説明

結晶半導体粒子の製造方法および光電変換装置ならびに光発電装置

【課題】 高品質な結晶シリコン粒子を安定して作製でき、量産性や低コストに優れた光電変換装置や光発電装置を提供することである。
【解決手段】 半導体粒子101表面に珪素化合物被膜を形成し、加熱して溶融させた後に降温して凝固させることによって結晶化させる結晶半導体粒子101の製造工程において、前記珪素化合物被膜を形成する際に、前記半導体粒子101をシリコンウェーハ104上に載置して珪素化合物被膜を形成する結晶半導体粒子101の製造方法である。光電変換装置に用いる場合に光電変換効率性に優れた高品質な結晶シリコン粒子101を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に太陽電池のような光電変換装置ならびに光発電装置に用いる好適な結晶半導体粒子の製造方法、およびその製造方法によって製造された結晶半導体粒子を用いた光電変換装置、ならびに光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光電変換装置は、性能面での効率の良さ、資源の有限性への配慮、あるいは製造コストの低さ等といった市場のニーズを捉えて開発が進められている。今後の市場において有望な光電変換装置の一つとして、太陽電池として使用される、半導体粒子を用いた光電変換装置がある。
半導体粒子、例えばシリコン粒子を作製するための原料としては、単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や、流動床法で気相合成された高純度シリコン等が用いられる。これらの原料からシリコン粒子を作製するには、それら原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波を用いて容器内で溶融し、その後に自由落下させる方法(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)や、同じく高周波プラズマを用いる方法(例えば、特許文献3を参照。)によって粒子化することが行われる。
【0003】
しかしながら、これらの方法で製造されたシリコン粒子は、そのほとんどが多結晶体である。多結晶体は、微小な結晶の集合体であるため、それら微小な結晶間に粒界が存在する。この粒界は、多結晶体を用いた半導体装置の電気特性を劣化させる。その理由は、粒界にはキャリアの再結合中心が集まっており、それによってキャリアの再結合が生ずることで少数キャリアのライフタイムが大幅に低減してしまうためである。
光電変換装置のように電気特性が少数キャリアの寿命の増大とともに大幅に向上する半導体装置の場合には、それに用いられるシリコン粒子中の粒界の存在は、電気特性を悪化させてしまい、特に大きな問題となる。逆に言えば、シリコン粒子を多結晶体から単結晶体にできれば、このシリコン粒子を光電変換素子に用いた光電変換装置の電気特性を著しく改善することができる。
【0004】
また、多結晶体中の粒界は多結晶体のシリコン粒子の機械的強度を低下させることから、光電変換装置を製造する各工程の熱履歴や熱歪み、あるいは機械的な圧力等によってシリコン粒子が破壊されやすいという問題もあった。
従って、シリコン粒子を用いて光電変換装置を製造する場合には、粒界等が存在しない、結晶性に優れた多結晶体または単結晶体からなる結晶シリコン粒子を製造することが必要不可欠となる。
【0005】
そのような結晶性に優れた単結晶体からなる結晶シリコン粒子を得る方法として、多結晶シリコンまたは無定形シリコンの表面上にシリコンの酸化膜等の珪素化合物被膜を形成し、その珪素化合物被膜の内側のシリコンを溶融した後に冷却して固化させて、結晶性に優れた多結晶体または単結晶体からなる結晶シリコン粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献4を参照)。
【0006】
【特許文献1】国際公開第99/22048号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4188177号明細書
【特許文献3】特開平5−78115号公報
【特許文献4】米国特許第4430150号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、シリコン粒子を加熱してその表面に形成された珪素化合物被膜、具体的には酸窒化シリコン被膜の内側でシリコンを溶融させ、その後に凝固させた場合には、CZ(チョクラルスキー)法やFZ(フローティングゾーン)法のような一般的なバルクのシリコン単結晶を育成する際の種結晶のような凝固起点がないため、一方向に凝固が起こらず多数核の発生による多結晶化が起こることが問題となる。この結晶シリコン粒子の多結晶化は上記のように様々な問題を生じ、その結晶シリコン粒子を光電変換素子に用いる光電変換装置の特性劣化を引き起こしてしまうという問題点がある。
【0008】
また、結晶シリコン粒子の製造にあたって流動床法により気相合成された高純度シリコン等の多結晶体を原料に用いた場合には、多結晶シリコン中に含まれる出発原料や製造工程中からの混入を主原因とする鉄やニッケル等の金属不純物による汚染が問題となる。金属不純物はシリコン中では化学的な結合手を持たない格子間拡散をすることから、シリコン格子の隙間を縫って不純物原子が拡散する。そして、この拡散した金属不純物はシリコン内で深い準位を形成してキャリアの再結合中心として作用し、リーク電流の増加やライフタイムの低下原因となって光劣化を引き起こす。
すなわち、従来の結晶シリコン粒子の製造方法では所望の高品質な結晶シリコン粒子を作製することが困難であり、それによって得られた結晶シリコン粒子を用いて電気特性に優れた光電変換装置を作製するための製造方法としては不向きなものであるという問題点がある状況であった。
【0009】
本発明の課題は、多結晶シリコンのような半導体粒子を安定して高効率に結晶化するとともに高い結晶性を持った結晶半導体粒子を低コストで製造することができる結晶半導体粒子の製造方法を提供することである。さらに、その結晶半導体粒子の製造方法によって製造された結晶半導体粒子を用いた、電気特性に優れた良好な光電変換装置ならびに光発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、半導体粒子表面に珪素化合物被膜を形成する際に前記半導体粒子をシリコンウェーハ上に載置して珪素化合物被膜を形成し、該珪素化合物被膜を所定の膜厚とする結晶半導体粒子の製造方法を用いることにより、結晶半導体粒子を安定して高効率に結晶化するとともに高い結晶性を持った結晶半導体粒子を低コストで製造できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明における結晶半導体粒子の製造方法および光電変換装置ならびに光発電装置は、以下の構成を有する。
(1)半導体粒子表面に珪素化合物被膜を形成し、加熱して溶融させた後に降温して凝固させることによって結晶化させる結晶半導体粒子の製造方法において、前記珪素化合物被膜を形成する際に前記半導体粒子をシリコンウェーハ上に載置して予め珪素化合物被膜を形成することを特徴とする結晶半導体粒子の製造方法。
(2)前記珪素化合物被膜の膜厚が0.01〜50μmであることを特徴とする(1)に記載の結晶半導体粒子の製造方法。
(3)前記珪素化合物被膜は、珪素酸化物または珪素酸窒化物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の結晶半導体粒子の製造方法。
(4)基板上に一導電型を呈する半導体粒子を多数配設し、前記半導体粒子の間に絶縁体を配設し、前記半導体粒子上に逆導電型を呈する半導体層を設けた光電変換装置であって、前記半導体粒子は、(1)〜(3)のいずれかに記載の結晶半導体粒子の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする光電変換装置。
(5)(4)に記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した光発電装置。
【発明の効果】
【0012】
上記(1)〜(3)によれば、半導体粒子表面に珪素化合物被膜を形成する際、半導体粒子をシリコンウェーハ上に載置して予め珪素化合物被膜を形成することから、半導体粒子を加熱して溶融させる際に、半導体粒子が載置されている台板からの汚染物や不純物が半導体粒子内部へ拡散するのを、溶融前に予め形成した珪素化合物被膜によって防ぐことができるため、結晶半導体粒子中の不純物濃度を低減化することが可能となり、結晶半導体粒子の結晶性を大幅に向上させることができる。
さらに、半導体粒子表面に形成された珪素化合物被膜によって、半導体粒子表面と珪素化合物被膜との界面に歪みが誘起され、半導体粒子を加熱して溶融、凝固させる際に、金属不純物等が珪素化合物被膜の形成によって誘起された歪み層の中に拡散しやすくなり、金属不純物等を効率よくゲッタリングすることができる。
上記(4)によれば、基板上に一導電型を呈する半導体粒子を多数配設し、前記半導体粒子の間に絶縁体を配設し、前記半導体粒子上に逆導電型を呈する半導体層を設けた光電変換装置であって、前記結晶半導体粒子は、上記いずれかの構成の本発明の結晶半導体粒子の製造方法によって製造されたものであることから、電気特性に優れた高品質の結晶半導体粒子を製造することができ、また、加熱炉内での処理用の石英製の台板を多段に積層し、かつ台板上にシリコン粒子を高密度に載置することにより、安価に量産性よく製造することもできるので、光電変換装置の高効率化および信頼性の向上を図ることができる。
そして、上記(5)によれば、上記の本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するようになしたことによって、高効率で信頼性が高い本発明の光電変換装置によって発電能力が向上し、長期間にわたって安定に信頼性を確保することができる。
以上により、本発明の結晶半導体粒子の製造方法によれば、多数個の結晶半導体粒子を安定に効率よく結晶化することができるとともに高い結晶性を持った結晶半導体粒子を容易に量産することができるので、これを用いることにより、光電変換特性に優れた良好な光電変換装置およびそれを用いた光発電装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の結晶半導体粒子の製造方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1(a)〜(e)はそれぞれ本発明の結晶半導体粒子の製造方法の実施の形態の一例における概略の様子を示す工程毎の縦断面図である。図1において、101は半導体粒子または結晶半導体粒子(シリコン粒子または結晶シリコン粒子)、102は台板であり、103は固化起点(一方の極)、104はシリコンウェーハを示している。また、101aは半導体粒子(結晶半導体粒子)の表層に形成された応力歪を示している。
【0014】
(結晶シリコン粒子)
以下の実施の形態の例では、半導体材料としてシリコンを用いた例について説明する。
まず、半導体材料として半導体グレードの結晶シリコンを用い、これを赤外線や高周波コイルを用いて容器内で溶融し、しかる後に溶融したシリコンを粒状の融液として自由落下させる溶融落下法等によって多結晶のシリコン粒子101を得る。
溶融落下法で作成された多結晶のシリコン粒子101には、所望の導電型および抵抗値にするために、通常はドーパントがドーピングされる。シリコンに対するドーパントとしては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リン、ヒ素、アンチモンがあるが、シリコンに対する偏析係数が大きい点やシリコン溶融時の蒸発係数が小さい点からは、ホウ素あるいはリンを用いることが望ましい。また、ドーパント濃度としては、シリコンの結晶材料に1×1014〜1×1018atoms/cm3程度添加される。
この溶融落下法によってシリコン粒子101を得た時点では、シリコン粒子101の形状は、ほぼ球形状のものの他にも涙滴型や流線形型、あるいは複数個の粒子が連結した連結型等である。このままの多結晶のシリコン粒子101を用いて光電変換装置を作製した場合は、良好な光電変換特性を得られないものとなる。この原因は、この多結晶のシリコン粒子101中に通常含有されているFe、Cr、Ni、Mo等の金属不純物による、および多結晶の結晶粒界におけるキャリアの再結合効果によるものである。これを改善するために、本発明の結晶半導体粒子の製造方法によって、温度制御した加熱炉の中で多結晶のシリコン粒子101を再溶融させ、その後、例えば酸素・窒素雰囲気下で降温して固化させることにより作製される、不純物の含有量を非常に低く抑えた単結晶の結晶シリコン粒子101を用いる。
【0015】
単結晶の結晶シリコン粒子101を作製するには、まず、図1(a)に示すように、多数個の多結晶のシリコン粒子101をシリコンウェーハ104上に載置して、加熱炉(図示せず)内へ導入し、シリコン粒子101を加熱し珪素化合物被膜を形成する。シリコン粒子101間にできるだけ隙間がないように充填して載置するのが望ましいが、シリコン粒子101同士が接触していても構わない。次に、得られた多数個の多結晶のシリコン粒子101を台板102の上面に一層で並べて載置する。台板102上へのシリコン粒子101の載置は、一層で充填するのが望ましい。シリコン粒子101間にできるだけ隙間がないように充填して載置するのが望ましいが、シリコン粒子101同士が接触していても構わない。また台板102は板状のものが望ましく、複数段に積み重ねてもよい。台板102の材質は、シリコン粒子101との反応を抑えるために、石英ガラス、ムライト、酸化アルミニウム、炭化珪素、単結晶サファイア等が適するが、耐熱性、耐久性、耐薬品性に優れたコストも安く、かつ扱い易いという点からは、石英ガラスが好適である。
【0016】
また、台板102は、シリコン粒子101を溶融後に冷却し固化させて結晶化させるときの固化起点とするために用いられる。このように台板102の上面に多数個のシリコン粒子101を載置することにより、それぞれのシリコン粒子101と台板102との接触部分に固化起点103を設定することができるため、この固化起点103を一方の極としてこの一方の極103から上方の対向する極に向けて固化(結晶化)方向を設定することができ、種結晶を用いることなく一方向に凝固させることが可能となり、サブグレイン等の発生を抑制して結晶シリコン粒子101の結晶性を大幅に向上させることができる。
【0017】
シリコン粒子101を始めとする半導体粒子101の大きさは、通常はほぼ球状であることから、その粒子径は直径2000μm以下が望ましく、その形状が球に近いことが望ましい。ただし、シリコン粒子101の形状は球に限られるものでなく立方体状や直方体状やその他の不定形の形状であってもよい。半導体粒子101の大きさが2000μmを超えて大きくなる場合には、シリコン粒子101ではその表面に形成される所定の珪素化合物被膜が相対的に薄くなることによって内側のシリコンの溶融時における半導体粒子101の形状を安定に保つことが難しくなり、またシリコンを完全に溶融させることも困難となり、溶融が不完全な場合にはサブグレインが生じ易くなるので望ましくない。他方、シリコン粒子101の大きさが直径30μm未満と小さい場合には、シリコン粒子101では表面の珪素化合物被膜の厚みも薄くなるため溶融時に形状を維持することが困難となり、内側のシリコンの溶融時に隣接して配置されているシリコン粒子101同士が合体しやすくなるので望ましくない。従って、半導体粒子101の大きさは粒子径が30〜2000μmであることが望ましく、これによって半導体粒子101同士の合体を抑制し、また半導体粒子101の形状を安定に維持して、サブグレインの発生がない球形状で良質な結晶シリコン粒子101を安定して作製することができる。
【0018】
次に、図1(b)に示すように、シリコン粒子101を載置した台板102を加熱炉(図示せず)内に導入し、シリコン粒子101を加熱していくことにより、シリコン粒子101を溶融させる。加熱炉内としては、半導体材料の種類に応じて種々のものが使用できるが、半導体材料としてシリコンを用いる場合であれば、セラミックスの焼成等に用いられる抵抗加熱型や誘導加熱型の雰囲気焼成炉あるいは半導体素子の製造工程で一般的に用いられる横型酸化炉等が適している。セラミックスの焼成等に用いられる抵抗加熱型の雰囲気焼成炉は、1500℃以上の昇温も比較的容易であり、結晶半導体粒子101の量産が可能な大型のものも比較的安価に入手できるので望ましい。
雰囲気焼成炉による加熱を行う前には、シリコン粒子101の表面に付着した金属や異物等を除去するためにRCA法であらかじめ溶液洗浄をしておくことが望ましい。RCA洗浄法とは、シリコンウェーハの標準的洗浄工程として半導体素子の製造工程で一般的に用いられている洗浄方法であり、3段の工程のうち1段目の工程において水酸化アンモニウムと過酸化水素水との水溶液により酸化膜とシリコン表面とを除去し、2段目の工程においてフッ化水素酸により前段の工程で付いた酸化膜を除去し、3段目の工程において塩化水素と過酸化水素との水溶液により重金属等を除去して自然酸化膜を形成させるというものである。
【0019】
また、加熱炉内における炉材や発熱体等からの汚染を防止するためには台板102上に載置したシリコン粒子101を覆うようなベルジャーを加熱炉内に設置することが望ましい。ベルジャーの材質は石英ガラス、ムライト、酸化アルミニウム、炭化珪素、単結晶サファイア等が適するが、耐熱性、耐久性、耐薬品性に優れたコストも安く扱い易いという点からは、石英ガラスが好適である。
なお、シリコン粒子101の表面への有機物等の再付着汚染を防止するために、ベルジャー内はアルゴン、窒素、ヘリウム、水素が適するが、コストが低いという点や扱い易いという点からは、アルゴンあるいは窒素が好適である。
【0020】
(珪素化合物被膜)
加熱炉内でシリコン粒子101を酸素ガスと窒素ガスとから成る反応性ガスを導入しながら加熱して、シリコンの融点より高い温度へ昇温していく過程で、シリコン粒子101の表面には珪素化合物被膜が形成される。
シリコン粒子101の表面に形成される珪素化合物被膜については、シリコンの酸化膜もしくは酸窒化膜が適するが、被膜の密度が高くて単位膜厚当りの強度が高く、汚染物や不純物等のシリコン粒子101の内部への拡散阻止力が大きいという点からは、シリコンの酸窒化膜(珪素酸窒化被膜)が形成されることが好適である。
また、シリコン粒子101の表面にこの珪素酸窒化被膜を形成する際の反応性ガスによる加熱炉内の雰囲気は、酸素分圧および窒素分圧がそれぞれ0.5%以上であることが望ましい。雰囲気ガス中の酸素分圧あるいは窒素分圧が0.5%未満の場合は、内部を結晶化するシリコン粒子101の表面に形成される珪素酸窒化被膜の形成が不十分となって、珪素化合物被膜に亀裂が発生しやすくなり望ましくない。また、珪素化合物被膜として、珪素酸化物のみを形成するには、酸素ガスに対する窒素ガスの分圧比を0.1%未満にすることにより形成することができる。
なお、加熱炉内の雰囲気ガス中の各ガス分圧は、全ガス流量に対する各ガス流量で調整できる。雰囲気ガスは例えばガス供給手段からガスフィルタを通してベルジャー内に供給されるが、このガス供給手段にガスを供給する装置がガス圧力とガス濃度とを調整可能な機構を持つものであればよい。
【0021】
上記のように、加熱炉内に導入されたシリコン粒子101は、その半導体材料の融点(1414℃)以下で加熱されシリコン粒子101表面に珪素化合物被膜が形成される。次に、その半導体材料の融点以上で、シリコン粒子101であればシリコンの融点以上で、好ましくは1490℃以下の温度まで加熱される。この間にシリコン粒子101において表面の珪素化合物被膜の内側のシリコンが溶融する。このとき、シリコン粒子101の表面に形成された珪素化合物被膜によって、内側のシリコンを溶融させながらもシリコン粒子101の形状を維持することが可能である。ただし、半導体粒子101の形状を安定に維持するのが困難となるような温度、例えばシリコン粒子101の場合であれば1490℃を超える温度まで昇温させた場合には、内部のシリコンの溶融時にシリコン粒子101の形状を安定に保つことが難しくなり、隣接するシリコン粒子101との合体が生じやすくなり、また台板102と融着反応しやすくなるので望ましくない。
【0022】
なお、シリコン粒子101の場合は、上記の粒子径の範囲(30〜2000μm)において、その表面に形成される珪素化合物被膜の厚みは0.01μm以上あることが望ましい。厚みが0.01μm未満と薄い場合には内部のシリコンの溶融時に表面の被膜が破れやすいので望ましくない。また、厚みが0.01μm以上で必要な強度を有する珪素化合物被膜であれば、内部のシリコンがその溶融時には表面張力で球形化しようとするのに対し、上記の温度領域あれば珪素化合物被膜は十分に変形可能であるため、内部結晶化して得られる結晶シリコン粒子101を真球に近い形状とすることができる。一方、珪素化合物被膜の厚みが50μmを超えて厚くなる場合には、珪素化合物被膜が上記の温度領域で変形しにくくなり、得られる結晶シリコン粒子101の形状が真球に近い形状になりにくいので望ましくない。従って、シリコン粒子101の場合は、上記の粒子径の範囲(30〜2000μm)に対してその表面の珪素化合物被膜の厚みは0.01〜50μmであることが好ましく、これによって、真球に近い良好な形状の結晶シリコン粒子101を安定して得ることができ、この結晶シリコン粒子101を光電変換素子に用いることによって変換効率に優れた光電変換装置を得ることができるようになる。
【0023】
次に、図1(c)に示すように、この溶融した半導体粒子101を、シリコン粒子101では珪素化合物被膜の内側の溶融したシリコンを固化させるために融点以下の約1400℃以下の温度まで降温させて固化させる。この際、融点以下の比較的に高温領域で固化する場合には、台板102上での接触部分を固化起点(一方の極)103として上方の対向する極に向けて一方向に固化が進行するので、固化起点103の結晶性がそのまま半導体粒子101の全体に継承されて結晶が成長するため、得られる結晶シリコン粒子101が単結晶となり、結晶性を大幅に向上させることができる。
【0024】
また、溶融した半導体粒子101を固化させる途中で半導体粒子101に対して熱アニール処理を、例えば結晶シリコン粒子101の場合であれば1000℃以上の一定温度にて30分間以上の熱アニール処理を行うことが望ましい。この熱アニール処理を行うことによって、固化時に発生した結晶半導体粒子101の結晶中の歪や、表面の珪素化合物被膜と内側の結晶シリコンとの界面に発生した界面歪み等を緩和除去して良好な結晶性の結晶半導体粒子101とすることができる。
【0025】
本発明の結晶半導体粒子の製造方法においては、以上のような、珪素化合物被膜が形成された多数個の半導体粒子101を上面に載置した台板102を加熱炉内に導入し、半導体粒子101を加熱して溶融させる工程と、この溶融した半導体粒子101を台板102側の固化起点(一方の極)103から上方の対向する極に向けて固化させる工程とを、図1(a)〜(e)に示すように2回以上繰り返してもよい。このように溶融させる工程と固化させる工程とを繰り返すことによって、1回目で半導体粒子101の固化起点103や中央部に残存していた低濃度の不純物をさらに固化の終端部(対向する極)に集積させることができるので、1回目よりも高濃度に不純物を含有した終端部をエッチング除去することにより、さらに純度の高い結晶半導体粒子101を得ることができる。
【0026】
結晶半導体粒子101が結晶シリコン101であり、光電変換装置に用いられる場合であれば、以上に加えて、結晶シリコン粒子101の表面に微細な凹凸を形成することも有効である。その方法としては、ガスエッチング、あるいは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ液エッチング等がある。このような表面の凹凸は、この結晶シリコン粒子101を光電変換素子に用いて光電変換装置を構成したときに、その表面の凹凸による光の乱反射によって入射光の利用効率を改善するように機能するものとなる。この表面の凹凸は大き過ぎても小さ過ぎても十分な効果が期待できず、表面の算術平均粗さRaが0.01〜5μmの粗面になるような凹凸とすることで、光電変換装置において光の乱反射により入射光の利用効率を良好に改善することができる。
【0027】
本発明の結晶半導体粒子の製造方法によれば、以上のようにして良好な結晶性であり、かつ不要な不純物量が低減された結晶半導体粒子101を安定して製造することができる。
【0028】
(光電変換装置)
次に、本発明の光電変換装置の実施の形態の一例について、その縦断面図を図2に示す。
図2において、206は結晶シリコン粒子、207は導電性基板、208は結晶シリコン粒子206と導電性基板207との接合層、209は絶縁物質、210は半導体層、211は透光性導体層、212は電極である。
本発明の結晶シリコン粒子206を用いた光電変換装置においては、導電性基板207の一主面、この例では上面に、第1導電型、例えばp型の結晶シリコン粒子206の表面に第2導電型、例えばn型の半導体層210が形成された結晶シリコン粒子206が多数個、その下部を例えば接合層208によって導電性基板207に接合され、結晶シリコン粒子206の隣接するもの同士の間に絶縁物質209を介在させるとともにそれら結晶シリコン粒子206の上部を絶縁物質209から露出させて配置されて、これら結晶シリコン粒子206に透光性導体層211が設けられた構成となっている。なお、電極212は、この光電変換装置を太陽電池として使用する際に、透光性導体層211の上に所定のパターン形状に被着形成されるものであり、例えばフィンガー電極およびバスバー電極である。
そして、本発明の光電変換装置においては、このような構成において、結晶シリコン粒子206は、上記のような本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって製造されたものであることを特徴とするものである。
本発明の光電変換装置においては、このように結晶シリコン粒子206が本発明の結晶半導体粒子の製造方法によって製造されたものであることから、不純物濃度が極めて低い高品質のシリコン材料を得ることができるので、高い光電変換効率を得るために重要な因子となる少数キャリア寿命を向上させることができ、光電変換装置の形成材料として好ましい結晶シリコン粒子206を得ることができる。
【0029】
次に、この本発明の光電変換装置における結晶シリコン粒子206を上記の結晶シリコン粒子101の製造方法と同様にして作製する。結晶シリコン粒子206の出発原料として用いるシリコン粒子101は、所望の抵抗値になるように第1導電型のドーパントとしてp型の半導体不純物がドーピングされていることが望ましい。p型ドーパントとしては前述のようにホウ素、アルミニウム、ガリウム等が望ましく、その添加量1×1014〜1×1018atoms/cm3が望ましい。
以上の本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって製造された結晶シリコン粒子101(206)は、本発明の光電変換装置を作製するために使用される。そして、この光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段からの発電電力を負荷に供給するように成した光発電装置とすることができる。
【0030】
図2に示した例は以上のようにして得られた結晶シリコン粒子206を用いて作製されたものである。この光電変換装置を得るには、まず、得られた結晶シリコン粒子206の表面に形成された珪素化合物被膜をフッ酸でエッチング除去する。このとき除去される珪素化合物被膜の厚みは径方向で1μm以上である。さらに、珪素化合物被膜と結晶シリコン粒子206との界面歪みや結晶シリコン粒子206の表面に偏析されたp型ドーパントや酸素、炭素や金属等の不純物を除去するために、結晶シリコン粒子206の表面をフッ硝酸等でエッチング除去しても構わない。その際に除去される結晶シリコン粒子206の表面層の厚みは、径方向で100μm以下であることが望ましい。
【0031】
次に、結晶シリコン粒子206の表面に第2導電型の半導体層210、例えばn型の半導体層210を設ける。n型の半導体層210は、アモルファスまたは多結晶の半導体層210を製膜することにより、あるいは熱拡散等により半導体層210を形成することにより設けられる。このとき、結晶シリコン粒子206はp型であるので、半導体層210であるシリコン層210はn型の半導体層210とする。
【0032】
次に、導電性基板207の上に結晶シリコン粒子206を多数個配置する。そして、これを還元雰囲気中にて全体的に加熱して生じた接合層208を介して結晶シリコン粒子206を導電性基板207に接合させる。なお、この接合層208は、例えばアルミニウムとシリコンとの合金である。
このとき、導電性基板207をその表面にアルミニウムを少なくとも含む金属基板にすることにより、低温で結晶シリコン粒子206を接合することができ、軽量かつ低価格の光電変換装置を提供することができる。また、導電性基板207の表面を粗面にすることにより、導電性基板207の表面まで到達する非受光領域の入射光の反射をランダムにすることができ、入射した光を斜めに反射させてモジュール表面へ再反射させることができ、これを結晶シリコン粒子206の光電変換部でさらに光電変換することにより、入射光を有効に利用することができる。
【0033】
次に、接合された結晶シリコン粒子206の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板207上に絶縁物質209を、これら結晶シリコン粒子206の上部、少なくとも天頂部を絶縁物質209から露出させて配置する。
ここで、隣接する結晶シリコン粒子206同士の間の絶縁物質209の表面形状を、結晶シリコン粒子206側が高くなっている凹形状をしているものとすることにより、絶縁物質209とこの上を被って付与される光電変換モジュールの封止樹脂との屈折率の差により、光電変換材料としての結晶シリコン粒子206のない非受光領域における、結晶シリコン粒子206への入射光の乱反射を促進することができる。
【0034】
次に、これら結晶シリコン粒子206の露出した上部に透光性導体層211を設ける。そして、太陽電池として所望の電力を取り出すために所定のパターン形状に銀ペースト等を塗布して、グリッド電極あるいはフィンガー電極およびバスバー電極等の電極212を形成する。このようにして、導電性基板207を一方の電極にし、電極212をもう一方の電極とすることにより、太陽電池としての光電変換装置が得られる。
以上のような本発明の光電変換装置によれば、2回以上溶融・固化工程を繰り返すことにより、不純物を偏析させる効果を高めることができるので、不純物の少ない高品質化された多数個の結晶シリコン粒子206を量産性よく製造でき、光電変換装置に使用するシリコン材料を効率的に利用できると同時に、高品質な粒状シリコン結晶206であることによって光電変換装置の高効率化および信頼性の向上を図ることができ、高効率で低コストの光電変換装置を提供することができる。
そして、本発明の光発電装置によれば、上記の本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことによって、高効率で信頼性が高い本発明の光電変換装置によって発電能力が向上し、長期間にわたって安定に信頼性を確保することができる。
【0035】
以下、実施例を挙げて、本発明の結晶半導体粒子101の製造方法および光電変換装置を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
【0036】
以下に本発明の結晶半導体粒子101の製造方法およびこれによって製造した結晶シリコン粒子206を用いた光電変換装置について具体例を作製工程に沿って説明する。
ホウ素濃度が0.6×1016atoms/cm3であり、粒子径が約400μmの結晶シリコン粒子101をシリコンウェーハ104上に多数個載置し、加熱炉である焼成炉の内部に設置した石英ベルジャー内に収容して酸素ガスと窒素ガスとの反応ガス供給手段から導入しながら1300℃付近で加熱し、珪素化合物被膜として珪素酸窒化被膜を結晶シリコン粒子101の表面に形成する。
次に、珪素酸窒化被膜が形成された結晶シリコン粒子101を石英ガラス製の台板102上に一層に多数個載置し、加熱炉であるアルゴン不活性雰囲気で満たされた雰囲気焼成炉の内部に設置した石英ガラス製のベルジャー内に収容して酸素ガスと窒素ガスとの反応ガスをガス供給手段から導入しながら加熱し、シリコンの融点以上の1440℃まで加熱し2分間保持して表面の珪素酸窒化被膜の内側のシリコンを溶融させた後、降温速度を毎分4℃とし冷却させながら、固化起点(一方の極)103から上方の他方の極に向かって固化させた。その後、さらに1300℃まで降温させて200分間の熱アニール処理を行った。この熱アニール処理後に室温付近まで降温させた。
次に、この室温付近まで冷却された結晶シリコン粒子101に対して再度同じ工程を行
い、本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって結晶シリコン粒子101を作製した。
このとき、結晶シリコン粒子101の表面に珪素酸窒化被膜を形成する際の加熱炉内の酸素ガスおよび窒素ガスの全ガス流量に対する分圧はそれぞれ20%および80%とし、全ガス流量に対する酸素ガスおよび窒素ガスの流量で調整し、また、降温速度は酸素ガスおよび窒素ガスの温度を制御することにより調整した。
回収した結晶シリコン粒子101の表面に形成された珪素酸窒化被膜をフッ酸にて除去し、所定の厚さ(10μm)までフッ硝酸で結晶シリコン粒子101の表面を深さ方向にエッチング除去した。
この結晶シリコン粒子101を石英製ボートに載せて、900℃に制御された石英管の中に導入し、POCL3ガスを窒素で、バブリングさせて石英管に送り込み、30分で結晶シリコン粒子101(206)の表面におよそ1μmの厚さのn型の半導体層210を形成し、その後、フッ酸にて表面の珪素酸窒化被膜を除去した。
次に、図2に示すように、導電性基板207として50mm×50mm×厚さ0.3mmのアルミニウム基板を用い、この上面にこの結晶シリコン粒子206を最密充填に配置した後、アルミニウムとシリコンとの共晶温度である577℃を超える600℃で、5%の水素を含む窒素の還元雰囲気炉中で加熱して、多数個の結晶シリコン粒子206の下部を導電性基板207と接合させた。このとき、結晶シリコン粒子206が導電性基板207のアルミニウムと接触している部分ではアルミニウムとシリコンとの共晶から成る接合層208が形成されており、強い接着強度を呈していた。
さらに、この上から結晶シリコン粒子206同士の間にそれらの上部を露出させてポリイミドから成る絶縁物質209を塗布乾燥し、下部電極となる導電性基板207と、上部電極となる透光性導体層211とを電気的に絶縁分離するようにした。
この上に上部電極膜としての透光性導体層211を、スパッタリング法によって全面に約100nmの厚みで形成した。
最後に、銀ペーストをディスベンサーでグリッド状にパターン形成して、フィンガー電 極およびバスバー電極からなる電極212を形成し、本発明にかかる光電変換装置を作製した。なお、この銀ペーストのパターンは、大気中500℃で焼成を行った。
【0037】
本発明の実施例としては、図1に示すように本発明のシリコン粒子101への珪素化合物被膜形成を予めシリコンウェーハ104上で行ったものであり、表2に示す珪素化合物被膜の厚さの結晶シリコン粒子206を作製し、それらを用いて光電変換装置を作製した(試料No.1〜5)。ただし、試料No.1,5は珪素化合物被膜の膜厚が本発明の範囲外である。
【0038】
次に、比較例として、珪素化合物被膜の形成を直接石英製の台板102上で行い、表2に示す珪素化合物被膜の厚さの結晶シリコン粒子206を作製し、それらを用いて光電変換装置を作製した(試料No.6〜10)。
【0039】
(測定方法および測定結果)
上記で得られた結晶シリコン粒子206中の不純物を試料No.3および8について調べた。前記不純物の濃度測定は、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析) (マイクロマス社製)を用いて測定した。また珪素化合物被膜の膜厚は、蛍光X線被膜測定装置(フィリップス社製)を用いて測定した。それらの結果を表1に示す。なお、前記珪素化合物被膜は、ICP−MSを用いた測定により、珪素酸窒化物であることを確認した。
【表1】

表1に示す通り、比較例として石英製の台板102上にシリコン粒子101を載置してシリコン粒子101表面に珪素化合物被膜を形成した場合(試料No.8)に比較して、本発明の実施例で作製した、シリコンウェーハ104上にシリコン粒子101を載置してシリコン粒子101表面に珪素化合物被膜を形成した場合(試料No.3)では、比較例に比べてFeの不純物濃度が減少し、良好な結果であった。
【0040】
次に、得られた光電変換装置(試料No.1〜10)について、所定の強度および所定の波長の光を照射して、電気特性を示す光電変換効率(単位:%)を測定した。電気特性の測定は、ソーラーシミュレータ(WACOM社製:WXS155S−10)を用いて、JIS C 8913に基づいた方法により実施した。その結果を表2に示す。
【表2】

表2に示す通り、石英製の台板102上にシリコン粒子101を載置してシリコン粒子101表面に珪素化合物被膜を形成し、溶融・凝固させて結晶シリコン粒子206としたものから成る光電変換装置(試料No.5〜10)に比較して、本発明で作製した、シリコンウェーハ104上にシリコン粒子101を載置してシリコン粒子101表面に本発明の範囲内の膜厚の珪素化合物被膜を形成した場合の光電変換装置(試料No.2〜4)では、光電変換効率が高く良好な結果であった。また、珪素化合物被膜の膜厚を変えて比較した場合、シリコンウェーハ104上および石英製の台板102上で珪素化合物被膜を形成した場合共に、珪素化合物被膜が0.01〜50μmの範囲で光電変換効率が高く良好な結果であった。
【0041】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、半導体粒子101を加熱して溶融させるのに加熱炉ではなく、台板102の上面に載置した半導体粒子101の上部からレーザ光等の光エネルギーを照射することで溶融させる方式を用いてもよく、その場合には、雰囲気を真空雰囲気として溶融・固化工程を繰り返すことができるので、雰囲気ガスからの酸素等の結晶半導体粒子101の内部への混入を抑制することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の結晶半導体粒子の製造方法について実施の形態の一例の概略構成を示す工程毎の縦断面図である。
【図2】本発明の光電変換装置について実施の形態の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0043】
101 ・・・半導体粒子又は結晶半導体粒子(シリコン結晶又は結晶シリコン粒子)
101a・・・表層に形成された応力歪み
102 ・・・台板
104 ・・・シリコンウェーハ
206 ・・・結晶シリコン粒子
207 ・・・導電性基板
208 ・・・接合層
209 ・・・絶縁物質
210 ・・・半導体層
211 ・・・透光性導体層
212 ・・・電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体粒子表面に珪素化合物被膜を形成し、加熱して溶融させた後に降温して凝固させることによって結晶化させる結晶半導体粒子の製造方法において、前記珪素化合物被膜を形成する際に前記半導体粒子をシリコンウェーハ上に載置して珪素化合物被膜を形成することを特徴とする結晶半導体粒子の製造方法。
【請求項2】
前記珪素化合物被膜の膜厚が0.01〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の結晶半導体粒子の製造方法。
【請求項3】
前記珪素化合物被膜は、珪素酸化物または珪素酸窒化物であることを特徴とする請求項1または2記載の結晶半導体粒子の製造方法。
【請求項4】
基板上に一導電型を呈する半導体粒子を多数配設し、前記半導体粒子の間に絶縁体を配設し、前記半導体粒子上に逆導電型を呈する半導体層を設けた光電変換装置であって、前記半導体粒子は、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶半導体粒子の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする光電変換装置。
【請求項5】
請求項4記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した光発電装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−173529(P2007−173529A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369242(P2005−369242)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】