説明

発光デバイス、及び、その製造方法

【課題】信頼性が高く、製造の容易な発光デバイス、及び、その製造方法を提供するこを提供すること。
【解決手段】透明結晶基板2は、一面が光出射面21であり、発光素子1は透明結晶基板2の光出射面21とは反対側の他面22に積層されている。透明結晶基板の側に位置するN型半導体層31は、P型半導体層32と重ならない部分33を有している。N型半導体層31の第1半導体面電極51は、重ならない部分33の表面に設けられており、P型半導体層32の第2半導体面電極52は、第1半導体面電極51と同じ側の面に設けられている。発光素子1は絶縁層6によって覆われており、絶縁層6には支持基板9が積層されている。絶縁層6を通って第1及び第2半導体面電極51、52に接続された第1及び第2縦導体71、72が、支持基板9を貫通する第1及び第2貫通電極94、95と接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光デバイス、及び、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードを用いた発光デバイスは、省エネルギー、長寿命という利点があり、照明装置、カラー画像表示装置、液晶パネルのバックライト、又は、交通信号灯などの光源として、注目されている。
【0003】
この種の発光デバイスについて、例えば特許文献1には、透明結晶基板と、P型及びN型の窒化物半導体からなる一対の半導体層と、一対の半導体層に電流を注入するための半導体面電極と、絶縁基板を順に積層した発光素子が開示されている。絶縁基板には、縦導体が形成されている。この縦導体は、絶縁基板を厚み方向に貫通して形成した縦孔内に、めっき処理、又は、はんだ等の導電性ペースト埋め込み処理により形成され、半導体面電極と、絶縁基板の他面に形成された実装面電極とを電気的に接続する。
【0004】
ところで、特許文献1の発光素子は、光出射面の反対側において絶縁基板の表面に、実装面電極を備えていることから、プリント基板に表面実装される素子と同様に取り扱われることを前提とするものである。
【0005】
しかし、この種の発光素子は、通常、厚みが20μm程度の極薄構造となっているから、特許文献1に示されているように、発光素子を、プリント基板に表面実装される他の素子と同様に取り扱おうとしてもハンドリングが困難である。例えば、表面実装作業においてハンドリングに失敗し、発光素子が破損した場合、照明装置などの信頼性が低下することとなる。
【0006】
また、特許文献1に示されているように、縦導体をめっき処理により形成する場合、めっき処理には必ず一定の時間を要するから、製造効率が極めて悪い。
【0007】
他方、縦導体を、はんだ等の導電性ペースト埋め込み処理により形成する場合、縦孔内に埋め込みした導電性ペーストが、凝固時に必ず収縮し、縦導体に引け巣が生じることとなる。このような引け巣は、電気抵抗の増大、高周波特性の劣化、及び、信頼性低下等の原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−114820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、信頼性の高い面発光の発光デバイス、及び、発光デバイスの製造方法を提供することである。
【0010】
本発明のもう1つの課題は、製造の容易な発光デバイス、及び、発光デバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明に係る発光デバイスは、発光素子と、支持基板とを含む。前記発光素子は、透明結晶基板と、半導体層と、半導体面電極と、絶縁層と、縦導体とを含んでおり、前記透明結晶基板は、一面が光出射面であり、前記半導体層は、P型半導体層及びN型半導体層を積層した構造を含み、前記透明結晶基板の前記光出射面とは反対側の他面に積層されている。前記P型半導体層及びN型半導体層のうち、前記透明結晶基板の側に位置する一方の半導体層は、他方の半導体層と重ならない部分を有している。
【0012】
前記半導体面電極は、第1半導体面電極と、第2半導体面電極とを有しており、前記第1半導体面電極は、前記一方の半導体層において、前記重ならない部分の表面に設けられており、前記第2半導体面電極は、前記他方の半導体層において、前記第1半導体面電極の設けられた前記表面と同じ側の面に設けられている。前記絶縁層は、前記半導体層を覆っている。
【0013】
前記縦導体は、凝固により膨張する金属成分を含む膨張金属体でなり、第1縦導体及び第2縦導体を含む。前記第1縦導体は、前記絶縁層を貫通して、前記第1半導体面電極に接続されており、前記第2縦導体は、前記絶縁層を貫通して、前記第2半導体面電極に接続されている。
【0014】
前記支持基板は、基板部と、貫通電極とを有し、前記絶縁層に積層されている。前記貫通電極は、凝固により膨張する金属成分を含む膨張金属体でなり、第1貫通電極及び第2貫通電極を含んでいる。前記第1貫通電極は、前記基板部を貫通して、前記第1縦導体に接続されており、前記第2貫通電極は、前記基板部を貫通して、前記第2縦導体に接続されている。
【0015】
上述したように、本発明に係る発光デバイスは、発光素子と、支持基板とを含み、支持基板は、発光素子に積層されている。この構造によれば、極薄構造の発光素子を支持基板によって補うことになるので、製造工程におけるハンドリング性が格段に向上し、生産性・製造効率が向上する。
【0016】
しかも、発光素子と支持基板とを別々の工程で製造しておき、発光素子の絶縁層に支持基板を貼り付けるなどの手段によって両者を一体化できるし、又は、発光素子に支持基板を貼り付けた状態で、縦導体及び貫通電極のための埋め込み工程を一気に実行する等の手段を採用することもできる。このため、生産・製造設備などに適合する最適な製造方法によって、効率よく製造することができる。
【0017】
また、支持基板は、インターポーザとして機能するので、発光素子に対する合理的な給電回路を、支持基板を用いて実現することができる。
【0018】
さらに、支持基板を活用することにより、発光素子における絶縁層の厚みを減少させ、絶縁層に対する穿孔工程、及び、その後の縦導体形成工程を容易化することができる。
【0019】
発光素子は、透明結晶基板と、半導体層とを含んでおり、透明結晶基板は、一面が光出射面であり、半導体層は透明結晶基板の光出射面とは反対側の他面に積層されている。この構造は、半導体層のための電極が、P側電極であれN側電極であれ、光出射面に現れない構造を実現するためのベースを与える。
半導体層のための電極が、光出射面に現れない構造を実現するための具体的な構造として、本発明では、半導体層を構成するP型半導体層及びN型半導体層のうち、透明結晶基板の側に位置する一方の半導体層は、他方の半導体層と重ならない部分を有している。
【0020】
P側電極、N側電極のうち、その何れかである第1半導体面電極は、一方の半導体層において、重ならない部分の表面に設けられており、第2半導体面電極は、他方の半導体層において、第1半導体面電極の設けられた表面と同じ側の面に設けられている。したがって、半導体層に対しては、透明結晶基板のある側とは反対側から、電流が注入されることになる。半導体層は、絶縁層によって覆われているので、絶縁層による保護を受ける。
【0021】
発光素子は、第1縦導体及び第2縦導体を含んでいる。第1縦導体は、絶縁層を貫通して、第1半導体面電極に接続されており、第2縦導体は絶縁層を貫通して、第2半導体面電極に接続されている。また、支持基板は、第1貫通電極及び第2貫通電極を含んでおり、第1貫通電極は基板部を貫通して、第1縦導体に接続されており、第2貫通電極は、基板部を貫通して第2縦導体に接続されている。
【0022】
したがって、半導体層の第1半導体面電極及び第2半導体面電極には、透明結晶基板のある側とは反対側から、第1貫通電極及び第1縦導体による回路と、第2貫通電極及び第2縦導体による回路によって電流が供給され、半導体層のための電極が、光出射面に現れない構造が実現されることになる。
【0023】
第1縦導体及び第2縦導体は、膨張金属体である。この膨張金属体は、絶縁層に設けられた縦孔内に溶融金属を流し込み、凝固させる溶融金属充填法によって形成されたものである。縦孔内に流し込まれた溶融金属に、機械的な力、例えばプレス板を用いたプレス圧、射出圧または転圧を印加しながら、冷却し、凝固させることにより、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ縦導体を、短時間で、効率よく形成することができる。
【0024】
第1縦導体及び第2縦導体を構成する膨張金属体は、凝固により体積が膨張する金属成分(凝固膨張金属成分)を含む。その具体例は、Bi(ビスマス)である。Biなどの凝固膨張金属成分を含有させると、凝固時の体積膨張特性により、縦孔の内部に、空洞や空隙のない緻密な縦導体を形成することができる。溶融金属充填法を適用した場合、溶融金属によって一旦加熱された絶縁層が、溶融金属の温度低下に従って収縮してゆく。この時、もし、溶融金属も、温度低下によって体積が収縮するならば、縦孔の内壁面と膨張金属体との間に、空隙や空洞が生じることになる。本発明では、溶融金属が、Biなどの凝固膨張金属成分を含有するので、上述した空隙や空洞が生じない。よって、電気的特性に優れた高品質の縦導体を形成することができる。
【0025】
支持基板に設けられた第1貫通電極及び第2貫通電極も、膨張金属体である。この膨張金属体も、縦導体と同様の溶融金属充填法によって形成されたものであり、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ貫通電極を、短時間で、効率よく形成することができる。
【0026】
第1貫通電極及び第2貫通電極を構成する膨張金属体も、凝固膨張金属成分を含む。凝固膨張金属成分の具体例、及び、作用については、既に説明したとおりであり、凝固膨張金属成分の体積膨張特性により、貫通孔の内部に、空洞や空隙のない緻密な貫通電極を形成することができる。
【0027】
本発明に係る発光デバイスにおいて、発光素子は単数であってもよいし、複数であってもよい。発光素子が複数である場合は、その数に応じた発光量を持つ面発光デバイスを実現することができる。
【0028】
発光素子が複数である場合、発光素子のそれぞれは、透明結晶基板、半導体層及び絶縁層を通る分離溝によって個別化されていることが好ましい。発光素子のそれぞれを、電気的に安定した状態で、発光させることができるからである。この場合、支持基板は、発光素子のそれぞれにおいて、共用されることが好ましい。構造が簡単化され、製造が容易になるからである。支持基板は、セラミック基板で構成してもよいし、樹脂基板で構成してもよい。
【0029】
第1半導体面電極及び第2半導体面電極は、Auを含有する電極膜を含むことが好ましい。さらに、第2半導体面電極は、光反射電極膜を含むことが好ましい。これにより、半導体層の接合領域における発光を、光反射電極膜によって透明結晶基板の方向に反射し、透明結晶基板の光出射面で見た発光量を増大させることができる。
【0030】
透明結晶基板は、光出射面に、微細凹凸形状が形成されていてもよい。これにより、透明結晶基板の光出射面で、光を拡散又は分散させ、均一な面発光を実現することができる。これとは異なって、透明結晶基板の光出射面に、微細凹凸形状を有する透明光学部品が配置されていてもよい。この場合も、同様の作用効果を得ることができる。さらに、透明結晶基板の光出射面または内部に蛍光体が配置されていてもよい。
【0031】
本発明は、さらに、上述した発光デバイスの製造方法についても開示する。その製造にあたっては、透明結晶基板の光出射面とは反対側の他面に、半導体層及び半導体面電極を積層した積層体を準備する。そして、前記積層体の前記半導体層及び前記半導体面電極をパターン化して、個別化された発光エレメントを形成する。次に、前記発光エレメントを共通に覆う耐熱性樹脂を塗布し、硬化させて絶縁層を形成する。次に、前記絶縁層に、前記半導体面電極に達する縦孔を穿孔する。こうして穿孔された前記縦孔内に、凝固により膨張する金属成分を含む溶融金属を充填し、凝固させて縦導体を形成する。そして、前記絶縁層に、貫通電極を有する支持基板を貼り合わせ、前記縦導体と、前記貫通電極とを接合する。
【発明の効果】
【0032】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)信頼性の高い面発光の発光デバイス、及び、その製造方法を提供することができる。
(b)製造の容易な発光デバイス、及び、その製造方法を提供することができる。
【0033】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る発光デバイスの部分断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る発光デバイスの製造方法を示す部分断面図である。
【図3】図2に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図4】図3に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図5】図4に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図6】図5に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図7】図6に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図8】図7に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図9】図8に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図10】図9に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図11】図10に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図12】図11に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図13】図12に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図14】図13に示した工程のあとの状態を示す部分断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る発光デバイスについてもう一つの製造方法を示す部分断面図である。
【図16】図15に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図17】図16に示した工程のあとの状態を示す部分断面図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る発光デバイスについて更にもう一つの製造方法を示す部分断面図である。
【図19】図18に示した工程のあとの工程を示す部分断面図である。
【図20】本発明のもう一つの実施形態に係る発光デバイスの部分断面図である。
【図21】本発明の更にもう一つの実施形態に係る発光デバイスの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.発光デバイス
図1を参照すると、本発明に係る発光デバイスは、発光素子1と、支持基板9とを含む。発光素子1は、発光ダイオードであって、透明結晶基板2と、半導体層(31、32)と、半導体面電極(51、52)と、絶縁層6と、縦導体(71、72)とを含んでいる。
【0036】
透明結晶基板2は、代表的にはサファイアであり、その一面が光出射面21となる。透明結晶基板2の一面上には、バッファ層30があり、半導体層(31、32)は、バッファ層30を介して、透明結晶基板2の上に成長させてある。
半導体層(31、32)は、発光素子1において周知である。PN接合を持ち、代表的にはIII−V族化合物半導体が用いられる。もっとも、公知技術に限らず、これから提案されることのある化合物半導体を含むことができる。
【0037】
本発明において、発光素子1は、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、橙色発光素子の何れであってもよいし、白色発光素子であってもよい。それらの発光素子1において、半導体層(31、32)を構成する半導体材料は既に知られている。
【0038】
図1は、窒素(N)系の化合物半導体を用いたGaN系青色発光素子の一例を示している。図を参照すると、半導体層(31、32)は、サファイアでなる透明結晶基板2の一面上に付着されたバッファ層30の上に、N型半導体層31、活性層4及びP型半導体層32を、この順序で積層した構造を持つ。一例であるが、N型半導体層31は、SiドープGaN層で構成され、P型半導体層32はMgドープGaN層で構成される。
【0039】
活性層4は、GaN−InGaN等でなる多重量子井戸MQW(Multiple Quantum Well)構造を有し、P型半導体層32と接する側に、Al−GaN超格子キャップ層を備えることがある。
【0040】
P型半導体層及びN型半導体層のうち、透明結晶基板2の側に位置するN型半導体層31は、P型半導体層32とは重ならない部分33を有している。重ならない部分33は、N型半導体層31、活性層4及びP型半導体層32で構成される能動領域の外側に、例えば、これを挟み、又は、囲むように設けられている。重ならない部分33は、その表面が活性層4との接触面から落ち込む段差状であってもよいし、活性層4との接触面から、そのまま平面的に延びる態様であってもよい。
【0041】
半導体面電極(51、52)は、第1半導体面電極51と、第2半導体面電極52とを有する。第1半導体面電極51及び第2半導体面電極52は、Au(金)を含有する薄膜電極である。第1半導体面電極51は、N型半導体層31において、重ならない部分33の表面に設けられている。
【0042】
第2半導体面電極52は、P型半導体層32において、第1半導体面電極51の設けられた表面と同じ側の面に設けられている。実施の形態では、第2半導体面電極52は、その一部として、光反射電極膜34を有している。光反射電極膜34は、AgまたはAlを主成分とし、P型半導体層32の上に設けられ、第2半導体面電極52は光反射電極膜34に積層される。これにより、N型半導体層31及びP型半導体層32の間にある活性層4における発光を、光反射電極膜34によって透明結晶基板2の方向に反射し、透明結晶基板2の光出射面21で見た発光量を増大させることができる。
【0043】
光反射電極膜34は、好ましくは、P型半導体層32とは反対側において、AgまたはAlを主成分とする反射電極膜に、Crを主成分とする第2反射電極膜を積層した2層構造を有する。このような第2反射電極膜を有することにより、光反射効率がさらに向上する。
【0044】
絶縁層6は、半導体層(31、32)及び活性層4等で構成される能動領域を覆っている。この絶縁層6は、耐熱性絶縁樹脂、例えば、耐熱性のあるエポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂又は液晶ポリエステルなどによって構成することができる。
【0045】
第1半導体面電極51及び第2半導体面電極52には、縦導体(71、72)の一端が接合されている。縦導体(71、72)は、第1縦導体71及び第2縦導体72を含んでいる。第1縦導体71は、絶縁層6を貫通して、第1半導体面電極51に接続されており、第2縦導体72は、絶縁層6を貫通して、第2半導体面電極52に接続されている。第1縦導体71及び第2縦導体72は、ともに、凝固により膨張する金属成分(以下、凝固膨張金属成分と称する)、具体的にはBiを含む膨張金属体でなる。第1縦導体71及び第2縦導体72を組成する材料には、Ga、Sb、Ag、Cu、Geの群から選択された少なくとも一種と、上述した凝固膨張金属成分とを含むことができる。
【0046】
支持基板9は、基板部91と、貫通電極(94、95)とを有する。支持基板9は、セラミック基板で構成することができる。好ましい例は、Siを主成分とする基板(半導体基板)である。支持基板9が半導体基板でなる場合、その両面に絶縁層92、93を設ける。半導体基板の場合、さらに、厚み方向の両面及び貫通電極(94、95)を通す貫通孔90の内壁面が酸化され、又は、窒化されていることが好ましい。酸化は、自然酸化であってもよいし、強制酸化であってもよい。これとは異なって、支持基板9は、絶縁樹脂基板又は絶縁性セラミック基板で構成してもよい。この場合には、絶縁層92、93は省略することができる。
【0047】
貫通電極(94、95)は、凝固により膨張する金属成分、具体的にはBiを含む膨張金属体でなり、第1貫通電極94及び第2貫通電極95を含んでいる。第1貫通電極94は、基板部91を貫通して、第1縦導体71に接続されており、第2貫通電極95は、基板部91を貫通して、第2縦導体72に接続されている。第1貫通電極94及び第2貫通電極95も、第1縦導体71及び第2縦導体72と同様に、凝固により膨張する金属成分を含む膨張金属体でなる。
【0048】
上述したように、本発明に係る発光デバイスは、発光素子1と、支持基板9とを含み、支持基板9は、発光素子1の半導体層を覆う絶縁層6に積層されている。この構造によれば、極薄構造の発光素子1を支持基板9によって補うことになるので、製造工程におけるハンドリング性が格段に向上し、生産・製造効率が向上する。
【0049】
しかも、発光素子1と支持基板9とを別々の工程で製造しておき、発光素子1の絶縁層6に支持基板9を貼り付けるなどの手段によって両者を一体化できるし、又は、発光素子1に支持基板9を貼り付けた状態で、縦導体及び貫通電極のための埋め込み工程を一気に実行する等の手段を採用することもできる。このため、生産・製造設備などに適合する最適な製造方法によって、効率よく製造することができる。
【0050】
また、支持基板9は、インターポーザとして機能するので、発光素子1に対する合理的な給電回路を、支持基板9を用いて実現することができる。
【0051】
さらに、支持基板9を、絶縁基板として活用することにより、発光素子1における絶縁層6の厚みを減少させ、絶縁層6に対する穿孔工程、及び、その後の縦導体形成工程を容易化することができる。
【0052】
発光素子1は、透明結晶基板2と、半導体層(31、32)とを含んでおり、透明結晶基板2は、一面が光出射面21であり、半導体層(31、32)は透明結晶基板2の光出射面21とは反対側の他面22に積層されている。この構造は、半導体層(31、32)のための電極が、P側電極であれN側電極であれ、光出射面21に現れない構造を実現するためのベースとなる。この構成によれば、電極によって光出射面21積が縮小されることがないから、発光量が大きく、発光効率の高い発光デバイスを実現することができる。
半導体層(31、32)のための電極が、光出射面21に現れない構造を実現するための具体的な構造として、本発明では、半導体層(31、32)の構成するP型半導体層32及びN型半導体層31のうち、透明結晶基板2の側に位置するN型半導体層31は、P型半導体層32と重ならない部分33を有している。
【0053】
第1半導体面電極51は、N型半導体層31において、重ならない部分33の表面に設けられており、第2半導体面電極52は、P型半導体層32において、第1半導体面電極51の設けられた表面と同じ側の面に設けられている。したがって、半導体層(31、32)に対しては、透明結晶基板2のある側とは反対側から、電流が注入されることになる。半導体層(31、32)は、絶縁層6によって覆われているので、絶縁層6による保護を受ける。
【0054】
第1縦導体71は、絶縁層6を貫通して、第1半導体面電極51に接続されており、第2縦導体72は絶縁層6を貫通して、第2半導体面電極52に接続されている。また、発光素子1の絶縁層6に積層された支持基板9は、第1貫通電極94及び第2貫通電極95を含んでおり、第1貫通電極94は基板部91を貫通して、第1縦導体71に接続されており、第2貫通電極95は、基板部91を貫通して第2縦導体72に接続されている。
【0055】
したがって、半導体層の第1半導体面電極51及び第2半導体面電極52には、透明結晶基板2のある側とは反対側から、第1貫通電極94及び第1縦導体71による回路と、第2貫通電極95及び第2縦導体72による回路によって電流が供給される。
【0056】
第1縦導体71及び第2縦導体72は、膨張金属体である。この膨張金属体は、絶縁層6に設けられた縦孔70内に溶融金属を流し込み、凝固させる溶融金属充填法によって形成できる。このため、巣、空洞、空隙のない緻密な構造を持つ高品質の第1縦導体71及び第2縦導体72となる。
【0057】
第1縦導体71及び第2縦導体72を構成する膨張金属体は、凝固により体積が膨張する金属成分、すなわち、凝固膨張金属成分を含む。その具体例は、Bi(ビスマス)、In(インジウム)である。Biなどの凝固膨張金属成分を含有させると、凝固時の体積膨張特性により、縦孔70の内部に、空洞や空隙のない緻密な縦導体(71、72)を形成することができる。
【0058】
第1貫通電極94及び第2貫通電極95を構成する膨張金属体も、凝固膨張金属成分を含む。凝固膨張金属成分の具体例、及び、作用については、既に説明したとおりであり、凝固膨張金属成分の体積膨張特性により、貫通孔の内部に、空洞や空隙のない緻密な貫通電極を形成することができる。
【0059】
本発明に係る発光デバイスにおいて、発光素子1は単数であってもよいし、複数であってもよい。発光素子1が複数である場合は、その数に応じた発光量を持つ面発光デバイスを実現することができる。
【0060】
発光素子1が複数である場合、発光素子1のそれぞれは、透明結晶基板2、半導体層及び絶縁層6を通る分離溝8によって個別化されていることが好ましい。発光素子1のそれぞれを、電気的に安定した状態で、発光させることができるからである。
実施の形態では、支持基板9は、発光素子1のそれぞれにおいて、共用されているから、構造が簡単化され、製造が容易になるからである。
【0061】
透明結晶基板2は、光出射面21に、微細凹凸形状が形成されていてもよい。これにより、透明結晶基板2の光出射面21で、光を拡散又は分散させ、均一な面発光を実現することができる。これとは異なって、透明結晶基板2の光出射面21に、微細凹凸形状を有する透明光学部品が配置されていてもよい。この場合も、同様の作用効果を得ることができる。さらに、透明結晶基板2の光出射面21または内部に蛍光体が配置されていてもよい。
【0062】
2.発光デバイスの製造方法
次に、図1に示した発光デバイスの製造方法について、図2〜図21を参照して説明する。まず、図2に示すように、サファイアでなる透明結晶基板2の光出射面21とは反対側の他面22に設けられたバッファ層30の上に、N型半導体層31、活性層4及びP型半導体層32をこの順序で積層した構造を持ち、光反射電極膜53はP型半導体層32の上に形成されている。一例であって、限定するものではないが、透明結晶基板1の厚みは0.5mm、N型半導体層31の厚みは6μm、P型半導体層32の厚みは0.2μmである。
【0063】
次に、図3に示すように、光反射電極膜53の上で、フォトリソグラフィ工程を実行して、フォトレジスト膜100を、所定パターンとなるようにパターン化した後、図4に図示するように、フォトレジスト膜100をマスクとして、光反射電極膜53をエッチングする。光反射電極膜53のエッチングは、化学的なウエット・エッチングによる。
【0064】
次に、図5に図示するように、フォトレジスト膜100及びその下の光反射電極膜53をマスクとして、P型半導体層32、活性層4及びN型半導体層31をエッチングする。この場合のエッチングは、RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)などのドライエッチングを用いることができる。N型半導体層31は、全部をエッチングするのではなく、一部を残し、P型半導体層32との間では、重ならない部分33が生じるようにエッチングする。これにより、光反射電極膜53、P型半導体層32、活性層4及びN型半導体層31をパターン化して、個別化された発光エレメントが形成される。重ならない部分33は、図示では、その表面が活性層4との接触面から落ち込む段差状であるが、活性層4との接触面から、そのまま平面的に延びる態様であってもよい。重ならない部分33の表面位置は、エッチング量によってコントロールされる。
【0065】
この後、マスクとして用いたフォトレジスト膜100を、例えばアッシングによって除去することにより、図6に示した状態となる。
【0066】
次に、発光エレメントの全体を共通に覆うようにフォトレジスト膜を塗布した後、フォトリソグラフィ工程を実行することにより、図7に示すように、フォトレジスト膜101をパターンニングし、第1半導体面電極51及び第2半導体面電極52を形成するためのフォトレジスト孔102を形成する。フォトレジスト孔102は、その底部にN型半導体層31の重ならない部分33、及び、P型半導体層32の上にある光反射電極膜53が現れるように形成する。フォトレジスト膜101は、一例であるが、厚み5μm程度でよい。
【0067】
この後、図8に示すように、スパッタ等の薄膜形成技術を適用して、フォトレジスト孔102の底部にあるN型半導体層31の重ならない部分33、及び、P型半導体層32の上にある光反射電極膜53に、第1半導体面電極51及び第2半導体面電極52を形成する。第1半導体面電極51及び第2半導体面電極52は、一例であるが、1μm程度でよい。
【0068】
次に、図9に図示するように、発光エレメントを共通に覆うフォトレジスト層を塗布し、絶縁層6を形成した後、絶縁層6に対してフォトリソグラフィ工程を実行し、露光・現像して、図10に図示するように、第1半導体面電極51及び第2半導体面電極52に達する縦孔70を穿孔する。
【0069】
次に、こうして穿孔された縦孔70内に、図11に図示するように、凝固により膨張する金属成分、具体的にはBi (ビスマス)を含む溶融金属を充填し、凝固させて、第1縦導体71及び第2縦導体を形成する。第1縦導体71及び第2縦導体72を形成するには、絶縁層6に設けられた縦孔70内に溶融金属を流し込み、縦孔70内に流し込まれた溶融金属に、機械的な力、例えばプレス板を用いたプレス圧、射出圧または転圧を印加しながら、冷却し、凝固させる。これにより、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ膨張金属体を、短時間で、効率よく形成することができる。
【0070】
第1縦導体71及び第2縦導体72を、溶融金属充填法を用いて形成する場合に用いられる金属材料の主なものとしては、Bi、In、Sn及びCuを例示することができる。特に、Biを含有させると、Biの持つ凝固時の体積膨張特性により、縦孔70の内部で、空洞や空隙を生じることのない緻密な第1縦導体71及び第2縦導体72を形成することができる。溶融金属としては、上述した金属材料を用いて、粒径1μm以下、結晶径が200nm以下の多結晶体の集合体でなる粒子(ナノ粒子)の粉体を溶融したものを用いることができる。
【0071】
縦孔70は、レーザ穿孔法又は化学的穿孔法など、公知の穿孔技術を適用して容易に開けることができる。しかも、第1縦導体71及び第2縦導体72は、このようにして穿孔された縦孔70内に充填され、凝固された膨張金属体よって構成されているから、電極製造に当たって、溶融金属を、縦孔70内に充填し、かつ、加圧したままで凝固させる加圧充填方法を採用することができる。この方法によれば、縦孔70内に空洞のない緻密な第1縦導体71及び第2縦導体72を形成することができる。即ち、溶融金属充填法を適用した場合、溶融金属によって一旦加熱された絶縁層6が、溶融金属の温度低下に従って収縮してゆく。この時、もし、溶融金属が、温度低下によって体積の収縮する一般的な金属材料であるならば、縦孔70の内壁面と膨張金属体との間に、空隙や空洞が生じることになる。本発明では、溶融金属が、Biなどの凝固膨張金属成分を含有するので、上述した空隙や空洞が生じない。よって、電気的特性に優れた高品質の縦導体(71、72)を形成することができる。
【0072】
また、上述した加圧充填方法は、プレス工法に属するものであり、従来のICP型RIE装置を用いたドライエッチング法に比較して、設備費が著しく安価で、処理時間も短くて済む。従って、コストの安価な発光デバイスを実現することができる。
【0073】
次に、図12に図示するように、絶縁層6の表面にダイシングテープ103を貼着したうえで、透明結晶基板2、バッファ層30、N型半導体層31の重ならない部分33及び絶縁層6を、ダイシングして分離溝8を形成する。この後、ダイシングテープ103を剥離し、必要に応じて、選択的な化学的エッチング法、物理的エッチング法又は両者の組み合わせにより、絶縁層6の表面を第1縦導体71及び第2縦導体72の端部から後退させ、第1縦導体71及び第2縦導体72の端部を突出させる。
【0074】
そして、図13及び図14に図示するように、絶縁層6に支持基板9を貼り合わせ、第1縦導体71及び第2縦導体72と第1貫通電極94及び第2貫通電極95とを接合する。
【0075】
絶縁層6の表面を第1縦導体71及び第2縦導体72の端部から後退させ、第1縦導体71及び第2縦導体72の端部を突出させた場合は、第1縦導体71及び第2縦導体72の端部の突出量に適合する深さだけ、第1貫通電極94及び第2貫通電極95の先端を後退させ、所謂、「インロー」式で、第1縦導体71及び第2縦導体72の端部を、貫通孔90の内部に嵌め合わせる。これにより、貼り合わせと同時に、位置合わせが実行される。図示とは異なって、支持基板9の表面を第1貫通電極94及び第2貫通電極95の端部から後退させて、第1貫通電極94及び第2貫通電極95の端部を突出させ、第1貫通電極94及び第2貫通電極95の端部の突出量に適合する深さだけ、第1縦導体71及び第2縦導体72の先端を後退させてもよい。
【0076】
絶縁層6に縦孔70を形成するタイミング、絶縁層6に第1縦導体71及び第2縦導体72を形成するタイミング、支持基板9を貼り合わせるタイミング、支持基板9に第1貫通電極94及び第2貫通電極95を形成するタイミングについては、いくつかの方法がある。その一例を下に示す。
【0077】
(a)絶縁層6の縦孔70に第1縦導体71及び第2縦導体72を形成した後、第1貫通電極94及び第2貫通電極95が既に形成された支持基板9を絶縁層6に貼り合わせる方法。図13及び図14はそのような方法を示している。
【0078】
(b)図15に図示するように、第1縦導体71及び第2縦導体72を形成した後、貫通孔90は既に形成されているが、第1貫通電極94及び第2貫通電極95が形成されていない支持基板9を、図16に図示するように、絶縁層6に貼り合わせ、その後に、図17に図示するように、貫通孔90内に溶融金属を充填して第1貫通電極94及び第2貫通電極95を形成する方法。
【0079】
(c)図18に図示するように、絶縁層6に縦孔70を形成した後、第1縦導体71及び第2縦導体72を形成する前の絶縁層6に対し、貫通孔90は既に形成されているが、第1貫通電極94及び第2貫通電極95が未だ形成されていない支持基板9を貼り合わせ、その後に、図19に図示するように、縦孔70及び貫通孔90内に溶融金属を充填して、第1縦導体71及び第2縦導体72、並びに、第1貫通電極94及び第2貫通電極95を同時に形成する方法。
【0080】
(d)絶縁層6に縦孔70を形成する前に、貫通孔90の形成されていない支持基板9を絶縁層6に貼り合わせ、その後に縦孔70及び貫通孔90を同時に形成し、縦孔70及び貫通孔90内に溶融金属を充填して、第1縦導体71及び第2縦導体72及び第1貫通電極94及び第2貫通電極95を同時に形成する方法。
【0081】
第1縦導体71及び第2縦導体72と、第1貫通電極94及び第2貫通電極95との接合にあたっては、両者の接合界面に接合膜を介在させる。接合膜は、Sn、In、Bi、Ga又はSbの群から選択された少なくても1種の低融点金属成分と、Cr、Ag、Cu、Au、Pt、Pd、Ni、Ni−P合金、Ni−B合金の群から選択された少なくとも1種を含む高融点金属材料とを含むことができる。低融点金属は、第1縦導体71及び第2縦導体72と、第1貫通電極94及び第2貫通電極95と反応して、金属間化合物を形成して消費され、接合後は融点が大幅に上昇する。
【0082】
3.発光デバイスの他の形態
本発明に係る発光デバイスは、種々の態様を採ることができる。その一例を図20及び図21に例示する。
【0083】
図20に図示した発光デバイスは、図1〜図19に示した発光デバイスで備えられていた分離溝8を持たない。透明結晶基板2、バッファ層30及びN型半導体層31は、発光素子1のそれぞれにおいて、共用されている。
【0084】
図21に図示された発光デバイスは、透明結晶基板2の光出射面21に、微細凹凸形状を有する透明光学部品23が配置されている。これにより、透明結晶基板2の光出射面21で、光を拡散又は分散させ、均一な面発光を実現することができる。透明光学部品23を設ける代わりに、透明結晶基板2の光出射面21に、微細凹凸形状が形成されていてもよい。さらに、図示は省略するけれども、微細凹凸とともに、あるいは、微細凹凸を設けることなく、透明結晶基板2の光出射面21に蛍光体を設けてもよい。
【0085】
本発明に係る発光デバイスは、単一の発光素子である発光ダイオード、複数の発光素子を、例えばマトリクス状に配置した面発光装置、照明装置、液晶ディスプレイ用バックライト、信号灯等、広範な用途を持っている。
【0086】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0087】
1 発光素子
2 透明結晶基板
21 光出射面
23 透明光学部品
31 N型半導体層
32 P型半導体層
33 重ならない部分
51 第1半導体面電極
52 第2半導体面電極
53 光反射電極膜
6 絶縁層
71 第1縦導体
72 第2縦導体
8 分離溝
9 支持基板
90 貫通孔
91 基板部
94 第1貫通電極
95 第2貫通電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、支持基板とを含む発光デバイスであって、
前記発光素子は、透明結晶基板と、半導体層と、半導体面電極と、絶縁層と、縦導体とを含んでおり、
前記透明結晶基板は、一面が光出射面であり、
前記半導体層は、P型半導体層及びN型半導体層を積層した構造を含み、前記透明結晶基板の前記光出射面とは反対側の他面に積層されており、
前記P型半導体層及びN型半導体層のうち、前記透明結晶基板の側に位置する一方の半導体層は、他方の半導体層と重ならない部分を有しており、
前記半導体面電極は、第1半導体面電極と、第2半導体面電極とを有しており、
前記第1半導体面電極は、前記一方の半導体層において、前記重ならない部分の表面に設けられており、
前記第2半導体面電極は、前記他方の半導体層において、前記第1半導体面電極の設けられた前記表面と同じ側の面に設けられており、
前記絶縁層は、前記半導体層を覆っており、
前記縦導体は、凝固により膨張する金属成分を含む膨張金属体でなり、第1縦導体及び第2縦導体を含んでおり、
前記第1縦導体は、前記絶縁層を貫通して、前記第1半導体面電極に接続されており、
前記第2縦導体は、前記絶縁層を貫通して、前記第2半導体面電極に接続されており、
前記支持基板は、基板部と、貫通電極とを有し、前記絶縁層に積層されており、
前記貫通電極は、凝固により膨張する金属成分を含む膨張金属体でなり、第1貫通電極及び第2貫通電極を含んでおり、
前記第1貫通電極は、前記基板部を貫通して、前記第1縦導体に接続されており、
前記第2貫通電極は、前記基板部を貫通して、前記第2縦導体に接続されている、
発光デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載された発光デバイスであって、前記発光素子は複数である、
発光デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載された発光デバイスであって、
前記発光素子のそれぞれは、前記透明結晶基板、前記半導体層及び前記絶縁層を通る分離溝によって個別化されており、
前記支持基板は、前記発光素子のそれぞれにおいて、共用されている、
発光デバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された発光デバイスであって、前記絶縁層は、耐熱性樹脂でなる、発光デバイス。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載された発光デバイスであって、前記凝固により膨張する金属成分は、Biである、発光デバイス。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載された発光デバイスであって、前記支持基板は、セラミック基板でなる、発光デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載された発光デバイスであって、前記支持基板は、Siを主成分とする基板でなり、厚み方向の両面及び前記貫通電極を通す貫通孔の内壁面が酸化され、又は、窒化されている、発光デバイス。
【請求項8】
請求項1乃至5の何れかに記載された発光デバイスであって、前記支持基板は、樹脂基板である、発光デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載された発光デバイスであって、
前記第1半導体面電極は、Auを含有する電極膜を含み、
前記第2半導体面電極は、Auを含有とする電極膜を含む、
発光デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載された発光デバイスであって、さらに前記第2半導体面電極は、光反射電極膜を含み、
前記光反射電極膜は、AgまたはAlを主成分とする反射電極膜を含み、前記他方の半導体層の上に設けられ、
前記電極膜は、前記光反射電極膜に積層されている、
発光デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載された発光デバイスであって、前記光反射電極膜は、前記他方の半導体層とは反対側において、AgまたはAlを主成分とする前記反射電極膜に積層されたCrを主成分とする第2反射電極膜を含む、発光デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れかに記載された発光デバイスであって、前記透明結晶基板は、前記光出射面に、微細凹凸形状が形成されている、発光デバイス。
【請求項13】
請求項1乃至11の何れかに記載された発光デバイスであって、前記透明結晶基板の前記光出射面に、微細凹凸形状を有する透明光学部品が配置されている、発光デバイス。
【請求項14】
請求項1乃至11の何れかに記載された発光デバイスであって、前記透明結晶基板の前記光出射面または内部に蛍光体が配置されている、発光デバイス。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れかに記載された発光デバイスを製造する方法であって、
前記透明結晶基板の光出射面とは反対側の他面に、前記半導体層及び前記半導体面電極を積層した積層体を準備し、
前記積層体の前記半導体層及び前記半導体面電極をパターン化して、個別化された発光エレメントを形成し、
次に、前記発光エレメントを共通に覆う耐熱性樹脂を塗布し、硬化させて絶縁層を形成し、
次に、前記絶縁層に、前記半導体面電極に達する縦孔を穿孔し、
次に、前記縦孔内に、凝固により膨張する金属成分を含む溶融金属を充填し、凝固させて縦導体を形成し、
前記絶縁層に、貫通電極を有する支持基板を貼り合わせ、前記縦導体と、前記貫通電極とを接合する、
工程を含む、発光デバイスの製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載された発光デバイスの製造方法であって、
前記支持基板に設けられた貫通孔内に、凝固により膨張する金属成分を含む溶融金属を充填し、凝固させ、前記貫通電極を形成する、
工程を含む、発光デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−89646(P2012−89646A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234459(P2010−234459)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【特許番号】特許第4778107号(P4778107)
【特許公報発行日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(504034585)有限会社 ナプラ (55)
【Fターム(参考)】