説明

画像形成システム、画像形成装置及びプログラム

【課題】着脱可能に装着される外部記憶装置に画像データを記憶させることが可能な画像形成装置において、外部記憶装置に記憶させた画像データのセキュリティ性を低下させることなく、画像形成装置のデータ形式の画像データを他の装置においても利用可能にすること。
【解決手段】装着された外部記憶装置に対して前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式で画像データを記憶し、端末装置において実行されるアプリケーションにおいて、画像データの利用を制限するための制限情報を記憶し、更にアプリケーションを端末装置に転送するアプリケーション転送する画像形成装置と、制御部がアプリケーションを実行して画像データを利用する場合に、制限情報に基づいて画像データの利用の可否を判定する端末装置とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部と、端末装置と接続可能な通信部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置の一例として、原稿を読み取って原稿の画像データを生成するスキャナ機能と画像データに応じた画像を記録媒体上に印刷する印刷機能とを有し、スキャナで読み取った画像データをメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の携帯型の外部記憶装置に記憶させることのできるデジタル複合機が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、USBメモリに画像データを書き込む場合、画像データの書き込みが完了したか否かを示すフラグを画像データとともにUSBメモリに格納しておき、USBメモリが装着されたとき、このUSBメモリに格納されているフラグに基づいてUSBメモリに書き込みを失敗した画像データが保存されているか否かを判断する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−171044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スキャナ機能および印刷機能を備えたデジタル複合機では、一般に、スキャナで読み取った画像を高画質に印刷するために、PDF(Portable Document Format)やTIFF(Tagged Image File Format)などの汎用のデータ形式ではなくデジタル複合機独自のデータ形式で画像データを取り扱うようになっている。つまり、スキャナで読み取った画像データをPDFやTIFFなどの汎用のデータ形式に変換すると画質の低下を招いてしまうので、このような画質の低下を招くことのないデジタル複合機独自のデータ形式で画像データを処理している。
【0006】
このため、デジタル複合機で印刷処理を行う画像データをこのデジタル複合機に備えられるハードディスクに記憶する場合、デジタル複合機独自のデータ形式で保存するようになっている。
【0007】
一方、スキャナで読み取った画像データを他の装置に送信する場合やネットワークを介して接続された他の装置からアクセス可能な保存先(例えばデジタル複合機と通信可能に接続されたサーバ装置等)に格納する場合には、他の装置からでも画像データを利用(閲覧や編集等)できるように、デジタル複合機独自のデータ形式からPDFやTIFF等の汎用のデータ形式に変換してから送信あるいは格納を行うようになっている。
【0008】
また、外部記憶装置を装着可能な従来のデジタル複合機においても、外部記憶装置に記憶させた画像データをユーザが持ち運び、他の装置において利用(表示、編集等)することを前提としているので、デジタル複合機独自のデータ形式の画像データからPDFやTIFF等の汎用のデータ形式に変換して外部記憶装置に記憶させるようになっている。
【0009】
このため、外部記憶装置を装着可能な従来のデジタル複合機において外部記憶装置に一旦記憶させた画像データをその後にデジタル複合機において印刷処理する場合には、デジタル複合機独自のデータ形式からPDFやTIFF等の汎用のデータ形式に一旦変換された画像データを、再びデジタル複合機独自のデータ形式に変換して印刷処理を行う必要があり、画質の低下を招いてしまう。
【0010】
この問題を解決するために、外部記憶装置に画像データを記憶させる場合に、PDFやTIFF等の汎用のデータ形式に変更せずにデジタル複合機独自のデータ形式で保存させることが考えられるが、その場合には、外部記憶装置に記憶させた画像データを他の装置で利用出来ないという問題が生じる。
【0011】
そこで、外部記憶装置に画像データを記憶させるときに、画像データをデジタル複合機独自のデータ形式で記憶させるとともに、デジタル複合機独自のデータ形式の画像データを利用する(すなわち、表示、編集、印刷する)ためのアプリケーション(アプリケーションソフトウェア)を、この外部記憶装置に記憶させることが考えられる。
【0012】
しかしながら、その場合には外部記憶装置が紛失や盗難等によって他人の手に渡った場合に、外部記憶装置に記憶されているアプリケーションを実行することにより、画像データが容易に利用されてしまうというセキュリティ上の問題が生じていた。
【0013】
具体的には、外部記憶装置に画像データとアプリケーションとを一緒に記憶させる場合や、外部記憶装置に記憶した画像データと別にアプリケーションを送信する場合に、重要な画像データが漏洩してしまうおそれがある。
【0014】
すなわち、前者の場合、1つの外部記憶装置に画像データと、その画像データを扱うアプリケーションを記憶しているため、社内等限られた範囲で利用する場合は便利であるが、外部記憶装置を紛失したときに、その拾得者が外部記憶装置に記憶されている画像データを容易に利用(閲覧・編集・印刷等)出来てしまうという問題が生じてしまう。
【0015】
他方、後者の場合、一端利用者の端末に送信されたアプリケーションを使用し、それ以降外部記憶装置に記憶された画像データをいつでも利用出来てしまうといったセキュリティ上の問題があった。
【0016】
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、着脱可能に装着される外部記憶装置に画像データを記憶させることが可能な画像形成装置において、外部記憶装置に記憶させた画像データのセキュリティ性を低下させることなく、画像形成装置のデータ形式の画像データを他の装置においても利用可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題に鑑み、本発明の画像形成システムは、原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部と、端末装置と接続可能な通信部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
装着された外部記憶装置に対して前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式で画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて、前記画像データの利用を制限するための制限情報を記憶する制限情報記憶手段と、
前記アプリケーションを前記端末装置に転送するアプリケーション転送手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記制御部が前記アプリケーションを実行して前記画像データを利用する場合に、前記制限情報に基づいて画像データの利用の可否を判定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記アプリケーション転送手段は、前記アプリケーションを前記通信部を介して前記端末装置に転送することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記制限情報は、前記画像データをアプリケーションにおいて利用可能な回数及び/又は前記アプリケーションを前記制御部が実行可能な回数であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の画像形成システムは、
前記制限情報は、前記端末装置の利用者の認証情報を含んでおり、
前記端末装置は、前記認証情報に基づき、前記端末装置の利用者が認証された場合には、前記画像データが利用可能となることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の画像形成システムは、
前記認証情報は、前記端末装置の利用者毎に利用態様を更に含んでおり、
前記端末装置は、前記認証情報に基づき、前記端末装置の利用者が認証された場合には、前記画像データを利用態様に応じて利用可能となることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記端末装置の利用者の認証情報を記憶しており、
前記端末装置は、利用者に関する情報を前記画像形成装置に送信し、当該画像形成装置から、当該利用者が認証された応答があった場合には、前記アプリケーションを実行させることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の画像形成システムであって、前記画像形成装置は、
画像データを暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化された画像データを復号する復号キーを生成し、前記端末装置に送信する復号キー送信手段を更に有し、
前記端末装置は、前記制御部がアプリケーションを実行して画像データを利用する場合に、前記復号キーに基づいて前記画像データを復号することを特徴とする。
【0024】
本発明の画像形成システムは、
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
装着された外部記憶装置に対して、前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式の画像データと、前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて当該画像データの利用を制限するための制限情報と、前記アプリケーションとを記憶する記憶手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記制御部により前記アプリケーションが実行され、当該アプリケーションが装着された外部記憶装置に記憶された画像データを利用する場合には、前記制限情報に基づいて画像データの利用の可否を判定することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の画像形成システムにおいて、
前記制限情報は、前記画像データをアプリケーションにおいて利用可能な回数及び/又は前記アプリケーションを前記制御部が実行可能な回数であることを特徴とする。
【0026】
本発明の画像形成装置は、
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部と、端末装置と接続可能な通信部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムの画像形成装置であって、
装着された外部記憶装置に対して前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式で画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて、前記画像データの利用を制限するための制限情報を記憶する制限情報記憶手段と、
前記アプリケーションを前記端末装置に転送するアプリケーション転送手段と、
を備ることを特徴とする。
【0027】
本発明の画像形成装置は、
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムの画像形成装置であって、
装着された外部記憶装置に対して、前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式の画像データと、前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて当該画像データの利用を制限するための制限情報と、前記アプリケーションとを記憶する記憶手段を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明のプログラムは、上記発明に記載された画像形成システムに含まれる端末装置において、アプリケーションとして実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、外部記憶装置に記憶された画像データと、当該画像データを利用するアプリケーションとが別に記憶されることとなる。したがって、外部記憶装置に記憶された画像データを、第三者が利用しようとしても、画像データを利用することができないといった効果がある。
【0030】
さらに、画像データに関する制限情報が記憶されており、制限情報に基づいて画像データの利用の可否が判定され、当該判定に基づいてアプリケーションソフトにより画像が利用される。したがって、アプリケーションソフトから画像データを利用しようとしても、制限情報により画像データの利用が制限されている場合には、画像データを利用することができず、画像データの漏洩を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態における画像形成システムの構成を説明するための図である。
【図2】本実施形態におけるデジタル複合機の外観(斜視図)を示す図である。
【図3】本実施形態におけるデジタル複合機、外部メモリの機能構成を説明するための図である。
【図4】本実施形態におけるセキュリティ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における利用者端末(外部メモリ)の機能構成を説明するための図である。
【図6】本実施形態における画像生成処理の動作フローである。
【図7】本実施形態における画像アプリケーションの動作フローである。
【図8】本実施形態の動作例を説明するための図である。
【図9】本実施形態の実施例を説明するための図である。
【図10】本実施形態の実施例を説明するための図である。
【図11】本実施形態の実施例を説明するための図である。
【図12】本実施形態の実施例を説明するための図である。
【図13】本実施形態の実施例を説明するための図である。
【図14】本実施形態の実施例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明における画像形成装置を、デジタル複合機に適用した場合について説明する。
【0033】
[1.システム構成]
図1は、本実施形態におけるデジタル複合機10を含む画像システム1の全体構成を説明するための概略図である。画像システム1は、デジタル複合機10に、利用者端末20がネットワークを介して接続されている。
【0034】
ここで、利用者端末20は、いわゆるパーソナルコンピュータ等により構成されており、デジタル複合機10とはEthernet(登録商標)等の有線LANや、IEEE802.11bといった無線LANといったネットワークにより接続されている。
【0035】
また、デジタル複合機10及び利用者端末20には、外部メモリ30が接続可能であり、外部メモリ30を介して画像データや、アプリケーション、各種データ等をやりとりすることが可能となっている。本実施形態において、外部メモリ30は、USBインタフェースを介して接続されるUSBメモリを例にとって説明するが、例えばSDカード(登録商標)や、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SSD(Solid State Drive)といった半導体メモリや、外付けHDD(Hard Disk Drive)といった記憶装置を利用しても良い。また、接続されるインタフェースについても、USBに限られず、例えばIEEE1394やeSATA(External Serial ATA)といった他のインタフェースを利用しても良いことは勿論である。
【0036】
[2.装置構成]
続いて、画像システム1に含まれる各装置の機能構成について図を用いて説明する。
【0037】
[2.1 デジタル複合機]
まず、デジタル複合機1の機能構成について図2及び図3を用いて説明する。図2はデジタル複合機10の外観斜視図であり、図3はデジタル複合機10の機能構成図である。
【0038】
図3に示すように、デジタル複合機10は、制御部100に、画像読取部110と、画像処理部120と、画像形成部130と、通信部140と、記憶部150と、外部インタフェース部170と、操作表示部180とが接続されている。また、外部インタフェース部170を介して、外部メモリ30が接続されている。
【0039】
制御部100は、デジタル複合機10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部150に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成されている。
【0040】
画像読取部110は、原稿の画像を読み取って画像データを生成するものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ部(図示せず)より構成されている。なお、画像読取部110がデジタルカメラ等で撮像された画像を外部から取り込むようにしてもよい。
【0041】
画像処理部120は、画像読取部110より読み取られた画像データに対して、A/D変換処理、シェーディング処理、色補正処理(色変換処理)、変倍処理、階調補正処理等の各種画像に関する処理を実行する機能部である。また、後述する通信部140により受信された画像データ、外部インタフェース部170を介して読み込まれた画像データに対しても各種画像に関する処理を実行する。そして、各種画像に関する処理が実行された画像データは、記憶部150に画像データ156として記憶される。
【0042】
画像形成部130は、画像データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成するための機能部である。例えば、図2の給紙トレイ132から記録用紙を給紙し、画像形成部130に記録用紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイ134から排紙される。画像形成部130は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0043】
通信部140は、デジタル複合機10と外部の端末とが通信を行う為のインタフェースを提供する機能部である。例えば、Ehternetに接続可能なNIC(Network Interface Card)等により構成されている。
【0044】
また、デジタル複合機10は、他の端末・装置と通信部140を介して画像データを送受信したり、セキュリティ情報を送受信したりすることが可能である。
【0045】
記憶部150は、デジタル複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部150は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0046】
また、記憶部150には、プログラム(アプリケーションソフト)として、画像生成プログラム152と、画像アプリケーション154とが記憶されており、その他に画像データ156と、セキュリティ情報158と、復号キー160とが記憶されている。
【0047】
画像生成プログラム152は、制御部100により読み込まれて実行されることにより、デジタル複合機10において画像生成処理を実現することとなる。また、画像アプリケーション154は、利用者端末20により実行されるアプリケーション(プログラム)である。
【0048】
画像データ156は、画像読取部110により読み取られて生成された画像データや、通信部140により受信された画像データ、外部インタフェース部170を介して読み込まれた画像データ等が一又は複数記憶される機能部である。なお本実施形態で示す画像データとしては、JPEGやTIFFといった図形・写真等の画像データのみならず、PDF(Portable Document Format)といった電子文章形式のデータに基づいて生成されているものとする。
【0049】
セキュリティ情報158は、画像データ158に関するセキュリティに関する情報を記憶するテーブルである。例えば、利用者端末20は、セキュリティ情報158に基づいて画像データ158を表示したり、印刷したりすることとなる。セキュリティ情報158により、利用者端末20の画像データの利用が制限される、すなわち制限情報としての意味を有している。
【0050】
ここで、セキュリティ情報158の一例を図4に示す。セキュリティ情報158は、ファイル名(例えば、「abc.mfp」)に対して設定されているセキュリティに関する情報を記憶しているテーブルである。
【0051】
具体的には、ファイル名の画像データに対応づけて、復号キー(例えば、「abc.sdat」)と、画像展開回数(例えば、「5」)と、ユーザ認証に関する情報とが記憶されている。
【0052】
復号キーは、画像データが暗号化されている場合に、当該暗号化されている画像データに復号する場合に用いられる復号キーに関する情報を記憶している。また、画像展開回数とは、当該画像が何回展開出来るかを記憶している。
【0053】
なお、図4に記載されているほかに、例えば画像を展開する期限(例えば、「2010年12月1日」まで展開可能)を設定しても良い。さらに、画像データではなく、画像アプリケーションの実行回数(実行期限)を記憶していても良い。
【0054】
ユーザ認証は、利用者端末20の利用者が、画像データを利用する場合にユーザ認証を行うか否か、ユーザ認証を行う場合にはどの程度まで利用者に画像の利用を許可するかを記憶している。本実施形態では、利用者が許可される利用態様としては、「表示」「印刷」「編集」が設定可能であり、それぞれの利用態様に利用可能なユーザが登録されている。
【0055】
復号キー160は、画像データ156が暗号化されて記憶されている場合に、当該画像データを復号するのに必要な復号キーである。利用者端末は復号キー160を利用することにより、外部メモリ30に記憶されている画像データを復号できる。なお、復号キー自体は、セキュリティ情報158に含めて記憶しておいても良い。
【0056】
外部インタフェース部170は、外部メモリ30がデジタル複合機10に接続される場合に用いられるインタフェースである。
【0057】
操作表示部180は、デジタル複合機10において各種情報等を表示する表示部と、利用者がデジタル複合機10に対して各種設計等を指示する操作部とを含んで構成されている機能部である。代表的な装置を一例として説明すると、タッチパネル等である。
【0058】
[2.2 利用者端末]
続いて、利用者端末20について、図5を用いて説明する。利用者端末20は、制御部200に、入出力部210と、通信部240と、記憶部250と、外部インタフェース部260とがバスを介して接続されている。
【0059】
入出力部210は、利用者が利用者端末20に操作指示する場合に入力するための入力装置(例えば、キーボード等)と、利用者端末20からの情報を表示・出力するための表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)とを含んで構成される機能部である。また、入力装置と表示装置とが一体に形成されているタッチパネル等を利用しても良い。
【0060】
また、出力装置は、表示・出力するだけに限られず、プリンタと言った印刷装置も含まれている。利用者端末は、後述する画像データ254を、当該入出力部210から出力することとなる。
【0061】
通信部240は、利用者端末20が、他の端末等とネットワークを介して接続する場合に用いられる機能部である。本実施形態においては、ネットワークを介して、デジタル複合機10の通信部140と接続されることとなる。
【0062】
記憶部250は、利用者端末20の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部250は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0063】
また、記憶部250には、プログラム(アプリケーションソフト)として、画像アプリケーション252が記憶されており、その他に画像データ254と、セキュリティ情報256と、復号キー258とが記憶されている。ここで、これらのアプリケーション及びデータ等は、外部メモリ30又は通信部240を介してデジタル複合機10から受信されたものとなる。従って、その詳細な説明を省略する。
【0064】
外部インタフェース部260は、外部メモリ30が利用者端末20に接続される場合に用いられるインタフェースである。上述したように、例えば、USBや、IEEE1394等の規格により接続される。
【0065】
[2.3 外部メモリ]
外部メモリ30は、各種データ及びプログラムを記憶可能な記憶装置である。本実施形態においては、USBのインタフェースを持つ半導体メモリを一例に説明する。
【0066】
ここで、外部メモリ30には、画像アプリケーション310と、画像データ320と、セキュリティ情報330と、復号キー340とが選択的に記憶されている。すなわち、後述する実施形態において、この中から必要なものが外部メモリ30に記憶されることとなる。
【0067】
例えば、デジタル複合機10の記憶部150に記憶されている画像データ156は、外部インタフェース部170を介して画像データ320として記憶される。そして、外部メモリ30がデジタル複合機10から取り外され、利用者端末20に接続される。そして、利用者端末20は、外部メモリ30に記憶されている画像データ320を読み出して、記憶部250に画像データ254として記憶される。
【0068】
[3.処理の流れ]
続いて、デジタル複合機10において実行される画像生成処理と、利用者端末20において実行される画像アプリケーションについて、図を用いて説明する。
【0069】
[3.1 画像生成処理]
まず、デジタル複合機10において実行される画像生成処理について図6を用いて説明する。
【0070】
がず、デジタル複合機10は、画像を読み込み画像データを生成する(ステップS100)。続いて、画像データに対して暗号化が必要か否かを利用者の判定する(ステップS102)。
【0071】
ここで、利用者から暗号化が必要であると選択されると(ステップS102;Yes)、制御部100は、画像データ156に対して暗号化を施し(ステップS104)、データの復号に必要な復号キーを生成する(ステップS106)。なお、例えば暗号化を施さない場合はその旨を記憶したり、復号キーを生成しないといったことをする。また、暗号化が施された画像データに対しては、拡張子を変更するとしても良い。
【0072】
続いて、制御部100は、画像データ展開回数(画像展開回数)を何回許可するかを設定する(ステップS108)。設定された画像展開回数は、セキュリティ情報158に記憶される。なお、例えば画像展開回数については設定しないこととしても良い。この場合、利用者端末20において、回数の制限が無く画像データを利用することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態(図6)では、画像展開回数は、画像が展開可能な回数として設定することとして説明するが、例えば、画像を利用する画像アプリケーションの起動可能な回数として設定しても良い。
【0074】
次に、ユーザ認証の設定を行うか否かを判定する(ステップS110)。ユーザ認証を行う場合は、ユーザ認証をONにし(ステップS110;Yes→ステップS112)、ユーザの権限を設定するか否かを判定する(ステップS114)。
【0075】
ここで、権限を設定する場合には(ステップS114;Yes)、ユーザ毎に権限を設定する(ステップS116)。例えば、ユーザに応じて「表示」「印刷」「保存」の可否をそれぞれ設定する事とすればよい。また、ユーザ権限を設定しない場合には(ステップS114;No)、ユーザ認証は行うが、共通の設定として画像を利用出来るか否かといった状態になることとすれば良い。
【0076】
他方、ステップS110においてユーザ認証がない場合には、ユーザ認証をOFFとし、特に利用者の権限については設定しないこととなる(ステップS110;No→ステップS118)。
【0077】
続いて、利用者により外部メモリ30に転送するものが指定される(ステップS120)。本実施形態では、画像データ156及びセキュリティ情報158は、画像データ320及びセキュリティ情報330として転送されるが、画像アプリケーション154、復号キー160は転送するか否かを設定する。
【0078】
そして、画像データ156及びステップS120において指定されたものが、外部メモリ30に転送される(ステップS122)。また、外部メモリ30に転送されていないものは、利用者端末20に要求に基づいて、適宜画像アプリケーション154、復号キー160が通信部140を介して利用者端末20に送信される。
【0079】
[3.2 画像アプリケーション]
つづいて、利用者端末20において実行される画像アプリケーション252の処理について、図7を用いて説明する。利用者端末20において、記憶部250から画像アプリケーション252が読み出され、制御部200により実行されることにより実現される処理である。
【0080】
本実施形態では、外部メモリ30に画像アプリケーション310が記憶されており、それを記憶部250に画像アプリケーション252として転送した場合について説明する。外部メモリ30に画像アプリケーション310が記憶されていない場合には、制御部200は、通信部240を介してデジタル複合機10から画像アプリケーションを受信する必要がある。
【0081】
まず、画像展開回数が「0」でないか否かを判定する(ステップS200)。ここで、画像展開回数が「0」の場合には(ステップS200;No)、画像データを展開せずにエラー表示をして処理を終了する。
【0082】
続いて、画像データ254が暗号化されているか否かを判定する(ステップS202)。もし、画像データ254が暗号化されている場合には(ステップS202;Yes)、復号キー258があるか否かを判定する(ステップS204)。
【0083】
すなわち、復号キー258が、外部メモリ30から復号キー340が読み出されて転送されているか、通信部240を介してデジタル複合機10から復号キー160が受信されているかを判定する。
【0084】
復号キー258がある場合には、復号キーに基づいて画像データ156が復号され(ステップS204;Yes→ステップS206)、復号キー258が無い場合には、画像データを展開せずにエラー表示を行う(ステップS204;No→ステップS24)。
【0085】
また、ステップS202において、画像データ254が暗号化されていない場合には(ステップS202;No)、処理をステップS208に移行する。
【0086】
次にユーザ認証があるか否かをセキュリティ情報256に基づいて判定する(ステップS208)。ここで、ユーザ認証がない場合には(ステップS208;No)、画像データ254の共通の設定に基づいて、画像データを展開する(ステップS220)。
【0087】
他方、ユーザ認証がある場合には(ステップS208;Yes)、ユーザ認証処理を実行する(ステップS210)。ここで、ユーザ認証処理は、利用者端末20において行われるユーザ認証処理でも良いし、デジタル複合機10に確認をしてユーザ認証を行っても良い。
【0088】
ユーザ認証が成功すれば、認証されたユーザに基づいて画像を展開する(ステップS230)。他方、ユーザ認証に失敗した場合には(ステップS212;No)、画像データ254を展開せずに、エラー表示する(ステップS240)。
【0089】
なお、ステップS220及びステップS230において画像を展開するとは、画像データ254に基づいて、利用者端末20において利用が許可されている利用形態に従って画像が展開される。例えば、表示のみが許可されていれば利用者端末20においては、画像を表示することしか利用できない。また、「表示」「印刷」「保存」が許可されている場合には、利用者(ステップS220においては利用者端末20を利用している利用者、ステップS230においてはユーザ認証された利用者)がいずれの状態でも画像データを利用することが可能となる。
【0090】
そして、画像データが展開されると、セキュリティ情報256に記憶されている画像展開回数(又は、セキュリティ情報330)から「1」減算されることとなる。
【0091】
[4.表示例]
本実施形態におえるデジタル複合機10における操作表示部180に表示される操作画面の一例について、図8を用いて説明する。
【0092】
図8の表示画面W10には、外部メモリ30にスキャンした画像データを保存する場合(画像生成プログラムが実行されている場合)の表示例が示されている。
【0093】
利用者は、領域R10をタッチすることにより、画像展開回数を設定することができる。また、領域R12をタッチすることにより、暗号化の設定をすることができる。また、領域R14をタッチすることにより、外部メモリ30に記憶するプログラム及びデータを指定することができる。また、領域R16をタッチすることにより、画像データの利用形態を設定することができる。更に、利用者認証に関する情報を併せて入力することで、利用者毎に画像データの利用態様を変更するといったことが可能となる。
【0094】
[5.実施例]
以下、図面を用いて簡単に実施例について説明する。
【0095】
[5.1 第1実施例]
図9に示す第1実施例は、外部メモリに総てのプログラム及びデータを記憶している場合について説明する図である。すなわち、デジタル複合機10は、外部メモリ30に画像アプリケーション154(画像アプリケーション310)と、画像データ156(画像データ320)と、セキュリティ情報158(セキュリティ情報330)と、復号キー160(復号キー340)とを総て記憶する。
【0096】
利用者端末20は、外部メモリ30に記憶されている画像アプリケーション310を読み出して、画像アプリケーション252として記憶する。そして、画像アプリケーション252を制御部200が読み出して実行することにより、画像データ320(画像データ254)を利用することができる。
【0097】
第1実施例によれば、例えば利用者端末20がネットワークに接続されていない場合であっても、セキュリティを確保しつつ画像データを利用することが可能になる。また、例えば同じ会社内で利用する場合、外部メモリ30に保存されたデータは社外に持ち出すことは禁止されていることが多い。
【0098】
しかし、使用回数や使用期限を過ぎると画像データが表示されなかったり、画像アプリケーションが起動できないといった設定にすることにより、重要なデータの漏洩を防止することが可能となる。
【0099】
[5.2 第2実施例]
図10に示す第2実施例は、画像アプリケーションをネットワーク経由でデジタル複合機10から利用者端末20へと送信する場合について説明する図である。すなわち、外部メモリ30には、画像アプリケーション310は記憶されていない。そのため、利用者端末20は、通信部240を介してデジタル複合機10から画像アプリケーション154を受信することとなる。
【0100】
ここで、送信先となる利用者端末20は、例えばユーザ認証により、ユーザに関連づけられている利用者端末(例えば、ユーザに関連づけられているIPアドレスの端末やメールアドレス等)に送信される。
【0101】
さらに、例えばデジタル複合機10においてICカードで利用者を認証する場合、そのICカードに含まれているユーザ情報に基づいて送信先の利用者端末20を特定する。
【0102】
第2実施例によれば、外部メモリ30には、画像データを利用するためのアプリケーションが保存されていないため、第三者が外部メモリ30を入手した場合であっても、画像データ320を利用することができず、重要なデータの漏洩を防止することが可能となる。
【0103】
[5.3 第3実施例]
図11に示す第3実施例は、復号キーをネットワーク経由でデジタル複合機10から利用者端末20へと送信する場合について説明する図である。すなわち、外部メモリ30には、復号キー340が記憶されていない。そのため、画像データ254(画像データ320)を復号するときに用いる復号キーを、デジタル複合機10から受信することとなる。
【0104】
これにより、画像データを外部メモリ30に保存する度に復号キーを生成することにより、従前の画像アプリケーションを用いたとしても、その都度デジタル複合機10から復号キーを取得する必要が生じるため、より重要なデータの漏洩を防止することが可能となる。なお、画像アプリケーションについては、外部メモリ30に記憶する場合と、デジタル複合機10からネットワークを介して受信する場合があるが、どちらの場合であっても有効である。
【0105】
なお、更に画像データに強固なセキュリティを確保するために、画像アプリケーションにPIN機能も備え、画像データを外部記憶装置30に保存する場合にPINを設定する。そして、利用者端末20にて画像データを利用する場合にはPIN機能を入力させるといったことを実現しても良い。
【0106】
[5.4 第4実施例]
第4実施例は、ユーザ認証をデジタル複合機10側で行う場合について、図を用いて説明する。この場合、デジタル複合機10は、ユーザと、ユーザに対応づけられた認証に必要な情報(例えばパスワード等)とを認証情報として記憶していることとして説明する。
【0107】
図12に示すように、まず利用者端末20から認証情報が入力され(S300)、入力された認証情報がデジタル複合機10に送信される(S302)。デジタル複合機10は認証情報を受信し(S304)、認証処理を開始する(S306)。
【0108】
ここで、デジタル複合機10が記憶している情報に基づいて、利用者端末20の認証が成功した場合には、認証結果「認証成功」を利用者端末20に送信する(S308)。また、利用者端末20は、認証結果を受信し(S310)、認証結果が「認証成功」なら画像を展開する処理を継続して実行する(S312)。
【0109】
もし、図13に示すように、S306において認証情報から認証が失敗した場合は、利用者端末20に認証結果として「認証失敗」の情報が送信される(S308)。認証結果を受信した利用者端末20は、「認証失敗」と受信した場合には、エラー処理を実行する(S320)。
【0110】
このように、デジタル複合機10において、権限をもつ利用者であると確認できた場合にのみ、画像データを利用することができるため、重要な画像データの漏洩を防止することができる。また、デジタル複合機10において、利用者の認証情報を一律管理するといったことが可能となる。
【0111】
また、図14のように、更に復号キーについてもユーザ認証が成功したあとに送信されることとなっても良い。すなわち、認証成功を受信した後に、利用者端末20は、復号キー要求をデジタル複合機10に送信する(S350)。
【0112】
デジタル複合機10は、復号キー要求を受信すると(S352)、復号キーを生成して送信する(S354)。利用者端末20は、復号キーを受信すると(S356)、画像データを復号する(S358)。
【0113】
このように、復号キーについて要求があった場合に生成することにより、いわゆるワンタイムパスワードのような利用が可能となるため、よりセキュリティの高いシステムを提供することができる。
【0114】
[6.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0115】
また、上述した実施形態において、利用者端末20はパーソナルコンピュータを一例として説明したが、例えば小型の携帯端末や携帯電話といった同様の機器でも良い。この場合、携帯端末とデジタル複合機10は、例えば、赤外線通信や、Felica(登録商標)といった、近距離間通信を利用する場合であっても本発明を適用できることは勿論である。
【0116】
また、上述した実施形態におけるユーザ認証については、ネットワークに別の認証サーバを接続し、認証サーバに基づいてユーザ認証を行っても良い。
【0117】
また、ユーザ認証については、デジタル複合機10とネットワークにて接続されていない環境の場合には、画像アプリケーション自身に認証させることとしても良い。
【0118】
すなわち、デジタル複合機10が外部記憶装置30に画像データと画像アプリケーションとを保存する場合、デジタル複合機10が記憶する認証情報(例えば、ログイン名、パスワード等)を、画像アプリケーションへ暗号化して記憶する。
【0119】
そして、外部記憶装置30を利用者端末20に装着したあとに、画像アプリケーションを実行するときに、ログイン名、パスワードの入力が求められ、当該認証情報と照合することにより、画像データをアプリケーションにて利用出来るようにしても良い。
【符号の説明】
【0120】
10 デジタル複合機
100 制御部
110 画像読取部
120 画像処理部
130 画像形成部
140 通信部
150 記憶部
152 画像生成プログラム
154 画像アプリケーション
156 画像データ
158 セキュリティ情報
160 復号キー
170 外部インタフェース部
180 操作表示部
20 利用者端末
200 制御部
210 入出力部
240 通信部
250 記憶部
252 画像アプリケーション
254 画像データ
256 セキュリティ情報
258 復号キー
30 外部メモリ
310 画像アプリケーション
320 画像データ
330 セキュリティ情報
340 復号キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部と、端末装置と接続可能な通信部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
装着された外部記憶装置に対して前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式で画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて、前記画像データの利用を制限するための制限情報を記憶する制限情報記憶手段と、
前記アプリケーションを前記端末装置に転送するアプリケーション転送手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記制御部が前記アプリケーションを実行して前記画像データを利用する場合に、前記制限情報に基づいて画像データの利用の可否を判定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記アプリケーション転送手段は、前記アプリケーションを前記通信部を介して前記端末装置に転送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制限情報は、前記画像データをアプリケーションにおいて利用可能な回数及び/又は前記アプリケーションを前記制御部が実行可能な回数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制限情報は、前記端末装置の利用者の認証情報を含んでおり、
前記端末装置は、前記認証情報に基づき、前記端末装置の利用者が認証された場合には、前記画像データが利用可能となることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記認証情報は、前記端末装置の利用者毎に利用態様を更に含んでおり、
前記端末装置は、前記認証情報に基づき、前記端末装置の利用者が認証された場合には、前記画像データを利用態様に応じて利用可能となることを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
前記端末装置の利用者の認証情報を記憶しており、
前記端末装置は、利用者に関する情報を前記画像形成装置に送信し、当該画像形成装置から、当該利用者が認証された応答があった場合には、前記アプリケーションを実行させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置において、
画像データを暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化された画像データを復号する復号キーを生成し、前記端末装置に送信する復号キー送信手段を更に有し、
前記端末装置は、前記制御部がアプリケーションを実行して画像データを利用する場合に、前記復号キーに基づいて前記画像データを復号することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
装着された外部記憶装置に対して、前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式の画像データと、前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて当該画像データの利用を制限するための制限情報と、前記アプリケーションとを記憶する記憶手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記制御部により前記アプリケーションが実行され、当該アプリケーションが装着された外部記憶装置に記憶された画像データを利用する場合には、前記制限情報に基づいて画像データの利用の可否を判定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
前記制限情報は、前記画像データをアプリケーションにおいて利用可能な回数及び/又は前記アプリケーションを前記制御部が実行可能な回数であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部と、端末装置と接続可能な通信部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムの画像形成装置であって、
装着された外部記憶装置に対して前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式で画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて、前記画像データの利用を制限するための制限情報を記憶する制限情報記憶手段と、
前記アプリケーションを前記端末装置に転送するアプリケーション転送手段と、
を備ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録媒体に形成する画像形成部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成装置において利用されるデータ形式の画像データを端末装置上で利用可能にするアプリケーションを実行する制御部を備えた端末装置と、前記画像形成装置及び前記端末装置に装着可能な外部記憶装置とを備えた画像形成システムの画像形成装置であって、
装着された外部記憶装置に対して、前記画像形成装置において画像データを取り扱う場合に用いられるデータ形式の画像データと、前記端末装置において実行されるアプリケーションにおいて当該画像データの利用を制限するための制限情報と、前記アプリケーションとを記憶する記憶手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記請求項1から9の何れか一項に記載の画像形成システムに含まれる端末装置において、アプリケーションとして実行されることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−244060(P2011−244060A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111978(P2010−111978)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】