説明

脈管構造の局部画像を自動的に配向する方法及びシステム

D次元空間内の複数の点から成るドメインに対応する複数の輝度から成るディジタル画像中の管状構造を配向する方法を提供する。この方法は画像ドメイン内の1つの点を選択し(101)、選択された点の近傍において画像の勾配を計算し(102)、選択された点における基本構造を計算し(102)、選択された点の構造テンソルを求め(103)、構造テンソルの固有値を見つける(104)ステップを含む。最小固有値(105)に対応する固有ベクトルは管状構造と整列する。管状構造と整列する固有ベクトルによって画定される軸を中心とするカートホイール投影を計算(106)すればよい。

【発明の詳細な説明】
【関連米国出願相互参照】
【0001】
本願は、2003年9月22日付Pascal Cathierの米国仮出願第60/504,910号“脈管構造の局部画像の自動的な配向”に基づく優先権を主張するものであり、この仮出願の内容を本願の一部として引用する。
【技術分野及び背景】
【0002】
本発明はディジタル医療用画像における脈管構造の検出に係わる。
【0003】
最新の撮像システムからのデータから得られる診断上有効な情報によって、潜在的に問題のある部位を早期且つ治療の可能性が高い段階で検出することができる。撮像システムから大量の詳細データが与えられたら、画像データを有効且つ正確に処理するため種々のアルゴリズムを開発しなければならない。コンピュータの助けにより、画像処理は通常、ディジタル画像またはディジタル化した画像を対象に行われる。
【0004】
ディジタル画像は特定配列箇所で表される一連の生体構造部位点と対応する(グレースケールまたは磁場強さのような)特性を表す一連の数値から形成される。これら一連の生体構造部位点が画像のドメインを構成する。2-Dディジタル画像またはスライス断面において、不連続に配列された場所をピクセルと呼称する。3-Dディジタル画像は公知の種々の構成法によって積重ねられたスライス断面から形成することができる。3-D画像は2-D画像のピクセルから構成されるボクセルとも呼称される不連続な体積要素から成る。ピクセルまたはボクセルの特性を処理することによって、このようなピクセルまたはボクセルと関連する患者の生体構造部位に関する種々の特性を確認することができる。コンピュータ援用診断(“CAD”)システムはディジタル画像データの分析及び可視化において重要な役割を演ずる。
【0005】
コンピュータ断層(CT)撮影システム、磁気共鳴(MR)撮像システム及び3-DのX線(XR)撮影システムの重要な役割は、例えば、気道、管路、神経、血管等のような種々の蛇行性管状構造の分析を含む脈管分析のための3D画像データ・セットを作成することにある。このような3D画像データ・セットの作成は放射線技師にとって特に重要である。即ち、放射線技師は狭窄または動脈瘤パラメータの判定、長さ、断面寸法、角度、及び関連のパラメータの定量化を可能にする詳細な視覚的レポートの提供を要求される。特定の脈管部位における急性狭窄、特定の脈管部位における広範囲の動脈瘤、または脈管のねじれに関する情報は、医師が手術の段取りを決めるのに利用されるのが普通である。生産性の観点から、また、フィルム・コストを削減するためにも、3D画像データ・セットは少数の有意義な画像に的を絞るべきである。
【0006】
脈管分析に役立つ情報を能率的に且つ容易に取得できるようにするため、従来の医療用撮像システムは3D可視化ソフトウェアを採用することがある。このようなソフトウェアは撮像システム自体に組み込まれるか、または分析ワークステーションに組み込まれ、長さ、角度または体積を測定し、例えば、断面、ナビゲータまたは体積レンダリングを利用する等の種々の方法で体積部を可視化する1組のツールを提供する。特に脈管の分析に関しては、ソフトウェアを利用することによって、特定脈管の複数の斜めスライスを得、これによって脈管を分析することができる。
【0007】
気道、脈管、管路または神経のような蛇行性構造を分析することは、医療用撮像システムの重要な役割の1つである。今日では、このタスクは複数の斜めスライスを利用してこれらの構造の局部を分析することによって達成される。それぞれの斜めスライスはそれぞれのオブジェクトの短い断面の鮮明且つ歪みのない画像を提供するが、それぞれの全長に亘る画像を提供することは稀である。湾曲した矯正画像はこれらの管状対象物の全長を捕捉し、従って、この分析タスクに好適な合成画像を提供する。これらの画像から軸沿いの真の3D長さ測定値が得られ、測定値は多くの場合実際の生体構造と近似である。湾曲した矯正画像は湾曲部に沿う等間隔の点における値をサンプリングして線分を形成し、これらの線分をサンプリング・ベクトルによって変換して次の画像線を形成する。
【0008】
従って、医療用撮像システム及び関連の3D可視化ソフトウェアが従来よりも効率的で、一貫性があり、リピート可能な、迅速且つオペレータの技能差に影響されない態様で有用な3D画像データ・セットを作成できるようにする新しい方法及び装置が開発されれば有益である。このような新しい方法及び装置が、管状構造及びその狭窄、動脈瘤及び歪みの分析及び撮像を含む脈管分析を容易にするなら、特に有益である。このような方法及び装置を撮像中にも撮像完了後の後処理にも利用できればさらに有益である。
【発明の概要】
【0009】
本発明は画像がD次元空間内の点のドメインに対応する複数の輝度から成るディジタル画像中の管状構造を配向する方法を提供する。この方法は画像ドメイン内に点を選択し、選択された点の近傍において画像の勾配を計算し、選択された点において基本構造テンソルを計算し、選択された点に関する構造テンソルを求め、構造テンソルの固有値を見つけ、固有値を分析することによって管状構造と整列する固有ベクトルを見つけるステップを含む。
【0010】
本発明の他の特徴として、選択された点を中心とする近傍に亘って画像をガウス・カーネル導関数Gで畳込むことによって画像の勾配を測定する。
【0011】
本発明の他の特徴として、ガウス・カーネルは画像のサイズよりもほぼ2桁小さい標準偏差σを有する。
【0012】
本発明の他の特徴として、画像勾配にその転置行列を乗算することによって基本構造テンソルを画定することができる。
【0013】
本発明の他の特徴として、検出中の対象物のサイズに対応する標準偏差σのガウス・カーネルで基本構造テンソルを畳込むことによって構造テンソルを求めることができる。
【0014】
本発明の他の特徴として、Householder QL分解を行うことによって固有値を見出すことができる。
【0015】
本発明の他の特徴として、最小固有値に対応する固有ベクトルが管状構造と整列する。
【0016】
本発明の他の特徴として、選択された点の近傍を、前記近傍の2つの最小固有値を比較することによって、管状構造と比較することができ、前記近傍が局部的に管状構造と似ておれば前記2つの最小値が非近似である。
【0017】
本発明の他の特徴として、管状構造と整列する固有ベクトルによって画定される軸を中心にカートホイール投影を計算することができる。
【実施例】
【0018】
本発明は脈管構造の軸心を自動的に検出し、軸心を利用してこのような構造の可視化を支援するCAD方法に係わる。
【0019】
本発明の図示実施例を以下に説明する。煩雑になるのを避けるため、本明細書では実施の構成要件は一部その説明を省略する。尚、このような具体的な実施態様を開発するに当たって、開発者が特定の目標、例えば、システム及び業務に関連する固有の制約とのコンプライアンスを達成するには、幾つもの実施に特異な判断を下さねばならないことは言うまでもない。また、このような開発努力は複雑を極め、多大の時間を要するが、本発明の開示内容を活用しようとする当業者にとっては当然果すべき努力である。
【0020】
本発明の実施に当たっては多様な形態が可能であるが、ここでは添付の図面を参照しながら特定の実施態様を詳細に説明する。但し、特定の実施態様に関する以下の説明は本発明をこれら特定の実施態様に制限することを意図するものではなく、添付の請求項に定義されている本発明の思想と範囲を逸脱しない限り、すべての変更案、等価案及び代案は本発明に包含される。
【0021】
ここに使用する語“画像”は(例えば、2D画像ならピクセル、3D画像ならボクセルのような)不連続な画素から構成された多次元データを意味する。画像としては、例えば、コンピュータ断層画像、磁気共鳴断層画像、超音波画像のほか、当業者には公知の医療用画像が含まれる。画像は非医療撮像システム、例えば、遠隔感知システムや電子顕微鏡からも得られる。画像はRからRへの写像と考えることができるが、本発明の方法はこのような画像に制限されるものではなく、例えば、2D画面や3Dボリュームのような任意の次元の画像にも適用できる。本発明はコンピュータ・システム、例えば、本発明のアルゴリズムを実行するPentium(商標)級のパソコンにおいて、実施することが好ましい。コンピュータはプロセッサ、メモリ、及び種々の入/出力手段を含む。胸部の体積部を表す一連のディジタル画像をコンピュータに入力する。ここで使用する語“ディジタル”及び“ディジタライズド”は必要に応じてディジタル収集システムを介して、またはアナログ画像からの変換によって得られるディジタルまたはディジタル化形式の画像または体積部を指す。
【0022】
脈管構造は医療用画像において広く見出される管状対象物の例である。医療用画像における管状対象物の他の例としては、血管、気管支、腸管、神経及び特殊な骨が含まれる。医療用画像における管状対象物の表現及び分析は医療担当者が患者の複雑な生体構造上の特徴の理解を助け、治療を容易にする。脈管構造の3D画像、例えば、CTスキャンの精査に際して、医師は軸スライスを利用することによって(例えば、小結節または塞栓のような)異常構造を検出することができるが、構造の形状をより正確に分析するには、さらなる追加の画像があれば有用である。その可能性の1つとして、軸線を中心に投影面をカートホイールさせるカートホイール投影がある。これのよって医師は構造が丸いかどうかを容易に判断することができる。もう1つの可能性として、管状構造の軸線と直交する投影面の分析がある。これらの技術を駆使するには入力としての軸線が前提となる。この軸線は管状構造の軸線であることが好ましい。初期設定で恣意的な軸線を選ぶと、結果として好ましくない可視化となることがある。
【0023】
典型的な分析状況において、医師は球状構造を探すために大きい画像、例えば、肺のCT画像を精査する。3つの次元すべてにおいて画像が大きい。通常、医師は軸方向の画像、即ち、体積部のX-Yスライスだけを1枚ずつ往復して観察する。スライスは典型として512×512ピクセルから成るが、医師が観察する構造はせいぜい数ピクセルの広さである。従って、医師は画像の大部分を無視しがちであるが、時には医師が、より精密に構造を観察したいと考える場合がある。より精密に観察する場合、医師がX-Yスライスだけではなく、完全な3D情報を得たいと考えることが好ましい。この場合、3Dツールと共にカートホイール投影が有用であり、この3Dツールは独自に、またはカートホイール投影と併用することができる。
【0024】
カートホイール投影を利用することによって球状構造と管状構造とを識別することができる。問題は、X-Yスライスだけを利用する場合、双方の構造はいずれも円形に見えることである。しかし、完全に3D回転させることによって、医師は脈管と小結節とを識別することができる。カートホイール投影は確かにこのような識別を可能にするが、原形において、カートホイールの回転軸は固定されており(通常はXまたはY軸)、脈管軸線に対してはランダムである。従って、脈管と小結節とを識別するため、医師は脈管軸線がカートホイール面に含まれる時点での回転角を求めねばならない。ここに開示する方法は脈管軸線の検出を助け、この軸線を可視化技術に活用する方法である。
【0025】
本発明の好ましい実施例では、局部構造テンソルを利用することにより、推測される局部主軸から始めて、脈管の主軸を位置検出することができる。主軸の位置はユーザーがマウスのような入力装置を使用してスライス中の点を選択することによって初期推測することができる。図1に示す構造テンソルの好ましい計算方法は基準軸に沿った画像偏導関数で形成される3Dベクトルである画像勾配を計算することから始まる:

【0026】
実際には、画像が不連続な点においてサンプリングされるだけであり、ノイズは免れない。好ましい実施例としては、画像をガウス導関数で畳込むことによって画像近傍の各点における勾配を推算することができる(ステップ101)、即ち:

但し、Gは標準偏差σの不連続な、基準化されたD-次元ガウス・カーネルであり、

演算子 * は畳込みである。通常、標準偏差は画像の全体サイズと比較して、例えば最大限でも3ボクセルと遥かに小さく、または画像の1つの次元におけるボクセル数より2桁も小さく、任意の点を中心とする小さい体積部に勾配計算を限定してノイズの影響を排除するように選択される。
【0027】
構造テンソルはステップ103における畳込みによって得られる3×3行列であり、探索中の対象物に相当するサイズの空間フィルタを有する転置行列との外積である:

【0028】
上記式中のσは極めて大きく、対象物のサイズにほぼ比例する。他の畳込みカーネルを使用することもできるが、ガウス・カーネルが好ましい。構造テンソルの3つの固有値はステップ104において公知の適当な技術で計算することができる。その1つがHouseholder QL分解である。
【0029】
構造テンソルの固有値はすべて互いに直交関係にあり、ステップ105において、最小の固有値に対応する固有ベクトルが脈管構造の軸である可能性が最も高い。即ち、脈管の内側または近傍に起点を選択すれば、固有値が最小の固有ベクトルが脈管と整列する可能性が最も高い。脈管が湾曲しているか、または分岐している場合でも、最小固有値と連携する固有ベクトルを求めれば、少なくとも部分的に脈管と整列することになる。例えば、通常なら全く異なる筈の2つの最小固有値を比較することにより、画像が局部的に脈管構造に似ているか否かをチェックすることができる。
【0030】
ステップ106において、クリック‐ポイントとこの固有ベクトルによって確定されるこの軸を中心にカートホイール投影を行う。図2は問題の対象物のカートホイール投影を示す。カートホイール投影が行われるそれぞれの軸方向画像スライスを、CT装置による肺200の画像走査から得、問題の対象物、例えば、疑わしい部位構造にセンタリングする。図2に示すように、回転投影面201を問題の点202を中心に180°回転させ、(以下、カートホイール投影画像スライスと呼称する)軸方向画像スライスの一連の2D投影、例えば、カートホイール投影画像スライス203及び204を得る。回転角を所定のインターバル、例えば、5°に設定することができ、この場合、所与の軸方向画像スライスにおける入力される問題対象物毎に36枚の個別カートホイール投影画像スライスが形成される。同様に、インターバルを1°に設定すると、入力される問題対象物毎に180枚の個別カートホイール投影画像スライスが形成される。
【0031】
カートホイール投影を利用することによって球状構造と管状構造とを識別することができる。軸と直交する投影を利用することによって脈管と直交するスライスをも得ることができる。回転軸が脈管と整列すれば、最初の角度から最終の角度まですべての投影面が脈管の軸と直交するから、構造が脈管であることはカートホイール投影から明白である。
【0032】
図3及び4はこのようなインターフェースの1例を示す。図3に十字線で示す画像中の局部に合わせてユーザーがクリックする。もしマウスが指摘する構造が脈管なら、その軸に沿ってカートホイール投影が行われ、所与の方向に自動的に表示される。図4は水平方向に表示された脈管を示す。
【0033】
もし構造が小結節であれば、すべてのスライスがディスクの形状を呈するから、回転軸が多少ともランダムになる可能性がある。但し、この状況において、医師は通常、非ランダムな軸、典型的にはXまたはY軸の使用を望む。従って、構造テンソルの計算に際して、もしすべての固有値が互いに近似であることが検知されたら、テンソル軸の使用から基準カートホイール軸の使用へシフトすればよい。
【0034】
本発明は種々の形態のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊目的プロセス、またはこれらの組合せとして実施することができる。1例として、本発明をコンピュータ可読プログラム記憶装置に記憶されるアプリケーション・プログラムとして機能するソフトウェアの形に実施することができる。アプリケーション・プログラムは適当なアーキテクチャーを含むマシーンにアップロードされ、このマシーンによって実行される。
【0035】
図4に示すように、本発明を実施するためのコンピュータ・システム401は、特に、中央処理装置(CPU)402、メモリ403及び入/出力(I/O)インターフェース404を含む。コンピュータ・システム401は一般にI/Oインターフェース404を介してディスプレイ405及びマウスやキーボードのような種々の入力装置406と接続する。支援回路はキャッシュ、電源、クロック回路のような回路と通信用バスを含むことができる。メモリ403はランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、等、またはこれらの組合せを含むことができる。本発明はメモリ403に記憶され、信号源408からの信号を処理するためCPUによって実行されるルーチン407として実施することができる。従って、コンピュータ・システム401は本発明のルーチン407を実行する際に専用コンピュータ・システムとなる汎用コンピュータ・システムである。
【0036】
コンピュータ・システム401はオペレーション・システム及びマイクロ命令コードをも含む。以上に述べた種々のプロセス及び機能はオペレーション・システムを介して実行されるマイクロ命令コードの一部またはアプリケーション・プログラム(または両者の組合せ)である。さらに、コンピュータ・プラットホームには、補足のデータ記憶装置やプリンターなどのような他の周辺装置を接続することができる。
【0037】
添付図面に示すシステム構成成分及び方法ステップの幾つかはソフトウェアにおいて実行されるから、システム構成成分(または方法ステップ)間の実際の接続は本発明をプログラムする態様に応じて異なる。当業者ならば、本発明の教示内容に照らして、以上に述べた態様及び類似の態様で本発明を実施または構成できるであろう。
【0038】
本発明には変更を加えることが可能であり、上記教示内容を利用し得る当業者ならば、種々の、但し等価の態様で実施することができるから、上記の具体的な実施例は飽くまでも本発明の説明がその目的である。また、本発明は図示の構成または設計のうち、下記の請求項に記載されている事項以外の細部に制限されるものではない。従って、上記特定の実施例に変更を加えることは可能であり、このような変更がすべて本発明の範囲及び思想に包含されることは言うまでもない。従って、ここに請求する特許権は下記請求項によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の好ましい方法のフローチャートである。
【図2】問題オブジェクトにおける画像スライスのカートホイール投影を示す図である。
【図3】分析したい構造をユーザーが選択する態様を示す。
【図4】本発明の方法によって発見される管状構造を示す。
【図5】本発明の方法の好ましい実施態様を実行するコンピュータの1例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像がD次元空間内の点のドメインに対応する複数の輝度から成るディジタル画像中の管状構造を配向する方法において、
画像ドメイン内の1つの点を選択し;
前記選択された点の近傍において画像の勾配を計算し;
前記選択された点に対応の基本構造テンソルを計算し;
構造テンソルの固有値を見つけ;
前記固有値を分析することによって前記管状構造と整列する固有ベクトルを見出すステップを含むことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
前記選択された点を中心とする前記近傍に亘って画像をガウス・カーネル導関数Gで畳込むことによって画像の勾配を測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガウス・カーネルが画像のサイズよりもほぼ2桁小さい標準偏差σを有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
勾配とその転置行列との外積を、検出中のオブジェクトのサイズに対応する標準偏差σTのガウス・カーネルで畳込むことによって構造テンソルを求めることができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Householder QL分解を行うことによって固有値を見出すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
管状構造と整列する固有ベクトルが最小固有値に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記選択された点の前記近傍を、前記近傍の2つの最小固有値を比較することによって、管状構造と比較し、前記近傍が局部的に管状構造と似ておれば前記2つの最小値が非近似であるとするステップをも含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記管状構造と整列する固有ベクトルによって画定される軸を中心とするカートホイール投影を計算するステップをも含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
D次元空間内の複数の点を含むドメインに相当する複数の輝度から成るディジタル画像中の管状構造を配向する方法において、
画像ドメイン内の1つの点を選択し;
前記選択された点の近傍において、画像のサイズより2桁小さい標準偏差σのガウス・カーネル導関数Gで画像を畳込むことによって画像の勾配を計算し;
勾配とその転置行列との外積を、検出中の対象物のサイズに対応する標準偏差σのガウス・カーネル導関数Gで畳込むことによって前記選択された点の構造テンソルを求め;
Householder QL分解を行うことによって構造テンソルの固有値を見つけ;
前記固有値のうちの最小固有値を見出すことによって前記管状構造と整列する対応の固有ベクトルを見つけ;
前記管状構造と整列する固有ベクトルによって確定される軸を中心とするカートホイール投影を計算するステップを含むことを特徴とする管状構造の配向方法。
【請求項10】
前記選択された点の前記近傍を、前記近傍の2つの最小固有値を比較することによって管状構造と比較し、前記近傍が局部的に管状構造と似ておれば前記2つの最小値が非近似であるとするステップをも含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
D次元空間内の複数の点を含むドメインに相当する複数の輝度から成るディジタル画像中の管状構造を配向する方法ステップを実施するためコンピュータによって実行可能な命令プログラムを組み込まれたコンピュータ可読プログラム記憶装置において、
画像ドメイン内の1つの点を選択し;
前記選択された点の近傍において画像の勾配を計算し;
前記選択された点における基本構造を計算し;
前記選択された点の構造テンソルを求め;
構造テンソルの固有値を見つけ;
前記固有値を分析することによって前記管状構造と整列する固有ベクトルを見つけるステップを含むことを特徴とするコンピュータ可読プログラム記憶装置。
【請求項12】
前記選択された点を中心とする、画像のサイズより2桁小さい標準偏差σTのガウス・カーネル導関数Gで画像を畳込むことによって勾配を計算するステップをも含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読プログラム記憶装置。
【請求項13】
勾配とその転置行列との外積を、検出中の対象物のサイズに対応する標準偏差σのガウス・カーネルで畳込むことによって構造テンソルを求めるステップをも含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読プログラム記憶装置。
【請求項14】
Householder QL分解を行うことによって構造テンソルの固有値を見つけるステップをも含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読プログラム記憶装置。
【請求項15】
前記管状構造と整列する、最小固有値と対応の固有ベクトルを見つけるステップをも含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読プログラム記憶装置。
【請求項16】
前記選択された点の前記近傍の2つの最小固有値を比較することによって前記近傍を管状構造と比較し、前記近傍が局部的に管状構造に似ておれば前記2つの最小固有値が互いに非類似であるとするステップをも含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読プログラム記憶装置。
【請求項17】
前記管状構造と整列する固有ベクトルによって確定される軸を中心とするカートホイールを計算するステップをも含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読プログラム記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−505711(P2007−505711A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527121(P2006−527121)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/030810
【国際公開番号】WO2005/031649
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】