説明

自動車のモールとフレーム構造

【課題】本発明は、車体パネルと窓ガラス本体との隙間部分寸法が増加したとき、ガラス側モールとパネル側モールとの重複部分の接触圧力の低下を抑え、車両走行時のモール部分の異音発生を抑制する。
【解決手段】本発明に係る自動車のモールとフレーム構造は、自動車の窓ガラス本体22のガラス側モール25と、車体パネル32のパネル側モール35と、フレーム153とを備え、窓ガラス本体22と車体パネル32との隙間部分Sにおいてガラス側モール25とパネル側モール35が重ねられて隙間部分Sがシールされる構成の自動車のモールとフレーム構造であって、フレーム153には、車体パネル32と窓ガラス本体22との隙間部分Sの寸法が増加する際、その窓ガラス本体22から離れる方向に変位するパネル側モール35をガラス側モール25に対して押し付ける方向に弾性変形させるフレーム変形部153tが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓ガラス本体の周縁に接合されたガラス側モールと、車体パネルの周縁に接合されたパネル側モールと、車体の骨組みを構成しており、前記窓ガラス本体と前記車体パネルとを支えるフレームとを備え、前記ガラス側モールと前記パネル側モールとにより前記窓ガラス本体と前記車体パネル間がシールされる構成の自動車のモールとフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の窓ガラス取付け部分のモールとフレーム構造に関する技術が特許文献1に記載されている。
前記自動車では、図5に示すように、車体パネル120の窓ガラス取付け部分に角形の窪み部122が形成されており、その窪み部122の中央位置に、窓用開口124が形成されている。なお、図5は前記窪み部122の一辺を垂直に切った断面図である。
そして、車体パネル120の窪み部122の内側に窓ガラス100が窓用開口124と平行に嵌め込まれている。窓ガラス100は、ガラス本体102と、そのガラス本体102の周縁に接合されたモール110とから構成されており、前記ガラス本体102の裏側周縁の全周がダムラバー103及びシーラント104によって窓用開口124の周縁に固定されている。
【0003】
窓ガラス100のモール110は、ガラス本体102に接合される接合部112と、車体パネル120の窪み部122の壁面122wに面接触するシール部114と、その窪み部122の周縁(車体パネル120の意匠面125)を覆うリップ部116とから構成されている。そして、窓ガラス100が車体パネル120の窪み部122の内側に嵌め込まれる際に、モール110のシール部114とリップ部116とが弾性変形し、所定の弾性力で車体パネル120の各面に押し付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−127742号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、熱伸縮が大きい車体パネル120の場合、ガラス本体102の端縁に対して車体パネル120の壁面122w、意匠面125が離れる方向に変位することがある。これにより、モール110のシール部114とリップ部116との弾性変形量が減少して、車体パネル120の各面に対するシール部114とリップ部116との接触圧力が低下する。
このため、例えば、自動車が高速走行する際に、車体パネル120の表面に生じた負圧や乱流等により、モール110のリップ部116が車体パネル120から離れるように吸い上げられて振動し、異音が発生することがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車体パネルの熱伸縮により、その車体パネルと窓ガラス本体との隙間部分の寸法が増加したときに、ガラス側モールとパネル側モールとの重複部分の接触圧力が低下しないようにして、車両走行時におけるモール部分の異音発生を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、自動車の窓ガラス本体の周縁に接合されたガラス側モールと、車体パネルの周縁に接合されたパネル側モールと、車体の骨組みを構成しており、前記窓ガラス本体と前記車体パネルとを支えるフレームとを備え、前記窓ガラス本体と前記車体パネルとの隙間部分において前記ガラス側モールと前記パネル側モールとが重なり合うように接触することで前記隙間部分がシールされる構成の自動車のモールとフレーム構造であって、前記フレームには、前記車体パネルの熱伸縮によりその車体パネルと窓ガラス本体との隙間部分の寸法が増加する際に、その窓ガラス本体から離れる方向に変位するパネル側モールを前記ガラス側モールに対して押し付ける方向に弾性変形させるフレーム変形部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によると、車体パネルの熱伸縮によりその車体パネルと窓ガラス本体との隙間部分の寸法が増加する際に、その窓ガラス本体から離れる方向に変位するパネル側モールがフレームのフレーム変形部の働きでガラス側モールに対して押し付けられる方向に弾性変形する。これにより、車体パネルと窓ガラス本体との隙間部分の寸法が増加したときでも、ガラス側モールとパネル側モールの弾性変形量が減少せずに、両者の重複部分の接触圧力が低下しなくなる。この結果、車体パネルの表面に生じた負圧や乱流等により、モール部分が車体パネルから離れるように吸い上げられても振動し難くなり、異音発生を抑えることができる。
【0009】
請求項2の発明によると、ガラス側モールは、パネル側モールの上に重ねられる構成であり、フレーム変形部は、フレームの上面に幅方向に形成された突条であり、前記パネル側モールは、前記車体パネルの熱伸縮で前記窓ガラス本体から離れる方向に変位する際、前記フレーム変形部の頂部に乗り上がることで上方に弾性変形し、前記ガラス側モールに押し付けられることを特徴とする。
このように、パネル側モールを弾性変形させるフレーム変形部が突条であるため、そのフレーム変形部を低コストで形成できる。
【0010】
請求項3の発明によると、パネル側モールは、フレーム上で車体パネルを支える支持部と、前記支持部から窓ガラス本体の方へ突出する中空閉断面状のシール部とから構成されており、ガラス側モールは、前記フレーム上で窓ガラス本体を支える支持部と、前記支持部から車体パネルの方へ突出する帯板状のシール部とから構成されており、前記パネル側モールのシール部が前記フレーム変形部の頂部に乗り上がることで、そのシール部の上面が前記ガラス側モールのシール部に押し付けられる構成であることを特徴とする。
このように、パネル側モールのシール部が中空閉断面状に形成されているため、そのパネル側モールのシール部がフレーム変形部に乗り上がった状態で、そのシール部の上面形状が変形し難くなる。このため、パネル側モールのシール部とガラス側モールのシール部との接触状態が変化し難くなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、車体パネルの熱伸縮により、その車体パネルと窓ガラス本体との隙間部分の寸法が増加したときでも、ガラス側モールとパネル側モールとの重複部分の接触圧力が低下しなくなり、車両走行時におけるモール部分の異音発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1に係るモールとフレーム構造を備える自動車の全体斜視図である。
【図2】本実施形態に係る自動車のモールとフレーム構造を表す縦断面図(図1のII-II矢視断面図)である。
【図3】ルーフパネルが熱収縮したときの前記モールとフレーム構造の働きを表す縦断面図である。
【図4】ルーフパネルが熱膨張したときの前記モールとフレーム構造の働きを表す縦断面図である。
【図5】従来の自動車のモールとフレーム構造を表す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、図1から図4に基づいて本発明の実施形態1に係る自動車のモールとフレーム構造について説明する。本実施形態に係る自動車のモールとフレーム構造は、フロントガラスと樹脂製のルーフパネルとの隙間部分に設けられたモールとフレーム構造に関するものである。
なお、図中の前後左右、及び上下は自動車の前後左右及び上下に対応している。
【0014】
<自動車のルーフ部10、及びフロントガラス20の概要ついて>
自動車のルーフ部10は、図1に示すように、車室前部の支柱を構成する左右のフロントピラー11と、車室後部の支柱を構成する左右のリヤピラー13等により四隅を支持されたアッパフレーム15(図1の点線引出線を参照)を備えている。アッパフレーム15は、車両前後方向に延びる左右のサイドフレーム部151,152と、車幅方向に延びる前後のクロスフレーム部153,154とから略角形の枠状に形成されている。また、左右のサイドフレーム部151,152間には、車幅方向に延びる複数本のリインフォースメント(図示省略)が渡されている。そして、前記アッパフレーム15上に樹脂製のルーフパネル30が被せられて固定されている。
フロントガラス20は、アッパフレーム15の前側のクロスフレーム部153と、左右のフロントピラー11、及びカウルトップパネル14等とにより構成される窓枠部分の開口部を塞ぐようにその窓枠部分に嵌め込まれている。
【0015】
<フロントガラス20について>
フロントガラス20は、図2に示すように、ガラス本体22と、そのガラス本体22の周縁に接合されたガラス側モール25とから構成されている。ガラス側モール25は、ガラス本体22と前記窓枠部分間、及びそのガラス本体22と後記するルーフパネル30間のシールに使用されるTPO製の枠状部材である。ガラス側モール25は、押出し成形品であり、ガラス本体22を支える縦壁状の支持部253と、その支持部253の外側面(図2において右側面)に設けられた帯板状のシール部255とによって断面形状が略横向きT字形に形成されている。そして、ガラス側モール25の支持部253の上面253uがガラス本体22の裏面周縁22bに接合されている。また、シール部255の下側面が断面円弧状のシール面255sとなっている。
ガラス本体22の裏面周縁22bは、図2に示すように、ガラス側モール25よりも内周側に配置されたダムラバー27及びシーラント(図示省略)により、クロスフレーム部153の接合面153s、左右のフロントピラー11、カウルトップパネル14の接合面(図示省略)に固定される。これにより、フロントガラス20は、前記窓枠部分に取付けられる。
即ち、ガラス本体22が本発明の窓ガラス本体に相当する。
【0016】
<ルーフパネル30について>
ルーフパネル30は、図2に示すように、樹脂製のルーフパネル本体32と、そのルーフパネル本体32の周縁に接合されたパネル側モール35とから構成されている。パネル側モール35は、ルーフパネル本体32とアッパフレーム15間、及びそのルーフパネル本体32と上記したフロントガラス20間のシールに使用されるゴム(EPDM)製の枠状部材である。パネル側モール35は、押出し成形品であり、ルーフパネル本体32を支える棚状の支持部353と、その支持部353の外周端に設けられたシール部355とから構成されている。支持部353は、断面略逆L字形に形成されてその上面353uがルーフパネル本体32の裏面周縁32bに接合されるように構成されている。また、シール部355は断面略楕円形の筒状(中空閉断面状)に形成されて、そのシール部355の内側面(図2において右側面)の上下方向略中央位置が支持部353に接続されている。
【0017】
シール部355の内側面のうち支持部353よりも上側に位置する面は、その支持部353の上面353uとほぼ直角な縦壁面355hとなっている。そして、シール部355の縦壁面355hにルーフパネル本体32の外周端面32rが当接している。また、シール部355の縦壁面355hの上端には、ルーフパネル本体32の表面周縁32eに掛けられる鉤部355tが設けられている。さらに、シール部355の内側面は、支持部353よりも下側が下向きの断面略円弧状の摺動面355dとなっている。また、シール部355の外側面(図2において左側面)は、上向きの断面略円弧状のシール面355sとなっている。
ルーフパネル本体32の裏面周縁32bは、図2に示すように、パネル側モール35よりも内周側に配置されたウレタン等の枠部材37、及び接着剤等(図示省略)により、アッパフレーム15(左右のサイドフレーム部151,152、前後のクロスフレーム部153,154)の接合面153sに固定される。これにより、ルーフパネル30は、アッパフレーム15に取付けられる。
即ち、ルーフパネル本体32が本発明の車体パネルに相当する。
【0018】
<モールとフレーム構造について>
フロントガラス20の上端縁と、ルーフパネル30の前端縁とを支持するアッパフレーム15のクロスフレーム部153は、図2に示すように、アウタパネル153fとインナパネル153eとから中空閉断面状に形成されている。そして、前記クロスフレーム部153の前側表面上にフロントガラス20のガラス側モール25と枠部材27とが配置されている。また、そのクロスフレーム部153の後側表面上にルーフパネル30のパネル側モール35と枠部材37とが配置されている。この状態で、フロントガラス20のガラス本体22の上端縁とルーフパネル本体32の前端縁との間には隙間Sが形成される。
クロスフレーム部153には、フロントガラス20のガラス側モール25の後側(図2において右側)に車幅方向に延びるU字溝153mが形成されており、そのU字溝153mの後側に同じく車幅方向に延びる突条153tが形成されている。そして、突条153tを前後に跨ぐようにルーフパネル30のパネル側モール35が配置されている。
【0019】
即ち、パネル側モール35は、シール部355の略円弧状の摺動面355dがクロスフレーム部153の突条153tの前面上部に面接触し、そのシール部355の先端側(下端側)がクロスフレーム部153のU字溝153mに若干入り込んだ状態で保持されている。この状態で、パネル側モール35のシール部355は、クロスフレーム部153の突条153tによって押し上げ方向の反力を受けており、上方に弾性変形している。そして、前記パネル側モール35のシール部355に形成されたシール面355sがフロントガラス20に設けられたガラス側モール25のシール部255のシール面255sに下方から押し付けられている。これにより、フロントガラス20とルーフパネル30との隙間部分Sがガラス側モール25とパネル側モール35とによってシールされる。
【0020】
<モールとフレーム構造の働きについて>
上記したモールとフレーム構造において、例えば、気温の低下等によりルーフパネル本体32が熱収縮すると、図3の白矢印に示すように、ルーフパネル本体32の前端縁がクロスフレーム部153上で後方に変位する。これにより、フロントガラス20のガラス本体22とルーフパネル本体32との隙間部分Sの寸法が増加するようになる。また、ルーフパネル本体32の前端縁が後方に変位することで、パネル側モール35がルーフパネル本体32と共に後方に変位する。これにより、パネル側モール35のシール部355がクロスフレーム部153の突条153tに乗り上がり、そのシール部355がガラス側モール25のシール部255に押し付けられるように上方に回動する(弾性変形する)。このため、ガラス本体22、ガラス側モール25に対してパネル側モール35が離れる方向に変位しても、ガラス側モール25のシール面255sとパネル側モール35のシール面355sとの接触圧力が低下しなくなる。
即ち、クロスフレーム部153の突条153tが本発明のフレーム変形部に相当する。
【0021】
また、気温の上昇等によりルーフパネル本体32が熱膨張すると、図4の白矢印に示すように、ルーフパネル本体32の前端縁がクロスフレーム部153上で前方に変位する。これにより、フロントガラス20のガラス本体22とルーフパネル本体32との隙間部分Sの寸法が減少するようになる。また、ルーフパネル本体32の前端縁が前方に変位することで、パネル側モール35がルーフパネル本体32と共に前方に変位する。これにより、パネル側モール35のシール部355がクロスフレーム部153の突条153tを跨いで下方(矢印方向)に回動し、U字溝153mに入り込むようになる。即ち、パネル側モール35のシール部355がガラス側モール25のシール部255から離れるように下方に回動するようになる。このため、ガラス本体22、ガラス側モール25に対してパネル側モール35が接近する方向に変位しても、ガラス側モール25のシール面255sとパネル側モール35のシール面355sとの接触圧力が必要以上に上昇しない。
【0022】
<本実施形態に係る自動車のモールとフレーム構造の長所について>
本実施形態に係る自動車のモールとフレーム構造によると、ルーフパネル本体32の熱伸縮によりそのルーフパネル本体32とガラス本体22との隙間部分Sの寸法が増加する際に、そのガラス本体22から離れる方向に変位するパネル側モール35がクロスフレーム部153の突条153tの働きでガラス側モール25に対して押し付けられる方向に弾性変形する。これにより、ルーフパネル本体32とガラス本体22との隙間部分Sの寸法が増加したときでも、ガラス側モール25とパネル側モール35の弾性変形量が減少せず、両者の重複部分の接触圧力が低下しなくなる。この結果、ルーフパネル本体32の表面に生じた負圧や乱流等により、ガラス側モール25のシール部255がルーフパネル本体32から離れるように吸い上げられても振動し難くなり、異音発生を抑えることができる。
また、パネル側モール35のシール部355を弾性変形させるフレーム変形部が突条153tであるため、そのフレーム変形部を低コストで形成できる。
また、パネル側モール35のシール部355が中空閉断面状に形成されているため、そのパネル側モール35のシール部355が突条153tに乗り上がった状態で、そのシール部355のシール面355sが変形し難くなる。このため、パネル側モール35のシール部355とガラス側モール25のシール部255との接触状態が変化し難くなる。
【0023】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、パネル側モール35のシール部355を弾性変形させるフレーム変形部を突条153tにより構成する例を示したが、突条153tの代わりに傾斜面を使用することも可能である。
また、本実施形態では、フロントガラス20とルーフパネル30間のモールとフレーム構造について説明したが車体パネルに形成された窓枠と窓ガラス間のモールとフレーム構造について本発明を適用することも可能である。
また、本実施形態では、ルーフパネル本体32が熱収縮することで、ルーフパネル本体32とガラス本体22との隙間部分Sの寸法が増加する例を示したが、例えば、ガラス本体22を囲むようにルーフパネル本体32が形成されている場合には、前記ルーフパネル本体32が熱膨張することで前記隙間部分Sの寸法が増加するようになる。
【符号の説明】
【0024】
15・・・・アッパフレーム(フレーム)
153・・・クロスフレーム部(フレーム)
153t・・突条(フレーム変形部、突条の突出端が頂部)
20・・・・フロントガラス
22・・・・ガラス本体
25・・・・ガラス側モール
253・・・支持部
255・・・シール部
255s・・シール面
30・・・・ルーフパネル
32・・・・ルーフパネル本体(車体パネル)
35・・・・パネル側モール
353・・・支持部
355・・・シール部
355s・・シール面
S・・・・・隙間部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の窓ガラス本体の周縁に接合されたガラス側モールと、車体パネルの周縁に接合されたパネル側モールと、車体の骨組みを構成しており、前記窓ガラス本体と前記車体パネルとを支えるフレームとを備え、前記窓ガラス本体と前記車体パネルとの隙間部分において前記ガラス側モールと前記パネル側モールとが重なり合うように接触することで前記隙間部分がシールされる構成の自動車のモールとフレーム構造であって、
前記フレームには、前記車体パネルの熱伸縮によりその車体パネルと窓ガラス本体との隙間部分の寸法が増加する際に、その窓ガラス本体から離れる方向に変位するパネル側モールを前記ガラス側モールに対して押し付ける方向に弾性変形させるフレーム変形部が設けられていることを特徴とする自動車のモールとフレーム構造。
【請求項2】
請求項1に記載された自動車のモールとフレーム構造であって、
前記ガラス側モールは、前記パネル側モールの上に重ねられる構成であり、
前記フレーム変形部は、前記フレームの上面に幅方向に形成された突条であり、
前記パネル側モールは、前記車体パネルの熱伸縮で前記窓ガラス本体から離れる方向に変位する際、前記フレーム変形部の頂部に乗り上がることで上方に弾性変形し、前記ガラス側モールに押し付けられることを特徴とする自動車のモールとフレーム構造。
【請求項3】
請求項2に記載された自動車のモールとフレーム構造であって、
前記パネル側モールは、前記フレーム上で前記車体パネルを支える支持部と、前記支持部から窓ガラス本体の方へ突出する中空閉断面状のシール部とから構成されており、
前記ガラス側モールは、前記フレーム上で前記窓ガラス本体を支える支持部と、前記支持部から車体パネルの方へ突出する帯板状のシール部とから構成されており、
前記パネル側モールのシール部が前記フレーム変形部の頂部に乗り上がることで、そのシール部の上面が前記ガラス側モールのシール部に押し付けられる構成であることを特徴とする自動車のモールとフレーム構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−269713(P2010−269713A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123907(P2009−123907)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000219705)東海興業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】