現像装置及び画像形成装置
【課題】本発明は、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことを目的とする。
【解決手段】本発明の現像装置は、回転軸14Aとともに回転可能である複数の現像器と、回転軸14Aとともに回転可能であり現像器を予め定めた位置に配置する回転円板120と、回転軸14Aに固定されることなく回転軸14Aの周囲を回転するギアプレート150と、付勢された状態から解放された状態となることに伴い回転円板120の回転を開始させるとともに、回転円板120は停止するがギアプレート150は回転している状態にて付勢された状態となるトーションスプリング140と、付勢されたトーションスプリング140とギアプレート150との接続を切断するガイドリブ170とを含む。
【解決手段】本発明の現像装置は、回転軸14Aとともに回転可能である複数の現像器と、回転軸14Aとともに回転可能であり現像器を予め定めた位置に配置する回転円板120と、回転軸14Aに固定されることなく回転軸14Aの周囲を回転するギアプレート150と、付勢された状態から解放された状態となることに伴い回転円板120の回転を開始させるとともに、回転円板120は停止するがギアプレート150は回転している状態にて付勢された状態となるトーションスプリング140と、付勢されたトーションスプリング140とギアプレート150との接続を切断するガイドリブ170とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、四つの現像器を保持するラックの側板に凹部を有する係合板を固定する。この係合板の側部にチャージばねを有するスライダの先端に設けたラック押しレバーのピンを圧接させる。スライダはモータで駆動されるチャージギアの時計回り方向の回転に基づいて上動する。この上動時にチャージばねが伸びてばね力が蓄積され、かつ、ピンが上方の凹部に係合する。ラックは位置決めレバーの凹部が側板のピンに係合することによりロックされており、このロックが解除されると、チャージばねのばね力で90゜時計回り方向に回転する現像装置が存在する(特許文献1)。
また、公報記載の従来技術として、回転体を回転駆動軸を介して駆動源に連結し、回転体の回転動作を間欠的に繰り返す回転体駆動装置において、前記回転体停止時に回転体の回転方向へ付勢する補助エネルギが蓄積され且つ回転体回転時に前記駆動源の駆動力と共に前記補助エネルギによる回転力が作用する回転補助手段を設ける。ここで、回転補助手段としては、例えばバネ部材のねじりエネルギを利用したり、偏心回転部材の位置エネルギを利用したものが用いられる回転体が存在する(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−190235号公報
【特許文献2】特開平09−054475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて回転部と接続され付勢された状態となる付勢部と、前記付勢部が付勢された後、付勢された当該付勢部と回転を継続する前記回転部との接続を切断する切断部とを含む現像装置である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記付勢部は前記配置部に設けられ、当該付勢部が付勢された状態から解放された状態となることに伴い、当該付勢部は当該配置部によって押され前記回転部と接触することを特徴とする請求項1記載の現像装置である。
請求項3記載の発明は、前記付勢部は、捩じりばねであることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置である。
請求項4記載の発明は、前記付勢部は、回転を停止した前記配置部と回転を継続する前記回転部との互いの角度が変化することに伴い付勢された状態となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置である。
【0007】
請求項5記載の発明は、軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を前記複数の現像部と同一の方向に回転する回転部と、前記配置部と前記回転部との間に設けられるとともに、一方の端部は弾性変形することに伴い移動可能に設けられ、他方の端部は当該配置部に固定され、付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて当該一方の端部が前記回転部によって移動されることにより付勢された状態となる回転開始部と、前記回転開始部が付勢された後、付勢された当該回転開始部と回転を継続する前記回転部との接続を当該回転開始部の前記一方の端部を移動させることにより切断する端部移動部とを含む現像装置である。
【0008】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の現像装置と、前記像保持体を帯電する帯電部と、前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記像保持体と対向して現像を行う現像位置に配置する配置部と、駆動力を供給する駆動源と、前記軸部に固定されることなく、前記駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、一方の端部が前記配置部に固定され、他方の端部が自由端であり、弾性変形により蓄積したエネルギによって当該配置部を回転させる配置部回転体と、前記配置部の回転角度に応じて前記配置部回転体の姿勢を変化させることに伴い、前記配置部回転体がエネルギを蓄積した状態と、蓄積したエネルギを解放した状態とを得る姿勢変化部とを含む画像形成装置である。
請求項8記載の発明は、前記像保持体を帯電する帯電部と、前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置である。
請求項9記載の発明は、前記駆動源は、前記転写部と前記回転部とに駆動力を供給することを特徴とする請求項7または8記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、付勢部が付勢された状態から解放された状態となることに伴い配置部によって押されることで、付勢部における付勢力の蓄積開始を機械的な動作によって行うことを実現できる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
【0010】
請求項5記載の発明によれば、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、配置部が回転する動作に伴い、記録材に形成される画像の品質が低減することが抑制される。
請求項7記載の発明によれば、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行う画像形成装置を提供することができる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、配置部が回転する動作に伴い、記録材に形成される画像の品質が低減することが抑制される。
請求項9記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】現像装置周辺の駆動系の概略構成図である。
【図3】現像装置の斜視図である。
【図4】伝達機構の分解斜視図である。
【図5】リアプレートの概略構成図である。
【図6】ポジションプレートの分解斜視図である。
【図7】回転円板の概略構成図である。
【図8】押上部材の概略構成図である。
【図9】トーションスプリングの概略構成図である。
【図10】ギアプレートの概略構成図である。
【図11】ロック部材の概略構成図である。
【図12】伝達機構の概略構成図である。
【図13】4色画像の形成動作における伝達機構の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【図14】第2の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図15】第3の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図16】第4の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図17】第5の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図18】第6の状態における伝達機構の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置1の全体構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用される画像形成装置1の各構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1を示す概略構成図である。
【0013】
画像形成装置1は、トナー像が形成される画像形成部10、用紙Sを供給し搬送する用紙供給部40、供給された用紙Sを保持するとともに保持した用紙S上に画像形成部10で形成したトナー像を転写する転写装置20を有している。また、画像形成装置1は、転写装置20から開放された用紙S上のトナー像を定着する定着装置30、画像形成装置1の全体を制御する制御部50を有している。ここで、画像形成装置1の各構成部材は、筺体2の内部に収容されており、この筺体2の上部には定着装置30から排出された用紙Sを積載する排紙積載部3が設けられている。
【0014】
<各部材の構成>
まず、画像形成部10は、感光体ドラム11を有する。さらに、画像形成部10は、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置12、帯電された感光体ドラム11を露光する露光装置13、現像剤を用いて現像を行う現像装置14、感光体ドラム11上に残った現像剤を清掃する清掃装置15を含む。以下で各部材について説明をする。
【0015】
像保持体の一例である感光体ドラム11は、その表面に負の帯電極性を有する感光層11Aを備えるとともに、矢印A方向に回転するように取り付けられる。そして、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、清掃装置15は、感光体ドラム11の周囲に、矢印A方向に沿ってこの順番に設置されている。ここで、感光体ドラム11の外径は、例えば30mmとなっている。
【0016】
帯電部の一例である帯電装置12は、本実施の形態においては接触ローラ型の放電装置であり、感光体ドラム11とともに回転しながら感光体ドラム11を帯電させるよう構成される。
露光部の一例である露光装置13は、感光体ドラム11の帯電表面に照射することで、静電潜像を形成するよう構成され、本実施の形態においては複数配置されたLED(図示せず)を含む。
【0017】
現像装置14は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。また、現像装置14は、所謂ロータリ現像器14Rを有する。詳細は後述するが、このロータリ現像器14Rは、軸部の一例である回転軸14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器(現像部)14Y、14M、14C、14Kとを備え回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
さらに、ロータリ現像器14Rは、感光体ドラム11と対向する位置(現像位置)において、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが停止するようになっている。
なお、多色画像ではなく単色画像のみを形成する場合には、現像装置14を単色の現像器のみ(例えば黒(K)の現像器14Kのみ)を有する現像装置と交換してもよい。
【0018】
そして、現像装置14は、露光装置13によって形成された感光体ドラム11上の静電潜像を、トナーを用いて現像する。なお、現像装置14の外径は、例えば100mmとなっている。
これらの現像器14Y、14M、14C、14Kには、トナーのみからなる1成分現像剤が収容されている。ここで、本実施の形態においては、1成分現像剤を用いたが、トナー及びキャリアを含む2成分現像剤であってもよい。
【0019】
清掃装置15は、感光体ドラム11の表面に残った現像剤や現像剤以外の付着物を除去する。本実施の形態の清掃装置15は、ブレード方式のクリーナである。
【0020】
次に、転写装置20を説明する。転写装置20は、感光体ドラム11上のトナー像を用紙Sに転写する転写ドラム21を有する。また、転写装置20は、転写ドラム21上で用紙Sの先端部を把持する先端グリッパ23、転写ドラム21上で用紙Sの後端部を保持する後端グリッパ27を有する。さらに、転写装置20は、用紙Sが通過することを検知する用紙検知センサ25を含む。
この転写装置20は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。ここで、本実施の形態における転写装置20は、用紙Sの先端部及び後端部を固定して転写ドラム21の周囲を回転させる構成であるが、これに限定されない。例えば、多色画像ではなく、単色画像のみを形成する場合には、転写ドラム21を、用紙Sを固定することなく転写バイアスを印加するロール(所謂転写ロール)と交換してもよい。
【0021】
転写部の一例である転写ドラム21は、感光体ドラム11に対向し、かつ回転軸21Dを中心に回転可能に配置される。また、転写ドラム21は、ドラム形状の基部21Aと、この基部21Aの外周面に形成された弾性層21Bとを備えている。より具体的には、弾性層21Bは、用紙Sの搬送方向先端である弾性層先端21BLから、用紙Sの搬送方向後端である弾性層後端21BTまで、ドラム形状の基部21Aの外周に沿って延伸している。一方で、弾性層21Bは、基部21Aの外周面の一部を、基部21Aの軸方向に沿って覆わないようになっており(弾性層後端21BTと弾性層先端21BLとの間)、この部位は、基部21Aが露出した露出部21Cとなっている。
【0022】
転写ドラム21は、弾性層21Bが弾性変形することにより感光体ドラム11とニップ部を形成する状態で、感光体ドラム11の回転と同期して矢印B方向に回転するように設けられている。また、転写ドラム21の露出部21Cは、感光体ドラム11と接触しない。さらに、転写ドラム21の外径は、感光体ドラム11の外径よりも大きい。
基部21Aは、高圧電源(図示せず)からトナーとは逆極性の電圧から成る転写バイアスが印加される。感光体ドラム11上でトナー像を構成するトナーが、転写部位Trにおいて弾性層21B上の用紙Sに転写される構成である。
【0023】
用紙検知センサ25は、転写ドラム21の外周面に対向して配置されており、転写ドラム21に巻きつけられて搬送される用紙Sの通過を検知する。さらに、用紙検知センサ25は、転写ドラム21に設けられたマーク(図示せず)を検知することで、回転する転写ドラム21の位相も測定する。
定着装置30は、加熱源(図示せず)を有し回転可能に配置される加熱ロール31と、この加熱ロール31に圧接される加圧ロール32とを有している。
【0024】
用紙供給部40は、転写ドラム21の下方に備えられ用紙Sを内部に収容する用紙収容部41、取出しロール42に備えられ収容された用紙のサイズを検知する用紙サイズセンサ(図示せず)を備える。また、用紙供給部40は、用紙収容部41から用紙Sを取り出す取出しロール42、密着した用紙Sを分離する捌きロール43、用紙Sを搬送する搬送ロール44を備える。
【0025】
制御部50は、ユーザから指示を受けたユーザ・インターフェイス(図示せず)によって信号が入力される。また、制御部50には、画像形成装置1の内部または外部に設けられた画像出力指示部(図示せず)から画像信号が入力される。さらに、制御部50には、用紙検知センサ25から送られてくる用紙Sの通過の信号及び感光体ドラム11の位相信号が入力される。
【0026】
そして、制御部50は、次の各部に制御信号を出力するようになっている。すなわち、制御部50は、感光体ドラム11を回転駆動する感光体駆動部(図2の感光体ドラム駆動モータM2、感光体ドラムギアG2、後述)、帯電装置12、露光装置13に制御信号を出力する。また、制御部50は、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置された現像器14Y、14M、14C、14Kに供給する現像バイアスを設定する現像バイアス設定部(図示せず)に制御信号を出力する。
さらに、制御部50は、転写ドラム21を回転駆動する転写ドラム駆動部(図2の転写ドラム駆動モータM1及び転写ドラムギアG1参照)に制御信号を出力する。さらにまた、後端グリッパ27を回転駆動する後端グリッパ駆動部(図示せず)、転写ドラム21に供給する転写バイアスを設定する転写バイアス設定部(図示せず)、先端グリッパ23、後端グリッパ27、用紙供給部40、及び定着装置30に、制御信号を出力するようになっている。
【0027】
ここで、画像形成装置1は、用紙Sを用紙収容部41から転写部位Trへ供給するための供給経路51を備えている。また、画像形成装置1は、定着装置30を介してトナー像が転写された用紙Sを排紙積載部3に排出するための排出経路52を備えている。
さらに、本実施の形態では、転写ドラム21に向けて供給されてくる用紙Sが、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻き付けられた状態で回転することになる。このとき用紙Sが通る経路を回転経路53と称する。
【0028】
<駆動系>
さて、図2を参照して、現像装置14等の駆動系について説明をする。ここで、図2は、現像装置14周辺の駆動系の概略構成図である。
まず、本実施の形態における現像装置14は、現像装置14を駆動するための専用の駆動モータを有さない。本実施の形態における現像装置14は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータ(駆動源)M1、及び感光体ドラム11を回転させる感光体ドラム駆動モータM2によって駆動される。以下でこの構成について詳細に説明する。
【0029】
図2に示すように、転写装置20は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータM1を有する。また、転写装置20は、転写装置20の回転軸21Dと一体として設けられるとともに、転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転軸21Dを回転させる転写ドラムギアG1を有する。
感光体ドラム11は、感光体ドラム11を駆動する感光体ドラム駆動モータM2を有する。また、感光体ドラム11は、感光体ドラム11と同軸であってかつ感光体ドラム11と一体として設けられるとともに、感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて感光体ドラム11を回転させる感光体ドラムギアG2を有する。
【0030】
一方で、現像装置14は、回転軸14Aと一体として設けられるとともに、ロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3を有する。また、ロータリ現像器14Rに設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は、各々の現像器14Y、14M、14C、14Kのそれぞれに設けられた現像ロール等を回転駆動させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kをそれぞれ有する。
【0031】
ここで、回転軸14Aを中心としてロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3は、仲介ギアG5、G6を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転するよう構成される。また、各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)をそれぞれ回転させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kは、感光体ドラム11と対向する位置に配置され現像を行う際に、感光体ドラムギアG2を介して感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて回転するように構成される。
【0032】
<現像装置14>
次に、図1、図2及び図3を参照しながら、現像装置14の詳細な構造について説明する。ここで、図3は、現像装置14の斜視図である。
まず、現像装置14は、上述のようにロータリ現像器14R、現像装置ギアG3、及びギアG4Y、G4M、G4C、G4K(図2参照)を有する。また、現像装置14は、ロータリ現像器14Rを回転可能に支持する枠体90を有する。さらにまた、現像装置14は、転写ドラム駆動モータM1の駆動をロータリ現像器14Rに伝達するとともにこの駆動の伝達を切断する伝達機構100を有する。
【0033】
ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)とを備えている。また、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aに固定して取り付けられ、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持するとともにロータリ現像器14Rと一体的に回転する現像ラック80を有する。このロータリ現像器14Rは、現像器14Y、14M、14C、14Kが回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
ここで、図3に示すように、現像ラック80は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを長手方向の外側から挟むように保持する保持板61、63と、この保持板61、63の間を接続し補強する補強部材(図示せず)とを有する。
【0034】
枠体90は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持する現像ラック80を、各現像器14Y、14M、14C、14Kの長手方向の外側から挟むように保持するフロントプレート91及びリアプレート93と、このフロントプレート91及びリアプレート93とを接続するボトムプレート95とを有する。なお、上述のように現像装置14は、筺体2に対して着脱可能なものであるが、ここでは便宜上、現像装置14が筺体2に装着された状態を基準とし、図1における画像形成装置1のフロント側(図1の紙面手前側に配置される側)、及びリア側(図1の紙面奥側に配置される側)に対応付けて、フロント及びリアという表現を用いて構成を説明する。
【0035】
枠体90によって、現像装置14は画像形成装置1内に固定される。本実施の形態では、枠体90は、取り外しが容易となるように画像形成装置1に対して現像装置14を固定する着脱機構を有する。また、上述では説明を省略したが、画像形成装置1側にも現像装置14を固定する着脱機構を有する。これらの着脱機構は、それぞれ例えば画像形成装置1側に設けられたフックやピン(図示せず)が設けられ、現像装置14側にフックやピンを受けるボトムプレート95が設けられることによって構成される。
伝達機構100の構成については、後述する。
【0036】
ここで、図1及び図3に示すように、各現像器14Y、14M、14C、14Kは、各現像器14Y、14M、14C、14Kの回転中心軸が回転軸14Aに沿うように設けられている。そして、現像器14Y、14M、14C、14Kは、この順番で回転軸14Aの周囲に設けられている。
現像ラック80は、回転軸14Aに対して固定されており、かつ回転軸14A及び各現像器14Y、14M、14C、14Kとともに回転可能に設けられている。
また、枠体90は、回転軸14Aを回転可能に支持するとともに、画像形成装置1の筺体2に対して固定されている。ここで、枠体90は、フロントプレート91は画像形成装置1のフロント側(図3の紙面左手前側)、リアプレート93は画像形成装置1のリア側(図3の紙面右奥側)となるようにそれぞれ配置される。
【0037】
<伝達機構100>
次に、図1乃至図4を参照しながら、伝達機構100について説明をする。ここで、図4は、伝達機構100の分解斜視図である。
図3に示すように、伝達機構100は、現像装置14の一方の側(図3の紙面右奥側)に設けられる。具体的には、伝達機構100は、現像ラック80の保持板63と、枠体90のリアプレート93との間に配置される。また、伝達機構100は、中央部を回転軸14Aが貫通するように設けられる。
【0038】
ここで、伝達機構100は、回転軸14Aとともに一体的に回転し、現像器14Y、14M、14C、14Kを予め定めた位置に配置するポジションプレート110を有する。また、伝達機構100は、仲介ギアG5、G6(図2参照)を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転し、ポジションプレート110と掛かり合うことによりポジションプレート110を回転させるギアプレート150を有する。さらにまた、伝達機構100は、回転軸14Aとともに回転するポジションプレート110を停止させるロック部材160を有する。さらにまた、伝達機構100は、ポジションプレート110と掛かり合うことにより、ギアプレート150の駆動をポジションプレート110へ伝達することを維持するとともにこの駆動の伝達を切断するガイドリブ170を有する。以下でそれぞれについて説明をする。
【0039】
なお、本実施の形態においては、ガイドリブ170は、リアプレート93におけるポジションプレート110と対向する側の面93aにリアプレート93と一体として設けられている。以下の説明においては、伝達機構100はリアプレート93を含む構成として説明する。
また、現像装置ギアG3は、ギアプレート150におけるポジションプレート110と対向する側とは反対の面に設けられている(図10参照、後述)。以下の説明においては、伝達機構100は現像装置ギアG3を含む構成として説明する。
【0040】
<リアプレート93>
まず、図5を参照しながら、リアプレート93について説明をする。ここで、図5は、リアプレート93の概略構成図である。より詳細には図5(A)はリアプレート93を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図5(B)はリアプレート93の正面図である。
切断部及び端部移動部の一例であるリアプレート93は、上述のようにガイドリブ170を備えている。このガイドリブ170は、ポジションプレート110と対向する側の面93aに突出して設けられ、かつ回転軸14Aの円周方向に沿っている。このガイドリブ170は、面93aから突出する方向(矢印E方向に沿う方向)において特定の高さ(後述)である。
【0041】
また、ガイドリブ170は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。図示の例においてガイドリブ170は、回転軸14A(図4参照)の周方向において90度毎に、4つ設けられている。
さらに、各ガイドリブ170は、周方向における端部であって、ロータリ現像器14R(図1参照)が回転する方向である矢印C方向後端側の端部に傾斜部171を有している。この傾斜部171は、リアプレート93の面93aに対して傾斜している。ここで、傾斜部171が設けられた側と反対の端部であり、かつトーションスプリング140を掛ける(詳細は後述)掛け部173は、傾斜していない。なお、図示の例では掛け部173は、リアプレート93の面93aとほぼ直交する面を有する。
さらにまた、リアプレート93は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔94を有する。
【0042】
<ポジションプレート110>
次に、図4及び図6を参照しながら、ポジションプレート110について説明をする。ここで、図6は、ポジションプレート110の分解斜視図である。
図4に示すように、ポジションプレート110は、回転軸14Aとともに一体的に回転する回転円板120を有する。また、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられトーションスプリング140(後述)を回転円板120の面から押し上げる押上部材130を有する。さらにまた、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられ姿勢が変化することにより転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けるトーションスプリング140を有する。
図6に示す例においては、画像形成装置1のリア側からフロント側に向けて(矢印E参照)、回転円板120、押上部材130、トーションスプリング140の順で配置されていれる。以下でそれぞれについて説明をする。
【0043】
<回転円板120>
図7を参照しながら、回転円板120について説明をする。ここで、図7は、回転円板120の概略構成図である。より詳細には図7(A)は回転円板120を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図7(B)は回転円板120の正面図である。
配置部の一例である回転円板120は、円形の金属板である。この回転円板120は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔121を有する。また、回転円板120は、回転円板120のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)120aにおける貫通孔121の周囲から、回転軸14Aに沿う方向(矢印E参照)に突出して設けられた凸部123を有する。
【0044】
さらに、回転円板120は、回転円板120の外周にロック部材160(図4参照)と掛かり合う突起125を有する。この突起125は、回転円板120の外周において、回転中心から遠ざかる方向に延びるように形成されている。また、本実施の形態において、突起125は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。また、突起125は、上述のガイドリブ170と同数設けられている。図示の例において突起125は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。
なお、本実施の形態においては、突起125として説明したがこれに限定されない。ロック部材160(図4参照)と掛かり合う構成であればよく、例えば、回転円板120の外周に設けられた切り欠きや、回転円板120の面上に設けられた凸部であってもよい。
【0045】
<押上部材130>
次に、図8を参照しながら、押上部材130について説明をする。ここで、図8は、押上部材130の概略構成図である。より詳細には図8(A)は押上部材130を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図8(B)は押上部材130の正面図である。
押上部材130は、回転円板120と同軸に設けられる円弧状の板部材である。この押上部材130は、矢印E方向に沿う方向において特定の厚さを有する。
この押上部材130は、トーションスプリング140の腕部147(図9参照)をギアプレート150側に寄せた状態で保持する面である保持面130aを有する。図示の例においては、保持面130aは、押上部材130におけるフロント側(図1の紙面手前側に配置される面)に配置される平面である。したがって、この保持面130aは、回転円板120の面から特定の高さとなる。
【0046】
また、押上部材130の回転方向(矢印C参照)の先端は、リア側に向けて傾斜している傾斜部133が形成されている。この傾斜部133は、傾斜部133との相対的な位置関係において矢印C(図8参照)とは反対の方向に進むトーションスプリング140の腕部147(図9参照)を回転円板120の面から押し上げる。
なお、押上部材130及びガイドリブ170は姿勢変化部の一例であり、押上部材130は回転円板120と一体形状であってもよい。
【0047】
<トーションスプリング140>
次に、図9を参照しながら、トーションスプリング(捩じりばね)140について説明をする。ここで、図9は、トーションスプリング140の概略構成図である。より詳細には図9(A)はトーションスプリング140を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図9(B)はトーションスプリング140の正面図であり、図9(C)はトーションスプリング140の側面図である。
付勢部、回転開始部、及び配置部回転体の一例であるトーションスプリング140は、金属製のワイヤからなる。トーションスプリング140は、円形状に複数回巻かれた巻付部145を有する。また、このトーションスプリング140の一端は腕部147として巻付部145から延び、他端は固定部149として巻付部145から延びている。
【0048】
ここで、腕部147の先端は固定されていない自由端141であるのに対して、固定部149の先端は、回転円板120(図4参照)に対して固定されている固定端143である。なお、押上部材130は、固定端143が配置される領域に切り欠き(図示せず)を有している。そして、本実施の形態においては、固定端143は回転円板120に固定されている。
また、図9(C)に示すように、側面からみるとトーションスプリング140の腕部147は、自由状態では巻付部145から回転円板120側(矢印Eの上流側)に傾いて伸びる形状になっている。更に説明すると、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0049】
なお、トーションスプリング140の自由端141が、巻付部145を中心とした円周方向に移動することにより、トーションスプリング140は開放された状態と絞られた状態(図9(B)の破線参照)との間で変化する。また、図9(B)の破線で示されるように、捩じりモーメントを受けてトーションスプリング140が絞られた状態においては、トーションスプリング140は弾性エネルギ(付勢力)を蓄積している状態である。いわばトーションスプリング140のねじれ角としてエネルギを蓄積している状態である。
【0050】
<ギアプレート150>
次に、図10を参照しながら、ギアプレート150について説明をする。ここで、図10は、ギアプレート150の概略構成図である。より詳細には、図10(A)はギアプレート150を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図10(B)は図10(A)の裏面側からみたギアプレート150の斜視図であり、図10(C)はギアプレート150の正面図である。
【0051】
回転部の一例であるギアプレート150は、樹脂製の円盤状の部材である。ギアプレート150は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔151を有する。
図10(A)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)150aには、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けて回転する現像装置ギアG3がギアプレート150と同軸で固定されている。
また、図10(B)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のリア側面(図1の紙面奥側に配置される面)150bには、リア側面150bから突出する爪部153を有する。この爪部153は、回転軸14Aの周方向でほぼ等間隔に8つ設けられている。ここで、爪部153は、上述のガイドリブ170の数(すなわち突起125の数)よりも多く設けられている。本実施の形態においては、爪部153は、ガイドリブ170(あるいは突起125)の倍の数設けられている。
【0052】
<ロック部材160>
次に、図11を参照しながら、ロック部材160について説明をする。ここで、図11は、ロック部材160の概略構成図である。
本実施の形態において、ロック部材160は筺体2(図1参照)によって支持軸163を揺動可能(矢印F参照)に支持されている。なお、ロック部材160は、現像装置14側(例えば枠体90)に支持されてもよい。
【0053】
ロック部材160は、板状の金属部材である。そして、一方の端部に、回転円板120の突起125と掛かり合う突起受け部161を有する。
さて、上記では説明を省略したが、転写ドラム21(図1参照)には、転写ドラム21とともに回転するカム(図示せず)が設けられている。そして、この転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)によって押されるカムフォロア(図示せず)が、ロック部材160の突起受け部161が設けられた側とは支持軸163を挟んで反対の端部に設けられている。
【0054】
そして、転写ドラム21が一回転する毎に、カム(図示せず)がカムフォロア(図示せず)を押す。このことにより、ロック部材160が揺動し、ロック部材160の一方の端部に設けられた突起受け部161が移動する。そして、突起受け部161と掛かり合う回転円板120の突起125が解放される。
【0055】
<伝達機構100の構造>
次に、図4及び図12を参照しながら、伝達機構100の構造について説明をする。ここで、図12は、伝達機構100の概略構成図である。より詳細には図12(A)は伝達機構100の正面図であり、図12(B)は図12(A)中の矢印XIIBからみた伝達機構100の断面図である。図12(A)及び(B)においては、ギアプレート150の現像装置ギアG3は省略している。さらに、図12(A)においては、ギアプレート150の背後に隠れる部分も実線で示している。
【0056】
まず、伝達機構100は、上述のように、リアプレート93、ポジションプレート110、ギアプレート150、ロック部材160を有する。そして、リアプレート93の貫通孔94(図5参照)、ポジションプレート110における回転円板120の貫通孔121(図7参照)、ギアプレート150の貫通孔151(図10参照)には、ロータリ現像器14Rの回転軸14Aが挿入されている。
図12(B)に示すように、ポジションプレート110における回転円板120は、回転軸14Aとともに回転するよう回転軸14Aに固定されている。一方、リアプレート93及びギアプレート150は、回転軸14Aに固定されることなく設けられている。
【0057】
ここで、図12(A)に示すように、ポジションプレート110の外周にリアプレート93のガイドリブ170が設けられる。なお、ガイドリブ170は、回転円板120に設けられた突起125と接触することがない位置であって、かつトーションスプリング140の腕部147が届く位置に設けられる。
【0058】
また、図12(A)に示すように、ロック部材160は、ポジションプレート110の外周であって、リアプレート93に設けられた2つのガイドリブ170の間に配置されている。また、ロック部材160は、ロック部材160のカムフォロア(図示せず)が転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)の移動経路上に位置するよう、配置される。
このロック部材160は、支持軸163(図11参照)を中心に揺動する(図11の矢印F参照)ように設けられている。付言すると、ロック部材160が揺動することで、ロック部材160の突起受け部161は、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して進退する。そのため、回転円板120の突起125の位置によっては、回転円板120の回転を妨げるように、突起125がロック部材160の突起受け部161に当たる。なお、ロック部材160の突起受け部161は、例えば回転円板120の径方向に移動することや、回転円板120の接線方向に移動することによって、突起125の移動経路に対して進退する構成であってもよい。
【0059】
さらに、このロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態においては、回転軸14Aを介して回転円板120とともに回転するロータリ現像器14Rも停止する。そして、この停止したロータリ現像器14Rにおいては、ロータリ現像器14Rが有する現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置されている。
さらにまた、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態から、この突起125を解放し、再び突起125と掛かり合う状態となる間に、ロータリ現像器14Rは90度回転する。
【0060】
さて、トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触する場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、トーションスプリング140、回転円板120、及び回転軸14Aを介して、ロータリ現像器14Rへ伝達される。トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触しない場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、ロータリ現像器14Rへ伝達されない。
【0061】
また、トーションスプリング140の巻付部145は、回転円板120に設けられている凸部123の周囲に巻きつけられ、回転軸14Aと同軸に設けられている。トーションスプリング140の固定端143は、上述のように回転円板120に固定されている。トーションスプリング140の自由端141は、回転軸14Aに対して回転円板120に設けられた突起125の移動経路よりも外側に延びており、ガイドリブ170と接触し得る。
【0062】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0063】
<伝達機構100の働き>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の働きについて説明をする。ここでは、伝達機構100がロータリ現像器14Rを90度回転させる動作を、第1の状態から第6の状態までに分ける(詳細は後述)とともに、そのうちのいくつかを用いて説明をする。また、ここでは伝達機構100の働きを、トーションスプリング140の働きと、回転円板120の働きとに着目して説明する。なお、図12に示される伝達機構100は第1の状態である。また、図14乃至図18は、それぞれ第2の状態乃至第6の状態における伝達機構100の概略構成図である。
【0064】
<トーションスプリング140の働き>
図12に示す第1の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。ここでは、トーションスプリング140の状態、及びトーションスプリング140に働く力に分けて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図12に示すトーションスプリング140は弾性エネルギを蓄積して絞られた状態である。付言すると、このトーションスプリング140の腕部147は矢印C方向とは反対に回転しようとしているとともに、トーションスプリング140の固定端143は矢印C方向に回転しようとしている状態である。
また、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びるためである。さらに、トーションスプリング140の腕部147は、リアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接触していない。
【0065】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図12(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、矢印C方向に力を受けている。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153とは接していないためギアプレート150の爪部153から力を受けていない。さらに、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の固定端143は、回転円板120から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この力は回転を停止している回転円板120から受ける反力である。このことにより、トーションスプリング140は、絞られて停止した状態となる。
一方、図12(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133及びガイドリブ170から力を受けていない。
【0066】
次に、図15に示す第3の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図15に示すトーションスプリング140は絞られた状態ではなく開放された状態である。さらに、図15(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、腕部147がギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述の押上部材130における特定の高さとは、押上部材130がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0067】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図15(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。このことにより、トーションスプリング140は、回転軸14Aの周囲を矢印C方向に回転している状態となる。
一方、図15(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けている。なお、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から力を受けていない。
【0068】
次に、図17に示す第5の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図17に示すトーションスプリング140は開放された状態から絞られた状態に変化しつつある途中の状態である。さらに、図17(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、自由端141が矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述のガイドリブ170における特定の高さとは、ガイドリブ170がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0069】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図17(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。さらに、トーションスプリング140の固定端143は、回転軸14Aの周方向において、回転円板120から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この力は、回転を停止している回転円板120から受ける反力である。
付言すると、トーションスプリング140は、固定端143が回転を停止した回転円板120から矢印C方向とは逆向きの力を受け、かつトーションスプリング140の腕部147が爪部153から矢印C方向に力を受けているため、絞られる方向に力を受けている状態である。
【0070】
一方、図17(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から力を受けていない。一方、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けている。
【0071】
<回転円板120の働き>
図12に示す第1の状態における回転円板120の働きについて説明をする。ここでは、ロック部材160の状態、及び回転円板120に働く力に分けて説明をする。
まず、ロック部材160の状態について説明する。
図12に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0072】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120は、トーションスプリング140の固定端143から矢印C方向に力を受ける。この力は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161と接することにより矢印C方向とは逆向きの力を受ける。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転することなく停止している。
【0073】
図14に示す第2の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図14に示すロック部材160は、オフの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、退避した状態である。
【0074】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120は、トーションスプリング140の固定端143から矢印C方向に力を受ける。この力は、絞られた状態から開放された状態へと変化しつつあるトーションスプリング140が弾性力により回転円板120に設けられた固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を矢印C方向に回転している。
【0075】
図16に示す第4の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図16に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0076】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120は、トーションスプリング140の固定端143から矢印C方向に力を受ける。この力は、トーションスプリング140の腕部147がギアプレート150の爪部153により矢印C方向に回転させる力を受けることにともない、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転する力を受けるためである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。これは、上述のようにロック部材160の突起受け部161が、回転円板120の突起125の移動経路に対して進入した状態であるが、回転円板120の突起125と接触はしていないためである。
そして、回転駆動力をトーションスプリング140を介して受けることにより、回転円板120は、回転軸14Aの周囲を矢印C方向に回転している。
【0077】
<画像形成装置1の動作>
次に、図1及び図2を参照しながら、画像形成装置1の全体の動作について説明する。 なお、ここでは画像形成装置1によって1枚の用紙Sに複数色の画像形成を行う場合を説明する。
【0078】
まず原稿読み取り装置(図示せず)によって読み取られた原稿の色材反射光像や、パーソナルコンピュータ(図示せず)等によって形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各データとして、画像信号処理装置(図示せず)に入力され、予め定められた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、露光装置13に出力される。
【0079】
画像形成動作の開始に伴い、感光体ドラム11及び転写ドラム21は同期して回転を開始する。このとき先端グリッパ23は転写ドラム21とともに回転するのに対して、後端グリッパ27は、転写ドラム21とともに回転することなく待機位置に静止している(周速度がゼロである)。
【0080】
そして、回転する感光体ドラム11の感光層11Aが帯電装置12により帯電された後、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成される。また、転写ドラム21が回転を開始するのに伴い、用紙検知センサ25が転写ドラム21の位相の測定を行う。測定された位相は、制御部50へと送られる。
【0081】
一方、現像装置14では、感光体ドラム11上に形成される静電潜像に対応する色成分トナーを有する現像装置(例えばイエローの場合にはイエローの現像器14Y)が、感光体ドラム11との対向位置に配置されるよう予め回転させられ、停止している。
そして、例えば現像器14Yにより感光体ドラム11上の静電潜像が現像され、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。そして、このトナー像(ここではイエローのトナー像)は、感光体ドラム11の回転に伴って転写装置20と対向する転写部位Trに向かって送られていく。
【0082】
また、記録画像形成動作の開始に対応して、用紙Sの供給も行われる。具体的には、取出しロール42により用紙収容部41から取り出された用紙Sを、捌きロール43を経て、搬送ロール44を用いて供給経路51に送り出す。そして、用紙Sが転写ドラム21に供給される位置(供給位置)に先端グリッパ23が到達するのに合わせて、用紙Sが到達するように搬送を制御する。
【0083】
そして、供給位置において先端グリッパ23が開いた状態から閉じた状態へと移行する。これに伴って、用紙Sの搬送方向先端が先端グリッパ23によって把持される。なお、このとき後端グリッパ27は、転写ドラム21の外周であって、待機位置に静止している。そして、用紙Sを把持した先端グリッパ23は、静止した後端グリッパ27と転写ドラム21の回転中心との間を通過する。
【0084】
後端グリッパ27と弾性層21Bとの間を通過した先端グリッパ23は、用紙Sを把持したまま転写部位Trを通過する。先端グリッパ23によって把持されて転写部位Trを通過した用紙Sは、先端グリッパ23に把持されたまま転写ドラム21に巻きついた状態となって回転経路53(図1参照)を搬送される。
そして、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成された後に、用紙検知センサ25によって用紙Sの搬送方向後端が通過したことが検知される。そして、この用紙検知センサ25からの信号を受けた制御部50が、後端グリッパ27へと指示を出す。指示を受けた後端グリッパ27は、開いた状態から閉じた状態へと移行する。
【0085】
さて、閉じた後端グリッパ27は、転写ドラム21と同期して回転を開始する。言い換えると、用紙Sは、搬送方向の先端を先端グリッパ23によって把持され、かつ後端を後端グリッパ27によって保持されながら転写ドラム21とともに回転する。感光体ドラム11上に形成された一色目(例えばイエロー)のトナー像は、感光体ドラム11と転写ドラム21とが対向する転写部位Trにおいて、転写ドラム21上の用紙Sに転写される。なお、転写後に感光体ドラム11上に残ったトナーは、清掃装置15(図1参照)によって除去される。
【0086】
そして、二色目から、最終色(例えば黒)前の潜像形成(例えばマゼンタ、シアン)、現像及び転写が、上述した手順に従って同様に繰り返される。ただし、各色のトナー像を形成するに際しては、現像装置14が回転動作を行い、対応する現像器14M、14Cが停止位置に配置される。
その間、用紙Sは、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻きつけられた状態で回転搬送され、転写部位Trを通過するたびに二色目以降のトナー像が重ねあわされるようにして順次転写される。その結果、例えばフルカラーの画像形成を行う場合には、黒(K)を除く、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)各色のトナー像が転写ドラム21上の用紙Sに多重転写される。
【0087】
そして、最終色が転写される場合には、最終色(例えば黒)前の転写の場合と異なり、転写部位Trにおいて、先端グリッパ23が閉じた状態から開いた状態へと移行する。このことにより先端グリッパ23による把持が解除され、フルカラーの画像が形成された用紙Sは、弾性層21Bと感光体ドラム11とのニップにより、用紙Sの搬送方向先端が転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。
【0088】
その後、用紙Sが搬送されるに従い、用紙Sの搬送方向後端を保持する後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行する。なお、この後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行するときは、露光装置13により画像情報に応じた最終色(例えば黒)の静電潜像はすでに形成された後である。そして、開いた状態の後端グリッパ27は、待機位置にて停止する。
【0089】
そして、後端グリッパ27による保持が解除された用紙Sの搬送方向後端は、転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。排出経路52へと進入した用紙Sは、定着装置30に送られる。そして、定着装置30の加熱ロール31及び加圧ロール32によって、用紙Sのトナー像が定着される。
定着終了後の用紙Sは、搬送ロール44によって画像形成装置1の機外に排出され、排紙積載部3に積載される。
【0090】
<伝達機構100作動のタイミング>
次に、図1及び図13を参照しながら、伝達機構100が作動するタイミングについて説明をする。ここで、図13は、4色画像の形成動作における伝達機構100の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【0091】
図13に示すように、本実施の形態において、画像形成装置1が画像形成を行う際、現像装置14の各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)によって現像動作が行われる。
ここで、現像器14Y、14M、14C、14Kの各々の現像動作が終了した際、次の色の現像サイクルのため、現像器14Y、14M、14C、14Kの移動動作(切り替え動作)が行われる。この現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、伝達機構100によってロータリ現像器14R(図1参照)が回転される(図1の矢印C参照)ことによって行われる。以下で、伝達機構100の切り替え動作のタイミングを詳細に説明する。
【0092】
まず、画像形成装置1の画像形成動作が開始される前の状態において、伝達機構100はオフの状態(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転していない状態)である。また、このとき伝達機構100のロック部材160は、オンの状態(突起受け部161が突起125の移動経路に対して進入した状態)である。さらに、現像位置には、一色目(ここではイエロー(Y)として説明する)に対応する現像器14Yが配置されている。
そして、画像形成装置1の画像形成動作の開始に伴い、露光装置13によりイエロー(Y)の静電潜像が形成される。そして、現像器14Yによる現像が開始された後に、転写装置20による転写が行われる。
【0093】
イエロー(Y)の転写が終了した後に、伝達機構100のロック部材160がオンからオフ(突起受け部161が突起125の移動経路に対して退避した状態)となる(符号13a参照)。ロック部材160がオフとなることに伴い伝達機構100はオン(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転している状態)となる(符号13b参照)。そして、伝達機構100が、回転軸14A(図1参照)を中心としてロータリ現像器14Rを回転させる(図1の矢印C参照)。この回転により、二色目(ここではマゼンタとして説明する)に対応する現像器14Mが現像位置に配置される。
一方、ロック部材160は、オフとなって予め定められた時間が経過した後に、再びオンとなる。そして、ロック部材160が再びオンとなった後に、伝達機構100がオフとなる。この伝達機構100がオフとなった後に、次のマゼンタ(M)の露光が開始される(符号13c参照)。
【0094】
ここで、本実施の形態においては、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kが現像を行っていない間に行われる。より詳細には、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれか(例えば現像器14Y)が現像することによりトナー像を形成し、このトナー像が転写装置20によって転写が行われた後に開始される。そして、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、露光装置13により次の静電潜像(例えばマゼンタの静電潜像)が形成され始める前に終了する。このことにより、伝達機構100の切り替え動作に伴い、画像形成部10や転写装置20等に振動や衝撃等が生じることで画像品質に影響を与えることが抑制される。
【0095】
<伝達機構100の動作>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の動作について説明をする。ここで、ロータリ現像器14Rに設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kは、ある現像器(例えば現像器14Y)から周方向において隣接する他の現像器(例えば現像器14M)に切り替わることに伴い回転軸14Aを中心として90度回転する。この回転軸14Aを中心として90度回転することを4回繰り返すことにより、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aを中心として360度回転する。
【0096】
(a)第1の状態
図1及び図12を参照しながら、第1の状態の伝達機構100を説明する。
第1の状態においては、伝達機構100は動作を停止しており、ロータリ現像器14Rは回転を停止した状態である。また、現像装置14に設けられた現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、現像位置に配置されている。ここでは、現像器14Yが現像位置に配置されているとして説明する。
【0097】
ここで、転写ドラム駆動モータM1から仲介ギアG5、G6を介して現像装置ギアG3に駆動力が伝達されている(図2参照)。このことにより、ギアプレート150は、図12(A)の矢印C方向に回転している。なお、後述する第2の状態乃至第6の状態のいずれにおいても、ギアプレート150は転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて矢印C方向への回転を継続している状態である。
【0098】
第1の状態においては、ロック部材160は、オンの状態であり、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
また、回転円板120の突起125が、ロック部材160の突起受け部161と接することにより、ポジションプレート110は回転を停止されている。なお、回転円板120は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により矢印C方向に回転させようとする力を受けている。
【0099】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153とは接していない。したがって、ギアプレート150の爪部153が回転軸14Aの周囲で回転する際に、トーションスプリング140の腕部147を押すことはない。第1の状態において、ギアプレート150は、いわば空転している状態である。
【0100】
(b)第2の状態
図1及び図14を参照しながら、第2の状態の伝達機構100を説明する。
第2の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を開始する。
【0101】
第2の状態において、ロック部材160が、オンからオフとなり、ロック部材160の突起受け部161が、突起125の移動経路に対して退避した状態となる。そして、絞られた状態であったトーションスプリング140が開放された状態へと変化することにともない、回転円板120が矢印C方向に回転される。そして、回転円板120とともに回転する回転軸14Aを介してロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を開始する。
【0102】
ここで、トーションスプリング140の腕部147におけるガイドリブ170の掛け部173と接する部分を支点として、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転することに伴い、固定端143と腕部147との相対位置が変化する。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130に設けられた傾斜部133と接触し、傾斜部133に沿って移動する。このことにより、トーションスプリング140の腕部147は、傾斜部133によってリア側からフロント側に向かう方向に押され、ギアプレート150側に移動する(矢印E参照)。
なお、図14に示す状態では、まだ、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153とは接触していない。したがって、第2の状態におけるギアプレート150は空転を継続している状態である。
【0103】
(c)第3の状態
図1及び図15を参照しながら、第3の状態の伝達機構100を説明する。
第3の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を継続している状態である。
【0104】
第3の状態において、ロック部材160はオフの状態を継続している。また、トーションスプリング140の固定端143と腕部147との相対位置がさらに変化する(トーションスプリング140がさらに開放される)。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)にさらに押される。その結果トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に配置される。
【0105】
そして、回転してきたギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147と接触し、この腕部147を矢印C方向に押す状態となる。さらに説明すると、ギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147を押すことにより、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)の駆動が、ギアプレート150を介してトーションスプリング140に伝達される状態である。
【0106】
(d)第4の状態
図1及び図16を参照しながら、第4の状態の伝達機構100を説明する。
第4の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を継続している状態である。
【0107】
第4の状態において、ロック部材160がオフからオンとなり、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態となる。ここで、第4の状態においては、ロック部材160の突起受け部161とポジションプレート110の突起125とは接触していない状態である。すなわちロック部材160が回転円板120をロックする前の状態である。
【0108】
また、トーションスプリング140が回転軸14Aの周囲を回転することにともない、トーションスプリング140の自由端141は、ガイドリブ170の傾斜部171を通過し、ガイドリブ170に乗り上げた状態となる(図16(B)参照)。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に維持される。したがって、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153に押される(矢印C参照)状態を維持する。
【0109】
(e)第5の状態
図1及び図17を参照しながら、第5の状態の伝達機構100を説明する。
第5の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が回転を停止する。第5の状態においては、現像器14Mが現像位置に配置されている。付言すると、図17に示す第5の状態は、図12に示す第1の状態を基準として、ポジションプレート110が、図17(A)における矢印C方向に90度回転した状態である。
【0110】
第5の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ポジションプレート110の突起125が回転してくることにより、ロック部材160の突起受け部161は突起125と接触する状態となる。このことにより、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110の回転を停止させる(ロック部材160が回転円板120をロックしている)。
ここで、第5の状態において、ロック部材160の突起受け部161が接触するのは、第1の状態においてロック部材160の突起受け部161が接触していた突起125と周方向において隣り合う突起125である。
【0111】
そして、ポジションプレート110が回転を停止することにともない、ポジションプレート110に接続されているトーションスプリング140の固定端143も、回転を停止する。一方で、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153に押される(矢印C参照)状態を継続する。
このことにより、トーションスプリング140の自由端141と固定端143との相対位置が変化する。更に説明すると、第5の状態において、トーションスプリング140は姿勢が変化し始め(付勢力の蓄積開始)、開放された状態から絞られた状態となる。
【0112】
(f)第6の状態
図1及び図18を参照しながら、第6の状態の伝達機構100を説明する。
第6の状態においては、伝達機構100の動作が停止した状態である。
【0113】
第6の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ロック部材160の突起受け部161は、ポジションプレート110と接触し回転を停止させている状態である。
【0114】
また、第6の状態において、ガイドリブ170に乗り上げて矢印C方向に回転するトーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170を通過し掛け部173に掛かる状態となる。言い替えると、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)に押されない状態となる。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、フロント側からリア側に向かう方向(矢印D参照)に移動し、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置となる。なお、このトーションスプリング140の自由端141の移動は、上述のように側面からみるとトーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びることによるものである(図9(C)参照)。
【0115】
トーションスプリング140の自由端141がフロント側からリア側に向かう方向に移動する(矢印D参照)ことにより、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153と接触しない位置となる。このことにより、ギアプレート150の爪部153は、トーションスプリング140の腕部147を押さなくなる(付勢力の蓄積終了)。したがって、ギアプレート150は空転する状態となる。
【0116】
さて、上述のように、本実施の形態の伝達機構100は、ロック部材160のオンとオフとを切り換えることにより、メカニカル機構によるシーケンスで現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の切り替え動作が行われる。付言すると、本実施の形態の伝達機構100は、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作のために電気的制御回路等が必要ない。また、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替えの際に駆動する電気的な駆動源を必要としない。
【符号の説明】
【0117】
1…画像形成装置、2…筺体、10…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…露光装置、14…現像装置、14A…回転軸、20…転写装置、21…転写ドラム、23…先端グリッパ、27…後端グリッパ、30…定着装置、40…用紙供給部、50…制御部、51…供給経路、52…排出経路、93…リアプレート、100…伝達機構、110…ポジションプレート、120…回転円板、130…押上部材、140…トーションスプリング、150…ギアプレート、160…ロック部材、S…用紙
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、四つの現像器を保持するラックの側板に凹部を有する係合板を固定する。この係合板の側部にチャージばねを有するスライダの先端に設けたラック押しレバーのピンを圧接させる。スライダはモータで駆動されるチャージギアの時計回り方向の回転に基づいて上動する。この上動時にチャージばねが伸びてばね力が蓄積され、かつ、ピンが上方の凹部に係合する。ラックは位置決めレバーの凹部が側板のピンに係合することによりロックされており、このロックが解除されると、チャージばねのばね力で90゜時計回り方向に回転する現像装置が存在する(特許文献1)。
また、公報記載の従来技術として、回転体を回転駆動軸を介して駆動源に連結し、回転体の回転動作を間欠的に繰り返す回転体駆動装置において、前記回転体停止時に回転体の回転方向へ付勢する補助エネルギが蓄積され且つ回転体回転時に前記駆動源の駆動力と共に前記補助エネルギによる回転力が作用する回転補助手段を設ける。ここで、回転補助手段としては、例えばバネ部材のねじりエネルギを利用したり、偏心回転部材の位置エネルギを利用したものが用いられる回転体が存在する(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−190235号公報
【特許文献2】特開平09−054475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて回転部と接続され付勢された状態となる付勢部と、前記付勢部が付勢された後、付勢された当該付勢部と回転を継続する前記回転部との接続を切断する切断部とを含む現像装置である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記付勢部は前記配置部に設けられ、当該付勢部が付勢された状態から解放された状態となることに伴い、当該付勢部は当該配置部によって押され前記回転部と接触することを特徴とする請求項1記載の現像装置である。
請求項3記載の発明は、前記付勢部は、捩じりばねであることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置である。
請求項4記載の発明は、前記付勢部は、回転を停止した前記配置部と回転を継続する前記回転部との互いの角度が変化することに伴い付勢された状態となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置である。
【0007】
請求項5記載の発明は、軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を前記複数の現像部と同一の方向に回転する回転部と、前記配置部と前記回転部との間に設けられるとともに、一方の端部は弾性変形することに伴い移動可能に設けられ、他方の端部は当該配置部に固定され、付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて当該一方の端部が前記回転部によって移動されることにより付勢された状態となる回転開始部と、前記回転開始部が付勢された後、付勢された当該回転開始部と回転を継続する前記回転部との接続を当該回転開始部の前記一方の端部を移動させることにより切断する端部移動部とを含む現像装置である。
【0008】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の現像装置と、前記像保持体を帯電する帯電部と、前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記像保持体と対向して現像を行う現像位置に配置する配置部と、駆動力を供給する駆動源と、前記軸部に固定されることなく、前記駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、一方の端部が前記配置部に固定され、他方の端部が自由端であり、弾性変形により蓄積したエネルギによって当該配置部を回転させる配置部回転体と、前記配置部の回転角度に応じて前記配置部回転体の姿勢を変化させることに伴い、前記配置部回転体がエネルギを蓄積した状態と、蓄積したエネルギを解放した状態とを得る姿勢変化部とを含む画像形成装置である。
請求項8記載の発明は、前記像保持体を帯電する帯電部と、前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置である。
請求項9記載の発明は、前記駆動源は、前記転写部と前記回転部とに駆動力を供給することを特徴とする請求項7または8記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、付勢部が付勢された状態から解放された状態となることに伴い配置部によって押されることで、付勢部における付勢力の蓄積開始を機械的な動作によって行うことを実現できる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
【0010】
請求項5記載の発明によれば、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、配置部が回転する動作に伴い、記録材に形成される画像の品質が低減することが抑制される。
請求項7記載の発明によれば、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行う画像形成装置を提供することができる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、配置部が回転する動作に伴い、記録材に形成される画像の品質が低減することが抑制される。
請求項9記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より簡易な構成によって、軸部を中心として複数の現像部を回転させる際に用いられる付勢力の蓄積開始および/または蓄積終了を、電気的な駆動制御で行なわずに機械的な動作によって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】現像装置周辺の駆動系の概略構成図である。
【図3】現像装置の斜視図である。
【図4】伝達機構の分解斜視図である。
【図5】リアプレートの概略構成図である。
【図6】ポジションプレートの分解斜視図である。
【図7】回転円板の概略構成図である。
【図8】押上部材の概略構成図である。
【図9】トーションスプリングの概略構成図である。
【図10】ギアプレートの概略構成図である。
【図11】ロック部材の概略構成図である。
【図12】伝達機構の概略構成図である。
【図13】4色画像の形成動作における伝達機構の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【図14】第2の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図15】第3の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図16】第4の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図17】第5の状態における伝達機構の概略構成図である。
【図18】第6の状態における伝達機構の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置1の全体構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用される画像形成装置1の各構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1を示す概略構成図である。
【0013】
画像形成装置1は、トナー像が形成される画像形成部10、用紙Sを供給し搬送する用紙供給部40、供給された用紙Sを保持するとともに保持した用紙S上に画像形成部10で形成したトナー像を転写する転写装置20を有している。また、画像形成装置1は、転写装置20から開放された用紙S上のトナー像を定着する定着装置30、画像形成装置1の全体を制御する制御部50を有している。ここで、画像形成装置1の各構成部材は、筺体2の内部に収容されており、この筺体2の上部には定着装置30から排出された用紙Sを積載する排紙積載部3が設けられている。
【0014】
<各部材の構成>
まず、画像形成部10は、感光体ドラム11を有する。さらに、画像形成部10は、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置12、帯電された感光体ドラム11を露光する露光装置13、現像剤を用いて現像を行う現像装置14、感光体ドラム11上に残った現像剤を清掃する清掃装置15を含む。以下で各部材について説明をする。
【0015】
像保持体の一例である感光体ドラム11は、その表面に負の帯電極性を有する感光層11Aを備えるとともに、矢印A方向に回転するように取り付けられる。そして、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、清掃装置15は、感光体ドラム11の周囲に、矢印A方向に沿ってこの順番に設置されている。ここで、感光体ドラム11の外径は、例えば30mmとなっている。
【0016】
帯電部の一例である帯電装置12は、本実施の形態においては接触ローラ型の放電装置であり、感光体ドラム11とともに回転しながら感光体ドラム11を帯電させるよう構成される。
露光部の一例である露光装置13は、感光体ドラム11の帯電表面に照射することで、静電潜像を形成するよう構成され、本実施の形態においては複数配置されたLED(図示せず)を含む。
【0017】
現像装置14は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。また、現像装置14は、所謂ロータリ現像器14Rを有する。詳細は後述するが、このロータリ現像器14Rは、軸部の一例である回転軸14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器(現像部)14Y、14M、14C、14Kとを備え回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
さらに、ロータリ現像器14Rは、感光体ドラム11と対向する位置(現像位置)において、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが停止するようになっている。
なお、多色画像ではなく単色画像のみを形成する場合には、現像装置14を単色の現像器のみ(例えば黒(K)の現像器14Kのみ)を有する現像装置と交換してもよい。
【0018】
そして、現像装置14は、露光装置13によって形成された感光体ドラム11上の静電潜像を、トナーを用いて現像する。なお、現像装置14の外径は、例えば100mmとなっている。
これらの現像器14Y、14M、14C、14Kには、トナーのみからなる1成分現像剤が収容されている。ここで、本実施の形態においては、1成分現像剤を用いたが、トナー及びキャリアを含む2成分現像剤であってもよい。
【0019】
清掃装置15は、感光体ドラム11の表面に残った現像剤や現像剤以外の付着物を除去する。本実施の形態の清掃装置15は、ブレード方式のクリーナである。
【0020】
次に、転写装置20を説明する。転写装置20は、感光体ドラム11上のトナー像を用紙Sに転写する転写ドラム21を有する。また、転写装置20は、転写ドラム21上で用紙Sの先端部を把持する先端グリッパ23、転写ドラム21上で用紙Sの後端部を保持する後端グリッパ27を有する。さらに、転写装置20は、用紙Sが通過することを検知する用紙検知センサ25を含む。
この転写装置20は、筺体2に対して着脱可能に備えられている。ここで、本実施の形態における転写装置20は、用紙Sの先端部及び後端部を固定して転写ドラム21の周囲を回転させる構成であるが、これに限定されない。例えば、多色画像ではなく、単色画像のみを形成する場合には、転写ドラム21を、用紙Sを固定することなく転写バイアスを印加するロール(所謂転写ロール)と交換してもよい。
【0021】
転写部の一例である転写ドラム21は、感光体ドラム11に対向し、かつ回転軸21Dを中心に回転可能に配置される。また、転写ドラム21は、ドラム形状の基部21Aと、この基部21Aの外周面に形成された弾性層21Bとを備えている。より具体的には、弾性層21Bは、用紙Sの搬送方向先端である弾性層先端21BLから、用紙Sの搬送方向後端である弾性層後端21BTまで、ドラム形状の基部21Aの外周に沿って延伸している。一方で、弾性層21Bは、基部21Aの外周面の一部を、基部21Aの軸方向に沿って覆わないようになっており(弾性層後端21BTと弾性層先端21BLとの間)、この部位は、基部21Aが露出した露出部21Cとなっている。
【0022】
転写ドラム21は、弾性層21Bが弾性変形することにより感光体ドラム11とニップ部を形成する状態で、感光体ドラム11の回転と同期して矢印B方向に回転するように設けられている。また、転写ドラム21の露出部21Cは、感光体ドラム11と接触しない。さらに、転写ドラム21の外径は、感光体ドラム11の外径よりも大きい。
基部21Aは、高圧電源(図示せず)からトナーとは逆極性の電圧から成る転写バイアスが印加される。感光体ドラム11上でトナー像を構成するトナーが、転写部位Trにおいて弾性層21B上の用紙Sに転写される構成である。
【0023】
用紙検知センサ25は、転写ドラム21の外周面に対向して配置されており、転写ドラム21に巻きつけられて搬送される用紙Sの通過を検知する。さらに、用紙検知センサ25は、転写ドラム21に設けられたマーク(図示せず)を検知することで、回転する転写ドラム21の位相も測定する。
定着装置30は、加熱源(図示せず)を有し回転可能に配置される加熱ロール31と、この加熱ロール31に圧接される加圧ロール32とを有している。
【0024】
用紙供給部40は、転写ドラム21の下方に備えられ用紙Sを内部に収容する用紙収容部41、取出しロール42に備えられ収容された用紙のサイズを検知する用紙サイズセンサ(図示せず)を備える。また、用紙供給部40は、用紙収容部41から用紙Sを取り出す取出しロール42、密着した用紙Sを分離する捌きロール43、用紙Sを搬送する搬送ロール44を備える。
【0025】
制御部50は、ユーザから指示を受けたユーザ・インターフェイス(図示せず)によって信号が入力される。また、制御部50には、画像形成装置1の内部または外部に設けられた画像出力指示部(図示せず)から画像信号が入力される。さらに、制御部50には、用紙検知センサ25から送られてくる用紙Sの通過の信号及び感光体ドラム11の位相信号が入力される。
【0026】
そして、制御部50は、次の各部に制御信号を出力するようになっている。すなわち、制御部50は、感光体ドラム11を回転駆動する感光体駆動部(図2の感光体ドラム駆動モータM2、感光体ドラムギアG2、後述)、帯電装置12、露光装置13に制御信号を出力する。また、制御部50は、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置された現像器14Y、14M、14C、14Kに供給する現像バイアスを設定する現像バイアス設定部(図示せず)に制御信号を出力する。
さらに、制御部50は、転写ドラム21を回転駆動する転写ドラム駆動部(図2の転写ドラム駆動モータM1及び転写ドラムギアG1参照)に制御信号を出力する。さらにまた、後端グリッパ27を回転駆動する後端グリッパ駆動部(図示せず)、転写ドラム21に供給する転写バイアスを設定する転写バイアス設定部(図示せず)、先端グリッパ23、後端グリッパ27、用紙供給部40、及び定着装置30に、制御信号を出力するようになっている。
【0027】
ここで、画像形成装置1は、用紙Sを用紙収容部41から転写部位Trへ供給するための供給経路51を備えている。また、画像形成装置1は、定着装置30を介してトナー像が転写された用紙Sを排紙積載部3に排出するための排出経路52を備えている。
さらに、本実施の形態では、転写ドラム21に向けて供給されてくる用紙Sが、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻き付けられた状態で回転することになる。このとき用紙Sが通る経路を回転経路53と称する。
【0028】
<駆動系>
さて、図2を参照して、現像装置14等の駆動系について説明をする。ここで、図2は、現像装置14周辺の駆動系の概略構成図である。
まず、本実施の形態における現像装置14は、現像装置14を駆動するための専用の駆動モータを有さない。本実施の形態における現像装置14は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータ(駆動源)M1、及び感光体ドラム11を回転させる感光体ドラム駆動モータM2によって駆動される。以下でこの構成について詳細に説明する。
【0029】
図2に示すように、転写装置20は、転写ドラム21を駆動する転写ドラム駆動モータM1を有する。また、転写装置20は、転写装置20の回転軸21Dと一体として設けられるとともに、転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転軸21Dを回転させる転写ドラムギアG1を有する。
感光体ドラム11は、感光体ドラム11を駆動する感光体ドラム駆動モータM2を有する。また、感光体ドラム11は、感光体ドラム11と同軸であってかつ感光体ドラム11と一体として設けられるとともに、感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて感光体ドラム11を回転させる感光体ドラムギアG2を有する。
【0030】
一方で、現像装置14は、回転軸14Aと一体として設けられるとともに、ロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3を有する。また、ロータリ現像器14Rに設けられた現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)は、各々の現像器14Y、14M、14C、14Kのそれぞれに設けられた現像ロール等を回転駆動させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kをそれぞれ有する。
【0031】
ここで、回転軸14Aを中心としてロータリ現像器14Rを回転させる現像装置ギアG3は、仲介ギアG5、G6を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転するよう構成される。また、各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)をそれぞれ回転させる現像器ギアG4Y、G4M、G4C、G4Kは、感光体ドラム11と対向する位置に配置され現像を行う際に、感光体ドラムギアG2を介して感光体ドラム駆動モータM2の駆動を受けて回転するように構成される。
【0032】
<現像装置14>
次に、図1、図2及び図3を参照しながら、現像装置14の詳細な構造について説明する。ここで、図3は、現像装置14の斜視図である。
まず、現像装置14は、上述のようにロータリ現像器14R、現像装置ギアG3、及びギアG4Y、G4M、G4C、G4K(図2参照)を有する。また、現像装置14は、ロータリ現像器14Rを回転可能に支持する枠体90を有する。さらにまた、現像装置14は、転写ドラム駆動モータM1の駆動をロータリ現像器14Rに伝達するとともにこの駆動の伝達を切断する伝達機構100を有する。
【0033】
ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aと、回転軸14Aの周囲に設置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)とを備えている。また、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aに固定して取り付けられ、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持するとともにロータリ現像器14Rと一体的に回転する現像ラック80を有する。このロータリ現像器14Rは、現像器14Y、14M、14C、14Kが回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転する。
ここで、図3に示すように、現像ラック80は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを長手方向の外側から挟むように保持する保持板61、63と、この保持板61、63の間を接続し補強する補強部材(図示せず)とを有する。
【0034】
枠体90は、各現像器14Y、14M、14C、14Kを保持する現像ラック80を、各現像器14Y、14M、14C、14Kの長手方向の外側から挟むように保持するフロントプレート91及びリアプレート93と、このフロントプレート91及びリアプレート93とを接続するボトムプレート95とを有する。なお、上述のように現像装置14は、筺体2に対して着脱可能なものであるが、ここでは便宜上、現像装置14が筺体2に装着された状態を基準とし、図1における画像形成装置1のフロント側(図1の紙面手前側に配置される側)、及びリア側(図1の紙面奥側に配置される側)に対応付けて、フロント及びリアという表現を用いて構成を説明する。
【0035】
枠体90によって、現像装置14は画像形成装置1内に固定される。本実施の形態では、枠体90は、取り外しが容易となるように画像形成装置1に対して現像装置14を固定する着脱機構を有する。また、上述では説明を省略したが、画像形成装置1側にも現像装置14を固定する着脱機構を有する。これらの着脱機構は、それぞれ例えば画像形成装置1側に設けられたフックやピン(図示せず)が設けられ、現像装置14側にフックやピンを受けるボトムプレート95が設けられることによって構成される。
伝達機構100の構成については、後述する。
【0036】
ここで、図1及び図3に示すように、各現像器14Y、14M、14C、14Kは、各現像器14Y、14M、14C、14Kの回転中心軸が回転軸14Aに沿うように設けられている。そして、現像器14Y、14M、14C、14Kは、この順番で回転軸14Aの周囲に設けられている。
現像ラック80は、回転軸14Aに対して固定されており、かつ回転軸14A及び各現像器14Y、14M、14C、14Kとともに回転可能に設けられている。
また、枠体90は、回転軸14Aを回転可能に支持するとともに、画像形成装置1の筺体2に対して固定されている。ここで、枠体90は、フロントプレート91は画像形成装置1のフロント側(図3の紙面左手前側)、リアプレート93は画像形成装置1のリア側(図3の紙面右奥側)となるようにそれぞれ配置される。
【0037】
<伝達機構100>
次に、図1乃至図4を参照しながら、伝達機構100について説明をする。ここで、図4は、伝達機構100の分解斜視図である。
図3に示すように、伝達機構100は、現像装置14の一方の側(図3の紙面右奥側)に設けられる。具体的には、伝達機構100は、現像ラック80の保持板63と、枠体90のリアプレート93との間に配置される。また、伝達機構100は、中央部を回転軸14Aが貫通するように設けられる。
【0038】
ここで、伝達機構100は、回転軸14Aとともに一体的に回転し、現像器14Y、14M、14C、14Kを予め定めた位置に配置するポジションプレート110を有する。また、伝達機構100は、仲介ギアG5、G6(図2参照)を介して転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて回転し、ポジションプレート110と掛かり合うことによりポジションプレート110を回転させるギアプレート150を有する。さらにまた、伝達機構100は、回転軸14Aとともに回転するポジションプレート110を停止させるロック部材160を有する。さらにまた、伝達機構100は、ポジションプレート110と掛かり合うことにより、ギアプレート150の駆動をポジションプレート110へ伝達することを維持するとともにこの駆動の伝達を切断するガイドリブ170を有する。以下でそれぞれについて説明をする。
【0039】
なお、本実施の形態においては、ガイドリブ170は、リアプレート93におけるポジションプレート110と対向する側の面93aにリアプレート93と一体として設けられている。以下の説明においては、伝達機構100はリアプレート93を含む構成として説明する。
また、現像装置ギアG3は、ギアプレート150におけるポジションプレート110と対向する側とは反対の面に設けられている(図10参照、後述)。以下の説明においては、伝達機構100は現像装置ギアG3を含む構成として説明する。
【0040】
<リアプレート93>
まず、図5を参照しながら、リアプレート93について説明をする。ここで、図5は、リアプレート93の概略構成図である。より詳細には図5(A)はリアプレート93を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図5(B)はリアプレート93の正面図である。
切断部及び端部移動部の一例であるリアプレート93は、上述のようにガイドリブ170を備えている。このガイドリブ170は、ポジションプレート110と対向する側の面93aに突出して設けられ、かつ回転軸14Aの円周方向に沿っている。このガイドリブ170は、面93aから突出する方向(矢印E方向に沿う方向)において特定の高さ(後述)である。
【0041】
また、ガイドリブ170は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。図示の例においてガイドリブ170は、回転軸14A(図4参照)の周方向において90度毎に、4つ設けられている。
さらに、各ガイドリブ170は、周方向における端部であって、ロータリ現像器14R(図1参照)が回転する方向である矢印C方向後端側の端部に傾斜部171を有している。この傾斜部171は、リアプレート93の面93aに対して傾斜している。ここで、傾斜部171が設けられた側と反対の端部であり、かつトーションスプリング140を掛ける(詳細は後述)掛け部173は、傾斜していない。なお、図示の例では掛け部173は、リアプレート93の面93aとほぼ直交する面を有する。
さらにまた、リアプレート93は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔94を有する。
【0042】
<ポジションプレート110>
次に、図4及び図6を参照しながら、ポジションプレート110について説明をする。ここで、図6は、ポジションプレート110の分解斜視図である。
図4に示すように、ポジションプレート110は、回転軸14Aとともに一体的に回転する回転円板120を有する。また、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられトーションスプリング140(後述)を回転円板120の面から押し上げる押上部材130を有する。さらにまた、ポジションプレート110は、回転円板120の面上に設けられ姿勢が変化することにより転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けるトーションスプリング140を有する。
図6に示す例においては、画像形成装置1のリア側からフロント側に向けて(矢印E参照)、回転円板120、押上部材130、トーションスプリング140の順で配置されていれる。以下でそれぞれについて説明をする。
【0043】
<回転円板120>
図7を参照しながら、回転円板120について説明をする。ここで、図7は、回転円板120の概略構成図である。より詳細には図7(A)は回転円板120を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図7(B)は回転円板120の正面図である。
配置部の一例である回転円板120は、円形の金属板である。この回転円板120は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔121を有する。また、回転円板120は、回転円板120のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)120aにおける貫通孔121の周囲から、回転軸14Aに沿う方向(矢印E参照)に突出して設けられた凸部123を有する。
【0044】
さらに、回転円板120は、回転円板120の外周にロック部材160(図4参照)と掛かり合う突起125を有する。この突起125は、回転円板120の外周において、回転中心から遠ざかる方向に延びるように形成されている。また、本実施の形態において、突起125は、現像装置14に設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kと同数設けられている。また、突起125は、上述のガイドリブ170と同数設けられている。図示の例において突起125は、回転軸14Aの周方向において90度毎に4つ設けられている。
なお、本実施の形態においては、突起125として説明したがこれに限定されない。ロック部材160(図4参照)と掛かり合う構成であればよく、例えば、回転円板120の外周に設けられた切り欠きや、回転円板120の面上に設けられた凸部であってもよい。
【0045】
<押上部材130>
次に、図8を参照しながら、押上部材130について説明をする。ここで、図8は、押上部材130の概略構成図である。より詳細には図8(A)は押上部材130を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図8(B)は押上部材130の正面図である。
押上部材130は、回転円板120と同軸に設けられる円弧状の板部材である。この押上部材130は、矢印E方向に沿う方向において特定の厚さを有する。
この押上部材130は、トーションスプリング140の腕部147(図9参照)をギアプレート150側に寄せた状態で保持する面である保持面130aを有する。図示の例においては、保持面130aは、押上部材130におけるフロント側(図1の紙面手前側に配置される面)に配置される平面である。したがって、この保持面130aは、回転円板120の面から特定の高さとなる。
【0046】
また、押上部材130の回転方向(矢印C参照)の先端は、リア側に向けて傾斜している傾斜部133が形成されている。この傾斜部133は、傾斜部133との相対的な位置関係において矢印C(図8参照)とは反対の方向に進むトーションスプリング140の腕部147(図9参照)を回転円板120の面から押し上げる。
なお、押上部材130及びガイドリブ170は姿勢変化部の一例であり、押上部材130は回転円板120と一体形状であってもよい。
【0047】
<トーションスプリング140>
次に、図9を参照しながら、トーションスプリング(捩じりばね)140について説明をする。ここで、図9は、トーションスプリング140の概略構成図である。より詳細には図9(A)はトーションスプリング140を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図9(B)はトーションスプリング140の正面図であり、図9(C)はトーションスプリング140の側面図である。
付勢部、回転開始部、及び配置部回転体の一例であるトーションスプリング140は、金属製のワイヤからなる。トーションスプリング140は、円形状に複数回巻かれた巻付部145を有する。また、このトーションスプリング140の一端は腕部147として巻付部145から延び、他端は固定部149として巻付部145から延びている。
【0048】
ここで、腕部147の先端は固定されていない自由端141であるのに対して、固定部149の先端は、回転円板120(図4参照)に対して固定されている固定端143である。なお、押上部材130は、固定端143が配置される領域に切り欠き(図示せず)を有している。そして、本実施の形態においては、固定端143は回転円板120に固定されている。
また、図9(C)に示すように、側面からみるとトーションスプリング140の腕部147は、自由状態では巻付部145から回転円板120側(矢印Eの上流側)に傾いて伸びる形状になっている。更に説明すると、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0049】
なお、トーションスプリング140の自由端141が、巻付部145を中心とした円周方向に移動することにより、トーションスプリング140は開放された状態と絞られた状態(図9(B)の破線参照)との間で変化する。また、図9(B)の破線で示されるように、捩じりモーメントを受けてトーションスプリング140が絞られた状態においては、トーションスプリング140は弾性エネルギ(付勢力)を蓄積している状態である。いわばトーションスプリング140のねじれ角としてエネルギを蓄積している状態である。
【0050】
<ギアプレート150>
次に、図10を参照しながら、ギアプレート150について説明をする。ここで、図10は、ギアプレート150の概略構成図である。より詳細には、図10(A)はギアプレート150を現像装置14におけるフロント側からみた斜視図であり、図10(B)は図10(A)の裏面側からみたギアプレート150の斜視図であり、図10(C)はギアプレート150の正面図である。
【0051】
回転部の一例であるギアプレート150は、樹脂製の円盤状の部材である。ギアプレート150は、面の中央部に回転軸14Aを挿入する貫通孔151を有する。
図10(A)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のフロント側面(図1の紙面手前側に配置される面)150aには、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動を受けて回転する現像装置ギアG3がギアプレート150と同軸で固定されている。
また、図10(B)に示すように、ギアプレート150における画像形成装置1のリア側面(図1の紙面奥側に配置される面)150bには、リア側面150bから突出する爪部153を有する。この爪部153は、回転軸14Aの周方向でほぼ等間隔に8つ設けられている。ここで、爪部153は、上述のガイドリブ170の数(すなわち突起125の数)よりも多く設けられている。本実施の形態においては、爪部153は、ガイドリブ170(あるいは突起125)の倍の数設けられている。
【0052】
<ロック部材160>
次に、図11を参照しながら、ロック部材160について説明をする。ここで、図11は、ロック部材160の概略構成図である。
本実施の形態において、ロック部材160は筺体2(図1参照)によって支持軸163を揺動可能(矢印F参照)に支持されている。なお、ロック部材160は、現像装置14側(例えば枠体90)に支持されてもよい。
【0053】
ロック部材160は、板状の金属部材である。そして、一方の端部に、回転円板120の突起125と掛かり合う突起受け部161を有する。
さて、上記では説明を省略したが、転写ドラム21(図1参照)には、転写ドラム21とともに回転するカム(図示せず)が設けられている。そして、この転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)によって押されるカムフォロア(図示せず)が、ロック部材160の突起受け部161が設けられた側とは支持軸163を挟んで反対の端部に設けられている。
【0054】
そして、転写ドラム21が一回転する毎に、カム(図示せず)がカムフォロア(図示せず)を押す。このことにより、ロック部材160が揺動し、ロック部材160の一方の端部に設けられた突起受け部161が移動する。そして、突起受け部161と掛かり合う回転円板120の突起125が解放される。
【0055】
<伝達機構100の構造>
次に、図4及び図12を参照しながら、伝達機構100の構造について説明をする。ここで、図12は、伝達機構100の概略構成図である。より詳細には図12(A)は伝達機構100の正面図であり、図12(B)は図12(A)中の矢印XIIBからみた伝達機構100の断面図である。図12(A)及び(B)においては、ギアプレート150の現像装置ギアG3は省略している。さらに、図12(A)においては、ギアプレート150の背後に隠れる部分も実線で示している。
【0056】
まず、伝達機構100は、上述のように、リアプレート93、ポジションプレート110、ギアプレート150、ロック部材160を有する。そして、リアプレート93の貫通孔94(図5参照)、ポジションプレート110における回転円板120の貫通孔121(図7参照)、ギアプレート150の貫通孔151(図10参照)には、ロータリ現像器14Rの回転軸14Aが挿入されている。
図12(B)に示すように、ポジションプレート110における回転円板120は、回転軸14Aとともに回転するよう回転軸14Aに固定されている。一方、リアプレート93及びギアプレート150は、回転軸14Aに固定されることなく設けられている。
【0057】
ここで、図12(A)に示すように、ポジションプレート110の外周にリアプレート93のガイドリブ170が設けられる。なお、ガイドリブ170は、回転円板120に設けられた突起125と接触することがない位置であって、かつトーションスプリング140の腕部147が届く位置に設けられる。
【0058】
また、図12(A)に示すように、ロック部材160は、ポジションプレート110の外周であって、リアプレート93に設けられた2つのガイドリブ170の間に配置されている。また、ロック部材160は、ロック部材160のカムフォロア(図示せず)が転写ドラム21に設けられたカム(図示せず)の移動経路上に位置するよう、配置される。
このロック部材160は、支持軸163(図11参照)を中心に揺動する(図11の矢印F参照)ように設けられている。付言すると、ロック部材160が揺動することで、ロック部材160の突起受け部161は、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して進退する。そのため、回転円板120の突起125の位置によっては、回転円板120の回転を妨げるように、突起125がロック部材160の突起受け部161に当たる。なお、ロック部材160の突起受け部161は、例えば回転円板120の径方向に移動することや、回転円板120の接線方向に移動することによって、突起125の移動経路に対して進退する構成であってもよい。
【0059】
さらに、このロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態においては、回転軸14Aを介して回転円板120とともに回転するロータリ現像器14Rも停止する。そして、この停止したロータリ現像器14Rにおいては、ロータリ現像器14Rが有する現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、感光体ドラム11と対向する位置である現像位置に配置されている。
さらにまた、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125と掛かり合う状態から、この突起125を解放し、再び突起125と掛かり合う状態となる間に、ロータリ現像器14Rは90度回転する。
【0060】
さて、トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触する場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、トーションスプリング140、回転円板120、及び回転軸14Aを介して、ロータリ現像器14Rへ伝達される。トーションスプリング140の腕部147が、ギアプレート150の爪部153と接触しない場合は、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)からの駆動が、ロータリ現像器14Rへ伝達されない。
【0061】
また、トーションスプリング140の巻付部145は、回転円板120に設けられている凸部123の周囲に巻きつけられ、回転軸14Aと同軸に設けられている。トーションスプリング140の固定端143は、上述のように回転円板120に固定されている。トーションスプリング140の自由端141は、回転軸14Aに対して回転円板120に設けられた突起125の移動経路よりも外側に延びており、ガイドリブ170と接触し得る。
【0062】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、腕部147の根元よりも、回転円板120側(矢印Eの上流側)となる。
【0063】
<伝達機構100の働き>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の働きについて説明をする。ここでは、伝達機構100がロータリ現像器14Rを90度回転させる動作を、第1の状態から第6の状態までに分ける(詳細は後述)とともに、そのうちのいくつかを用いて説明をする。また、ここでは伝達機構100の働きを、トーションスプリング140の働きと、回転円板120の働きとに着目して説明する。なお、図12に示される伝達機構100は第1の状態である。また、図14乃至図18は、それぞれ第2の状態乃至第6の状態における伝達機構100の概略構成図である。
【0064】
<トーションスプリング140の働き>
図12に示す第1の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。ここでは、トーションスプリング140の状態、及びトーションスプリング140に働く力に分けて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図12に示すトーションスプリング140は弾性エネルギを蓄積して絞られた状態である。付言すると、このトーションスプリング140の腕部147は矢印C方向とは反対に回転しようとしているとともに、トーションスプリング140の固定端143は矢印C方向に回転しようとしている状態である。
また、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びるためである。さらに、トーションスプリング140の腕部147は、リアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接触していない。
【0065】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図12(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、矢印C方向に力を受けている。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153とは接していないためギアプレート150の爪部153から力を受けていない。さらに、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の固定端143は、回転円板120から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この力は回転を停止している回転円板120から受ける反力である。このことにより、トーションスプリング140は、絞られて停止した状態となる。
一方、図12(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133及びガイドリブ170から力を受けていない。
【0066】
次に、図15に示す第3の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図15に示すトーションスプリング140は絞られた状態ではなく開放された状態である。さらに、図15(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、腕部147がギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述の押上部材130における特定の高さとは、押上部材130がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0067】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図15(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。このことにより、トーションスプリング140は、回転軸14Aの周囲を矢印C方向に回転している状態となる。
一方、図15(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から矢印E方向に押される力を受けている。なお、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から力を受けていない。
【0068】
次に、図17に示す第5の状態におけるトーションスプリング140の働きについて説明をする。
まず、トーションスプリング140の状態について説明する。
図17に示すトーションスプリング140は開放された状態から絞られた状態に変化しつつある途中の状態である。さらに、図17(B)に示すように、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にある。これは、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けているためである。また、トーションスプリング140の腕部147は、自由端141が矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153と接している。
なお、上述のガイドリブ170における特定の高さとは、ガイドリブ170がトーションスプリング140の腕部147を矢印E方向に押すことにより、腕部147をギアプレート150の爪部153と接触させ得る高さのことを言う。
【0069】
次に、トーションスプリング140に働く力について説明をする。
図17(A)に示すように、回転軸14Aの周方向において、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170の掛け部173から、力を受けていない。また、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153から矢印C方向に力を受けている。さらに、トーションスプリング140の固定端143は、回転軸14Aの周方向において、回転円板120から矢印C方向とは逆向きの力を受ける。この力は、回転を停止している回転円板120から受ける反力である。
付言すると、トーションスプリング140は、固定端143が回転を停止した回転円板120から矢印C方向とは逆向きの力を受け、かつトーションスプリング140の腕部147が爪部153から矢印C方向に力を受けているため、絞られる方向に力を受けている状態である。
【0070】
一方、図17(B)に示すように、回転軸14Aに沿う方向において、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133から力を受けていない。一方、トーションスプリング140の腕部147は、ガイドリブ170から矢印E方向に押される力を受けている。
【0071】
<回転円板120の働き>
図12に示す第1の状態における回転円板120の働きについて説明をする。ここでは、ロック部材160の状態、及び回転円板120に働く力に分けて説明をする。
まず、ロック部材160の状態について説明する。
図12に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0072】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120は、トーションスプリング140の固定端143から矢印C方向に力を受ける。この力は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161と接することにより矢印C方向とは逆向きの力を受ける。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を回転することなく停止している。
【0073】
図14に示す第2の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図14に示すロック部材160は、オフの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、退避した状態である。
【0074】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120は、トーションスプリング140の固定端143から矢印C方向に力を受ける。この力は、絞られた状態から開放された状態へと変化しつつあるトーションスプリング140が弾性力により回転円板120に設けられた固定端143を矢印C方向に回転させようとする力によるものである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。
そして、これらの力により回転円板120は、回転軸14Aの周囲を矢印C方向に回転している。
【0075】
図16に示す第4の状態における回転円板120の働きについて説明をする。
図16に示すロック部材160は、オンの状態である。すなわち、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
【0076】
次に、回転円板120に働く力について説明をする。
回転円板120は、トーションスプリング140の固定端143から矢印C方向に力を受ける。この力は、トーションスプリング140の腕部147がギアプレート150の爪部153により矢印C方向に回転させる力を受けることにともない、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転する力を受けるためである。
また、回転円板120の突起125は、ロック部材160の突起受け部161から力を受けていない。これは、上述のようにロック部材160の突起受け部161が、回転円板120の突起125の移動経路に対して進入した状態であるが、回転円板120の突起125と接触はしていないためである。
そして、回転駆動力をトーションスプリング140を介して受けることにより、回転円板120は、回転軸14Aの周囲を矢印C方向に回転している。
【0077】
<画像形成装置1の動作>
次に、図1及び図2を参照しながら、画像形成装置1の全体の動作について説明する。 なお、ここでは画像形成装置1によって1枚の用紙Sに複数色の画像形成を行う場合を説明する。
【0078】
まず原稿読み取り装置(図示せず)によって読み取られた原稿の色材反射光像や、パーソナルコンピュータ(図示せず)等によって形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各データとして、画像信号処理装置(図示せず)に入力され、予め定められた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、露光装置13に出力される。
【0079】
画像形成動作の開始に伴い、感光体ドラム11及び転写ドラム21は同期して回転を開始する。このとき先端グリッパ23は転写ドラム21とともに回転するのに対して、後端グリッパ27は、転写ドラム21とともに回転することなく待機位置に静止している(周速度がゼロである)。
【0080】
そして、回転する感光体ドラム11の感光層11Aが帯電装置12により帯電された後、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成される。また、転写ドラム21が回転を開始するのに伴い、用紙検知センサ25が転写ドラム21の位相の測定を行う。測定された位相は、制御部50へと送られる。
【0081】
一方、現像装置14では、感光体ドラム11上に形成される静電潜像に対応する色成分トナーを有する現像装置(例えばイエローの場合にはイエローの現像器14Y)が、感光体ドラム11との対向位置に配置されるよう予め回転させられ、停止している。
そして、例えば現像器14Yにより感光体ドラム11上の静電潜像が現像され、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。そして、このトナー像(ここではイエローのトナー像)は、感光体ドラム11の回転に伴って転写装置20と対向する転写部位Trに向かって送られていく。
【0082】
また、記録画像形成動作の開始に対応して、用紙Sの供給も行われる。具体的には、取出しロール42により用紙収容部41から取り出された用紙Sを、捌きロール43を経て、搬送ロール44を用いて供給経路51に送り出す。そして、用紙Sが転写ドラム21に供給される位置(供給位置)に先端グリッパ23が到達するのに合わせて、用紙Sが到達するように搬送を制御する。
【0083】
そして、供給位置において先端グリッパ23が開いた状態から閉じた状態へと移行する。これに伴って、用紙Sの搬送方向先端が先端グリッパ23によって把持される。なお、このとき後端グリッパ27は、転写ドラム21の外周であって、待機位置に静止している。そして、用紙Sを把持した先端グリッパ23は、静止した後端グリッパ27と転写ドラム21の回転中心との間を通過する。
【0084】
後端グリッパ27と弾性層21Bとの間を通過した先端グリッパ23は、用紙Sを把持したまま転写部位Trを通過する。先端グリッパ23によって把持されて転写部位Trを通過した用紙Sは、先端グリッパ23に把持されたまま転写ドラム21に巻きついた状態となって回転経路53(図1参照)を搬送される。
そして、露光装置13により画像情報に応じた一色目(たとえばイエロー)の静電潜像が形成された後に、用紙検知センサ25によって用紙Sの搬送方向後端が通過したことが検知される。そして、この用紙検知センサ25からの信号を受けた制御部50が、後端グリッパ27へと指示を出す。指示を受けた後端グリッパ27は、開いた状態から閉じた状態へと移行する。
【0085】
さて、閉じた後端グリッパ27は、転写ドラム21と同期して回転を開始する。言い換えると、用紙Sは、搬送方向の先端を先端グリッパ23によって把持され、かつ後端を後端グリッパ27によって保持されながら転写ドラム21とともに回転する。感光体ドラム11上に形成された一色目(例えばイエロー)のトナー像は、感光体ドラム11と転写ドラム21とが対向する転写部位Trにおいて、転写ドラム21上の用紙Sに転写される。なお、転写後に感光体ドラム11上に残ったトナーは、清掃装置15(図1参照)によって除去される。
【0086】
そして、二色目から、最終色(例えば黒)前の潜像形成(例えばマゼンタ、シアン)、現像及び転写が、上述した手順に従って同様に繰り返される。ただし、各色のトナー像を形成するに際しては、現像装置14が回転動作を行い、対応する現像器14M、14Cが停止位置に配置される。
その間、用紙Sは、先端グリッパ23及び後端グリッパ27によって転写ドラム21に巻きつけられた状態で回転搬送され、転写部位Trを通過するたびに二色目以降のトナー像が重ねあわされるようにして順次転写される。その結果、例えばフルカラーの画像形成を行う場合には、黒(K)を除く、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)各色のトナー像が転写ドラム21上の用紙Sに多重転写される。
【0087】
そして、最終色が転写される場合には、最終色(例えば黒)前の転写の場合と異なり、転写部位Trにおいて、先端グリッパ23が閉じた状態から開いた状態へと移行する。このことにより先端グリッパ23による把持が解除され、フルカラーの画像が形成された用紙Sは、弾性層21Bと感光体ドラム11とのニップにより、用紙Sの搬送方向先端が転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。
【0088】
その後、用紙Sが搬送されるに従い、用紙Sの搬送方向後端を保持する後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行する。なお、この後端グリッパ27が閉じた状態から開いた状態へと移行するときは、露光装置13により画像情報に応じた最終色(例えば黒)の静電潜像はすでに形成された後である。そして、開いた状態の後端グリッパ27は、待機位置にて停止する。
【0089】
そして、後端グリッパ27による保持が解除された用紙Sの搬送方向後端は、転写ドラム21から剥離され排出経路52へと進入する。排出経路52へと進入した用紙Sは、定着装置30に送られる。そして、定着装置30の加熱ロール31及び加圧ロール32によって、用紙Sのトナー像が定着される。
定着終了後の用紙Sは、搬送ロール44によって画像形成装置1の機外に排出され、排紙積載部3に積載される。
【0090】
<伝達機構100作動のタイミング>
次に、図1及び図13を参照しながら、伝達機構100が作動するタイミングについて説明をする。ここで、図13は、4色画像の形成動作における伝達機構100の切り替え動作を示すタイミングチャートである。
【0091】
図13に示すように、本実施の形態において、画像形成装置1が画像形成を行う際、現像装置14の各現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)によって現像動作が行われる。
ここで、現像器14Y、14M、14C、14Kの各々の現像動作が終了した際、次の色の現像サイクルのため、現像器14Y、14M、14C、14Kの移動動作(切り替え動作)が行われる。この現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、伝達機構100によってロータリ現像器14R(図1参照)が回転される(図1の矢印C参照)ことによって行われる。以下で、伝達機構100の切り替え動作のタイミングを詳細に説明する。
【0092】
まず、画像形成装置1の画像形成動作が開始される前の状態において、伝達機構100はオフの状態(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転していない状態)である。また、このとき伝達機構100のロック部材160は、オンの状態(突起受け部161が突起125の移動経路に対して進入した状態)である。さらに、現像位置には、一色目(ここではイエロー(Y)として説明する)に対応する現像器14Yが配置されている。
そして、画像形成装置1の画像形成動作の開始に伴い、露光装置13によりイエロー(Y)の静電潜像が形成される。そして、現像器14Yによる現像が開始された後に、転写装置20による転写が行われる。
【0093】
イエロー(Y)の転写が終了した後に、伝達機構100のロック部材160がオンからオフ(突起受け部161が突起125の移動経路に対して退避した状態)となる(符号13a参照)。ロック部材160がオフとなることに伴い伝達機構100はオン(トーションスプリング140の自由端141が回転軸14Aの周囲で回転している状態)となる(符号13b参照)。そして、伝達機構100が、回転軸14A(図1参照)を中心としてロータリ現像器14Rを回転させる(図1の矢印C参照)。この回転により、二色目(ここではマゼンタとして説明する)に対応する現像器14Mが現像位置に配置される。
一方、ロック部材160は、オフとなって予め定められた時間が経過した後に、再びオンとなる。そして、ロック部材160が再びオンとなった後に、伝達機構100がオフとなる。この伝達機構100がオフとなった後に、次のマゼンタ(M)の露光が開始される(符号13c参照)。
【0094】
ここで、本実施の形態においては、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kが現像を行っていない間に行われる。より詳細には、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれか(例えば現像器14Y)が現像することによりトナー像を形成し、このトナー像が転写装置20によって転写が行われた後に開始される。そして、伝達機構100による現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作は、露光装置13により次の静電潜像(例えばマゼンタの静電潜像)が形成され始める前に終了する。このことにより、伝達機構100の切り替え動作に伴い、画像形成部10や転写装置20等に振動や衝撃等が生じることで画像品質に影響を与えることが抑制される。
【0095】
<伝達機構100の動作>
次に、図1、図12、図14乃至図18を参照しながら、伝達機構100の動作について説明をする。ここで、ロータリ現像器14Rに設けられる現像器14Y、14M、14C、14Kは、ある現像器(例えば現像器14Y)から周方向において隣接する他の現像器(例えば現像器14M)に切り替わることに伴い回転軸14Aを中心として90度回転する。この回転軸14Aを中心として90度回転することを4回繰り返すことにより、ロータリ現像器14Rは、回転軸14Aを中心として360度回転する。
【0096】
(a)第1の状態
図1及び図12を参照しながら、第1の状態の伝達機構100を説明する。
第1の状態においては、伝達機構100は動作を停止しており、ロータリ現像器14Rは回転を停止した状態である。また、現像装置14に設けられた現像器14Y、14M、14C、14Kのいずれかが、現像位置に配置されている。ここでは、現像器14Yが現像位置に配置されているとして説明する。
【0097】
ここで、転写ドラム駆動モータM1から仲介ギアG5、G6を介して現像装置ギアG3に駆動力が伝達されている(図2参照)。このことにより、ギアプレート150は、図12(A)の矢印C方向に回転している。なお、後述する第2の状態乃至第6の状態のいずれにおいても、ギアプレート150は転写ドラム駆動モータM1の駆動を受けて矢印C方向への回転を継続している状態である。
【0098】
第1の状態においては、ロック部材160は、オンの状態であり、ロック部材160の突起受け部161が、回転円板120に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態である。
また、回転円板120の突起125が、ロック部材160の突起受け部161と接することにより、ポジションプレート110は回転を停止されている。なお、回転円板120は、絞られた状態であるトーションスプリング140の弾性力により矢印C方向に回転させようとする力を受けている。
【0099】
ここで、図12(B)に示すように、トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置にあるため、ギアプレート150の爪部153とは接していない。したがって、ギアプレート150の爪部153が回転軸14Aの周囲で回転する際に、トーションスプリング140の腕部147を押すことはない。第1の状態において、ギアプレート150は、いわば空転している状態である。
【0100】
(b)第2の状態
図1及び図14を参照しながら、第2の状態の伝達機構100を説明する。
第2の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を開始する。
【0101】
第2の状態において、ロック部材160が、オンからオフとなり、ロック部材160の突起受け部161が、突起125の移動経路に対して退避した状態となる。そして、絞られた状態であったトーションスプリング140が開放された状態へと変化することにともない、回転円板120が矢印C方向に回転される。そして、回転円板120とともに回転する回転軸14Aを介してロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を開始する。
【0102】
ここで、トーションスプリング140の腕部147におけるガイドリブ170の掛け部173と接する部分を支点として、トーションスプリング140の固定端143が矢印C方向に回転することに伴い、固定端143と腕部147との相対位置が変化する。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130に設けられた傾斜部133と接触し、傾斜部133に沿って移動する。このことにより、トーションスプリング140の腕部147は、傾斜部133によってリア側からフロント側に向かう方向に押され、ギアプレート150側に移動する(矢印E参照)。
なお、図14に示す状態では、まだ、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153とは接触していない。したがって、第2の状態におけるギアプレート150は空転を継続している状態である。
【0103】
(c)第3の状態
図1及び図15を参照しながら、第3の状態の伝達機構100を説明する。
第3の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を継続している状態である。
【0104】
第3の状態において、ロック部材160はオフの状態を継続している。また、トーションスプリング140の固定端143と腕部147との相対位置がさらに変化する(トーションスプリング140がさらに開放される)。そして、トーションスプリング140の腕部147は、押上部材130の傾斜部133によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)にさらに押される。その結果トーションスプリング140の腕部147は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に配置される。
【0105】
そして、回転してきたギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147と接触し、この腕部147を矢印C方向に押す状態となる。さらに説明すると、ギアプレート150の爪部153がトーションスプリング140の腕部147を押すことにより、転写ドラム駆動モータM1(図2参照)の駆動が、ギアプレート150を介してトーションスプリング140に伝達される状態である。
【0106】
(d)第4の状態
図1及び図16を参照しながら、第4の状態の伝達機構100を説明する。
第4の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が矢印C方向に回転を継続している状態である。
【0107】
第4の状態において、ロック部材160がオフからオンとなり、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110に設けられた突起125の移動経路に対して、進入した状態となる。ここで、第4の状態においては、ロック部材160の突起受け部161とポジションプレート110の突起125とは接触していない状態である。すなわちロック部材160が回転円板120をロックする前の状態である。
【0108】
また、トーションスプリング140が回転軸14Aの周囲を回転することにともない、トーションスプリング140の自由端141は、ガイドリブ170の傾斜部171を通過し、ガイドリブ170に乗り上げた状態となる(図16(B)参照)。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが高い位置に維持される。したがって、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150の爪部153に押される(矢印C参照)状態を維持する。
【0109】
(e)第5の状態
図1及び図17を参照しながら、第5の状態の伝達機構100を説明する。
第5の状態においては、ロータリ現像器14R(図1参照)が回転を停止する。第5の状態においては、現像器14Mが現像位置に配置されている。付言すると、図17に示す第5の状態は、図12に示す第1の状態を基準として、ポジションプレート110が、図17(A)における矢印C方向に90度回転した状態である。
【0110】
第5の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ポジションプレート110の突起125が回転してくることにより、ロック部材160の突起受け部161は突起125と接触する状態となる。このことにより、ロック部材160の突起受け部161が、ポジションプレート110の回転を停止させる(ロック部材160が回転円板120をロックしている)。
ここで、第5の状態において、ロック部材160の突起受け部161が接触するのは、第1の状態においてロック部材160の突起受け部161が接触していた突起125と周方向において隣り合う突起125である。
【0111】
そして、ポジションプレート110が回転を停止することにともない、ポジションプレート110に接続されているトーションスプリング140の固定端143も、回転を停止する。一方で、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153に押される(矢印C参照)状態を継続する。
このことにより、トーションスプリング140の自由端141と固定端143との相対位置が変化する。更に説明すると、第5の状態において、トーションスプリング140は姿勢が変化し始め(付勢力の蓄積開始)、開放された状態から絞られた状態となる。
【0112】
(f)第6の状態
図1及び図18を参照しながら、第6の状態の伝達機構100を説明する。
第6の状態においては、伝達機構100の動作が停止した状態である。
【0113】
第6の状態において、ロック部材160はオンの状態を継続する。そして、ロック部材160の突起受け部161は、ポジションプレート110と接触し回転を停止させている状態である。
【0114】
また、第6の状態において、ガイドリブ170に乗り上げて矢印C方向に回転するトーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170を通過し掛け部173に掛かる状態となる。言い替えると、トーションスプリング140の腕部147が、ガイドリブ170によって、リア側からフロント側に向かう方向(矢印E参照)に押されない状態となる。このことにより、トーションスプリング140の自由端141は、フロント側からリア側に向かう方向(矢印D参照)に移動し、矢印E方向におけるリアプレート93からの高さが低い位置となる。なお、このトーションスプリング140の自由端141の移動は、上述のように側面からみるとトーションスプリング140の腕部147が、巻付部145から回転円板120側に傾いて延びることによるものである(図9(C)参照)。
【0115】
トーションスプリング140の自由端141がフロント側からリア側に向かう方向に移動する(矢印D参照)ことにより、トーションスプリング140の腕部147は、ギアプレート150に設けられた爪部153と接触しない位置となる。このことにより、ギアプレート150の爪部153は、トーションスプリング140の腕部147を押さなくなる(付勢力の蓄積終了)。したがって、ギアプレート150は空転する状態となる。
【0116】
さて、上述のように、本実施の形態の伝達機構100は、ロック部材160のオンとオフとを切り換えることにより、メカニカル機構によるシーケンスで現像器14Y、14M、14C、14K(図1参照)の切り替え動作が行われる。付言すると、本実施の形態の伝達機構100は、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替え動作のために電気的制御回路等が必要ない。また、現像器14Y、14M、14C、14Kの切り替えの際に駆動する電気的な駆動源を必要としない。
【符号の説明】
【0117】
1…画像形成装置、2…筺体、10…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…露光装置、14…現像装置、14A…回転軸、20…転写装置、21…転写ドラム、23…先端グリッパ、27…後端グリッパ、30…定着装置、40…用紙供給部、50…制御部、51…供給経路、52…排出経路、93…リアプレート、100…伝達機構、110…ポジションプレート、120…回転円板、130…押上部材、140…トーションスプリング、150…ギアプレート、160…ロック部材、S…用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、
前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、
付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて回転部と接続され付勢された状態となる付勢部と、
前記付勢部が付勢された後、付勢された当該付勢部と回転を継続する前記回転部との接続を切断する切断部と
を含む現像装置。
【請求項2】
前記付勢部は前記配置部に設けられ、当該付勢部が付勢された状態から解放された状態となることに伴い、当該付勢部は当該配置部によって押され前記回転部と接触することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記付勢部は、捩じりばねであることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
【請求項4】
前記付勢部は、回転を停止した前記配置部と回転を継続する前記回転部との互いの角度が変化することに伴い付勢された状態となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置。
【請求項5】
軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、
前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を前記複数の現像部と同一の方向に回転する回転部と、
前記配置部と前記回転部との間に設けられるとともに、一方の端部は弾性変形することに伴い移動可能に設けられ、他方の端部は当該配置部に固定され、付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて当該一方の端部が前記回転部によって移動されることにより付勢された状態となる回転開始部と、
前記回転開始部が付勢された後、付勢された当該回転開始部と回転を継続する前記回転部との接続を当該回転開始部の前記一方の端部を移動させることにより切断する端部移動部と
を含む現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の現像装置と、
前記像保持体を帯電する帯電部と、
前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、
前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、
前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、
軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記像保持体と対向して現像を行う現像位置に配置する配置部と、
駆動力を供給する駆動源と、
前記軸部に固定されることなく、前記駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、
一方の端部が前記配置部に固定され、他方の端部が自由端であり、弾性変形により蓄積したエネルギによって当該配置部を回転させる配置部回転体と、
前記配置部の回転角度に応じて前記配置部回転体の姿勢を変化させることに伴い、前記配置部回転体がエネルギを蓄積した状態と、蓄積したエネルギを解放した状態とを得る姿勢変化部と
を含む画像形成装置。
【請求項8】
前記像保持体を帯電する帯電部と、
前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、
前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、
前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記駆動源は、前記転写部と前記回転部とに駆動力を供給することを特徴とする請求項7または8記載の画像形成装置。
【請求項1】
軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、
前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、
付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて回転部と接続され付勢された状態となる付勢部と、
前記付勢部が付勢された後、付勢された当該付勢部と回転を継続する前記回転部との接続を切断する切断部と
を含む現像装置。
【請求項2】
前記付勢部は前記配置部に設けられ、当該付勢部が付勢された状態から解放された状態となることに伴い、当該付勢部は当該配置部によって押され前記回転部と接触することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記付勢部は、捩じりばねであることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
【請求項4】
前記付勢部は、回転を停止した前記配置部と回転を継続する前記回転部との互いの角度が変化することに伴い付勢された状態となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の現像装置。
【請求項5】
軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を予め定めた位置に配置する配置部と、
前記軸部に固定されることなく、駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を前記複数の現像部と同一の方向に回転する回転部と、
前記配置部と前記回転部との間に設けられるとともに、一方の端部は弾性変形することに伴い移動可能に設けられ、他方の端部は当該配置部に固定され、付勢された状態から解放された状態となることに伴い前記配置部の回転を開始させるとともに、当該配置部の回転は停止するが前記回転部の回転は継続されている状態にて当該一方の端部が前記回転部によって移動されることにより付勢された状態となる回転開始部と、
前記回転開始部が付勢された後、付勢された当該回転開始部と回転を継続する前記回転部との接続を当該回転開始部の前記一方の端部を移動させることにより切断する端部移動部と
を含む現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の現像装置と、
前記像保持体を帯電する帯電部と、
前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、
前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、
前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、
軸部を中心として当該軸部とともに回転可能に設けられた複数の現像部と、
前記軸部とともに回転可能に設けられ、前記複数の現像部のいずれかの現像部を前記像保持体と対向して現像を行う現像位置に配置する配置部と、
駆動力を供給する駆動源と、
前記軸部に固定されることなく、前記駆動源からの駆動力を受け当該軸部の周囲を回転する回転部と、
一方の端部が前記配置部に固定され、他方の端部が自由端であり、弾性変形により蓄積したエネルギによって当該配置部を回転させる配置部回転体と、
前記配置部の回転角度に応じて前記配置部回転体の姿勢を変化させることに伴い、前記配置部回転体がエネルギを蓄積した状態と、蓄積したエネルギを解放した状態とを得る姿勢変化部と
を含む画像形成装置。
【請求項8】
前記像保持体を帯電する帯電部と、
前記帯電部により帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光部と、
前記像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体に保持された画像を転写する転写部とを有し、
前記配置部が回転する動作は、前記転写部が転写する動作を終了した後に開始し、かつ次の画像形成動作において前記露光部が露光する動作を開始する前に完了することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記駆動源は、前記転写部と前記回転部とに駆動力を供給することを特徴とする請求項7または8記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−173636(P2012−173636A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37477(P2011−37477)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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