説明

表示方法およびそれを利用したナビゲーション装置

【課題】現在地から目的地までの所要時間に応じた再生対象情報をユーザに分かりやすく提示したい。
【解決手段】
経路検索部20は、現在地と目的地とを取得し、現在地から目的地への経路を検索する。再生部28は、ナビゲーション実行部42での処理の実行とともに、映像情報と音声情報の少なくともいずれかによって構成される再生対象情報を再生する。計算部40は、検索した経路に応じた所要時間を計算する。記憶部44は、再生対象情報を再生するために要する再生時間を少なくとも含んだ付属情報と、再生対象情報との組合せを複数記憶する。生成部46は、記憶した複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報のうちの再生時間と、計算した所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成する。表示装置36は、生成したリストを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示機能に関し、特に映像等の再生機能がナビゲーション機能に付加されたときの表示方法およびそれを利用したナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョンチューナー、DVD(Digital Versatile Disk)再生機能等のエンタテインメント機能が、カーナビゲーション装置に付加されている。映画や音楽を収蔵したDVDは、例えば、収蔵される映画や音楽を複数のチャプターと呼ばれる区分に分けて記憶している。また、各チャプターには、再生の順番に1,2,3・・・と、通し番号が付与されており、映像再生装置はこの番号順にチャプターを再生するようになっている。このような状況下において、車内でDVDを鑑賞するときには、家庭で鑑賞する場合に比べて種々の制約がある。
【0003】
例えば、現在地から目的地まで、同乗者がDVDを鑑賞しながら移動する場合、あるチャプターの途中を再生しているときに目的地に到着してしまい、続きを見るときは、当該途中まで再生したチャプターの先頭から再生して見なければならない。そこで、ナビゲーションの経路探索によって算出された予想所要時間に対して、目的地到着予想時とチャプターの切れ目との同期が、DVDのチャプターレベルにおいて実行される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−344896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、大容量、高速アクセス性のために、記録媒体として、DVD等の光ディスクにかわって、ハードディスクを使用するケースが増えている。また、その大容量性を活かして、テレビジョン番組を録画可能なナビゲーション装置が実現されるのは、容易に想像される。あるいは、記録媒体をリムーバブル化することで、家庭で録画したテレビ番組を車の中で鑑賞する使用も想定される。その際に、記録媒体には、複数のテレビ番組を録画したプログラム(以下、「再生対象情報」という)が存在し、ユーザは、その中から再生したい再生対象情報を車内のナビゲーション装置において、選択し再生するという動作を実行する。しかしながら、現在地から目的地までの所要時間よりも、選択した再生対象情報が長い場合、選択した再生対象情報が再生の途中であるにもかかわらず、目的地に到着することによって、視聴が中途半端になってしまう。一方、別の再生対象情報を選択していれば、目的地へ到着したときに、再生が終了している可能性がある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、現在地から目的地までの所要時間に応じた再生対象情報をユーザに分かりやすく提示する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のナビゲーション装置は、現在地と目的地とを取得し、現在地から目的地への経路を検索するナビゲーション部と、ナビゲーション部での処理の実行とともに、映像情報と音声情報の少なくともいずれかによって構成される再生対象情報を再生する再生部とを備える。再生部は、ナビゲーション部において検索した経路に応じた所要時間を計算する計算部と、再生対象情報を再生するために要する再生時間を少なくとも含んだ付属情報と、再生対象情報との組合せを複数記憶する記憶部と、記憶部に記憶した複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報のうちの再生時間と、計算部において計算した所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成する生成部と、生成部において生成したリストを表示する表示部とを備える。
【0007】
「映像情報」とは、映像を再生するためのデータに相当し、「音声情報」とは、音声を再生するためのデータに相当する。この態様によると、再生時間と所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成してから表示するので、現在地から目的地までの所要時間に応じた再生対象情報をユーザに分かりやすく提示できる。
【0008】
生成部は、記憶部に記憶した複数の組合せの順番の連続性に関係なく、リストを生成してもよい。この場合、任意の再生対象情報を選択できるので、現在地から目的地までの所要時間に応じた再生対象情報のすべてを選択できる。
【0009】
生成部は、再生時間を参照しながら、所要時間以内に再生を完了可能な再生対象情報を選択し、選択した再生対象情報を識別可能なようにリストを生成してもよい。この場合、再生対象情報ごとに、再生時間と所要時間との比較を実行するので、処理を簡易にできる。
【0010】
生成部は、所要時間以内になるように再生時間を積算し、積算した再生時間に対応した再生対象情報を識別可能なようにリストを生成してもよい。この場合、積算した再生時間と所要時間とを比較するので、再生時間が所要時間以内になるような再生対象情報のグループを選択できる。
【0011】
記憶部に記憶した複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報は、再生対象情報に関する優先度の情報も含んでおり、生成部は、記憶部に記憶した優先度の情報を参照しながら、優先度の高い再生対象情報を優先的に処理してもよい。この場合、優先度に応じた処理を実行するので、ユーザの希望に応じた処理を実行できる。
【0012】
生成部は、記憶部に記憶した複数の組合せのうち、所要時間以内に再生可能でない再生対象情報に対して、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストとは別のリストを生成し、表示部は、生成部において生成したリストと別のリストとを異なった形式にて表示してもよい。この場合、所要時間以内に再生可能でない再生対象情報も表示するので、これらの再生対象情報もユーザに認識させることができる。
【0013】
ナビゲーション部は、複数の経路を検索し、生成部は、ナビゲーション部において検索した複数の経路のそれぞれに対応した複数のリストを生成し、表示部は、経路とリストとを対応づけながら、複数の経路と複数のリストとを表示してもよい。この場合、複数の経路と複数のリストとを表示するので、リストに応じた経路の選択を実現できる。
【0014】
本発明の別の態様は、表示方法である。この方法は、現在地と目的地とを取得し、現在地から目的地への経路を検索するステップと、検索した経路に応じた所要時間を計算するステップと、映像情報と音声情報の少なくともいずれかによって構成される再生対象情報と、再生対象情報を再生するために要する再生時間を少なくとも含んだ付属情報との組合せを複数記憶したメモリを参照しながら、複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報のうちの再生時間と、計算した所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成するステップと、生成したリストを表示するステップと、を備える。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、現在地から目的地までの所要時間に応じた再生対象情報をユーザに分かりやすく提示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、ナビゲーション装置に関する。ナビゲーション装置は、ハードディスク等の記憶媒体を備えており、記憶媒体には、映像情報や音声情報のうちの少なくとも一方(以下、「再生対象情報」という)が複数記憶されている。再生対象情報の一例は、テレビジョンの番組を録画したデータ、音楽を録音したデータである。複数の再生対象情報の長さは、それぞれ異なっている。ここで、再生対象情報の再生時間が、現在地から目的地までの所要時間よりも長ければ、目的地に到着したときに、再生対象情報の再生が途中で中断されてしまう。これに対して、本実施例に係るナビゲーション装置は、以下の処理を実行する。
【0018】
ナビゲーション装置は、複数の再生対象情報のそれぞれに対応づけながら付属情報も記憶する。付属情報には、再生対象情報の再生時間が含まれる。ナビゲーション装置は、現在地から目的地までの所要時間を算出すると、所要時間と再生時間とを比較する。また、ナビゲーション装置は、所要時間以下の再生時間である再生対象情報を選択する。さらに、ナビゲーション装置は、モニタ等の表示装置に、選択した再生対象情報のリストを表示することによって、所要時間以内に再生終了可能な再生対象情報をユーザに知らしめる。その結果、ユーザは、所要時間以内に再生終了可能な再生対象情報の中から、所望の再生対象情報を容易に選択できる。
【0019】
図1は、本発明の実施例に係るナビゲーション装置100の構成を示す。ナビゲーション装置100は、GPS(Global Positioning System)受信機10、ジャイロスコープ12、車速センサ14、位置検出器16、制御部18、記憶部44、音声出力装置30、入力装置32、表示装置36、グラフィックコントローラ34、ビデオRAM(Random Access Memory)38を含む。また、制御部18は、経路検索部20、計算部40、生成部46、再生部28、ナビゲーション実行部42を含み、記憶部44は、地図データ記憶領域24、再生対象情報記憶領域26を含む。
【0020】
位置検出器16は、GPS受信機10、ジャイロスコープ12、車速センサ14から供給されるそれぞれのデータにより現在位置、進行方向、移動速度を検出する。GPS受信機10、ジャイロスコープ12、車速センサ14、位置検出器16の構成として、公知の構成が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。位置検出器16は、検出した現在位置、進行方向、移動速度を制御部18に出力する。
【0021】
記憶部44は、地図データ記憶領域24、再生対象情報記憶領域26を有する。地図データ記憶領域24は、ナビゲーションおよび目的地までの所要予測時間計算のために使用される地図データを記憶する。また、再生対象情報記憶領域26は、再生対象情報を再生するために要する再生時間を少なくとも含んだ付属情報と、再生対象情報との組合せを複数記憶する。ここで、記憶部44は、内蔵式のハードディスクでもよいし、リムーバブル式のハードディスクや光ディスクでもよい。また、再生対象情報は、一例として、テレビジョン番組をタイトル単位に録画したファイルなどに相当する。
【0022】
図2は、再生対象情報記憶領域26のデータ構造を示す。特に、再生対象情報記憶領域26でのディレクトリ/ファイルの構成が示される。最上位にRoot200が配置される。また、Root200の下位に再生対象情報管理ディレクトリ202が配置され、再生対象情報管理ディレクトリ202の下位には、再生対象情報管理ファイル204、第1再生対象情報ファイル206、第2再生対象情報ファイル208が配置されている。ここで、再生対象情報管理ファイル204は、再生対象情報記憶領域26に記憶されている再生対象情報を管理するためのファイルである。また、ふたつの再生対象情報が図示されているが、再生対象情報記憶領域26は、N個の再生対象情報を記憶する。なお、ひとつの再生対象情報が複数のチャプターによって形成されていてもよいが、ここでは、説明を明瞭にするために、ひとつの再生対象情報は、ひとつのチャプターによって形成されているものとする。
【0023】
図3は、再生対象情報管理ディレクトリ202のデータ構造を示す。総再生対象情報数210は、再生対象情報の数に関する情報を含む。前述のごとく、ここでは、再生対象情報の数を「N」とする。その後段に、第1再生対象情報ファイル名212aと第1再生対象情報の付属情報214aの組合せが対応づけられて配置されている。最後段に、第N再生対象情報ファイル名212nと第N再生対象情報の付属情報214nの組合せが対応づけられて配置されている。なお、第1再生対象情報ファイル名212a、第N再生対象情報ファイル名212nは、再生対象情報ファイル名212と総称され、第1再生対象情報の付属情報214a、第N再生対象情報の付属情報214nは、再生対象情報の付属情報214と総称される。
【0024】
再生対象情報ファイル名212は、対応した再生対象情報のファイル名を記録しており、後述の制御部18は、当該ファイル名を確認することによって、再生対象情報記憶領域26に記憶された再生対象情報を検出する。また、再生対象情報の付属情報214は、対応した再生対象情報の再生時間に関する情報を含む。つまり、制御部18は、再生対象情報ファイル名212と再生対象情報の付属情報214の組合せを確認することによって、再生対象情報記憶領域26に記憶された再生対象情報とその再生時間を認識できる。図1に戻る。
【0025】
入力装置32は、リモートコントローラ等によって構成され、ユーザからの指示を受けつける。ここで、ユーザからの指示には、ナビゲーション機能の開始や終了の指示が含まれる。また、目的地に関する指示も含まれる。
【0026】
制御部18は、ナビゲーション装置100全体に対する制御を実行する。その中において、経路検索部20は、位置検出器16から現在地に関する情報を取得し、入力装置32から目的地に関する情報を取得する。さらに、経路検索部20は、地図データ記憶領域24を参照しながら、現在地から目的地への経路を検索する。経路の検索には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは、説明を省略する。地図データ記憶領域24に記憶された地図データには、距離の情報が含まれているので、経路検索部20によって検索された経路にも、距離の情報が含まれている。
【0027】
計算部40は、経路検索部20において検索した経路に応じた所要時間を計算する。所要時間は、位置検出器16から取得した車速によって、経路検索部20によって検索された経路の距離を除算すると導出される。なお、車速として、上記以外の値が使用されてもよい。
【0028】
生成部46は、再生対象情報記憶領域26に記憶した複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報のうちの再生時間と、計算部40において計算した所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成する。具体的に説明すると、生成部46は、再生時間を参照しながら、所要時間以内に再生を完了可能な再生対象情報を選択する。ここでは、複数の再生対象情報のそれぞれが、所要時間以内であるかを確認する。生成部46は、選択した再生対象情報を識別可能なようにリストを生成する。つまり、所要時間以内の再生時間を有した再生対象情報が集約されて、リストが生成される。
【0029】
なお、前述のごとく、ひとつの再生対象情報は、ひとつのチャプターによって形成されているので、複数の再生情報間の関連性は小さい。そのため、生成部46は、再生対象情報記憶領域26に記憶した複数の組合せの順番の連続性に関係なく、リストを生成する。その結果、ひとつの再生対象情報に対する再生時間が所要時間よりも長いために、当該再生対象情報がリストに付加されなくても、当該再生対象情報の次に配置された再生対象情報がリストに付加されることもある。
【0030】
ナビゲーション実行部42は、経路検索部20の検索結果にしたがって、目的地への誘導を実行する。そのため、ナビゲーション実行部42は、位置検出器16から現在位置を逐次受けつける。また、ナビゲーション実行部42は、後述の音声出力装置30、表示装置36を介して、ユーザに対して目的地までの経路を通知する。ナビゲーション実行部42の詳細な説明は説明を省略する。再生部28は、ナビゲーション実行部42での処理の実行とともに、再生対象情報を再生する。再生対象情報が映像情報である場合、映像が再生され、再生対象情報が音声情報である場合、音声が再生される。再生対象情報がこれらの組合せである場合、両者が再生される。再生部28は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダによって構成される。
【0031】
グラフィックコントローラ34は、制御部18において生成された再生画面表示を制御する。ここで、制御の対象は、ナビゲーション実行部42によって生成される地図や誘導情報、再生部28によって生成される再生対象情報の再生、生成部46によって生成されるリストである。ビデオRAM38は、グラフィックコントローラ34に付属されており、グラフィックコントローラ34の指示にしたがって動作を実行する。表示装置36は、液晶ディスプレイ等のディスプレイによって構成される。また、音声出力装置30は、スピーカによって構成される。音声出力装置30は、制御部18において生成された情報を音声信号として出力する。
【0032】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0033】
以上の構成によるナビゲーション装置100の動作を説明する。図4は、ナビゲーション装置100による目的地の設定手順を示すフローチャートである。ユーザがリモートコントローラなどの入力装置32を使用することによって、経路検索部20に対して、目的地が設定されると(S10のY)、経路検索部20は、地図データ記憶領域24に記憶された地図データを読み出し、現在地と目的地までの経路を検索する。また、計算部40は、現在地から目的地までの所要時間を計算する(S12)。さらに、表示装置36は、目的地までの経路と所要時間を表示する(S14)。なお、目的地が設定された場合、経路検索部20は、距離最短、有料道路使用、優先道路使用などの条件に応じて、複数の候補をユーザに提示して、その提示されたリストからひとつ選択してもよい。一方、目的地が設定されないと(S10のN)、処理が終了される。
【0034】
ナビゲーション装置100によるリストの表示手順を説明する前に、ナビゲーション装置100の比較対象となる装置での手順を説明する。図5は、ナビゲーション装置100の比較対象によるリストの表示手順を示すフローチャートである。なお、ここでの説明は、ナビゲーション装置100と異なるので、構成要素は、図1と異なるべきであるが、後述のナビゲーション装置100の説明との比較を明確にするために、図1での符号を使用する。ユーザが入力装置32を介して、再生対象情報のリストの表示を指示した場合(S20のY)、生成部46は、再生対象情報記憶領域26の再生対象情報管理ファイル204に記録されている総再生対象情報数を取得する(S22)。ここで、総再生対象情報数は、「N」であるとする。
【0035】
生成部46は、変数iに1を代入する(S24)。変数iがN以下である場合(S26のY)、生成部46は、i番目の再生対象情報をリストに付加し(S28)、変数iに1を加算して(S30)、ステップ26に戻る。変数iがN以下でない場合(S26のN)、生成部46は、検索を終了し、リストを表示装置36に出力する。表示装置36は、リストを表示する(S32)。一方、再生対象情報のリストの表示が指示されない場合(S20のN)、処理が終了される。
【0036】
図6は、表示装置36に表示されるリストを示す。表示装置36は、再生対象情報記憶領域26に記憶されている再生対象情報のファイル名をリストとして表示する。ここで、「ニュース番組」が、前述の第1再生対象情報ファイル206に相当し、「ドラマ1」が、前述の第2再生対象情報ファイル208に相当する。また、「N」は、「6」であるとする。表示装置36に表示されたリストは、再生対象情報記憶領域26に記憶された再生対象情報のすべてのファイル名に相当する。
【0037】
図7は、ナビゲーション装置100によるリストの表示手順を示すフローチャートである。ユーザは、入力装置32を介して、目的値の設定を行うと、経路検索部20は、現在地から目的地までの経路を検索し、計算部40は、検索した経路での所要時間を算出する(S40)。ユーザが入力装置32を介してリストの表示を指示する(S42のY)と、生成部46は、再生対象情報記憶領域26の再生対象情報管理ファイル204に記録されている総再生対象情報数を取得する(S44)。次に、生成部46は、再生対象情報管理ディレクトリ202の再生対象情報の付属情報214に含まれた再生時間と、所要時間とを使用することによって、リストを生成する(S46)。表示装置36は、生成部46において生成したリストを表示する(S48)。一方、ユーザが入力装置32を介してリストの表示を指示しなければ(S42のN)、処理は終了される。
【0038】
図8は、リスト生成の手順を示すフローチャートである。図8は、図7のステップ46に相当する。これは、所要時間以内の再生時間を有した再生対象情報のリストを生成する際の手順である。ユーザインタフェースとして、ユーザによって、通常の再生対象情報の表示か、所要時間以内に終了する再生対象情報の表示かを選択されることが想定される。生成部46は、変数iに1を代入する(S60)。変数iがN以下である場合(S62のY)、生成部46は、再生対象情報管理ディレクトリ202の再生対象情報の付属情報214に含まれた再生時間と、所要時間とを比較する。
【0039】
再生時間が所要時間以内であれば(S64のY)、生成部46は、i番目の再生対象情報のファイル名をリストに付加する(S66)。一方、再生時間が所要時間以内でなければ(S64のN)、ステップ66の処理がスキップされる。生成部46は、変数iに1を加算し(S68)、ステップ62に戻る。また、変数iがN以下でない場合(S62のN)、処理は終了される。
【0040】
図9は、表示装置36に表示されるリストを示す。再生対象情報記憶領域26に記憶されている再生対象情報のファイル名は、図6の場合と同様であるものとする。ここでは、所要時間が「70分」とされる。生成部46は、上記の処理を実行することによって、図6に示された再生対象情報のファイル名のうち、再生時間が70分以内のものから、リストを生成する。
【0041】
以下では、生成部46における別の処理によって、リストが表示される態様を説明する。ここまでの生成部46は、ひとつの再生対象情報の再生時間と、所要時間とを比較し、所要時間以下の再生時間を有した再生対象情報を選択している。つまり、比較は、再生対象情報単位になされている。ここでの生成部46は、複数の再生対象情報をまとめ、まとめられた再生時間と、所要時間とが比較される。つまり、所要時間以下の再生時間を有した再生対象情報のグループが選択される。そのため、生成部46は、所要時間以内になるように再生時間を積算し、積算した再生時間に対応した再生対象情報を識別可能なようにリストを生成する。
【0042】
具体的に、生成部46は、再生対象情報管理ディレクトリ202の再生対象情報の付属情報214に含まれた再生時間を積算していく。また、生成部46は、再生時間を積算するごとに、そのときの積算値と所要時間とを比較する。積算値が所要時間以下であれば、生成部46は、積算を継続する。一方、積算値が所要時間以下でなければ、所要時間以下となる積算値に含まれた再生対象情報のファイル名をもとに、生成部46は、リストを作成する。
【0043】
図10は、リスト生成の別の手順を示すフローチャートである。図10は、図7のステップ46に相当する。これは、リスト生成の際に、所要時間以内に終了可能な再生対象情報のグループを選択する。まず、ユーザが入力装置32を介して規則を選択し、生成部46は、再生対象情報記憶領域26に蓄積されている再生対象情報のリストを表示する際の表示順序を決定する(S80)。規則とは、録画の古い順、録画の新しい順、再生時間の短い順、再生時間の長い順などのような再生対象情報の順番に関する規則である。また、規則が選択されることによって、表示順序が一意に決定する。
【0044】
生成部46は、変数iに1を代入する(S82)。変数iがN以下である場合(S84のY)、生成部46は、1番目からi番目までの再生対象情報の再生時間を積算し、積算値と所要時間とを比較する。積算値が所要時間以内である場合(S86のY)、生成部46は、変数iに1を加算し(S88)、ステップ84に戻る。一方、変数iがN以下でない場合(S84のN)、あるいは積算値が所要時間以内でない場合(S86のN)、生成部46は、i−1までの再生対象情報をグループ化し(S90)、グループ化した再生対象情報をリストに付加する。
【0045】
図11は、表示装置36に表示されるリストを示す。再生対象情報記憶領域26に記憶されている再生対象情報のファイル名は、図6の場合と同様であるものとし、所要時間が「70分」とされる。生成部46は、上記の処理を実行することによって、図6に示された再生対象情報のファイル名のうち、積算値が70分以内となるグループに含まれたものから、リストを生成する。
【0046】
以下では、生成部46におけるさらに別の処理によって、リストが表示される態様を説明する。ここまでの生成部46は、所要時間以下の再生時間を有した再生対象情報、あるいは所要時間以下の積算値を有した再生対象情報のグループを選択している。その結果、選択されたファイル名が表示装置36に表示されている。ここでの生成部46は、これまでと同様に選択を実行するが、選択されなかったファイル名に対して別のリストを生成し、表示装置36に表示する。
【0047】
生成部46は、記憶部44に記憶した複数の組合せのうち、所要時間以内に再生可能でない再生対象情報、つまり前述の処理によって選択されなかった再生対象情報に対して、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストとは別のリストを生成する。当該処理は、既に説明した生成部46の処理と並行して実行されるので、ここでは、詳細な説明を省略する。なお、所要時間以内に再生可能な再生対象情報でなく、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のグループであっても、同様の処理が実行されるので、ここでは、詳細な説明を省略する。また、表示装置36は、生成部46において生成したリストと別のリストとを異なった形式にて表示する。異なった形式には、ふたつのリストを表示する際の色を変更すること、文字の大きさを変更すること、文字の太さを変更することが例示される。
【0048】
図12は、リスト生成のさらに別の手順を示すフローチャートである。図12は、図7のステップ46に相当する。これは、リストの表示の際に、所要時間以内に終了可能な再生対象情報と、そうでない再生対象情報とを、ユーザが識別可能な様に表示することに相当する。生成部46は、変数iに1を代入する(S100)。変数iがN以下である場合(S102のY)、生成部46は、i番目の再生対象情報の再生時間と所要時間とを比較する。
【0049】
再生時間が所要時間以内である場合(S104のY)、生成部46は、i番目の再生対象情報を赤色リストに付加し(S106)、再生時間が所要時間以内でない場合(S104のN)、生成部46は、i番目の再生対象情報を黒色リストに付加する(S108)。ここで、赤色リストとは、入力装置32において赤色で表示されるリストであり、黒色リストとは、入力装置32において黒色で表示されるリストである。生成部46は、変数iに1を加算して(S110)、ステップ102に戻る。一方、変数iがN以下でない場合(S102のN)、処理は終了される。
【0050】
ここでは表示色による識別例を示したが、表示色以外にも、再生対象情報名の横に識別マークやアイコンを並べることによって識別するなど、ユーザが識別できるものであればよい。なお、再生対象情報のグループをリストとして表示する場合、図10のフローチャートと、図12のフローチャート、特にステップ106、ステップ108とが、組み合わされる。
【0051】
図13は、表示装置36に表示されるリストを示す。再生対象情報記憶領域26に記憶されている再生対象情報のファイル名は、図6の場合と同様であるものとし、所要時間が「70分」とされる。生成部46は、上記の処理を実行することによって、図6に示された再生対象情報のファイル名のうち、再生時間が70分以内となるものが赤色で表示され、それ以外のものが黒色で表示される。ここで、太字が赤色での表示に相当し、細字が黒色での表示に相当する。
【0052】
本発明の実施例によれば、再生時間と所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成してから表示するので、現在地から目的地までの所要時間に応じた再生対象情報をユーザに分かりやすく提示できる。また、所要時間を取得するために、管理ファイルを検索するだけなので、所要時間を容易に取得できる。また、任意の再生対象情報を選択できるので、現在地から目的地までの所要時間に応じた再生対象情報のすべてを選択できる。また、任意の再生対象情報を選択できるので、記憶部にさまざまな再生対象情報が記憶されている場合でも対応できる。また、再生対象情報ごとに、再生時間と所要時間との比較を実行するので、処理を簡易にできる。
【0053】
また、積算した再生時間と所要時間とを比較するので、再生時間が所要時間以内になるような再生対象情報のグループを選択できる。また、再生対象情報のグループを選択するので、全体の再生時間を所要時間に近くできる。また、所要時間以内に再生可能でない再生対象情報も表示するので、これらの再生対象情報もユーザに認識させることができる。また、所要時間以内に再生可能でない再生対象情報のリストを表示する場合であっても、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを表示する場合とは、異なった形式にて表示するので、両者の違いをユーザに認識させることができる。
【0054】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0055】
本発明の実施例において、付属情報は、再生時間を含んでいる。しかしながらこれに限らず例えば、記憶部44に記憶した複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報は、再生対象情報に関する優先度の情報も含んでいてもよい。ここで優先度は、入力装置32を介して、ユーザによって設定されればよい。生成部46は、記憶部44に記憶した優先度の情報を参照しながら、優先度の高い再生対象情報を優先的に処理する。例えば、図8の処理の場合、優先度の高い再生対象情報に対して、低い番号を付与することによって、生成部46は、優先度の高い再生対象情報から先にステップ64の比較を実行する。また、図10の処理の場合、優先度の高い再生対象情報に対して、低い番号を付与することによって、生成部46は、優先度の高い再生対象情報を優先的にグループに含める。また、生成部46は、既に鑑賞した再生対象情報の優先度を低くしてもよい。本変形例によれば、優先度に応じた処理を実行するので、ユーザの希望に応じた処理を実行できる。
【0056】
本発明の実施例において、制御部18は、経路を決定した後にリストを生成する。しかしながらこれに限らず例えば、経路検索部20は、複数の経路を検索し、生成部46は、検索した複数の経路のそれぞれに対応した複数のリストを生成してもよい。その際、前述の処理が、複数の経路のそれぞれに対して実行される。表示装置36は、経路とリストとを対応づけながら、複数の経路と複数のリストとを表示する。ユーザは、表示装置36に表示された複数の経路と複数のリストを確認しながら、入力装置32を介して、経路を選択する。本変形例によれば、複数の経路と複数のリストとを表示するので、リストに応じた経路の選択を実現できる。
【0057】
本発明の実施例において、再生対象情報として、映像データを中心に説明したが、音声データ、音楽データであってもよい。また、それらの組合せであってもよい。本変形例によれば、さまざまなデータに対して本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例に係るナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】図1の再生対象情報記憶領域のデータ構造を示す図である。
【図3】図2の再生対象情報管理ディレクトリのデータ構造を示す図である。
【図4】図1のナビゲーション装置による目的地の設定手順を示すフローチャートである。
【図5】図1のナビゲーション装置の比較対象によるリストの表示手順を示すフローチャートである。
【図6】図1の表示装置に表示されるリストを示す図である。
【図7】図1のナビゲーション装置によるリストの表示手順を示すフローチャートである。
【図8】図7のリスト生成の手順を示すフローチャートである。
【図9】図1の表示装置に表示されるリストを示す図である。
【図10】図7のリスト生成の別の手順を示すフローチャートである。
【図11】図1の表示装置に表示されるリストを示す図である。
【図12】図7のリスト生成のさらに別の手順を示すフローチャートである。
【図13】図1の表示装置に表示されるリストを示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10 GPS受信機、 12 ジャイロスコープ、 14 車速センサ、 16 位置検出器、 18 制御部、 20 経路検索部、 24 地図データ記憶領域、 26 再生対象情報記憶領域、 28 再生部、 30 音声出力装置、 32 入力装置、 34 グラフィックコントローラ、 36 表示装置、 38 ビデオRAM、 40 計算部、 42 ナビゲーション実行部、 44 記憶部、 46 生成部、 100 ナビゲーション装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地と目的地とを取得し、現在地から目的地への経路を検索するナビゲーション部と、
前記ナビゲーション部での処理の実行とともに、映像情報と音声情報の少なくともいずれかによって構成される再生対象情報を再生する再生部とを備え、
前記再生部は、
前記ナビゲーション部において検索した経路に応じた所要時間を計算する計算部と、
再生対象情報を再生するために要する再生時間を少なくとも含んだ付属情報と、再生対象情報との組合せを複数記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶した複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報のうちの再生時間と、前記計算部において計算した所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成する生成部と、
前記生成部において生成したリストを表示する表示部とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記記憶部に記憶した複数の組合せの順番の連続性に関係なく、リストを生成することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記生成部は、再生時間を参照しながら、所要時間以内に再生を完了可能な再生対象情報を選択し、選択した再生対象情報を識別可能なようにリストを生成することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記生成部は、所要時間以内になるように再生時間を積算し、積算した再生時間に対応した再生対象情報を識別可能なようにリストを生成することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記記憶部に記憶した複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報は、再生対象情報に関する優先度の情報も含んでおり、
前記生成部は、前記記憶部に記憶した優先度の情報を参照しながら、優先度の高い再生対象情報を優先的に処理することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記記憶部に記憶した複数の組合せのうち、所要時間以内に再生可能でない再生対象情報に対して、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストとは別のリストを生成し、
前記表示部は、前記生成部において生成したリストと別のリストとを異なった形式にて表示することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記ナビゲーション部は、複数の経路を検索し、
前記生成部は、前記ナビゲーション部において検索した複数の経路のそれぞれに対応した複数のリストを生成し、
前記表示部は、経路とリストとを対応づけながら、複数の経路と複数のリストとを表示することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
現在地と目的地とを取得し、現在地から目的地への経路を検索するステップと、
検索した経路に応じた所要時間を計算するステップと、
映像情報と音声情報の少なくともいずれかによって構成される再生対象情報と、再生対象情報を再生するために要する再生時間を少なくとも含んだ付属情報との組合せを複数記憶したメモリを参照しながら、複数の組合せのそれぞれに含まれた付属情報のうちの再生時間と、計算した所要時間とをもとに、所要時間以内に再生可能な再生対象情報のリストを生成するステップと、
生成したリストを表示するステップと、
を備えることを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−64513(P2008−64513A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240858(P2006−240858)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】