説明

画像処理装置および電源制御プログラム

【課題】電力制御において通常モードと節電モードとの切り替えを最適に行い、無駄のない電力制御とユーザの使い勝手向上とを図ること。
【解決手段】本発明は、原稿の画像を取り込む、もしくは画像データを外部から取り込む画像入力部1と、画像を媒体に出力する、もしくは画像データを外部へ出力する画像出力部2と、画像入力部1および画像出力部2に対する電源制御として通常モードと節電モードとの切り替えを制御する制御部10とを備える画像処理装置において、制御部10が、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間の統計を取得し、その統計に基づいて通常モードと節電モードとの切り替えを制御するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入力手段や画像出力手段に対する電源制御を行う画像処理装置および電源制御プログラムに関し、特に、通常モードと節電モードとの切り替えをユーザ使用環境に応じて最適に制御するものに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機、ファクシミリ、プリンタ等の画像処理装置においては、電源が投入されている時間のうち、実際にジョブを処理している稼働時間は必ずしも多くないため、従来からジョブを待っている待機時間に節電モードへ移行して消費電力の低減を図る技術や、装置の電力消費状態をユーザに知らせる技術が適用されている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、時間帯ごとの装置の処理頻度を求め、それに応じて通常電力モードと悦電モードとの切り替えを行っている。また、特許文献2では、サンプル期間においての各時間帯の使用頻度を求め、それを参考にして通常モードと節電モードとの切り替えを行っている。
【0004】
また、特許文献3では、ユーザに、時間帯毎の使用頻度を設定させて、ユーザが設定する使用頻度をもとに節電移行時間を自動的に調整しており、使用頻度の高い時間帯において節電移行時間を短くし、使用頻度の低い時間帯において移行時間を長くしている。
【0005】
また、特許文献4では、プリント終了後に所定の移行時間が経過すると節電モードに入る機能を有するプリンタにおいて、前回のプリント信号の来る間隔に対して、移行時間を反対に増減させる技術が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献5では、複数段階の節電モードを設けておき、各節電モードでの電力消費の計算と電気料金の算出を行い、算出した結果を時間単位で記憶したり、ユーザに知らせる技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平2−289863号公報
【特許文献2】特開平7−183978号公報
【特許文献3】特開2002−77478号公報
【特許文献4】特開平7−251550号公報
【特許文献5】特開2002−225395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、使用頻度に応じて節電モードへの移行時間を設定する場合、使用頻度が高い時間帯では通常モードになっている時間を長く設定することになるが、この時間帯であってもジョブ待ち時間は発生し、その間、通常モードになっていることが多いため電力消費の無駄が発生してしまう。逆に、使用頻度が低い時間帯では節電モードになっている時間が長いことから、ジョブが発生した際に節電モードのままになっている確率が高く、ユーザは節電モードから通常モードへ復帰するまで待たされることになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、原稿の画像を取り込む、もしくは画像データを外部から取り込む画像入力手段と、画像を媒体に出力する、もしくは画像データを外部に出力する画像出力手段と、画像入力手段および画像出力手段に対する電源制御として通常モードと節電モードとの切り替えを制御する制御手段とを備える画像処理装置において、制御手段が、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間の統計を取得し、その統計に基づいて通常モードと節電モードとの切り替えを制御するものである。
【0010】
また、本発明は、原稿の画像を取り込む、もしくは画像データを外部から取り込む画像入力手段と、画像を媒体に出力する、もしくは画像データを外部に出力する画像出力手段とを備える画像処理装置で、画像入力手段および画像出力手段に対する電源制御として通常モードと節電モードとの切り替えを制御する電源制御プログラムにおいて、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間の統計を取得し、その統計に基づいて通常モードと節電モードとの切り替えを制御するステップをコンピュータにより実行する電源制御プログラムである。
【0011】
このような本発明では、通常モードと節電モードとの切り替えを制御するにあたり、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間の統計を取得し、その統計に基づいて通常モードから節電モードへの移行時間を設定するため、実際の利用におけるジョブの間隔を統計でとらえた結果から最適な移行時間を得ることができる。
【0012】
例えば、アイドル期間の統計から、正規分布を利用した確率の範囲で予測アイドル期間を設定することで、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間が高い確率で予測アイドル期間に収まることになる。この特性を利用して、一のジョブが終了した段階で予測アイドル期間だけ節電モードに移行すれば、次のジョブの開始までには通常モードに復帰していることになり、効率良く電力制御を行うことができるとともに、ユーザに待ち時間を発生させずに済むようになる。
【発明の効果】
【0013】
したがって、本発明によれば、一のジョブと次のジョブとの間で節電モードを的確に設定でき、次のジョブを実行する際には通常モードになっていることから、無駄のない消費電力制御と、ユーザに対する待ち時間の低減によって使い勝手の向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理装置を説明するブロック図である。すなわち、この画像処理装置は例えば複合機や複写機、スキャナやプリンタ、ファクシミリから成るもので、画像入力部1、画像出力部2、ネットワークI/F(インタフェース)3、UI(ユーザインタフェース)パネル4、電力供給部5および制御部10から構成される。
【0015】
画像入力部1は、原稿の画像を取り込む、もしくは画像を外部から取り込む手段である。原稿の画像を取り込む手段の場合には光学走査系を備えたスキャナから成るもので、原稿の画像データを走査して取り込む構成である。また、画像を外部から取り込む手段の場合には、例えばネットワークを介して外部のコンピュータから画像データを取り込む構成である。
【0016】
画像出力部2は、画像を媒体に出力する、もしくは画像を外部に出力する手段である。画像を媒体に出力する手段の場合には、いわゆるプリンタエンジンから成るもので、画像データを所定の媒体(例えば、用紙)に印刷出力する部分である。電子写真方式の場合には、感光体に形成した静電潜像にトナーを付着し、用紙等の媒体に転写して出力する。また、画像を外部に出力する手段の場合には、例えばネットワークを介して外部のコンピュータへ画像を転送する構成である。
【0017】
ネットワークI/F3は、LANや外部のネットワーク(インターネット)等との情報入出力を行う部分である。UIパネル4は、例えばタッチパネルディスプレイから成り、ユーザによる画像形成条件の設定入力や、各種情報の表示出力を行う部分である。
【0018】
電力供給部5は、制御部10の制御によって画像入力部1や画像出力部2等の各部(各ユニット)へ電源を供給する部分である。制御部10は、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Member)12、NVRAM(Non Volatile RAM)13、電力監視回路14およびCPU(Central Processing Unit)15を備えている。
【0019】
本実施形態に係る画像処理装置では、制御部10による画像入力部1や画像出力部2等の各ユニットへの電源供給制御において、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間の統計を取得し、その統計に基づいて通常モードと節電モードとの切り替えを制御する点に特徴がある。
【0020】
図2は、本実施形態に係る画像処理装置の電力制御の概要を説明する模式図である。図2(a)は、一般的なオフィスでのジョブの発生タイミングを示す図である。すなわち、一般的なオフィスでは、ジョブiが実行され、終了した後、次のジョブi+1が発生するタイミングは不定(ランダム)であることが多い。ここで、ジョブiの終了からジョブi+1の開始までの時間をアイドル期間Tiとする。また、ジョブiの終了から統計によって計算される予想アイドル期間をTa、ジョブiの終了から実際に発生した次のジョブi+1の開始までアイドル期間Tbとする。
【0021】
各ジョブの発生タイミングや実際のアイドル期間Tiはユーザ環境や仕事の状況によって異なる。本実施形態では、アイドル期間Tbについて午前/午後や時間帯、曜日毎に統計を取得し、この統計から求められる予想アイドル期間Taを設定し、ジョブiが終了した時点から予想アイドル期間Taを節電モードにする制御を行う。
【0022】
ここで、図2(b)に示す制御の例は特許文献5に記載の技術である。この技術では、ジョブiの開始に合わせて通常モードに移行し、ジョブiが終了してから一定期間経過した後に節電モードへ移行している。この場合、ジョブi+1が発生した際に節電モードのままだと、節電モードから復帰するまでジョブi+1の処理が待たされることになる。
【0023】
また、図2(c)に示す制御の例は特許文献1〜3に記載の技術である。この技術では、使用頻度の高い時間帯では通常モードが継続されることから、ジョブiとジョブi+1との間で電力の無駄が発生してしまうことになる。
【0024】
図2(d)は本実施形態に係る制御である。本実施形態では、予め統計によって取得した予想アイドル期間Taを設定しているため、ジョブiが終了した時点で予想アイドル期間Taを節電モードにでき、また次のジョブi+1が発生する前には既に通常モードに復帰していることから、ジョブi+1の処理が待たされずに即座に実行できるようになる。
【0025】
本実施形態では、各ジョブの間隔である実際のアイドル期間Tiを所定のサンプリング数で取り込み、曜日や時間帯(1時間毎や午前/午後毎)で統計をとる。サンプリング数がある程度の数になると、この分布は正規分布に近づくため、正規分布とみなして所定の確率に収まる範囲で予想アイドル期間Taを求める。これにより、ジョブiが終了してから予想アイドル期間Taで節電モードにすれば、この予想アイドル期間Ta内で次のジョブi+1が発生しない確率を所定の範囲に設定でき、確率に基づいた的確な電源制御を行うことができるようになる。
【0026】
また、このようなアイドル期間Tiの統計を、画像入力部1や画像出力部2など、各ユニット単位で取り込むようにしてもよい。これにより、各ユニット毎、さらには各ユニット毎で、かつ時間帯毎に予想アイドル期間Taを設定し、ユニット毎に異なる予想アイドル期間Taによる電源制御を行うことも可能となる。
【0027】
本実施形態の画像処理装置における電源制御は、主としてCPU15で実行される電源制御プログラムによって実現されている。この電源制御プログラムは、ROM12に格納され、RAM11の領域を用いて実行されたり、外部の記憶手段に格納され、RAM11の領域を用いて実行されたり、所定の媒体(CD−ROM等)に格納されて流通したり、ネットワークを介して配信されるものである。したがって、電源制御プログラムは、画像処理装置に固定的に組み込まれている場合や、必要に応じて外部からインストールされる場合、必要に応じてバージョンアップされることも可能である。
【0028】
以下、本実施形態に係る電源制御プログラムをフローチャートに沿って説明する。図3は、予測アイドル期間の算出およびセットを説明するフローチャートである。先ず、アイドル期間のサンプリングを行い、このサンプル数が所定個数より多いか否かを判断する(ステップS1)。このアイドル期間は、例えばユニット単位で、かつ時間帯や曜日毎にサンプリングする。サンプル数が所定個数以下の場合には予想アイドル期間として予め設定された初期値をセットする(ステップS2)。
【0029】
一方、サンプル数が所定個数より多い場合には、サンプリングしたアイドル期間の分布を求め、この分布から予想アイドル期間を算出する(ステップS3)。アイドル期間の算出は、ユーザによって設定された確率の範囲に収まる分布のうち、最も短い期間を求める。例えば、ユーザが90%の確率を指定した場合には、サンプリングしたアイドル期間の分布で90%の確率に収まる最も短いアイドル期間を予想アイドル期間として算出する。なお、例えば90%の確率を設定した場合の予想アイドル期間では、この予想アイドル期間内で次のジョブが発生する確率が10%未満となる。
【0030】
次に、各曜日、午前/午後や時間帯毎、また各ユニット毎に算出した予想アイドル期間の中から、現在の設定(例えば、業務優先/節電優先)や、曜日、時間帯に対応した予想アイドル期間を各ユニット毎にセットする(ステップS4)。一度予想アイドル期間をセットした後は、次のサンプル数に至るまでアイドル期間のサンプリングを行い、順次新たな予想アイドル期間のセットを行っていく。ここで、サンプル数が多いほど予想アイドル期間の精度は高まるが、更新期間は長くなる。また、予想アイドル期間を取り込む時間単位としては、上記に示した曜日毎、午前/午後や時間帯毎のほか、特定曜日の午前や午後など、どのような単位であってもよい。
【0031】
次に、図4のフローチャートに沿って、予想アイドル期間を用いた電源制御を説明する。先ず、ジョブ終了直後か否かを判断する(ステップS11)。終了直後の場合、予想アイドル期間と復帰期間とを比較し、復帰期間の方が長いか否かを判断する(ステップS12)。ここで、復帰期間とは、節電モードから通常モードに復帰するまでの時間を言う。復帰期間の方が短い場合には節電モードに移行する(ステップS13)。つまり、セットされた予想アイドル期間が復帰期間より長い場合には、ジョブが終了した時点で即座に節電モードへ移行することになる。
【0032】
なお、ここでは、ジョブが終了してからステップS12の判断を行いステップS13の節電モードへ移行するまで即座に行う例を示しているが、ジョブが終了してから節電モードへ移行するまでに所定の待機期間を設けるようにしてもよい。また、この待機期間としては、予め設定された時間を用いても、またユーザによって設定された時間を用いてもよい。
【0033】
一方、復帰期間の方が長い場合には、節電モードへは移行しないでそのまま通常モードを維持する。これにより、ジョブの頻度が高い場合でも復帰期間を待つことなく即座に次のジョブを実行できることになる。
【0034】
節電モードに移行した後、もしくはジョブ終了直後でない場合には(ステップS11でNo)、ステップS14へ進む。ここで節電モードとなっている場合には(ステップS14でYes)、予想アイドル期間を経過したか否かを判断し(ステップS15)、予想アイドル期間を経過した段階で節電モードから通常モードへの復帰を行う(ステップS16)。復帰を行う場合には復帰時間のカウントを開始する(ステップS17)。これにより、節電モードへ移行してから予想アイドル期間を経過した段階で通常モードへ復帰することになり、予め設定された確率で発生する次のジョブに対して即座に対応できるようになる。
【0035】
一方、節電モードでない場合(ステップS14でNo)、次のジョブが発生したか否かを判断し(ステップS18)、発生している場合にはステップS11へ戻り、発生していない場合には復帰期間を経過したか否かを判断する(ステップS19)。復帰期間を経過した場合には節電モードへ移行する(ステップS13)。
【0036】
このような処理によって、予め統計によって得られた予想アイドル期間に基づき通常モードおよび節電モードの切り替えを制御することから、ユーザの使用状況を統計的にとらえた的確な電力制御を行うことが可能となる。また、ジョブの発生時点では節電モードから復帰して通常モードになっている確率が高くなり、ユーザの使い勝手も向上することになる。
【0037】
なお、上記のフローチャートでは、節電モードに移行した後に通常モードへ復帰するタイミングとして予想アイドル期間を用いているが、予め設定された期間(例えば、業務優先モードとして設定された時間やユーザによって設定された時間)を用いるようにしたり、また、予想アイドル期間によるが、予め設定された期間によるかを事前の登録情報によって切り替えるようにしてもよい。これにより、ユーザの使用状況に合わせてどのような電力制御を行うかを選択できるようになる。
【0038】
図5〜図6は、画像処理装置の各種状態を監視してユーザに知らせるための処理を説明するフローチャートである。これらの処理によって画像処理装置の状態情報をユーザに知らせることで、本実施形態に係る電力制御において予想アイドル期間決定のために必要な確率をユーザが指定するための指針となる。
【0039】
図5は、電力消費情報の計算処理のフローチャートである。先ず、電力測定のタイミングであるか否かを判断し(ステップS21)、電力測定のタイミングであればユニット毎の電力を測定する(ステップS22)。そして、ユニット毎の消費電力をまとめて画像処理装置全体の総電力を計算する(ステップS23)。
【0040】
次に、装置の状態をチェックする(ステップS24)。ここで、装置がジョブ実行中であればステップS25aに進み、有効電力使用メータに電力値を加算した後、Job Logに電力値を加算する(ステップS26)。また、装置が待機中もしくは立ち上げ中であればステップS25bへ進み、待機電力メータに電力値を加算する。また、装置が節電モードもしくは復帰処理中であればステップS25cへ進み、節電メータに電力値を加算した後、節約電力メータに、(待機電力平均−節電中電力)の値を加算する(ステップS27)。
【0041】
次いで、電力計算の時間単位が経過したか否かを判断し(ステップS28)、経過していない場合にはステップS21へ戻り、以降の処理を繰り返す。また、経過している場合には、有効電力使用値、待機電力、節電消費電力、節約電力メータ値をLogエリアに移動し、有効電力使用率を計算して、各種電力メータの値をクリアする(ステップS28)。
【0042】
図6は、各種処理時間の計算処理のフローチャートである。先ず、時間計算のタイミングであるか否かを判断し(ステップS31)、時間計算のタイミングであれば装置状態のチェックを行う(ステップS32)。ここで、装置がジョブ実行中であればステップS33aへ進み、ジョブ実行時間のカウンタをアップする。また、装置が待機中であればステップS33bへ進み、待機時間のカウンタをアップする。また、装置が節電モード中であればステップS33cへ進み、節電時間のカウンタをアップする。また、装置が節電モードから通常モードへの復帰中であればステップS33dへ進み、復帰時間カウンタをアップする。
【0043】
次いで、時間計測の時間単位が経過したか否かを判断し(ステップS34)、経過していない場合にはステップS32へ戻り、以降の処理を繰り返す。また、経過している場合には、各種時間値をLogエリアに移動し、復帰時間待ち率を計算して、各種カウンタをクリアする(ステップS35)。
【0044】
図7は、ジョブの状態監視処理のフローチャートである。先ず、ジョブが開始された状態か否かを判断する(ステップS41)。ジョブが開始された状態の場合には、節電モードであるか否かを判断する(ステップS42)。節電モードである場合には、節電中にジョブが発生した回数をカウントアップする(ステップS43)。
【0045】
次いで、ジョブ総回数をカウントアップし(ステップS44)、その後、前のジョブとの間隔、曜日、午前/午後、時刻等の情報をLogエリアに登録する(ステップS45)。
【0046】
一方、ジョブが開始された状態ではない場合(ジョブ実行中もしくはジョブが発生していない状態)、ジョブを終了したか否かを判断する(ステップS46)。ここでジョブが終了した場合には、ジョブ間隔時間のカウントを開始する(ステップS47)。この処理によって、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間を取得することができる。
【0047】
これら各種処理によって装置の情報を取得することにより、Logエリアに移動した各種データを図1に示すUIパネル4に表示できるようになる。図8は、Logエリアに移動した各種データをグラフ表示した例である。このグラフ表示例では、1〜7日毎の節電電力、待機電力、有用電力の割合を示している。
【0048】
なお、このグラフ表示例以外でも、例えば全体時間に対するジョブ処理時間、復帰待ち時間の表示、アイドル時間、待機時間、節電モードの時間、ジョブ処理の総回数、これらの全体時間に対する割合、全体電力に対するユーザ業務の処理に係る電力の割合、全体電力に対する節電モード中の消費電力の割合などを表示したり、表示単位については日毎のほか、時間単位やユニット単位での表示を行うことも可能である。また、取得した装置の情報は、UIパネル4に表示するほか、画像出力部2からレポートとして印刷出力したり、ネットワークを介して外部のコンピュータ等から参照できるようにしてもよい。
【0049】
このような装置の節電効果についての情報をユーザに提供することで、ユーザは予想アイドル期間を決定するための確率をどの程度にすれば良いかを判断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置を説明するブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像処理装置の電力制御の概要を説明する模式図である。
【図3】予測アイドル期間の算出およびセットを説明するフローチャートである。
【図4】予想アイドル期間を用いた電源制御を説明するフローチャートである。
【図5】電力消費情報の計算処理のフローチャートである。
【図6】各種処理時間の計算処理のフローチャートである。
【図7】ジョブの状態監視処理のフローチャートである。
【図8】各種データをグラフ表示した例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1…画像入力部、2…画像出力部、3…ネットワークI/F、4…UIパネル、5…電力供給部、10…制御部、11…RAM、12…ROM、13…NVRAM、14…電力監視回路、15…CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を取り込む、もしくは画像データを外部から取り込む画像入力手段と、
画像を媒体に出力する、もしくは画像データを外部に出力する画像出力手段と、
前記画像入力手段および前記画像出力手段に対する電源制御として通常モードと節電モードとの切り替えを制御する制御手段とを備える画像処理装置において、
前記制御手段は、一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間の統計を取得し、その統計に基づいて前記通常モードと前記節電モードとの切り替えを制御する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、一のジョブが終了した段階で、前記統計から求められる予測アイドル期間と、節電モードから通常モードへ復帰するまでの復帰期間とを比較し、前記予測アイドル期間の方が前記復帰期間より長い場合には節電モードへ移行する制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測アイドル期間は、前記統計から所定の確率の範囲内に収まるアイドル期間である
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記所定の確率の入力をユーザから受け付けるユーザインタフェースを備える
ことを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記節電モードへ移行した後、前記予測アイドル期間が経過した段階、もしくは前記節電モード中に次のジョブが発生した段階で通常モードへ移行する制御を行う
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記節電モードに移行した後に前記通常モードへ復帰するタイミングを、前記予測アイドル期間によるか、予め設定された期間によるかを事前の登録情報によって切り替える
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、一のジョブが終了してから予め設定された待機期間を経過した段階で、前記節電モードへの移行を行う
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記統計は、所定の時間単位で取得し、前記制御手段は、前記所定の時間単位で異なる前記統計を用いて制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記統計は、曜日単位で取得し、前記制御手段は、曜日単位で異なる前記統計を用いて制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記統計は、時間単位で取得し、前記制御手段は、時間単位で異なる前記統計を用いて制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記統計は、曜日単位かつ時間単位で取得し、前記制御手段は、曜日単位かつ時間単位で異なる前記統計を用いて制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記統計は、前記画像入力手段および前記画像出力手段の各ユニット単位で取得し、前記制御手段は、各ユニット単位で異なる前記統計を用いて制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記画像入力手段および前記画像出力手段の各ユニット単位で全通電時間に対する前記通常モードおよび前記節電モードの各割合を取得し、表示手段に表示する、もしくは前記画像出力手段から出力する、もしくはネットワークを介して外部に出力する制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記制御手段は、全通電時間に対する前記通常モードおよび前記節電モードの各割合のほか、前記通常モードから前記節電モードに移行せずに次のジョブ開始まで待機していた時間の割合も取得して、前記表示手段に表示する、もしくは前記画像出力手段から出力する、もしくはネットワークを介して外部に出力する制御を行う
ことを特徴とする請求項13記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記制御手段は、所定時間内でのジョブ実行時間、前記アイドル期間、待機時間、前記節電モードの時間、前記節電モードから前記通常モードへの復帰期間、ジョブ処理の総回数、前記節電モード中に発生したジョブの回数、全体電力に対する待機中の消費電力割合、全体電力に対するユーザ業務の処理に係る電力の割合、全体電力に対する節電モード中の消費電力の割合のうち少なくとも1つを取得して、前記表示手段に表示する、もしくは前記画像出力手段から出力する、もしくはネットワークを介して外部に出力する制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記制御手段は、電力消費に関する数値を前記表示手段に表示する、もしくは前記画像出力手段から出力する、もしくはネットワークを介して外部に出力する制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項17】
原稿の画像を取り込む、もしくは画像データを外部から入力する画像入力手段と、
画像を媒体に出力する、もしくは画像データを外部に出力する画像出力手段とを備える画像処理装置で、前記画像入力手段および前記画像出力手段に対する電源制御として通常モードと節電モードとの切り替えを制御する電源制御プログラムにおいて、
一のジョブの終了から次のジョブの開始までのアイドル期間の統計を取得し、その統計に基づいて前記通常モードと前記節電モードとの切り替えを制御するステップをコンピュータにより実行する
ことを特徴とする電源制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−272596(P2006−272596A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91190(P2005−91190)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】