説明

端末装置

【課題】 離れた場所に対応付けられたコンテンツであっても、適切なタイミングで表示することができる端末装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、有効となる時刻と地理的位置が関連つけられたコンテンツに対し、現在位置からコンテンツに記載された位置までの移動所要時間を計算し、コンテンツが有効となる時刻よりも移動所要時間分前もって利用者に表示するようにした。これにより、利用者は表示されたコンテンツを参照してから移動所要時間かけてコンテンツに記載された位置に移動し、コンテンツに記載された時刻に行われるイベントを体験することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信情報を表示する端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地理的位置に関する情報を、ユーザが端末で設定した時刻に表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。この方法は、地図情報とともにレストランなどの各種施設に関する情報を表示する車両用ナビゲーション装置に関する。具体的には、所望する施設のカテゴリと、その施設に関する情報を表示させる所望の表示時間とをユーザが設定することにより、例えば昼食の時間帯に自動的に端末装置の現在位置周辺のレストラン情報が表示できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2001−91274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の方法では、端末装置の現在位置周辺の情報を対象としており、離れた位置の情報に対応していない。そのため、ユーザが高い関心を持っている情報であっても、情報が対応付けられた場所の付近に端末装置が近づかない限り、該当する情報を表示することができないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、離れた場所に対応付けられたコンテンツであっても、移動を考慮した適切なタイミングで表示することができる端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の端末装置は、有効となる時刻と地理的位置が関連つけられたコンテンツに対し、現在位置からコンテンツに記載された位置までの移動所要時間を計算し、コンテンツが有効となる時刻よりも移動所要時間分前もって利用者に表示するようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特定の時刻に有効となるコンテンツを、そのコンテンツが関連付けられた地理的位置から端末装置が離れた距離にあっても移動所要時間を見込むことにより、コンテンツが有効となる時間より前に地理的位置に到着できるタイミングで表示することができる。つまり、利用者はコンテンツの表示を参照してから移動所要時間かけてコンテンツに記載された位置に移動し、コンテンツに記載された時刻に行われるイベント等を体験することができる。このように、コンテンツの効果を最大限にユーザに提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる端末装置は、コンテンツに付帯するコンテンツ位置情報を取得する位置情報取得部と、前記コンテンツに付帯する前記コンテンツが有効となる時刻を示すコンテンツ時刻情報を取得する時刻情報取得部と、現在位置を取得する現在位置取得部と、現在時刻を取得する現在時刻取得部と、前記コンテンツ位置情報と前記現在位置情報との距離を計算し前記コンテンツ位置情報が示す位置までの移動所要時間を計算する所要時間計算部と、前記移動所要時間を用いて、前記コンテンツを前記現在時刻において表示した場合に前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるかにより、当該コンテンツを表示すべきか否かを判断する表示制御部と、を有する構成を採る。
【0008】
これにより、コンテンツ時刻情報に有効となるコンテンツを、そのコンテンツに関連付けられたコンテンツ位置情報から端末装置が離れた距離にあっても移動所要時間を見込むことにより、端末装置がコンテンツ時刻情報より前にコンテンツ位置情報に到着できるタイミングで表示することができる。つまり、利用者はコンテンツの表示を参照してから移動所要時間かけてコンテンツ位置情報の位置に移動し、コンテンツ時刻情報に行われるイベント等を体験することができる。このように、コンテンツの効果を最大限にユーザに提供することができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様にかかる端末装置において、前記所要時間計算部が、前記コンテンツ位置情報と前記現在位置情報との距離を鉄道路線図または道路地図を用いて直線距離または移動経路の少なくとも一方を用いて計算し、徒歩、電車、自転車、自動車、船舶、航空機の少なくとも1つの移動手段の移動速度を想定して前記移動所要時間を計算する。
【0010】
これにより、徒歩、電車、自転車、自動車、船舶、航空機の少なくとも1つの移動手段を利用した移動を選択できる。
【0011】
本発明の第3の態様は、第1の態様にかかる端末装置において、前記表示制御部が、前記移動手段に応じて異なる表示を行う。
【0012】
これにより、容易に使用する移動手段を選択することができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、第3の態様にかかる端末装置において、前記表示制御部が、前記移動手段毎に、前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるか表示する。
【0014】
これにより、どの移動手段を用いれば、コンテンツ時刻情報より前にコンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるか容易に判断できる。
【0015】
本発明の第5の態様は、第1の態様にかかる端末装置において、前記端末装置の利用者の年齢、年代、性別、職業、趣味の少なくとも1つを含むプロファイル情報を管理するプロファイル情報管理部と、前記プロファイル情報と一致する属性情報を付帯する前記コンテンツを表示対象として選択するコンテンツ選択部と、を有し、前記コンテンツ選択部が選択した前記コンテンツに対して、前記コンテンツを前記現在時刻において表示した場合に前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるかにより、当該コンテンツを表示すべきか否かを判断する。
【0016】
これにより、プロファイル情報を用いてコンテンツを絞り込んでから、そのコンテンツを表示するか否かを判断できる。これは、大量に処理するコンテンツがある場合に好適である。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1の態様にかかる端末装置において、表示された前記コンテンツの表示時刻、表示回数、表示位置の少なくとも1つを含む表示履歴を管理する表示履歴管理部と、前記表示履歴に基づいて表示対象とするコンテンツを選択するコンテンツ選択部と、を有し、前記コンテンツ選択部が選択した前記コンテンツに対して、前記コンテンツを前記現在時刻において表示した場合に前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるかにより、当該コンテンツを表示すべきか否かを判断する。
【0018】
これにより、同一のコンテンツが繰り返し表示されることを避けることができる。
【0019】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかるコンテンツ配信システムの構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1にかかるコンテンツ配信システムの全体構成図である。
【0021】
端末装置202は、移動端末である。端末装置202の近くには、Aショッピングセンター204がある。また、端末装置202の位置から1時間の移動所要距離にはBコンサートホール205がある。端末装置202は、位置や時刻に関連したコンテンツを利用者に対して表示する。
【0022】
蓄積装置203は、位置や時刻に関連したコンテンツを蓄積する。端末装置202は、必要に応じて蓄積装置203からコンテンツを取り出して表示する。
【0023】
例えば、端末装置202は、近くのAショッピングセンター204の広告情報を表示する。これにより、利用者に自分の近くにある施設の内容を知ることができる。また、現在時刻が12時50分であるとき、13時からAショッピングセンターで開催されるイベントの情報206を端末装置202が表示することにより、時間の限定された情報を利用者にタイミングよく伝えることが可能となる。
【0024】
一方、距離の離れたBコンサートホール205で1時間後に開催されるイベントの情報207も、端末装置202がイベント開催1時間前に利用者に通知する。これにより、利用者は、1時間の移動所要時間の後にBコンサートホール205でのイベントを楽しむことが可能となる。
【0025】
このように、端末装置202は、位置や時刻に関連したコンテンツを、関連した時刻に関連した位置に到着できるようなタイミングで表示する。
【0026】
なお、端末装置202は、移動が可能な端末であるが、携帯電話型の端末であっても、車載型の端末であってもよいし、携帯型のコンピュータであってもよい。
【0027】
また、蓄積装置203は、CD−ROMなどの光ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体であり得る。
【0028】
また、端末装置202が表示するイベント情報206及び207は、蓄積装置203に予め蓄積されているものとするが、これは放送局201から放送を受信して蓄積されたものであっても、また通信サーバ208から通信により受信して蓄積されたものであってもよい。また、記憶媒体に記録されて配布されたものであってもよい。
【0029】
次に、実施の形態1にかかる端末装置202の構成について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1における端末装置202のブロック図である。
【0030】
端末装置202は、コンテンツ101を蓄積するコンテンツ蓄積部110が設けられている。コンテンツ蓄積部110は、蓄積装置203に蓄積されているコンテンツを格納する。コンテンツの形式としては、テキスト、静止画、音声、動画、コンピュータグラフィックス、あるいはそれらの組み合わせであることが考えられる。また、コンテンツ101には、位置情報と時刻情報が関連付けられて記載されている。コンテンツ101の種類の例としては、位置情報で指定された場所にある店舗や施設において、特定の時刻に行われる行事や催し物などのイベントに関する案内や宣伝広告があり得る。位置情報は、緯度と経度の組み合わせである点を表現していてもよいし、複数の点で囲まれた領域を表現していてもよい。また、位置情報は、緯度と経度ではなく、郵便番号や住所で点または領域を表現していてもよい。時刻情報は、1つの時刻によりある一時点を表現していてもよいし、開始時刻と終了時刻との組み合わせで期間を表現していてもよい。
【0031】
コンテンツ101に記載される位置情報及び時刻情報は、コンテンツ101の一部として、コンテンツのヘッダ部などに書かれてもよいし、コンテンツ101とは別のファイルなどに書かれてもよい。
【0032】
コンテンツ101に付与される位置情報及び時刻情報について、図3を用いて説明する。図3は、コンテンツ101の記述を示す図である。図3ではコンテンツ101の例としてHTMLを用いるが、他のフォーマットを用いても良い。また、図3の各行の左端は説明の都合上、行番号を記載してある。
【0033】
図3は01行から始まり11行で終わるHTMLコンテンツの例である。図3の02行の<head>から06行の</head>までがヘッダ部であり、07行の<body>から10行の</body>までがコンテンツの本体となっている。
【0034】
この例では、04行に位置情報(pos:)が記述され、位置情報の詳細として緯度(Lat:N35.20.45.1)と経度(Lon:E135.15.27.6)が記述されている。
【0035】
また、05行に時刻情報(time:)が記述され、時刻情報の詳細として開始時刻(Begin:20050301140000、2005年3月1日14時)及び終了時刻(End:20050301160000、2005年3月1日16時)が記述されている。
【0036】
このように、コンテンツ101の一部には、位置情報及び時刻情報が記載されている。
【0037】
なお、位置情報及び時刻情報は、コンテンツ101と別のファイルに記載されていても良い。図4は、位置情報及び時刻情報をコンテンツとは別のファイルとした記述例を示す図である。なお、図4では記載方法の例としてXMLを用いるが、他の記載方法で記載してもよい。図4も、図3同様に各行の左端は説明の都合上、行番号を付してある。
【0038】
図4は01行から始まり12行で終わる位置情報及び時刻情報の例である。図4では、03行に対応するコンテンツを特定する情報が記載されている。この例ではconcert.htmlで特定されるコンテンツに関する位置情報及び時刻情報であることを示す。
【0039】
また、04行から07行までに位置情報が記述されている。具体的には、05行の<Latitude>に緯度が記述され、06行の<Longitude>に経度が記述されている。
【0040】
また、08行から11行までに時刻情報が記述されている。具体的には、09行の<BeginTime>に開始時刻が、10行の<EndTime>に終了時刻が記述されている。
【0041】
ここで、図2を用いて端末装置202の説明に戻る。
【0042】
位置情報取得部102は、蓄積されたコンテンツ101から、コンテンツ101に記載された位置情報を取得する。時刻情報取得部103は、蓄積されたコンテンツ101から、コンテンツ101に記載された時刻情報を取得する。
【0043】
現在位置取得部104は、端末装置202がいる現在位置情報を取得する。現在位置取得部104が現在位置情報を取得する方法としては、専用の衛星の電波から位置情報を計算するGPS(Global Positioning System)を用いる方法や、接続している携帯電話の基地局から基地局のIDまたは位置情報を取得する方法などが考えられる。
【0044】
現在時刻取得部105は、現在の時刻情報を取得する。
【0045】
所要時間計算部106は、現在位置取得部104が取得した端末装置202の現在位置と、位置情報取得部102が取得したコンテンツ101の位置情報とを用いて、現在位置からコンテンツ101に記述された位置情報が示す位置まで移動するのに必要な移動所要時間を計算する。所要時間計算部106の移動所要時間の計算方法としては、例えば、以下の方法が考えられる。
【0046】
1)直線距離を計算し、予め想定した移動手段(例えば自動車)での移動速度(例えば時速30キロメートル)で割って移動所要時間を計算する。
【0047】
2)地図情報を予め保持し、移動経路を計算して移動距離を求める。求めた移動距離を予め指定した移動手段での移動速度で割って移動所要時間を計算する。
【0048】
3)電車やバスの路線図情報を予め保持し、路線図情報を用いて移動経路を計算する。移動経路上の各移動区間の距離と使用する交通手段、交通手段の乗り継ぎ時間、徒歩での移動時間などを考慮して移動所要時間を計算する。また、移動所要時間を計算する際、運転時刻表から運転時刻を加味して計算してもよい。
【0049】
表示時刻計算部107は、現在時刻取得部105が取得した現在時刻から、時刻情報取得部103が取得したコンテンツの時刻情報までの残り時間を計算する。
【0050】
表示制御部108は、移動所要時間と表示時刻計算部107が計算した残り時間とを比較し、移動所要時間が残り時間とほぼ等しい場合に該当するコンテンツを表示部109で表示するという判断をする。すなわち、表示制御部108は、コンテンツ101を現在時刻において表示した場合に、コンテンツ101が有効となる時刻よりも前に端末装置202が到着できるか判断することにより、コンテンツ101を表示すべきか否かを判断する。
【0051】
表示部109は、表示制御部108が表示することを決定したコンテンツの表示を行う。表示部109は、コンテンツ表示のほか、音声案内や音楽の提示も行う。
【0052】
以上のように、端末装置202は、構成されている。
【0053】
次に、端末装置202のコンテンツ表示処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
まず、端末装置202は、蓄積装置203に蓄積されているコンテンツ101をコンテンツ蓄積部110に蓄積する(ST501)。次に、端末装置202の位置情報取得部102が蓄積されたコンテンツ101から位置情報を取得し、時刻情報取得部103がコンテンツ101から時刻情報を取得する(ST502)。
【0055】
また、新たなコンテンツ101をコンテンツ蓄積部110に蓄積した等、コンテンツ101の更新があった場合は、端末装置202は、位置情報及び時刻情報の取得を再度行う。
【0056】
次に、端末装置202は、以下の処理を繰り返し実施する。端末装置202が、以下の処理を実施するタイミングとしては、一定時間間隔、端末装置202が一定距離移動した後、などが考えられる。
【0057】
まず、現在位置所得部104が、端末装置202の現在位置情報を取得し、現在時刻取得部105が現在時刻情報を取得する(ST503)。
【0058】
次に、所要時間計算部106が、現在位置取得部104が取得した現在位置情報と、位置情報取得部102が取得したコンテンツ101の位置情報との距離を計算する。そして、所要時間計算部106が、計算した距離を用いることで、想定した交通手段を用いて現在位置からコンテンツの位置まで移動するのにかかる移動所要時間を計算する(ST504)。
【0059】
次に、表示時刻計算部107は、現在時刻取得部105が取得した現在時刻から、時刻情報取得部103が取得したコンテンツの時刻情報までの残り時間を計算する(ST505)。
【0060】
次に、表示制御部108は、移動所要時間と表示時刻計算部107が計算した残り時間とを比較し(ST506)、移動所要時間が残り時間とほぼ等しい場合に該当するコンテンツを表示部109で表示する(ST507)。すなわち、表示制御部108は、コンテンツ101を現在時刻において表示した場合に、コンテンツ101が有効となる時刻よりも前に端末装置202が到着できるか判断することにより、コンテンツ101を表示すべきか否かを判断する。
【0061】
現在位置から該当コンテンツの位置までの移動所要時間と、現在時刻から該当コンテンツに指定された時刻情報までの残り時間との比較により表示を行うかどうかの判断は、以下の式によって行うことができる。
【0062】
A=(残り時間)−(移動所要時間)
(1)δ<A ・・・残り時間に余裕がある(まだ表示しなくてよい)
(2)δ≦A≦δ ・・・移動すると所定の時刻になる(表示するタイミング)
(3)A<δ ・・・残り時間が移動所要時間に足りない(表示不可)
ここでδ<δとする。
【0063】
例えば、現在位置から該当コンテンツの位置までの移動所要時間が60分であり、δ=0、δ=10分とする。現在時刻から該当コンテンツに指定された時刻情報までの残り時間が90分であればA=30分となり、移動時間に余裕があるので、(1)の通りまだ表示する必要はない。残り時間が30分であればA=−30分となり、移動しても間に合わない(3)のケースとなるので、そのコンテンツの表示は利用者にとって効果がない。残り時間が65分であれば、A=5分であり、60分かけて移動してから5分後にコンテンツの指定時刻となるため、(2)のケースで今がそのコンテンツの表示タイミングとしては適当であるという判断が可能となる。
【0064】
そして、端末装置202は、上述した通り一定時間間隔が経過した後、または一定距離移動した後、などの実施のタイミングにおいて、再びST503以降を繰り返す。
【0065】
次に、ST507において、端末装置202が表示部109へのコンテンツの表示方法について、図6を用いて説明する。端末装置202の表示制御部108が表示部109へ表示する手順は以下の順番になる。
【0066】
まず、表示制御部108は、端末装置202が利用者に参照されていない場合に、表示部109を用いて、表示すべきコンテンツ101があることを警告音、振動、コンテンツの音声のみの再生、などの手段で利用者に通知する。
【0067】
次に、表示制御部108は、601に示すように、表示すべきコンテンツ101の一覧を表示する。また、表示制御部108は、605に示すように、コンテンツ101の一覧とともに計算した移動所要時間を表示する。また、この際、表示制御部108は、表示すべきコンテンツ101を移動所要時間の短い順に並べて表示する。
【0068】
次に、端末装置202に対して、コンテンツ101の選択があった場合(図では1を入力する)と、表示制御部108は、602に示すように、選択されたコンテンツの詳細情報を表示する。さらに、表示制御部108は、602に示すように、コンテンツ101の詳細情報からさらに、地図や電車の路線図など移動方法を表示する画面への移動ボタン(図の[詳細])を表示する。
【0069】
なお、最初の段階で表示すべきコンテンツ101が1つしかない場合は、表示制御部108は、コンテンツ101の一覧を表示せずに、602に示すコンテンツ101の詳細のみを表示する。
【0070】
また、端末装置202が別の用途で利用者に参照されている場合、以下の順番でコンテンツを表示する。
【0071】
例えば、603に示すように、利用者が電子メールを参照している場合、表示制御部108は、606に示すように、画面の一部にコンテンツ101を割り込み表示する。次に、利用者が割り込み表示したコンテンツ101の部分を左方向にスクロール表示させると、表示制御部108は、図中604の607に示すようにコンテンツ101の内容をスクロールする。これにより、利用者は、コンテンツ101の内容の全体を把握できる。
【0072】
さらに、利用者が割り込み表示したコンテンツ101の詳細を知ろうとして「#」を入力すると、表示制御部108は、602に示すようにこのコンテンツ101の詳細情報を表示する。
【0073】
次に、端末装置202が、動画コンテンツを表示されている場合のコンテンツ表示手順について、図7を用いて説明する。
【0074】
端末装置202の表示制御部108は、701に示すように動画コンテンツを表示している場合、702に示すように動画コンテンツの再生をいったん中断してCMのように表示すべきコンテンツの詳細情報を一定時間だけ画面全体に割り込み表示してから、703に示すように、動画コンテンツの再生を再開する。
【0075】
なお、端末装置202は、701に示すように動画コンテンツを表示している場合、図6の603に示す画面と同様に画面の一部を使って割り込み表示してもよい。
【0076】
このように、端末装置202は、位置や時刻に関連したコンテンツ101を、関連した時刻に関連した位置に到着できるようなタイミングで表示する。
【0077】
また、端末装置202は、複数の移動手段を想定していてもよい。例えば、ST504において、所要時間計算部106が現在位置とコンテンツの位置情報との距離を計算する際、徒歩、電車、自転車、自動車、船舶、航空機での移動経路をそれぞれ計算する。また、それぞれにかかる移動所要時間を、想定平均移動速度や時刻表などから計算してもよい。
【0078】
また、この場合、所要時間計算部106は、自動車の場合一般道路と有料道路とを区別して計算したり、電車の場合通常料金と有料特急を利用した場合とを区別して計算したりしてもよい。この場合の表示例を図8に示す。
【0079】
表示制御部108は、画面801の802に示すように、通常の移動では間に合わないこと、または急がないと(特急を使用しないと)間に合わないことを表示する。
【0080】
このように、コンテンツ101の詳細を表示する際に、代替の移動手段があることを表示するだけでなく、移動手段に応じて間に合う、間に合わないという表示をすることができる。これにより、利用者に対してどのような移動手段があるのか、また、どのような移動手段を使用すれば間に合うのか認識させることができる。また、間に合う移動手段と間に合わない移動手段において、文字や色、音声など表示・提示の仕方を変えることにより、利用者が容易に使用する移動手段を選択することができる。
【0081】
以上説明したように、実施の形態1によれば、特定の時刻に有効となるコンテンツ101を、そのコンテンツ101に関連付けられた地理的位置から端末装置202が離れた距離にあってもその間の移動所要時間を見込むことにより、コンテンツ101が有効となる時間より前に端末装置202がコンテンツに関連付けられた地理的位置に到着できるタイミングで表示することができる。つまり、利用者は、コンテンツ101の表示を参照してから移動所要時間かけてコンテンツ101に記載された位置に移動し、コンテンツ101に記載された時刻に行われるイベント等を体験することができる。つまり、コンテンツ101の効果を最大限にユーザに提供することができる。
【0082】
なお、表示時刻計算部107が、コンテンツ101に記載された時刻情報と、所要時間計算部106が計算した移動所要時間とから、コンテンツ101を表示すべき時刻を計算し、表示制御部108が、現在時刻取得部105が取得した現在時刻と、表示時刻計算部107が計算したコンテンツの表示時刻とを比較して、コンテンツを表示するかどうかを決定する形態であっても良い。詳細には、表示時刻計算部107が移動所要時間からコンテンツ101に記載された時刻情報までに移動を完了できる時刻を、コンテンツ101を表示すべき時刻として計算する。すなわち、所要時間計算部106は、コンテンツ101に記載された時刻情報から移動所要時間を引いた時刻を、コンテンツ101を表示すべき時刻として計算する。
【0083】
例えば、コンテンツが14時のイベントについての情報であり、そのイベントが催される場所までの移動所要時間が30分であるとすると、遅くとも13時30分に利用者にそのコンテンツを表示しなければ、移動してもイベントに間に合わないことがわかる。そこで、表示時刻計算部107は、13時30分を表示すべき時刻として計算する。そして、表示制御部108は、現在時刻が13時であれば表示する必要はないが、現在時刻が13時20分だった場合、移動の余裕を見てコンテンツを表示する、といった判断をする。
【0084】
また、端末装置202の応用例として、スケジュール管理端末が考えられる。仕事上の会議や趣味のイベント、待ち合わせなどについて、時刻と場所を指定することにより、利用者がスケジュール管理するイベントを忘れていて離れた場所にいたとしても、利用者にイベントの予告を通知することが可能となる。また、スケジュールを利用者が直接入力するだけでなく、放送や通信で受信したコンテンツのうち利用者が関心のあるコンテンツのみをそのままスケジュールとして入力することにより、利用者に関心のある未知のイベントの存在をタイミングよく通知することが可能となる。受信したコンテンツのスケジュールへの入力は、利用者のプロファイル情報とコンテンツの属性情報との一致により自動的に実施されるのが望ましい。
【0085】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2にかかる端末装置について説明する。実施の形態2は、コンテンツを受信し、受信したコンテンツを選別してから、実施の形態1にかかる表示制御を行うようにしたものである。
【0086】
次に、実施の形態2にかかる端末装置の構成について、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態2にかかる端末装置の構成図である。なお、図9において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0087】
実施の形態2にかかる端末装置900には、放送または通信で伝送されてきたコンテンツ101を受信する受信部901が設けられている。受信部901は、受信したコンテンツ101を蓄積部902に蓄積する。
【0088】
また、端末装置900には、端末装置の利用者のプロファイル情報として、例えば年齢、年代、性別、職業、趣味などの情報を蓄積しておくプロファイル情報管理部903が設けられている。また、表示履歴管理部905は、表示制御部108が表示したコンテンツ101の表示履歴を管理する。
【0089】
また、端末装置900には、蓄積部902に蓄積されたコンテンツ101から表示選択処理対象のコンテンツ101を選択するコンテンツ選択部904が設けられている。コンテンツ選択部904は、現在位置取得部104で取得する現在位置情報を使って、蓄積部902に蓄積されたコンテンツから現在位置から一定の距離以内の位置が対応付けられたコンテンツ101を選択する。例えば、コンテンツ選択部904は、現在位置から距離30km以内に対応付けられたコンテンツ101を表示選択処理対象とすることにより、時間に換算しておよそ1時間で移動できる範囲のコンテンツ101に絞って表示選択処理をすることができる。
【0090】
また、コンテンツ選択部904は、プロファイル情報管理部903が管理する利用者のプロファイル情報と一致するコンテンツ101のみを表示選択対象として選択する。これにより、例えば、コンテンツ101に図3や図4の位置及び時刻情報と同様にコンテンツに関する属性情報を記載することにより、情報を絞ることができる。例えば、利用者がスポーツに関心がある場合、遠く離れた位置に関連するコンテンツ101であっても、属性情報にスポーツに関する記載のあるコンテンツ、スポーツイベントやスポーツ店などの情報に絞って表示の確認をすることができる。
【0091】
また、コンテンツ選択部904は、現在時刻を用いて、現在位置より以前の時刻情報が対応付けられたコンテンツ101や、遠い将来が対応付けられたコンテンツ101を省くようにする。これにより、すでに有効でなくなったコンテンツ101や、有効ではあるがしばらくは使用しないコンテンツ101を省くことができる。
【0092】
また、コンテンツ選択部904は、表示履歴管理部905が管理するコンテンツ101の表示履歴に基づいて、表示選択対象のコンテンツ101を選択する。これにより、同一のコンテンツ101が繰り返し表示されることを避けることができる。
【0093】
第1の例として、表示履歴管理部905がコンテンツの表示時刻を管理する場合がある。コンテンツ選択部904は、表示時刻が所定の時間内であるコンテンツ、例えば1分前に表示されたコンテンツを、選択対象から除外することにより、コンテンツの繰り返し表示を防ぐ。
【0094】
第2の例として、表示履歴管理部905がコンテンツの表示回数を管理する場合がある。コンテンツ選択部904は、表示回数が所定の回数以上であるコンテンツ、例えば5回以上表示されたコンテンツを選択対象から除外することにより、コンテンツの繰り返し表示を防ぐ。
【0095】
第3の例として、表示履歴管理部905がコンテンツの表示位置を管理する場合がある。コンテンツ選択部904は、現在位置取得部104が取得した現在位置と表示位置との距離を計算し、一定以内の距離のコンテンツ、例えば前回表示してから100mしか移動していない位置にあるコンテンツを選択対象から除外することにより、コンテンツの繰り返し表示を防ぐ。
【0096】
このように、コンテンツ選択部904は、表示選択対象とするコンテンツ101を絞り込んで出力する。なお、コンテンツ選択部904が、コンテンツ101を絞り込む条件は、現在位置情報、現在時刻情報、プロファイル情報、表示履歴の全てでなくても、いずれかひとつ、もしくは組み合わせても良い。
【0097】
以上説明したように、実施の形態2によれば、受信したコンテンツ101が大量にある場合に、予め所定の条件で絞込むことができる。これは、通信等を用いて大量のコンテンツ101を扱う形態に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によれば、離れた場所に対応付けられたコンテンツであっても、移動を考慮した適切なタイミングで表示することができる。また、本発明は、受信した放送コンテンツ、通信コンテンツ、もしくは蓄積されたコンテンツを表示する携帯コンテンツ表示装置、車載コンテンツ表示装置等に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態1における全体構成を示す図
【図2】実施の形態1における端末装置の構成図
【図3】実施の形態1におけるコンテンツの例を示す図
【図4】実施の形態1におけるコンテンツの付帯情報の記述例を示す図
【図5】実施の形態1における端末装置の処理手順を説明するフローチャート
【図6】実施の形態1における端末装置のコンテンツの表示例を示す第1の図
【図7】実施の形態1における端末装置のコンテンツの表示例を示す第2の図
【図8】実施の形態1における端末装置のコンテンツの表示例を示す第3の図
【図9】本発明の実施の形態2における端末装置の構成図
【符号の説明】
【0100】
101 コンテンツ
102 位置情報取得部
103 時刻情報取得部
104 現在位置取得部
105 現在時刻取得部
106 所要時間計算部
107 表示時刻計算部
108 表示制御部
109 表示部
202、900 端末装置
901 受信部
902 蓄積部
903 プロファイル情報管理部
904 コンテンツ選択部
905 表示履歴管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツに付帯するコンテンツ位置情報を取得する位置情報取得部と、前記コンテンツに付帯する前記コンテンツが有効となる時刻を示すコンテンツ時刻情報を取得する時刻情報取得部と、現在位置を取得する現在位置取得部と、現在時刻を取得する現在時刻取得部と、前記コンテンツ位置情報と前記現在位置情報との距離を計算し前記コンテンツ位置情報が示す位置までの移動所要時間を計算する所要時間計算部と、前記移動所要時間を用いて、前記コンテンツを前記現在時刻において表示した場合に前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるかにより、当該コンテンツを表示すべきか否かを判断する表示制御部と、を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記所要時間計算部が、前記コンテンツ位置情報と前記現在位置情報との距離を鉄道路線図または道路地図を用いて直線距離または移動経路の少なくとも一方を用いて計算し、徒歩、電車、自転車、自動車、船舶、航空機の少なくとも1つの移動手段の移動速度を想定して前記移動所要時間を計算することを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記表示制御部が、前記移動手段に応じて異なる表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記表示制御部が、前記移動手段毎に、前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるか表示することを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
前記端末装置の利用者の年齢、年代、性別、職業、趣味の少なくとも1つを含むプロファイル情報を管理するプロファイル情報管理部と、前記プロファイル情報と一致する属性情報を付帯する前記コンテンツを表示対象として選択するコンテンツ選択部と、を有し、
前記コンテンツ選択部が選択した前記コンテンツに対して、前記コンテンツを前記現在時刻において表示した場合に前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるかにより、当該コンテンツを表示すべきか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
表示された前記コンテンツの表示時刻、表示回数、表示位置の少なくとも1つを含む表示履歴を管理する表示履歴管理部と、前記表示履歴に基づいて表示対象とするコンテンツを選択するコンテンツ選択部と、を有し、
前記コンテンツ選択部が選択した前記コンテンツに対して、前記コンテンツを前記現在時刻において表示した場合に前記コンテンツ時刻情報より前に前記コンテンツ位置情報に対応する位置に到着できるかにより、当該コンテンツを表示すべきか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−41955(P2007−41955A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227010(P2005−227010)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】