説明

移動目的推定装置及び移動目的推定方法

【課題】 習慣性の少ない行動の目的地についても精度よく推定することができる移動目的推定装置を提供する。
【解決手段】 移動目的推定装置は、車内カメラ21によって撮像された自車両内の状況の映像を映像解析認識部33によって認識し、認識した自車両の乗員の装飾状態に基づいて、移動目的推定部45によって当該自車両の移動目的及び移動目的地を推定する。このとき、移動目的推定部45は、人の装飾状態としての着衣、状態、及び装飾品を示す情報と場所とを対応付けて装飾状態・移動目的データベース16に記憶されている情報と、車内カメラ21によって撮像された映像とそのときの移動目的地とを対応付けて装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている情報とを用いて、過去に移動目的地として自車両が到達した場所の中から今回の当該自車両の移動目的及び移動目的地を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の移動目的及び移動目的地を推定する移動目的推定装置及び移動目的推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作者が目的地を入力することなく、自車両位置等の情報と所定の走行情報記憶部に記憶された目的地情報とに基づいて目的地を推定するナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−328035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1に記載された技術は、過去の走行履歴を用いて目的地を推定しているので、自車両の使用者にとって習慣性のある行動については過去の走行履歴の頻度が高くなるために目的地を精度よく推定することができるものの、例えば結婚式に行く等、習慣性の少ない行動の目的地については推定することが困難であるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、習慣性の少ない行動の目的地についても精度よく推定することができる移動目的推定装置及び移動目的推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る移動目的推定装置は、撮像手段によって撮像された車両内の状況の映像から認識された車両の乗員の装飾状態に基づいて、当該車両の移動目的を推定することで、上述の課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る移動目的推定装置及び移動目的推定方法によれば、移動目的を得るために車両の乗員の装飾状態を認識するので、習慣性の少ない行動の目的地についても精度よく推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態としての移動目的推定装置について具体的に説明する。
【0008】
[第1実施形態]
[移動目的推定装置の構成]
本発明の第1実施形態として示す移動目的推定装置は、図1に示すように、地図データを記憶する地図データベース11と、交通情報データを記憶する交通情報データベース12と、ウェブ情報データを記憶するウェブ情報データベース13と、放送データを記憶する放送データベース14と、自車両の運転者にとって有益な支援情報データを記憶する支援情報データベース15と、一般的な情報に基づいて作成された自車両の乗員の装飾状態と移動目的と移動目的地とをデータとして記憶する装飾状態・移動目的データベース16(第2の記憶手段)と、自車両内の状況を撮像する車内カメラ21と、CAN(Controller Area Network)を介して取得した車両データからなるCAN信号を取得するCAN信号取得部22と、自車両の位置を判定する自車位置判定部31と、自車両が走行する道路に関する情報を取得する道路情報取得部32と、車内カメラ21によって撮像された映像情報を解析して認識する映像解析認識部33と、自車両に乗車している乗員の装飾状態と移動目的と移動目的地とを取得する装飾状態・場所情報取得部41と、自車両が移動目的地として到達した場所を判定する移動場所判定部42と、個人情報に基づいて作成された自車両の乗員の装飾状態と移動目的と移動目的地とをデータとして記憶する装飾状態・移動場所記憶部43(第1の記憶手段)と、自車両の状態を判定する自車状態判定部44と、現在の自車両の移動目的及び移動目的地を推定する移動目的推定部45と、この移動目的推定部45によって推定された移動目的及び移動目的地に応じた提示情報を選択する提示情報選択部46と、自車両のルート案内を行う際の目的地を設定する目的地設定部51と、提示情報選択部46によって選択された提示情報を自車両の乗員に提示する情報提示部52とを備える。
【0009】
地図データベース11は、例えばハードディスク等からなり、自車両のルート案内を行う際に用いる道路情報や交差点情報を表すノード情報及びリンク情報を含む地図データを記憶する。また、この地図データには、ノード情報及びリンク情報に付随した店情報などの施設情報なども記憶されている。この地図データベース11に記憶されている地図データは、自車位置判定部31及び道路情報取得部32によって読み出される。
【0010】
交通情報データベース12は、例えばハードディスク等からなり、FM多重放送等で道路の渋滞状況等の各種情報を提供するVICS情報データをはじめとする交通情報データを記憶する。この交通情報データベース12に記憶されている交通情報データは、道路情報取得部32によって読み出される。
【0011】
ウェブ情報データベース13は、例えばハードディスク等からなり、ウェブカメラによって撮像された映像をはじめとし、汎用ネットワークであるインターネット等にアクセスして得られたウェブ情報データを記憶する。このウェブ情報データベース13に記憶されているウェブ情報データは、装飾状態・場所情報取得部41及び提示情報選択部46によって読み出される。
【0012】
放送データベース14は、例えばハードディスク等からなり、地上ディジタル放送等、双方行で情報の授受が可能な放送サービスを受信する受信器によって受信した放送データを記憶する。この放送データベース14に記憶されている放送データは、装飾状態・場所情報取得部41及び提示情報選択部46によって読み出される。
【0013】
支援情報データベース15は、例えばハードディスク等からなり、自車両の運転者にとって有益な支援情報データを記憶する。具体的には、支援情報データは、例えば自車両のルート案内を支援する情報を所定の情報配信センタから配信するサービスやその他の専用情報通信サービス、さらにはインターネット等から得られるデータであり、携帯電話機18等の通信手段を介して受信されるデータである。この支援情報データベース15に記憶されている支援情報データは、装飾状態・場所情報取得部41及び提示情報選択部46によって読み出される。
【0014】
装飾状態・移動目的データベース16は、例えばハードディスク等からなり、装飾状態・場所情報取得部41によって取得された装飾状態・場所情報に基づいて、自車両の乗員の装飾状態に対応する移動目的及び移動目的地をデータとして記憶する。すなわち、装飾状態・移動目的データベース16は、ウェブ情報データベース13から読み出したウェブ情報データ、放送データベース14から読み出した放送データ、及び支援情報データベース15から読み出した支援情報データ等、一般的な情報に基づいて作成される。なお、この装飾状態・移動目的データベース16は、自車両内のハードディスク等に記憶されても良く、情報を配信する所定の情報配信センタ側に記憶されても良い。この装飾状態・移動目的データベース16に記憶されているデータは、移動目的推定部45によって読み出される。
【0015】
GPS信号受信部17は、自車両位置を特定するために必要となるGPS情報をGPS衛星から配信されているGPS信号に基づいて取得する。このGPS信号受信部17によって取得されたGPS情報は、自車位置判定部31に供給される。
【0016】
車内カメラ21は、自車両に乗車している乗員の装飾状態や持ち物等、自車両内の状況を撮像するような位置及び撮像範囲となっている。この車内カメラ21によって撮像された映像情報は、映像解析認識部33に供給される。
【0017】
CAN信号取得部22は、車両に搭載されたCAN通信ラインと接続されている。このCAN通信ラインには、車両データとしての車速やエンジン回転数、シフトポジション、ステアリング角度、アクセルペダル開度、ブレーキペダル操作、ウインカー操作等を取得するセンサが接続されている。そして、CAN信号取得部22は、自車両に関する車両データを一括して通信するためのCAN信号を取得する。具体的には、CAN信号出力部22は、車速やエンジン回転数、シフトポジション、ステアリング角度、アクセルペダル開度、ブレーキペダル操作、ウインカー操作等の車両データをCAN信号として取得する。CAN信号取得部22は、取得したCAN信号を自車状態判定部44に供給する。
【0018】
自車位置判定部31は、GPS信号受信部17によって取得されたGPS情報と、地図データベース11から読み出した地図データとに基づいて、自車両位置が地図上のどこにあるかを判定する。自車位置判定部31は、判定した自車位置情報を移動場所判定部42に供給する。
【0019】
道路情報取得部32は、地図データベース11から読み出した地図データと、交通情報データベース12から読み出した交通情報データとに基づいて、自車両が走行する道路に関する道路情報を取得する。道路情報取得部32は、取得した道路情報を移動場所判定部42に供給する。
【0020】
映像解析認識部33は、車内カメラ21によって撮像された映像情報を解析し、自車両に乗車している乗員の装飾状態等を認識する。映像解析認識部33は、認識した結果を示す認識情報を移動目的推定部45に供給する。
【0021】
装飾状態・場所情報取得部41は、装飾状態・移動目的データベース16を作成するために、ウェブ情報データベース13から読み出したウェブ情報データ、放送データベース14から読み出した放送データ、及び支援情報データベース15から読み出した支援情報データ等に基づいて、自車両に乗車している乗員の装飾状態と移動目的と移動目的地とを取得する。装飾状態・場所情報取得部41は、取得した乗員の装飾状態と移動目的と移動目的地とを示す装飾状態・場所情報を装飾状態・移動目的データベース16に記憶させる。なお、この実施形態においては、移動目的と当該移動目的に合致した移動目的地の双方を取得できる場合について説明するが、乗員の装飾状態から移動目的のみを取得できるものであっても良い。
【0022】
移動場所判定部42は、自車位置判定部31から供給された自車位置情報、道路情報取得部32から供給された道路情報、及び自車状態判定部44から供給された自車状態情報等に基づいて、自車両が移動目的地として到達した場所を判定する。移動場所判定部42は、判定した移動場所情報を装飾状態・移動場所記憶部43に記憶させる。
【0023】
装飾状態・移動場所記憶部43は、例えばハードディスク等からなり、映像解析認識部33から供給された認識情報と、移動場所判定部42から供給された移動場所情報とに基づいて、自車両の乗員の装飾状態に対応する移動目的及び移動目的地をデータとして記憶する。すなわち、装飾状態・移動場所記憶部43は、装飾状態・移動目的データベース16とは異なり、映像解析認識部33から供給された認識情報及び移動場所判定部42から供給された移動場所情報という個人情報、すなわち、自車両に固有の情報に基づいて作成される。この装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されているデータは、移動目的推定部45によって読み出される。
【0024】
自車状態判定部44は、CAN信号取得部22から供給された車両データからなるCAN信号に基づいて、移動目的を推定し、自車両が移動目的地に到着したか否か等を含む当該自車両の状態を判定する。自車状態判定部44は、判定した自車状態情報を移動場所判定部42及び提示情報選択部46に供給する。
【0025】
移動目的推定部45は、映像解析認識部33から供給された認識情報と、装飾状態・移動目的データベース16及び装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されているデータとを比較し、その比較結果に基づいて、過去に移動目的地として自車両が到達した場所の中から今回の自車両の移動目的及び移動目的地を推定する。移動目的推定部45は、推定した移動目的情報を提示情報選択部46及び目的地設定部51に供給する。
【0026】
提示情報選択部46は、地図データベース11から読み出した地図データ、交通情報データベース12から読み出した交通情報データ、ウェブ情報データベース13から読み出したウェブ情報データ、放送データベース14から読み出した放送データ、支援情報データベース15から読み出した支援情報データ、及び自車状態判定部44から供給された自車状態情報等に基づいて、移動目的推定部45によって推定された移動目的及び移動目的地に応じた提示情報を選択する。提示情報選択部46は、選択した提示情報を情報提示部52に供給する。
【0027】
目的地設定部51は、移動目的推定部45から供給された移動目的情報に基づいて、自動的に又は提案型で運転者に確認後に、自車両のルート案内を行う際の目的地を設定する。自車両は、目的地設定部51によって目的地が設定されると、それにしたがったルート案内を開始することができる。
【0028】
情報提示部52は、例えばカーナビゲーションシステム等におけるTTS(Text to speech)システムや、視覚情報を表示する液晶ディスプレイ画面及び聴覚情報を出力するスピーカ等を利用して構成され、提示情報選択部46によって選択された提示情報を、主に音声情報として自車両に乗車している乗員に提示する。
【0029】
[移動目的推定装置の動作]
このような各部を備える移動目的推定装置は、図2に示すような一連の手順にしたがって、自車両に乗車している乗員の装飾状態に応じた移動目的を推定する。
【0030】
まず、移動目的推定装置は、通常、車両のイグニッションキーが操作されたことをトリガとして車両が走行を開始するに際して行われる。この移動目的推定装置は、図2に示すように、ステップS1において、車内カメラ21によって撮像された映像を映像解析認識部33によって解析することにより、自車両内に乗員がいるか否かを判定する。
【0031】
ここで、移動目的推定装置は、乗員が正規なシート位置に着座していない場合などには、自車両内に乗員がいないと認識して、ステップS2に処理を進める。そして、このステップS2においては、自車両が移動しないと判断し、新たな移動目的を推定するために、以前に推定した移動目的をリセットする。ただし、以前の移動目的は、次の移動目的を推定する場合等に利用される。そのため、移動目的推定装置は、推定結果が得られた段階で、後述するメモリ等の記憶手段等に移動目的を記憶しており、且つ、実際の移動目的地との差異、すなわち、移動目的の推定結果が推定通りであったか推定が外れたかを示す情報をもあわせて記憶している。
【0032】
一方、自車両内に乗員がいると認識した場合には、ステップS3において、乗員の装飾状態を確認するために、主に人物をズームアップして車内カメラ21によって撮像された車内画像(映像)を取得する。移動目的推定装置は、このような車内画像のうち顔画像の部分に基づいて、映像解析認識部33によって個人認識を行うことができ、乗員個人毎の装飾状態を取得することができる。
【0033】
そして、ステップS4においては、映像解析認識部33によって、乗員の顔、首、腕、胴体、足等を認識した後に、着衣情報を抽出する。具体的には、映像解析認識部33は、乗員が着用している服飾品のうち、袖の長さや形状、襟元、ネクタイの有無、柄(ロゴマークを含む)、色、テクスチャーなどの素材情報等、できるだけ多くの着衣情報を抽出する。移動目的推定装置は、映像解析認識部33によって認識された着衣情報を装飾状態・移動場所記憶部43に記憶させる。
【0034】
また、ステップS5において、移動目的推定部45により、映像解析認識部33によって認識された着衣情報を、装飾状態・移動目的データベース16に記憶されている一般的な着衣情報、及び、装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている着衣情報と比較する。これにより移動目的推定部45は、類似度の高い移動目的及び移動目的地を抽出した上で、ステップS10へと処理を移行する。
【0035】
なお、装飾状態・移動目的データベース16は、上述したように、一般的な情報に基づいて作成されるものであるが、この作成処理については、後述するものとする。また、映像解析認識部33によって認識された着衣情報と、装飾状態・移動目的データベース16及び装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている着衣情報との比較による類似度の算出についても、後述するものとする。
【0036】
また、ステップS6においては、映像解析認識部33によって、乗員の髪型や化粧、髭の状態等、顔や頭部の状態を認識して状態情報を抽出する。すなわち、移動目的が結婚式等に行くことである場合には、女性の乗員であれば、髪型がアップであり化粧が濃くなる傾向にある。また、移動目的が就職面談や出張である場合には、髭を剃っている傾向にあるが、移動目的が日常的な外出である場合には、無精髭の状態である傾向にある。このように、乗員の髪型や化粧、髭の状態等、顔や頭部の状態は、移動目的の推定に寄与する情報である。
【0037】
移動目的推定装置は、映像解析認識部33によって認識された状態情報を装飾状態・移動場所記憶部43に記憶させると共に、ステップS7において、移動目的推定部45により、映像解析認識部33によって認識された状態情報を、装飾状態・移動目的データベース16に記憶されている一般的な状態情報、及び、装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている状態情報と比較する。これにより移動目的推定部45は、類似度の高い移動目的及び移動目的地を抽出した上で、ステップS10へと処理を移行する。なお、映像解析認識部33によって認識された状態情報と、装飾状態・移動目的データベース16及び装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている状態情報との比較による類似度の算出についても、後述するものとする。
【0038】
さらに、ステップS8においては、映像解析認識部33によって、アクセサリーや眼鏡等、乗員が着用している装飾品を含む特徴を認識して装飾品情報を抽出する。具体的には、映像解析認識部33は、パール(真珠)のネックレスやピアス、指輪、高級な眼鏡、タイピン、カフスボタン等、できるだけ多くの装飾品の特徴を示す装飾品情報を抽出する。移動目的推定装置は、映像解析認識部33によって認識された装飾品情報を装飾状態・移動場所記憶部43に記憶させると共に、ステップS9において、移動目的推定部45により、映像解析認識部33によって認識された装飾品情報を、装飾状態・移動目的データベース16に記憶されている一般的な装飾品情報、及び、装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている装飾品情報と比較する。そして、移動目的推定部45は、類似度の高い移動目的及び移動目的地を抽出した上で、ステップS10へと処理を移行する。なお、映像解析認識部33によって認識された装飾品情報と、装飾状態・移動目的データベース16及び装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている装飾品情報との比較による類似度の算出についても、後述する。
【0039】
次に、移動目的推定装置は、ステップS10において、ステップS5、ステップS7、及びステップS9のそれぞれにて推定された移動目的及び移動目的地に対する適合度の高さを移動目的推定部45によって比較し、最も適合度が高い移動目的及び移動目的地を求める。
【0040】
次のステップS11において、移動目的推定装置は、ステップS10にて求めた移動目的及び移動目的地を最終的な推定結果として判定する。このとき、移動目的推定部45は、冠婚葬祭である結婚式や葬式、出張、デート、コンサートをはじめとする各種イベント等、習慣性の低い移動目的及び移動目的地と、通勤、買い物、送迎、通院、習い事、スポーツ、車両整備等、習慣性が高い移動目的及び移動目的地との双方を含めた全ての移動目的及び移動目的地と比較して、適合度が最も高い移動目的及び移動目的地を判定する。具体的には、移動目的推定部45は、習慣性の高い移動目的及び移動目的地として、会社のユニフォームやスーツ、ネクタイ、ジャケット、襟付きシャツ等に基づいて判定されたものがある場合には、会社への通勤が移動目的であると推定する。また、移動目的推定部45は、習慣性の高い移動目的及び移動目的地として、パジャマや自宅着等に基づいて判定されたものがある場合には、送迎が移動目的であると推定する。さらに、移動目的推定部45は、乗員がジャージやウインドブレーカ、帽子等を着用している場合には、スポーツのための移動であると推定することができる。このとき、移動目的推定部45は、判定する時の天候や時間帯等の情報を加味することにより、移動目的及び移動目的地の推定精度を更に向上させることもできる。
【0041】
また、移動目的推定装置は、ステップS12において、ステップS11にて判定した移動目的及び移動目的地が現在地と一致するか否かを、移動目的推定部45によって判定する。ここで、移動目的推定装置は、移動目的及び移動目的地が、現在地と一致しない場合には、ステップS14及びステップS16へと処理を移行する。一方、移動目的及び移動目的地が、現在地と一致した場合には、ステップS13において、移動目的推定部45により、帰宅を移動目的として推定したり、現在の移動目的が結婚式であれば2次会への移動、葬式であれば告別式の後の火葬場への移動といったように、現在の移動目的に関連する次の移動目的を推定したりする。これは、過去の移動目的地の遷移を示すデータに基づいて推定することが可能である。このような移動目的地の遷移を示すデータは、ベイジアンネットワークのような遷移確率値を有しており、その確率が高い場所が第一候補として抽出されることになる。
【0042】
移動目的推定装置は、このようにして移動目的及び移動目的地を推定すると、ステップS14において、地図データベース11から読み出した地図データ、交通情報データベース12から読み出した交通情報データ、ウェブ情報データベース13から読み出したウェブ情報データ、放送データベース14から読み出した放送データ、支援情報データベース15から読み出した支援情報データ、及び自車状態判定部44から供給された自車状態情報等に基づいて、移動目的推定部45によって推定された移動目的及び移動目的地に適合した提示情報を選択する。そして、移動目的推定装置は、ステップS15において、情報提示部52により、ステップS14にて選択された提示情報を、音声情報及び図形情報や文字情報等として自車両に乗車している乗員に提示する。
【0043】
また、移動目的推定装置は、ステップS16において、目的地設定部51により、自車両のルート案内を行う際の目的地を自動的に設定したり、運転者に問いかけて合意が得られれば目的地を変更設定したりして一連の処理を終了する。
【0044】
移動目的推定装置は、このような一連の手順にしたがって、自車両に乗車している乗員の装飾状態に応じた移動目的を適切に推定することができる。
【0045】
[装飾状態・移動目的データベースの作成処理]
つぎに、装飾状態・移動目的データベース16の作成処理について説明する。
【0046】
装飾状態・移動目的データベース16は、上述したように、一般的に使用可能な情報に基づいて作成されるデータベースであり、流行の髪型等についての情報も記憶するために、逐次インターネット等からの情報を用いて更新される。具体的には、装飾状態・移動目的データベース16は、図3に示すような一連の手順にしたがって作成される。
【0047】
まず、装飾状態・移動目的データベース16を作成するにあたっては、図3に示すように、ステップS21において、任意の施設に出入りする人の映像等、インターネット上のウェブカメラの映像を取得すると、ステップS22において、映像解析認識部33と同様の能力を有する所定の機器を用いて解析することによって着衣状態を抽出する。その後、ステップS23及びステップS24において、髪型や化粧等の状態情報と装飾品情報との抽出を行う。なお、個人情報保護の観点から、個人認識は行わずに、性別までの認識とするのが望ましい。また、これらの処理を所定の情報配信センタ側で一括して行うことにより、情報流出を防止する等の方法も適用することができる。
【0048】
さらに、装飾状態・移動目的データベース16を作成するにあたっては、ステップS25において、インターネット上の装飾品カタログの情報を取得する。そして、ステップS26乃至ステップS28において、衣服の利用目的やターゲットとする客層を示す情報や、価格、素材、色、柄、サイズ等を示す情報を取得すると共に、販売地域や販売数、販売開始日等の情報も取得する。
【0049】
さらにまた、装飾状態・移動目的データベース16を作成するにあたっては、ステップS29乃至ステップS32において、ウェブカメラの映像からの情報抽出と同様の方法で、地上ディジタル放送等の映像を利用して各場所における一般人の装飾状態の情報を取得したり、テレビショッピング等のカタログ情報等を取得したりする。
【0050】
そして、移動目的推定装置は、ステップS33において、これらステップS21乃至ステップS32にて取得した情報が、既に装飾状態・移動目的データベース16に登録されているか否かを確認する。
【0051】
ここで、移動目的推定装置は、装飾状態・移動目的データベース16に登録がない場合には、ステップS34乃至ステップS36において、例えば図4に示すように、場所(位置)や装飾状態(組み合わせ等)、さらには、その場所にいるとした場合の移動目的等を対応付けて登録し、装飾状態・移動目的データベース16の作成・更新処理を終了する。
【0052】
一方、移動目的推定装置は、装飾状態・移動目的データベース16に既に登録があった場合には、ステップS37において、その登録されている情報のうち、場所と装飾状態を示す情報のみを比較し、ステップS38において、比較した結果、場所と装飾状態とが大きく異なるものであったか否かを判定する。移動目的推定装置は、比較した情報が大きく異なっておらず、略同一であると判定した場合には、ステップS21乃至ステップS32にて取得した情報を追加登録することなく、別な情報の取得へと移行する。また、移動目的推定装置は、比較した情報が大きく異なっており、相違すると判定した場合には、ステップS39において、さらに細かな条件として、曜日や午前/午後などの別を含む日時や、季節、天候、性別、年齢層等、詳細条件を付与した上で、ステップS34乃至ステップS36において、場所、装飾状態、及び移動目的等を対応付けて登録し、装飾状態・移動目的データベース16の作成処理を終了する。
【0053】
装飾状態・移動目的データベース16は、このような一連の手順にしたがって、一般的な情報に基づいて作成することができる。
【0054】
移動目的推定装置は、上述したように装飾状態・移動目的データベース16を利用することにより、一般的な装飾状態を着用しているときの移動目的を推定することができる。すなわち、移動目的推定装置は、上述した装飾状態・移動目的データベース16を利用することにより、現在の自車両の乗員の装飾状態を認識し、その装飾状態と装飾状態・移動目的データベース16に登録されている情報とを比較して移動目的を推定することができる。
【0055】
[類似度の算出処理]
移動目的推定装置は、図2中ステップS5、ステップS7、及びステップS9において、映像解析認識部33によって認識された装飾状態と、装飾状態・移動目的データベース16及び装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている装飾状態を示す情報とを比較して類似度を算出する。例えば、移動目的推定装置は、黒スーツに白ネクタイを着用している乗員が車内カメラ21によって撮像された場合には、移動目的推定部45により、装飾状態・移動目的データベース16を参照し、黒スーツと白ネクタイとを組み合わせた装飾状態を示す情報が記憶されているかを確認する。移動目的推定装置は、このような情報が装飾状態・移動目的データベース16に記憶されている場合、すなわち、装飾状態を示す情報が一致している場合には、その装飾状態の特徴を抽出することができる。また、移動目的推定装置は、このような着衣の場合には、移動目的推定部45により、その形状、色、柄、ロゴマーク等の画像と、装飾状態・移動目的データベース16に記憶されている画像との類似度を算出し、最も類似度が近いものを抽出して判定することもできる。
【0056】
このような類似度は、画像加工技術であるモーフィング技術のような異なる2画像間を線形補完することによる両画像間の距離に基づいて比較する方法がある。このような方法は、定量的で判定がしやすく便利であるという利点を有する。モーフィング処理は、ある画像が2画像のうちいずれの画像に近いかの判定を、その2画像間のフレーム数に基づいて、その画像のフレームが2画像のいずれに近いかを求めることによって行う。また、装飾状態の特徴を画像から抽出する方法としては、例えば結婚式の場合には、男性であれば黒スーツに白ネクタイを着用し、胸ポケットから白チーフが少し出ているといった情報が装飾状態・移動目的データベース16に登録されており、映像解析認識部33によって認識された装飾状態のうち、装飾状態・移動目的データベース16に登録されている情報に対応するものを特徴として抽出すればよい。さらに、移動目的推定装置は、最近販売された高価なドレスを着用している乗員がいる場合には、パーティーや食事等に行く移動目的を推定することができる。
【0057】
具体的には、移動目的推定装置は、図5に示すような一連の手順にしたがって、モーフィングを利用して類似度を算出する。
【0058】
まず、移動目的推定部45は、図5に示すように、ステップS41において、映像解析認識部33によって新しい装飾状態が認識されると、ステップS42において、図4に示したようなジャンル別に分類された装飾状態・移動目的データベース16を参照し、袖や襟元等の着衣形状を認識する。そして、移動目的推定部45は、ステップS43において、ステップS41にて認識された画像と、ステップS42にて認識したジャンル別に分類された着衣形状の画像とに基づいてモーフィングを行い、各ジャンル間のモーフィング距離が0.5以上であるか否かを判定する。ここで、移動目的推定部45は、モーフィング距離が0.5以上であった場合には、ステップS45へと処理を移行する。一方、モーフィング距離が0.5未満であった場合には、ステップS44において、移動目的推定部45によって、新たな着衣ジャンルを装飾状態・移動目的データベース16に追加してステップS45へと処理を移行する。
【0059】
続いて、移動目的推定部45は、ステップS45において、映像解析認識部33によって認識された装飾状態の柄や色、及びそれら柄や位置を認識する。そして、移動目的推定部45は、ステップS46において、映像解析認識部33によって認識された画像と、ステップS45にて認識したジャンル別に分類された柄や色の画像とに基づいてモーフィングを行い、各ジャンル間のモーフィング距離が0.5以上であるか否かを判定する。ここで、移動目的推定部45は、モーフィング距離が0.5以上であった場合には、ステップS48へと処理を移行する。一方、移動目的推定部45は、モーフィング距離が0.5未満であった場合には、ステップS47において、新たな柄や色ジャンルを装飾状態・移動目的データベース16に追加してステップS48へと処理を移行する。
【0060】
続いて、移動目的推定部45は、ステップS48において、映像解析認識部33によって認識された装飾状態の素材(テクスチャー)を認識する。そして、移動目的推定部45は、ステップS49において、映像解析認識部33によって認識された画像と、ステップS48にて認識したジャンル別に分類された素材の画像とに基づいてモーフィングを行い、各ジャンル間のモーフィング距離が0.5以上であるか否かを判定する。ここで、移動目的推定部45は、モーフィング距離が0.5以上であった場合には、ステップS51へと処理を移行する。一方、移動目的推定部45は、モーフィング距離が0.5未満であった場合には、ステップS50において、新たな素材ジャンルを装飾状態・移動目的データベース16に追加してステップS51へと処理を移行する。
【0061】
そして、移動目的推定部45は、ステップS51において、映像解析認識部33によって認識された装飾状態の装飾品を抽出する。そして、移動目的推定部45は、ステップS52において、映像解析認識部33によって認識された画像と、ステップS51にて抽出したジャンル別に分類された装飾品の画像とに基づいてモーフィングを行い、各ジャンル間のモーフィング距離が0.5以上であるか否かを判定する。ここで、移動目的推定部45は、モーフィング距離が0.5以上であった場合には、ステップS41からの処理を繰り返す。一方、移動目的推定部45は、モーフィング距離が0.5未満であった場合には、ステップS53において、新たな装飾品ジャンルを装飾状態・移動目的データベース16に追加してステップS41からの処理を繰り返す。
【0062】
移動目的推定装置は、このような一連の手順にしたがって、モーフィングを利用して類似度を算出し、その結果に応じて装飾状態・移動目的データベース16の内容を拡張及び更新することができる。
【0063】
なお、移動目的推定装置は、装飾状態・移動目的データベース16のみならず、自車両専用のデータベースである装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている装飾状態を示す情報についても、映像解析認識部33によって認識された装飾状態と比較することにより、移動目的及び移動目的地の推定精度を向上させている。
【0064】
装飾状態・移動場所記憶部43は、一般的な情報に基づく装飾状態・移動目的データベース16と同様に、着衣情報、髪型や化粧等の状態情報、及びアクセサリー等の特徴を表す装飾品情報と共に、移動場所判定部42によって判定された移動場所情報を記憶するものである。移動目的推定装置は、車内カメラ21によって撮像された映像を映像解析認識部33によって認識すると、移動目的推定部45により、装飾状態・移動場所記憶部43を参照し、映像解析認識部33によって認識された映像と、装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている情報とを比較し、最も適合度が高い移動目的及び移動目的地を判定する。
【0065】
このとき、移動目的推定装置は、装飾状態・移動場所記憶部43と比較して推定された移動目的及び移動目的地と、装飾状態・移動目的データベース16と比較して推定された移動目的及び移動目的地とが大きく異ならない限り、装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている情報に基づく移動目的及び移動目的地を優先的に推定する。一方、移動目的推定装置は、装飾状態・移動場所記憶部43と比較して推定された移動目的及び移動目的地と、装飾状態・移動目的データベース16と比較して推定された移動目的及び移動目的地とが大きく異なった場合には、特異条件として装飾状態・移動場所記憶部43に登録した上で、今回の結果の適否判断を行い、次回以降の推定にフィードバックできるように重みを付与する。
【0066】
これにより、移動目的推定装置は、装飾状態・移動目的データベース16に基づいて判定した移動目的地と、装飾状態・移動場所記憶部43に基づいて判定した移動目的地とが同じである場合であっても、その移動目的が異なるような場合に有効である。例えば、移動目的推定装置は、スポーツ施設とショッピングセンターとが併設されているような施設が移動目的地として判定された場合には、その移動目的がスポーツを行うことであるのか、買い物に行くことであるのかを装飾状態に基づいて推定することができる。したがって、移動目的推定装置は、買い物に行くことが移動目的であった場合には、買い得情報を提示したり、スポーツを行うことが移動目的であった場合には、テニスコートの混雑具合やスクールの講習内容等を提示したりすることができる。このように、移動目的推定装置は、それぞれの移動目的に適した情報提示を行うことが可能となり、移動目的地が同じであっても移動目的の優先順位が異なる場合に非常に有効である。
【0067】
なお、移動目的推定装置は、車内カメラ21等によって撮像された映像について画像認識を行わずに、そのまま保存するようにしてもよく、また、その画像を用いて類似度の比較判定を行うようにしてもよい。これは、ウェブカメラや放送用映像の場合にも同様である。これにより、移動目的推定装置は、映像のデータサイズが大きくなるものの、画像認識の誤認識によって推定を誤ってしまうのを軽減することができる。さらに、移動目的推定装置は、画像認識を行わない映像のままの解析と画像認識を行った結果による解析との双方を行い、推定精度の結果が良好であった方法を優先して用いるようにしてもよい。さらにまた、移動目的推定装置は、ジャンル等によって推定精度が異なることが予想されるので、これら両方法をジャンル別に使い分けるようにしてもよい。例えば、移動目的推定装置は、ウェブカメラ等の一般的な情報に基づく装飾状態・移動目的データベース16を用いた解析については画像認識を行った結果を用い、自車両の乗員の装飾状態及び持ち物については画像認識を行わない映像のままで解析するようにすればよい。
【0068】
また、車内カメラ21等の映像から認識するものは、上述したものの組み合わせに限らず、それぞれ別々でもよく、全てを組み合わせてもよい。同様に、移動目的推定装置は、装飾状態・移動目的データベース16及び装飾状態・移動場所記憶部43の双方を用いて移動目的及び移動目的地の推定を行わずに、いずれか一方を選択的に用いて推定を行うようにしてもよい。
【0069】
さらに、移動目的推定装置は、乗員の装飾状態で相反する状況が起こった場合には、類似度の高い方、又は、推定誤りの少ない方を採用して推定を行うのが望ましい。このとき、移動目的推定装置は、類似度が同じだった場合には、発生頻度の低い移動目的及び移動目的地を推定すればよい。また、移動目的推定装置は、乗員の家族内での優先度に応じた重み付けを行うようにしてもよい。さらに、移動目的推定装置は、同乗者がある場合には、運転者が移動する目的が同乗者よりも低くなることが予想されるため、運転者の重み付けを低くして、同乗者の重み付けを高くして推定を行うようにしてもよい。
【0070】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の第1実施形態として示した移動目的推定装置によれば、自車両内の状況の映像から認識された自車両の乗員の装飾状態に基づいて、自車両の移動目的を推定し、更に、移動目的地を推定するので、当該自車両の移動目的及び移動目的地を高精度に推定することができ、習慣性の少ない行動の目的地を精度よく推定することができる。
【0071】
また、この移動目的推定装置は、自車両内の映像と移動目的(地)とを対応付けて装飾状態・移動場所記憶部43に記憶しておき、記憶映像と撮像映像から認識された装飾状態とを比較し、その比較結果に基づいて、過去に移動目的地として自車両が到達した場所の中から今回の当該自車両の移動目的及び移動目的地を推定するので、乗員の装飾状態と過去の移動目的地との履歴を個別のデータベースとして作成することができ、このデータベースに基づいて移動目的及び移動目的地を高精度に推定することができる。
【0072】
さらに、この移動目的推定装置は、自車両内の撮像映像から認識された自車両の乗員の装飾状態と、そのときの移動目的(地)とを対応付けて装飾状態・移動場所記憶部43に記憶しておき、この記憶されている装飾状態と撮像映像から認識された装飾状態とを移動目的推定部45によって比較し、その比較結果に基づいて、過去に移動目的地として自車両が到達した場所の中から今回の当該自車両の移動目的及び移動目的地を推定するので、装飾状態をテキストデータとして記憶させることができるので、映像を記憶する場合に比べて情報量を削減したデータベースを作成することができ、このデータベースに基づいて移動目的及び移動目的地を高精度に推定することができる。
【0073】
さらにまた、この移動目的推定装置は、人の装飾状態としての着衣及び装飾品を示す特徴情報と、これら着衣及び装飾品に対応する場所とを装飾状態・移動目的データベース16に記憶しておき、この記憶されている着衣及び装飾品を示す特徴情報に基づいて、自車両の移動目的及び移動目的地を推定するので、例えば着衣、髪型や化粧等の状態、アクセサリー等の装飾品を装飾状態から移動目的地との関連を詳細に把握することができ、移動目的及び移動目的地を高精度に推定することができる。
【0074】
また、この移動目的推定装置によれば、装飾状態・移動目的データベース16を、汎用ネットワークであるインターネット上の情報を含む一般的な情報に基づいて作成及び更新することにより、一般的な移動目的及び移動目的地を最新のデータベースを用いて推定することができる。
【0075】
更に、この移動目的推定装置によれば、装飾状態・移動目的データベース16を、インターネット上のウェブカメラによって撮像された各場所における人の映像を含む一般的な情報に基づいて作成、拡張及び更新することにより、インターネット上の映像をそのまま利用して、一般的な移動目的及び移動目的地を最新のデータベースを用いて推定することができる。
【0076】
更にまた、この移動目的推定装置によれば、装飾状態・移動場所記憶部43に記憶されている情報と、装飾状態・移動目的データベース16に記憶されている情報とを双方又はいずれか一方を選択的に用いて自車両の移動目的及び移動目的地を推定するので、状況に適した移動目的及び移動目的地を高精度に推定することができる。
【0077】
また、この移動目的推定装置によれば、移動目的推定部45によって推定された移動目的及び移動目的地に応じた提示情報を提示情報選択部46によって選択し、選択した提示情報を情報提示部52によって自車両の乗員に提示することにより、移動目的及び移動目的地の推定結果から乗員に有効で必要な情報を積極的に提示して、より楽しい運転環境を提供することができる。
【0078】
更に、この移動目的推定装置によれば、移動目的推定部45によって推定された移動地を自車両のルート案内を行う際の目的地として目的地設定部51によって設定することにより、目的地設定の操作を行う乗員の手間を省略することができる。
【0079】
更にまた、この移動目的推定装置によれば、目的地設定部51により、移動目的推定部45によって推定された移動目的地を自車両のルート案内を行う際の目的地として設定する旨を、当該自車両の乗員に対して問いかけてから当該移動目的地を当該目的地として設定するので、煩雑な手間を削減して運転者の意思に沿った目的地設定を行うことができる。
【0080】
[第2実施形態]
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。
【0081】
この第2実施形態は、装飾状態として、乗員の持ち物や自車両に持ち込まれた物品を車内カメラ等による撮像装置及び画像処理装置によって認識し、その結果に基づいて移動目的及び移動目的地を推定するものである。したがって、この第2実施形態においては、第1実施形態にて説明した部位と同一部位については、それぞれ、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0082】
[移動目的推定装置の構成]
本発明の第2実施形態として示す移動目的推定装置は、図6に示すように、上述した地図データベース11、交通情報データベース12、ウェブ情報データベース13、放送データベース14、支援情報データベース15、車内カメラ21、CAN信号取得部22、自車位置判定部31、道路情報取得部32、映像解析認識部33、移動場所判定部42、自車状態判定部44、提示情報選択部46、目的地設定部51、及び情報提示部52の他に、自車両に乗車している乗員が当該自車両に持ち込んだ物品と移動目的と移動目的地とを取得する持ち物・場所情報取得部101と、一般的な情報に基づいて作成された自車両の乗員が当該自車両に持ち込んだ物品(車両持込品)と移動目的と移動目的地とをデータとして記憶する持ち物・移動目的データベース102と、個人情報に基づいて作成された自車両の乗員が車両持込品と移動目的と移動目的地とをデータとして記憶する装飾状態・移動場所記憶部103と、現在の自車両の移動目的及び移動目的地を推定する移動目的推定部104とを備える。すなわち、この移動目的推定装置は、第1実施形態として示した移動目的推定装置における装飾状態・移動目的データベース16に代えて、持ち物・移動目的データベース102を備え、装飾状態・場所情報取得部41に代えて、持ち物・場所情報取得部101を備え、装飾状態・移動場所記憶部43に代えて、装飾状態・移動場所記憶部103を備え、移動目的推定部45に代えて、装飾状態・移動場所記憶部104を備える。
【0083】
持ち物・場所情報取得部101は、持ち物・移動目的データベース102を作成するために、ウェブ情報データベース13から読み出したウェブ情報データ、放送データベース14から読み出した放送データ、及び支援情報データベース15から読み出した支援情報データ等に基づいて、自車両に乗車している乗員が車両持込品と移動目的と移動目的地とを取得する。持ち物・場所情報取得部101は、取得した乗員の車両持込品と移動目的と移動目的地とを示す持ち物・場所情報を持ち物・移動目的データベース102に記憶させる。
【0084】
持ち物・移動目的データベース102は、例えばハードディスク等からなり、持ち物・場所情報取得部101によって取得された持ち物・場所情報に基づいて、車両持込品に対応する移動目的及び移動目的地をデータとして記憶する。すなわち、持ち物・移動目的データベース102は、ウェブ情報データベース13から読み出したウェブ情報データ、放送データベース14から読み出した放送データ、及び支援情報データベース15から読み出した支援情報データ等、一般的な情報に基づいて作成される。なお、この持ち物・移動目的データベース102は、自車両に搭載されてもよく、情報を配信する所定の情報配信センタ側に搭載されてもよい。この持ち物・移動目的データベース102に記憶されているデータは、移動目的推定部104によって読み出される。
【0085】
持ち物・移動場所記憶部103は、例えばハードディスク等からなり、映像解析認識部33から供給された認識情報と、移動場所判定部42から供給された移動場所情報とに基づいて、車両持込品に対応する移動目的及び移動目的地をデータとして記憶する。すなわち、持ち物・移動場所記憶部103は、持ち物・移動目的データベース102とは異なり、映像解析認識部33から供給された認識情報及び移動場所判定部42から供給された移動場所情報という個人情報、すなわち、自車両に固有の情報に基づいて作成される。この持ち物・移動場所記憶部103に記憶されているデータは、移動目的推定部104によって読み出される。
【0086】
移動目的推定部104は、映像解析認識部33から供給された認識情報と、持ち物・移動目的データベース102及び持ち物・移動場所記憶部103に記憶されているデータとを比較し、その比較結果に基づいて、過去に移動目的地として自車両が到達した場所の中から今回の自車両の移動目的及び移動目的地を推定する。移動目的推定部104は、推定した移動目的情報を提示情報選択部46及び目的地設定部51に供給する。
【0087】
[移動目的推定装置の動作]
このような各部を備える移動目的推定装置は、図7に示すような一連の手順にしたがって、車両持込品に応じた移動目的を推定する。
【0088】
まず、移動目的推定装置は、図7に示すように、ステップS61において、自車両に持ち込まれた新規の車両持込品があるか否かを判定する。すなわち、移動目的推定装置は、新規の車両持込品が認識されるまでは移動目的及び移動目的地を変更しない。なお、移動目的推定装置は、新規の車両持込品の有無を判定するために、乗員の自宅内の画像や自宅にある物品の情報を記録したICタグの情報を取得し、自宅する構成であっても良い。すなわち、車両持込品がICタグを備え、移動目的推定装置がICタグリーダを備える構成となる。そして、移動目的推定装置は、持ち出し物品が前回と同じ場合には、移動目的及び移動目的地面を変更しないような処理を行う。実際には持ち込み物品が全く同じ場合は滅多にないが、処理装置の省力化が図れる等の利点がある。
【0089】
ここで、移動目的推定装置は、自車両に持ち込まれた新規の車両持込品があると認識した場合には、ステップS62において、車内カメラ21によって撮像された車内画像(映像)を取得し、ステップS63において、映像解析認識部33によって車両持込品の形状情報を抽出する。移動目的推定装置は、映像解析認識部33によって認識された形状情報を持ち物・移動場所記憶部103に記憶させると共に、ステップS64において、移動目的推定部104により、映像解析認識部33によって認識された形状情報を、持ち物・移動目的データベース102に記憶されている一般的な形状情報、及び、持ち物・移動場所記憶部103に記憶されている形状情報と比較して類似度の高い移動目的及び移動目的地を抽出した上で、ステップS67へと処理を移行する。
【0090】
また、移動目的推定装置は、ステップS65において、映像解析認識部33によって物品の色や柄等の情報を抽出する。移動目的推定装置は、映像解析認識部33によって認識された色や柄等の情報を持ち物・移動場所記憶部103に記憶させると共に、ステップS66において、移動目的推定部104により、映像解析認識部33によって認識された色や柄等の情報を、持ち物・移動目的データベース102に記憶されている一般的な色や柄等の情報、及び、持ち物・移動場所記憶部43に記憶されている色や柄等の情報と比較して類似度の高い移動目的及び移動目的地を抽出した上で、ステップS67へと処理を移行する。
【0091】
なお、車両持込品による移動目的及び移動目的地の推定を行っている使用開始当初は、持ち物・移動場所記憶部103の情報量が少ないために持ち物・移動目的データベース102を用いて移動目的及び移動目的地を推定することになる。しかし、自車両での移動が増えるのに応じて、持ち物・移動場所記憶部103の情報量も増加し、徐々に持ち物・移動場所記憶部103を用いた移動目的及び移動目的地の推定頻度が多くなることになる。
【0092】
また、持ち物・移動目的データベース102は、第1実施形態と同様に、一般的な情報に基づいて作成され、例えば結婚式場であれば花や着替え用のスーツ等が車両持込品として場所に対応して登録され、テニスコートであればラケットやボール等が車両持込品として場所に対応して登録され、ショッピングセンターであればショッピングバックや個人用カート等が車両持込品として場所に対応して登録される。さらに、持ち物・移動目的データベース102を作成するにあたっては、インターネット上の装飾品カタログの情報を取得し、衣服の利用目的やターゲットとする客層を示す情報や、価格、素材、色、柄、サイズ等を示す情報を取得すると共に、販売地域や販売数、販売開始日等の情報も取得する。さらにまた、持ち物・移動目的データベース102を作成するにあたっては、ウェブカメラの映像からの情報抽出と同様の方法で、地上ディジタル放送等の映像を利用して各場所における一般人の持ち物情報を取得したり、テレビショッピング等のカタログ情報等を取得したりする。
【0093】
そして、移動目的推定装置は、取得した情報が既に持ち物・移動目的データベース102に登録されているか否かを確認し、登録がない場合には、場所(位置)や車両持込品、さらには、その場所にいるとした場合の移動目的等を対応付けて持ち物・移動目的データベース102に登録する。一方、移動目的推定装置は、登録があった場合には、場所と車両持込品を示す情報のみを比較し、比較した結果、大きく異なっておらず、「同一」であると判定した場合には、取得した情報を追加登録することなく、別な情報の取得へと移行する。また、移動目的推定装置は、比較した情報が大きく異なっており、「相違」すると判定した場合には、さらに細かな条件として、曜日や午前/午後の別を含む日時や、季節、天候、性別、年齢層等、詳細条件を付与した上で、場所、物品、及び移動目的等を対応付けて持ち物・移動目的データベース102に登録する。なお、移動目的推定装置は、持ち物・移動目的データベース102のみならず、自車両専用のデータベースである持ち物・移動場所記憶部103に記憶されている持ち物を示す情報についても、映像解析認識部33によって認識された持ち物と比較することにより、移動目的及び移動目的地の推定精度を向上させている。
【0094】
移動目的推定装置は、ステップS64及びステップS66のそれぞれにてこのような持ち物・移動目的データベース102及び持ち物・移動場所記憶部103との比較を行うと、図7中ステップS67において、推定された移動目的及び移動目的地に対する適合度の高さを移動目的推定部104によって比較する。そして、最も適合度が高い移動目的及び移動目的地を求め、ステップS68において、その移動目的及び移動目的地を最終的な推定結果として判定する。このとき、移動目的推定部104は、冠婚葬祭である結婚式や葬式、出張、デート、コンサートをはじめとする各種イベント等、習慣性の少ない移動目的及び移動目的地と、通勤、買い物、送迎、通院、習い事、スポーツ、車両整備等、習慣性のある移動目的及び移動目的地との双方を含め、全ての移動目的及び移動目的地と比較して適合度が最も高い移動目的及び移動目的地を判定する。
【0095】
また、移動目的推定装置は、ステップS69において、ステップS68にて判定した移動目的及び移動目的地が、現在地と一致するか否かを移動目的推定部104によって判定する。ここで、移動目的及び移動目的地が、現在地と一致しない場合には、ステップS71及びステップS73へと処理を移行する。一方、移動目的及び移動目的地が、現在地と一致した場合には、ステップS70において、第1実施形態と同様に、移動目的推定部104により、例えば帰宅等、現在の移動目的に関連する次の移動目的となる項目を移動目的として推定する。
【0096】
このようにして移動目的及び移動目的地を推定すると、ステップS71において、地図データベース11から読み出した地図データ、交通情報データベース12から読み出した交通情報データ、ウェブ情報データベース13から読み出したウェブ情報データ、放送データベース14から読み出した放送データ、支援情報データベース15から読み出した支援情報データ、及び自車状態判定部44から供給された自車状態情報等に基づいて、移動目的推定部104によって推定された移動目的及び移動目的地に適合した提示情報を選択する。そして、ステップS72においては、情報提示部52により、ステップS71にて選択された提示情報を、音声情報及び図形情報や文字情報等として自車両に乗車している乗員に提示する。
【0097】
また、ステップS73においては、目的地設定部51により、自車両のルート案内を行う際の目的地を自動的に設定したり、運転者に問いかけて合意が得られれば目的地を変更設定したりして一連の処理を終了する。
【0098】
移動目的推定装置は、このような一連の手順にしたがって、自車両に乗車している乗員の車両持込品に応じた移動目的を適切に推定することができる。
【0099】
具体的には、移動目的推定装置は、例えば車両持込品がテニスラケット等の場合には、そのラケットの形状、大きさ、カバーに記載されたメーカー名、ボディーの型番等に基づいて、テニスの練習に行くのか、テニスの試合に行くのかを推定することができる。同様に、移動目的推定装置は、買い物専用のショッピングバックを認識した場合には、ショッピングを移動目的として推定することができ、ショッピングバックの中身が空である場合には、これから店舗に買い物に行く旨を推定し、ショッピングバックの中身が入っている場合には、帰宅を移動目的として推定することができる。この場合、移動目的推定装置は、購入したものが生鮮食料品である場合には、即座に帰宅を移動目的として推定するが、長持ちするような日用品である場合には、食料品等の他の買い物に行く可能性を考慮する。そして、移動目的推定装置は、週末の買い物である場合には、さらに他の買い物に行くための移動であるとする等、日時等の他の要素を加味することにより、推定精度(確度)を向上させることができる。また、移動目的推定装置は、バッグが認識された場合には、そのバックが通勤用鞄や出張用鞄である場合には、会社への通勤や取引先への出張等を移動目的として推定し、冠婚葬祭用の鞄である場合には、結婚式場となるホテルや葬儀場等を移動目的として推定する。さらに、移動目的推定装置は、買い物専用のバックの他に、移動当日及びその前日、前々日程度の新聞の折り込み広告を車内カメラ21によって撮像される(見える)ように乗員が手に持った状態で自車両に持ち込むことにより、そのチラシの店舗に行く可能性が高くなるので、移動目的として買い物を推定し、移動目的地としてチラシの店舗を推定することができる。さらにまた、移動目的推定装置は、キャンプ用品や海で使用する物品が自車両に持ち込まれた場合には、海水浴やキャンプ場への移動目的を推定し、土産となる菓子や自宅の不用品を自車両に搭載していて長期休暇の場合には、帰省を移動目的として推定することができる。
【0100】
また、移動目的推定装置は、自車両に持ち込まれた物品を認識する精度を向上させるために、乗員の自宅内の画像や自宅にある物品の情報を記録したICタグの情報を用いて、自宅から持ち出されたものが自車両に持ち込まれたか否かを車内カメラ21の映像によって確認するのが望ましい。これにより、移動目的推定装置によれば、認識すべき対象物を絞り込むことができるため、認識精度の向上を図ることができる。
【0101】
更に、移動目的推定装置によれば、車両持込品の情報に加え、第1実施形態にて説明したような乗員の装飾状態を考慮することにより、移動目的及び移動目的地の推定精度をより向上させることが可能となる。例えば、移動目的推定装置は、車両持込品がテニスラケットであった場合に、乗員の着衣等もテニス用品のメーカーの上着だったり、テニスができる格好をしていたり、着替えのしやすい格好であったりした場合には、テニスをすることを移動目的として精度よく推定することができる。このとき、移動目的推定装置は、乗員の着衣の上等さに基づいて、テニスの練習に行くのか、テニスの試合に行くのかまでをも推定することができる。また、移動目的推定装置は、自車両に持ち込まれた物品がキャンプ用品であった場合に、乗員の着衣等もキャンプ用のものであった場合には、移動目的をキャンプに絞り込むことができ、大型のスーツケースを所持してウエストポーチを着用していた場合には、海外旅行で空港に移動していると推定することができる。さらに、移動目的推定装置は、肌着や差し入れ用の食べ物や読み物、ゲーム等が多く自車両に持ち込まれている場合には、入院している家族の見舞いや看病に行くことを移動目的として推定することができる。このとき、移動目的推定装置は、面会時間と移動時間とを考慮することにより、推定精度を向上させることができる。
【0102】
以上のように、移動目的推定装置によれば、従来では不可能であった移動目的及び移動目的地の推定を行うことができ、その結果、習慣性の少ない移動目的地の推定までをも行うことができる。また、移動目的推定装置によれば、移動目的地が同じ場合であっても、移動目的が異なる場合にも有効であり、乗員の状況に適した情報提供を行うことができる。
【0103】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の第2実施形態として示した移動目的推定装置によれば、車両持込品を撮像して認識された物品に基づいて、自車両の移動目的及び移動目的地を推定するので、当該自車両の移動目的及び移動目的地を高精度に推定することができ、習慣性の少ない行動の目的地についても精度よく推定することができる。
【0104】
また、この移動目的推定装置によれば、自車両の乗員の自宅内の画像又は自宅にある物品の情報を記録したICタグの情報を用いて、自宅から持ち出された物品が自車両に持ち込まれたか否かを撮像映像から映像解析認識部33によって認識することにより、物品を認識する処理能力を抑制した上で認識精度を向上させることができ、その結果、移動目的及び移動目的地の推定精度をも向上させることができる。
【0105】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施形態として示す移動目的推定装置の構成について示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態として示す移動目的推定装置において、自車両に乗車している乗員の装飾状態に応じた移動目的を推定する際の一連の手順について示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態として示す移動目的推定装置において、装飾状態・移動目的データベースを作成する際の一連の手順について示すフローチャートである。
【図4】装飾状態・移動目的データベースの構造例について示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態として示す移動目的推定装置において、映像解析認識部によって認識された装飾状態と、装飾状態・移動目的データベース及び装飾状態・移動場所記憶部に記憶されている装飾状態を示す情報とを比較して類似度を算出する際の一連の手順について示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態として示す移動目的推定装置の構成について示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態として示す移動目的推定装置において、自車両に乗車している乗員が車両持込品に応じた移動目的を推定する際の一連の手順について示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0107】
11 地図データベース
12 交通情報データベース
13 ウェブ情報データベース
14 放送データベース
15 支援情報データベース
16 装飾状態・移動目的データベース
21 車内カメラ
22 CAN信号取得部
31 自車位置判定部
32 道路情報取得部
33 映像解析認識部
41 装飾状態・場所情報取得部
42 移動場所判定部
43 装飾状態・移動場所記憶部
44 自車状態判定部
45 移動目的推定部
46 提示情報選択部
51 目的地設定部
52 情報提示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の状況を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された映像から認識された前記車両の乗員の装飾状態に基づいて、当該車両の移動目的を推定する移動目的推定手段とを備えること
を特徴とする移動目的推定装置。
【請求項2】
前記撮像手段によって撮像された映像とそのときの移動目的とを対応付けてデータベースとして記憶する第1の記憶手段を備え、
前記移動目的推定手段は、前記第1の記憶手段に記憶されている映像と前記撮像手段によって撮像された映像から認識された装飾状態とを比較し、その比較結果に基づいて、当該車両の移動目的を推定することを特徴とする請求項1に記載の移動目的推定装置。
【請求項3】
前記撮像手段によって撮像された映像から認識された前記車両の乗員の装飾状態と、そのときの移動目的とを対応付けてデータベースとして記憶する第1の記憶手段を備え、
前記移動目的推定手段は、前記第1の記憶手段に記憶されている装飾状態と前記撮像手段によって撮像された映像から認識された装飾状態とを比較し、その比較結果に基づいて、当該車両の移動目的を推定することを特徴とする請求項1に記載の移動目的推定装置。
【請求項4】
人の装飾状態としての着衣及び装飾品を含む特徴情報と、当該特徴情報に対応する移動目的とをデータベースとして記憶する第2の記憶手段を備え、
前記移動目的推定手段は、前記第2の記憶手段に記憶されている特徴情報に基づいて、前記車両の移動目的を推定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の移動目的推定装置。
【請求項5】
前記第2の記憶手段に記憶されているデータベースを、汎用ネットワークに登録された情報を取得して作成及び更新するデータベース作成手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の移動目的推定装置。
【請求項6】
前記データベース作成手段は、前記第2の記憶手段に記憶されているデータベースを、前記汎用ネットワークに登録されている動画情報に含まれる場所及び当該場所における人の装飾状態に基づいて作成及び更新することを特徴とする請求項5に記載の移動目的推定装置。
【請求項7】
前記移動目的推定手段は、前記第1の記憶手段に記憶されている情報と、前記第2の記憶手段に記憶されている情報とを選択的に用いて前記車両の移動目的を推定することを特徴とする請求項4に記載の移動目的推定装置。
【請求項8】
前記移動目的推定手段によって推定された移動目的に応じた提示情報を選択する提示情報選択手段と、
前記提示情報選択手段によって選択された提示情報を、前記車両の乗員に提示する情報提示手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の移動目的推定装置。
【請求項9】
前記移動目的推定手段によって推定された移動目的に基づいて前記車両のルート案内を行う際の目的地を設定する目的地設定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の移動目的推定装置。
【請求項10】
前記目的地設定手段は、前記移動目的推定手段によって推定された移動目的に基づいて前記車両のルート案内を行う際の目的地を設定することを、当該車両の乗員に対して問いかけた後に当該移動目的に基づいて当該目的地を設定することを特徴とする請求項9に記載の移動目的推定装置。
【請求項11】
前記移動目的推定手段は、前記撮像手段によって撮像された映像から認識された乗員の車両持込品に基づいて、当該車両の移動目的を推定することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の移動目的推定装置。
【請求項12】
前記移動目的推定手段は、前記撮像手段によって撮像された映像から認識された車両構造物以外の車両内の物品のうち、予め記憶された物品画像又は物品に備えられたICタグ情報を用いて、当該車両内の物品が車両持ち込み物であるか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の移動目的推定装置。
【請求項13】
車両が走行を開始するに際して車両内の状況を撮像し、当該車両内の映像から認識された前記車両の乗員の装飾状態を判定し、当該乗員の装飾状態に基づいて当該車両の移動目的を推定することを特徴とする移動目的推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−294080(P2009−294080A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147877(P2008−147877)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】