給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体
【課題】インターロックスイッチの開閉時に、負荷に電力を供給するリレースイッチの接点劣化、接点溶着を防止する給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】リレー5とFET6とは、インターロックスイッチ9を介して供給される電力に基づいて開閉動作を行う。制御部13は、インターロックスイッチ9からの開指示信号があると、FET6を開放した後にリレー5を開放するように制御する。またインターロックスイッチ9からの閉指示信号があると、リレー5に電力を供給した後で、FET6に電力を供給するよう制御する。
【解決手段】リレー5とFET6とは、インターロックスイッチ9を介して供給される電力に基づいて開閉動作を行う。制御部13は、インターロックスイッチ9からの開指示信号があると、FET6を開放した後にリレー5を開放するように制御する。またインターロックスイッチ9からの閉指示信号があると、リレー5に電力を供給した後で、FET6に電力を供給するよう制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷に電力を供給する給電装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられる給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、装置の内部を保護するために設けられた扉などの開閉機構が開かれ、機器内部の駆動部などを露出する場合、駆動部に使用者が接触し、指を挟み込まれるなどの危険が発生しないように、インターロック機構と呼ばれる開閉機構が設けられている。
【0003】
このインターロック機構は、装置の扉に設けられた突起部と、その装置本体部に設けられたメカニカルスイッチがこの突起部により押圧されると(扉が開けられと)スイッチが閉じられ、押圧が解除(扉が開かれる)とスイッチが開放される構成となっている。駆動部への電力供給を行う電源線上に設けられたこのメカニカルスイッチが電力供給を遮断し、駆動体への電力供給を止めることで駆動部を停止させている。
【0004】
このメカニカルスイッチの開閉動作により駆動部への電力供給を行うが、大電流の遮断、大電流の通電を行うために、駆動部の破損、または駆動部接点の劣化が発生し、接続不良も多く発生する。特に、負荷が誘導性負荷の場合には突入電流が流れる。この突入電流をリレーを介して接続または遮断すると、アークが発生し、接点の溶着または劣化が発生してしまう。
【0005】
このような問題、課題を解決するために、給電装置、画像形成装置に関する従来技術として、特許文献1,2に記載されたような発明が開示されている。特許文献1には、直流電源と半導体スイッチとリレーと負荷とが直列に接続され、このリレーのONよりも半導体スイッチのONを遅らせ、リレーが接続された後に半導体スイッチをONさせて、突入電流により、リレーの接点が溶着することを防止する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、インターロックスイッチからの電力供給を受けて開閉するリレーと、このリレーに直列に接続され、設定された電圧以下になると通電を遮断する定電圧素子と、この定電圧素子の通電動作により負荷に電力供給する半導体素子の構成が開示されている。この構成は、インターロックスイッチが開放され、電圧が削減すると半導体素子をOFFし、その後リレーをOFFする動作を行う。
【特許文献1】特開2000−215772号公報
【特許文献2】特開2002−247752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1では、インターロックスイッチが開放された場合、すなわちドアーが開かれた場合には、リレーが開放された後、半導体スイッチが開放される。従って、リレー開放時にアークが発生してしまい、接点の劣化や、最悪の場合は接点が溶着する可能性もある。
【0008】
また特許文献2では、インターロックスイッチが開放されると、半導体スイッチが開放され、その後リレーが開放されるので、リレー開放時に、アークが発生することはない。従って接点が劣化することもない。
【0009】
しかしながら、逆にインターロックスイッチを閉じられると、半導体スイッチが先に閉じられた後、リレーが閉じられる。従って、リレーが閉じられる時にアークが発生し、接点の劣化や最悪の場合は接点が溶着する可能性もある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、インターロックスイッチの開放時には半導体スイッチを開放した後にリレースイッチを開放し、インターロックスイッチの閉鎖時にはリレースイッチを閉じた後で半導体スイッチを閉じる給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段およびリレー開閉手段と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチと、半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御手段と、インターロックスイッチからの開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と半導体開閉制御手段とを制御する開閉動作制御手段とを有し、リレー開閉手段および半導体開閉制御手段は、インターロックスイッチを介して供給される電力に基づいて開閉動作を行い、開閉動作制御手段は、インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいてリレー開閉手段に電力を供給し、一定時間経過後に半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御する給電装置であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の給電装置において、インターロックスイッチを介して供給される電力を蓄積し、当該電力をリレー開閉手段に供給する第1の蓄電手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の給電装置において、インターロックスイッチを介して第1の蓄電手段に供給される電力は、インターロックスイッチと第1の蓄電手段との給電ライン上に設けられた一方向性の半導体素子を介して第1の蓄電手段に供給されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の給電装置において、半導体開閉制御手段は、インターロックスイッチを介して供給された電力に基づいて半導体開閉手段の開閉動作を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の給電装置において、制御部は割り込み端子をさらに有し、インターロックスイッチからの開閉信号は、当該割り込み端子に入力されたことを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置であって、画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱手段を有し、電力が供給される負荷は、加熱手段であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、加熱手段に電力を供給する充放電可能な第2の蓄電手段をさらに有することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7記載の画像形成装置において、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知手段と、加熱手段へ電力供給が開始された時間から、インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測するタイマとを有し、タイマにて計測された時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、電力を加熱手段へ供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御工程と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御工程とを有する給電装置の制御方法であって、開閉動作制御工程は、インターロックスイッチを介して供給される電力に基づいて、リレー開閉手段および半導体開閉手段の開閉動作を制御し、インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいてリレー開閉手段に電力を供給し、一定時間経過後に半導体開閉手段に電力を供給するよう制御することを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の給電装置の制御方法において、インターロックスイッチを介して供給される電力を蓄積し、当該電力をリレースイッチに供給する第1の蓄電工程を有することを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の給電装置の制御方法において、インターロックスイッチを介して第1の蓄電工程にて供給される電力は、インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電されることを特徴とする。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項9から11のいずれか1項記載の給電装置の制御方法において、開閉動作制御工程は、インターロックスイッチを介して供給された電力に基づいて半導体開閉手段の開閉動作を制御することを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項9から12のいずれか1項記載の給電装置の制御方法において、インターロックスイッチからの開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み工程をさらに有することを特徴とする。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項9から13のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱工程を有し、加熱工程時に電力が供給されることを特徴とする。
【0025】
請求項15に記載の発明は、請求項14記載の画像形成装置の制御方法において、加熱工程にて電力を供給する充放電可能な第2の蓄電工程をさらに有することを特徴とする。
【0026】
請求項16に記載の発明は、請求項14または15記載の画像形成装置の制御方法において、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知工程と、加熱工程へ電力供給が開始された時間から、インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測工程とを有し、計測された時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、電力を加熱工程へ供給する半導体開閉工程の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする。
【0027】
請求項17に記載の発明は、負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御処理と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御処理とをコンピュータに実行させるプログラムであって、開閉動作制御処理は、インターロックスイッチを介して供給される電力に基づいて、リレー開閉手段および半導体開閉手段の開閉動作を制御させ、インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいてリレー開閉手段に電力を供給し、一定時間経過後に半導体開閉手段に電力を供給するよう制御するようコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
請求項18に記載の発明は、請求項17記載のプログラムにおいて、インターロックスイッチを介して供給される電力を蓄積し、当該電力をリレー開閉手段に供給する第1の蓄電処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
請求項19に記載の発明は、請求項18記載のプログラムにおいて、インターロックスイッチを介して第1の蓄電処理にて供給される電力は、インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電するようコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0030】
請求項20に記載の発明は、請求項17から19のいずれか1項記載のプログラムにおいて、制御処理は、インターロックスイッチを介して供給された電力に基づいて半導体開閉手段の開閉動作を制御するようコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
請求項21に記載の発明は、請求項17から20のいずれか1項記載のプログラムにおいて、インターロックスイッチからの開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0032】
請求項22に記載の発明は、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知処理と、画像形成装置の画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱処理と、加熱処理時に、充放電可能な蓄電部より電力を供給する第2の蓄電処理と、加熱処理時に、蓄電部より電力供給が開始された時間から、インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測処理とをコンピュータに実行させ、計測された時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、蓄電部からの電力を供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させるようコンピュータに実行させるプログラムであることを特徴とする。
【0033】
請求項23に記載の発明は、請求項17から22のいずれか1項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
このように、本発明の給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体によれば、インターロックスイッチの開放時には半導体スイッチを開放した後にリレースイッチを開放し、インターロックスイッチの閉鎖時にはリレースイッチを閉じた後で半導体スイッチを閉じるので、リレースイッチの接点の劣化や溶着を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本実施形態の給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は以下に述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
図1は、本実施形態の給電装置を模式的に示す図である。
【0036】
図1に示すように、本実施形態の給電装置は、定着ヒータ2と、リレー5と、半導体(FET)6と、FET開閉回路7と、リレードライブ回路8と、インターロックスイッチ9と、オープンコレクタバッファ10と、電圧変換バッファ11と、制御部13と、電源部17と、温度過昇防止部21と、定着過熱部温度検出回路28とを備えている。また温度過昇防止部21は、リレー3と、サーモスタット4とを備えている。
【0037】
負荷に電力を供給する構成としては、電源装置17に定着ヒータ2が接続され、サーモスタット4の遮断でリレー3が開放される温度過昇防止部21におけるリレー3を介して、定着ヒータ2に電力を供給するリレー5と、FET6とが直列に接続されている。
【0038】
次に、具体的な動作について説明する。
リレー5およびFET6は、定着ヒータ2に電力を供給する画像形成装置の制御部13と、この制御部13とは別に備えられたインターロックスイッチ9と、からの電力供給により開閉が制御される。
【0039】
画像形成装置の制御部13のポート2を介して、リレー5をONする信号が出力されており、かつ制御部13のポート3からFET6をONする信号がFET制御回路7に出力された状態でインターロックスイッチ9が閉じられていた場合には、リレー5にはインターロックスイッチ9から電力が供給されるので、励磁コイルは通電されリレー5の開閉回路は閉じられる。
一方、FET制御回路7にもインターロックスイッチ9から電力が供給されるので、FET制御回路7のトランジスタ7aはONするとFET6のゲートにもON電圧が加えられ、FET6もONする。
【0040】
インターロックスイッチ9が開放されると、リレー5には電力が供給されなくなるので、リレー5の開閉回路は開放され、FET制御回路7にもインターロックスイッチ9から電力が供給されないので、FET制御回路7のトランジスタ7aはOFFして、FET6のゲートにもOFF電圧が加えられ、FET6もOFFする。なお、メカニカル接点のリレー5よりも半導体のFET6は早くONする。
【0041】
ここで、温度過昇防止部21の動作について簡単に説明する。温度過昇防止部21は、上述したように、リレー3と、サーモスタット4とを備えている。
サーモスタット4は、後述する図20で説明する本実施形態の画像形成装置の定着装置内に設けられている。リレー5およびFET6が導通を継続する等の状態となり、定着装置80の定着ローラ81が溶融する温度になると、このサーモスタット4が遮断する。サーモスタット4を介してリレー3の励磁コイルは通電されているので、通電は遮断されてリレー3は開放され、定着ヒータ2への電力供給も遮断される。
【0042】
なお、定着ローラ2の温度を検出する定着過熱部温度検出回路28については、後述する図9にて詳説する。
【0043】
ここで、本実施形態の給電装置の動作について説明する。図2は、本実施形態の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0044】
インターロックスイッチ9が開放されると、前述した理由ように、FET6はOFFする。リレー5はメカニカル接点なので、少し遅れてOFFする。ここでは先にFET6がOFFしているので、リレー5の接点に過電流が流れることはない。制御部13のポート1には、電圧変換バッファ11を介して、インターロックスイッチ9の開放信号が入力される。したがって、FET6をOFFする信号を制御部13のポート3から出力し、また制御部13のポート2からリレー5をOFFする信号を出力する。なお、既にリレー5およびFET6はOFFしているので、状態の変化はない。
【0045】
次に、制御部13は、インターロックスイッチ9の閉じられた信号を監視する。制御部13のポート1よりインターロックスイッチ9が閉じられた信号が入力されると、制御部13のポート2からリレー5をONする信号を出力する。そして、リレー接点のチャタリング時間を考慮した時間が経過した後に、FET6をONする信号を制御部13のポート3より出力する。リレー5の接点が接続後にFET6をONするので、リレー5の接点がONする時に大電流が流れることはない。
【0046】
なお、ソフト的に、FET6およびリレー5をOFFした状態ではない時に、インターロックスイッチ9が閉じられると、半導体のFET6が先にONして、その後メカニカルスイッチのリレー5がONするので、リレー接点には過電流が流れ、接点が溶着または、劣化する可能性がある。また、インターロックスイッチ9が閉じられても、定着加熱部に電力を供給する必要がない場合には、勿論FET6をONする信号は出力しない。
【0047】
このように本実施形態によれば、インターロックスイッチ9が開放されるときは、FET6を先に開放して、その後リレー5を開放する。また、インターロックスイッチ9が閉じられたときには、リレー5を閉じた後で、FET6を閉じる。このような構成をとることにより、リレー接点の劣化、溶着を防止することができる。
【0048】
図3は、本実施形態の給電装置の他の一例に示す図である。
図2では、FET6の開放動作よりもリレー5の開放を意図的に遅らせるために、インターロックスイッチ9の開放時に、リレー5に蓄電力供給を行う。なお、リレーの電流容量が少ない、小型のリレーの場合は接点の開閉が早いので、この図2に示すような形態が有効となる。
【0049】
図2に示す給電装置では、図1に示す構成に加えて、キャパシタバンク1と、充電回路12と、コンデンサ14と、ダイオード16とを備えている。
基本的な構成は図1と同様であるので、ここでは図1と異なる部分のみ説明する。
【0050】
インターロックスイッチ9が閉じられた状態では、コンデンサ14はダイオード16を介して充電され蓄電される。リレー5の励磁コイルが通電された状態で、インターロックスイッチ9が開放されると、励磁コイルにはコンデンサ14の蓄電力が供給される。したがって、励磁コイルの非通電状態は遅れるので、リレー5の開放も遅れることになる。なお、コンデンサ14の蓄電力は、ダイオード16により他の回路への放電が禁止される。
【0051】
一方、FET開閉回路7には、インターロックスイッチ9が開放された信号が直接入力されるので、FET6は遅れることなくOFFされる。
【0052】
またキャパシタバンク1は、充放電が可能な電気二重層コンデンサであり、充電回路12により、定電圧充電、定電力充電、定電圧充電が行われる。キャパシタバンク1の詳細な動作については、後述する図9にて説明する。
【0053】
ここで、図3に示す給電装置の動作について図4を用いて説明する。図4は、図3に示すインターロックスイッチ9が開閉時の、FET6およびリレー5の動作を示すタイミングチャートである。この図4に示すタイミングチャートは、前述した図2に示すタイミングチャートとほぼ同様である。すなわち、コンデンサ14の蓄電力によりリレー5の開放が遅れること以外は、図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0054】
このように本実施形態によれば、リレー5に電力を供給する蓄電手段(コンデンサ14)を設け、インターロックスイッチ9が開放された時には、このコンデンサ14からリレー5に電力を供給する。このように、リレー5のOFFを遅らせ、FET6が確実にOFFした後にリレーをOFFすることができるため、FET6をOFFする時間に余裕を持たせることが可能となり、リレー接点の劣化、溶着を防止することができる。また、ダイオート16により、他の回路への放電は防止されるので、容量の小さいコンデンサが使用可能となる。
【0055】
図5は、本実施形態の給電装置のさらに他の一例に示す図である。
図5では、インターロックスイッチ9の開閉信号を制御部13におけるCPUの割り込み端子18に入力し、ソフト的にFET6をOFFする場合を示している。
【0056】
図5に示す給電装置では、図3に示す構成に加えて、前述した割り込み端子18が設けられている。また、FET開閉回路7の代わりに抵抗Rを備えている。
基本的な構成は図1,3と同様であるので、ここでも図1,3と異なる部分のみ説明する。
【0057】
インターロックスイッチ9の開閉信号は、電圧変換バッファ11を介してCPUの割り込み端子(INT)18に入力される。FET6は制御部13のポート3により、ON/OFF制御される。
【0058】
図5に示す給電装置の構成における制御部13の動作について説明する。
図6は、制御部13の動作を示すタイミングチャートである。
【0059】
制御部13は、インターロックスイッチ9が開放され割り込みが発生すると、FET6をOFFする信号を制御部13のポート3より出力する。次に、コンデンサ14の蓄電を利用してリレー5を開放させた一定時間後に、ソフト的にリレー5を開放する信号を出力する。
【0060】
また制御部13は、インターロックスイッチ9が閉じられ割り込みが発生すると、リレー5を閉じる信号を制御部13のポート2より出力し、リレー接点のチャタリング時間を考慮した時間が経過した後に、FET6をONする信号を制御部13のポート3より出力する。リレー5の接点が接続後にFET6をONするので、リレー5の接点がONする時に大電流が流れることはない。なお、インターロックスイッチ9が閉じられても、定着加熱部に電力を供給する必要がない場合には、勿論FET6をONする信号は出力しない。
【0061】
このように本実施形態によれば、インターロックスイッチ9の開閉信号を、制御部13の割り込み端子に入力することにより、ソフト的にFETを早く遮断し、またリレーはコンデンサ14の蓄電力を利用して、OFFすることができる。これにより、給電装置の回路構成を簡略化することが可能となる。
【0062】
図7は、本実施形態の画像形成装置を模式的に示す外観図である。
図7では、画像形成装置の前カバー100が開放された状態になっている。この前カバー100により画像形成装置内部の駆動部や高電圧の電源部に触れないようにしている。前カバー100が閉じられると、この前カバー100に設けられた突起部200が溝部300に入り、さらに溝部300に設けられたドアスイッチ400が閉じられる。逆に、前カバー100が開けられると、ドアスイッチ400も開放される。
【0063】
図6は、ドアスイッチ400の周辺部を模式的に示す斜視図である。
前述したように、前カバー100が閉じられることで溝部300に設けられたドアスイッチ400のレバー500が押される。これによってドアスイッチ400内部のスイッチ接点が接続されて、電線600が通電される。
【0064】
図9は、本実施形態の給電装置を備えた画像形成装置の制御回路構成を模式的に示す図である。なおここでは、図5にて示した給電装置を用いることとする。
【0065】
まず充電回路12について説明する。
充電回路12は、出力電圧を発生させる出力発生手段121と、この出力電圧を制御する出力制御手段122と、この出力制御手段122にフィードバックされる充電電圧検出回路123とで構成される。
【0066】
出力制御手段122はCPU122aを備え、このCPU122aに内部バスで接続されたシリアルコントローラ(SIC)122bと、A/Dコンバーター122cと、充電電流検出回路122dと、定電圧出力用、定電流充電用および定電力充電用のPWM発生回路122eとを備えている。また、ここでは図示はしないが、ROMやRAM、タイマ、割り込み制御回路および入出力ポートなどを有している。
以下に詳細な説明を行う。
【0067】
主電源スイッチ72を介して交流電源71からの交流入力は、フィルタ73を経由して全波整流回路47に接続され、全波整流される。この全波整流された出力は、平滑コンデンサC2によりリップル成分等が除去される。
【0068】
全波整流回路74の直流出力側には、平滑コンデンサC2と並列に高周波のトランス20の1次コイル20aが接続され、この1次コイル20aに、スイッチング手段としてFET6が直列に接続されている。FET6で構成されるスイッチング回路は、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用のPWM発生回路122eから出力されるPWM信号により、FET6がスイッチング(ON/OFF動作)すると1次コイル20aにはスイッチング電流が流れる。
【0069】
この1次コイル20a側のスイッチ電流により、トランス20の2次コイル20bにスイッチ電圧が誘起する。このスイッチング周波数の導通期間を変えれば、出力電圧の制御を行うことができる。トランス20の2次コイル20bには整流回路としてダイオードD1、D2が接続されており、スイッチング電圧はこの整流回路で整流され、チュークコイル75およびコンデンサC1により平滑され、直流出力に変換される。
この直流出力は、ダイオード76を通してキャパシタバンク1に供給される。
【0070】
次に、キャパシタバンク1に充電する動作を説明する。
本実施形態の給電装置におけるキャパシタバンク1には、満杯充電時に2.5Vになるキャパシタセル(電気二重層コンデンサセス)が18個、直列に接続されている。したがって、18個のキャパシタセルが満充電になると、45Vの電圧が蓄電される。
【0071】
なお、本実施形態の給電装置のキャパシタバンク1は、対象とする画像形成装置の連続コピー時において温度落ち込みを防止できる容量、または、必要とする定着立ち上げ時間を達成できる容量のセル構成としている。
【0072】
次に、キャパシタバンク1に充電された充電電圧検出回路123の動作を説明する。
キャパシタバンク1の端子間電圧は、抵抗R2と抵抗R3とにより分圧回路を構成した充電電圧検出回路123により検出される。その出力は、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用のPWM発生回路122eのA/Dコンバータ122cと、エンジン制御部77のA/Dコンバーター77bに入力される。
【0073】
この出力電圧は、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用のPWM発生回路122eにより監視され、PWM信号のONデューティを変えることにより制御される。なお、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eについては後述する。
【0074】
次に、キャパシタバンク1の充電電流検出方法について説明する。
キャパシタバンク1の充電電流の検出は、キャパシタバンク1と直列に接続された抵抗R1を流れる電流を端子間電圧として検出し、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eの充電電流検出回路122dに入力される。
【0075】
次に、キャパシタセル個々の満充電を検出し、バイパス回路1bを動作させ、各キャパシタセル1aの充電電圧を均等化する均等化回路1dの動作を説明する。
【0076】
出力発生手段121によりキャパシタセル1aは充電され、満充電の2.5Vに充電されると、均等化回路1dは充電電流をバイパスする。他のキャパシタセル1aに並列に接続されたバイパス回路も同様の動作を行い、各キャパシタセル1aの充電電圧は均等化される。
【0077】
均等化回路1dは、何れかのキャパシタセル1aの満充電を検知し、バイパス回路を動作させると、定電圧出力、定電流および定電力充電用PWM発生回路122eに単セル満充電信号44を出力する。また、均等化回路1dは、全てのキャパシタセルの満充電を検知し、全てのバイパス回路を動作させると、定電圧出力、定電流および定電力充電用PWM発生回路122eに全てのキャパシタセルの満充電信号45を出力する。
【0078】
次に、キャパシタバンク1の充電電圧検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク1に定電流充電または定電力充電を行う、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eの動作説明をする。
【0079】
定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、キャパシタバンク1の充電電圧検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク1に定電流充電、定電力充電または定電圧充電を行うためのPWM信号を発生させる回路である。
【0080】
定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eはキャパシタバンク1の端子間電圧を充電電圧検出回路123の出力により検出し、キャパシタバンク1の端子間電圧が、予め設定された値より低い場合には、キャパシタバンクと直列に接続された抵抗R1の端子間電圧を逐次検出し、この端子間電圧に対応した、予め設定された定電流充電にするためのPWM信号を、FET6のゲートに出力する。
【0081】
なお、この予め設定された定電流充電にするためのPWM信号は、抵抗R1の端子間電圧と、PWM信号のONデュティーとの関係を予め作成したテーブルを使用してもよいし、演算により算出してもよい。また、充電電流のみ参照し、予め設定された充電電流になるよう、PWM信号を制御してもよい。さらに、キャパシタバンク1が充電されてない状態の場合は、大きな突入電流がキャパシタバンク1に流れるのを防止しするために、初めは出力電圧を低くし、徐々に出力電圧を高くするようにPWM信号を出力してもよい。
【0082】
キャパシタバンク1の端子間電圧が予め設定された値以上になると、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、定電力充電を行うために、キャパシタバンク1の充電電流とキャパシタバンク1の端子間電圧の検出を逐次行う。そして、検出した充電電流と充電電圧から、予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号を、FET6のゲートに出力する。
【0083】
なおこのPWM信号は、キャパシタバンクの充電電流と、キャパシタバンク1の端子間電圧との検出を行い、この検出した充電電流と充電電圧とから、予め設定された定電力充電を行うためPWM信号を演算して決定する。
【0084】
定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、何れかの単セル満充電信号44を検出すると、再び予め設定された定電流充電にするPWM信号を、FET6のゲートに出力する。また、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、全てのキャパシタセルの満充電信号45を検出すると、一定期間定電圧充電を行い、その後充電動作を停止する信号をFET6のゲートに出力する。
【0085】
次に、エンジン制御部77およびその周辺部について説明する。
エンジン制御部77は、CPU77aと、CPU77aに内部バスで接続されたA/Dコンバータ77bと、入出力ポート77cと、シリアルコントローラ(SCI)77dと、NV−RAM77eと、ROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路(INT)などで構成されている。
また本実施形態では、定着装置の加熱部としてAC定着ヒータ30と、補助ヒータとしてDC定着ヒータ22とを備えている。
【0086】
エンジン制御部77のA/Dコンバータ77bには、図12に示す定着装置80の定着ローラ81の表面温度(定着温度)を検出する定着過熱部温度検出回路28,33が接続されている。
定着過熱部温度検出回路28は、DCヒータ用サーミスタ28aと直列に接続された抵抗R10とで構成され、DC定着ヒータ22(図1,3,5中の定着ヒータ2)に対応する測定領域の温度を検出する回路である。また定着温度検出回路33は、ACヒータ用サーミスタ33aと直列に接続された抵抗R11とで構成され、AC定着ヒータ30に対応する測定領域の温度を検出する回路である。DC定着ヒータ22は、立ち上げ時および連続コピー時の温度落ち込み時に補助ヒータとして使用される。
【0087】
入出力ポート77cには、定着過熱部温度検出回路28の温度検出結果により、キャパシタバンク1に蓄電された電力を、定着装置内部に備えられたDC定着ヒータ22に電力を供給するリレー5と放電回路(FET)6、および定着温度検出回路33の検出結果により、AC定着ヒータ30に電力を供給するACヒータ制御回路43、画像形成動作を行うために必要なモータ、ソレノイド、クラッチなどの負荷78、画像形成動作を行うために必要なセンサ19およびスイッチ回路15などの入力が接続されている。
【0088】
また、インターロックスイッチ9の出力信号が、割り込み制御回路77eに接続されている。またエンジン制御部77のCPU77aは、インターロックスイッチ9の開閉信号により、割り込み処理ルーチンを実行する。さらにエンジン制御部77のCPU77aは、出力制御手段122とシリアルコントローラ(SCI)77dを介して信号の送受信を行わせる。
【0089】
また、エンジン制御部77のCPU77aは、キャパシタバンク1の端子間電圧を充電電圧検出回路123により検出し、キャパシタバンク1の電力放電が可能かを判断する。またこのCPU77は、DC定着ヒータ22が供給する電圧値、または、定着装置の立ち上げ用のパターンなどを、出力制御手段122のCPU122aに出力する。
【0090】
次に、ACヒータ制御回路43について説明する。
主電源ON時および通常のコピー動作時には、AC定着ヒータ30に電力を供給してコピー動作が行われる。エンジン制御部77のCPU77aは、定着温度検出回路33が予め設定された温度以下の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35にトライアックをONする信号をエンジン制御部77のポート4より出力する。このとき、定着ヒータ30には電力が供給される。
【0091】
また一方、定着温度検出回路33が予め設定された温度以上の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35にトライアックをOFFする信号をエンジン制御部77のポート4より出力する。このとき、AC定着ヒータ30への電力供給は停止される。
【0092】
次に、DC定着ヒータ22に電力を供給する動作について説明する。
エンジン制御部77のCPU77aは、主電源がONされた時に充電電圧検出回路123の充電電圧を確認した後、キャパシタバンク1の蓄電力をDC定着ヒータ22に供給するために、エンジン制御部77のポート2より、リレー5をONする信号を出力する。そして、リレー接点のチャタリング時間が経過後に、入出力ポート77cのポート3よりFET6をONする信号を出力する。この動作により、リレー接点の溶着および劣化は防止され、キャパシタバンク1の蓄電力がDC定着ヒータ22に供給される。
【0093】
または、連続コピー時に定着加熱部の温度が低下して、未定着画像が発生する温度になると、出力制御手段122からの全セル満充電信号、または、充電電圧検出回路123の充電電圧を確認した後、キャパシタバンク1の蓄電力をDC定着ヒータ22に供給するために、入出力ポート77cのポート2より、リレー5を閉じる信号を出力する。そして、一定時間経過後に入出力ポート77cのポート3より、FET6をONする信号を出力する。このとき、キャパシタバンク1の蓄電力がDC定着ヒータ22に供給される。
【0094】
エンジン制御部のCPU77aは、定着過熱部温度検出回路28により定着加熱部の温度検出を行う。そして、予め設定された温度以上の温度検出を行うと、キャパシタバンク1の電力放電を停止するために、入出力ポート77cのポート3より、FET6をOFFする信号を出力する。そして一定時間が経過した後に、入出力ポート77cのポート2よりリレー5を開放する信号を出力する。
【0095】
なお、定着加熱部に電力供給を行う場合には、リレー5は閉じた状態を継続し、FET6のON/OFF制御のみで電力供給を行ってもよい。このようにすることで、定着加熱部に電力供給を行う場合のリレー接点の劣化を防止することができる。
【0096】
次に、本実施形態の画像形成装置内部に備えられた、インターロックスイッチ9の開閉動作時におけるエンジン制御部77のCPU77aの動作について説明する。なお、定着加熱部にキャパシタバンク1の蓄電力を供給する回路構成は、前述した図5と同様であり、その説明は省略する。
【0097】
図9中の21は、前述したように温度過昇防止部であり、リレー3とサーモスタット4とで構成される。
CPU77aでは、インターロックスイッチ9が開放された信号により割り込みが発生すると、その割り込み処理ルーチンの中で、FET6をOFFする信号をエンジン制御部77のポート3より出力する。そして、一定時間経過後にリレー5を開放する信号をエンジン制御部77のポート2より出力する。
【0098】
また、インターロックスイッチ9が閉じられた場合の動作について説明する。
CPU77aでは、インターロックスイッチ9が閉じられた信号により割り込みが発生すると、その割り込み処理ルーチンの中で、リレー5を閉じる信号をエンジン制御部77のポート2より出力する。次に、定着加熱部の温度が補助電源を必要とする場合は、リレー接点のチャタリング時間を計測後、エンジン制御部77のポート3よりFET6をONする信号を出力する。リレー接点部に大きな電流が流れる状態でリレーの開閉は行わないので、リレー接点の溶着および劣化の防止が可能となる。
【0099】
次に、本実施形態の画像形成装置の全体を制御するコントロール回路79について説明する。
コントロール回路79は、本実施形態の画像形成装置全体を制御するCPU79aとCPU79aに内部バスで接続された、シリアルコントローラ(SCI)79bと、ROMやRAM、プリンタで使用する画像展開用のワークメモリ、書き込み画像のイメージデータを一時蓄えるフレームメモリ、CPU周辺を制御する機能を搭載したASICおよびそのインタフェース回路などで構成される。
【0100】
コントロール回路79では、パネルを操作して使用者が行うシステム設定の入力や、使用者にシステムの設定内容状態を表示する表示・入力の制御を行う操作部制御回路37と、エンジン制御部77とが、シリアルコントローラ(SCI)を介して接続されている。
【0101】
ここで、定着ヒータ22にキャパシタバンク1の電力を供給する場合の動作について説明する。
図10は、定着ヒータ22にキャパシタバンク1の電力を供給する動作を示すフローチャートである。
【0102】
エンジン制御部77のCPU77aは、まず始めに、定着温度が予め設定された温度以下かを確認する(ステップS101)。この確認は、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認する。予め設定された温度以下の場合、例えば180℃以下の場合には(ステップS101/Yes)、入出力ポート77cのポート2よりリレー5をONする信号を出力する(ステップS102)。そして、リレーの接点が確実にONする時間を計測する。
【0103】
時間を計測後、次に、定着温度が予め設定された温度以下か、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで再度確認する(ステップS104)。予め設定された温度以下の場合、例えば180℃以下の場合には(ステップS104/Yes)、入出力ポート77cのポート3よりFET6をONする信号を出力する(ステップS105)。そして、定着加熱部に電力を供給した時間を計測するタイマをスタートさせる(ステップS106)。
【0104】
次に、定着温度が予め設定された温度を超えるかを確認する(ステップS107)。この確認は、前述したステップS101と同様に、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認する。予め設定された定着温度を超える場合には(ステップS107/Yes)、入出力ポート77cのポート3よりFET6をOFFする信号を出力する(ステップS108)。そして最後に、定着加熱部に電力を供給した時間を計測するタイマをクリアーする(ステップS109)。
【0105】
さらには、定着温度が予め設定された温度以下か、再度定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認し、前述した動作を繰り返すことになる。なお、本実施形態の場合には、FET6のON/OFF動作により定着温度の制御を行ったが、勿論リレー5とFET6との両方のON/OFF制御により実施してもよい。
【0106】
また、前述のステップS101にて定着温度が設定温度以上の場合には(ステップS101/No)、ステップS104へと移行し、定着温度が予め設定された温度以下か、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで再度確認する。さらに前述のステップS104での確認において、定着温度が予め設定された温度以上の場合には(ステップS104/No)、ステップS107へと移行する。
【0107】
図11は、図9に示すインターロックスイッチ9が開閉された時に、CPU77aがリレー5とFET6とをON/OFF制御する場合の動作を示すフローチャートである。
インターロックスイッチ9の開閉信号はCPU77aの割り込み端子に接続されているが、この割り込み端子は、インターロックスイッチ9が開放された場合(立ち下がり)でも閉じられた場合(立ち上がり)でも、割り込みが発生する割り込み端子を使用している。
【0108】
まず、エンジン制御部77のCPU77aは、インターロックスイッチ9の開閉信号により割り込みが発生すると、エンジン制御部77のポート1により、インターロックスイッチ9が開放された信号(Low)かを確認する(ステップS201)。インターロックスイッチ9が開放された信号の場合には(ステップS201/Yes)、インターロックスイッチ9が開放された時にセットされるフラグがセットされているかを確認する(ステップS202)。ここでインターロックスイッチ開放時のフラグがセットされている場合には(ステップS202/Yes)、処理を終了する。一方、フラグがセットされてない場合には(ステップS202/No)、インターロックスイッチ9が開放された時にセットされるフラグをセットする(ステップS203)。
【0109】
次に、前述の図10にて説明した定着加熱部にキャパシタバンク1の電力を供給するフローチャートで、定着加熱部に電力供給を継続した時間を計測するタイマが予め設定された時間以下か確認する(ステップS204)。ここで、タイマでの計測結果が予め設定された時間を超える場合には(ステップS204/No)、入出力ポート77cのポート3よりFET6をOFFする信号を出力する(ステップS206)。最後に、入出力ポート77cのポート2より、リレー5をOFFする信号を出力して(ステップS207)、処理を終了する。
【0110】
また、前述のステップS204にてタイマの計測結果が予め設定された時間以下の場合には(ステップS204/Yes)、予め設定された時間が経過するまで確認を続ける(ステップS205)。そして予め設定された時間が経過した後に、入出力ポート77cのポート3よりFET6をOFFする信号を出力し(ステップS206)、入出力ポート77cのポート2よりリレー5をOFFする信号を出力して(ステップS207)、処理を終了する。
【0111】
一方、前述したステップS201にて、インターロックスイッチ9が開放された信号(Low)ではない場合には(ステップS201/No)、インターロックスイッチ9が閉じられた信号かを入出力ポート77cのポート1により確認する(ステップS208)。インターロックスイッチ9が閉じられた信号(H)ではない場合には(ステップS208/No)、処理を終了する。
【0112】
インターロックスイッチ9が閉じられた信号(H)の割り込みの場合には(ステップS208/Yes)、インターロックスイッチ9が開放された時にセットされるフラグがセットされているかを確認する(ステップS209)。ここで開放時のフラグがセットされていない場合には(ステップS209/No)、処理を終了する。フラグがセットされている場合には(ステップS209/Yes)、インターロックスイッチ24が開放された時にセットされるフラグをリセットする(ステップS210)。
【0113】
次に、定着温度が予め設定された温度以下か、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認する(ステップS211)。定着温度、例えば180℃以下のように予め設定された温度以下の場合には(ステップS211/Yes)、入出力ポート77cのポート2よりリレーをONする信号を出力する(ステップS212)。そして、リレーのチャタリング時間を考慮した時間を計測する(ステップS213)。ここで一定時間が経過した後、入出力ポート77cのポート3よりFET6をONする信号を出力して(ステップS214)、処理を終了する。
なお、前述したステップS211にて、定着温度が予め設定された温度を超える場合には(ステップS211/No)、その時点で処理を終了する。
【0114】
このように本実施形態によれば、定着ヒータの放電直後にヒータに大きな突入電力が流れることのよるFETをOFFするFET6の破損を防止することができる。すなわち、電力供給開始時から、インターロックスイッチ9が開放されるまでの時間を計測し、計測した結果が、予め設定された時間より短い場合には、一定時間経過後にFET6の開放を行うことで、FET6の破損防止を可能としている。
【0115】
図12は、本実施形態の給電装置を有する画像形成装置の定着装置80の概略構成を示す縦断側面図である。
この図12に示すように、本実施形態の定着装置80は、定着部材である定着ローラ81と、加圧部材である加圧ローラ82と、加圧ローラ82を一定の加圧力で定着ローラ81に押し当てる加圧手段(図示せず)とを備えている。定着ローラ81および加圧ローラ82は、図示しない駆動機構により回転駆動される。
【0116】
また定着装置80には、図9にて説明したAC定着ヒータ30とDC定着ヒータ22との2つと定着ヒータと、定着ローラ81の表面温度検出用のACヒータ用サーミスタ33aおよびDCヒータ用サーミスタ28aが設けられている。
【0117】
これらのAC定着ヒータ30およびDC定着ヒータ22は、定着ローラ81の内部に配置されており、その定着ローラ81を内部から加熱して定着ローラ81に熱を供給する。また、ACヒータ用サーミスタ33aおよびDCヒータ用サーミスタ28aは、定着ローラ81の表面にそれぞれ当接され、定着ローラ81の表面温度(定着温度)を検出する。なお、ACヒータ用サーミスタ33aはAC定着ヒータ30に対応する測定領域に配置され、DCヒータ用サーミスタ28aはDC定着ヒータ22に対応する測定領域に配置されている。
【0118】
AC定着ヒータ30は、定着ローラ81の温度が目標温度に達していないときにONされて定着ローラ81を加熱するヒータである。また、DC定着ヒータ22は、本実施形態の画像形成装置の主電源投入時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立ち上げ時など、すなわち、定着装置80のウォームアップ時に蓄電部の蓄電力を使用して定着装置80の立ち上げを補助するヒータである。このような定着装置80では、トナー画像を担持したシートが定着ローラ81と加圧ローラ82とのニップ部を通過する際に、定着ローラ81および加圧ローラ82によって加熱および加圧される。これにより、シートにトナー画像が定着される。
【0119】
本実施形態の給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体によれば、メカニカル開閉手段と半導体開閉手段とで構成される負荷に電力を供給する給電装置において、インターロックスイッチ開閉時のメカニカルスイッチ接点の劣化や溶着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】インターロックスイッチ9とメカニカルリレー5と半導体(FET)6とで構成される本実施形態の給電装置を模式的に示す図である。
【図2】図1の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】FET6の開放動作よりもリレー5の開放を意図的に遅らせるために、インターロックスイッチ9が開放時に、リレー5に蓄電力供給する場合の給電装置の構成を示す図である。
【図4】図3の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】インターロックスイッチ9の開閉信号を制御部13のCPUの割り込み端子に入力しソフト的に、FET6をOFFする場合の給電装置の構成を示す図である。
【図6】図5の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】本実施形態の画像形成装置の外観を模式的に示す図である。
【図8】ドアスイッチ400の周辺部を示す図である。
【図9】本実施形態の給電装置を有する画像形成装置の制御回路を模式的に示す図である。
【図10】加熱定着部にキャパシタバンク1の電力を供給する場合の動作を示すフローチャートである。
【図11】インターロックスイッチ9の開閉による割り込みルーチンを示すフローチャートである。
【図12】定着装置80の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 キャパシタバンク
1a キャパシタセル
1b バイパス回路
2 定着ヒータ
3、5 リレー
4 サーモスタット
6 FET(半導体スイッチ)
7 FET開閉回路
8 リレードライブ回路
9 インターロックスイッチ
10 オープンコレクタバッファ
11 電圧変換バッファ
12 充電回路
13 制御部
14 コンデンサ
16 ダイオード
21 温度過昇防止部
28 定着過熱部温度検出回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷に電力を供給する給電装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられる給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、装置の内部を保護するために設けられた扉などの開閉機構が開かれ、機器内部の駆動部などを露出する場合、駆動部に使用者が接触し、指を挟み込まれるなどの危険が発生しないように、インターロック機構と呼ばれる開閉機構が設けられている。
【0003】
このインターロック機構は、装置の扉に設けられた突起部と、その装置本体部に設けられたメカニカルスイッチがこの突起部により押圧されると(扉が開けられと)スイッチが閉じられ、押圧が解除(扉が開かれる)とスイッチが開放される構成となっている。駆動部への電力供給を行う電源線上に設けられたこのメカニカルスイッチが電力供給を遮断し、駆動体への電力供給を止めることで駆動部を停止させている。
【0004】
このメカニカルスイッチの開閉動作により駆動部への電力供給を行うが、大電流の遮断、大電流の通電を行うために、駆動部の破損、または駆動部接点の劣化が発生し、接続不良も多く発生する。特に、負荷が誘導性負荷の場合には突入電流が流れる。この突入電流をリレーを介して接続または遮断すると、アークが発生し、接点の溶着または劣化が発生してしまう。
【0005】
このような問題、課題を解決するために、給電装置、画像形成装置に関する従来技術として、特許文献1,2に記載されたような発明が開示されている。特許文献1には、直流電源と半導体スイッチとリレーと負荷とが直列に接続され、このリレーのONよりも半導体スイッチのONを遅らせ、リレーが接続された後に半導体スイッチをONさせて、突入電流により、リレーの接点が溶着することを防止する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、インターロックスイッチからの電力供給を受けて開閉するリレーと、このリレーに直列に接続され、設定された電圧以下になると通電を遮断する定電圧素子と、この定電圧素子の通電動作により負荷に電力供給する半導体素子の構成が開示されている。この構成は、インターロックスイッチが開放され、電圧が削減すると半導体素子をOFFし、その後リレーをOFFする動作を行う。
【特許文献1】特開2000−215772号公報
【特許文献2】特開2002−247752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1では、インターロックスイッチが開放された場合、すなわちドアーが開かれた場合には、リレーが開放された後、半導体スイッチが開放される。従って、リレー開放時にアークが発生してしまい、接点の劣化や、最悪の場合は接点が溶着する可能性もある。
【0008】
また特許文献2では、インターロックスイッチが開放されると、半導体スイッチが開放され、その後リレーが開放されるので、リレー開放時に、アークが発生することはない。従って接点が劣化することもない。
【0009】
しかしながら、逆にインターロックスイッチを閉じられると、半導体スイッチが先に閉じられた後、リレーが閉じられる。従って、リレーが閉じられる時にアークが発生し、接点の劣化や最悪の場合は接点が溶着する可能性もある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、インターロックスイッチの開放時には半導体スイッチを開放した後にリレースイッチを開放し、インターロックスイッチの閉鎖時にはリレースイッチを閉じた後で半導体スイッチを閉じる給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段およびリレー開閉手段と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチと、半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御手段と、インターロックスイッチからの開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と半導体開閉制御手段とを制御する開閉動作制御手段とを有し、リレー開閉手段および半導体開閉制御手段は、インターロックスイッチを介して供給される電力に基づいて開閉動作を行い、開閉動作制御手段は、インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいてリレー開閉手段に電力を供給し、一定時間経過後に半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御する給電装置であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の給電装置において、インターロックスイッチを介して供給される電力を蓄積し、当該電力をリレー開閉手段に供給する第1の蓄電手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の給電装置において、インターロックスイッチを介して第1の蓄電手段に供給される電力は、インターロックスイッチと第1の蓄電手段との給電ライン上に設けられた一方向性の半導体素子を介して第1の蓄電手段に供給されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の給電装置において、半導体開閉制御手段は、インターロックスイッチを介して供給された電力に基づいて半導体開閉手段の開閉動作を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の給電装置において、制御部は割り込み端子をさらに有し、インターロックスイッチからの開閉信号は、当該割り込み端子に入力されたことを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置であって、画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱手段を有し、電力が供給される負荷は、加熱手段であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、加熱手段に電力を供給する充放電可能な第2の蓄電手段をさらに有することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7記載の画像形成装置において、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知手段と、加熱手段へ電力供給が開始された時間から、インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測するタイマとを有し、タイマにて計測された時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、電力を加熱手段へ供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御工程と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御工程とを有する給電装置の制御方法であって、開閉動作制御工程は、インターロックスイッチを介して供給される電力に基づいて、リレー開閉手段および半導体開閉手段の開閉動作を制御し、インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいてリレー開閉手段に電力を供給し、一定時間経過後に半導体開閉手段に電力を供給するよう制御することを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の給電装置の制御方法において、インターロックスイッチを介して供給される電力を蓄積し、当該電力をリレースイッチに供給する第1の蓄電工程を有することを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の給電装置の制御方法において、インターロックスイッチを介して第1の蓄電工程にて供給される電力は、インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電されることを特徴とする。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項9から11のいずれか1項記載の給電装置の制御方法において、開閉動作制御工程は、インターロックスイッチを介して供給された電力に基づいて半導体開閉手段の開閉動作を制御することを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項9から12のいずれか1項記載の給電装置の制御方法において、インターロックスイッチからの開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み工程をさらに有することを特徴とする。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項9から13のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱工程を有し、加熱工程時に電力が供給されることを特徴とする。
【0025】
請求項15に記載の発明は、請求項14記載の画像形成装置の制御方法において、加熱工程にて電力を供給する充放電可能な第2の蓄電工程をさらに有することを特徴とする。
【0026】
請求項16に記載の発明は、請求項14または15記載の画像形成装置の制御方法において、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知工程と、加熱工程へ電力供給が開始された時間から、インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測工程とを有し、計測された時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、電力を加熱工程へ供給する半導体開閉工程の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする。
【0027】
請求項17に記載の発明は、負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御処理と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御処理とをコンピュータに実行させるプログラムであって、開閉動作制御処理は、インターロックスイッチを介して供給される電力に基づいて、リレー開閉手段および半導体開閉手段の開閉動作を制御させ、インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいてリレー開閉手段に電力を供給し、一定時間経過後に半導体開閉手段に電力を供給するよう制御するようコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
請求項18に記載の発明は、請求項17記載のプログラムにおいて、インターロックスイッチを介して供給される電力を蓄積し、当該電力をリレー開閉手段に供給する第1の蓄電処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
請求項19に記載の発明は、請求項18記載のプログラムにおいて、インターロックスイッチを介して第1の蓄電処理にて供給される電力は、インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電するようコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0030】
請求項20に記載の発明は、請求項17から19のいずれか1項記載のプログラムにおいて、制御処理は、インターロックスイッチを介して供給された電力に基づいて半導体開閉手段の開閉動作を制御するようコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
請求項21に記載の発明は、請求項17から20のいずれか1項記載のプログラムにおいて、インターロックスイッチからの開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0032】
請求項22に記載の発明は、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知処理と、画像形成装置の画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱処理と、加熱処理時に、充放電可能な蓄電部より電力を供給する第2の蓄電処理と、加熱処理時に、蓄電部より電力供給が開始された時間から、インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測処理とをコンピュータに実行させ、計測された時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、蓄電部からの電力を供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させるようコンピュータに実行させるプログラムであることを特徴とする。
【0033】
請求項23に記載の発明は、請求項17から22のいずれか1項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
このように、本発明の給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体によれば、インターロックスイッチの開放時には半導体スイッチを開放した後にリレースイッチを開放し、インターロックスイッチの閉鎖時にはリレースイッチを閉じた後で半導体スイッチを閉じるので、リレースイッチの接点の劣化や溶着を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本実施形態の給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は以下に述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
図1は、本実施形態の給電装置を模式的に示す図である。
【0036】
図1に示すように、本実施形態の給電装置は、定着ヒータ2と、リレー5と、半導体(FET)6と、FET開閉回路7と、リレードライブ回路8と、インターロックスイッチ9と、オープンコレクタバッファ10と、電圧変換バッファ11と、制御部13と、電源部17と、温度過昇防止部21と、定着過熱部温度検出回路28とを備えている。また温度過昇防止部21は、リレー3と、サーモスタット4とを備えている。
【0037】
負荷に電力を供給する構成としては、電源装置17に定着ヒータ2が接続され、サーモスタット4の遮断でリレー3が開放される温度過昇防止部21におけるリレー3を介して、定着ヒータ2に電力を供給するリレー5と、FET6とが直列に接続されている。
【0038】
次に、具体的な動作について説明する。
リレー5およびFET6は、定着ヒータ2に電力を供給する画像形成装置の制御部13と、この制御部13とは別に備えられたインターロックスイッチ9と、からの電力供給により開閉が制御される。
【0039】
画像形成装置の制御部13のポート2を介して、リレー5をONする信号が出力されており、かつ制御部13のポート3からFET6をONする信号がFET制御回路7に出力された状態でインターロックスイッチ9が閉じられていた場合には、リレー5にはインターロックスイッチ9から電力が供給されるので、励磁コイルは通電されリレー5の開閉回路は閉じられる。
一方、FET制御回路7にもインターロックスイッチ9から電力が供給されるので、FET制御回路7のトランジスタ7aはONするとFET6のゲートにもON電圧が加えられ、FET6もONする。
【0040】
インターロックスイッチ9が開放されると、リレー5には電力が供給されなくなるので、リレー5の開閉回路は開放され、FET制御回路7にもインターロックスイッチ9から電力が供給されないので、FET制御回路7のトランジスタ7aはOFFして、FET6のゲートにもOFF電圧が加えられ、FET6もOFFする。なお、メカニカル接点のリレー5よりも半導体のFET6は早くONする。
【0041】
ここで、温度過昇防止部21の動作について簡単に説明する。温度過昇防止部21は、上述したように、リレー3と、サーモスタット4とを備えている。
サーモスタット4は、後述する図20で説明する本実施形態の画像形成装置の定着装置内に設けられている。リレー5およびFET6が導通を継続する等の状態となり、定着装置80の定着ローラ81が溶融する温度になると、このサーモスタット4が遮断する。サーモスタット4を介してリレー3の励磁コイルは通電されているので、通電は遮断されてリレー3は開放され、定着ヒータ2への電力供給も遮断される。
【0042】
なお、定着ローラ2の温度を検出する定着過熱部温度検出回路28については、後述する図9にて詳説する。
【0043】
ここで、本実施形態の給電装置の動作について説明する。図2は、本実施形態の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0044】
インターロックスイッチ9が開放されると、前述した理由ように、FET6はOFFする。リレー5はメカニカル接点なので、少し遅れてOFFする。ここでは先にFET6がOFFしているので、リレー5の接点に過電流が流れることはない。制御部13のポート1には、電圧変換バッファ11を介して、インターロックスイッチ9の開放信号が入力される。したがって、FET6をOFFする信号を制御部13のポート3から出力し、また制御部13のポート2からリレー5をOFFする信号を出力する。なお、既にリレー5およびFET6はOFFしているので、状態の変化はない。
【0045】
次に、制御部13は、インターロックスイッチ9の閉じられた信号を監視する。制御部13のポート1よりインターロックスイッチ9が閉じられた信号が入力されると、制御部13のポート2からリレー5をONする信号を出力する。そして、リレー接点のチャタリング時間を考慮した時間が経過した後に、FET6をONする信号を制御部13のポート3より出力する。リレー5の接点が接続後にFET6をONするので、リレー5の接点がONする時に大電流が流れることはない。
【0046】
なお、ソフト的に、FET6およびリレー5をOFFした状態ではない時に、インターロックスイッチ9が閉じられると、半導体のFET6が先にONして、その後メカニカルスイッチのリレー5がONするので、リレー接点には過電流が流れ、接点が溶着または、劣化する可能性がある。また、インターロックスイッチ9が閉じられても、定着加熱部に電力を供給する必要がない場合には、勿論FET6をONする信号は出力しない。
【0047】
このように本実施形態によれば、インターロックスイッチ9が開放されるときは、FET6を先に開放して、その後リレー5を開放する。また、インターロックスイッチ9が閉じられたときには、リレー5を閉じた後で、FET6を閉じる。このような構成をとることにより、リレー接点の劣化、溶着を防止することができる。
【0048】
図3は、本実施形態の給電装置の他の一例に示す図である。
図2では、FET6の開放動作よりもリレー5の開放を意図的に遅らせるために、インターロックスイッチ9の開放時に、リレー5に蓄電力供給を行う。なお、リレーの電流容量が少ない、小型のリレーの場合は接点の開閉が早いので、この図2に示すような形態が有効となる。
【0049】
図2に示す給電装置では、図1に示す構成に加えて、キャパシタバンク1と、充電回路12と、コンデンサ14と、ダイオード16とを備えている。
基本的な構成は図1と同様であるので、ここでは図1と異なる部分のみ説明する。
【0050】
インターロックスイッチ9が閉じられた状態では、コンデンサ14はダイオード16を介して充電され蓄電される。リレー5の励磁コイルが通電された状態で、インターロックスイッチ9が開放されると、励磁コイルにはコンデンサ14の蓄電力が供給される。したがって、励磁コイルの非通電状態は遅れるので、リレー5の開放も遅れることになる。なお、コンデンサ14の蓄電力は、ダイオード16により他の回路への放電が禁止される。
【0051】
一方、FET開閉回路7には、インターロックスイッチ9が開放された信号が直接入力されるので、FET6は遅れることなくOFFされる。
【0052】
またキャパシタバンク1は、充放電が可能な電気二重層コンデンサであり、充電回路12により、定電圧充電、定電力充電、定電圧充電が行われる。キャパシタバンク1の詳細な動作については、後述する図9にて説明する。
【0053】
ここで、図3に示す給電装置の動作について図4を用いて説明する。図4は、図3に示すインターロックスイッチ9が開閉時の、FET6およびリレー5の動作を示すタイミングチャートである。この図4に示すタイミングチャートは、前述した図2に示すタイミングチャートとほぼ同様である。すなわち、コンデンサ14の蓄電力によりリレー5の開放が遅れること以外は、図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0054】
このように本実施形態によれば、リレー5に電力を供給する蓄電手段(コンデンサ14)を設け、インターロックスイッチ9が開放された時には、このコンデンサ14からリレー5に電力を供給する。このように、リレー5のOFFを遅らせ、FET6が確実にOFFした後にリレーをOFFすることができるため、FET6をOFFする時間に余裕を持たせることが可能となり、リレー接点の劣化、溶着を防止することができる。また、ダイオート16により、他の回路への放電は防止されるので、容量の小さいコンデンサが使用可能となる。
【0055】
図5は、本実施形態の給電装置のさらに他の一例に示す図である。
図5では、インターロックスイッチ9の開閉信号を制御部13におけるCPUの割り込み端子18に入力し、ソフト的にFET6をOFFする場合を示している。
【0056】
図5に示す給電装置では、図3に示す構成に加えて、前述した割り込み端子18が設けられている。また、FET開閉回路7の代わりに抵抗Rを備えている。
基本的な構成は図1,3と同様であるので、ここでも図1,3と異なる部分のみ説明する。
【0057】
インターロックスイッチ9の開閉信号は、電圧変換バッファ11を介してCPUの割り込み端子(INT)18に入力される。FET6は制御部13のポート3により、ON/OFF制御される。
【0058】
図5に示す給電装置の構成における制御部13の動作について説明する。
図6は、制御部13の動作を示すタイミングチャートである。
【0059】
制御部13は、インターロックスイッチ9が開放され割り込みが発生すると、FET6をOFFする信号を制御部13のポート3より出力する。次に、コンデンサ14の蓄電を利用してリレー5を開放させた一定時間後に、ソフト的にリレー5を開放する信号を出力する。
【0060】
また制御部13は、インターロックスイッチ9が閉じられ割り込みが発生すると、リレー5を閉じる信号を制御部13のポート2より出力し、リレー接点のチャタリング時間を考慮した時間が経過した後に、FET6をONする信号を制御部13のポート3より出力する。リレー5の接点が接続後にFET6をONするので、リレー5の接点がONする時に大電流が流れることはない。なお、インターロックスイッチ9が閉じられても、定着加熱部に電力を供給する必要がない場合には、勿論FET6をONする信号は出力しない。
【0061】
このように本実施形態によれば、インターロックスイッチ9の開閉信号を、制御部13の割り込み端子に入力することにより、ソフト的にFETを早く遮断し、またリレーはコンデンサ14の蓄電力を利用して、OFFすることができる。これにより、給電装置の回路構成を簡略化することが可能となる。
【0062】
図7は、本実施形態の画像形成装置を模式的に示す外観図である。
図7では、画像形成装置の前カバー100が開放された状態になっている。この前カバー100により画像形成装置内部の駆動部や高電圧の電源部に触れないようにしている。前カバー100が閉じられると、この前カバー100に設けられた突起部200が溝部300に入り、さらに溝部300に設けられたドアスイッチ400が閉じられる。逆に、前カバー100が開けられると、ドアスイッチ400も開放される。
【0063】
図6は、ドアスイッチ400の周辺部を模式的に示す斜視図である。
前述したように、前カバー100が閉じられることで溝部300に設けられたドアスイッチ400のレバー500が押される。これによってドアスイッチ400内部のスイッチ接点が接続されて、電線600が通電される。
【0064】
図9は、本実施形態の給電装置を備えた画像形成装置の制御回路構成を模式的に示す図である。なおここでは、図5にて示した給電装置を用いることとする。
【0065】
まず充電回路12について説明する。
充電回路12は、出力電圧を発生させる出力発生手段121と、この出力電圧を制御する出力制御手段122と、この出力制御手段122にフィードバックされる充電電圧検出回路123とで構成される。
【0066】
出力制御手段122はCPU122aを備え、このCPU122aに内部バスで接続されたシリアルコントローラ(SIC)122bと、A/Dコンバーター122cと、充電電流検出回路122dと、定電圧出力用、定電流充電用および定電力充電用のPWM発生回路122eとを備えている。また、ここでは図示はしないが、ROMやRAM、タイマ、割り込み制御回路および入出力ポートなどを有している。
以下に詳細な説明を行う。
【0067】
主電源スイッチ72を介して交流電源71からの交流入力は、フィルタ73を経由して全波整流回路47に接続され、全波整流される。この全波整流された出力は、平滑コンデンサC2によりリップル成分等が除去される。
【0068】
全波整流回路74の直流出力側には、平滑コンデンサC2と並列に高周波のトランス20の1次コイル20aが接続され、この1次コイル20aに、スイッチング手段としてFET6が直列に接続されている。FET6で構成されるスイッチング回路は、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用のPWM発生回路122eから出力されるPWM信号により、FET6がスイッチング(ON/OFF動作)すると1次コイル20aにはスイッチング電流が流れる。
【0069】
この1次コイル20a側のスイッチ電流により、トランス20の2次コイル20bにスイッチ電圧が誘起する。このスイッチング周波数の導通期間を変えれば、出力電圧の制御を行うことができる。トランス20の2次コイル20bには整流回路としてダイオードD1、D2が接続されており、スイッチング電圧はこの整流回路で整流され、チュークコイル75およびコンデンサC1により平滑され、直流出力に変換される。
この直流出力は、ダイオード76を通してキャパシタバンク1に供給される。
【0070】
次に、キャパシタバンク1に充電する動作を説明する。
本実施形態の給電装置におけるキャパシタバンク1には、満杯充電時に2.5Vになるキャパシタセル(電気二重層コンデンサセス)が18個、直列に接続されている。したがって、18個のキャパシタセルが満充電になると、45Vの電圧が蓄電される。
【0071】
なお、本実施形態の給電装置のキャパシタバンク1は、対象とする画像形成装置の連続コピー時において温度落ち込みを防止できる容量、または、必要とする定着立ち上げ時間を達成できる容量のセル構成としている。
【0072】
次に、キャパシタバンク1に充電された充電電圧検出回路123の動作を説明する。
キャパシタバンク1の端子間電圧は、抵抗R2と抵抗R3とにより分圧回路を構成した充電電圧検出回路123により検出される。その出力は、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用のPWM発生回路122eのA/Dコンバータ122cと、エンジン制御部77のA/Dコンバーター77bに入力される。
【0073】
この出力電圧は、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用のPWM発生回路122eにより監視され、PWM信号のONデューティを変えることにより制御される。なお、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eについては後述する。
【0074】
次に、キャパシタバンク1の充電電流検出方法について説明する。
キャパシタバンク1の充電電流の検出は、キャパシタバンク1と直列に接続された抵抗R1を流れる電流を端子間電圧として検出し、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eの充電電流検出回路122dに入力される。
【0075】
次に、キャパシタセル個々の満充電を検出し、バイパス回路1bを動作させ、各キャパシタセル1aの充電電圧を均等化する均等化回路1dの動作を説明する。
【0076】
出力発生手段121によりキャパシタセル1aは充電され、満充電の2.5Vに充電されると、均等化回路1dは充電電流をバイパスする。他のキャパシタセル1aに並列に接続されたバイパス回路も同様の動作を行い、各キャパシタセル1aの充電電圧は均等化される。
【0077】
均等化回路1dは、何れかのキャパシタセル1aの満充電を検知し、バイパス回路を動作させると、定電圧出力、定電流および定電力充電用PWM発生回路122eに単セル満充電信号44を出力する。また、均等化回路1dは、全てのキャパシタセルの満充電を検知し、全てのバイパス回路を動作させると、定電圧出力、定電流および定電力充電用PWM発生回路122eに全てのキャパシタセルの満充電信号45を出力する。
【0078】
次に、キャパシタバンク1の充電電圧検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク1に定電流充電または定電力充電を行う、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eの動作説明をする。
【0079】
定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、キャパシタバンク1の充電電圧検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク1に定電流充電、定電力充電または定電圧充電を行うためのPWM信号を発生させる回路である。
【0080】
定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eはキャパシタバンク1の端子間電圧を充電電圧検出回路123の出力により検出し、キャパシタバンク1の端子間電圧が、予め設定された値より低い場合には、キャパシタバンクと直列に接続された抵抗R1の端子間電圧を逐次検出し、この端子間電圧に対応した、予め設定された定電流充電にするためのPWM信号を、FET6のゲートに出力する。
【0081】
なお、この予め設定された定電流充電にするためのPWM信号は、抵抗R1の端子間電圧と、PWM信号のONデュティーとの関係を予め作成したテーブルを使用してもよいし、演算により算出してもよい。また、充電電流のみ参照し、予め設定された充電電流になるよう、PWM信号を制御してもよい。さらに、キャパシタバンク1が充電されてない状態の場合は、大きな突入電流がキャパシタバンク1に流れるのを防止しするために、初めは出力電圧を低くし、徐々に出力電圧を高くするようにPWM信号を出力してもよい。
【0082】
キャパシタバンク1の端子間電圧が予め設定された値以上になると、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、定電力充電を行うために、キャパシタバンク1の充電電流とキャパシタバンク1の端子間電圧の検出を逐次行う。そして、検出した充電電流と充電電圧から、予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号を、FET6のゲートに出力する。
【0083】
なおこのPWM信号は、キャパシタバンクの充電電流と、キャパシタバンク1の端子間電圧との検出を行い、この検出した充電電流と充電電圧とから、予め設定された定電力充電を行うためPWM信号を演算して決定する。
【0084】
定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、何れかの単セル満充電信号44を検出すると、再び予め設定された定電流充電にするPWM信号を、FET6のゲートに出力する。また、定電圧出力、定電流充電および定電力充電用PWM発生回路122eは、全てのキャパシタセルの満充電信号45を検出すると、一定期間定電圧充電を行い、その後充電動作を停止する信号をFET6のゲートに出力する。
【0085】
次に、エンジン制御部77およびその周辺部について説明する。
エンジン制御部77は、CPU77aと、CPU77aに内部バスで接続されたA/Dコンバータ77bと、入出力ポート77cと、シリアルコントローラ(SCI)77dと、NV−RAM77eと、ROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路(INT)などで構成されている。
また本実施形態では、定着装置の加熱部としてAC定着ヒータ30と、補助ヒータとしてDC定着ヒータ22とを備えている。
【0086】
エンジン制御部77のA/Dコンバータ77bには、図12に示す定着装置80の定着ローラ81の表面温度(定着温度)を検出する定着過熱部温度検出回路28,33が接続されている。
定着過熱部温度検出回路28は、DCヒータ用サーミスタ28aと直列に接続された抵抗R10とで構成され、DC定着ヒータ22(図1,3,5中の定着ヒータ2)に対応する測定領域の温度を検出する回路である。また定着温度検出回路33は、ACヒータ用サーミスタ33aと直列に接続された抵抗R11とで構成され、AC定着ヒータ30に対応する測定領域の温度を検出する回路である。DC定着ヒータ22は、立ち上げ時および連続コピー時の温度落ち込み時に補助ヒータとして使用される。
【0087】
入出力ポート77cには、定着過熱部温度検出回路28の温度検出結果により、キャパシタバンク1に蓄電された電力を、定着装置内部に備えられたDC定着ヒータ22に電力を供給するリレー5と放電回路(FET)6、および定着温度検出回路33の検出結果により、AC定着ヒータ30に電力を供給するACヒータ制御回路43、画像形成動作を行うために必要なモータ、ソレノイド、クラッチなどの負荷78、画像形成動作を行うために必要なセンサ19およびスイッチ回路15などの入力が接続されている。
【0088】
また、インターロックスイッチ9の出力信号が、割り込み制御回路77eに接続されている。またエンジン制御部77のCPU77aは、インターロックスイッチ9の開閉信号により、割り込み処理ルーチンを実行する。さらにエンジン制御部77のCPU77aは、出力制御手段122とシリアルコントローラ(SCI)77dを介して信号の送受信を行わせる。
【0089】
また、エンジン制御部77のCPU77aは、キャパシタバンク1の端子間電圧を充電電圧検出回路123により検出し、キャパシタバンク1の電力放電が可能かを判断する。またこのCPU77は、DC定着ヒータ22が供給する電圧値、または、定着装置の立ち上げ用のパターンなどを、出力制御手段122のCPU122aに出力する。
【0090】
次に、ACヒータ制御回路43について説明する。
主電源ON時および通常のコピー動作時には、AC定着ヒータ30に電力を供給してコピー動作が行われる。エンジン制御部77のCPU77aは、定着温度検出回路33が予め設定された温度以下の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35にトライアックをONする信号をエンジン制御部77のポート4より出力する。このとき、定着ヒータ30には電力が供給される。
【0091】
また一方、定着温度検出回路33が予め設定された温度以上の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35にトライアックをOFFする信号をエンジン制御部77のポート4より出力する。このとき、AC定着ヒータ30への電力供給は停止される。
【0092】
次に、DC定着ヒータ22に電力を供給する動作について説明する。
エンジン制御部77のCPU77aは、主電源がONされた時に充電電圧検出回路123の充電電圧を確認した後、キャパシタバンク1の蓄電力をDC定着ヒータ22に供給するために、エンジン制御部77のポート2より、リレー5をONする信号を出力する。そして、リレー接点のチャタリング時間が経過後に、入出力ポート77cのポート3よりFET6をONする信号を出力する。この動作により、リレー接点の溶着および劣化は防止され、キャパシタバンク1の蓄電力がDC定着ヒータ22に供給される。
【0093】
または、連続コピー時に定着加熱部の温度が低下して、未定着画像が発生する温度になると、出力制御手段122からの全セル満充電信号、または、充電電圧検出回路123の充電電圧を確認した後、キャパシタバンク1の蓄電力をDC定着ヒータ22に供給するために、入出力ポート77cのポート2より、リレー5を閉じる信号を出力する。そして、一定時間経過後に入出力ポート77cのポート3より、FET6をONする信号を出力する。このとき、キャパシタバンク1の蓄電力がDC定着ヒータ22に供給される。
【0094】
エンジン制御部のCPU77aは、定着過熱部温度検出回路28により定着加熱部の温度検出を行う。そして、予め設定された温度以上の温度検出を行うと、キャパシタバンク1の電力放電を停止するために、入出力ポート77cのポート3より、FET6をOFFする信号を出力する。そして一定時間が経過した後に、入出力ポート77cのポート2よりリレー5を開放する信号を出力する。
【0095】
なお、定着加熱部に電力供給を行う場合には、リレー5は閉じた状態を継続し、FET6のON/OFF制御のみで電力供給を行ってもよい。このようにすることで、定着加熱部に電力供給を行う場合のリレー接点の劣化を防止することができる。
【0096】
次に、本実施形態の画像形成装置内部に備えられた、インターロックスイッチ9の開閉動作時におけるエンジン制御部77のCPU77aの動作について説明する。なお、定着加熱部にキャパシタバンク1の蓄電力を供給する回路構成は、前述した図5と同様であり、その説明は省略する。
【0097】
図9中の21は、前述したように温度過昇防止部であり、リレー3とサーモスタット4とで構成される。
CPU77aでは、インターロックスイッチ9が開放された信号により割り込みが発生すると、その割り込み処理ルーチンの中で、FET6をOFFする信号をエンジン制御部77のポート3より出力する。そして、一定時間経過後にリレー5を開放する信号をエンジン制御部77のポート2より出力する。
【0098】
また、インターロックスイッチ9が閉じられた場合の動作について説明する。
CPU77aでは、インターロックスイッチ9が閉じられた信号により割り込みが発生すると、その割り込み処理ルーチンの中で、リレー5を閉じる信号をエンジン制御部77のポート2より出力する。次に、定着加熱部の温度が補助電源を必要とする場合は、リレー接点のチャタリング時間を計測後、エンジン制御部77のポート3よりFET6をONする信号を出力する。リレー接点部に大きな電流が流れる状態でリレーの開閉は行わないので、リレー接点の溶着および劣化の防止が可能となる。
【0099】
次に、本実施形態の画像形成装置の全体を制御するコントロール回路79について説明する。
コントロール回路79は、本実施形態の画像形成装置全体を制御するCPU79aとCPU79aに内部バスで接続された、シリアルコントローラ(SCI)79bと、ROMやRAM、プリンタで使用する画像展開用のワークメモリ、書き込み画像のイメージデータを一時蓄えるフレームメモリ、CPU周辺を制御する機能を搭載したASICおよびそのインタフェース回路などで構成される。
【0100】
コントロール回路79では、パネルを操作して使用者が行うシステム設定の入力や、使用者にシステムの設定内容状態を表示する表示・入力の制御を行う操作部制御回路37と、エンジン制御部77とが、シリアルコントローラ(SCI)を介して接続されている。
【0101】
ここで、定着ヒータ22にキャパシタバンク1の電力を供給する場合の動作について説明する。
図10は、定着ヒータ22にキャパシタバンク1の電力を供給する動作を示すフローチャートである。
【0102】
エンジン制御部77のCPU77aは、まず始めに、定着温度が予め設定された温度以下かを確認する(ステップS101)。この確認は、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認する。予め設定された温度以下の場合、例えば180℃以下の場合には(ステップS101/Yes)、入出力ポート77cのポート2よりリレー5をONする信号を出力する(ステップS102)。そして、リレーの接点が確実にONする時間を計測する。
【0103】
時間を計測後、次に、定着温度が予め設定された温度以下か、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで再度確認する(ステップS104)。予め設定された温度以下の場合、例えば180℃以下の場合には(ステップS104/Yes)、入出力ポート77cのポート3よりFET6をONする信号を出力する(ステップS105)。そして、定着加熱部に電力を供給した時間を計測するタイマをスタートさせる(ステップS106)。
【0104】
次に、定着温度が予め設定された温度を超えるかを確認する(ステップS107)。この確認は、前述したステップS101と同様に、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認する。予め設定された定着温度を超える場合には(ステップS107/Yes)、入出力ポート77cのポート3よりFET6をOFFする信号を出力する(ステップS108)。そして最後に、定着加熱部に電力を供給した時間を計測するタイマをクリアーする(ステップS109)。
【0105】
さらには、定着温度が予め設定された温度以下か、再度定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認し、前述した動作を繰り返すことになる。なお、本実施形態の場合には、FET6のON/OFF動作により定着温度の制御を行ったが、勿論リレー5とFET6との両方のON/OFF制御により実施してもよい。
【0106】
また、前述のステップS101にて定着温度が設定温度以上の場合には(ステップS101/No)、ステップS104へと移行し、定着温度が予め設定された温度以下か、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで再度確認する。さらに前述のステップS104での確認において、定着温度が予め設定された温度以上の場合には(ステップS104/No)、ステップS107へと移行する。
【0107】
図11は、図9に示すインターロックスイッチ9が開閉された時に、CPU77aがリレー5とFET6とをON/OFF制御する場合の動作を示すフローチャートである。
インターロックスイッチ9の開閉信号はCPU77aの割り込み端子に接続されているが、この割り込み端子は、インターロックスイッチ9が開放された場合(立ち下がり)でも閉じられた場合(立ち上がり)でも、割り込みが発生する割り込み端子を使用している。
【0108】
まず、エンジン制御部77のCPU77aは、インターロックスイッチ9の開閉信号により割り込みが発生すると、エンジン制御部77のポート1により、インターロックスイッチ9が開放された信号(Low)かを確認する(ステップS201)。インターロックスイッチ9が開放された信号の場合には(ステップS201/Yes)、インターロックスイッチ9が開放された時にセットされるフラグがセットされているかを確認する(ステップS202)。ここでインターロックスイッチ開放時のフラグがセットされている場合には(ステップS202/Yes)、処理を終了する。一方、フラグがセットされてない場合には(ステップS202/No)、インターロックスイッチ9が開放された時にセットされるフラグをセットする(ステップS203)。
【0109】
次に、前述の図10にて説明した定着加熱部にキャパシタバンク1の電力を供給するフローチャートで、定着加熱部に電力供給を継続した時間を計測するタイマが予め設定された時間以下か確認する(ステップS204)。ここで、タイマでの計測結果が予め設定された時間を超える場合には(ステップS204/No)、入出力ポート77cのポート3よりFET6をOFFする信号を出力する(ステップS206)。最後に、入出力ポート77cのポート2より、リレー5をOFFする信号を出力して(ステップS207)、処理を終了する。
【0110】
また、前述のステップS204にてタイマの計測結果が予め設定された時間以下の場合には(ステップS204/Yes)、予め設定された時間が経過するまで確認を続ける(ステップS205)。そして予め設定された時間が経過した後に、入出力ポート77cのポート3よりFET6をOFFする信号を出力し(ステップS206)、入出力ポート77cのポート2よりリレー5をOFFする信号を出力して(ステップS207)、処理を終了する。
【0111】
一方、前述したステップS201にて、インターロックスイッチ9が開放された信号(Low)ではない場合には(ステップS201/No)、インターロックスイッチ9が閉じられた信号かを入出力ポート77cのポート1により確認する(ステップS208)。インターロックスイッチ9が閉じられた信号(H)ではない場合には(ステップS208/No)、処理を終了する。
【0112】
インターロックスイッチ9が閉じられた信号(H)の割り込みの場合には(ステップS208/Yes)、インターロックスイッチ9が開放された時にセットされるフラグがセットされているかを確認する(ステップS209)。ここで開放時のフラグがセットされていない場合には(ステップS209/No)、処理を終了する。フラグがセットされている場合には(ステップS209/Yes)、インターロックスイッチ24が開放された時にセットされるフラグをリセットする(ステップS210)。
【0113】
次に、定着温度が予め設定された温度以下か、定着過熱部温度検出回路28の出力をA/Dポート77bより読み込んで確認する(ステップS211)。定着温度、例えば180℃以下のように予め設定された温度以下の場合には(ステップS211/Yes)、入出力ポート77cのポート2よりリレーをONする信号を出力する(ステップS212)。そして、リレーのチャタリング時間を考慮した時間を計測する(ステップS213)。ここで一定時間が経過した後、入出力ポート77cのポート3よりFET6をONする信号を出力して(ステップS214)、処理を終了する。
なお、前述したステップS211にて、定着温度が予め設定された温度を超える場合には(ステップS211/No)、その時点で処理を終了する。
【0114】
このように本実施形態によれば、定着ヒータの放電直後にヒータに大きな突入電力が流れることのよるFETをOFFするFET6の破損を防止することができる。すなわち、電力供給開始時から、インターロックスイッチ9が開放されるまでの時間を計測し、計測した結果が、予め設定された時間より短い場合には、一定時間経過後にFET6の開放を行うことで、FET6の破損防止を可能としている。
【0115】
図12は、本実施形態の給電装置を有する画像形成装置の定着装置80の概略構成を示す縦断側面図である。
この図12に示すように、本実施形態の定着装置80は、定着部材である定着ローラ81と、加圧部材である加圧ローラ82と、加圧ローラ82を一定の加圧力で定着ローラ81に押し当てる加圧手段(図示せず)とを備えている。定着ローラ81および加圧ローラ82は、図示しない駆動機構により回転駆動される。
【0116】
また定着装置80には、図9にて説明したAC定着ヒータ30とDC定着ヒータ22との2つと定着ヒータと、定着ローラ81の表面温度検出用のACヒータ用サーミスタ33aおよびDCヒータ用サーミスタ28aが設けられている。
【0117】
これらのAC定着ヒータ30およびDC定着ヒータ22は、定着ローラ81の内部に配置されており、その定着ローラ81を内部から加熱して定着ローラ81に熱を供給する。また、ACヒータ用サーミスタ33aおよびDCヒータ用サーミスタ28aは、定着ローラ81の表面にそれぞれ当接され、定着ローラ81の表面温度(定着温度)を検出する。なお、ACヒータ用サーミスタ33aはAC定着ヒータ30に対応する測定領域に配置され、DCヒータ用サーミスタ28aはDC定着ヒータ22に対応する測定領域に配置されている。
【0118】
AC定着ヒータ30は、定着ローラ81の温度が目標温度に達していないときにONされて定着ローラ81を加熱するヒータである。また、DC定着ヒータ22は、本実施形態の画像形成装置の主電源投入時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立ち上げ時など、すなわち、定着装置80のウォームアップ時に蓄電部の蓄電力を使用して定着装置80の立ち上げを補助するヒータである。このような定着装置80では、トナー画像を担持したシートが定着ローラ81と加圧ローラ82とのニップ部を通過する際に、定着ローラ81および加圧ローラ82によって加熱および加圧される。これにより、シートにトナー画像が定着される。
【0119】
本実施形態の給電装置、画像形成装置、給電装置の制御方法、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体によれば、メカニカル開閉手段と半導体開閉手段とで構成される負荷に電力を供給する給電装置において、インターロックスイッチ開閉時のメカニカルスイッチ接点の劣化や溶着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】インターロックスイッチ9とメカニカルリレー5と半導体(FET)6とで構成される本実施形態の給電装置を模式的に示す図である。
【図2】図1の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】FET6の開放動作よりもリレー5の開放を意図的に遅らせるために、インターロックスイッチ9が開放時に、リレー5に蓄電力供給する場合の給電装置の構成を示す図である。
【図4】図3の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】インターロックスイッチ9の開閉信号を制御部13のCPUの割り込み端子に入力しソフト的に、FET6をOFFする場合の給電装置の構成を示す図である。
【図6】図5の給電装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】本実施形態の画像形成装置の外観を模式的に示す図である。
【図8】ドアスイッチ400の周辺部を示す図である。
【図9】本実施形態の給電装置を有する画像形成装置の制御回路を模式的に示す図である。
【図10】加熱定着部にキャパシタバンク1の電力を供給する場合の動作を示すフローチャートである。
【図11】インターロックスイッチ9の開閉による割り込みルーチンを示すフローチャートである。
【図12】定着装置80の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 キャパシタバンク
1a キャパシタセル
1b バイパス回路
2 定着ヒータ
3、5 リレー
4 サーモスタット
6 FET(半導体スイッチ)
7 FET開閉回路
8 リレードライブ回路
9 インターロックスイッチ
10 オープンコレクタバッファ
11 電圧変換バッファ
12 充電回路
13 制御部
14 コンデンサ
16 ダイオード
21 温度過昇防止部
28 定着過熱部温度検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段およびリレー開閉手段と、
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチと、
前記半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御手段と、
前記インターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、前記リレー開閉手段と前記半導体開閉制御手段とを制御する開閉動作制御手段とを有し、
前記リレー開閉手段および前記半導体開閉制御手段は、前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力に基づいて開閉動作を行い、
前記開閉動作制御手段は、前記インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいて前記リレー開閉手段に前記電力を供給し、一定時間経過後に前記半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御することを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力を蓄積し、当該電力を前記リレー開閉手段に供給する第1の蓄電手段を有することを特徴とする請求項1記載の給電装置。
【請求項3】
前記インターロックスイッチを介して前記第1の蓄電手段に供給される前記電力は、前記インターロックスイッチと前記第1の蓄電手段との給電ライン上に設けられた一方向性の半導体素子を介して前記第1の蓄電手段に供給されることを特徴とする請求項2記載の給電装置。
【請求項4】
前記半導体開閉手段制御手段は、前記インターロックスイッチを介して供給された前記電力に基づいて前記半導体開閉手段の前記開閉動作を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の給電装置。
【請求項5】
前記開閉動作制御手段は割り込み端子をさらに有し、前記インターロックスイッチからの前記開閉信号は、当該割り込み端子に入力されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の給電装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置であって、
画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱手段を有し、
電力が供給される負荷は、前記加熱手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記加熱手段に前記電力を供給する充放電可能な第2の蓄電手段をさらに有することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知手段と、
前記加熱手段へ電力供給が開始された時間から、前記インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測するタイマとを有し、
前記タイマにて計測された前記時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、前記電力を前記加熱手段へ供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする請求項6または7記載の画像形成装置。
【請求項9】
負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御工程と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と前記半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御工程とを有する給電装置の制御方法であって、
前記開閉動作制御工程は、
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力に基づいて、前記リレー開閉手段および前記半導体開閉手段の開閉動作を制御し、
前記インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいて前記リレー開閉手段に前記電力を供給し、一定時間経過後に前記半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御することを特徴とする給電装置の制御方法。
【請求項10】
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力を蓄積し、当該電力を前記リレー開閉手段に供給する第1の蓄電工程を有することを特徴とする請求項9記載の給電装置の制御方法。
【請求項11】
前記インターロックスイッチを介して前記第1の蓄電工程にて供給される前記電力は、前記インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電されることを特徴とする請求項10記載の給電装置の制御方法。
【請求項12】
前記制御工程は、前記インターロックスイッチを介して供給された前記電力に基づいて前記半導体開閉手段の前記開閉動作を制御することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の給電装置の制御方法。
【請求項13】
前記インターロックスイッチからの前記開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み工程をさらに有することを特徴とする請求項9から12のいずれか1項記載の給電装置の制御方法。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、
画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱工程を有し、
前記加熱工程時に電力が供給されることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
前記加熱工程にて前記電力を供給する充放電可能な第2の蓄電工程をさらに有することを特徴とする請求項14記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項16】
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知工程と、
前記加熱工程へ電力供給が開始された時間から、前記インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測工程とを有し、
計測された前記時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、前記電力を前記加熱工程へ供給する半導体開閉工程の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする請求項14または15記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項17】
負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御処理と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と前記半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御処理とをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記開閉動作制御処理は、
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力に基づいて、前記リレー開閉手段および前記半導体開閉手段の開閉動作を制御させ、
前記インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいて前記リレー開閉手段に前記電力を供給をし、一定時間経過後に前記半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御するようコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力を蓄積し、当該電力を前記リレー開閉手段に供給する第1の蓄電処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17記載のプログラム。
【請求項19】
前記インターロックスイッチを介して前記第1の蓄電処理にて供給される前記電力は、前記インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電するようコンピュータに実行させることを特徴とする請求項18記載のプログラム。
【請求項20】
前記制御処理は、前記インターロックスイッチを介して供給された前記電力に基づいて前記半導体開閉手段の前記開閉動作を制御するようコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項記載のプログラム。
【請求項21】
前記インターロックスイッチからの前記開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から20のいずれか1項記載のプログラム。
【請求項22】
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知処理と、
画像形成装置の画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱処理と、
前記加熱処理時に、充放電可能な蓄電部より前記電力を供給する第2の蓄電処理と、
前記加熱処理時に、前記蓄電部より電力供給が開始された時間から、前記インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測処理とをコンピュータに実行させ、
計測された前記時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、前記蓄電部からの前記電力を供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させるようコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項23】
請求項17から22のいずれか1項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段およびリレー開閉手段と、
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチと、
前記半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御手段と、
前記インターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、前記リレー開閉手段と前記半導体開閉制御手段とを制御する開閉動作制御手段とを有し、
前記リレー開閉手段および前記半導体開閉制御手段は、前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力に基づいて開閉動作を行い、
前記開閉動作制御手段は、前記インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいて前記リレー開閉手段に前記電力を供給し、一定時間経過後に前記半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御することを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力を蓄積し、当該電力を前記リレー開閉手段に供給する第1の蓄電手段を有することを特徴とする請求項1記載の給電装置。
【請求項3】
前記インターロックスイッチを介して前記第1の蓄電手段に供給される前記電力は、前記インターロックスイッチと前記第1の蓄電手段との給電ライン上に設けられた一方向性の半導体素子を介して前記第1の蓄電手段に供給されることを特徴とする請求項2記載の給電装置。
【請求項4】
前記半導体開閉手段制御手段は、前記インターロックスイッチを介して供給された前記電力に基づいて前記半導体開閉手段の前記開閉動作を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の給電装置。
【請求項5】
前記開閉動作制御手段は割り込み端子をさらに有し、前記インターロックスイッチからの前記開閉信号は、当該割り込み端子に入力されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の給電装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置であって、
画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱手段を有し、
電力が供給される負荷は、前記加熱手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記加熱手段に前記電力を供給する充放電可能な第2の蓄電手段をさらに有することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知手段と、
前記加熱手段へ電力供給が開始された時間から、前記インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測するタイマとを有し、
前記タイマにて計測された前記時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、前記電力を前記加熱手段へ供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする請求項6または7記載の画像形成装置。
【請求項9】
負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御工程と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と前記半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御工程とを有する給電装置の制御方法であって、
前記開閉動作制御工程は、
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力に基づいて、前記リレー開閉手段および前記半導体開閉手段の開閉動作を制御し、
前記インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいて前記リレー開閉手段に前記電力を供給し、一定時間経過後に前記半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御することを特徴とする給電装置の制御方法。
【請求項10】
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力を蓄積し、当該電力を前記リレー開閉手段に供給する第1の蓄電工程を有することを特徴とする請求項9記載の給電装置の制御方法。
【請求項11】
前記インターロックスイッチを介して前記第1の蓄電工程にて供給される前記電力は、前記インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電されることを特徴とする請求項10記載の給電装置の制御方法。
【請求項12】
前記制御工程は、前記インターロックスイッチを介して供給された前記電力に基づいて前記半導体開閉手段の前記開閉動作を制御することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の給電装置の制御方法。
【請求項13】
前記インターロックスイッチからの前記開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み工程をさらに有することを特徴とする請求項9から12のいずれか1項記載の給電装置の制御方法。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか1項記載の給電装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、
画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱工程を有し、
前記加熱工程時に電力が供給されることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
前記加熱工程にて前記電力を供給する充放電可能な第2の蓄電工程をさらに有することを特徴とする請求項14記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項16】
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知工程と、
前記加熱工程へ電力供給が開始された時間から、前記インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測工程とを有し、
計測された前記時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、前記電力を前記加熱工程へ供給する半導体開閉工程の開放動作を一定時間経過後に開放させることを特徴とする請求項14または15記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項17】
負荷へ供給する電力の開閉動作を行うため直列接続された半導体開閉手段の電力供給に係る開閉動作を制御する半導体開閉制御処理と、物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチからの前記開閉動作に伴う開閉信号に基づいて、リレー開閉手段と前記半導体開閉手段とを制御する開閉動作制御処理とをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記開閉動作制御処理は、
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力に基づいて、前記リレー開閉手段および前記半導体開閉手段の開閉動作を制御させ、
前記インターロックスイッチからの閉指示信号に基づいて前記リレー開閉手段に前記電力を供給をし、一定時間経過後に前記半導体開閉手段に前記電力を供給するよう制御するようコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
前記インターロックスイッチを介して供給される前記電力を蓄積し、当該電力を前記リレー開閉手段に供給する第1の蓄電処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17記載のプログラム。
【請求項19】
前記インターロックスイッチを介して前記第1の蓄電処理にて供給される前記電力は、前記インターロックスイッチから一方向性の半導体素子を介して蓄電するようコンピュータに実行させることを特徴とする請求項18記載のプログラム。
【請求項20】
前記制御処理は、前記インターロックスイッチを介して供給された前記電力に基づいて前記半導体開閉手段の前記開閉動作を制御するようコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項記載のプログラム。
【請求項21】
前記インターロックスイッチからの前記開閉信号が割り込み端子に入力される割り込み処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から20のいずれか1項記載のプログラム。
【請求項22】
物体の移動に伴って電力の供給の開閉動作を行うインターロックスイッチの開閉信号を検知する検知処理と、
画像形成装置の画像形成時に転写紙上に転写された原稿画像を加熱して定着させる加熱処理と、
前記加熱処理時に、充放電可能な蓄電部より前記電力を供給する第2の蓄電処理と、
前記加熱処理時に、前記蓄電部より電力供給が開始された時間から、前記インターロックスイッチが開放されるまでの時間を計測する計測処理とをコンピュータに実行させ、
計測された前記時間が予め設定された所定の時間よりも短い場合には、前記蓄電部からの前記電力を供給する半導体開閉手段の開放動作を一定時間経過後に開放させるようコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項23】
請求項17から22のいずれか1項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−29057(P2008−29057A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195999(P2006−195999)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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