蓄電情報出力装置および蓄電情報出力システム
【課題】ユーザの快適性をより向上させることを可能にするとともに、時間的な余裕をもった電動車両の運行計画をユーザがより容易に立てることができるようにする。
【解決手段】出発地における走行用バッテリ32の残蓄電量が、電動車両3が出発地から目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリ32の残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力装置43から出力させる。
【解決手段】出発地における走行用バッテリ32の残蓄電量が、電動車両3が出発地から目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリ32の残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力装置43から出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行駆動源として電動機を用いる車両に備えられている走行用バッテリの残蓄電量に関する情報を出力する蓄電情報出力装置および蓄電情報出力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電動機(モータ)を走行駆動源として用いる電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)等の電動車両が知られており、これらの電動車両においては、モータへの電力供給を行う走行用バッテリの残蓄電量が低下した場合に、この走行用バッテリに充電を行う必要がある。また、近年では、走行用バッテリの残蓄電量が尽きて電動車両が走行不能になる前に走行用バッテリの充電を行うことができるよう、ユーザを補助する技術が提案されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1には、バッテリ残存容量(つまり、走行用バッテリの残蓄電量)が一定レベル以下になると自車両の走行可能距離を算出し、自車両の現在位置周辺に存在する電気エネルギー供給スタンド(つまり、充電スタンド)の位置情報を、バッテリ残存容量から求めた自車両の走行可能距離に基づく到達可能性に係わる識別情報とともに運転者に提供する技術が開示されている。
【0004】
また、例えば特許文献2には、位置を記憶している充電スタンドの中から、電気自動車の現在地周辺に存在する充電スタンドを抽出し、抽出した充電スタンドの位置とその充電スタンドに設置されている充電器の利用可能情報とを提供する技術が開示されている。なお、特許文献2には、所定時間ごとに、電気自動車のバッテリの残容量(つまり、走行用バッテリの残蓄電量)と現在地から目的地まで走行するためのバッテリの必要容量とに基づいて、バッテリを充電せずに目的地まで走行可能かを判定し、当該残容量では目的地まで走行できないと判定した場合に、充電スタンドに到着後直ちにもしくは所定時間内に充電を開始でき、且つ、少なくとも当該必要容量まで充電可能な充電器に関する情報を提供する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−210702号公報
【特許文献2】特開2003―262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出発地から目的地までの時間的に余裕をもった運転を行うためには、目的地への到着予定時刻をもとに、時間的な余裕をもった運転ができるような出発時刻を定めた運行計画を立てることが重要である。また、電動車両のユーザが最も不安に思うことは、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかということである。
【0007】
これに対して、特許文献1に開示の技術では、走行用バッテリの残蓄電量が一定レベル以下となったときに、電気自動車の現在地周辺に存在する充電スタンドを検索してユーザに情報提供するだけなので、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかについては判らず、不安が払拭されない。つまり、特許文献1に開示の技術では、安心感が十分ではないことから、安心感がもたらす快適性も十分ではないという問題点を有している。さらに、特許文献1に開示の技術では、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかについて判らないので、走行用バッテリの充電の要否や走行用バッテリの充電時間を考慮することができず、時間的な余裕をもった運行計画を立てることが困難であるという問題点も有している。
【0008】
また、走行用バッテリを充電せずに目的地まで走行可能かを所定時間ごとに判定する旨の特許文献2中の記載から明らかなように、特許文献2に開示の技術は、走行中に現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかを逐次判定する技術であるので、電動車両の出発時において、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかを考慮した運行計画を立てることは困難である。従って、特許文献2に開示の技術も、時間的な余裕をもった運行計画を立てることが困難であるという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザの快適性をより向上させることを可能にするとともに、時間的な余裕をもった電動車両の運行計画をユーザがより容易に立てることができるようにする蓄電情報出力装置および蓄電情報出力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の蓄電情報出力装置では、出発地における走行用バッテリの残蓄電量が、車両が出発地から目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力手段から出力させるので、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることが可能になる。
【0011】
そして、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かが明らかになることによって、出発地において十分な充電を行ったり、目的地に到達するまでに充電を行う場所を確認したりするなどの処置をユーザがとることが可能になるので、目的地に到達するまでの道中にユーザが現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるか否かを心配しなくても済むようにすることが可能になる。
【0012】
さらに、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かが明らかになることによって、目的地に到達するまでに充電を行う場所の検討や充電時間の検討などを行うことが可能となり、時間的な余裕をもった運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。
【0013】
その結果、ユーザの快適性をより向上させることを可能にするとともに、時間的な余裕をもった電動車両の運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。
【0014】
また、請求項2の構成によれば、現在の走行用バッテリの残蓄電量が目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリの充電を行う装置である充電スタンドの個々の利用可能情報を出力手段から出力させるので、充電スタンドの個々の利用可能情報を考慮して、目的地に到達するまでに充電を行う場所をユーザが決めることが容易になる。
【0015】
例えば、充電スタンドの個々の利用可能情報としては、請求項3のように、充電スタンドの利用の可否の情報および充電スタンドの利用可能な時間帯の情報のうちの少なくともいずれかとする態様としてもよい。例えば、充電スタンドの利用の可否の情報が出力手段で出力される場合には、利用可能な充電スタンドをユーザが考慮に入れることが可能になり、充電スタンドの利用可能な時間帯の情報が出力手段で出力される場合には、充電スタンドの利用可能な時間帯をユーザが考慮に入れることが可能になる。
【0016】
また、請求項4の構成によれば、現在の走行用バッテリの残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索し、残蓄電量不足情報に加えて出力させる利用可能情報を、到達可能充電スタンドについての利用可能情報に限定するので、現在の走行用バッテリの残蓄電量では車両が到達不可能な充電スタンドについては、利用可能情報の出力を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0017】
また、請求項5のように、出発地情報と各充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、出発地から各充電スタンドの配置場所までの走行に要する電力量を算出するとともに、算出した当該走行に要する電力量と残蓄電量情報とをもとに、当該残蓄電量情報が示す残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索する態様としてもよい。
【0018】
また、請求項6の構成によれば、残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドのうち、車両が取り得る経路上に存在する到達可能充電スタンドに限定して検索するので、現在の走行用バッテリの残蓄電量では車両が到達不可能な充電スタンド、および出発地から目的地までに車両が取り得る経路外の経路上に存在する充電スタンドについて、利用可能情報の出力を省略することができる。よって、さらに無駄な情報の出力を省略することによって、さらに有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0019】
また、請求項7の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻の情報を、時刻の早い順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドに車両がより早く到着することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドに車両がより早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、より早く到着することのできる到達可能充電スタンドに立ち寄って、より早く走行用バッテリの充電を開始することも可能になる。例えば、利用の予約を行うことができない到達可能充電スタンドが対象となる場合に特に有効となる。
【0020】
また、請求項8の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについて、充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻以降の充電スタンドの個々の利用可能情報を出力手段から出力させるので、各到達可能充電スタンドへの車両の到着予定時刻よりも前の到達可能充電スタンドの個々の利用可能情報については、出力を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0021】
また、請求項9のように、検索で得られた各到達可能充電スタンドから目的地に車両が到達するためにその到達可能充電スタンドで充電する必要がある必要充電量をそれぞれ算出する態様としてもよい。
【0022】
また、請求項10の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、充電開始時刻算出手段で算出した、当該各到達可能充電スタンドで前述の各必要充電量を満たす充電を開始することが可能な時刻である充電開始時刻の情報を、時刻の早い順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電をより早く開始することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電をより早く開始することができるのかをユーザが知ることができるので、前述の必要充電量を満たす充電をより早く開始することのできる到達可能充電スタンドに立ち寄って、前述の必要充電量を満たす充電をより早く完了することが可能になる。従って、請求項10の構成によれば、利用待ちの時間がより少ない到達可能充電スタンドで走行用バッテリの充電を行うことを可能にすることによって、ユーザにとっての充電スタンドの利用待ちのストレスを低減することが可能になる。
【0023】
また、請求項11の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、目的地到着予定時刻算出手段で算出した、当該各充電スタンドで前述の各必要充電量を満たす充電を行った後に車両が目的地に到着する予定時刻である目的地到着予定時刻を、時刻の早い順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電を行った場合に目的地により早く到着することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電を行った場合に目的地により早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的に目的地により早く到着することができる到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電を行って、目的地により早く到着することが可能になる。
【0024】
また、請求項12の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、目的地到達消費電力量算出手段で算出した、出発地から当該各到達可能充電スタンドを経由して目的地に車両が到達するまでの走行に要する電力量としての目的地到達消費電力量の情報を、電力量の少ない順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドを経由した場合に目的地までより少ない電力消費量で到達することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドを経由した場合に目的地までより少ない電力消費量で到達することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的により少ない電力消費量で目的地に到達することができる到達可能充電スタンドで走行用バッテリの充電を行って、より少ない電力消費量で目的地に到達することが可能になる。
【0025】
また、請求項13の構成によれば、表示情報のうちの少なくともいずれか2種類以上を出力手段から出力させる場合に、出力手段から出力させる表示情報のうちのいずれを優先させるかを選択するユーザからの入力に応じた表示情報の並び順を優先した順になるように、出力手段から出力させる表示情報を並び替えて出力手段から出力させるので、出力手段から出力させる表示情報を、ユーザの希望に沿った表示情報の並び順を優先した順に並べて出力することが可能になる。つまり、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量といった表示情報のうちの少なくともいずれか2種類以上を出力手段から出力させる場合に、出力手段から出力させる表示情報のうちのユーザの希望に沿ったいずれかの並び順を優先した順に並べて表示することが可能になる。一例としては、充電開始時刻を優先させる選択が行われた場合には、充電開始時刻の早い順に並ぶように並べて表示することになる。
【0026】
また、請求項14の構成によれば、優先選択入力受け付け手段で受け付けた入力に応じた表示情報の並び順を優先した順において最も先頭の順番に対応する充電スタンドの仮予約を行わせるので、ユーザが走行用バッテリの充電場所として選択する可能性がより高い充電スタンドを自動的に仮予約、つまり、一時的に予約することが可能になる。よって、ユーザがその充電スタンドの利用の予約を実際に行うまでに他のユーザに予約されてしまう不具合が生じることを回避することが可能になる。
【0027】
また、請求項15の構成によれば、車両の走行時の走行用バッテリの電力消費量に影響を与える外乱の情報に応じて、走行に要する電力量を補正して処理を行うので、走行に要する電力量を、外乱による影響を考慮してより正確な値に補正して用いることが可能になる。そして、走行に要する電力量をより正確な値に補正して用いることが可能になるので、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザがより正確に知ることが可能になる。また、現在の走行用バッテリの残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する充電スタンドをより正確に検索することも可能になる。さらに、検索で得られた各到達可能充電スタンドから目的地に車両が到達するために必要となる走行用バッテリへの当該各到達可能充電スタンドからの充電量をより正確に算出することも可能になる。また、出発地から各到達可能充電スタンドを経由して目的地に車両が到達するまでの走行に要する電力量をより正確に算出したりすることも可能になる。
【0028】
また、請求項16のように、検索結果として得られた各到達可能充電スタンドのうちからいずれかの到達可能充電スタンドを選択するユーザからの入力に応じて到達可能充電スタンドの利用の予約を行わせる態様としてもよい。
【0029】
また、請求項17の構成によれば、前述の残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前述の必要電力量を下回っていると判定した場合に、さらに、前述の残蓄電量情報が示す残蓄電量が、車両が出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所に到達するまでに要する電力量である最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、下回っていると判定した場合に、さらに、出発地からの出発前に走行用バッテリの充電が必要であることを示す情報を出力手段から出力させることになる。よって、出発地における走行用バッテリの残蓄電量が出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所に到達することもできないほど少なかった場合に、出発地で十分な充電を行うことをユーザに促すことが可能になる。
【0030】
また、請求項18の蓄電情報出力システムのように、前記のいずれかの蓄電情報出力装置と、蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、車両の前記通信手段は、車両の出発地における走行用バッテリの残蓄電量の情報を蓄電情報出力装置に送信するとともに、蓄電情報出力装置は、車両が駐車されている敷地内の建造物に設けられている態様としてもよい。
【0031】
また、請求項19の蓄電情報出力システムのように、前記のいずれかの蓄電情報出力装置と、蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、車両の前記通信手段は、車両の出発地における前記走行用バッテリの残蓄電量の情報を蓄電情報出力装置に送信するとともに、蓄電情報出力装置は、ユーザに携行される携帯機に設けられている態様としてもよい。
【0032】
また、請求項20の蓄電情報出力システムのように、前記のいずれかの蓄電情報出力装置と、走行駆動源としての電動機と、電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、蓄電情報出力装置は、前記車両に搭載されている態様としてもよい。
【0033】
また、請求項21の構成によれば、車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、現在の走行用バッテリの残蓄電量が目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す情報を出力手段から出力させるので、確実に車両の出発前に現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることができる。
【0034】
また、請求項22の構成によれば、車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、現在の走行用バッテリの残蓄電量が最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該最低限必要電力量を下回っていると判定した場合に、出発地からの出発前に走行用バッテリの充電が必要であることを示す情報を出力手段から出力させるので、確実に車両の出発前に現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から出発して良いか否かをユーザが知ることができる。例えば、請求項22の構成は、車両を長期間走行させていなかったために走行用バッテリが放電してしまっている状況において有効である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】蓄電情報出力システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】充電管理センタ1の概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】充電スタンド2の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】電動車両3の概略的な構成を示すブロック図である。
【図5】蓄電情報出力装置4の概略的な構成を示すブロック図である。
【図6】外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルの一例を示す図である。
【図7】蓄電情報出力装置4の動作フローを示すフローチャートである。
【図8】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図9】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図10】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図11】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図12】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図13】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図14】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図15】出発地と充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2の配置場所と目的地との位置関係を模式的に示した図である。
【図16】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図17】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図18】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図19】蓄電情報出力システム200の概略的な構成を示すブロック図である。
【図20】蓄電情報出力システム300の概略的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された蓄電情報出力システム100の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す蓄電情報出力システム100は、充電管理センタ1、複数の充電スタンド2、電動車両3、および蓄電情報出力装置4を含んでいる。また、充電管理センタ1、充電スタンド2、および蓄電情報出力装置4は、インターネット網等の通信網を介して情報の送受信を可能なように各々接続されている。
【0037】
充電管理センタ1は、充電スタンド2の利用の予約を管理するものである。ここで、図2を用いて充電管理センタ1の概略的な構成について説明を行う。図2は、充電管理センタ1の概略的な構成を示すブロック図である。図2に示すように充電管理センタ1は、センタ側通信部11、センタ側制御部12、および充電予約データベース(DB)13を備えている。
【0038】
センタ側通信部11は、インターネット網等の通信網を介して充電スタンド2や蓄電情報出力装置4との間で情報の送受信を行う。例えば、センタ側通信部11は、蓄電情報出力装置4から充電スタンド2の後述する充電器23の利用可能についての情報(以下、利用可能情報)の送信の要求信号が送信されてきた場合に、この要求信号を受信してセンタ側制御部12に送るとともに、この要求信号に応じてセンタ側制御部12から送られてくる利用可能情報を蓄電情報出力装置4に向けて送信する。さらに、センタ側通信部11は、蓄電情報出力装置4から後述する仮予約の要求信号や予約の要求信号が送信されてきた場合に、この要求信号を受信してセンタ側制御部12に送るとともに、この要求信号に応じてセンタ側制御部12から送られてくる後述する仮予約の命令信号や予約の命令信号を充電スタンド2に向けて送信する。なお、ここで言うところの利用可能情報とは、例えば充電器23の予約の有無(つまり、充電器23の利用の可否)の情報と充電器23の予約時間帯(つまり、充電器23の利用可能な時間帯)の情報とのうちの少なくともいずれかであるものとすればよい。また、以降では、利用可能情報は少なくとも充電器23の利用可能な時間帯の情報であるものとして説明を続ける。
【0039】
充電管理センタ1と蓄電情報出力装置4との間での上述した情報の送受信は、家屋や施設等の建造物にひかれているインターネット網を介して行うものとする。詳しくは、蓄電情報出力装置4から建造物までについては、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信またはPLC通信(電源線通信、電力線通信)によって行い、当該建造物から充電管理センタ1までについては、当該建造物にひかれたインターネット網(ブロードバンド網)を利用して行う態様とする。
【0040】
なお、他の実施の態様として、充電管理センタ1と蓄電情報出力装置4との間での上述した情報の送受信を、建造物にひかれたインターネット網を介さずに、DCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールを利用することによって携帯電話網を介して行う態様としてもよい。
【0041】
センタ側制御部12は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、センタ側制御部12は、センタ側通信部11から利用可能情報の送信の要求信号が送られてきた場合に、充電予約DB13に格納されている利用可能情報を読み出してセンタ側通信部11に送る。
【0042】
また、センタ側制御部12は、センタ側通信部11から仮予約の要求信号が送られてきた場合に、この仮予約の要求信号に従った充電スタンド2の充電器23の利用を一時的(例えば数分などの所定の時間)に特定のユーザのみに限定する仮予約の命令信号を充電スタンド2に向けてセンタ側通信部11から送信させる。さらに、センタ側制御部12は、センタ側通信部11から予約の要求信号が送られてきた場合に、この予約の要求信号に従った充電スタンド2の充電器23のこの予約の要求信号に従った時間帯の利用を特定のユーザのみに限定する予約の命令信号を充電スタンド2に向けてセンタ側通信部11から送信させる。なお、ここで言うところの特定のユーザとは、例えば電動車両3のユーザであって、電動車両3の車両IDによって特定されるものとすればよい。また、センタ側制御部12は、仮予約の命令信号や予約の命令信号をセンタ側通信部11から送信させた場合に、この仮予約や予約を反映させた利用可能情報となるように、充電予約DB13に格納されている利用可能情報を更新する。
【0043】
充電予約DB13は、充電スタンド2の充電器23の利用可能情報を格納している。また、充電予約DB13では、どの充電スタンド2のどの充電器23の利用可能情報であるのかを特定可能なように、どの充電スタンド2のどの充電器23であるかを識別するID等の識別情報が利用可能情報に紐付けられている。
【0044】
図1に戻って、充電スタンド2は、走行用バッテリの充電を行うものであって、屋外の様々な場所に複数配置されているものである。なお、図1では、蓄電情報出力システム100に充電スタンド2が2つ含まれている構成を示しているが、必ずしもこれに限らず、2つ以外の数含まれる構成としてもよい。ここで、図3を用いて充電スタンド2の概略的な構成について説明を行う。図3は、充電スタンド2の概略的な構成を示すブロック図である。図3に示すように充電スタンド2は、スタンド側通信部21、スタンド側制御部22、および複数の充電器23を備えている。
【0045】
スタンド側通信部21は、インターネット網等の通信網を介して充電管理センタ1との間で情報の送受信を行う。詳しくは、スタンド側通信部21は、充電管理センタ1から仮予約の命令信号を受信した場合に、この仮予約の命令信号をスタンド側制御部22に送る。さらに、スタンド側通信部21は、充電管理センタ1から予約の命令信号を受信した場合に、この予約の命令信号をスタンド側制御部22に送る。
【0046】
スタンド側制御部22は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、スタンド側制御部22は、スタンド側通信部21から仮予約の命令信号が送られてきた場合に、この仮予約の命令信号に従った充電器23の利用を一時的(例えば数分など)に特定のユーザのみに限定する制御を行う。また、スタンド側制御部22は、スタンド側通信部21から予約の命令信号が送られてきた場合に、この予約の命令信号に従った充電器23のこの予約の命令信号に従った時間帯の利用を特定のユーザのみに限定する制御を行う。なお、ここで言うところの予約は、キャンセルされたり、当該特定のユーザによって充電器23が利用されたり、予約で確保されていた時間帯が経過したりするまで継続するものとすればよい。また、充電器23の利用を許可された特定のユーザか否かの判別は、前述の車両IDを無線通信や電力線通信等によって電動車両3から取得し、この車両IDが充電器23の利用を許可された特定のユーザに対応する車両IDか否かに基づいて行う構成とすればよい。
【0047】
充電器23は、電動車両3の後述する走行用バッテリ32へ電力を供給するものである。なお、電動車両3の走行用バッテリ32へ電力を供給する充電器23の構成については、電動車両の走行用バッテリへ電力を供給する周知の充電器と同様のものであるとする。また、充電器23からの走行用バッテリ32への電力の供給は、プラグを介した接触式によるものであってもよいし、電磁誘導を利用した非接触式によるものであってもよい。
【0048】
なお、図3では、充電スタンド2に2つの充電器23を備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、充電スタンド2に1つの充電器23のみを備える構成としてもよいし、2つよりも多い数の充電器23を備える構成としてもよい。
【0049】
図1に戻って、電動車両3は、後述する電動機(モータ)31のみを走行駆動源として用いる電気自動車(EV)やモータ31とエンジンとを走行駆動源として併用するプラグインハイブリッド車(PHV)等の電動車両である。ここで、図4を用いて電動車両3の概略的な構成について説明を行う。図4は、電動車両3の概略的な構成を示すブロック図である。図4に示すように電動車両3は、モータ31、走行用バッテリ32、および充電制御部33を備えているとともに、蓄電情報出力装置4も備えている。
【0050】
モータ31は、外部から与えられた電気エネルギー(つまり、電力)を回転エネルギー(駆動力)に変換する機関であって、前述したように電動車両3の走行駆動源として用いられるものである。また、走行用バッテリ32は、電動車両の走行駆動源として用いられるモータ31へ電力を供給するための走行用のバッテリである。
【0051】
充電制御部33は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、充電制御部33は、充電スタンド2から走行用バッテリ32への充電に関する各種の周知の処理を実行する。また、充電制御部33は、走行用バッテリ32のSOC(state of charge)をモニタして、走行用バッテリ32の残蓄電量の情報を得る。
【0052】
蓄電情報出力装置4は、電動車両3に備えられている走行用バッテリ32の残蓄電量に関する情報等を出力する装置である。ここで、図5を用いて蓄電情報出力装置4の概略的な構成について説明を行う。図5は、蓄電情報出力装置4の概略的な構成を示すブロック図である。図5に示すように蓄電情報出力装置4は、装置側通信部41、入力装置42、出力装置43、ナビ情報取得部44、および装置側制御部45を備えている。
【0053】
装置側通信部41は、前述したように、インターネット網等の通信網を介して充電管理センタ1との間で情報の送受信を行う。詳しくは、装置側通信部41は、装置側制御部45の指示に従って充電管理センタ1に利用可能情報の送信の要求信号を送信するとともに、この要求信号に応じて充電管理センタ1から送られてくる利用可能情報を受信して装置側制御部45に送る。よって、装置側通信部41は、請求項の利用可能情報取得手段として機能する。また、装置側通信部41は、装置側制御部45の指示に従って、特定の充電スタンド2の充電器23の利用を一時的(例えば数分など)に特定のユーザのみに限定する仮予約を要求する仮予約の要求信号を送信する。さらに、装置側通信部41は、装置側制御部45の指示に従って、特定の充電スタンド2の充電器23の特定の時間帯の利用を特定のユーザのみに限定する予約を要求する予約の要求信号を送信する。
【0054】
入力装置42は、ユーザからの入力を受け付けるものであって、例えば表示装置と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により装置側制御部45へ各種機能の操作指示を行う。
【0055】
出力装置43は、情報をユーザに対して出力するものである。よって、出力装置43は請求項の出力手段として機能する。例えば、出力装置43は、表示装置や音声出力装置などで構成され、音声で情報を出力したり、テキスト表示や画像表示によって情報を出力したりする。なお、出力装置43はテキスト表示および画像表示が可能な表示装置であるものとして以降の説明を続ける。また、ここで言うところの表示装置として車載ナビゲーション装置のディスプレイを利用する構成としてもよい。
【0056】
ナビ情報取得部44は、電動車両3に搭載される車載ナビゲーション装置から情報を取得するものである。ナビ情報取得部44で車載ナビゲーション装置から取得する情報としては、現在位置情報、出発地情報、目的地情報、地図データ、施設情報、案内経路情報、通行候補経路情報等がある。また、ナビ情報取得部44は、取得した情報を装置側制御部45に送る。よって、ナビ情報取得部44は、請求項の配置場所情報取得手段および経路情報取得手段として機能する。
【0057】
現在位置情報は、電動車両3の現在位置の情報であって、車載ナビゲーション装置の周知の地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、GPS受信機等からなる位置検出器で検出されたものである。また、出発地情報および目的地情報は、車載ナビゲーション装置において電動車両3の出発地および目的地として入力された場所の座標等の情報である。
【0058】
地図データは、道路を示すリンクデータとノードデータとが含まれる情報である。なお、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンク旅行時間、リンク方向、リンク方位、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および制限速度等の各データから構成される。一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。また、施設情報は、各種施設の種類、名称、住所、配置場所の座標等の情報である。なお、施設情報には、充電スタンド2の配置場所の座標の情報も含まれているものとする。
【0059】
案内経路情報は、車載ナビゲーション装置において、入力された出発地および目的地をもとに、電動車両3が通行し得る経路の中から、距離優先、時間優先等の予め設定された条件を満たす適切な移動経路を公知のダイクストラ法を用いて探索した結果として得られた案内経路の情報である。また、通行候補経路情報は、上述の電動車両3が通行し得る経路の情報である。よって、ナビ情報取得部44は、請求項の出発地情報取得手段および目的地情報取得手段として機能する。
【0060】
装置側制御部45は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成される。また、装置側制御部45は、充電制御部33、装置側通信部41、入力装置42、およびナビ情報取得部44から入力された各種情報に基づき、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理(例えば、目的地到達必要電力量算出処理、最低限必要電力量算出処理、充電スタンド検索処理、充電スタンド到着予定時刻算出処理、必要充電量算出処理、充電開始時刻算出処理、目的地到着予定時刻算出処理、目的地到達消費電力量算出処理、優先表示処理、仮予約処理、予約処理、外乱補正処理等)を実行するものである。
【0061】
目的地到達必要電力量算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報および目的地情報をもとに、電動車両3が当出発地から目的地に到達するまでの案内経路の情報(つまり、案内経路情報)を得る。例えば、案内経路情報は、前述したようにナビ情報取得部44で取得したものを利用する構成とすればよい。そして、案内経路情報をもとに、電動車両3が出発地から目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の目的地到達必要電力量算出手段として機能する。また、入力装置42で入力を受け付けた目的地情報を用いる構成としてもよい。よって、入力装置42は、請求項の目的地情報取得手段としても機能する。なお、以降の説明における目的地情報についても同様に、入力装置42で入力を受け付けた目的地情報を用いる構成としてもよい。
【0062】
なお、案内経路情報をもとに目的地到達必要電力量を算出する方法としては、予め一定の距離あたりの走行用バッテリ32の平均電力消費量の情報を装置側制御部45で保持しておくとともに、ナビ情報取得部44で取得した地図データをもとに案内経路上の各リンク長を足し合わせて案内経路の距離を求め、案内経路の距離と上述の平均電力消費量とをもとに目的地到達必要電力量を算出する構成としてもよい。また、ナビ情報取得部44で取得した地図データをもとに案内経路上の各リンクに対応付けられた制限速度を得て、この制限速度をもとに案内経路上の各リンクでの走行用バッテリ32の電力消費量をそれぞれ算出し、算出した各リンクでの電力消費量を足し合わせることによって目的地到達必要電力量を算出する構成としてもよい。
【0063】
また、装置側制御部45は、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が目的地到達必要電力量算出処理で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、下回っていると判定した場合には、走行用バッテリ32の残蓄電量に関する情報として、走行用バッテリ32の残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力装置43で表示させる。よって、装置側制御部45は、請求項の制御手段としても機能する。なお、装置側制御部45は、残蓄電量不足情報を出力装置43で表示させる場合に、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報をもとに、充電スタンド2についての利用可能情報も出力装置43で表示させる構成としてもよい。これによれば、充電スタンド2の個々の利用可能情報を考慮して、目的地に到達するまでに充電を行う場所をユーザが決めることが容易になる。
【0064】
最低限必要電力量算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報および地図データの施設情報をもとに、出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所の情報を取得する。そして、取得した当該配置場所の情報と出発地情報とをもとに、前記車両が前記出発地から前記配置場所に到達するまでの走行に要する電力量である最低限必要電力量を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の直近配置場所情報取得手段および最低限必要電力量算出手段としても機能する。
【0065】
なお、当該配置場所の情報と出発地情報とをもとに最低限必要電力量を算出する方法としては、出発地から当該配置場所までの直線距離を求め、この直線距離と前述の平均電力消費量とをもとに最低限必要電力量を算出する構成とすればよい。また、出発地から当該配置場所までの経路(例えば最短経路)を求め、当該経路の距離と前述の平均電力消費量とをもとに最低限必要電力量を算出する構成としてもよいし、当該経路上の各リンクに対応付けられた制限速度をもとに当該経路上の各リンクでの走行用バッテリ32の電力消費量をそれぞれ算出して目的地到達必要電力量を算出する構成としてもよい。なお、当該経路の距離は、前述の案内経路の距離と同様にして求める構成とすればよいし、当該経路上の各リンクの制限速度は、前述の案内経路上の各リンクの制限速度と同様にして得る構成とすればよい。また、当該経路については、当該配置場所の情報と出発地情報とをもとに車載ナビゲーション装置で求めた経路を、ナビ情報取得部44を介して取得することによって得る構成としてもよい。なお、以降の説明においても、経路の求め方、経路の距離の求め方、経路上の各リンクの制限速度を得ることによる経路上の各リンクでの電力消費量の求め方については同様にして行うものとする。
【0066】
また、装置側制御部45は、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、下回っていると判定した場合には、走行用バッテリ32の残蓄電量に関する情報として、出発地からの出発前に走行用バッテリ32の充電が必要であることを示す要充電情報を出力装置43で表示させる。これによれば、出発地における走行用バッテリ32の残蓄電量が出発地から最も近くに存在する充電スタンド2の配置場所に到達することもできないほど少なかった場合に、出発地で十分な充電を行うことをユーザに促すことが可能になる。
【0067】
充電スタンド検索処理では、充電制御部33から取得した走行用バッテリ32の残蓄電量の情報(以下、残蓄電量情報)とナビ情報取得部44で取得した出発地情報および地図データの施設情報とをもとに、当該残蓄電量で電動車両3が到達可能な場所に存在する充電スタンド2を検索する。なお、当該残蓄電量で電動車両3が到達可能な場所に存在する充電スタンド2が請求項の到達可能充電スタンドに相当する。
【0068】
例えば、残蓄電量情報と前述の平均電力消費量とをもとに電動車両3が出発地から走行可能な距離を求め、この距離よりも近い場所に存在する充電スタンド2を検索結果として得る構成とすればよい。よって、装置側制御部45は、請求項の残蓄電量情報取得手段として機能する。なお、出発地から充電スタンド2の配置場所までの距離は直線距離としてもよいし、出発地から当該配置場所までの経路(例えば最短経路)の距離としてもよい。他にも、出発地情報と各充電スタンド2の配置場所の情報とをもとに、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量を算出し、当該電力量が当該残蓄電量を下回る充電スタンド2を検索結果として得る構成としてもよい。なお、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量は、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの直線距離と前述の平均電力消費量とをもとに算出する構成としてもよいし、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの経路(例えば最短距離)の距離と前述の平均電力消費量とをもとに算出する構成としてもよいし、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの経路(例えば最短距離)の距離と当該経路上の各リンクの制限速度とをもとに算出する構成としてもよい。
【0069】
さらに、充電スタンド検索処理では、さらにナビ情報取得部44で取得した通行候補経路情報をもとに、出発地から目的地までの電動車両3が取り得る経路上に存在する充電スタンド2に絞った充電スタンド2を検索結果として得る構成としてもよい。これによれば、電動車両3が通行する可能性の低い経路上の充電スタンド2については検索結果から外すことによって無駄な情報の出力を省略し、有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することを可能にすることができる。
【0070】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報を出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報の表示の態様としては、例えば各充電スタンド2を特定する番号や記号等(以下、充電スタンド名とする)と各充電スタンド2の利用の可否を示す情報(例えば「利用可」、「利用不可」等)とが対応付けられた表を表示する態様であってもよいし、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2に絞って、充電スタンド名を表示する態様であってもよい。これによれば、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量では電動車両3が到達不可能な充電スタンド2については、利用可能情報の表示を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0071】
さらに、充電スタンド到着予定時刻算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報および地図データの施設情報と入力装置42で入力を受け付けた電動車両3の出発予定時刻の情報とをもとに、各充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻を算出する。よって、入力装置42は請求項の出発予定時刻取得手段として機能する。また、装置側制御部45は、請求項の充電スタンド到着予定時刻算出手段として機能する。
【0072】
例えば、出発地情報と各充電スタンド2の配置場所の情報とをもとに各充電スタンド2までの経路(例えば最短距離)を求め、この経路上の各リンクのリンク旅行時間をもとに出発地から各充電スタンド2までの走行時間を求める。そして、この走行時間を出発予定時刻に加えることによって各充電スタンド2への到着予定時刻を算出する構成とすればよい。なお、経路上の各リンクのリンク旅行時間は、ナビ情報取得部44で取得した地図データから得る構成としてもよいし、VICS(登録商標)センタ等から配信されたものを取得して利用する構成としてもよい。
【0073】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と充電スタンド到着予定時刻算出処理で算出した到着予定時刻とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と到着予定時刻とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と到着予定時刻との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と到着予定時刻を表示するとともに、到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2に電動車両3がより早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、より早く到着することのできる充電スタンド2に立ち寄って、より早く走行用バッテリ32の充電を開始することも可能になる。
【0074】
さらに、装置側制御部45が到着予定時刻以降の充電スタンド2の利用可能情報に限定して出力装置43で表示させる構成としてもよい。これによれば、充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻よりも前の利用可能情報については、表示を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0075】
また、必要充電量算出処理では、充電制御部33から取得した残蓄電量情報と、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報、目的地情報、および地図データの施設情報とをもとに、出発地から対象となる充電スタンド2を経由して目的地に電動車両3が到達するまでの走行に要する電力量を算出することによって、当該充電スタンド2から目的地に車両が到達するために必要となる走行用バッテリ32への当該充電スタンド2からの充電量(以下、必要充電量)を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の必要充電量算出手段としても機能する。
【0076】
例えば、出発地情報と充電スタンド2の配置場所の情報とをもとに、前述したのと同様にして、出発地から当該充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量を算出し、算出した電力量を当該残蓄電量から差し引くことによって、電動車両3が当該充電スタンド2に到着した場合の到着時の走行用バッテリ32の残蓄電量を算出する。続いて、当該充電スタンド2の設置場所の情報と目的地情報とをもとに、出発地から当該充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量を算出したのと同様にして、当該充電スタンド2の配置場所から目的地までの走行に要する電力量を算出する。そして、当該充電スタンド2の配置場所から目的地までの走行に要する電力量から当該充電スタンド2に到着時の残蓄電量を差し引くことによって、必要充電量を算出する。
【0077】
さらに、充電開始時刻算出処理では、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報と必要充電量算出処理で算出した必要充電量とをもとに、充電スタンド2で当該必要充電量を満たす充電を開始することが可能な時刻である充電開始時刻を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の充電開始時刻算出手段としても機能する。
【0078】
例えば、充電スタンド到着予定時刻算出処理で算出した充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻と充電スタンド2の充電器23の利用可能な時間帯の情報と当該必要充電量とをもとに、充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻以降の充電器23の利用可能な時間帯のうち、当該必要充電量を満たす充電を連続して行うことが可能な時間帯を検索する。そして、検索の結果得られた時間帯のうちで最も早い時間帯の開始時刻を充電開始時刻として算出する構成とすればよい。
【0079】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と充電開始時刻算出処理で算出した充電開始時刻とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と充電開始時刻とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と充電開始時刻との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と充電開始時刻を表示するとともに、充電開始時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2で必要充電量を満たす充電をより早く開始することができるのかをユーザが知ることができるので、必要充電量を満たす充電をより早く開始することのできる充電スタンド2に立ち寄って、必要充電量を満たす充電をより早く完了することが可能になる。従って、以上の構成によれば、利用待ちの時間がより少ない充電スタンド2で走行用バッテリ32の充電を行うことを可能にすることによって、ユーザにとっての充電スタンド2の利用待ちのストレスを低減することが可能になる。
【0080】
さらに、目的地到着予定時刻算出処理では、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報と必要充電量算出処理で算出した必要充電量とナビ情報取得部44で取得した地図データの施設情報および目的地情報とをもとに、充電スタンド2で当該必要充電量を満たす充電を行った後に電動車両3が目的地に到着する予定時刻である目的地到着予定時刻を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の目的地到着予定時刻算出手段としても機能する。
【0081】
例えば、充電開始時刻算出処理で算出した充電開始時刻と当該必要充電量とをもとに、当該充電開始時刻から開始した当該必要充電量を満たす充電が完了する時刻(以下、充電完了時刻)を算出するとともに、充電スタンド2の配置場所の情報と目的地情報とをもとに充電スタンド2から目的地までの走行時間を求める。そして、充電スタンド2から目的地までの走行時間を充電完了時刻に加えることによって目的地到着予定時刻を算出する構成とすればよい。なお、必要充電量を満たす充電にかかる時間は、例えば充電量に応じて一律に算出するものとする。また、充電スタンド2から目的地までの走行時間は、前述の出発地から充電スタンド2までの走行時間を求めるのと同様にして求める構成とすればよい。
【0082】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と目的地到着予定時刻算出処理で算出した目的地到着予定時刻とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到着予定時刻とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到着予定時刻との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と目的地到着予定時刻を表示するとともに、目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2で必要充電量を満たす充電を行った場合に目的地により早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的に目的地により早く到着することができる充電スタンド2で必要充電量を満たす充電を行って、目的地により早く到着することが可能になる。
【0083】
さらに、目的地到達消費電力量算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報、目的地情報、および地図データの施設情報をもとに、出発地から充電スタンド2を経由して目的地に電動車両3が到達するまでの走行に要する電力量(以下、目的地到達消費電力量)を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の目的地到達消費電力量算出手段としても機能する。
【0084】
例えば、出発地情報、目的地情報、および充電スタンド2の配置場所の情報をもとに、出発地から充電スタンド2を経由して目的地に到達するまでの経路を求め、当該経路の距離と前述の平均電力消費量とをもとに目的地到達消費電力量を算出する構成としてもよいし、当該経路上の各リンクに対応付けられた制限速度をもとに当該経路上の各リンクでの走行用バッテリ32の電力消費量をそれぞれ算出して目的地到達消費電力量を算出する構成としてもよい。
【0085】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と目的地到達消費電力量算出処理で算出した目的地到達消費電力量とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到達消費電力量とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到達消費電力量との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と目的地到達消費電力量を表示するとともに、目的地到達消費電力量の少ない順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2を経由した場合に目的地までより少ない電力消費量で到達することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的により少ない電力消費量で目的地に到達することができる充電スタンド2で走行用バッテリ32の充電を行って、より少ない電力消費量で目的地に到達することが可能になる。従って、充電コストをより低く抑えながら目的地に到達することが可能になる。
【0086】
なお、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報としては、前述した到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量の他にも、検索結果として得られた充電スタンド2までの走行時間等であってもよい。
【0087】
さらに、優先表示処理では、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報が2種類以上であった場合、入力装置42で受け付けた、これらの情報のうちのいずれを優先させるかを選択するユーザからの入力に応じた並び順に並び替えて出力装置43での表示を行う。例えば、出力装置43で利用可能情報とともに、走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻の4種類の情報を表示させる場合であって、入力装置42で目的地到着予定時刻を優先させる選択を行う入力が行われた場合には、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻とを表示するとともに、目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。よって、入力装置42は、請求項の優先選択入力受け付け手段としても機能する。
【0088】
また、仮予約処理では、優先表示処理において並び順が最も上位に位置した充電スタンド2(つまり、優先表示処理において選択された情報の並び順を優先した順において最も先頭の順番に対応する充電スタンド2)の利用に対しての仮予約の要求信号を自動的に装置側通信部41から送信させる。よって、装置側通信部41は、請求項の仮予約要求信号送信手段としても機能する。例えば、優先表示処理において目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示された場合には、目的地到着予定時刻の最も早い充電スタンド2の利用に対して仮予約の要求信号を自動的に装置側通信部41から送信させる。なお、仮予約の対象となる充電スタンド2(詳しくは充電スタンド2の充電器23)の特定については、充電スタンド2を個別に識別可能な充電スタンドID等を利用することによって行い、仮予約を要求するユーザの特定については、前述したように電動車両3の車両ID等を利用することによって行う構成とすればよい。これによれば、ユーザが走行用バッテリ32の充電場所として選択する可能性がより高い充電スタンド2を自動的に仮予約することが可能になる。よって、ユーザがその充電スタンド2の利用の予約を実際に行うまでに他のユーザに予約されてしまう不具合が生じることを回避することが可能になる。
【0089】
さらに、予約処理では、出力装置43に表示された利用可能情報、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量、充電スタンド2までの走行時間等の情報をもとに、検索結果として得られた充電スタンド2のうちからいずれかの充電スタンド2を選択するユーザからの入力を入力装置42で受け付けた場合に、当該入力に応じた充電スタンド2の利用に対しての予約の要求信号を装置側通信部41から送信させる。よって、入力装置42は、請求項の充電スタンド選択入力受け付け手段としても機能する。また、装置側通信部41は、請求項の予約要求信号送信手段としても機能する。なお、予約の対象となる充電スタンド2(詳しくは充電スタンド2の充電器23)の特定についても、充電スタンド2を個別に識別可能な充電スタンドID等を利用することによって行い、予約を要求するユーザの特定についても、前述したように電動車両3の車両ID等を利用することによって行う構成とすればよい。
【0090】
また、外乱補正処理では、電動車両3の走行時の走行用バッテリ32の電力消費量に影響を与える外乱を考慮して、走行に要する電力量を補正して前述の目的地到達必要電力量算出処理、最低限必要電力量算出処理、充電スタンド検索処理、必要充電量算出処理、目的地到達消費電力量算出処理等を行う。詳しくは、装置側制御部45は、考慮すべき外乱の種類を選択する入力を入力装置42で受け付けることによって外乱の情報を取得し、この取得した外乱の情報をもとに、例えば図6に示すような外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルを参照して補正量を決定し、走行に要する電力量を補正する。よって、入力装置42は、請求項の外乱情報取得手段としても機能する。
【0091】
以上の構成によれば、電動車両3の走行時の走行用バッテリ32の電力消費量に影響を与える外乱の情報に応じて、走行に要する電力量を補正して処理を行うので、走行に要する電力量を、外乱による影響を考慮してより正確な値に補正して用いることが可能になる。従って、目的地到達必要電力量算出処理、最低限必要電力量算出処理、充電スタンド検索処理、必要充電量算出処理、目的地到達消費電力量算出処理をより精度良く行うことが可能になる。
【0092】
なお、図6は、外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルの一例であって、外乱の原因となる機器(図6中の外乱機器)ごとに外乱の段階(図6中のモード)と電力消費量(W)が対応付けられている。例えば、外乱機器「エアコン」にはモード「冷房(Max)」と電力消費量「800W」およびモード「暖房(Max)」と電力消費量「1.2KW」が対応付けられており、外乱機器「ワイパー」にはモード「Lo」と電力消費量「62W」およびモード「Hi」と電力消費量「69W」が対応付けられており、外乱機器「前照灯」にはモード「使用する(Hi)」と電力消費量「70W」が対応付けられており、外乱機器「ラジオ」にはモード「使用する」と電力消費量「57W」が対応付けられており、外乱機器「ナビゲーション」にはモード「使用する」と電力消費量「7W」が対応付けられている。
【0093】
なお、本実施形態では、外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルを外乱補正処理で用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、外乱の種類と走行に要する電力量に積算する係数とを対応付けたテーブルを外乱補正処理で用いる構成としてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、考慮すべき外乱の種類を選択する入力を入力装置42で受け付けることによって外乱の情報を装置側制御部45が取得する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、電動車両3の各種センサやスイッチ等によって使用中の外乱機器や使用中のモードの情報を装置側制御部45が取得する構成としてもよい。
【0095】
次に、図7を用いて、蓄電情報出力装置4の動作フローについての説明を行う。図7は、蓄電情報出力装置4の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップS1では、例えばスイッチ操作等により蓄電情報出力装置4が起動した場合(ステップS1でYes)には、ステップS2に移る。また、蓄電情報出力装置4が起動していない場合(ステップS1でNo)には、ステップS1に戻って繰り返す。
【0096】
ステップS2では、装置側制御部45が、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量を示すとともにユーザに目的地の設定の要否を問い合わせる表示(以下、出発地残蓄電量表示)を出力装置43に行わせ、ステップS3に移る。なお、出発地残蓄電量表示が行われるまでは、例えば図8に示すような情報取得中であることを示す表示を出力装置43に行わせる構成とすればよい。また、出発地残蓄電量表示としては、図9に示すように、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量(つまり、充電状態)として充電レベル(%)や航続可能距離(km)や充電状態を示すメータの表示とともに、目的地の設定の要否を問い合わせるタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。なお、航続可能距離については、残蓄電量と前述の平均電力消費量とをもとに装置側制御部45で算出する構成とすればよい。
【0097】
ステップS3では、タッチスイッチ、つまり入力装置42で目的地の設定を必要とする入力を受け付けた場合(ステップS3でYes)には、入力装置42で目的地の設定の入力を受け付け、ステップS4に移る。また、入力装置42で目的地の設定を必要とする入力を受け付けなかった場合(ステップS3でNo)には、フローを終了する。なお、目的地の設定については、目的地の名称や住所等を入力装置42に入力することによって行う構成とすればよい。
【0098】
ステップS4では、ユーザに外乱補正処理の要否を問い合わせる例えば図10に示すような表示を装置側制御部45が出力装置43に行わせる。そして、入力装置42で外乱補正処理を必要とする入力を受け付けた場合(ステップS4でYes)には、ステップS5に移る。また、入力装置42で外乱補正処理を必要とする入力を受け付けなかった場合(ステップS4でNo)には、ステップS6に移る。
【0099】
ステップS5では、考慮すべき外乱の種類の選択をユーザに促す表示(以下、外乱選択表示)を装置側制御部45が出力装置43に行わせる。そして、考慮すべき外乱の種類の選択を行うユーザからの入力に応じて外乱補正処理における補正量を決定し、ステップS6に移る。外乱選択表示としては、図11に示すように、外乱の種類を選択できるようなタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。図11の例では、外乱の種類として「時間帯」にはライト(つまり、前照灯)が不要な「昼」とライトが必要な「夕〜夜」とが用意されており、「エアコン」にはエアコンを使用しない「使用しない」とエアコンの冷房を使用する「冷房」とエアコンの暖房を使用する「暖房」とが用意されており、「天候」にはワイパーを必要としない「晴」とワイパーのLoを必要とする「小雨」とワイパーのHiを必要とする「大雨」とが用意されており、「オーディオ」にはラジオを使用する「使用する」とラジオを使用しない「「使用しない」とが用意されている。
【0100】
なお、図11の例では、「時間帯」として「夕〜夜」、「エアコン」として「冷房」、「天候」として「晴」、「オーディオ」として「使用する」が選択されている。この場合の図6のテーブルを参照した外乱補正処理における補正量の決定については、以下に示す通りである。つまり、「時間帯」として前照灯を使用する「夕〜夜」が選択されているので、外乱機器「前照灯」のモード「使用する(Hi)」の電力消費量「70W」が参照される。また、「エアコン」として「冷房」が選択されているので、外乱機器「エアコン」のモード「冷房(Max)」の電力消費量「800W」が参照される。さらに、「天候」としてワイパーを使用しない「晴」が選択されているので、参照先がなく、デフォルトの「0W」が設定される。また、「オーディオ」としてラジオを使用する「使用する」が選択されているので、外乱機器「ラジオ」のモード「使用する」の電力消費量「57W」が参照される。そして、これらの結果から「70W」+「800W」+「0W」+「57W」=「927W」を、外乱補正処理における補正量として決定する。なお、入力装置42で外乱補正処理を必要とする入力を受け付けなかった場合には、外乱補正処理における補正量は「0W」と決定するものとする。
【0101】
ステップS6では、装置側制御部45が第1情報取得処理を行ってステップS7に移る。第1情報取得処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報、充電制御部33で得た残蓄電量情報、入力装置42で入力を受け付けた目的地情報および外乱の情報を装置側制御部45が取得する。また、出発地情報および目的地情報をもとに前述したように案内経路情報を装置側制御部45がナビ情報取得部44から取得する。なお、車載ナビゲーション装置由来の案内経路情報を取得する構成に限らず、装置側通信部41で通信可能なセンタで出発地情報および目的地情報をもとに経路探索を行わせて得た案内経路情報を装置側制御部45で取得する構成としてもよい。
【0102】
ステップS7では、装置側制御部45が目的地到達必要電力量算出処理を行ってステップS8に移る。ステップS8では、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が目的地到達必要電力量算出処理で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かを装置側制御部45が判定する。そして、下回っている(つまり、目的地到達必要電力量未満)と判定した場合(ステップS8でYes)には、ステップS9に移る。また、目的地到達必要電力量未満と判定しなかった場合(ステップS8でNo)には、フローを終了する。
【0103】
なお、ステップS6〜ステップS8の終了までの間、装置側制御部45は、例えば図12に示すような残蓄電量で目的地まで走行可能かを判断中であることを示す表示を出力装置43に行わせる構成とすればよい。また、ステップS8で目的地到達必要電力量未満と判定しなかった場合には、残蓄電量で目的地まで走行可能であることを示す表示を装置側制御部45が出力装置43に行わせる構成としてもよい。
【0104】
ステップS9では、装置側制御部45が最低限必要電力量算出処理を行ってステップS10に移る。ステップS10では、残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っているか否かを装置側制御部45が判定する。そして、下回っている(つまり、最低限必要電力量未満)と判定した場合(ステップS10でYes)には、ステップS12に移る。また、最低限必要電力量未満と判定しなかった場合(ステップS10でNo)には、ステップS11に移る。
【0105】
ステップS11では、装置側制御部45が、走行用バッテリ32の残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力装置43で表示させ、ステップS13に移る。また、残蓄電量不足情報としては、図13に示すように、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量(つまり、充電状態)として充電レベル(%)や航続可能距離(km)や充電状態を示すメータの表示とともに、目的地の表示や残蓄電量で到達可能な充電スタンド2の検索の要否を問い合わせるタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。
【0106】
また、ステップS12では、装置側制御部45が、出発地からの出発前に走行用バッテリ32の充電が必要であることを示す要充電情報を出力装置43で表示させ、出発地での走行用バッテリ32の充電をユーザに促し、フローを終了する。また、要充電情報としては、残蓄電量不足情報に続いて表示させる構成としてもよいし、残蓄電量不足情報とともに表示させる構成としてもよい。なお、この場合には、残蓄電量不足情報に到達可能な充電スタンド2の検索の要否を問い合わせるタッチスイッチの表示を行わない構成とすることが好ましい。
【0107】
ステップS13では、タッチスイッチ、つまり入力装置42によって残蓄電量で到達可能な充電スタンド2の検索を必要とする入力を受け付けた(つまり、検索要求があった)場合(ステップS13でYes)には、ステップS14に移る。また、入力装置42によって残蓄電量で到達可能な充電スタンド2の検索を必要とする入力を受け付けなかった場合(ステップS13でNo)には、フローを終了する。
【0108】
ステップS14では、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報のうちのいずれを優先させるかの選択をユーザに促す図14に示すような表示(以下、優先選択表示)を装置側制御部45が出力装置43に行わせる。なお、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報が、請求項の表示情報に相当する。そして、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報のうちのいずれを優先させるかの選択を行うユーザからの入力に応じて優先させる表示の種類を決定し、ステップS15に移る。優先選択表示としては、図16に示すように、優先させる表示の種類を選択できるようなタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。なお、図16の例では、優先させる表示の種類として、到着予定時刻の表示を優先させる「スタンド到着時間優先」と充電開始時刻を優先させる「充電開始時刻優先」と目的地到着予定時刻の表示を優先させる「目的地到着予定時刻優先」との3種類を選択できるようなタッチスイッチの表示を行う構成を示している。本フローでは、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報は、走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻の4種類の情報とし、優先させることのできる表示は到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻の3種類の情報である場合を例に挙げて以降の説明を行う。
【0109】
ステップS15では、装置側制御部45が第2情報取得処理を行ってステップS16に移る。第2情報取得処理では、後述する付加情報算出処理で用いる情報を装置側制御部45が取得する。例えば、第2情報取得処理では、ナビ情報取得部44で取得した地図データ、通行候補経路情報、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報等をさらに取得する。
【0110】
ステップS16では、装置側制御部45が充電スタンド検索処理を行ってステップS17に移る。ステップS17では、充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2について装置側制御部45が付加情報算出処理を行ってステップS18に移る。付加情報算出処理では、充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2について、充電スタンド到着予定時刻算出処理、必要充電量算出処理、充電開始時刻算出処理、目的地到着予定時刻算出処理、目的地到達消費電力量算出処理等を行って、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量等を算出する。なお、本フローの例では、充電スタンド到着予定時刻算出処理、必要充電量算出処理、充電開始時刻算出処理、目的地到着予定時刻算出処理を行って走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻を算出するものとする。
【0111】
また、本フローの例では、図15に示すような、充電スタンド名A、B、C、Dの4つの充電スタンド2(以下、A、B、C、D)が充電スタンド検索処理の検索結果として得られたものとする。なお、図15は、出発地と充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2の配置場所と目的地との位置関係を模式的に示した図である。また、図15に示すように、出発地からAまでの走行時間は5分、AからBまでの走行時間は10分、BからCまでの走行時間は10分、BからDまでの走行時間は5分、Cから目的地までの走行時間は25分、Dから目的地までの走行時間は5分であるものとする。また、便宜上、各充電スタンド2での充電に要する時間は一律10分としてここでは説明を続ける。
【0112】
さらに、本フローの例では、充電スタンド到着予定時刻算出処理によって、Aの到着予定時刻は「14:05」、Bの到着予定時刻は「14:15」、Cの到着予定時刻は「14:25」、Dの到着予定時刻は「14:30」と算出されたものとする。また、充電開始時刻算出処理によって、Aの充電開始時刻は「14:35」、Bの充電開始時刻は「14:45」、Cの充電開始時刻は「14:25」、Dの充電開始時刻は「14:35」と算出されたものとする。そして、目的地到着予定時刻算出処理によって、Aの目的地到着予定時刻は「15:15」、Bの目的地到着予定時刻は「15:25」、Cの目的地到着予定時刻は「15:00」、Dの目的地到着予定時刻は「14:50」と算出されたものとする。
【0113】
ステップS18では、装置側制御部45が優先表示処理を行ってステップS19に移る。例えば、ステップS14で「スタンド到着時間優先」が選択されていた場合には、図16に示すように、到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように(本フローの例ではA、B、C、Dの順となる)出力装置43で表示が行われる。また、ステップS14で「充電開始時刻優先」が選択されていた場合には、図17に示すように、充電開始時刻の早い順に上位から並ぶように(本フローの例ではC、D、A、Bの順となる)出力装置43で表示が行われる。そして、ステップS14で「目的地到着予定時刻優先」が選択されていた場合には、図18に示すように、目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように(本フローの例ではD、C、A、Bの順となる)出力装置43で表示が行われる。
【0114】
ステップS19では、装置側制御部45が仮予約処理を行ってステップS20に移る。ステップS20では、検索結果として得られた充電スタンド2のうちからいずれかの充電スタンド2を選択するユーザからの入力を入力装置42で受け付けた(つまり、予約要求があった)場合(ステップS20でYes)には、ステップS21に移る。また、予約要求がなかった場合には、フローを終了する。そして、ステップS21では、装置側制御部45が予約処理を行ってフローを終了する。
【0115】
以上の構成によれば、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることが可能になるので、出発地において十分な充電を行ったり、目的地に到達するまでに充電を行う場所を確認したりするなどの処置をユーザがとることが可能になる。よって、目的地に到達するまでの道中にユーザが現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で目的地まで辿り着けるか否かを心配しなくても済むようにすることが可能になる。さらに、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かが明らかになることによって、目的地に到達するまでに充電を行う場所の検討や充電時間の検討などを行うことが可能となり、時間的な余裕をもった運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。その結果、ユーザの快適性をより向上させることを可能にするとともに、時間的な余裕をもった電動車両3の運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。
【0116】
なお、装置側制御部45は、例えば電動車両3のイグニッションスイッチがオンされたことを示す信号を検出した場合など、電動車両3のモータの始動が行われたことを検出した場合に、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が目的地到達必要電力量算出処理で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かの判定を行う構成としてもよい。よって、装置側制御部45は、請求項の車両駆動状態検出手段としても機能する。これによれば、確実に電動車両3の出発前に現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることができる。
【0117】
さらに、装置側制御部45は、例えば電動車両3のイグニッションスイッチがオンされたことを示す信号を検出した場合など、電動車両3のモータの始動が行われたことを検出した場合に、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っているか否かの判定を行う構成としてもよい。これによれば、車両の出発前に現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から出発して良いか否かをユーザが知ることができる。なお、この構成は、電動車両4を長期間走行させていなかったために走行用バッテリ32が放電してしまっている状況において有効である。
【0118】
また、本実施形態では、充電管理センタ1によって管理される充電スタンド2を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、蓄電情報出力システム100に充電管理センタ1によって管理されない充電スタンドも含む構成としてもよい。なお、充電管理センタ1によって管理されない充電スタンドの利用可能情報については、充電管理センタ1から利用可能情報が取得できないことをもとにして、利用の可否が不明である旨の情報を装置側制御部45が得ることによって取得する構成とすればよい。また、出力装置43での表示においても、充電管理センタ1によって管理されない充電スタンドについては、利用可能情報として、利用の可否が不明である旨の情報を示す表示を行う構成とすればよい。
【0119】
なお、前述の実施形態では、蓄電情報出力装置4を電動車両3に搭載する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、蓄電情報出力装置4を電動車両3が駐車されている敷地内の家屋や施設等の建造物に設ける構成としてもよい。以下では、蓄電情報出力装置4を電動車両3が駐車されている敷地内の家屋に設けた蓄電情報出力システム200の構成について図19を用いて説明を行う。なお、図19に示す蓄電情報出力システム200は、充電管理センタ1、充電スタンド2、電動車両3、蓄電情報出力装置4、および充電器5を含んでいる。また、充電管理センタ1、充電スタンド2、および蓄電情報出力装置4は、インターネット網等の通信網を介して情報の送受信を可能なように各々接続されている。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0120】
蓄電情報出力システム200においては、蓄電情報出力装置4は例えば家屋の壁面等のユーザが操作し易い場所に設けられる。なお、蓄電情報出力装置4が設けられる場所は、屋内でも屋外でもよいが、セキュリティ面から屋内の方がより好ましい。また、蓄電情報出力システム200においては、電動車両3に通信装置をさらに備え、この通信装置によって充電制御部33で得た残蓄電量情報を蓄電情報出力装置4の装置側通信部41に送信する構成とすればよい。なお、電動車両3に備える通信装置は、例えばDCM等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールであってもよいし、例えばBluetooth等で接続した携帯電話機を通じて通信網に接続する通信装置であってもよい。また、無線LANやBluetoothやZigBee等の近距離無線通信によって蓄電情報出力装置4との間での通信を行う通信装置であってもよいし、PLC通信によって蓄電情報出力装置4との間での通信を行う通信装置であってもよい。よって、この通信装置が請求項の通信手段に相当する。
【0121】
また、蓄電情報出力システム200においては、蓄電情報出力装置4のナビ情報取得部44は、例えば現在位置情報、出発地情報、目的地情報、地図データ、施設情報、案内経路情報、通行候補経路情報等を電動車両3の車載ナビゲーション装置から前述の通信装置および装置側通信部41を介して受信する構成とすればよい。
【0122】
さらに、充電器5は、電動車両3が駐車されている敷地内に設置された充電器である。蓄電情報出力システム200においては、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っていた場合に、充電器5で充電を行えばよい。
【0123】
また、例えば、蓄電情報出力装置4をユーザに携行される携帯電話機6等の携帯機に設ける構成としてもよい。以下では、蓄電情報出力装置4をユーザに携行される携帯電話機6に設けた蓄電情報出力システム300の構成について図20を用いて説明を行う。なお、図20に示す蓄電情報出力システム300は、充電管理センタ1、充電スタンド2、電動車両3、蓄電情報出力装置4、および携帯電話機6を含んでいる。また、充電管理センタ1、充電スタンド2、および蓄電情報出力装置4は、携帯電話網やインターネット網等の通信網を介して情報の送受信を可能なように各々接続されている。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0124】
蓄電情報出力システム300においては、蓄電情報出力装置4は携帯電話機6に内蔵される。また、蓄電情報出力システム300においては、電動車両3に通信装置をさらに備え、この通信装置によって充電制御部33で得た残蓄電量情報を蓄電情報出力装置4の装置側通信部41に送信する構成とすればよい。なお、電動車両3に備える通信装置は、例えばDCM等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールとすればよい。よって、この通信装置が請求項の通信手段に相当する。
【0125】
また、蓄電情報出力システム300においては、蓄電情報出力装置4のナビ情報取得部44は、例えば現在位置情報、出発地情報、目的地情報、地図データ、施設情報、案内経路情報、通行候補経路情報等を電動車両3の車載ナビゲーション装置から前述の通信装置および装置側通信部41を介して受信する構成とすればよい。
【0126】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1 充電管理センタ、2 充電スタンド、3 電動車両(車両)、4 蓄電情報出力装置、5 充電器、6 携帯電話機(携帯機)、11 センタ側通信部、12 センタ側制御部、13 充電予約DB、21 スタンド側通信部、22 スタンド側制御部、23 充電器、31 モータ(電動機)、32 走行用バッテリ、33 充電制御部、41 装置側通信部(利用可能情報取得手段、仮予約要求信号送信手段、予約要求信号送信手段)、42 入力装置(目的地情報取得手段、出発予定時刻取得手段、優先選択入力受け付け手段、充電スタンド選択入力受け付け手段、外乱情報取得手段)、43 出力装置(出力手段)、44 ナビ情報取得部(配置場所情報取得手段、経路情報取得手段、出発地情報取得手段、目的地情報取得手段)、45 装置側制御部(目的地到達必要電力量算出手段、制御手段、直近配置場所情報取得手段、最低限必要電力量算出手段、充電スタンド到着予定時刻算出手段、必要充電量算出手段、充電開始時刻算出手段、目的地到着予定時刻算出手段、目的地到達消費電力量算出手段、車両駆動状態検出手段)、100 蓄電情報出力システム、200 蓄電情報出力システム、300 蓄電情報出力システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行駆動源として電動機を用いる車両に備えられている走行用バッテリの残蓄電量に関する情報を出力する蓄電情報出力装置および蓄電情報出力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電動機(モータ)を走行駆動源として用いる電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)等の電動車両が知られており、これらの電動車両においては、モータへの電力供給を行う走行用バッテリの残蓄電量が低下した場合に、この走行用バッテリに充電を行う必要がある。また、近年では、走行用バッテリの残蓄電量が尽きて電動車両が走行不能になる前に走行用バッテリの充電を行うことができるよう、ユーザを補助する技術が提案されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1には、バッテリ残存容量(つまり、走行用バッテリの残蓄電量)が一定レベル以下になると自車両の走行可能距離を算出し、自車両の現在位置周辺に存在する電気エネルギー供給スタンド(つまり、充電スタンド)の位置情報を、バッテリ残存容量から求めた自車両の走行可能距離に基づく到達可能性に係わる識別情報とともに運転者に提供する技術が開示されている。
【0004】
また、例えば特許文献2には、位置を記憶している充電スタンドの中から、電気自動車の現在地周辺に存在する充電スタンドを抽出し、抽出した充電スタンドの位置とその充電スタンドに設置されている充電器の利用可能情報とを提供する技術が開示されている。なお、特許文献2には、所定時間ごとに、電気自動車のバッテリの残容量(つまり、走行用バッテリの残蓄電量)と現在地から目的地まで走行するためのバッテリの必要容量とに基づいて、バッテリを充電せずに目的地まで走行可能かを判定し、当該残容量では目的地まで走行できないと判定した場合に、充電スタンドに到着後直ちにもしくは所定時間内に充電を開始でき、且つ、少なくとも当該必要容量まで充電可能な充電器に関する情報を提供する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−210702号公報
【特許文献2】特開2003―262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出発地から目的地までの時間的に余裕をもった運転を行うためには、目的地への到着予定時刻をもとに、時間的な余裕をもった運転ができるような出発時刻を定めた運行計画を立てることが重要である。また、電動車両のユーザが最も不安に思うことは、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかということである。
【0007】
これに対して、特許文献1に開示の技術では、走行用バッテリの残蓄電量が一定レベル以下となったときに、電気自動車の現在地周辺に存在する充電スタンドを検索してユーザに情報提供するだけなので、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかについては判らず、不安が払拭されない。つまり、特許文献1に開示の技術では、安心感が十分ではないことから、安心感がもたらす快適性も十分ではないという問題点を有している。さらに、特許文献1に開示の技術では、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかについて判らないので、走行用バッテリの充電の要否や走行用バッテリの充電時間を考慮することができず、時間的な余裕をもった運行計画を立てることが困難であるという問題点も有している。
【0008】
また、走行用バッテリを充電せずに目的地まで走行可能かを所定時間ごとに判定する旨の特許文献2中の記載から明らかなように、特許文献2に開示の技術は、走行中に現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかを逐次判定する技術であるので、電動車両の出発時において、現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるかどうかを考慮した運行計画を立てることは困難である。従って、特許文献2に開示の技術も、時間的な余裕をもった運行計画を立てることが困難であるという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザの快適性をより向上させることを可能にするとともに、時間的な余裕をもった電動車両の運行計画をユーザがより容易に立てることができるようにする蓄電情報出力装置および蓄電情報出力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の蓄電情報出力装置では、出発地における走行用バッテリの残蓄電量が、車両が出発地から目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力手段から出力させるので、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることが可能になる。
【0011】
そして、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かが明らかになることによって、出発地において十分な充電を行ったり、目的地に到達するまでに充電を行う場所を確認したりするなどの処置をユーザがとることが可能になるので、目的地に到達するまでの道中にユーザが現在の走行用バッテリの残蓄電量で目的地まで辿り着けるか否かを心配しなくても済むようにすることが可能になる。
【0012】
さらに、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かが明らかになることによって、目的地に到達するまでに充電を行う場所の検討や充電時間の検討などを行うことが可能となり、時間的な余裕をもった運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。
【0013】
その結果、ユーザの快適性をより向上させることを可能にするとともに、時間的な余裕をもった電動車両の運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。
【0014】
また、請求項2の構成によれば、現在の走行用バッテリの残蓄電量が目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリの充電を行う装置である充電スタンドの個々の利用可能情報を出力手段から出力させるので、充電スタンドの個々の利用可能情報を考慮して、目的地に到達するまでに充電を行う場所をユーザが決めることが容易になる。
【0015】
例えば、充電スタンドの個々の利用可能情報としては、請求項3のように、充電スタンドの利用の可否の情報および充電スタンドの利用可能な時間帯の情報のうちの少なくともいずれかとする態様としてもよい。例えば、充電スタンドの利用の可否の情報が出力手段で出力される場合には、利用可能な充電スタンドをユーザが考慮に入れることが可能になり、充電スタンドの利用可能な時間帯の情報が出力手段で出力される場合には、充電スタンドの利用可能な時間帯をユーザが考慮に入れることが可能になる。
【0016】
また、請求項4の構成によれば、現在の走行用バッテリの残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索し、残蓄電量不足情報に加えて出力させる利用可能情報を、到達可能充電スタンドについての利用可能情報に限定するので、現在の走行用バッテリの残蓄電量では車両が到達不可能な充電スタンドについては、利用可能情報の出力を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0017】
また、請求項5のように、出発地情報と各充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、出発地から各充電スタンドの配置場所までの走行に要する電力量を算出するとともに、算出した当該走行に要する電力量と残蓄電量情報とをもとに、当該残蓄電量情報が示す残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索する態様としてもよい。
【0018】
また、請求項6の構成によれば、残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドのうち、車両が取り得る経路上に存在する到達可能充電スタンドに限定して検索するので、現在の走行用バッテリの残蓄電量では車両が到達不可能な充電スタンド、および出発地から目的地までに車両が取り得る経路外の経路上に存在する充電スタンドについて、利用可能情報の出力を省略することができる。よって、さらに無駄な情報の出力を省略することによって、さらに有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0019】
また、請求項7の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻の情報を、時刻の早い順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドに車両がより早く到着することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドに車両がより早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、より早く到着することのできる到達可能充電スタンドに立ち寄って、より早く走行用バッテリの充電を開始することも可能になる。例えば、利用の予約を行うことができない到達可能充電スタンドが対象となる場合に特に有効となる。
【0020】
また、請求項8の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについて、充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻以降の充電スタンドの個々の利用可能情報を出力手段から出力させるので、各到達可能充電スタンドへの車両の到着予定時刻よりも前の到達可能充電スタンドの個々の利用可能情報については、出力を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0021】
また、請求項9のように、検索で得られた各到達可能充電スタンドから目的地に車両が到達するためにその到達可能充電スタンドで充電する必要がある必要充電量をそれぞれ算出する態様としてもよい。
【0022】
また、請求項10の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、充電開始時刻算出手段で算出した、当該各到達可能充電スタンドで前述の各必要充電量を満たす充電を開始することが可能な時刻である充電開始時刻の情報を、時刻の早い順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電をより早く開始することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電をより早く開始することができるのかをユーザが知ることができるので、前述の必要充電量を満たす充電をより早く開始することのできる到達可能充電スタンドに立ち寄って、前述の必要充電量を満たす充電をより早く完了することが可能になる。従って、請求項10の構成によれば、利用待ちの時間がより少ない到達可能充電スタンドで走行用バッテリの充電を行うことを可能にすることによって、ユーザにとっての充電スタンドの利用待ちのストレスを低減することが可能になる。
【0023】
また、請求項11の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、目的地到着予定時刻算出手段で算出した、当該各充電スタンドで前述の各必要充電量を満たす充電を行った後に車両が目的地に到着する予定時刻である目的地到着予定時刻を、時刻の早い順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電を行った場合に目的地により早く到着することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電を行った場合に目的地により早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的に目的地により早く到着することができる到達可能充電スタンドで前述の必要充電量を満たす充電を行って、目的地により早く到着することが可能になる。
【0024】
また、請求項12の構成によれば、検索で得られた到達可能充電スタンドのそれぞれについての、目的地到達消費電力量算出手段で算出した、出発地から当該各到達可能充電スタンドを経由して目的地に車両が到達するまでの走行に要する電力量としての目的地到達消費電力量の情報を、電力量の少ない順に並ぶように並び替えて出力手段から出力させるので、どの到達可能充電スタンドを経由した場合に目的地までより少ない電力消費量で到達することができるのかをユーザが知ることができる。そして、どの到達可能充電スタンドを経由した場合に目的地までより少ない電力消費量で到達することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的により少ない電力消費量で目的地に到達することができる到達可能充電スタンドで走行用バッテリの充電を行って、より少ない電力消費量で目的地に到達することが可能になる。
【0025】
また、請求項13の構成によれば、表示情報のうちの少なくともいずれか2種類以上を出力手段から出力させる場合に、出力手段から出力させる表示情報のうちのいずれを優先させるかを選択するユーザからの入力に応じた表示情報の並び順を優先した順になるように、出力手段から出力させる表示情報を並び替えて出力手段から出力させるので、出力手段から出力させる表示情報を、ユーザの希望に沿った表示情報の並び順を優先した順に並べて出力することが可能になる。つまり、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量といった表示情報のうちの少なくともいずれか2種類以上を出力手段から出力させる場合に、出力手段から出力させる表示情報のうちのユーザの希望に沿ったいずれかの並び順を優先した順に並べて表示することが可能になる。一例としては、充電開始時刻を優先させる選択が行われた場合には、充電開始時刻の早い順に並ぶように並べて表示することになる。
【0026】
また、請求項14の構成によれば、優先選択入力受け付け手段で受け付けた入力に応じた表示情報の並び順を優先した順において最も先頭の順番に対応する充電スタンドの仮予約を行わせるので、ユーザが走行用バッテリの充電場所として選択する可能性がより高い充電スタンドを自動的に仮予約、つまり、一時的に予約することが可能になる。よって、ユーザがその充電スタンドの利用の予約を実際に行うまでに他のユーザに予約されてしまう不具合が生じることを回避することが可能になる。
【0027】
また、請求項15の構成によれば、車両の走行時の走行用バッテリの電力消費量に影響を与える外乱の情報に応じて、走行に要する電力量を補正して処理を行うので、走行に要する電力量を、外乱による影響を考慮してより正確な値に補正して用いることが可能になる。そして、走行に要する電力量をより正確な値に補正して用いることが可能になるので、現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザがより正確に知ることが可能になる。また、現在の走行用バッテリの残蓄電量で車両が到達可能な場所に存在する充電スタンドをより正確に検索することも可能になる。さらに、検索で得られた各到達可能充電スタンドから目的地に車両が到達するために必要となる走行用バッテリへの当該各到達可能充電スタンドからの充電量をより正確に算出することも可能になる。また、出発地から各到達可能充電スタンドを経由して目的地に車両が到達するまでの走行に要する電力量をより正確に算出したりすることも可能になる。
【0028】
また、請求項16のように、検索結果として得られた各到達可能充電スタンドのうちからいずれかの到達可能充電スタンドを選択するユーザからの入力に応じて到達可能充電スタンドの利用の予約を行わせる態様としてもよい。
【0029】
また、請求項17の構成によれば、前述の残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前述の必要電力量を下回っていると判定した場合に、さらに、前述の残蓄電量情報が示す残蓄電量が、車両が出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所に到達するまでに要する電力量である最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、下回っていると判定した場合に、さらに、出発地からの出発前に走行用バッテリの充電が必要であることを示す情報を出力手段から出力させることになる。よって、出発地における走行用バッテリの残蓄電量が出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所に到達することもできないほど少なかった場合に、出発地で十分な充電を行うことをユーザに促すことが可能になる。
【0030】
また、請求項18の蓄電情報出力システムのように、前記のいずれかの蓄電情報出力装置と、蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、車両の前記通信手段は、車両の出発地における走行用バッテリの残蓄電量の情報を蓄電情報出力装置に送信するとともに、蓄電情報出力装置は、車両が駐車されている敷地内の建造物に設けられている態様としてもよい。
【0031】
また、請求項19の蓄電情報出力システムのように、前記のいずれかの蓄電情報出力装置と、蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、車両の前記通信手段は、車両の出発地における前記走行用バッテリの残蓄電量の情報を蓄電情報出力装置に送信するとともに、蓄電情報出力装置は、ユーザに携行される携帯機に設けられている態様としてもよい。
【0032】
また、請求項20の蓄電情報出力システムのように、前記のいずれかの蓄電情報出力装置と、走行駆動源としての電動機と、電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、蓄電情報出力装置は、前記車両に搭載されている態様としてもよい。
【0033】
また、請求項21の構成によれば、車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、現在の走行用バッテリの残蓄電量が目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す情報を出力手段から出力させるので、確実に車両の出発前に現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることができる。
【0034】
また、請求項22の構成によれば、車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、現在の走行用バッテリの残蓄電量が最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該最低限必要電力量を下回っていると判定した場合に、出発地からの出発前に走行用バッテリの充電が必要であることを示す情報を出力手段から出力させるので、確実に車両の出発前に現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から出発して良いか否かをユーザが知ることができる。例えば、請求項22の構成は、車両を長期間走行させていなかったために走行用バッテリが放電してしまっている状況において有効である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】蓄電情報出力システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】充電管理センタ1の概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】充電スタンド2の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】電動車両3の概略的な構成を示すブロック図である。
【図5】蓄電情報出力装置4の概略的な構成を示すブロック図である。
【図6】外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルの一例を示す図である。
【図7】蓄電情報出力装置4の動作フローを示すフローチャートである。
【図8】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図9】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図10】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図11】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図12】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図13】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図14】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図15】出発地と充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2の配置場所と目的地との位置関係を模式的に示した図である。
【図16】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図17】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図18】出力装置43での表示の一例を示す図である。
【図19】蓄電情報出力システム200の概略的な構成を示すブロック図である。
【図20】蓄電情報出力システム300の概略的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された蓄電情報出力システム100の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す蓄電情報出力システム100は、充電管理センタ1、複数の充電スタンド2、電動車両3、および蓄電情報出力装置4を含んでいる。また、充電管理センタ1、充電スタンド2、および蓄電情報出力装置4は、インターネット網等の通信網を介して情報の送受信を可能なように各々接続されている。
【0037】
充電管理センタ1は、充電スタンド2の利用の予約を管理するものである。ここで、図2を用いて充電管理センタ1の概略的な構成について説明を行う。図2は、充電管理センタ1の概略的な構成を示すブロック図である。図2に示すように充電管理センタ1は、センタ側通信部11、センタ側制御部12、および充電予約データベース(DB)13を備えている。
【0038】
センタ側通信部11は、インターネット網等の通信網を介して充電スタンド2や蓄電情報出力装置4との間で情報の送受信を行う。例えば、センタ側通信部11は、蓄電情報出力装置4から充電スタンド2の後述する充電器23の利用可能についての情報(以下、利用可能情報)の送信の要求信号が送信されてきた場合に、この要求信号を受信してセンタ側制御部12に送るとともに、この要求信号に応じてセンタ側制御部12から送られてくる利用可能情報を蓄電情報出力装置4に向けて送信する。さらに、センタ側通信部11は、蓄電情報出力装置4から後述する仮予約の要求信号や予約の要求信号が送信されてきた場合に、この要求信号を受信してセンタ側制御部12に送るとともに、この要求信号に応じてセンタ側制御部12から送られてくる後述する仮予約の命令信号や予約の命令信号を充電スタンド2に向けて送信する。なお、ここで言うところの利用可能情報とは、例えば充電器23の予約の有無(つまり、充電器23の利用の可否)の情報と充電器23の予約時間帯(つまり、充電器23の利用可能な時間帯)の情報とのうちの少なくともいずれかであるものとすればよい。また、以降では、利用可能情報は少なくとも充電器23の利用可能な時間帯の情報であるものとして説明を続ける。
【0039】
充電管理センタ1と蓄電情報出力装置4との間での上述した情報の送受信は、家屋や施設等の建造物にひかれているインターネット網を介して行うものとする。詳しくは、蓄電情報出力装置4から建造物までについては、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信またはPLC通信(電源線通信、電力線通信)によって行い、当該建造物から充電管理センタ1までについては、当該建造物にひかれたインターネット網(ブロードバンド網)を利用して行う態様とする。
【0040】
なお、他の実施の態様として、充電管理センタ1と蓄電情報出力装置4との間での上述した情報の送受信を、建造物にひかれたインターネット網を介さずに、DCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールを利用することによって携帯電話網を介して行う態様としてもよい。
【0041】
センタ側制御部12は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、センタ側制御部12は、センタ側通信部11から利用可能情報の送信の要求信号が送られてきた場合に、充電予約DB13に格納されている利用可能情報を読み出してセンタ側通信部11に送る。
【0042】
また、センタ側制御部12は、センタ側通信部11から仮予約の要求信号が送られてきた場合に、この仮予約の要求信号に従った充電スタンド2の充電器23の利用を一時的(例えば数分などの所定の時間)に特定のユーザのみに限定する仮予約の命令信号を充電スタンド2に向けてセンタ側通信部11から送信させる。さらに、センタ側制御部12は、センタ側通信部11から予約の要求信号が送られてきた場合に、この予約の要求信号に従った充電スタンド2の充電器23のこの予約の要求信号に従った時間帯の利用を特定のユーザのみに限定する予約の命令信号を充電スタンド2に向けてセンタ側通信部11から送信させる。なお、ここで言うところの特定のユーザとは、例えば電動車両3のユーザであって、電動車両3の車両IDによって特定されるものとすればよい。また、センタ側制御部12は、仮予約の命令信号や予約の命令信号をセンタ側通信部11から送信させた場合に、この仮予約や予約を反映させた利用可能情報となるように、充電予約DB13に格納されている利用可能情報を更新する。
【0043】
充電予約DB13は、充電スタンド2の充電器23の利用可能情報を格納している。また、充電予約DB13では、どの充電スタンド2のどの充電器23の利用可能情報であるのかを特定可能なように、どの充電スタンド2のどの充電器23であるかを識別するID等の識別情報が利用可能情報に紐付けられている。
【0044】
図1に戻って、充電スタンド2は、走行用バッテリの充電を行うものであって、屋外の様々な場所に複数配置されているものである。なお、図1では、蓄電情報出力システム100に充電スタンド2が2つ含まれている構成を示しているが、必ずしもこれに限らず、2つ以外の数含まれる構成としてもよい。ここで、図3を用いて充電スタンド2の概略的な構成について説明を行う。図3は、充電スタンド2の概略的な構成を示すブロック図である。図3に示すように充電スタンド2は、スタンド側通信部21、スタンド側制御部22、および複数の充電器23を備えている。
【0045】
スタンド側通信部21は、インターネット網等の通信網を介して充電管理センタ1との間で情報の送受信を行う。詳しくは、スタンド側通信部21は、充電管理センタ1から仮予約の命令信号を受信した場合に、この仮予約の命令信号をスタンド側制御部22に送る。さらに、スタンド側通信部21は、充電管理センタ1から予約の命令信号を受信した場合に、この予約の命令信号をスタンド側制御部22に送る。
【0046】
スタンド側制御部22は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、スタンド側制御部22は、スタンド側通信部21から仮予約の命令信号が送られてきた場合に、この仮予約の命令信号に従った充電器23の利用を一時的(例えば数分など)に特定のユーザのみに限定する制御を行う。また、スタンド側制御部22は、スタンド側通信部21から予約の命令信号が送られてきた場合に、この予約の命令信号に従った充電器23のこの予約の命令信号に従った時間帯の利用を特定のユーザのみに限定する制御を行う。なお、ここで言うところの予約は、キャンセルされたり、当該特定のユーザによって充電器23が利用されたり、予約で確保されていた時間帯が経過したりするまで継続するものとすればよい。また、充電器23の利用を許可された特定のユーザか否かの判別は、前述の車両IDを無線通信や電力線通信等によって電動車両3から取得し、この車両IDが充電器23の利用を許可された特定のユーザに対応する車両IDか否かに基づいて行う構成とすればよい。
【0047】
充電器23は、電動車両3の後述する走行用バッテリ32へ電力を供給するものである。なお、電動車両3の走行用バッテリ32へ電力を供給する充電器23の構成については、電動車両の走行用バッテリへ電力を供給する周知の充電器と同様のものであるとする。また、充電器23からの走行用バッテリ32への電力の供給は、プラグを介した接触式によるものであってもよいし、電磁誘導を利用した非接触式によるものであってもよい。
【0048】
なお、図3では、充電スタンド2に2つの充電器23を備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、充電スタンド2に1つの充電器23のみを備える構成としてもよいし、2つよりも多い数の充電器23を備える構成としてもよい。
【0049】
図1に戻って、電動車両3は、後述する電動機(モータ)31のみを走行駆動源として用いる電気自動車(EV)やモータ31とエンジンとを走行駆動源として併用するプラグインハイブリッド車(PHV)等の電動車両である。ここで、図4を用いて電動車両3の概略的な構成について説明を行う。図4は、電動車両3の概略的な構成を示すブロック図である。図4に示すように電動車両3は、モータ31、走行用バッテリ32、および充電制御部33を備えているとともに、蓄電情報出力装置4も備えている。
【0050】
モータ31は、外部から与えられた電気エネルギー(つまり、電力)を回転エネルギー(駆動力)に変換する機関であって、前述したように電動車両3の走行駆動源として用いられるものである。また、走行用バッテリ32は、電動車両の走行駆動源として用いられるモータ31へ電力を供給するための走行用のバッテリである。
【0051】
充電制御部33は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、充電制御部33は、充電スタンド2から走行用バッテリ32への充電に関する各種の周知の処理を実行する。また、充電制御部33は、走行用バッテリ32のSOC(state of charge)をモニタして、走行用バッテリ32の残蓄電量の情報を得る。
【0052】
蓄電情報出力装置4は、電動車両3に備えられている走行用バッテリ32の残蓄電量に関する情報等を出力する装置である。ここで、図5を用いて蓄電情報出力装置4の概略的な構成について説明を行う。図5は、蓄電情報出力装置4の概略的な構成を示すブロック図である。図5に示すように蓄電情報出力装置4は、装置側通信部41、入力装置42、出力装置43、ナビ情報取得部44、および装置側制御部45を備えている。
【0053】
装置側通信部41は、前述したように、インターネット網等の通信網を介して充電管理センタ1との間で情報の送受信を行う。詳しくは、装置側通信部41は、装置側制御部45の指示に従って充電管理センタ1に利用可能情報の送信の要求信号を送信するとともに、この要求信号に応じて充電管理センタ1から送られてくる利用可能情報を受信して装置側制御部45に送る。よって、装置側通信部41は、請求項の利用可能情報取得手段として機能する。また、装置側通信部41は、装置側制御部45の指示に従って、特定の充電スタンド2の充電器23の利用を一時的(例えば数分など)に特定のユーザのみに限定する仮予約を要求する仮予約の要求信号を送信する。さらに、装置側通信部41は、装置側制御部45の指示に従って、特定の充電スタンド2の充電器23の特定の時間帯の利用を特定のユーザのみに限定する予約を要求する予約の要求信号を送信する。
【0054】
入力装置42は、ユーザからの入力を受け付けるものであって、例えば表示装置と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により装置側制御部45へ各種機能の操作指示を行う。
【0055】
出力装置43は、情報をユーザに対して出力するものである。よって、出力装置43は請求項の出力手段として機能する。例えば、出力装置43は、表示装置や音声出力装置などで構成され、音声で情報を出力したり、テキスト表示や画像表示によって情報を出力したりする。なお、出力装置43はテキスト表示および画像表示が可能な表示装置であるものとして以降の説明を続ける。また、ここで言うところの表示装置として車載ナビゲーション装置のディスプレイを利用する構成としてもよい。
【0056】
ナビ情報取得部44は、電動車両3に搭載される車載ナビゲーション装置から情報を取得するものである。ナビ情報取得部44で車載ナビゲーション装置から取得する情報としては、現在位置情報、出発地情報、目的地情報、地図データ、施設情報、案内経路情報、通行候補経路情報等がある。また、ナビ情報取得部44は、取得した情報を装置側制御部45に送る。よって、ナビ情報取得部44は、請求項の配置場所情報取得手段および経路情報取得手段として機能する。
【0057】
現在位置情報は、電動車両3の現在位置の情報であって、車載ナビゲーション装置の周知の地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、GPS受信機等からなる位置検出器で検出されたものである。また、出発地情報および目的地情報は、車載ナビゲーション装置において電動車両3の出発地および目的地として入力された場所の座標等の情報である。
【0058】
地図データは、道路を示すリンクデータとノードデータとが含まれる情報である。なお、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンク旅行時間、リンク方向、リンク方位、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および制限速度等の各データから構成される。一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。また、施設情報は、各種施設の種類、名称、住所、配置場所の座標等の情報である。なお、施設情報には、充電スタンド2の配置場所の座標の情報も含まれているものとする。
【0059】
案内経路情報は、車載ナビゲーション装置において、入力された出発地および目的地をもとに、電動車両3が通行し得る経路の中から、距離優先、時間優先等の予め設定された条件を満たす適切な移動経路を公知のダイクストラ法を用いて探索した結果として得られた案内経路の情報である。また、通行候補経路情報は、上述の電動車両3が通行し得る経路の情報である。よって、ナビ情報取得部44は、請求項の出発地情報取得手段および目的地情報取得手段として機能する。
【0060】
装置側制御部45は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成される。また、装置側制御部45は、充電制御部33、装置側通信部41、入力装置42、およびナビ情報取得部44から入力された各種情報に基づき、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理(例えば、目的地到達必要電力量算出処理、最低限必要電力量算出処理、充電スタンド検索処理、充電スタンド到着予定時刻算出処理、必要充電量算出処理、充電開始時刻算出処理、目的地到着予定時刻算出処理、目的地到達消費電力量算出処理、優先表示処理、仮予約処理、予約処理、外乱補正処理等)を実行するものである。
【0061】
目的地到達必要電力量算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報および目的地情報をもとに、電動車両3が当出発地から目的地に到達するまでの案内経路の情報(つまり、案内経路情報)を得る。例えば、案内経路情報は、前述したようにナビ情報取得部44で取得したものを利用する構成とすればよい。そして、案内経路情報をもとに、電動車両3が出発地から目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の目的地到達必要電力量算出手段として機能する。また、入力装置42で入力を受け付けた目的地情報を用いる構成としてもよい。よって、入力装置42は、請求項の目的地情報取得手段としても機能する。なお、以降の説明における目的地情報についても同様に、入力装置42で入力を受け付けた目的地情報を用いる構成としてもよい。
【0062】
なお、案内経路情報をもとに目的地到達必要電力量を算出する方法としては、予め一定の距離あたりの走行用バッテリ32の平均電力消費量の情報を装置側制御部45で保持しておくとともに、ナビ情報取得部44で取得した地図データをもとに案内経路上の各リンク長を足し合わせて案内経路の距離を求め、案内経路の距離と上述の平均電力消費量とをもとに目的地到達必要電力量を算出する構成としてもよい。また、ナビ情報取得部44で取得した地図データをもとに案内経路上の各リンクに対応付けられた制限速度を得て、この制限速度をもとに案内経路上の各リンクでの走行用バッテリ32の電力消費量をそれぞれ算出し、算出した各リンクでの電力消費量を足し合わせることによって目的地到達必要電力量を算出する構成としてもよい。
【0063】
また、装置側制御部45は、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が目的地到達必要電力量算出処理で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、下回っていると判定した場合には、走行用バッテリ32の残蓄電量に関する情報として、走行用バッテリ32の残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力装置43で表示させる。よって、装置側制御部45は、請求項の制御手段としても機能する。なお、装置側制御部45は、残蓄電量不足情報を出力装置43で表示させる場合に、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報をもとに、充電スタンド2についての利用可能情報も出力装置43で表示させる構成としてもよい。これによれば、充電スタンド2の個々の利用可能情報を考慮して、目的地に到達するまでに充電を行う場所をユーザが決めることが容易になる。
【0064】
最低限必要電力量算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報および地図データの施設情報をもとに、出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所の情報を取得する。そして、取得した当該配置場所の情報と出発地情報とをもとに、前記車両が前記出発地から前記配置場所に到達するまでの走行に要する電力量である最低限必要電力量を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の直近配置場所情報取得手段および最低限必要電力量算出手段としても機能する。
【0065】
なお、当該配置場所の情報と出発地情報とをもとに最低限必要電力量を算出する方法としては、出発地から当該配置場所までの直線距離を求め、この直線距離と前述の平均電力消費量とをもとに最低限必要電力量を算出する構成とすればよい。また、出発地から当該配置場所までの経路(例えば最短経路)を求め、当該経路の距離と前述の平均電力消費量とをもとに最低限必要電力量を算出する構成としてもよいし、当該経路上の各リンクに対応付けられた制限速度をもとに当該経路上の各リンクでの走行用バッテリ32の電力消費量をそれぞれ算出して目的地到達必要電力量を算出する構成としてもよい。なお、当該経路の距離は、前述の案内経路の距離と同様にして求める構成とすればよいし、当該経路上の各リンクの制限速度は、前述の案内経路上の各リンクの制限速度と同様にして得る構成とすればよい。また、当該経路については、当該配置場所の情報と出発地情報とをもとに車載ナビゲーション装置で求めた経路を、ナビ情報取得部44を介して取得することによって得る構成としてもよい。なお、以降の説明においても、経路の求め方、経路の距離の求め方、経路上の各リンクの制限速度を得ることによる経路上の各リンクでの電力消費量の求め方については同様にして行うものとする。
【0066】
また、装置側制御部45は、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、下回っていると判定した場合には、走行用バッテリ32の残蓄電量に関する情報として、出発地からの出発前に走行用バッテリ32の充電が必要であることを示す要充電情報を出力装置43で表示させる。これによれば、出発地における走行用バッテリ32の残蓄電量が出発地から最も近くに存在する充電スタンド2の配置場所に到達することもできないほど少なかった場合に、出発地で十分な充電を行うことをユーザに促すことが可能になる。
【0067】
充電スタンド検索処理では、充電制御部33から取得した走行用バッテリ32の残蓄電量の情報(以下、残蓄電量情報)とナビ情報取得部44で取得した出発地情報および地図データの施設情報とをもとに、当該残蓄電量で電動車両3が到達可能な場所に存在する充電スタンド2を検索する。なお、当該残蓄電量で電動車両3が到達可能な場所に存在する充電スタンド2が請求項の到達可能充電スタンドに相当する。
【0068】
例えば、残蓄電量情報と前述の平均電力消費量とをもとに電動車両3が出発地から走行可能な距離を求め、この距離よりも近い場所に存在する充電スタンド2を検索結果として得る構成とすればよい。よって、装置側制御部45は、請求項の残蓄電量情報取得手段として機能する。なお、出発地から充電スタンド2の配置場所までの距離は直線距離としてもよいし、出発地から当該配置場所までの経路(例えば最短経路)の距離としてもよい。他にも、出発地情報と各充電スタンド2の配置場所の情報とをもとに、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量を算出し、当該電力量が当該残蓄電量を下回る充電スタンド2を検索結果として得る構成としてもよい。なお、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量は、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの直線距離と前述の平均電力消費量とをもとに算出する構成としてもよいし、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの経路(例えば最短距離)の距離と前述の平均電力消費量とをもとに算出する構成としてもよいし、出発地から各充電スタンド2の配置場所までの経路(例えば最短距離)の距離と当該経路上の各リンクの制限速度とをもとに算出する構成としてもよい。
【0069】
さらに、充電スタンド検索処理では、さらにナビ情報取得部44で取得した通行候補経路情報をもとに、出発地から目的地までの電動車両3が取り得る経路上に存在する充電スタンド2に絞った充電スタンド2を検索結果として得る構成としてもよい。これによれば、電動車両3が通行する可能性の低い経路上の充電スタンド2については検索結果から外すことによって無駄な情報の出力を省略し、有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することを可能にすることができる。
【0070】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報を出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報の表示の態様としては、例えば各充電スタンド2を特定する番号や記号等(以下、充電スタンド名とする)と各充電スタンド2の利用の可否を示す情報(例えば「利用可」、「利用不可」等)とが対応付けられた表を表示する態様であってもよいし、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2に絞って、充電スタンド名を表示する態様であってもよい。これによれば、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量では電動車両3が到達不可能な充電スタンド2については、利用可能情報の表示を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0071】
さらに、充電スタンド到着予定時刻算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報および地図データの施設情報と入力装置42で入力を受け付けた電動車両3の出発予定時刻の情報とをもとに、各充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻を算出する。よって、入力装置42は請求項の出発予定時刻取得手段として機能する。また、装置側制御部45は、請求項の充電スタンド到着予定時刻算出手段として機能する。
【0072】
例えば、出発地情報と各充電スタンド2の配置場所の情報とをもとに各充電スタンド2までの経路(例えば最短距離)を求め、この経路上の各リンクのリンク旅行時間をもとに出発地から各充電スタンド2までの走行時間を求める。そして、この走行時間を出発予定時刻に加えることによって各充電スタンド2への到着予定時刻を算出する構成とすればよい。なお、経路上の各リンクのリンク旅行時間は、ナビ情報取得部44で取得した地図データから得る構成としてもよいし、VICS(登録商標)センタ等から配信されたものを取得して利用する構成としてもよい。
【0073】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と充電スタンド到着予定時刻算出処理で算出した到着予定時刻とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と到着予定時刻とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と到着予定時刻との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と到着予定時刻を表示するとともに、到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2に電動車両3がより早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、より早く到着することのできる充電スタンド2に立ち寄って、より早く走行用バッテリ32の充電を開始することも可能になる。
【0074】
さらに、装置側制御部45が到着予定時刻以降の充電スタンド2の利用可能情報に限定して出力装置43で表示させる構成としてもよい。これによれば、充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻よりも前の利用可能情報については、表示を省略することができる。よって、無駄な情報の出力を省略することによって、より有用な情報に絞ってユーザに情報を提供することが可能になる。
【0075】
また、必要充電量算出処理では、充電制御部33から取得した残蓄電量情報と、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報、目的地情報、および地図データの施設情報とをもとに、出発地から対象となる充電スタンド2を経由して目的地に電動車両3が到達するまでの走行に要する電力量を算出することによって、当該充電スタンド2から目的地に車両が到達するために必要となる走行用バッテリ32への当該充電スタンド2からの充電量(以下、必要充電量)を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の必要充電量算出手段としても機能する。
【0076】
例えば、出発地情報と充電スタンド2の配置場所の情報とをもとに、前述したのと同様にして、出発地から当該充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量を算出し、算出した電力量を当該残蓄電量から差し引くことによって、電動車両3が当該充電スタンド2に到着した場合の到着時の走行用バッテリ32の残蓄電量を算出する。続いて、当該充電スタンド2の設置場所の情報と目的地情報とをもとに、出発地から当該充電スタンド2の配置場所までの走行に要する電力量を算出したのと同様にして、当該充電スタンド2の配置場所から目的地までの走行に要する電力量を算出する。そして、当該充電スタンド2の配置場所から目的地までの走行に要する電力量から当該充電スタンド2に到着時の残蓄電量を差し引くことによって、必要充電量を算出する。
【0077】
さらに、充電開始時刻算出処理では、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報と必要充電量算出処理で算出した必要充電量とをもとに、充電スタンド2で当該必要充電量を満たす充電を開始することが可能な時刻である充電開始時刻を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の充電開始時刻算出手段としても機能する。
【0078】
例えば、充電スタンド到着予定時刻算出処理で算出した充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻と充電スタンド2の充電器23の利用可能な時間帯の情報と当該必要充電量とをもとに、充電スタンド2への電動車両3の到着予定時刻以降の充電器23の利用可能な時間帯のうち、当該必要充電量を満たす充電を連続して行うことが可能な時間帯を検索する。そして、検索の結果得られた時間帯のうちで最も早い時間帯の開始時刻を充電開始時刻として算出する構成とすればよい。
【0079】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と充電開始時刻算出処理で算出した充電開始時刻とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と充電開始時刻とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と充電開始時刻との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と充電開始時刻を表示するとともに、充電開始時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2で必要充電量を満たす充電をより早く開始することができるのかをユーザが知ることができるので、必要充電量を満たす充電をより早く開始することのできる充電スタンド2に立ち寄って、必要充電量を満たす充電をより早く完了することが可能になる。従って、以上の構成によれば、利用待ちの時間がより少ない充電スタンド2で走行用バッテリ32の充電を行うことを可能にすることによって、ユーザにとっての充電スタンド2の利用待ちのストレスを低減することが可能になる。
【0080】
さらに、目的地到着予定時刻算出処理では、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報と必要充電量算出処理で算出した必要充電量とナビ情報取得部44で取得した地図データの施設情報および目的地情報とをもとに、充電スタンド2で当該必要充電量を満たす充電を行った後に電動車両3が目的地に到着する予定時刻である目的地到着予定時刻を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の目的地到着予定時刻算出手段としても機能する。
【0081】
例えば、充電開始時刻算出処理で算出した充電開始時刻と当該必要充電量とをもとに、当該充電開始時刻から開始した当該必要充電量を満たす充電が完了する時刻(以下、充電完了時刻)を算出するとともに、充電スタンド2の配置場所の情報と目的地情報とをもとに充電スタンド2から目的地までの走行時間を求める。そして、充電スタンド2から目的地までの走行時間を充電完了時刻に加えることによって目的地到着予定時刻を算出する構成とすればよい。なお、必要充電量を満たす充電にかかる時間は、例えば充電量に応じて一律に算出するものとする。また、充電スタンド2から目的地までの走行時間は、前述の出発地から充電スタンド2までの走行時間を求めるのと同様にして求める構成とすればよい。
【0082】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と目的地到着予定時刻算出処理で算出した目的地到着予定時刻とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到着予定時刻とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到着予定時刻との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と目的地到着予定時刻を表示するとともに、目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2で必要充電量を満たす充電を行った場合に目的地により早く到着することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的に目的地により早く到着することができる充電スタンド2で必要充電量を満たす充電を行って、目的地により早く到着することが可能になる。
【0083】
さらに、目的地到達消費電力量算出処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報、目的地情報、および地図データの施設情報をもとに、出発地から充電スタンド2を経由して目的地に電動車両3が到達するまでの走行に要する電力量(以下、目的地到達消費電力量)を算出する。よって、装置側制御部45は、請求項の目的地到達消費電力量算出手段としても機能する。
【0084】
例えば、出発地情報、目的地情報、および充電スタンド2の配置場所の情報をもとに、出発地から充電スタンド2を経由して目的地に到達するまでの経路を求め、当該経路の距離と前述の平均電力消費量とをもとに目的地到達消費電力量を算出する構成としてもよいし、当該経路上の各リンクに対応付けられた制限速度をもとに当該経路上の各リンクでの走行用バッテリ32の電力消費量をそれぞれ算出して目的地到達消費電力量を算出する構成としてもよい。
【0085】
また、装置側制御部45は、充電スタンド検索処理での検索結果と目的地到達消費電力量算出処理で算出した目的地到達消費電力量とをもとに、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到達消費電力量とを出力装置43で表示させる。なお、検索結果として得られた充電スタンド2についての利用可能情報と目的地到達消費電力量との表示の態様としては、例えば、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と目的地到達消費電力量を表示するとともに、目的地到達消費電力量の少ない順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。これによれば、どの充電スタンド2を経由した場合に目的地までより少ない電力消費量で到達することができるのかをユーザが知ることができるので、結果的により少ない電力消費量で目的地に到達することができる充電スタンド2で走行用バッテリ32の充電を行って、より少ない電力消費量で目的地に到達することが可能になる。従って、充電コストをより低く抑えながら目的地に到達することが可能になる。
【0086】
なお、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報としては、前述した到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量の他にも、検索結果として得られた充電スタンド2までの走行時間等であってもよい。
【0087】
さらに、優先表示処理では、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報が2種類以上であった場合、入力装置42で受け付けた、これらの情報のうちのいずれを優先させるかを選択するユーザからの入力に応じた並び順に並び替えて出力装置43での表示を行う。例えば、出力装置43で利用可能情報とともに、走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻の4種類の情報を表示させる場合であって、入力装置42で目的地到着予定時刻を優先させる選択を行う入力が行われた場合には、検索結果として得られた充電スタンド2のうち、利用可能な充電スタンド2についての充電スタンド名と走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻とを表示するとともに、目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示させる態様とすればよい。よって、入力装置42は、請求項の優先選択入力受け付け手段としても機能する。
【0088】
また、仮予約処理では、優先表示処理において並び順が最も上位に位置した充電スタンド2(つまり、優先表示処理において選択された情報の並び順を優先した順において最も先頭の順番に対応する充電スタンド2)の利用に対しての仮予約の要求信号を自動的に装置側通信部41から送信させる。よって、装置側通信部41は、請求項の仮予約要求信号送信手段としても機能する。例えば、優先表示処理において目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように表示された場合には、目的地到着予定時刻の最も早い充電スタンド2の利用に対して仮予約の要求信号を自動的に装置側通信部41から送信させる。なお、仮予約の対象となる充電スタンド2(詳しくは充電スタンド2の充電器23)の特定については、充電スタンド2を個別に識別可能な充電スタンドID等を利用することによって行い、仮予約を要求するユーザの特定については、前述したように電動車両3の車両ID等を利用することによって行う構成とすればよい。これによれば、ユーザが走行用バッテリ32の充電場所として選択する可能性がより高い充電スタンド2を自動的に仮予約することが可能になる。よって、ユーザがその充電スタンド2の利用の予約を実際に行うまでに他のユーザに予約されてしまう不具合が生じることを回避することが可能になる。
【0089】
さらに、予約処理では、出力装置43に表示された利用可能情報、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量、充電スタンド2までの走行時間等の情報をもとに、検索結果として得られた充電スタンド2のうちからいずれかの充電スタンド2を選択するユーザからの入力を入力装置42で受け付けた場合に、当該入力に応じた充電スタンド2の利用に対しての予約の要求信号を装置側通信部41から送信させる。よって、入力装置42は、請求項の充電スタンド選択入力受け付け手段としても機能する。また、装置側通信部41は、請求項の予約要求信号送信手段としても機能する。なお、予約の対象となる充電スタンド2(詳しくは充電スタンド2の充電器23)の特定についても、充電スタンド2を個別に識別可能な充電スタンドID等を利用することによって行い、予約を要求するユーザの特定についても、前述したように電動車両3の車両ID等を利用することによって行う構成とすればよい。
【0090】
また、外乱補正処理では、電動車両3の走行時の走行用バッテリ32の電力消費量に影響を与える外乱を考慮して、走行に要する電力量を補正して前述の目的地到達必要電力量算出処理、最低限必要電力量算出処理、充電スタンド検索処理、必要充電量算出処理、目的地到達消費電力量算出処理等を行う。詳しくは、装置側制御部45は、考慮すべき外乱の種類を選択する入力を入力装置42で受け付けることによって外乱の情報を取得し、この取得した外乱の情報をもとに、例えば図6に示すような外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルを参照して補正量を決定し、走行に要する電力量を補正する。よって、入力装置42は、請求項の外乱情報取得手段としても機能する。
【0091】
以上の構成によれば、電動車両3の走行時の走行用バッテリ32の電力消費量に影響を与える外乱の情報に応じて、走行に要する電力量を補正して処理を行うので、走行に要する電力量を、外乱による影響を考慮してより正確な値に補正して用いることが可能になる。従って、目的地到達必要電力量算出処理、最低限必要電力量算出処理、充電スタンド検索処理、必要充電量算出処理、目的地到達消費電力量算出処理をより精度良く行うことが可能になる。
【0092】
なお、図6は、外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルの一例であって、外乱の原因となる機器(図6中の外乱機器)ごとに外乱の段階(図6中のモード)と電力消費量(W)が対応付けられている。例えば、外乱機器「エアコン」にはモード「冷房(Max)」と電力消費量「800W」およびモード「暖房(Max)」と電力消費量「1.2KW」が対応付けられており、外乱機器「ワイパー」にはモード「Lo」と電力消費量「62W」およびモード「Hi」と電力消費量「69W」が対応付けられており、外乱機器「前照灯」にはモード「使用する(Hi)」と電力消費量「70W」が対応付けられており、外乱機器「ラジオ」にはモード「使用する」と電力消費量「57W」が対応付けられており、外乱機器「ナビゲーション」にはモード「使用する」と電力消費量「7W」が対応付けられている。
【0093】
なお、本実施形態では、外乱の種類と電力消費量とを対応付けたテーブルを外乱補正処理で用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、外乱の種類と走行に要する電力量に積算する係数とを対応付けたテーブルを外乱補正処理で用いる構成としてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、考慮すべき外乱の種類を選択する入力を入力装置42で受け付けることによって外乱の情報を装置側制御部45が取得する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、電動車両3の各種センサやスイッチ等によって使用中の外乱機器や使用中のモードの情報を装置側制御部45が取得する構成としてもよい。
【0095】
次に、図7を用いて、蓄電情報出力装置4の動作フローについての説明を行う。図7は、蓄電情報出力装置4の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップS1では、例えばスイッチ操作等により蓄電情報出力装置4が起動した場合(ステップS1でYes)には、ステップS2に移る。また、蓄電情報出力装置4が起動していない場合(ステップS1でNo)には、ステップS1に戻って繰り返す。
【0096】
ステップS2では、装置側制御部45が、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量を示すとともにユーザに目的地の設定の要否を問い合わせる表示(以下、出発地残蓄電量表示)を出力装置43に行わせ、ステップS3に移る。なお、出発地残蓄電量表示が行われるまでは、例えば図8に示すような情報取得中であることを示す表示を出力装置43に行わせる構成とすればよい。また、出発地残蓄電量表示としては、図9に示すように、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量(つまり、充電状態)として充電レベル(%)や航続可能距離(km)や充電状態を示すメータの表示とともに、目的地の設定の要否を問い合わせるタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。なお、航続可能距離については、残蓄電量と前述の平均電力消費量とをもとに装置側制御部45で算出する構成とすればよい。
【0097】
ステップS3では、タッチスイッチ、つまり入力装置42で目的地の設定を必要とする入力を受け付けた場合(ステップS3でYes)には、入力装置42で目的地の設定の入力を受け付け、ステップS4に移る。また、入力装置42で目的地の設定を必要とする入力を受け付けなかった場合(ステップS3でNo)には、フローを終了する。なお、目的地の設定については、目的地の名称や住所等を入力装置42に入力することによって行う構成とすればよい。
【0098】
ステップS4では、ユーザに外乱補正処理の要否を問い合わせる例えば図10に示すような表示を装置側制御部45が出力装置43に行わせる。そして、入力装置42で外乱補正処理を必要とする入力を受け付けた場合(ステップS4でYes)には、ステップS5に移る。また、入力装置42で外乱補正処理を必要とする入力を受け付けなかった場合(ステップS4でNo)には、ステップS6に移る。
【0099】
ステップS5では、考慮すべき外乱の種類の選択をユーザに促す表示(以下、外乱選択表示)を装置側制御部45が出力装置43に行わせる。そして、考慮すべき外乱の種類の選択を行うユーザからの入力に応じて外乱補正処理における補正量を決定し、ステップS6に移る。外乱選択表示としては、図11に示すように、外乱の種類を選択できるようなタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。図11の例では、外乱の種類として「時間帯」にはライト(つまり、前照灯)が不要な「昼」とライトが必要な「夕〜夜」とが用意されており、「エアコン」にはエアコンを使用しない「使用しない」とエアコンの冷房を使用する「冷房」とエアコンの暖房を使用する「暖房」とが用意されており、「天候」にはワイパーを必要としない「晴」とワイパーのLoを必要とする「小雨」とワイパーのHiを必要とする「大雨」とが用意されており、「オーディオ」にはラジオを使用する「使用する」とラジオを使用しない「「使用しない」とが用意されている。
【0100】
なお、図11の例では、「時間帯」として「夕〜夜」、「エアコン」として「冷房」、「天候」として「晴」、「オーディオ」として「使用する」が選択されている。この場合の図6のテーブルを参照した外乱補正処理における補正量の決定については、以下に示す通りである。つまり、「時間帯」として前照灯を使用する「夕〜夜」が選択されているので、外乱機器「前照灯」のモード「使用する(Hi)」の電力消費量「70W」が参照される。また、「エアコン」として「冷房」が選択されているので、外乱機器「エアコン」のモード「冷房(Max)」の電力消費量「800W」が参照される。さらに、「天候」としてワイパーを使用しない「晴」が選択されているので、参照先がなく、デフォルトの「0W」が設定される。また、「オーディオ」としてラジオを使用する「使用する」が選択されているので、外乱機器「ラジオ」のモード「使用する」の電力消費量「57W」が参照される。そして、これらの結果から「70W」+「800W」+「0W」+「57W」=「927W」を、外乱補正処理における補正量として決定する。なお、入力装置42で外乱補正処理を必要とする入力を受け付けなかった場合には、外乱補正処理における補正量は「0W」と決定するものとする。
【0101】
ステップS6では、装置側制御部45が第1情報取得処理を行ってステップS7に移る。第1情報取得処理では、ナビ情報取得部44で取得した出発地情報、充電制御部33で得た残蓄電量情報、入力装置42で入力を受け付けた目的地情報および外乱の情報を装置側制御部45が取得する。また、出発地情報および目的地情報をもとに前述したように案内経路情報を装置側制御部45がナビ情報取得部44から取得する。なお、車載ナビゲーション装置由来の案内経路情報を取得する構成に限らず、装置側通信部41で通信可能なセンタで出発地情報および目的地情報をもとに経路探索を行わせて得た案内経路情報を装置側制御部45で取得する構成としてもよい。
【0102】
ステップS7では、装置側制御部45が目的地到達必要電力量算出処理を行ってステップS8に移る。ステップS8では、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が目的地到達必要電力量算出処理で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かを装置側制御部45が判定する。そして、下回っている(つまり、目的地到達必要電力量未満)と判定した場合(ステップS8でYes)には、ステップS9に移る。また、目的地到達必要電力量未満と判定しなかった場合(ステップS8でNo)には、フローを終了する。
【0103】
なお、ステップS6〜ステップS8の終了までの間、装置側制御部45は、例えば図12に示すような残蓄電量で目的地まで走行可能かを判断中であることを示す表示を出力装置43に行わせる構成とすればよい。また、ステップS8で目的地到達必要電力量未満と判定しなかった場合には、残蓄電量で目的地まで走行可能であることを示す表示を装置側制御部45が出力装置43に行わせる構成としてもよい。
【0104】
ステップS9では、装置側制御部45が最低限必要電力量算出処理を行ってステップS10に移る。ステップS10では、残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っているか否かを装置側制御部45が判定する。そして、下回っている(つまり、最低限必要電力量未満)と判定した場合(ステップS10でYes)には、ステップS12に移る。また、最低限必要電力量未満と判定しなかった場合(ステップS10でNo)には、ステップS11に移る。
【0105】
ステップS11では、装置側制御部45が、走行用バッテリ32の残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を出力装置43で表示させ、ステップS13に移る。また、残蓄電量不足情報としては、図13に示すように、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量(つまり、充電状態)として充電レベル(%)や航続可能距離(km)や充電状態を示すメータの表示とともに、目的地の表示や残蓄電量で到達可能な充電スタンド2の検索の要否を問い合わせるタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。
【0106】
また、ステップS12では、装置側制御部45が、出発地からの出発前に走行用バッテリ32の充電が必要であることを示す要充電情報を出力装置43で表示させ、出発地での走行用バッテリ32の充電をユーザに促し、フローを終了する。また、要充電情報としては、残蓄電量不足情報に続いて表示させる構成としてもよいし、残蓄電量不足情報とともに表示させる構成としてもよい。なお、この場合には、残蓄電量不足情報に到達可能な充電スタンド2の検索の要否を問い合わせるタッチスイッチの表示を行わない構成とすることが好ましい。
【0107】
ステップS13では、タッチスイッチ、つまり入力装置42によって残蓄電量で到達可能な充電スタンド2の検索を必要とする入力を受け付けた(つまり、検索要求があった)場合(ステップS13でYes)には、ステップS14に移る。また、入力装置42によって残蓄電量で到達可能な充電スタンド2の検索を必要とする入力を受け付けなかった場合(ステップS13でNo)には、フローを終了する。
【0108】
ステップS14では、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報のうちのいずれを優先させるかの選択をユーザに促す図14に示すような表示(以下、優先選択表示)を装置側制御部45が出力装置43に行わせる。なお、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報が、請求項の表示情報に相当する。そして、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報のうちのいずれを優先させるかの選択を行うユーザからの入力に応じて優先させる表示の種類を決定し、ステップS15に移る。優先選択表示としては、図16に示すように、優先させる表示の種類を選択できるようなタッチスイッチの表示を行う構成とすればよい。なお、図16の例では、優先させる表示の種類として、到着予定時刻の表示を優先させる「スタンド到着時間優先」と充電開始時刻を優先させる「充電開始時刻優先」と目的地到着予定時刻の表示を優先させる「目的地到着予定時刻優先」との3種類を選択できるようなタッチスイッチの表示を行う構成を示している。本フローでは、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる情報は、走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻の4種類の情報とし、優先させることのできる表示は到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻の3種類の情報である場合を例に挙げて以降の説明を行う。
【0109】
ステップS15では、装置側制御部45が第2情報取得処理を行ってステップS16に移る。第2情報取得処理では、後述する付加情報算出処理で用いる情報を装置側制御部45が取得する。例えば、第2情報取得処理では、ナビ情報取得部44で取得した地図データ、通行候補経路情報、装置側通信部41で受信した充電スタンド2の利用可能情報等をさらに取得する。
【0110】
ステップS16では、装置側制御部45が充電スタンド検索処理を行ってステップS17に移る。ステップS17では、充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2について装置側制御部45が付加情報算出処理を行ってステップS18に移る。付加情報算出処理では、充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2について、充電スタンド到着予定時刻算出処理、必要充電量算出処理、充電開始時刻算出処理、目的地到着予定時刻算出処理、目的地到達消費電力量算出処理等を行って、出力装置43で利用可能情報とともに表示させる走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻、目的地到達消費電力量等を算出する。なお、本フローの例では、充電スタンド到着予定時刻算出処理、必要充電量算出処理、充電開始時刻算出処理、目的地到着予定時刻算出処理を行って走行時間、到着予定時刻、充電開始時刻、目的地到着予定時刻を算出するものとする。
【0111】
また、本フローの例では、図15に示すような、充電スタンド名A、B、C、Dの4つの充電スタンド2(以下、A、B、C、D)が充電スタンド検索処理の検索結果として得られたものとする。なお、図15は、出発地と充電スタンド検索処理の検索結果として得られた充電スタンド2の配置場所と目的地との位置関係を模式的に示した図である。また、図15に示すように、出発地からAまでの走行時間は5分、AからBまでの走行時間は10分、BからCまでの走行時間は10分、BからDまでの走行時間は5分、Cから目的地までの走行時間は25分、Dから目的地までの走行時間は5分であるものとする。また、便宜上、各充電スタンド2での充電に要する時間は一律10分としてここでは説明を続ける。
【0112】
さらに、本フローの例では、充電スタンド到着予定時刻算出処理によって、Aの到着予定時刻は「14:05」、Bの到着予定時刻は「14:15」、Cの到着予定時刻は「14:25」、Dの到着予定時刻は「14:30」と算出されたものとする。また、充電開始時刻算出処理によって、Aの充電開始時刻は「14:35」、Bの充電開始時刻は「14:45」、Cの充電開始時刻は「14:25」、Dの充電開始時刻は「14:35」と算出されたものとする。そして、目的地到着予定時刻算出処理によって、Aの目的地到着予定時刻は「15:15」、Bの目的地到着予定時刻は「15:25」、Cの目的地到着予定時刻は「15:00」、Dの目的地到着予定時刻は「14:50」と算出されたものとする。
【0113】
ステップS18では、装置側制御部45が優先表示処理を行ってステップS19に移る。例えば、ステップS14で「スタンド到着時間優先」が選択されていた場合には、図16に示すように、到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように(本フローの例ではA、B、C、Dの順となる)出力装置43で表示が行われる。また、ステップS14で「充電開始時刻優先」が選択されていた場合には、図17に示すように、充電開始時刻の早い順に上位から並ぶように(本フローの例ではC、D、A、Bの順となる)出力装置43で表示が行われる。そして、ステップS14で「目的地到着予定時刻優先」が選択されていた場合には、図18に示すように、目的地到着予定時刻の早い順に上位から並ぶように(本フローの例ではD、C、A、Bの順となる)出力装置43で表示が行われる。
【0114】
ステップS19では、装置側制御部45が仮予約処理を行ってステップS20に移る。ステップS20では、検索結果として得られた充電スタンド2のうちからいずれかの充電スタンド2を選択するユーザからの入力を入力装置42で受け付けた(つまり、予約要求があった)場合(ステップS20でYes)には、ステップS21に移る。また、予約要求がなかった場合には、フローを終了する。そして、ステップS21では、装置側制御部45が予約処理を行ってフローを終了する。
【0115】
以上の構成によれば、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることが可能になるので、出発地において十分な充電を行ったり、目的地に到達するまでに充電を行う場所を確認したりするなどの処置をユーザがとることが可能になる。よって、目的地に到達するまでの道中にユーザが現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で目的地まで辿り着けるか否かを心配しなくても済むようにすることが可能になる。さらに、現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かが明らかになることによって、目的地に到達するまでに充電を行う場所の検討や充電時間の検討などを行うことが可能となり、時間的な余裕をもった運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。その結果、ユーザの快適性をより向上させることを可能にするとともに、時間的な余裕をもった電動車両3の運行計画をユーザがより容易に立てることができるようになる。
【0116】
なお、装置側制御部45は、例えば電動車両3のイグニッションスイッチがオンされたことを示す信号を検出した場合など、電動車両3のモータの始動が行われたことを検出した場合に、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が目的地到達必要電力量算出処理で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かの判定を行う構成としてもよい。よって、装置側制御部45は、請求項の車両駆動状態検出手段としても機能する。これによれば、確実に電動車両3の出発前に現在の走行用バッテリ32の残蓄電量で出発地から目的地まで辿り着けるか否かをユーザが知ることができる。
【0117】
さらに、装置側制御部45は、例えば電動車両3のイグニッションスイッチがオンされたことを示す信号を検出した場合など、電動車両3のモータの始動が行われたことを検出した場合に、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っているか否かの判定を行う構成としてもよい。これによれば、車両の出発前に現在の走行用バッテリの残蓄電量で出発地から出発して良いか否かをユーザが知ることができる。なお、この構成は、電動車両4を長期間走行させていなかったために走行用バッテリ32が放電してしまっている状況において有効である。
【0118】
また、本実施形態では、充電管理センタ1によって管理される充電スタンド2を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、蓄電情報出力システム100に充電管理センタ1によって管理されない充電スタンドも含む構成としてもよい。なお、充電管理センタ1によって管理されない充電スタンドの利用可能情報については、充電管理センタ1から利用可能情報が取得できないことをもとにして、利用の可否が不明である旨の情報を装置側制御部45が得ることによって取得する構成とすればよい。また、出力装置43での表示においても、充電管理センタ1によって管理されない充電スタンドについては、利用可能情報として、利用の可否が不明である旨の情報を示す表示を行う構成とすればよい。
【0119】
なお、前述の実施形態では、蓄電情報出力装置4を電動車両3に搭載する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、蓄電情報出力装置4を電動車両3が駐車されている敷地内の家屋や施設等の建造物に設ける構成としてもよい。以下では、蓄電情報出力装置4を電動車両3が駐車されている敷地内の家屋に設けた蓄電情報出力システム200の構成について図19を用いて説明を行う。なお、図19に示す蓄電情報出力システム200は、充電管理センタ1、充電スタンド2、電動車両3、蓄電情報出力装置4、および充電器5を含んでいる。また、充電管理センタ1、充電スタンド2、および蓄電情報出力装置4は、インターネット網等の通信網を介して情報の送受信を可能なように各々接続されている。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0120】
蓄電情報出力システム200においては、蓄電情報出力装置4は例えば家屋の壁面等のユーザが操作し易い場所に設けられる。なお、蓄電情報出力装置4が設けられる場所は、屋内でも屋外でもよいが、セキュリティ面から屋内の方がより好ましい。また、蓄電情報出力システム200においては、電動車両3に通信装置をさらに備え、この通信装置によって充電制御部33で得た残蓄電量情報を蓄電情報出力装置4の装置側通信部41に送信する構成とすればよい。なお、電動車両3に備える通信装置は、例えばDCM等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールであってもよいし、例えばBluetooth等で接続した携帯電話機を通じて通信網に接続する通信装置であってもよい。また、無線LANやBluetoothやZigBee等の近距離無線通信によって蓄電情報出力装置4との間での通信を行う通信装置であってもよいし、PLC通信によって蓄電情報出力装置4との間での通信を行う通信装置であってもよい。よって、この通信装置が請求項の通信手段に相当する。
【0121】
また、蓄電情報出力システム200においては、蓄電情報出力装置4のナビ情報取得部44は、例えば現在位置情報、出発地情報、目的地情報、地図データ、施設情報、案内経路情報、通行候補経路情報等を電動車両3の車載ナビゲーション装置から前述の通信装置および装置側通信部41を介して受信する構成とすればよい。
【0122】
さらに、充電器5は、電動車両3が駐車されている敷地内に設置された充電器である。蓄電情報出力システム200においては、出発地における電動車両3の走行用バッテリ32の残蓄電量が最低限必要電力量算出処理で算出した最低限必要電力量を下回っていた場合に、充電器5で充電を行えばよい。
【0123】
また、例えば、蓄電情報出力装置4をユーザに携行される携帯電話機6等の携帯機に設ける構成としてもよい。以下では、蓄電情報出力装置4をユーザに携行される携帯電話機6に設けた蓄電情報出力システム300の構成について図20を用いて説明を行う。なお、図20に示す蓄電情報出力システム300は、充電管理センタ1、充電スタンド2、電動車両3、蓄電情報出力装置4、および携帯電話機6を含んでいる。また、充電管理センタ1、充電スタンド2、および蓄電情報出力装置4は、携帯電話網やインターネット網等の通信網を介して情報の送受信を可能なように各々接続されている。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0124】
蓄電情報出力システム300においては、蓄電情報出力装置4は携帯電話機6に内蔵される。また、蓄電情報出力システム300においては、電動車両3に通信装置をさらに備え、この通信装置によって充電制御部33で得た残蓄電量情報を蓄電情報出力装置4の装置側通信部41に送信する構成とすればよい。なお、電動車両3に備える通信装置は、例えばDCM等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールとすればよい。よって、この通信装置が請求項の通信手段に相当する。
【0125】
また、蓄電情報出力システム300においては、蓄電情報出力装置4のナビ情報取得部44は、例えば現在位置情報、出発地情報、目的地情報、地図データ、施設情報、案内経路情報、通行候補経路情報等を電動車両3の車載ナビゲーション装置から前述の通信装置および装置側通信部41を介して受信する構成とすればよい。
【0126】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1 充電管理センタ、2 充電スタンド、3 電動車両(車両)、4 蓄電情報出力装置、5 充電器、6 携帯電話機(携帯機)、11 センタ側通信部、12 センタ側制御部、13 充電予約DB、21 スタンド側通信部、22 スタンド側制御部、23 充電器、31 モータ(電動機)、32 走行用バッテリ、33 充電制御部、41 装置側通信部(利用可能情報取得手段、仮予約要求信号送信手段、予約要求信号送信手段)、42 入力装置(目的地情報取得手段、出発予定時刻取得手段、優先選択入力受け付け手段、充電スタンド選択入力受け付け手段、外乱情報取得手段)、43 出力装置(出力手段)、44 ナビ情報取得部(配置場所情報取得手段、経路情報取得手段、出発地情報取得手段、目的地情報取得手段)、45 装置側制御部(目的地到達必要電力量算出手段、制御手段、直近配置場所情報取得手段、最低限必要電力量算出手段、充電スタンド到着予定時刻算出手段、必要充電量算出手段、充電開始時刻算出手段、目的地到着予定時刻算出手段、目的地到達消費電力量算出手段、車両駆動状態検出手段)、100 蓄電情報出力システム、200 蓄電情報出力システム、300 蓄電情報出力システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行駆動源として電動機を用いる車両に備えられている走行用バッテリの残蓄電量に関する情報を出力する蓄電情報出力装置であって、
前記車両の出発地の情報である出発地情報を取得する出発地情報取得手段と、
前記車両の目的地の情報である目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、
前記走行用バッテリの残蓄電量の情報である残蓄電量情報を取得する残蓄電量情報取得手段と、
前記出発地情報取得手段で取得した出発地情報と前記目的地情報取得手段で取得した目的地情報とをもとに、前記車両が前記出発地から前記目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を算出する目的地到達必要電力量算出手段と、
情報を出力する出力手段と、
前記残蓄電量情報取得手段で取得した前記出発地における残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前記目的地到達必要電力量算出手段で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を前記出力手段から出力させる制御手段と、を備えることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項2】
請求項1において、
複数存在し、前記走行用バッテリの充電を行う装置である充電スタンドの個々の利用可能情報を取得する利用可能情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記残蓄電量不足情報を前記出力手段から出力させることに加え、前記残蓄電量が前記目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記利用可能情報取得手段で取得した各充電スタンドの利用可能情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記利用可能情報は、前記充電スタンドの利用の可否の情報および前記充電スタンドの利用可能な時間帯の情報のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記充電スタンドの配置場所の情報を取得する配置場所情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記出発地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報と前記残蓄電量情報とをもとに、当該蓄電量情報が示す残蓄電量で前記車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索し、前記残蓄電量不足情報に加えて出力させる前記利用可能情報を、前記到達可能充電スタンドについての前記利用可能情報に限定することを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記制御手段は、前記出発地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、前記出発地から前記各充電スタンドの配置場所までの走行に要する電力量を算出するとともに、算出した当該走行に要する電力量と前記残蓄電量情報とをもとに、当該残蓄電量情報が示す残蓄電量で前記車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索することを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記出発地から前記目的地までの前記車両が取り得る経路の情報を取得する経路情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記経路の情報をもとに、前記残蓄電量で前記車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドのうち、前記車両が取り得る経路上に存在する到達可能充電スタンドに限定して検索することを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項において、
前記車両の前記出発地からの出発予定時刻の情報を取得する出発予定時刻取得手段と、
前記出発地情報と前記各到達可能充電スタンドの配置場所の情報と前記出発予定時刻の情報とをもとに、前記各到達可能充電スタンドへの前記車両の到着予定時刻を算出する充電スタンド到着予定時刻算出手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについての、前記充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻の情報を、表示を行うための表示情報として、時刻の早い順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記制御手段は、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについて、前記充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻以降の前記利用可能情報を、前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項において、
前記出発地情報と前記目的地情報と前記各到達可能充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、前記出発地から前記各到達可能充電スタンドを経由して前記目的地に前記車両が到達するまでの走行に要する電力量をそれぞれ算出するとともに、算出した当該走行に要する電力量と前記残蓄電量情報とをもとに、検索で得られた前記各到達可能充電スタンドから前記目的地に前記車両が到達するためにその到達可能充電スタンドで充電する必要がある必要充電量を、前記各到達可能充電スタンドについてそれぞれ算出する必要充電量算出手段をさらに備えることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記各充電スタンドの利用可能情報と前記必要充電量算出手段で算出した各必要充電量とをもとに、検索で得られた前記各到達可能充電スタンドで当該各必要充電量を満たす充電を開始することが可能な時刻である充電開始時刻をそれぞれ算出する充電開始時刻算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについての、前記充電開始時刻算出手段で算出した充電開始時刻の情報を、表示を行うための表示情報として、時刻の早い順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項11】
請求項9または10において、
前記各充電スタンドの利用可能情報と前記必要充電量算出手段で算出した各必要充電量と前記目的地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、検索で得られた前記各到達可能充電スタンドで当該各必要充電量を満たす充電を行った後に前記車両が前記目的地に到着する予定時刻である目的地到着予定時刻をそれぞれ算出する目的地到着予定時刻算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、検索で得られた前記充電スタンドのそれぞれについての、前記目的地到着予定時刻算出手段で算出した目的地到着予定時刻の情報を、表示を行うための表示情報として、時刻の早い順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項12】
請求項4〜11のいずれか1項において、
前記出発地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報と前記目的地情報とをもとに、前記出発地から前記各充電スタンドを経由して前記目的地に前記車両が到達するまでの走行に要する電力量を目的地到達消費電力量としてそれぞれ算出する目的地到達消費電力量算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについての、前記目的地到達消費電力量算出手段で算出した目的地到達消費電力量の情報を、表示を行うための表示情報として、電力量の少ない順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項において、
前記表示情報のうちの少なくともいずれか2種類以上を前記出力手段から出力させる場合に、前記出力手段から出力させる表示情報のうちのいずれを優先させるかを選択するユーザからの入力を受け付ける優先選択入力受け付け手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記優先選択入力受け付け手段で前記入力を受け付けた場合に、当該入力に応じた前記表示情報の並び順を優先した順になるように、前記出力手段から出力させる表示情報を並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記充電スタンドの利用に対しての、所定の時間が経過するまで継続される予約である仮予約の要求を行う信号を送信する仮予約要求信号送信手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記優先選択入力受け付け手段で受け付けた入力に応じた前記表示情報の並び順を優先した順において最も先頭の順番に対応する前記充電スタンドの利用に対しての、仮予約の要求を行う信号を前記仮予約要求信号送信手段から送信させ、当該充電スタンドの利用に対しての仮予約を行わせることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項において、
前記車両の走行時の前記走行用バッテリの電力消費量に影響を与える外乱の情報を取得する外乱情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記外乱情報取得手段で取得した外乱の情報に応じて、前記走行に要する電力量を補正して処理を行うことを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項16】
請求項4〜15のいずれか1項において、
検索結果として得られた前記各到達可能充電スタンドのうちからいずれかの到達可能充電スタンドを選択するユーザからの入力を受け付ける充電スタンド選択入力受け付け手段と、
前記到達可能充電スタンドの利用の予約の要求を行う信号を送信する予約要求信号送信手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記充電スタンド選択入力受け付け手段で前記入力を受け付けた場合に、当該入力に応じた前記到達可能充電スタンドの利用の予約の要求を前記予約要求信号送信手段に行わせることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項において、
複数存在し、前記走行用バッテリの充電を行う装置である充電スタンドのうち、前記出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所の情報を取得する直近配置場所情報取得手段と、
前記出発地情報と前記直近配置場所情報取得手段で取得した配置場所の情報とをもとに、前記車両が前記出発地から前記配置場所に到達するまでの走行に要する電力量である最低限必要電力量を算出する最低限必要電力量算出手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前記必要電力量を下回っていると判定した場合に、さらに、前記残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前記最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該最低限必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記出発地からの出発前に前記走行用バッテリの充電が必要であることを示す要充電情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の蓄電情報出力装置と、
前記蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、前記電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、
前記車両の前記通信手段は、前記車両の出発地における前記走行用バッテリの残蓄電量の情報を前記蓄電情報出力装置に送信するとともに、
前記蓄電情報出力装置は、前記車両が駐車されている敷地内の建造物に設けられていることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の蓄電情報出力装置と、
前記蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、前記電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、
前記車両の前記通信手段は、前記車両の出発地における前記走行用バッテリの残蓄電量の情報を前記蓄電情報出力装置に送信するとともに、
前記蓄電情報出力装置は、ユーザに携行される携帯機に設けられていることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項20】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の蓄電情報出力装置と、
走行駆動源としての電動機と、前記電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、
前記蓄電情報出力装置は、前記車両に搭載されていることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項21】
請求項20において、
前記蓄電情報出力装置は、前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出する車両駆動状態検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記車両駆動状態検出手段で前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、前記残蓄電量が前記目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項22】
請求項20において、
前記蓄電情報出力装置は、
前記直近配置場所情報取得手段および前記最低限必要電力量算出手段を備えるものであって、
前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出する車両駆動状態検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記車両駆動状態検出手段で前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、前記残蓄電量が前記最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該最低限必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記出発地からの出発前に前記走行用バッテリの充電が必要であることを示す要充電情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項1】
走行駆動源として電動機を用いる車両に備えられている走行用バッテリの残蓄電量に関する情報を出力する蓄電情報出力装置であって、
前記車両の出発地の情報である出発地情報を取得する出発地情報取得手段と、
前記車両の目的地の情報である目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、
前記走行用バッテリの残蓄電量の情報である残蓄電量情報を取得する残蓄電量情報取得手段と、
前記出発地情報取得手段で取得した出発地情報と前記目的地情報取得手段で取得した目的地情報とをもとに、前記車両が前記出発地から前記目的地に到達するまでの走行に要する電力量である目的地到達必要電力量を算出する目的地到達必要電力量算出手段と、
情報を出力する出力手段と、
前記残蓄電量情報取得手段で取得した前記出発地における残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前記目的地到達必要電力量算出手段で算出した目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を前記出力手段から出力させる制御手段と、を備えることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項2】
請求項1において、
複数存在し、前記走行用バッテリの充電を行う装置である充電スタンドの個々の利用可能情報を取得する利用可能情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記残蓄電量不足情報を前記出力手段から出力させることに加え、前記残蓄電量が前記目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記利用可能情報取得手段で取得した各充電スタンドの利用可能情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記利用可能情報は、前記充電スタンドの利用の可否の情報および前記充電スタンドの利用可能な時間帯の情報のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記充電スタンドの配置場所の情報を取得する配置場所情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記出発地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報と前記残蓄電量情報とをもとに、当該蓄電量情報が示す残蓄電量で前記車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索し、前記残蓄電量不足情報に加えて出力させる前記利用可能情報を、前記到達可能充電スタンドについての前記利用可能情報に限定することを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記制御手段は、前記出発地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、前記出発地から前記各充電スタンドの配置場所までの走行に要する電力量を算出するとともに、算出した当該走行に要する電力量と前記残蓄電量情報とをもとに、当該残蓄電量情報が示す残蓄電量で前記車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドを検索することを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記出発地から前記目的地までの前記車両が取り得る経路の情報を取得する経路情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記経路の情報をもとに、前記残蓄電量で前記車両が到達可能な場所に存在する到達可能充電スタンドのうち、前記車両が取り得る経路上に存在する到達可能充電スタンドに限定して検索することを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項において、
前記車両の前記出発地からの出発予定時刻の情報を取得する出発予定時刻取得手段と、
前記出発地情報と前記各到達可能充電スタンドの配置場所の情報と前記出発予定時刻の情報とをもとに、前記各到達可能充電スタンドへの前記車両の到着予定時刻を算出する充電スタンド到着予定時刻算出手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについての、前記充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻の情報を、表示を行うための表示情報として、時刻の早い順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記制御手段は、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについて、前記充電スタンド到着予定時刻算出手段で算出した到着予定時刻以降の前記利用可能情報を、前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項において、
前記出発地情報と前記目的地情報と前記各到達可能充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、前記出発地から前記各到達可能充電スタンドを経由して前記目的地に前記車両が到達するまでの走行に要する電力量をそれぞれ算出するとともに、算出した当該走行に要する電力量と前記残蓄電量情報とをもとに、検索で得られた前記各到達可能充電スタンドから前記目的地に前記車両が到達するためにその到達可能充電スタンドで充電する必要がある必要充電量を、前記各到達可能充電スタンドについてそれぞれ算出する必要充電量算出手段をさらに備えることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記各充電スタンドの利用可能情報と前記必要充電量算出手段で算出した各必要充電量とをもとに、検索で得られた前記各到達可能充電スタンドで当該各必要充電量を満たす充電を開始することが可能な時刻である充電開始時刻をそれぞれ算出する充電開始時刻算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについての、前記充電開始時刻算出手段で算出した充電開始時刻の情報を、表示を行うための表示情報として、時刻の早い順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項11】
請求項9または10において、
前記各充電スタンドの利用可能情報と前記必要充電量算出手段で算出した各必要充電量と前記目的地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報とをもとに、検索で得られた前記各到達可能充電スタンドで当該各必要充電量を満たす充電を行った後に前記車両が前記目的地に到着する予定時刻である目的地到着予定時刻をそれぞれ算出する目的地到着予定時刻算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、検索で得られた前記充電スタンドのそれぞれについての、前記目的地到着予定時刻算出手段で算出した目的地到着予定時刻の情報を、表示を行うための表示情報として、時刻の早い順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項12】
請求項4〜11のいずれか1項において、
前記出発地情報と前記各充電スタンドの配置場所の情報と前記目的地情報とをもとに、前記出発地から前記各充電スタンドを経由して前記目的地に前記車両が到達するまでの走行に要する電力量を目的地到達消費電力量としてそれぞれ算出する目的地到達消費電力量算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、検索で得られた前記到達可能充電スタンドのそれぞれについての、前記目的地到達消費電力量算出手段で算出した目的地到達消費電力量の情報を、表示を行うための表示情報として、電力量の少ない順に並ぶように並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項において、
前記表示情報のうちの少なくともいずれか2種類以上を前記出力手段から出力させる場合に、前記出力手段から出力させる表示情報のうちのいずれを優先させるかを選択するユーザからの入力を受け付ける優先選択入力受け付け手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記優先選択入力受け付け手段で前記入力を受け付けた場合に、当該入力に応じた前記表示情報の並び順を優先した順になるように、前記出力手段から出力させる表示情報を並び替えて前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記充電スタンドの利用に対しての、所定の時間が経過するまで継続される予約である仮予約の要求を行う信号を送信する仮予約要求信号送信手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記優先選択入力受け付け手段で受け付けた入力に応じた前記表示情報の並び順を優先した順において最も先頭の順番に対応する前記充電スタンドの利用に対しての、仮予約の要求を行う信号を前記仮予約要求信号送信手段から送信させ、当該充電スタンドの利用に対しての仮予約を行わせることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項において、
前記車両の走行時の前記走行用バッテリの電力消費量に影響を与える外乱の情報を取得する外乱情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記外乱情報取得手段で取得した外乱の情報に応じて、前記走行に要する電力量を補正して処理を行うことを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項16】
請求項4〜15のいずれか1項において、
検索結果として得られた前記各到達可能充電スタンドのうちからいずれかの到達可能充電スタンドを選択するユーザからの入力を受け付ける充電スタンド選択入力受け付け手段と、
前記到達可能充電スタンドの利用の予約の要求を行う信号を送信する予約要求信号送信手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記充電スタンド選択入力受け付け手段で前記入力を受け付けた場合に、当該入力に応じた前記到達可能充電スタンドの利用の予約の要求を前記予約要求信号送信手段に行わせることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項において、
複数存在し、前記走行用バッテリの充電を行う装置である充電スタンドのうち、前記出発地から最も近くに存在する充電スタンドの配置場所の情報を取得する直近配置場所情報取得手段と、
前記出発地情報と前記直近配置場所情報取得手段で取得した配置場所の情報とをもとに、前記車両が前記出発地から前記配置場所に到達するまでの走行に要する電力量である最低限必要電力量を算出する最低限必要電力量算出手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前記必要電力量を下回っていると判定した場合に、さらに、前記残蓄電量情報が示す残蓄電量が、前記最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該最低限必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記出発地からの出発前に前記走行用バッテリの充電が必要であることを示す要充電情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力装置。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の蓄電情報出力装置と、
前記蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、前記電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、
前記車両の前記通信手段は、前記車両の出発地における前記走行用バッテリの残蓄電量の情報を前記蓄電情報出力装置に送信するとともに、
前記蓄電情報出力装置は、前記車両が駐車されている敷地内の建造物に設けられていることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の蓄電情報出力装置と、
前記蓄電情報出力装置との間で情報を送受信する通信手段と、走行駆動源としての電動機と、前記電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、
前記車両の前記通信手段は、前記車両の出発地における前記走行用バッテリの残蓄電量の情報を前記蓄電情報出力装置に送信するとともに、
前記蓄電情報出力装置は、ユーザに携行される携帯機に設けられていることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項20】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の蓄電情報出力装置と、
走行駆動源としての電動機と、前記電動機に電力を供給する走行用バッテリと、を備えた車両と、を含み、
前記蓄電情報出力装置は、前記車両に搭載されていることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項21】
請求項20において、
前記蓄電情報出力装置は、前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出する車両駆動状態検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記車両駆動状態検出手段で前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、前記残蓄電量が前記目的地到達必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該目的地到達必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記走行用バッテリの残蓄電量が不足していることを示す残蓄電量不足情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【請求項22】
請求項20において、
前記蓄電情報出力装置は、
前記直近配置場所情報取得手段および前記最低限必要電力量算出手段を備えるものであって、
前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出する車両駆動状態検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記車両駆動状態検出手段で前記車両の前記走行駆動源の始動が行われたことを検出した場合に、前記残蓄電量が前記最低限必要電力量を下回っているか否かを判定し、当該残蓄電量が当該最低限必要電力量を下回っていると判定した場合に、前記走行用バッテリの残蓄電量に関する情報として、前記出発地からの出発前に前記走行用バッテリの充電が必要であることを示す要充電情報を前記出力手段から出力させることを特徴とする蓄電情報出力システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−38845(P2011−38845A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184970(P2009−184970)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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