説明

自動分析装置

【課題】再検査が必要な検体を迅速に分析すること。
【解決手段】ラック搬送部44を搬送方向の正逆双方に搬送可能とするとともに、このラック搬送部44をラックの分注後再検査の結果が出力されるまでの時間、ラックを搬送する長さの2倍を有する長さに構成し、移送制御部の制御によって分注後のラックを分注位置下流側へ正方向にラック搬送部44が搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合には、ラック搬送部44がラックを下流側から分注位置へ逆方向に搬送して検体の分注を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学分析、免疫検査等の分析を自動で行う自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生化学分析等の分析を自動で行う自動分析装置が広く知られている。自動分析装置は、検体供給部、分析部、データ処理部を有している。検体供給部は、検体容器を搭載したラックを逐次供給するものである。この検体容器は、検体を収容している。分析部は、反応槽および試薬保冷庫を有している。反応槽は、内部にキュベットホイールと測定光学系を備え、試薬保冷庫には、検体と反応する試薬を収容した試薬ボトルが収納してある。また、キュベットホイールには、キュベット(反応容器)が収容してあり、試薬ボトルから試薬を分注する一方、検体容器から検体を分注する。そして、測定光学系を用いてキュベットにおいて反応させた検液(試薬と検体とからなる混合液)の吸光度を測定する。そして、測定した吸光度からデータ処理部が分析結果を取得する。そして、検体を分注する場合には、搬送ライン上に検体容器を搭載したラックを停止させて、検体容器内の検体を分析部へ分注していた(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−26882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、たとえば検体を分析した結果、異常値が得られると、検体自体が異常なのか、あるいは自動分析装置が異常なのかを判別するために、異常値が得られた検体の再検査を迅速に行いたい場合がある。しかしながら、特許文献1では、搬送ライン上にラックを停止させたまま検体の分注を行うので、たとえば後から再検査を要する検体が発生した場合、この再検査が必要な検体を保有するラック(再検対象ラック)や緊急検査が必要な検体を保有するラック(緊急用ラック)が、先行する初検査を行うための検体を保有する通常検査用のラック(通常用ラック)の分注作業が終了するまで搬送ライン上で待たされ、再検査が遅延することがあった。
【0005】
また、搬送ラインを複数持たせ、再検対象ラックや緊急用ラックを通常用ラックの搬送ラインとは別の搬送ラインで搬送して、ラック搬送の効率化を図るものもあるが、分析装置自体が大型化してしまい、装置の占有スペースが広くなり、限られたスペースでの設置が困難になる場合があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で再検査や緊急に検査が必要な検体を迅速に分析することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる自動分析装置は、試薬とラックに保有された検体とを反応させた検液を分析する分析機を有する自動分析装置において、前記ラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラックが搬送される長さの2倍を超えた長さを有するラック搬送部と、前記ラック搬送部の分注位置上流側に配置し、前記ラックを一時保持して該分注位置に搬送可能なように前記ラック搬送部に投入するラック投入部と、前記ラック搬送部の分注位置下流側に配置し、検体分注後の前記ラックを回収するラック回収部と、前記ラック投入部から投入された前記ラックを前記上流側から前記分注位置へ正方向に前記ラック搬送部が搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合に、該ラックを前記下流側から前記分注位置へ逆方向に前記ラック搬送部が搬送するように制御を行う移送制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また本発明にかかる自動分析装置は、試薬とラックに保有された検体とを反応させた検液を分析する分析機を有する自動分析装置において、前記ラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラックが搬送される長さを超えた長さを有するラック搬送部と、前記ラック搬送部の分注位置上流側に配置し、前記ラックを一時保持して該分注位置に搬送可能なように前記ラック搬送部に投入するラック投入部と、前記ラック搬送部の分注位置下流側に配置し、検体分注後の前記ラックを回収するとともに、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラックを搬送する長さを超えた長さを有するラック回収部と、前記ラック投入部から投入された前記ラックを前記上流側から前記分注位置へ正方向に前記ラック搬送部が搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合に、前記ラック回収部から取り込んだ前記再検査が必要なラックを前記下流側から前記分注位置へ逆方向に前記ラック搬送部が搬送するように制御を行う移送制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記ラック投入部と前記ラック回収部とは、前記ラック搬送部に並設されることを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記ラック投入部に緊急検査用検体を保有する緊急用ラックが載置されたことを検出する検出部を、備え、前記ラック投入部は、前記ラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、前記ラック搬送部へラックを投入するラック投入位置上流側に通常検査用検体を保有する通常用ラックを一時保持し、前記ラック投入位置下流側に前記緊急用ラックを一時保持しており、前記移送制御部は、前記検出部で前記緊急用ラックが検出されない場合、前記通常用ラックを前記上流側から前記ラック投入位置へ正方向に前記ラック投入部が搬送し、前記検出部で前記緊急用ラックが検出された場合、前記緊急用ラックを前記下流側から前記ラック投入位置へ逆方向に前記ラック投入部が搬送するように制御を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記分注位置と前記ラック投入位置とは、一列につらなるように前記ラック搬送部の上流端または該上流端近傍に設けられ、前記ラック回収部は、前記ラック搬送部から前記ラックを回収する前記ラック回収部のラック回収位置と、前記回収したラックを前記ラック搬送部に戻すラック戻し位置とを有し、前記ラック回収位置は前記ラック搬送部の前記分注位置と一列につらなるように設けられ、または前記分注位置近傍の下流側に設けられ、前記ラック戻し位置は、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラック回収位置から前記回収したラックが搬送される長さを超えた長さの位置に設けられることを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる自動分析装置は、ラックに保有された検体を分注し分析する自動分析装置において、前記ラックを分注対応位置からラック回収のための位置へ搬送するとともに前記搬送方向とは逆の方向へも搬送させることを可能としたラック搬送ラインと、前記ラック搬送ラインへ前記ラックを供給するラック投入ラインと、前記ラック搬送ラインにおけるラック回収のための位置から前記ラックを回収するラック回収ラインと、前記ラック搬送ラインにおける分注対応位置からラック回収のための位置までの搬送時間を、分注された検体が再検査が必要か否かを判定するまでに必要な時間以上となるように設定し、前記再検査が必要なラックが存在した際には前記ラック搬送ラインに前記逆方向の搬送動作をさせることにより当該検体が保有されたラックを前記分注対応位置へ再度位置させるようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記分注対応位置は、通常検査用ラックから検体を分注する第1の分注位置と、前記再検査が必要と判定されたラックから検体を分注する第2の分注位置とからなることを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記ラック投入ラインに隣接して更に緊急検査用ラック収納部が設けられており、前記第2の分注位置は当該緊急検査用ラックからの検体も分注することを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる自動分析装置は、ラックに保有された検体を所定の分注位置に位置したラックから分注し分析する自動分析装置において、前記ラックを一方向へ搬送動作するとともに、他方向への搬送動作も可能なラック搬送ラインと、前記ラック搬送ラインへ前記ラックを供給するラック投入ラインと、前記ラック搬送ラインから分注動作後のラックを受け取る分注済みラック受取部と再検査が必要とされたラックを搬送ラインへ戻すためのラック戻し部とを有し、分注済みラックを前記分注済みラック受取部から前記ラック戻し部を経てラック回収位置まで搬送するラック回収ラインと、前記ラック回収ラインにおける分注済みラック受取部から前記ラック戻し部までのラック搬送時間を、検体の分注から再検査が必要か否かを判定するまでに必要な時間以上となるように設定し、前記再検査が必要なラックが存在した際には該ラックを前記ラック戻し部から前記ラック搬送ラインへ戻し、該ラック搬送ラインに前記他方向の搬送動作をさせることにより当該ラックを前記分注位置に対応する位置へ位置させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる自動分析装置は、ラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、ラックの分注後再検査の結果が出力されるまでの時間、前記ラックを搬送する長さの2倍の長さを有するラック搬送部を備え、分注後のラックを分注位置下流側へ正方向にラック搬送部が搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合に、該ラックを前記下流側から前記分注位置へ逆方向にラック搬送部が搬送するように制御を行うことで、簡易な構成で再検査が必要な検体を迅速に分析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。本発明にかかる自動分析装置は、生化学分析、免疫検査等の分析を自動で行う自動分析装置に適用可能であるが、ここでは、臨床検査等に用いられる生化学分析装置を例に説明する。この自動分析装置は、搬送ラインを構成するラック搬送部がラックを正逆双方向に搬送可能として、たとえば通常用ラックより先に優先して再検査を行いたい再検対象ラックが発生した場合に、再検対象ラックを下流側から分注位置へ逆方向に搬送することで、通常用ラックに優先して再検査が必要な検体の分注位置での分注を可能にするものである。
【0018】
(実施の形態1)
本発明では、実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を図1〜図5を参照して説明する。図1は本発明にかかる自動分析装置の概略構成を示す構成図であり、図2は本発明の実施の形態1にかかる分析機の平面図であり、図3は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の制御系の構成を示すブロック図であり、図4は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置のラックの搬送動作を説明するフローチャートであり、図5は検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【0019】
自動分析装置1は、図1に示すように、分析機1A、検体供給部である検体供給ユニット4、データ処理部7を有している。この実施の形態1にかかる自動分析装置1において、分析機1Aは、図2に示すように、試薬格納部2および反応部3を備えている。
【0020】
試薬格納部2は、円形状のテーブル21を有している。テーブル21は、中心21aの周りに回転可能に設けてあり、駆動手段(図示せず)によって回転される。このテーブル21には、試薬を収容された試薬容器22が周方向に複数保持してある。試薬容器22は、平面視で中心21aから周方向に放射状に配置され、テーブル21の回転に伴って中心21aから周方向の吸引可能位置に移動する。また、試薬格納部2は、テーブル21の周囲を覆うケース(図示せず)を有し、当該ケース内を所定の温度に冷却することで試薬容器22内の試薬を冷却保存する。この試薬格納部2は、第一試薬と第二試薬とをそれぞれ格納するため、第一試薬格納部2Aと第二試薬格納部2Bとを有している。第一試薬格納部2Aは後述する反応部3の容器保持部31内に配置してあり、第二試薬格納部2Bは反応部3の容器保持部31外に配置してある。なお、試薬容器22には、収納してある試薬の種類、量、ロット番号などの諸情報を有するバーコードなどの識別コードラベルが貼付してある。一方、試薬格納部2(2A,2B)には、試薬容器22の識別コードを読み取る識別コードリーダ(図示せず)が設けてある。
【0021】
ここで、試薬容器22は、平面視で扇形状の外形を呈し、この扇形状を上下方向に連ねた合成樹脂製の容器であり、その上面に開口を有している。試薬容器22の開口は、未使用時に栓で封止してあり、試薬格納部2に収容する際には栓が外される。
【0022】
反応部3は、筒状の容器保持部(キュベットホイール)31を有している。容器保持部31は、中心31aの周りに回転可能に設けてあり、駆動手段(図示せず)によって回転される。容器保持部31は、その周方向に沿って複数の凹部(図示せず)を有している。各凹部には、試薬と検体とを混合する反応容器(キュベット)32がそれぞれ保持してある。容器保持部31は、周方向で隣接する各凹部の間に遮光部材(図示せず)を有し、隣接する反応容器32の間を遮光してある。さらに、容器保持部31は、径方向に貫通する開口(図示せず)を各凹部に設けてあり、当該開口を介して反応容器32を表出してある。この反応部3は、容器保持部31の周囲を覆うケース(図示せず)を有し、当該ケース内を恒温槽として所定の温度(例えば37℃)に保温することで反応容器32内の試薬と検体とが反応した反応液を保温する。
【0023】
ここで、反応容器32は、上部が開口した有底の四角筒状の容器であり、後述する分析光に含まれる光の80%以上を透過する素材(例えば耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレンなどの合成樹脂)で形成してある。そして、反応容器32は、その周壁下部が分析光を透過させる測光領域として用いられる。
【0024】
また、反応部3には、分析光学系33が設けてある。分析光学系33は、光源331と分光部332と測光センサ333とで構成してある。光源331は、反応容器32内の反応液を分析するための分析光(例えば340〜800nm)を出射する。この分析光は、反応部3において容器保持部31の開口を通過し、反応容器32の測光領域にある反応液を透過する。分光部332は、光源331からの出射光の光軸上に位置し、反応液を透過した分析光を測光センサ333に向けて分光する。測光センサ333は、分光部332で分光された分析光(平行光)を測光し、吸光度を測定するものである。
【0025】
なお、反応部3には、攪拌部および反応容器用洗浄部が図には明示しないが設けてある。攪拌部は、反応容器32内の試薬と検体とを混合させるためのものであり、反応容器32に攪拌棒を挿入するものや、超音波を用いた非接触のものがある。攪拌棒を用いる場合には、当該攪拌棒を洗浄する攪拌棒用洗浄部を要する。反応容器用洗浄部は、反応容器32内を洗浄するためのものであり、例えば反応容器32内の反応液を吸引して排出し、その後当該反応容器32に洗浄液を繰り返し注入して排出し、さらにその後当該反応容器32内を乾燥させて拭き取る。
【0026】
ところで、反応部3の近傍には、試薬分注部5が設けてある。ここでの試薬分注部5は、反応部3を中心とした第二試薬格納部2Bと略対向する位置に設けた第一試薬分注部5Aと、第二試薬格納部2Bと反応部3との間に設けた第二試薬分注部5Bとがある。この試薬分注部5は、アーム51とプローブ52とを有している。アーム51は、垂直方向に立設した中心軸51aの上端に基端部が取り付けてあって水平方向に延在して設けてある。このアーム51は、駆動手段53の駆動による中心軸51aの回転によって当該中心軸51aの周りに回転する。アーム51は、回転によって先端部が試薬格納部2の所定位置や、反応部3の所定位置に移動する。また、アーム51は、駆動手段53の駆動による中心軸51aの上下移動によって上下方向に移動する。プローブ52は、試薬を分注するものであり、先端を下方に向けてアーム51の先端部に取り付けてある。すなわち、試薬分注部5は、アーム51の先端部の位置移動および上下移動によってプローブ52を移動させ、当該プローブ52がその軌跡上にある試薬格納部2の試薬容器22から試薬を吸引し、当該試薬を同じく軌跡上にある反応部3の反応容器32に注入する。
【0027】
なお、試薬格納部2の所定位置とは、試薬格納部2のケースの上面に設けた開口孔の位置(図には明示しないが)である。この試薬格納部2のケースの開口孔には、試薬格納部2のテーブル21の回転を止めた状態において試薬容器22の開口の位置が一致する。よって、アーム51の先端部が試薬格納部2の所定位置に移動した場合には、試薬格納部2のケースの開口孔を通して試薬容器22の開口の位置にプローブ52があり、当該プローブ52によって試薬容器22から試薬を吸引できる。また、反応部3の所定位置とは、図には明示しないが反応部3のケースの上面に設けた開口孔の位置である。この反応部3のケースの開口孔には、反応部3の容器保持部31の回転を止めた状態において反応容器32の開口の位置が一致する。よって、アーム51の先端部が反応部3の所定位置に移動した場合には、反応部3のケースの開口孔を通して反応容器32の開口の位置にプローブ52があり、当該プローブ52によって反応容器32に試薬を注入できる。さらに、試薬分注部5によってプローブ52が移動する別の所定位置として、洗浄位置がある。この洗浄位置には、図には明示しないがプローブ52を洗浄するために洗浄液の吸引と排出とを行う洗浄部が設けてある。
【0028】
また、反応部3と後述する検体供給ユニット4(ラック搬送部44)との間には、検体分注部6が設けてある。この検体分注部6は、アーム61とプローブ62とを有している。アーム61は、垂直方向に立設した中心軸61aの上端に基端部が取り付けてあって水平方向に延在して設けてある。このアーム61は、駆動手段63の駆動による中心軸61aの回転によって当該中心軸61aの周りに回転する。アーム61は、回転によって先端部が反応部3の所定位置や、ラック搬送部44の分注位置、この実施の形態1では2箇所の分注を行うことが可能な分注位置41a,41bに移動する。また、アーム61は、駆動手段63の駆動による中心軸61aの上下移動によって上下方向に移動する。プローブ62は、検体を分注するものであり、先端を下方に向けてアーム61の先端部に取り付けてある。すなわち、検体分注部6は、アーム61の先端部の位置移動および上下移動によってプローブ62を移動させ、当該プローブ62がその軌跡上にある分注位置41a,41bに取り込まれた検体容器(たとえば、採血管)82から検体を吸引し、当該検体を反応部3の反応容器32に注入する。
【0029】
なお、ラック搬送部44の分注位置41a,41bとは、ラック搬送部44と反応部3の間で、かつ検体分注部6の近傍に位置し、ラック搬送部44によって搬送されて停止したラック81a〜81jを、ラック搬送部44の外側に設けられた駆動手段42を有した押し出し機構によってラック搬送部44から反応部3方向に押し出されたラックを収容する位置である。この分注位置には、ラック搬送部44との間でラックを搬送方向の正逆双方向に搬送可能なベルトコンベアが配設される。よって、アーム61の先端部が検体供給ユニット4の分注位置41a,41bに移動した場合には、開口した所定の検体容器82の分注位置にプローブ62があり、当該プローブ62によって検体容器82から検体を吸引できる(図2参照)。上記プローブ62は通常検査時と緊急・再検時とで分注位置41a,41bに択一的に位置するようになっている。上述した押し出し機構の駆動手段42は、空圧シリンダ、電動シリンダまたは油圧シリンダや、ソレノイドなどの往復動作を行うものであればいずれであってもよい。また、反応部3の所定位置とは、アーム61の先端部が反応部3の所定位置に移動した場合に、反応部3のケースの開口孔を通して反応容器32の開口の位置にプローブ62があり、当該プローブ62によって反応容器32に検体を注入できる位置である。さらに、検体分注部6によってプローブ62が移動する軌跡上の別の所定位置として、洗浄位置がある。この洗浄位置には、図には明示しないがプローブ62を洗浄するために洗浄液の吸引と排出とを行う洗浄部が設けてある。
【0030】
自動分析装置1は、分析機1Aに対して検体容器82を搭載したラック81、実施の形態1では10個のラック81a〜81jを逐次供給する検体供給ユニット4を備えている。ラック81a〜81jは、たとえば10本の検体容器82が搭載可能であり、その側面には、ラックを識別する識別コードラベル(図示せず)が貼付してある。この識別コードラベルは、ラック81a〜81jが緊急に検査を要する緊急用の検体を搭載した緊急用ラックか、通常に検査を行う通常検査用の検体を搭載した通常用ラックかの表示や検体に関する情報を表示している。なお、この実施の形態1では、ラック81a〜81jは通常用ラックである。
【0031】
自動分析装置1の検体供給ユニット4は、図2に示すように、ラック投入部43、ラック搬送部44、ラック回収部45を有している。ラック投入部43およびラック回収部45は、ラック搬送部44に並設されてラック搬送部44に並設されて配置してある。なお、この実施の形態1では、ラック投入部43およびラック回収部45は、一列につらなってラック搬送部44に並設されて配置してある。このラック投入部43は、ラック搬送部44の分注位置41a,41bの上流側に配置され、分析機1Aの並設方向に沿って連続して配置した、例えば搬送方向に対して直交するL字状のアタッチメント43aを複数備えたベルトコンベアからなる。このラック投入部43は、ベルトコンベア上に載置されたラック81a〜81jを一時保持して分注位置に搬送可能なようにラック搬送部44に投入する。ラック投入部43のラック投入位置43dは、分注位置41a近傍の上流側に設定された後述するラック搬送部44の搬送位置「11」と一列につらなって設けられる。
【0032】
この実施の形態1では、ラック投入部43はラック投入位置43dの外側に設けられた駆動手段42を有した押し出し機構を有し、この押し出し機構が当該ラック81a〜81jを1つずつ送り出して、分注位置41a、41bに搬送可能なようにラック投入位置43dからラック搬送部44の搬送位置「11」に順次投入する。また、ラック投入位置43dの外側には、識別コードリーダ48が配設してあり、この識別コードリーダ48はラック投入位置に搬送されるラックの側面に添付された識別コードラベルを取得可能である。
【0033】
ラック搬送部44は、分析機1Aに付設され、分析機1Aの並設方向に沿って連続して配置した、例えば搬送方向に対して直交するL字状のアタッチメント43aを複数備え、搬送方向の正逆双方にラックを搬送可能なベルトコンベアである。ラック搬送部44は、ベルトコンベア上に載置されたラック81a〜81jを一時保持して分析機1Aの並設方向に搬送する。このラック搬送部44は、検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間にラックが搬送される長さの2倍を超える長さを有し、分注位置を境にして分注前搬送部44bと分注後搬送部44cとを備えている。ラック搬送部44は、通常の検査では搬送方向の上流側に配置されたラック投入部43から投入されたラック81a〜81jを、分注位置41a,41bを介して分注後搬送部44cから搬送方向の下流側に配置されたラック回収部45へ正方向に搬送する。またラック搬送部44は、検体の再検査が必要なラックが存在する場合には、ラックを下流側の分注後搬送部44cから上流側の分注位置41bへ逆方向に搬送する。
【0034】
この実施の形態1では、分注前搬送部44bは、検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間にラックが搬送される長さを超える長さを有し、ラック投入部43から投入されたラックを順次保持して分注位置41aへ正方向に搬送する。また分注前搬送部44bは、分注後搬送部44cから逆方向に搬送されたラックを順次保持して再検査用検体の分注後に再び分注後搬送部44cへ正方向に搬送する。この実施の形態1では、分注後搬送部44cは検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間にラックが搬送される長さを有し、分注後のラックを順次保持してラック回収部45のラック回収位置へ正方向に搬送する。また、分注後搬送部44cは、検体の再検査が必要なラックを分注位置41bへ逆方向に搬送する。すなわち分注後搬送部44cは、分注後のラックをラック回収部45へ搬送する機能の他に、検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間、搬送するラックを順次保持するバッファ(再検バッファ)の機能を兼ね備える。
【0035】
分注位置41aは、たとえば初めて通常の検査を行うための検体を保有する通常用ラックがラック搬送部44から搬送されて分注を行う位置である。分注位置41bは、たとえば再検査が必要な検体を保有する再検対象ラックや緊急に検査が必要な検体を保有する緊急用ラックがラック搬送部44から搬送されて分注を行う位置である。ラック搬送部44は、分注位置41a,41b(後述する搬送位置「12」、「13」)の外側にそれぞれ設けられた駆動手段42を有した押し出し機構を備え、この押し出し機構が当該ラック81a〜81jを1つずつ送り出して分注位置41a,41bに搬送する。また、ラック搬送部44は、分注位置41a,41bの内側(分析機1A側)にそれぞれ設けられた駆動手段42を有した押し出し機構を備え、この押し出し機構が当該ラック81a〜81jを1つずつ送り出して搬送位置「12」、「13」のベルトコンベア上に搬送する。さらに、ラック搬送部44は、後述する搬送位置「24」の内側に設けられた駆動手段42を有した押し出し機構を備え、この押し出し機構が当該ラック81a〜81jを1つずつ送り出してラック回収部45のラック回収位置45bに搬送する。
【0036】
分注前搬送部44b、分注後搬送部44cには、ラックを搬送する各搬送位置に対応して、例えば図2に示すように上流側から「1」〜「25」の番号が割り当てられている。この割り当てられた番号のうち、「1」〜「12」が分注前搬送部44bの搬送位置を示し、「13」〜「23」が分注後搬送部44cの搬送位置を示し、分注前搬送部44bのほうが分注後搬送部44cよりラック1つ分長く構成されている。後述する移送制御部40は、ラック搬送部44の駆動を行う駆動モータ(図示せず)の回転制御、たとえばステッピングモータの回転位置制御を行っており、いずれの搬送位置に識別コードリーダ48によって読み取られたどのラックが存在するか認識可能になっている。
【0037】
ラック回収部45は、ラック搬送部44の分注位置41a,41bの下流側に配置してある。ラック回収部45は、分析機1Aの並設方向に沿って連続して配置した、例えば搬送方向に対して直交するL字状のアタッチメント45aを複数備えたベルトコンベアからなる。ラック回収部は、ラック搬送部44上に載置されて搬送されるラック81a〜81jを1つずつラック回収位置45bで回収し、一時保持して搬送方向の下流側に搬送する。
【0038】
図3は、自動分析装置の制御系を示すブロック図である。図3に示すように、自動分析装置の制御系は、分析機1Aの制御系と、検体供給ユニット4の制御系と、データ処理部7の制御系とから構成され、これら制御系は互いに同期をとってデータの入出力を行っている。分析機1Aの制御系において、試薬格納部2、反応部3、試薬分注部5、試薬残量検出部12は分析制御部11に接続され、この分析制御部11によって統括的に制御されている。また、試薬格納部2(2A,2B)に設けた識別コードリーダ(図示せず)で読み取った試薬容器22の諸情報は、分析制御部11内のメモリ(図示せず)に記憶される。また、試薬残量検出部12は、試薬格納部2に保持した各試薬容器22における試薬残量を検出する。試薬残量は、たとえば試薬容器22の諸情報と過去の試薬使用量とを比較して現在の試薬残量を算出することで検出できる。
【0039】
検体供給ユニット4の制御系では、ラック投入部43、ラック搬送部44、ラック回収部45、識別コードリーダ46は移送制御部40に接続され、この移送制御部40によって統括的に制御されている。すなわち、移送制御部40は、ラック投入部43がラック81a〜81jを1つずつラック搬送部44に移送する制御を行い、ラック搬送部44がラック81a〜81jを分析機1Aの該当する分注位置41a,41bに搬送し、検体の分注後にラック回収部45に移送する制御を行い、ラック回収部45がラック搬送部44からラック81a〜81jを回収する制御を行う。また、移送制御部40は、再検査が必要な検体や緊急に検査が必要な検体が発生した場合、通常の検査に割り込んで上記検体を保有するラックを該当する分注位置41bに搬送する制御も行う。
【0040】
データ処理部7は、分析機1Aが取得した各種データを処理する部分である。データ処理部7は、出力部71、入力部72、再検査判断部73を備えている。入力部72は、たとえばキーボードやマウスなどであり、検体数や分析項目などの各種情報を入力可能である。出力部71は、たとえばディスプレイパネルやプリンタなどであり、分析結果を含む分析内容や警報などの各種情報が出力可能である。たとえば、データ処理部7は、各分析機1Aで検出された試薬残量をもとに自動分析装置全体の試薬の残量を算出し、この算出結果を出力部71から出力する。
【0041】
再検査判断部73は、分析機1Aから入力する各種データを処理して再検査が必要な検体があるかどうか判断している。すなわち、分析機1Aの分析制御部11と検体供給ユニット4の移送制御部40とデータ処理部7の再検査判断部73とは、互いに同期がとられている。そして、移送制御部40からはたとえば識別コードリーダ46で読み取ったラックや検体に関する情報やどのラックが分注位置41a,41bにいるかなどの情報が分析制御部11および再検査判断部73に出力される。分析制御部11からは分析した各種データが該当するラックや検体の情報と対応づけて再検査判断部73に出力される。再検査判断部73は、入力する各種データに基づき、データ処理を行ってデータの異常値などから再検査が必要な検体を抽出して再検査の結果を示す再検査指示の情報を、該当するラックや検体の情報と対応付けて移送制御部40に出力する。移送制御部40は、再検査判断部73から入力する再検査指示に基づき、ラック搬送部44が該当するラック(再検対象ラック)を分注位置41bに搬送するように制御する。
【0042】
次に、移送制御部40のラック搬送の制御を図2、図4および図5を用いて説明する。まず、移送制御部40は、図2に示すように初検査を行う検体を保有する通常用ラック81a〜81jがラック投入部43に載置されると、ラックをラック搬送部44に供給するためにラック投入部43の搬送制御を行う(ステップS11)。すなわち、図5の(a)に示すように移送制御部40は、ラック投入部43が通常用ラック81a〜81jを1つずつラック投入位置43dに搬送し、ラック投入位置43dの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて、ラックをラック投入位置43dからラック搬送部44の搬送位置「11」に順次供給する制御を行う。移送制御部40は、このラック投入位置43dに搬送されたラックに対し、識別コードリーダ48を用いてラック側面に添付された識別コードを読み取り制御を行う(ステップS12)。この読み取られた識別コードの情報は、移送制御部40から分析機1Aやデータ処理部7に出力される。
【0043】
次に、移送制御部40は、ラック搬送部44に投入したラックの搬送位置を監視しつつ、ラック搬送部44の搬送制御を行う(ステップS13)。すなわち、図5の(a)に示すように移送制御部40は、ラック投入部43から搬送位置「11」に一番初めに供給されたラック81aをラック搬送部44が下流側の搬送位置「12」へ正方向に搬送を行う。その後、移送制御部40は、ラックを分注位置41aに搬送する制御を行う(ステップS14)。すなわち、図5の(a)に示すように移送制御部40は、分注位置41aの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてラック81aを搬送位置「12」から押し出して分注位置41aへ供給する制御を行う。移送制御部40は、ラック81aが分注位置41aに供給されたことを分析機1Aに報知しており、この報知により分析機1Aの分注動作が可能となる。
【0044】
このラック81aに保有された検体の分注が全て終了すると、分析機1Aは移送制御部40に分注終了を報知しており、この報知により移送制御部40は分注位置41aの内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてラック81aを分注位置41aから押し出して搬送位置「12」に供給する制御を行う(図5の(a)参照)。またこの分注の作業中に、二番目のラック81bはラック投入位置43dに搬送されて、このラック投入位置43dからラック搬送部44の搬送位置「11」に供給される。次に、搬送制御部40はラック搬送部44が搬送位置「12」、「11」に存在するラック81a,81bを下流側の分注後搬送部44cの搬送位置「13」、「12」に搬送する制御を行う。その後、移送制御部40は上記駆動手段42を用いて分注位置41aにラック81bを供給する制御を行い、分析機1Aによる分注動作を可能にする。このように移送制御部40は、図5の(b)に示すようにラック81a〜81jを1つずつラック投入部43からラック搬送部44に供給して、ラック搬送部44が分注位置41aでの分注が可能となるように搬送し、分注後は下流側の分注後搬送部44cへ搬送する制御を行う。
【0045】
ところで、データ処理部7は分注後の検体の再検査の有無を判断しており、その判断結果を移送制御部40に出力している。移送制御部40は入力する上記判断結果をもとに再検対象ラックがあるかどうか判断する(ステップS15)。ここで、再検対象ラックがある場合には(ステップS15:Yes)、移送制御部40はラック搬送部44(分注後搬送部44c)が再検対象ラックを分注位置41bに搬送する制御を行い(ステップS16)、再検対象ラックがない場合には(ステップS15:No)、移送制御部40はラック搬送部44(分注後搬送部44c)がラックを搬送方向下流側に搬送する制御を行い、ラック回収部45でのラック回収を可能にする(ステップS17)。
【0046】
すなわち、データ処理部7は検体の分注後にラック搬送部によって搬送されたラックが搬送位置「23」に到着するまでの時間で再検査の有無を判断しており、移送制御部4は、図5の(b)に示すように搬送位置「23」に到着したラックが再検対象ラックかどうか判断する。移送制御部40は搬送位置「23」に到着したラックが再検査の必要のない通常用ラックの場合には、図5の(c)に示すようにラック搬送部44(分注後搬送部44c)が通常用ラック81a〜81cを1つずつ搬送位置「24」に搬送する制御を行う。次に、移送制御部40は搬送位置「24」の内側に設けられた押し出し機構の駆動手段42を用いてラック81a〜81cを1つずつラック回収位置45bに搬送して、ラック回収部45にラック81a〜81cを回収させる制御を行う。
【0047】
また、データ処理部7から再検査の判断が下されたラック、この実施の形態1ではラック(再検対象ラック)81dがあると(図5の(c)の斜線部参照)、移送制御部40は図5の(d)に示すように再検対象ラック81dと以下に連なるラック81e〜81jとをラック搬送部44が搬送方向の下流側から上流側へ逆方向に搬送して、再検対象ラック81dを搬送位置「13」に移動する制御を行う。なお、この搬送に伴いラック81e〜81jは、分注前搬送部44bの搬送位置「12」〜「7」に移動する。次に、移送制御部40は分注位置41aの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて再検対象ラック81dを搬送位置「13」から押し出して分注位置41bに供給する制御を行う。移送制御部40は、ラック81aが分注位置41bに供給されたことを分析機1Aに報知しており、この報知により分析機1Aの分注動作が可能となる。
【0048】
次に、移送制御部4は、分析機1Aによる分析が終了すると、分注位置41bの内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて再検対象ラック81dを分注位置41bから押し出して搬送位置「13」に供給する制御を行う。次に、移送制御部4は、ラック搬送部44が再び下流側の分注後搬送部44cへ搬送する制御を行い、さらに再検対象ラックがない場合に、搬送位置「24」の内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてラック81dを搬送位置「24」から押し出してラック回収位置45bに供給する制御を行って、ラック回収部45へのラックの回収を可能にする。
【0049】
このように、この実施の形態1では、ラック搬送部を搬送方向の正逆双方に搬送可能とするとともに、このラック搬送部をラックの分注後再検査の結果が出力されるまでの時間、ラックを搬送する長さの2倍を超えた長さに構成し、移送制御部の制御によって分注後のラックを分注位置下流側へ正方向にラック搬送部が搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合には、ラック搬送部がラックを下流側から分注位置へ逆方向に搬送して検体の分注を可能とするので、再検査が必要な検体が発生するとたとえば戻り用のレーンを別に設けなくても、ラック搬送部が再検査用の検体を保有するラックを下流側から分注位置へ直ちに搬送することができ、これにより簡易な構成で再検査が必要な検体を迅速に分注位置に搬送して分析することができる。
【0050】
また、この実施の形態1では、分注位置近傍の上流側の搬送位置と一列につらなるようにラック投入位置を設けたので、ラック搬送時において分注前搬送部上には最大でも上記搬送位置に供給された1つのラックしか存在しないので、分注前搬送部を分注後搬送部より少なくともラック1つ分長く構成しておけば、再検査が必要なラックがラック搬送部上に存在する場合に、分注後搬送部に一時保持されるラックを分注前搬送部へ容易に搬送することが可能となる。
【0051】
(実施の形態2)
次に、図6〜図10を参照し、実施の形態2にかかる自動分析装置の構成を説明する。図6は本発明の実施の形態2にかかる分析機の平面図であり、図7は本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置の制御系の構成を示すブロック図であり、図8は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置のラックの搬送動作を説明するフローチャートであり、図9、図10は検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【0052】
この実施の形態2において、実施の形態1と異なる点は、図6および図7に示すように、ラック投入部43のラック投入位置43dの上流側に通常用ラックを一時保持する通常搬送部43bとラック投入部43のラック投入位置43dの下流側に緊急用ラックを一時保持する緊急搬送部43cとを備え、ラック投入部43がラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、緊急搬送部43cでの緊急用ラックの有無を検出するラック検出部49を備えた点である。
【0053】
また、移送制御部40はラック検出部49の検出結果から緊急用ラックの有無を判断しており、緊急用ラックが緊急搬送部43c上にない場合には、通常用ラックを通常搬送部43bの上流側からラック投入位置43dへ正方向にラック投入部43が搬送し、緊急用ラックが緊急搬送部43c上にある場合には、緊急用ラックを緊急搬送部43cの下流側からこのラック投入位置43dへ逆方向にラック投入部43が搬送するように制御を行う点で異なる。
【0054】
次に、図6、図8〜図10を用いて移送制御部40のラック搬送の制御を説明する。この実施の形態2におけるステップS21〜S23は、実施の形態1のステップS11〜S13と同様の動作である。すなわち、移送制御部40は、ラック投入部43、押し出し機構の駆動手段42を制御して、通常用ラック81a〜81jをラック投入位置43dに搬送し、ラック投入位置43dから搬送位置「11」に順次供給する。次に、移送制御部40は、識別コードリーダ48によるラック側面の識別コードの読み込み制御およびラック搬送部44によるラックの搬送制御を行い、さらに割り込みラック(緊急用ラック)があるかどうか判断する(ステップS24)。
【0055】
ここで、移送制御部40は緊急用ラックがない場合には(ステップS24:No)、ラック搬送部44が通常用ラックを分注位置41aに搬送する制御を行い(ステップS25)、再検対象ラックがあるかどうか判断する(ステップS26)。また移送制御部40は、緊急用ラックがある場合には(ステップS24:Yes)、ラック搬送部44が緊急用ラックを分注位置41dに搬送する制御を行う(ステップS27)。
【0056】
すなわち、ラック検出部49はたとえば図6に示すように通常用ラック81bが搬送位置「11」に供給された後に、緊急用ラック81x,81yが図6中に斜線で示した緊急搬送部43cに載置されると、この緊急用ラックを検出し、移送制御部44に緊急用ラック81x,81yの検出を順次知らせる。移送制御部40は、この知らせから緊急用ラックによる割り込みが発生したことを認識して、緊急用ラック81x,81yを緊急搬送部43cの下流側からラック投入位置43dへ逆方向に順次搬送するようにラック投入部43の制御を行う。この制御により、緊急用ラック81x,81yはラック搬送部44上の通常用ラック81bの後に順次供給される(図9の(a),(b)参照)。なお、実施の形態1と同様、ラック投入位置43dでは、識別コードリーダ48によって緊急用ラックの側面に添付された識別コードが読み取られて分析機1Aやデータ処理部7に出力される。また、この時点で分析機1Aによる通常用ラック81aの検体の分注は中止され、通常用ラック81aは緊急用ラックの分注が終了するまで分注を延期して分注位置41a上に待機される。
【0057】
次に、移送制御部40は、図9の(b)に示すように、緊急用ラック81xを搬送位置「13」へ正方向に搬送させ、そして分注位置41bの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてラック81xを搬送位置「13」から押し出して分注位置41bに供給する。移送制御部40は、緊急用ラック81xが分注位置41bに供給されたことを分析機1Aに報知しており、この報知により分析機1Aの分注動作が可能となる。
【0058】
次に、移送制御部40は緊急用ラック81xに保有された検体の分注が全て終了すると、分注位置41bの内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて緊急用ラック81xを分注位置41bから押し出して搬送位置「13」に供給する。その後、移送制御部40はラック81b,81x,81yを下流側の分注後搬送部44cの搬送位置「15」〜「13」に搬送させて、上記駆動手段42を用いて、分注位置41bに緊急用ラック81yを供給して、分析機1Aの分注動作を可能にする。分注終了後は緊急用ラックを搬送位置「13」に戻す。またその後緊急用ラックがラック検出部49によって検出されない場合には通常用ラック81aに保有されている検体の分注を行う(図9の(c)参照)。
【0059】
次に、移送制御部40は分析機1Aによる通常用ラック81aの分注が全て終了すると、通常用ラック81bを搬送位置「12」へ逆方向に搬送し、分注位置41aへ供給して検体の分注を行う(図10の(d)参照)。さらに、移送制御部40はこの分注の際にラック81x、81y、81aを搬送位置「11」〜「9」から搬送位置「15」〜「13」へ正方向に搬送し、通常用ラック81cをラック投入部43から搬送位置「11」へ供給することで(図10の(e)参照)、ラックが分注を行った順番、たとえば緊急用ラック81x,82y、通常用ラック81a〜81jの順に配列されるようにして、分析機1Aによる以降のラック81c〜81jの検体の分注を可能にする。
【0060】
分注後は各ラックを下流側の分注後搬送部44cへ搬送しており、これ以降の再検対象ラックの分注位置41bへの搬送からラック回収までの搬送制御動作(ステップS26,S28,S29)は、実施の形態1の図4のステップS15〜S17および図5と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0061】
このように、この実施の形態2では、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。また、この実施の形態2では、ラック投入部がラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、ラック投入位置の下流側に緊急用ラックを一時保持する緊急搬送部とラック投入部の上流側に通常用ラックを一時保持する通常搬送部とを備え、ラック検出部が緊急搬送部に緊急用ラックが載置されたことを検出すると、緊急用ラックを緊急搬送部の下流側からこのラック投入位置へ逆方向にラック投入部が搬送するように移送制御部によって制御を行うので、割り込み用のレーンなどを別に設ける必要がなく、ラック搬送部に投入される通常用ラックに対して緊急用検体を保有する緊急用ラックを割り込ませてラック搬送部に投入することができ、これにより簡易な構成で緊急に検査が必要な検体を迅速に分注位置に搬送して分析することができる。
【0062】
なお、この実施の形態2では、ラック投入部43の通常搬送部43bと緊急搬送部43cとを1つのベルトコンベアで構成する場合について説明したが,本発明はこれに限らず、通常搬送部43bと緊急搬送部43cとを別々のベルトコンベアで構成し、通常搬送部43bを上流側からラック投入位置へ正方向に搬送制御し、これとは別に独立して動作(ただし同期はとって動作)する緊急搬送部43cを下流側からラック投入位置へ逆方向に搬送制御して,それぞれのラックを別々にラック搬送部44へ移送させることも可能である。この実施の形態2では、移送制御部は通常搬送部にバッファ用の空き領域がなくても、緊急用ラックを緊急搬送部43bからラック搬送部へ移送することができる。
【0063】
また図11は、実施の形態2の変形例1の検体供給ユニットを示す図である。図11は、ラック投入部43をラック搬送部44の近傍に、ラック回収部45をラック投入部43の近傍にそれぞれ並設した場合を示すものであり、この変形例1の場合には、ラック投入部43の緊急搬送部43cの長さを長くすることができるので、緊緊急搬送部への急用ラックの搭載数を増加することができる。
【0064】
(実施の形態3)
次に、図12〜図16を参照し、実施の形態3にかかる検体供給ユニットの構成を説明する。図12〜図16は、実施の形態3の検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。この実施の形態3において、実施の形態2と異なる点は、ラック搬送部44およびラック回収部45が検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間にラックが搬送される長さを超える長さ、この実施の形態3ではたとえば搬送位置「15」〜「5」の長さに相当する長さをそれぞれ有している点である。
【0065】
また、移送制御部40はラック投入部43から投入された通常用ラックを分注位置41aと対応する位置から下流側へと正方向にラック搬送部44が搬送し、検体の再検対象ラックが存在する場合に、ラック回収部45のラック戻り位置45cから再検対象ラックを取り込み、この再検対象ラックをラック搬送部44の下流側から分注位置と対応する位置へ逆方向にラック搬送部44が搬送するように制御を行う点が異なる。
【0066】
さらに、ラック搬送部44の分注位置41aとラック投入部のラック投入位置43dとは一列につらなるようにラック搬送部の上流端近傍に設けられている。この実施の形態3では、たとえば搬送位置「4」を介在して分注位置41aとラック投入位置43dとを一列につらなるように配設している。そして、ラック投入位置43dの外側に設けられた駆動手段42を有した押し出し機構によってラックをラック投入位置43dから1つずつ送り出して、分注位置41aに搬送している。なお、この分注位置41aとラック投入位置43dとは、ラック搬送部44の上流端、たとえば搬送位置「1」を介在して一列につらなるように設けることも可能である。
【0067】
また、ラック回収位置45bは、分注位置41b近傍の下流側に設けられている。この実施の形態3では、ラック回収位置45bは、たとえば分注位置近傍の搬送位置「6」と一列につらなって設けられ、搬送位置「6」の内側に設けられた駆動手段42を有した押し出し機構によってラックを1つずつ搬送位置「6」から送り出してラック回収部45のラック回収位置45bに搬送している。なお、このラック回収位置45bは、ラック搬送部44の分注位置41bと、たとえば搬送位置「5」を介在して一列につらなるように設けることも可能である。
【0068】
またラック回収部45には、回収したラックのうちの再検対象ラックをラック搬送部44に戻すためのラック戻し位置45cが設けられている。このラック戻し位置45cは、検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラック回収位置で回収されたラックが搬送される長さを超えた長さの位置、この実施の形態3ではラック搬送部44の搬送位置「15」と一列につらなった位置に設けられている。そして、ラック戻し位置45cの外側に設けられた駆動手段42を有した押し出し機構によって再検対象ラックを1つずつ送り出してラック搬送部44の搬送位置「15」に搬送している。
【0069】
この検体供給ユニットにおける移送制御部40は、ラック投入位置43dの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてこのラック投入位置43dからラック搬送部44の搬送位置「4」を介して分注位置41aにラックを1つずつ供給して、検体分注部6による検体の分注を可能にする。
【0070】
次に、この実施の形態3では、通常用ラック81aと81bの搬送制御の一例を図12〜図16を用いて説明する。移送制御部40は図12の(b)に示すように、ラック投入部43の搬送制御を行って通常用ラック81a,81bを1つずつラック投入位置43dに搬送させる。次に、移送制御部40はラック投入位置43dの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてこのラック投入位置43dからラック搬送部44の位置「4」を介して、分注位置41aに通常用ラック81aを供給する制御を行い、この制御によって分析機1Aの分注動作が可能になる。
【0071】
その後、分析機1Aによるラック81aに保有された検体の分注が全て終了すると、移送制御部40は分注位置41aの内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて通常用ラック81aを分注位置41aから押し出して搬送位置「4」に供給する制御を行う。次に、移送制御部40は図13の(c)に示すようにラック搬送部44の搬送制御を行って通常用ラック81aを搬送位置「4」から搬送位置「5」に搬送させる。さらに、移送制御部40はラック投入部43の搬送制御を行って通常用ラック81bをラック投入位置43dに搬送し、ラック投入位置43dの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてこのラック投入位置43dからラック搬送部44の位置「4」を介して、分注位置41aに通常用ラック81bを供給する制御を行う。
【0072】
その後、分析機1Aによる通常用ラック81bに保有された検体の分注が全て終了すると、移送制御部40は分注位置41aの内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてラック81bを分注位置41aから押し出して搬送位置「4」に供給する制御を行う。次に、移送制御部40はラック搬送部44が通常用ラック81a,81bを搬送位置「5」、「4」から搬送位置「6」、「5」に搬送し、搬送位置「6」の内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて通常用ラック81aを搬送位置「6」からラック回収位置45bに供給する制御を行う。次に、移送制御部40は、ラック搬送部44が通常用ラック81bを搬送位置「5」から搬送位置「6」に搬送するように制御する。さらに、移送制御部40はラック回収部45が通常用ラック81aを1つ下流側に搬送する制御を行って、通常用ラック81bの回収を可能にする。
【0073】
次に、緊急用ラックの割り込み制御について図14、図15を用いて説明する。図14の(a)において、通常用ラック81aが分注位置41aに供給された後に緊急用ラック81x,81yがラック投入部43に載置されると、ラック検出部49がこれを検出し、移送制御部40は緊急用ラックによる割り込みが発生したことを認識して、緊急用ラック81x,81yをラック投入位置43dへ逆方向に順次搬送するようにラック投入部43の制御を行う。即ち、先ずラック投入位置43dの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてこのラック投入位置43dからラック搬送部44の位置「4」に緊急用ラック81xを供給する制御を行う。
【0074】
次に、移送制御部40は、図14の(b)に示すようにラック搬送部44を搬送制御して緊急用ラック81xを搬送位置「4」から搬送位置「5」に搬送させる。さらに、移送制御部40はラック投入部43の搬送制御を行って緊急用ラック81yをラック投入位置43dに搬送させる。
【0075】
次に、移送制御部40は図15の(c)に示すように、搬送位置「5」の外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて緊急用ラック81xを搬送位置「5」から送り出して分注位置41bに供給する。さらに、移送制御部40はラック投入位置43dの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いてこのラック投入位置43dからラック搬送部44の位置「4」に緊急用ラック81yを供給する制御を行う。
【0076】
その後、分析機1Aによる緊急用ラック81xに保有された検体の分注が全て終了すると、移送制御部40は分注位置41bの内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて緊急用ラック81xを分注位置41bから押し出して搬送位置「5」に供給する制御を行う。次に、移送制御部40はラック搬送部44が緊急用ラック81x,81yを搬送位置「5」、「4」から搬送位置「6」、「5」に搬送し、搬送位置「6」の内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて緊急用ラック81xを搬送位置「6」からラック回収位置45bに供給する制御を行う。さらに、移送制御部40は搬送位置「5」の外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて緊急用ラック81yを搬送位置「5」から分注位置41bに供給する制御を行う。
【0077】
その後、分析機1Aによる緊急用ラック81yに保有された検体の分注が全て終了すると、移送制御部40は分注位置41bの内側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて緊急用ラック81yを分注位置41bから押し出して搬送位置「5」に供給する制御を行う。この後は分析機1Aによる通常用ラック81aの検体の分注を行い、移送制御部40は図12、図13と同様のラック搬送部44の搬送制御を行って、緊急用ラック81x,81y、通常用ラック81a,81bの順でラックを搬送してラック回収部45への供給を可能にする。
【0078】
次に、再検査用の検体が生じた場合の搬送制御について図16を用いて説明する。通常用ラック81a〜81lは、移送制御部40の搬送制御によって図12と同様にラック投入部43のラック投入位置43dから分注位置41aに供給される。この分注後、移送制御部40は搬送位置「6」からラック回収位置45bを経て、ラック回収部45に回収させるようにラック搬送部44およびラック回収部45の搬送制御を行う。次に、移送制御部40はデータ処理部7から図16の(a)に示すように回収後ラック戻し位置45cの前段の搬送位置に到着したラック81aの再検査の判断結果を取り込んでいる。ここでラック、この実施の形態3ではラック81aが再検査の必要のない場合には、移送制御部40は通常用ラックをラック戻し位置45cの下流側のラック回収位置に搬送して、通常用ラックを回収させるようにラックラック回収部45を制御する。
【0079】
また、データ処理部7から再検査の判断が下されラック81aが再検査の必要があると判断された場合には、移送制御部40はラック回収部45の搬送制御を行い、図16の(b)に示すように再検対象ラック81aをラック戻し位置45cに搬送して、ラック戻し位置45cの外側に設けた押し出し機構の駆動手段42を用いて再検対象ラック81aをラック戻し位置45cから押し出して搬送位置「15」に供給する制御を行う。なお、図16の(a)に示すように通常用ラック81aの再検査の判断結果が下された際には、ラック搬送部44上には通常用ラック81i,81jが存在するが、上記判断結果が下される時に通常用ラック81iは、搬送位置「6」の内側に設けた押し出し機構の駆動手段42によってラック回収位置45bに供給される。また通常用ラック81jは、図16の(b)に示すように再検対象ラック81aをラック戻し位置45cから押し出して搬送位置「15」に供給する時に、上記駆動手段42によって搬送位置「6」からラック回収位置45bに供給され、ラック搬送部44上には再検対象ラック81aのみが存在することとなる。
【0080】
したがって、移送制御部40はラック搬送部44を搬送制御して再検対象ラック81aを下流側の搬送位置「15」から上流側の搬送位置「5」へ逆方向に搬送し、駆動手段42を用いて再検対象ラック81aを分注位置41bに供給して、分析機1Aによる検体の分注を可能にする。この分注後、移送制御部40は搬送位置「6」の内側に設けた押し出し機構の駆動手段42によって再検対象ラック81aを他の通常用ラックと同様に搬送位置「6」からラック回収位置45bに供給する制御を行う。
【0081】
このように、この実施の形態3では、ラック搬送部およびラック回収部が検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間にラックが搬送される長さを超える長さを有し、分注位置の下流側に配置されたラック回収部で検体分注後のラックを回収するとともに、この回収されたラックのうちで再検査用の検体を保有する再検対象ラックをラック回収部のラック戻し位置からラック搬送部へ戻し、下流側から分注位置へ再検対象ラックを逆方向に搬送することができるので、再検査が必要な検体が発生するとこの再検査用の検体を保有するラックのみを下流側から分注位置へ直ちに搬送することができ、これにより簡易な構成で再検査が必要な検体を迅速に分注位置に搬送して分析することができる。
【0082】
また、この実施の形態3では、分注位置とラック投入部のラック投入位置とを一列につらなるようにラック搬送部の上流端近傍に設け、ラック回収位置を分注位置近傍の下流側に設けたので、分注後のラックはラック回収位置からラック回収部に直ちに回収されてラック搬送部には存在しない状態となり、再検査が必要な検体が発生するとこの再検査用の検体を保有するラックのみを下流側から分注位置へ直ちに搬送することができ、これにより再検査が必要な検体を迅速に分注位置に搬送して分析することができる。
【0083】
(実施の形態4)
この実施の形態4は、ラック搬送部44から分析機1Aにラックを引き込む分注位置を設けずに、移送制御部40がラック搬送部44の搬送制御を行い、ラック搬送部44がラック81に保有された検体を搬送方向の正逆双方に搬送してラック搬送部44上でラック81に保有された検体を分注するものである。図17は、分析機1Aの反応部3とラック搬送部44とアーム61との関係を示す平面図である。図17において、アーム61は、駆動手段(図示せず)の駆動による中心軸61aの上下移動によって上下方向に移動する。プローブ62は、検体を分注するものであり、アーム61の先端部に取り付けられている。そして、中心軸61aを中心としたアーム61の先端部の位置移動および上下移動によってプローブ62を円弧移動させ、このプローブの円弧状の軌跡上にあるラック81の検体容器82の一つが交差するラック搬送部44上のラック位置を分注箇所とする。そして、この実施の形態4では、ラック81の全ての検体容器82a〜82jについて分注箇所P1〜P10を設ける。
【0084】
このアーム61は、ラック搬送部44に搬送されるラック81が中心軸61aに最も近づいた時に、中心軸61aから一番遠くに位置するラック81の検体容器82jがプローブ62の軌跡上にある長さに設定されている。また、このアーム61はプローブ62の軌跡上に存在する反応部3のケースの開口孔3aに、分注箇所で分注した検体を搬送している。したがって、この実施の形態4ではアーム61が反応部3のケースの開口孔3aを軌跡の基点にした略1/4周のプローブ62の軌跡上に、ラックに保有されている全ての検体容器82a〜82jの分注箇所P1〜P10を設けることができ、これにより検体容器内の検体を各分注箇所で分注することが可能となる。
【0085】
また、次の略1/4周のプローブ62の軌跡上には、ラック搬送部44上の再検対象ラックに保有される検体容器82の一つが交差するラック位置を再検査用分注箇所とし、再検対象ラックの全ての検体容器82a〜82jについて再検査用分注箇所P11〜P20を設けることができる。
【0086】
ラック搬送部44は、実施の形態1と同様に分注前搬送部44bと再検バッファの機能を有する分注後搬送部44cとを備え、分注後搬送部44cは検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間にラックが搬送される長さを有し、搬送する分注後のラック81を順次保持している。そして、再検査の必要な検体が発生すると、移送制御部40はラック搬送部44を制御して再検査用の検体を保有するラック81を再検査用分注箇所P20(この実施の形態4では最後の分注箇所P10と同じ分注箇所)まで逆方向に搬送させて検体の分注を可能にする。なお、最後の分注箇所P10と再検査用分注箇所P20とは座標軸上では同じ箇所であるが、この実施の形態4では便宜上異なる付号を付記する。
【0087】
次に、ラック搬送部44によるラック81の搬送動作を図18〜図21の図面を用いて説明する。まず図18の(a)において、移送制御部40がラック搬送部44を搬送制御して、ラック81を第1の検体容器82aから検体を分注する分注箇所P1に搬送させると、プローブ62が第1の検体容器82aと交差する位置に移動して検体容器82a内の検体を吸引して分注を行う。次に、プローブ62は反応部3の開口孔3aに吸引した検体を注入する。ラック搬送部44は、プローブ62による反応部3への上記検体の注入動作の間に、図18の(b)に示すようにラック81を分注箇所P1からd1距離離れた分注箇所P2に搬送する。そして、上記検体の注入動作が終了すると、ラック搬送部はプローブ62を第2の検体容器82bと交差する位置に移動させて、プローブ62による検体容器82b内の検体の分注を行い、その吸引した検体を反応部3の開口孔3aに注入する。ラック搬送部44は、プローブ62による反応部3への上記検体の注入動作の間に、図18の(c)に示すようにラック81を分注箇所P1からd2距離離れた分注箇所P3に搬送する。そして、上記検体の注入動作が終了すると、プローブ62は第2の検体容器82bと交差する位置に移動して検体容器82b内の検体の分注を行い、その吸引した検体を反応部3の開口孔3aに注入する。そして、移送制御部40は図19の(d)〜図21の(j)に示すように、ラック搬送部44を搬送制御して、分注箇所P1からd3距離離れた分注箇所P4、d4距離離れた分注箇所P5、d5距離離れた分注箇所P6、d6距離離れた分注箇所P7、d7距離離れた分注箇所P8、d8距離離れた分注箇所P9、d9距離離れた分注箇所P10にラック81を順次搬送する。プローブ62は分注箇所P4〜P10に位置する所定の第4〜第10の検体容器82d〜82j内の検体の吸引を行い、その吸引した検体を反応部3の開口孔3aに注入する。最初の分注箇所P1からd9距離離れた分注箇所P10でプローブ62による全ての分注が終了すると、移送制御部40はラック搬送部44を搬送制御して、ラック81を分注後搬送部44cに一時保持させて搬送方向下流側に搬送する。
【0088】
次に、移送制御部40は分注後のラック81のうちで再検査が必要な検体が発生して上述した分析機1Aによる通常の検体検査が停止すると、ラック搬送部44が下流側から上流側に逆方向に搬送して、再検対象ラック81を再検査用分注箇所P11に到達する制御を行う。その後、プローブ62は第1の検体容器82aと交差する位置(再検査用分注箇所P11)に移動して第1の検体容器82a内の検体を吸引して分注を行うことが可能となる。次に、プローブ62は反応部3の開口孔3aに吸引した検体を注入する。
【0089】
次に、移送制御部40はラック搬送部44がラック81を再検査用分注箇所P11からd1距離離れた再検査用分注箇所P12(図示せず)に搬送する制御を行う。次に、分析機1Aによる第2の検体容器82b内の検体の注入動作が終了する。これと同様に、分析機1Aによる検体容器82内の検体の注入動作が終了するたびに、移送制御部40はラック搬送部44が各再検査用分注箇所P13〜P20にラック81を順次搬送する制御を行う。その後、プローブ62は再検査用分注箇所P13〜P20に位置する所定の第3〜第10の検体容器82d〜82j内の検体の吸引を順次行い、その吸引した検体を反応部3の開口孔3aに注入する。次に、分析機1Aによる再検査用分注箇所P20でプローブ62による全ての分注が終了すると、移送制御部40はラック搬送部44を搬送制御して逆方向の搬送を停止してラック搬送部44を上流側から下流側に正方向に搬送して、通常の検体検査の再開を可能とする。
【0090】
このように、この実施の形態4では、プローブの軌跡上にあるラックに保有される各検体容器が交差するラック搬送部上のラック位置を分注箇所とし、ラックの全ての検体容器について分注箇所を設け、移送制御部の制御によって分注後のラックを分注後搬送部下流側へ正方向に搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合には、ラック搬送部がラックを下流側から再検査用分注箇所へ逆方向に搬送し再検査のための分注動作を可能とするので、ラック引き込み用の分注位置を設ける必要がなくなり、この分注位置へのラック引き込みや引き出しのための搬送時間が削減され、簡易な構成で検体の検査や再検査をさらに迅速に行って検体を分析することができる。
【0091】
また、この実施の形態4では、プローブの軌跡上に各検体の分注箇所および再検査用分注箇所を設けたので、分注動作を行う際のラックの搬送距離が短縮されて、検査を行う検体をさらに迅速に分注箇所に搬送して分析することができる。また、この実施の形態4では、1本のラックに保有された各検体に対する分注が途中までしか完了してない段階でも、再検査の検体が発生した場合には、ラックを逆方向に搬送させて再検対象ラックを再検査用分注箇所まで搬送することができるので、ラックに保有された各検体に対する分注が途中でも、割り込んで再検査のための分注動作を行うことができ、再検査のための分注動作終了後、再び通常の検査のための分注動作を再開することが可能となり、自動分析装置の汎用性を高めることが可能となる。
【0092】
また図22は、実施の形態4の変形例にかかる平面図であり、この変形例ではアーム61の長さを実施の形態4のアームよりも長く構成した点に特徴がある。このようにアームを長くすることにより、図22に示すように各検体容器の分注箇所間および再検査用分注箇所間の搬送距離dが、実施の形態4の場合における各検体容器の分注箇所間および再検査用分注箇所間の搬送距離d9よりも短くなるので、プローブ62の移動距離が短くなり分注動作の時間を短くすることができて、簡易な構成でさらに迅速に検体を分析することができる。さらに、この変形例では、たとえば再検査時の逆方向へのラックの搬送により分注後搬送部に存在するラックを分注前搬送部に待避させるが、その待避させなければならないラックの本数が少なくなり、分注前搬送部44bの長さを短くすることも可能である。
【0093】
また、この変形例では、アームの長さによっては再検用バッファ(分注後搬送部)の下流側にまで再検査用分注箇所を設けることが可能となるので、再検査用の検体が発生した場合に再検対象ラックを正方向に搬送させた状態で分注動作を行うことが可能となって、再検査用検体の分注のためにラックを逆方向へ搬送する必要がなくなり、検体の再検査をさらに迅速に行って検体を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明にかかる自動分析装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる分析機の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置のラックの搬送動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる分析機の平面図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図9】同じく、ラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置のラックの搬送動作を説明するフローチャートである。
【図11】実施の形態2の検体供給ユニットの変形例1の検体供給ユニットを示す図である。
【図12】実施の形態3の検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図13】同じく、実施の形態3の検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図14】同じく、実施の形態3の検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図15】同じく、実施の形態3の検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図16】同じく、実施の形態3の検体供給ユニットによってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図17】分析機の反応部とラック搬送部とアームとの関係を示す実施の形態4にかかる平面図である。
【図18】ラック搬送部によってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図19】同じく、ラック搬送部によってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図20】同じく、ラック搬送部によってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図21】同じく、ラック搬送部によってラックが搬送される状態を説明するための図である。
【図22】分析機の反応部とラック搬送部とアームとの関係を示す実施の形態4の変形例にかかる平面図である。
【符号の説明】
【0095】
1 自動分析装置
1A〜1C 分析機
2 試薬格納部
3 反応部
4 検体供給ユニット
40 移送制御部
41a,41b 分注位置
43 ラック投入部
43d ラック投入位置
44 ラック搬送部
45 ラック回収部
45b ラック回収位置
45c ラック戻し位置
46 識別コードリーダ
49 ラック検出部
5 試薬分注部
6 検体分注部
61 アーム
62 プローブ
7 データ処理部
73 再検査判断部
81,81a〜81j,81x,81y ラック
82,82a〜82j 検体容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬とラックに保有された検体とを反応させた検液を分析する分析機を有する自動分析装置において、
前記ラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラックが搬送される長さの2倍を超えた長さを有するラック搬送部と、
前記ラック搬送部の分注位置上流側に配置し、前記ラックを一時保持して該分注位置に搬送可能なように前記ラック搬送部に投入するラック投入部と、
前記ラック搬送部の分注位置下流側に配置し、検体分注後の前記ラックを回収するラック回収部と、
前記ラック投入部から投入された前記ラックを前記上流側から前記分注位置へ正方向に前記ラック搬送部が搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合に、該ラックを前記下流側から前記分注位置へ逆方向に前記ラック搬送部が搬送するように制御を行う移送制御部と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
試薬とラックに保有された検体とを反応させた検液を分析する分析機を有する自動分析装置において、
前記ラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラックが搬送される長さを超えた長さを有するラック搬送部と、
前記ラック搬送部の分注位置上流側に配置し、前記ラックを一時保持して該分注位置に搬送可能なように前記ラック搬送部に投入するラック投入部と、
前記ラック搬送部の分注位置下流側に配置し、検体分注後の前記ラックを回収するとともに、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラックを搬送する長さを超えた長さを有するラック回収部と、
前記ラック投入部から投入された前記ラックを前記上流側から前記分注位置へ正方向に前記ラック搬送部が搬送し、検体の再検査が必要なラックが存在する場合に、前記ラック回収部から取り込んだ前記再検査が必要なラックを前記下流側から前記分注位置へ逆方向に前記ラック搬送部が搬送するように制御を行う移送制御部と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
前記ラック投入部と前記ラック回収部とは、前記ラック搬送部に並設されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記ラック投入部に緊急検査用検体を保有する緊急用ラックが載置されたことを検出する検出部を、
備え、前記ラック投入部は、前記ラックを搬送方向の正逆双方に搬送可能にするとともに、前記ラック搬送部へラックを投入するラック投入位置上流側に通常検査用検体を保有する通常用ラックを一時保持し、前記ラック投入位置下流側に前記緊急用ラックを一時保持しており、
前記移送制御部は、前記検出部で前記緊急用ラックが検出されない場合、前記通常用ラックを前記上流側から前記ラック投入位置へ正方向に前記ラック投入部が搬送し、前記検出部で前記緊急用ラックが検出された場合、前記緊急用ラックを前記下流側から前記ラック投入位置へ逆方向に前記ラック投入部が搬送するように制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記分注位置と前記ラック投入位置とは、一列につらなるように前記ラック搬送部の上流端または該上流端近傍に設けられ、
前記ラック回収部は、前記ラック搬送部から前記ラックを回収する前記ラック回収部のラック回収位置と、前記回収したラックを前記ラック搬送部に戻すラック戻し位置とを有し、
前記ラック回収位置は前記ラック搬送部の前記分注位置と一列につらなるように設けられ、または前記分注位置近傍の下流側に設けられ、
前記ラック戻し位置は、前記検体の分注後再検査の結果が出力されるまでの時間に前記ラック回収位置から前記回収したラックが搬送される長さを超えた長さの位置に設けられることを特徴とする請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
ラックに保有された検体を分注し分析する自動分析装置において、
前記ラックを分注対応位置からラック回収のための位置へ搬送するとともに前記搬送方向とは逆の方向へも搬送させることを可能としたラック搬送ラインと、
前記ラック搬送ラインへ前記ラックを供給するラック投入ラインと、
前記ラック搬送ラインにおけるラック回収のための位置から前記ラックを回収するラック回収ラインと、
前記ラック搬送ラインにおける分注対応位置からラック回収のための位置までの搬送時間を、分注された検体が再検査が必要か否かを判定するまでに必要な時間以上となるように設定し、前記再検査が必要なラックが存在した際には前記ラック搬送ラインに前記逆方向の搬送動作をさせることにより当該検体が保有されたラックを前記分注対応位置へ再度位置させるようにしたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
前記分注対応位置は、通常検査用ラックから検体を分注する第1の分注位置と、前記再検査が必要と判定されたラックから検体を分注する第2の分注位置とからなることを特徴とする請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記ラック投入ラインに隣接して更に緊急検査用ラック収納部が設けられており、前記第2の分注位置は当該緊急検査用ラックからの検体も分注することを特徴とする請求項7に記載の自動分析装置。
【請求項9】
ラックに保有された検体を所定の分注位置に位置したラックから分注し分析する自動分析装置において、
前記ラックを一方向へ搬送動作するとともに、他方向への搬送動作も可能なラック搬送ラインと、
前記ラック搬送ラインへ前記ラックを供給するラック投入ラインと、
前記ラック搬送ラインから分注動作後のラックを受け取る分注済みラック受取部と再検査が必要とされたラックを搬送ラインへ戻すためのラック戻し部とを有し、分注済みラックを前記分注済みラック受取部から前記ラック戻し部を経てラック回収位置まで搬送するラック回収ラインと、
前記ラック回収ラインにおける分注済みラック受取部から前記ラック戻し部までのラック搬送時間を、検体の分注から再検査が必要か否かを判定するまでに必要な時間以上となるように設定し、前記再検査が必要なラックが存在した際には該ラックを前記ラック戻し部から前記ラック搬送ラインへ戻し、該ラック搬送ラインに前記他方向の搬送動作をさせることにより当該ラックを前記分注位置に対応する位置へ位置させるようにしたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−3010(P2008−3010A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174464(P2006−174464)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】