移動体用表示システム及び移動体
本発明の移動体用表示システムは、同時に表示可能な第1速度表示領域と第2速度表示領域等の複数の表示速度領域を備え、上記複数の速度表示領域のうち所定の速度表示領域に速度を表示させるとともに、残りの表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御部を有している。これにより、速度の誤認を低減させることができるので、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を無くし、使用者による運転の安全性を向上させる移動体用表示システムを提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体である車両の速度やエンジンの回転数等の車両状態、及びナビゲーション画像等の運転を支援するような情報を付加的画像として表示させる移動体用表示システム及びこの移動体用表示システムを備えた移動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと称する)には、車両の速度やエンジンの回転数等の車両状態情報の他に、ナビゲーション画像等の運転を支援するような情報を付加的画像として表示させる車両用表示装置が特許文献1(日本国公開特許公報:特開平9−123848号公報(1997年5月13日公開))に提案されている。
【0003】
上記特許文献1に開示された車両用情報表示装置では、ナビゲーション、バックモニタ(車両の後方画像を、車両に搭載されたカメラで撮影し、表示装置に出力して表示するもの)、テレビ画面、オーディオの操作画面などを表示するようになっている。
【0004】
ところで、上記車両用情報表示装置では、車両の状況に応じて、表示すべき画像に重み付けを行い、その重み付けの結果に従って表示を変更するようになっているので、速度表示の表示位置が状況によって頻繁に変化し、使用者は走行状態が変わるごとに速度表示を探さなければならないといった状況が起こり得る。つまり、使用者は、安全運転を行う上で重要な情報である速度を誤認する虞がある。
【0005】
このことは、表示装置の同一表示面内に表示させる情報量が多くなればなるほど、使用者が速度を誤認する確率は高くなり、使用者による運転の安全性を低下させるという問題が生じる。
【特許文献1】特開平9−123848号公報(1997年5月13日公開)
【発明の開示】
【0006】
本発明は、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を無くし、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させる移動体用表示システム及び移動体を提供することを目的としている。
【0007】
本発明に係る移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち所定の速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、表示装置が同時に表示可能な複数の速度表示領域を有している場合、所定の速度表示領域に速度が表示されることになるので、残りの速度表示領域に速度以外の情報が表示されていても、使用者は速度を必ず認識することができる。
【0009】
これにより、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を低減し、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0010】
また、本発明に係る移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち、少なくとも2つの速度表示領域を用いて速度を表示させると共に、残りの速度表示領域を用いて速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、表示装置が同時に表示可能な複数の速度表示領域を有している場合、2つの速度表示領域に速度が表示されることになるので、残りの速度表示領域に速度以外の情報が表示されていても、使用者は速度を必ず認識することができる。
【0012】
このように、2つの速度表示領域に速度が表示されているので、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認をさらに低減し、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0013】
さらに、本発明に係る移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち常に同じ速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、表示装置が同時に表示可能な複数の速度表示領域を有している場合、常に同じ速度表示領域に速度が表示されることになるので、残りの速度表示領域に速度以外の情報が表示されても、使用者は速度を必ず認識することができる。
【0015】
このように、常に同じ速度表示領域に速度が表示されているので、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を無くし、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0016】
上記表示制御装置は、速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示する場合に、速度を数字で表示させるのが好ましい。
【0017】
このように、速度を数字で表示すれば、速度をメータにより表示させた場合に比べて、小さい表示面積で速度を確認することができる。つまり、速度を表示する速度表示領域の表示面積をより小さくすることができる。
【0018】
これにより、速度以外の情報を表示する速度表示領域の表示面積をより大きくすることが可能となる。
【0019】
また、速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示したときに、速度以外の情報を表示している速度表示領域が、速度表示を行っている速度表示領域よりも大きくなるように設定されていてもよい。
【0020】
この場合、速度表示領域に表示される速度以外の情報を使用者が認識し易くなる。
【0021】
速度以外の情報としては、ナビゲーション装置から出力される画像、移動体に配置されたカメラから出力される撮像、移動体が有する記憶媒体から出力される画像、別の記憶媒体に記憶され移動体が備える再生装置によって前記記憶媒体が再生されることによって出力される画像、移動体に搭載された音響機器の操作用の画像、移動体に搭載された空調機器の操作用の画像、又は、テレビジョン受信装置により受信される画像が考えられ、これら画像の少なくとも一つを速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるようにすればよい。
【0022】
上記構成の移動体表示システムは、さらに、移動体の速度を検出する速度検出手段と、上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段と、上記速度表示領域に背景画像を記憶する背景画像記憶手段とを備え、上記表示制御装置は、上記背景画像記憶手段から背景画像を読み出して表示装置に表示するとともに、上記速度検出手段によって検出された速度及び上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて、背景画像をスクロールするようにしてもよい。
【0023】
この場合、背景画像が速度及び操舵方向に応じてスクロールするため、速度及び操舵方向を移動体の運転者が感覚的に把握することができる。
【0024】
上記構成の移動体用表示システムは、さらに、上記移動体の速度を検出する速度検出手段と、上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段とを備え、上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、移動体から見た前方を撮影した前方画像である場合、上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて前方画像の中心位置を移動させると共に、上記速度検出手段によって検出された速度に応じて前方画像のスクロール速度を決定するようにしてもよい。
【0025】
この場合、表示装置に表示された画像、すなわち移動体から見た前方の画像が移動体の速度と操舵角とに応じた画像となるので、移動体の走行時における表示画像に対する違和感を緩和することができる。
【0026】
また、上記構成の移動体用表示システムは、上記移動体から見た前方を撮影する前方カメラと、上記前方カメラの撮影範囲で人体を検出する人体検出手段とを備え、上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、上記前方カメラによって撮影された前方画像である場合、上記人体検出手段によって前方画像内で人体を検出したとき、検出された人体を強調表示させるようにしてもよい。
【0027】
この場合、表示装置に表示された画像、すなわち移動体から見た前方の画像に人体が含まれている場合に、その人体が強調表示されるので、使用者は人体を確実に認識することができる。
【0028】
上記人体検出手段としては、上記前方カメラの撮影範囲内で被写体の熱を検出することで人体を検出する手段が好ましい。この人体検出手段としては、赤外線センサが考えられる。
【0029】
また、上記人体検出手段としては、上記前方カメラによって撮影された前方画像に含まれる輪郭情報から人体を検出する手段が好ましい。
【0030】
また、上記移動体を自動車としたとき、該自動車の車内を撮影する車内カメラと、該自動車のトランクルーム内を撮影するトランクカメラの少なくとも一方を備え、上記表示制御装置は、上記車内カメラおよび/またはトランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるようにしてもよい。
【0031】
この場合、運転者が走行中或いは停止中に、見たい方向を振り向くことなく車内および/またはトランクルームの確認を行うことができる。
【0032】
また、上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラは、複数台設置されていることが好ましい。これにより、車内およびトランクルームの撮影範囲を広げることができる。また、それに加えて、上記表示装置は、上記複数台の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影した映像を、一覧表示させるようにする。これにより、複数の撮影範囲を同時に確認できるため、探し物を容易に見つけることが可能である。
【0033】
そして、上記表示制御装置は、上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるときには、上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に、動作中の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影している位置を模式的に示す図を含め表示することがのぞましい。これにより、運転者はどの位置が撮影されているのかが容易に把握でき、状況を把握しやすい。
【0034】
上記速度以外の情報を表示する速度表示領域は、横縦のサイズ比を示すアスペクト比が7 :3 以上の横長であることが好ましい。
【0035】
これにより、上記速度表示領域が横長になり、速度以外の情報をより多く表示させることができる。特に、前方画像を表示させる場合に、運転者が確認できる範囲を広げることができるので、横断中の歩行者を確実に認識することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一実施の形態について説明すれば以下の通りである。
【0037】
なお、本実施の形態では、本発明の移動体用表示システムを自動車に適用した例について説明する。
【0038】
本実施の形態に係る移動体用表示システムは、図1に示すように、自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと称する)に用いられている表示装置としての表示部15と、この表示部15に対して、入力された信号(表示信号や表示制御信号等)に基づいて表示制御を行う表示制御装置としての表示制御部21とを備えている。
【0039】
上記表示部15には、自動車の速度を表示するための速度表示領域として、第1速度表示領域101、第2速度表示領域102が設けられている。これら2つの速度表示領域は、図2(a)(b)に示すように、必要に応じて表示する情報が切り替わるようになっている。
【0040】
図2(a)は、第1速度表示領域101では数値で速度表示が行われ、第2速度表示領域102では例えば円形メータといった図式的な表示で速度表示やエンジン回転数表示が行われる通常表示モードを示している。また、図2(b)は、第1速度表示領域101では通常表示時と同じように数値で速度表示が行われ、第2速度表示領域102ではナビの画面表示が行われるナビゲーション(以下、ナビと称する)表示モードを示している。
【0041】
なお、上記第1速度表示領域101は、常に速度表示を行うのが好ましく、また、上記第2速度表示領域102は、上記第1速度表示領域101よりも表示面積が大きいほうが好ましい。
【0042】
さらに、上記第2速度表示領域102に表示されるのは、上述したナビ画面だけでなく、後述する車内のカメラ画像や道路を横断する人体の検出画像等であってもよい。
【0043】
さらには、移動体としての自動車が有する記憶媒体から出力される画像、別の記憶媒体に記憶され自動車が備える再生装置によって前記記憶媒体が再生されることによって出力される画像、自動車に搭載された音響機器の操作用の画像、自動車に搭載された空調機器の操作用の画像、又は、テレビジョン受信装置により受信される画像等であってもよい。
【0044】
図1に示す移動体用表示システムの表示処理の流れについて、図3に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお、ここでは、上述した表示制御部21によって表示部15の表示制御を行う処理について説明する。
【0045】
まず、表示制御部21は、表示部15に対して、図2(a)に示すように、第1速度表示領域101及び第2速度表示領域102の何れの領域にも速度表示された状態を示す通常の速度表示を行わせる(ステップS1)。
【0046】
そして、他の画像表示モードの選択が行われたか否かを判断する(ステップS2)。ここでは、図示しない表示モード選択手段(表示モード選択スイッチ等)を操作し、この選択信号が表示制御部21に入力さるか否かによって判断する。
【0047】
このステップS2において、他の画像表示モードの選択が行われたと判断した場合には、後述するナビゲーションシステム14(図4参照)からナビゲーション情報を取得し(ステップS3)、表示部15の第1速度表示領域101に取得したナビゲーション情報を表示させる(ステップS4)。
【0048】
続いて、通常表示モードが選択されたか否かを判断し(ステップS5)、通常表示モードが選択される迄、表示部15の第1速度表示領域101には、ナビゲーション情報の表示、すなわちナビ表示モードをつづける。
【0049】
この例では、第2速度表示領域102にナビゲーション情報を表示させた例を示したが、これに限定されるものではなく、自動車の走行に必要と思われる情報を適宜表示させてもよい。具体的な移動体用表示システムについて以下に説明する。
【0050】
本実施の形態に係る移動体用表示システムは、図4に示すように、システム全体を制御するメインの制御装置100と、各種カメラとして、複数のトランクカメラ1、複数の車内カメラ2、前方広角カメラ3と、各種センサとして、前方広角赤外線センサ4、外光輝度センサ5、ギア検出センサ6、速度センサ7、操舵角センサ8と、入力手段として、入力部9、通信部10、TV受信部11、再生装置22と、記憶手段として、カメラ画像記憶部12、画像記憶部13と、ナビゲーションシステム14と、表示部15及びスピーカ16とで構成されている。
【0051】
上記トランクカメラ1は、自動車のトランク内を撮影するためのカメラであり、配設数は一つであってもよいし、複数であってもよい。カメラが一つの場合では、撮影範囲が限られるが、複数あれば、撮影範囲が拡がる。つまり、トランクカメラ1の数は、トランクの大きさやカメラ一つの撮影範囲を考慮して決めればよい。なお、本実施の形態では、トランクカメラ1の数をn(n≧1の整数)個として示している。
【0052】
上記車内カメラ2は、自動車の車内を撮影するためのカメラであり、配設数は一つであってもよいし、複数であってもよい。この場合も、トランクカメラ1と同様に、車内カメラ2の数は、車内の大きさやカメラ一つの撮影範囲を考慮して決めればよい。なお、本実施の形態では、車内カメラ2の数をn(n≧1の整数)個として示している。
【0053】
また、上記前方広角カメラ3は、自動車の車体前方に配置され、自動車から見て前方を撮影するための広角カメラである。
【0054】
また、上記前方広角赤外線センサ4は、自動車の車体前方に配置された広角赤外線センサであり、上記前方広角カメラ3と同等の広角範囲の赤外線を検出するようになっている。つまり、前方広角赤外線センサ4は、前方広角カメラ3で撮影された範囲の被写体の熱を検出して、人体(歩行者等)を検出する人体検出手段として機能している。
【0055】
上記のトランクカメラ1、車内カメラ2及び前方広角カメラ3で撮影されたカメラ画像は、上記制御装置100を介してカメラ画像記憶部12に記憶される。
【0056】
一方、前方広角赤外線センサ4による検出信号は、制御装置100に送られる。
【0057】
また、本システムには、上述したカメラ画像記憶部12の他に、画像記憶部(背景画像記憶手段)13を備えており、上記ナビゲーションシステム14で使用する地図データ、速度表示領域に表示する背景画像等の画像を記憶するようになっている。
【0058】
さらに、本システムには、上述した表示部15の他に、音声を出力するためのスピーカ16、上記ナビゲーションシステム14の操作に使用する各種キー等の入力部9、ナビゲーション等の情報を受信あるいは送信するための通信部10及びTV受信部11が備えられている。
【0059】
本システムには、上記前方広角赤外線センサ4以外に上述した外光輝度センサ5、ギア検出センサ6、速度センサ7、操舵角センサ8が備えられ、各センサによって検出された信号はそれぞれ制御装置100に送られ、各種制御に利用される。
【0060】
上記制御装置100は、上述した表示部15の表示を制御するための表示制御部21の他に、カメラ画像拡大部17、歩行者判定部18、焦点位置決定部19、画像スクロール速度決定部20を有している。
【0061】
ここで、上記歩行者判定部18は、上述した前方広角カメラ3からの検出信号或いは前方広角赤外線センサ4からの検出信号に基づいて、前方広角カメラ3において撮影している範囲に歩行者が存在するか否かを判定するものである。なお、判定するのは、歩行者のみならず犬などの小動物を含んでもよい。この処理の詳細については、後述する。
【0062】
上記カメラ画像拡大部17は、上記トランクカメラ1、車内カメラ2、前方広角カメラ3において撮影したカメラ画像を拡大処理するものである。この拡大処理は、表示部15に表示されているのがトランクカメラ1及び車内カメラ2の画像であれば操作者によって入力部9を操作することで行われ、表示部15に表示されているのが前方広角カメラ3の画像であれば、上記操作者の入力部9への操作の他、速度センサ7の検出結果(車速)に応じて行われるものとする。
【0063】
上記焦点位置決定部19は、表示部15に表示されている画像が前方広角カメラ3の画像である場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合に、上記操舵角センサ8による検出結果(操舵角)に応じて表示画面における焦点位置を決定するようになっている。
【0064】
上記画像スクロール速度決定部20は、表示部15に表示されている画像が前方広角カメラ3の画像である場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合に、上記速度センサ7の検出結果(車速)に応じて画像のスクロール速度を決定するようになっている。
【0065】
上記構成の移動体用表示システムにおいて、自動車の走行中に、該自動車内の表示部15に前方広角カメラ3の画像が表示される場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合の処理の流れについて図5及び図6(a)(b)〜図8(a)(b)を参照しながら以下に説明する。なお、図6(a)(b)〜図8(a)(b)に示す表示画面は、表示部15の第2速度表示領域102に表示される画面を示している。
【0066】
まず、速度センサ7にて速度検出が行われる(ステップS11)。これにより、画像スクロール速度決定部20は、速度に応じて画像スクロール速度を決定する(ステップS12)。
【0067】
次に、操舵角センサ8にて操舵角検出が行われる(ステップS13)。これにより、焦点位置決定部19は、操舵角に応じて焦点位置を決定する(ステップS14)。
【0068】
最後に、表示制御部21は、決定された焦点位置・スクロール速度で画像をスクロールするように表示部15に所望の画像を表示させる(ステップS15)。
【0069】
ここで、上記表示部15における表示例として、例えば、車速が0Km/h、操舵角が0度のときは、図6(a)に示すような画像となる。この図で、焦点位置を示す「×」と、被写体を示す「★」は表示画面の中央に位置している。この状態で、操舵角が右30度になった場合、図6(b)に示すように、被写体及び焦点位置が表示部15の表示画面右側に移動する。
【0070】
また、車速が30Km/h、操舵角0度のときは、図7(a)に示すような画像となる。この図では、被写体は表示部15の表示画面の中央に位置し、且つ正面に向かってくるようにスクロールされている。この場合の画面のスクロール速度は、車速に応じて決定される。この状態で、操舵角が右30度になった場合、図7(b)に示すように、被写体及び焦点位置が表示部15の表示画面右側に移動する。この場合の表示画面も車速に応じてスクロールされている。
【0071】
さらに、車速が90Km/h、操舵角0度のときは、図8(a)に示すような画像となる。つまり、この図では、図7(a)に示す車速30Km/hのときよりも表示画面のスクロール速度が速くなっていることを示している。そして、この状態で、操舵角が右30度になった場合、図8(b)に示すように、被写体及び焦点位置が表示部15の表示画面右側に移動する。この場合の表示画面も、図7(b)に示すスクロール速度よりも速くスクロールされている。
【0072】
このように、表示部15の第2速度表示領域102に表示される画像を、前方広角カメラ3の画像とした場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合に、車速や操舵角に応じて被写体の表示状態を変化させることで、前方広角カメラ3の画像とした場合には、実際の走行フィーリングに応じた表示を可能にすることができ、通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合には、背景画像が速度及び操舵方向に応じてスクロールするため、速度及び操舵方向を移動体の運転者が感覚的に把握することができる。この結果、表示部15の第2速度表示領域102を見ている操作者(運転者)は、表示画面に表示される画像から走行状況を的確に把握することが可能となり、運転の安全性を向上させることができる。
【0073】
さらに、本移動体用表示システムでは、表示部15の第2速度表示領域102に前方広角画像を表示させた状態で、横断中の歩行者を検出して警告表示させることで運転の安全性を向上させることができる。この場合の表示部15における表示モードを、歩行者警告表示モードとする。この歩行者警告表示モードへの選択は、入力手段としての入力部9を操作することで行われる。なお、この他にも、歩行者警告表示モードへの切換えは、ギア検出センサ6、速度センサ7の検出結果に基づいて自動的に行われる。
【0074】
以下に、この歩行者警告表示モードの処理の流れについて、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0075】
まず、制御装置100は、入力手段が操作され、このモード、すなわち歩行者警告表示モードに入ることが選択されたか否かを判断する(ステップ21)。ここで、歩行者警告表示モードが選択された場合には、ステップS24に移行する。
【0076】
また、ステップS21において、歩行者警告表示モードが選択されていなければ、速度センサ7にて検出される速度が所定速度未満か否かを判断する(ステップS22)。なお、上記所定速度とは、10Km/hである。所定速度以上の時は通常表示モードで表示することが望ましいため、歩行者警告表示モードが選択されていない場合には処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS22において、所定速度未満であると判断されれば、ギア検出センサ6によってギアがD等の走行時に使用するギア(PギアやNギア以外のギア)であるか否かを判断する(ステップS23)。ここで、走行時に使用するギアでないと判断されれば、自動車は走行できないので、歩行者警告表示モードで表示する必要がない。すなわち、所定速度未満の場合でギアがD等の走行時に使用するギア以外のギアが選択されている場合とは、略自動車が停止しているいわゆるアイドリング状態を指し、このときは表示装置15を用いてTV受信部11から受信したTVや、DVD或いはCDといった移動体に備えられた記憶媒体(画像記憶部及びカメラ画像記憶部の双方を少なくとも含む)以外の記憶媒体を再生装置22によって再生することによって得られる画像を運転者が楽しむことがある。このような場合は、歩行者警告表示モードが自動的に選択されないほうが良いので、上記フローチャートのように制御を行なう。一方、走行中であっても強制的に歩行者警告表示モードを使用したい場合があるが、上記フローチャートの制御によれば、この場合でも歩行者警告表示モードを使用しうる。
【0078】
また、ステップS23において、ギアがD等の走行時に使用するギアであると判断されれば、ステップS24に移行する。
【0079】
ステップS24では、外光輝度センサ5によって外光の輝度が検出される。
【0080】
そして、検出した輝度が所定値以下か否かを判断する(ステップS25)。なお、上記所定値とは、例えば100ルクス以下である。そして、検出した輝度が所定値以下であると判断されれば、前方広角赤外線センサ4による検出結果から導き出される画像に基づいて歩行者(人体)を検出する(ステップS26)。一方、検出した輝度が所定値よりも大きいと判断されれば、前方広角カメラ3による撮影画像に基づいて歩行者(人体)を検出する(ステップS27)。
【0081】
なお、上記所定値(ステップS25にいう所定値)は前方広角カメラ3の最低撮影照度および輪郭によって人体検知を行なう場合の検出限界の影響を受ける。したがって、前方広角カメラ3の最低撮影照度および上記検出限界をあらかじめ求めておき、それに応じて外光輝度の所定値を変化させる必要がある。常に前方広角カメラ3と前方広角赤外線センサ4の双方で人体検知を行なうようにすれば、外光輝度によって使用するセンサを切り替える必要はなくなるのであるが、このときは、歩行者判定部18を含む制御装置100の処理量が増え処理速度が遅くなるという欠点がある。
【0082】
続いて、ステップS26あるいはステップS27における人体検出処理によって、人体が検出されたか否かを判断する(ステップS28)。ここで、人体が検出されていなければ、前方広角カメラ3の画像を第2速度表示領域102に表示させ(ステップS29)、ステップS21に移行する。
【0083】
また、ステップS28において、人体が検出されれば、第2速度表示領域102に対して、前方広角カメラ3の画像を表示させると共に、人体の検出位置をフラッシュさせて警告表示させる(ステップS30)。この警告表示は、人体が前方広角カメラ3の撮影範囲から無くなるまで行われるので、ステップS24に移行し、人体検出処理が繰り返される。
【0084】
ここで、人体の検出は、上記のように2通りの方法で行われているので、それぞれの場合で表示部15の第2速度表示領域102における表示画像が異なる。
【0085】
例えば、ステップS27に示すように、外光輝度が所定値よりも大きい場合には、前方広角カメラ3の画像から人体を検出するようになっており、歩行者判定部は広角カメラ3からの画像に基づいて、輪郭の形状特徴に対するパターンマッチング或いはそのサイズをパラメータとして人体か否かを判断する処理を行なう。その結果、歩行者が存在すると判断した場合には、制御装置100は、広角カメラ3から得られた画像のうち歩行者の存在する座標に対して警告表示を重畳させて、表示部15に表示を行なう。このときの画面の違いは図10に示すととりである。図10は(a)に示す通常表示モードから、(b)に示す歩行者警告表示モードに切り換えたときの表示部15の様子を示している。この場合、第2速度表示領域102では、歩行者表示領域103内に歩行者が入るように表示され、この歩行者表示領域103がフラッシュするようになっている。なお、図10(b)に示す状況は、昼間あるいは昼間のように明るいときを想定している。
【0086】
また、ステップS26に示すように、外光輝度が所定値以下である場合には、前方広角赤外線センサ4の信号から人体を検出するようになっており、歩行者判定部は広角赤外線センサ4の信号に基づいて、周囲との温度輪郭の形状特徴に対するパターンマッチング或いはそのサイズをパラメータとして人体か否かを判断する処理を行なう。その結果、歩行者が存在すると判断した場合には、制御装置100は、広角カメラ3から得られた画像のうち歩行者の存在する座標に対して警告表示を重畳させて、表示部15に表示を行なう。このときの画面の違いは図11に示す通りである。図11は、(a)に示す通常表示モードから、(b)に示す歩行者警告表示モードに切り換えたときの表示部15の様子を示している。この場合も、図10(b)の場合と同様に、第2速度表示領域102に対して、歩行者表示領域103内に歩行者が入るように前方広角カメラ3から取得された画像が表示され、この歩行者表示領域103がフラッシュするようになっている。なお、図11(b)に示す状況は、夜間あるいは夜間のように暗いときを想定している。
【0087】
以上のように、第2速度表示領域102において人体を検出し、この人体を囲むように形成された歩行者表示領域103をフラッシュして警告することにより、昼夜を問わず、あるいは明暗を問わず、運転者は確実に歩行者を認識することが可能となるので、運転の安全性をさらに向上させることができる。
【0088】
ところで、上述したように、走行状況を的確に把握することや、歩行者を確実に認識させることは、安全運転を行う上で必要であるが、それ以外に、運転者の心理的な要因も不可欠である。例えば、運転者がかかえる不安を取り除くことによって安全運転を行うことが可能となる。
【0089】
例えば、自動車内において、後部座席に赤ちゃんを載せていたり、ペットを載せていたりして、その様子が気になり、直ぐに確認できない場合に不安になる場合が考えられる。この場合でも、走行中或いは停止中に不安要因があると思われる方向を振り向くことなく確認できるようにすれば、安全性が向上するとともに、運転者の不安を軽減させることができる。また、トランクルーム内に、必要な荷物を載せたか否かを確認できるようにしても、運転者の不安を軽減させることができる。
【0090】
これらを実現する方法としては、図4に示すように、トランクカメラ1、車内カメラ2を用いて、これらカメラで撮影した画像を表示部15の第2速度表示領域102に表示させることが考えられる。
【0091】
例えば、入力部9を操作して、図12(a)に示す通常表示モードから、図12(b)に示すリアシート表示モードに切り換え、車内カメラ2を作動させることが考えられる。この場合、第2速度表示領域102には、リアシート内を表示するための第3表示領域104が形成されると共に、現在どの車内カメラ2が作動しているかを示す作動カメラ表示領域105が形成され、動作中の車内カメラ2および/またはトランクカメラ3が撮影している位置を模式的に示す図を表示する。
【0092】
また、入力部9を操作して、図13(a)に示す通常表示モードから、図13(b)に示すトランク表示モードに切り換え、トランクカメラ1を作動させることが考えられる。この場合、第2速度表示領域102には、トランク内を表示させるための第3表示領域104が形成されると共に、現在どのトランクカメラ1が作動しているかを示す作動カメラ表示領域105が形成され、動作中の車内カメラ2および/またはトランクカメラ3が撮影している位置を模式的に示す図を表示する。
【0093】
これらトランクカメラ1及び車内カメラ2の作動は、運転者が入力部9を操作することによって必要なときに切り換えることができるので、運転者は確認したいときに車内あるいはトランクルーム内を表示させて確認できる。これにより、運転中の運転者の不安を解消できるので、運転の安全性を確保することができる。
【0094】
さらに、図14(a)に示す通常表示モードから、全てのトランクカメラ1と車内カメラ2を作動させることで、図14(b)に示す一覧表示モードに切り換えることが考えられる。この場合、第2速度表示領域102には、一覧表示を行うための第3表示領域104が形成されると共に、現在どのトランクカメラ1及び車内カメラ2が作動しているかを示す作動カメラ表示領域105が形成され、全ての車内カメラ2および/またはトランクカメラ3が撮影している位置を模式的に示す図を表示する。ここでは、全てのトランクカメラ1と車内カメラ2を作動させるものについて記載したが、必ずしも全てを作動させる場合に限られず、複数台のトランクカメラ1および/または車内カメラ2を作動させ、一覧表示を行なうようにしても良い。
【0095】
このように一覧表示を行なうことにより、複数箇所を同時に確認でき、運転者は車内やトランクのどの位置が撮影されているのかが容易に把握できるため、その状況を把握しやすい。特に全てトランクカメラ1及び車内カメラ2を動作させ、一覧表示を行なった場合には、カメラを切り替える動作を行なうことなく容易に車内の全容を把握できることになり好適である。
【0096】
本実施の形態では、表示部15の表示画面の大きさについては特に限定しないが、速度を表示させる第1速度表示領域101よりも、速度以外の情報を表示させる第2速度表示領域102の表示面積が大きいほうが好ましい。これは、第1速度表示領域101において速度を表示するには、数字で表示すれば、多少表示面積が小さくても運転者は容易に認識できるためである。しかも、第2速度表示領域102の表示面積は、大きければ大きいほど好ましい。これは、ナビゲーション画像等を表示させる場合に、表示認識を行い易いためである。
【0097】
しかも、第2速度表示領域102は、横縦のサイズ比を示すアスペクト比が7 :3 以上の横長であることが好ましい。これは、第2速度表示領域102に前方画像を表示させた場合に横長の広い画面になるので、横断中の歩行者(人体)を確実に認識できるようになるからである。
【0098】
以上のように、本移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち、所定の速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することで、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を低減し、使用者による運転の安全性を向上させることができるという効果を奏する。
【0099】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の移動体用表示システムは、複数の速度表示領域を同時に表示可能にする表示装置を備えたものであれば、移動体として自動車のみならずバイク、自転車等の他の移動体についても好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、移動体用表示システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す表示部における表示例を示すものであり、(a)は通常表示モードでの表示例を示す図であり、(b)はナビ表示モードでの表示例を示す図である。
【図3】図1に示す移動体用表示システムにおける表示モードの切換え処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1に示す移動体用表示システムのシステム全体の概略構成ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、ナビゲーション以外の情報を第2速度表示領域に表示させる場合の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】(a)(b)は、図5で示す表示処理による表示例を示す図である。
【図7】(a)(b)は、図5で示す表示処理による表示例を示す図である。
【図8】(a)(b)は、図5で示す表示処理による表示例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態を示すものであり、人体検出の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)は歩行者表示モードを示す図である。
【図11】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)は歩行者表示モード(赤外線センサによる表示)を示す図である。
【図12】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)はリアシート表示モードを示す図である。
【図13】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)はトランク表示モードを示す図である。
【図14】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)は一覧表示モードを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体である車両の速度やエンジンの回転数等の車両状態、及びナビゲーション画像等の運転を支援するような情報を付加的画像として表示させる移動体用表示システム及びこの移動体用表示システムを備えた移動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと称する)には、車両の速度やエンジンの回転数等の車両状態情報の他に、ナビゲーション画像等の運転を支援するような情報を付加的画像として表示させる車両用表示装置が特許文献1(日本国公開特許公報:特開平9−123848号公報(1997年5月13日公開))に提案されている。
【0003】
上記特許文献1に開示された車両用情報表示装置では、ナビゲーション、バックモニタ(車両の後方画像を、車両に搭載されたカメラで撮影し、表示装置に出力して表示するもの)、テレビ画面、オーディオの操作画面などを表示するようになっている。
【0004】
ところで、上記車両用情報表示装置では、車両の状況に応じて、表示すべき画像に重み付けを行い、その重み付けの結果に従って表示を変更するようになっているので、速度表示の表示位置が状況によって頻繁に変化し、使用者は走行状態が変わるごとに速度表示を探さなければならないといった状況が起こり得る。つまり、使用者は、安全運転を行う上で重要な情報である速度を誤認する虞がある。
【0005】
このことは、表示装置の同一表示面内に表示させる情報量が多くなればなるほど、使用者が速度を誤認する確率は高くなり、使用者による運転の安全性を低下させるという問題が生じる。
【特許文献1】特開平9−123848号公報(1997年5月13日公開)
【発明の開示】
【0006】
本発明は、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を無くし、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させる移動体用表示システム及び移動体を提供することを目的としている。
【0007】
本発明に係る移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち所定の速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、表示装置が同時に表示可能な複数の速度表示領域を有している場合、所定の速度表示領域に速度が表示されることになるので、残りの速度表示領域に速度以外の情報が表示されていても、使用者は速度を必ず認識することができる。
【0009】
これにより、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を低減し、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0010】
また、本発明に係る移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち、少なくとも2つの速度表示領域を用いて速度を表示させると共に、残りの速度表示領域を用いて速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、表示装置が同時に表示可能な複数の速度表示領域を有している場合、2つの速度表示領域に速度が表示されることになるので、残りの速度表示領域に速度以外の情報が表示されていても、使用者は速度を必ず認識することができる。
【0012】
このように、2つの速度表示領域に速度が表示されているので、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認をさらに低減し、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0013】
さらに、本発明に係る移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち常に同じ速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、表示装置が同時に表示可能な複数の速度表示領域を有している場合、常に同じ速度表示領域に速度が表示されることになるので、残りの速度表示領域に速度以外の情報が表示されても、使用者は速度を必ず認識することができる。
【0015】
このように、常に同じ速度表示領域に速度が表示されているので、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を無くし、使用者による速度の視認性および運転の安全性を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0016】
上記表示制御装置は、速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示する場合に、速度を数字で表示させるのが好ましい。
【0017】
このように、速度を数字で表示すれば、速度をメータにより表示させた場合に比べて、小さい表示面積で速度を確認することができる。つまり、速度を表示する速度表示領域の表示面積をより小さくすることができる。
【0018】
これにより、速度以外の情報を表示する速度表示領域の表示面積をより大きくすることが可能となる。
【0019】
また、速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示したときに、速度以外の情報を表示している速度表示領域が、速度表示を行っている速度表示領域よりも大きくなるように設定されていてもよい。
【0020】
この場合、速度表示領域に表示される速度以外の情報を使用者が認識し易くなる。
【0021】
速度以外の情報としては、ナビゲーション装置から出力される画像、移動体に配置されたカメラから出力される撮像、移動体が有する記憶媒体から出力される画像、別の記憶媒体に記憶され移動体が備える再生装置によって前記記憶媒体が再生されることによって出力される画像、移動体に搭載された音響機器の操作用の画像、移動体に搭載された空調機器の操作用の画像、又は、テレビジョン受信装置により受信される画像が考えられ、これら画像の少なくとも一つを速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるようにすればよい。
【0022】
上記構成の移動体表示システムは、さらに、移動体の速度を検出する速度検出手段と、上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段と、上記速度表示領域に背景画像を記憶する背景画像記憶手段とを備え、上記表示制御装置は、上記背景画像記憶手段から背景画像を読み出して表示装置に表示するとともに、上記速度検出手段によって検出された速度及び上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて、背景画像をスクロールするようにしてもよい。
【0023】
この場合、背景画像が速度及び操舵方向に応じてスクロールするため、速度及び操舵方向を移動体の運転者が感覚的に把握することができる。
【0024】
上記構成の移動体用表示システムは、さらに、上記移動体の速度を検出する速度検出手段と、上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段とを備え、上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、移動体から見た前方を撮影した前方画像である場合、上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて前方画像の中心位置を移動させると共に、上記速度検出手段によって検出された速度に応じて前方画像のスクロール速度を決定するようにしてもよい。
【0025】
この場合、表示装置に表示された画像、すなわち移動体から見た前方の画像が移動体の速度と操舵角とに応じた画像となるので、移動体の走行時における表示画像に対する違和感を緩和することができる。
【0026】
また、上記構成の移動体用表示システムは、上記移動体から見た前方を撮影する前方カメラと、上記前方カメラの撮影範囲で人体を検出する人体検出手段とを備え、上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、上記前方カメラによって撮影された前方画像である場合、上記人体検出手段によって前方画像内で人体を検出したとき、検出された人体を強調表示させるようにしてもよい。
【0027】
この場合、表示装置に表示された画像、すなわち移動体から見た前方の画像に人体が含まれている場合に、その人体が強調表示されるので、使用者は人体を確実に認識することができる。
【0028】
上記人体検出手段としては、上記前方カメラの撮影範囲内で被写体の熱を検出することで人体を検出する手段が好ましい。この人体検出手段としては、赤外線センサが考えられる。
【0029】
また、上記人体検出手段としては、上記前方カメラによって撮影された前方画像に含まれる輪郭情報から人体を検出する手段が好ましい。
【0030】
また、上記移動体を自動車としたとき、該自動車の車内を撮影する車内カメラと、該自動車のトランクルーム内を撮影するトランクカメラの少なくとも一方を備え、上記表示制御装置は、上記車内カメラおよび/またはトランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるようにしてもよい。
【0031】
この場合、運転者が走行中或いは停止中に、見たい方向を振り向くことなく車内および/またはトランクルームの確認を行うことができる。
【0032】
また、上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラは、複数台設置されていることが好ましい。これにより、車内およびトランクルームの撮影範囲を広げることができる。また、それに加えて、上記表示装置は、上記複数台の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影した映像を、一覧表示させるようにする。これにより、複数の撮影範囲を同時に確認できるため、探し物を容易に見つけることが可能である。
【0033】
そして、上記表示制御装置は、上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるときには、上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に、動作中の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影している位置を模式的に示す図を含め表示することがのぞましい。これにより、運転者はどの位置が撮影されているのかが容易に把握でき、状況を把握しやすい。
【0034】
上記速度以外の情報を表示する速度表示領域は、横縦のサイズ比を示すアスペクト比が7 :3 以上の横長であることが好ましい。
【0035】
これにより、上記速度表示領域が横長になり、速度以外の情報をより多く表示させることができる。特に、前方画像を表示させる場合に、運転者が確認できる範囲を広げることができるので、横断中の歩行者を確実に認識することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一実施の形態について説明すれば以下の通りである。
【0037】
なお、本実施の形態では、本発明の移動体用表示システムを自動車に適用した例について説明する。
【0038】
本実施の形態に係る移動体用表示システムは、図1に示すように、自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと称する)に用いられている表示装置としての表示部15と、この表示部15に対して、入力された信号(表示信号や表示制御信号等)に基づいて表示制御を行う表示制御装置としての表示制御部21とを備えている。
【0039】
上記表示部15には、自動車の速度を表示するための速度表示領域として、第1速度表示領域101、第2速度表示領域102が設けられている。これら2つの速度表示領域は、図2(a)(b)に示すように、必要に応じて表示する情報が切り替わるようになっている。
【0040】
図2(a)は、第1速度表示領域101では数値で速度表示が行われ、第2速度表示領域102では例えば円形メータといった図式的な表示で速度表示やエンジン回転数表示が行われる通常表示モードを示している。また、図2(b)は、第1速度表示領域101では通常表示時と同じように数値で速度表示が行われ、第2速度表示領域102ではナビの画面表示が行われるナビゲーション(以下、ナビと称する)表示モードを示している。
【0041】
なお、上記第1速度表示領域101は、常に速度表示を行うのが好ましく、また、上記第2速度表示領域102は、上記第1速度表示領域101よりも表示面積が大きいほうが好ましい。
【0042】
さらに、上記第2速度表示領域102に表示されるのは、上述したナビ画面だけでなく、後述する車内のカメラ画像や道路を横断する人体の検出画像等であってもよい。
【0043】
さらには、移動体としての自動車が有する記憶媒体から出力される画像、別の記憶媒体に記憶され自動車が備える再生装置によって前記記憶媒体が再生されることによって出力される画像、自動車に搭載された音響機器の操作用の画像、自動車に搭載された空調機器の操作用の画像、又は、テレビジョン受信装置により受信される画像等であってもよい。
【0044】
図1に示す移動体用表示システムの表示処理の流れについて、図3に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお、ここでは、上述した表示制御部21によって表示部15の表示制御を行う処理について説明する。
【0045】
まず、表示制御部21は、表示部15に対して、図2(a)に示すように、第1速度表示領域101及び第2速度表示領域102の何れの領域にも速度表示された状態を示す通常の速度表示を行わせる(ステップS1)。
【0046】
そして、他の画像表示モードの選択が行われたか否かを判断する(ステップS2)。ここでは、図示しない表示モード選択手段(表示モード選択スイッチ等)を操作し、この選択信号が表示制御部21に入力さるか否かによって判断する。
【0047】
このステップS2において、他の画像表示モードの選択が行われたと判断した場合には、後述するナビゲーションシステム14(図4参照)からナビゲーション情報を取得し(ステップS3)、表示部15の第1速度表示領域101に取得したナビゲーション情報を表示させる(ステップS4)。
【0048】
続いて、通常表示モードが選択されたか否かを判断し(ステップS5)、通常表示モードが選択される迄、表示部15の第1速度表示領域101には、ナビゲーション情報の表示、すなわちナビ表示モードをつづける。
【0049】
この例では、第2速度表示領域102にナビゲーション情報を表示させた例を示したが、これに限定されるものではなく、自動車の走行に必要と思われる情報を適宜表示させてもよい。具体的な移動体用表示システムについて以下に説明する。
【0050】
本実施の形態に係る移動体用表示システムは、図4に示すように、システム全体を制御するメインの制御装置100と、各種カメラとして、複数のトランクカメラ1、複数の車内カメラ2、前方広角カメラ3と、各種センサとして、前方広角赤外線センサ4、外光輝度センサ5、ギア検出センサ6、速度センサ7、操舵角センサ8と、入力手段として、入力部9、通信部10、TV受信部11、再生装置22と、記憶手段として、カメラ画像記憶部12、画像記憶部13と、ナビゲーションシステム14と、表示部15及びスピーカ16とで構成されている。
【0051】
上記トランクカメラ1は、自動車のトランク内を撮影するためのカメラであり、配設数は一つであってもよいし、複数であってもよい。カメラが一つの場合では、撮影範囲が限られるが、複数あれば、撮影範囲が拡がる。つまり、トランクカメラ1の数は、トランクの大きさやカメラ一つの撮影範囲を考慮して決めればよい。なお、本実施の形態では、トランクカメラ1の数をn(n≧1の整数)個として示している。
【0052】
上記車内カメラ2は、自動車の車内を撮影するためのカメラであり、配設数は一つであってもよいし、複数であってもよい。この場合も、トランクカメラ1と同様に、車内カメラ2の数は、車内の大きさやカメラ一つの撮影範囲を考慮して決めればよい。なお、本実施の形態では、車内カメラ2の数をn(n≧1の整数)個として示している。
【0053】
また、上記前方広角カメラ3は、自動車の車体前方に配置され、自動車から見て前方を撮影するための広角カメラである。
【0054】
また、上記前方広角赤外線センサ4は、自動車の車体前方に配置された広角赤外線センサであり、上記前方広角カメラ3と同等の広角範囲の赤外線を検出するようになっている。つまり、前方広角赤外線センサ4は、前方広角カメラ3で撮影された範囲の被写体の熱を検出して、人体(歩行者等)を検出する人体検出手段として機能している。
【0055】
上記のトランクカメラ1、車内カメラ2及び前方広角カメラ3で撮影されたカメラ画像は、上記制御装置100を介してカメラ画像記憶部12に記憶される。
【0056】
一方、前方広角赤外線センサ4による検出信号は、制御装置100に送られる。
【0057】
また、本システムには、上述したカメラ画像記憶部12の他に、画像記憶部(背景画像記憶手段)13を備えており、上記ナビゲーションシステム14で使用する地図データ、速度表示領域に表示する背景画像等の画像を記憶するようになっている。
【0058】
さらに、本システムには、上述した表示部15の他に、音声を出力するためのスピーカ16、上記ナビゲーションシステム14の操作に使用する各種キー等の入力部9、ナビゲーション等の情報を受信あるいは送信するための通信部10及びTV受信部11が備えられている。
【0059】
本システムには、上記前方広角赤外線センサ4以外に上述した外光輝度センサ5、ギア検出センサ6、速度センサ7、操舵角センサ8が備えられ、各センサによって検出された信号はそれぞれ制御装置100に送られ、各種制御に利用される。
【0060】
上記制御装置100は、上述した表示部15の表示を制御するための表示制御部21の他に、カメラ画像拡大部17、歩行者判定部18、焦点位置決定部19、画像スクロール速度決定部20を有している。
【0061】
ここで、上記歩行者判定部18は、上述した前方広角カメラ3からの検出信号或いは前方広角赤外線センサ4からの検出信号に基づいて、前方広角カメラ3において撮影している範囲に歩行者が存在するか否かを判定するものである。なお、判定するのは、歩行者のみならず犬などの小動物を含んでもよい。この処理の詳細については、後述する。
【0062】
上記カメラ画像拡大部17は、上記トランクカメラ1、車内カメラ2、前方広角カメラ3において撮影したカメラ画像を拡大処理するものである。この拡大処理は、表示部15に表示されているのがトランクカメラ1及び車内カメラ2の画像であれば操作者によって入力部9を操作することで行われ、表示部15に表示されているのが前方広角カメラ3の画像であれば、上記操作者の入力部9への操作の他、速度センサ7の検出結果(車速)に応じて行われるものとする。
【0063】
上記焦点位置決定部19は、表示部15に表示されている画像が前方広角カメラ3の画像である場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合に、上記操舵角センサ8による検出結果(操舵角)に応じて表示画面における焦点位置を決定するようになっている。
【0064】
上記画像スクロール速度決定部20は、表示部15に表示されている画像が前方広角カメラ3の画像である場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合に、上記速度センサ7の検出結果(車速)に応じて画像のスクロール速度を決定するようになっている。
【0065】
上記構成の移動体用表示システムにおいて、自動車の走行中に、該自動車内の表示部15に前方広角カメラ3の画像が表示される場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合の処理の流れについて図5及び図6(a)(b)〜図8(a)(b)を参照しながら以下に説明する。なお、図6(a)(b)〜図8(a)(b)に示す表示画面は、表示部15の第2速度表示領域102に表示される画面を示している。
【0066】
まず、速度センサ7にて速度検出が行われる(ステップS11)。これにより、画像スクロール速度決定部20は、速度に応じて画像スクロール速度を決定する(ステップS12)。
【0067】
次に、操舵角センサ8にて操舵角検出が行われる(ステップS13)。これにより、焦点位置決定部19は、操舵角に応じて焦点位置を決定する(ステップS14)。
【0068】
最後に、表示制御部21は、決定された焦点位置・スクロール速度で画像をスクロールするように表示部15に所望の画像を表示させる(ステップS15)。
【0069】
ここで、上記表示部15における表示例として、例えば、車速が0Km/h、操舵角が0度のときは、図6(a)に示すような画像となる。この図で、焦点位置を示す「×」と、被写体を示す「★」は表示画面の中央に位置している。この状態で、操舵角が右30度になった場合、図6(b)に示すように、被写体及び焦点位置が表示部15の表示画面右側に移動する。
【0070】
また、車速が30Km/h、操舵角0度のときは、図7(a)に示すような画像となる。この図では、被写体は表示部15の表示画面の中央に位置し、且つ正面に向かってくるようにスクロールされている。この場合の画面のスクロール速度は、車速に応じて決定される。この状態で、操舵角が右30度になった場合、図7(b)に示すように、被写体及び焦点位置が表示部15の表示画面右側に移動する。この場合の表示画面も車速に応じてスクロールされている。
【0071】
さらに、車速が90Km/h、操舵角0度のときは、図8(a)に示すような画像となる。つまり、この図では、図7(a)に示す車速30Km/hのときよりも表示画面のスクロール速度が速くなっていることを示している。そして、この状態で、操舵角が右30度になった場合、図8(b)に示すように、被写体及び焦点位置が表示部15の表示画面右側に移動する。この場合の表示画面も、図7(b)に示すスクロール速度よりも速くスクロールされている。
【0072】
このように、表示部15の第2速度表示領域102に表示される画像を、前方広角カメラ3の画像とした場合、或いは通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合に、車速や操舵角に応じて被写体の表示状態を変化させることで、前方広角カメラ3の画像とした場合には、実際の走行フィーリングに応じた表示を可能にすることができ、通常表示モードにおいて背景画像を第2速度表示領域102に表示している場合には、背景画像が速度及び操舵方向に応じてスクロールするため、速度及び操舵方向を移動体の運転者が感覚的に把握することができる。この結果、表示部15の第2速度表示領域102を見ている操作者(運転者)は、表示画面に表示される画像から走行状況を的確に把握することが可能となり、運転の安全性を向上させることができる。
【0073】
さらに、本移動体用表示システムでは、表示部15の第2速度表示領域102に前方広角画像を表示させた状態で、横断中の歩行者を検出して警告表示させることで運転の安全性を向上させることができる。この場合の表示部15における表示モードを、歩行者警告表示モードとする。この歩行者警告表示モードへの選択は、入力手段としての入力部9を操作することで行われる。なお、この他にも、歩行者警告表示モードへの切換えは、ギア検出センサ6、速度センサ7の検出結果に基づいて自動的に行われる。
【0074】
以下に、この歩行者警告表示モードの処理の流れについて、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0075】
まず、制御装置100は、入力手段が操作され、このモード、すなわち歩行者警告表示モードに入ることが選択されたか否かを判断する(ステップ21)。ここで、歩行者警告表示モードが選択された場合には、ステップS24に移行する。
【0076】
また、ステップS21において、歩行者警告表示モードが選択されていなければ、速度センサ7にて検出される速度が所定速度未満か否かを判断する(ステップS22)。なお、上記所定速度とは、10Km/hである。所定速度以上の時は通常表示モードで表示することが望ましいため、歩行者警告表示モードが選択されていない場合には処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS22において、所定速度未満であると判断されれば、ギア検出センサ6によってギアがD等の走行時に使用するギア(PギアやNギア以外のギア)であるか否かを判断する(ステップS23)。ここで、走行時に使用するギアでないと判断されれば、自動車は走行できないので、歩行者警告表示モードで表示する必要がない。すなわち、所定速度未満の場合でギアがD等の走行時に使用するギア以外のギアが選択されている場合とは、略自動車が停止しているいわゆるアイドリング状態を指し、このときは表示装置15を用いてTV受信部11から受信したTVや、DVD或いはCDといった移動体に備えられた記憶媒体(画像記憶部及びカメラ画像記憶部の双方を少なくとも含む)以外の記憶媒体を再生装置22によって再生することによって得られる画像を運転者が楽しむことがある。このような場合は、歩行者警告表示モードが自動的に選択されないほうが良いので、上記フローチャートのように制御を行なう。一方、走行中であっても強制的に歩行者警告表示モードを使用したい場合があるが、上記フローチャートの制御によれば、この場合でも歩行者警告表示モードを使用しうる。
【0078】
また、ステップS23において、ギアがD等の走行時に使用するギアであると判断されれば、ステップS24に移行する。
【0079】
ステップS24では、外光輝度センサ5によって外光の輝度が検出される。
【0080】
そして、検出した輝度が所定値以下か否かを判断する(ステップS25)。なお、上記所定値とは、例えば100ルクス以下である。そして、検出した輝度が所定値以下であると判断されれば、前方広角赤外線センサ4による検出結果から導き出される画像に基づいて歩行者(人体)を検出する(ステップS26)。一方、検出した輝度が所定値よりも大きいと判断されれば、前方広角カメラ3による撮影画像に基づいて歩行者(人体)を検出する(ステップS27)。
【0081】
なお、上記所定値(ステップS25にいう所定値)は前方広角カメラ3の最低撮影照度および輪郭によって人体検知を行なう場合の検出限界の影響を受ける。したがって、前方広角カメラ3の最低撮影照度および上記検出限界をあらかじめ求めておき、それに応じて外光輝度の所定値を変化させる必要がある。常に前方広角カメラ3と前方広角赤外線センサ4の双方で人体検知を行なうようにすれば、外光輝度によって使用するセンサを切り替える必要はなくなるのであるが、このときは、歩行者判定部18を含む制御装置100の処理量が増え処理速度が遅くなるという欠点がある。
【0082】
続いて、ステップS26あるいはステップS27における人体検出処理によって、人体が検出されたか否かを判断する(ステップS28)。ここで、人体が検出されていなければ、前方広角カメラ3の画像を第2速度表示領域102に表示させ(ステップS29)、ステップS21に移行する。
【0083】
また、ステップS28において、人体が検出されれば、第2速度表示領域102に対して、前方広角カメラ3の画像を表示させると共に、人体の検出位置をフラッシュさせて警告表示させる(ステップS30)。この警告表示は、人体が前方広角カメラ3の撮影範囲から無くなるまで行われるので、ステップS24に移行し、人体検出処理が繰り返される。
【0084】
ここで、人体の検出は、上記のように2通りの方法で行われているので、それぞれの場合で表示部15の第2速度表示領域102における表示画像が異なる。
【0085】
例えば、ステップS27に示すように、外光輝度が所定値よりも大きい場合には、前方広角カメラ3の画像から人体を検出するようになっており、歩行者判定部は広角カメラ3からの画像に基づいて、輪郭の形状特徴に対するパターンマッチング或いはそのサイズをパラメータとして人体か否かを判断する処理を行なう。その結果、歩行者が存在すると判断した場合には、制御装置100は、広角カメラ3から得られた画像のうち歩行者の存在する座標に対して警告表示を重畳させて、表示部15に表示を行なう。このときの画面の違いは図10に示すととりである。図10は(a)に示す通常表示モードから、(b)に示す歩行者警告表示モードに切り換えたときの表示部15の様子を示している。この場合、第2速度表示領域102では、歩行者表示領域103内に歩行者が入るように表示され、この歩行者表示領域103がフラッシュするようになっている。なお、図10(b)に示す状況は、昼間あるいは昼間のように明るいときを想定している。
【0086】
また、ステップS26に示すように、外光輝度が所定値以下である場合には、前方広角赤外線センサ4の信号から人体を検出するようになっており、歩行者判定部は広角赤外線センサ4の信号に基づいて、周囲との温度輪郭の形状特徴に対するパターンマッチング或いはそのサイズをパラメータとして人体か否かを判断する処理を行なう。その結果、歩行者が存在すると判断した場合には、制御装置100は、広角カメラ3から得られた画像のうち歩行者の存在する座標に対して警告表示を重畳させて、表示部15に表示を行なう。このときの画面の違いは図11に示す通りである。図11は、(a)に示す通常表示モードから、(b)に示す歩行者警告表示モードに切り換えたときの表示部15の様子を示している。この場合も、図10(b)の場合と同様に、第2速度表示領域102に対して、歩行者表示領域103内に歩行者が入るように前方広角カメラ3から取得された画像が表示され、この歩行者表示領域103がフラッシュするようになっている。なお、図11(b)に示す状況は、夜間あるいは夜間のように暗いときを想定している。
【0087】
以上のように、第2速度表示領域102において人体を検出し、この人体を囲むように形成された歩行者表示領域103をフラッシュして警告することにより、昼夜を問わず、あるいは明暗を問わず、運転者は確実に歩行者を認識することが可能となるので、運転の安全性をさらに向上させることができる。
【0088】
ところで、上述したように、走行状況を的確に把握することや、歩行者を確実に認識させることは、安全運転を行う上で必要であるが、それ以外に、運転者の心理的な要因も不可欠である。例えば、運転者がかかえる不安を取り除くことによって安全運転を行うことが可能となる。
【0089】
例えば、自動車内において、後部座席に赤ちゃんを載せていたり、ペットを載せていたりして、その様子が気になり、直ぐに確認できない場合に不安になる場合が考えられる。この場合でも、走行中或いは停止中に不安要因があると思われる方向を振り向くことなく確認できるようにすれば、安全性が向上するとともに、運転者の不安を軽減させることができる。また、トランクルーム内に、必要な荷物を載せたか否かを確認できるようにしても、運転者の不安を軽減させることができる。
【0090】
これらを実現する方法としては、図4に示すように、トランクカメラ1、車内カメラ2を用いて、これらカメラで撮影した画像を表示部15の第2速度表示領域102に表示させることが考えられる。
【0091】
例えば、入力部9を操作して、図12(a)に示す通常表示モードから、図12(b)に示すリアシート表示モードに切り換え、車内カメラ2を作動させることが考えられる。この場合、第2速度表示領域102には、リアシート内を表示するための第3表示領域104が形成されると共に、現在どの車内カメラ2が作動しているかを示す作動カメラ表示領域105が形成され、動作中の車内カメラ2および/またはトランクカメラ3が撮影している位置を模式的に示す図を表示する。
【0092】
また、入力部9を操作して、図13(a)に示す通常表示モードから、図13(b)に示すトランク表示モードに切り換え、トランクカメラ1を作動させることが考えられる。この場合、第2速度表示領域102には、トランク内を表示させるための第3表示領域104が形成されると共に、現在どのトランクカメラ1が作動しているかを示す作動カメラ表示領域105が形成され、動作中の車内カメラ2および/またはトランクカメラ3が撮影している位置を模式的に示す図を表示する。
【0093】
これらトランクカメラ1及び車内カメラ2の作動は、運転者が入力部9を操作することによって必要なときに切り換えることができるので、運転者は確認したいときに車内あるいはトランクルーム内を表示させて確認できる。これにより、運転中の運転者の不安を解消できるので、運転の安全性を確保することができる。
【0094】
さらに、図14(a)に示す通常表示モードから、全てのトランクカメラ1と車内カメラ2を作動させることで、図14(b)に示す一覧表示モードに切り換えることが考えられる。この場合、第2速度表示領域102には、一覧表示を行うための第3表示領域104が形成されると共に、現在どのトランクカメラ1及び車内カメラ2が作動しているかを示す作動カメラ表示領域105が形成され、全ての車内カメラ2および/またはトランクカメラ3が撮影している位置を模式的に示す図を表示する。ここでは、全てのトランクカメラ1と車内カメラ2を作動させるものについて記載したが、必ずしも全てを作動させる場合に限られず、複数台のトランクカメラ1および/または車内カメラ2を作動させ、一覧表示を行なうようにしても良い。
【0095】
このように一覧表示を行なうことにより、複数箇所を同時に確認でき、運転者は車内やトランクのどの位置が撮影されているのかが容易に把握できるため、その状況を把握しやすい。特に全てトランクカメラ1及び車内カメラ2を動作させ、一覧表示を行なった場合には、カメラを切り替える動作を行なうことなく容易に車内の全容を把握できることになり好適である。
【0096】
本実施の形態では、表示部15の表示画面の大きさについては特に限定しないが、速度を表示させる第1速度表示領域101よりも、速度以外の情報を表示させる第2速度表示領域102の表示面積が大きいほうが好ましい。これは、第1速度表示領域101において速度を表示するには、数字で表示すれば、多少表示面積が小さくても運転者は容易に認識できるためである。しかも、第2速度表示領域102の表示面積は、大きければ大きいほど好ましい。これは、ナビゲーション画像等を表示させる場合に、表示認識を行い易いためである。
【0097】
しかも、第2速度表示領域102は、横縦のサイズ比を示すアスペクト比が7 :3 以上の横長であることが好ましい。これは、第2速度表示領域102に前方画像を表示させた場合に横長の広い画面になるので、横断中の歩行者(人体)を確実に認識できるようになるからである。
【0098】
以上のように、本移動体用表示システムは、同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、上記複数の速度表示領域のうち、所定の速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することで、安全運転を行う上で重要な情報である速度の誤認を低減し、使用者による運転の安全性を向上させることができるという効果を奏する。
【0099】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の移動体用表示システムは、複数の速度表示領域を同時に表示可能にする表示装置を備えたものであれば、移動体として自動車のみならずバイク、自転車等の他の移動体についても好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、移動体用表示システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す表示部における表示例を示すものであり、(a)は通常表示モードでの表示例を示す図であり、(b)はナビ表示モードでの表示例を示す図である。
【図3】図1に示す移動体用表示システムにおける表示モードの切換え処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1に示す移動体用表示システムのシステム全体の概略構成ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、ナビゲーション以外の情報を第2速度表示領域に表示させる場合の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】(a)(b)は、図5で示す表示処理による表示例を示す図である。
【図7】(a)(b)は、図5で示す表示処理による表示例を示す図である。
【図8】(a)(b)は、図5で示す表示処理による表示例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態を示すものであり、人体検出の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)は歩行者表示モードを示す図である。
【図11】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)は歩行者表示モード(赤外線センサによる表示)を示す図である。
【図12】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)はリアシート表示モードを示す図である。
【図13】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)はトランク表示モードを示す図である。
【図14】(a)は通常表示モードを示す図であり、(b)は一覧表示モードを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、
上記複数の速度表示領域のうち所定の速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴とする移動体用表示システム。
【請求項2】
同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、
上記複数の速度表示領域のうち少なくとも2つの速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域を用いて速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴とする移動体用表示システム。
【請求項3】
同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、
上記複数の速度表示領域のうち常に同じ速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴とする移動体用表示システム。
【請求項4】
速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示したときに、速度以外の情報を表示している速度表示領域が、速度表示を行っている速度表示領域よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項5】
上記表示制御装置は、速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示する場合に、速度を数字で表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項6】
上記速度以外の情報は、ナビゲーション装置から出力される画像、移動体に配置されたカメラから出力される撮像、移動体が有する記憶媒体から出力される画像、別の記憶媒体に記憶され移動体が備える再生装置によって前記別の記憶媒体が再生されることによって出力される画像、移動体に搭載された音響機器の操作用の画像、移動体に搭載された空調機器の操作用の画像、又は、テレビジョン受信装置により受信される画像の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項7】
上記移動体の速度を検出する速度検出手段と、
上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
上記速度表示領域に表示する背景画像を記憶する背景画像記憶手段とを備え、
上記表示制御装置は、上記背景画像記憶手段から背景画像を読み出して表示装置に表示するとともに、上記速度検出手段によって検出された速度及び上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて、背景画像をスクロールすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項8】
上記移動体の速度を検出する速度検出手段と、
上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段とを備え、
上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、移動体から見た前方を撮影した前方画像である場合、上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて前方画像の中心位置を移動させると共に、上記速度検出手段によって検出された速度に応じて前方画像のスクロール速度を決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項9】
上記移動体から見た前方を撮影する前方カメラと、
上記前方カメラの撮影範囲で人体を検出する人体検出手段とを備え、
上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、上記前方カメラによって撮影された前方画像である場合、上記人体検出手段によって前方画像内で人体を検出したとき、検出された人体を強調表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項10】
上記人体検出手段は、上記前方カメラの撮影範囲内で被写体の熱を検出することで人体を検出するものを含むことを特徴とする請求項9に記載の移動体用表示システム。
【請求項11】
上記人体検出手段は、上記前方カメラによって撮影された前方画像に含まれる輪郭情報から人体を検出することを特徴とする請求項9に記載の移動体用表示システム。
【請求項12】
上記移動体を自動車としたとき、該自動車の車内を撮影する車内カメラと、該自動車のトランクルーム内を撮影するトランクカメラの少なくとも一方を備え、
上記表示制御装置は、
上記車内カメラおよび/またはトランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項13】
上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラは複数台設置されており、
上記表示装置は、上記複数台の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影した映像を、一覧表示させることを特徴とする請求項12に記載の移動体用表示システム。
【請求項14】
上記表示制御装置は、上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるときには、
上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に、動作中の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影している位置を模式的に示す図を含め表示することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の移動体用表示システム。
【請求項15】
上記速度以外の情報を表示する速度表示領域は、横縦のサイズ比を示すアスペクト比が7:3以上の横長であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載の移動体用表示システムを備えた移動体。
【請求項1】
同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、
上記複数の速度表示領域のうち所定の速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴とする移動体用表示システム。
【請求項2】
同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、
上記複数の速度表示領域のうち少なくとも2つの速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域を用いて速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴とする移動体用表示システム。
【請求項3】
同時に表示可能な複数の速度表示領域を有する表示装置と、
上記複数の速度表示領域のうち常に同じ速度表示領域に速度を表示させると共に、残りの速度表示領域に速度以外の情報を必要に応じて表示させる表示制御装置とを有することを特徴とする移動体用表示システム。
【請求項4】
速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示したときに、速度以外の情報を表示している速度表示領域が、速度表示を行っている速度表示領域よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項5】
上記表示制御装置は、速度表示と、速度以外の情報とをそれぞれの速度表示領域に表示する場合に、速度を数字で表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項6】
上記速度以外の情報は、ナビゲーション装置から出力される画像、移動体に配置されたカメラから出力される撮像、移動体が有する記憶媒体から出力される画像、別の記憶媒体に記憶され移動体が備える再生装置によって前記別の記憶媒体が再生されることによって出力される画像、移動体に搭載された音響機器の操作用の画像、移動体に搭載された空調機器の操作用の画像、又は、テレビジョン受信装置により受信される画像の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項7】
上記移動体の速度を検出する速度検出手段と、
上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
上記速度表示領域に表示する背景画像を記憶する背景画像記憶手段とを備え、
上記表示制御装置は、上記背景画像記憶手段から背景画像を読み出して表示装置に表示するとともに、上記速度検出手段によって検出された速度及び上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて、背景画像をスクロールすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項8】
上記移動体の速度を検出する速度検出手段と、
上記移動体の操舵角を検出する操舵角検出手段とを備え、
上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、移動体から見た前方を撮影した前方画像である場合、上記操舵角検出手段によって検出された操舵角に応じて前方画像の中心位置を移動させると共に、上記速度検出手段によって検出された速度に応じて前方画像のスクロール速度を決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項9】
上記移動体から見た前方を撮影する前方カメラと、
上記前方カメラの撮影範囲で人体を検出する人体検出手段とを備え、
上記表示制御装置は、上記速度以外の情報として表示される画像が、上記前方カメラによって撮影された前方画像である場合、上記人体検出手段によって前方画像内で人体を検出したとき、検出された人体を強調表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項10】
上記人体検出手段は、上記前方カメラの撮影範囲内で被写体の熱を検出することで人体を検出するものを含むことを特徴とする請求項9に記載の移動体用表示システム。
【請求項11】
上記人体検出手段は、上記前方カメラによって撮影された前方画像に含まれる輪郭情報から人体を検出することを特徴とする請求項9に記載の移動体用表示システム。
【請求項12】
上記移動体を自動車としたとき、該自動車の車内を撮影する車内カメラと、該自動車のトランクルーム内を撮影するトランクカメラの少なくとも一方を備え、
上記表示制御装置は、
上記車内カメラおよび/またはトランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項13】
上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラは複数台設置されており、
上記表示装置は、上記複数台の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影した映像を、一覧表示させることを特徴とする請求項12に記載の移動体用表示システム。
【請求項14】
上記表示制御装置は、上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラによる撮影画像を、上記速度以外の情報として上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に表示させるときには、
上記表示装置の速度以外の情報を表示する速度表示領域に、動作中の上記車内カメラおよび/または上記トランクカメラが撮影している位置を模式的に示す図を含め表示することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の移動体用表示システム。
【請求項15】
上記速度以外の情報を表示する速度表示領域は、横縦のサイズ比を示すアスペクト比が7:3以上の横長であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の移動体用表示システム。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載の移動体用表示システムを備えた移動体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−500919(P2008−500919A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545834(P2006−545834)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/JP2005/010733
【国際公開番号】WO2005/120882
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/JP2005/010733
【国際公開番号】WO2005/120882
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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