説明

画像形成装置

【課題】 装置の小型化、高速化、省エネルギ化(主として定着装置)という要請を容易に実現でき、しかも、現像装置に対して安定したトナー供給を行う。
【解決手段】 中間転写型の作像エンジン1の直上領域に定着装置5を配設し、中間転写体8を挟んで定着装置5の反対側に複数の現像装置9を配設したなる画像形成装置であって、各現像装置9に対応する複数のトナー補給装置10には、中間転写体8を挟んで現像装置9の反対側に着脱自在なトナーカートリッジ11を具備させ、少なくとも一つを除く他のトナーカートリッジ11a〜11cを並列配置し、この並列関係のトナーカートリッジ11の投影領域に及んだ状態で残りのトナーカートリッジ11dを非並列配置し、中間転写体8のプロセス進行方向に直交する方向の端部外方にて各トナーカートリッジ11側補給口と各現像装置9側補給口との間を略直線的な補給ダクト12にて連通接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、中間転写型の作像エンジンにて形成されたトナー像を記録材に転写した後定着装置にて熱定着する態様の画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の画像形成装置として、中間転写型のカラー画像形成装置を例に挙げると、感光体ドラム等の像形成担持体に形成された各色成分トナー像を中間転写体に順次一次転写し、中間転写体上の多色トナー像を二次転写装置にて用紙等の記録材に一括転写するようにしたものが知られている。
このようなカラー画像形成装置では、近年、高速化、小型化、省エネルギ化の要請が強く叫ばれている。
特に、高速化の要請下にあっては、各色成分トナー像形成用の各色の画像形成ユニットを中間転写ベルト上に並列配置したタンデム構成が効果的であるが、各画像形成ユニットを並列に配置し、その延長上に定着装置を配置した態様では、装置が大型化し易いという技術的課題がある。
【0003】
このような装置の大型化に対する対応策としては、例えば図15に示すように、中間転写ベルト201を斜めに配置し、この中間転写ベルト201の上側傾斜面に沿って各画像形成ユニット202(202a〜202d)を並列配置すると共に、この中間転写ベルト201の下端部に一括転写装置(例えば一括転写ロールを使用)203を配設し、更に、斜め配置された中間転写ベルト201の下方空間部に定着装置204を配設したものが既に提案されている(例えば特許文献1参照)。
本態様によれば、作像エンジン(各画像形成ユニット202及び中間転写ベルト201)自体の幅方向寸法を抑え、しかも、作像エンジンの下方に定着装置204を配設し、各画像形成ユニット202と定着装置204とを並列配置しない態様にしたため、画像形成装置自体の幅方向寸法を短く設定することが可能になり、その分、画像形成装置の小型化を実現することができる。尚、符号206は記録材である。
【0004】
【特許文献1】特許第3470696号公報(発明の実施の形態、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の画像形成装置にあっては、作像エンジンの下方に定着装置204を配設するようにしたので、長時間の稼働では定着装置204の熱気が上方に位置する各画像形成ユニット202に影響を与え、各画像形成ユニットにて熱によるトナー融着など画質欠陥につながる懸念がある。これを防止するには、例えば定着装置204と中間転写ベルト201との間に熱反射板205を配設したり、更には、図示外の排気装置を設置することにより、定着装置204からの熱気が各画像形成ユニット202側に移動しないように配慮することが必要不可欠であり、その分、装置構成が複雑化するという事態を生ずる。
【0006】
このような不具合を解消するには、作像エンジンの上方に定着装置を配置するようにすればよく、このような態様にあっては、定着装置からの熱気は上方に移動することから、作像エンジンには影響し難い点で好ましい。
ところが、作像方式としてトナーを用いる態様にあっては、各色成分現像装置に対し夫々トナー補給装置を付設することが好ましいが、中間転写ベルトの上方に定着装置を配置する構成にあっては、配設スペースの関係から、中間転写ベルトを挟んで現像装置とトナー補給装置とを分離配置せざるを得ない。このとき、中間転写ベルトの定着装置側に各トナー補給装置のトナーカートリッジを並列配置しようとすると、定着装置寄りのトナーカートリッジが定着装置に近接し過ぎ、トナーブロッキングが起こり易いという技術的課題が生ずる。
また、各トナーカートリッジを定着装置から充分離れた箇所に設置しようとすると、各現像装置と各トナーカートリッジとの間の距離が長くなり、両者間を接続する補給経路が複雑化、大型化してしまうという技術的課題が生ずる。
【0007】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、装置の小型化、高速化、省エネルギ化(主として定着装置)という要請を容易に実現でき、しかも、現像装置に対して安定したトナー補給を行うことができる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、図1に示すように、各色成分トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン1と、この作像エンジン1の直上領域に配設され且つ作像エンジン1の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を熱定着する定着装置5とを備えた画像形成装置であって、作像エンジン1には、各色成分トナー像を形成担持する一若しくは複数の像形成担持体7(例えば7a〜7d)と、この像形成担持体7と定着装置5との間に設けられ、像形成担持体7上のトナー像を記録材へ転写する前の中間段階で一時的に転写保持する中間転写体8と、各色成分トナーが収容され且つ像形成担持体7上に形成された各色成分静電潜像を対応する色成分トナーにて可視像化する複数の現像装置9(例えば9a〜9d)と、各現像装置9に対応して設けられ且つ各色成分トナーを補給する複数のトナー補給装置10(例えば10a〜10d)とを具備させ、各トナー補給装置10としては、中間転写体8を挟んで現像装置9の反対側に着脱自在に設けられ且つ各色成分トナーが夫々補給可能に収容される複数のトナーカートリッジ11(例えば11a〜11d)を有し、複数のトナーカートリッジ11のうち少なくとも一つを除く他のトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)を並列配置すると共に、この並列関係にあるトナーカートリッジ11(11a〜11c)の投影領域に及んだ状態で前記少なくとも一つのトナーカートリッジ11(例えば11d)を非並列配置し、中間転写体8のプロセス進行方向に直交する方向の端部外方にて各トナーカートリッジ11側補給口と各現像装置9側補給口との間を略直線的な補給ダクト12(例えば12a〜12d)にて連通接続することを特徴とするものである。
【0009】
このような技術的手段において、本件は、中間転写型の作像エンジン1の直上領域に定着装置5を備えている態様を前提とする。
ここで、作像エンジン1の作像方式については、トナー像を形成するものであれば、電子写真方式に限らず、静電記録方式等をも含む。更に、作像エンジン1としては、一つの像形成担持体7に対して複数の現像装置9(9a〜9d)を設ける態様など適宜選定して差し支えないが、高速化という観点からすれば、複数の像形成担持体7(例えば7a〜7d)に夫々現像装置9(9a〜9d)を設ける態様が好ましい。
また、中間転写体8についてもドラム状、ベルト状を問わないが、レイアウトの自由度を増すという観点からすれば、ベルト部材を用いる態様が好ましい。
【0010】
このようなベルト部材からなる中間転写体8の好ましい態様としては、記録材への転写部位と定着装置5の熱定着部5aとを略水平に配置すべく、定着装置5から離間して張架されている態様が挙げられる。本態様によれば、中間転写体8と定着装置5との干渉を防止し、かつ、記録材転写部位と熱定着部5aとの間の搬送経路を直線経路にすることができる分、最初の作像動作から記録材が出力されるまでの時間(FCOT:First Copy Output Time)を短縮することができる。
この種の代表的態様としては、ベルト部材からなる中間転写体8が、記録材への転写部位が高くなるように画像形成装置筐体6に対して傾斜配置されるようにすればよい。このように所定方向に傾斜配置するようにすれば、中間転写体8の引き回しを複雑にすることなく、記録材転写部位と熱定着部5aとを略水平に配置でき、しかも、タンデム型画像形成装置にあっては、装置の小型化を図ることができる。
【0011】
また、定着装置5としてはトナー像を熱定着するものであれば、接触加熱方式、非接触加熱方式を問わず、また、加熱方式についても、加熱ランプなどのヒータ加熱方式や電磁誘導加熱方式など適宜選定して差し支えない。また、機内に無駄な熱を放出しないという観点からすれば、インスタントオンタイプの定着装置が好ましい(例えば特開2003−307964号公報,特開2002−148983号公報参照)。
更に、定着装置5としては、作像エンジン1の直上領域内に配置されていればよく、本態様によれば、定着装置5のレイアウトに伴う画像形成装置の設置面積増大を有効に回避することができ、画像形成装置の小型化を企図することができる。
ここで、「作像エンジン1の直上領域」とは、画像形成装置の正面側(プロセス進行方向に直交する方向)から見た場合の領域を指し、プロセス進行方向から見て定着装置5の一部が作像エンジン1の投影領域からはみ出していても差し支えない。
本態様にあっては、像形成担持体7は中間転写体8を介して定着装置5の反対側に配置されているため、定着装置5からの熱は中間転写体8で遮断され、像形成担持体7側での画像形成動作に影響し難い点で好ましい。
【0012】
また、定着装置5の好ましい態様としては、少なくとも画像形成装置筐体6の側壁に比べて中央寄りに位置する熱定着部5aを有するものが挙げられる。これは、画像形成装置内に定着装置5を配置した際に、熱定着部5aが装置の筐体側壁に比べて装置の中央寄りに位置する態様を全て含む趣旨であり、熱定着部5aを筐体側壁から離間させ、熱損失を抑えることを企図したものである。
特に、定着装置5としては、定着装置5の下流側にトナーカートリッジ11の設置スペースを確保し易いという観点からすれば、画像形成装置筐体6の中央位置より作像エンジン1の転写部位寄りに配置されることが好ましい。
【0013】
更に、本発明においては、作像エンジン1及び定着装置5の上方に配設されて記録材が供給可能に収容される上部供給トレイ2を備える態様が好ましく、上部供給トレイ2の直下領域に定着装置5の熱定着部5aが配置されているのがよい。
ここで、「上部供給トレイ2の直下領域」とは、画像形成装置の正面側(プロセス進行方向に直交する方向)から見た場合の領域を指し、プロセス進行方向から見て定着装置5の一部が上部供給トレイ2の配設領域の投影領域からはみ出していても差し支えない。
本態様によれば、定着装置5による上部供給トレイ2内の記録材を予備加熱することが可能であり、また、上部供給トレイ2から定着装置5に至るまでの搬送経路長を短くできる分、FCOTを短縮できる。
また、記録材の搬送経路4の好ましい態様としては、上部供給トレイ2からの記録材の送出方向と、定着装置5からの記録材の排出方向とが反対であるものが挙げられる。このとき、記録材の搬送経路4が作像エンジン1と上部供給トレイ2との間のスペースを有効に利用して配置されるため、定着装置5に至る搬送経路4としてS字状経路を使用せずに済み、搬送経路長を短くすることができる。
更に、別の観点から見れば、上部供給トレイ2からの記録材の搬送経路4が上部供給トレイ2と作像エンジン1との間を横切るように配置されていることが好ましい。
更にまた、記録材の搬送経路4のうち、両面記録を可能にする好ましい態様としては、定着装置5の下流側搬送経路が、作像エンジン1の転写部位の上流側へ記録材が反転した状態で戻される反転搬送経路を有し、この反転搬送経路の少なくとも一部が上部供給トレイ2と作像エンジン1との間に配置される態様が挙げられる。
【0014】
また、本発明において、現像装置9としては二成分現像方式、一成分現像方式を問わず、また、二成分現像方式で劣化現像剤を定期的に排出する所謂トリクル方式をも含む。
一方、トナー補給装置10としてはトナーを補給するものであればよく、トナーを単独で補給する態様は勿論、例えばキャリアと共にトナーを供給するものをも含む。また、その構成態様としては、トナーカートリッジ11、リザーブタンク(図示せず)及び補給ダクト12の組合せのほか、リザーブタンクを用いない態様など適宜選定して差し支えない。
【0015】
更に、複数のトナーカートリッジ11のうち並列配置されるトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)は主として中間転写体8に沿って配設されることが好ましいが、これに限らず、中間転写体8に沿わずに並列配置される態様も含む。
また、少なくとも一つのトナーカートリッジ11(例えば11d)は並列関係にあるトナーカートリッジに対し非並列配置されていればよいが、トナーカートリッジの設置領域を有効に利用するという観点からすると、非並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11d)は並列関係にあるトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)の投影領域(平面投影領域、正面投影領域又は側面投影領域のいずれでもよい)に及んだ状態にあることが必要である。つまり、非並列配置されるトナーカートリッジ11(11d)と並列関係にあるトナーカートリッジ11(11a〜11c)とは全く無関係に配設されるのではなく、互いの投影領域に及んだ状態で一つのまとまったスペース内に配設されるのである。
更に、各補給ダクト12(12a〜12d)のレイアウトについては、中間転写体8のプロセス進行方向に直交する方向の端部外方に干渉せずに且つ略直線的に設けられていればよい。ここで、補給ダクト12の連結部については、トナーカートリッジ11側に位置する補給口(リザーブタンクを用いる態様ではリザーブタンクの補給口を含む)と現像装置9側補給口とを連通接続するものであればよい。
【0016】
また、非並列配置されるトナーカートリッジ11(例えば11d)の代表的態様としては、並列関係にあるトナーカートリッジ11(11a〜11c)に対し鉛直方向に変位している態様が挙げられる。本態様によれば、トナーカートリッジ11が鉛直方向で重合する配置関係が得られることになり、トナーカートリッジ11全体の上方からの投影設置面積を低減することができる。
更に、各トナーカートリッジ11の容量は適宜選定して差し支えないが、非並列配置されるトナーカートリッジ11(例えば11d)は、並列関係にあるトナーカートリッジ11(11a〜11c)よりも容量の大きいものを含んでいる態様が好ましい。このように、非並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11d)に容量の大きいものを含む方がトナーカートリッジ11全体の設置スペースを有効利用することが可能である。
例えば各色成分トナーがイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックであるような場合、使用頻度の高いブラックトナーに関するトナーカートリッジ11(例えば11d)を他のカートリッジ11(例えば11a〜11c)に比べて大容量にすればよい。
【0017】
また、各トナーカートリッジ11の好ましいレイアウトとしては、非並列配置されるトナーカートリッジ11(例えば11d)は、少なくとも定着装置5寄りに位置する並列関係にあるトナーカートリッジ11(例えば11c)と定着装置5との間の距離以上定着装置5から離間配置されているのがよい。このようにすれば、定着装置5から各トナーカートリッジ11を離間配置することで、トナーブロッキングを有効に防止することができる。
更に、各トナーカートリッジ11の代表的なレイアウトとしては、非並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11d)は、並列関係にあるトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)と略平行配置されるものが挙げられる。このような平行配置方式にあっては、各トナーカートリッジ11は同じ側から着脱操作に関するアクセスが可能であり、トナーカートリッジ11の着脱操作が容易である。
また、各トナーカートリッジ11の代表的な別のレイアウトとしては、非並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11d)は、並列関係にあるトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)と略直交配置されているものが挙げられる。このような直交配置方式にあっては、並列関係にあるトナーカートリッジ11(11a〜11c)はプロセス進行方向に直交する方向から着脱操作可能であり、非並列配置されるトナーカートリッジ11(11d)はプロセス進行方向と平行な方向から着脱操作可能である。
【0018】
また、補給ダクト12のレイアウトとしては、中間転写体8のプロセス進行方向に直交する方向の端部外方の一方側にまとめて設けても差し支えないが、補給ダクト12の好ましいレイアウトとしては、並列関係にあるトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)につながる補給ダクト12(例えば12a〜12c)は、非並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11d)につながる補給ダクト12(例えば12d)の配設位置と異なる側に設けられているものが挙げられる。
本態様では、各トナーカートリッジ11の着脱操作方向が全て同じ態様に限らず、異なる態様をも含む。また、中間転写体8のプロセス進行方向に直交する方向の両端部外方の異なる側に補給ダクト12を配置することにより、干渉のないレイアウトを簡単に実現することができる。
特に、各トナーカートリッジ11が同じ側から着脱操作可能である態様においては、非並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11d)につながる補給ダクト12(例えば12d)は各トナーカートリッジ11の着脱操作側に配置されている態様が挙げられる。本態様によれば、前記補給ダクト12dが並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)の着脱操作を邪魔しないように設計することが必要である。
また、各トナーカートリッジ11が同じ側から着脱操作可能である態様においては、並列関係にあるトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)につながる補給ダクト12(例えば12a〜12c)は、各トナーカートリッジ11の着脱操作側に配置されている態様が挙げられる。本態様にあっては、非並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11d)につながる補給ダクト12(例えば12d)が反対側になるため、当該補給ダクト12dが並列配置されたトナーカートリッジ11(例えば11a〜11c)の着脱操作の邪魔になる懸念はない点で好ましい(下線部分の適否について御確認下さい。)。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、中間転写型の作像エンジンの直上領域に熱定着方式の定着装置を配設し、中間転写体を挟んで定着装置の反対側に像形成担持体、現像装置を配設すると共に、この現像装置に対してトナー補給装置を付設するようにしたので、以下のような基本的効果を得ることができる。
すなわち、作像エンジンが定着装置の下方に配設されているため、定着装置からの熱が作像エンジンに影響し難く、作像エンジンによるトナー像の形成を安定的に行うことができる。特に、中間転写型の作像エンジンにあっては、中間転写体を遮熱機能部材として利用することができ、効果的である。
また、作像エンジンの上方に定着装置を配設するようにしたため、画像形成装置のレイアウト上、作像エンジン及び定着装置の上方に上部供給トレイを配設することが可能である。このような態様を採用すれば、上部供給トレイが画像形成装置の上部領域に配置可能であるため、記録材補給の際などに、しゃがみこむ若しくは腰を曲げる必要がなく、ユーザーに無理な姿勢を要求せずに記録材の補給作業を行うことが可能になるという「人にやさしい」画像形成装置を提供することができるばかりか、定着装置から放出される熱量を上部供給トレイ内の記録材を予備加熱することに有効に利用でき、しかも、上部供給トレイから定着装置に至るまでの搬送経路長を短く設定することが容易になり、その分、最初の作像動作から記録材が出力されるまでの時間を短縮することができる。
【0020】
特に、本発明にあっては、各トナー補給装置は、中間転写体を挟んで現像装置の反対側に着脱自在な複数のトナーカートリッジを有し、複数のトナーカートリッジのうち少なくとも一つを除く他のトナーカートリッジを並列配置すると共に、この並列関係にあるトナーカートリッジの投影領域に及んだ状態で残りのトナーカートリッジを非並列配置し、中間転写体のプロセス進行方向に直交する方向の端部外方にて各トナーカートリッジ側補給口と各現像装置側補給口との間を略直線的な補給ダクトにて連通接続するようにしたので、全てのトナーカートリッジを中間転写体の上方領域で並列配置する態様に比べて、各トナーカーリッジの設置に要する投影領域面積を低減することができ、その分、定着装置との間の距離を十分に確保した状態で、しかも、中間転写体の近傍領域に各トナーカートリッジを効率的に配設することができる。
このため、定着装置寄りのトナーカートリッジについても定着装置から十分に距離を置いて配設することが可能になり、その分、トナーブロッキングを有効に防止することができ、現像装置に対してトナーを安定的に供給することができる。
また、各現像装置と各トナーカートリッジとは略直線的な補給ダクトを介して連通接続されているので、トナー補給装置の補給経路が複雑化したり、大型化するという懸念はなく、トナー補給装置を簡単に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す概要図である。
同図において、画像形成装置は中間転写型のタンデムマシンであり、画像形成装置筐体(以下必要に応じて装置筐体という)20内には、例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分トナー像を形成するための作像エンジン21と、この作像エンジン21の上方に配設されて記録材Sを供給する上部供給トレイ22と、作像エンジン21と上部供給トレイ22との間に配設される定着装置25とを備えている。
【0022】
本実施の形態において、作像エンジン21は全体としてユニット化されており、図中左方向が上になるように傾斜配置されると共に、その図中右方向下端部に設けられた回転支軸55を中心に揺動自在になっている。
そして、作像エンジン21は、各色成分トナー像形成用の電子写真方式の四つの画像形成ユニット30(具体的には30a〜30d)を並列に配設し、この各画像形成ユニット30に面した箇所に中間転写ベルト50を配設したものである。
特に、本例では、中間転写ベルト50は図中左方向が上になるように傾斜配置されており、各画像形成ユニット30は中間転写ベルト50の下部傾斜面に沿って互いに段差をもって配設されている。
【0023】
各画像形成ユニット30は、図2及び図3に示すように、所定方向に回転する感光体ドラム31を有し、この感光体ドラム31の周囲には、当該感光体ドラム31を帯電する帯電装置(本例では帯電ロール)32、帯電された感光体ドラム31上に静電潜像を書き込む露光装置33と、感光体ドラム31上の静電潜像を所定の色トナーにて現像する現像装置34と、感光体ドラム31上の残留トナーを清掃するドラムクリーナ35(本例ではブレード351によるクリーニング方式を採用)とを備えている。
【0024】
ここで、現像装置34は、感光体ドラム31に対向して開口し且つ例えば二成分現像剤が収容されるハウジング341を有し、このハウジング341の開口に面した箇所には現像ロール342を配設すると共に、この現像ロール342の背面側には現像剤撹拌用の撹拌搬送オーガ343,344を配設し、撹拌搬送オーガ343と現像ロール342との間には現像剤供給用の供給パドル345を設けたものである。
そして、感光体ドラム31には駆動モータ45からの駆動力がギアなどの駆動伝達系を介して伝達されるようになっており、一方、現像ロール342、撹拌搬送オーガ343,344、供給パドル345には同じく駆動モータ45からの駆動力がギアなどの駆動伝達系を介して伝達されるようになっている。
【0025】
また、本実施の形態において、中間転写ベルト50は、例えばポリイミド樹脂に導電性カーボンブラックを混練し、体積抵抗率を10〜1012Ω・cm程度とした無端ベルトからなり、例えば三個の張架ロール51〜53に掛け渡されており、例えば張架ロール53を駆動ロールとし、張架ロール52をテンションロールとして、図の矢印方向に移動するようになっている。尚、符号57は、中間転写ベルト50上の残留トナー等を清掃するベルトクリーナである。
そして、各画像形成ユニット30の感光体ドラム31に対向する中間転写ベルト50の背面側には一次転写装置(本例では一次転写ロール)36が夫々配設されており、また、中間転写ベルト50の上端部である張架ロール51と対向する部位に二次転写装置(本例では二次転写ロール)60が配設されており、張架ロール51をバックアップロールとして、図示外の二次転写バイアスが印加されるようになっている。
【0026】
更に、本実施の形態において、上部供給トレイ22は装置筐体20の上部領域にて図中左右幅方向に亘って配設されており、また、装置筐体20の上部には記録材Sを排出収容する排出トレイ26が配設されている。
そして、上部供給トレイ22は、その送出方向側に一枚ずつ捌くピックアップロール71を有し、このピックアップロール71の記録材送出方向下流側には搬送力付与のためのフィードロール72及び記録材Sを一枚ずつ捌くリタードロール73が接触転動可能に対向配置されている。
【0027】
また、上部供給トレイ22からの記録材Sの搬送経路24は、作像エンジン21により片面記録された記録材Sが排出トレイ26に至るまでの通常搬送経路24aと、この通常搬送経路24aに対してバイパスする反転搬送経路24bとを備えている。
ここで、通常搬送経路24aは、上部供給トレイ22の記録材送出方向側端部からUターン状に湾曲した後、上部供給トレイ22と作像エンジン21との間を略水平方向に横切る水平搬送経路部241を有し、K用トナーカートリッジ41dを回避するように斜め上方に向かった後に上部供給トレイ22の記録材非送出方向側端部の背面を上方に向かって排出トレイ26へ至るものである。この通常搬送経路24aには適宜数の搬送ロール85が設けられており、この通常搬送経路24aの水平搬送経路部241のうち二次転写装置60の上流側直前には位置決め用のレジストロール80が配設されると共に、二次転写装置60の下流側には搬送ベルト81を介して定着装置25が設けられ、更に、水平搬送経路部241の下流側には正逆回転可能な反転搬送ロール82が配設され、通常搬送経路24aの排出口83の直前には排出ロール84が配設されている。
尚、本例では、搬送ベルト81としては、静電吸着方式やエアー吸引方式が利用でき、二次転写装置60によって記録材S上に転写された未定着トナーの画質劣化を防止している。
【0028】
一方、反転搬送経路24bは、通常搬送経路24aの反転搬送ロール82の配設部位にて分岐し、上部供給トレイ22と作像エンジン21との間を横切った後レジストロール80の上流側に至るものであり、この反転搬送経路24bにも適宜数の搬送ロール85が設けられている。
更に、本実施の形態では、搬送経路24として、図示外の手差しトレイからの手差し搬送経路24eが通常搬送経路24aのレジストロール80の上流側に接続されており、また、通常搬送経路24aの反転搬送ロール82の下流側には分岐搬送経路24fが図示外の切替ゲートにて切替可能に分岐配置され、上部供給トレイ22の背面側に位置する装置筐体20の側壁開口まで延びている。この分岐搬送経路24fの下流端には図示外の側方排出トレイ又は図示外の後処理装置(ステープラ,パンチャ,折機構等の後処理ユニットを具備)等が設けられ、この分岐搬送経路24fの下流側には排出ロール86が配設されている。
【0029】
また、本実施の形態において、定着装置25は、図2及び図7に示すように、水平搬送経路部241の二次転写装置60の下流側に配設されており、上部定着ユニット100及び下部定着ユニット105で構成されている。上部定着ユニット100は加圧ロール101及びこの加圧ロール101の周囲が覆われる遮熱カバー102を有し、また、下部定着ユニット105は内部にヒータ107が内蔵された加熱ロール106及びこの加熱ロール106の周囲が覆われる遮熱カバー108を有している。
ここで、加圧ロール101は例えば芯金の表面にウレタンゴム等の弾性層を形成した弾性ロールにて構成され、一方、加熱ロール106も例えば芯金の表面にウレタンゴム等の弾性層を形成し、更に、その表面に離型層を形成した弾性ロールにて構成されている。そして、加圧ロール101は加熱ロール106に接触転動可能に圧接配置されており、両ロール101,106間には略水平方向に延び且つ下に凸になるニップ域が形成され、このニップ域を通過した記録材の剥離性を確保するようになっている。
尚、加圧ロール101、加熱ロール106の構成については特にこれに限定されないことは勿論である。
また、遮熱カバー102,108は、加圧ロール101又は加熱ロール106側に金属製の熱輻射板102a,108aを備え、その外側を真空断熱材102b,108bで覆い、更にその外装をプラスチックの外装カバー102c,108cで覆った構成を採っている。
更に、ヒータ107の温度制御については、加熱ロール106の表面温度を温度センサ109にて検知し、この検知情報を制御装置110に取り込み、制御装置110にてヒータ107をオンオフ制御するという方式が採用されている。
【0030】
また、本例では、熱輻射板102a,108aとしては、例えば鏡面加工されたアルミニウム等の金属が用いられ、輻射率0.5以下の表面とすることで、表面での反射率が高くなるようになっている。また、真空断熱材102b,108bは、例えば熱伝導率0.03W/(m・K)以下の部材を厚さ3mm以上備えたもので構成されている。更に、外装カバー102c,108cは熱伝導率の小さいプラスチックによって構成されている。
また、本実施の形態では、加圧ロール101及び加熱ロール106と夫々の遮熱カバー102,108とは、例えば3〜20mmの距離を隔てて配置され、遮熱カバー102,108が加圧ロール101及び加熱ロール106を互いに上下方向から挟み込むような形となっている。そのため、加熱ロール106による熱が定着装置25外へ余分に漏れないようになっている。
更に、本実施の形態では、定着装置25の下流側には、図2に示すように、冷却板87が配設され、定着装置25によって定着された後の記録材の温度低下を行い、定着されたトナーの固化を促進するようになっている。尚、このような冷却板87を用いなくてもよいことは勿論である。
【0031】
また、本実施の形態において、定着装置25の加圧ロール101と加熱ロール106とのニップ域(熱定着部HPに相当)は、例えば図8に示すように、装置筐体20の側壁M,Mに比べて筐体中央Mc寄りに配置されている。
そして、本態様においては、定着装置25は、画像形成装置の正面側から見て、作像エンジン21の直上領域内に配置されると共に、上部供給トレイ22の直下領域内に配置されている。
特に、本実施の形態では、定着装置25は、筐体中央Mc位置よりも作像エンジン21の二次転写部位寄りに配置されている。
【0032】
また、各画像形成ユニット30(30a〜30d)の各現像装置34(34a〜34d)にはトナー補給装置40(具体的には40a〜40d)が夫々付設されている。
このトナー補給装置40は、図2〜図6に示すように、装置筐体20のうち中間転写ベルト50の上方領域に夫々カートリッジ受部を設け、各カートリッジ受部には各色成分(YMCK)トナーが収容されるトナーカートリッジ41(41a〜41d)を着脱自在に取付けると共に、カートリッジ受部に面した箇所にはトナーカートリッジ41内のトナーが一時的に収容されるリザーブタンク42(42a〜42d)を設け、このリザーブタンク42と各現像装置34のハウジング341との間をトナー補給ダクト43(43a〜43d)にて連通接続するようにしたものである。
本実施の形態において、トナーカートリッジ41(41a〜41d)は、例えば図4に示すように、内部に撹拌用のアジテータ411を有し、また、リザーブタンク42に対応した箇所にトナー供給開口412を開設したものである。また、リザーブタンク42内にはトナー搬送用オーガ421が配設されており、トナー補給ダクト43側にトナーを撹拌搬送するようになっている。また、リザーブタンク42を設けずトナー供給口412からトナー補給ダクト43に直接トナーを搬送してもよい。
尚、図2ではトナー補給ダクト43の図示を省略する。
【0033】
特に、本実施の形態では、トナー補給装置40(40a〜40d)のうち、ブラック(K)用トナーカートリッジ41dが他の色(YMC)用トナーカートリッジ41a〜41cよりも大きく設定されている。尚、K用トナーカートリッジ41dは高さ寸法を抑えるように例えば断面楕円形状に構成されているが、図5のような模式図では断面円形状で表示している。
また、各トナーカートリッジ41は、図5及び図6に示すように、中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向に延びる筒状容器からなり、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cが中間転写ベルト50の上部傾斜面に沿って且つ定着装置25から離間した部位に並列配置されると共に、K用トナーカートリッジ41dがYMC用トナーカートリッジ41a〜41cの上方で且つ定着装置25から離間した部位に配置されている。
本実施の形態において、K用トナーカートリッジ41dは並列関係にあるYMC用トナーカートリッジ41a〜41cの平面投影領域に及んだ状態で、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cと略平行配置されている。ここで、K用トナーカートリッジ41dと定着装置25との間の距離としては、少なくとも定着装置25に最も近接配置されるC用トナーカートリッジ41cと定着装置25との間の距離以上に設定されていればよいが、本例では、K用トナーカートリッジ41dは、YM用トナーカートリッジ41a,41bに跨った位置に配置されていることから、K用トナーカートリッジ41dと定着装置25との間の距離は十分に離れたものに設定されている。
【0034】
更に、本実施の形態では、各トナーカートリッジ41(41a〜41d)は画像形成装置筐体20の手前側にて図示外のフロントカバーを開放することで着脱操作可能になっている。
そして、本例では、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cにつながるトナー補給ダクト43a〜43cは、中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する両端部外方のうち装置筐体20の手前側に設けられ、対応する現像装置34a〜34cに連通接続されており、一方、K用トナーカートリッジ41dにつながるトナー補給ダクト43dは、中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する両端部外方のうち装置筐体20の奥側に設けられ、対応する現像装置34dに連通接続されている。
【0035】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
今、各色成分(イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))画像の画像データが各画像形成ユニット30(30a〜30d)の露光装置33に送出されると、各画像形成ユニット30の感光体ドラム31上には色成分毎の静電潜像が形成されると共に、対応する色トナーが収容された現像装置34にて静電潜像が顕像化され、感光体ドラム31上に未定着な各色成分トナー像が形成される。
そして、各色成分トナー像は、各感光体ドラム31と中間転写ベルト50とが接する一次転写部位において、一次転写ロール36によって中間転写ベルト50上に順次一次転写され、色重ねされる。
このようにして中間転写ベルト50上に一次転写された各色成分トナー像は、中間転写ベルト50の移動に伴って、二次転写位置(二次転写ロール60と張架ロール51によって構成される)へと移動する。
【0036】
一方、上部供給トレイ22からは記録材Sが所定のタイミングにて通常搬送経路24aと順次供給される。そして、この通常搬送経路24aに搬送された記録材Sは、レジストロール80によって位置合わせされた後に二次転写位置へ搬送され、二次転写ロール60によって中間転写ベルト50上の各色成分トナー像が一括転写(二次転写)される。
各色成分トナー像が一括転写された記録材Sは搬送ベルト81によって吸着搬送されて定着装置25に搬送され、この定着装置25にて未定着トナー像が定着される。
しかる後、定着装置25を通過した記録材Sは、搬送ロール85及び反転搬送ロール82を経由して排出ロール84に搬送され、排出トレイ26にフェイスアップ(トナー像が上向き)の状態で排出される。尚、図示外の側方排出トレイ又は後処理装置を設けた態様において、分岐搬送経路24f側に記録材Sを搬送する態様にあっては、定着装置25を通過した記録材Sは、搬送ロール85及び反転搬送ロール82を経由して排出ロール86に搬送され、側方排出トレイ(トナー像が下向きの状態のフェースダウン姿勢にて排出)又は後処理装置に向けて排出される。
また、両面記録モードを選択した場合には、定着装置25を通過した片面記録済みの記録材Sは、その後端部が通常搬送経路24aの反転搬送ロール82にニップされた状態で一旦停止し、反転搬送ロール82を逆転させることにより、反転搬送経路24b側に反転搬送された後に再度作像エンジン21の二次転写部位に戻される。このとき、作像エンジン21では裏面側の各色成分トナー像が形成され、二次転写部位にて記録材Sの裏面に転写される。この後、記録材Sは、搬送ベルト81を経て定着装置25に導かれ、定着装置25にて裏面トナー像を定着された後に例えば排出トレイ26へと導かれる。
【0037】
このような作像プロセスにおいて、定着装置25からの熱気は遮熱カバー102,108にて有効に遮断されるが、定着装置25の記録材S通路や遮熱カバー102,108の一部から定着装置25外に漏れる。
すると、定着装置25からの熱気の一部は、図8のAに示すように、上方へと移動していくが、定着装置25の直上には上部供給トレイ22が配設されていることから、定着装置25からの熱気により、上部供給トレイ22及び上部供給トレイ22内の記録材Sが予備加熱される。このとき、記録材Sは予備加熱された状態で定着装置25に搬送されることから、定着装置25の加熱ロール106(図7参照)から記録材Sが奪う熱自体を低減することができ、その分、定着装置25による消費熱エネルギを低減することができる。また、定着装置25からの熱気は予備加熱源として利用されるため、排熱のための排熱・排気ファンを設置する必要性は少ない。
更に、定着装置25は筐体中央Mc寄りに配置されているため、図8のBに示すように、定着装置25と装置筐体20の側壁M,M(外気環境温度条件を具備)との間の距離が長くなる分、定着装置25からの熱気が装置筐体20の側壁M,Mを通じて外部に漏れる排熱量は極めて少ない。
このため、定着装置25の熱エネルギが不必要に消費される事態は有効を抑えられることになり、その分、定着装置25の熱エネルギ効率が向上する。
【0038】
また、定着装置25から漏れる熱気の多くは上方に移動していくが、図8のCに示すように、その一部は下方側に移動する。
しかしながら、本実施の形態では、各画像形成ユニット30(30a〜30d)は中間転写ベルト50を介して定着装置25の反対側(本例では下方側)に配設されているため、定着装置25からの熱気が中間転写ベルト50で遮断され、定着装置25からの熱気が各画像形成ユニット30側に影響することはほとんど皆無である。それゆえ、例えば現像装置34内のトナーが熱の影響を受けて局部的に凝集する等にして劣化し、これに伴って、画像品質が低下したり、現像剤が短寿命化するという懸念はない。
【0039】
また、本実施の形態では、トナー補給装置40(40a〜40d)の各トナーカートリッジ41は、図4及び図5,図6に示すように、リザーブタンク42を経てトナー補給ダクト43を経由して各現像装置34(34a〜34d)へトナー補給を行う。
このようなトナー補給動作過程において、各トナーカートリッジ41、リザーブタンク42及びトナー補給ダクト43は、定着装置25の下流側で定着装置25からは十分距離を置いて離間しているため、定着装置25からの熱気が各トナーカートリッジ41などに悪影響することはなく、トナーカートリッジ41内やトナー補給ダクト43にてトナーブロッキングが生ずる懸念はほとんどない。
また、トナー補給ダクト43は略直線的に配置され、各トナーを重力の作用に基づいて落下搬送することができるため、トナー補給ダクト43内でトナーが詰まるなどの不具合も生じ難い。
【0040】
更に、本実施の形態では、K用トナーカートリッジ41dのトナー補給ダクト43dは装置筐体20の奥側に配置されているため、装置筐体20の手前側で各トナーカートリッジ41の着脱操作を行おうとしても、上述したトナー補給ダクト43dが邪魔になることはない。尚、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cにつながるトナー補給ダクト43a〜43cは装置筐体20の手前側に配置されているが、いずれのトナー補給ダクト43a〜43cも各トナーカートリッジ41の着脱操作作業スペースから外れた位置に設けられているため、各トナーカートリッジ41の着脱操作を邪魔することはない。
【0041】
ここで、トナー補給ダクト43については図5及び図6に示す態様に限られるものではなく、例えば図9(a)(b)に示すように、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cにつながるトナー補給ダクト43a〜43cを、中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する両端部外方のうち装置筐体20の奥側に設け、対応する現像装置34a〜34cに連通接続する一方、K用トナーカートリッジ41dにつながるトナー補給ダクト43dを、中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する両端部外方のうち装置筐体20の奥側に設け、対応する現像装置34dに連通接続するようにしてもよい。
但し、本態様においては、K用トナー補給ダクト43dが例えばMC用トナーカートリッジ41b,41cのセット位置に跨った位置に配設される状況が起こり得るが、このような場合には、例えば図9(a)に仮想線で示すように、K用トナー補給ダクト43dと干渉しない位置に変位させた状態で着脱操作を行った後、図9(a)に実線で示すセット位置にセットする等、MC用トナーカートリッジ41b,41cの着脱操作に支障をきたさないように対応することが好ましい。
【0042】
また、本実施の形態では、中間転写ベルト50が各画像形成ユニット30の上方領域に配置されているため、画像形成ユニット30の例えば現像装置34からのトナー浮遊等による機内汚染に起因する画質劣化が防止され、一層画質の安定した画像形成が確実に実現されている。
特に、本実施の形態では、作像エンジン21は全体として斜め配置されているため、作像エンジン21の図8中左右方向の寸法を短寸に選定することができ、その分、装置筐体20の設置面積を小さくすることができる。
更に、作像エンジン21は回転支軸55を中心に揺動自在になっているため、例えば二次転写部位を挟んだ箇所で記録材Sがジャムしたような場合には、作像エンジン21を回転支軸55を中心に下方側に揺動退避させるようにすれば、ジャム処理作業を行うことができる。
【0043】
更にまた、本実施の形態では、定着装置25は筐体中央Mc寄りに配置されているため、上部供給トレイ22からの定着装置25に至るまでの通常搬送経路24aの長さは比較的短く設定される。このため、作像エンジン21の二次転写部位と定着装置25の熱定着部HPとの間の距離が短くなり、作像エンジン21にて転写された記録材Sの未定着トナー像は比較的早いタイミングで定着装置25の熱定着部HPを通過し、定着される。従って、記録材Sが未定着トナー像を保持した状態で搬送される距離は少なく抑えられることになり、記録材Sの搬送過程で未定着トナー像が乱れるという懸念は有効に防止される。
更に、上部供給トレイ22から定着装置25に至るまでの搬送経路長が短くなるため、定着装置25と排出トレイ26や側方排出トレイとの間の距離を最小限に設計するようにすれば、FCOTを短くすることができる。
【0044】
特に、本実施の形態では、定着装置25は、筐体中央Mcよりも作像エンジン21の二次転写部位寄りに配置されているため、記録材Sが熱定着部HPを出た後に記録材Sの排出速度を上げることによってFCOTを更に短く設定できるばかりか、装置筐体20内スペースのうち定着装置25の下流側スペースを広く確保することができ、このスペースを利用してトナー補給装置40(40a〜40d)の各トナーカートリッジ41(41a〜41d)を定着装置25からある程度離間して配設することが可能になる。このため、トナーカートリッジ41内のトナーが定着装置25からの熱の影響を受け難い点で好ましい。
【0045】
また、本実施の形態では、上部供給トレイ22は作像エンジン21、定着装置25の上方に配設されるため、装置筐体20の上部領域に配置される。この状態では、ユーザーは、上部供給トレイ22への記録材Sの補給作業を立ち姿勢のまま行うことが可能であり、装置筐体20の下部領域にある供給トレイに対する記録材Sの補給作業に比べて、記録材Sの補給作業性を簡単にすることができる。
【0046】
更に、本実施の形態では、定着装置25はスタンバイモードを必要とする態様であるか否かを問わず広く適用可能であるが、スタンバイモードを必要としない態様である所謂インスタントオン型の定着装置25を用いると、以下のような点で好ましい。
すなわち、インスタントオン型の定着装置25を用いるようにすれば、画像形成動作時のみ発熱させることができるため、機内に不要な熱を発することなく、定着装置25稼働時の熱については上部供給トレイ22及びこの上部供給トレイ22内の記録材Sに吸収させることができる。このとき、定着装置25の周辺環境が熱気で異常に高温になることはないため、排熱のための排熱・排気ファンを設置する必要がない。この種の排熱・排気ファンを設置する場合には、装置筐体20に通気孔を開設する必要が生ずるため、この通気孔からの音漏れを引き起こす懸念があるが、この種のファンを設置しない態様であれば、画像形成装置の遮音効果をより一層高めることができる。
【0047】
ここで、インスタントオン型の定着装置25の代表的態様としては、例えば図10(a)に示すように、加圧ロール111と定着ベルト112とを接触転動可能に配設し、駆動ロール113、従動ロール114及びヒータ支持体116に支持されたヒータ115(例えば低熱容量の線状ヒータを使用)にて定着ベルト112を掛け渡し、かつ、前記ヒータ115と加圧ロール111との間で定着ベルト112をニップ搬送するようにしたものが挙げられる。
また、同型の定着装置25の別の態様としては、例えば図10(b)に示すように、加圧ロール121と定着ベルト122とを接触転動可能に配設し、加圧ロール121と定着ベルト122とのニップ域に対応した定着ベルト122内には弾性パッド123を配設する一方、図示外の駆動源にて前記加圧ロール121を駆動すると共に、定着ベルト122を従動させ、更に、定着ベルト122には基層、電磁誘導発熱層(電磁誘導作用による発熱作用を奏する材料、例えば銅、銀、アルミニウム又はこれに相当する耐熱性有機導電体など)、表面離型層を具備させ、定着ベルト122のニップ域の例えば反対側外側に加熱装置125を配設するようにしたものが挙げられる。ここで、加熱装置125としては、例えば定着ベルト122の湾曲形状に対応した形状を持つ台座126と、この台座126内の略中央に設置されるフェライト等の磁性コア127と、この磁性コア127に巻き回されて定着ベルト122の厚さ方向に向かって変動磁界を生成する励磁コイル128と、台座126の外側に向かう磁場を遮蔽する磁場遮蔽板129とを備えていればよい。
【0048】
また、本実施の形態においては、一つの上部供給トレイ22を備えているが、これに限られるものではなく、例えば上部供給トレイ22を複数設けるようにしたり、あるいは、図11に示すように、上部供給トレイ22に加えて、作像エンジン21の下方に下部供給トレイ23(例えば23a,23b)を設けるようにする等適宜選定して差し支えない。
本態様において、上部供給トレイ22や下部供給トレイ23は予め標準装備するようにしてもよいし、オプションにて適宜付加するものであってもよい。
例えば図11に示す態様にあっては、記録材Sの搬送経路24として、更に、第1下部供給トレイ23aからの記録材Sを通常搬送経路24aに導く接続搬送経路24cと、第2の下部搬送経路23bからの記録材Sを接続搬送経路24cに導く接続搬送経路24dとを具備させ、適宜搬送ロール85を配設するようにすればよい。尚、図11に示す態様のうち、図2に示す構成要素と同様な構成要素については同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0049】
図11に示す態様にあっては、図2に示す態様と略同様な作用を奏するほか、作像エンジン21の上下に上部供給トレイ22及び下部供給トレイ23を分離配設するようにしたため、以下のような独自の作用をも奏する。
つまり、定着装置25の上下は上部供給トレイ22、下部供給トレイ23で囲まれているため、定着装置25の熱気が装置筐体20の上下からも外部に漏れ難い。このため、定着装置25の熱エネルギが不必要に消費される事態は有効に抑えられ、定着装置25の熱エネルギ効率が更に向上する。
更に、本態様では、上部供給トレイ22に使用頻度の高い記録材Sを収容するようにすれば、上部供給トレイ22に対する記録材Sの補給作業回数は下部供給トレイ23bに比べて多くなり、その分、全体として記録材Sの補給作業性を良好に保つことができる。
更にまた、本態様では、作像エンジン21の下方に下部供給トレイ23を配設するようにしたので、画像形成装置の重心位置が低く設定される。このため、画像形成装置稼働時に画像形成装置が不必要に振動することはなく、安定的に設置される。
【0050】
◎実施の形態2
図12(a)(b)は実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様に、中間転写型の作像エンジン21(各色成分画像形成ユニット30(30a〜30d)+中間転写ベルト50)の直上領域に定着装置25を配設し、中間転写ベルト50の定着装置25の反対側に各画像形成ユニット30を配設したものであるが、各現像装置34(34a〜34d)に対してトナー補給を行うトナー補給装置40(40a〜40d)の構成が実施の形態1と異なるものになっている。
【0051】
本実施の形態において、トナー補給装置40(40a〜40d)はYMCKの各色成分トナーカートリッジ41(41a〜41d)を有し、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cは中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向に延びる筒状容器からなり、中間転写ベルト50の上方に略水平方向に並列配置され、一方、K用トナーカートリッジ41dは、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cより大きな容量の筒状容器であり、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cの平面投影領域に及んだ状態で、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cに対し図示外の装置筐体手前側にて略直交配置されている。
そして、各トナーカートリッジ41(41a〜41d)は、図示外のリザーブタンクを経由して夫々トナー補給ダクト43(43a〜43d)を通じて各現像装置34(34a〜34d)に連通接続されている。そして、本例では、各トナー補給ダクト43(43a〜43d)は中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向の端部(本例では装置筐体手前側端部)外方に設けられている。
更に、本実施の形態では、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cは装置筐体の手前側にて着脱操作可能であり、一方、K用トナーカートリッジ41dは装置筐体側方にて着脱操作可能になっている。
【0052】
従って、本実施の形態にあっても、実施の形態1と略同様な作用を奏するものであり、各トナーカートリッジ41からのトナーは図示外のリザーブタンク、トナー補給ダクト43を介して各現像装置34に補給される。
このような動作過程において、K用トナーカートリッジ41dはYMC用トナーカートリッジ41a〜41cの上方に位置し、かつ、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cの平面投影領域に及んだ状態で配設されており、また、各トナーカートリッジ41は定着装置25から十分に離間した位置に配設されている。このため、各トナーカートリッジ41の設置スペースを低減でき、しかも、各トナーカートリッジ41のトナーブロッキングを有効に防止することができる。
【0053】
尚、本実施の形態において、各トナーカートリッジ41は図12に示すレイアウトに限られるものではなく、例えば図13(a)(b)に示すように、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cを並列配置し、このYMC用トナーカートリッジ41a〜41cと中間転写ベルト50との間にK用トナーカートリッジ41dを配設するようにしてもよい。
本態様においては、各トナーカートリッジ41につながるトナー補給ダクト43のレイアウトについては、例えばYMC用トナーカートリッジ41a〜41cにつながるトナー補給ダクト43a〜43cは中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向の一端部(本例では装置筐体奥側端部)外方に設けられ、一方、K用トナーカートリッジ41dにつながるトナー補給ダクト43dは中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向の他端部(本例では装置筐体手前端部)外方に設けられており、各トナー補給ダクト43が相互に干渉しないようになっている。
【0054】
◎実施の形態3
図14(a)(b)は実施の形態3に係る画像形成装置の画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態2と略同様であるが、実施の形態2と異なるトナー補給装置40(40a〜40d)を備えている。
すなわち、本実施の形態において、トナー補給装置40はYMCKの各色成分トナーカートリッジ41(41a〜41d)を備えているが、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cは中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向に延びる筒状容器であり、中間転写ベルト50の上部傾斜面に沿って並列配置される一方、K用トナーカートリッジ41dは、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cよりも大きな容量の筒状容器であり、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cの背面側にてYMC用トナーカートリッジ41a〜41cに対して略直交配置され、しかも、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cの正面投影領域に及んだ状態で配置されている。
更に、本実施の形態では、YMC用トナーカートリッジ41a〜41cにつながるトナー補給ダクト43a〜43cは中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向の一端部(本例では装置筐体手前側端部)外方に設けられ、一方、K用トナーカートリッジ41dにつながるトナー補給ダクト43dは中間転写ベルト50のプロセス進行方向に直交する方向の他端部(本例では装置筐体奥側端部)外方に設けられている。
従って、本実施の形態では、K用トナーカートリッジ41dはYMC用トナーカートリッジ41a〜41cの正面投影領域に及んだ状態で非並列配置されているため、全トナーカートリッジ41の正面から見た設置スペースはYMC用トナーカートリッジ41a〜41cの設置スペースで略対応することが可能になり、各トナーカートリッジ41は定着装置25との間の距離を十分に確保した状態で配設可能である。このため、各トナーカートリッジ41のトナーブロッキングは有効に防止することができ、各現像装置34に各トナーを安定的に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成ユニットの詳細を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられるトナー補給装置の詳細を示す斜視説明図である。
【図5】各色成分トナー補給装置と各現像装置との関係を示す正面説明図である。
【図6】図5の平面説明図である。
【図7】実施の形態1で用いられる定着装置の詳細を示す説明図である。
【図8】実施の形態1に係る画像形成装置の作用を模式的に示す説明図である。
【図9】(a)は実施の形態で用いられる各トナー補給装置の変形形態を示す説明図、(b)はその平面説明図である。
【図10】(a)(b)はインスタントオン型の定着装置例を示す説明図である。
【図11】実施の形態1に係る画像形成装置の変形形態を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態2に係る画像形成装置の要部を模式的に示す説明図、(b)はその平面説明図である。
【図13】(a)は実施の形態2に係る画像形成装置の変形形態を示す説明図、(b)はその平面説明図である。
【図14】(a)は実施の形態3に係る画像形成装置の要部を模式的に示す説明図、(b)はその平面説明図である。
【図15】従来例の画像形成装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1…作像エンジン,2…上部供給トレイ,4…搬送経路,5…定着装置,5a…熱定着部,6…画像形成装置筐体,7(7a〜7d)…像形成担持体,8…中間転写体,9(9a〜9d)…現像装置,10(10a〜10d)…トナー補給装置,11(11a〜11d)…トナーカートリッジ,12(12a〜12d)…補給ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各色成分トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの直上領域に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を熱定着する定着装置とを備えた画像形成装置であって、
作像エンジンは、各色成分トナー像を形成担持する一若しくは複数の像形成担持体と、
この像形成担持体と定着装置との間に設けられ、像形成担持体上のトナー像を記録材へ転写する前の中間段階で一時的に転写保持する中間転写体と、
各色成分トナーが収容され且つ像形成担持体上に形成された各色成分静電潜像を対応する色成分トナーにて可視像化する複数の現像装置と、
各現像装置に対応して設けられ且つ各色成分トナーを補給する複数のトナー補給装置とを備え、
各トナー補給装置は、中間転写体を挟んで現像装置の反対側に着脱自在に設けられ且つ各色成分トナーが夫々補給可能に収容される複数のトナーカートリッジを有し、
複数のトナーカートリッジのうち少なくとも一つを除く他のトナーカートリッジを並列配置すると共に、この並列関係にあるトナーカートリッジの投影領域に及んだ状態で前記少なくとも一つのトナーカートリッジを非並列配置し、
中間転写体のプロセス進行方向に直交する方向の端部外方にて各トナーカートリッジ側補給口と各現像装置側補給口との間を略直線的な補給ダクトにて連通接続することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
非並列配置されたトナーカートリッジは、並列関係にあるトナーカートリッジに対し鉛直方向に変位していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
非並列配置されるトナーカートリッジは、並列関係にあるトナーカートリッジよりも容量の大きいものを含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、
非並列配置されるトナーカートリッジは、少なくとも定着装置寄りに位置する並列関係にあるトナーカートリッジと定着装置との間の距離以上定着装置から離間配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、
非並列配置されたトナーカートリッジは、並列関係にあるトナーカートリッジと略平行配置されるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において、
各トナーカートリッジは、同じ側から着脱操作可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
非並列配置されたトナーカートリッジは、並列関係にあるトナーカートリッジと略直交配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、
並列関係にあるトナーカートリッジはプロセス進行方向に直交する方向から着脱操作可能であり、非並列配置されるトナーカートリッジはプロセス進行方向と平行な方向から着脱操作可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1記載の画像形成装置において、
並列関係にあるトナーカートリッジにつながる補給ダクトは、非並列配置されたトナーカートリッジにつながる補給ダクトの配設位置と異なる側に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置のうち、各トナーカートリッジが同じ側から着脱操作可能である態様において、
非並列配置されたトナーカートリッジにつながる補給ダクトは、各トナーカートリッジの着脱操作側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9記載の画像形成装置のうち、各トナーカートリッジが同じ側から着脱操作可能である態様において、
並列関係にあるトナーカートリッジにつながる補給ダクトは、各トナーカートリッジの着脱操作側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着装置は、少なくとも画像形成装置筐体の側壁に比べて中央寄りに位置する熱定着部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着装置は、画像形成装置筐体の中央位置より作像エンジンの転写部位寄りに配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1記載の画像形成装置において、
作像エンジン及び定着装置の上方に配設されて記録材が供給可能に収容される上部供給トレイを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項1記載の画像形成装置において、
中間転写体はベルト部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15記載の画像形成装置において、
ベルト部材からなる中間転写体は、記録材への転写部位と定着装置の熱定着部とを略水平に配置すべく、定着装置から離間して張架されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項16記載の画像形成装置において、
ベルト部材からなる中間転写体は、記録材への転写部位が高くなるように画像形成装置筐体に対して傾斜配置されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−91522(P2006−91522A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277902(P2004−277902)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】