説明

画像形成装置

【課題】用紙トレイの操作性を損ねることなく、用紙トレイ上の用紙の発火を消火する。
【解決手段】装置本体100a内に所望の記録媒体Pを供給する手差しトレイ254が装置本体に対して傾斜支持されている画像形成装置100であって、手差しトレイに載置された記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを検出する過熱温度検出手段263と、過熱温度到達箇所に消火剤を散布する消火手段268と、記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを加熱温度検出手段が検出した際に、消火手段を作動させる消火作動手段263a、264と、を備え、過熱温度検出手段は、記録媒体が所定の過熱温度に到達した際に、手差しトレイに含まれるバイメタルが熱変形で屈曲することによって、所定の過熱温度に到達したことを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、手差しトレイに載置された記録媒体となる用紙類に装置外からの類焼による火災発生の抑制・防止に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ、およびこれらの各種機能を備えるいわゆる複合機等の画像形成装置においては、手差しトレイや排紙トレイは、画像形成装置の外部に用紙の載置面を有するので、当該トレイ上に載置された用紙は、画像形成装置の外部に露出することとなる。このため、用紙トレイ近傍のタバコ等の画像形成装置の外部部の火元に起因する類焼の被害を受ける虞があり、万が一、用紙トレイ上の用紙が燃焼した場合では、当該類焼を速やかに消火することが火災防止等の上で好ましい。
【0003】
これら画像形成装置等の各種電子機器類で発生した火災の被害の防止・抑制するために、発生した火災を消火する装置として、特許文献1では、装置の筐体本体内の上部に消火剤を収容するケースを設け、当該筐体本体の内部温度が一定の高温に達すると、消火剤がケースから放出される電子装置用箱が開示されている。
【特許文献1】特開平8−204352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来から実施されている上述の装置では、消火剤は、落下により火災発生を消火するよう構成されており、落下しやすい状態にしようとして上面に消火剤を有する部材を配置すると、当該部材により用紙トレイが覆われてしまうため、用紙トレイに用紙を載置する際の操作性を損ねてしまう問題があり、操作性と安全性の両立が困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、従来の画像形成装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、用紙トレイの操作性を損ねることなく、火災を消火することの可能な、新規かつ改良された画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある実施の態様によれば、装置本体内に所望の記録媒体を供給する手差しトレイが装置本体に対して支持されている画像形成装置であって、手差しトレイに載置された記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを検出する過熱温度検出手段と、過熱温度到達箇所に消火剤を散布する消火手段と、記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを加熱温度検出手段が検出した際に、消火手段を作動させる消火作動手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0007】
このような構成とすることにより、手差しトレイ上の用紙が類焼等によって発火した場合に、加熱温度検出手段が消火作動手段に消火作用を施すように作動するから、速やかに当該発火を消火することが出来るので、当該発火による火災の拡大を防止できる。
【0008】
このとき、上記実施の態様において、過熱温度検出手段は、記録媒体が所定の過熱温度に到達した際に、手差しトレイに含まれるバイメタルが熱変形で屈曲することによって、所定の過熱温度に到達したことを検出することとしてもよい。特に、消火手段は、過熱温度検出手段の基端側端部に設けたトレイ側係合部が消火手段の端部に設けた消火手段側係合部と係合することによって、装置本体の手差しトレイが支持される側の側面に沿って直立状態で支持されており、消火作動手段は、過熱温度検出手段が熱変形で屈曲した際に、トレイ側係合部が消火手段側係合部から抜脱されることによって、消火手段を直立状態から手差しトレイに向けて傾倒させることとしてもよい。
【0009】
このような構成とすることにより、装置本体に電源が供給されていないオフ状態のときでも、手差しトレイ上の用紙が発火した際に、過熱温度検出手段となるバイメタルが熱変形することによって、消火作動手段を動作させることによる鎮火作用を付与することが出来る。
【0010】
このとき、上記実施の態様において、消火手段は、消火剤を手差しトレイの記録媒体の載置面に対向する側に、熱溶融性のシート部材を介して保持していることとしてもよい。
【0011】
このような構成とすることにより、手差しトレイ上の用紙が発火して消火作動手段によって、消火部材が直立状態から発火箇所に向けて傾倒することにより、発火箇所に当接したシート部材が熱融解して、消火剤を発火箇所に添付するようになるので、発火箇所に対して消化作用が確実に施せるようになる。
【0012】
このとき、上記実施の態様において、手差しトレイには、過熱温度検出手段に接続される熱伝導性を有する熱伝導部材が前記手差しトレイの広範囲に亘って内包されていることとしてもよい。
【0013】
このような構成とすることにより、手差しトレイの広範に亘って、類焼等の火災発生による温度上昇を効果的に過熱温度検出手段に伝達させるので、速やかに手差しトレイの消火作動手段を動作させることが出来るので、鎮火性能が向上する。
【0014】
このとき、上記実施の態様において、過熱温度検出手段には、手差しトレイに載置された記録媒体の温度変化を検知する温度センサが更に含まれ、装置本体には、温度センサにより記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを検出した際に、他の外部装置に通知する過熱温度到達通知手段が備わることとしてもよい。
【0015】
このような構成とすることにより、温度センサによって、手差しトレイ上の用紙が発火したことを通信回線で接続されているクライアントPC等の他の外部装置に通知することによって、当該外部装置のユーザ等が直接消火を実行可能となるので、発生した火災の被害を最小限に抑止され得るようになる。
【0016】
このとき、上記実施の態様において、手差しトレイは、装置本体に設けられた支持軸を中心に装置本体対して開閉可能な構成であり、過熱温度検出手段は、装置本体側に固定して設けられ、手差しトレイの内部には、熱伝導部材が手差しトレイの略全長に亘って長さ方向に設けられており、手差しトレイが装置本体に対して開状態の場合は、熱伝導部材が過熱温度検出手段と当接し、手差しトレイが装置本体に対して閉状態の場合は、熱伝導部材が過熱温度検出手段から離間することとしてもよい。
【0017】
このような構成とすることにより、手差しトレイの不使用時等に、手差しトレイを装置本体に対して折り畳んで、手差しトレイを立設状態に保持させることによって、利用スペースを縮小可能にして、省スペース化が図れるようになる。
【0018】
このとき、上記実施の態様において、装置本体には、消火手段を直立状態に支持するために、消火手段の端部に設けた消火手段側係合部と係合する可動係合部が備わり、消火作動手段には、手差しトレイに備わる温度センサにより記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを検出した際に、消火手段を直立状態から手差しトレイに向けて傾倒させるために、可動係合部が消火手段側係合部から抜脱するように可動係合部を駆動する抜脱駆動手段が備わることとしてもよい。
【0019】
このような構成とすることにより、温度センサが手差しトレイ上の用紙の発火を検出してから、可動係合部を消火部材側の第1係合部から抜脱するように駆動制御することによって、用紙への発火から消火部材が作動するまでの時間を短縮化し、火災の拡大を防止できるようになる。
【0020】
このとき、上記実施の態様において、温度センサおよび抜脱駆動手段には、装置本体に対して電力供給する本体側電源とは、別系統の電源から電力供給が行われることとしてもよい。
【0021】
このような構成とすることにより、例えば、深夜等に画像形成装置の装置本体の電源スイッチがオフ状態時に、手差しトレイ上の用紙が発火しても、画像形成装置の制御手段が温度センサで発火を検出し、抜脱駆動手段となるソレノイドを動作させて、消火部材を作動させるソレノイドを駆動させて、消火作用を施せる。
【0022】
このとき、上記実施の態様において、手差しトレイおよび消火手段は、一つのフレーム部材に収容されるように設けられ、フレーム部材は、装置本体に対して着脱可能な構成であることとしてもよい。
【0023】
このような構成とすることにより、手差しトレイおよび消火部材が装置本体に対して着脱可能なフレーム部材に収容されるように一体的に支持されるように設けられるので、画像形成装置に対する手差しトレイおよび消火部材の着脱が容易に行えるようになる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、手差しトレイ上の用紙が類焼等によって発火した際に、画像形成装置に具備した消火部材が作動することによって、速やかに当該発火を消火することが出来るので、当該発火による火災の拡大を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の画像形成装置をMFPに適用した第1の実施の形態の構成について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す全体構成図である。
【0027】
本実施の形態では、画像形成装置100は、上部に画像読取部110、中央部に画像形成部210、下部に用紙給紙部250を配置するいわゆるフロントアクセス可能なビルドアップ方式の構成となっている。この画像形成装置100の上面に配置された透明ガラス体の原稿台111上には、原稿セットトレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿台111上へ給送する自動原稿搬送装置112が設けられている。また、画像形成部210の一方の側面に後処理ユニット260が装着されていると共に、用紙給紙部250の下方に載置台を兼ねた多段給紙ユニット270が配置されている。
【0028】
原稿台111の下方に位置する画像読取部110は、第1の走査ユニット113、第2の走査ユニット114、光学レンズ115、光電変換素子であるCCDラインセンサ116を有し、自動原稿搬送装置112との関連した動作により、原稿台111上に載置された原稿の画像を所定の露光位置において相対的に走査して読み取る。第1の走査ユニット113は、原稿面上を露光する光源ランプ1aを備える光源ランプユニット1、および原稿からの反射光像を所定の方向に反射させる第1ミラー2aを搭載している。光源ランプユニット1の照射光量は、光量センサ3(図2参照)によって検出される。第2の走査ユニット114は、第1ミラー2aで反射された原稿からの反射光を光電変換素子であるCCDラインセンサ116に導く第2ミラー2bおよび第3ミラー2cを搭載している。光学レンズ115は、原稿からの反射光をCCDラインセンサ116の受光面に結像させる。
【0029】
画像形成部210は、感光体ドラム222を所定の電位に帯電させる帯電器223、原稿読取部110または不図示の外部装置から転送された画像データに応じてレーザ光を出射して感光体ドラム222上に静電潜像を形成するレーザスキャンユニット( Laser Scanning Unit;以下、LSUと称する。 )227、感光体ドラム222上に形成された静電潜像に現像ローラ228を介してトナーを供給してトナー像に顕像化する現像器224、感光体ドラム222上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写器225、転写工程後の感光体ドラム222上に残留したトナー等を回収するクリーニング器226、転写工程後の感光体ドラム222から用紙を剥離する剥離器229を備え、所望の画像データに基づいて形成されたトナー像を被転写体となる用紙上に転写して印字処理する。
【0030】
LSU227は、内部に画像データによって変調されたレーザ光を照射する半導体レーザ11、および回転によってレーザ光を主走査方向に偏光するポリゴンミラー12を不図示のレンズ群等と共に備えている。ポリゴンミラー12は、モータ13によって駆動される。モータ13の回転速度は、速度センサ14によって検出される。
【0031】
画像形成部210には、トナー像が転写された用紙を加熱および加圧して用紙上にトナー像を定着させる定着装置となる定着ユニット217が設けられている。定着ユニット217は、上側の加熱ローラ21と下側の加圧ローラ22との一対のローラを備えている。加熱ローラ21は、ヒータ21aを備え、加熱ローラ21の温度は、温度センサ23によって検出される。また、定着ユニット217の排出側には、用紙の両面に画像を形成する両面画像形成モード時に用紙の前後を反転させるスイッチバック路221が形成されている。
【0032】
定着ユニット217においてトナー像が定着された用紙は、必要に応じてスイッチバック路221を経てから排紙ローラ219によって後処理装置260へと導かれ、この後処理装置260でステープル処理や穿孔処理等の後処理が施された後に、トレイ261上に排出される。
【0033】
用紙給紙部250は、装置本体100aの側面に装着された手差トレイ254、両面ユニット255、給紙トレイ251と多段給紙ユニット270に備えられた給紙トレイ252、253を備え、これらの給紙トレイ251〜254は、複数枚の用紙を積層して収納する。また、用紙給紙部250は、給紙トレイ251〜254に積載収容された用紙Pを最上層から1枚ずつピックアップして、画像形成部210に向かって給紙するピックアップローラ(給紙ローラ)256、給紙した用紙を画像形成部210における感光体ドラム222と転写器225との間の転写位置へと搬送する複数の搬送ローラ258、および搬送させた用紙が当該転写位置への給紙前に当該搬送用紙の先端と感光体ドラム222上のトナー像との位置合わせを行うレジストローラ257等の搬送手段を備えている。両面ユニット255は、用紙を反転させるスイッチバック路221に通じており、両面画像形成モード時に表裏面が反転された用紙を一時貯留する。なお、両面ユニット255は、通常の給紙トレイと交換可能にされている。
【0034】
次に、本実施の形態の画像形成装置の電気的構成について、図面を使用しながら説明する。図2は、本実施の形態の画像形成装置の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【0035】
画像形成装置100は、当該装置全体の制御手段として、当該各機能部を制御するための制御プログラムを記憶しているROM( Read Only Memory )42およびRAM( Random Access Memory )43を備えたメインCPU( Central Processing Unit )41を備える。そして、メインCPU41には、画像メモリ44、画像処理回路48、HDD( Hard Disk Drive )54、通信部50、検出部51、NIC53、入力操作手段となる操作パネル70、無線通信部52、画像形成部側サブCPU60、および原稿読取部側サブCPU61が接続され、メインCPU41は、これらの各機能部の動作を制御している。
【0036】
メインCPU41は、不図示の電源から電力が供給されると、ROM42に予め書き込まれたプログラムに従って、メインCPU41に接続された画像形成装置100内の各入出機器を統括して制御しながら、当該各入出力機器の処理動作を実行し、この間に入出力される印字データ等の各種データをRAM43の所定のメモリエリアに一時記憶して、ROM42から読み出されたプログラムを実行する。画像処理回路48から出力された画像データは、画像メモリ44に記憶され、リモートの情報処理装置となるクライアントPC55から送信された印字データやパスワードは、HDD54に記憶される。
【0037】
操作パネル70は、本実施の形態では、不図示の入力キーおよび液晶表示パネルを備えており、画像形成装置100の使用状態や利用可能な用紙サイズ、複写倍率等の各種データの表示を行うと共に、入力キーによってユーザの操作を受け付けることができる。操作パネル70に含まれる液晶表示パネルは、液晶画面に触れることで入力が可能な液晶タッチパネルとしても良い。また、ユーザは、操作パネル70の入力キーを用いて、親展印字データ等の各種印字データの印字処理の実行を許可するためのパスワードを入力する。
【0038】
画像処理回路48は、LAN等の通信回線N10を介して接続された情報処理装置であるクライアントPC55から送信された印字データを印字出力可能に展開処理する機能を有する。画像処理回路48において、印字出力可能となるように展開処理された印字データは、画像メモリ44に一時的に記憶され、その後、画像形成部210に送信されて、当該画像形成部210で印字処理される。
【0039】
通信部50は、USBメモリ等の着脱可能な外部記憶機器30とメインCPU41とでデータ通信を実行する機能を有しており、外部記憶機器30が通信部50に接続されているか否かを検出部51で検出する。一方、無線通信部52は、無線LAN等であり、ノートPC等の無線通信可能な装置と無線通信を実行する。
【0040】
NIC53は、A Network Interface Cardの略称であり、クライアントPC55と通信回線N10を介してネットワーク通信を行うための拡張カード等の通信手段である。画像形成装置100は、当該NIC53を介して、クライアントPC55から転送される印刷ジョブに含まれる印字データに基づいて印字処理を実行するか、または原稿読取部110での原稿読取によって得た画像データをクライアントPC55に転送を実行する。
【0041】
NIC53には、通信回線N10を介して、LAN等のネットワーク環境において、NIC53には、通信回線N10を介して、後述の装置内外に設けられた各温度センサ57、58による検出温度をリモートな遠隔地で記録する管理サーバ56が接続されており、画像形成装置100と通信を行う。
【0042】
本実施の形態では、メインCPU41は、手差しトレイ254に内包された装置外温度センサ58で異常温度を検出するとNIC53を介して管理サーバ56宛に異常事態を通報する。また、通信回線N10には、複数のMFP等の画像形成装置が接続されており、本実施の形態の画像形成装置100と同様に管理サーバ56とデータ通信を行う。
【0043】
画像形成部210は、画像形成部側サブCPU60によって制御され、ヒータ21a、温度センサ23、画像形成部側ドライバ47、A/D変換器62を含む。温度センサ23は、定着ユニット217において加熱ローラ21の温度を検出して、温度データを当該サブCPU60に出力する。画像形成部側ドライバ47は、画像形成部側サブCPU60から出力された制御データに基づいて、定着ユニット217の加熱ローラ21に内蔵されたヒータ21aを駆動する。
【0044】
メインCPU41は、第1の復帰処理として、画像形成部側サブCPU60に所定のウォームアップコマンドを送信する。メインCPU41から所定のウォームアップコマンドを画像形成部側サブCPU60が受信すると、画像形成部側サブCPU60は、ヒータ21aに通電し、温度センサ23から得られる温度情報を基に、ヒータ21aによって加熱される加熱ローラ21の表面温度を所定の温度に一定化するように、ヒータ21aの通電を制御する。画像形成部側サブCPU60は、加熱ローラ21の表面が所定温度に到達した場合に、画像形成処理が可能な状態(定着レディ状態)に達したと判断して、メインCPU41に当該状態に達した旨を通知する。
【0045】
原稿読取部110は、原稿読取部側サブCPU61によって制御され、光源ランプ1a、光量センサ3、原稿読取部側ドライバ45、A/D変換器63を含む。光量センサ3は、光源ランプユニット1の光源ランプ1aが照射した光の光量を検出して、A/D変換器63を介して、検出した光量データを原稿読取部側サブCPU61に入力する。原稿読取部側ドライバ45は、原稿読取部側サブCPU61から出力された制御データに基づいて、光源ランプユニット1の光源ランプ1aを駆動する。
【0046】
メインCPU41は、第2の復帰処理として、原稿読取部側サブCPU61に所定のウォームアップコマンドを送信する。原稿読取部側サブCPU61は、メインCPU41より所定のウォームアップコマンドを受信すると、光源ランプ1aに通電し、光量センサ3から得られる光量情報を基に、光源ランプ1aの光量が所定の光量に一定化するように、光源ランプ1aの通電を制御する。原稿読取部側サブCPU61は、光源ランプ1aの光量が所定の光量に到達した場合に、原稿読取処理が可能な状態(読取レディ状態)に達したと判断して、メインCPU41に当該状態に達した旨を通知する。
【0047】
なお、画像形成部側サブCPU60、原稿読取部側サブCPU61には、上記以外にも、画像形成部210、原稿読取部110内にそれぞれ備わる不図示のモータ、クラッチ、ソレノイド、およびセンサ等の画像形成処理時、原稿読取処理時に動作する各種入出力機器が接続されている。画像形成部側サブCPU60、原稿読取部側サブCPU61は、画像形成処理時、原稿読取処理時に、それぞれ所定のタイミングで温度センサ23、光量センサ3の検出データを読み取り、当該検出データに応じて、画像形成部210、原稿読取部110内に備わるそれぞれのモータ等を駆動させる。
【0048】
また、本実施の形態では、画像形成装置100の装置内に装置内温度センサ57、装置外に装置外温度センサ58を設けており、これらの温度センサ57、58は、メインCPU41に接続している。装置外温度センサ58は、前述したように、手差トレイ254内に設けられている。
【0049】
装置内温度センサ57は、画像形成動作時においては、感光体や現像剤の温度特性を補償して良好な印字品位が得られるように、感光体表面電位や現像バイアス電位等の各種プロセス条件を制御するために利用する。そのため、装置内温度センサ57は、感光体ドラム222に近接して設けられる。
【0050】
一方、装置外温度センサ58は、画像形成装置100の外気温や手差しトレイ254の用紙載置面側の温度を測定する。また、装置外温度センサ58により手差しトレイ254に載置された用紙Pに類焼等によって火災が発生して異常な昇温を検出した場合、メインCPU41は、NIC53を介して、外部の機器に異常事態を通知する。なお、装置外温度センサ58の機能等の詳細な説明は、後述する。
【0051】
<コピーモードの場合>
次に、本実施の形態の画像形成装置100におけるコピーモード時の印字処理について説明する。なお、本文中で定義するコピーモードは、原稿の画像を読み取る画像読取処理、および読み取った画像を用紙上に複写する画像形成処理を含む。
【0052】
コピーモード時には、原稿読取部110の原稿台111上に複写対象の原稿が載置された後に、ユーザが操作パネル70の条件入力キーで所望の複写枚数や複写倍率等のデータを入力した後に、スタートキーを押下すると画像読取処理および画像形成処理を含むコピー動作が開始される。
【0053】
このようにして処理を開始する画像形成装置100は、まず、スタートキーが押されると、略同時に図示しないメイン駆動モータが始動し、各駆動ギヤが回転する。その後、給紙ローラ256が回転して用紙が給紙され、給紙された用紙は、搬送経路内をレジストローラ257まで搬送される。ここで、用紙は、感光体ドラム222上の画像先端部と同期を取るために一時停止し、用紙の先端部は、均一にレジストローラ257に押しつけられて用紙の先端位置の補正が行なわれる。
【0054】
原稿読取部110において、原稿読取中の画像情報は、光源ランプユニット1の光源ランプ1aが点灯し、走査ユニット113が所定の方向へ移動することによって、露光走査が開始され、光源ランプユニット1から照射された光の原稿画像面における反射光がミラー2a〜2cおよび光学レンズ115を経由してCCD116に受光され、画像情報として読み取られる。読み取られた画像情報は、画像処理回路48において、デジタルデータである画像データに変換される。デジタルデータに変換された画像データは、設定された条件で画像処理が施されて、画像メモリ44に一旦記憶された後に、LSU227に画像データとして供給される。
【0055】
所定速度で回転する感光体ドラム222の表面は、帯電ユニット223からの電荷の付与を受けて、所定の帯電電位に均一に帯電される。LSU227は、メインCPU41から供給された画像データに基づいて半導体レーザ11を駆動し、画像データによって変調されたレーザ光を所定速度で回転するポリゴンミラー12を介して、感光体ドラム222の表面に照射する。LSU227によるレーザ光の照射により、感光体ドラム222の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム222の表面には、現像ユニット224からトナーが供給されて、静電潜像がトナー像に顕像化される。
【0056】
被転写体となる用紙は、感光体ドラム222の回転に同期して回転を開始するレジストローラ256によって、感光体ドラム222と転写器25との間に搬送されて、転写器225によって感光体ドラム222の表面に担持されているトナー像の転写を受ける。感光体ドラム222の表面に残留したトナーは、紙粉等と共にクリーナ226によって除去されてから回収される。
【0057】
その後、トナー像の転写を受けた用紙は、定着ユニット217に搬送されて、加熱ローラ21と加圧ローラ22との間に有する定着ニップ部を通過する間に加熱・加圧処理を受ける。用紙上に転写したトナー像は、これら一対のローラ21、22による加熱および加圧によって溶融し、用紙表面に堅牢に定着する。転写されたトナー像が定着した用紙は、排紙ローラ219を介して後処理装置260に排出されて、コピーモード時の印字処理が終了する。
【0058】
<プリントモードの場合>
画像形成装置100は、リモートの情報処理装置であるクライアントPC55からNIC53を介して入力される印刷データや、通信部50を介して接続される外部記憶機器30に記憶されている画像データを画像形成部210が備えるLSU227に転送し、LSU227に画像データとして供給された後は、前述したコピーモード時と略同様に印字処理を実行する。
【0059】
次に、本実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの特徴部の構成について、図面を使用しながら詳細に説明する。図3は、本実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図である。
【0060】
手差しトレイ254は、装置本体100a内の給紙トレイ251、252、253に収納不能な不定形サイズ用紙や表面コート紙等の利用頻度の少ない用紙や、PET樹脂等からなるフィルムシート等の記録媒体を画像形成装置100の画像形成部210に給紙するために使用される。手差しトレイ254に載置された用紙Pは、装置本体100a内に設けられた用紙取込機構280によって、装置本体100a内の不図示の用紙搬送路に供給される。
【0061】
本実施の形態では、図3に示すように、手差しトレイ254は、頂部側に斜面100b1が形成された手差しトレイ支持部100bによって、装置本体100aに傾斜支持固定され、画像形成装置100に供給する所望の用紙Pを載置できるように構成されている。
【0062】
本実施の形態の画像形成装置100は、手差トレイ254内に所定の過熱温度に到達した際に、熱変形するバイメタルから形成される過熱温度検出部263を内包させていること、および手差しトレイ254が支持される側の装置本体100aの側面100a1に消火剤267を外側に向けて備える消火部材268を設けることを特徴とする。
【0063】
手差しトレイ254には、バイメタルから形成される過熱温度検出部263が当該手差しトレイ254の長さ方向に沿って内包されている。当該過熱温度検出部263を構成するバイメタルは、例えば、鉄とニッケルの合金に、マンガン、クロム、銅等を添加して2種類の熱膨張率の異なる金属板を形成し、これらの金属板を冷間圧延で貼り合わせることによって、形成される。
【0064】
前述したように、手差しトレイ254の先端側には、装置外温度センサ58が内包されており、画像形成装置100の外気温や手差しトレイ254の用紙載置面側の温度変化を検知する。
【0065】
それに対して、手差しトレイ254の基端側、換言すると、過熱温度検出部263の装置本体側に有する基端側には、消火部材268の端部268bに固定して設けられている本体側係合部となる略カギ形状の第1係合部264と係合するように、屈曲した形状で形成されたトレイ側係合部となる第2係合部263aが備わる。本実施の形態では、消火部材268に設けられている第1係合部264が過熱温度検出部263の基端側に形成された第2係合部263aと係合することによって、消火部材268が鉛直方向に直立支持されるようになる。
【0066】
消火部材268は、手差しトレイ254が支持される側の装置本体100aの側面100a1に対して、消火部材支持軸268aを介して回動自在に設けられている。通常時では、消火部材268は、装置本体100aの側面100a1に沿うようにして、鉛直方向に直立するようにして設けられている。また、消火部材268は、リン酸二水素アンモニウムまたは炭酸水素ナトリウムの粉末消火剤等からなる消火剤267を消火部材268の外側、すなわち、手差しトレイ254の用紙Pの載置面側に対向する側に備える。消火剤267は、熱溶融性の樹脂から形成される消火剤保持手段となるシート部材266を介して消火部材268に固定されている。
【0067】
このように、所定の過熱温度に到達した際に熱変形して屈曲するバイメタルからなる過熱温度検出部263を手差しトレイ254の長さ方向の略全長に至って内包することによって、手差しトレイ254に載置された用紙類に類焼等の火災が発生した場合に、手差しトレイ254の温度が上昇することによって、過熱温度検出部263が屈曲する。当該屈曲によって、過熱温度検出部263の基端側に形成された第2係合部263aが第1係合部264から抜脱されて、消火部材268が手差しトレイ254に向かって直立状態から傾斜状態に傾倒する。このため、消火剤267をシート部材266で固定した消火部材268が火災発生箇所に当接すると、消火剤267を保持するシート部材266が発火箇所の熱によって融解するので、発火箇所に消火剤267を散布させて、発火箇所の消火が実行されるようになる。このような作用・効果をより顕著に奏するためには、過熱温度検出部263は、用紙Pと接触する載置面側となる手差しトレイ254の表側に含まれている方が用紙発火時の熱がより伝わり易くなるので、好適である。なお、本実施の形態における手差しトレイ254の消火作用の詳細については、後述する。
【0068】
一方、用紙取込機構280は、図3に示すように、手差しトレイ254に載置された用紙Pを装置本体100aの内部に備わる不図示の用紙搬送路に送り込むために、用紙Pを取り込むピックアップローラ281と、このピックアップローラ281によって取り込まれた用紙Pを1枚ずつ分離してから当該用紙搬送路に導入する一対の対峙するローラからなるサバキローラ282とを備える。
【0069】
ピックアップローラ281は、図3に示すように、ピックアップアーム283に回転可能に支持されている。このピックアップアーム283は、図4に示すように、所定方向移動手段となるソレノイド284によって、手差しトレイ254に載置された用紙Pの最上位面に対して、上下方向に離接するように移動可能となっている。
【0070】
すなわち、ピックアップローラ281の非作動時には、図4に示すように、ソレノイド284によって、ピックアップアーム283が上昇して、ピックアップローラ281を用紙Pの最上位面から離間している状態(ホームポジション)に移動させる。それに対して、手差しトレイ254からの用紙搬送が開始されるピックアップローラ281の作動時には、図5に示すように、ピックアップローラ281が用紙Pの最上位面と当接するように、ソレノイド284によって、ピックアップアーム283が下降し、ピックアップローラ281を用紙Pに接触させて用紙Pを繰り出す状態にする。
【0071】
ピックアップローラ281が用紙Pの最上位面と当接した後に、ピックアップローラ281は、駆動手段となる繰り出し給紙モータ285によって、手差しトレイ254上の用紙Pをサバキローラ282の方向に繰り出す方向に回転駆動する。これによって、ピックアップローラ281が必ず手差しトレイ254上の積載用紙Pの最上位面に当接して、ピックアップローラ281の回転駆動力で用紙Pを装置本体内に給紙するようになる。
【0072】
サバキローラ282は、装置本体100aの用紙搬送路の導入部側に設けられており、駆動手段となる繰り出し給紙モータ285が手差しトレイ254から送り込まれた用紙Pを装置本体100aに繰り出す方向に回転駆動することによって、ピックアップローラ281から取り込まれた用紙Pを1枚ずつ分離しながら用紙搬送路に供給する。なお、本実施の形態では、ピックアップローラ281およびサバキローラ282の駆動手段として、共通の繰り出し給紙モータ285が使用されているが、各ローラ281、282それぞれ別個の駆動手段を使用してもよい。
【0073】
次に、本実施の形態の画像形成装置の手差しトレイ上に載置された用紙に発生した火災を消火する動作について、図面を使用しながら説明する。図6は、本実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイ上の用紙が発火した状態を示す図であり、図7は、本実施の形態の手差しトレイ中の過熱温度検出部が温度上昇により屈曲して、第1係合部と第2係合部の係合が外れた状態を示す図であり、図8は、第2係合部が第1係合部から抜脱して、消火部材が直立状態から傾斜状態に倒れた状態を示す図である。
【0074】
図6に示すように、手差しトレイ254から用紙Pを搬送中に、手差しトレイ254に載置された用紙Pがタバコ等の火元に起因する類焼の被害を受けて火災F1が発生した場合に、手差しトレイ254に内包された過熱温度検出部263は、所定の過熱温度に到達すると、図7に示すように、熱変形して屈曲するようになる。過熱温度検出部263の屈曲によって、当該過熱温度検出部263の基端側に有する第2係合部263aが装置本体100a側に回動自在に備わる消火部材268の端部268aに固定して設けられる第1係合部264から抜脱する。
【0075】
過熱温度検出部263の基端側に設けた第2係合部263aが第1係合部264と係合して、消火部材268が略鉛直方向に直立した状態に保持されており、第2係合部263aが第1係合部264から抜脱すると、消火部材268は、当該消火部材268に固定された消火剤267の自重によって旋回し、図8の点線に示す直立状態から、図8の実線に示す傾斜状態に傾倒する。このように、手差しトレイ254上の用紙Pが発火した場合に、装置本体100aの側壁100a1に沿って直立していた消火部材268が手差しトレイ254の載置面254aに向けて傾倒することによって、消火部材268に固定された消火剤267が発火箇所F1に押圧されるようになる。
【0076】
これによって、消火剤267を保持するシート部材266が発火箇所F1の熱によって融解するので、消火剤が発火箇所F1に散布されて消火する。なお、所定の過熱温度が検出されて、過熱温度検出部263が屈曲して、第2係合部263aが第1係合部264から抜脱しても、消火部材268に固定された消火剤267の自重によって旋回しないような消火剤267の重量が不足する場合には、旋回可能となる重量にするために、消火部材268の先端側に錘部材を設けることが好ましい。
【0077】
また、手差しトレイ254に発生した火災の鎮火性能を高めるために、図9の本実施の形態の手差しトレイ254を上から見た平面図に示すように、手差しトレイ254の過熱温度検出部263と接続するような熱伝導性を有する金属板等の熱伝導部材265が手差しトレイ254の広範囲に亘って内包させる構成としても良い。このように、連結部265aを介して、過熱温度検出部263と接続される熱伝導部材265を設けることによって、手差しトレイ254の用紙載置面の広範囲に亘って、手差しトレイ254上の用紙Pの火災等に起因する過熱温度の到達を効率良く過熱温度検出部263に伝達させるので、速やかに本実施の形態の手差しトレイ254に発生した火災の鎮火動作が実行されるようになる。
【0078】
なお、前述したように、本実施の態様では、手差しトレイ254の先端側には、手差しトレイ254に載置された用紙Pの温度変化を検知可能な装置外温度センサ58が備わっているが、当該装置外温度センサ58によって、手差しトレイ254上の用紙Pに火災が発生して所定の過熱温度に到達したことを検出した際に、リモートのクライアントPC55等の他の外部装置に通知する機能を具備させても良い。このように、装置外温度センサ58によって、手差しトレイ254上の用紙Pに火災が発生したことを通信回線で接続されているクライアントPC55等の他の外部装置に通知することによって、当該外部装置のユーザ等が直接消火を実行可能となるので、発生した火災の被害を最小限に抑止されるようになる。
【0079】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の画像形成装置の第2の実施の形態について、図面を使用しながら説明する。本実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す全体構成図、および画像形成装置の電気的構成は、第1の実施の形態と同様であるので、かかる説明は、省略する。
【0080】
第1の実施の形態の画像形成装置は、手差しトレイが装置本体に固定された実施形態であるが、第2の実施の形態の画像形成装置は、手差しトレイを装置本体側に折り畳み可能とした構成を示す。
【0081】
以下、本実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの特徴部の構成について、図面を使用しながら詳細に説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図であり、図11は、本実施の形態の手差しトレイを装置本体側に折畳んだ閉状態の概略図である。
【0082】
本実施の形態では、手差しトレイ454は、支持軸462を介して、装置本体400aに設けられる手差しトレイ支持部400bに回動可能に支持されている。このように、手差しトレイ支持部400bに手差しトレイ454が回動可能に支持されることによって、手差しトレイ454は、装置本体400aに対して開閉可能な構成となっている。
【0083】
手差しトレイ454の先端側には、図10に示すように、装置本体400aに対して折り畳んで閉じた際に、装置本体側に設けられたカギ状の部材である第3係合部400a2に係合するノッチである第4係合部454aが設けられている。また、手差しトレイ254の先端側には、第1の実施の形態と同様に、装置外温度センサ58が内包されている。
【0084】
手差しトレイ454の内部には、バイメタルからなる過熱温度検出部463と接続するための熱伝導性を有する金属板等の熱伝導部材465が手差しトレイ454の略全長に亘って長さ方向に設けられている。本実施の形態では、過熱温度検出部463は、図10に示すように、過熱温度検出部支持部材463bを介して、装置本体400aに固定されている。また、過熱温度検出部463の基端側には、消火部材268を鉛直方向に直立支持するために消火部材468の端部に固定して設けられている第1係合部464と係合する第2係合部463aが設けられている。
【0085】
消火部材468は、第1の実施の形態と同様に、手差しトレイ454が支持される側の装置本体400aの側面400a1に対して、消火部材支持軸468aを介して回動自在に設けられている。通常時では、消火部材468は、装置本体400aの側面400a1に沿うようにして、鉛直方向に直立するようにして設けられている。また、消火部材468は、リン酸二水素アンモニウムまたは炭酸水素ナトリウムの粉末消火剤等からなる消火剤467を消火部材468の外側、すなわち、手差しトレイ454の用紙Pの載置面側に対向する側に備える。また、消火剤467は、熱溶融性の樹脂から形成される消火剤保持手段となるシート部材466を介して消火部材468に固定されている。
【0086】
手差しトレイ454を上記の構成とすることによって、手差しトレイ454に載置された用紙類に類焼等によって発火した場合に、手差しトレイ454の温度が上昇して、熱伝導部材465を介して、当該発火熱が過熱温度検出部463に伝達されて、当該過熱温度検出部463が屈曲する。当該屈曲によって、過熱温度検出部463の基端側に形成された第2係合部463aが第1係合部464から抜脱されて、消火部材468が手差しトレイ454に向かって直立状態から傾斜状態に傾倒する。このため、消火剤467をシート部材466で固定した消火部材468が火災発生箇所に当接すると、消火剤467を保持するシート部材466が発火箇所の熱によって融解するので、発火箇所に消火剤467を散布させて、発火箇所の消火が実行されるようになる。
【0087】
また、本実施の形態では、上述したように、手差しトレイ454は、装置本体400aに対して開閉可能な構成となっている。このため、手差しトレイ454の不使用時等に、手差しトレイ454を装置本体400aに対して折り畳むと、図11に示すように、熱伝導部材465の端部465aは、過熱温度検出部463から離間した状態となって、第3係合部400a2と第4係合部454aが係合して、手差しトレイ454は、装置本体400a側に固定されるようになる。このように、手差しトレイ454の不使用時に、手差しトレイ454を立設状態に保持させることによって、利用スペースを縮小可能にして、省スペース化が図れるようになる。
【0088】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の画像形成装置の第3の実施の形態について、図面を使用しながら説明する。本実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す全体構成図は、第1の実施の形態と同様であるので、かかる説明は、省略する。
【0089】
本実施の形態では、手差しトレイ上の用紙Pが発火した場合に、消火部材568を直立支持状態から傾倒させて消火する消火作動手段の構成および動作が異なる。すなわち、第1の実施の形態では、上述したように、消火作動手段は、手差しトレイ254に載置された用紙Pが発火した際に、過熱温度検出手段となる過熱温度検出部263が熱変形で屈曲することによって、第2係合部263aが第1係合部264から抜脱されて、消火部材268に保持された消火剤267の自重によって、消火部材268が直立状態から手差しトレイ254に向かって傾倒する。これに対して、本実施の形態では、消火作動手段は、手差しトレイに備わる装置外温度センサが手差しトレイ上の用紙Pの温度が所定の過熱温度に到達したことを検出すると、消火部材の端部に設けた第1係合部に係合することによって、消火部材を直立状態に保持する係合部を先端側に備える係合アームから抜脱するように駆動制御される。
【0090】
以下、本実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの特徴部の構成について、図面を使用しながら詳細に説明する。図12は、本発明の第3の実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図であり、図13は、本実施の形態の手差しトレイが直立支持状態から手差しトレイに向けて傾倒した状態を示す図である。
【0091】
本実施の形態の手差しトレイ554は、第1の実施の形態と同様に、手差しトレイ554は、図12に示すように、手差しトレイ554は、頂部側に斜面500b1が形成された手差しトレイ支持部500bによって、装置本体500aに傾斜支持固定され、画像形成装置500に供給する所望の用紙Pを載置できるように構成されている。手差しトレイ554の先端側には、画像形成装置500の外気温や手差しトレイ554の用紙載置面側の温度変化を検知する装置外温度センサ558が内包されている。
【0092】
消火部材568は、リン酸二水素アンモニウムまたは炭酸水素ナトリウムの粉末消火剤等からなる消火剤567を消火部材568の外側、すなわち、手差しトレイ554の用紙Pの載置面側に対向する側に備えており、消火剤567は、熱溶融性の樹脂から形成されるシート部材566を介して消火部材568に保持されている。
【0093】
また、消火部材568は、第1の実施の形態と同様に、手差しトレイ554が支持される側の装置本体500aの側面500a1に対して、消火部材支持軸568aを介して回動自在に設けられている。消火部材568の端部568bには、消火部材568を鉛直方向に直立支持するために使用される第1係合部564が固定して設けられている。
【0094】
本実施の形態では、消火部材568は、可動係合アーム570の先端側に備わる可動係合部571が第1係合部564に係合することによって、直立状態に保持される。可動係合アーム570は、回動支点570aによって回動可能に支持されており、装置本体500aに設けられた駆動手段となるソレノイド572によって回動駆動される。手差しトレイ554を使用中の通常時では、図12に示すように、可動係合アーム570は、弾性部材となるバネ573の弾性力によって、可動係合部571が第1係合部564に向かって回動されて、可動係合部571が消火部材568に備わる第1係合部564に係合するので、消火部材568は、装置本体500aの側面に沿うように、略鉛直方向に直立する。
【0095】
これに対して、手差しトレイ554に載置された用紙Pが類焼等で発火して、手差しトレイ554に備わる装置外温度センサ58が手差しトレイ554上の用紙Pの温度が所定の過熱温度に到達したことを検出した場合には、第1係合部564に係合する可動係合部571は、ソレノイド572を抜脱駆動手段としてONさせて、可動係合アーム570をバネ573の弾性力に抗して回動させる。このため、可動係合部571と第1係合部564との係合が解除されて、可動係合部571が第1係合部564から抜脱して、図13に示すように、消火部材568に保持された消火剤567の自重で支持軸568aを支点にして、当該消火部材568が手差しトレイ554に向かって傾倒する。これによって、消火剤567をシート部材566で固定した消火部材568が発火箇所に当接すると、消火剤567を保持するシート部材566が発火箇所の熱によって融解するので、発火箇所に消火剤567を散布させて、発火箇所の消火が実行されるようになる。
【0096】
次に、本実施の形態の画像形成装置の電気的構成について、図面を使用しながら説明する。図14は、本実施の形態の画像形成装置の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【0097】
本実施の形態の画像形成装置500は、第1の実施の形態と同様に、当該装置全体の制御手段として、当該各機能部を制御するための制御プログラムを記憶しているROM42およびRAM43を備えたメインCPU41を備える。また、第1の実施の形態と同様に、メインCPU41には、画像メモリ44、画像処理回路48、HDD54、通信部50、検出部51、NIC53、入力操作手段となる操作パネル70、無線通信部52、画像形成部側サブCPU60、および原稿読取部側サブCPU61が接続され、メインCPU41は、これらの各機能部の動作を制御している。本実施の形態では、さらに、メインCPU41には、ドライバ574を介してソレノイド572が接続されており、メインCPU41によって動作制御されている。なお、本実施の形態における画像形成装置200の電気的構成の他の機能部は、第1の実施の形態と同様であるので、かかる説明は、省略する。
【0098】
本実施の形態では、手差しトレイ554上の用紙Pが発火して、装置外温度センサ58によって、当該用紙Pが所定の過熱温度に到達したことを検出されると、メインCPU41は、可動係合部571が第1係合部564から抜脱するように、ソレノイド572を駆動制御する。このため、可動係合部571と第1係合部564との係合が解除されて、可動係合部571が第1係合部564から抜脱して、消火部材568に保持された消火剤567の自重で支持軸568aを支点にして、当該消火部材568が手差しトレイ554に向かって傾倒する。
【0099】
これによって、消火剤567をシート部材566で固定した消火部材568が発火箇所に当接すると、消火剤567を保持するシート部材566が発火箇所の熱によって融解するので、発火箇所に消火剤567を散布させて、発火箇所の消火が実行されるようになる。このように、手差しトレイ554に備わる装置外温度センサ58が手差しトレイ554上の用紙Pの発火を検出してから、可動係合部571を消火部材側の第1係合部564から抜脱するように駆動制御することによって、用紙Pへの発火から消火部材568が作動するまでの時間を短縮化し、火災の拡大を防止できる。
【0100】
なお、図14に示すように、画像形成装置500の本体電源581がオフにされていても、消火部材568を駆動するソレノイド572を作動させられるようにするために、画像形成装置500に備わる各温度センサ57、58および各駆動機構に対し、本体側電源となる第1電源581とは、別の系統である第2電源582を設けて電力供給を行うようにしても良い。すなわち、第1電源581は、電源スイッチ583を介して商用電源584から画像形成装置500に備わる各電気部品の全てに電力を供給するが、第2電源582は、不図示のバッテリーを含んでおり、画像形成装置500の電源スイッチ583をオフにしても、各温度センサ57、58や制御系、ソレノイド572を含む電気部品(図14の点線内に示す構成要素)に電力を供給することが出来る。
【0101】
このため、例えば、深夜等に電源スイッチ583がオフにされている状態で手差しトレイ554上の用紙Pが発火しても、制御手段となるメインCPU41は、温度センサ58で発火を検出し、ソレノイド572を動作させ、消火部材568を作動させるソレノイド572を駆動させて消火作用を施せるようになる。なお、第2電源582は、電源スイッチ583がオフのときのみ電力を供給する緊急時用の電源であり、電源スイッチ583がオンの時は、本体側電源となる第1電源581から全ての電気部品に電力を供給する。
【0102】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の画像形成装置の第4の実施の形態について、図面を使用しながら説明する。本実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す全体構成図、および画像形成装置の電気的構成は、第1の実施の形態と同様であるので、かかる説明は、省略する。
【0103】
第1の実施の形態の画像形成装置は、手差しトレイが装置本体に固定された実施形態であり、第2の実施の形態の画像形成装置は、手差しトレイを装置本体側に折り畳み可能とした構成であるが、本実施の形態の画像形成装置は、手差しトレイと消火部材が一つのフレーム部材に収容されるように設けられ、前記フレーム部材は、前記装置本体に対して着脱可能な構成としたものである。
【0104】
以下、本実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの特徴部の構成について、図面を使用しながら詳細に説明する。図15は、本実施の形態の手差しトレイをフレーム部材側に折畳んだ閉状態の概略図である。
【0105】
本実施の形態では、手差しトレイ654は、支持軸662を介して、不図示の装置本体に対して着脱可能なフレーム部材601に設けられる手差しトレイ支持部601bに回動可能に支持されている。このように、手差しトレイ支持部601bに手差しトレイ654が回動可能に支持されることによって、手差しトレイ654は、フレーム部材601に対して開閉可能な構成となっている。
【0106】
手差しトレイ654の先端側には、図15に示すように、フレーム部材601に対して折り畳んで閉じた際に、装置本体側に設けられたカギ状の部材である第3係合部601aに係合するノッチである第4係合部654aが設けられている。
【0107】
手差しトレイ654の内部には、バイメタルからなる過熱温度検出部663と接続するための熱伝導性を有する金属板等の熱伝導部材665が手差しトレイ654の略全長に亘って長さ方向に設けられている。本実施の形態では、過熱温度検出部663は、図15に示すように、過熱温度検出部支持部材663bを介して、フレーム部材601に固定されている。また、過熱温度検出部663の基端側には、消火部材668を鉛直方向に直立支持するために消火部材668の端部に固定して設けられている第1係合部664と係合する第2係合部663aが設けられている。
【0108】
消火部材668は、手差しトレイ654が支持される側のフレーム部材601に対して、消火部材支持軸668aを介して回動自在に設けられている。通常時では、消火部材668は、フレーム部材601内で、鉛直方向に直立して設けられている。また、消火部材668は、リン酸二水素アンモニウムまたは炭酸水素ナトリウムの粉末消火剤等からなる消火剤667を消火部材668の外側、すなわち、手差しトレイ654の用紙Pの載置面側に対向する側に備える。また、消火剤667は、熱溶融性の樹脂から形成される消火剤保持手段となるシート部材666を介して消火部材668に固定されている。
【0109】
手差しトレイ654を上記の構成とすることによって、手差しトレイ654に載置された用紙類に類焼等によって発火した場合に、手差しトレイ654の温度が上昇して、熱伝導部材665を介して、当該発火熱が過熱温度検出部663に伝達されて、当該過熱温度検出部663が屈曲する。当該屈曲によって、過熱温度検出部663の基端側に形成された第2係合部663aが第1係合部664から抜脱されて、消火部材668が手差しトレイ654に向かって直立状態から傾斜状態に傾倒する。このため、消火剤667をシート部材666で固定した消火部材668が火災発生箇所に当接すると、消火剤667を保持するシート部材666が発火箇所の熱によって融解するので、発火箇所に消火剤667を散布させて、発火箇所の消火が実行されるようになる。
【0110】
また、本実施の形態では、上述したように、手差しトレイ654および消火部材668は、装置本体に対して着脱可能なフレーム部材601に収容されるように一体的に支持されるように設けられている。このため、画像形成装置に対する手差しトレイ654および消火部材668の着脱が容易に行えるようになるので、消火部材668が動作した後に、消火部材668と手差しトレイ654の交換作業等のメンテナンスの効率が良好になる。
【0111】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0112】
例えば、上記の各実施の形態では、画像形成装置として図1に示すようなMFPに本発明に係る手差しトレイを適用しているが、装置本体に対して手差しトレイを傾斜支持する画像形成装置であれば、卓上載置可能な小型プリンタ等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す全体構成図である。
【図2】同実施の形態における画像形成装置の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図3】同実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図である。
【図4】同実施の形態の画像形成装置に備わるピックアップローラがホームポジションに有する状態における手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図である。
【図5】同実施の形態の画像形成装置に備わるピックアップローラが下降した作動状態における手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図である。
【図6】同実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイ上の用紙が発火した状態を示す図である。
【図7】同実施の形態の手差しトレイに備わる過熱温度検出部が温度上昇により屈曲して、第1係合部と第2係合部の係合が外れた状態を示す図である。
【図8】同実施の形態の第2係合部が第1係合部から抜脱して、消火部材が直立状態から傾斜状態に倒れた状態を示す図である。
【図9】同実施の形態の手差しトレイを上から見た平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図である。
【図11】同実施の形態の手差しトレイを装置本体側に折畳んだ閉状態の概略図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の画像形成装置に備わる手差しトレイの要部の周辺の構成を示す概略図である。
【図13】同実施の形態の手差しトレイが直立支持状態から手差しトレイに向けて傾倒した状態を示す図である。
【図14】同実施の形態における画像形成装置の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態の手差しトレイをフレーム部材側に折畳んだ閉状態の概略図である。
【符号の説明】
【0114】
41 制御手段(メインCPU)
55 情報処理装置(クライアントPC)
58 装置外温度センサ
100 画像形成装置(MFP)
100a 装置本体
100a1 側壁部
210 画像形成部
254 手差しトレイ
254a 載置面
263 過熱温度検出手段(過熱温度検出部)
263a 消火作動手段(トレイ側係合部)
264 消火作動手段(消火部材側係合部)
265 熱伝導部材
266 シート部材
267 消火剤
572 抜脱駆動手段(ソレノイド)
N10 通信回線
P 記録媒体(用紙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内に所望の記録媒体を供給する手差しトレイが前記装置本体に対して支持されている画像形成装置であって、
前記手差しトレイに載置された前記記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを検出する過熱温度検出手段と、
過熱温度到達箇所に消火剤を散布する消火手段と、
前記記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを前記加熱温度検出手段が検出した際に、前記消火手段を作動させる消火作動手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記過熱温度検出手段は、前記記録媒体が前記所定の過熱温度に到達した際に、前記手差しトレイに含まれるバイメタルが熱変形で屈曲することによって、前記所定の過熱温度に到達したことを検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記消火手段は、前記過熱温度検出手段の基端側端部に設けたトレイ側係合部が前記消火手段の端部に設けた消火手段側係合部と係合することによって、前記装置本体の前記手差しトレイが支持される側の側面に沿って直立状態で支持されており、
前記消火作動手段は、前記過熱温度検出手段が熱変形で屈曲した際に、前記トレイ側係合部が前記消火手段側係合部から抜脱されることによって、前記消火手段を直立状態から前記手差しトレイに向けて傾倒させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記消火手段は、前記消火剤を前記手差しトレイの前記記録媒体の載置面に対向する側に、熱溶融性のシート部材を介して保持していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記手差しトレイには、前記過熱温度検出手段に接続される熱伝導性を有する熱伝導部材が前記手差しトレイの広範囲に亘って内包されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記過熱温度検出手段には、前記手差しトレイに載置された前記記録媒体の温度変化を検知する温度センサが更に含まれ、
前記装置本体には、前記温度センサにより前記記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを検出した際に、他の外部装置に通知する過熱温度到達通知手段が備わることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記手差しトレイは、前記装置本体に設けられた支持軸を中心に該装置本体対して開閉可能な構成であり、前記過熱温度検出手段は、前記装置本体側に固定して設けられ、前記手差しトレイの内部には、前記熱伝導部材が前記手差しトレイの略全長に亘って長さ方向に設けられており、前記手差しトレイが前記装置本体に対して開状態の場合は、前記熱伝導部材が前記過熱温度検出手段と当接し、前記手差しトレイが前記装置本体に対して閉状態の場合は、前記熱伝導部材が前記過熱温度検出手段から離間することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記装置本体には、前記消火手段を直立状態に支持するために、前記消火手段の端部に設けた消火手段側係合部と係合する可動係合部が備わり、
前記消火作動手段には、前記手差しトレイに備わる温度センサにより前記記録媒体が所定の過熱温度に到達したことを検出した際に、前記消火手段を直立状態から前記手差しトレイに向けて傾倒させるために、前記可動係合部が前記消火手段側係合部から抜脱するように前記可動係合部を駆動する抜脱駆動手段が備わることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記温度センサおよび前記抜脱駆動手段には、前記装置本体に対して電力供給する本体側電源とは、別系統の電源から電力供給が行われることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記手差しトレイおよび前記消火手段は、一つのフレーム部材に収容されるように設けられ、前記フレーム部材は、前記装置本体に対して着脱可能な構成であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−3085(P2009−3085A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162465(P2007−162465)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】