説明

細胞毒性作用を有するコンブレタスタチン誘導体

本明細書に記載の本発明は以下の一般式(I)を有する全合成によって得られる新規コンブレタスタチン誘導体に関する:


(I)
[式中の基は明細書に定義されている]。該化合物はシス/トランス-コンブレタスタチンの構造と化学的に関連しているが、常にチューブリンに結合するわけではなく、にもかかわらず、抗癌および/または抗血管新生薬として腫瘍学分野で注目されている細胞毒性活性を示す。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の本発明は、全合成によって得られる新規コンブレタスタチン誘導体、その調製方法、その医薬としての使用およびそれを含む組成物に関する。
【0002】
各生成物を開発する戦略は以下からなる群から選択されている: (i)イソキサゾールまたは4,5-ジヒドロ-3-R-イソキサゾール型の複素環による、オレフィン結合の置換、または、ii)オレフィン結合に存在する一方または両方のHの、フッ素による置換、および/または iii)ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドールおよびインダゾール、フランまたはチオフェン型の芳香族複素環残基、または官能基を有してもよい置換基を有するナフチル基による、芳香族残基の置換、および/または iv) トリメトキシフェニル上の1以上のメトキシ残基の、別の置換基による置換。該化合物は、シス/トランス-コンブレタスタチンの構造に化学的に関連しているが、常にチューブリンと結合するわけではなく、にもかかわらず抗癌または抗血管新生薬として腫瘍学分野において注目される細胞毒性活性を示す。
【0003】
抗チューブリン活性は抗癌活性に必須の条件であるとは考えられていない; 実際、コンブレタスタチンの抗癌活性は一連の薬力学的型および薬物動態的型の成分の結果である。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
成人における血管新生は通常静止状態であるが、それは例えば、創傷治癒または女性の生殖周期の間の子宮内膜の再構築などにおいて正常の機能を構成する。血管新生応答は血管機能が低下し、組織灌流が不十分になった場合に生理的に刺激される。
【0005】
より一般的には、生理条件における血管新生は、不十分な灌流、または例えば動脈閉塞の場合の酸素および栄養素の供給の低下、組織マスが生育する状況 (例えば筋肉組織の形成に伴う新血管形成);そして作業負荷が高まることに伴う酸素と栄養素の要求の高まりに応答して正のフィードバックの形態を構成すると主張されている。動脈の部分的または完全な閉塞による局所虚血の過程において、灌流を維持するためには、側副血管の発達が必要である。
【0006】
原発性腫瘍の増殖は、腫瘍組織の良好な血管形成によって促進されることが知られている。酸素と栄養素の十分な供給により、腫瘍自体が急速に増殖する。血管新生の程度は 新生物の予後において非常に有害な因子であることが示されている(van Hinsbergh、V.W.、Collen、A.、Koolwijk、P.: Ann. On-col.、10 Suppl.、4:60 3、1999; Buolamwini、J.K.: Curr.、Opin.、Chem.、Biol.、3(4):500 9、1999)。
【0007】
化学治療薬の創薬に向けられた研究により、チューブリンが潜在的な細胞標的であると同定された。微小管凝集を変化させることが出来る物質は細胞増殖を阻害することも出来る。
【0008】
微小管は細胞構造の制御、細胞分裂、および細胞代謝において非常に重要な役割を果たしている。真核細胞の微小管システムには、癌細胞と正常細胞の両方においてチューブリンヘテロダイマーが重合して微小管を形成するマトリックスの凝集と脱凝集との動的組織化が含まれる。微小管の重合または脱重合を変化させることが出来る細胞毒性薬は有効な化学治療薬であることが判明した。
【0009】
アフリカのヤナギの品種Combretum caffrum (Combretaceae)から単離されたコンブレタスタチン A-4 (CA-4) (Pettit、G.R. et al.: Experientia、1989、45、209)は、コルヒチンが結合するのと非常によく似た部位においてチューブリンに強く結合するという、抗チューブリン機構を有する有望な抗癌能力を示す(Lin、C.N. et al.; Biochemistry、1989、28、6984)。チューブリンへのこの結合は抗分裂効果があり、その微小管への重合を阻害する。CA-4はナノモルオーダーの非常に低濃度においてさえ細胞増殖を阻害する。
【0010】
CA-4のリン酸塩「CA-4P」(Pettit、G.R. et al.; Anticancer Drug Des. 1995、10、299)は、水溶性であり、現在フェーズII臨床試験に入っている。
【0011】
腫瘍新血管形成を選択的に阻害するコンブレタスタチンの能力により、この化合物は非常に興味深く、新規かつより強力な化合物の探索が推し進められている。
【0012】
最近、多くの研究により、CA-4Pなどの抗血管新生活性を有するかなりの数の化合物が、網膜症の形態のよく特徴づけられたマウスモデルにおいて網膜の新血管形成を阻害することが出来ることが示された。これらの研究はCA-4Pと新規誘導体の両方が腫瘍学と眼科学の両方の分野における抗血管新生薬として有用に用いることが出来ることを示唆する(Griggs J. et al.: Am. J. Pathol. 2002、160(3)、1097-103)。
【0013】
にもかかわらずコンブレタスタチンの非常に顕著な細胞毒性能力はその抗チューブリン効果のみに起因するものではない。類似の構造を有する化合物であって、顕著な細胞毒性を示すが、コンブレタスタチンと同様な高度の抗チューブリン活性を示さない化合物がある。
【0014】
薬物動態的側面に加えて、いまだに研究対象である多くの薬力学的側面があり、研究はまだ始まったばかりであるため、最終的な応答を与えるのに用いうる十分な文献データが存在しない(Le Wang et al.: J. Med. Chem、2002、45、1697-1711)。
【0015】
化学的観点からは、コンブレタスタチン、コルヒチンまたはそれらの誘導体の2つの芳香環の間の距離が、このクラスの化合物の抗チューブリン性に常に要求される条件であることが知られている(McGown、A.T. et al.; a) Bioorg. Med. Chem. Lett.、1988、8(9)、1051-6; b) Bioorg. Med. Chem. Lett. 2001、11(1)、51-4)。
【0016】
二重結合のインドリルオキサゾリン残基による置換(Qun Li、Q. et al.: Bioorg. Med. Chem. Lett.、2002、12(3)、465-9)によりコンブレタスタチン誘導体、A-289099が導かれ(芳香環はN-Me-インドール残基で置換されている)、それは比較対照化合物と匹敵する抗癌活性を有していた。
【0017】
チューブリン重合を阻害するスチルベンおよびジヒドロスチルベン誘導体が以下に記載されている:Cushing et al. (J. Med. Chem.、1991、34、2579-2588; 1992、35、2293-2306、US 5,430,062)、Woods et al. (British Journal of Cancer、1995、71、705-711)、US 5,512,678、US 5,525,632 およびOhsumi et al. (J. Med. Chem.、1998、41、3022-3032)、Hatanaka et al. (Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、1998、8、3371-3374)、Maya et al. (Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2000、10、2549-2551)、Li et al. (Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2002、12、465-469)、Hori et al. (British Journal of Cancer、2002、86、1604-1614)、WO 02/50007、Pettit et al. (J. Med. Chem.、2003、46(4)、525-531)、Wang et al. (J. Med. Chem.、2002、45、1697-1711)、Kim et al. (Chem. Pharm. Bull.、2003、51(5)、516-521)。
【0018】
同様に腫瘍細胞の生物学における基本的段階はその転移能力の獲得にあるということが癌分野で周知である。
【0019】
転移する腫瘍細胞は周囲の構造への接着を失う能力があり、血管およびリンパ管に侵入し離れた別の組織に定着し、そこでまた増殖し続ける。
【0020】
転移拡散も疾患の病歴において重要な事象であり、癌による主な死因である。転移拡散は腫瘍部位または隣接領域における脈管組織の存在と密接に関連しており、その存在によって促進される。
【0021】
実際、癌細胞の周囲構造を通る移動により、腫瘍における既存のものであるかあるいは新血管新生により形成された血管に、細胞が到達し、そしてそこから血流へと進む (Ray、J.M.、Stetler-Stevenson、W.G.: Eur. Respir. J.、1994、7(11):2062 72; Stetler-Stevenson、W.G.、Liotta、L.A.、Kleiner D.E. Jr.: FASEB J.、1993、7(15):1434 41)。
【0022】
リンパ管と血管の間の連絡経路の存在により癌細胞は両方の脈管系を動くことが出来る。
【0023】
最近の研究により血管新生と関節炎疾患との直接の関係が明らかにされた (Koch、A.E.: Arthritis and Rheumatism、1998、41:951 962)。特に、関節軟骨の新血管形成はパンヌスの形成および関節炎の進行に必須の役割を果たしていることが示された。正常な軟骨には血管は無いが、関節炎患者の滑液には内皮細胞によって生産された血管新生刺激因子が含まれている(内皮細胞血管新生刺激因子= ESAF)。
【0024】
この因子の存在は軟骨の血管形成と分解に関係している。
【0025】
その他にも異常な血管新生に関連する疾患がある。
【0026】
患部組織の新血管形成は糖尿病性網膜症 (Histol. Histopathol.、1999; 14(4):1287-94)、乾癬 (Br. J. Dermatol.、1999 141(6):1054-60)、慢性炎症およびアテローム性動脈硬化症 (Planta Med.、1998; 64(8):686-95) を起こす原因因子であることが判明した。
【0027】
新血管形成の制御はそれゆえかかる疾患の管理と治療に重要な要素の1つである。
【0028】
抗血管新生活性を有する新規薬剤の分野において過去数年にわたって進展がみられたにもかかわらず、医薬分野の多くの専門家によるとこの研究分野は、異常な血管新生によって特徴づけられる疾患、特に腫瘍の治療のための新たな薬剤の創薬にもっとも有望なものの一つであるとみなされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
実際、これら疾患については、副作用がより少なく、上記疾患の基礎にある異常な機構を阻害または干渉することが出来、そしてかかる疾患の治療を可能にする新規化合物がいまだに非常に強く必要とされている。
【0030】
コンブレタスタチンの二重オレフィン結合と芳香環との両方を修飾することにより、以下に記載する一般式 (I)の抗チューブリンおよび/または細胞毒性を有する化合物が得られ、それは、異常な血管新生によって起こる疾患および腫瘍の治療に有用な薬剤であるということが驚くべきことに見いだされた。
【0031】
全く予測しなかったことに、本発明による誘導体は、抗チューブリン活性が低いか、または存在しない場合でさえその細胞毒性活性が顕著であることが示された。
【課題を解決するための手段】
【0032】
発明の概要
本発明の一つの目的は式(I)の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、対応する混合物およびその医薬上許容される塩である:
【化1】

(I)
[式中;
様々なR1、R2、R3およびR4は同一であっても異なっていてもよく、H、OH、OPO3H2またはOCH2OPO3H2およびそれらの二ナトリウム塩、OMe、OCH2O、NO2、F、Cl、Br;
-R1-R2-はともに以下であってもよい: -CR8=CR9-X-
Yは以下から選択される基;
【化2】

R5およびR6は同一であっても異なっていてもよく、Hまたはハロゲン;
R7はH、OMe、SO2Ph;
Arは以下から選択される基:
【化3】

R8、R9およびR10は同一であっても異なっていてもよく、H、OH、OPO3H2またはOCH2OPO3H2 およびそれらの二ナトリウム塩、OR11、OCH2O、NH2、NHR11、NO2、アルキル (C1-C4)、C6H5、C5H4Nまたはハロゲン;
R11はC1-C4 アルキルまたはアシル、アミノ酸残基;
XはO、S、N、NR12;
R12はH、CH3、CH2Ph;
ZはCH、N;
但し式(I)の化合物はコンブレタスタチン A-1、コンブレタスタチン A-2、コンブレタスタチン A-4、およびそれらのリン酸二ナトリウム誘導体ではなく、以下の化合物は除かれる:
2-フェニル-6-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2,3-ジフェニル-6-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(3,4-ジメトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(3,4,5-トリメトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(3,4-メチレンジオキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2,3-ジフェニル-6-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-5-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-5-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-5-(3,4-メチレンジオキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-6-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-6-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-6-(4-クロロ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
ピセタノール;
1-(3-フラニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
1-(3-チオフェニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
1-(2-フラニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
そして以下を条件とする;
- R1 が水素、R2- R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10はメトキシではない;
- R1 が水素、R2- R4 が3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は 2-クロロ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4がトリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素、R2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-クロロ、4-ブロモ、4-ニトロ、4-ヒドロキシ、4-アセチル、4-エトキシ、4-C1-C4 アルキルのいずれでもない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-ニトロまたは4-アミノ、R10は3-クロロ、3-メトキシ、3-メチルのいずれでもない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-ニトロまたは3-アミノ、R10 は3-クロロ、3-メトキシ、3-メチルのいずれでもない;
- R1 が水素、R2-R4が 2,3,4-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8の少なくとも1つは水素、R9は3-メトキシ、R10は5-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8 -R10はメトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9-R10は3,5-ジメトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,5-メトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,5-メトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-アセチルではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Ar はピリジルではない;
- R1 が水素、 R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-NHR11、R11はセリン残基ではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は炭素原子1〜3の4-アルキルオキシ基または炭素原子1〜4の4-アルキル基またはハロゲン原子ではない。
- R1 が水素、R2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4は5-メトキシ、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 2,3,4-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNHR11、R11はセリン残基、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4は4-メトキシ、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNHR11、R11はアミノ酸残基システイン、グリシン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン、チロシン、バリン、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNO2またはNH2、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8 -R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-フルオロではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メチル、R10は3-フルオロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は3-フルオロ、R9は4-メトキシ、R10は2-または5-フルオロではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3- ヒドロキシまたは3-アミノではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-フルオロまたは3-ブロモではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-ヒドロキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-メチル、R10は4-メチルではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-ヒドロキシではない;
- R1- R2が水素、R3-R4が3,5-ジヒドロキシの場合、Yはトランス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-ヒドロキシ、R10は5-ヒドロキシではない;
- R1-R3が水素の場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9およびR10は3,4-ジメチル、R4は4-メトキシではない;
- R1-R2が水素の場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9およびR10は3,4-ジメチル、R4は4-メトキシ、R3は3- フルオロまたは3-ブロモまたは3-ニトロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1-R2が水素の場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10は3,4,5-トリエトキシ、R4は4-メトキシ、R3は3-フルオロまたは3-クロロまたは3-ブロモまたは3-ヒドロキシではない;
- R1-R2が水素の場合、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R9は4,5-ジメトキシ、R10は3-ヒドロキシ、R3は3-フルオロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1-R2が水素の場合、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R9は4,5-ジメトキシ、R10は3-メトキシ、R3は3-フルオロではない;
- R1 が水素の場合、R2-R4は3,4,5-トリメトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arは 2-ナフチル、R8- R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1およびR2が水素の場合、R3は3-ヒドロキシ、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arは2-ナフチル、R8- R10 の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素の場合、R2-R4は3,4,5-トリメトキシ、Yは、
【化4】

Arはインドリル、ここでR8-R10の少なくとも1つは水素ではない]。
【0033】
本発明は新規な式(I)の化合物の医薬としての医薬分野での使用に関する。
【0034】
本発明のさらなる目的は、活性成分として式(I)の化合物および少なくとも1つの医薬上許容される賦形剤または希釈剤を含む医薬組成物である。
【0035】
本発明のさらなる目的は、細胞毒性型抗癌活性を有する医薬の調製のための式(I)の化合物の使用である。
【0036】
本発明のさらなる目的は、抗血管新生型抗癌活性を有する医薬の調製のための式(I)の化合物の使用である。
【0037】
本発明のさらなる目的は、癌転移の予防および低減に有用な医薬の調製のための式(I)の化合物の使用である。
【0038】
本発明のさらなる目的は、抗癌活性を有する医薬の調製のための式(I)の化合物の使用であり、ここで癌は、肉腫、癌腫、癌様体、骨癌、内分泌癌、リンパ性白血病、骨髄性白血病、単球性白血病、巨核球性白血病またはホジキン病からなる群から選択される。
【0039】
本発明のさらなる目的は、異常な血管新生に関連する疾患の治療用医薬の調製のための式(I)の化合物の使用であり、ここで疾患は、 関節炎疾患、腫瘍、転移拡散、糖尿病性網膜症、乾癬、慢性炎症およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される。
【0040】
発明の詳細な説明
本発明によると、医薬上許容される塩は、該塩を医薬として用いた場合に望ましくない副作用を起こす酸または塩基を用いずに当業者が調製することが出来るあらゆる塩である。
【0041】
特に好ましい化合物は以下である:
2-メトキシ-5-[3-メトキシ-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-4-イソキサゾリル]-フェノール - ST1996;
2-メトキシ-5-[3-メトキシ-4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-フェノール - ST1998;
5-[3-ベンゼンスルホニル-4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-4-イソキサゾリル]-2-メトキシ-フェノール - ST1995;
5-[3-ベンゼンスルホニル-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-2-メトキシ-フェノール - ST1997;
2-メトキシ-5-[3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-フェノール - ST1999;
2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソキサゾリル]-フェノール - ST2001;
2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-3-イソキサゾール]-フェノール - ST2002;
シス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール - ST2151;
トランス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール - ST2152;
シス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン - ST2049;
トランス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン - ST2050;
シス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール - ST2179;
トランス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール - ST2180;
シス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン - ST2051;
トランス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン - ST2052;
シス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-7-オール- ST2487;
トランス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-7-オール- ST2488;
シス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール - ST2491;
トランス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール - ST2492;
シス-1-メトキシ-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン - ST2053;
メトキシ-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン - ST2054;
シス-7-メトキシ-1-メチル-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-1H-インダゾール - ST2055;
トランス-7-メトキシ-1-メチル-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-1H-インダゾール - ST2056;
2-ニトロ-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-チオフェン - ST2057;
2-ニトロ-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-フラン - ST2058;
シス-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン-1-オール- ST2181;
トランス-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン-1-オール - ST2182;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾ-チオフェン-4-オール 4-O-リン酸二ナトリウム - ST2495;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾフラン-4-オール 4-O-リン酸二ナトリウム、 - ST2496;
6-[(Z)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール - ST2892;
6-[(E)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール - ST2891;
6[(Z)-2-(3-メトキシ-4,5-メチレンジオキシ-フェニル-1-イル)-ビニル]-1-ベンゾフラン-4-オール - ST2933;
6[(E)-2-(3-メトキシ-4,5-メチレンジオキシ-フェニル-1-イル)-ビニル]-1-ベンゾフラン-4-オール - ST2934;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾ-チオフェン-4-オール 4-O-メチルオキシリン酸二ナトリウム;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾフラン-4-オール 4-O- メチルオキシリン酸二ナトリウム;
6-[(Z)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール ST2892;
シス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾフラン-6-イル)-ビニル]-フェノール ST2897;
シス-2-メトキシ-5-[2-(7-メトキシ-ベンゾフラン-5-イル)-ビニル]-フェノール. ST2898;
シス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-ビニル]-フェノール ST2899;
シス-6-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール - ST2900;
シス-5-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール - ST2901;
シス-6-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール - ST2902。
【0042】
本発明において記載される化合物は合成スキーム1-15にしたがって調製した。
【0043】
特に、Yがイソキサゾリン環であってR7がフェニルスルホン酸残基である式(I)の化合物、例えば、ST1995およびST1997と称される化合物は、好適に保護されたコンブレタスタチン上のニトロ誘導体 2によって生じたニトリルオキシドの双極子環状付加反応 [3+2]を介してスキーム 1にしたがって調製した。保護基、例えば、terブチルジメチルシリルの除去により、所望の化合物 ST1995およびST1997が導かれる。
【0044】
一方、R7 基がメトキシ、例えばST1996およびST1998と称される化合物の場合は、化合物は前述の化合物ST1995およびST1997におけるように、メトキシル化ナトリウムとの反応によってフェニルスルホン酸基の置換を介して得られる。
【0045】
レジオ異性体イソキサゾリン誘導体、例えば、ST1999およびST2001は、オキシム 5 および10 により生じたニトリルオキシドとアルケン成分 6および9との双極子環状付加反応 [3+2]を介してそれぞれ合成スキーム2および3にしたがって調製した。terブチルジメチルシリル保護基の除去により、所望の生成物が導かれる。
【0046】
レジオ異性体イソキサゾール誘導体、例えば、ST2000 およびST2002は、合成スキーム2および3にしたがって好適に保護された上記イソキサゾリンの二酸化マンガン触媒による酸化によって調製した。保護基、例えば terブチルジメチルシリルの除去により、所望の生成物が導かれる。
【0047】
Arがベンゾチオフェンまたはベンゾフラン残基である式(I)の化合物、例えば、化合物ST2151、ST2152、ST2049、ST2050、ST2179、ST2180、ST2051、ST2052、ST2487、ST2488、ST2491およびST2492は合成スキーム4および5に記載の合成方法にしたがって得た。
【0048】
特に、アルデヒド17a-dとホスホニウム塩 18とのWittig反応、次いでter-ブチルジメチルシリル保護基の除去により、所望の誘導体が得られた(スキーム 4)。同様に、アルデヒド26a,b とホスホニウム塩 18とのWittig反応、次いで、適当な保護基、例えば terブチルジメチルシリルの除去により、所望の誘導体、例えば、ST2487、ST2488、ST2491およびST2492が得られた(スキーム 5)。
【0049】
Arがナフタレン、インダゾール、ニトロチオフェンまたはニトロフラン残基である誘導体、例えば、ST2053、ST2054、ST2055、ST2056、ST 2181、ST2057、ST2058、およびST2182も適当なアルデヒド29a-dとホスホニウム塩 18とのWittig反応により、同様の方法で調製した(スキーム 6)。
【0050】
最後に、R8またはR9がホスフェート基である式(I)の化合物、例えば、ST2495 およびST2496は、対応するフェノール誘導体、例えば、ST2151およびST2179から出発してスキーム 7に記載の合成方法にしたがって得た。
【0051】
その他のプロドラッグ形態および/またはより水溶性の誘導体を対応するフェノールまたはアミン誘導体から出発してスキーム12-13に記載の合成方法にしたがって得た。
【0052】
医学分野においては、2以上の抗癌剤の同時または逐次投与を含む治療プロトコールの使用、例えば、細胞周期の同期化の関数としての使用が腫瘍学の専門家には知られている。
【0053】
治療プロトコールにおける2以上の抗癌剤の投与の必要性は、場合によっては、異なる代謝レベルで作用する複数の薬剤が癌の完全な寛解を導くことがあり、また場合によっては治療される患者の延命および/または生活の質の向上を導くことがあることによる。本発明による組み合わせは、腫瘍の治療のための1以上の既知の抗癌剤の併用を可能とする。
【0054】
本発明のさらなる目的はそれゆえ、単独でまたは細胞発育抑制性(antiblastic)の以下からなる群から選択される別の公知薬剤と組みあわせての式(I)の化合物の使用である: アルキル化剤; トポイソメラーゼ阻害剤; 抗チューブリン剤; 挿入剤; 代謝拮抗剤; 天然物、例えば、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン(epipodophyllotoxin)、抗生物質、酵素、タキサンおよび抗癌ワクチン。
【0055】
以下の実施例により本発明をさらに説明する。
実施例に用いられる略語: TBDMSiCl (tert-ブチルジメチルクロロシラン); TBAF (テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド); NCS (N-クロロスクシンイミド); Hex (ヘキサン); DAST (ジエチルアミノサルファートリフルオリド); DIPEA (ジイソプロピルエチルアミン); PyBroP (ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウム-ヘキサフルオロ-ホスファート); TAEA (トリス(2-アミノ-エチル)アミン); BTMS (ブロモトリメチルシラン)。
【実施例】
【0056】
実施例 1
ST1995、ST1996、ST1997 およびST1998の調製
これらの化合物は以下の合成スキーム 1にしたがって調製した:
【化5】

【0057】
イソキサゾリン 3および4の調製
Wade et al. (J. Org. Chem. 1981、46、765-770) に記載の方法にしたがって調製したニトロン酸エステル 2を含むフラスコに、CH2Cl2 (6 ml)に溶解したアルケン 1 (600 mg、1.4 mmol)および p-トルエン-スルホン酸一水和物 (270 mg、1.4 mmol) を添加した。反応をアルゴン雰囲気中で30 分間還流した。溶液を室温に戻した後、CH2Cl2 (15 ml) を添加し、洗浄を5% NaOH (10 ml)、H2O (10 ml)および塩水 (10 ml)により行った。有機相を、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物のクロマトグラフィー精製により、生成物3および4を総収率20%で得た。
【0058】
ST1996 およびST1998の調製
金属Na(130 mg、0.6 mmol) をMeOH (10 ml)に溶解し、得られた溶液を適当なフェニル-スルホニル誘導体 3、4 (0.15 mmol)に添加し、反応を室温で6時間放置した。
【0059】
エタノールを濃縮し、CH2Cl2 (15 ml) で希釈した後、抽出をH2O (8 ml) および塩水 (8 ml)で行った。有機溶液をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。
【0060】
得られた粗生成物をクロマトグラフィーで精製した。
【0061】
2-メトキシ-5-[3-メトキシ-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-4-イソキサゾリル]-フェノール - ST1996
収率: 70%、m.p. = 160-162℃;
1HNMR (CDCl3) δ 3.84 (s、9H)、3.91 (s、6H)、4.19 (d、1H、J = 9.2 Hz)、5.38 (d、1H、J = 9.3 Hz)、5.69 (s、1H)、6.54 (s、2H)、6.69-6.74 (m,1H)、6.84-6.88 (m、2H)
【0062】
2-メトキシ-5-[3-メトキシ-4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-フェノール - ST1998
収率: 65%. 油
1HNMR (CDCl3)δ3.86 (s、9H)、3.91 (s、6H)、4.14 (d、1H、J = 9.1 Hz)、5.40 (d、1H、J = 9.1 Hz)、5.68 (br、1H)、6.43 (s、2H)、6.84 (s、2H)、6.95 (s、1H).
【0063】
ST1995、ST1997の調製
適当なシリル誘導体 (0.1 mmol) 3,4 をMeOH (10 ml)に溶解し、H20 (1/2 ml)とHCl 5% (10 滴) を溶液に添加した。一晩室温で放置した後、メタノールを蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2 (15 ml)で抽出し、H2O (10 ml)と塩水 (10 ml) で洗浄した。有機溶液を脱水(anhydrified)し、蒸発させて乾燥させ、粗生成物を得、シリカゲルのクロマトグラフィーで精製した。
【0064】
5-[3-ベンゼンスルホニル-4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-4-イソキサゾリル]-2-メトキシ-フェノール - ST1995
収率: 95%. 油
1HNMR (CDCl3) δ 3.67 (s、6H)、3.82 (s、3H)、3.91 (s、3H)、4.58 (d、1H、J = 6.5 Hz)、5.56 (d、1H、J = 6.5 Hz)、5.62 (br、1H)、6.15 (s、2H)、6.79-6.84 (m、3H)、7.37-7.43 (m、2H)、7.55 (d、1H、J = 8.1 Hz)、7.61-7.65 (m,2H)
【0065】
5-[3-ベンゼンスルホニル-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-2-メトキシ-フェノール - ST1997
収率: 85%. 油
1HNMR (CDCl3) δ3.82 (s、6H)、3.84 (s、3H)、3.89 (s、3H)、4.56 (d、1H、J = 6.6 Hz)、5.55 (d、1H、J = 6.5 Hz)、5.57 (br、1H)、6.39 (s、2H)、6.56-6.58 (m、1H)、6.62 (d、1H、J = 2,1 Hz)、6.71 (d、1H、J = 8,1 Hz)、7.37-7.44 (m、2H)、7.55-7.59 (m、1H)、7.66-7.72 (m、2H)
【0066】
実施例 2
ST1999、ST2000、ST2001 およびST2002の調製
これらの化合物を以下の合成スキーム2および3にしたがって調製した:
【化6】

【0067】
【化7】

【0068】
7および11の一般調製方法
無水 CHCl3 (7 ml)を含むフラスコにNCS (1 mmol、133 mg)、ピリジン (0.1 mmol、7.9 mg、8 μl)および適当なオキシム5、10 (1 mmol) を添加した。反応を50℃で1時間撹拌した。対応するアルケン 6、9 (1.1 mmol) を室温で添加し、TEA (1.5 mmol、152 mg、0.2 ml) を非常にゆっくりと滴下した。反応混合物を2時間放置して撹拌した。CH2Cl2 (20 ml) を添加し、洗浄をH2O (15 ml)、2.5% HCl (10 ml)、H2O (10 ml)および塩水 (10 ml)で行った。有機相をNa2SO4で乾燥させ減圧下で濃縮した。粗反応生成物をクロマトグラフィーで精製し所望のイソキサゾリンを得た。付加環化収率: 70-75%
【0069】
イソキサゾール8および12の一般調製方法
イソキサゾリン 7、11 (50 mg、0.1 mmol) をベンゼン (15 ml)に溶解し、MnO2 (450 mg、5.17 mmol) を溶液に添加し、混合物をDean-Starkで6時間激しく撹拌しながら還流した。
【0070】
反応混合物を室温に戻し、セライトでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。
【0071】
こうして得られた粗生成物をクロマトグラフィーで精製してイソキサゾール誘導体を得た。 酸化収率: 80-85%
【0072】
最終化合物である ST1999、ST2000、ST2001 およびST2002 をST1997 およびST1995について上記したように行う脱シリル化によって、対応する前駆物質7、8、11および12から得た。
【0073】
2-メトキシ-5-[3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-フェノール - ST1999
収率: 85%、油
1H-NMR (CDCl3) δ:3.30 (dd、1H、J = 8.2 Hz、16.2 Hz)、3.74 (dd、1H、J = 10.9 Hz、16.3 Hz)、3.89 (s、12H)、5.65 (dd、1H、J = 8.2 Hz、10.8 Hz)、5.63 (br、1H)、6.85-6.95 (m、5H).
【0074】
2-メトキシ-5-[3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-5-イソキサゾリル]-フェノール - ST 2000
収率: 95%、m.p.: 183-185℃
1H-NMR (CDCl3) δ:3.91 (s、3H)、3.95 (s、3H)、3.96 (s、9H)、5.80 (br、1H)、5.82 (s、1H)、6.94 (d、1H、J = 8.9 Hz)、7.08 (s、2H)、7.37- 7.41 (m、2H)
【0075】
2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソキサゾリル]-フェノール - ST2001
収率: 90%、m.p.: 128-130℃、
1H-NMR (CDCl3) δ3.30 (dd、1H、J = 8.4 Hz、16.2 Hz)、3.75 (dd、1H、J = 10.4 Hz、16.4 Hz)、3.86 (s、3H)、3.90 (s、6H)、3.96 (s、3H)、5.65 (dd、1H、J = 8.2 Hz、10.2 Hz)、5.68 (br、1H)、6.62 (s、2H)、6.90 (d、1H、J = 8.1 Hz)、7.22 (dd、1H、J = 2.1 Hz、8.2 Hz)、7.28 (d、1H、J = 2.1 Hz)
【0076】
2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-3-イソキサゾール]-フェノール - ST 2002
収率: 80%、m.p.: 205-206℃、
1H-NMR (CDCl3) δ:3.90 (s、3H)、3.95 (s、9H)、5.80 (br、1H)、6.70 (s、1H)、6.93 (d、1H、J = 8.3 Hz)、7.04 (s、2H)、7.36 (d、1H、J = 2 Hz)、7.43 (dd、1H、J = 1.9 Hz、8.2 Hz)
【0077】
実施例 3
ST2151、ST2152、ST2179、ST2180、ST2049、ST2050、ST2051、ST2052、ST2487、ST2488、ST2491、ST2492 [およびST2900、ST2901、ST2902]の調製
これらの化合物は以下の合成スキーム4 および 5にしたがって調製した。
【化8】

【0078】
【化9】

【0079】
15a,b および 23a,bを得る一般方法
t-BuOH (50 mL)中のt-BuOK (17 g.; 150 mmol、3 当量)の懸濁液にジエチルスクシナート (32 mL、225 mmol、4.5 mmol)中のアルデヒド 13a-b、21a-b (50 mmol)の混合物を添加した。反応を45 分間還流した。この時間の後同量の t-BuOK、t-BuOHおよびジエチルスクシナートを添加し、混合物をさらに45 分間還流して放置した。それを室温に戻し、HCl水溶液(20% v/v)で酸性にした(pH 2)。混合物を5% HCl (100 mL)で希釈し、EtOAc (3x100 mL)で抽出した。有機相をNa2CO310% 水溶液(4 x 50 mL)で抽出した; プールした水相をEt2O (50 mL)で洗浄し、HCl (20% v/v)で酸性にし、pH = 2とした。水相を最後にEtOAc (4 x 50 mL)で抽出し、脱水したプールした有機抽出物を減圧下で濃縮し、酸エステル 14a-b、22a-bを定量的収率で得た。先の反応で得た粗生成物 (14a-b、22a-b) (50 mmol)を無水酢酸 (100 mL)および無水 CH3CO2 Na (200 mmol、4 当量)からなる混合物に溶解した。得られた溶液を5時間煮沸し、その後それを蒸発させて乾燥させた。残渣をNa2CO3 水溶液 (75 mL) (15%)で抽出し、EtOAc (3 x 50 mL)で抽出した。プールした有機抽出物を塩水 (50 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
【0080】
EtOH (20 mL)中のアセチル誘導体 (10 mmol)および無水 K2CO3 (1.4 g.、10 mmol)の懸濁液を18 時間還流し、その後それをろ過し、ろ液を蒸発させて乾燥させた。残渣を水 (20 mL)に溶解し、水相をHCl (10% v/v)で酸性にし (pH = 2)、EtOAc (3 x 20 mL)で抽出した。プールした有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4) 、減圧下で濃縮し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
15a: 褐色固体、m.p. = 134-136℃; 15b: 白色固体、m.p. = 105-107℃; 23a: 褐色固体、m.p. = 145-147℃; 23b: 白色固体、m.p. = 165-167℃.
【0081】
16b、16dの調製
THF (20 mL)中の化合物 15a,b (5 mmol)および無水 K2CO3 (5 mmol、690 mg、1 当量)からなる懸濁液にMe2SO4 (5 mmol、630 mg、0.48 mL) を添加しその結果得られた溶液を8時間煮沸した。この時間の後、混合物をろ過し、蒸発させて乾燥させ、残渣をEtOAc (20 mL)と水 (5 mL)の混合物で抽出した。有機相を塩水 (5 mL)で洗浄し、減圧下で脱水および濃縮した。その結果得られた残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。誘導体16b,dを無色油として得た。
【0082】
16a,cおよび24a,bの調製
DCM (10 mL)中のフェノール 15a-b、23a-b (3 mmol)の溶液にTBDMSCl (3.6 mmol、1.2 当量、550 mg)およびイミダゾール (7.5 mmol、2.5 当量、510 mg) を添加した。混合物を室温で18 時間放置し、その後それをDCM (10 mL)で希釈し、水 (5mL)および塩水 (5 mL) で洗浄し、有機相を乾燥させた。濃縮後、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。誘導体16a、16c、24aおよび 24bを無色油として得た。
【0083】
17a-dおよび26a,bの調製
THF (5 mL)に溶解した適当なエステル 16a-d、24a,b (2 mmol)を0℃で10 mL の THF中のLiAlH4 (3 mmol、114 mg、1.5 当量)の懸濁液に滴下した。添加が完了した後、反応をさらに30 分間0℃で、次いで2時間室温で放置した。反応を再び水と氷浴で冷却し、過剰の LiAlH4をソーダ水溶液 (5%)で分解した;反応混合物をセライトでろ過し、ろ液をEtOAc (15 mL)と水 (5 mL)で抽出した。有機相を次いで塩水 (5 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて乾燥させた。得られた生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。クロマトグラフィーで得たアルコール誘導体(1 mmol)のCCl4 (25 mL)溶液に、MnO2 (1.1 mmol、1.1 当量) を添加した。室温で2時間後、混合物をろ過し、ろ液を蒸発させて乾燥させ、次の反応にさらに精製せずに用いた。
【0084】
ST2151、ST2152、ST2179、ST2180、ST2049、ST2050、ST2051 およびST2052の調製
10 mLの無水 THF中のアルデヒド 17a-d、26a,b (2 mmol)の溶液にホスホニウム塩 18 (2 mmol、1.05 g、2 当量)を添加した。こうして得られた懸濁液を水と氷浴で冷却し、NaH (無機質懸濁液中50%、2.2 mmol、1.1 当量、110 mg) を添加した。それを放置して室温 で24 時間撹拌し、セライトベッドでろ過し、THFで洗浄した。蒸発を行い、残渣をDCM (15 mL)で抽出し、有機相を水 (5 mL)と塩水 (5 mL)で洗浄し、乾燥および蒸発させた。
【0085】
フェノールオキシヒドリルが TBDMS エーテルとして保護されている誘導体については、残渣をDCM (10 mL)に溶解し、TBAF (6 mmol、3 当量) を添加した。室温で1時間後、混合物をDCM (5 mL)で希釈し、水 (3 x 5 mL)と塩水 (5 mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。濃縮後、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
【0086】
これらの生成物のシリカゲルクロマトグラフィーでの精製には以下のタイプの溶出グラジエントを用いた: EtOAc:石油エーテル 1:9、2:8、3:7
【0087】
シス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール - ST2151:
白色固体、m.p. = 145-147℃;
1H-NMR (CDCl3)δ: 3.64 (s、6H)、3.83 (s、3H)、5.34 (s、1H)、6.50 (d、J=12.6 Hz、1H)、6.54 (s、2H)、6.60 (d、J=12.6 Hz、1H)、6.69 (s、1H)、7.32 (d、J=5.6 Hz、1H)、7.41 (d、J=5.6 Hz、1H)、7.42 (s、1H)
【0088】
トランス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール- ST2152:
黄色固体、m.p. = 67-69℃;
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.88 (s、6H)、3.92 (s、3H)、5.50 (s、1H)、6.74 (s、2H)、6.93 (s、1H)、7.03 (s、2H)、7.35 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.43 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.56 (s、1H)
【0089】
シス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン - ST2049:
黄色油
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.65 (s、6H)、3.76 (s、3H) 3.84 (s、3H)、6.55 (s、2H)、6.58 (d、J=11.2 Hz、1H)、6.64 (d、J=11.2 Hz、1H)、6.70 (s、1H)、7.31 (d、J=5.0 Hz、1H)、7.42 (d、J=5.0 Hz、1H)、7.44 (s、1H)
FAB-MS (MALDI-TOF): 356.4 [M+1]
【0090】
トランス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン - ST2050:
黄色固体; m.p. = 171-173℃.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.89 (s、6H)、3.94 (s、3H)、4.03 (s、3H)、6.78 (s、2H)、6.95 (s、1H)、7.10 (s、2H)、7.33 (d、J=5.6 Hz、1H)、7.47 (d、J=5.6 Hz、1H)、7.58 (s、1H)
FAB-MS (MALDI-TOF): 356.3 [M+1]
【0091】
シス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール - ST2179:
白色固体; m.p. = 134-136℃.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.57 (s、6H)、3.77 (s、3H)、5.12 (s、1H)、6.42 (d、J=12 Hz、1H)、6.44 (s、2H)、6.53 (d、J=12 Hz、1H)、6.56 (s、1H)、6.72 (d、J=2.2 Hz、1H)、7.00 (s、1H)、7.45 (d、J=2.2 Hz、1H)
FAB-MS (MALDI-TOF): 327.2 [M+1]
【0092】
トランス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール- ST2180:
淡黄色固体、m.p. = 142-143℃.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.89 (s、6H)、3.92 (s、3H)、5.50 (s、1H)、6.74 (s、2H)、6.93 (s、1H)、7.03 (s、2H)、7.35 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.43 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.56 (s、1H)
【0093】
シス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン - ST2051:
黄色油
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.65 (s、6H)、3.74 (s、3H)、3.83 (s、3H)、6.52 (s、2H)、6.55 (d、J=11.2 Hz、1H)、6.62 (d、J=11.2 Hz、1H)、6.63 (s、1H)、6.80 (s、1H)、7.10 (s、1H)、7.51 (s、1H)
FAB-MS (MALDI-TOF): 356.4 [M+1]
【0094】
トランス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン - ST2052:
黄色固体、m.p. = 152-153℃.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.88 (s、6H)、3.94 (s、3H)、4.00 (s、3H)、6.76 (s、2H)、6.84 (s、2H)、7.08 (s、2H)、7.28 (d、J=2.2 Hz、1H)、7.54 (d、J=2.2 Hz、1H)
FAB-MS (MALDI-TOF): 340.6 [M+1]
【0095】
シス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-7-オール- ST2487:
褐色固体、m.p. = 152-154℃
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.63 (s、6H)、3.83 (s、3H)、5.51 (s、1H)、6.48 (d、J=12.2 Hz、1H)、6.52 (s、2H)、6.64 (d、J=12.2 Hz、1H)、6.73 (s、1H)、7.29 (d、J=3.2 Hz、1H)、7.41 (d、J=3.2 Hz、1H)、7.43 (s、1H)
【0096】
トランス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-7-オール - ST2488:
淡黄色固体、m.p. = 172-174℃;
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.89 (s、6H)、3.92 (s、3H)、5.63 (s、1H)、6.74 (s、2H)、6.94 (s、1H)、7.02 (d、J=2.8 Hz、1H)、7.32 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.45 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.53 (s、1H)
【0097】
シス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール - ST2491 (27b):
白色固体、m.p. = 140-141℃;
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.63 (s、6H)、3.83 (s、3H)、5.20 (s、1H)、6.46 (d、J=12.2 Hz、1H)、6.52 (s、2H)、6.57 (d、J=12.4 Hz、1H)、6.69 (d、J=2.2 Hz、1H)、6.82 (s、1H)、7.12 (s、1H)、7.58 (d、J=2.2 Hz、1H)
【0098】
トランス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール- ST2492 (28b):
白色固体、m.p. = 173-175℃;
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.89 (s、6H)、3.92 (s、3H)、6.01 (s、1H)、6.74 (s、2H)、6.97 (s、1H)、7.06 (d、J=3.2 Hz、1H)、7.26 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.45 (d、J=5.2 Hz、1H)、7.60 (s、1H)
【0099】
類似の方法によって以下を得た:
シス-6-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール - ST2900.
1H NMRδ(CDCl3): 3.63 (s、6H)、5.06 (s、1H)、6.32-6.34 (m、1H)、6.45 (d、J=2.2 Hz、2H)、6.53 (d、J=12.4 Hz、1H)、6.60-6.66 (m、2H)、7.34 (s、1H)、7.38-7.40 (m、2H)
【0100】
シス-5-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール - ST2901.
1H NMR δ (CDCl3): 3.62 (s、6H)、5.07 (s、1H)、6.30-6.32 (m、1H)、6.43 (d、J=2.2 Hz、2H)、6.48 (d、J=12.2 Hz、1H)、6.64 (d、J=12.2 Hz、1H)、6.67.6.69 (m、1H)、6.78 (d、J=1.4 Hz、1H)、7.10 (s、1H)、7.57 (d、J=2.2 Hz、1H)
【0101】
シス-6-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール- ST2902.
1H NMR δ (CDCl3): 3.64 (s、6H)、4.93 (s、1H)、6.31-6.34 (m、1H)、6.43 (d、J=2.4 Hz、2H)、6.53 (d、J=12.2 Hz、1H)、6.57 (s、1H)、6.63 (d、J=12.2 Hz、1H)、6.78 (dd、J=2.2 Hz、J=1 Hz、1H)、7.05 (s、1H)、7.51 (d、J=2.2 Hz、1H)
【0102】
実施例 4
ST2053、ST2054、ST2055、ST2056、ST2057、ST2058、ST2181 およびST2182の調製
これらの化合物は以下の合成スキーム 6にしたがって調製した:
アルデヒド29a,b は、アルデヒド17a,dの調製に用いた方法(スキーム 4)とあらゆる点で類似の合成方法によって調製した。
【化10】

【0103】
シス-1-メトキシ-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン - ST2053:
無色油
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.63 (s、6H)、3.75 (s、3H)、3.83 (s、3H)、6.57 (s、1H)、6.66 (d、J=13.2 Hz、1H)、6.71 (d、J=13.2 Hz、1H)、6.75 (s、1H)、7.44 (m、4H)、7.69 (m、1H)、8.12 (m、1H)
FAB-MS (MALDI-TOF): 350.3 [M+1]
【0104】
トランス-1-メトキシ-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン - ST2054:
黄色固体; m.p. = 166-168℃
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.89 (s、3H)、3.95 (s、6H)、4.09 (s、3H)、6.80 (s、2H)、7.06 (s、1H)、7.16 (s、2H)、7.46 (m、3H)、7.76 (dd、J=9.2 e 1.8 Hz、1H)、8.20 (dd、J=9.2 e 1.8 Hz、1H)
FAB-MS (MALDI-TOF): 350.3 [M+1]
【0105】
シス-7-メトキシ-1-メチル-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-1H-インダゾール - ST2055:
白色固体、m.p. 182-183℃;
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.64 (s、3H)、3.67 (s、3H)、3.82 (s、3H)、4.23 (s、3H)、6.51 (d、J=12.5 Hz、1H)、6.53 (s、2H)、6.59 (d、J=12.5 Hz、1H)、7.19 (s、1H)、7.80 (s、2H)
【0106】
トランス-7-メトキシ-1-メチル-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-1H-インダゾール - ST2056:
油;
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.86 (s、3H)、3.91 (s、6H)、4.01 (s、3H)、4.28 (s、3H)、6.73 (s、2H)、6.94 (d、J=15.8 Hz、1H)、7.06 (d、J=15.8 Hz、1H)、7.31 (s、1H)、7.86 (s、2H)
【0107】
2-ニトロ-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-チオフェン - ST2057:
黄色がかった油、
1H NMR (CDCl3)δ3.89 (s、3H)、3.93 (s、6H)、6.73 (s、2H)、6.99 (d、1H、J = 4.4 Hz)、7.06 (s、2H)、7.85 (d、1H、J = 4.4 Hz)
【0108】
2-ニトロ-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-フラン - ST2058:
黄色がかった油
1H NMR (CDCl3δ3.90 (s、3H)、3.92 (s、6H)、6.53 (d、1H、J = 3.7 Hz)、6.76 (s、2H) 7.28 (s、2H)、7.38 (d、1H、J = 3.6 Hz)
【0109】
シス-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン-1-オール- ST2181:
黄色固体、m.p. = 163-165℃
1H-NMR (CDCl3)δ:3.62 (s、6H)、3.84 (s、3H)、5.56 (s、1H)、6.53 (d、J=12.4 Hz、1H)、6.56 (s、2H)、6.68 (d、J=12.4 Hz、1H)、6.79 (s、1H)、7.38 (s、1H)、7.45 (m、2H)、7.72 (dd、J=9.8 e 3.6 Hz、1H)、8.11 (dd、J=9.8 e 3.6 Hz、1H)
【0110】
トランス-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン-1-オール - ST 2182:
黄色固体、m.p. = 176-178℃.
1H-NMR (CDCl3)δ:3.90 (s、3H)、3.93 (s、6H)、5.73 (s、1H)、6.77 (s、2H)、7.07 (m、3H)、7.46 (m、3H)、7.80 (dd、J=9.6 e 2.8 Hz、1H)、8.14 (dd、J=9.6 e 2.8 Hz、1H)
【0111】
実施例 5
【化11】

【0112】
34および35を得る一般方法
-25℃に冷却した5 mLの無水 CH3CN中の1.2 mmolのST2151 (またはST2179)の溶液に、581 μL (6 mmol; 5当量) のCCl4を添加した。およそ10 分間後、以下を記載する順序で添加した: 429 μL (2.59 mmol; 2.1 当量)のジイソプロピルエチルアミン、15 mg (0.12 mmol; 0.1 当量)のジメチルアミノピリジンおよび383 μL (1.74 mmol; 1.45 当量)のジベンジルホスファイト。-10℃で2時間後、反応が完了し、20 mLのKH2PO4 0.5 Mを添加し、水相をAcOEt (3 x 10 mL)と撹拌した。有機相を無水 Na2SO4で乾燥させ、粗生成物をSiO2クロマトグラフィーでヘキサン:AcOEt 75:25を用いて精製し、 1.05 mmol: 収率: 88% の目的生成物を黄色油として得た。
【0113】
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール-4-O-ジベンジルホスフェート (34)
Fr = 0.11、ヘキサン/AcOEt 8:2中、MS-IS:[M+H]+= 603.2
1H-NMR (300 MHz、CDCl3) δ: 3.6 (s、6H、2xOCH3)、3.8 (s、3H、OCH3)、5.05 (s、2H、CH2)、5.1 (s、2H、CH2)、6.5 (s、2H、2xCHar)、6.6 (bs、2H、2xCHar)、7.2-7.4 (m、11H、11xCHar)、7.6 (s、1H、CHar)
13C-NMR (75 MHz、CDCl3) δ: 56.1; 61.1; 70.3; 106.4; 115.9; 119.7; 120.4; 127.1; 128.2; 128.8; 128.9; 129.0; 131.1; 131.6; 132.2; 134.9; 135.6; 153.2
【0114】
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾフラン-4-オール-4-O-ジベンジルホスフェート (35)
Fr = 0.20、ヘキサン/AcOEt 7:3中、MS-IS:[M+H]+= 587.2
1H-NMR (300MHz、CDCl3) δ: 3.6 (s、6H、2xOCH3)、3.8 (s、3H、OCH3)、5.05 (s、2H、CH2)、5.1 (s、2H、CH2)、6.45 (s、2H、2xCHar)、6.55 (bs、2H、2xCHar)、6.75 (bs、1H、CHar)、7.05 (s、1H、CHar)、7.2-7.4 (m、11H、11xCHar)、7.5 (bs、1H、CHar)
13C-NMR (75 MHz、CDCl3) δ: 56.1; 61.1; 70.3; 98.8; 104.3; 106.4; 109.1; 115.1; 119.9; 128.2; 128.8; 128.9; 129.2; 130.9; 132.3; 134.7; 135.5; 145.5; 153.2; 156.5
【0115】
ST2495 およびST2496を得る一般方法
7 mLの無水 CH3CN中の1.2 mmolのジベンジルエステル 34 (または35)の溶液に、室温で36 mg (2.4 mmol; 2 当量) のNaIおよび1 mLの無水 CH3CN中の303μL (2.4 mmol; 2 当量)の Me3SiClの溶液を添加した。2時間後、反応が完了し、塩を溶解するのに最少量の水を添加し、反応混合物の脱色が達成されるまで10% Na2S2O3 溶液を添加した。得られた溶液を有機相への生成物の抽出が完了するまでAcOEtとともに撹拌した; 有機相をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除いた。
【0116】
ベンジルエステルはBTMSで除くことができるが[S. Lazar、et al.、Synthetic Comm. 1992、22(6)、923-31]反応はNaIを用いるよりは遅い。
【0117】
こうして得られた粗油を4 mL の無水 MeOHに溶解し、130 mg (2.4 mmol; 2 当量)のNaOMeを溶液に添加した。混合物を加塩(salification)の完了が達成されるまで室温で20時間放置した。溶媒を減圧下で除き、残渣をEt2Oで洗浄し、1.1 mmol (収率: 92%)の生成物を白色固体として得た。
【0118】
あるいは、ナトリウム塩をNaOH 1N 溶液中に調製することが出来る。
【0119】
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾ-チオフェン-4-オール-4-O-リン酸二ナトリウム - ST2495.
T dec = 226℃、MS-IS:[M-1]-= 419
1H-NMR (300 MHz、D2O) δ: 3.4 (s、3H、OCH3)、3.1 (s、3H、OCH3)、3.75 (s、3H、OCH3)、6.4-6.45 (d、1H、CHolef)、6.5(s、2H、2xCHar)、6.1-6.15 (d、1H、CHolef)、7.25-7.5 (m、4H、4xCHar)
13C-NMR (75 MHz、D2O) δ: 30.4; 55.7; 56.0; 56.2; 61.1; 104.1; 106.9; 115.5; 116.6; 121.5; 121.6; 126.1; 126.3; 127.6; 128.3; 128.6; 128.9; 129.9; 130.7; 132.6; 132.7; 133.6; 134.3; 134.7; 136.1; 140.9; 141.6; 149.2; 152.3; 152.8
【0120】
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾフラン-4-オール4-O-リン酸二ナトリウム- ST2496.
T dec = 212℃、MS-IS:[M-1]- = 403
1H-NMR (300MHz、D2O) δ: 3.5 (s、6H、2xOCH3)、3.6 (s、3H、OCH3)、6.4-6.45 (d、1H、CHolef)、6.5(s、2H、2xCHar)、6.6-6.65 (d、1H、CHolef)、6.85-7.1 (m、3H、3xCHar)、7.5 (s、1H、CHar)
13C-NMR (75MHz、D2O) δ: 30.4; 55.8; 56.0; 56.2; 61.1; 98.8; 104.1; 104.2; 104.8; 105.9; 106.8; 114.9; 120.3; 127.6; 128.0; 128.6; 129.7; 130.9; 133.7; 134.2; 136.1; 145.2; 147.4; 152.1; 152.3; 152.8; 156.0
【0121】
スキーム4および 5に記載の中間合成生成物、15a,b、16a-d、17a-d、23a,b、24a,b、および26a,bも本発明の目的である。
【0122】
43(ST2898)、44、45a,b (ST2899、ST2897)、および46a,bの調製
化合物は以下のスキーム8および 9における合成にしたがって調製した。
【化12】

【0123】
【化13】

【0124】
37および40を得る一般方法
THF (15mL)に溶解した適当なアルコール 36、または 39 a,b (1.8 mmol)に0℃でCBr4 (2.87 mmol、953 mg、1.6 当量)とP(Ph)3 (2.87 mmol、754 mg、1.6 当量) を添加した。反応を室温で1.5 時間放置した;その後、混合物をEtOAc (10 mL)で希釈し、水 (5 mL)と塩水 (5 mL)で洗浄し、有機相を乾燥させた。濃縮後、残渣 をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。誘導体37および40a,bを無色油として得た。
【0125】
5-ブロモメチル-7-メトキシ-ベンゾフラン
収率: 54%. 油
1HNMR (CDCl3) δ 4.03 (s、3H)、4.61 (s、2H)、6.74 (d、1H、J = 2.2 Hz)、6.84 (d、1H、J = 1.6 Hz)、7.23 (d、1H、J = 1.4)、7.64 (d、1 H、J = 1.8)
【0126】
6-ブロモメチル-4-メトキシ-ベンゾフラン
収率: 80%. 油
1HNMR (CDCl3) δ 3.96 (s、3H)、4.62 (s、2H)、6.69 (d、1H、J = 1.2 Hz)、6.83-6.84 (m、1H)、7.18 (s、1H)、7.5 (d、1 H、J =2.2 Hz)
【0127】
6-ブロモメチル-4-メトキシ-ベンゾチオフェン
収率: 60%. 油
1HNMR (CDCl3) δ 3.97 (s、3H)、4.63 (s、2H)、6.69 (d、1H、J = 1.3 Hz)、6.89 (s、1H)、7.22(s、1H)、7.59 (s、1 H)
【0128】
38および41を得る一般方法
キシレン (10 ml)中の37または 40 a,b (0.97 mmol)の溶液にP(Ph)3 (1.65 mmol、433 mg、1.7 当量)を添加し、その結果得られた懸濁液を12 時間煮沸した。懸濁液をろ過し、残渣をジエチルエーテルで洗浄し、メタノール-ジエチルエーテルから結晶化させた。塩、38 および41 a,b を無色固体物質(m.p. 180℃を超え、分解)として得た。
【0129】
7-メトキシ-ベンゾフラン-5-イルメチル)-トリフェニル-ホスホニウム
収率: 85%、1H-NMR (CDCl3) δ: 3.66 (s、3H)、5.50 (d、2H、J= 13.6 Hz)、6.55 (d、1H、J= 2 Hz)、6.78 (s、1H)、6.93 (s、1H)、7.54- 7.81 (m、16H)
【0130】
4-メトキシ-ベンゾフラン-6-イルメチル)-トリフェニル-ホスホニウム
収率: 83%
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.63 (s、3H)、5.49 (d、2H、J= 14.2 Hz)、6.74-6.78 (m、3H)、7.57-7.67 (m、16H)
【0131】
4-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-6-イルメチル-トリフェニル-ホスホニウム
収率: 80%、1H-NMR (CDCl3) δ: 3.65 (s、3H)、5.48 (d、2H、J= 14.1 Hz)、6.75-6.79 (m、3H)、7.58-7.68 (m、16H)
【0132】
43 (ST2898)、44、45 a,b (ST2899、ST2897)および46 a,bを得る一般方法
10 mLの無水 THF中のアルデヒド 42、(359.6mg、1.35 mmol)の溶液に、ホスホン酸塩 38、または41 a,b (1.35 mmol,1 当量) を添加した。こうして得られた懸濁液を氷浴で冷却し、その後 NaH (無機質懸濁液中50%、1.62 mmol、1.2 当量、77 mg) を添加した。反応を室温で2時間放置して撹拌し、セライトベッドでろ過しTHFで洗浄した。蒸発を行い、残渣をDCM (15 mL)で抽出し、水 (5 mL)と塩水 (5 mL) で洗浄し、再び乾燥および蒸発させた。残渣をDCM (10 mL)に溶解し、TBAF (6 mmol、3 当量)を添加した。室温で1 時間後、溶液をDCM (5 mL)で希釈し、水 (3x5 mL)と塩水 (5 mL) で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。濃縮後、残渣をEtOAc-石油 エーテル 2-8を用いたシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
【0133】
シス-2-メトキシ-5-[2-(7-メトキシ-ベンゾフラン-5-イル)-ビニル]-フェノール ST2898

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.81 (s、3H)、3.86 (s、3H)、5.47 (s、1H)、6.48 (d、J = 12 Hz、1H)、6.60 (d、J = 12.2 Hz、1H)、6.68 (d、J = 2 Hz、1H)、6.72 (s、1H)、6.75 - 6.76 (m、2H)、6.88 (d、J = 2 Hz、1H)、7.1 (s、1H)、7.57 (d、J = 2 Hz、1H)
【0134】
トランス-2-メトキシ-5-[2-(7-メトキシ-ベンゾフラン-5-イル)-ビニル]-フェノール

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.92 (s、3H)、4.1 (s、3H)、5.62 (s、1H)、6.75 (d、J = 1.8 Hz、1H)、6.83- 6.86 (m、2H)、6.95- 7.02 (m、4H)、7.2 (s、1H)、7.61 (d、J = 2 Hz、1H)
【0135】
シス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾフラン-6-イル)-ビニル]-フェノール ST2897

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.76 (s、3H)、3.86 (s、3H)、5.52 (br、1H)、6.50 (d、J = 12 Hz、1H)、6.56 - 6.64 (m、2H)、6.73 (s、1H)、6.78 - 6.80 (m、2H)、6.91 (d、J = 2 Hz、1H)、7.01 (s、1H)、7.49 (d、J = 2 Hz、1H)
【0136】
トランス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾフラン-6-イル)-ビニル]-フェノール

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.85 (s、3H)、3.92 (s、3H)、5.53 (s、1H)、6.75-6.77 (m、3H)、6.92 (d、J=2、1H)、6.96 (s、3H)、7.1 (d、J = 2.2 Hz、1H)、7.45 (d、J = 2.2 Hz、1H)
【0137】
シス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-ビニル]-フェノール ST2899

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.74 (s、3H)、3.87 (s、3H)、5.50 (s、1H)、6.52 (d、J = 12 Hz、1H)、6.60 (d、J = 12. Hz、1H)、6.68- 6.72 (m、2H)、6.78 (d、J = 2 Hz、1H)、6.91 (d、J = 2 Hz、1H)、7.29 (d、J = 5.4Hz、1H)、7.37 - 7.44 (m、2H)
【0138】
トランス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-ビニル]-フェノール

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.85 (s、3H)、3.95 (s、3H)、5.54 (s、1H)、6.76- 6.85 (m、3H)、6.98 (s、2H)、7.10 (d、J = 2 Hz、1H)、7.19(s、1H)、7.36 - 7.39 (m、1H)、7.47 (s、1H)
【0139】
光化学異性化による19a (ST2151)および19c (ST2179)の調製
化合物を以下のスキーム 10における合成にしたがって調製した。
【化14】

【0140】
47a,cを得る一般方法
ジクロロメタン (4,8 ml)中の20a (ST2152)または20c (ST2180) (1,2 mmol)の溶液に、ピリジン (2,1 当量)および4-ジメチルアミノピリジン (触媒量)を添加し、乾燥フラスコで撹拌した。
【0141】
ジクロロメタン (1,9 ml)に溶解した塩化アセチル (2 当量) を0℃で滴下し、混合物を室温で一晩撹拌した。
【0142】
反応をジクロロメタンで希釈し、HCl (10%水溶液)で2回、水で2回、飽和重炭酸塩溶液で2回、そして飽和塩水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をさらに精製せずに用いた。
【0143】
48a,cを得る一般方法
粗 47を300 mg部に分け、メタノール (約300 ml)に溶解し、すべての部を以下のように処理した: UV-VIS ランプを溶液に浸漬し、スイッチをつけた。約45 分間後、光を消し、ランプを取り出し、溶媒を除いた。その結果得られた粗物質を合してさらに精製せずに用いた。
【0144】
19a(ST2151)のための一般方法
THF (3 ml)、メタノール (1 ml)および水 (1 ml)中の48 (1 mmol)の撹拌溶液に水酸化リチウム (3 当量)を0℃で添加した。室温で1時間後、混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、ジエチルエーテル (2回)で洗浄した。水層を酸性にし、ジエチルエーテルで抽出し(3回)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。20a,cから出発した総収率は約50%であった。
【0145】
光化学異性化: 本発明の目的のスチルベン誘導体のドラッグおよびプロドラッグ形態の両方が、電磁放射、特に紫外〜可視光に曝すことにより光異性化できた。E/Z出発異性体に関係なく、アルゴン下で有機溶液 (MeOH、AcOEtなど)中に、通常E/Z比70:30の光化学異性化が起こる。
【0146】
化合物54および55を得る一般方法
これら化合物はST2151 およびST2179に記載の方法と同様にして得られた(スキーム 11)。
【化15】

【0147】
化合物56を得る一般方法
プロドラッグ 56 をスキーム 12に記載の経路によって調製した。典型的なメチルオキシ-リン酸化反応方法でまずフェノール性残基を水素化ナトリウムで処理し、次いで記載された方法で調製した保護されたクロロメチルホスフェートで処理した[Mantyla A. et al. Tetrahedron Lett. 2002、43、3793-4)。保護基を飽和EtOAc/HCl 溶液で除き、NaOH/H2O 溶液中に二ナトリウム塩を調製した。
【0148】
【化16】

【0149】
化合物57を得る一般方法
アミノスチルベン誘導体から出発して、アミノ酸とのカップリングをFmoc経路により行って、α-アミノ保護基を切断した[G.R.Pettit et al.、J.Med.Chem 2002、46、525-31]。
【0150】
【化17】

【0151】
【化18】

【0152】
ST2891、ST2892、化合物ST2933 およびST2934を得る一般方法
NaH (無機質懸濁液中80%、7.4 mmol、3.7 当量、220 mg)の懸濁液にホスホニウム塩 (62) (8 mmol、4.06 g、4 当量) を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。10 mLの無水 THF中のアルデヒド 17a-c (2 mmol)の溶液を4℃に冷却しておいた反応混合物に添加した。それを室温で1.5 時間放置して撹拌し、セライトベッドでろ過し、THFで洗浄した。蒸発を行い、残渣をDCM (15 mL)で抽出し、有機相を水 (5 mL)と塩水 (5 mL) で洗浄し、乾燥および蒸発させた。
【0153】
フェノール オキシヒドリルがTBDMS エーテルとして保護されている誘導体について、残渣をDCM (10 mL)に溶解し、TBAF (6 mmol、3 当量) を添加した。室温で1 時間後、混合物をDCM (5 mL)で希釈し、水 (3 x 5 mL)と塩水 (5 mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。これら生成物の精製のために以下のタイプの溶出グラジエントを用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行った: ヘキサン/EtOAc 99:1、9:1、85:15
【0154】
6-[(Z)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール-ST2892;
白色固体、m.p. = 121-123℃.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.68 (s、3H)、5.93 (s、2H)、6.49 (d、J=12.3 Hz、1H)、6.51 (s、2H)、6.56 (d、J=12.3 Hz、1H)、6.67 (s、1H)、7.33 (d、J=5.5 Hz、1H)、7.39 (s、1H)、7.40 (d、J=5.5 Hz、1H)
【0155】
6-[(E)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール -ST2891
白色固体、m.p. = 148-150℃.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.95 (s、3H)、5.99 (s、2H)、6.66 (s、1H)、6.76 (s、1H)、6.90 (s、1H)、6.98 (s、2H)、7.34 (d、J=5.5 Hz、1H)、7.42 (d、J=5.5 Hz、1H)、7.53 (s、1H)
【0156】
6-[(Z)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール- ST2933;
淡黄色油.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.72 (s、3H)、5.95 (s、2H)、6.48 (d、J=9.3 Hz、1H)、6.49 (s、2H)、6.53 (d、J=9.3 Hz、1H)、6.61 (s、1H)、6.81 (d、J=2.2 Hz、1H)、7.07 (s、1H)、7.54 (d、J=2.2 Hz、1H)
MS=309 [M-1]
【0157】
6-[(E)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール -ST2934.
白色固体.
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.96 (s、3H)、6.01 (s、2H)、6.66 (d、J=1.5 Hz、1H)、6.76 (d、J=1.5 Hz、1H)、6.85 (s、1H)、6.86 (d、J=2.2 Hz、1H)、6.97 (s、2H)、7.23 (s、1H)、7.56 (d、J=2.2 Hz、1H). MS=309 [M-1]
【0158】
【化19】

61を得る一般方法
4℃のNaBH4 (65.4 mmol、1.2当量、2.47 g)を化合物 60 (54.5 mmol、9.82 g)の溶液に添加した。反応は1 時間以内に完了し、溶媒を減圧下で除き、残渣をEtOAcと水で洗浄し、粗生成物を以下のグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した: ヘキサン/EtOAc 9:1、7:3、65:35
白色固体、m.p. = 64-66℃
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.24 (s、1H)、3.92 (s、3H)、4.58 (s、2H)、5.98 (s、2H)、6.56 (s、2H)
【0159】
62を得る一般方法
THF (100 mL)中の61 (53.8 mmol、9.8 g)およびピリジン (0.260 mL)の溶液に、4℃でPBr3 (134.5 mmol、12 mL、2.5 当量)を添加した。この温度で3時間後、反応が完了し、反応混合物を水とジエチルエーテルで洗浄し、集めた有機層を飽和NaHCO3 で中和し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除いた。
【0160】
キシレン (100 mL)中のPPh3 (64.5 mmol、16.93 g、1.2 当量)の溶液をキシレン (120 mL)中の粗ブロミドの溶液に滴下した;反応混合物を完了するまで1.5 時間還流した。懸濁液を室温まで冷却し、ろ過して所望の生成物を白色固体として得た。
白色固体、m.p. = 159-162℃
1H-NMR (CD3OD) δ: 3.56 (s、3H)、5.93 (s、2H)、6.17-6.22 (m 2H)、7.64-7.98 (m、17H).
【0161】
細胞培養および細胞毒性試験
本発明の誘導体の細胞毒性効果を一連のヒトおよびマウス細胞株において評価した。
【0162】
BioWhittaker社から得たヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を、EGM-2 培地 (BioWhittaker)で維持した。
【0163】
ウシ副腎から単離したウシ微小循環内皮細胞 (BMEC)を、20% FBS、50μg/mlのウシ 脳抽出物 (BBE)、50 ユニット/mlのヘパリン (SIGMA)、100 ユニット/ml のゲンタマイシン (SIGMA)および10 mg/mlのL-グルタミン (Hyclone)を含むDMEMで培養して維持した。University of Bari Department of Biomedical Sciences and Human Oncology から得たHUVECと腺癌細胞との不死化ハイブリドーマであるEA-hy926を10% FBSおよびゲンタマイシンを追加したDMEMで培養した。
【0164】
ATCCから購入した以下の細胞株を製造業者の指示に従って培養した: MeWo ヒト黒色腫、NCI-H460 ヒト肺癌、LoVo ヒト結腸腺癌、PC3 ヒト前立腺癌、MES-SA ヒト子宮肉腫、HCT 116 ヒト結腸直腸癌、MCF-7 ヒト乳癌。
【0165】
Milan Tumour Institute から得たM109 マウス 肺癌株、HT29 ヒト 結腸腺癌株、A2780 ヒト卵巣癌株を10% FBSおよび抗生物質を含むRPMIで培養した。
【0166】
MilanのM. Negri Instituteから得たB16/BL6 マウス黒色腫株を10% FBSおよび抗生物質を含むDMEMで培養した。
【0167】
細胞毒性試験のために、細胞を96-ウェルプレートで通常の培地 (200μl/ウェル)にて細胞タイプに応じて異なる密度にて播き、24 時間37℃でインキュベートした。翌日、被験物質をスカラー濃度で添加し、細胞を5% CO2.を含む加湿雰囲気でさらに24 時間37℃でインキュベートした。インキュベーション期間の最後に、被験物質を含む培地を除き、PBS で3回洗浄を行った。洗浄の最後に、200μl/ウェルの新鮮な培地を添加し、プレートをさらに48 時間37℃でインキュベートした。このインキュベーション期間の最後に、プレートを反転させて培地を除き、200μl/ウェルのPBSおよび50μlの80% 冷トリクロロ酢酸 (TCA)を添加した。プレートを次いで氷中でインキュベートした。 1時間後、TCAを除き、プレートを蒸留水に浸漬することにより3回洗浄し、まずブロッティングペーパー上で、次いでオーブン中で乾燥させた。200μlの1% 酢酸中の0.4% スルホローダミン Bをすべてのウェルに添加した。プレートを室温でさらに30 分間インキュベートした。スルホローダミン Bを反転により除き、プレートを 1% 酢酸に浸漬することにより3回洗浄し、次いでまずブロッティングペーパー上で、次いでオーブン中で乾燥させた。200μlのトリス塩基10 mMをすべてのウェルに添加し、プレートを少なくとも20分間撹拌下においた。吸光度を分光光度計での540 nmの読みにより測定した。
【0168】
表1はST2151 およびST2179のIC50 値、即ち、ALLFITソフトウェアで処理した細胞生存を50%阻害することが出来る濃度を示す。同表においてBMECに対するST2897、ST2898 およびST2899のIC50も報告する。
【表1】

【0169】
チューブリン重合阻害試験
ST2151の存在下でのチューブリン重合試験をShiff et al. (Biochemistry、1981、20: 3247-3252) に記載の方法に多くの改変を加えて行った。簡単に説明すると、微小管結合タンパク質 (MAP)が豊富なチューブリンを、1 mM GTP (GPEM)を含むPEM バッファー [100 mM PIPES (pH 6.9)、1 mM EGTAおよび1 mM MgCl2]に3 mg/ml の濃度となるように希釈し、氷中に維持した。溶液を37℃におき、重合を電子温度制御装置を備えた分光光度計(Cobas-Mira Analyzer)を用いて25秒に一度340 nmでの吸光度を測定することによりモニターした。5 分後、重合したチューブリンが定常状態に達した時に、5μM タキソール、1,35 μM コルセミド、またはST2151を添加し、さらに15分間吸光度測定を行った。IC50 値は「Prism GraphPad」ソフトウェアを用いて非線形回帰分析によって判定した。結果を非処理対照に対するチューブリン重合の% 阻害として表した。
【0170】
表2に示す値は3回の独立した測定の平均である。
表2
【表2】

【0171】
抗癌活性の評価
ST2495 およびST2496の抗癌活性をヒト肺癌の動物モデルにおいてアッセイした。
【0172】
このモデルにおいて、ヒト NCI-H460 肺癌細胞を3 x 106 細胞/マウスの密度でヌードCD1マウスの右側の皮下に注射した。
【0173】
腫瘍細胞接種後4日目から、動物を様々な処理スケジュールで様々な用量の被験分子で処理した (表を参照)。
【0174】
すべての動物の体重を投薬量を調節するために処理の過程で測定し、体重低下のパーセンテージを記録した (%BWL)。
【0175】
腫瘍増殖を週に2回各腫瘍の短径 (幅)および長径 (長さ)をノギスを用いて測定することにより評価し、抗癌活性を腫瘍増殖の%阻害に関して評価した。腫瘍体積は次式にしたがって計算した: 腫瘍体積 (TV)(mm3)=[長さ(mm) x幅(mm)2 ]/2。%阻害 (%TVI)は次式に従って計算した: 100-[(処理群の平均腫瘍体積/対照群の平均腫瘍体積) x 100]。0.05以下のP値を統計的に有意とみなした。
【0176】
ST2495およびST2496を用いた実験の結果をそれぞれ表3と表4に示す。
【表3】

【0177】
ST2495は腹腔内または経口で4〜22日目には、スケジュール qd5x/w、1日1または2回にしたがって与え、静脈内で4〜16日目にはスケジュール q2dx6にしたがって与えた。*P<0.05、**P<0.01 (Mann Whithney検定)
【0178】
【表4】

【0179】
化合物は示された用量で経口 (p.o.)で腫瘍接種後4〜14日目にqdx5/w スケジュールにしたがって投与するか、または示された用量で静脈内で5〜17日目にq2dx6 スケジュールにしたがって投与した。
*P<0.05; **P<0.01、***P<0.001
【0180】
表から理解されるように、ST2495はすべての投与経路で活性であった。i.p.およびp.o. 処理における% 体積阻害が化合物を1日2回投与した際に有意に上昇したことは注目に値する。
【0181】
ST2496もまた、経口または静脈内で投与した場合、対照と比較して有意な腫瘍の阻害をもたらした。
【0182】
心臓血管パラメーターの評価
フェーズI 試験からの最近のデータは、コンブレタスタチン A4-Pでは副作用がさけられず、急性冠症候群の症例を含む、用量を制限する毒性の症状が現れたことを示す (Cancer Res.、62:3408-3416、2002)。これら結果に基づき、そして心臓血管副作用は抗血管新成薬の主な問題点であるため、本発明の選択した化合物の心臓血管パラメーターに対する効果を研究することにした。
【0183】
コンブレタスタチン A4、そのプロドラッグ ST2494および本発明の水溶性の選択した化合物ST2495 およびST2496を、生理食塩水中20 または40 mg/kgの用量に希釈し、コンブレタスタチン A4 については5% DMSOに希釈し、55 mg/kg ネムブタルで麻酔したWistarラットの頸静脈に注射した。考慮したパラメーターは、血圧と心拍数であった。
【0184】
コンブレタスタチン A4およびそのプロドラッグ ST2494は、投薬後すぐに血圧の有意な上昇を誘導し、徐々に心拍数が低下した。一方、ST2495 およびST2496は考慮したパラメーターに対し有意な効果を示さなかった(図1)。
【0185】
本発明のさらなる目的と一致して、医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)の化合物を活性成分として、例えば、心臓血管副作用を引き起こすことなく有意な治療効果をもたらす量を含む。本発明に含まれる組成物は全く常套のものであり、製薬業界の通常の方法によって得ることが出来る。例えば、Remington's Pharmaceutical Science Handbook、Mack Pub. N.Y-latest editionに記載されている。選択した投与経路に応じて、組成物は固体または液体形態であって、経口、非経口または静脈内投与に好適なものであろう。本発明による組成物は少なくとも1つの医薬上許容される媒体または賦形剤を活性成分とともに含む。媒体または賦形剤は製剤における特に有用な補助剤、例えば可溶化剤、分散剤、懸濁剤および乳化剤などであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0186】
(原文に記載無し)
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、それぞれの混合物およびその医薬上許容される塩:
【化1】

(I)
[式中:
各R1、R2、R3およびR4は同一であっても異なっていてもよく、H、OH、OPO3H2またはOCH2OPO3H2およびそれらの二ナトリウム塩、OMe、OCH2O、NO2、F、Cl、Brである;
-R1-R2-は一緒になって -CR8=CR9-X-でもよい;
Yは以下から選択される基である;
【化2】

R5およびR6は同一であっても異なっていてもよく、Hまたはハロゲンである;
R7はH、OMe、SO2Phである;
Arは以下から選択される基である:
【化3】

R8、R9およびR10は、同一であっても異なっていてもよく、H、OH、OPO3H2またはOCH2OPO3H2 およびそれらの二ナトリウム塩、OR11、OCH2O、NH2、NHR11、NO2、アルキル (C1-C4)、C6H5、C5H4Nまたはハロゲンである;
R11はC1-C4 アルキルまたはアシル、アミノ酸残基である;
XはO、S、N、NR12である;
R12はH、CH3、CH2Phである;
ZはCH、Nである;
ただし、式(I)の化合物は、コンブレタスタチン A-1、コンブレタスタチン A-2、コンブレタスタチン A-4、およびそれらのリン酸2ナトリウム誘導体ではなく、また、以下の化合物は含まない:
2-フェニル-6-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2,3-ジフェニル-6-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(3,4-ジメトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(3,4,5-トリメトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-6-(3,4-メチレンジオキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2,3-ジフェニル-6-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]フラン;
2-フェニル-5-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-5-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-5-(3,4-メチレンジオキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-6-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-6-(4-メトキシ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
2-フェニル-6-(4-クロロ)-トランス-スチリル-ベンゾ[b]チオフェン;
ピセタノール;
1-(3-フラニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
1-(3-チオフェニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
1-(2-フラニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
および、以下を条件とする:
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10 はメトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は2-クロロ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10 は4-クロロ、4-ブロモ、4-ニトロ、4-ヒドロキシ、4-アセチル、4-エトキシ、4-C1-C4 アルキルのいずれでもない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-ニトロまたは4-アミノ、R10 は3-クロロ、3-メトキシ、3-メチルのいずれでもない;
- R1 が水素、 R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-ニトロまたは3-アミノ、R10 は3-クロロ、3-メトキシ、3-メチルのいずれでもない;
- R1 が水素、R2-R4が 2,3,4-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8の少なくとも1つは水素、R9は3-メトキシ、R10は5-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8 -R10はメトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9-R10は3,5-ジメトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,5-メトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1およびR2が水素、R3-R4が3,5-メトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-アセチルではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはピリジルではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-NHR11、R11はセリン残基ではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は1〜3の炭素原子を有する4-アルキルオキシ基ではなく、1〜4の炭素原子を有する4-アルキル基ではなく、ハロゲン原子ではない;
- R1 が水素、R2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4 は5-メトキシ、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 2,3,4-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNHR11、R11はセリン残基、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4は4-メトキシ、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNHR11、R11はシステイン、グリシン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン、チロシン、バリンのアミノ酸残基、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNO2またはNH2、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8 -R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-フルオロではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メチル、R10は3-フルオロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-メトキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は3-フルオロ、R9は4-メトキシ、R10は2- または5-フルオロではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3- ヒドロキシまたは3-アミノではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-フルオロまたは3-ブロモではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9は水素、R10は4-ヒドロキシではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-メチル、R10は4-メチルではない;
- R1 が水素、R2-R4が 3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10は3-ヒドロキシではない;
- R1- R2が水素、R3-R4が3,5-ジヒドロキシの場合、Yはトランス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-ヒドロキシ、R10は5-ヒドロキシではない;
- R1-R3が水素の場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9およびR10は3,4-ジメチル、およびR4は4-メトキシではない;
- R1-R2 が水素の場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9およびR10は3,4-ジメチル、R4は4-メトキシ、R3は3- フルオロまたは3-ブロモまたは3-ニトロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1-R2が水素の場合、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10は3,4,5-トリエトキシ、R4は4-メトキシ、R3は3-フルオロまたは3-クロロまたは3-ブロモまたは3-ヒドロキシではない;
-R1-R2が水素の場合、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R9 は4,5-ジメトキシ、R10は3-ヒドロキシ、R3は3-フルオロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1-R2が水素の場合、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R9は4,5-ジメトキシ、R10は3-メトキシ、R3は3-フルオロではない;
- R1 が水素の場合、R2-R4は3,4,5-トリメトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arは2-ナフチル、R8- R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1およびR2が水素の場合、R3は3-ヒドロキシ、R4は4-メトキシ、Y は二重結合、R5およびR6はH、Arは2-ナフチル、R8- R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素の場合、R2-R4は3,4,5-トリメトキシ、Yは、
【化4】

Arはインドリル、ここでR8-R10の少なくとも1つは水素ではない]。
【請求項2】
以下からなる群から選択される請求項 1の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、それぞれの混合物およびその医薬上許容される塩:
2-メトキシ-5-[3-メトキシ-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-4-イソキサゾリル]-フェノール;
2-メトキシ-5-[3-メトキシ-4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-フェノール;
5-[3-ベンゼンスルホニル-4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-4-イソキサゾリル]-2-メトキシ-フェノール;
5-[3-ベンゼンスルホニル-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-2-メトキシ-フェノール;
2-メトキシ-5-[3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-イソキサゾリル]-フェノール;
2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソキサゾリル]-フェノール;
2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-3-イソキサゾール]-フェノール;
シス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール;
トランス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール;
シス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン;
トランス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン;
シス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール;
トランス-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール;
シス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン;
トランス-4-メトキシ-6-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン;
シス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-7-オール;
トランス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-7-オール;
シス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール;
トランス-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール;
シス-1-メトキシ-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン;
メトキシ-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン;
シス-7-メトキシ-1-メチル-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-1H-インダゾール;
トランス-7-メトキシ-1-メチル-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-1H-インダゾール;
2-ニトロ-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-チオフェン;
2-ニトロ-5-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-フラン;
シス-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン-1-オール;
トランス-3-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-ビニル]-ナフタレン-1-オール;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾ-チオフェン-4-オール 4-O-リン酸二ナトリウム;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾフラン-4-オール 4-O-リン酸二ナトリウム;
6-[(Z)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール;
6-[(E)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール;
6[(Z)-2-(3-メトキシ-4,5-メチレンジオキシ-フェニル-1-イル)-ビニル]-1-ベンゾフラン-4-オール;
6[(E)-2-(3-メトキシ-4,5-メチレンジオキシ-フェニル-1-イル)-ビニル]-1-ベンゾフラン-4-オール;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾ-チオフェン-4-オール 4-O-メチルオキシリン酸二ナトリウム;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾフラン-4-オール 4-O- メチルオキシリン酸二ナトリウム;
6-[(Z)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール;
6-[(E)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール;
6[(Z)-2-(3-メトキシ-4,5-メチレンジオキシ-フェニル-1-イル)-ビニル]-1-ベンゾフラン-4-オール;
6[(E)-2-(3-メトキシ-4,5-メチレンジオキシ-フェニル-1-イル)-ビニル]-1-ベンゾフラン-4-オール;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾ-チオフェン-4-オール 4-O-メチルオキシリン酸二ナトリウム;
6[(Z)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-1-ベンゾフラン-4-オール 4-O- メチルオキシリン酸二ナトリウム;
6-[(Z)-2-(7-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ビニル]-1-ベンゾチオフェン-4-オール;
シス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾフラン-6-イル)-ビニル]-フェノール;
シス-2-メトキシ-5-[2-(7-メトキシ-ベンゾフラン-5-イル)-ビニル]-フェノール;
シス-2-メトキシ-5-[2-(4-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-ビニル]-フェノール;
シス-6-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾ[b]チオフェン-4-オール;
シス-5-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-7-オール;
シス-6-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-ビニル]-ベンゾフラン-4-オール。
【請求項3】
式(I)の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、それぞれの混合物およびその医薬上許容される塩の医薬としての使用:
【化5】

(I)
[式中
各R1、R2、R3およびR4は同一であっても異なっていてもよく、H、OH、OPO3H2またはOCH2OPO3H2 およびそれらの二ナトリウム塩、OMe、OCH2O、NO2、F、Cl、Brである;
-R1-R2- は一緒になって、-CR8=CR9-X-でもよい;
Y は以下から選択される基である;
【化6】

R5およびR6は同一であっても異なっていてもよく、Hまたはハロゲンである;
R7はH、OMe、SO2Phである;
Ar は以下から選択される:
【化7】

R8、R9およびR10は同一であっても異なっていてもよく、H、OH、 OPO3H2またはOCH2OPO3H2 およびそれらの二ナトリウム塩、OR11、OCH2O、NH2、NHR11、NO2、アルキル (C1-C4)、C6H5、C5H4Nまたはハロゲンである;
R11はC1-C4 アルキルまたはアシル、アミノ酸残基である;
XはO、S、N、NR12である;
R12はH、CH3、CH2Phである;
ZはCH、Nである;
ただし式(I)の化合物はコンブレタスタチン A-1、コンブレタスタチン A-2、コンブレタスタチン A-4およびそのリン酸2ナトリウム誘導体ではなく、また、以下の化合物を除く:
ピセタノール;
1-(3-フラニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
1-(3-チオフェニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン;
1-(2-フラニル)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテン、
および、以下を条件とする:
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9 は水素、R10 はメトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9 は2-クロロ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4がトリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9 は水素、R10 は4-クロロ、4-ブロモ、4-ニトロ、4-ヒドロキシ、4-アセチル、4-エトキシ、4-C1-C4 アルキルのいずれでもない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9 は4-ニトロまたは4-アミノ、R10 は3-クロロ、3-メトキシ、3-メチルのいずれでもない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9 は3-ニトロまたは3-アミノ、R10 は3-クロロ、3-メトキシ、3-メチルのいずれでもない;
- R1 が水素およびR2-R4が 2,3,4-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9 は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8の少なくとも1つは水素、R9 は3-メトキシ、R10 は5-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8 -R10 はメトキシではない;
- R1およびR2 が水素およびR3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9 は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1およびR2 が水素およびR3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9-R10 は3,5-ジメトキシではない;
- R1およびR2 が水素およびR3-R4が3,4-ジメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1およびR2 が水素およびR3-R4 が3,5-メトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9 は水素、R10は4-メトキシではない;
- R1およびR2 が水素およびR3-R4が3,5-メトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9 は水素、R10 は4-アセチルではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Ar はピリジルではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10 は4-NHR11、R11 はセリン残基ではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10 は炭素原子数1〜3の4-アルキルオキシ基または炭素原子数1〜4の4-アルキル基またはハロゲン原子ではない;
- R1 が水素およびR2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4 は5-メトキシ、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が 2,3,4-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は3-アミノ、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNHR11、R11はセリン残基、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4は4-メトキシ、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNHR11、R11は、システイン、グリシン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン、チロシン、バリンのアミノ酸残基、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R3が3,4-メチレンジオキシの場合、R4は4-メトキシ、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9はNO2 またはNH2、R10は4-メトキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8 -R10の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10 は3-フルオロではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9 は4-メチル、R10 は3-フルオロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10 は3-メトキシではない;
-R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8 は3-フルオロ、R9は4-メトキシ、R10 は2- または5-フルオロではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10 は3- ヒドロキシまたは3-アミノではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10 は3-フルオロ または3-ブロモではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8およびR9 は水素、R10 は4-ヒドロキシではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9 は3-メチル、R10 は4-メチルではない;
- R1 が水素およびR2-R4が3,4,5-トリメトキシの場合、Yはシス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9は4-メトキシ、R10 は3-ヒドロキシではない;
- R1- R2 が水素およびR3-R4が3,5-ジヒドロキシの場合、Yはトランス二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9 は3-ヒドロキシ、R10 は5-ヒドロキシではない;
- R1-R3が水素の場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9およびR10は3,4-ジメチル、および R4 は4-メトキシではない;
- R1- R2 が水素の場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8は水素、R9およびR10は3,4-ジメチル、R4は4-メトキシ、R3 は3- フルオロまたは3-ブロモまたは3-ニトロまたは3-ヒドロキシではない;
- R1- R2 が水素の場合、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R10は3,4,5-トリエトキシ、R4は4-メトキシ、R3 は3-フルオロまたは3-クロロまたは3-ブロモまたは3-ヒドロキシではない;
- R1- R2 が水素の場合、R4は4-メトキシ、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R9は 4,5-ジメトキシ、R10 は3-ヒドロキシ、R3 は3-フルオロ または3-ヒドロキシではない;
- R1- R2 が水素の場合、R4は4-メトキシ、Yは二重結合、R5およびR6はH、Arはフェニル、R8-R9は4,5-ジメトキシ、R10 は3-メトキシ、R3 は3-フルオロではない;
- R1 が水素の場合、R2-R4は3,4,5-トリメトキシ、Yは二重結合、R5およびR6はH、Ar は2-ナフチル、R8- R10 の少なくとも1つは水素ではない;
- R1およびR2 が水素の場合、R3 は3-ヒドロキシ、R4は4-メトキシ、Yは二重結合、R5およびR6はH、Ar は2-ナフチル、R8- R10 の少なくとも1つは水素ではない;
- R1 が水素の場合、R2-R4は3,4,5-トリメトキシ、Yは
【化8】

Arはインドリル、ここでR8-R10の少なくとも1つは水素ではない ]。
【請求項4】
腫瘍型疾患の治療用医薬の調製のための請求項 3の使用。
【請求項5】
細胞毒性活性に応答する癌の治療用医薬の調製のための請求項 3の使用。
【請求項6】
該癌が、肉腫、癌腫、癌様体、骨癌、神経内分泌癌、リンパ性白血病、骨髄性白血病、単球性白血病、巨核球性白血病またはホジキン病からなる群から選択される請求項 5の使用。
【請求項7】
異常な血管新生に関連する疾患の治療用医薬の調製のための請求項1の化合物の使用。
【請求項8】
該疾患が、関節炎疾患、抗血管新生活性に応答する腫瘍、転移拡散、糖尿病性網膜症、乾癬、慢性炎症、および アテローム性動脈硬化症からなる群から選択される請求項7の使用。
【請求項9】
該医薬が少なくとも1つの他の細胞発育抑制薬と組み合わされる、腫瘍の治療における請求項4〜8のいずれかの使用。
【請求項10】
該細胞発育抑制薬が、アルキル化剤; トポイソメラーゼ阻害剤; 抗チューブリン剤; 挿入剤; 代謝拮抗剤; 天然物、例えば、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、抗生物質、酵素、タキサンおよび抗癌ワクチンからなる群から選択される請求項 9の使用。
【請求項11】
医薬上許容される賦形剤または希釈剤と混合して、請求項1-2の化合物または請求項3に開示の化合物を活性成分として含む医薬組成物。
【請求項12】
下記式の化合物の請求項1-2の化合物の調製のための中間体としての使用
【化9】

[式中、X は酸素または硫黄]。
【請求項13】
下記式の化合物:
【化10】

[式中、X は酸素または硫黄、Rはメチル、またはterブチルジメチルシリル]。
【請求項14】
下記式の化合物:
【化11】

[式中、X は酸素または硫黄、Rはメチル、またはterブチルジメチルシリル、R1 はホルミル]。
【請求項15】
下記式の化合物の請求項1-2の化合物の調製のための中間体としての使用:
【化12】

[式中、X は酸素または硫黄]。
【請求項16】
下記式の化合物:
【化13】

[式中、X は酸素または硫黄]。
【請求項17】
下記式の化合物:
【化14】

[式中、X は酸素または硫黄]。
【請求項18】
請求項1-2の化合物の調製における中間体としての請求項13-14 および 16-17のいずれかの化合物の使用。

【公表番号】特表2007−530427(P2007−530427A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520106(P2006−520106)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000373
【国際公開番号】WO2005/007635
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】