説明

絶縁膜の形成方法

【課題】半導体素デバイスなどにおける低誘電率層間絶縁膜として使用するのに適した絶縁膜の形成方法を提供する。
【解決手段】2つ以上の不飽和基を置換基として有するカゴ型シルセスキオキサン化合物を重合させた高分子化合物を含有する塗膜を基板上に形成した後、酸素雰囲気中で250〜350℃で焼成し、さらに水酸基と結合可能な架橋性化合物を含む媒体で処理することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁膜の形成方法に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかも、低温で絶縁膜を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、気相成長(CVD)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な
層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、これらの成膜は300℃以上の雰囲気で実施される事が多く、熱によるダメージ低減、省エネルギーの観点からより低い温度での絶縁膜形成方法が求められている。
加えて、絶縁膜に含まれる有機成分はドライエッチングレートなどに影響する為、有機成分が含まれない純粋なSiO2が求められることが多い。
【0004】
これらの問題を解消する公知な技術としては、アルコキシシランの重合物を用いた例が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし脱水縮合系を用いている為に必ず水が発生し半導体製造分野では必ずしも好適ではない。また、クラックを防止するために多段階のベークプロセスが必要であり生産性の低下につながっていた。加えて、低温で形成するほど一般的にSiO2膜には水酸基が多く含まれる事が広く知られている。この水
酸基は水分子を多数吸着し、誘電率を著しく上昇させることも広く知られているなどの問題点があった。
【0005】
【特許文献1】特開2006−303129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、上記問題点を解決するための絶縁膜形成方法に関し、さらに詳しくは、半導体素デバイスなどにおける低誘電率層間絶縁膜として使用するのに適した絶縁膜形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記課題が下記の手段により解決されることを見出した。
(1)2つ以上の不飽和基を置換基として有するカゴ型シルセスキオキサン化合物を重合させた高分子化合物を含有する塗膜を基板上に形成した後、酸素雰囲気中で250〜350℃で焼成し、さらに水酸基と結合可能な架橋性化合物を含む媒体で処理することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
(2)前記酸素雰囲気の酸素含有量が500ppm以上である前記(1)の絶縁膜の形成方法。
(3)水酸基と結合可能な架橋性化合物がヘキサクロロジシロキサンである前記(1)の絶縁膜の形成方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体デバイスなどにおける層間絶縁膜や光学デバイスにおける低屈折率膜として使用するのに適した膜を350℃以下の低温プロセスのみで機械強度が高く、極めて低い誘電率を有する膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の絶縁膜の形成方法は、2つ以上の不飽和基を置換基として有するカゴ型シルセスキオキサン化合物を重合させた高分子化合物を含有する塗膜を基板上に形成した後、酸素雰囲気中で焼成し、さらに水酸基と結合可能な架橋性化合物を含む媒体で処理する絶縁膜の形成方法である。
【0010】
本発明の絶縁膜には、2つ以上の不飽和基を置換基として有するカゴ型シルセスキオキサン化合物を重合させた高分子化合物を使用する。このようなカゴ型シルセスキオキサン重合体中には250〜350℃程度の温度で酸素雰囲気中に置かれると水酸基が形成されると言う性質がある。
本発明の特徴は、上記酸素雰囲気中で発生した水酸基を有する塗膜に、水酸基と結合可能な架橋性化合物を含む媒体で処理を行うことで塗膜の機械強度と低誘電率とが両立することにある。さらに本発明の特徴は、上記加熱温度が通常の絶縁膜の焼成温度である350〜450℃より低温であり、したがって温度による半導体デバイスへのダメージが少なく焼成を行えることにある。
【0011】
本発明における2つ以上の不飽和基を置換基として有するカゴ型シルセスキオキサン化合物(以下、化合物(I)とも称する)とは、例えば、m個のRSi(O0.5)3ユニット(mは8〜16の整数を表し、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表し、Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である)を有し、各ユニットが、各ユニットにおける酸素原子を共有して他のユニットに連結しカゴ構造を形成している化合物(以下、化合物(I‘)とも称する)等が挙げられる。
誘電率低下効果の点から、例えば化合物(I‘)におけるmは8、10、12、14、16が好ましく、入手性の観点から、8、10、12が、より好ましい。
【0012】
ここでカゴ構造とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子を指す。
Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表すが、非加水分解性基とは室温で1当量の中性水と1時間接触させた場合に95%以上残存する基であり、この条件で99%以上残存していることが好ましい。
Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である。Rの非加水分解性基の例としては、アルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、ビニル基、エチニル基、アリル基、シリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)等があげられる。
【0013】
Rで表される基のうち、少なくとも2つが、ビニル基またはエチニル基を含む基であるが、少なくとも2つがビニル基であることが好ましい。Rで表される基がビニル基またはエチニル基を含む場合には、ビニル基またはエチニル基は、直接もしくは2価の連結基を介して、Rが結合するケイ素原子に結合することが好ましい。2価の連結基としては、−[C(R11)(R12)]−、−CO−、−O−、−N(R13)−、−S−、−O−Si(R14)(R15)−、およびこれらを任意に組み合わせてできる2価の連結基が挙げられる。(R11〜R15はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、またはフェニル基を表し、kは1〜6の整数を表す。)、なかでも、−[C(R11)(R12)]−、−O−、−O−Si(R14)(R15)−またはこれらを任意に組み合わせ
てできる2価の連結基が好ましい。
化合物(I)において、ビニル基またはエチニル基はRが結合するケイ素原子に直接結合することが好ましい。
化合物(I)におけるRのうち、少なくとも2つのビニル基が、Rが結合するケイ素原子に直接結合することがさらに好ましく、化合物(I)におけるRの少なくとも半数がビニル基であることが、より好ましく、Rが全てビニル基であることが特に好ましい。
【0014】
化合物(I)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
【化1】

【0016】
【化2】

【0017】
【化3】

【0018】
【化4】


【0019】
化合物(I)は、市販のものを使用してもよいし、公知の方法で合成してもよい。
【0020】
本発明の化合物(I)におけるRが下記一般式(II)で表される基である場合も好ましく、この場合、下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物を反応させることで合成できる。
【0021】
(R13−Si−O− (II)
〔MO-Si(O0.5)3m (III)
(R13−Si−Cl (IV)
【0022】
一般式(III)でされる化合物は、たとえば、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1997,36, No.7, 743-745等に記載の方法に従って合成できる。
これらの式中、R1はそれぞれ独立に非加水分解性基を表すが、R1で表される非加水分解性基の具体例としては、アルキル基、アリール基、ビニル基、エチニル基等があげられる。mおよびR1は、化合物(I‘)および一般式(II)におけるものと同意である。
Mは金属原子(例えばNa、K、Cu、Ni、Mn)またはオニウムカチオン(例えばテトラメチルアンモニウム)を表す。なお、Mが多価の金属原子である場合は、複数の−O−Si(O0.5)3が多価の金属原子Mに結合した形態を意味する。
【0023】
一般式(III)で表される化合物と、一般式(IV)で表される化合物との反応は、例えば、溶媒中に、一般式(III)で表される化合物と、一般式(III)で表される化合物中に含まれるSi−OM基数の1〜100倍モルの一般式(IV)で表される化合物を添加し、撹拌しながら、通常0〜180℃、10分〜20時間行う。
溶媒としては、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶剤が好ましい。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物を反応させる際には、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基を添加しても良い。
【0024】
本発明の絶縁膜を形成するための組成物(以下単に「絶縁膜形成用組成物」とも称する)には、複数の異なった化合物(I)の重合物が含まれていても良い。その場合、複数の異なった化合物(I)からなる共重合体であってもよいし、ホモポリマーの混合物であってもよい。絶縁膜形成用組成物が、複数の異なった化合物(I)からなる共重合体を含む場合、m=8、10、および12から選ばれる2種以上の化合物(I‘)の混合物の共重合体であることが好ましい。
前記絶縁膜形成用組成物に含まれる化合物(I)を重合させた高分子化合物は、化合物(I)以外の化合物との共重合物であってもよい。その場合に用いられる化合物としては、重合性炭素−炭素不飽和結合またはSiH基を複数有する化合物が好ましい。好ましい化合物の例としては、ビニルシラン類、ビニルシロキサン類、フェニルアセチレン類、[(HSiO0.5]等が挙げられる。
前記絶縁膜形成用組成物は、化合物(I)を重合させた高分子化合物と重合開始剤とを有機溶剤に溶解した溶液である。
絶縁膜形成用組成物に含まれる固形分のうち、化合物(I)同士が反応した重合物の合計が70質量%以上であることが好ましいが、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが、さらに好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。
固形分中のこれらの含量が大きいほど、密度、屈折率および誘電率の低い膜を形成することができる。
ここで言う固形分とは組成分に含まれる全成分から、揮発性の成分を除いた成分である。揮発性成分には、低分子量化合物に分解した後、揮発する成分も含まれる。揮発性の成分の例としては、水、有機溶剤、空孔形成用熱分解性ポリマー、熱離脱性置換基等が挙げられる。
絶縁膜形成用組成物の固形分に含まれる、化合物(I)同士が反応した重合物以外の成分としては、化合物(I)、化合物(I)の反応物を含む共重合物中に含まれる化合物(I)の反応物以外の成分、不揮発性の添加物などが挙げられる。
【0025】
塗布面状がよく、焼成時の膜減りが小さい膜を形成するために、絶縁膜形成用組成物に含まれる固形分中の未反応の化合物(I)が少ないことが好ましい。
固形分中の化合物(I)は15質量%以下であるが、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることが、最も好ましい。
絶縁膜形成用組成物に含まれる固形分のGPCチャートから化合物(I)単量体を除いた部分のMwが3万〜21万であることが好ましいが、4万〜18万であることが、より好ましく、5万〜16万であることが最も好ましい。
有機溶剤に対する溶解性、フィルターろ過性、および塗布膜面状の観点から本発明のポリマーは分子量300万以上の成分を実質的に含まないことが好ましく、200万以上の成分を実質的に含まないことがより好ましく、100万以上の成分を含まないことが最も好ましい。
【0026】
絶縁膜形成用組成物に含まれる固形分中では、化合物(I)のビニル基またはエチニル基のうち、10〜90モル%が未反応で残存していることが好ましく、20〜80モル%が未反応で残存していることが好ましく、30〜70モル%が未反応で残存していることが最も好ましい。
また、絶縁膜形成用組成物中の、化合物(I)の反応物には、重合開始剤、添加剤または重合溶媒が0.1〜40質量%結合していてもよいが、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%が、より好ましく、0.1〜5質量%が最も好ましい。
これらについては、組成物のNMRスペクトル等から定量することができる。
【0027】
絶縁膜形成用組成物を製造するための方法としては、化合物(I)の反応物は炭素−炭素不飽和結合同士の重合反応を用いて製造されることが好ましい。
特に、化合物(I)を溶媒に溶解させ、重合開始剤を添加してビニル基またはエチニル基を反応させることが特に好ましい。
重合反応としてはどのような重合反応でも良いが、例えばラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、開環重合、重縮合、重付加、付加縮合、遷移金属触媒重合等が挙げられる。
重合反応終了時に残存している化合物(I)は添加量の25%質量以下が好ましく、20%質量以下がより好ましく、15質量%以下が最も好ましい。重合時にこの条件を満たせば、塗布面状がよく、焼成時の膜減りが小さい膜形成用組成物を収率よく製造することができる。
重合反応終了時のポリマーの重量平均分子量(Mw)が3万〜16万であることがより好ましく、4万〜14万であることがさらに好ましく、5万〜12万であることが最も好ましい。
重合反応終了時のポリマーのZ+1平均分子量(MZ+1)は9万〜70万であることが好ましく、12万〜55万であることがよりいっそう好ましく、15万〜40万であることが、最も好ましい。
重合反応終了時のポリマーには、分子量300万以上の成分を実質的に含まないことが好ましく、200万以上の成分を実質的に含まないことがより好ましく、100万以上の成分を含まないことが最も好ましい。
重合時に、これらの分子量条件を満たすと、有機溶剤に可溶で、フィルターろ過性がよく、低密度、低誘電率の膜を形成できる膜形成用組成物を製造することができる。
【0028】
上記の分子量条件を満たすために、重合時の反応中の化合物(I)の濃度は12質量%
以下であることが好ましい。化合物(I)の濃度は10質量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは8質量%以下であり、最も好ましくは6質量%以下である。
反応時の生産性の観点では、重合時の化合物(I)の濃度が高いほど有利である。その意味では、重合時の化合物(I)の濃度は0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。
【0029】
また、化合物(I)を重合させた後、ろ過や遠心分離処理により高分子量成分を除く、カラムクロマトグラフィーを用いて精製する、などの方法で処理することも、絶縁膜形成用組成物を製造する方法として好ましい。
特に、重合反応によって生成した固形物に再沈澱処理を行い、低分子量成分および残存する化合物(I)を除去することにより、Mnを大きくし、残存する化合物(I)量を減少させることが絶縁膜形成用組成物を製造する方法として好ましい。
【0030】
化合物(I)の重合反応は非金属の重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。例えば、加熱によって炭素ラジカルや酸素ラジカル等の遊離ラジカルを発生して活性を示す重合開始剤の存在下で重合することが出来る。
重合開始剤としては特に有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられる。
【0031】
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、キシネオデカノエート、アルケマ吉冨社より市販されているルペロックス11等が好ましく用いられる。
【0032】
有機アゾ系化合物としては和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70等のアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111等のアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061等の環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057等のアゾアミジン化合物類、V−601、V−401等のアゾエステル化合物類、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、等が好ましく用いられる。
【0033】
重合開始剤としては、試薬自体の安全性および重合反応の分子量再現性から、有機アゾ系化合物が好ましく、なかでもポリマー中に有害なシアノが取り込まれないV−601などのアゾエステル化合物が最も好ましい。
重合開始剤の10時間半減期温度は100℃以下であることが好ましい。10時間半減期温度が100℃以下であれば、重合開始剤を反応終了時に残存しないようにすることが容易である。
本発明の重合開始剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の重合開始剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.0001〜2モル、より好ましくは0.003〜1モル、特に好ましくは0.001〜0.5モルである。
【0034】
重合反応で使用する溶媒は、化合物(I)が必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。
例えば水、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤、ハロゲン系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤などが利用で
きる。これらの中でより好ましい溶剤はエステル系溶剤であり、中でも、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエートであり、特に好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチルである。
これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
反応時に重合開始剤を分解させるのに必要な温度まで反応液を加温でき、反応終了後に有機溶媒を留去できるために、有機溶媒の沸点は75℃以上140℃以下であることが好ましい。重合開始剤の添加方法としては一括添加、分割添加、連続添加等が挙げられるが、少ない重合開始剤添加量で高分子量化でき、膜強度の点からも有利であるので、分割添加および連続添加が好ましい。
【0035】
本発明における重合反応の最適な条件は、重合開始剤、モノマー、溶媒の種類、濃度等によって異なるが、好ましくは内温0℃〜200℃、より好ましくは40℃〜170℃、特に好ましくは70℃〜140℃で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
【0036】
絶縁膜形成用組成物を製造する際には、化合物(I)の重合反応を行った反応液をそのまま絶縁膜形成用組成物として用いても良いが、反応溶媒を留去し、濃縮して用いることが好ましい。また、再沈殿処理を行った後に用いることが好ましい。
濃縮する方法としては、ロータリーエバポレーター、蒸留装置または重合反応を行った反応装置などを用いて、反応液を加熱および/または減圧することによって行うことが好ましい。濃縮時の反応液の温度は、一般的には0℃〜180℃であり、10℃〜140℃が好ましく、20℃〜100℃が、より好ましく、30℃〜60℃が最も好ましい。濃縮時の圧力は、一般的に、0.133Pa〜100kPaであり、好ましくは1.33Pa〜13.3kPaであり、より好ましくは、1.33Pa〜1.33kPaである。
反応液を濃縮する際は、反応液中の固形分含量が10質量%以上になるようになるまで濃縮することが好ましく、30%質量以上になるまで濃縮することがより好ましく、50%質量以上になるまで濃縮することが最も好ましい。
【0037】
本発明において絶縁膜形成用組成物にはさらに重合開始剤を含んでよい。
その場合の重合開始剤の例としては前記化合物(I)の重合反応で記載したような有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられる。
【0038】
更に、絶縁膜形成用組成物には、得られる絶縁膜の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着剤などの添加剤を添加してもよい。
【0039】
本発明にいかなる界面活性剤を使用してもよいが、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。本発明で使用する界面活性剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
【0040】
本発明で使用する界面活性剤の添加量は、膜形成塗布液の全量に対して0.01質量%
以上1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
【0041】
本発明において、シリコーン系界面活性剤とは、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。本発明に使用するシリコン系界面活性剤としては、いかなるシリコン系界面活性剤でもよく、アルキレンオキシド及びジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましい。
【0042】
本発明において、前記各成分を適当な溶剤に溶解させて、支持体上に塗布して使用する。使用できる溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
【0043】
絶縁膜形成用組成物を適当な溶剤に溶解させて得られる溶液も絶縁膜形成用組成物の範囲に含まれる。本発明の溶液中の全固形分濃度は、好ましくは、1〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が1〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、塗布液の保存安定性もより優れるものである。
【0044】
絶縁膜形成用組成物には膜の機械強度の許す範囲内で、空孔形成因子を使用して、膜を多孔質化し、低誘電率化を図ることができる。
空孔形成剤となる添加剤の空孔形成因子としては特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用塗布液で使用される溶剤との溶解性、本発明重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。
【0045】
空孔形成剤としてはポリマーも使用することができる。空孔形成剤として使用できるポリマーとしては、例えば、ポリビニル芳香族化合物(ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ハロゲン化ポリビニル芳香族化合物など)、ポリアクリロニトリル、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドなど)、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、ポリメタクリレート(ポリメチルメタクリレートなど)またはポリメタクリル酸、ポリアクリレート(ポリメチルアクリレートなど)およびポリアクリル酸、ポリジエン(ポリブタジエンおよびポリイソプレンなど)、ポリビニルクロライド、ポリアセタール、およびアミンキャップドアルキレンオキシド、その他、ポリフェニレンオキシド、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリテトラヒドロフラン、ポリシクロヘキシルエチレン、ポリエチルオキサゾリン、ポリビニルピリジン、ポリカプロラクトン等であってもよい。
【0046】
特にポリスチレンは、空孔形成剤として好適に使用できる。
【0047】
またこの空孔形成剤の沸点若しくは分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。分子量としては、200〜50000であることが好ましく、より好ましくは300〜10000、特に好ましくは400〜5000である。
空孔形成剤の添加量は膜を形成する重合体に対して、質量%で好ましくは0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1%〜20%である。
また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいても良く、その分解温度は好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃であると良い。分解性基の含有率は膜を形成する重合体に対して、モル%で0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1〜20%である。
【0048】
本発明の膜形成用組成物はフィルターろ過により、不溶物、ゲル状成分等を除いてから膜形成に用いることが好ましい。その際に用いるフィルターの孔径は0.001〜0.2μmが好ましく、孔径0.005〜0.05μmがより好ましく、孔径孔径0.005〜0.03μmが最も好ましい。フィルターの材質はPTFE、ポリエチレン、ナイロンが好ましく、ポリエチレンおよびナイロンが、より好ましい。
【0049】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法、スプレー法、バー塗布法等の任意の方法により、シリコンウエハ、SiO2ウエハ、SiNウエハ、ガラス、プラスチックフィルムなどの基板に塗布した後、溶剤を必要に応じて加熱処理で除去することにより形成することができる。基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法,スキャン法によるものが好ましい。特に好ましくは,スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の,クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。
絶縁膜を形成する際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。
【0050】
本発明において、さらに上記膜を酸素雰囲気中で250〜350℃の温度で熱処理を行う。本発明における酸素雰囲気は濃度が500ppm以上の酸素が含まれる雰囲気であればよく、酸素ガスのみからなる雰囲気中でも、窒素ガスや炭酸ガス等の他の気体との共存下であってもよい。大気中でもかまわない。
この熱処理時間は、1分〜2時間程度であり、好ましくは10分〜1.5時間、より好ましくは30分〜1時間の範囲である。熱処理は数回に分けて行っても良い。加熱温度が、通常の焼成温度である350〜450℃より低温で行えるのが本発明の特徴である。
この熱処理により、カゴ型シルセスキオキサン重合体中には水酸基が形成される。
次に本発明においては、上記酸素雰囲気中で発生した水酸基を有する塗膜に、水酸基と結合可能な架橋性化合物を含む媒体で処理を行って水酸基を消滅させる。
【0051】
上記水酸基と結合可能な架橋性化合物とは好ましくはシリル基を複数有する化合物である。このような化合物としては例えば、Hexachlorodisiloxane(HCDS), tetramethylcyclotetrasiloxane (TMCTS) hexamethyldisilazane (HMDS), tetramethyldisilazane (TMDS), trimethylsilyidimethylamine (TMSDMA), trimethylsilyldiethylamine (TMSDEA), N-trimethylsilyl-imidazole (TMSI), methyltrimethoxysilane (MTMOS), vinyltrimethoxysilane (VTMOS), trimethylchlorosilane (TMCS), dimethylsilyidimethylamine (DMSDMA), dimethylsilyldiethylamine (DMSDEA), bis(dimethylamino)methyl silane (B[DMA]MS), bis(dimethylamino)dimethyl silane (B[DMA]DS), dimethylaminopentamethyldisilane (DMAPMDS), dimethylaminodimethyldisilane (DMADMDS), disila-aza-cyclopentane (TDACP), disila-oza-cyclopentane (TDOCP), triethylchlorosilane (TECS), tetramethoxysilane (TMOS), dimethyldimethoxysilane (DMDMOS), tetraethoxysilane (TEOS), methyltriethoxysilane (MTEOS), dimethyldiethoxysilane (DMDEOS), vinyltriethoxysilane (VTEOS), trimethylmethoxysilane (TMMS), trimethylethoxysilane (TMES), trimethylsilanol (TMS-OH), bis(trimethoxysilyl)hexane, bis(trimethoxysilyl)octane, bis(trimethylsilylmethyl)dimethoxysilane, bistrimethoxysilylethane, cyclohexylmethyldimethoxysilane, cyclohexyltrimethoxysilane, dicyclopentyldimethoxysilane, diisobutyldimethoxysilane, diisopropyldimethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, hexadecyltrimethoxysilane, octyldimethylmethoxysilane, trimethoxysilane, trimethylmethoxysilane, or tris(dimethylsiloxy)ethoxysilane 等が挙げられるが、とりわけHCDSが好ましい。
【0052】
次に水酸基と結合可能な架橋性化合物を含む媒体としては、ガス化した上記化合物自体、上記化合物を任意の溶媒を用いて希釈した蒸気、および上記化合物を超臨界流体に添加した流体などがあり、これらの媒体雰囲気に基板を曝露することで処理が行われる。さらに、溶媒に上記化合物を溶解して接触させる方法等も任意に選択できる。特許文献特開2002-289604に示されているように上記化合物を任意の溶媒を用いて希釈し上記化合物の蒸気雰囲気に基板を曝露することが好ましい。
【0053】
本発明を用いて得られる膜は、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があっても良く、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMP(化学的機械的研磨)での剥離を防ぐキャップ
層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、更には層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けても良い。
【0054】
本発明の絶縁膜は、他の含Si絶縁膜または有機膜と積層構造を形成させて用いてもよい。炭化水素系の膜と積層して用いることが好ましい。
【0055】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線あるいはその他の目的でエッチング加工をすることができる。エッチングとしてはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマのいずれもが適宜使用できる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング加工後に、加工に使用したフォトレジスト等を除く目的でアッシングすることもでき、さらにはアッシング時の残渣を除くため、洗浄することもできる。
【0056】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線加工後に、銅めっき部を平坦化するためCMP(化学的機械的研磨)をすることができる。CMPスラリー(薬液)としては,市販のスラリー(例えば、フジミ製、ロデールニッタ製、JSR製、日立化成製等)を適宜使用できる。また、CMP装置としては市販の装置(アプライドマテリアル社製,荏原製作所製等)を適宜使用することができる。さらにCMP後のスラリー残渣除去のため、洗浄することができる。
【0057】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁皮膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。また、光学装置用の表面保護膜、反射防止膜、位相差膜としても用いることができる。
【実施例】
【0058】
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
【0059】
〔合成例1〕
例示化合物(I−d)(アルドリッチ社製)1gを酢酸ブチル80gに加えた。窒素気流中で、加熱還流しながら(内温127℃)、重合開始剤として和光純薬工業社製V−601(10時間半減温度66℃)を5mgを酢酸ブチル4mlで希釈した液を2時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間加熱還流した。重合禁止剤として4−メトキシフェノール20mgを加えた後、室温まで冷却し、液重量2gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥した。これをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、攪拌しながら水1.8mlを滴下した。1時間攪拌した後、デカンテーションで上澄みを捨て、メタノール10mlを加えた。固形分をろ取、乾燥し固形分0.49gを得た。固形分をGPCで分析すると、例示化合物(I−d)より分子量が大きい成分は、Mw=15.8万、Mz+1=31万、Mn=8.9万であった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は3質量%以下であった。分子量300万以上の成分は含まれなかった。重クロロホルムを測定溶媒として、固形分のH−NMRスペクトルを測定したところ、ビニル基が重合してできたアルキル基由来のプロトンピークと、残存したビニル基由来のプロトンピークが48:52の積分比率で観察され、ビニル基同士が重合していることがわかった。
この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。これを0.2μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、本発明の組成物Aを得た。
残存する単量体の重量および添加剤の重量より、組成物中の固形分のうち、単量体のビニル基同士が反応した重合物が70質量%以上であることは明らかである。
【0060】
〔実施例1〕
上記合成例で作製した組成物Aをスピンコート法で4インチシリコンウエハ上に塗布後、ホットプレート上で200℃1分間、基板を乾燥し、さらに大気雰囲気のホットプレートで300℃、30分間加熱することによって塗膜を作製した(膜厚600nm)。次に、常温・常圧で窒素雰囲気に置換したグローブボックス内に試料を置き、クロロホルムで希釈した濃度(重量%)0.05%〜0.1 %のHCDS蒸気雰囲気に1時間保持した。該塗膜の誘電率は水銀プローブ法を用いて測定したところ1.97であった。また、ナノインデンテーション法を用いてヤング率を測定したところ膜表面から約60nmの位置において5.7GPaであった。
【0061】
〔比較例1〕
酸素濃度500ppm以下の窒素雰囲気のホットプレートで300℃、30分間加熱した
以外は実施例1と同様に評価したところ誘電率は2.25であった。また、ヤング率は4.3GPaであった。
【0062】
以上の結果より、本発明を用いると350℃以下の低温プロセスのみで機械強度が高く、誘電率2.0未満という極めて低誘電率を有する膜を形成することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の不飽和基を置換基として有するカゴ型シルセスキオキサン化合物を重合させた高分子化合物を含有する塗膜を基板上に形成した後、酸素雰囲気中で250〜350℃で焼成し、さらに水酸基と結合可能な架橋性化合物を含む媒体で処理することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
【請求項2】
前記酸素雰囲気の酸素含有量が500ppm以上である請求項1の絶縁膜の形成方法。
【請求項3】
水酸基と結合可能な架橋性化合物がヘキサクロロジシロキサンである請求項1の絶縁膜の形成方法。

【公開番号】特開2009−81291(P2009−81291A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249789(P2007−249789)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】