説明

研磨ホイール、液晶表示パネルの研磨方法及び液晶表示装置の製造方法

【課題】基板の研磨工程に使用される研磨ホイールに二重研磨面を形成することにより、研磨特性及び研磨ホイールの寿命を向上させると共に研磨時間を短縮できる液晶表示装置用研磨ホイール及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶表示装置の製造方法は、液晶表示装置用基板を提供する段階と、前記基板にアレイ工程又はカラーフィルタ工程を行う段階と、前記アレイ工程が終了した基板と前記カラーフィルタ工程が終了した基板とを貼り合わせる段階と、前記貼り合わせられた基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階と、前記単位液晶表示パネルを研磨台にローディングする段階と、1次研磨のための第1研磨面及び2次研磨のための第2研磨面の二重研磨面を備えた研磨ホイールを用いて前記単位液晶表示パネルの所定領域を研磨する段階と、前記研磨された単位液晶表示パネルをアンローディングする段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置用研磨ホイールに関し、特に、大面積の母基板上に製作された複数の液晶表示パネルを個別の単位液晶表示パネルに切断した後、単位液晶表示パネルの研磨を行う液晶表示装置用研磨ホイール及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報ディスプレイに関する関心が高まり、携帯が可能な情報媒体の利用への要求が高まるにつれて、既存の表示装置であるブラウン管(Cathode Ray Tube;CRT)を代替する軽量、薄型のフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display;FPD)に関する研究及び商業化が重点的に行われている。特に、このようなフラットパネルディスプレイのうち、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)は、液晶の光学的異方性を利用して映像を表現する装置であって、解像度、カラー表示、及び画質などに優れており、ノートブックパソコンやデスクトップパソコンのモニタなどに活発に適用されている。
【0003】
以下、このような液晶表示装置について説明する。
一般の液晶表示装置は、駆動回路ユニットを含む液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの下部に設置されて前記液晶表示パネルに光を放出するバックライトユニットと、前記バックライトユニット及び前記液晶表示パネルを支持するモールドフレーム及びケースとを含む。
【0004】
前記液晶表示パネルは、カラーフィルタ基板と、アレイ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記アレイ基板の間に形成された液晶層とから構成される。
【0005】
前記カラーフィルタ基板は、カラーを実現する赤(Red;R)、緑(Green;G)、青(Blue;B)のサブカラーフィルタで構成されるカラーフィルタと、前記各サブカラーフィルタを区分し、液晶層を透過する光を遮断するブラックマトリクスと、前記液晶層に電圧を印加する透明な共通電極とから構成されている。
【0006】
前記アレイ基板は、前記アレイ基板上に縦横に配列されて複数の画素領域を定義する複数のゲートライン及び複数のデータラインと、前記ゲートラインと前記データラインとの交差領域に形成されたスイッチング素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)と、前記画素領域上に形成された画素電極とから構成されている。
【0007】
このように構成されたアレイ基板とカラーフィルタ基板とは、画像表示領域の外郭に形成されたシーラントにより対向して貼り合わせられて液晶表示パネルを構成し、これら2つの基板の貼り合わせは、前記アレイ基板又は前記カラーフィルタ基板に形成された貼り合わせキーを用いて行われる。
【0008】
一般に、液晶表示装置は、収率の向上を図るために、大面積の母基板に複数の薄膜トランジスタアレイ基板を形成し、別途の母基板に複数のカラーフィルタ基板を形成した後、これら2つの母基板を貼り合わせることにより、複数の液晶表示パネルを同時に形成するが、この場合、前記複数の液晶表示パネルを個別の単位液晶表示パネルに切断する工程が必要である。
【0009】
通常、前記単位液晶表示パネルの切断は、ガラスに比べて硬度の高いホイールを利用して母基板の表面に切断予定溝を形成し、その切断予定溝に沿ってクラックを伝播させる工程により行われる。
【0010】
以下、このような液晶表示装置について図7を参照してより詳しく説明する。
図7は複数の薄膜トランジスタアレイ基板が形成された第1母基板と複数のカラーフィルタ基板が形成された第2母基板とが貼り合わせられてなる液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す図である。
【0011】
図7に示すように、各単位液晶表示パネルは、薄膜トランジスタアレイ基板1の一側がカラーフィルタ基板2に比べて突出するように形成される。これは、カラーフィルタ基板2と重ならない薄膜トランジスタアレイ基板1の縁部にゲートパッド部(図示せず)及びデータパッド部(図示せず)が形成されるためである。
【0012】
従って、第2母基板30上に形成された各カラーフィルタ基板2は、第1母基板20上に形成された薄膜トランジスタアレイ基板1が突出した面積に該当する第1ダミー領域31だけ離隔して形成される。
【0013】
また、各単位液晶表示パネルは、第1及び第2母基板20、30を最大限利用できるように適切に配置され、モデルによって異なるが、一般に、前記各単位液晶表示パネルは図示の第2ダミー領域32だけ離隔するように形成される。
【0014】
複数の薄膜トランジスタアレイ基板1が形成された第1母基板20と、複数のカラーフィルタ基板2が形成された第2母基板30とが貼り合わせられた後には、複数の液晶表示パネルを個別の単位液晶表示パネルに切断するが、このとき、第2母基板30の各カラーフィルタ基板2が離隔した領域に形成された第1ダミー領域31、及び各単位液晶表示パネルを離隔させる第2ダミー領域32が同時に除去される。
【0015】
また、前記複数の液晶表示パネルを個別の単位液晶表示パネルに切断した後、単位液晶表示パネルの鋭い角部を研磨することによって、薄膜トランジスタアレイ基板1上に導電膜を形成するときに発生し得る静電気を遮断するために薄膜トランジスタアレイ基板1の縁部に形成された短絡配線が除去され、外部の衝撃により単位液晶表示パネルの角部から破片が剥離することを防止し、工程中の単位液晶表示パネルの鋭い角部による作業者の負傷を防止することができる。
【0016】
すなわち、図8に示すように、衝撃により切断されたアレイ基板1及びカラーフィルタ基板2の側面に、外側に突出した突出端40が形成されるが、これは切断予定溝が交差する地点で共通に発生する。
【0017】
突出端40は研磨ホイールにより除去するが、図9は一般の研磨ホイールの構造を概略的に示す平面図である。図9に示すように、研磨ホイール70は、円板状研磨具71の上面の縁部に研磨面74が形成された構造からなっている。研磨ホイール70の中央部には孔77が形成されているが、これは研磨具71をモータに装着するためのものである。
【0018】
一般に、液晶表示パネルの研磨工程には1つの研磨面74が備えられた研磨ホイール70を使用するが、このように1つの研磨面74が備えられた研磨ホイール70を使用して研磨を行う場合、同一部分の研磨面74を継続して使用するため、研磨ホイール70の寿命が短くなるという欠点があった。また、高速研磨時、研磨面74に接触する突出端(図8の符号40)の面積が小さいため、1つの研磨面74では研磨されない部分が存在するという問題があった。
【0019】
また、研磨ホイール70を長時間使用する場合は、同一部分の継続的な使用により研磨面74の特定部分が磨耗して、研磨状態が不良になるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたもので、研磨工程時、研磨品質を向上させると共に研磨ホイールの交替周期を延長させることができる研磨ホイール及びこれを利用した液晶表示パネルの研磨方法及び液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
本発明の他の目的は、高速研磨時、研磨が不均一になる研磨不良を減少させることができる研磨ホイール及びこれを利用した液晶表示パネルの研磨方法及び液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、研磨時間を短縮して生産性を向上させることができる研磨ホイール及びこれを利用した液晶表示パネルの研磨方法及び液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
このような目的を達成するために、本発明による研磨ホイールは、円筒状の本体と、前記本体上面の縁部に形成される第2研磨面と、前記第2研磨面の内側に形成される第1研磨面とを含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明による液晶表示パネルの研磨方法は、単位液晶表示パネルを研磨台にローディングする段階と、1次研磨のための第1研磨面及び2次研磨のための第2研磨面の二重研磨面を備えた研磨ホイールを用いて前記単位液晶表示パネルの所定領域を研磨する段階と、前記研磨された単位液晶表示パネルをアンローディングする段階とを含むことを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明による液晶表示装置の製造方法は、液晶表示装置用基板を提供する段階と、前記基板にアレイ工程又はカラーフィルタ工程を行う段階と、前記アレイ工程が終了した基板と前記カラーフィルタ工程が終了した基板とを貼り合わせる段階と、前記貼り合わせられた基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階と、前記単位液晶表示パネルを研磨台にローディングする段階と、1次研磨のための第1研磨面及び2次研磨のための第2研磨面の二重研磨面を備えた研磨ホイールを用いて前記単位液晶表示パネルの所定領域を研磨する段階と、前記研磨された単位液晶表示パネルをアンローディングする段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明による研磨ホイール及びこれを利用した研磨方法は、二重研磨面を利用して1次及び2次研磨を行うことにより、研磨品質を向上させることができるという効果がある。
【0027】
また、研磨時に研磨面に集中していた接触部分を分散することにより、研磨ホイールの寿命を向上させると共に、研磨面の交換周期を延長させて、コスト及び工程ロスを減し、生産性を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明による液晶表示装置用研磨ホイール及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法の好ましい実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0029】
図1は本発明の研磨ホイールにより切断された個別の単位液晶表示パネルの構造を概略的に示す平面図である。図1に示すように、単位液晶表示パネル110は、複数の液晶セルがマトリクス状に配列される画像表示領域である画素部113と、画素部113のゲート配線GL1〜GLmにゲート信号を供給するゲートドライバ集積回路(図示せず)に接続させるためのゲートパッド部114と、画素部113のデータ配線DL1〜DLnに画像情報を供給するデータドライバ集積回路(図示せず)に接続させるためのデータパッド部115とから構成される。
【0030】
ここで、ゲートパッド部114及びデータパッド部115は、カラーフィルタ基板102に比べて一短辺及び一長辺が突出した薄膜トランジスタアレイ基板101の縁部領域に形成される。
【0031】
また、図には詳細に示していないが、薄膜トランジスタアレイ基板101のデータ配線DL1〜DLnとゲート配線GL1〜GLmとが直交する領域には、各液晶セルをスイッチングするための薄膜トランジスタが備えられ、前記薄膜トランジスタに接続されて各液晶セルに電界を印加するための画素電極が備えられる。
【0032】
また、カラーフィルタ基板102には、ブラックマトリクスによりセル領域毎に分離されて形成された複数のカラーフィルタ、及び薄膜トランジスタアレイ基板101に形成された画素電極の相対電極である共通電極が備えられる。
【0033】
このように構成された薄膜トランジスタアレイ基板101とカラーフィルタ基板102とは、セルギャップにより対向して所定間隔離隔し、画素部113の外郭に形成されたシールパターン(図示せず)により貼り合わせられ、薄膜トランジスタアレイ基板101とカラーフィルタ基板102との離隔した空間には、液晶層(図示せず)が形成される。
【0034】
以下、前述のように切断された個別の単位液晶表示パネルを研磨するための本発明による研磨ホイールの構造を図2A〜図4を参照して説明する。
図2A及び図2Bは本発明の第1の実施の形態による研磨ホイールを概略的に示す断面図及び平面図である。 図2A及び図2Bに示すように、第1の実施の形態による研磨ホイール170の円筒状本体171には、主軸172、及び主軸172から延びて主軸172と同一方向に回転する回転軸173が形成されている。
【0035】
円筒状本体171上面の縁部には、液晶表示パネルを研磨するための第1研磨面174A及び第2研磨面174Bの二重研磨面174が形成されている。第1研磨面174A及び第2研磨面174Bは、砥石又は研磨石ともいい、実質的にリング状に形成される。特に、研磨面174は、実質的にガラス基板を研磨する機能を有するため、ガラスよりは硬い材質が使用されるが、天然材料としてはダイヤモンド、石英、珪藻土などが使用され、人工材料としては炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロムなどが使用される。
【0036】
このように、第1の実施の形態による研磨ホイール170に備えられた研磨面174は、研磨ホイール170上面の内側及び外側にそれぞれ形成された第1研磨面174A及び第2研磨面174Bから構成される。ここで、内側の第1研磨面174Aは、荒削り加工のために粗さの大きい研磨石で構成し、外側の第2研磨面174Bは、精密削りのために粗さの小さい研磨石で構成することができる。また、内側の第1研磨面174Aと外側の第2研磨面174Bとの粗さの差は、約50〜100メッシュ(ここで、メッシュとは単位面積当たりの突起数を意味する)になるように構成することができる。しかしながら、本発明は、これに限定されるものでなく、第1研磨面174Aと第2研磨面174Bとの粗さを同一に構成することもできる。
【0037】
また、主軸172は、回転力を提供する動力軸(図示せず)に連結されて、回転軸173を回転運動させる。また、回転軸173は、主軸172からの回転運動力(トルク)を第1、第2研磨面174A、174Bに伝達する機能を有する。
【0038】
また、図2Bに示すように、第1研磨面174A及び第2研磨面174Bは、効果的な研磨のために、複数の溝176により複数の部分に分割される。しかし、本発明は、これに限定されることなく、図3に示す単一構造の研磨ホイールにも適用することができる。
【0039】
図3は本発明の第2の実施の形態による研磨ホイールを概略的に示す平面図であり、二重研磨面274が分割されていない構造の研磨ホイール270を示している。ここで、第2の実施の形態による研磨ホイール270は、第1の実施の形態による研磨ホイールと同じ構造、すなわち、円筒状本体271上面の縁部に第1研磨面274A及び第2研磨面274Bからなる二重研磨面274の構造を有する。
【0040】
図4は図2AのA部分の拡大図であり、第1の実施の形態による研磨ホイール170の二重研磨面174を拡大して示す断面図である。 図4に示すように、第1の実施の形態による研磨ホイール170は、1次研磨のための第1研磨面174Aと、2次研磨のための第2研磨面174Bとを備えており、第1研磨面174Aと第2研磨面174Bとは所定間隔をおいて位置している。
【0041】
ここで、第2研磨面174Bは、研磨時に液晶表示パネルのガラス基板を保護するために、外側上部の角領域に所定の傾斜角αを有し、第2研磨面174Bの傾斜角αは、第2研磨面174Bの長手方向(X軸方向)に対して20〜40°であり、好ましくは30°である。
【0042】
前述のように、第1研磨面174Aと第2研磨面174Bとは同じ粗さの研磨石で構成することができ、1次研磨後に2次研磨を順次行う場合は、効果的な研磨のために、第1研磨面174Aと第2研磨面174Bとを異なる粗さの研磨石で構成することもできる。
【0043】
前記異なる粗さの二重研磨面174を使用して研磨する場合を例に挙げると、研磨ホイール170と基板の突出端(図示せず)とが接触することによって、前記突出端は、先に内側の第1研磨面174Aにより荒削りされ、次に外側の第2研磨面174Bにより精削される。本実施の形態では、内側の第1研磨面174Aを利用して1次研磨を行った後、外側の第2研磨面174Bを利用して2次研磨を行う場合を説明しているが、本発明は、これに限定されるものでなく、1次研磨及び2次研磨に使用される研磨面174A、174Bの順序を逆にして研磨を行うこともできる。また、本発明は、第1研磨面174A及び第2研磨面174Bを同時に使用して研磨を行う場合にも適用することができる。
【0044】
このように2つの第1、第2研磨面174A、174Bを利用して二重研磨を行うと、研磨特性を向上させると共に研磨時間を短縮することができ、また、突出端を研磨ホイール170の内側と外側の第1、第2研磨面174A、174Bに同時に接触させて研磨を行う場合は、研磨時に相互間の接触面積が増加して1つの研磨面に集中していた接触部分が分散されることによって、研磨ホイール174の寿命を延長させることができる。
【0045】
以下、研磨ホイール170を利用した研磨方法について図5及び図6を参照して説明する。 図5は本発明による研磨工程を概略的に示す図であり、図6は本発明による研磨ホイールを利用した研磨方法を概略的に示す断面図であり、研磨台にローディングされた単位液晶表示パネルの角部を研磨する研磨工程を例に挙げて示している。
【0046】
これら図を参照すると、まず、切断された個別の単位液晶表示パネル110が切断面と角部の研磨のためにローディング部140に移送される。
【0047】
ここで、単位液晶表示パネル110の製作工程は、下部のアレイ基板101に駆動素子を形成する駆動素子アレイ工程と、上部のカラーフィルタ基板102にカラーフィルタを形成するカラーフィルタ工程と、セル工程とに大別されるが、以下、このような液晶表示パネル110の製作工程について説明する。
【0048】
まず、下部のアレイ基板101には、アレイ工程により、互いに交差して複数の画素領域を定義する複数のゲートライン及び複数のデータラインを形成し、前記画素領域のそれぞれに前記ゲートライン及び前記データラインに接続される駆動素子である薄膜トランジスタを形成する。また、前記アレイ工程により、前記薄膜トランジスタに接続され、前記薄膜トランジスタにより信号が供給されることによって液晶層を駆動させる画素電極を形成する。
【0049】
また、上部のカラーフィルタ基板102には、カラーフィルタ工程により、カラーを実現する赤、緑、青のサブカラーフィルタで構成されるカラーフィルタ層、ブラックマトリクス、及び共通電極を形成する。
【0050】
次に、アレイ基板101及びカラーフィルタ基板102の表面にそれぞれ配向膜を形成した後、アレイ基板101とカラーフィルタ基板102の間に形成される液晶層の液晶分子に配向規制力又は表面固定力(すなわち、プレチルト角と配向方向)を提供するために、前記配向膜をラビングする。
【0051】
次に、アレイ基板101にセルギャップを一定に維持するためのスペーサを散布し、カラーフィルタ基板102の外郭にシーラントを塗布した後、アレイ基板101及びカラーフィルタ基板102に圧力を加えて貼り合わせる。
【0052】
アレイ基板101及びカラーフィルタ基板102は大面積のガラス基板に形成されている。すなわち、大面積のガラス基板に複数のパネル領域が形成され、前記各パネル領域にアレイ基板101又はカラーフィルタ基板102が形成されるため、個別の液晶表示パネル100を製作するためには、前記ガラス基板を切断、加工しなければならない。
【0053】
すなわち、貼り合わせが終了したアレイ基板101及びカラーフィルタ基板102のそれぞれの表面又は一方の表面に切断ラインを形成し、前記切断ラインに沿って切断することにより、単位液晶表示パネル110を製作する。
【0054】
このような切断工程を終了すると、ガラス基板の切断面と角部が滑らかでないため、前記切断面と角部を滑らかに研磨しなければならない。このために、ローディング部140にローディングされた単位液晶表示パネル110は、研磨台151に送られて研磨台151に整列された後、高速回転する二重研磨面174、174′により切断面と角部が研磨される。
【0055】
研磨台151は、単位液晶表示パネル110の縁部を斜めに研磨し、単位液晶表示パネル110を効果的に支持できるように、単位液晶表示パネル110に比べて僅かに小さく設計される。従って、単位液晶表示パネル110の縁部が研磨台151から僅かに突出する。
【0056】
図6中、符号170、170′は、アレイ基板101及びカラーフィルタ基板102それぞれの上下の角部を研磨するための1対の第1、第2研磨ホイールを示す。第1、第2研磨ホイール170、170′は、一方向に移動して、それぞれアレイ基板101又はカラーフィルタ基板102の上下の角部を研磨する。
【0057】
ここで、本実施の形態の第1、第2研磨ホイール170、170′は、前述のように、二重研磨面174、174′を備えるが、二重研磨面174、174′は、それぞれ1次研磨のための第1研磨面174A、174A′と、2次研磨のための第2研磨面174B、174B′とからなっている。
【0058】
このように研磨石を二重にした二重研磨面174、174′を利用して研磨を行う場合は、1次、2次の2回の研磨により、研磨品質を向上させることができ、1つの研磨石に集中していた接触部分が分散されることによって、研磨面174、174′の寿命を向上させることができる。また、このように、研磨面174、174′の寿命が向上することによって、研磨面174、174′の交換周期を延長させることができ、コスト及び工程ロスを減らすことができる。
【0059】
第1研磨面174A、174A′を利用した1次研磨と、第2研磨面174B、174B′を利用した2次研磨とは、同時に行うことができ、第1研磨面174A、174A′を利用して1次研磨を行った後、第2研磨面174B、174B′を利用して2次研磨を順次行うこともできる。逆に、第2研磨面174B、174B′を利用して1次研磨を行った後、第1研磨面174A、174A′を利用して2次研磨を順次行うこともできる。
【0060】
前記1次研磨と前記2次研磨の間に、単位液晶表示パネル110がローディングされた研磨台151又は第1、第2研磨ホイール170、170′を移動させることもでき、研磨台151又は第1、第2研磨ホイール170、170′を移動させながら研磨を行うこともできる。
【0061】
前記本実施の形態では、単位液晶表示パネル110の薄膜トランジスタアレイ基板101及びカラーフィルタ基板102を研磨するために1対の第1、第2研磨ホイール170、170′を使用した場合を例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、1つ又は3つ以上の研磨ホイールを使用することもできる。
その後、前記研磨された単位液晶表示パネル110は、研磨部150からアンローディング部160に送られて、次の工程のために移送される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の研磨ホイールにより切断された個別の単位液晶表示パネルの構造を概略的に示す平面図である。
【図2A】本発明の第1の実施の形態による研磨ホイールを概略的に示す断面図である。
【図2B】本発明の第1の実施の形態による研磨ホイールを概略的に示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による研磨ホイールを概略的に示す平面図である。
【図4】図2AのA部分の拡大図である。
【図5】本発明による研磨工程を概略的に示す図である。
【図6】本発明による研磨ホイールを利用した研磨方法を概略的に示す断面図である。
【図7】複数の薄膜トランジスタアレイ基板が形成された第1母基板と複数のカラーフィルタ基板が形成された第2母基板とが貼り合わせられてなる液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す図である。
【図8】切断された基板の突出端を拡大して示す図である。
【図9】一般の研磨ホイールの構造を概略的に示す平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の本体と、
前記本体上面の縁部に形成される第2研磨面と、
前記第2研磨面の内側に形成される第1研磨面と
を含むことを特徴とする研磨ホイール。
【請求項2】
前記第2研磨面は、前記第1研磨面から所定距離離れて位置することを特徴とする請求項1に記載の研磨ホイール。
【請求項3】
前記第1研磨面及び前記第2研磨面は、同じ粗さを有する研磨石で構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨ホイール。
【請求項4】
前記第1研磨面及び前記第2研磨面は、異なる粗さを有する研磨石で構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨ホイール。
【請求項5】
前記第1研磨面及び前記第2研磨面は、ダイヤモンド材質で構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨ホイール。
【請求項6】
前記第1研磨面及び前記第2研磨面は、複数の部分に分割されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨ホイール。
【請求項7】
前記第2研磨面の外側上部の角領域は、研磨時に単位液晶表示パネルのガラス基板を保護するために、前記第2研磨面の長手方向に対して所定の傾斜角を有することを特徴とする請求項1に記載の研磨ホイール。
【請求項8】
前記所定の傾斜角は、20〜40°であることを特徴とする請求項7に記載の研磨ホイール。
【請求項9】
単位液晶表示パネルを研磨台にローディングする段階と、
1次研磨のための第1研磨面及び2次研磨のための第2研磨面の二重研磨面を備えた研磨ホイールを用いて前記単位液晶表示パネルの所定領域を研磨する段階と、
前記研磨された単位液晶表示パネルをアンローディングする段階と
を含むことを特徴とする液晶表示パネルの研磨方法。
【請求項10】
液晶表示装置用基板を提供する段階と、
前記基板にアレイ工程又はカラーフィルタ工程を行う段階と、
前記アレイ工程が終了した基板と前記カラーフィルタ工程が終了した基板とを貼り合わせる段階と、
前記貼り合わせられた基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階と、
前記単位液晶表示パネルを研磨台にローディングする段階と、
1次研磨のための第1研磨面及び2次研磨のための第2研磨面の二重研磨面を備えた研磨ホイールを用いて前記単位液晶表示パネルの所定領域を研磨する段階と、
前記研磨された単位液晶表示パネルをアンローディングする段階と
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記ローディングされた単位液晶表示パネルを前記研磨台に整列させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記研磨ホイールを用いて前記単位液晶表示パネルの切断面と角部を研磨することを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記単位液晶表示パネルの所定領域を研磨する段階は、
前記研磨ホイールの第1研磨面を用いて前記単位液晶表示パネルの所定領域を1次研磨する段階と、
前記研磨ホイールの第2研磨面を用いて前記単位液晶表示パネルの所定領域を2次研磨する段階と
を含むことを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記1次研磨及び前記2次研磨は、実質的に同時に行われることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記1次研磨が終了した後、前記1次研磨が行われた単位液晶表示パネルの所定領域を2次研磨することを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1研磨面及び前記第2研磨面は、同じ粗さを有する研磨石で構成されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1研磨面及び前記第2研磨面は、異なる粗さを有する研磨石で構成されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記研磨ホイールを一方向に移動させて前記単位液晶表示パネルを研磨することを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−1000(P2007−1000A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373216(P2005−373216)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(599127667)エルジー フィリップス エルシーディー カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】