説明

物品管理システム

【課題】物品管理におけるセキュリティーを向上させる。
【解決手段】管理対象物品302に関連づけて取り扱われる物品用無線タグTbの移動を、無線通信を介して検出するリーダ101と、管理者用の保安情報収集として所定方向の撮像を行うカメラ装置102及び管理者へ保安情報の音声報知を行うブザー104と、リーダ101の検出結果に基づき、カメラ装置102及びブザー104を作動させる管理サーバ103とを有している。また、リーダ101は、管理対象者303に関連づけられる対象者用無線タグTtが通信範囲内に位置することを検出し、特定の管理対象者303に対応する前記対象者用無線タグTtを検出した場合に、管理サーバ103はカメラ装置102及びブザー104の作動を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理対象の物品を無線タグを用いて管理する物品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品管理の省力化やセキュリティーの向上を目的とした遠隔による監視システムやモニターシステムは、種々のものが既に提唱されている。一方、小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。無線タグは、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報(識別情報)を読み取り、当該無線タグを識別することができる。
【0003】
従来、このような無線タグを用いた無線通信による識別機能を利用した物品探索システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来技術では、探索したい物品の情報を操作者が(たとえば音声にて)指示入力すると、当該物品に対応する無線タグの識別情報がデータベースより検索されて、自走式の探索装置のCPUへ入力される。その後、探索装置は、所定の探索領域を自ら走行しながら、探索装置に備えられたリーダが読み取り範囲の無線タグを次々と読み込み、上記CPUに入力された識別情報と一致する無線タグ回路素子が見つかったら、その物品の位置情報を探索装置に備えられた表示手段に表示することで、操作者に探索結果を報知するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−56177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、物流倉庫やその他の建造物内各部を遠隔モニターするモニターシステムにおいて、所定の領域内における物品の出入りや移動管理を行い、セキュリティーを向上したいというニーズがある。上記従来技術は、リーダが自走式探索装置に搭載されて移動しながら探索を行なうことは可能であるが、探索は静止物としての物品の位置を検出するにとどまっていたため、このようなニーズに対応するのは困難であった。
【0007】
本発明の目的は、管理対象の物品の移動状態に基づき物品管理を行うことで、セキュリティーを向上できる物品管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1発明は、管理対象物品に関連づけて取り扱われる物品用無線タグの移動を、無線通信を介して検出する物品移動検出手段と、管理者用の保安情報収集又は管理者へ保安情報報知を行う保安装置と、前記物品移動検出手段の検出結果に基づき、前記保安装置を作動させる保安制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、管理対象物品が移動されると、その管理対象物品に関連づけられた物品用無線タグの移動が物品移動検出手段で検出され、その検出結果に基づき保安制御手段が保安装置を作動させ、撮像や音声・光学報知等の保安情報収集・報知が行われる。このように、単なる物品の配置情報ではなくその移動の状態を検出し、これに基づき保安装置を作動させることで、物品管理におけるセキュリティーを向上させることができる。
【0010】
第2発明は、上記第1又は第2発明において、前記物品移動検出手段は、無線通信用のアンテナと、このアンテナを介し、前記物品用無線タグと無線情報通信を行う通信手段と、前記アンテナの指向性方向を変化させる指向性制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
指向性制御手段でアンテナの指向性方向を変化させつつ通信手段が物品用無線タグと通信を行うことで、管理対象物品の移動を確実に検出することができる。またこれにより、1つのアンテナで比較的広範囲における管理対象物品の移動挙動を検出することができ、設置アンテナ数を低減できる効果もある。
【0012】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記物品移動検出手段は、前記物品用無線タグまでの距離を検知する距離検知手段を備えることを特徴とする。
【0013】
距離検知手段で物品用無線タグまでの距離を検知することで、その距離の変化によって管理対象物品の移動を検出することができる。
【0014】
第4発明は、上記第1又は第2発明において、前記物品移動検出手段は、前記物品用無線タグまでの方向を検知する方向検知手段を備えることを特徴とする。
【0015】
方向検知手段で物品用無線タグの方向を検知することで、その方向の変化によって管理対象物品の移動を検出することができる。
【0016】
第5発明は、上記第1又は第2発明において、前記物品移動検出手段は、前記物品用無線タグまでの距離及び方向を検知する距離・方向検知手段を備えることを特徴とする。
【0017】
距離検知手段のみでは例えばアンテナを中心とした円周上移動を検知するのが困難な場合があり、方向検知手段のみではアンテナに対し遠近する方向への移動を検知するのが困難な場合があるが、本願第5発明においては、距離・方向検知手段で距離と方向の両方を検知することにより、上記いずれの場合であっても、確実に移動を検知することができる。
【0018】
第6発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、前記距離検知手段、若しくは前記方向検知手段、又は前記距離・方向検知手段は、所定時間間隔で繰り返し前記距離、若しくは前記方向、又は前記距離及び方向の検知を行い、前記物品移動検出手段は、前記距離検知手段、若しくは前記方向検知手段、又は前記距離・方向検知手段による前回の検知結果と今回の検知結果との差分に応じて前記物品用無線タグの移動状態を判定する判定手段を備えることを特徴とする。
【0019】
距離、方向、又は距離・方向検知の前回と今回の検知結果に応じて判定手段が物品用無線タグの移動状態を判定することで、前回検知時と今回検知時との間の管理対象物品の移動を確実に検出することができる。
【0020】
第7発明は、上記第6発明において、前記判定手段は、前記距離検知手段、若しくは前記方向検知手段、又は前記距離・方向検知手段による前回の検知結果と今回の検知結果との差が所定値以上となったときに、前記物品用無線タグが移動したと判定することを特徴とする。
【0021】
これにより、管理対象物品の振動等による微妙な位置ずれの検出、又は測定誤差による誤検出を回避し、本来検出したい管理対象物品の移動のみを確実に検出することができる。
【0022】
第8発明は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、管理対象者に関連づけられる対象者用無線タグが通信範囲内に位置することを検出する対象者検出手段を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、管理対象物品の移動挙動のみならずさらに管理対象者の位置挙動を加味して総合的に物品管理を行うことが可能となり、さらに確実にセキュリティーを向上することができる。
【0024】
第9発明は、上記第8発明において、前記対象者検出手段が予め登録されているところの特定の前記管理対象者に対応する前記対象者用無線タグを検出した場合に、前記保安装置の作動を抑止する抑止制御手段を有することを特徴とする。
【0025】
これにより、例えばメンテナンス担当者、管理者等、特定の管理対象者に対しては例外的に保安装置が作動しないようにすることができるので、さらに利便性を向上することができる。
【0026】
第10発明は、上記第8又は第9発明において、前記保安装置は、前記保安情報として所定方向の撮像を行う撮像手段であることを特徴とする。
【0027】
これにより、物品管理上何らかの不明確な状況が生じた場合等、必要に応じて所定箇所の撮像を行うことで、セキュリティーをさらに向上させることができる。
【0028】
第11発明は、上記第10発明において、前記物品移動検出手段の検出結果と前記対象者検出手段の検出結果とに応じて、管理対象区域における侵入者を検知する侵入者検知手段を有することを特徴とする。
【0029】
物品移動検出及び対象者検出結果に応じて侵入者を検知することにより、防犯セキュリティーをさらに向上することができる。
【0030】
第12発明は、上記第11発明において、前記保安制御手段は、前記侵入者検知手段で前記侵入者を検知したときに、前記撮像手段を作動させることを特徴とする。
【0031】
これにより、侵入者の姿や対応する物品の外形等を映像の形で確実に撮像することができ、防犯セキュリティーを確実に向上することができる。
【0032】
第13発明は、上記第10乃至第12発明のいずれかにおいて、前記撮像手段は、管理対象区域の複数箇所をそれぞれ撮像するように複数設けられており、前記保安制御手段は、前記複数の撮像手段のうち、前記対象者検出手段で検出された前記対象者用無線タグの位置に応じた所定のものを選択して作動させる撮像選択指示手段を備えることを特徴とする。
【0033】
撮像選択指示手段で例えば対象者に最も近い撮像手段より撮像を行わせることで、鮮明な映像を確実に記録することができる。
【0034】
第14発明は、上記第10乃至第12発明のいずれかにおいて、前記撮像手段は、管理対象区域の複数箇所をそれぞれ撮像するように複数設けられており、前記保安制御手段は、前記複数の撮像手段のすべてを作動させる全撮像指示手段を備えることを特徴とする。
【0035】
これにより、侵入者や管理対象者、あるいは管理対象物品の所在が不明であるとき等、広く探索を実行したい場合に、すべての撮像手段で広い範囲にわたる映像情報を記録することができる。
【0036】
第15発明は、上記第10乃至第14発明のいずれかにおいて、前記対象者用無線タグまでの距離に応じて、前記撮像手段の変倍制御または焦点位置制御を行う変倍・焦点制御手段を有することを特徴とする。
【0037】
これにより、管理対象者及びその近傍の映像をより確実に鮮明に記録することができる。
【0038】
第16発明は、上記第1乃至第15発明のいずれかにおいて、前記保安装置は、前記管理者へ音声又は光学的手段を用いて前記保安情報報知を行う報知手段を備えることを特徴とする。
【0039】
これにより、物品管理上何らかの不明確な状況が生じた場合等、必要に応じて音声報知又は光学的報知を単独で行うことで、セキュリティーをさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、管理対象の物品の移動状態に基づき物品管理を行うので、セキュリティーを向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0042】
図1は、本実施形態の物品管理システム100を管理対象の物品を多数格納している倉庫300に適用した場合の一例を表す平面図である。この例では、管理対象区域である倉庫300内の床面形状が図示するように平面図で見て長方形の形状となっており、また管理者が待機する監視室305(倉庫300の一角あるいは近所の別室でもよいし、比較的遠く離れた遠隔地でもよい)が設けられている。そしてこの例では、監視対象として、予めその倉庫300内の所定の物品棚301に配置された管理対象の物品302と所定の管理対象者303(たとえば当該倉庫300の管理会社社員及び物品を出し入れする物流業者社員等)が設定されおり、管理対象物品302には物品用無線タグTbが添付(同梱)され、管理対象者303(図中では対象者として省略)は対象者用無線タグTtを所持させている。
【0043】
そして、本実施形態の物品管理システム100は、倉庫300内の所定箇所(この例では図中下方に位置する壁面の中央)に設置されたリーダ(物品移動検出手段、対象者検出手段)101と、倉庫300内の四隅に設置されたカメラ装置(保安装置、撮像手段)102と、監視室305内に設置されて上記リーダ101及び上記カメラ装置102と通信ネットワークNWを介して接続されている管理サーバ(保安制御手段)103とを有している。
【0044】
リーダ101は、倉庫300内に存在する各無線タグTb,Ttをサーチしてそれぞれの識別情報を検出したり、それぞれの存在位置を探知できるようになっている(詳細については後述する)。また、各カメラ装置102はそれぞれレンズ部を倉庫300の中央に向けて設置されており、全てのカメラ装置102の視界を合わせると倉庫300内の空間のほとんど全体を見渡せるようになっている。
【0045】
そして管理サーバ103は、リーダ101に各無線タグTb,Ttの存在位置の探知や識別情報の検出による監視を所定時間ごとに行わせ、その監視結果が所定の条件を満たさない場合には、カメラ装置102による倉庫300内の撮像や管理サーバ103に備えられたブザー(保安装置、報知手段;詳しくは後述する)104による音声報知を行わせて監視室305の管理者に管理対象物品302の保安状態の異常を報知するものである。
【0046】
図2は、本実施形態の物品管理システム100の概略を表すシステム構成図である。
【0047】
図2において、この物品管理システム100は、上述したように各無線タグTb,Ttとの無線通信によりそれぞれの識別情報の検出や存在位置の探知を行う上記リーダ101と、管理対象区域である倉庫300内の空間を撮像できるよう適宜の複数箇所(この例では4箇所)に配置された上記カメラ装置102と、これらリーダ101及びカメラ装置102に適宜の通信ネットワークNWで接続された上記管理サーバ103とから構成されている。管理サーバ103からの制御信号が通信ネットワークNWを介しリーダ101及び各カメラ装置102へ出力され、リーダ101からの検出結果や探知結果及び各カメラ装置102からの撮像映像が管理サーバ103へと出力される。
【0048】
リーダ101は、制御部2と、アンテナユニット(アンテナ)3とを有している。制御部2は、CPU(中央演算装置)4と、上記通信ネットワークNWを介して管理サーバ103との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部5と、例えばRAMやROM等からなるメモリ6と、アンテナユニット3を介し無線タグTb,Ttとの無線通信の制御を行うRF通信制御部7とを備えている(無線タグTb,Ttについては後に詳述する)。
【0049】
各カメラ装置102は、所定方向を撮影するレンズ部8と、このレンズ部8のレンズの変倍制御(ズーミング)及び焦点位置制御(ピント調整)を行う公知の制御手段(図示せず)とを備えている。そして、上記通信ネットワークNWを介して管理サーバ103から制御信号を入力されることにより上記変倍制御や焦点位置制御を行うとともに、レンズ部8から撮像した静止画像を管理サーバ103に出力する。
【0050】
管理サーバ103は、CPU(中央演算装置)9と、例えばRAMやROM等からなるメモリ10と、管理者からの指示や情報が入力される操作部11と、各種情報やメッセージを表示する表示部12と、ハードディスク装置などの大容量記憶装置からなり各無線タグTb,Ttに関する各種タグ情報を後述する無線タグTb,TtのタグID(識別情報)に対応して記憶するタグ情報データベース13と、上記通信ネットワークNWを介してリーダ101及び各カメラ装置102との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部14と、管理対象物品302の保安状態の異常が検知された際に管理者に音声報知するブザー104とを備えている。なお、タグ情報データベース13は、管理サーバ103内に設けるのに限らず、何らかの通信回線を介して情報を送受可能に接続した外部のデータベースを利用してもよい。
【0051】
なお、本実施形態では、通信ネットワークNWにケーブル等を使用した有線ネットワークを想定しているが、これに限らず、例えば上記RF通信制御部7と周波数帯及び送受信方式の異なる無線ネットワークを用いてもよい。
【0052】
図3は、上記リーダ101の検索(サーチ)対象である管理対象物品・管理対象者等に添付・所持された無線タグTb,Ttに共通して備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0053】
図3において、無線タグ回路素子Toは、リーダ101のアンテナユニット3とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行うアンテナ151と、このアンテナ151に接続されたIC回路部150とを有している。
【0054】
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部(後述)157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0055】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記リーダ101のアンテナユニット3からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、アンテナユニット3より受信された搬送波を変調し、アンテナ151より反射波として再送信する。
【0056】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0057】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0058】
なお、例えばメモリ部155に記憶されている情報信号のうちの無線タグTb,Ttを個別に識別するための識別情報(タグID)については、管理対象物品302に貼り付ける物品用無線タグTbと管理対象者303に所持させる対象者用無線タグTtとの間で区別できる情報となっている。またリーダ101はこれに対応して、物品用無線タグTbと対象者用無線タグTtに対し例えばそれぞれ異なるサーチモードで探知・検出するようにしてもよい。
【0059】
図4は、上記RF通信制御部7及びアンテナユニット3の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【0060】
図4において、アンテナユニット3は、この例では、1つの送信アンテナ(アンテナ素子)20と、3つの受信アンテナ(アンテナ素子)21A,21B,21Cとから構成されている。
【0061】
RF通信制御部7は、上記送信アンテナ20及び受信アンテナ21A,21B,21Cを介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための送信部212及び受信部213(=高周波回路)と、受信アンテナ21Aに係わる位相制御ユニット203Aと、受信アンテナ21Bに係わる位相制御ユニット203Bと、受信アンテナ21Cに係わる位相制御ユニット203Cと、これら位相制御ユニット203A,203B,203Cからの出力を合波する加算器205とを有し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み取られた信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするためのアクセス情報を生成する機能を含む上記CPU4(リーダ101のCPU)と接続されている。
【0062】
位相制御ユニット203A,203B,203Cは、CPU4からの位相制御信号を入力しこれに応じて受信アンテナ21A,21B,21Cにおける受信電波信号の位相を可変に設定する移相器206A,206B,206Cと、CPU4からの信号を入力しこれに応じて移相器206A,206B,206Cから入力した信号を可変に増幅し上記加算器205に出力する可変ゲインアンプ(増幅率可変アンプ)208A,208B,208Cとを備えている。
【0063】
送信部212は、送信アンテナ20を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信するものであり、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子215A、PLL(Phase Locked Loop)215B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)215Cと、上記CPU4から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU4からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例ではCPU4からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ217とを備えている。そして、上記搬送波発生部により発生される搬送波は、好適にはUHF帯やマイクロ波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送信アンテナ20に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。
【0064】
受信部213は、受信アンテナ21A,21B,21Cにより受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信アンテナ21A,21B,21Cで受信され上記位相制御ユニット203A,203B,203Cを経て加算器205で合波された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記搬送波発生部により発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、この第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅して第1リミッタ220に供給する受信第1アンプ221と、上記受信アンテナ21A,21B,21Cで受信され上記位相制御ユニット203A,203B,203Cを経て加算器205で合波された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記搬送波発生部により発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ224に供給する受信第2アンプ225とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU4に入力されて処理される。
【0065】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU4に入力され、CPU4はこの信号強度に応じて通信対象の無線タグTb,Ttまでの距離を適宜の公知の手法で算出するようになっている(後述)。このようにして、本実施形態のリーダ101のRF通信制御部7では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0066】
CPU4は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。このCPU4は、上述した高周波回路受信部213からの受信信号、上記操作部102Aの操作信号等を入力した後所定の演算処理を行い、上述した高周波回路送信部212への増幅制御信号及び変調制御信号、位相制御ユニット203A,203B,203Cへの位相制御信号、管理サーバ103への画像処理制御信号等を出力する。
【0067】
以上において、本実施形態の最も大きな特徴は、管理対象物品302に関連づけて取り扱われる物品用無線タグTbの移動をリーダ101が無線通信を介して検出し、上記リーダ101の検出結果に基づき、管理サーバ103によって上記カメラ装置102及びブザー104が制御され、管理者用の保安情報収集又は管理者へ保安情報報知を行うことにある。以下、その詳細を順次説明する。
【0068】
図5は、上記のような倉庫300内の監視を行うために、管理サーバ103のCPU9が行う無線タグTb,Ttの監視動作に係わる制御手順を表すフローチャートである。
【0069】
図5において、管理サーバ103の操作部11においてモニター(監視)開始の指示入力(例えばキー操作)されると、このフローが開始される。まずステップS10において、倉庫300に配置されているN個の管理対象物品302に関し予め操作部11により手入力されたそれぞれの基準位置(例えば本来おいてあるべき場所等)の情報を各管理対象物品302に対応させてタグ情報データベース(図中ではDBと省略する)13に登録する。
【0070】
なお、特に図示していないが、以下のステップS15に移る前に個々の管理対象物品302を特定する番号であるNを1に初期設定しておく。そして次にステップS15に移り、操作部11からこのフローを終了させる操作がなされたか否かを判定する。終了操作がなされた場合は、判定が満たされこのフローを終了する。
【0071】
上記ステップS15において終了操作がなされておらず判定が満たされなかった場合は、ステップS20に移り、リーダ101に対して制御信号を出力し、管理対象物品302をサーチ(探知)するモードに切り替えてから、次のステップS100でリーダ101によりN番目の管理対象物品302のサーチ処理を行う。このステップS100のサーチ処理では、N番目の管理対象物品302に添付された物品用無線タグTbのタグIDの検出と、その倉庫300内における位置が探知され位置情報として検出され、検出結果がリーダ101より入力される(後述の図6のフローを参照)。
【0072】
次にステップS25に移り、上記ステップS100でのリーダ101における検出結果に基づき、N番目の管理対象物品302が見つかったか否か、すなわちN番目の管理対象物品302に添付された物品用無線タグTbから対応するタグIDが検出されたか否かを判定する。見つかった場合は、判定が満たされステップS30へ移る。
【0073】
次のステップS30では、N番目の管理対象物品302については物品情報がタグ情報データベース13に登録されているか否かを判定する。N番目の管理対象物品302について物品情報が登録されていなかった場合は判定が満たされず、ステップS35に移り上記ステップS100で検出したN番目の管理対象物品302の位置情報、タグID、及び物品情報等をタグ情報データベース13に登録させてステップS40に移る。
【0074】
ステップS40では、Nが最大値(物品用無線タグTbの総個数)以上であるか否かを判定し、Nが最大値未満であった場合は判定が満たされず、次のステップS45でNに1を加えてからステップS15に戻り、終了操作がなされるまでループを繰り返す。なお、上記ステップS40においてNが最大値以上であり判定が満たされた場合は、ステップS50に移り、Nを0にリセットすると共に所定時間(例えば1分間)のウェイト処理(待機処理)を行ってからステップS45へ移る。これにより、管理対象物品302をN=1番目から順次全てサーチし終えた際にまた1番目からやり直すことができ、またそのような管理対象物品302のサーチを1巡するごとに1分間の時間間隔をおいて必要以上に連続した監視動作を回避しCPU処理の省力化を図ることができる。
【0075】
一方、上記ステップS30において、N番目の管理対象物品302の物品情報が既にタグ情報データベース13に登録されていた場合は、判定が満たされ、ステップS53に移り、上記ステップS100のリーダ101の検出結果に基づき、当該検出された管理対象物品302の位置情報が、既にタグ情報データベース13に登録されている基準位置から所定の範囲より外に位置しているか否かを判定する。この判定は、後述するようにリーダ101によって検知される物品用無線タグTbまでの距離と、登録されている基準位置との距離との差が、所定値以上であるか否かによって判定してもよいし、また後述するリーダ101の指向性方向を利用した物品用無線タグTbの検知方向と、登録されている基準位置の方向との差が、所定値以上であるか否かによって判定してもよい。それら両方を加味して判定してもよい。
【0076】
上記ステップS100で検出された管理対象物品302の位置情報と、タグ情報データベース13に登録されている基準位置との差が、所定の基準範囲内であった場合はステップS53の判定が満たされず、N番目の管理対象物品302の保安状態に異常がない(移動されていない)ものとみなして上記ステップS40に移り、今回のN番目の管理対象物品302に対する処理を終えて次のN+1番目(またはN=1番目)の管理対象物品302のサーチに向けて処理を続ける。また、ステップS53の判定が満たされた場合は次のステップS55へ移る。
【0077】
ステップS55では、上記ステップS100で検出された管理対象物品302の位置情報が前回検出された同じN番目の管理対象物品302の位置情報と異なるか否か(差が所定値以内か)を判定する。この判定は、後述するようにリーダ101によって検知される物品用無線タグTbまでの距離と、前回の同じN番目に対応する検知距離との差が、所定値以上であるか否かによって判定してもよいし、また後述するリーダ101の指向性方向を利用した物品用無線タグTbの検知方向と、前回の同じN番目に対応する検知方向との差が、所定値以上であるか否かによって判定してもよい。それら両方を加味して判定してもよい。
【0078】
上記ステップS100で検出された管理対象物品302の位置情報が、前回検出された同じN番目の管理対象物品302の位置情報とほぼ同じ(差が所定値以内)であった場合はステップS55の判定が満たされず、N番目の管理対象物品302に異常がない(移動されていない)ものとみなして上記ステップS40に移る。また、判定が満たされた場合は次のステップS60へ移る。
【0079】
次のステップS60においては、リーダ101に対して制御信号を出力し、管理対象者303をサーチするモードに切り替えてから、次のステップS200でリーダ101により倉庫300内における管理対象者303のサーチ処理を行う。このステップS200のサーチ処理では、上記ステップS200における管理対象物品のサーチ処理と同様、管理対象者303が所持する対象者用無線タグTtのタグIDの検出と、その倉庫300内における位置が探知され位置情報として検出され(後述の図6のフローを参照)、その検出結果がリーダ101より入力される。
【0080】
次にステップS65に移り、上記ステップS200の検出結果に基づき、管理対象者303が見つかったか否か、すなわち管理対象者303が所持する対象者用無線タグTtに対応するタグIDが検出されたか否かを判定する。当該タグID(対象者用無線タグTdに割り当てられているタグIDのいずれか)が見つかった場合は判定が満たされ、正当な移動権限を持つ管理対象者303が管理対象物品302を正当に搬出させている最中であるとみなしてリーダ101に対して制御信号を出力しステップS300の正当搬出処理(詳細は後述の図9参照)を行った後、ステップS40へ移る。また、管理対象者303が見つからなかった場合は判定が満たされず、正当な管理対象者以外の者が誤って管理対象物品302を移動させたとみなしてリーダ101に対して制御信号を出力しステップS400の誤移動保安処理(詳細は後述の図9参照)を行い、その後ステップS40へ移る。
【0081】
一方、上記ステップS25において、N番目の管理対象物品302が見つからなかった場合は判定が満たされず、ステップS70に移り、タグ情報データベース13からN番目の管理対象物品302についての管理状態を含む物品情報を入手する。
【0082】
そして次のステップS75においてN番目の管理対象物品302が正当に持ち出されている状態であるか否かを判定する。ステップS70で入手した物品情報において、既に正当な権限のある者が正当に持ち出したという記録があった場合には、ステップS75の判定が満たされ、N番目の管理対象物品302は既に倉庫300から正当に搬出されて問題ない状態であるとみなして上記ステップS40へ移る。正当に持ち出されている記録がない場合は判定が満たされず、次のステップS80へ移る。
【0083】
ステップS80では、上記ステップS60と同様、リーダ101に対して制御信号を出力し、管理対象者303をサーチするモードに切り替えてから、前述と同様のステップS200に移り、倉庫300内における管理対象者303のサーチ処理を行う。すなわち、前述と同様、管理対象者303が所持する対象者用無線タグTtのタグIDの検出と、その倉庫300内における位置が探知され位置情報として検出される(後述の図6のフローを参照)。
【0084】
次にステップS85に移り、上記ステップS200の検出結果に基づき、管理対象者303が見つかったか否かを判定する。見つかった場合は判定が満たされ、いずれかの管理対象者303がタグ情報データベース13の物品情報に管理対象物品302の持ち出し状態を登録することなく無断でN番目の管理対象物品302を持ち出したとみなして、リーダ101に対して制御信号を出力しステップS500の無断持ち出し保安処理(詳細は後述の図11参照)を行った後、上記ステップS40へ移る。また、管理対象者303が見つからない場合は判定が満たされず、管理対象者以外の不審者が管理対象物品302を持ち出したとみなしてリーダ101に対して制御信号を出力しステップS600の盗難保安処理(詳細は後述の図12参照)を行い、その後上記ステップS40へ移る。
【0085】
図6は、上記ステップS100の物品サーチ処理及び上記ステップS200の対象者サーチ処理に共通に対応して、リーダ101のCPU4が実行する詳細手順を表すフローチャートである。本実施形態におけるリーダ101のアンテナユニット3では、3つの受信アンテナ21A,21B,21Cを備え1つの返答信号がアンテナユニット3に対し角度を持って斜めから伝搬した場合にそれら受信アンテナ21A,21B,21Cでその行路長の差だけ受信電波の位相に差が出ることを利用し、無線タグTb,Ttの存在位置検出を行うものである。
【0086】
図6において、まずステップS110で、サーチ時において受信アンテナ21A,21B,21Cの(受信)指向性(=メインローブの方向)を単一方向に保持しつつその方向を変化させるとき(詳細は後述)におけるある基準位置(例えばリーダ101の真左側方向を0°)からの指向性方向の角度(以下適宜、指向角という)θの初期値をθ=θSTARTに設定する。なお、このθSTARTの値は、予め制御部2のメモリ6内に固定的に記憶されていてもよいし、書き換え可能に記憶されていてもよいし、サーチの都度管理サーバ103の操作部11から入力するようにしてもよい。
【0087】
次に、ステップS120に移り、上記指向角θと、受信アンテナ21A,21B,21Cのそれぞれの間隔d(=固定値)の値に応じ、受信アンテナ21A,21B,21Cに係る位相を決定し、これに対応した位相制御信号を位相制御ユニット203A,203B,203Cに出力する。この手順を、図7を用いてさらに詳細に説明する。
【0088】
図7は、一例として、指向角45°の場合における位相決定の手順を表した図である。図7において、受信アンテナ21A,21B,21Cの行路長の差l[m]は、アンテナ間隔d[m]に対し、
l=d×sin45°
=d×(1/√2)
で表される。
【0089】
受信波の波長をλ[m]とすると、移相器206A,206B,206Cのそれぞれの間には、次式で表される位相差φを与えればよいこととなる。
φ=2π×(d/√2)×(1/λ)
なお、上記45°以外の角度についても、上記同様にして、指向角θの値に基づき、移相器206A,206B,206Cのそれぞれの間に、対応する位相差φを与えればよい。
【0090】
上記ステップS120の後、ステップS130で、上記のように受信アンテナ21A,21B,21Cの位相を設定した(言いかえれば指向角θを設定した)条件のもと、送信アンテナ20よりサーチ対象無線タグTb,Ttに対する呼びかけ信号であるScrollID信号を出力させる。詳細にはサーチ対象の無線タグTb,TtのタグID(例えば予めサーバ103の操作部11における設定入力又はメモリ10での記憶に基づき、サーバ103から通信ネットワークNWを介して制御部2に入力されている)に応じた「TX_ASK」信号を生成して第1乗算回路216に出力し、第1乗算回路216で対応する上記振幅変調が行われアクセス情報としての「Scroll
ID」信号となる。一方CPU4は「TX_PWR」信号を生成して第1アンプ217に出力し、第1アンプ217でその「TX_PWR」信号に基づく増幅率で信号増幅が行われ、最終的に送信アンテナ20を介し送信され、サーチ対象である無線タグTb,Ttの無線タグ回路素子Toからの返信を促す。
【0091】
その後、ステップS140で、上記「Scroll ID」信号に対応してサーチ対象の無線タグTb,Ttの無線タグ回路素子Toから送信された返答信号(=リプライ信号;タグIDを含む無線タグ情報)を受信アンテナ21A,21B,21Cより受信し位相制御ユニット203A,203B,203Cで位相制御され、加算器204及び受信部213を介し取り込む、このときのRSSI回路226からの受信信号強度信号「RSSI」が入力され、その値がステップS150でメモリ6内のRAM等の適宜の記憶手段(あるいはCPU4外の外部記憶手段でもよいし、また不揮発性のものでもよい)に記憶される。
【0092】
そしてステップS160で、θが、予め指向角θを順次変化させるときの最終値として設定されたθEND(例えば指向角θ変化範囲)に等しくなったかどうかを判定する。最初はθ=θSTARTであるから判定が満たされず、ステップS170で予め定められたθSTEPだけ加え、ステップS130に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0093】
こうしてステップS130〜ステップS170を繰り返してθの値にθSTEPを小刻みに加え、全受信アンテナ21A,21B,21Cによって生じる指向性を単一方向に保持しつつその指向角θを徐々に変化させながら、信号送信及び受信を繰り返しその都度受信信号を記憶していく。そしてθ=θENDになったらステップS160の判定が満たされ、ステップS180に移る。
【0094】
ステップS180では、(後述するサーチ不成功の場合を除き)上記繰り返しの間にステップS150で記憶した信号強度に基づき、無線タグTb,Ttの存在する方向を決定する(例えば最も信号強度が大きかった指向角方向とする)。その後、ステップS190で、同様に上記信号強度に基づき、リーダ101と無線タグTb,Ttとの間の距離を決定(同定)する。これは、図8にその一例を示すように、前述した返答信号の信号強度「RSSI」が小さいほど無線タグ回路素子Toまでの距離が遠い傾向となるという特性を利用して行う。そして上記ステップS180及びステップS190の結果に基づく位置情報をステップS195でネットワークNWを介してサーバ103へ出力し、このフローを終了する。なお、受信部213のRSSI回路226及び図6のステップS190が、物品用無線タグTbまでの距離を検知する距離検知手段を構成する。なお、距離検知手段として、送信出力を可変しながら(例えば徐々に増大させながら)通信を行い、はじめて通信が成功したときの出力値から距離を求める手法でもよい。またステップS180が、物品用無線タグTbまでの方向を検知する方向検知手段を構成する。さらに、これらステップS180及びステップS190が、物品用無線タグTbまでの距離及び方向を検知する距離・方向検知手段を構成する。
【0095】
なお、前述のステップS130〜ステップS170の繰り返しの間に、サーチ対象の無線タグTb,Ttからの返答信号(タグID)が得られなかった場合(あるいは十分な大きさの返答信号が得られなかった場合)は、サーチ不成功(あるいはサーチ不能)とみなされ、ステップS180、ステップS190での方向・距離の計算は行われず(あるいは行われてもエラー演算となり)、このフローの結果に基づく上記図5のステップS25,ステップS65、ステップS85の管理対象物品・対象者が見つかったか否かの判定において見つからなかったものとして判定が満たされなくなる。
【0096】
図9は、サーバ103のCPU9が実行する、上記ステップS300の正当搬出処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図9において、まずステップS310において、上記図5のステップS200の対象者サーチ処理によりリーダ101で検出された管理対象者303の存在位置に基づき、複数設置されているカメラ装置102のうちで管理対象者303を撮像するのに最適な配置(例えば最も近い配置)にあるカメラ装置102を選択し指定する。
【0097】
そして次のステップS320で、上記ステップS310で指定されたカメラ装置102に撮影制御信号を出力し、管理対象者303の静止画像を撮像する。この際、上記ステップS200で検出されたリーダ101と対象者用無線タグTtとの間の距離に応じてカメラ装置102のズームイン・ズームアウト等の変倍制御、またはピント合わせ等の焦点位置制御等を行う。そして撮像した管理対象者303の静止画像は当該カメラ装置102より管理サーバ103に入力され、表示部12に表示されるとともにメモリ10又はタグ情報データベース13に記憶される。また詳細な説明を省略するが各カメラ装置102はリーダ101との位置関係や撮像方向についてはメモリ6に記憶されており、リーダ101が検出した距離、方向はCPU4によりカメラ装置102の制御すべき距離、方向が設定されるようになっている。
【0098】
次にステップS330に移り、タグ情報データベース13内のN番目の管理対象物品302に対応する物品情報に対し、上記ステップS100の物品サーチ処理によって新たに検出された物品用無線タグTbの存在位置を更新登録してこのフローを終了する。
【0099】
以上のフローにより、正当な管理対象者303が管理対象物品302を正当に搬出させている最中に、その様子の静止画像を撮像・表示・記憶して映像により確認できるようにしておくとともに、N番目の管理対象物品302の移動に応じてその新たな存在位置をタグ情報データベース13の物品情報に更新登録することができる。
【0100】
図10は、サーバ103のCPU9が実行する、上記ステップS400の誤移動保安処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図10において、まずステップS410において、設置されている全てのカメラ装置102を選択し指定する。
【0101】
そして次のステップS420で、指定された全てのカメラ装置102に撮影制御信号を出力し、これらカメラ装置102により倉庫300内全体の静止画像を撮像する。この際、各カメラ装置102はできるだけ広い範囲で撮像できるように最もズームアウトするよう変倍制御を行うのが好ましい。そして各カメラ装置102が撮像した倉庫300内の静止画像は管理サーバ103に送られ、それぞれ表示部12に表示されるとともにメモリ10又はタグ情報データベース13に記憶される。
【0102】
そして次のステップS430において、ブザー104に駆動信号を出力してこれを鳴動させ、管理者に対し管理対象物品302の保安状態の異常を報知する。
【0103】
次にステップS440に移り、タグ情報データベース13内のN番目の管理対象物品302に対応する物品情報に対して誤移動状態を登録してこのフローを終了する。
【0104】
以上のフローにより、正当な管理対象者303以外の者(部外者等無線タグTtを着用していない者)が誤って管理対象物品302を移動させたような場合において、倉庫300内全体の静止画像を撮像・表示・記憶して当該者の姿を確認できるようにしておくとともに、N番目の管理対象物品302が誤移動状態であることをタグ情報データベース13の物品情報に登録することができる。
【0105】
図11は、サーバ103のCPU9が実行する、上記ステップS500の無断持ち出し保安処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図11において、まずステップS510において、上記図9のステップS310と同様に、上記図5のステップS200の対象者サーチ処理によりリーダ101で検出された管理対象者303の存在位置に基づき、管理対象者303を撮像するのに最適な配置にあるカメラ装置102を選択し指定する。
【0106】
そして次のステップS520で、上記ステップS510で指定されたカメラ装置102に撮影制御信号を出力し、管理対象者303の静止画像を撮像する。この際、検出されたリーダ101と対象者用無線タグTtとの間の距離に応じてカメラ装置102のズームイン・ズームアウト等の変倍制御、またはピント合わせ等の焦点位置制御等を行う。そして撮像した管理対象者303の静止画像は当該カメラ装置102より管理サーバ103に入力され、表示部12に表示されるとともにメモリ10又はタグ情報データベース13に記憶される。
【0107】
そして次のステップS530において、上記同様、ブザー104に駆動信号を出力して鳴動させ、管理者に対し管理対象物品302の保安状態の異常を報知する。
【0108】
次にステップS330に移り、タグ情報データベース13内のN番目の管理対象物品302に対応する物品情報に対して無断持ち出し状態を登録してこのフローを終了する。
【0109】
以上のフローにより、正当な管理対象者303がタグ情報データベース13の物品情報に管理対象物品302の持ち出し状態を登録することなく無断でN番目の管理対象物品302を既に持ち出した等の場合において、当該管理対象者303の姿の静止画像を撮像・表示・記憶して確認できるようにしておくとともに、N番目の管理対象物品302が無断持ち出し状態であることをタグ情報データベース13の物品情報に登録することができる。
【0110】
図12は、サーバ103のCPU9が実行する、上記ステップS600の盗難保安処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図12において、まずステップS610において、設置されている全てのカメラ装置102を選択し指定する。
【0111】
そして次のステップS620で、指定された全てのカメラ装置102に撮影制御信号を出力し、これらカメラ装置102により倉庫300内全体の静止画像を撮像する。この際、各カメラ装置102はできるだけ広い範囲で撮像できるように最もズームアウトするよう変倍制御を行うのが好ましい。。そして各カメラ装置102が撮像した倉庫300内の静止画像は管理サーバ103に送られ、それぞれ表示部12に表示されるとともにメモリ10又はタグ情報データベース13に記憶される。
【0112】
そして次のステップS630において、ブザー104に駆動信号を出力してこれを鳴動させ、管理者に対し管理対象物品302の保安状態の異常を報知する。
【0113】
次にステップS640に移り、タグ情報データベース13内のN番目の管理対象物品302に対応する物品情報に対して盗難状態を登録してこのフローを終了する。
【0114】
以上のフローにより、正当な管理対象者303以外の者(無線タグTtを着用していない不審者)が既に管理対象物品302を持ち出したような場合において、倉庫300内全体の静止画像を撮像・表示・記憶して当該者の者の姿を確認できるようにしておくとともに、N番目の管理対象物品302が盗難状態であることをタグ情報データベース13の物品情報に登録することができる。
【0115】
以上において、図4に示す送信部212、受信部213及びCPU4が、アンテナユニット3を介し物品用無線タグTbと無線情報通信を行う通信手段を構成し、また位相制御ユニット203A、位相制御ユニット203B、位相制御ユニット203C、加算器205及びCPU4がアンテナユニット3の指向性方向(メインローブ方向)を変化させる指向性制御手段を構成する。
【0116】
また、管理サーバ103のCPU9の実行する図5に示すフローのステップS53及びステップS55は、上記RSSI回路226による前回の検知結果と今回の検知結果とに応じて(特に検知結果との差分に応じて)物品用無線タグTbの移動状態を判定する判定手段に相当する。
【0117】
また、管理サーバ103のCPU9の実行する図5に示すフローのステップS600は、リーダ101による物品移動検出の検出結果と対象者検出の検出結果とに応じて、管理対象区域における侵入者を検知する侵入者検知手段に相当する。
【0118】
また、管理サーバ103のCPU9の実行する図9に示すフローのステップS310及び図11に示すフローのステップS510は、複数のカメラ装置102のうち、リーダ101で検出された対象者用無線タグTtの位置に応じた所定のものを作動させる撮像選択指示手段に相当する。また、管理サーバ103のCPU9の実行する図10に示すフローのステップS410及び図12に示すフローのステップS610は、複数のカメラ装置102のすべてを作動させる全撮像指示手段に相当する。
【0119】
また、管理サーバ103のCPU9の実行する図9に示すフローのステップS320及び図11に示すフローのステップS520は、対象者用無線タグTtまでの距離に応じて、カメラ装置102の変倍制御または焦点位置制御を行う変倍・焦点制御手段に相当する。
【0120】
以上のように構成した本実施形態においては、リーダ101から管理対象物品302に関連づけられた物品用無線タグTbまでの距離をRSSI回路226で検知することで、その距離の変化によって管理対象物品302の移動を確実に検出することができ、その検出結果に基づき物品管理上何らかの不明確な状況が生じた場合は、管理サーバ103がカメラ装置102を作動させて所定箇所の撮像による保安情報収集や、ブザー104を鳴らして音声による保安情報報知が行われる。このように、単なる物品の配置情報ではなくその移動の状態を検出し、これに基づきカメラ装置102やブザー104を作動させることで、物品管理におけるセキュリティーを向上させることができる。
【0121】
また、この実施形態では特に、位相制御ユニット203A、位相制御ユニット203B、位相制御ユニット203C、加算器205及びCPU4によってアンテナユニット3の指向性方向を変化させつつ送信部212及び受信部213が物品用無線タグTbと通信を行う指向性制御を行うことで、管理対象物品302の移動を確実に検出することができる。またこれにより、1つのアンテナユニット3で比較的広範囲における管理対象物品302の移動挙動を検出することができ、設置アンテナ数を低減できる効果もある。
【0122】
また、この実施形態では特に、管理サーバ103のCPU9の実行する図5に示すフローのステップS53及びステップS55において、RSSI回路226による前回の検知距離と今回の検知距離との差が所定値以上となったときに、物品用無線タグTbが移動したと判定することにより、管理対象物品302の振動等による微妙な位置ずれの検出、又は測定誤差による誤検出を回避し、本来検出したい管理対象物品302の移動のみを確実に検出することができる。
【0123】
また、この実施形態では特に、管理対象者303に関連づけられる対象者用無線タグTtが通信範囲内に位置することをリーダ101が検出することにより、管理対象物品302の移動挙動のみならずさらに管理対象者303の位置挙動を加味して総合的に物品管理を行うことが可能となり、さらに確実にセキュリティーを向上することができる。
【0124】
また、この実施形態では特に、管理サーバ103のCPU9の実行する図5に示すフローのステップS25、ステップS65及びステップS85により、管理対象区域内への侵入者を検知したときにカメラ装置102を作動させることにより、侵入者の姿や対応する物品の外形等を映像の形で確実に撮像(さらには記録も可能)することができ、防犯セキュリティーを確実に向上することができる。
【0125】
また、この実施形態では特に、管理サーバ103のCPU9の実行する図9に示すフローのステップS310及び図11に示すフローのステップS510により、複数のカメラ装置102のうち、リーダ101で検出された対象者用無線タグTtの位置に応じた所定のもの(例えば近いもの)を選択して作動させることができるため、例えば管理対象者303に最も近いカメラ装置102より撮像を行わせることで、鮮明な映像を確実に記録することができる。
【0126】
また、この実施形態では特に、管理サーバ103のCPU9の実行する図10に示すフローのステップS410及び図12に示すフローのステップS610により、複数のカメラ装置102のすべてを作動させるため、侵入者や管理対象者303、あるいは管理対象物品302の所在が不明であるとき等、広く探索を実行したい場合に、すべてのカメラ装置102で広い範囲にわたる映像情報を記録することができる。
【0127】
また、この実施形態では特に、管理サーバ103のCPU9の実行する図9に示すフローのステップS320及び図11に示すフローのステップS520により、対象者用無線タグTtまでの距離に応じて、カメラ装置102の変倍制御または焦点位置制御を行うことにより、管理対象者303及びその近傍の映像をより確実に鮮明に記録することができる。
【0128】
なお、管理者への保安情報報知は上記ブザー104による音声報知に限られるものではなく、例えばライトを点滅させるといった光学的手段による保安情報報知も可能である。これにより、物品管理上何らかの不明確な状況が生じた場合等、必要に応じて音声報知とは別に光学的報知を単独で(又は併せて)行うことで、管理者への保安情報報知をより確実に行うことができ、セキュリティーをさらに向上させることができる。
【0129】
なお、上記RSSI回路による前回の検知結果と今回の検知結果とに応じて次回の物品用無線タグTbの移動位置を予測し、次回の撮像を行う際に上記焦点位置制御によりその次回の移動位置にカメラ装置102の焦点を合わせるよう制御してもよく、これによりさらに鮮明な映像を確実に記録することができる。また、焦点位置制御装置として公知のオートフォーカス制御をカメラ装置102単独で行わせてもよく、その場合にはさらに鮮明な映像を確実に記録できる。
【0130】
なお、カメラ装置102により撮像する画像は上述した静止画像に限るものではなく、管理対象者303の挙動を動画で撮像して管理サーバ103に表示・記録させてもよい。その場合には、管理サーバ103側で大容量の動画記録装置を設けて動画を記録できるようにするとよい。
【0131】
また、RF通信制御部7は、上記サーチ時に位相制御ユニット203A〜Cで複数のアンテナによる指向性を単一の方向に保持しつつその方向を順次変化させるいわゆるフェイズドアレイ制御を行うことにより、高速にアンテナ指向性を変化させることができる効果もある。
【0132】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0133】
(1)アンテナを回転させて指向性方向を変化させる場合
上記実施形態では、複数のアンテナによる指向性を単一の方向に保持しつつその方向を順次変化させるいわゆるフェイズドアレイ制御を行うことにより、アンテナ指向性を変化させていたが、本発明はこれに限られず、例えば八木アンテナなどの指向性の高いアンテナを受信用アンテナに用い、それをターンテーブルなどで回転駆動させて指向性方向を変化させてもよい。
【0134】
この変形例の場合、特に図示しないが、リーダ101のCPU4によってターンテーブルの回転角度を制御し、八木アンテナなどのアンテナの指向性方向(メインローブ方向)の角度を指向角θとして上記図6のサーチ処理のフロー(ステップS110は不要)を行えばよい。これにより、RF通信制御部7内の位相制御ユニット203A、位相制御ユニット203B、位相制御ユニット203C、加算器205を設ける必要がなく、リーダ101全体の構成を比較的簡略化することができる。
【0135】
(2)特定の作動例外者を設定する場合
以上においては、例外を設けず所定の条件が成立すればブザー104を鳴動させるようにしたが、これに限られず、予め(例えば別途のデータベースかタグ情報データベース13等に)登録された特定の管理対象者303に対しては本システムの作動例外とし、ブザー104等の作動を抑止するようにしてもよい(抑止制御手段)。
【0136】
この場合、例えばメンテナンス担当者、管理者等、特定の管理対象者303に対しては例外的にブザー104が作動しないようにすることができるので、さらに利便性を向上することができる。
【0137】
なお、以上で用いた「Scroll ID」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0138】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0139】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の一実施形態の物品管理システムを管理対象の物品を多数格納している倉庫に適用した場合の一例を表す平面図である。
【図2】実施形態の物品管理システムの概略を表すシステム構成図である。
【図3】図1に示したリーダのサーチ対象である物品・管理対象者等に添付・所持された無線タグに備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図4】RF通信制御部及びアンテナユニットの詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図5】倉庫内の監視を行うために、管理サーバのCPUが行う無線タグの監視動作に係わる制御手順を表すフローチャートである。
【図6】リーダのCPUが実行する、図5中に示したステップS100の物品サーチ処理及びステップS200の対象者サーチ処理に共通する詳細手順を表すフローチャートである。
【図7】位相決定の原理を説明するための説明図である。
【図8】無線タグ回路素子までの距離と受信信号強度との関係の一例を示す図である。
【図9】図5中に示したステップS300の正当搬出処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】図5中に示したステップS400の誤移動保安処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図11】図5中に示したステップS500の無断持ち出し保安処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図12】図5中に示したステップS600の盗難保安処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0141】
2 制御部
3 アンテナユニット(アンテナ)
4 リーダ用CPU(通信手段、指向性制御手段)
9 サーバ用CPU
13 タグ情報データベース
100 物品管理システム
101 リーダ(物品移動検出手段、対象者検出手段)
102 カメラ装置(保安装置、撮像手段)
103 管理サーバ(保安制御手段)
104 ブザー(保安手段、報知手段)
203A 位相制御ユニット(指向性制御手段)
203B 位相制御ユニット(指向性制御手段)
203C 位相制御ユニット(指向性制御手段)
205 加算器(指向性制御手段)
212 送信部(通信手段)
213 受信部(通信手段)
226 RSSI回路部(距離検知手段)
300 倉庫
302 管理対象物品
303 管理対象者
Tb 物品用無線タグ
Tt 対象者用無線タグ
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象物品に関連づけて取り扱われる物品用無線タグの移動を、無線通信を介して検出する物品移動検出手段と、
管理者用の保安情報収集又は管理者へ保安情報報知を行う保安装置と、
前記物品移動検出手段の検出結果に基づき、前記保安装置を作動させる保安制御手段と
を有することを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
請求項1又は2記載の物品管理システムにおいて、
前記物品移動検出手段は、
無線通信用のアンテナと、
このアンテナを介し、前記物品用無線タグと無線情報通信を行う通信手段と、
前記アンテナの指向性方向を変化させる指向性制御手段とを備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の物品管理システムにおいて、
前記物品移動検出手段は、前記物品用無線タグまでの距離を検知する距離検知手段を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の物品管理システムにおいて、
前記物品移動検出手段は、前記物品用無線タグまでの方向を検知する方向検知手段を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の物品管理システムにおいて、
前記物品移動検出手段は、前記物品用無線タグまでの距離及び方向を検知する距離・方向検知手段を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1項記載の物品管理システムにおいて、
前記距離検知手段、若しくは前記方向検知手段、又は前記距離・方向検知手段は、所定時間間隔で繰り返し前記距離、若しくは前記方向、又は前記距離及び方向の検知を行い、
前記物品移動検出手段は、前記距離検知手段、若しくは前記方向検知手段、又は前記距離・方向検知手段による前回の検知結果と今回の検知結果との差分に応じて前記物品用無線タグの移動状態を判定する判定手段を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項7】
請求項6記載の物品管理システムにおいて、
前記判定手段は、前記距離検知手段、若しくは前記方向検知手段、又は前記距離・方向検知手段による前回の検知結果と今回の検知結果との差が所定値以上となったときに、前記物品用無線タグが移動したと判定することを特徴とする物品管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の物品管理システムにおいて、
管理対象者に関連づけられる対象者用無線タグが通信範囲内に位置することを検出する対象者検出手段を有することを特徴とする物品管理システム。
【請求項9】
請求項8記載の物品管理システムにおいて、
前記対象者検出手段が予め登録されているところの特定の前記管理対象者に対応する前記対象者用無線タグを検出した場合に、前記保安装置の作動を抑止する抑止制御手段を有することを特徴とする物品管理システム。
【請求項10】
請求項8又は9記載の物品管理システムにおいて、
前記保安装置は、前記保安情報として所定方向の撮像を行う撮像手段であることを特徴とする物品管理システム。
【請求項11】
請求項10記載の物品管理システムにおいて、
前記物品移動検出手段の検出結果と前記対象者検出手段の検出結果とに応じて、
管理対象区域における侵入者を検知する侵入者検知手段を有することを特徴とする物品管理システム。
【請求項12】
請求項11記載の物品管理システムにおいて、
前記保安制御手段は、前記侵入者検知手段で前記侵入者を検知したときに、前記撮像手段を作動させることを特徴とする物品管理システム。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか1項記載の物品管理システムにおいて、
前記撮像手段は、管理対象区域の複数箇所をそれぞれ撮像するように複数設けられており、
前記保安制御手段は、前記複数の撮像手段のうち、前記対象者検出手段で検出された前記対象者用無線タグの位置に応じた所定のものを選択して作動させる撮像選択指示手段を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項14】
請求項10乃至12のいずれか1項記載の物品管理システムにおいて、
前記撮像手段は、管理対象区域の複数箇所をそれぞれ撮像するように複数設けられており、
前記保安制御手段は、前記複数の撮像手段のすべてを作動させる全撮像指示手段を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか1項記載の物品管理システムにおいて、
前記対象者用無線タグまでの距離に応じて、前記撮像手段の変倍制御または焦点位置制御を行う変倍・焦点制御手段を有することを特徴とする物品管理システム。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項記載の物品管理システムにおいて、
前記保安装置は、前記管理者へ音声又は光学的手段を用いて前記保安情報報知を行う報知手段を備えることを特徴とする物品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−65950(P2007−65950A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250622(P2005−250622)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】