説明

発呼タイミング制御装置および発呼タイミング制御方法

【課題】 複数のドライバから情報提供の要求があった場合に、ドライバの応答を得ることができる適切なタイミングで発呼できる発呼タイミング制御装置を提供する。
【解決手段】 発呼タイミング制御装置10は、車両に搭載された車載装置50から、ドライバのワークロードに関するデータと車両の現在位置のデータを受信するデータ受信部11と、現在位置のデータと道路地図のデータとに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求め、車両の進行方向の道路区間における過去のワークロードの値に基づいて、ワークロードの変化を予測するワークロード予測部12と、情報を通知すべき車両が複数存在する場合に、ワークロードの低負荷期間に発呼し、かつ、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するように、各車載装置への発呼タイミングを決定するスケジューリング部13と、発呼タイミングであることを出力するタイミング出力部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を運転中のドライバに対して適切なタイミングで電話をかけることができる発呼タイミング制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両からの要求に応じて様々な情報を、オペレータにより、あるいは音声自動応答装置によって車両に提供する装置が知られている。このような情報提供装置においては、他の車両の追い越し中、交差点通過中、または車線変更中等に情報提供が行われると、ドライバの集中力を損なうことになって危険であったり、あるいは、ドライバが情報を理解できないことになったりするという課題があった。
【0003】
特許文献1および特許文献2は、上記課題を解決する発明を開示している。特許文献1には、ドライバの運転状況に応じて情報を提供する音声自動応答サービスが記載されている。このサービスでは、車載機から情報センターに車両の状況を示す車両情報を送信する。情報センターでは、受信した車両情報に基づいて、運転者に対する運転負荷の大きさを判定し、運転負荷レベルに基づいて自動音声案内の方法を変更する。例えば、運転負荷が大きいときには、音声案内の速度を遅くする。
【0004】
特許文献2には、オペレータが検索した情報がユーザの希望に沿った情報であるか否かの確認を行う情報提供システムが記載されている。この文献に記載された情報提供システムでは、車載機から情報センターへ情報提供要求が伝わると、情報センターと車載機の間の通信を一旦切断し、運転負荷が小さく、ドライバが応答できる状態のときに、情報センターと車載機との通信を再開し、情報の確認を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−348657号公報
【特許文献2】特開2007−110272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1に記載された発明では、自動音声案内の方法を変えているが、運転負荷が大きい場合には、いくら自動音声案内の速度を遅くしても、運転の妨げになるかあるいは情報を理解できない結果になるので、音声案内の方法を変えるだけでは十分ではない。
【0007】
特許文献2に記載された発明では、運転の負荷が小さいときに、情報センターと車載機とを接続するので、ドライバに適切に応答できる可能性が高い。特許文献2では、ドライバとオペレータが1対1であることを想定している。
【0008】
本発明は、複数のドライバから情報提供の要求があった場合に、ドライバの応答を得ることができる適切なタイミングで発呼する発呼タイミング制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発呼タイミング制御装置は、道路地図のデータを記憶した地図データ記憶部と、車両に搭載された車載装置から、運転中のドライバのワークロードに関するデータ、および、車両の現在位置のデータを受信する受信部と、前記現在位置のデータと前記道路地図のデータとに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求め、車両の進行方向の道路区間における過去のワークロードに関するデータに基づいて、ワークロードの変化を予測するワークロード予測部と、情報を通知すべき車両が複数存在する場合に、各車両のドライバの予測されるワークロードの変化からワークロードが所定の閾値より小さい低負荷期間を求め、前記低負荷期間に発呼し、かつ、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するように、各車載装置への発呼タイミングを決定するスケジューリング部と、前記発呼タイミングが到来したときに、発呼タイミングであることを出力する出力部とを備える。
【0010】
このように予測されるワークロードの変化に基づいて、低負荷期間に発呼するように発呼タイミングを決定することにより、ドライバが応答しやすいタイミングに発呼することができる。また、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するようにスケジューリングするので、複数の車両に効率良く発呼することができる。なお、ワークロードに関するデータは、ワークロードの値であってもよいし、ワークロードの値を計算するためのデータ(例えば、速度データ、操舵角データ、ウィンカーの検知データ等)であってもよい。
【0011】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記スケジューリング部は、前記低負荷期間内に、情報の通知が完了するように各車載装置への発呼タイミングを決定してもよい。
【0012】
この構成により、低負荷期間の継続中に、安全に情報を通知することができる。
【0013】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記車両に通知する情報には優先度が設定されており、前記スケジューリング部は、前記優先度に基づく順序で発呼するように各車載装置への発呼タイミングを決定してもよい。
【0014】
この構成により、緊急の情報あるいは重要な情報のように優先度の高い情報がある場合には、その情報を他に優先して通知することができる。
【0015】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記車両に通知する情報には有効期限が設定されており、前記スケジューリング部は、前記有効期限までに情報の通知が完了するように各車載装置への発呼タイミングを決定してもよい。
【0016】
この構成により、適切なタイミングに情報を通知することができる。有効期限が設定された情報の例としては、例えば、POI(Point Of Interest)に関する情報がある。POIの情報は、車両がそのPOIを通過する前に提供することが好ましいので、POIに関する情報には有効期限が設定される。
【0017】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記受信部は、車両に設定された経路のデータを受信し、前記ワークロード予測部は、前記経路のデータに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求めてもよい。
【0018】
車載装置から経路のデータを受信できる場合には、経路のデータに基づいて車両が進む経路を正確に把握できるので、ワークロードの予測精度を高めることができる。
【0019】
本発明の発呼タイミング制御装置は、複数のドライバのワークロードに基づいて生成された道路区間毎のワークロードの基準値とその道路区間を識別する識別子とを関連付けて記憶した区間別基準値記憶部を備え、前記ワークロード予測部は、前記区間別基準値記憶部から、車両の進行方向にある道路区間における前記基準値を読み出すことにより、ワークロードの変化を予測してもよい。
【0020】
この構成により、ワークロードの基準値に基づいて、適切にワークロードを予測することができる。
【0021】
本発明の発呼タイミング制御装置は、車両信号からワークロードのデータを求めるための定量化モデルを記憶したモデル記憶部を有し、前記ワークロード予測部は、車両の進行方向にある道路区間を走行する前方車両の車両信号を受信している場合には、前記前方車両の車両信号を前記定量化モデルに適用することにより、当該道路区間でのワークロードの予測値を求めてもよい。
【0022】
この構成により、前方車両の車両信号に基づいてワークロードを予測するので、現在の交通状況に応じたワークロードの値を適切に予測することができる。
【0023】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記ワークロード予測部は、車両が前記信号機を通過するときの信号機の指示を予測し、予測される指示と同じ指示のときに前記信号機を通過した前方車両の車両信号を前記定量化モデルに適用することにより、当該道路区間でのワークロードの予測値を求めてもよい。
【0024】
本発明の発呼タイミング制御装置は、車両信号からワークロードのデータを求めるための定量化モデルを記憶したモデル記憶部を有し、前記受信部は、進行方向にある道路区間を過去に走行したときに得られた車両信号を受信し、前記ワークロード予測部は、車両の進行方向にある道路区間における過去の車両信号を受信した場合には、前記過去の車両信号を前記定量化モデルに適用することにより、当該区間でのワークロードの予測値を求めてもよい。
【0025】
この構成により、自車の車両信号に基づいてワークロードを予測するので、個々のドライバの運転の癖などを考慮したワークロードを求めることができる。
【0026】
本発明の発呼タイミング制御装置は、道路属性に対応する運転負荷の値を記憶したテーブルを有し、前記ワークロード予測部は、前記地図データに基づいて現在位置と進行方向の道路属性を求め、前記テーブルから現在位置の道路属性に対応する運転負荷の値と、進行方向の道路属性に対応する運転負荷の値を読み出し、進行方向における運転負荷の値から現在の運転負荷の値を減算した値を、現在のワークロードに加算してワークロードの変化を予測してもよい。
【0027】
ワークロードを構成する運転負荷の差分(現在値からの変化分)を現在のワークロードに加算することにより、運転負荷以外の部分(非運転負荷)が変わらないと仮定してワークロードを求めることができる。これにより、全道路区間のワークロードのデータを持っていなくても、適切にワークロードを求めることができる。
【0028】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記スケジューリング部は、前記車載装置との間の通信遅延時間に基づいて、各車載装置への発呼タイミングを決定してもよい。
【0029】
この構成により、通信遅延の影響を低減できる。通信遅延時間は、例えば、車載装置からワークロードを測定した時刻のデータを受信し、測定時刻と受信時刻との差分により求めることができる。
【0030】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記出力部は、発呼タイミングになったときに、該当の車載装置に対して発呼するように要求信号を送信してもよい。
【0031】
この構成により、発呼タイミングになると自動的に発呼することができ、スケジューリングに従った発呼が可能となる。
【0032】
本発明の発呼タイミング制御装置は、前記発呼タイミングに、運転中のドライバのワークロードに関するデータを受信し、ワークロードが所定の閾値以下であるか否かを判定する判定部を備え、前記出力部は、前記判定部にてワークロードが所定の閾値以下であると判定された場合に、発呼タイミングであることを出力してもよい。
【0033】
この構成により、予測されたワークロードが適正であったか否かを判定した上で発呼するので、予測と異なりワークロードが高い場合には発呼タイミングであることを出力しないように制御できる。
【0034】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記スケジューリング部は、前記判定部にて、ワークロードが所定の閾値より大きいと判定された場合に、再度、各車載装置への発呼タイミングを決定してもよい。
【0035】
この構成により、スケジューリングされた発呼タイミングに発呼できなかった場合に、改めて発呼タイミングを決定できる。
【0036】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記受信部は、ドライバのナビゲーション装置に対する操作情報を受信し、前記出力部は、ドライバがナビゲーション装置を操作中で、かつ、発呼して通知しようとしている情報がナビゲーション装置への表示が必要な情報の場合には、発呼タイミングを出力しない構成としてもよい。
【0037】
これにより、ナビゲーション装置の操作中に画面が切り替わってしまうことがないので、操作の邪魔にならない。
【0038】
本発明の発呼タイミング制御装置において、前記受信部は、ドライバのナビゲーション装置に対する操作情報を受信し、ドライバがナビゲーション装置を操作中のときには、ナビゲーション装置の画面への表示が必要ない情報に加工して通知する情報通知部を備えてもよい。
【0039】
これにより、ナビゲーション装置の操作中に画面が切り替わってしまうことがないので、操作の邪魔にならない。
【0040】
本発明の車載装置は、車両内に持ち込まれた携帯電話と通信する通信部と、運転に起因する負荷と運転以外に起因する負荷を含むドライバのワークロードを検出するワークロード検出部と、前記ワークロードが所定の閾値より大きい場合に、前記携帯電話に対して着信拒否するように要求信号を送信する着信拒否部とを備える。
【0041】
これにより、運転負荷および非運転負荷を含むワークロードが大きい場合に、運転の妨げになる着信音が発生しないようにできる。
【0042】
本発明の発呼タイミング制御方法は、車両に搭載された車載装置に対して発呼するタイミングを、発呼タイミング制御装置によって制御する発呼タイミング制御方法であって、前記発呼タイミング制御装置が、前記車載装置から、運転中のドライバのワークロードに関するデータ、および、車両の現在位置のデータを受信するステップと、前記発呼タイミング制御装置が、前記現在位置のデータと地図データ記憶部に記憶された道路地図のデータとに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求め、車両の進行方向の道路区間における過去のワークロードに関するデータに基づいて、ワークロードの変化を予測するステップと、情報を通知すべき車両が複数存在する場合に、前記発呼タイミング制御装置が、各車両のドライバの予測されるワークロードの変化からワークロードが所定の閾値より小さい低負荷期間を求め、前記低負荷期間に発呼し、かつ、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するように、各車載装置への発呼タイミングを決定するステップと、前記発呼タイミングが到来したときに、前記発呼タイミング制御装置が前記発呼タイミングであることを出力するステップとを備える。
【0043】
この構成により、上記した発呼タイミング制御装置と同様に、ドライバが応答しやすいタイミングに発呼することができると共に、複数の車両に効率良く発呼することができる。なお、上記した発呼タイミング制御装置の各種の構成を本発明の発呼タイミング制御方法に適用することが可能である。
【0044】
本発明のプログラムは、車両に搭載された車載装置に対して発呼するタイミングを制御するためのプログラムであって、コンピュータに、前記車載装置から、運転中のドライバのワークロードに関するデータ、および車両の現在位置のデータを受信するステップと、前記現在位置のデータと地図データ記憶部に記憶された道路地図のデータとに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求め、車両の進行方向の道路区間における過去のワークロードに関するデータに基づいて、ワークロードの変化を予測するステップと、情報を通知すべき車両が複数存在する場合に、各車両のドライバの予測されるワークロードの変化からワークロードが所定の閾値より小さい低負荷期間を求め、前記低負荷期間に発呼し、かつ、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するように、各車載装置への発呼タイミングを決定するステップと、前記発呼タイミングが到来したときに発呼タイミングであることを出力するステップとを実行させる。
【0045】
この構成により、上記した発呼タイミング制御装置と同様に、ドライバが応答しやすいタイミングに発呼することができると共に、複数の車両に効率良く発呼することができる。なお、上記した発呼タイミング制御装置の各種の構成を本発明のプログラムに適用することが可能である。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、予測されるワークロードの変化に基づいて、低負荷期間に発呼するように発呼タイミングを決定することにより、ドライバが応答しやすいタイミングに発呼することができると共に、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するようにスケジューリングするので、複数の車両に効率良く発呼することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1の実施の形態の発呼タイミング制御装置の構成を示す図である。
【図2】ワークロード測定部の構成を示す図である。
【図3】定量化モデル記憶部に記憶された定量化モデルの例を示す図である。
【図4】表示部に表示される画面例を示す図である。
【図5】発呼待ち車両データ記憶部に記憶されたデータの例を示す図である。
【図6】区間別基準値記憶部に記憶されたデータの例を示す図である。
【図7】情報センター装置にて情報を提供するまでの動作を示すフローチャートである。
【図8】発呼タイミング制御装置にて、車載装置に電話をかける発呼タイミングを出力する動作を示すフローチャートである。
【図9】ワークロードの予測動作を示すフローチャートである。
【図10】発呼タイミング制御装置によるスケジューリングの動作を示すフローチャートである。
【図11】発呼待ちの車両について、予測されるワークロードの時間推移とスケジューリング結果を示す図である。
【図12】第2の実施の形態の発呼タイミング制御装置の構成を示す図である。
【図13】ワークロード測定部の構成を示す図である。
【図14】(a)運転操作のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。(b)道路属性のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。(c)機器操作のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。(d)聴覚コンテンツのデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。(e)視線動作のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。
【図15】ワークロード予測部の処理を示すフローチャートである。
【図16】(a)道路の例を示す図である。(b)将来のワークロードの予測推移を示す図である。
【図17】第3の実施の形態の発呼タイミング制御装置の構成を示す図である。
【図18】スケジューリング部によるスケジューリングの動作の一例を示すフローチャートである。
【図19】発呼待ちの車両について、予測されるワークロードの時間推移とスケジューリング結果を示す図である。
【図20】第4の実施の形態の発呼タイミング制御装置の構成を示す図である。
【図21】スケジューリング部によるスケジューリングの動作の一例を示すフローチャートである。
【図22】遅延時間をも用いてスケジューリングを行う方法について説明するための図である。
【図23】発呼タイミングが到来したときの発呼タイミング制御装置の動作を示す図である。
【図24】第7の実施の形態の発呼タイミング制御装置の構成を示す図である。
【図25】発呼タイミングが到来したときの発呼タイミング制御装置の動作を示す図である。
【図26】第8の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図27】車載装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態の発呼タイミング制御装置について図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態では、発呼タイミング制御装置が情報センター装置に設けられている例について説明する。情報センターでは、ドライバから情報検索の要求を受けると、いったん電話を切ってオペレータが情報を検索する。情報検索の終了後、オペレータはドライバに電話をかけて検索結果がドライバの意向に沿ったものであるかどうかを問い合わせる。本実施の形態の発呼タイミング制御装置は、ドライバに電話をかけるタイミングを制御する。なお、本発明は、ドライバからの情報検索の要求に対応して電話をかける場合に限らず、情報センター主導でドライバに対して発呼する場合に適用することも可能である。
【0049】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の発呼タイミング制御装置1の構成を示す図である。第1の実施の形態の発呼タイミング制御装置1は、情報センター装置30に設けられており、情報センター装置30と連携している。情報センター装置30は、車載装置50と無線によって通信を行う。発呼タイミング制御装置1は、情報センター装置30の通信部31を通じて車載装置50から各種のデータを受信する。
【0050】
[車載装置]
最初に車載装置50について説明する。車載装置50は、複数の車両のそれぞれに搭載されている。車載装置50は、情報センター装置30と通信を行うための通信部51と、ワークロードを測定するワークロード測定部52とを有している。車載装置50には、車両の現在位置を検出する位置検出センサ70が接続されている。位置検出センサ70としては、例えば、GPS受信機、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ等を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0051】
図2は、ワークロード測定部52の構成を示す図である。ワークロード測定部52には、視線センサ53と車両センサ54とが接続されている。視線センサ53は、ドライバの顔を撮影するカメラと、撮影した画像を解析する解析部とを有している。カメラにて撮影した画像を解析してドライバの顔の向きや黒目の向いている方向を求めることにより、ドライバの視線を検出する。また、視線センサ53として、アイカメラを用いてもよい。
【0052】
車両センサ54として、車両の動作を検出する様々なセンサを用いることができる。例えば、車両速度を検出するセンサ、ギアを検知するセンサ、ハンドルの操舵角を検知するセンサ、ウィンカーの点灯を検知するセンサ、エアコンの設定温度や風量を検知するセンサ、CDプレーヤやラジオの音量や操作を検知するセンサ、ナビゲーション装置に対する操作を検知するセンサ、ヘッドライトの点灯を検知するセンサ、ワイパーの動作を検知するセンサなどである。上記に挙げたセンサは例示であり、上記以外のセンサを用いることも可能である。
【0053】
ワークロード測定部52は、視線センサ53および車両センサ54にて取得したデータからワークロードを求めるための定量化モデルを記憶した定量化モデル記憶部56と、定量化モデルに視線センサ53および車両センサ54にて取得したデータを適用してワークロードを計算するワークロード計算部55とを有している。
【0054】
図3は、定量化モデル記憶部56に記憶された定量化モデルの例を示す図である。定量化モデルは、運転に関するワークロードDWL、機器操作に関するワークロードOWL、聴覚に関するワークロードAWL、視線に関するワークロードVWLのそれぞれを求めるための定式化モデルを記憶している。
【0055】
定式化モデルは、様々な状況(例えば、交差点、追い越し、オーディオ操作等)において視線センサ53や車両センサ54で得られる検知データと当該状況におけるワークロードの値の関係を、例えば、線形重回帰分析、主成分分析、因子分析などの統計的手法を用いて求めることにより作成される。なお、様々な状況におけるワークロードの値は、例えば、事前に、ドライバに対して当該状況において感じるワークロードの値を評価してもらい、その評価値に基づいて決定することができる。また、ワークロードの値は、ドライバの主観的な評価に基づくのではなく、様々な状況においてドライバの生体信号(例えば、心拍数、血圧、呼吸の速さ等)を取得し、生体信号からワークロードの値を決定してもよい。
【0056】
図3に示すように、運転に関するワークロードDWLに寄与するデータ(運転WL寄与データ)には、車両運転中の舵角d1(度)、車速d2(km/h)、車間距離d3(m)、アクセル開度率d4(%)、ブレーキ信号d5(ON:1、OFF:0)のデータが含まれる。これらのデータd1〜d5とワークロードの値との関係を統計的手法などで導くことにより、下記の式(1)に示すように運転ワークロード(DWL)の定式化が行われる。
DWL=α(n)×d1/360+β(n)×d2/100+γ(n)/d3
+δ(n)×d4/100+ε×d5 ・・・(1)
【0057】
ここで、α、β、γ、δ、εは、重み付け係数であり、nは、ユーザの車両運転に関する慣れを考慮した慣れ係数である。この慣れ係数は、ユーザの走行履歴に基づいて定められる係数である。重み付け係数αを例示して説明すると、ユーザが初めて車両走行をした場合(n=1)の重み付け係数は、α(1)となり、ユーザが二度目に車両走行した場合(n=2)の重み付け係数は、α(2)となる。つまり、この定式化モデルは、ユーザの車両運転に関する慣れを考慮した重み付け処理がなされている。機器操作に関するワークロードOWL、聴覚に関するワークロードAWL、視線に関するワークロードVWLも、運転に関するワークロードDWLと同様に定式化されている。
【0058】
ワークロード計算部55は、定量化モデル記憶部56に記憶された定量化モデルを読み出し、読み出した定量化モデルに、視線センサ53、車両センサ54にて検知したデータを代入することにより、ワークロードの値を計算する。車載装置50は、ワークロード測定部52にて測定したワークロードの値と、そのワークロードを測定したときの車両の現在位置のデータを情報センター装置30に送信する。
【0059】
[情報センター装置]
図1に示すように、情報センター装置30は、車載装置50と通信するための通信部31と、ドライバに提供する情報を記憶した提供情報記憶部32と、提供情報から情報を検索する情報検索部33と、検索された情報を一時的に記憶する送信情報記憶部34と、車載装置50に対して電話をかける(発呼する)発呼部35と、車両の各種の情報を表示する表示部36とを有している。
【0060】
図4は、表示部36に表示される画面例を示す図である。画面は4分割されており、画面の左上に車両前方の撮影画像とドライバの視線の動きの情報が表示されている。画面の右上に車両の各種センサから取得した車両情報が表示されている。車両情報としては、「舵角」「車速」「加速度」「車間距離」「アクセル開度率」「ギア段」「ペダルアイドル」「ブレーキ信号」「左ターンSW」「右ターンSW」「走行方位」「経路案内中判定」「交差点判定」「交差点までの残距離」「交差点形状」「道路種別」の情報が表示されている。
【0061】
画面の左下には、ワークロードのデータが表示されている。運転に関するワークロード、操作に関するワークロード、視覚に関するワークロード、聴覚に関するワークロードが表示されている。運転に関するワークロードは、後述するように、車両が走行する道路区間に応じて予測することができる。操作に関するワークロード、視覚に関するワークロード、聴覚に関するワークロードについては、車載装置50から受信したワークロードの値を表示する。画面の右下には、将来の予測されるワークロードと、車両の現在位置周辺の地図が表示されている。
【0062】
[発呼タイミング制御装置]
次に、発呼タイミング制御装置1について説明する。発呼タイミング制御装置1は、通信部31を通じて車載装置50からデータを受信するデータ受信部11と、受信したデータを用いて将来のワークロードを予測するワークロード予測部12と、予測されるワークロードに基づいて発呼のスケジューリングを行うスケジューリング部13と、スケジューリングされた発呼タイミングを出力するタイミング出力部14とを有している。
【0063】
データ受信部11は、少なくとも、運転中のドライバのワークロードに関するデータと、車両の現在位置のデータを受信する。データ受信部11は、車両の走行方位のデータを受信してもよい。また、車両が有するナビゲーション装置に経路が設定されている場合には、データ受信部11は、車載装置50から案内中の経路データを受信してもよい。データ受信部11には、情報センターからの発呼を待っている車両を示すデータを記憶する発呼待ち車両データ記憶部15が接続されている。
【0064】
図5は、発呼待ち車両データ記憶部15に記憶されたデータの例を示す図である。発呼待ち車両データ記憶部15には、情報検索を要求してきた車載装置50を示すデータが、その要求の受付順と共に記憶されている。図5に示す例では、最初に情報検索の要求を受け付けたのは「D1102」の車載装置50、次は「D4374」の車載装置50、その次は「D2785」の車載装置50である。車載装置50に対して発呼を行い、所望の情報を通知した場合、発呼待ち車両データ記憶部15から該当レコードは削除される。
【0065】
ワークロード予測部12は、進行方向の道路区間における過去のワークロードのデータに基づいてワークロードの変化を予測する機能を有する。ワークロード予測部12には、地図データを記憶した地図データ記憶部16と、道路区間別のワークロードの基準値を記憶した区間別基準値記憶部17と、車両信号からワークロードのデータを求めるための定量化モデル記憶部18が接続されている。
【0066】
図6は、区間別基準値記憶部17に記憶されたデータの例を示す図である。区間別基準値記憶部17には、「道路区間ID」によって特定される道路区間におけるワークロードの「基準値」のデータが記憶されている。ワークロードの基準値とは、各道路区間において一般的なドライバにかかるワークロードを表す値である。基準値としては、例えば、該当の道路区間において複数の車両装置から取得したワークロードの全データの平均値を用いてもよいし、全データの中央値や最頻値を用いてもよい。また、全データを用いるのではなく、優良ドライバの車両に搭載された車載装置50から受信したワークロードの平均値や中央値、最頻値等を用いてもよい。なお、優良ドライバか否かは、例えば、事故歴、違反歴、走行距離、運転頻度、ドライバの年代(例えば、30〜40代)、取得した統計データとの乖離が少ないドライバか否か、該当の道路区間を良く通るか否か等を用いて判定することができる。図6に示す例では、道路区間「R0001」における基準値は「78」であり、「道路区間R0002」における基準値は「136」であり、道路区間「R0003」における基準値は「156」である。
【0067】
定量化モデル記憶部18に記憶された定量化モデルは、基本的には、車載装置50に記憶された定量化モデル(図3参照)と同じモデルである。ただし、定量化モデル記憶部18に記憶された定量化モデルは、特定ユーザのワークロードを計算するモデルではないので、ユーザの車両運転に関する慣れを考慮した重み付け処理はなされていない。
【0068】
ワークロード予測部12は、まず、車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向にある道路区間を求める。具体的には、ワークロード予測部12は、地図データ記憶部16から地図データを読み出し、地図データと現在位置のデータとを重ね合わせることにより現在走行中の道路区間を特定する。また、異なる時刻に取得した2つの位置データから車両の進行方向を求め、進行方向にある道路区間を特定する。なお、車載装置50から走行方位のデータを受信している場合には、ワークロード予測部12は、異なる時刻の位置データを取得することなく、走行方位から車両の進行方向を求めることができる。また、ワークロード予測部12は、車載装置50から案内中の経路データを受信している場合には、現在位置と経路データから進行方向の道路区間を求めることができる。
【0069】
次に、ワークロード予測部12は、進行方向の道路区間に対応するワークロードの基準値を区間別基準値記憶部17から読み出し、読み出した基準値を、進行方向の道路区間を走行する際のワークロードの予測値とする。
【0070】
ワークロード予測部12は、進行方向の道路区間を走行する前方車両の車両信号のデータがある場合には、当該車両信号のデータを定量化モデル記憶部18に記憶された定量化モデルに適用することにより、当該道路区間のワークロードを予測する。なお、この車両信号のデータは、例えば、次のいずれかの方法によって取得することができる。第1の方法は、ワークロードの予測対象となっている車両が、その前方車両から車車間通信によって車両信号を取得し、取得した車両信号を送信する方法である。第2の方法は、発呼タイミング制御装置1が、ワークロードの予測対象となっている車両の前方車両の車載装置50から直接に車両信号を受信する方法である。
【0071】
ワークロードの予測対象の車両が、進行方向の道路区間を過去に走行したときの車両信号のデータがある場合には、ワークロード予測部12は、過去の車両信号のデータを定量化モデル記憶部18に記憶された定量化モデルに適用することにより、当該道路区間のワークロードを予測する。
【0072】
次に、ワークロード予測部12は、現在の車両速度から、進行方向の各道路区間を走行する時刻を予測し、ワークロードの予測データを生成する。例えば、時速60mで走行している場合に、3Km先にある道路区間には、3分後に到達すると計算できるので、当該道路区間のワークロードの値を3分後の予測ワークロードの値とする。
【0073】
スケジューリング部13は、予測されるワークロードの推移に基づいて、複数の車載装置50のそれぞれに発呼するタイミングをスケジューリングする機能を有する。スケジューリング部13は、「ワークロードが所定の閾値以下のときに発呼し、情報の通知が完了すること」を制約条件とし、複数の車載装置50に対する情報の通知が最も早く終了するように発呼のタイミングを決定する。スケジューリングの具体例については後述する。
【0074】
タイミング出力部14は、スケジューリング部13にて求めた発呼タイミングになったときに、表示部36に、車載装置50への発呼指示を表示する。発呼指示は表示部36への表示だけでなく、図示しないスピーカから音声によって出力してもよい。
【0075】
上記に説明した発呼タイミング制御装置1は、CPU、ROM、RAM、及びこれらを接続するデータバスなどを有するコンピュータによって構成される。ROMに書き込まれたプログラムに従ってCPUが演算処理を実行することにより、上記機能が実現される。地図データ記憶部16、区間別基準値記憶部17、定量化モデル記憶部18は、ROMによって構成してもよいし、外部の記録媒体によって構成してもよい。
【0076】
図7は、情報センター装置30にて情報を提供するまでの動作を示すフローチャートである。図7に示すように車載装置50は、情報センター装置30に対して情報検索を依頼する(S10)。ここでの情報検索依頼は、例えば、オペレータに電話をかけ、検索したい情報をオペレータに口頭で伝える。例えば、「近くの洋食の店を探してください。」等というように依頼する。情報センターにおいて、オペレータが情報検索依頼を受け付けると(S12)、いったん電話回線を切断する(S14)。
【0077】
続いて、オペレータが、情報検索依頼に従って情報検索を行った後(S16)、ドライバに電話をかけ、その検索結果がドライバの意に沿ったものかどうかを確認する(S18)。例えば、オペレータは、「○○町に新しくオープンしたイタリアンの店があります。ご案内しますか?」等と問い合わせをする。ドライバが情報検索結果を確認した場合には(S20)、情報センターは、当該検索結果のデータを送信し(S22)、車載装置50は、検索結果を受信する(S24)。検索結果のデータとしては、例えば、検索された店の住所、電話番号や口コミ情報などがある。車載装置50は、検索結果を受信すると、例えば、検索された店を目的地として設定する。
【0078】
発呼タイミング制御装置1は、結果の確認のために電話をかけるタイミング(S18)をスケジューリングする。発呼タイミング制御装置1は、情報センター装置30が新しく情報検索の依頼を受けたときに、発呼タイミングのスケジューリングを開始する。
【0079】
図8は、発呼タイミング制御装置1にて、車載装置50に電話をかける発呼タイミングを出力する動作を示すフローチャートである。車載装置50は、ワークロードを測定し(S30)、ワークロードを測定したときの車両の位置を検出する(S32)。車載装置50は、ワークロードのデータと車両の位置データを発呼タイミング制御装置1に送信する(S34)。発呼タイミング制御装置1は、ワークロードのデータと車両の位置データとを受信すると(S36)、受信したデータを用いて当該車両の将来のワークロードを予測する(S38)。
【0080】
図9は、ワークロードの予測動作を示すフローチャートである。発呼タイミング制御装置1は、車両の現在位置のデータから、車両が走行している道路と車両の進行方向を特定する(S50)。続いて、発呼タイミング制御装置1は、進行方向にある道路区間を特定する(S52)。
【0081】
次に、発呼タイミング制御装置1は、その道路区間において取得した前方車両の車両信号があるか否かを判定する(S54)。具体的には、前方車両から発呼タイミング制御装置1に送信されてきた車両信号があるか、ワークロードの予測対象の車両が車車間通信によって前方車両から取得した車両信号を受信しているかを判定する。前方車両の車両信号がある場合には(S54でYES)、その車両信号を定量化モデルに適用することにより、ワークロードを計算する(S60)。
【0082】
前方車両の車両信号がない場合には(S54でNO)、自車が過去にその道路区間を通ったときの車両信号があるか否かを判定する(S56)。自車の車両信号がある場合には(S56でYES)、その車両信号を定量化モデルに適用することにより、ワークロードを計算する(S60)。自車の車両信号がない場合には(S56でNO)、発呼タイミング制御装置1は、区間別基準値記憶部17から、その道路区間の区間別基準値を読み出す(S58)。次に、発呼タイミング制御装置1は、車速のデータを用いて各道路区間に到達するまでの所要時間を予測し、ワークロードの時間推移を算出する(S62)。なお、車速のデータとしては、道路区間ごとに定められた法定速度を用いる。もし、車両から車速のデータを受信している場合には、受信した車速データを用いてもよい。
【0083】
図8に戻って、発呼タイミング制御装置1の動作について説明する。発呼タイミング制御装置1は、予測されたワークロードの時間推移に基づいてスケジューリングを行う(S40)。
【0084】
図10は、発呼タイミング制御装置1によるスケジューリングの動作を示すフローチャートである。図11は、発呼待ちの車両A〜Cについて、予測されるワークロードの時間推移とスケジューリング結果を示す図である。
【0085】
発呼タイミング制御装置1は、発呼待ちの車両A〜Cの中から、次に、低負荷期間が開始する車両を検出する(S70)。図11に示す例では、車両Bが検出される。発呼タイミング制御装置1は、低負荷期間の長さが所定の閾値(例えば、30秒)より長い否かを判定する(S72)。ここで、所定の閾値は、オペレータがドライバに対し情報の確認をするために必要な時間である。この判定の結果、低負荷期間の長さが所定の閾値より大きくない場合には(S72でNO)、次に低負荷期間が開始する車両を検出する(S70)。
【0086】
ステップS72における判定の結果、低負荷期間の長さが所定の閾値より大きいと判定された場合には(S72でYES)、低負荷期間が開始するタイミングを当該車両への発呼タイミングとして決定する。図11に示す例では、時刻T=t0から開始される車両Bの低負荷期間は、所定の閾値より長いので、時刻T=t0を車両Bへの発呼タイミングとして決定する。図11の下から2番目のタイムチャートは、本実施の形態によるスケジューリング結果を示す。
【0087】
発呼タイミング制御装置1は、発呼待ちの全車両について発呼タイミングを決定したか否かを判定し(S76)、全車両への発呼タイミングが決定された場合には(S76でYES)、スケジューリングを終了する。全車両A〜Cへの発呼タイミングが決定されていない場合には(S76でNO)、車両Bへの情報の通知が完了した時刻t1の後に、次に低負荷期間が開始する車両を検出する(S70)。以下、上記の処理を、全車両A〜Cへの発呼タイミングが決定されるまで繰り返し行う。
【0088】
図8に戻って、発呼タイミング制御装置1の動作について説明する。発呼タイミング制御装置1は、スケジューリングされた発呼タイミングの時刻になると、発呼タイミングであることを示すデータを表示部36に出力し、表示部36にて発呼タイミングを表示する(S42)。以上、第1の実施の形態の発呼タイミング制御装置1の構成および動作について説明した。
【0089】
第1の実施の形態の発呼タイミング制御装置1は、発呼待ちの複数の車両のドライバのワークロードの時間推移を予測し、予測されたワークロードの時間推移に基づいて発呼タイミングをスケジューリングするので、効率良く発呼および情報の通知を早く行うことができる。
【0090】
図11の最下段には、スケジューリングを行わないで、情報検索依頼を受け付けた順に発呼するときの発呼タイミングのタイムチャートを示している。スケジューリングを行っていない場合、車両Aに対する情報通知が完了するまで、車両B、Cに対する発呼を行わないので、本実施の形態のスケジューリングを行う場合に比べて時間がかかっている。本実施の形態によれば、車両Aのワークロードが高くて車両Aに発呼できない期間に車両B,Cに対する情報通知を行うので、車両B,Cに対して情報を早く通知できる。
【0091】
なお、本実施の形態では、情報センターが情報を通知すべき複数の車両が存在する場合を例として説明したが、情報センターが情報を通知すべき車両が一台しかない場合にもスケジューリングを行ってもよい。例えば、ドライバとの通話が長くなることが予測される場合には、予測されるワークロードのデータに基づいて、低負荷期間が長く続くタイミングで発呼するようにスケジューリングすることにより、低負荷期間の継続中に、安全に情報を通知できる。
【0092】
また、本実施の形態では、発呼タイミング制御装置1は、スケジューリングされた発呼タイミングが到来したときに、表示部36に、発呼タイミングである旨を表示する例について説明したが、発呼タイミング制御装置1は、発呼タイミングの情報を発呼部35に送信し、発呼部35が発呼することとしてもよい。これにより、オペレータが表示を確認してから発呼するという手間が省け、さらに効率良く発呼することが可能となる。
【0093】
本実施の形態では、図10を用いて、「ワークロードが所定の閾値以下のときに発呼し、情報の通知が完了すること」を制約条件とし、複数の車載装置50に対する情報の通知が最も早く終了するように発呼のタイミングを決定する方法の一例を説明したが、上記制約条件の下で複数の車載装置50に対する情報の通知が最も早く終了するようにスケジューリングを行う方法は、上記フローに限定されない。バックトラック法、制約伝播法等の制約充足問題を解く公知の技術により、スケジューリングを行うことが可能である。
【0094】
(第2の実施の形態)
図12は、第2の実施の形態の発呼タイミング制御装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の発呼タイミング制御装置2の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、ワークロード予測部12によるワークロードの予測の仕方が第1の実施の形態と異なる。また、車載装置50におけるワークロードの測定の仕方も第1の実施の形態と異なる。
【0095】
[車載装置]
図13は、車載装置50のワークロード測定部52の構成を示す図である。ワークロード測定部52には、車両の現在位置を検出する位置検出センサ70と、ドライバの視線を検出する視線センサ53と、車両の各種状態を検出するために車両に備えられた車両センサ54とが接続されている。ワークロード測定部52は、これらのセンサ70,53,54によって検出されたデータを用いてワークロードを測定する。
【0096】
視線センサ53は、ドライバの顔を撮影するカメラと、撮影した画像を解析する解析部とを有している。カメラにて撮影した画像を解析してドライバの顔の向きや黒目の向いている方向を求めることにより、ドライバの視線を検出する。また、視線センサ53として、アイカメラを用いてもよい。
【0097】
車両センサ54として、車両の動作を検出する様々なセンサを用いることができる。例えば、車両速度を検出するセンサ、ギアを検知するセンサ、ハンドルの操舵角を検知するセンサ、ウィンカーの点灯を検知するセンサ、エアコンの設定温度や風量を検知するセンサ、CDプレーヤやラジオの音量や操作を検知するセンサ、ナビゲーション装置に対する操作を検知するセンサ、ヘッドライトの点灯を検知するセンサ、ワイパーの動作を検知するセンサなどである。上記に挙げたセンサは例示であり、上記以外のセンサを用いることも可能である。
【0098】
ワークロード測定部52は、位置検出センサ70にて検出した車両の現在位置と、地図データ記憶部71に記憶された地図データとから、現在走行中の道路の属性を解析する道路属性解析部57を有している。道路属性解析部57は、地図データから現在位置に対応する道路を特定し、その道路属性を求める。道路属性には、例えば、道路の形状(直線、曲線、交差点等)、道幅、信号の有無、高速道路か否か等の情報が含まれる。
【0099】
ワークロード測定部52は、視線センサ53、車両センサ54、道路属性解析部57にて取得したデータをワークロードのデータに換算するためのワークロード換算テーブル59を有している。ワークロード計算部58は、ワークロード換算テーブル59を参照して、各センサ70,53,54で取得したデータをワークロードのデータに換算する。
【0100】
図14(a)〜図14(e)は、いずれもワークロード換算テーブル59に記憶されたデータの例を示す図である。以下、順に説明する。図14(a)は、運転操作のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。運転操作に対応するワークロードのデータが記憶されている。例えば、直進中の運転操作のワークロードは「10」であり、車線変更時のワークロードは「30」である。なお、車両の直進は、ハンドルの操舵角および車両速度のデータによって検知することが可能である。また、車線変更は、二車線以上の道路の直進中に交差点以外の場所でウィンカーを点灯したことによって検知することが可能である。
【0101】
図14(b)は、道路属性のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。道路属性に対応するワークロードのデータが記憶されている。例えば、狭い道路でのワークロードは「35」であり、広い道路でのワークロードは「10」である。道路の広狭は、あらかじめ定められた閾値を用いて判定する。
【0102】
図14(c)は、機器操作のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。機器操作に対応するワークロードのデータが記憶されている。例えば、ナビゲーション装置の操作のワークロードは「45」であり、エアコンの操作のワークロードは「15」である。
【0103】
図14(d)は、聴覚コンテンツのデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。聴覚コンテンツに対応するワークロードのデータが記憶されている。例えば、ニュースが流れている場合のワークロードは「35」であり、音楽が流れている場合のワークロードは「10」である。車内で流れているコンテンツは、以下のようにして判定できる。CDプレーヤが動作している場合には、コンテンツが「音楽」であると判定する。ラジオが動作している場合には、ラジオのチャンネルデータを検知し、ラジオ番組表のデータと比較することにより、コンテンツを判定する。なお、本実施の形態では、コンテンツをワークロードのデータに換算するテーブルの例を挙げているが、音量をワークロードのデータに換算するテーブルを設けてもよい。音量をワークロードのデータに換算するテーブルは、例えば、音量が大きいほどワークロードが大きくなるように設定される。
【0104】
図14(e)は、視線動作のデータをワークロードのデータに変換するテーブルの例を示す図である。視覚動作に対応するワークロードのデータが記憶されている。例えば、ナビゲーション装置の画面を注視している場合のワークロードは「50」であり、目的物を探索している(きょろきょろしている)場合のワークロードは「45」である。
【0105】
ワークロード計算部58は、図14(a)〜図14(e)に示すテーブルを参照して、運転操作のワークロード、道路属性のワークロード、機器操作のワークロード、聴覚コンテンツのワークロード、視線動作のワークロードを求め、これらのワークロードのデータを合算してドライバの全ワークロードを求める。
【0106】
[発呼タイミング制御装置]
次に、発呼タイミング制御装置2のワークロード予測部12について説明する。ワークロード予測部12には、道路属性に対応する運転負荷のデータを記憶した運転負荷換算テーブル19が接続されている。
【0107】
なお、「運転負荷」とは、ドライバにかかるワークロードのうち、運転に起因して生じるワークロードをいう。ワークロードには、運転負荷の他に、ラジオやCDなどのコンテンツによって生じるワークロードや、視線運動によって生じるワークロード等がある。運転負荷換算テーブル19に記憶されるデータは、図14(b)に示したテーブルと同じである。
【0108】
図15は、ワークロード予測部12の処理を示すフローチャートである。ワークロード予測部12は、第1の実施の形態におけるワークロード予測部12と同様に、車両の現在位置から、現在走行中の道路区間および進行方向の道路区間を特定する(S80)。ワークロード予測部12は、現在および進行方向の道路区間の道路属性を地図データ記憶部16から読み出し(S82)、読み出した道路属性に対応する運転負荷を、運転負荷換算テーブル19から読み出す(S84)。次に、ワークロード予測部12は、現在の運転区間の運転負荷と進行方向の道路区間の運転負荷との違いに基づいて、各道路区間のワークロードを求める(S86)。具体的には、現在の道路属性に対応する運転負荷の値と、進行方向の道路属性に対応する運転負荷の値との差分を、現在のワークロードに加算して、進行方向の道路区間のワークロードを算出する。
【0109】
図16(a)は、道路区間の例を示す図である。図16(a)に示す図では、道路区間D0001、D0003、D0005、D0006、D0007の道路属性は、広い直線道路である。道路区間D0002の道路属性は、交差点であり、道路区間D0004の道路属性は見通しの悪いカーブである。
【0110】
車両は、現在道路区間D0001を走行中であり、現在のワークロードの値が50であると仮定する。現在の道路区間D0001の道路属性「広い直線道路」に対応する運転負荷は、図14(b)を参照すると「10」である。道路区間D0002において道路属性「交差点」に対応する運転負荷は、図14(b)を参照すると「65」である。従って、2つのワークロードの差分65−10=55を、現在のワークロード値に加算して、道路区間D0002におけるワークロードを求める。この場合、50+55=105となる。
【0111】
次に、ワークロード予測部12は、車速のデータを用いて各道路区間に到達するまでの所要時間を予測し、ワークロードの時間推移を算出する(S88)。図16(b)は、図16(a)に示す道路におけるワークロードの予測推移を示す図である。
【0112】
以上、第2の実施の形態の発呼タイミング制御装置2について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明した。
【0113】
第2の実施の形態の発呼タイミング制御装置2は、第1の実施の形態と同様に、発呼待ちの複数の車両のワークロードの時間推移を予測し、予測されたワークロードの時間推移に基づいて発呼タイミングをスケジューリングするので、効率良く発呼および情報の通知を早く行うことができる。
【0114】
また、第2の実施の形態の発呼タイミング制御装置2は、道路属性と運転負荷との対応関係を示す運転負荷換算テーブル19を用いて、将来のワークロードを予測するので、簡単な構成によりワークロードの予測を行うことができる。
【0115】
(第3の実施の形態)
図17は、第3の実施の形態の発呼タイミング制御装置3の構成を示す図である。第3の実施の形態の発呼タイミング制御装置3の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、第3の実施の形態では、発呼タイミング制御装置3のスケジューリング部13が、情報センター装置30にて設定された優先度をも用いて、発呼タイミングのスケジューリングを行う点が異なる。スケジューリング部13は、「ワークロードが所定の閾値以下のときに発呼し、情報の通知が完了すること」に加え、「優先度の高い情報を低い情報より優先して処理すること」を制約条件とし、複数の車載装置50に対する情報の通知が最も早く終了するように発呼のタイミングを決定する。
【0116】
第3の実施の形態では、情報センター装置30は、検索された情報に対して、優先度を設定する優先度設定部37を備えている。優先度設定部37は、オペレータの操作により、優先度を設定する。優先度設定部37は、例えば、「高」「低」の2段階の優先度の設定を受け付ける。本実施の形態では、「高」「低」の2段階の優先度の例を説明しているが、優先度は、必ずしも2段階でなくてもよく、「高−中−低」(3段階)、「5−4−3−2−1」(5段階)等のように、さらに細分化してもよい。
【0117】
優先度設定部37は、設定された優先度のデータを発呼タイミング制御装置3に渡す。発呼タイミング制御装置3のスケジューリング部13は、優先度のデータをも用いてスケジューリングを行う。
【0118】
図18は、スケジューリング部13によるスケジューリングの動作の一例を示すフローチャートである。図19は、発呼待ちの車両A〜Cについて、予測されるワークロードの時間推移とスケジューリング結果を示す図である。車両A、Bに対する情報には優先度「低」、車両Cに対する情報には優先度「高」が設定されている。
【0119】
発呼タイミング制御装置3は、発呼待ちの車両A〜Cの中から、優先度の高い情報を通知すべき車両を抽出する(S90)。図19に示す例では、車両Cが抽出される。発呼タイミング制御装置3は抽出した車両の中から次に、低負荷期間が開始する車両を検出する(S92)。図19に示す例では、優先度「高」の車両は車両Cのみなので、車両Cが検出される。発呼タイミング制御装置3は、低負荷期間の長さが所定の閾値(例えば、30秒)より長いか否かを判定する(S94)。ここで、所定の閾値は、オペレータがドライバに対し情報の確認をするために必要な時間である。この判定の結果、低負荷期間の長さが所定の閾値より長くない場合には(S94でNO)、次に低負荷期間が開始する車両を検出する(S92)。
【0120】
ステップS94における判定の結果、低負荷期間の長さが所定の閾値より大きいと判定された場合には(S94でYES)、低負荷期間が開始するタイミングを当該車両への発呼タイミングとして決定する。図19に示す例では、時刻T=t1から開始される車両Cの低負荷期間は、所定の閾値より長いので、時刻T=t1を車両Cへの発呼タイミングとして決定する。
【0121】
発呼タイミング制御装置3は、優先度が「高」の全車両について発呼タイミングを決定したか否かを判定し(S98)、全車両への発呼タイミングが決定されていないと判定された場合には(S98でNO)、車両Cへの情報の通知が完了した時刻t2の後に、優先度「高」の車両のうちで次に低負荷期間が開始する車両を検出し(S92)、上記動作を繰り返し行う。この例では、優先度「高」の車両は車両Cのみなので、優先度が「高」の全車両について発呼タイミングを決定したと判定される。
【0122】
同じ優先度の全車両への発呼タイミングが決定された場合には(S98でYES)、受付中の全車両への発呼タイミングが決定されたか否かを判定する(S100)。受付中の全車両への発呼タイミングが決定されたと判定された場合(S100でYES)。スケジューリングを終了する。全車両への発呼タイミングが決定されていない場合には(S100でNO)、優先度が次に高い情報を通知すべき車両を抽出する(S90)。この例では、車両A,Bの発呼タイミングは決定されていないので、次に優先度の高い情報を送信すべき車両を抽出する(S90)。この例では、車両A,Bが抽出される。以下、発呼タイミングを決定する上記の処理を、全車両への発呼タイミングが決定されるまで繰り返し行う。
【0123】
第3の実施の形態の発呼タイミング制御装置3は、設定された優先度の情報をも用いて、発呼タイミングを決定するので、優先度を適切に設定することにより、いち早く通知したい情報がある場合に、その要請に対応することが可能である。
【0124】
なお、図18を用いてスケジューリングの動作は、優先度の高い情報を低い情報より優先して処理するという制約条件を満たすための動作の一例であって、本発明の発呼タイミング制御装置3は、図18に示す動作に限定されるものではない。例えば、優先度の高い情報を通知すべき車両Cの低負荷期間が長時間にわたって現れない場合には、当該時間に先に車両A,Bへの発呼を処理できるようなフローとしてもよい。
【0125】
(第4の実施の形態)
図20は、第4の実施の形態の発呼タイミング制御装置4の構成を示す図である。第4の実施の形態の発呼タイミング制御装置4の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、第4の実施の形態では、発呼タイミング制御装置4のスケジューリング部13が、情報センター装置30にて設定された有効期限をも用いて、発呼タイミングのスケジューリングを行う点が異なる。スケジューリング部13は、「ワークロードが所定の閾値以下のときに発呼し、情報の通知が完了すること」に加え、「有効期限内に情報を通知すること」を制約条件とし、複数の車載装置50に対する情報の通知が最も早く終了するように発呼のタイミングを決定する。
【0126】
第4の実施の形態では、情報センター装置30は、検索された情報に対して、有効期限を設定する有効期限設定部38を備えている。有効期限設定部38は、オペレータの操作により、有効期限を設定する。ここではオペレータが有効期限を設定する例について説明しているが、検索された情報から有効期限を自動的に設定してもよい。例えば、検索されたレストランの営業時間が22:00までの場合には、有効期限を21:00に設定してもよい。また、検索されたガソリンスタンドが現在位置の2km先にある場合には、有効期限を2分としてもよい。
【0127】
有効期限設定部38は、設定された有効期限度のデータを発呼タイミング制御装置4に渡す。発呼タイミング制御装置4のスケジューリング部13は、有効期限度のデータをも用いてスケジューリングを行う。
【0128】
図21は、スケジューリング部13によるスケジューリングの動作の一例を示すフローチャートである。発呼タイミング制御装置4は、発呼待ちの車両A〜Cの中から、有効期限までの時間が所定の閾値より短い情報があるか否かを判定し(S110)、そのような情報が存在する場合には(S110でYES)、有効期限までの時間が所定の閾値より短い情報を送信すべき車両を抽出する(S112)。有効期限までの時間が所定の閾値より短い情報がない場合には、受付中の全車両を対象とする(S114)。
【0129】
発呼タイミング制御装置4は、抽出した車両の中から次に、低負荷期間が開始する車両を検出し(S116)、低負荷期間の長さが所定の閾値(例えば、30秒)より長いか否かを判定する(S118)。ここで、所定の閾値は、オペレータがドライバに対し情報の確認をするために必要な時間である。この判定の結果、低負荷期間の長さが所定の閾値より長くない場合には(S118でNO)、次に低負荷期間が開始する車両を検出する(S116)。
【0130】
ステップS118における判定の結果、低負荷期間の長さが所定の閾値より長いと判定された場合には(S118でYES)、低負荷期間が開始するタイミングを当該車両への発呼タイミングとして決定する(S120)。
【0131】
発呼タイミング制御装置4は、受付中の全車両に対する発呼タイミングが決定されたか否かを判定する(S122)。受付中の全車両への発呼タイミングが決定されたと判定された場合(S122でYES)、スケジューリングを終了する。全車両への発呼タイミングが決定されていない場合には(S122でNO)、有効期限までの時間が所定時間より短い情報があるか否かを判定するステップS110に戻る。以下、発呼タイミングを決定する上記の処理を、全車両への発呼タイミングが決定されるまで繰り返し行う。
【0132】
第4の実施の形態の発呼タイミング制御装置4は、設定された有効期限の情報をも用いて、発呼タイミングを決定するので、適切な時期に情報を提供することが可能となる。
【0133】
なお、図21を用いてスケジューリングの動作は、設定された有効期限内に処理するという制約条件を満たすための動作の一例であって、本発明の発呼タイミング制御装置4は、図21に示す動作に限定されるものではない。
【0134】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態の発呼タイミング制御装置について説明する。第5の実施の形態の発呼タイミング制御装置の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、第5の実施の形態では、車載装置50と発呼タイミング制御装置との間の通信に生じる遅延時間にも基づいてスケジューリングを行う。
【0135】
図22は、遅延時間をも用いてスケジューリングを行う方法について説明するための図である。第1〜第4の実施の形態では、車両A〜Cの予測されるワークロードにおいて、次に開始される低負荷期間を探索する際には、時刻t0を探索開始点として低負荷期間を探索した。本実施の形態では、時刻t0から通信遅延時間ΔTだけ遅延した時刻t1を探索開始点として、次に開始される低負荷期間を探索する。通信遅延時間ΔTは、車載装置50が現在位置のデータ等を送信する際に付加した時刻データと現在の時刻との差分から求めることができる。
【0136】
各車両A〜Cの車載装置50からは時刻t0に時点でのワークロードのデータが送信されてくるが、発呼タイミング制御装置で受信するのは時刻t1であるので、時刻t0から時刻t1の間に発呼することはできない。本実施の形態によれば、通信遅延時間ΔTだけシフトした時刻t1を探索開始点として低負荷期間を探索し、発呼タイミングを決定するので、決定された発呼タイミングに発呼することができる。
【0137】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態の発呼タイミング制御装置6について説明する。第6の実施の形態の発呼タイミング制御装置6の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、第6の実施の形態の発呼タイミング制御装置6は、スケジューリングされた発呼タイミングにおける実際のワークロードが低負荷であることを確認した上で、発呼タイミングであることを出力する。
【0138】
図23は、第6の実施の形態において、発呼タイミングが到来したときの発呼タイミング制御装置6の動作を示す図である。なお、第6の実施の形態の発呼タイミング制御装置6が発呼タイミングのスケジューリングを行う動作は、第1の実施の形態と同じである。
【0139】
図23に示すように、発呼タイミング制御装置6は、スケジューリングされた発呼タイミングの時刻が到来したか否かを判定する(S130)。発呼タイミングが到来すると(S130でYES)、発呼タイミング制御装置6は、車載装置50に対してワークロードデータを要求する信号を送信する(S132)。車載装置50は、ワークロードデータの要求信号を受信すると(S134)、ワークロードを測定し(S136)、測定されたワークロードデータを発呼タイミング制御装置6に送信する(S138)。
【0140】
発呼タイミング制御装置6は、ワークロードデータを受信すると(S140)、受信したワークロードデータが低負荷であるか否かを判定する(S142)。受信したワークロードが低負荷でない場合には(S142でNO)、発呼タイミング制御装置6は、発呼タイミングの再スケジューリングを行う。受信したワークロードが低負荷であった場合には(S142でYES)、発呼タイミング制御装置6は、発呼タイミングである旨を出力する(S144)。以上、第6の実施の形態の発呼タイミング制御装置6の構成および動作について説明した。
【0141】
本実施の形態の発呼タイミング制御装置6は、発呼タイミングにおける車両のドライバのワークロードのデータを取得し、実際に低負荷である場合に発呼タイミングを出力しているので、予測に誤りがあった場合にも、ドライバのワークロードが高い状態のときに発呼してしまうという不都合を防止できる。
【0142】
(第7の実施の形態)
図24は、第7の実施の形態の発呼タイミング制御装置7の構成を示す図である。第7の実施の形態の発呼タイミング制御装置7の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じであるが、第7の実施の形態の発呼タイミング制御装置7は、タイミング出力部14が、発呼して後に通知する情報の種類と、情報の通知時における車載装置50のステータスに基づいて処理を行う点が異なる。
【0143】
第7の実施の形態では、情報センター装置30は、検索された情報の種類を発呼タイミング制御装置7に通知する情報種類通知部39を備えている。情報種類通知部39は、検索された情報が、音声のみの情報か、音声と画像の情報か、画像のみの情報かを発呼タイミング制御装置7に通知する。
【0144】
図25は、第7の実施の形態において、発呼タイミングが到来したときの発呼タイミング制御装置7の動作を示す図である。なお、第7の実施の形態の発呼タイミング制御装置7が発呼タイミングのスケジューリングを行う動作は、第1の実施の形態と同じである。
【0145】
図25に示すように、発呼タイミング制御装置7は、スケジューリングされた発呼タイミングの時刻が到来したか否かを判定する(S150)。発呼タイミングが到来すると(S150でYES)、発呼タイミング制御装置7は、通知すべき情報が画像を含むか否かを判定する(S152)。通知すべき情報が画像を含まない場合には(S152でNO)、発呼タイミング制御装置7は、発呼タイミングであることを出力する(S164)。
【0146】
通知すべき情報が画像を含む場合には(S152でYES)、発呼タイミング制御装置7は、車載装置50に対して、現在のナビゲーション装置の操作情報(以下、「ナビ操作情報」という)を要求する信号を送信する(S154)。車載装置50は、ナビ操作情報の要求信号を受信すると(S156)、ナビゲーション装置の操作情報を発呼タイミング制御装置7に送信する(S158)。
【0147】
発呼タイミング制御装置7は、車載装置50から送信されたナビ操作情報を受信すると(S160)、受信したナビ操作情報に基づいて、現在ナビゲーション装置を操作中であるか否かを判定する(S162)。ナビゲーション装置を操作中であると判定された場合には(S162でYES)、発呼タイミング制御装置7は、発呼タイミングの再スケジューリングを行う。ナビゲーション装置の操作中でないと判定された場合には(S162でNO)、発呼タイミング制御装置7は、発呼タイミングであることを出力する(S164)。以上、第7の実施の形態の発呼タイミング制御装置7の構成および動作について説明した。
【0148】
第7の実施の形態の発呼タイミング制御装置7は、ナビゲーション装置の操作中には、画像を含む情報を通知しないので、ナビゲーション装置の操作中に画面が変わってしまうという不都合が生じないようにできる。
【0149】
なお、本実施の形態では、ナビゲーション装置の操作中であった場合に、発呼タイミングを再スケジューリングする例について説明したが、ナビゲーション装置の操作中であった場合に、通知すべき情報を音声のみの情報に加工することとしてもよい。
【0150】
また、本実施の形態では、発呼タイミング制御装置7は、車載装置50に対して、ナビゲーション装置の操作中であるか否かを問い合わせる例について説明したが、ドライバがナビゲーション装置の画面を見ているか否かを問い合わせることとしてもよい。ドライバがナビゲーション装置を見ているか否かは視線センサ53の検出結果を用いることによって判定することができる。発呼タイミング制御装置7は、ドライバがナビゲーション装置を見ている場合には、本実施の形態においてナビゲーション装置を操作中であった場合と同様に、発呼タイミングの再スケジューリングを行う。これにより、ドライバがナビゲーション装置で現在位置を確認している最中に画面が切り替わってしまうことを防止できる。
【0151】
(第8の実施の形態)
図26は、第8の実施の形態の車載装置50の構成を示す図である。第8の実施の形態の車載装置50は、車内に持ち込まれた携帯電話80と通信する通信部61と、ワークロードを測定するワークロード測定部62と、持ち込まれた携帯電話80の動作を制御する機器制御部63とを有している。車載装置50と携帯電話80との通信には、Bluetooth(登録商標)や近距離無線を用いることができる。
【0152】
ワークロード測定部62の構成は、図2を参照して説明した第1の実施の形態におけるワークロード測定部52と同じである。機器制御部63は、ドライバのワークロードが所定の閾値より大きい場合に、携帯電話80に対して着信を拒否するように要求信号を送信する。
【0153】
図27は、第8の実施の形態の車載装置50の動作を示すフローチャートである。車載装置50は、携帯電話80を検知したか否か判定する(S170)。携帯電話80を検知した場合には(S170でYES)、ドライバのワークロードを測定する(S172)。
【0154】
車載装置50は、ワークロードが所定の閾値より大きいか否かを判定する(S174)。ワークロードが所定の閾値以下の場合には(S174でNO)、ワークロードを測定する処理(S172)に戻る。ワークロードが所定の閾値より大きい場合には(S174でYES)、車載装置50は、携帯電話80に対して着信拒否を要求する信号を送信する(S176)。携帯電話80は、車載装置50から着信拒否の要求信号に従って、着信拒否を設定する。
【0155】
車載装置50は、ワークロードを測定し(S178)、ワークロードが所定の閾値以下になったか否かを判定する(S180)。ワークロードが所定の閾値以下になっていない場合には(S180でNO)、ワークロードを測定する処理(S178)に戻る。ワークロードが所定の閾値以下になった場合には(S180でYES)、車載装置50は、携帯電話80に対して着信拒否の解除を要求する信号を送信する(S182)。携帯電話80は、車載装置50から着信拒否解除の要求信号に従って、着信拒否の設定を解除する。以上、第8の実施の形態の車載装置50について説明した。
【0156】
第8の実施の形態の車載装置50は、ドライバのワークロードが大きいときには、携帯電話80に対して着信拒否の設定を行うことにより、着信音が鳴って運転への集中を妨げるという事態を回避できる。
【0157】
なお、本実施の形態では、携帯電話80の着信拒否設定を例として説明したが、着信拒否に加えて、メール受信時に鳴動しないように設定することとしてもよい。
【0158】
また、本実施の形態では、車載装置50が、携帯電話80と通信する通信部61を有し、携帯電話80に対して着信拒否を要求する信号を送信する例について説明したが、車載装置50は携帯電話80と通信するための通信部61に代えて、携帯電話80に対する妨害電波を発生させる構成を採用してもよい。
【0159】
以上、本発明の発呼タイミング制御装置について、実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0160】
上記した実施の形態では、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するようにスケジューリングを行う例について説明したが、本発明の発呼タイミング制御装置は、オペレータのタスクが一定になるように、発呼タイミングが時間的に等間隔になるようにスケジューリングを行ってもよい。
【0161】
上記した実施の形態において説明したワークロードの測定方法のほかに、例えば、ドライバの心拍数、血圧、呼吸数などを測定する生体センサを用いてもよい。これにより、心拍数が多くなる、血圧が高くなる、呼吸が早くなる等の変化が見られたときにはワークロードが大きいと判定し、定常状態で落ち着いている場合にはワークロードが小さいと判定できる。また、車内の音声を集音するマイクを設け、乗員どうしが会話しているかどうかを判定し、会話している場合には、ワークロードが大きいと判定し、車内が静かな場合にはワークロードが小さいと判定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明によれば、ドライバが応答しやすいタイミングに発呼することができると共に、複数の車両に効率良く発呼することができるという効果を有し、情報センター等から車両のドライバに電話を掛ける際の発呼タイミングを制御する装置として有用である。
【符号の説明】
【0163】
1,2,3,4,6,7 発呼タイミング制御装置
11 データ受信部
12 ワークロード予測部
13 スケジューリング部
14 タイミング出力部
15 発呼待ち車両データ記憶部
16 地図データ記憶部
17 区間別基準値記憶部
18 定量化モデル記憶部
19 運転負荷換算テーブル
30 情報センター装置
31 通信部
32 提供情報記憶部
33 情報検索部
34 送信情報記憶部
35 発呼部
36 表示部
37 優先度設定部
38 有効期限設定部
39 情報種類通知部
50 車載装置
51 通信部
52 ワークロード測定部
53 視線センサ
54 車両センサ
55 ワークロード計算部
56 定量化モデル記憶部
57 道路属性解析部
58 ワークロード計算部
59 ワークロード換算テーブル
61 通信部
62 ワークロード測定部
63 機器制御部
70 位置検出センサ
71 地図データ記憶部
80 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図のデータを記憶した地図データ記憶部と、
車両に搭載された車載装置から、運転中のドライバのワークロードに関するデータ、および、車両の現在位置のデータを受信する受信部と、
前記現在位置のデータと前記道路地図のデータとに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求め、車両の進行方向の道路区間における過去のワークロードに関するデータに基づいて、ワークロードの変化を予測するワークロード予測部と、
情報を通知すべき車両が複数存在する場合に、各車両のドライバの予測されるワークロードの変化からワークロードが所定の閾値より小さい低負荷期間を求め、前記低負荷期間に発呼し、かつ、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するように、各車載装置への発呼タイミングを決定するスケジューリング部と、
前記発呼タイミングが到来したときに、発呼タイミングであることを出力する出力部と、
を備える発呼タイミング制御装置。
【請求項2】
前記スケジューリング部は、前記低負荷期間内に、情報の通知が完了するように各車載装置への発呼タイミングを決定する請求項1に記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項3】
前記車両に通知する情報には優先度が設定されており、
前記スケジューリング部は、前記優先度に基づく順序で発呼するように各車載装置への発呼タイミングを決定する請求項1または2に記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項4】
前記車両に通知する情報には有効期限が設定されており、
前記スケジューリング部は、前記有効期限までに情報の通知が完了するように各車載装置への発呼タイミングを決定する請求項1または2に記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項5】
前記受信部は、車両に設定された経路のデータを受信し、
前記ワークロード予測部は、前記経路のデータに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求める請求項1〜4のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項6】
複数のドライバのワークロードに基づいて生成された道路区間毎のワークロードの基準値とその道路区間を識別する識別子とを関連付けて記憶した区間別基準値記憶部を備え、
前記ワークロード予測部は、前記区間別基準値記憶部から、車両の進行方向にある道路区間における前記基準値を読み出すことにより、ワークロードの変化を予測する請求項1〜5のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項7】
車両信号からワークロードのデータを求めるための定量化モデルを記憶したモデル記憶部を有し、
前記ワークロード予測部は、車両の進行方向にある道路区間を走行する前方車両の車両信号を受信している場合には、前記前方車両の車両信号を前記定量化モデルに適用することにより、当該道路区間でのワークロードの予測値を求める請求項6に記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項8】
前記ワークロード予測部は、車両が前記信号機を通過するときの信号機の指示を予測し、予測される指示と同じ指示のときに前記信号機を通過した前方車両の車両信号を前記定量化モデルに適用することにより、当該道路区間でのワークロードの予測値を求める請求項7に記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項9】
車両信号からワークロードのデータを求めるための定量化モデルを記憶したモデル記憶部を有し、
前記受信部は、進行方向にある道路区間を過去に走行したときに得られた車両信号を受信し、
前記ワークロード予測部は、車両の進行方向にある道路区間における過去の車両信号を受信した場合には、前記過去の車両信号を前記定量化モデルに適用することにより、当該区間でのワークロードの予測値を求める請求項6に記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項10】
道路属性に対応する運転負荷の値を記憶したテーブルを有し、
前記ワークロード予測部は、前記地図データに基づいて現在位置と進行方向の道路属性を求め、前記テーブルから現在位置の道路属性に対応する運転負荷の値と、進行方向の道路属性に対応する運転負荷の値を読み出し、進行方向における運転負荷の値から現在の運転負荷の値を減算した値を、現在のワークロードに加算してワークロードの変化を予測する請求項1〜5のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項11】
前記スケジューリング部は、前記車載装置との間の通信遅延時間に基づいて、各車載装置への発呼タイミングを決定する請求項1〜10のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項12】
前記出力部は、発呼タイミングになったときに、該当の車載装置に対して発呼するように要求信号を送信する請求項1〜11のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項13】
前記発呼タイミングに、運転中のドライバのワークロードに関するデータを受信し、ワークロードが所定の閾値以下であるか否かを判定する判定部を備え、
前記出力部は、前記判定部にてワークロードが所定の閾値以下であると判定された場合に、発呼タイミングであることを出力する請求項1〜12のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項14】
前記スケジューリング部は、前記判定部にて、ワークロードが所定の閾値より大きいと判定された場合に、再度、各車載装置への発呼タイミングを決定する請求項13に記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項15】
前記受信部は、ドライバのナビゲーション装置に対する操作情報を受信し、
前記出力部は、ドライバがナビゲーション装置を操作中で、かつ、発呼して通知しようとしている情報がナビゲーション装置への表示が必要な情報の場合には、発呼タイミングを出力しない請求項1〜14のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項16】
前記受信部は、ドライバのナビゲーション装置に対する操作情報を受信し、
ドライバがナビゲーション装置を操作中のときには、ナビゲーション装置の画面への表示が必要ない情報に加工して通知する情報通知部を備える請求項1〜14のいずれかに記載の発呼タイミング制御装置。
【請求項17】
車両内に持ち込まれた携帯電話と通信する通信部と、
運転に起因する負荷と運転以外に起因する負荷を含むドライバのワークロードを検出するワークロード検出部と、
前記ワークロードが所定の閾値より大きい場合に、前記携帯電話に対して着信拒否するように要求信号を送信する着信拒否部と、
を備える車載装置。
【請求項18】
車両に搭載された車載装置に対して発呼するタイミングを、発呼タイミング制御装置によって制御する発呼タイミング制御方法であって、
前記発呼タイミング制御装置が、前記車載装置から、運転中のドライバのワークロードに関するデータ、および、車両の現在位置のデータを受信するステップと、
前記発呼タイミング制御装置が、前記現在位置のデータと地図データ記憶部に記憶された道路地図のデータとに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求め、車両の進行方向の道路区間における過去のワークロードに関するデータに基づいて、ワークロードの変化を予測するステップと、
情報を通知すべき車両が複数存在する場合に、前記発呼タイミング制御装置が、各車両のドライバの予測されるワークロードの変化からワークロードが所定の閾値より小さい低負荷期間を求め、前記低負荷期間に発呼し、かつ、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するように、各車載装置への発呼タイミングを決定するステップと、
前記発呼タイミングが到来したときに、前記発呼タイミング制御装置が前記発呼タイミングであることを出力するステップと、
を備える発呼タイミング制御方法。
【請求項19】
車両に搭載された車載装置に対して発呼するタイミングを制御するためのプログラムであって、コンピュータに、
前記車載装置から、運転中のドライバのワークロードに関するデータ、および、車両の現在位置のデータを受信するステップと、
前記現在位置のデータと地図データ記憶部に記憶された道路地図のデータとに基づいて車両が走行中の道路および進行方向を求め、車両の進行方向の道路区間における過去のワークロードに関するデータに基づいて、ワークロードの変化を予測するステップと、
情報を通知すべき車両が複数存在する場合に、各車両のドライバの予測されるワークロードの変化からワークロードが所定の閾値より小さい低負荷期間を求め、前記低負荷期間に発呼し、かつ、複数の車両への発呼および情報の通知が最も早く終了するように、各車載装置への発呼タイミングを決定するステップと、
前記発呼タイミングが到来したときに、発呼タイミングであることを出力するステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−282592(P2010−282592A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137737(P2009−137737)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】