部が学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、複数の作業通路に対応して設置された複数の前記物品収納棚の全てに対して前記学習運転を実行するように構成され、
前記記憶手段が、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転により求めた前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を記憶するように構成され、
複数の前記移載装置のうちの前記学習運転を実行しない移載装置が個体差学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、
前記個体差学習運転として、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転を行った複数の前記物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の前記収納部のうちの少なくとも一部を学習対象として、前記学習運転を行うように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、その学習運転により、学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報と、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転によって、前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報および前記昇降移動距離検出手段の昇降移動距離検出情報との比較により個体差情報を求めるように構成され、かつ、
複数の前記物品収納棚における複数の収納部のうちで、少なくとも前記学習運転を実行していない収納部についての目標停止位置を示す前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を、前記記憶手段に記憶されている前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報を前記個体差情報にて補正することにより求めるように構成されている請求項2または3に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
複数の前記移載装置のうちの一部が学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、複数の作業通路に対応して設置された複数の前記物品収納棚の全てに対して前記学習運転を実行するように構成され、
前記記憶手段が、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転により求めた前記目標水平移動距離情報および前記目標昇降移動距離情報のうち、前記目標水平移動距離情報を記憶するように構成され、
複数の前記移載装置のうちの前記学習運転を実行しない移載装置が個体差学習運転用の移載装置として定められて、それに装備の前記制御手段が、
前記個体差学習運転として、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転を行った複数の前記物品収納棚のうちの一部の物品収納棚が備える複数の前記収納部のうちの少なくとも一部を学習対象として、前記目標水平移動距離情報についての学習運転を行い、かつ、複数の前記物品収納棚のうちの少なくとも一部を学習対象として、前記目標昇降移動距離情報についての学習運転を行うように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御し、かつ、その学習運転により、学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報と、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が前記学習運転によって、前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が学習対象とする前記収納部について検出した前記水平移動距離検出手段の水平移動距離情報との比較により個体差情報を求めるように構成され、かつ、
複数の前記物品収納棚における複数の収納部のうちで、少なくとも前記学習運転を実行していない収納部についての目標停止位置を示す前記目標水平移動距離情報を、前記記憶手段に記憶されている前記目標水平移動距離情報を前記個体差情報にて補正することにより求めるように構成されている請求項4に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段は、前記個体差学習運転において、前記物品収納棚が備える一つの支柱を学習対象として、前記目標水平移動距離情報についての学習運転を行うように、前記移動体の水平移動および前記昇降体の昇降移動を制御するように構成されている請求項6に記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記水平移動距離検出手段が、前記移動体に設けられて、前記移動体の水平移動方向に沿って設けられた係合体に対して係合する回転体の回転によりパルスを出力するエンコーダにて構成され、
前記移動体には、その水平移動経路に間隔を隔てて少なくとも二つ設けられた基準部材を検出する基準部材検出手段が設けられ、
前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段は、前記基準部材検出手段にて少なくとも二つの前記基準部材を検出させるように、前記移動体の水平移動を制御し、かつ、前記基準部材検出手段が前記基準部材を検出してから次の前記基準部材を検出するまでにおける前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報に基づいて、二つの前記基準部材間の距離についてのパルス数情報を求めるように構成され、
前記個体差学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段は、前記基準部材検出手段にて少なくとも二つの前記基準部材を検出させるように、前記移動体の水平移動を制御し、かつ、前記基準部材検出手段が前記基準部材を検出してから次の前記基準部材を検出するまでにおける前記水平移動距離検出手段の水平移動距離検出情報に基づいて求めた二つの前記基準部材間の距離についてのパルス数情報と、前記学習運転用の移載装置に装備の前記制御手段が求めた前記パルス数情報との比較によりパルス数の差情報を求めるように構成され、かつ、
前記記憶手段に記憶されている前記目標水平移動距離情報と前記パルス数の差情報に基づいて、前記複数の目標停止位置のいずれかに前記昇降体を選択的に位置させるべく、前記移動体の水平移動を制御するように構成されている請求項6または7に記載の物品搬送設備。
【請求項9】
前記記憶手段が、前記複数の作業通路の夫々に配設された複数の情報記憶用タグにて構成され、
複数の前記情報記憶用タグの夫々が、設置された作業通路に対応する前記物品収納棚における前記複数の目標停止位置についての情報を記憶するように構成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品搬送設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−219297(P2006−219297A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275958(P2005−275958)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】