説明

縦形製袋充填包装機の横シール装置

【課題】 従来にない機能をシールブロックに付与することができる縦形製袋充填包装機の横シール装置を提供する。
【解決手段】 横シール装置10は、対向配置され、対向方向の進退移動によって互いに協働して包材100を挟持して熱シールする第1、第2のシールブロック11、12と、第1のシールブロック11を駆動する第1の駆動モータ14と、第2のシールブロック12を駆動する第2の駆動モータ15と、第1、第2の駆動モータ14、15を個別に制御するモータ制御部17と、を備えている。このように構成することで、第1、第2のシールブロック11、12を種々の動作パターンをもって駆動できるようにして、従来にない機能をこれら各シールブロックに付与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一対のシールブロックによって包材を挟持して熱シールする縦形製袋充填包装機の横シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包材をシールする縦形製袋充填包装機の横シール装置としては、例えば、特許文献1及び特許文献2等に開示されたものがある。特許文献1の横シーラの駆動機構は、文献中の図2に示すように、一対のヒータブロック(シールブロック)を一つのサーボモータによって駆動している。この一対のヒータブロックは、それぞれリンクロッドを介して揺動レバーの両端にそれぞれ連結されている。また揺動レバーのレバー軸は、サーボモータの出力軸に連結されている。そして、サーボモータを正逆回転させると、揺動レバーが所定の揺動角域で揺動し、この揺動動作がリンクロッドを介してヒータブロックに伝えられ、ヒータブロックが接離する構成となっている。
【0003】
また、特許文献2の発明では、横シールジョー(シールブロック)を回転させるジョー回転駆動モータと、その回転軸を水平方向に移動させるジョー軸間駆動モータとが設けられている。これら二つの駆動モータの動作パターンを設定することで、横シールジョーのフィルムのカット位置及び噛み合い位置等が設定される。
【特許文献1】特開2003−200911号公報
【特許文献2】特開2000−33914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の発明は、一つの駆動モータを駆動源として、一対のヒータブロック(シールブロック)を連動して対称な動作をさせる構成である。また特許文献2の発明にあっても、ジョー回転駆動モータとジョー軸間駆動モータが、ともに一対の横シールジョー(シールブロック)を駆動し、これら各横シールジョーを連動して対称な動作をさせる構成である。
【0005】
したがって、従来の横シール装置は、共通の駆動源で一対のシールブロックを駆動するため、駆動制御が容易となる利点もあるが、各シールブロックの動作が画一的な対称動作であり、種々の動作パターンをもって各シールブロックを駆動することができなかった。
【0006】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたもので、一対のシールブロックを種々の動作パターンをもって駆動できるようにして、従来にない機能をシールブロックに付与することができる縦形製袋充填包装機の横シール装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、対向配置され、対向方向の進退移動によって互いに協働して包材を挟持して熱シールする第1、第2のシールブロックと、
第1のシールブロックを駆動する第1の駆動モータと、第2のシールブロックを駆動する第2の駆動モータと、
第1、第2の駆動モータを個別に制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、制御手段が第1、第2の駆動モータを個別に制御することで、第1、第2のシールブロックに独立した動作をさせることができる。このため、各シールブロックを種々の動作パターンをもって駆動でき、これらシールブロックに従来にない機能を付与することが可能となる。
【0009】
ここで、制御手段は、一方のシールブロックを包材シール位置に移動させて当該位置に待機させるとともに、一方のシールブロックよりも遅れて他方のシールブロックを包材シール位置に到達させるように、各駆動モータを制御する構成とし、
更に、他方のシールブロックの位置を検出する検出手段と、
検出手段により検出した他方のシールブロックの停止位置に基づき、各シールブロックによる包材以外の異物の噛み込みを判別する判別手段と、を備えた構成とすることもできる。
【0010】
従来の横シール装置は、一対のシールブロックが連動して対称な動作をするため、異物を噛み込んだ際、異物を中心に各シールブロックの停止位置が均等にずれるため、各シールブロックの位置ずれ量が微小なものになる。異物の噛み込みは、シールブロックがシール位置からずれた位置で停止した際、当該位置ずれを検出することで判別される。よって、上述したような位置ずれ量が微小な従来装置にあっては、異物噛み込みの判別精度が低く、小さな異物の噛み込みを検出できないおそれがあった。
これに対し、上記構成の本発明によれば、一方のシールブロックを先に駆動して包材シール位置に待機させ、その後に他方のシールブロックの移動させるので、異物の噛み込みが生じた場合、後に移動してきたシールブロックのみ包材シール位置からずれた位置で停止することになる。すなわち、異物噛み込みによる停止位置のずれが、一方のシールブロックに対してのみ生じる。よって、この位置ずれ量は従来装置に比べ大きくなり、この位置ずれ量の検出結果に基づき異物の噛み込みを高精度に判別可能となる。
【0011】
また、制御手段は、第1、第2のシールブロックを包材シール位置まで移動させた後、これら各シールブロックを離間させ、続いて一方のシールブロックを他方のシールブロックが後退する方向へ向かい包材シール位置を越えて移動させるように、各駆動モータを制御する構成としてもよい。
【0012】
かかる構成は、平底包装袋の底面から突き出したシール部を、底面側に折り込む工程が必要な包装装置に組み込む場合に有効である。
すなわち、平底包装袋の成形に際しては、平底包装袋の底面から突き出したシール部を、底面側に折り込む工程が必要となる。上記構成によれば、一方のシールブロックを他方のシールブロックが後退する方向へ向かい包材シール位置を越えて移動させることで、当該一方のシールブロックで平底包装袋の底面から突き出したシール部を底面側に折り込むことが可能となる。
【0013】
また、第1、第2のシールブロックに包装袋の把持手段を設置し、
当該把持手段が各シールブロックと一体に移動し、各シールブロックがあらかじめ設定してあるシール部開放動作を実行する前に、当該包材シール位置より下方にぶら下がる包装袋を把持し、シール部解放動作を実行した後も包装袋の把持し続ける構成とする。
さらに、制御手段は、第1、第2のシールブロックを包材シール位置まで移動させた後、これら各シールブロックを一定距離だけ離間させてシール部解放動作を行わせ、続いてあらかじめ設定してある包装袋の排出位置まで各シールブロックを同じ方向へ移動させ、当該排出位置にて前記把持手段が包装袋の把持を解消するまで各シールブロックを開くように、各駆動モータを制御する構成としてもよい。
【0014】
この構成により、包装袋を任意の位置まで移動させることができ、例えば、包装袋によって異なる排出(落下)位置を設定し、分別して包装袋を排出させることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、一対のシールブロックを種々の動作パターンをもって駆動できるようにして、従来にない機能をシールブロックに付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図8は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の横シール装置を説明するための図であり、図1は、本実施形態に係る縦形製袋充填包装機の全体構成を示す斜視図である。
まず、本実施形態の横シール装置を適用した縦形製袋充填包装機について説明する。図1に示すように、縦形製袋充填包装機は、フィルムリール1と、フォーマ2と、製袋チューブ3と、縦シーラ4と、繰出しベルト5と、横シール装置10とを備えた構成である。フィルムリール1には、帯状の包材100が巻きつけてある。包材100は、搬送ローラ等によってフィルムリール1から繰り出されて、所定の搬送経路を介して搬送され、フォーマ2に案内される。
【0017】
フォーマ2の内側には、円筒状に形成された製袋チューブ3が垂直方向に延在している。フォーマ2と製袋チューブ3は、案内された包材100を巻き込みつつ下方に送り出すことで筒状に成形する機能を有している。
【0018】
また製袋チューブ3の側方には、縦シーラ4及び繰出しベルト5が設けられている。繰り出しベルト5は、フォーマ2から送り出された包材100を製袋チューブ3の外周面に巻きつけて下方へ繰り出す。さらに包材100は、製袋チューブ3上において縦シーラ4によって重合側端部が熱シールされる。
【0019】
製袋チューブ3の充填口から一定距離下降した位置には横シール装置10が設置されている。この横シール装置10については後述する。繰出しベルト5により下方に繰り出された筒状の包材100は、この横シール装置10において底部が幅方向に熱シールされ、上部が開口した筒状の包材100に成形される。
【0020】
この上部が開口した筒状の包材100には、製袋チューブ3内を搬送されてきた被充填物が充填される。そして被充填物の充填量が所定量に達すると、上部が開口した筒状の包材100は下方へ繰り出され、横シール装置10により筒状の包材100の上部が幅方向に熱シールされるとともに、付設してあるカッター11aによりシール部101のほぼ中央が切断される。
以上のようにして、縦形製袋充填包装機は、被充填物を充填した包装袋102を完成することができる。
【0021】
図2は、本実施形態に係る縦形製袋充填包装機の構成を概略的に示す側面図である。
図2に示すように、本実施形態の横シール装置10は、製袋チューブ3の下方において、ブラケット13、13に装着されて対向配置された第1、第2のシールブロック11、12を備えている。これら第1、第2のシールブロック11、12は、包材100の繰出し方向と直交するように備えられ、ブラケット13、13によって横方向に移動が案内される。横シール装置10は、これら第1、第2のシールブロック11、12が対向方向に進退移動するよう駆動制御されることにより、互いに協働して包材100を挟持して熱シールする構成である。
【0022】
また横シール装置10は、第1のシールブロック11を駆動する第1の駆動モータ14と、第2のシールブロック12を駆動する第2の駆動モータ15と、エンコーダ16、16と、を備えている。第1、第2の駆動モータ14、15はサーボモータであり、外部からの制御信号によって第1、第2のシールブロック11、12の位置を制御する。エンコーダ16、16は、これら第1、第2の駆動モータ14、15の駆動軸の回転角度を検出し、検出した回転角度から第1、第2のシールブロック11、12の現在位置を割り出す構成である。さらに第1、第2の駆動モータ14、15は、第1、第2のシールブロック11、12の包材100へのシール圧力が一定となるようにトルクの上限値が設定してあり、第1、第2のシールブロック11、12はこのシール圧力において包材100を熱シールする。
【0023】
さらに横シール装置10は、第1、第2の駆動モータ14、15が個別に駆動を制御するモータ制御部(制御手段)17に接続されている。モータ制御部17は制御装置20内に備えられており、この制御装置20は中央処理部21、記憶部22、操作部23、入力インタフェース24等を更に含んでいる。
【0024】
制御装置20の中央処理部21は、第1、第2の駆動モータ14、15の制御に必要な演算処理を実行し、かつ演算処理によって得られた制御信号をモータ制御部17に出力する。記憶部22は、中央処理部21が実行する所定のプログラムがあらかじめ記憶されるとともに、演算処理に必要なデータを一時記憶する機能を有している。また操作部23は液晶表示部を兼用するタッチパネルで構成してあり、この操作部23から第1、第2の駆動モータ14、15の制御に必要となるデータや指示が入力される。
【0025】
制御装置20の入力インタフェース24は、エンコーダ16に接続されており、エンコーダ16が割り出した第1、第2のシールブロック11、12の位置検出信号が入力される。モータ制御部17は、中央処理部21が生成した制御信号(速度指令値)を受け、この制御信号を第1、第2の駆動モータ14、15にそれぞれ出力する機能を有している。
【0026】
以上のような構成により、制御装置20は、第1、第2の駆動モータ14、15にそれぞれ異なる制御信号を出力することができる。その結果、横シール装置10の第1、第2のシールブロック11、12は別々に動作することとなり、包材100のシール時及びシール後において種々の駆動制御を実施することができる。
次に、この横シール装置10が組み込まれた縦形製袋充填包装機の各種動作制御について説明する。
【0027】
〔異物の噛み込み判別〕
図3は、従来の横シール装置における噛み込みを判別する過程を示す概略側面図である。
従来の横シール装置10’は、図3(a)、(b)に示すように、一対のシールブロック11’、12’が連動して対称な開閉動作をする。したがって、図3(c)に示すように、包材100が正常にシールされる場合、各シールブロック11’、12’のシール面が包材シール位置に配置される。一方、図3(d)に示すように異物Xが包材100のシール部101に紛れ込んでいる場合、対称に閉じてきた各シールブロック11’、12’によって異物Xが包材シール位置の中央で挟み込まれる。このため、各シールブロック11’、12’は、異物Xの大きさの半分だけ包材シール位置からずれた位置で停止する。
【0028】
異物Xの噛み込みは、一方のシールブロック11’又は12’の上記位置ずれ量に基づき判別されていたが、この位置ずれ量が異物Xの大きさの半分だけとなる従来の横シール装置10’は、判別精度が低いという欠点があった。
【0029】
図4は、本実施形態に係る横シール装置の噛み込みを判別する過程を示す概略側面図であり、図5は、同じく噛み込みを判別する過程を示すフローチャートである。
上述した従来の横シール装置に対し、本実施形態の横シール装置10は、図4に示すように、第1、第2の駆動モータ14、15を各々別個に制御し、これら各モータ14、15によって第1、第2のシールブロック11、12をそれぞれ個別に動作させる構成となっている。
【0030】
具体的なシール手順は、次のとおりである。すなわち、制御装置20のモータ制御部17は、まず、第1,第2の駆動モータ14,15を駆動して、第1,第2のシールブロック11,12の移動を開始する(図5のステップS10)。その後、第1のシールブロック11を先に包材シール位置へ到達させて、当該位置に待機させる(図5のステップS11、図4(b))。第2の駆動モータ15は、第2のシールブロック12が第1のシールブロック11より遅れてシール位置に到達するように制御されている。すなわち、モータ制御部17は、第2のシールブロック12が第1のシールブロック11より遅れてシール位置に達するように第1、第2の駆動モータ14、15を制御する。
なお、第1のシールブロック11の移動を先に開始して、その後、第2のシールブロック12を移動させるよう制御することもできる。
【0031】
シール位置付近では、先に到達している第1のシールブロック11により第2のシールブロック12の移動が阻止される。モータ制御部17は、当該シールブロック12が停止したとき、第2の駆動モータ15の駆動を停止する(図5のステップS12、図4(c))。続いて、この第2のシールブロック12の停止位置をエンコーダ16が検出し、その位置検出信号が制御装置20の入力インタフェース24に送信される(図5のステップS13)。
【0032】
ここで、制御装置20には、第2のシールブロック12が包装不良を起こさずに包材100をシールできる適正な包材シール位置のデータ(適正包材シール位置データ)が、記憶部22にあらかじめ保存してある。制御装置20の中央処理部21は、異物Xの噛み込みの判別手段としてこの適正包材シール位置データを記憶部22から呼び出し(図5のステップS14)、エンコーダ16から送信されてくる第2のシールブロック12の停止位置と、適正包材シール位置データを比較する(図5のステップS15)。
【0033】
そして、第2のシールブロック12の停止位置が適正包材シール位置データの範囲内である場合、包材100のシール部101に異物Xが噛み込まれていないと判別し(図5のステップS16)、カッター11aでシール部101の中央部を切断後、第1、第2のシールブロック11、12を開き、包装袋102を排出する(図5のステップS17)。
【0034】
一方、第2のシールブロック12の停止位置が適正包材シール位置データの範囲外である場合、包材100のシール部101に異物Xが噛み込まれていると判別し(図5のステップS18)、包装不良を液晶表示部等に表示する(ステップS19)。ここで、包材シール位置に対して第2のシールブロック12の停止位置は、異物Xの大きさだけずれている(図4(d)参照)。上述した従来の横シール装置に比べ(図3(d)参照)、本実施形態の横シール装置では、充分に大きなずれ量がエンコーダ16によって検出されるので、その検出結果に基づき高精度に異物の噛み込みを判別することが可能となる。
【0035】
〔平底包装袋のシール部の折込み〕
包材100をガセット袋(以下、平底包装袋と称する)200に成形する縦形製袋充填包装機にあっては、平底包装袋200の底面から突き出したシール部201を、底面側に折り込む工程が必要となる。
従来の縦形製袋充填包装機は、例えば特許文献2003−200908号に開示されているように、折込みプレートを用いてシール部201を折り込んでいた。このため、折込みプレートを駆動するための構造が必要であった。
【0036】
図6は、本実施形態に係る横シール装置においてシール部を折り込む動作を示す概略側面図である。
図6に示すように、本実施形態の横シール装置10は、第1、第2のシールブロック11、12によって平底包装袋200のシール部201を底面側に折り込む構成としている。具体的には、まず制御装置20のモータ制御部17が第1、第2の駆動モータ14、15を駆動制御して、第1、第2のシールブロック11、21を包材シール位置まで移動させ、上方から搬送される角筒状の包材100にガセットを形成しながら折り込み熱シールする(図6(a)(b)参照)。これにより平底包装袋200の底面部分が成形される。
【0037】
熱シール終了後、第1のシールブロック11を後退させて、第2のシールブロック12から一定の距離だけ離間させる(図6(c)参照)。続いて、第1のシールブロック11をそのまま後退する方向に移動させ、第2のシールブロック12を包材シール位置を越えて第1のシールブロック11の方向に前進させる(図6(d))。このとき、平底包装袋200のシール部201は、第2のシールブロック12の移動にともなって底面側に折り込まれていく。なお第2のシールブロック12は、包材100を熱シールするための熱を有しており、シール部201を底面側に折り込む際には、この熱が保持されておりシール部201を折り込み易くすることができる。
【0038】
そして、所定の位置まで第2のシールブロック12を前進させると、シール部201は底面側に折り込まれた状態となる(図6(e)参照)。最後に、所定の位置まで前進した第2のシールブロック12を後退させることで平底包装袋200底面のシール工程が完了する(図6(f)参照)。
【0039】
以上のように本実施形態の横シール装置10は、シール部201を底面側に折り込んだ平底包装袋200を成形することができる。この平底包装袋200のシール部201の折り込みは、第1、第2のシールブロック11、12を個別に駆動制御するだけで実施することが可能であり、したがって本横シール装置10を適用することで、折込みプレートなどの別の装置を設ける必要がなくなる。
【0040】
〔包装品の排出〕
図7は、本実施形態に係る横シール装置に把持部材を設置した状態及びその動作を示す概略側面図であり、図8は、図7に示す横シール装置及び把持部材の動作を示す概略側面図である。
図7(a)に示すように、本実施形態の横シール装置10は、第1、第2のシールブロック11、12の下面に一対の把持部材(把持手段)30、30を設置してある。この把持部材30は、付勢ばね31によって弾性力を有した突出部材32を含み、この突出部材32の先端部が第1、第2のシールブロック11、12のシール面より突き出ている。
【0041】
この把持部材30、30は、第1、第2のシールブロック11、12と一体に移動し、第1、第2のシールブロック11、12が包材シール位置に到達する前に当該包材シール位置より下方にぶら下がる包装袋102を把持する(図7(b)参照)。
【0042】
さらに、第1、第2のシールブロック11、12は、あらかじめ設定してあるシール部解放動作を実行し互いに離間した距離においても、一対の突出部材32、32が弾性的に押圧し合い包装袋102を把持し続ける構成となっている(図8(a)参照)。横シール装置10は、この把持部材30、30を用いることによって、第1、第2のシールブロック11、12の移動方向に包装袋102を把持したまま移動し、包装袋102の排出位置を変えることができる(図8(b)参照)。これにより、例えば包装袋102によって異なる排出位置A、B、Cを設定し、分別して包装袋を排出させることが可能となる。また横シール装置10は、第1、第2のシールブロック11、12を互いに後退させることで、把持している突出部材32、32が包装袋102を解放して、包装袋102を下方に排出することができる(図8(c)参照)。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例や応用例が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態に係る横シール装置を適用した縦形製袋充填包装機の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る横シール装置を適用した縦形製袋充填包装機の構成を概略的に示す側面図である。
【図3】従来の横シール装置における噛み込みを判別する過程を示す概略側面図である。
【図4】本実施形態に係る横シール装置の噛み込みを判別する過程を示す概略側面図である。
【図5】本実施形態に係る横シール装置の噛み込みを判別する過程を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る横シール装置においてシール部を折り込む動作を示す概略側面図である。
【図7】本実施形態に係る横シール装置に把持部材を設置した状態及びその動作を示す概略側面図である。
【図8】図7に示す横シール装置及び把持部材の動作を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1:フィルムリール、2:フォーマ、3:製袋チューブ、4:縦シーラ、5:繰出しベルト、
10:横シール装置、11:第1のシールブロック、12:第2のシールブロック、13:ブラケット、14:第1の駆動モータ、15:第2の駆動モータ、16:エンコーダ、17:モータ制御部、
20:制御装置、21:中央処理部、22:記憶部、23:操作部、24:入力インタフェース、
30:把持部材、31:付勢ばね、32:突出部材、
100:包材、101:シール部、102:包装袋
200:平底包装袋、201:シール部
X:異物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置され、対向方向の進退移動によって互いに協働して包材を挟持して熱シールする第1、第2のシールブロックと、
前記第1のシールブロックを駆動する第1の駆動モータと、前記第2のシールブロックを駆動する第2の駆動モータと、
前記第1、第2の駆動モータを個別に制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする縦形製袋充填包装機の横シール装置。
【請求項2】
前記制御手段は、一方のシールブロックを包材シール位置に移動させて当該位置に待機させるとともに、前記一方のシールブロックよりも遅れて前記他方のシールブロックを包材シール位置に到達させるように、前記各駆動モータを制御する構成であり、
更に、前記他方のシールブロックの位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した前記他方のシールブロックの停止位置に基づき、各シールブロックによる包材以外の異物の噛み込みを判別する判別手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1の縦形製袋充填包装機の横シール装置。
【請求項3】
平底包装袋の底面から突き出したシール部を、底面側に折り込む工程が必要な包装装置に組み込まれる請求項1又は2の縦形製袋充填包装機の横シール装置であって、
前記制御手段は、前記第1、第2のシールブロックを包材シール位置まで移動させた後、これら各シールブロックを離間させ、続いて一方のシールブロックを他方のシールブロックが後退する方向へ向かい前記包材シール位置を越えて移動させるように、前記各駆動モータを制御する構成であることを特徴とする請求項1又は2の縦形製袋充填包装機の横シール装置。
【請求項4】
前記第1、第2のシールブロックに包装袋の把持手段を設置した請求項1又は2の縦形製袋充填包装機の横シール装置であって、
前記把持手段は、前記各シールブロックと一体に移動し、各シールブロックがあらかじめ設定してあるシール部開放動作を実行する前に、当該包材シール位置より下方にぶら下がる包装袋を把持し、前記シール部解放動作を実行した後も包装袋の把持し続ける構成となっており、
前記制御手段は、前記第1、第2のシールブロックを包材シール位置まで移動させた後、これら各シールブロックを一定距離だけ離間させて前記シール部解放動作を行わせ、続いてあらかじめ設定してある包装袋の排出位置まで前記各シールブロックを同じ方向へ移動させ、当該排出位置にて前記把持手段が包装袋の把持を解消するまで前記各シールブロックを開くように、前記各駆動モータを制御する構成であることを特徴とする請求項1又は2の縦形製袋充填包装機の横シール装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−29485(P2009−29485A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197134(P2007−197134)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】