説明

現像ユニットおよび画像形成装置

【課題】1成分現像剤を用いた現像方式を採用する画像形成装置においても安定したトナー飛翔が可能な現像ユニットを提供する。
【解決手段】現像ユニット1は、ベルト感光体26と対向する現像領域において、ベルト感光体26上の静電潜像に一成分現像剤を用いて現像する現像ローラー2と、現像ローラー2の表面上の一成分現像剤の層厚みを規制するトナー層規制部材12と、トナー層規制部材12よりも現像ローラー2の回転方向Rの下流側であり、かつ、現像領域よりも現像ローラー2の回転方向Rの上流側である位置において、現像ローラー2上の一成分現像剤と接触し、現像ローラー2との間の一成分現像剤に交流電圧を印加する補助電極8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式による画像形成装置において、感光体と現像ローラーに間隙を設けて、この間に電界を発生させ、現像ローラー上の帯電したトナーを感光体面に飛翔させることにより現像する機構を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機などの画像形成装置における現像技術には接触方式と非接触方式の2種類がある。その中で、接触方式の場合、感光体上の現像電界(直流電界)が弱いため、トナーの付着状態が不均質になりキメ荒い画像になる現象が発生しやすい。接触方式に比べ、非接触方式の場合は、強い振動電界で感光体までトナーを飛翔させ、感光体上の現像電界を最適化することで、トナーの付着状態が過不足なく均質となり、鮮明な画像が得られやすい。
【0003】
従来の非接触の直流バイアス現像方式(以下、非接触現像方式という)として、現像ローラーにトナー層厚規制部材を圧接し、トナー層厚規制部材と現像ローラーとからなる楔状の領域にトナーを通過させて、トナー層を形成するという方式がある。そして、形成されたトナー層が感光体と対向する現像領域の通過中において、この領域に印加される直流電界によりその一部が感光体に飛翔し感光体上にトナー像が形成される。
【0004】
この現像方式では、現像領域に印加される電界により所定のトナーを飛翔させることになるが、トナー層厚規制部材を通過した後のトナーに対しては、現像ローラーとトナーとの付着力に勝る飛翔力が得られる電界を印加する必要がある。ここで、現像ローラーとトナーとの付着力としては、静電気力によるものとそれ以外によりものとがある。
【0005】
特に、1成分現像剤(トナー)は、均一な現像剤層厚を形成する為、トナーの流動性を上げる必要があり、多量のシリカ等の外添剤をトナー表面に被覆している。このトナーに付与する流動性がトナーの静電気力以外の付着力と相関があり、流動性が下がるとトナーの付着力が大きくなり、トナーが飛翔しにくくなる現象が確認できている。このトナーの流動性を上げることが、安定したトナー層厚を形成する条件だけではなく、非接触現像方式における安定したトナー飛翔には欠かせない条件であることが近年解ってきた。
【特許文献1】特開平08−44177(1996年2月16日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、1成分現像方式を用いた現像剤カートリッジ(トナーカートリッジ)では、トナーは、カートリッジの使用(寿命)に従い、上記トナー層厚規制部材により加圧され続けられることにより、表面状態が変化してくるといった問題点がある。具体的には、トナー表面に被覆してある外添剤がトナー内部に埋没、或は脱離してくることにより、初期の表面状態とは著しく変わってしまう現象が現れ、その結果初期と比較するとトナーの流動性が下がり、トナーの層厚が不均一になるだけではなく、トナーの現像ローラーへの付着力が大きくなることから、トナーが飛翔できない状態になるという問題がある。
【0007】
一方で、2成分現像方式においても、現像機内で攪拌され続けたトナーは、表面に被覆している外添剤の埋没あるいは離脱により、トナー流動性が下がり、トナーのキャリアへの付着力が高くなる現象が起こり、その結果、新たに補給されたトナーがキャリアと接触する確率が下がるため、十分に帯電が出来ず、画像かぶりが発生するといった問題点があった。
【0008】
この問題点の対策として、補助電極を現像ローラー(現像スリーブ)あるいは撹拌パドル近傍に設け、この間に交流バイアスを印加することで、キャリア上のトナーを振動させて、周囲のトナーとの帯電確率を与えることで、均一なトナー帯電量分布を与える対応策が提案されている(特許文献1参照)。
【0009】
図10は、画像形成装置の現像ユニット100の模式構造を示した図である。
【0010】
図10に示すように、現像ユニット100には、感光体ドラムの軸方向に沿った、現像剤を表面に保持した現像ローラー101が設けられている。現像槽109内は仕切り板105により2室に仕切られ、その両室に現像剤を攪拌する為のパドル104・108が配置されている。現像ユニット100に補給されたトナーは、パドル104・108によりキャリアと攪拌されて2成分現像剤になる。そして、2成分現像剤が現像ローラー101に供給され、現像ローラー101は、その上に帯電されたトナーのみを保持し、感光体(静電潜像担持体)上の静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像する。
【0011】
また、現像ローラー101の周辺に現像剤層厚規制部材107が配置されている。そして、現像剤層厚規制部材107よりも現像ローラー101の回転方向の上流側に、現像ローラー101の軸方向に伸びる補助電極102が現像ローラー101と距離を設けて配置されている。現像ユニット100の動作時、現像ローラー101に直流バイアス106が印加され、補助電極102に交流バイアス103が印加される。すると、交流バイアス103は、現像ローラー101と補助電極102との間に振動電界を作用させ、現像ローラー101と補助電極102との間を通過する現像剤に電気的振動を与える。これにより、既存の現像剤のトナーとキャリアとを一旦引き離し、補給された新たなトナーをキャリアとの間で確実に摩擦帯電させ、トナーを所定の帯電量にすることができる。
【0012】
しかしながら、上記特許文献1で示した従来の構成は、2成分現像剤を対象としているものであり、1成分現像方式(つまり、1成分現像剤を用いる現像方式)に適応することができない。すなわち、特許文献1で示した技術は、トナーとキャリアとを引き離し、補給されたトナーを確実に帯電させることを目的としたものであり、一成分現像剤の現像ローラーに対する付着力を弱めることには適用できるものではない。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1成分現像剤を用いた現像方式を採用する画像形成装置においても安定したトナー飛翔が可能な現像ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る現像ユニットは、上記課題を解決するために、感光体と対向する現像領域において、上記感光体上の静電潜像に一成分現像剤を用いて現像する現像ローラーを備えた現像ユニットであって、上記現像ローラーの表面上の一成分現像剤の層厚みを規制する規制部材と、上記規制部材よりも上記現像ローラーの回転方向の下流側であり、かつ、上記現像領域よりも上記現像ローラーの回転方向の上流側である位置において、上記現像ローラー上の一成分現像剤と接触し、上記現像ローラーとの間の一成分現像剤に交流電圧を印加する電極部とを備えることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、規制部材により層厚が均一に形成された一成分現像剤(トナー)を、電極部と現像ローラーとの間で発生される交流電圧により振動させることができる。その結果、一成分現像剤の現像ローラーへの付着力を軽減することができ、現像領域において一成分現像剤を感光体に安定して飛翔させることができる。これにより、画像濃度の低下を防止する効果を奏する。
【0016】
本発明に係る現像ユニットにおいて、上記電極部は、ピーク・トゥ・ピーク電圧が500Vp−p以上1500Vp−p以下の上記交流電圧を印加することが好ましい。
【0017】
上記印加する交流電圧のピーク・トゥ・ピーク電圧を500Vp−p以上にすることで、上記電極部と上記現像ローラーとの間を通過する一成分現像剤をより振動させやすくなり、現像領域において一成分現像剤をより確実に飛翔させることができる。また、印加する交流電圧のピーク・トゥ・ピーク電圧を1500Vp−p以下にすることで、上記電極部と上記現像ローラーとの間でリークが発生することを防止することができる。
【0018】
また、本発明に係る現像ユニットにおいて、上記現像ローラーは、上記感光体に対して非接触であることが好ましい。
【0019】
これにより、感光体上に複数のトナー像を重ねて形成する場合、既に形成されたトナー像を現像ローラーが乱すことがない。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、感光体と、上記感光体上に形成された静電潜像を現像する上記の現像ユニットとを備えることを特徴としている。
【0021】
これにより、一成分現像剤の現像ローラーへの付着力を軽減することができ、現像領域において一成分現像剤を感光体に安定して飛翔させることができる。これにより、画像濃度の低下を防止する効果を奏する。
【0022】
また、本発明の画像形成装置は、上記現像ユニットを複数備え、当該複数の上記現像ユニットの各々が異なる色の一成分現像剤を用いて上記感光体上の静電潜像を現像するものであり、上記感光体が無端ベルト状の感光体であることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、無端ベルト状の感光体の上に、複数の現像ユニットが異なる色の一成分現像剤を用いてトナー像を形成することができる。これにより、無端ベルト状の感光体の上にカラーのトナー像を形成することができる。よって、感光体を一つだけ備えていればよい。また、感光体から記録用紙に直接転写することができる。そのため、部品を簡略化することができる。その結果、装置の小型化を図ることができる。
【0024】
また、本発明の画像形成装置は、上記無端ベルト状の感光体は、裏面に透明電極を備え、上記無端ベルト上の感光体の内部に、当該感光体に静電潜像を形成するための露光装置が配置されていることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、無端ベルト状の感光体の内部に、露光装置が配置される。その結果、感光体の内部のスペースを無駄なく使用することができ、装置の小型化を実現することができる。
【0026】
なお、本発明の画像形成装置は、上記感光体がローラー状の感光体であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る現像ユニットは、感光体と対向する現像領域において、上記感光体上の静電潜像に一成分現像剤を用いて現像する現像ローラーを備えた現像ユニットであって、上記現像ローラーの表面上の一成分現像剤の層厚みを規制する規制部材と、上記規制部材よりも上記現像ローラーの回転方向の下流側であり、かつ、上記現像領域よりも上記現像ローラーの回転方向の上流側である位置において、上記現像ローラー上の一成分現像剤と接触し、上記現像ローラーとの間の一成分現像剤に交流電圧を印加する電極部とを備える。これにより、一成分現像剤の現像ローラーへの付着力を軽減され、現像領域において一成分現像剤を感光体に安定して飛翔させることができ、画像濃度の低下を防止する効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施形態について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0029】
(画像形成装置)
図2は、本発明の一つの実施形態に係る、1成分現像剤であるトナーを用いた非接触現像方式の画像形成装置200の構造を示す模式図である。同図に示すように、画像形成装置200は、ベルト感光体26、ベルト感光体26の表面を帯電させる帯電器5A〜5D、ベルト感光体26の表面に静電潜像を形成するレーザー書き込みユニット24、ベルト感光体26の表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像ローラー2A〜2Dを備えた現像ユニット1A〜1D、ベルト感光体26の表面のトナー像を記録用紙に転写する転写ローラー29、トナー像を記録用紙に定着させる定着ローラー34、記録用紙を排出させる排出ローラー35、トナーを除去・回収するクリーナユニット33、給紙カセット21等を備えている。
【0030】
ここで、転写ローラー29、定着ローラー34、排出ローラー35、クリーナユニット33、給紙カセット21等は、公知のものが適用でき、本発明の要部ではないため、詳細な説明を省略する。
【0031】
また、本実施の形態の画像形成装置200において扱われるカラー画像の画像デ−タは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の4色の各色相に対応した画像データである。したがって、現像ユニット1A〜1D、帯電器5A〜5Dは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、それぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像ユニットと帯電器とを1つずつ含む画像形成ステ−ション(画像形成部)が4つ設けられることになる。4つの画像形成ステーションは、ベルト感光体26のベルトの搬送方向に沿って、4色の順に一列に配列されている。なお、上記A〜Dに対応する色順については一切問わない。
【0032】
ベルト感光体26は、無端状のベルトが駆動ローラー28とテンションのかかった従動ローラー36との間に懸架されており、駆動ローラー28の動作に従って回転される。ベルト感光体26は、矢印Sの方向に、周速Va(例えば、117mm/s)で搬送されている。
【0033】
ベルト感光体26は、図3に示すように、ベースとなる透光性基体26−Aと、透光性基体26−A上に配置された透光性電極層26−Bと、透光性電極層26−B上配置され、光を当てると電荷が発生する電荷発生層26―Cと、電荷発生層26―C上に配置され、電荷発生層26―Cで発生された電荷を表面に輸送する電荷輸送層26−Dとを含む。なお、ベルト感光体26は、内側に透光性基体26−Aが配置され、外側に電荷輸送層26−Dが配置されるように、無端状になっている。
【0034】
透光性基体26−Aの材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイドなど透光性を有する高分子化合物を広く使用することができる。
【0035】
また、透光性電極層26−Bの材料としては、銅、真鍮、銀、金、アルミニウム、パラジウムなど金属の蒸着薄膜、ITO(In,Snの化合物)の蒸着膜あるいはITOなど透明な導電性微粉末の透明な樹脂バインダー分散体による塗布層などを使用することができる。
【0036】
電荷発生層26−C中の電荷発生材料としては、フタロシアニン、アゾ化合物、キナクリードン、多環式キノン、ペリレン等の有機顔料、チアピリリウム塩、スクアリリウム塩等の有機染料が用いられる。電荷発生層26−Cには、化学増感剤として電子受容性材料、例えば、テトラシアノエチレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、アントラキノン、p−ベンゾキノン等のキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等のニトロ化合物、または、光学増感剤として、キサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン系色素等の色素を添加してもよい。
【0037】
電荷発生層26−C中の結着性樹脂としてはポリアリレート、ポリビニルブチラ−ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリーレート、ポリ塩化ビニル、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等が用いられる。
【0038】
電荷発生層26−Cの膜厚としては0.05〜5μmで、好ましくは0.08〜1μmである。
【0039】
電荷輸送層26−D中の電荷輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等の高分子化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサジアゾール化合物、スチルベン化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物、エナミン化合物等の低分子化合物が用いられる。
【0040】
電荷輸送層26−D中の結着性樹脂としてはポリアリレート、ポリビニルブチラ−ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリーレート、ポリ塩化ビニル、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等が用いられる。
【0041】
電荷輸送層26−Dの膜厚としては5〜50μmで、好ましくは10〜40μmである。
【0042】
なお、電荷発生層26−Cまたは電荷輸送層26−Dに添加剤として酸化防止剤を加えてもよい。酸化防止剤としては、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダ−ドアミン、ヒンダ−ドフェノ−ル、パラフェニレンジアミン、アリ−ルアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが用いられる。
【0043】
帯電器5A〜5Dは、ベルト感光体26の表面を所定の電位(例えば、−600V)に均一に帯電させる帯電手段である。本実施の形態では、図5に示すように、スコロトロン帯電器を使用しているが、帯電ローラー、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などを用いてもよい。
【0044】
レーザー書き込みユニット24は、1つのポリゴンミラーと4色分のレーザビームからなり、ベルト感光体26に各色の画像(静電潜像)を書き込むものであり、ここでは、ポリゴンミラーを共通に用いてレーザーダイオード(LD;laser diode)を4個有する。このレーザー書き込みユニット24において、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)用の4色分の計4本のレーザビームは、各色に振り分けfθレンズ(不図示)を通りかつ折り返しミラー群で反射されて、感光体上を走査する。
【0045】
このレーザー書き込みユニット24は、ベルト感光体26の現像ユニット1A〜1D側に内接するよう固定されており、ベルト感光体26に内接する内接部分25がベルト感光体26のガイド部材となるように配置されている。テンションローラーである従動ローラー36によりベルト感光体26が張架されることにより、レーザー書き込みユニット24の内接部分25がベルト感光体26に均一に密着することが可能になる。
【0046】
内接部分25は、ベルト進行方向に凸形状に湾曲しており、ベルトベルト感光体26との密着性を上げることが出来る構造であり、レーザー書き込みユニット24を保持するボックスの一部である。本ボックスには、ポリゴンミラー、ポリゴン駆動モーター、LD、折り返しミラー並びにFθレンズが組み込みまれる。
【0047】
ボックスのポリゴンモーター組み付け面と反対の面には、4色のレーザー露光用開口部が設けてある。又、帯電装置5A〜5D並びに後述のような現像ローラー2A〜2Dと対向する部分には開口部が無い。その結果、レーザー書き込みユニット24の内接部分25は、ベルト感光体26との接触面積が大きくなり、ベルト感光体26の位置を精度良く固定することができる。
【0048】
レーザー書き込みユニット24のボックスは、ベルトベルト感光体26より幅が広く、後述のような現像ローラー2A〜2Dの両端に設けたカラー2R(図4参照)がベルト感光体26外のサポート面に当接するように配置されている。
【0049】
又、ベルト感光体26に内接するレーザー書き込みユニット24の内接部分25は鏡面加工されており、ベルト感光体26との密着性を向上させている。
【0050】
現像ユニット1A〜1Dは、ベルト感光体26の電荷輸送層26−Dと所定の間隙を保つ現像ローラー2A〜2Dを備える。現像ローラー2A〜2Dには一定量の現像剤が付着されており、電荷輸送層26−D上の潜像に対して直流あるいは交流の重畳電圧を印加し、トナーを飛翔させ感光体面に現像させることで顕像化する機能を有する。なお、現像ユニット1A〜1Dの詳細な構成については後述する。
【0051】
次に、画像形成装置200全体のプロセス動作について説明する。本実施形態に係る画像形成装置200では、ベルト感光体26の1回転、即ち1パス方式によりカラー画像が形成される。すなわち、ベルト感光体26の電荷輸送層26−Dが、帯電器5Dに進入し、一様に帯電される。その後、レーザー書き込みユニット24により、帯電器5Dに対応する色の画像がベルト感光体26上に静電潜像が書き込まれる。そして、現像ユニット1Dに進入すると、現像ユニット1Dにより静電潜像が現像され、現像ユニット1Dに対応する色のトナー像が形成される。続いて、残りの3つの画像形成ステーションにより、残りの3色のトナー像がベルト感光体26上において重ねて形成される。このように、帯電,露光,現像を4回繰り返して一行程でベルト感光体26上に4色の像が重ね合わされたカラー画像であるトナー像を形成する。
【0052】
図2に示すように、現像ユニット1A〜1Cは、既に別のトナー像が形成されているベルト感光体26上に異なる色のトナー像を新たな形成する。このため、現像ユニット1は、ベルト感光体26と非接触で現像させる必要がある。接触の場合、既に形成されている別の色のトナー像を乱してしまうからである。さらに、図2に示すような画像形成装置の場合、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いることができない。なぜなら、2成分現像剤に含まれるキャリアが現像領域において磁気ブラシを形成し、形成された磁気ブラシがベルト感光体26に接触して、別の色のトナー像を乱してしまうからである。このような理由が、図2に示すような画像形成装置では、1成分現像剤を用いた非接触現像方式を用いている。
【0053】
給紙カセット21から給紙された記録用紙は、タイミングローラーにより位置調整された後、転写ローラー29からの電圧印加(例えば+2kV)により、カラー画像であるトナー像がドラム感光体26から転写される。カラー画像転写後、記録用紙が定着ローラー34に送られ、トナー像が記録用紙に定着される。そして、トナー像が定着された記録用紙は、排紙ローラー35により本体上部に排紙される。
【0054】
このようにして、画像形成装置200は、カラー画像が形成された記録用紙を出力することができる。
【0055】
(現像ユニット)
以下、1成分現像剤を用いた非接触現像方式を採用した画像形成装置の現像ユニット1(図2における現像ユニット1A〜1D)について詳細に説明する。
【0056】
図1は、現像ユニット1の構成を示す断面図である。図1に示されるように、現像ユニット1は、現像ケース(現像槽)10と、現像槽ケース10の上側に着脱自在に装着された現像剤ホッパー(トナーホッパー)7とを備えている。
【0057】
なお、図1において、現像ローラー2の回転方向に対する感光体26の進行方向Sは、図2とは逆になっている。
【0058】
トナーホッパー7は、トナーを収納しており、このトナーをトナーホッパー7の下部に形成されたトナー補給口16から現像ケース10内に自然落下させて補給するようになっている。
【0059】
現像ケース10の内部には、トナー補給口16と接する現像ケース10の開口部の反対側に形成された開口部において、ベルト感光体26と対向する現像ローラー2と、現像ローラー2と接触するトナー供給ローラー4とが軸方向が水平になるように配置されている。また、現像ローラー2には、表面に付着したトナーの層厚を規制するためのトナー層規制部材12、およびトナーに振動電界を与える補助電極8などが配置されている。
【0060】
また、トナー供給ローラー4の上部近傍、及びトナー層規制部材12の近傍には、トナーを攪拌分散するための攪拌部材であるコイルスプリング15が巻きつけられたステンレスシャフト14が水平に配置されており、ステンレスシャフト14およびコイルスプリング15は、回転軸14bを中心とした2点鎖線で示す範囲内を回転することができる。これにより、急激にトナー落下したりすることがなく、均等にトナーを補給することができる。ただし、このステンレスシャフト14及びコイルスプリング15の構成は、本願発明の要部ではないため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0061】
現像ローラー2は、図4に示すように、中間部のスリーブ2Aと、その両端に配置されたカラー2Rとを備える。スリーブ2Aは、円筒状部材の表面に、カーボンブラックなどの導電化剤が添加された導電性ウレタンゴムからなる導電性弾性ローラーあるいは、アルミ材からなる円筒形のローラーであり、カラー2Rは、スリーブ2Aより外径の大きく且つスリーブ2Aと同軸に配置されている。
【0062】
本実施形態において、現像ローラー2は、導電性支持体(ステンレス、導電性樹脂など)のシャフトを介して現像バイアス電源6より電圧E1(例えば、−400V)が印加され、図1の失印方向R、すなわち、ベルト感光体26の回転方向Sと反対方向に周速Vb(例えば、225mm/s)で回転する。
【0063】
トナー供給ロ一ラー4は、現像ローラー2に圧接触されており、回転方向としては、現像ローラー2と同方向R、すなわち、トナー供給ローラー4と現像ローラー2との対向部における両ローラーの表面の移動方向が互いに逆方向に回転するようになっている。
【0064】
本実施形態において、トナー供給ローラー4は、トナー攪拌と現像後のトナー除去を兼ねたウレタンフォームからなり、矢印方向Tに周速Vc(例えば、133mm/s)で回転している。このトナー供給ローラー4には、図示しない導電性支持体(ステンレス、導電性樹脂など)のシャフトを介して供給バイアス電源により電圧E2(例えば、−450V)が印加されている。トナー供給ローラー4に印加される電圧は、電気的にトナーを現像ローラー2の方へ押す方向、例えば、負極性トナーであれば、より負極側に大きなバイアス電圧である。このトナー供給ローラー4により負に予備帯電され、現像ローラー2の表面に移行した非磁性の1成分現像剤であるトナーは、現像ローラー2の回転によりトナー層規制部材12が当接する位置へ搬送される。
【0065】
トナー層規制部材12は、現像スリーブ2Aの軸方向の幅とほぼ同じ幅を有する板状の部材であり、当該幅の方向が現像スリーブ2Aの軸方向と平行になるように設置される。そして、トナー層規制部材12は、幅方向に沿った一方の端部(以下、第1端部という)12a側において、現像ケース10のフレーム部の裏面(現像ケース10の内面)に樹脂ネジ11で固定され、現像ローラー2の回転方向Rの上流側に向かって延設された片持ち状に配置されている。トナー層規制部材12は、その幅方向に沿った自由端である他方の端部(以下、第2端部という)12b側において現像ローラー2の表面に当接(線接触)している。なお、トナー層規制部材12と現像ローラー2との接触部において、現像ローラー2の回転方向Rと、トナー規制部材12における第1端部12aから第2端部12bに向かう方向とは逆方向である。
【0066】
具体的には、図1に示すように、本実施形態に係るトナー層規制部材12は、第1端部12a(現像ケース10のフレーム部に固定される側の端部)から先端部である第2端部12b(固定されない側の自由端)に沿って、第2端部12bに近い曲げ部12cでL形状に曲げられた、厚み0.1mmの導電性(ステンレス、リン青銅、導電性樹脂など)板状部材からなる板バネ構造を有している。そして、曲げ部12cにおいて現像ローラー2と当接しており、第2端部12bは、曲げ部12cから、現像ローラー2の回転方向Rの上流側に向かって延びている。すなわち、トナー層規制部材12において現像ローラー2との接触部である曲げ部12cから第2端部12bまでの部分と現像ローラー2との間で楔状の領域を形成し、この領域にトナーを通過させることができる。
【0067】
また、トナー層規制部材12は、現像ローラー2に対して線圧15〜30gf/cmで当接している。さらに、トナー層規制部材12には、図示しないバイアス電源により電圧E3(例えば、−450V)が印加される。
【0068】
補助電極8は、現像スリーブ2Aの軸方向の幅とほぼ同じ幅を有する導電性の板状の部材であり、当該幅の方向が現像スリーブ2Aの軸方向と平行になるように設置される。そして、補助電極8は、幅方向に沿った一方の端部(以下、第3端部という)8a側において、トナー層規制部材12が固定された現像ケース10のフレーム部の外面(トナー層規制部材12が固定された面の反対面)に絶縁部材19を挟んで樹脂ネジ11で固定されており、現像ローラー2の回転方向Rの上流側に向かって延設された片持ち状に配置されている。補助電極8は、その幅方向に沿った自由端である他方の端部(以下、第4端部という)8b側において現像ローラー2の表面に当接(線接触)している。なお、補助電極8と現像ローラー2との接触部において、現像ローラー2の回転方向Rと、補助電極8における固定端である第3端部8aから自由端である第4端部8bに向けた方向とが同方向である。すなわち、補助電極8は、カウンタ方向で現像ローラー2に当接する。
【0069】
なお、補助電極8と現像ローラー2との当接部は、現像ローラー2の回転方向Rに沿って、トナー層規制部材12と現像ローラー2の当接部から現像ローラー2とベルト感光体26との最短距離が形成される部分(つまり、現像領域)までの間に位置している。言い換えると、補助電極8と現像ローラー2との当接部は、トナー層規制部材12と現像ローラー2との当接部よりも現像ローラー2の回転方向Rの下流側であり、かつ、現像領域よりも回転方向Rの上流側に位置している。
【0070】
具体的には、図1に示すように、本実施形態に係る補助電極8は、現像ケース10のフレーム部に固定される第3端部8a)から先端部である第4端部8bに沿って、曲げ部8cでL形状に曲げられた板金である。補助電極8は、例えば、厚み0.1mmの導電性(ステンレス、リン青銅、導電性樹脂など)材料を用いた片持ち状の板バネの構造であり、その先端部である第4端部8bが現像ローラー2の回転方向Rの下流側に向かって延設されている。つまり、補助電極8の先端部とトナー層規制部材12の先端部との向きが反対側になっている。
【0071】
補助電極8は、曲げ部8cから第4端部8bまでの間において現像ローラー2に当接(線接触)しており、トナー層規制部材12よりも低い線圧で現像ローラー2に接触している。例えば、現像ローラー2に線圧1〜5gf/cmで当接している。さらに、補助電極8には、交流(AC)バイアス電源3により、交流電圧が印加される。
【0072】
ただし、補助電極8に印加する交流には、トナーの帯電量と同じ電位の直流電圧が重畳されている。すなわち、補助電極8に印加される交流は、トナーの帯電量と同じ電位を中心として振幅するものである。
【0073】
したがって、上記のように構成された現像ユニット1において、トナーホッパー7から供給され、トナー供給ローラー4によって摩擦接触帯電されるとともにバイアス電圧によって現像ローラー2に伝送されたトナーは、現像ローラー2の回転動作によってトナー層規制部材12が当接する位置に搬送される。
【0074】
そして、トナー層規制部材12と現像ローラー2との間の楔状の領域を通過することによって、現像ローラー2上のトナーは所定の帯電電荷量と厚みに規制された後、補助電極8と現像ローラー2間を通過する。
【0075】
現像ローラー2上のトナーが補助電極8と現像ローラー2間を通過するとき、トナーの厚み分だけ、補助電極8を現像ローラー2の表面から押し上げることになる。なお、補助電極8の現像ローラー2に対する線圧は、トナー層規制部材12の現像ローラー2に対する線圧よりも十分に小さい。例えば、補助電極8の現像ローラー2に対する線圧は、トナー層規制部材12の現像ローラー2に対する線圧の約1/10である。さらに、補助電極8が比較的撓み易い材質である。そのため、補助電極8によりトナーの厚みが規制されることがない。このように、補助電極8がトナーにより押し上げられ、補助電極8はトナーと確実に接触することとなる。
【0076】
そして、1成分現像剤であるトナーは、補助電極8と接触しながら、補助電極8から振動電界が印加される。その結果、トナーは、現像ローラー2と補助電極8間で振動され、現像ローラー2との付着力が軽減されることとなる。その後、ベルト感光体26との対向部である現像領域に搬送されて現像工程に移行する。現像工程で使用されなかった現像ローラー2上の未現像トナーは、現像ローラー2の回転によって現像ケース10内に戻っていくが、トナー供給ローラー4の手前に設置された電荷除電装置13によって現像ローラー2の残存現像剤トナーの帯電電荷が除去され、トナー供給ローラー4と現像ローラー2との圧接によって剥離回収されて再利用される。
【0077】
ここで、現像ローラー2上の1成分現像剤であるトナーは、現像領域へと搬送されル前に、補助電極8により、トナーの現像ローラー2との静電気力以外の付着力が軽減されることとなる。その結果、現像領域において、所望量のトナーをベルト感光体26に確実に飛翔させることができ、画像濃度の低下を防止することができる。
【0078】
なお、現像領域におけるトナーの飛翔は、直流(DC)バイアスのみの電界では、飛翔開始電圧があるため、コントラストが高すぎる(つまり、ガンマγの立っている)画像となる可能性がある。そのため、階調のある画像の再現性を向上させる方策として、直流バイアスに交流バイアスを重畳することにより、より潜像に忠実な階調の良い画像を得ることが出来る。
【0079】
(トナー飛翔性に関する実験結果)
次に、補助電極8と現像ローラー2との距離(接触する場合には、現像ローラー2に対する補助電極8の線圧)、ならびに、補助電極8に印加される交流波形の上端と下端との間の電圧差であるピーク・トゥ・ピーク電圧と、現像量との関係について調査する実験を行った。
【0080】
実験において、補助電極8の材質として厚みが0.1mmであるステンレス304を用い、現像ローラー2はΦ20mmの導電性ウレタンローラーを用い、トナー供給ローラー4はΦ12mmの導電性ウレタンスポンジローラーを用いた。また、現像ローラー2とトナー供給ローラー4との回転方向が同じである。
【0081】
そして、図6に示すように、現像ローラー2を上下に移動させることで、補助電極8と現像ローラー2との距離を非接触状態から接触状態まで変えた。
【0082】
図6(a)は、補助電極8と現像ローラー2とが非接触の状態のときの、現像ユニット1の構成を模式的に示す図である。図6(a)に示されるように、補助電極8と現像ローラー2との間の距離を距離Aとして示している。また、符号12’で示す点線は、仮に現像ローラー2が存在しないとしたときの、トナー層規制部材12の位置を示している。すなわち、トナー層規制部材12は、現像ローラー2の存在によって弾性変形しており、その弾性によって、現像ローラー2に対して所定の線圧で接触することとなる。
【0083】
一方、図6(b)は、現像ローラー2を図6(a)に示す位置から上方に移動させ、補助電極8と現像ローラー2とを接触させたときの状態の現像ユニット1の構成を模式的に示す図である。図6(b)において、符号8”で示す点線は、仮に現像ローラー2が存在しないとしたときの補助電極8の位置、つまり、補助電極8に何ら力が加わっていないときの補助電極8の位置(以下、補助電極8の基準位置とよぶ)を示している。そして、図示されるように、補助電極8と現像ローラー2との接触位置と、補助電極8の基準位置との距離を距離Bとして示している。距離Bは、補助電極8の現像ローラー2に対する線圧の大きさに対応している。なお、図6(b)に示されるように、補助電極8は、トナー層規制部材12と比較して弾性変形量が十分に小さく、現像ローラー2上のトナーの厚みを規制する作用を有しておらず、現像ローラー2上のトナーが補助電極8との間を通過する場合には、トナーが補助電極8を押し上げることになる。
【0084】
図2は、長時間使用するなどした流動性の低い1成分現像剤のトナーを用いて、補助電極8と現像ローラー2との距離を非接触状態から接触状態まで変え、印加する交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧を500Vp−pから2000Vp−pまで変じた場合の現像後の画像濃度についてプロットしたものである。なお、上述したように、補助電極8に印加される交流は、トナーの帯電量と同じ電位を中心として振幅するものである。
【0085】
なお、図2において、横軸上の0は、現像ローラー2上に1成分現像剤が存在しないときに線圧が0の状態で補助電極8と現像ローラー2の表面とが接している状態である。そして、当該横軸において0から右側は、補助電極8と現像ローラー2とが非接触の状態であり、右にいくほどその距離が大きくなることを示している。さらに、当該横軸において0から左側は、補助電極8と現像ローラー2とが接触の状態であり、左にいくほど線圧が大きくなることを示している。
【0086】
図5に示すように、補助電極8と現像ローラー2との非接触状態では、印加する交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧を2000Vまで上げても画像濃度の大きな向上がみられないことが確認された。この原因として交流バイアスが低すぎることが考えられる。そこで、さらに交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧を2500Vp−pまで上げたところ、補助電極8と現像ローラー2との間でリークが発生し、トナーの現像ローラーへの溶着が確認された。このことから、補助電極8と現像ローラー2との非接触状態では、補助電極8からの振動電界によって、1成分現像剤の現像ローラーへの静電気力以外の付着力の低下の効果がみられないことが確認された。
【0087】
そのため、図9に示すような、現像ローラー101と、当該現像ローラー101に1成分現像剤であるトナーを供給するトナー供給ローラー104と、現像ローラー101上のトナーの厚みを規制するトナー層規制部材112とを備える1成分現像剤の現像ユニットに対して、2成分現像剤を用いた特許文献1の技術、つまり、現像ローラーに対して離間した状態で交流バイアス103が印加される補助電極102を設置する技術をそのまま適用したような構成では、以下のような問題が生じる。
【0088】
すなわち、補助電極102と現像ローラー101を離間させた状態では、いくら大きなピーク・トゥ・ピーク電圧の交流バイアス103を印加してもトナーの流動性が下がった状態のままであり、トナー層厚規制部材112を通過した後のトナー層厚には、トナー飛翔ができる程度のトナー付着力の軽減効果が得られない。また、ピーク・トゥ・ピーク電圧を上げ過ぎると、補助電極102と現像ローラー101との間でリークが起こり、トナーが現像ローラー102上に溶着してしまう。リークを防止する為に現像ローラー101の表層を絶縁コートすること、或は補助電極102の表面をテフロン(登録商標)、ポリイミドなどの絶縁部材を被覆することなどの技術内容が開示されているが、1成分現像方式の場合、このような絶縁層を表面に被覆した場合、より大きな交流バイアス103のピーク間電圧を印加しなければ現像ローラー102の表面に付着したトナーを振動させることが出来ないという問題もある。
【0089】
一方、図5に示すように、補助電極8と現像ローラー2とが接触している状態では、補助電極8と現像ローラー2とが非接触の状態と比べて、極端に画像濃度が高くなることが確認された。これは、以下のような理由による。すなわち、補助電極8と現像ローラー2とが接触している状態の場合、現像ローラー2上のトナーが補助電極8を押し上げて補助電極8と現像ローラー2との間を通過し、トナーは補助電極8に確実に接触することとなる。その結果、補助電極8に印加された交流電圧により1成分現像剤であるトナーが振動し、トナーの現像ローラーへの静電気力以外の付着力が低下する。これにより、現像領域まで到達したトナーは、同一の現像バイアス条件であっても、ベルト感光体26に向けて飛翔しやすくなり、画像濃度が高くなる。
【0090】
また、図5に示すように、補助電極8の現像ローラー2に対する線圧が増すほど(つまり、補助電極8が現像ローラー2に食い込み、補助電極8と現像ローラー2とのニップ幅が大きくなるほど)、画像濃度がわずかに上昇することが確認された。
【0091】
さらに、印加する交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧が高いほど、補助電極8と現像ローラー2とが非接触のときと補助電極8と現像ローラー2とが接触しているときの差が大きいことが確認された。このことは、ピーク・トゥ・ピーク電圧が大きいほど、トナーに与える振動が大きくなり、トナーの現像ローラーへの静電気力以外の付着力を大きく低減できることを意味している。
【0092】
また、実験によると、補助電極8と現像ローラー2とが接触状態であっても、印加する交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧が500Vp−p未満では、通過するトナーの振動が弱く、トナー飛翔量が十分でない場合があることが確認された。一方、500Vp−p以上であれば、図5に示されるように、補助電極8と現像ローラー2とが非接触の状態と比べて、極端に画像濃度が高くなる。このことから、ピーク・トゥ・ピーク電圧が500Vp−p以上であれば、補助電極8と現像ローラー2との間を通過するトナーが振動し、トナーの現像ローラー2に対する付着力を低減でき、画像濃度を上げる効果を奏することができる。
【0093】
また、より高い交流バイアスを印加した場合、例えば2500Vp−pを印加した場合、補助電極8と現像ローラー2との間でリークによって、トナーの現像ローラー2への固着が発生することが確認された。なお、1500Vp−p以下のピーク・トゥ・ピーク電圧であれば、このようなリークが発生しないことを確認している。したがって、500V未満の小さな電圧および1500Vp−pを超える大きな電圧の印加は好ましくない。
【0094】
なお、図5に示すように、補助電極8と現像ローラー2とが接触状態で、補助電極8に印加される交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧を1000Vp−pから2000Vp−pまで上げたところ、画像濃度の上昇幅度が減少することが確認された。したがって、交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧が2000Vに近い(例えば、1500V)ほど画像濃度の差が少ないことが推測できる。
【0095】
このため、本発明において、補助電極8に印加される交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧を500〜1500Vにすることが好ましい。さらに、図5によれば、補助電極8に印加される交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧が750〜1000Vである場合、画像濃度が顕著に上昇したことが確認され、補助電極8に印加される交流バイアスのピーク・トゥ・ピーク電圧を750〜1000Vすることが好ましい。
【0096】
(変形例)
上記の説明では、現像ユニット1は、ベルト感光体26に対して現像を行うものとして説明した。しかしながら、本発明に係る現像ユニットは、ドラム上の感光体を現像するものであってもよい。すなわち、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、現像ユニットによって感光体ドラムに対してトナーを供給して前記静電潜像を現像し、感光体ドラムに形成されたトナー像を用紙等のシートに転写して、定着装置によってシートにトナー像を定着させる画像形成装置にも適用することができる。なお、CMYKの各色に対応する4つの感光体ドラムに対して、各々に対応する現像ユニットで現像を行い、各感光体ドラムに形成されたトナー像を転写ベルトに転写した後、用紙に再転写する方式であってもよい。
【0097】
図8は、感光体ドラムを用いた画像形成装置に適用される場合の現像ユニット1’を示す模式構造図である。すなわち、本実施形態に係る画像形成装置は、図8に示すように、図1におけるベルト感光体26の代わりに感光ドラム26’を用いたものである。そして、現像ローラー2は、感光体ドラム26’の表面にトナーを飛翔させる。
【0098】
なお、図8に示す変形例は、図1と比較して、補助電極8’の先端部の向きを、現像ローラー2の回転方向Rの上流側にしている点で異なる。すなわち、補助電極8’と現像ローラー2とが接触しており、当該接触部において、現像ローラー2の回転方向Rと、補助電極8における固定端から自由端に向けた方向とが逆方向である。このような構成であっても、補助電極8’と現像ローラー2とが接触している部分をトナーが通過するときには、トナーが補助電極8’を押し上げて、トナーが補助電極8’と確実に接触し、トナーに対して振動電界が十分に印加されることとなる。
【0099】
この補助電極8’の構成は、ベルト感光体26に対して現像する図1に示すような現像ユニットに対しても適用してもよい。
【0100】
また、図7は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置300の構造を示す模式図である。図2に示した現像ユニット1A〜1Dは縦長型であり、トナーホッパー7からトナーが自然落下する補給方式を有する機構であるが、図7に示す現像ユニット1A’〜1D’は横長型であり、現像ローラー2A’〜2D’にトナーを搬送する機構を配置することで、トナーを供給する方式である。
【0101】
この現像ユニット1A’〜1D’並びに帯電器5A’〜5D’はベルト感光体26’を挟んで両側に配置されている。すなわち、図7において、ベルト感光体26’の一方の側(図面上の左側)には第1の帯電器5A’並びに現像ユニット1A’が配置され、ベルト感光体26’の他方の側(図面上の右側)には第2から第4の帯電気5B’〜5D’、現像ユニット1B’〜1D’が配置されている。
【0102】
ここで、理解しやすくするため、現像ユニット1A’〜1D’と別々に対応する帯電器ト5A’〜5D’との組合せをそれぞれ第1〜第4のプロセス部と称する。
【0103】
レーザー書き込みユニット24’には、1ポリゴンビームの露光装置が組み込まれており、各プロセスユニット(現像/帯電)に対応する露光開口部が設けられている。図面上、第1のプロセス部に対応する露光開口部は書き込みユニット24’の左側に設けられており、第2〜第4のプロセス部に対応する露光開口部は右側に設けられている。このレーザー書き込みユニット24’は、ベルト感光体26’に内接するよう固定されており、ベルト感光体26に内接する内接部分25がベルト感光体26のガイド部材となるように配置されている。
【0104】
現像ローラー2A’〜2D’は、内接部分25’と接触している箇所のベルト感光体26’から所定距離だけ離れた位置に配置されている。現像ローー2A’〜2D’についても、図1に示したトナー層規制部材12と補助電極8とを有しており、上記実施形態と同様に補助電極8に交流バイアスが印加されることで、トナーの現像ローラー2への付着力を低減でき、画像濃度の低下を防止することができる。
【0105】
また、ベルト感光体26’の表面のトナー像を記録媒体に転写する転写ローラー29’はベルト感光体26’に外接される。また、ベルト感光体26’は駆動ローラー28’と従動ローラー36’との間に懸架され、その間で回転される。
【0106】
なお、上述した実施形態においては、非接触現像方式を例として説明したが、本発明による現像ユニットは、感光体と現像ローラーとが接触しながら現像を行う接触方式の画像形成装置にも適用できる。
【0107】
最後に、上述したような1成分現像方式の画像形成装置に使用されるトナーは、平均粒子径が7〜10μmに分級された微粒子である。この様な微粒子の製造方法としては、樹脂や着色剤等を溶融混練後、粉砕、分級するいわゆる粉砕法が一般的である。また、湿式法と呼ばれるトナーの製造方法が提案されており、この湿式法は、着色剤や添加剤などを分散させた単量体(モノマー)を分散安定剤の存在下に、水性媒体中において重合させる懸濁重合法、乳化重合法、又は転相乳化法等がある。
【0108】
トナーに使用する結着樹脂材料には、例えば、ポリスチレン又はポリスチレン−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂又はポリビニルブチラール樹脂等の群から選ばれる1種又は2種以上が用いられてもよい。また、結着樹脂材料は、合成段階から結晶姓ワックス類又は非相溶性物質が予め微分散されたものであってもよい。しかしながら、前述した結着樹脂材料の中でも、ポリエステル樹脂又はポリエーテルポリオール樹脂が、樹脂弾性などの熱的性質に優れていることから、これらを結着樹脂材料に用いることが望ましい。
【0109】
ポリエステル樹脂又はポリエーテルポリオール樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、トナーの熱定着性、保存安定性などの点から、50〜90℃なる範囲内が適切である。また、ポリエステル樹脂又はポリエーテルポリオール樹脂の数平均分子量(Mn)としては、3,000〜100,000なる範囲内が適切である。3,000未満である場合には粒子化が困難であり、100,000以上の場合には、転相乳化の際に高粘度となり、粒子径や分布の制御などに影響を与えるために好ましくない。
【0110】
トナーに用いられる着色剤としては、これまでに、トナー用材料として用いられている様な各種の染料類や顔料類等であれば特別の制限は無く、以下に示される様な有機又は無機の各種、各色の染料や顔料が使用可能である。すなわち、黒色の着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト又はマグネタイト等が挙げられる。
【0111】
また、黄色の着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルーイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー…10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG又はタートラジンレーキ等の化合物が挙げられる。
【0112】
また、橙色の着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、べンジジンオレンジG又はインダスレンブリリアントオレンジGK等の化合物が挙げられる。
【0113】
また、赤色の着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ビラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ又はブリリアントカーミン3B等の化合物が挙げられる。
【0114】
また、紫色の着色剤としては、マンガン紫、ファストバイオレットB又はメチルバイオレットレーキ等の化合物が挙げられる。
【0115】
また、青色の着色剤としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー又はインダスレンブルーBC等の化合物が挙げられる。
【0116】
また、緑色の着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカラーイトグリーンレーキ又はファイナルイエローグリーンG等の化合物が挙げられる。
【0117】
さらに、白色の着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白又は硫化亜鉛等の化合物が挙げられる、
静電潜像を現像するトナー中には、上記の様な材料以外にも、マグネタイト、ヘマタイト若しくは各種フェライト等の磁性粉、オフセット防止剤又は帯電制御剤などの成分も必要に応じて配合できる。
【0118】
トナーの定着性の改良などの目的で用いられるオフセット防止剤は、これまでにトナー用材料として用いられていれば特別の制限は無く、以下に示される様なものが使用可能である。例えば、パラフィンワックス、酸化パラフィンワックス若しくはマイクロクリスタリンワックス等の様な石油ワックス、モンタンワックス等の様な鉱物ワックス、蜜蝋若しくはカルナバワックス等の様な動植物ワックス、又は、ポリオレフィンワックス(ポリエチレン若しくはポリプロピレン等)、酸化ポリオレフィンワックス若しくはフィッシャートロプシュワックス等の様な合成ワックス等が挙げられる。これらオフセット防止剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0119】
帯電制御剤は、低分子化合物から高分子化合物まで種々の物質が使用できるが、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、有機金属錯体、キレート化合物、アミノ基を有するモノマーを、単独重合、あるいは、共重合させた高分子化合物等が挙げられる。
【0120】
また、帯電調整及び表面抵抗調整などの目的で添加される外添剤又は流動化剤には、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体又はアルミナ微粉体などの無機微粉体が好適に用いられる。これらの無機微粉体は、疎水化及び帯電性コントロールのために、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物の様な処理剤で処理されているものであってもよい。また、前述した処理剤から選ばれる1種または2種以上が用いられてもよい。
【0121】
さらに、他の添加剤として、例えばポリテトラフルオロニチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッソ化ビニリデン又はシリコーンオイル粒子(約40%のシリカ含有)等の滑剤が好適に用いられる。
【0122】
またトナー粒子と逆極性の白色微粒子を現像性向上剤として少量用いてもよい。
【0123】
なお、上記のようなトナーの種類によって、補助電極8・8”に印加する交流電圧のピーク・トゥ・ピーク電圧の最適値はほとんど変るものではない。
【0124】
以上のように、本発明の実施形態に係る現像ユニットおよびそれを含む画像形成装置に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、現像ローラーへのトナー付着力が軽減しトナーの飛翔性が向上できて、1成分現像方式を採用した画像形成装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の一つの実施形態に係る現像ユニットを示す構成模式図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る現像ユニットを示す構成模式図である。
【0127】
図2に示すベルト感光体の層構造を示す図である。
【図4】現像ローラーの構成を示す図である。
【図5】図2に示す画像形成装置において、補助電極および現像ローラーの位置関係および交流バイアス値と、画像濃度との関係を示すグラフである。
【図6】現像ローラーと補助電極との位置関係を示す図であり、(a)は現像ローラーと補助電極とが非接触の場合の図であり、(b)は現像ローラーと補助電極とが接触している場合の図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の他の一例を示す一部の構造模式図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る現像ユニットを示す構成模式図である。
【図9】一成分現像剤を用いた現像ユニットに、2成分現像剤を用いた従来の現像ユニットの補助電極を適用した場合の構成を示す図である。
【図10】従来技術に係る現像ユニットを示す構成模式図である。
【符号の説明】
【0128】
1 現像ユニット
2 現像ローラー
3 交流バイアス(交流電圧)
4 トナー供給ローラー
8・8” 補助電極(電極部)
12 トナー層規制部材(規制部材)
13 電荷除電装置
26 ベルト感光体(感光体)
26’ 感光体ドラム(感光体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と対向する現像領域において、上記感光体上の静電潜像に一成分現像剤を用いて現像する現像ローラーを備えた現像ユニットであって、
上記現像ローラーの表面上の一成分現像剤の層厚みを規制する規制部材と、
上記規制部材よりも上記現像ローラーの回転方向の下流側であり、かつ、上記現像領域よりも上記現像ローラーの回転方向の上流側である位置において、上記現像ローラー上の一成分現像剤と接触し、上記現像ローラーとの間の一成分現像剤に交流電圧を印加する電極部とを備えることを特徴とする現像ユニット。
【請求項2】
上記電極部は、ピーク・トゥ・ピーク電圧が500Vp−p以上1500Vp−p以下の上記交流電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の現像ユニット。
【請求項3】
上記現像ローラーは、上記感光体に対して非接触であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像ユニット。
【請求項4】
感光体と、
上記感光体上に形成された静電潜像を現像する請求項1から3の何れか1項に記載の現像ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
上記現像ユニットを複数備え、当該複数の上記現像ユニットの各々が異なる色の一成分現像剤を用いて上記感光体上の静電潜像を現像するものであり、
上記感光体が無端ベルト状の感光体であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
上記無端ベルト状の感光体は、裏面に透明電極を備え、
上記無端ベルト状の感光体の内部に、当該感光体に静電潜像を形成するための露光装置が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
上記感光体がローラー状の感光体であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−128163(P2010−128163A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302505(P2008−302505)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】