自動車内装用装飾構成要素
圧力と熱の下で成形可能ベニヤ材料のシート(5)を予備成形するステップと、予備成形されたシートをキャビティ(4)を有している射出金型の半割れ(2)内に配置するステップと、金型の半割れ(2)上でシート(5)を定位置に保持するステップと、金型を閉じて支持層を(6)を形成するようにキャビティ内のベニヤシート(5)の裏に1つまたは複数の熱可塑性材料を射出するステップとを有する、乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車内装用装飾構成要素とその製造のための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車分野では、装飾部品つまり装飾構成要素、特に木材で作られた装飾構成要素に対する需要が増大し続けている。アルミニウムまたはプラスチックのコアを、手作業で糊付けされ、仕上げがされた木材または他の装飾層で覆うことが公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような手作業に必要な時間を減少させるために、木材ベニヤと熱硬化性樹脂の支持層とを使用して、1工程の方法で積層されたシェルを製造する技法が開発された。この技法の欠点は、フック、ロックリムおよび他の機械的取り付け手段を備えた片を製造できないことである。他の欠点は、製造時間が長いことである。
【0004】
米国特許第5,792,302号明細書は、木材ベニヤを表面層として使用したハンドルの製造方法を開示している。木材の2つの層がハンドルの金属骨組みとともに金型内に配置される2つの半割れのシェル内で予備成形される。それから膨張樹脂が、2つの半割れのシェルを金型に強制的に押し付けてそれらを1つに接着するように、反応射出成形技法によって、金属骨組みと2つの半割れのシェルとの間の空間に射出される。その代わりに、膨張した樹脂部分が供給済みの2つの半割れのシェルが別個に製造され、ハンドルの金属骨組みに糊付けされる。この技法には、取り付け手段またはロックリムを備えた片を製造することができないため、いくつかの欠点がある。発泡が発生する反応射出成形中に、手作業で取り除かなければならないバリが形成される。予備成形と反応射出成形の時間は、特に長く、それぞれが40分にもなる。さらに、熱硬化性樹脂成形技法と同様に、手作業の仕上げ段階が必要になる。
【0005】
米国特許第5,264,062号明細書は、木材オーバーレイ表面材料を有している合成成形品の製造方法を開示している。この特許明細書は、木材オーバーレイ表面を、積層される側とは反対の側が多孔質または繊維質の材料で裏打ちされている金属または樹脂のシートに積層し、それによって得られたラミネート層の木材オーバーレイベニヤが、おそらくは研磨後に、コーティングされることを教えている。複数の開示されている製造方法の1つによると、コーティングされたラミネート層材料は、熱可塑性支持層がその材料の裏に射出成形される前に、プレス作業によって予備成形(成形)される。
【0006】
米国特許第5,863,479号明細書は、木材オーバーレイベニヤを有しており、従来の金型内でプレスを使用して予備成形される前に、木材ベニヤは薄いアルミニウムシートで裏打ちされ、プライマーベースの着色料によって処理され、樹脂層によってコーティングされる、積層された材料つまり複合材料を製造する方法を開示している。このようにして、得られた片は金型内に配置され、裏打ち樹脂支持層と前面の透明コーティング層が金型内に射出される。
【0007】
前述の複数の方法は、時間がかかり複雑で、いくつかの結合とコーティングの段階が含まれ、非常に単純な形状の予備成形に限定されているので、高価な製造方法となる。
【0008】
本発明の目的は、前述の問題を解決し、木材、布、または他の装飾材料のベニヤ層を使用して、非常に良好な美的結果が得られ、手作業による仕上げ時間を短くする、信頼性のある経済的な方法で装飾部品つまり構成要素を製造する方法と装置を提供することである。本発明は、前述の問題に対応する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、ベニヤ層シートは、熱可塑性材料または熱硬化性材料から選択された1層の裏打ち材料に接着されている1層の木材ベニヤまたは他の装飾材料を有しており、必要な支持および結合のための層を実現する最終的な熱可塑性材料の射出段階の前に予備成形される。さらなる態様によれば、固い材料の層は透明で、装飾材料層の外側に位置している。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、予備成形ステップは、雄部分と雌部分とを有している金型内で実行され、雄部分は、少なくとも一部が、雌部分の形状に自身の形状を合わせて変形可能であり、その結果、装飾層を形作る突き出し要素を有している。雄部分の突き出し要素は、加圧された流体が供給されると、充填されるか膨張可能な、内部キャビティを有しているシリコンゴムなどのゴムでできている。本発明の別の態様によれば、装飾層の複数の層の1つは、ハンドルや同様の構成要素の加熱手段として動作する電気抵抗を有したコーティングの層などの電気抵抗手段を備えている。
【0011】
金型を閉じている間や、射出ステップの最初に、ベニヤ層シートは金型の半割れに対して定位置に保持される。この定位置への保持動作は、複数のジャッキ、複数のストラット、複数のニードル、または同様の移動要素などの保持手段を使用して、あるいはベニヤ層の前述の予備成形によって実行することができる。層が正確に予備成形されるので、層はほぼ最終的な形状を既に有しており、そのため、どのような機械的手段も必要とせずに金型の半割れにぴったりと嵌ることであろう。最終的な形状が原因で、自己保持効果が実現できず、前述のような機械的手段が必要な場合は、それらはベニヤ層を格納しない金型の半割れから突き出し、伸長位置と後退位置との間を移動し、それらの突き出し要素によって被覆シートに作用する力は、成形過程の少なくとも初期段階でシートを定位置に保持するような力である。したがって、本発明については、「定位置に保持する」という文言は形状のみによる方法と機械的手段による方法との両方の方法を指す。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、熱可塑性材料の射出ステップ後に、装飾シートのおもて面に対応するキャビティの側にニスまたはコーティング層が射出される。
【0013】
本発明のさらなる態様は、2つの金型の半割れと、キャビティと、2つの金型の半割れの1つに配置されている変形可能な成形手段とを有している装飾構成要素の予備成形用の金型である。
【0014】
本発明のさらなる態様は、ベニヤ層と、熱可塑性材料または熱硬化性材料から選択された裏打ち材料の少なくとも1つの層と、熱可塑性材料で作られ、熱可塑性材料内に配置されている取り付け手段および/またはアンダーカットを有している少なくとも1つの結合層とからなる、前述の製造方法を使用して得ることができる装飾構成要素である。
【0015】
本発明のさらなる態様は、本発明の製造方法によって得ることができるベニヤ層を有しているハンドルのシェルである。
【0016】
本発明によって得られる装飾構成要素は、装飾材料層に糊付けされた熱可塑性物質の第1層と第1層上に射出された熱可塑性物質の第2層とを有していることが好ましい。装飾部分に射出される材料の柔軟性と接着性を向上させるように布または不繊布を装飾材料層に糊付けされている熱可塑性層に外側から接着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書および請求の範囲で使用される場合、自動車内装用装飾構成要素という用語は、ハンドルシェル、ハンドル、ギヤチェンジレバーノブ、ドア内装パネルの挿入部分、ダッシュボード、および同様な部品を指す。
【0018】
図2〜4を参照すると、本発明の金型1は、閉じたときに、ギヤチェンジレバーのノブ、ハンドルのシェル、ダッシュボードやドアの内装パネルの挿入部分などの車両の内装の装飾構成要素の形状に一致している形状を有しているキャビティ4を定める2つの金型の半割れ2、3を有している。本明細書で図示し説明する実施形態では、ハンドル用の1対の半割れのシェルについて言及するが、その他の装飾用構成要素についても同じ説明が当てはまる。同様に、以下で開示する装飾構成要素には、木材ベニヤが備わっているが、木材の代わりに、ベニヤをたとえば炭素繊維やアラミド繊維の布、皮革、その他の材料から作ることもできる。
【0019】
ベニヤ材料(木材、布、またはその他)12(図5)の層と、熱可塑性または熱硬化性材料の裏打ち層14とを有している予備成型された層5が金型内に配置され、定位置に保持され、ある量の熱可塑性材料6が層5の裏に射出される。木材5の層を、金型を閉じる間は定位置に維持し所望の位置から移動しないようにするために、本発明の一実施形態では、金型は層5を定位置に維持する手段を備えている。図2〜4では、そのような位置保持手段は、金型が開いた状態の伸長位置(図2)と、射出ステップの最初の部分的に後退した位置と、熱可塑性支持材料の射出が部分的に完了している時に位置する後退位置(図4)との間を移動する複数の伸縮可能な小さいロッドつまりニードル7として例示されている。
【0020】
図3は、両ロッド7が射出成形工程の最後のステップで後退する前に、ハンドルの半割れのシェル5を金型の半割れ2の中の定位置に保持している金型を閉じるステップを示している。その代わりに、ベニヤ層シート5を定位置に保持するために、ニードル、クリップ、吸着パッド、一時接着剤などの他の公知の手段を使用することができる。
【0021】
射出成形条件は、たとえば、「インモールドラベリング(IML)」または「インモールドデコレーション(IMD)」として知られている技法における条件であって、低射出圧力が含まれており、本発明の方法では、射出圧力は装飾構成要素の寸法に関連している。たとえば、30%ガラス強化ポリアミドを使用した木材ベニヤ製のハンドルのリムの部分の射出成形は、シェルの長さによって、1.100〜1.500kg/cm2の範囲内の圧力で実施される。射出圧力が比較的低いにもかかわらず、圧力は予備成形されたシート5を金型の半割れ2に押し付ける、シートつまり層5を所望の形状と寸法にするには十分である。層6の射出成形に適した熱可塑性材料には、特にポリオレフィンおよびポリプロピレン、さらにポリアミド、ABS、およびビニルポリマなどがある。
【0022】
金型の半割れ3は、半割れのシェルをハンドル、ダッシュボード、またはパネルに取り付ける複数のフック8または同様な手段に加えて、補強リブや他の構造構成要素を必要に応じて成型するように構成されている。図1では、2つの半割れのシェルLとRがハンドルをその円周全体にわたって、つまり360°覆うために使用されている。隙間ができないように重ねることができるように、半割れのシェルLには、ロック段差9と、木材の層5から突き出している熱可塑性層6の部分10とが備わっている。相手の半割れのシェルRには、ロック段差9に対して相補形状となるように、射出された熱可塑性層6を越えて突き出しているシート5の部分11がある。2つの半割れのシェルLとRとが図6に示しているようにいったん結合すると、半割れのシェルLの層6の部分10が、半割れのシェルRの層6に重なり、2つの半割れのシェルは、超音波エネルギー、振動、「高温ガス」、および熱可塑性物質を溶接する他の公知の技法を使用して溶接することができる。このようにして、接着剤の使用と接着剤に関連した問題が回避される。
【0023】
金型の半割れ3には、熱可塑性層を射出する少なくとも1つのノズル16が備わっている。図1〜5に示している最も簡単な実施形態では、シート5は必要な構造と結合用の層を実現する熱可塑性材料を有している層6によって裏打ちされる。シートの寸法が減少すると、1つのノズルで十分な可能性があるが、低射出圧を使用するために2つまたは3つ以上のノズルを通して射出するのが好ましいことが多い。複数のノズルは製造する装飾構成要素の種類に応じて、1つまたは2つ以上の熱可塑性材料を供給することができる。ベニヤが木材シートである装飾構成要素の部分と、「ベニヤ」がその領域に射出成形されている模造皮革の熱可塑性材料である部分とを実現するように、異なる材料を金型の様々な部分に射出することができる。
【0024】
さまざまな射出成形材料を使用する技法は公知であり、自動車用トリムパネルの製造に使用されており、たとえば、木材ベニヤが一体としてパネルに接着される自動車のダッシュボードとドアパネルの製造が可能になるであろう。
【0025】
本発明のラミネート層を、「単純な」形状を有しているパネルや他の製品を圧縮成型によって製造するために使用することも可能であり、この方法によって、可能ならまたは好ましくは予備成形された装飾材料が形作られ、金型内の熱可塑性材料の支持層に圧縮によって接着される。
【0026】
裏側に熱可塑性材料6が射出されている木材または他の材料のベニヤシート5は、最初に予備成型され、その後、射出成形ステップの結果として完全に最終形状が与えられるように、十分に成型可能である。そのようなシート5は、熱可塑性物質と木材、布、皮革、または他の材料などのベニヤ材料のラミネート層から作られていることが好ましい。図5は、木材ベニヤによるそのようなラミネート層の例を示している。
【0027】
図5のシート5は、予備成型ステップによってラミネート層シート5に与えられた形状を維持するように、木材層が必要な支持と形態(つまり形状)を維持する特性とを確実に有するようにするために、熱可塑性または熱硬化性材料14の層に薄い糊の層13によって接着されている木材層12(しかし他の材料も使用可能)を有している。他の実施形態では、シート5は、フィルム14の外部に位置している電気抵抗性コーティングまたはニスなどの抵抗性材料15の層を有していたり、その代わりに、抵抗性コーティング15が直接木材層12に塗られ、熱可塑性層14はニス15に接着されている。電気的接触は、複数のフック8(図1)に対応して設けられている薄板などの公知の方法によって実現されるであろう。
【0028】
図5は、接着剤層24によって層12の外側に接着されているポリカーボネートやポリエステルフィルムの透明プラスチックのさらなる層23も示している。この透明フィルムを使用すると、前述のように射出成形が実施された後、すぐに使用できるシェルが得られる。つまり射出成形後に木材または布の層をコーティングする必要がない。フィルム層23が薄く、形状保持手段である層14に加えて使用されるか、フィルム層23が層14の代わりに使用するのに十分厚く、フィルム層23はコーティングと形状保持要素の両方としての役割を果たす。
【0029】
このようにして得られた製品は、成型可能で、延びに対して抵抗し、木材ベニヤの表面にひび割れを作ることなく所望の形状に簡単に予備成型できる。それ以外の層15および23と積層しなければならない木材(または布やその他の装飾用材料)の層12は、当該技術で公知であって、たとえば欧州特許出願公開第0 376 993号明細書、米国特許第4,430,371号明細書、および米国特許第4,205,107号明細書に記述されており、市販されている。
【0030】
木材ベニヤ12の厚さは0.1mmと1.2mmとの間で、0.4mmと0.8mmとの間が好ましく、接着剤は最小厚さがたとえば0.01〜0.05mm程度で、透明層23は厚さが0.1mmから0.3mmの範囲内で、熱可塑性物質14のシートまたはフィルムは厚さが0.08mmと0.8mmの間で、0.1mmと0.4mmとの間が好ましい。適切な接着剤は、ビニルまたはポリエステルなどのホットメルト接着剤あるいは、アクリルまたはネオプレン接着剤である。熱可塑性フィルム用の材料は、PVC、ポリオレフィン、ABS、および成形可能な支持部分を実現するのに適している同様な材料から選択される。ラミネート層は、必要に応じて切断された後、所望の形状に予備成形される、平坦なシートとして得られる。
【0031】
成形可能で予備成型されたラミネート層、特に前述の木材ベニヤを有しているラミネート層を使用することによって、ギヤレバーノブからハンドルにわたる、そして、ドアパネルからダッシュボードにわたる自動車内装用の装飾構成要素を射出成形や圧縮成型によって製造することができる。
【0032】
本発明の利点は、自動車内装用の装飾構成要素の製造用の1つのベニヤ層と少なくとも1つの熱可塑性材料の層とを有している1.8mmまたはそれ未満の厚さの成型可能なラミネート層を使用することである。
【0033】
図7と8は、本発明のラミネート層の予備成型用金型を示している。このような金型は、必要な形状を有しているキャビティを定めている2つの金型の半割れ30、31を有している。2つの金型の半割れには、温度を最短時間で上昇させたり下降させる油の回路などの温度を調整する手段18が備わっている。
【0034】
金型の半割れ31には、少なくとも部分的に変形可能で、金型が閉じられたときに、金型の半割れ30のキャビティ26内に格納される突き出し部分19を備えた雄部分が備わっている。この変形可能な突き出し部分19。図示の実施形態では変形可能手段は、キャビティ25を有しており、体積を膨張させることが可能な膨張可能手段によって、つまり体積を増大させるために加圧することができる膨張可能なシリコンゴムのブラダ(bladder)によって構成されている。ブラダ19を加圧するために、ブラダ19はたとえば圧縮空気(不図示)の圧力源に接続されているダクト20に接続されている。図7は、ロック段差つまりリム32を形成するように、2つの金型の半割れ30、31の間に配置されているインサート21(つまり、中間のまたは追加の金型部分)も示している。インサート21は、金型の半割れ30のキャビティ26の断面の形状に概ね一致しているが面積が狭い開口17を内部に有している。言い換えれば、膨張可能要素19用の開口17の両側部29間の距離27は、半割れの金型30のキャビティ26の対応する両縁間の距離よりも長い。したがって、インサート21が金型の半割れ30内に配置されると、必要なロックリム(図8)を構成する段が形成され、したがって予備成形されたラミネート層L(図1)が製造される。図1の予備成形されたラミネート層Rが製造されるときには、インサート21は、段が形成されないように距離27と距離28とが等しいインサートに交換される。
【0035】
ブラダの代わりに、変形可能要素19は、必要で正確な形状をラミネート層5に与えるようにラミネート層5を金型キャビティの壁に押し付けるのに十分な密度を有しているシリコンゴムや発泡ポリマなどの中実の変形可能材料で作ることができる。言い換えれば、要素19は、キャビティ26とインサート21の形状に従って変形する。変形した要素19はラミネート層5をキャビティ26とインサート21の壁に対して押し付けて、製造すべき必要な正確な形状を複製する。
【0036】
以降では予備成型金型の動作を説明する。インサート21は、金型の半割れ30上にある複数のガイド22によって、金型の半割れ30上に配置される。それから、所望の大きさと形状に切断されているシート5が金型の半割れ30のキャビティ内に上部から、つまりインサート21の開口17を通して配置される。金型が閉じられると、変形可能な突き出し部分19が金型の半割れ30のキャビティ26内にインサート21を通って挿入される。それから、2つの金型の半割れ30、31が加熱され、ブラダ19が導管を通して圧縮空気を供給することによって加圧される。ブラダ19はシート5を金型の半割れ30とインサート21の一部の複数の壁にしっかりと押し付けるまで膨張する。熱と圧力の組み合わされた作用によって、ラミネート層シート5は最終形状に非常に近くすることが可能な形状に形作られる。実際、以降の同時成型ステップでシート5を射出金型内で保持する追加の保持手段が必要ないほど良好に予備成型された部品を得ることができる。
【0037】
シート5が熱可塑性フィルムを使用して積層された種類の場合、予備成型サイクルをできるだけ速くするように努める一方で、2つの金型の半割れ30、31の温度は、ラミネート層内に存在する糊の融点または劣化温度よりも低くしなければならない。本発明に使用されているシートについては、使用される温度は50℃と200℃との間で、好ましくは55℃と100℃との間で、圧力は4バールと6バールとの間で、通常は約5バールで、サイクル時間は3秒と60秒との間である。
【0038】
同じ金型と同じ方法を炭素繊維の製品の金型の準備に使用することが可能で、時間は約20分、使用される圧力は約3〜4バールであって、装飾構成要素の寸法と形状とに応じて様々なステップで適用される温度が70℃と180℃との間である。
【0039】
図9と10は、前述の半割れのシェルよりも小さいハンドル用ベニヤ要素を示しており、この要素はたとえば皮革で作られている主要表面を有しているハンドルへの挿入部分である。挿入部分は、皮革コーティング内に設けられている座部に格納されることになる。この方法によって得られる挿入部分の正味の正確な形状はこれらの図において明瞭である。層5は、周辺段部つまりリム32を有している形状となるように、前述のように予備成型されている。熱可塑性層6の射出成形(図3〜4)後、得られたベニヤ構成要素は、両端が段部32の装飾層5と、平らな周辺縁34を実現するように段部32に組み合わされる周辺「カウンター段部」33を有している支持層6とを有している。周辺縁を所望の形状にするために必要なステップはそれ以上必要ない。これは、ハンドル用の挿入部品と半割れのシェルが、ハンドルを横切る方向とその円周に沿った方向との2つの方向に実際に湾曲しているという点を考慮すると大きな利点である。言い換えると、ベニヤ層の維持される形態への予備成形によって、ハンドルの形状に倣うようにベニヤ層を形作ることと、複数の縁を仕上げるさらなる製造ステップを不要にすることが可能になる。
【0040】
図11は、ハンドル骨組み40上に配置されている挿入部分35と、膨張樹脂(PURフォーム)39と、ハンドル部分の円周のおおよそ半分を覆っており、皮革で作られている外側層37に糊付けまたは接合されているフォーム材料の内側層38を有している第1の部分コーティング41とを示している、本発明によって製造されたハンドルのリムの断面図である。皮革層コーティング41によって被覆されているハンドルの側とは反対のハンドルの側では、PURフォーム39が挿入部分35のフック8のための保持手段として働く少なくとも1つの座部42に形作られている。PURフォーム39をしっかりと保持するように、糊43が座部42内とフック8の周囲に供給されている。図示の実施形態では、加熱素子44がPURフォーム39と挿入部分35のプラスチック支持層6との間に位置しているが、その代わりに、前述のように、抵抗層などの加熱素子がプラスチック層6とラミネート層5との間に位置していてもよい。
【0041】
以下の例を参照して本発明をさらに説明する。
例
厚さが0.75mmの木材ベニヤ層と、0.21mmの厚さの熱可塑性材料層と、裏打ち布層とを有しており、全厚さが1.1mmの成形可能ラミネート層は、130℃で円弧状に切断される。このように切断されたラミネート層は、前述のように、90℃と4.8バール(膨張可能ブラダに供給される流体の圧力)で50秒間、予備成形金型内で予備成形される。それから、予備成形されたラミネート層は金型内に配置され、吸着手段によって定位置に保持された。30%のファイバーグラス強化ポリアミドが、半割れのシェルを完全な形状にし木材層にひびを発生させることなく、ラミネート層の裏側に射出された。熱可塑性材料の射出された支持層には、ハンドル構造上に取り付けるための複数の一体フックが設けられている。仕上げて軽く研磨した後、シェルは、ハンドルに嵌めることができる良好な装飾構成要素となるように、ラッカーが塗布され磨かれる。
【0042】
予備成形シートの「インモールド」成形ステップに戻ると、これによって、フック、ウェブ、および同様の細部を一体として得ることができることを説明した。透明層23が存在しない場合、本発明では、射出成型用金型内の部品を、透明ポリウレタンニスまたはコーティング層のいずれかの射出などの公知の「インモールド塗装」によって直接塗装することができる。
【0043】
本発明は、従来技術に対していくつかの利点を示している。本発明はハンドルシェルの開いた形状と閉じた形状の部品の問題を製造コストを下げると同時に解決する。本発明によって、アンダーカット、リム、および最終的な使用に必要なフック等の取り付け手段を既に備えている、木材、皮革、または布で仕上げた装飾構成要素のワンショット共成形方法(one-shot co-molding process)による製造が可能になる。予備成形と成形の時間が削減され、温度と圧力の要件が緩和される。製造方法は単純で信頼性があり、製造される部品は、美的に見て非常に魅力的である。さらに、熱可塑性支持部の射出成形による共成形によって「正味の形状(net shape)」部分が得られる。つまり、部品の最終形状を得るための機械加工が必要ない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】2つの半割れのシェルの部分断面の透視図である。
【図2】本発明の半割れのシェルの成形方法の模式断面図である。
【図3】本発明の半割れのシェルの成形方法の模式断面図である。
【図4】本発明の半割れのシェルの成形方法の模式断面図である。
【図5】本発明の製造方法で使用される裏打ちシートの模式断面図である。
【図6】接着された2つの図1の半割れのシェルの部分拡大断面図である。
【図7】予備成形方法の2つのステップの間の予備成形金型の模式断面図である。
【図8】予備成形方法の2つのステップの間の予備成形金型の模式断面図である。
【図9】図7と8の予備成形と射出成形の後のベニヤ要素の拡大分解図である。
【図10】図9のベニヤ要素の透視図である。
【図11】本発明によって製造されたハンドルのリムの断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車内装用装飾構成要素とその製造のための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車分野では、装飾部品つまり装飾構成要素、特に木材で作られた装飾構成要素に対する需要が増大し続けている。アルミニウムまたはプラスチックのコアを、手作業で糊付けされ、仕上げがされた木材または他の装飾層で覆うことが公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような手作業に必要な時間を減少させるために、木材ベニヤと熱硬化性樹脂の支持層とを使用して、1工程の方法で積層されたシェルを製造する技法が開発された。この技法の欠点は、フック、ロックリムおよび他の機械的取り付け手段を備えた片を製造できないことである。他の欠点は、製造時間が長いことである。
【0004】
米国特許第5,792,302号明細書は、木材ベニヤを表面層として使用したハンドルの製造方法を開示している。木材の2つの層がハンドルの金属骨組みとともに金型内に配置される2つの半割れのシェル内で予備成形される。それから膨張樹脂が、2つの半割れのシェルを金型に強制的に押し付けてそれらを1つに接着するように、反応射出成形技法によって、金属骨組みと2つの半割れのシェルとの間の空間に射出される。その代わりに、膨張した樹脂部分が供給済みの2つの半割れのシェルが別個に製造され、ハンドルの金属骨組みに糊付けされる。この技法には、取り付け手段またはロックリムを備えた片を製造することができないため、いくつかの欠点がある。発泡が発生する反応射出成形中に、手作業で取り除かなければならないバリが形成される。予備成形と反応射出成形の時間は、特に長く、それぞれが40分にもなる。さらに、熱硬化性樹脂成形技法と同様に、手作業の仕上げ段階が必要になる。
【0005】
米国特許第5,264,062号明細書は、木材オーバーレイ表面材料を有している合成成形品の製造方法を開示している。この特許明細書は、木材オーバーレイ表面を、積層される側とは反対の側が多孔質または繊維質の材料で裏打ちされている金属または樹脂のシートに積層し、それによって得られたラミネート層の木材オーバーレイベニヤが、おそらくは研磨後に、コーティングされることを教えている。複数の開示されている製造方法の1つによると、コーティングされたラミネート層材料は、熱可塑性支持層がその材料の裏に射出成形される前に、プレス作業によって予備成形(成形)される。
【0006】
米国特許第5,863,479号明細書は、木材オーバーレイベニヤを有しており、従来の金型内でプレスを使用して予備成形される前に、木材ベニヤは薄いアルミニウムシートで裏打ちされ、プライマーベースの着色料によって処理され、樹脂層によってコーティングされる、積層された材料つまり複合材料を製造する方法を開示している。このようにして、得られた片は金型内に配置され、裏打ち樹脂支持層と前面の透明コーティング層が金型内に射出される。
【0007】
前述の複数の方法は、時間がかかり複雑で、いくつかの結合とコーティングの段階が含まれ、非常に単純な形状の予備成形に限定されているので、高価な製造方法となる。
【0008】
本発明の目的は、前述の問題を解決し、木材、布、または他の装飾材料のベニヤ層を使用して、非常に良好な美的結果が得られ、手作業による仕上げ時間を短くする、信頼性のある経済的な方法で装飾部品つまり構成要素を製造する方法と装置を提供することである。本発明は、前述の問題に対応する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、ベニヤ層シートは、熱可塑性材料または熱硬化性材料から選択された1層の裏打ち材料に接着されている1層の木材ベニヤまたは他の装飾材料を有しており、必要な支持および結合のための層を実現する最終的な熱可塑性材料の射出段階の前に予備成形される。さらなる態様によれば、固い材料の層は透明で、装飾材料層の外側に位置している。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、予備成形ステップは、雄部分と雌部分とを有している金型内で実行され、雄部分は、少なくとも一部が、雌部分の形状に自身の形状を合わせて変形可能であり、その結果、装飾層を形作る突き出し要素を有している。雄部分の突き出し要素は、加圧された流体が供給されると、充填されるか膨張可能な、内部キャビティを有しているシリコンゴムなどのゴムでできている。本発明の別の態様によれば、装飾層の複数の層の1つは、ハンドルや同様の構成要素の加熱手段として動作する電気抵抗を有したコーティングの層などの電気抵抗手段を備えている。
【0011】
金型を閉じている間や、射出ステップの最初に、ベニヤ層シートは金型の半割れに対して定位置に保持される。この定位置への保持動作は、複数のジャッキ、複数のストラット、複数のニードル、または同様の移動要素などの保持手段を使用して、あるいはベニヤ層の前述の予備成形によって実行することができる。層が正確に予備成形されるので、層はほぼ最終的な形状を既に有しており、そのため、どのような機械的手段も必要とせずに金型の半割れにぴったりと嵌ることであろう。最終的な形状が原因で、自己保持効果が実現できず、前述のような機械的手段が必要な場合は、それらはベニヤ層を格納しない金型の半割れから突き出し、伸長位置と後退位置との間を移動し、それらの突き出し要素によって被覆シートに作用する力は、成形過程の少なくとも初期段階でシートを定位置に保持するような力である。したがって、本発明については、「定位置に保持する」という文言は形状のみによる方法と機械的手段による方法との両方の方法を指す。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、熱可塑性材料の射出ステップ後に、装飾シートのおもて面に対応するキャビティの側にニスまたはコーティング層が射出される。
【0013】
本発明のさらなる態様は、2つの金型の半割れと、キャビティと、2つの金型の半割れの1つに配置されている変形可能な成形手段とを有している装飾構成要素の予備成形用の金型である。
【0014】
本発明のさらなる態様は、ベニヤ層と、熱可塑性材料または熱硬化性材料から選択された裏打ち材料の少なくとも1つの層と、熱可塑性材料で作られ、熱可塑性材料内に配置されている取り付け手段および/またはアンダーカットを有している少なくとも1つの結合層とからなる、前述の製造方法を使用して得ることができる装飾構成要素である。
【0015】
本発明のさらなる態様は、本発明の製造方法によって得ることができるベニヤ層を有しているハンドルのシェルである。
【0016】
本発明によって得られる装飾構成要素は、装飾材料層に糊付けされた熱可塑性物質の第1層と第1層上に射出された熱可塑性物質の第2層とを有していることが好ましい。装飾部分に射出される材料の柔軟性と接着性を向上させるように布または不繊布を装飾材料層に糊付けされている熱可塑性層に外側から接着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書および請求の範囲で使用される場合、自動車内装用装飾構成要素という用語は、ハンドルシェル、ハンドル、ギヤチェンジレバーノブ、ドア内装パネルの挿入部分、ダッシュボード、および同様な部品を指す。
【0018】
図2〜4を参照すると、本発明の金型1は、閉じたときに、ギヤチェンジレバーのノブ、ハンドルのシェル、ダッシュボードやドアの内装パネルの挿入部分などの車両の内装の装飾構成要素の形状に一致している形状を有しているキャビティ4を定める2つの金型の半割れ2、3を有している。本明細書で図示し説明する実施形態では、ハンドル用の1対の半割れのシェルについて言及するが、その他の装飾用構成要素についても同じ説明が当てはまる。同様に、以下で開示する装飾構成要素には、木材ベニヤが備わっているが、木材の代わりに、ベニヤをたとえば炭素繊維やアラミド繊維の布、皮革、その他の材料から作ることもできる。
【0019】
ベニヤ材料(木材、布、またはその他)12(図5)の層と、熱可塑性または熱硬化性材料の裏打ち層14とを有している予備成型された層5が金型内に配置され、定位置に保持され、ある量の熱可塑性材料6が層5の裏に射出される。木材5の層を、金型を閉じる間は定位置に維持し所望の位置から移動しないようにするために、本発明の一実施形態では、金型は層5を定位置に維持する手段を備えている。図2〜4では、そのような位置保持手段は、金型が開いた状態の伸長位置(図2)と、射出ステップの最初の部分的に後退した位置と、熱可塑性支持材料の射出が部分的に完了している時に位置する後退位置(図4)との間を移動する複数の伸縮可能な小さいロッドつまりニードル7として例示されている。
【0020】
図3は、両ロッド7が射出成形工程の最後のステップで後退する前に、ハンドルの半割れのシェル5を金型の半割れ2の中の定位置に保持している金型を閉じるステップを示している。その代わりに、ベニヤ層シート5を定位置に保持するために、ニードル、クリップ、吸着パッド、一時接着剤などの他の公知の手段を使用することができる。
【0021】
射出成形条件は、たとえば、「インモールドラベリング(IML)」または「インモールドデコレーション(IMD)」として知られている技法における条件であって、低射出圧力が含まれており、本発明の方法では、射出圧力は装飾構成要素の寸法に関連している。たとえば、30%ガラス強化ポリアミドを使用した木材ベニヤ製のハンドルのリムの部分の射出成形は、シェルの長さによって、1.100〜1.500kg/cm2の範囲内の圧力で実施される。射出圧力が比較的低いにもかかわらず、圧力は予備成形されたシート5を金型の半割れ2に押し付ける、シートつまり層5を所望の形状と寸法にするには十分である。層6の射出成形に適した熱可塑性材料には、特にポリオレフィンおよびポリプロピレン、さらにポリアミド、ABS、およびビニルポリマなどがある。
【0022】
金型の半割れ3は、半割れのシェルをハンドル、ダッシュボード、またはパネルに取り付ける複数のフック8または同様な手段に加えて、補強リブや他の構造構成要素を必要に応じて成型するように構成されている。図1では、2つの半割れのシェルLとRがハンドルをその円周全体にわたって、つまり360°覆うために使用されている。隙間ができないように重ねることができるように、半割れのシェルLには、ロック段差9と、木材の層5から突き出している熱可塑性層6の部分10とが備わっている。相手の半割れのシェルRには、ロック段差9に対して相補形状となるように、射出された熱可塑性層6を越えて突き出しているシート5の部分11がある。2つの半割れのシェルLとRとが図6に示しているようにいったん結合すると、半割れのシェルLの層6の部分10が、半割れのシェルRの層6に重なり、2つの半割れのシェルは、超音波エネルギー、振動、「高温ガス」、および熱可塑性物質を溶接する他の公知の技法を使用して溶接することができる。このようにして、接着剤の使用と接着剤に関連した問題が回避される。
【0023】
金型の半割れ3には、熱可塑性層を射出する少なくとも1つのノズル16が備わっている。図1〜5に示している最も簡単な実施形態では、シート5は必要な構造と結合用の層を実現する熱可塑性材料を有している層6によって裏打ちされる。シートの寸法が減少すると、1つのノズルで十分な可能性があるが、低射出圧を使用するために2つまたは3つ以上のノズルを通して射出するのが好ましいことが多い。複数のノズルは製造する装飾構成要素の種類に応じて、1つまたは2つ以上の熱可塑性材料を供給することができる。ベニヤが木材シートである装飾構成要素の部分と、「ベニヤ」がその領域に射出成形されている模造皮革の熱可塑性材料である部分とを実現するように、異なる材料を金型の様々な部分に射出することができる。
【0024】
さまざまな射出成形材料を使用する技法は公知であり、自動車用トリムパネルの製造に使用されており、たとえば、木材ベニヤが一体としてパネルに接着される自動車のダッシュボードとドアパネルの製造が可能になるであろう。
【0025】
本発明のラミネート層を、「単純な」形状を有しているパネルや他の製品を圧縮成型によって製造するために使用することも可能であり、この方法によって、可能ならまたは好ましくは予備成形された装飾材料が形作られ、金型内の熱可塑性材料の支持層に圧縮によって接着される。
【0026】
裏側に熱可塑性材料6が射出されている木材または他の材料のベニヤシート5は、最初に予備成型され、その後、射出成形ステップの結果として完全に最終形状が与えられるように、十分に成型可能である。そのようなシート5は、熱可塑性物質と木材、布、皮革、または他の材料などのベニヤ材料のラミネート層から作られていることが好ましい。図5は、木材ベニヤによるそのようなラミネート層の例を示している。
【0027】
図5のシート5は、予備成型ステップによってラミネート層シート5に与えられた形状を維持するように、木材層が必要な支持と形態(つまり形状)を維持する特性とを確実に有するようにするために、熱可塑性または熱硬化性材料14の層に薄い糊の層13によって接着されている木材層12(しかし他の材料も使用可能)を有している。他の実施形態では、シート5は、フィルム14の外部に位置している電気抵抗性コーティングまたはニスなどの抵抗性材料15の層を有していたり、その代わりに、抵抗性コーティング15が直接木材層12に塗られ、熱可塑性層14はニス15に接着されている。電気的接触は、複数のフック8(図1)に対応して設けられている薄板などの公知の方法によって実現されるであろう。
【0028】
図5は、接着剤層24によって層12の外側に接着されているポリカーボネートやポリエステルフィルムの透明プラスチックのさらなる層23も示している。この透明フィルムを使用すると、前述のように射出成形が実施された後、すぐに使用できるシェルが得られる。つまり射出成形後に木材または布の層をコーティングする必要がない。フィルム層23が薄く、形状保持手段である層14に加えて使用されるか、フィルム層23が層14の代わりに使用するのに十分厚く、フィルム層23はコーティングと形状保持要素の両方としての役割を果たす。
【0029】
このようにして得られた製品は、成型可能で、延びに対して抵抗し、木材ベニヤの表面にひび割れを作ることなく所望の形状に簡単に予備成型できる。それ以外の層15および23と積層しなければならない木材(または布やその他の装飾用材料)の層12は、当該技術で公知であって、たとえば欧州特許出願公開第0 376 993号明細書、米国特許第4,430,371号明細書、および米国特許第4,205,107号明細書に記述されており、市販されている。
【0030】
木材ベニヤ12の厚さは0.1mmと1.2mmとの間で、0.4mmと0.8mmとの間が好ましく、接着剤は最小厚さがたとえば0.01〜0.05mm程度で、透明層23は厚さが0.1mmから0.3mmの範囲内で、熱可塑性物質14のシートまたはフィルムは厚さが0.08mmと0.8mmの間で、0.1mmと0.4mmとの間が好ましい。適切な接着剤は、ビニルまたはポリエステルなどのホットメルト接着剤あるいは、アクリルまたはネオプレン接着剤である。熱可塑性フィルム用の材料は、PVC、ポリオレフィン、ABS、および成形可能な支持部分を実現するのに適している同様な材料から選択される。ラミネート層は、必要に応じて切断された後、所望の形状に予備成形される、平坦なシートとして得られる。
【0031】
成形可能で予備成型されたラミネート層、特に前述の木材ベニヤを有しているラミネート層を使用することによって、ギヤレバーノブからハンドルにわたる、そして、ドアパネルからダッシュボードにわたる自動車内装用の装飾構成要素を射出成形や圧縮成型によって製造することができる。
【0032】
本発明の利点は、自動車内装用の装飾構成要素の製造用の1つのベニヤ層と少なくとも1つの熱可塑性材料の層とを有している1.8mmまたはそれ未満の厚さの成型可能なラミネート層を使用することである。
【0033】
図7と8は、本発明のラミネート層の予備成型用金型を示している。このような金型は、必要な形状を有しているキャビティを定めている2つの金型の半割れ30、31を有している。2つの金型の半割れには、温度を最短時間で上昇させたり下降させる油の回路などの温度を調整する手段18が備わっている。
【0034】
金型の半割れ31には、少なくとも部分的に変形可能で、金型が閉じられたときに、金型の半割れ30のキャビティ26内に格納される突き出し部分19を備えた雄部分が備わっている。この変形可能な突き出し部分19。図示の実施形態では変形可能手段は、キャビティ25を有しており、体積を膨張させることが可能な膨張可能手段によって、つまり体積を増大させるために加圧することができる膨張可能なシリコンゴムのブラダ(bladder)によって構成されている。ブラダ19を加圧するために、ブラダ19はたとえば圧縮空気(不図示)の圧力源に接続されているダクト20に接続されている。図7は、ロック段差つまりリム32を形成するように、2つの金型の半割れ30、31の間に配置されているインサート21(つまり、中間のまたは追加の金型部分)も示している。インサート21は、金型の半割れ30のキャビティ26の断面の形状に概ね一致しているが面積が狭い開口17を内部に有している。言い換えれば、膨張可能要素19用の開口17の両側部29間の距離27は、半割れの金型30のキャビティ26の対応する両縁間の距離よりも長い。したがって、インサート21が金型の半割れ30内に配置されると、必要なロックリム(図8)を構成する段が形成され、したがって予備成形されたラミネート層L(図1)が製造される。図1の予備成形されたラミネート層Rが製造されるときには、インサート21は、段が形成されないように距離27と距離28とが等しいインサートに交換される。
【0035】
ブラダの代わりに、変形可能要素19は、必要で正確な形状をラミネート層5に与えるようにラミネート層5を金型キャビティの壁に押し付けるのに十分な密度を有しているシリコンゴムや発泡ポリマなどの中実の変形可能材料で作ることができる。言い換えれば、要素19は、キャビティ26とインサート21の形状に従って変形する。変形した要素19はラミネート層5をキャビティ26とインサート21の壁に対して押し付けて、製造すべき必要な正確な形状を複製する。
【0036】
以降では予備成型金型の動作を説明する。インサート21は、金型の半割れ30上にある複数のガイド22によって、金型の半割れ30上に配置される。それから、所望の大きさと形状に切断されているシート5が金型の半割れ30のキャビティ内に上部から、つまりインサート21の開口17を通して配置される。金型が閉じられると、変形可能な突き出し部分19が金型の半割れ30のキャビティ26内にインサート21を通って挿入される。それから、2つの金型の半割れ30、31が加熱され、ブラダ19が導管を通して圧縮空気を供給することによって加圧される。ブラダ19はシート5を金型の半割れ30とインサート21の一部の複数の壁にしっかりと押し付けるまで膨張する。熱と圧力の組み合わされた作用によって、ラミネート層シート5は最終形状に非常に近くすることが可能な形状に形作られる。実際、以降の同時成型ステップでシート5を射出金型内で保持する追加の保持手段が必要ないほど良好に予備成型された部品を得ることができる。
【0037】
シート5が熱可塑性フィルムを使用して積層された種類の場合、予備成型サイクルをできるだけ速くするように努める一方で、2つの金型の半割れ30、31の温度は、ラミネート層内に存在する糊の融点または劣化温度よりも低くしなければならない。本発明に使用されているシートについては、使用される温度は50℃と200℃との間で、好ましくは55℃と100℃との間で、圧力は4バールと6バールとの間で、通常は約5バールで、サイクル時間は3秒と60秒との間である。
【0038】
同じ金型と同じ方法を炭素繊維の製品の金型の準備に使用することが可能で、時間は約20分、使用される圧力は約3〜4バールであって、装飾構成要素の寸法と形状とに応じて様々なステップで適用される温度が70℃と180℃との間である。
【0039】
図9と10は、前述の半割れのシェルよりも小さいハンドル用ベニヤ要素を示しており、この要素はたとえば皮革で作られている主要表面を有しているハンドルへの挿入部分である。挿入部分は、皮革コーティング内に設けられている座部に格納されることになる。この方法によって得られる挿入部分の正味の正確な形状はこれらの図において明瞭である。層5は、周辺段部つまりリム32を有している形状となるように、前述のように予備成型されている。熱可塑性層6の射出成形(図3〜4)後、得られたベニヤ構成要素は、両端が段部32の装飾層5と、平らな周辺縁34を実現するように段部32に組み合わされる周辺「カウンター段部」33を有している支持層6とを有している。周辺縁を所望の形状にするために必要なステップはそれ以上必要ない。これは、ハンドル用の挿入部品と半割れのシェルが、ハンドルを横切る方向とその円周に沿った方向との2つの方向に実際に湾曲しているという点を考慮すると大きな利点である。言い換えると、ベニヤ層の維持される形態への予備成形によって、ハンドルの形状に倣うようにベニヤ層を形作ることと、複数の縁を仕上げるさらなる製造ステップを不要にすることが可能になる。
【0040】
図11は、ハンドル骨組み40上に配置されている挿入部分35と、膨張樹脂(PURフォーム)39と、ハンドル部分の円周のおおよそ半分を覆っており、皮革で作られている外側層37に糊付けまたは接合されているフォーム材料の内側層38を有している第1の部分コーティング41とを示している、本発明によって製造されたハンドルのリムの断面図である。皮革層コーティング41によって被覆されているハンドルの側とは反対のハンドルの側では、PURフォーム39が挿入部分35のフック8のための保持手段として働く少なくとも1つの座部42に形作られている。PURフォーム39をしっかりと保持するように、糊43が座部42内とフック8の周囲に供給されている。図示の実施形態では、加熱素子44がPURフォーム39と挿入部分35のプラスチック支持層6との間に位置しているが、その代わりに、前述のように、抵抗層などの加熱素子がプラスチック層6とラミネート層5との間に位置していてもよい。
【0041】
以下の例を参照して本発明をさらに説明する。
例
厚さが0.75mmの木材ベニヤ層と、0.21mmの厚さの熱可塑性材料層と、裏打ち布層とを有しており、全厚さが1.1mmの成形可能ラミネート層は、130℃で円弧状に切断される。このように切断されたラミネート層は、前述のように、90℃と4.8バール(膨張可能ブラダに供給される流体の圧力)で50秒間、予備成形金型内で予備成形される。それから、予備成形されたラミネート層は金型内に配置され、吸着手段によって定位置に保持された。30%のファイバーグラス強化ポリアミドが、半割れのシェルを完全な形状にし木材層にひびを発生させることなく、ラミネート層の裏側に射出された。熱可塑性材料の射出された支持層には、ハンドル構造上に取り付けるための複数の一体フックが設けられている。仕上げて軽く研磨した後、シェルは、ハンドルに嵌めることができる良好な装飾構成要素となるように、ラッカーが塗布され磨かれる。
【0042】
予備成形シートの「インモールド」成形ステップに戻ると、これによって、フック、ウェブ、および同様の細部を一体として得ることができることを説明した。透明層23が存在しない場合、本発明では、射出成型用金型内の部品を、透明ポリウレタンニスまたはコーティング層のいずれかの射出などの公知の「インモールド塗装」によって直接塗装することができる。
【0043】
本発明は、従来技術に対していくつかの利点を示している。本発明はハンドルシェルの開いた形状と閉じた形状の部品の問題を製造コストを下げると同時に解決する。本発明によって、アンダーカット、リム、および最終的な使用に必要なフック等の取り付け手段を既に備えている、木材、皮革、または布で仕上げた装飾構成要素のワンショット共成形方法(one-shot co-molding process)による製造が可能になる。予備成形と成形の時間が削減され、温度と圧力の要件が緩和される。製造方法は単純で信頼性があり、製造される部品は、美的に見て非常に魅力的である。さらに、熱可塑性支持部の射出成形による共成形によって「正味の形状(net shape)」部分が得られる。つまり、部品の最終形状を得るための機械加工が必要ない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】2つの半割れのシェルの部分断面の透視図である。
【図2】本発明の半割れのシェルの成形方法の模式断面図である。
【図3】本発明の半割れのシェルの成形方法の模式断面図である。
【図4】本発明の半割れのシェルの成形方法の模式断面図である。
【図5】本発明の製造方法で使用される裏打ちシートの模式断面図である。
【図6】接着された2つの図1の半割れのシェルの部分拡大断面図である。
【図7】予備成形方法の2つのステップの間の予備成形金型の模式断面図である。
【図8】予備成形方法の2つのステップの間の予備成形金型の模式断面図である。
【図9】図7と8の予備成形と射出成形の後のベニヤ要素の拡大分解図である。
【図10】図9のベニヤ要素の透視図である。
【図11】本発明によって製造されたハンドルのリムの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ベニヤ層と、熱可塑性で熱硬化性のプラスチック材料から選ばれた成形可能で形状を維持する層と、を有するラミネート層を用意するステップと、
(b)キャビティと雄部分とを有しており、前記雄部分は前記キャビティに従って前記ラミネート層を形作る変形可能な要素を有している金型内で、前記ラミネート層を予備成形するステップと、
(c)前記予備成形されたラミネート層を射出金型内に配置し、支持と結合用の層を有するラミネート層を実現するように前記金型内に1つまたは2つ以上の熱可塑性材料を前記予備成形されたラミネート層の裏に射出するステップと、
を有する、乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項2】
前記ラミネート層は周辺リムつまり段を有している、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項3】
前記ラミネート層は透明フィルム材料に接着されたベニヤ層を有している、請求項1または2に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項4】
前記ラミネート層は抵抗性材料の層を有している、請求項1または2に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項5】
前記ラミネート層は抵抗性材料の層を有している、請求項3に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項6】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項1または2に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項7】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項3に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項8】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項4に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項9】
前記装飾構成要素の取り付け手段が前記射出された支持層と一体に成形される、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項10】
前記ベニヤ材料は、木材、布、炭素繊維、およびアラミド繊維からなる群から選択された少なくとも1つの材料より成る、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項11】
金型内塗装ステップをさらに有している、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項12】
熱硬化性または熱可塑性材料から選択された成形可能で形状を維持する材料の第1層に接着されているベニヤ材料を有し、前記熱可塑性フィルムは射出成形によって作られた熱可塑性材料の一層に接着されている、請求項1に記載の方法によって製造された乗り物の内装用構成要素。
【請求項13】
ハンドルのシェルである、請求項12に記載の乗り物の内装用構成要素。
【請求項14】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項12に記載の乗り物の内装用構成要素。
【請求項15】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項13に記載の乗り物の内装用構成要素。
【請求項16】
自動車内装用構成要素用の成形可能ベニヤ材料の複数の予備成形シート用金型であって、キャビティを定めている2つの金型の半割れと、前記2つの金型の半割れの1つに位置しており、該金型が閉じられたときに前記キャビティ内に突き出す膨張可能手段と、前記膨張可能手段を膨張させて前記キャビティの実質的に全体を占めるようにする手段と、を有する、金型。
【請求項17】
アンダーカット、段、およびロックリムの製造用の少なくとも1つのインサートをさらに有する、請求項16に記載の金型。
【請求項1】
(a)ベニヤ層と、熱可塑性で熱硬化性のプラスチック材料から選ばれた成形可能で形状を維持する層と、を有するラミネート層を用意するステップと、
(b)キャビティと雄部分とを有しており、前記雄部分は前記キャビティに従って前記ラミネート層を形作る変形可能な要素を有している金型内で、前記ラミネート層を予備成形するステップと、
(c)前記予備成形されたラミネート層を射出金型内に配置し、支持と結合用の層を有するラミネート層を実現するように前記金型内に1つまたは2つ以上の熱可塑性材料を前記予備成形されたラミネート層の裏に射出するステップと、
を有する、乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項2】
前記ラミネート層は周辺リムつまり段を有している、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項3】
前記ラミネート層は透明フィルム材料に接着されたベニヤ層を有している、請求項1または2に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項4】
前記ラミネート層は抵抗性材料の層を有している、請求項1または2に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項5】
前記ラミネート層は抵抗性材料の層を有している、請求項3に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項6】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項1または2に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項7】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項3に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項8】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項4に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項9】
前記装飾構成要素の取り付け手段が前記射出された支持層と一体に成形される、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項10】
前記ベニヤ材料は、木材、布、炭素繊維、およびアラミド繊維からなる群から選択された少なくとも1つの材料より成る、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項11】
金型内塗装ステップをさらに有している、請求項1に記載の乗り物の内装用構成要素の製造方法。
【請求項12】
熱硬化性または熱可塑性材料から選択された成形可能で形状を維持する材料の第1層に接着されているベニヤ材料を有し、前記熱可塑性フィルムは射出成形によって作られた熱可塑性材料の一層に接着されている、請求項1に記載の方法によって製造された乗り物の内装用構成要素。
【請求項13】
ハンドルのシェルである、請求項12に記載の乗り物の内装用構成要素。
【請求項14】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項12に記載の乗り物の内装用構成要素。
【請求項15】
前記ベニヤ材料は木材より成る、請求項13に記載の乗り物の内装用構成要素。
【請求項16】
自動車内装用構成要素用の成形可能ベニヤ材料の複数の予備成形シート用金型であって、キャビティを定めている2つの金型の半割れと、前記2つの金型の半割れの1つに位置しており、該金型が閉じられたときに前記キャビティ内に突き出す膨張可能手段と、前記膨張可能手段を膨張させて前記キャビティの実質的に全体を占めるようにする手段と、を有する、金型。
【請求項17】
アンダーカット、段、およびロックリムの製造用の少なくとも1つのインサートをさらに有する、請求項16に記載の金型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−532364(P2007−532364A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508656(P2007−508656)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/019107
【国際公開番号】WO2005/123362
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504204568)キー セーフティー システムズ、 インコーポレイテッド (59)
【氏名又は名称原語表記】Key Safety Systems, Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/019107
【国際公開番号】WO2005/123362
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504204568)キー セーフティー システムズ、 インコーポレイテッド (59)
【氏名又は名称原語表記】Key Safety Systems, Inc.
【Fターム(参考)】
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