説明

空気入りタイヤの成形方法および装置

【課題】成形ユニットを用いてグリーンタイヤを成形する際に、ターンアップした部材を強固に圧着できる空気入りタイヤの成形方法および装置を提供する。
【解決手段】外周面にグリーンタイヤを装着したまま加硫用モールドの中に配置される成形ユニット3の成形ブラダ4を収縮させた状態にして、バンド部材11を外嵌するように配置し、バンド部材11の外周側所定位置に規制リング7を少なくとも3つ配置して成形ブラダ4を膨張させつつ、一対のブラダ保持部5の間隔を小さくして、すべての規制リング7でバンド部材11の膨出量を規制して、バンド部材11の両端部をターンアップした後、両端側の規制リング7を退避させて、残りの規制リング7だけでターンアップを行なって形成した中間グリーンタイヤG1に外嵌するように配置したベルト部材を、成形ブラダ4を膨張させて中間グリーンタイヤG1の外周面に貼り合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤの成形方法および装置に関し、さらに詳しくは、ショルダーサポートを設置することができない成形ユニットを用いてグリーンタイヤを成形する際に、ターンアップした部材を対向する部材に強固に圧着できる空気入りタイヤの成形方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気入りタイヤを製造するには、例えば、図12に示すように、互いの間隔を可変可能に設置された一対のサイドドラム21を備えた成形ドラム20が用いられている。それぞれのサイドドラム21には拡縮可能なショルダーサポート22が設けられている。この成形ドラム20を用いてグリーンタイヤを成形する場合、図13に例示するように、ショルダーサポート22を拡径させてバンド部材11の内周面を保持する。そして、ショルダーサポート22により保持したバンド部材11の部分と、ターンアップブラダ21aおよび押圧リング23によってターンアップされるバンド部材11の幅方向両端部とを強固に圧着して貼り合わせる。このように成形した中間グリーンタイヤの外周面にベルト部材およびトレッドゴムなどを貼り合わせてグリーンタイヤを成形する。次いで、グリーンタイヤを成形ドラム20から取外し、加硫用モールドの中に配置して加硫することにより空気入りタイヤを製造している。
【0003】
ところで、空気入りタイヤを製造する際に、成形ユニットを用いてグリーンタイヤを成形し、成形したグリーンタイヤを成形ユニットの外周面に装着したまま加硫用モールドの中に配置して加硫する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。図14に例示するように、成形ユニット3は筒状の成形ブラダ4と、この成形ブラダ4の両端部に取り付けられる一対のブラダ保持部5と、これらブラダ保持部5の間隔を変化させる間隔可変機構6を備えている。しかしながら、このような成形ユニット3には、ターンアップしたバンド部材11の幅方向両端部を、対向するバンド部材11に強固に圧着させるように機能する図12、13に例示したショルダーサポート22を設けることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−98803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ショルダーサポートを設置することができない成形ユニットを用いてグリーンタイヤを成形する際に、ターンアップした部材を対向する部材に強固に圧着できる空気入りタイヤの成形方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の空気入りタイヤの成形方法は、筒状の成形ブラダと、この成形ブラダの両端部に取り付けられる一対のブラダ保持部と、これらブラダ保持部の間隔を変化させる間隔可変機構を備え、外周面にグリーンタイヤを装着したまま加硫用モールドの中に配置される成形ユニットを用いてグリーンタイヤを成形する空気入りタイヤの成形方法において、前記成形ブラダを収縮させた状態の成形ユニットに、一対のビード部材と、一対のサイド部材と、ビード間に配置されたインナーライナおよびカーカス部材とを有するバンド部材を外嵌するように配置し、次いで、カーカス部材の外周側所定位置に規制リングをリング軸方向に並列して少なくとも3つ配置して、前記成形ブラダを膨張させるとともに、一対のブラダ保持部の間隔を小さくして、すべての規制リングによってインナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制した状態で、一対のサイド部材とともにカーカス部材の両端部をターンアップし、次いで、リング軸方向両端側に配置された規制リングを退避させて、残りの規制リングだけでインナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制した状態で前記ターンアップを行なうことにより中間グリーンタイヤを成形し、次いで、前記残りの規制リングを退避させて、中間グリーンタイヤにベルト部材を外嵌するように配置した後、前記成形ブラダを膨張させて、中間グリーンタイヤの外周面に前記ベルト部材を貼り合わせてグリーンタイヤを成形することを特徴とする。
【0007】
本発明の空気入りタイヤの成形装置は、筒状の成形ブラダと、この成形ブラダの両端部に取り付けられる一対のブラダ保持部と、これらブラダ保持部の間隔を変化させる間隔可変機構を備え、外周面にグリーンタイヤを装着したまま加硫用モールドの中に配置される成形ユニットを有する空気入りタイヤの成形装置において、前記一対のブラダ保持部の外側に配置されるターンアップ機構と、成形ユニットの外側の退避位置から前記成形ブラダの外周側所定位置との間を移動可能な規制リングとを有し、前記成形ブラダを収縮させた状態の成形ユニットに、一対のビード部材と、一対のサイド部材と、ビード間に配置されたインナーライナおよびカーカス部材とを有するバンド部材を外嵌するように配置した後、前記成形ブラダを膨張させるとともに、一対のブラダ保持部の間隔を小さくして、前記インナーライナおよびカーカス部材を膨出させて、前記ターンアップ機構により一対のサイド部材とともにカーカス部材の両端部をターンアップする際に、前記規制リングをカーカス部材の外周側所定位置に移動させて配置することにより、インナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制し、前記ターンアップを行なった後に、規制リングを退避させるように構成し、前記規制リングを、リング軸方向に並列して少なくとも3つ設け、それぞれの規制リングが独立して移動できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ターンアップする際に、バンド部材を構成するカーカス部材の外周側所定位置に規制リングを配置することによって、成形ユニットの成形ブラダによって膨張させられるインナーライナおよびカーカス部材の膨出量を予め設定されたどおりに規制することができる。これにより、ターンアップした部材を対向する部材に強固に圧着することが可能になる。
【0009】
そして、前記規制リングを、リング軸方向に並列して少なくとも3つ設け、それぞれの規制リングが独立して移動できる構成にして、最初にすべての規制リングを前記カーカス部材の外周側の所定位置に配置して、インナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制した状態で前記ターンアップを行ない、次いで、リング軸方向両端側に配置された規制リングを退避させて、残りの規制リングだけでインナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制した状態で前記ターンアップを行なって前記中間グリーンタイヤを成形し、次いで、この残りの規制リングを退避させるようにする。これにより、必要な部分を設定どおりに精度よく圧着させ易くなる。
【0010】
また、本発明の成形装置では、前記規制リングを複数の円弧状のセグメントで構成し、これらセグメントのうち、少なくとも1つのセグメントの円弧長さを、他のセグメントの円弧長さと異ならせることもできる。これにより、グリーンタイヤは、成形する際に使用するセグメントに起因して、構成部材(主にカーカス部材)が正多角形状に近似する形状になるような悪影響が生じない。これにより、製造したタイヤにもその悪影響がなくなるので、走行時にタイヤに特定の周波数で過大な振幅が生じる不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】バンド部材を成形する工程を例示する説明図である。
【図2】成形ユニットにバンド部材を外嵌するように配置した状態を例示する説明図である。
【図3】規制リングによりバンド部材の膨出量を規制している状態を例示する説明図である。
【図4】バンド部材の両端部をターンアップしている成形装置の上半分を例示する説明図である。
【図5】バンド部材の幅方向中央部のみの膨出量を規制して、両端部をターンアップしている成形装置の上半分を例示する説明図である。
【図6】規制リングの拡縮機構を例示する側面図である。
【図7】別の拡縮機構を例示し、規制リングを拡径させて退避させている状態を示す側面図である。
【図8】図7の規制リングを縮径させて所定位置に配置している状態を例示する側面図である。
【図9】成形ユニットにベルト部材を外嵌するように配置した成形装置の上半分を例示する説明図である。
【図10】中間グリーンタイヤの外周面にベルト部材を貼り合わせている成形装置の上半分を例示する説明図である。
【図11】外周面にグリーンタイヤを装着した状態の成形ユニットを例示する説明図である。
【図12】従来の成形ドラムにバンド部材を外嵌するように配置した状態を例示する説明図である。
【図13】図12のショルダーサポートを拡径させてターンアップしている成形ドラムの上半分を例示する説明図である。
【図14】成形ユニットの構造を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の空気入りタイヤの成形方法および成形装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0013】
まず、図1に例示するようにバンド成形ドラム19上に、間隔をあけて一対のサイド部材14を巻き付け、一対のサイド部材14の間にインナーライナ12およびカーカス部材13を順に積層してバンド部材11を成形する。次いで、それぞれのサイド部材14の外周側に一対のビード部材15を配置する。ビード部材15は、ビード15aとビードフィラにより構成されていて、ビード15aをバンド部材11に仮圧着させる。
【0014】
次いで、図2に例示するように、一対のサイド部材14、インナーライナ12およびカーカス部材13とで形成されたバンド部材11と、一対のビード部材15とを本発明の成形装置に移送する。この成形装置は、成形ドラム1と規制リング7とを備えている。
【0015】
成形ドラム1は、一対のサイドドラム2と、サイドドラム2の間に着脱可能に取り付けられる成形ユニット3とで構成されている。それぞれのサイドドラム2には、一対のブラダ保持部5の外側に配置されるターンアップ機構が設けられている。
【0016】
成形ユニット3は、図14に例示した構造であり、筒状の成形ブラダ4と、この成形ブラダ4の両端部に取り付けられる一対のブラダ保持部5と、これらブラダ保持部5の間隔を変化させる間隔可変機構6を備えている。ブラダ保持部5どうしの間隔は、設定した長さで固定できる構造になっている。
【0017】
規制リング7は、成形ユニット3の外側の退避位置から成形ブラダ4の外周側所定位置との間を移動可能に設けられている。この実施形態では、リング軸方向に並列する3つの規制リング7が設けられている。それぞれの規制リング7は、独立して移動できるように構成されている。規制リング7の数は3つ以上であればよく、例えば3〜5つの規制リング7が設けられる。
【0018】
バンド部材11および一対のビード部材15は、成形ブラダ4を収縮させた状態の成形ユニット3に外嵌するように配置する。それぞれのサイドドラム2のビードロック機構によってビード15aをロックする。規制リング7は成形ブラダ4の中央部に配置する。
【0019】
次いで、図3に例示するように、バンド部材11(インナーライナ12およびカーカス部材13)の外周側所定位置に規制リング7を配置して成形ブラダ4を膨張させるとともに、一方のサイドドラム2を他方のサイドドラム2に近接させるように移動させて、一対のブラダ保持部5の間隔を小さくする。これにより、バンド部材11(インナーライナ12およびカーカス部材13)は外周側に膨張するが、規制リング7によって膨出量は規制される。これに伴い、成形ブラダ4の外周側への膨出量も規制されるため、ビード部材15は成形ブラダ4によって、外側に一段と強く押圧される。
【0020】
このようにすべての規制リング7によって、バンド部材11の外周側への膨出量を規制した状態で、図4に例示するようにターンアップブラダ2aを膨張させて、ターンアップブラダ2aを軸方向に移動する押圧リング10によって押圧する。これにより、一対のサイド部材14とともにカーカス部材13の両端部をターンアップする。
【0021】
次いで、図5に例示するように両側の規制リング7を拡径移動させて退避させ、中央の規制リング7だけで、バンド部材11の外周側への膨出量を規制した状態で、さらに押圧リング10を軸方向に移動させてターンアップブラダ2aを押圧する。このようにして中間グリーンタイヤG1を成形する。
【0022】
この実施形態では、ターンアップ機構としてターンアップブラダ2aを用いているが、これに限らずメカニカルなターンアップ機構を採用することもできる。
【0023】
本発明では、ターンアップする際に、規制リング7が、成形ブラダ4によって膨張させられるインナーライナ12およびカーカス部材13の膨出量を予め設定されたどおりに規制できる。これにより、膨出量を規制しない場合に比して、成形ブラダ4によってビード部材15を内側から一段と強く支えることができるので、ターンアップした部材(カーカス部材13)を対向する部材(カーカス部材13やビード部材15)に強固に圧着することが可能になる。
【0024】
さらに、本発明では、最初にすべての規制リング7によりインナーライナ12およびカーカス部材13の膨出量を規制した状態でターンアップを行ない、その後、リング軸方向両端側に配置された規制リング7を退避させて、残りの規制リング7だけでインナーライナ12およびカーカス部材13の膨出量を規制した状態でターンアップを行なうので、必要な部分を設定どおりに一段と精度よく圧着させるには有利になっている。
【0025】
規制リング7は、図6に例示する拡縮機構9によって拡縮可能に構成されている。拡縮機構9は、環状のリング保持部8と、リング保持部8に固定される流体シリンダ9aを有している。4つの流体シリンダ9aが、周方向に等間隔で固定されている。それぞれの流体シリンダ9aのロッドには、円弧状のセグメント7aが固定されている。これら複数のセグメント7aにより環状の規制リング7が構成される。
【0026】
それぞれの流体シリンダ9aのロッドが伸長移動して縮径移動するこれら複数のセグメント7aによって、環状の規制リング7が形成される。規制リング7を退避位置に移動させる際には、ロッドが収縮移動してそれぞれのセグメント7aを拡径移動させる。
【0027】
複数の円弧状のセグメント7aのうち、少なくとも1つのセグメント7aの円弧長さを、他のセグメント7aの円弧長さと異ならせるとよい。例えば、すべてのセグメント7aの円弧長さをそれぞれ異ならせる。これにより、成形される中間グリーンタイヤG1(ひいてはグリーンタイヤG2)は、成形する際に使用するセグメント7aに起因して、構成部材(主にカーカス部材13)が正多角形状に近似する形状になるような悪影響が生じない。これにより、製造したタイヤにもその悪影響がなくなるので、走行時にタイヤに特定の周波数で過大な振幅が生じる不具合を防止でき、RFVを低減するには有利になる。
【0028】
セグメント7aの数は複数であれば特に限定されないが、例えば、3〜11程度、好ましくは3以上の素数にする。セグメント7aの数を3以上の素数にすることにより、製造したタイヤのRFVを低減するには一段と有利になる。
【0029】
拡縮機構9は、図7、図8に例示する構造にすることもできる。この拡縮機構9は、リング保持部材8に溝付きリング9bが回転可能に取り付けられている。それぞれのセグメント7aは支軸7bの先端部に固定され、支軸7bの後端部にはスライド軸7cが立設されている。スライド軸7cは、溝付きリング9bのガイド溝9cにガイドされて移動可能になっている。
【0030】
図7に例示するように、流体シリンダ9aのロッドを伸長移動させて溝付きリング9bを回転させると、それぞれのスライド軸7cがガイド溝9cにガイドされてセグメント7aが拡径移動する。図8に例示するように、流体シリンダ9aのロッドを収縮移動させて溝付きリング9bを回転させると、それぞれのスライド軸7cがガイド溝9cにガイドされてセグメント7aが縮径移動して、環状の規制リング7が形成される。
【0031】
中間グリーンタイヤG1を成形した後は、図9に例示するように、すべての規制リング7を退避位置に退避させて、中間グリーンタイヤG1にベルト部材16を外嵌するように配置する。ベルト部材16は、ベルト17、トレッドゴム18などにより構成されている。
【0032】
次いで、図10に例示するように、成形ブラダ4をさらに膨張させて、中間グリーンタイヤG1の外周面にベルト部材16を貼り合わせてグリーンタイヤG2を成形する。中間グリーンタイヤG1とベルト部材16とはステッチャー等によってしっかりと接合する。尚、グリーンタイヤG2の成形には、上記した部材に限らず適宜必要な部材が用いられる。
【0033】
成形されたグリーンタイヤG2は、図11に例示するように、膨張した成形ブラダ4の外周面に装着されたまま、成形ユニット3とともに加硫用モールドの中に配置される。その後、所定温度および所定圧力で加硫されて空気入りタイヤが完成する。
【0034】
本発明は、従来のショルダーサポート22を設けることができない成形ユニット3を使用しながらも、規制リング7を用いることによって、ターンアップした部材を対向する部材に強固に圧着できる。それ故、部材の圧着不足に起因する不具合を防止することができ、所定品質を確保した空気入りタイヤを製造することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 成形ドラム
2 サイドドラム
2a ターンアップブラダ(ターンアップ機構)
3 成形ユニット
4 成形ブラダ
5 ブラダ保持部
6 間隔可変機構
7 規制リング
7a セグメント
7b 支軸
7c スライド軸
8 リング保持部
9 拡縮機構
9a 流体シリンダ
9b 溝付きリング
9c ガイド溝
10 押圧リング
11 バンド部材
12 インナーライナ
13 カーカス部材
14 サイド部材
15 ビード部材
15 ビード
16 ベルト部材
17 ベルト
18 トレッドゴム
19 バンド成形ドラム
20 従来の成形ドラム
21 サイドドラム
21a ターンアップブラダ
22 ショルダーサポート
23 押圧リング
G1 中間グリーンタイヤ
G2 グリーンタイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の成形ブラダと、この成形ブラダの両端部に取り付けられる一対のブラダ保持部と、これらブラダ保持部の間隔を変化させる間隔可変機構を備え、外周面にグリーンタイヤを装着したまま加硫用モールドの中に配置される成形ユニットを用いてグリーンタイヤを成形する空気入りタイヤの成形方法において、
前記成形ブラダを収縮させた状態の成形ユニットに、一対のビード部材と、一対のサイド部材と、ビード間に配置されたインナーライナおよびカーカス部材とを有するバンド部材を外嵌するように配置し、次いで、カーカス部材の外周側所定位置に規制リングをリング軸方向に並列して少なくとも3つ配置して、前記成形ブラダを膨張させるとともに、一対のブラダ保持部の間隔を小さくして、すべての規制リングによってインナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制した状態で、一対のサイド部材とともにカーカス部材の両端部をターンアップし、次いで、リング軸方向両端側に配置された規制リングを退避させて、残りの規制リングだけでインナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制した状態で前記ターンアップを行なうことにより中間グリーンタイヤを成形し、次いで、前記残りの規制リングを退避させて、中間グリーンタイヤにベルト部材を外嵌するように配置した後、前記成形ブラダを膨張させて、中間グリーンタイヤの外周面に前記ベルト部材を貼り合わせてグリーンタイヤを成形することを特徴とする空気入りタイヤの成形方法。
【請求項2】
筒状の成形ブラダと、この成形ブラダの両端部に取り付けられる一対のブラダ保持部と、これらブラダ保持部の間隔を変化させる間隔可変機構を備え、外周面にグリーンタイヤを装着したまま加硫用モールドの中に配置される成形ユニットを有する空気入りタイヤの成形装置において、
前記一対のブラダ保持部の外側に配置されるターンアップ機構と、成形ユニットの外側の退避位置から前記成形ブラダの外周側所定位置との間を移動可能な規制リングとを有し、前記成形ブラダを収縮させた状態の成形ユニットに、一対のビード部材と、一対のサイド部材と、ビード間に配置されたインナーライナおよびカーカス部材とを有するバンド部材を外嵌するように配置した後、前記成形ブラダを膨張させるとともに、一対のブラダ保持部の間隔を小さくして、前記インナーライナおよびカーカス部材を膨出させて、前記ターンアップ機構により一対のサイド部材とともにカーカス部材の両端部をターンアップする際に、前記規制リングをカーカス部材の外周側所定位置に移動させて配置することにより、インナーライナおよびカーカス部材の膨出量を規制し、前記ターンアップを行なった後に、規制リングを退避させるように構成し、前記規制リングを、リング軸方向に並列して少なくとも3つ設け、それぞれの規制リングが独立して移動できるようにしたことを特徴とする空気入りタイヤの成形装置。
【請求項3】
前記規制リングを複数の円弧状のセグメントで構成し、これらセグメントのうち、少なくとも1つのセグメントの円弧長さを、他のセグメントの円弧長さと異ならせた請求項2に記載の空気入りタイヤの成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−86487(P2012−86487A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236224(P2010−236224)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】