説明

肥満治療用のMCHアンタゴニスト

【課題】肥満治療用のMCHアンタゴニストを提供すること
【解決手段】本発明は、式(I)および(II)の化合物(これらは、メラニン凝集ホルモン(MCH)用の新規アンタゴニストである)だけでなく、このような化合物を調製する方法を開示している。他の実施形態では、本発明は、このようなMCHアンタゴニストを含有する薬学的組成物だけでなく、それらを使用して、肥満、代謝障害、摂食障害(例えば、過食症)および糖尿病を処置する方法に関する。本発明の薬学的組成物は、肥満治療量の式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩と、それらのための薬学的に受容可能なキャリアとを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2001年10月25日に出願された米国仮特許出願第60/343,065号から優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、メラニン凝集ホルモン(MCH)用のアンタゴニスト、および肥満、摂食障害および糖尿病の処置におけるそれらの使用、該化合物を含有する薬学的組成物、および該化合物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
MCH(環状ペプチド)は、一昔前に、硬骨魚類で最初に確認された、硬骨魚類において、MCHは、体色変化を調節すると思われている。さらに最近では、MCHは、哺乳動物における摂食挙動の制御因子としてのその潜在的な役割について、研究課題となっている。Shimadaら、Nature,396巻(1998年12月17日)、670〜673ページで報告されているように、MCHが欠乏したマウスは、体重が減少し、低摂食(食物摂取の低下)が原因で、痩せた。これらの発見に照らして、MCH作用のアンタゴニストは、肥満の処置に有効であり得ることが提案された。米国特許第5,908,830号では、糖尿病または肥満を処置する組合せ療法が開示されており、これには、代謝速度増大剤および摂食挙動改変剤の投与が関与しており、後者の一例は、MCHアンタゴニストである。
【0004】
2001年6月12日に登録された米国特許第6,245,746号は、抗菌薬の分野に関連した流出ポンプ阻害剤活性を有するアミド化合物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,245,746号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、後述するとおりの特徴を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、詳細に後述するとおりの構成を採用することにより、上記課題が解決される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、後述するとおりの効果が達成される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(発明の要旨)
1実施形態では、本発明は、MCHアンタゴニスト活性を有する新規化合物を提供する。これらの化合物は、構造式Iで表わされるか、または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である:
【0010】
【化19】

ここで、
Xは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Xが単結合であるとき、Rは、存在せず、1位置の炭素原子は、N−YのNに直接結合している;
Yは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Yが単結合であるとき、Rは、存在せず、7位置の炭素原子は、N−XのNに直接結合している;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CN、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(R、−N(H)アルキレン−N(R、−O−アルキレン−N(R
【0011】
【化20】

からなる群から選択される;
ここで、該−N(R中の各Rは、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;
pは、0〜5であり、p>1のとき、p部分の数は、同一または異なり得る;
は、Hまたは1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;
は、Hまたは1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;そして
は、H、OH、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)R、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)アリール、−N(H)C(O)N(H)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アリール、−N(H)S(O)アルキルまたは−N(H)S(O)アリールからなる群から選択される;
但し、該芳香環上の1位置および6位置の炭素は、X−Rと共に、必要に応じて、4〜8員の環系を形成できる。
【0012】
さらに好ましい群の化合物には、式Ia、IbおよびIcで記述のように、以下の詳細な説明において載せたものがある。
【0013】
本発明はまた、構造式IIにより表わされる化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物に関する:
【0014】
【化21】

ここで、
Yは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Yが単結合であるとき、Rは、存在せず、7位置の炭素原子は、N−XのNに直接結合している;
Zは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Zが単結合であるとき、Rは、存在せず、1位置の炭素原子は、8位置の炭素原子に直接結合している;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CN、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、Hまたは1個もしくは2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;
は、Hまたは1個もしくは2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;そして
10は、−アルキレン(R
【0015】
【化22】

からなる群から選択される;
ここで、該−N(R中の各Rは、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;
nは、0または1である;
pは、0〜5であり、p>1のとき、p部分の数は、同一または異なり得る;そして
は、H、OH、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)R、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)アリール、−N(H)C(O)N(H)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アリール、−N(H)S(O)アルキルまたは−N(H)S(O)アリールからなる群から選択される;
但し、該芳香環上の1位置および6位置の炭素は、X−Rと共に、必要に応じて、4〜8員の環系を形成できる。
【0016】
式IおよびIIの化合物は、MCHレセプタアンタゴニストとして有用であり得、そして代謝障害(例えば、肥満)および摂食障害(例えば、過食症)を処置する際に有用であり得る。
【0017】
本発明の他の実施形態は、肥満治療用の薬学的組成物に関し、該薬学的組成物は、肥満治療量の式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩と、それらのための薬学的に受容可能なキャリアとを含有する。
【0018】
(発明の詳細な説明)
1実施形態では、本発明は、構造式IおよびIIにより表わされるMCHレセプタアンタゴニストまたはそれらの薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を開示しており、ここで、種々の部分は、上で記述されている。
【0019】
好ましい実施形態は、式Iaの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である:
【0020】
【化23】

ここで、
qは、0〜5であり、q>1のとき、q部分の数は、同一または異なり得る;
Xは、−CH−またはアルキレンである;
Yは、CHである;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(Rであり、ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;またはRは、以下から選択される:
【0021】
【化24】

およびRは、同一または異なり得、そして独立して、Hまたはアルキルである;
は、H、OH、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)R、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである;そして
は、アルキル、F、Cl、Br、I、NO、C(O)NH、C(O)N(H)RまたはN(H)C(O)Rであり、ここで、Rは、アルキル、OCF、CFまたはCNである。
【0022】
他の好ましい実施形態は、式Ibの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である:
【0023】
【化25】

ここで、
Xは、アルキレン基である;
は、3−シアノフェニルである;
は、Hである;
は、フェニルであり、ここで、該フェニルは、1個またはそれ以上の部分で置換され、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(Rであり、ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;またはRは、以下から選択される:
【0024】
【化26】

そして
は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)アルキル、−N(H)アリール、OH、アルコキシ、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである。
【0025】
他の好ましい実施形態は、式Icの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である:
【0026】
【化27】

ここで、
は、3−シアノフェニルである;
は、Hである;
は、フェニルであり、ここで、該フェニルは、1個またはそれ以上の部分で置換され、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(Rであり、ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;またはRは、以下から選択される:
【0027】
【化28】

そして
は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)アルキル、−N(H)アリール、OH、アルコキシ、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである。
【0028】
さらなる好ましい実施形態は、式IIaの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である:
【0029】
【化29】

ここで、
は、3−シアノフェニルである;
は、Hである;
は、フェニルであり、ここで、該フェニルは、1個またはそれ以上の部分で置換され、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、OH、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)アルキル、−N(H)アリール、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである;そして
10は、−アルキレン(R
【0030】
【化30】

からなる群から選択される;
ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる。
【0031】
特に好ましい化合物の群は、実施例1〜65および実験実施例の表1、2、および3に示される。
【0032】
式IまたはIIのアンタゴニストは、ラセミ混合物または鏡像的純粋な化合物として投与される。
【0033】
上で使用したように、また、本明細書全体を通じて、以下の用語は、他に指示がなければ、以下の意味を有すると理解すべきである:
「患者」は、ヒトおよび動物の両方を含む。
【0034】
「哺乳動物」は、ヒトおよび他の哺乳動物を包含する。
【0035】
「アルキル」とは、脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約1個〜約20個の炭素原子を含有する。好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約12個の炭素原子を含有する。さらに好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約6個の炭素原子を含有する。分枝とは、直鎖状のアルキル鎖に、1個またはそれ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。「低級アルキル」とは、その鎖内に、約1個〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、直鎖または分枝であり得る。「置換アルキル」との用語は、このアルキル基が、1個またはそれ以上の置換基(これらは、同一または異なり得る)で置換され得ることを意味し、各置換基は、独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群から選択される。適切なアルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
【0036】
「アリール」とは、芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、これは、約6個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約6個〜約10個の炭素原子を含有する。このアリール基は、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これらの置換基は、同一または異なり得、そして本明細書中で定義したとおりである。適切なアリール基の非限定的な例には、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0037】
「ヘテロアリール」とは、芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、これは、約5個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含有し、ここで、その環原子の1個またはそれ以上は、単独またはその組合せで炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)ある。好ましいヘテロアリールは、約5個〜約6個の環原子を含有する。この「ヘテロアリール」は、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一または異なり得、そして本明細書中で定義したとおりである。このヘテロアリール根本名称の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、環原子として、少なくとも1つ、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子が存在していることを意味している。ヘテロアリールの窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化できる。適切なヘテロアリールの非限定的な例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1、2、4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1、2−a]ピリジニル、イミダゾ[2、1−b]チアゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1、2、4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
【0038】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリール−アルキル基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適切なアラルキル基の非限定的な例には、ベンジル、2−フェネチルおよびナフテニルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介している。
【0039】
「シクロアルキル」とは、非芳香族の単環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含む。好ましいシクロアルキル環は、約3個〜約7個の環原子を含有する。このシクロアルキルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一または異なり得、上で定義したとおりである。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例には、1−デカリニル、ノルボルネニル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0040】
「シクロアルキルアルキル」とは、シクロアルキルアルキル基を意味する。適切なシクロアルキルアルキル基の非限定的な例には、シクロプロピルメチルおよびシクロプロピルエチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキル基を介する。
【0041】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリル−アルキル基を意味する。適切なヘテロシクリルアルキル基の非限定的な例には、ピペリジニルメチルおよびピペラジニルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキル基を介する。
【0042】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。フッ素、塩素または臭素が好ましく、フッ素および塩素がさらに好ましい。
【0043】
「ハロ」とは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはヨード基を意味する。フルオロ、クロロまたはブロモが好ましく、フルオロおよびクロロがさらに好ましい。
【0044】
「環系置換基」とは、芳香族または非芳香族環系に結合した置換基を意味し、これは、例えば、その環系上の利用可能な水素を置き換える。環系置換基は、同一または異なり得、各々は、独立して、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−およびYNSO−からなる群から選択され、ここで、YおよびYは、同一または異なり得、各々は、独立して、水素、アルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される;2個の隣接環系置換基は、共に結合して、メチレンジオキシ基またはエチレンジオキシ基を形成し得る。
【0045】
「ヘテロシクリル」とは、非芳香族の飽和単環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含み、ここで、その環系内の原子の1個またはそれ以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)単独またはその組合せである。この環系には、隣接した酸素原子および/またはイオウ原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5個〜約6個の環原子を含有する。そのヘテロシクリルという基本名称の前のアザ、オキサまたはチアとの接頭語とは、環原子として、少なくとも、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子がそれぞれ存在していることを意味する。このヘテロシクリルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一または異なり得、上で定義したとおりである。このヘテロシクリルの窒素原子またはイオウ原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化できる。適切な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1、4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、ピロリドニル、テトラヒドロチオフェニルなどが挙げられる。
【0046】
「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリール−アルキル基を意味し、ここで、このヘテロアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適切なヘテロアラルキル基の非限定的な例には、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介している。
【0047】
「ヒドロキシアルキル」とは、HO−アルキル基を意味し、ここで、アルキルは、先に定義したとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含有する。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例には、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0048】
「アシル」とは、H−C(O)−基、アルキル−C(O)−基またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、ここで、これらの種々の基は、先に記述したとおりである。その親部分への結合は、カルボニルを介している。好ましいアシルは、低級アルキルを含有する。適切なアシル基の非限定的な例には、ホルミル、アセチルおよびプロパノールが挙げられる。
【0049】
「アロイル」とは、アリール−C(O)−基を意味し、ここで、そのアリール基は、先に記述したとおりである。その親部分への結合は、カルボニルを介している。適切な基の非限定的な例には、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが挙げられる。
【0050】
「アルコキシ」とは、アルキル−O−基を意味し、ここで、そのアルキル基は、先に記述したとおりである。適切なアルコキシ基の非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介して、隣接部分に結合している。
【0051】
「アリールオキシ」とは、アリール−O−基であり、ここで、そのアリール基は、先に記述したとおりである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例には、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
【0052】
「アルキルチオ」とは、アルキル−S−基を意味し、ここで、そのアルキル基は、先に記述したとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例には、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。その親部分への結合は、イオウを介している。
【0053】
「アリールチオ」とは、アリール−S−基を意味し、ここで、そのアリール基は、先に記述したとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例には、フエニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。その親部分への結合は、イオウを介している。
【0054】
「アラルキルチオ」とは、アラルキル−S−基を意味し、ここで、そのアラルキル基は、先に記述したとおりである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例には、ベンジルチオが挙げられる。その親部分への結合は、イオウを介している。
【0055】
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介している。
【0056】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例には、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介している。
【0057】
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例には、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介している。
【0058】
「アルキルスルホニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基には、そのアルキル基が低級アルキルであるものがある。その親部分への結合は、スルホニルを介している。
【0059】
「アリールスルホニル」とは、アリール−S(O)−基を意味する。その親部分への結合は、スルホニルを介している。
【0060】
「置換された」との用語とは、指定原子上の1個またはそれ以上の水素が指示された基からの選択基で置き換えられたことを意味するが、但し、既存状況下での指定原子の通常の原子価を超えず、その置換は、安定な化合物を生じる。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度までの単離および有効な治療剤への処方に耐えるのに十分に頑丈な化合物を意味する。
【0061】
「必要に応じて置換された」との用語は、特定の基、ラジカルまたは部分での任意の置換を意味する。
【0062】
本明細書中の教本、スキーム、実施例および表における満たされていない原子価を有するヘテロ原子は、それらの原子価を満たす水素原子を有すると想定されることもまた、留意すべきである。
【0063】
ある化合物中の官能基が「保護されている」と呼ばれるとき、このことは、その化合物を反応にかけたとき、その保護部位で望ましくない副反応を防止するように、その基が変性形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者に知られているだけでなく、標準的な教本(例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New York.)から分かる。
【0064】
任意の変数(例えば、アリール、複素環、Rなど)が、任意の成分または任意の式において、1回より多く現れるとき、各出現例でのその定義は、いずれの他の出現例でのその定義とも無関係である。
【0065】
本明細書中で使用する「組成物」との用語は、特定量で特定の成分を含有する生成物だけでなく、特定量の特定成分の組合せから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含すると解釈される。
【0066】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で考慮される。「プロドラッグ」との用語は、本明細書中で使用するとき、薬剤前駆体である化合物を意味し、これは、被験体に投与すると、代謝または化学プロセスにより化学変換を受けて、式IまたはIIの化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を生じる。プロドラッグの論述は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987) Volume 14 of
the A.C.S.Symposium Seriesおよびin Bioreversible.Carriers in Drug Design,(1987) Edward B.Roche著、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressで提供されており、両文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0067】
「溶媒和物」とは、1種またはそれ以上の溶媒分子による本発明の化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合には、種々の程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含めて)が関与している。ある場合には、この溶媒和物は、例えば、1種またはそれ以上の溶媒分子を結晶性固形物の結晶格子に取り込むとき、単離できる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能溶媒の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例には、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。「水和物」とは、その溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0068】
「有効量」または「治療有効量」とは、ドーパミンレセプタをアンタゴナイズするのに有効な(それにより、所望の治療効果、改善効果または予防効果を生じる)本発明の化合物または組成物の量を意味する。
【0069】
式IおよびIIの化合物は、本発明の範囲内である塩を形成する。本明細書中での式IおよびIIの化合物の言及は、他に指示がなければ、その塩の言及を含むことが分かる。「塩」との用語は、本明細書中で使用するとき、無機酸および/または有機酸で形成された酸性塩だけでなく、無機塩基および/または有機塩基で形成された塩基性塩基を意味する。それに加えて、式IおよびIIの化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾール(これらに限定されないが))または酸性部分(例えば、カルボン酸(これに限定されないが))の両方を含有するとき、両性イオン(「内部塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用する「塩」との用語に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学的に受容可能な)塩が好ましいものの、他の塩もまた、有用である。式IおよびIIの化合物の塩は、例えば、式IおよびIIの化合物を、この塩が沈殿する媒体または水性媒体中にて、一定量(例えば、当量)の酸または塩基と反応させることに続いて、凍結乾燥することにより、形成され得る。
【0070】
代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(これはまた、トシレートとしても知られている)などが挙げられる。さらに、塩基性医薬品化合物から薬学的に有用な塩を形成するのに適切と一般に考えられている酸は、例えば、S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1) 1〜19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201〜217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.(彼らのウェブサイト))で論述されている。これらの開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0071】
代表的な塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)を備えた塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)、およびアミノ酸を備えた塩(例えば、アルギニン、リシンなど))が挙げられる。塩基性窒素含有基は、以下のような試薬で四級化され得る:低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチルおよびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチルおよびジブチルおよび)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリルおよびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)など。
【0072】
このような酸塩および塩基塩の全ては、本発明の範囲内で、薬学的に受容可能な塩であると解釈され、全ての酸塩および塩基塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形態と等価であると考えられる。
【0073】
式IおよびIIの化合物、その塩、溶媒和物およびプロドラッグは、それらの互変異性形態(例えば、アミドまたはイミノエーテル)の形態で存在し得る。このような互変異性形態の全ては、本明細書中では、本発明の一部であると考慮される。
【0074】
本発明の化合物(これらの化合物の塩および溶媒和物を含めて)の全ての立体異性体(例えば、幾何学的異性体、光学異性体など)(例えば、種々の置換基上の非対称炭素が原因で存在し得るもの)は、鏡像異性体(これは、非対称炭素なしで存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー形態を含めて、本発明の範囲内であると考慮される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含み得ないか、例えば、ラセミ体として混合され得るか、他の全ての立体異性体または他の選択した立体異性体であり得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより定義されるSまたはR立体配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグにも、同様に適用すると解釈される。
【0075】
N−オキシドは、X、RまたはR置換基に存在している第三級窒素上で、またはヘテロアリール環置換基にある=N−上で形成でき、式IおよびIIの化合物に含まれる。
【0076】
少なくとも1個の非対称炭素原子を有する本発明の化合物について、全ての異性体(ジアステレオマー、鏡像異性体および回転異性体を含めて)は、本発明の一部と考えられる。本発明は、純粋な形態および混合物(ラセミ混合物を含めて)で、d異性体およびl異性体を含む。異性体は、通常の方法を使用して、光学的に純粋な出発物質または光学性に富んだ出発物質を反応させることにより、または式IまたはIIの化合物の異性体を分離することにより、いずれかにより、調製できる。
【0077】
式IおよびIIの化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態(これには、水和形態が含まれる)で存在できる。一般に、薬学的に受容可能な溶媒(例えば、水、エタノールなど)を有する溶媒和形態は、本発明の目的上、非溶媒和形態と等価である。
【0078】
式IまたはIIの化合物は、有機または無機の酸または塩基と薬学的に受容可能な塩を形成し得る。例えば、ピリド−窒素原子は、強酸と塩を形成し得るのに対して、第三級アミノ基は、弱酸と塩を形成し得る。塩形成に適切な酸の例には、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、および当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸がある。この塩は、その遊離塩基形態を、従来の様式で塩を生成するのに十分な量の所望の酸と接触することにより、調製される。この遊離塩基形態は、この塩を適切な希薄塩基水溶液(例えば、希薄炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアまたは炭酸水素ナトリウム水溶液)で処理することにより、再生され得る。この遊離塩基形態は、ある種の物理的特性(例えば、極性溶媒中での溶解性)の点で、それらの各個の塩とはある程度異なるが、この塩は、その他の点では、本発明の目的上、その各個の遊離塩基形態と同等である。
【0079】
本発明の他の局面は、MCHが媒介する疾患または病気に罹った患者(例えば、ヒト)に、治療有効量の式IまたはIIの少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与することにより、該患者を処置する方法である。
【0080】
式IまたはIIの化合物の好ましい投薬量は、約0.001〜100mg/kg/日である。式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩の特に好ましい投薬量は、約0.01〜25mg/kg/日である。
【0081】
本発明の他の局面は、肥満を処置する方法に関し、該方法は、このような処置が必要な患者に、治療有効量の式IまたはIIの少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する。
【0082】
本発明の他の局面は、代謝障害(例えば、肥満)および摂食障害(例えば、過食症および拒食症)を処置する方法に関し、該方法は、患者に、治療有効量の式IまたはIIの少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する。
【0083】
本発明の他の局面は、高脂血症を処置する方法に関し、該方法は、患者に、治療有効量の式IまたはIIの少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する。
【0084】
本発明の他の局面は、セリュライトおよび脂肪の蓄積を処置する方法に関し、該方法は、患者に、治療有効量の式IまたはIIの少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する。
【0085】
本発明の他の局面は、II型糖尿病を処置する方法に関し、該方法は、患者に、治療有効量の式IまたはIIの少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する。
【0086】
このMCH亜型に対する本発明の化合物の「直接」効果に加えて、体重減少の恩恵を受ける疾患および病気(例えば、インシュリン耐性、弱くなったグルコース耐性、II型糖尿病、高血圧症、高脂血症、心臓病、胆石、ある種の癌、および睡眠時無呼吸)がある。
【0087】
本発明はまた、一定量の式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩と、そのための薬学的に受容可能なキャリアとを含有する薬学的組成物に関する。
【0088】
本発明はまた、肥満を処置する薬学的組成物に関し、これは、肥満治療量の式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩と、そのための薬学的に受容可能なキャリアとを含有する。
【0089】
式IまたはIIの化合物は、以下の調製および実施例において、以下の反応スキームで示した溶液相合成または固相合成のいずれかを使用して、当業者に公知の方法によって、生成できる。
【0090】
式Ia(ここで、Rは、Hである)およびIbの化合物は、スキーム1で記述した方法に従って、調製される。
【0091】
【化31】

アニリン2をブロモアセチルブロマイドでアシル化して、アミド3を得た。アミン4(ここで、Xは、−(C1〜C2)アルキレンである)をアリールボロン酸でスズキカップリングすると、ビアリールアミン5が得られる。臭化物3をアミン5で求核置換すると、第二級アミン6が得られ、これを、標準的な条件下にて、引き続いて、酸(n=1または2である)にカップリングして、塩化物7を得る。あるいは、アミン6をブロモアセチルブロマイドでアシル化して、臭化物7を得る。塩化物または臭化物7を適切なアミンで求核置換すると、所望のアミドIb(ここで、Rは、詳細な説明にて先に記述したとおりである)が得られる。あるいは、スズキカップリングを最後に行うように、これらの工程の順序を変えることができる。
【0092】
式Ia(ここで、Rは、アルキルである)およびIcの化合物は、スキーム2で記述した方法に従って、調製される。
【0093】
【化32】

4−ブロモ−α−メチルアミン8(キラルまたはラセミ)をアリールボロン酸でスズキカップリングすると、ビアリールアミン9が得られる。臭化物3をアミン9で求核置換すると、第二級アミン10が得られ、これを、標準的な条件下にて、引き続いて、酸(n=1または2である)にカップリングして、塩化物11を得る。あるいは、アミン10をブロモアセチルブロマイドでアシル化して、臭化物11を得る。塩化物または臭化物11を適切なアミンで求核置換すると、所望のジアミドIc(ここで、Rは、詳細な説明にて先に記述したとおりである)が得られる。
【0094】
あるいは、式IbおよびIc(ここで、n=2である)の化合物は、スキーム3に従って、調製できる。
【0095】
(スキーム3)
【0096】
【化33】

アミン6または10を、塩基(例えば、TEA)の存在下にて、塩化アクリロイルでアシル化して、オレフィン12を得る。適切なアミンを付加すると、所望のジアミドIbまたはIcが得られ、ここで、Rは、詳細な説明にて先に記述したとおりである。
【0097】
式IIの本発明の化合物は、スキーム4で以下で示した方法に従って、調製される。
【0098】
(スキーム4)
【0099】
【化34】

アミン13を酸ハロゲン化物14でアシル化して、アミド15を得る。15をアミンでアルキル化すると、アミン16が得られ、これを、次に、標準的な条件下にて、酸17とカップリングする。18を適切なボロン酸でスズキカップリングすると、II型の化合物が得られる。
【0100】
以下のスキームは、上記合成手順(スキーム5)で用いる市販されていない出発物質の合成で使用される一般方法を図示している。アミンAを無水物とアシル化して、アミドBを得る。Bをハロゲン化すると、ハロゲン化物Cが得られ、これを、引き続いて、塩基で脱保護して、ハロゲン化中間体Dを得る。
【0101】
【化35】

式IおよびIIの化合物は、MCHレセプタ拮抗活性を示し、これは、摂食障害(例えば、肥満および過食症)および糖尿病を処置する医薬品活性と相関している。
【0102】
式IおよびIIの化合物は、MCHレセプタ拮抗活性を示すように設計された試験手順で、薬理活性を示す。これらの化合物は、薬学的に受容可能な用量で、非毒性である。
【0103】
本発明のさらに他の局面は、式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩と、以下で説明するような1種またはそれ以上の他の化合物との組合せである。
【0104】
従って、本発明の他の局面は、肥満を処置する方法であって、該方法は、患者に以下を投与する工程を包含する:
a.一定量の第一化合物であって、該第一化合物は、式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;
b.一定量の少なくとももう1種の化合物であって、該他の化合物(b)は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、β3アゴニスト)、甲状腺ホルモン様作用薬(thyromimetic agent)、食欲抑制薬、ならびにNPYアンタゴニストから選択される;
ここで、該一定量の(a)および(b)の化合物は、治療効果を生じる。
【0105】
本発明はまた、以下を含有する製薬組合せ組成物に関する:治療有効量の第一化合物を含有する組成物であって、該第一化合物は、式IまたはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;および
少なくとも1種の他の化合物であって、該他の化合物は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、β3アゴニスト)、甲状腺ホルモン様作用薬、食欲抑制薬、ならびにNPYアンタゴニストから選択される;および/または必要に応じて、薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクル、もしくは希釈剤。
【0106】
本発明の他の局面は、以下のa、bおよびcを含有するキットである:
a.第一投薬形態での、一定量の式IもしくはIIのまたは該化合物の薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤;
b.第二投薬形態での、一定量の少なくとも1種の肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、β3アゴニスト)、甲状腺ホルモン様作用薬、食欲抑制薬、ならびにNPYアンタゴニスト、および薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤;および
c.該第一および第二投薬形態を含有させる手段であって、ここで、該第一および第二化合物の量は、治療効果を生じる、
上記組合せ方法、組合せ組成物および組合せキットにおいて好ましい肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(単独でまたはそれらの任意の組合せで)には、以下がある:
フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、フェニタルミン、コレシストキニン−A(本明細書中以降、CCK−Aと称する)アゴニスト、モノアミン再摂取阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経様作用薬(sympathomimetic agent)、セロトニン作動剤(例えば、デキシフェンフルアミンまたはフェンフルアミン)、ドパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプトチン)、メラノサイト刺激ホルモンレセプタアゴニストまたは模倣物、メラノサイト刺激ホルモンアナログ、カナビノイドレセプタアンタゴニスト、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、OBタンパク質(本明細書中以降、「レプチン」と称する)、レプチンアナログ、レプチンレセプタアゴニスト、ガラニンアンタゴニストまたはGIリパーゼ阻害剤もしくは減少剤(例えば、オーリスタット(orlistat)。他の食欲抑制薬としては、ボンベシンアゴニスト、デヒドロエピアンドロステロンもしくはそのアナログ、グルココルチコイドレセプタアゴニストおよびアンタゴニスト、オレキシンレセプタアンタゴニスト、ウロコルチンタンパク質アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1レセプタのアゴニスト(例えば、Exendin)、ならびに毛様神経向性因子(例えば、Axokine)が挙げられる。
【0107】
本発明の他の局面は、糖尿病を処置する方法であって、該方法は、哺乳動物(例えば、ヒトの女性または男性)に、以下のaおよびbを投与する工程を包含する:
a.一定量の第一化合物であって、該第一化合物は、式IもしくはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;および
b.少なくとも1種の他の化合物であって、該他の化合物は、アルドースレダクターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1B阻害剤、ジペプチジルプロテアーゼ阻害剤、インシュリン(経口生物利用可能なインシュリン製剤を含めて)、インシュリン様作用薬(insulinmimetic)、メトホルミン、アカルボース、PPAR−ガンマリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリバジド、グリブリドまたはクロルプロパミドである;ここで、該一定量の(a)および(b)の化合物は、治療効果を生じる。
【0108】
本発明はまた、以下を含む組成物の治療有効量を含有する薬学的組成物に関する:
第一化合物であって、該第一化合物は、式IもしくはIIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;および
少なくとも1種の他の化合物であって、該他の化合物は、アルドースレダクターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1B阻害剤、ジペプチジルプロテアーゼ阻害剤、インシュリン(経口生物利用可能なインシュリン製剤を含めて)、インシュリン様作用薬、メトホルミン、アカルボース、PPAR−ガンマリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリバジド、グリブリドまたはクロルプロパミドである;および必要に応じて、
薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤。
【0109】
本発明の他の局面は、以下のa、bおよびcを含有するキットである:
a.第一投薬形態での、一定量の式IもしくはII化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤;
b.第二投薬形態での、少なくとも1種の他の化合物、および、薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤であって、該他の化合物は、アルドースレダクターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1B阻害剤、ジペプチジルプロテアーゼ阻害剤、インシュリン(経口生物利用可能なインシュリン製剤を含めて)、インシュリン様作用薬、メトホルミン、アカルボース、PPAR−ガンマリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリバジド、グリブリドまたはクロルプロパミドから選択される;および
c.該第一および第二投薬形態を含有させる手段であって、ここで、該第一および第二化合物の量は、治療効果を生じる。
【0110】
単位用量の製剤中の活性化合物の量は、特定の用途に従って、約1mg〜約100mg、好ましくは、約1mg〜約50mg、さらに好ましくは、約1mg〜約25mgで変えられるか調整され得る。
【0111】
使用する実際の投薬量は、患者の要件および処置する病気の重症度に依存して、変わり得る。特定の状況に適切な投薬量の決定は、当該技術の範囲内である。便宜上、全毎日投薬量は、必要に応じて、その日に、分割して少しずつ投与され得る。
【0112】
本発明の化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態および体格だけでなく処置する症状の重症度のような要因を考慮して、担当医の判断に従って、調節される。経口投与に典型的な推奨毎日投薬レジメンは、2回〜4回の分割用量で、約1mg/日〜約300mg/日、約1mg/日〜約50mg/日の範囲であり得る。
【0113】
本発明で記述した化合物から薬学的組成物を調製するためには、不活性で薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固形製剤には、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシュ剤および座剤が挙げられる。これらの粉末および錠剤は、約5%〜約95%の活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該技術分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ショ糖、ラクトースがある。錠剤、粉末、カシュ剤およびカプセル剤は、経口投与に適切な固体投薬形態として使用できる。薬学的に受容可能なキャリアおよび種々の組成物の製造方法の例は、A.Gennaro(著),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18版(1990)(Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania)で見られる。
【0114】
液状製剤には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。一例としては、非経口注入用に、水または水−プロピレングリコール溶液が言及され得、また、経口溶液、懸濁液および乳濁液用に、甘味料および乳白剤の添加が言及され得る。液状製剤には、また、鼻腔内投与用の溶液が挙げられ得る。
【0115】
吸入に適切なエアロゾル製剤には、溶液および粉末形態固体が挙げられ得、これは、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、不活性圧縮気体(例えば、窒素))と組み合わせられ得る。
【0116】
また、使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれか用の液状製剤に転化するように向けられた固形製剤も含まれる。このような液体形態には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
【0117】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。これらの経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態をとり得、この目的のために当該技術分野で通常のマトリックス型またはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
【0118】
好ましくは、この化合物は、経口投与される。
【0119】
好ましくは、この製薬製剤は、単位投薬形態である。このような形態では、この製剤は、適切な量(例えば、所望の目的を達成する有効量)の活性成分を含有する適切なサイズの単位用量に細分される。
【0120】
本発明はまた、代謝障害(例えば、肥満)および摂食障害(例えば、過食症)を処置する薬学的組成物に関する。
【0121】
本発明で記述した化合物から薬学的組成物を調製するためには、不活性で薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固形製剤には、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシュ剤および座剤が挙げられる。これらの粉末および錠剤は、約5%〜約95%の活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該技術分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ショ糖、ラクトースがある。錠剤、粉末、カシュ剤およびカプセル剤は、経口投与に適切な固体投薬形態として使用できる。薬学的に受容可能なキャリアおよび種々の組成物の製造方法の例は、A.Gennaro(著),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18版(1990)(Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania)で見られる。
【0122】
液状製剤には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。一例としては、非経口注入用に、水または水−プロピレングリコール溶液が言及され得、また、経口溶液、懸濁液および乳濁液用に、甘味料および乳白剤の添加が言及され得る。液状製剤には、また、鼻腔内投与用の溶液が挙げられ得る。
【0123】
吸入に適切なエアロゾル製剤には、溶液および粉末形態固体が挙げられ得、これは、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、不活性圧縮気体(例えば、窒素))と組み合わせられ得る。
【0124】
また、使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれか用の液状製剤に転化するように向けられた固形製剤も含まれる。このような液体形態には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
【0125】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。これらの経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態をとり得、この目的のために当該技術分野で通常のマトリックス型またはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
【0126】
本発明の化合物はまた、皮下的に送達され得る。
【0127】
好ましくは、この化合物は、経口投与される。
【0128】
本明細書中で開示した発明は、以下の調製例および実施例で例示されるが、これらは、本開示の範囲を限定するとは解釈すべきではない。代替的な機構の経路および類似の構造は、当業者に明らかであり得る。
【0129】
NMRデータを提示する場合、Hスペクトルは、Varian VXR−200(200MHz、H)、Varian Gemini−300(300MHz)またはXL−400(400MHz)のいずれかで得、括弧で示したヘルツにおいて、プロトン数、多重度および結合定数と共に、MeSiからのppmダウンフィールドとして報告される。LC/MSを提示する場合、分析は、Applied Biosystems API−100質量分析計およびShimadzu SCL−10A LCカラムを使用して、実行した:Altech白金C18、3ミクロン、33mm×7mm ID;勾配流れ:0分−10%CHCN、5分−95%CHCN、7分−95%CHCN、7.5分−10%CHCN、9分−停止。保持時間および観測した親イオンを示す。
【0130】
本発明で有用な化合物は、以下の調製例で例示されるが、これらは、本発明の範囲を限定するとは解釈すべきではない。本発明の範囲内である代替的な機構の経路および類似の構造は、当業者に明らかであり得る。
【0131】
出発物質は、公知方法および/または調製の項で記述した方法により、調製される。
【0132】
以下の溶媒および試薬は、括弧内のそれらの略語で呼ぶ場合がある:
酢酸エチル(EtOAc);
メタノール(MeOH);
トリエチルアミン(TEA)
核磁気共鳴スペクトル(NMR);
液体クロマトグラフィー質量スペクトル(LCMS);
高分解能質量スペクトル(HRMS);
ミリリットル(mL);
ミリモル(mmol);
マイクロリットル(μl);
グラム(g);
ミリグラム(mg);
室温(常温)約25℃(rt);
1,2−ジメトキシエタン(DME);
エタノール(EtOH);
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt);
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl);
tert−ブトキシカルボニル(Boc);
【実施例】
【0133】
(実験例)
以下の実施例は、本発明の化合物の一部を説明するが、これらは、本明細書中で開示した発明を限定するものとは解釈されない。
【0134】
(実施例1)
【0135】
【化36】

(工程1)
3,5−ジクロロアニリン(10.4g、64.18mmol)の塩化メチレン攪拌溶液(これは、0℃まで冷却した)に、ブロモアセチルブロマイド(6.71mL、77.02mmol)を滴下した。その混合物を、0℃で、1時間攪拌した。この反応混合物を10%NaOHでクエンチし、そして塩化メチレンで抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥し、そして濃縮して、固形物として、16.21g(90%)の臭化物を得た。
【0136】
(工程2)
4−ブロモビンジルアミン塩酸塩(12.2g、54.82mmol)のトルエン:エタノール:HO(3:1:1)(250mL)攪拌溶液に、3−シアノフェニルボロン酸(16.11g、109.65mmol)、Pd(PPh(6.3g、5.48mmol)およびNaCO(35g、330mmol)を加えた。その混合物をNで脱気し、次いで、24時間にわたって、100℃まで加熱した。次いで、この反応混合物を濃縮し、次いでEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(これは、MeOH/CHClで溶出する)にかけて、オイルとして、7.44g(65%)のビアリールアミンを得た。
【0137】
(工程3)
工程2で形成されたアミン(3.88g、18.65mmol)および工程1で形成された臭化物(2.64g、9.32mmol)のDMF(20mL)攪拌溶液に、KCO(3.86g、27.98mmol)を加え、そして6時間にわたって、50℃まで加熱した。この反応混合物を濃縮し、次いでEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(これは、EtOAc/ヘキサンで溶出する)にかけて、2.92g(76%)のアミンを得た。
【0138】
(工程4)
工程3で形成されたアミン(0.41g、1.01mmol)の塩化メチレン(3mL)攪拌溶液に、3−クロロプロピオン酸(0.22g、2.03mmol)およびEDCl(0.38g、2.03mmol)を加え、そして室温で、24時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、そして工程5用の粗混合物として使用した。
【0139】
(工程5)
工程4で形成された塩化物(0.06g、0.12mmol)のピロリジン(1mL)攪拌溶液に、KCO(0.02g、0.12mmol)およびNaI(0.02g、0.12mmol)を加え、そして2.5時間にわたって、80℃まで加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてクロマトグラフィー(これは、EtOH/EtOAc)にかけて、固形物として、0.03g(51%)のアミンを得た。
【0140】
【化37】


さらに、表1の実施例9用の実験手順を以下に載せるが、これもまた、スキーム1に従って、調製した。
【0141】
(工程1)
3,5−ジクロロアニリン(10.4g、64.18mmol)の塩化メチレン攪拌溶液(これは、0℃まで冷却した)に、ブロモアセチルブロマイド(6.71mL、77.02mmol)を滴下した。その混合物を、0℃で、1時間攪拌した。この反応混合物を10%NaOHでクエンチし、そして塩化メチレンで抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥し、そして濃縮して、固形物として、16.21g(90%)の臭化物を得た。
【0142】
(工程2)
4−ブロモフェニルエチルアミン塩酸塩(12.6g、63.00mmol)のトルエン:エタノール:HO(3:1:1)(250mL)攪拌溶液に、3−シアノフェニルボロン酸(13.71g、109.65mmol)、Pd(PPh(7.2g、6.3mmol)およびNaCO(33g、330mmol)を加えた。その混合物をNで脱気し、次いで、24時間にわたって、100℃まで加熱した。次いで、この反応混合物をEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(これは、MeOH/CHClで溶出する)にかけて、オイルとして、8.2g(58%)のビアリールアミンを得た。
【0143】
(工程3)
工程2で形成されたアミン(2.0g、9.0mmol)および工程1で形成された臭化物(1.69g、6.00mmol)のCHCN(30mL)攪拌溶液に、KCO(1.65g、12.0mmol)を加え、そして6時間にわたって、50℃まで加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(これは、EtOAc/ヘキサンで溶出する)にかけて、1.6g(64%)のアミンを得た。
【0144】
(工程4)
工程3で形成されたアミン(0.54g、1.27mmol)の塩化メチレン(10mL)攪拌溶液に、塩化アクリロイル(0.114g、1.91mmol)およびトリエチルアミン(0.266mL、1.99mmol)を加え、そして室温で、24時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、次いで塩化メチレンで希釈し、水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして精製することなく、次の工程で使用した。
【0145】
(工程5)
工程4から得たオレフィン(0.030g、0.62mmol)の塩化メチレン(1mL)攪拌溶液に、ピロリジン(0.1mL)を加え、そして室温で、24時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、そして精製して、0.02g(59%)のアミンを得た。
【0146】
【化38】


(実施例2〜39)
実施例1および実施例9で記述したものと類似の調製手順を使用して、以下の化合物を調製した。
【0147】
(表1)
【0148】
【表1】











実施例40〜60は、スキーム2および3に従って調製する。
【0149】
(実施例40)
【0150】
【化39】

(工程1)
3,5−ジクロロアニリン(10.4g、64.18mmol)の塩化メチレン攪拌溶液(これは、0℃まで冷却した)に、ブロモアセチルブロマイド(6.71mL、77.02mmol)を滴下した。その混合物を、0℃で、1時間攪拌した。この反応混合物を10%NaOHでクエンチし、そして塩化メチレンで抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥し、そして濃縮して、固形物として、16.21g(90%)の臭化物を得た。
【0151】
(工程2)
4−ブロモ−α−メチルベンジルアミン(1.0mL、6.98mmol)のトルエン:エタノール:HO(3:1:1)(25mL)攪拌溶液に、3−シアノフェニルボロン酸(2.05g、13.96mmol)、Pd(PPh(0.81g、0.698mmol)およびNaCO(7.39g、69.8mmol)を加えた。その混合物をNで脱気し、次いで、24時間にわたって、100℃まで加熱した。次いで、この反応混合物を濃縮し、次いでEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(これは、EtOH/EtOAcで溶出する)にかけて、オイルとして、1.14g(73%)のビアリールアミンを得た。
【0152】
(工程3)
工程2で形成されたアミン(0.51g、2.28mmol)および工程1で形成された臭化物(0.32g、1.14mmol)のCHCN(8mL)攪拌溶液に、KCO(0.47g、3.42mmol)を加え、そして6時間にわたって、50℃まで加熱した。この反応混合物を濃縮し、次いでEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(これは、EtOAc/ヘキサンで溶出する)にかけて、0.34g(35%)のアミンを得た。
【0153】
(工程4)
工程3で形成されたアミン(0.20g、0.48mmol)の塩化メチレン(3mL)攪拌溶液に、クロロ酢酸(0.09g、0.97mmol)およびEDCl(0.18g、0.97mmol)を加え、そして室温で、24時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、そして工程5用の粗混合物として使用した。
【0154】
(工程5)
工程4で形成された塩化物(0.48mmol)のCHCN(3mL)攪拌溶液に、ピロリジン(0.2mL、2.41mmol)、KCO(0.33g、2.41mmol)およびNaI(0.14g、0.96mmol)を加え、そして24時間にわたって、80℃まで加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてクロマトグラフィー(これは、EtOH/EtOAc)にかけて、固形物として、0.12g(47%)のアミンを得た。
【0155】
【化40】

(実施例41〜60)
実施例39で記述したものと類似の調製手順を使用して、以下の化合物を調製した。
【0156】
(表2)
【0157】
【表2A】

【表2B】

【表2C】


【表2D】

実施例61〜65は、スキーム5に従って調製した。
【0158】
(実施例61)
【0159】
【化41】

(工程1)
3,5−ジクロロアニリン(1.5g、9.26mmol)のCHCl(100mL)溶液を、0℃で、ブロモアセチルブロマイド(1.05mL、12.0mmol)で処理した。45分後、この反応混合物を1N HaOH、HOで洗浄し、乾燥し、そして減圧中にて濃縮して、白色固形物として、粗臭化物(2.66g)を得た。
【0160】
(工程2)
粗臭化物(300mg、1.06mmol)のCHCN(10mL)溶液を1−(3−アミノプロピル)ピロリジン(280mL、2.20mmol)で処理し、そして60℃まで加熱した。7時間後、この反応混合物を室温まで冷却し、飽和NHCl水溶液で希釈し、そしてEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして減圧中にて濃縮した。その粗生成物をジクロロエタン(6mL)で溶解し、そして4−ヨードフェニル酢酸(160mg、0.610mmol)で処理し、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(348mL、2.00mmol)で処理した。EDCI(156mg、0.790mmol)およびHOBT(107mg、0.790mmol)を加え、その反応混合物を60℃まで加熱した。5時間後、この反応混合物を室温まで冷却し、飽和NaHCO水溶液で希釈し、そしてCHCl(3×)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し、そして減圧中にて濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/CHCl→95:4.5:0.5のCHCl、MeOH、NHOHの勾配)にかけると、黄色オイルとして、そのヨードアリールアミドが得られた(220mg、2工程にわたって63%)。
【0161】
(工程3)
ヨードアリール(100mg、0.174mmol)のDME/HO(2:1、3mL)溶液を、炭酸ナトリウム(28mg、0.261mmol)で処理し、続いて、3−シアノフェニルボロン酸(38mg、0.261mmol)
で処理した。Pd(dppf)Cl(16mg、0.020mmol)を加え、その反応混合物を80℃まで加熱した。4時間後、この反応混合物を室温まで冷却し、飽和NaHCO水溶液で希釈し、そしてEtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し、そして減圧中にて濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(10%MeOH/CHCl)にかけると、透明オイルとして、そのビアリールアミドが得られた(32.4mg、34%)。
【0162】
【化42】

(実施例62〜65)
実施例61で記述したものと類似の調製手順を使用して、以下の化合物を調製した。
【0163】
(表3)
【0164】
【表3】

(MCHレセプタ結合アッセイ)
4℃で15分間にわたって細胞を5mM HEPESに溶解することにより、MCHレセプタを発現するCHO細胞に由来の膜を調製した。細胞溶解物を遠心分離(12.5000×g、15分間)し、そのペレットを5mM HEPESで再懸濁した。各96ウェルプレート(Microlite,Dynex Technologies)に対して、結合緩衝液(25mM HEPES、10mM MGCl、10mM NaCl、5mM MnCl、0.1% BSA)10ml中にて、4℃で、15分間にわたって、細胞膜1mgを小麦胚芽凝集素SPAビーズ(Amersham)10mgと共にインキュベートしした。この膜/ビーズ混合物を遠心分離し(1500×g、3.5分間)、その上澄み液を吸引し、そのペレットを結合緩衝液10mlで再懸濁した。次いで、この遠心分離、吸引および再懸濁を繰り返した。次いで、この膜/ビーズ混合物(100μl)を96ウェルプレート(これは、50μlの500pM[125I]−MCH(NEN)および50mlの適切な濃度の化合物(4×所望最終濃度)を含有する)に加えた。その結合反応において、1μM MCHを含有させることにより、非特異的結合を決定した。この結合反応物を、室温で、2時間インキュベートした。次いで、TOPCOUNTマイクロプレートシンチレーションカウンタ(Packard)で分析した。GraphPad
Primを使用してデータを分析し、Ki値を決定した。
【0165】
本発明の化合物について、約3nM〜約1500nMの範囲のMCHレセプタ結合活性(Ki値)が観察された。本発明の化合物は、約3nM〜約1000nMの範囲の結合活性を有する。
【0166】
本発明は、上で述べた特定の実施形態に関連して記述されているものの、その多くの代替、改良および変更が、当業者に明らかである。このような全ての代替、改良および変更は、本発明の意図および範囲内に入ると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本願発明の好ましい実施形態によれば、以下の化合物などが提供される。
(項1)
式Iの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化1】


ここで、
Xは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Xが単結合であるとき、Rは、存在せず、1位置の炭素原子は、N−YのNに直接結合している;
Yは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Yが単結合であるとき、Rは、存在せず、7位置の炭素原子は、N−XのNに直接結合している;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CN、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(R、−N(H)アルキレン−N(R、−O−アルキレン−N(R
【化2】


からなる群から選択される;
ここで、該−N(R中の各Rは、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;
nは、0または1である;
pは、0〜5であり、p>1のとき、p部分の数は、同一または異なり得る;
は、Hまたは1個もしくは2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;
は、Hまたは1個もしくは2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;そして
は、H、OH、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)R、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)アリール、−N(H)C(O)N(H)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アリール、−N(H)S(O)アルキルまたは−N(H)S(O)アリールからなる群から選択される;
但し、該芳香環上の1位置および6位置の炭素は、X−Rと共に、必要に応じて、4〜8員の環系を形成できる、
化合物。
(項2)
式Iaを有する、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化3】


ここで、
qは、0〜5であり、q>1のとき、q部分の数は、同一または異なり得る;
Xは、−CH−またはアルキレンである;
Yは、CHである;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(Rであり、ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;またはRは、以下から選択される:
【化4】

およびRは、同一または異なり得、そして独立して、Hまたはアルキルである;
は、H、OH、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)R、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである;そして
は、アルキル、F、Cl、Br、l、NO、C(O)NH、C(O)N(H)RまたはN(H)C(O)Rであり、ここで、Rは、アルキル、OCF、CFまたはCNである、
化合物。
(項3)
が、3または4−置換アリールである、請求項2に記載の化合物。
(項4)
が、3−シアノ置換アリールである、請求項2に記載の化合物。
(項5)
式Ibを有する、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化5】


ここで、
Xは、アルキレン基である;
は、3−シアノフェニルである;
は、Hである;
は、フェニルであり、ここで、該フェニルは、1個またはそれ以上の部分で置換され、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(Rであり、ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;またはRは、以下から選択される:
【化6】


そして
は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)アルキル、−N(H)アリール、OH、アルコキシ、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである、
化合物。
(項6)
式Icを有する、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化7】


ここで、
は、3−シアノフェニルである;
は、Hである;
は、フェニルであり、ここで、該フェニルは、1個またはそれ以上の部分で置換され、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、−アルキレン−N(Rであり、ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、
該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる;またはRは、以下から選択される:
【化8】


そして
は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)アルキル、−N(H)アリール、OH、アルコキシ、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである、
化合物。
(項7)
以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化9A】

【化9B】

【化9C】

【化9D】

【化9E】


(項8)
以下の式を有する、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化10】






(項9)
以下の式を有する、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化11】


(項10)
以下の式を有する、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化12】


(項11)
以下の式を有する、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化13】


(項12)
式IIの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化14】


ここで、
Yは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Yが単結合であるとき、Rは、存在せず、7位置の炭素原子は、N−XのNに直接結合している;
Zは、単結合、−C−、−CH−またはアルキレンであり、Zが単結合であるとき、Rは、存在せず、1位置の炭素原子は、8位置の炭素原子に直接結合している;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CN、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、ここで、該アリールまたはアラルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、Hまたは1個もしくは2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;
は、Hまたは1個もしくは2個の置換基であり、該置換基は、独立して、アルキルまたはシクロアルキルから選択される;そして
10は、−アルキレン(R
【化15】


からなる群から選択される;
nは、0または1である;
pは、0〜5であり、p>1のとき、p部分の数は、同一または異なり得る;そして
は、H、OH、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)R、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)アリール、−N(H)C(O)N(H)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アリール、−N(H)S(O)アルキルまたは−N(H)S(O)アリールからなる群から選択される;
但し、該芳香環上の1位置および6位置の炭素は、X−Rと共に、必要に応じて、4〜8員の環系を形成できる、
化合物。
(項13)
式IIaを有する、請求項12に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化16】


ここで、
は、3−シアノフェニルである;
は、Hである;
は、フェニルであり、ここで、該フェニルは、1個またはそれ以上の部分で置換され、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、CF、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;
は、H、OH、アルキル、シクロアルキル、アリール、−N(H)アルキル、−N(H)アリール、−N(H)C(O)アルキル、−N(H)C(O)N(H)アルキルまたは−N(H)S(O)アルキルである;そして
10は、−アルキレン(R
【化17】


からなる群から選択される;
ここで、該2個のR部分は、同一または異なり得、各Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、ここで、該アルキル、アリールまたはシクロアルキルの各々は、非置換であり得るか、必要に応じて、独立して、1個またはそれ以上の部分で置換でき、該部分は、同一または異なり得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシおよびOHからなる群から選択される;または各Rは、それらの結合する窒素原子と共に接合して、3〜7員の複素環を形成できる、
化合物。
(項14)
以下からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物:
【化18】


(項15)
代謝障害、摂食障害または糖尿病を処置する方法であって、このような処置を必要としている患者に、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項16)
代謝障害、摂食障害または糖尿病を処置する方法であって、このような処置を必要としている患者に、有効量の請求項12に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項17)
前記摂食障害が、過食症である、請求項15に記載の方法。
(項18)
前記摂食障害が、過食症である、請求項16に記載の方法。
(項19)
前記代謝障害が、肥満である、請求項15に記載の方法。
(項20)
前記代謝障害が、肥満である、請求項16に記載の方法。
(項21)
肥満に関連した障害を処置する方法であって、このような処置を必要としている患者に、治療有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
(項22)
肥満に関連した障害を処置する方法であって、このような処置を必要としている患者に、治療有効量の請求項12に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
(項23)
前記肥満に関連した障害が、II型糖尿病、インシュリン耐性、高脂血症および高血圧症である、請求項21に記載の方法。
(項24)
前記肥満に関連した障害が、II型糖尿病、インシュリン耐性、高脂血症および高血圧症である、請求項22に記載の方法。
(項25)
摂食障害を処置する方法であって、該方法は、このような処置を必要としている患者に以下を投与する工程を包含する:
一定量の第一化合物であって、該第一化合物は、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;
一定量の少なくとももう1種の化合物であって、該他の化合物(b)は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、β3アゴニスト)、甲状腺ホルモン様作用薬、食欲抑制薬、ならびにNPYアンタゴニストから選択される;
ここで、該一定量の(a)および(b)の化合物は、治療効果を生じる、
方法。
(項26)
摂食障害を処置する方法であって、該方法は、このような処置を必要としている患者に以下を投与する工程を包含する:
一定量の第一化合物であって、該第一化合物は、請求項12に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;
一定量の少なくとももう1種の化合物であって、該他の化合物(b)は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、β3アゴニスト)、甲状腺ホルモン様作用薬、食欲抑制薬、ならびにNPYアンタゴニストから選択される;
ここで、該一定量の(a)および(b)の化合物は、治療効果を生じる、
方法。
(項27)
以下を含む組成物の治療有効量を含有する、薬学的組成物:
一定量の第一化合物であって、該第一化合物は、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;
一定量の少なくとももう1種の化合物であって、該他の化合物(b)は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、β3アゴニスト)、甲状腺ホルモン様作用薬、食欲抑制薬、ならびにNPYアンタゴニストから選択される;および
薬学的に受容可能なキャリア。
(項28)
以下を含む組成物の治療有効量を含有する、薬学的組成物:
一定量の第一化合物であって、該第一化合物は、請求項12に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;
一定量の少なくとももう1種の化合物であって、該他の化合物(b)は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、β3アゴニスト)、甲状腺ホルモン様作用薬、食欲抑制薬、ならびにNPYアンタゴニストから選択される;および
薬学的に受容可能なキャリア。
(項29)
以下を含む組成物の治療有効量を含有する、薬学的組成物:
第一化合物であって、該第一化合物は、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;
少なくとも1種の他の化合物であって、該他の化合物は、、アルドースレダクターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1B阻害剤、ジペプチジルプロテアーゼ阻害剤、インシュリン(経口生物利用可能なインシュリン製剤を含む)、インシュリン様作用薬、メトホルミン、アカルボース、PPAR−ガンマリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリバジド、グリブリドおよびクロルプロパミドから選択される;および
薬学的に受容可能なキャリア。
(項30)
以下を含む組成物の治療有効量を含有する、薬学的組成物:
第一化合物であって、該第一化合物は、請求項12に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩である;
少なくとも1種の他の化合物であって、該他の化合物は、アルドースレダクターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1B阻害剤、ジペプチジルプロテアーゼ阻害剤、インシュリン(経口生物利用可能なインシュリン製剤を含む)、インシュリン様作用薬、メトホルミン、アカルボース、PPAR−ガンマリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリバジド、グリブリドおよびクロルプロパミドから選択される;および
薬学的に受容可能なキャリア。
(項31)
少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて有効量の請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を含有する、薬学的組成物。
(項32)
少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて有効量の請求項12に記載の少なくとも1種の化合物を含有する、薬学的組成物。
(項33)
薬学的組成物を製造する方法であって、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物および少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアを混ぜ合わせる工程を包含する、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の発明

【公開番号】特開2010−155848(P2010−155848A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31848(P2010−31848)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【分割の表示】特願2003−537622(P2003−537622)の分割
【原出願日】平成14年10月23日(2002.10.23)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】