被加熱体の冷却方法、冷却システム及びその冷却システムを備えた基板処理装置
【課題】 加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することが可能な被加熱体の冷却方法を提供すること。
【解決手段】 少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、被加熱体10を加熱するとき、断熱材11を被加熱体10に密着させ、被加熱体10を冷却するとき、被加熱体10と断熱材11との間に空間13が生じるように、断熱材11を被加熱体10から離間させ、空間13中に冷却流体14を送り込み、被加熱体10を冷却する。
【解決手段】 少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、被加熱体10を加熱するとき、断熱材11を被加熱体10に密着させ、被加熱体10を冷却するとき、被加熱体10と断熱材11との間に空間13が生じるように、断熱材11を被加熱体10から離間させ、空間13中に冷却流体14を送り込み、被加熱体10を冷却する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被加熱体の冷却方法、及び冷却システムに係わり、特に、半導体ウエハ等の被処理基板に高温処理を施す基板処理装置に使用されるような被加熱体の冷却方法、及び冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)上に集積回路を形成するために、絶縁膜、金属膜、及び金属化合物膜等の薄膜を成膜するプロセスが行われる。成膜処理は基板処理装置として、CVD装置、PVD装置、ALD装置等の成膜装置を用いて行われる。
【0003】
これらの成膜装置においては、成膜処理中、処理容器の内部のウエハを、例えば、ステージヒーターを用いて高温に加熱したり、内部の電極が発熱したりする。このため、処理容器自体も高温となる(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、処理容器自体も、処理容器の内部やシャワーヘッド内部での反応を促進するために、シャワーヘッドを加熱するとともに、高温となったシャワーヘッドを、断熱材を用いて保温する方式がある(例えば、特許文献2)。
【0005】
特許文献1では、高温となった処理容器を冷却するために、放熱フィンを備えている。
【0006】
特許文献2では、高温に制御されるシャワーヘッドの温度を調節するために、断熱材とシャワーヘッドとの間に冷却ガスが供給される空間(冷却流路)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−68710号公報
【特許文献2】特開2008−214763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
放熱フィンや冷却流路等の冷却機構を持つ基板処理装置は、基板処理装置の冷却性に優れている。しかしながら、加熱時においては、冷却機構を介して熱が逃げてしまうため、冷却機構を持たない基板処理装置に比較して加熱性に劣る、という事情がある。また、加熱した熱が逃げてしまうために、エネルギー効率にも課題がある。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することが可能な被加熱体の冷却方法と冷却システム、及びその冷却システムを備えた基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明の第1の態様に係る被加熱体の冷却方法は、少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、前記被加熱体を加熱するとき、前記断熱材を前記被加熱体に密着させ、前記被加熱体を冷却するとき、前記被加熱体と前記断熱材との間に空間が生じるように、前記断熱材を前記被加熱体から離間させ、前記空間中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却する。
【0011】
また、この発明の第2の態様に係る被加熱体の冷却方法は、少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、前記被加熱体と前記断熱材との間に、膨縮可能な冷却流体流路部材を設け、前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させ、前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させ、膨張した前記冷却流体流路部材中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却する。
【0012】
また、この発明の第3の態様に係る被加熱体の冷却システムは、少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する冷却システムであって、前記被加熱体と前記断熱材との間に設けられた、膨縮可能な冷却流体流路部材と、前記冷却流体流路部材中に、冷却流体を送り込む冷却流体源と、を具備する。
【0013】
また、この発明の第4の態様に係る基板処理装置は、被処理基板に処理を施す処理容器と、前記処理容器の内部に、前記被処理基板に処理を施すプロセスガスを供給するプロセスガス供給管と、前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を加熱するヒータと、前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を覆う断熱材と、を備えた基板処理装置であって、前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方の冷却に、第3の態様に係る冷却システムが用いられている。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することが可能な被加熱体の冷却方法と冷却システム、及びその冷却システムを備えた基板処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】この発明の第1の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図1B】この発明の第1の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図2A】この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図2B】この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図3A】冷却流体流路部材の一例を示す斜視図
【図3B】冷却流体流路部材の一例を示す斜視図
【図4】冷却流体流路部材の一変形例を示す斜視図
【図5】冷却流体流路部材の他変形例を示す斜視図
【図6】この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す斜視図
【図7A】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第1例を示す斜視図
【図7B】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第1例を示す斜視図
【図8A】図7A中の8A−8A線に沿う断面図
【図8B】図7B中の8B−8B線に沿う断面図
【図9A】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第2例を示す斜視図
【図9B】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第2例を示す斜視図
【図10A】図9A中の10A−10A線に沿う断面図
【図10B】図9B中の10B−10B線に沿う断面図
【図11A】この発明の実施形態に係る被加熱体の冷却方法及び冷却システムを実施可能な成膜装置の一例を概略的に示す平面図
【図11B】図11A中の11B−11B線に沿う断面図
【図12A】処理容器101の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図12B】処理容器101の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図13A】第1例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図13B】図13A中の13B−13B線に沿う断面図
【図13C】第1例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図13D】図13C中の13D−13D線に沿う断面図
【図14A】第2例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図14B】図14A中の14B−14B線に沿う断面図
【図14C】第2例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図14D】図14C中の14D−14D線に沿う断面図
【図15A】第3例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図15B】図15A中の15B−15B線に沿う断面図
【図15C】第3例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図15D】図15C中の15D−15D線に沿う断面図
【図16A】この発明の第5の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図16B】この発明の第5の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。この説明において、参照する図面全てにわたり、同一の部分については同一の参照符号を付す。
【0017】
(第1の実施形態)
図1A及び図1Bは、この発明の第1の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を模式的に示す断面図である。図1Aは加熱中の状態を示し、図1Bは冷却中を示している。
【0018】
第1の実施形態は、少なくとも一部が断熱材11で覆われた被加熱体10を冷却する被加熱体の冷却方法である。
【0019】
(加熱)
図1Aに示すように、被加熱体10を加熱するとき、断熱材11を被加熱体10に密着させる。この状態で、被加熱体10を、例えば、加熱ヒータ12を用いて加熱する。
【0020】
図1Aに示す状態は、被加熱体10が、例えば、基板処理装置の処理容器である場合には、図1は処理容器自体が加熱されている状態、又は処理容器の内部に載置された被処理基板、例えば、ウエハが加熱されている状態に対応する。
【0021】
また、被加熱体10が基板処理装置である場合には、処理容器を保温しておきたい場合がある。例えば、次に処理するウエハが到着するまでの待機状態等である。加熱中ばかりでなく、待機中においても、図1Aに示すように、断熱材11を被加熱体10に密着させておくこともでき、次の処理までに処理容器の温度が急速に下がってしまうこともない。
【0022】
(冷却)
図1Bに示すように、被加熱体10を冷却するとき、断熱材11を被加熱体10から離間させる。断熱材11を被加熱体10から離間させると、被加熱体10と断熱材11との間に空間13が生じる。この空間13に冷却流体14、例えば、空気を、冷却流体源15、例えば、冷却ファンを用いて送り込み、被加熱体10を冷却する。
【0023】
被加熱体10が基板処理装置である場合には、例えば、稼働時間毎に決められた定期点検や、又は不測の事態ときに行われる緊急点検の際、基板処理装置が止められる。被加熱体10が、例えば、基板処理装置の処理容器であるときには、処理容器の温度が、作業に支障がない温度まで下がり、安全が確認されるまでは点検を開始することができない。処理容器が断熱材11で覆われていると保温性が高いため、温度が下がり難い。このため、点検を開始するまで、長い時間待たなければならず、基板処理装置の停止時間が長くなってしまう。
【0024】
対して、第1の実施形態に係る冷却方法によれば、被加熱体10、即ち処理容器と処理容器を覆う断熱材11との間に空間13を生じさせ、この空間13に冷却流体14を送り込み、処理容器を冷却する。このため、処理容器が断熱材11で覆われていたとしても、冷却性が損なわれることがない。つまり、処理容器の温度が自然に下がるのを待つ場合に比較して、処理容器の温度を、より速く下げることができる。従って、基板処理装置の停止時間を短くでき、製品のスループットを向上させることができる。
【0025】
また、上述したように、第1の実施形態に係る冷却方法によれば、加熱中や待機中においては、断熱材11を被加熱体10に密着させることができる。このため、被加熱体10の加熱性や保温性が損なわれることもない。
【0026】
また、断熱材11を被加熱体10に密着させるため、加熱した熱が逃げることも抑制される。このため、被加熱体10に放熱フィンや冷却流路を設ける場合に比較して、エネルギー効率も向上させることができる。
【0027】
このように、第1の実施形態によれば、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することができる被加熱体の冷却方法、及びこの冷却方法を実施する冷却システムを得ることができる。
【0028】
なお、第1の実施形態において、断熱材11を被加熱体10から離間させる方法としては、冷却流体14を、断熱材11と被加熱体10との間に送り込み、断熱材11を浮上させることで空間13を生じさせることが好ましい。冷却流体14による浮力を利用して断熱材11を浮上させ被加熱体10から離間させることで、例えば、断熱材11を機械的に被加熱体10から離間させる場合に比較して、第1の実施形態に係る冷却方法を利用した冷却システムを、より簡易な構成にて実施できる、という利点を得ることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図2A及び図2Bは、この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を模式的に示す断面図である。図2Aは加熱中の状態を示し、図2Bは冷却中を示している。
【0030】
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した冷却方法を、具現化する一例に関する。
【0031】
図2A及び図2Bに示すように、第2の実施形態は、被加熱体10と断熱材11との間に、膨縮可能な冷却流体流路部材20を設けたものである。冷却流体流路部材20の一例を、図3A及び図3Bに示す。
【0032】
図3A及び図3Bの斜視図に示すように、冷却流体流路部材20(以下流路部材という)は膨縮可能な袋状の部材であり、内部に冷却流体を通流させることが可能となっている。流路部材20の材質の一例はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のシートである。流路部材20の一端には冷却流体14を内部に導入する冷却流体導入口21が設けられ、他端には冷却流体14を外部に排出する冷却流体排出口22が設けられている。
【0033】
流路部材20の内部から冷却流体14を排出すると、流路部材20は収縮する(図3A参照)、反対に、内部に冷却流体14を送り込むと、冷却流路20は膨張する(図3B参照)。流路部材20を膨張させることで、流路部材20の内部に、第1の実施形態において説明した空間13と同様な空間23を生じさせることができる。この空間23に、冷却流体14を送り込むことで、第1の実施形態と同様に、被加熱体10を冷却することができる。
【0034】
また、図4に示すように、冷却流体排出口22の数を、冷却流体導入口21よりも多くすると、空間23内に、より均一な冷却流体14の流れを作り出すこともできる。
【0035】
また、図5に示すように、冷却流体流路部材20の被加熱体10側の面に、被加熱体10が露出する露出部24、例えば、スリットや、図5に示すように複数の開孔部を形成しても良い。冷却流体流路部材20の被加熱体10側の面に露出部24を形成すると、冷却流体14を被加熱体10に直接に接触させることができ、冷却効率を、さらに向上させることができる。
【0036】
この図5に示す変形は、図4に示す変形と組み合わせて実施することもできる。また、図4及び図5に示す変形は、後述する全ての実施形態に組み合わせることもできる。
【0037】
(加熱)
図2Aに示すように、被加熱体10を加熱するとき、流路部材20を収縮させる。流路部材20を収縮させることで、流路部材20中から空間23を無くし、断熱材11を被加熱体10に、収縮させた流路部材20を介して密着させる。この状態で、被加熱体10を、例えば、加熱ヒータ12を用いて加熱する。
【0038】
被加熱体10が、基板処理装置の処理容器であるときには、第1の実施形態と同様に、加熱中だけでなく待機中においても、断熱材11を被加熱体10に収縮させた流路部材20を介して密着させておいても良い。待機中、断熱材11を被加熱体10に収縮させた流路部材20を介して密着させておくことで、処理容器に良好な保温性を持たせることができる。
【0039】
(冷却)
図2Aに示すように、被加熱体10を冷却するとき、流路部材20を膨張させる。流路部材20を膨張させることで、被加熱体10と断熱材11との間に空間23を生じさせる。そして、空間23に冷却流体14、例えば、空気を、冷却ファン15を用いて送り込み、被加熱体10を冷却する。
【0040】
このように、第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法によっても、第1の実施形態と同様に、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することができる被加熱体の冷却方法、及びこの冷却方法を実施する冷却システムを得ることができる。
【0041】
また、図6の斜視図に示すように、空間23は、冷却流体導入口21と冷却流体排出口22の部分のみが外部に連通し、他の部分は外部に連通しない、いわば閉塞空間である。このため、冷却流体14の流路を、流路部材20の内部に生じた空間23の中に制限することができる。冷却流体14の流路を閉塞した空間23の中に制限することで、断熱材11と被加熱体10との間から、例えば、熱風化した冷却流体14が突然出てきたり、出てきた冷却流体14で粉塵が巻き上げられたりすることを抑制することができる。従って、流路部材20を有する第2の実施形態は、例えば、全体を開放した開放空間を冷却流体14の流路として使用する場合に比較して、安全である。
【0042】
このように、第2の実施形態によれば、流路部材20を用いることで、冷却流体14の流路を制限でき、安全である、という利点を得ることもできる。
【0043】
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、断熱材11で、被加熱体10の面状の部分を覆う例を示した。しかしながら、この発明は、被加熱体10が面状ではなくとも、段差状、あるいは管状であっても、適用することができる。そのような例を、第3の実施形態として説明する。なお、第3の実施形態は、第2の実施形態において説明した、膨縮可能な流路部材20を設ける例に従って説明する。
【0044】
(第1例:段差状の被加熱体)
図7A及び図7Bは、この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第1例を示す斜視図である。
【0045】
流路部材20は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフレキシブルな材質を用いて形成することができる。このため、図7A及び図7Bに示すように、被加熱体10が段差部25を有し、かつ、断熱材11が、被加熱体10の段差部25を覆う場合であっても、流路部材20を、断熱材11と被加熱体10との間に設けることができる。
【0046】
図7Aは加熱中の状態を示しており、流路部材20は収縮している。図7Bは冷却中を示しており、流路部材20は膨張している。図7A中の8A−8A線に沿う断面を図8Aに、図7B中の8B−8B線に沿う断面を図8Bに示しておく。
【0047】
第1例の場合、第2の実施形態と同様に、流路部材20は袋状で良い。また、袋状の流路部材20は、袋状の流路部材20中に冷却流体14を送り込むことで膨張され、断熱材11を、段差部25を有した被加熱体10から離間させる。また、袋状の流路部材20が膨張することで生じた空間23中に、冷却流体14を通流させることで、被加熱体10を冷却することができる。
【0048】
(第2例:管状の被加熱体)
図9A及び図9Bは、この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第2例を示す斜視図である。
【0049】
図9A及び図9Bに示すように、被加熱体20は管状であり、断熱材11は管状の被加熱体20の周囲をリング状に丸く覆っている。流路部材20は、断熱材11と管状の被加熱体10との間に設けられ、断熱材11と同様に、管状の被加熱体10をリング状に丸く覆っている。
【0050】
図9Aは加熱中の状態を示している。加熱中、流路部材20は収縮しており、断熱材11は流路部材20を介して管状の被加熱体10に密着されている。本例の場合、断熱材11は、例えば、ロックウールやグラスウールのような変形、又は伸縮自在な材質を用いて形成される。かつ、断熱材11が流路部材20の膨張に合わせて変形、又は伸縮可能となるように、スリット26が設けられる。
【0051】
図9Bは冷却中を示しており、流路部材20は膨張している。この膨張に合わせて、スリット26が開く。図9A中の10A−10A線に沿う断面を図10Aに、図9B中の10B−10B線に沿う断面を図10Bに示しておく。
【0052】
第2例の場合、流路部材20は袋状でも良いが、図9A及び図9Bに示すように、タイヤのチューブのような中空リング状とすることがより好ましい。流路部材20が袋状であると、流路部材20が膨張した際、管状の被加熱体10から離れてしまう箇所が発生する。この点、流路部材20が中空リング状であれば、被加熱体10を、中空リング状の流路部材20の内環部に挿入することができる。このため、流路部材20が膨張した場合においても、流路部材20が管状の被加熱体10から離れてしまうことがない。よって、高い冷却効率を維持することができる。中空リング状の流路部材20もまた、流路部材20中に冷却流体14を送り込むことで膨張され、断熱材11を、管状の被加熱体10から離間させる。中空リング状の流路部材20においても、内部には袋状の場合と同様に、膨張することで空間23が形成される。この空間23中に、冷却流体14を通流させることで、被加熱体10を冷却することができる。
【0053】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1、第2、第3の実施形態で説明した冷却方法及び冷却システムを適用した基板処理装置の一例に関する。第4の実施形態においては、基板処理装置として、被処理基板、例えば、半導体ウエハ(以下ウエハという)上に薄膜を成膜する成膜装置に適用した場合について示す。成膜装置としての一例は、ウエハ上に高誘電率絶縁膜、例えば、ハフニウム系の高誘電率絶縁膜を成膜するALD装置である。なお、この発明は、ALD装置に限って適用されるものではなく、CVD装置、PVD装置等、他の成膜装置にも適用できるし、成膜装置に限らず、エッチング装置等、他の基板処理装置にも適用できる。
【0054】
図11Aはこの発明の実施形態に係る被加熱体の冷却方法及び冷却システムを実施可能な成膜装置の一例を概略的に示す平面図、図11Bは図11A中の11B−11B線に沿う断面図である。
【0055】
図11A及び図11Bに示すように、成膜装置100は、ウエハWに処理を施す処理容器101と、処理容器101(101a〜101c)の内部に、ウエハWに処理を施すプロセスガスを供給するプロセスガス供給管(以下ガス供給管という)102と、処理容器101、及びガス供給管102の少なくともいずれか一方を加熱する加熱ヒータ12(12a〜12i)と、処理容器101、及びガス供給管102の少なくともいずれか一方を覆う断熱材11(11a〜11g)とを備えている。さらに、断熱材11と処理容器101との間には、流路部材20(20a〜20g)が設けられている。
【0056】
より具体的には、処理容器101は、主に、チャンバ101aと、チャンバ101a上に設けられ、処理空間104中のガスを排気する排気リング101bと、排気リング上101b上に設けられた天板101cとから構成される。
【0057】
チャンバ101aの内部にはウエハWを載置する載置台105が設けられ、チャンバ101aの側壁にはウエハWを処理室101の内部に搬入出する搬入出部106が設けられている。載置台105はチャンバ101a内において上下に動き、ウエハWをチャンバ101a側と処理空間104側との間で上げ下げする。
【0058】
排気リング101bは排気経路107を有する。排気経路107は環状にチャンバ101aの上方に形成され、本例では円筒状となる処理空間104の周囲を囲むように形成される。排気経路107の少なくとも一つの箇所は、図示せぬ排気ポンプ等の排気機構に接続される。排気経路107と処理空間104との間には側壁状のバッフルリング108が設けられている。バッフルリング108には、処理空間104に放出されたプロセスガスを排気する複数の排気孔108aが形成されている。
【0059】
天板101cは、排気リング101b上に設けられている。処理空間104は、天板101cと、排気リング101b、本例では、バッフルリング108と、バッフルリング108の底部まで上昇してきた載置台105とで囲まれることにより形成される。本例では、処理空間104が上述の通りに形成されるが、処理空間104の形成はこれに限られるものではない。排気リング101bを有さず、チャンバ101aの下方からプロセスガスを排気し、チャンバ101aと天板101cとで処理空間104が形成されるようにする、一般的な構成とされても良い。
【0060】
天板101cの処理空間104側には上側プレート109a、及び下側プレート109bが設けられている。下側プレート109bの処理空間104側の表面は皿状に窪んでおり、その中央部にはプロセスガスを放出するガス放出部110が設けられている。本例のガス放出部110は半球型であるが、ガス放出部110は半球型に限られるものではなく、例えば、シャワーヘッド型等、如何なる形状であっても良い。
【0061】
さらに、本例では、排気リング101b、及び天板101cの上に、内部にプロセスガス流路112が形成されているプロセスガス流路部材(以下ガス流路部材という)111が設けられている。ガス流路部材111は、天板101cのほぼ中心まで伸び、内部に形成されたプロセスガス流路112の一端は、プロセスガス導入部113に接続されている。プロセスガス導入部113は、本例では天板101c、上側プレート109a、及び下側プレート109に形成され、ガス放出部110に繋がる。プロセスガス流路112の他端はガス供給管102の一端に接続され、ガス供給管102の他端はプロセスガス供給機構114に接続されている。
【0062】
加熱ヒータ12a乃至12cはガス流路部材111の内部に設けられており、ガス流路部材111に形成されたプロセスガス流路112中を流れるプロセスガスを、ガス流路部材111を介して加熱する。加熱ヒータ12d及び12eは天板101cの上に設けられ、天板101cを加熱する。加熱ヒータ12f乃至12hは排気リング101bの内部に設けられ、排気リング101bを加熱する。加熱ヒータ12iはガス供給管102の周囲に設けられ、ガス供給管102中を流れるプロセスガスを、ガス供給管102を介して加熱する。なお、図11Aにおいては、加熱ヒータ12iのみを示し、加熱ヒータ12a乃至12hの図示は省略している。
【0063】
流路部材20a及び20bは、ガス流路部材111と断熱材11a及び11bとの間に設けられる。流路部材20c及び20dは、天板101cと断熱材11c及び11dとの間に設けられる。流路部材20e及び20fは、排気リング101bと断熱材11e及び11fとの間に設けられる。流路部材20gは、ガス供給管102と断熱材11gとの間に設けられる。流路部材20a乃至20gは、これら流路部材20a乃至20g中に冷却流体を送り込む冷却流体源15、例えば、空冷ファンに接続されている。
【0064】
制御部116は、成膜装置100の各構成部を制御する。制御部116は、各構成部の制御を実行するマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ117と、オペレータが成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース118と、成膜装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ117の制御にて実現するための制御プログラムや、各種データ、および処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ちレシピを記憶する記憶部119と、を備えている。ユーザーインターフェース118、及び記憶部119はプロセスコントローラ117に接続されている。レシピは記憶部119内の記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、ハードディスクであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば、専用回線を介して記憶媒体にレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。任意のレシピは、必要に応じてユーザーインターフェース118からの指示にて記憶部119から呼び出し、プロセスコントローラ117に実行させることで、成膜装置100は、プロセスコントローラ117の制御下で所望の成膜処理を行う。
【0065】
(処理容器:加熱/待機)
図12Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の処理容器101の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図である。
【0066】
図12Aに示すように、加熱中、もしくは待機中は、流路部材20(20a、20b、20c、及び20eが図示される)が収縮し、断熱材11(11a、11b、11c、及び11eが図示される)は、被加熱体、本例では処理容器101の排気リング101b及び天板101c、並びにガス流路部材111に断熱材20を介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、処理容器101及びガス流路部材の加熱性、及び保温性が維持される。
【0067】
また、排気リング101b、天板101c、及びガス流路部材111は段差部25を有しており、断熱材11は以下のように排気リング101b、天板101c、及びガス流路部材111を覆う。
【0068】
断熱材11cは、天板101cの上面上方から側面上方を、流路部材20cを介して覆う。断熱材11cの一側面は、天板101cの上面上方におけるガス流路部材111との相対面にクリアランス30aが生じるように、また、断熱材11cの他側面は、天板101cの側面上方における排気リング101bとの相対面にクリアランス30bが生じるように配置される。
【0069】
断熱材11aは、ガス流路部材111の上面上方から側面上方を、流路部材20aを介して覆う。断熱材11aの側面は、ガス流路部材111の側面上方において断熱材11cの上面と接触される。これにより、クリアランス30aは、断熱材11cと断熱材11aとによって囲まれる。
【0070】
断熱材11eは、排気リング101bの上面上方から側面上方を、流路部材20eを介して覆う。断熱材11eの側面は、排気リング101bの上面上方において断熱材11cの上面と接触される。これにより、クリアランス30bもまた、クリアランス30aと同様に、断熱材11cと断熱材11eとで囲まれる。
【0071】
このように、断熱材11が複数ある場合には、断熱材11どうしを接触、本例では、断熱材11cと断熱材11a、断熱材11cと断熱材11eを接触させる。これにより、被加熱体が、段差部25を有した排気リング101b、天板101c及びガス流路部材111を組み合わせて構成されるような複雑な形状をしている場合であっても、断熱材11を用いてすき間無く覆うことができる。よって、被加熱体の複雑な形状をしている場合でも、加熱性、及び保温性を良好に維持することができる。
【0072】
さらに、断熱材11と被加熱体との間に生じさせたクリアランス30、本例ではクリアランス30aを断熱材11aと断熱材11cとで囲み、クリアランス30bを断熱材11eと断熱材11cとで囲む。
【0073】
このように断熱材11と被加熱体との間に生じさせたクリアランス30を、断熱材11どうしで囲むようにすると、断熱材11と被加熱体との間に空間を形成することができる。この空間は、後述するように、冷却流体流路として機能させることができる。
【0074】
(処理容器:冷却)
図12Bは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の処理容器101の冷却中の状態を拡大して示した断面図である。
【0075】
図12Bに示すように、冷却中は、流路部材20(20a、20b、20c、及び20eが図示される)が膨張し、断熱材11(11a、11b、11c、及び11eが図示される)は、被加熱体、本例では処理容器101の排気リング101b及び天板101c、並びにガス流路部材111から離間される。膨張した流路部材20の内部には空間23が生じており、この空間23に連通する冷却流体導入口21から冷却流体14を導入し、空間23中を通流させることにより、被加熱体、本例では排気リング101b、天板101c、及びガス流路部材111を冷却することができる。
【0076】
さらに、本例では、冷却流体排出口22を、クリアランス30a及び30bに向かって形成している。クリアランス30aは、本例では、流路部材20が膨張した後においても、断熱材11aと断熱材11cとで囲まれた空間とされる。同様に、クリアランス30bも、流路部材20が膨張した後においても、断熱材11eと断熱材11cとで囲まれた空間とされる。このように断熱材11と被加熱体との間に生じさせたクリアランス30を、流路部材20が膨張した後においても、断熱材11どうしで囲まれた空間とする。このような空間を冷却流体の流路として用いることで、被加熱体の、断熱材11どうしで囲まれた空間に面した部分を、冷却流体排出口22から排出された冷却流体14によって冷却することもできる。
【0077】
また、クリアランス30を工場の熱排気に接続すると、熱風、及び粉塵の巻き上げを抑制することもできる。
【0078】
(第1例に係るプロセスガス供給管:加熱/待機)
図13Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第1例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図、図13Bは図13A中の13B−13B線に沿う断面図である。
【0079】
第1例に係るプロセスガス供給管は、プロセスガスを加熱する加熱ヒータとしてマントルヒータ120を用いた例である。
【0080】
本例のマントルヒータ120は、断熱材11gの中に加熱ヒータ12iを設けることで構成されている。断熱材11gの材質例は、変形、又は伸縮可能な材質であり、例えば、ロックウールやグラスウールを挙げることができる。また、加熱ヒータ12iの一例は、例えば、螺旋状のニクロム線である。
【0081】
さらに、本例では、ガス供給管102の周囲に、ガス供給管102を均熱に加熱するための均熱部材27が設けられている。均熱部材27は、二つの半円筒型の部材からなり、二つの部材を円筒型となるように組み合わせ、その中央部に、ガス供給管102を挟み込む。均熱部材27の材質例は、例えば、アルミニウム、又はアルミニウム合金である。均熱部材27は、流路部材20g、例えば、中空リング状の流路部材20gの内環部に挿入されている。
【0082】
マントルヒータ120は、均熱部材27の周囲を、例えば、中空リング状の流路部材20gを介して丸く覆っている。マントルヒータ120にはスリット26が形成されており、スリット26が開閉することで、マントルヒータ120は変形、又は伸縮する。
【0083】
さらに、本例では、スリット26を開閉するスリット閉塞蓋28が設けられており、図13A及び図13Bに示すように、ガス供給管102の加熱中、もしくは待機中においては、スリット閉塞蓋28はスリット26を塞いでいる。このように、スリット閉塞蓋28を設け、スリット閉塞蓋28を用いてスリット26を塞ぐようにすると、スリット26をスリット閉塞蓋28で塞がない場合に比較して、スリット26を介した放熱を抑制することができる。よって、加熱性、及び保温性が、さらに向上できる、という利点が得られる。
【0084】
また、加熱中、もしくは待機中は、流路部材20gが収縮し、断熱材11gを含むマントルヒータ120は、被加熱体、本例ではガス供給管102に流路部材20gを介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、ガス供給管102の加熱性、及び保温性が維持される。
【0085】
(第1例に係るプロセスガス供給管:冷却)
図13Cは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第1例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図、図13Dは図13C中の13D−13D線に沿う断面図である。
【0086】
図13C及び図13Dに示すように、冷却中は、流路部材20gが膨張する。断熱材11gを含むマントルヒータ120は、流路部材20gの膨張に合わせて、スリット26が開くことにより、被加熱体、本例ではガス供給管102から離間される。膨張した流路部材20gの内部には空間23が生じる。冷却流体導入口21は空間23に連通しており、スリット26が開き、かつ、本例では、スリット閉塞蓋28がスリット26から離れることにより、冷却流体導入口21から冷却流体14を導入することが可能となる。
【0087】
また、スリット閉塞蓋28に伸縮性を持たせ、断熱材11gの変形に合わせて変形するように構成すると、スリット閉塞蓋28をスリット26から離さずに済む。この場合には、スリット閉塞蓋28の外側から冷却流体導入口21に向かって冷却流体14を導入する導入管を設けると良い。
【0088】
これらのようにして冷却流体14を空間23に導入し、空間23中に冷却流体14を通流させることにより、被加熱体、本例ではガス供給管102を冷却することができる。
【0089】
(第2例に係るプロセスガス供給管:加熱/待機)
図14Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第2例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図、図14Bは図14A中の14B−14B線に沿う断面図である。
【0090】
第2例に係るプロセスガス供給管102は、プロセスガスを加熱する加熱ヒータとして加熱ブロック121を用いた例である。
【0091】
本例の加熱ブロック121は、金属製ブロック29の中に加熱ヒータ12iを設けることで構成されている。金属製ブロック29の材質例は、熱伝導性の良い金属、例えば、アルミニウムを挙げることができる。また、加熱ヒータ12iの一例は、例えば、ロッドヒータである。ロッドヒータは、金属製ブロック29にロッドヒータを挿入する挿入孔を開孔形成し、この挿入孔に挿入されれば良い。金属製ブロック29は、二つの角柱型の部材からなり、二つの部材を、例えば、正四角柱型となるように組み合わせて加熱ブロック121を形づくる。ガス供給管102は、加熱ブロック121の中央部に挟み込まれる。
【0092】
流路部材20gは、例えば、中空リング状であり、加熱ブロック121は、中空リング状の流路部材20gの内環部に挿入される。
【0093】
断熱材11gは、流路部材20gの周囲を覆う。本例の断熱材11gもまた、変形、又は伸縮可能な材質からなり、例えば、ロックウールやグラスウールから構成される。断熱材11gにはスリット26が形成されている。スリット26が開閉することで、断熱材11gは変形、又は伸縮する。
【0094】
本例もまた、スリット26を塞ぐスリット閉塞蓋28が設けられており、図14A及び図14Bに示すように、ガス供給管102の加熱中、もしくは待機中においては、スリット閉塞蓋28はスリット26を塞いでいる。
【0095】
加熱中、もしくは待機中は、流路部材20gが収縮しており、断熱材11gは、被加熱体、本例では内部にガス供給管102を挟み込んだ加熱ブロック121に断熱材20gを介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、ガス供給管102の加熱性、及び保温性が維持される。
【0096】
(第2例に係るプロセスガス供給管:冷却)
図14Cは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第2例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図、図14Dは図14C中の14D−14D線に沿う断面図である。
【0097】
図14C及び図14Dに示すように、冷却中は、流路部材20gが膨張する。断熱材11gは流路部材20gの膨張に合わせて、スリット26が開くことにより、被加熱体、本例ではガス供給管102から離間される。流路部材20gの内部には空間23が生じており、この空間23に、冷却流体導入口21を介して冷却流体14を導入する。冷却流体14は、本例ではスリット26が開き、かつ、スリット閉塞蓋28がスリット26から離れることにより、冷却流体導入口21から導入することが可能となる。もちろん、スリット閉塞蓋28に伸縮性を持たせ、断熱材11gの変形に合わせてスリット閉塞蓋28が変形するように構成しても良い。
【0098】
第2例においても、第1例と同様に冷却流体14を、空間23中を通流させることで、被加熱体、本例ではガス供給管102を冷却することができる。
【0099】
(第3例に係るプロセスガス供給管:加熱/待機)
図15Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第3例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図、図15Bは図15A中の15B−15B線に沿う断面図である。
【0100】
第3例に係るプロセスガス供給管は、第1例に係るプロセスガス供給管と同様に、加熱ヒータとしてマントルヒータ120を用いた例である。異なるところは、図15A及び図15Bに示すように、マントルヒータ120の外側を配管ケース122で覆ったことである。断熱材11gの材質例は、変形、又は伸縮可能な材質であり、例えば、ロックウールやグラスウールである。また、加熱ヒータ12iの一例は、例えば、螺旋状のニクロム線である。
【0101】
加熱中、もしくは待機中は、第1例と同様に流路部材20gが収縮し、マントルヒータ120は、被加熱体、本例ではガス供給管102に流路部材20gを介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、ガス供給管102の加熱性、及び保温性が維持される。
【0102】
(第3例に係るプロセスガス供給管:冷却)
図15Cは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第3例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図、図15Dは図15C中の15D−15D線に沿う断面図である。
【0103】
図15C及び図15Dに示すように、第3例においては、被加熱体、本例ではガス供給管102、流路部材20g、マントルヒータ120(断熱材11g、加熱ヒータ12i)が配管ケース122で覆われている。このため、流路部材20gが膨張した際、断熱材11gの移動が配管ケース122により制限される。冷却中は流路部材20gが膨張するが、断熱材11gは伸縮可能であるため、流路部材20gとは反対に収縮する。
【0104】
流路部材20gは、第1例と同様に、冷却流体導入口21から冷却流体14を導入することで膨張される。本例では、導入の一例として配管ケース122に、冷却流体14を導入する導入管123を接続し、さらに、導入管123を冷却流体導入口21に接続するようにした。また、特に、図示はしないが、配管ケース122には、冷却流体排出口に接続された排出管が接続され、冷却流体14は、排出管を介して空間23の外に排出される。
【0105】
このように、第3例においても、冷却流体14を、空間23中を通流させることにより、被加熱体、本例ではガス供給管102を冷却することができる。
【0106】
このような第3例によれば、流路部材20gが膨張した際、断熱材11gの移動が配管ケース122により制限されるため、第1例のようにマントルヒータ120が膨らむことはない。このため、第1例に比較して、例えば、狭い空間等に配管されるガス供給管102への適用に有利である、という利点を、さらに得ることができる。
【0107】
なお、第3例は、加熱ブロック121を用いた第2例に係るプロセスガス供給管に適用することも可能である。
【0108】
(第5の実施形態)
第2の実施形態においては、断熱材11とは別個に流路部材20を設ける例を示した。しかしながら、流路部材20は断熱材11と一体的に設けることもできる。
【0109】
図16A及び図16Bは、この発明の第5の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を模式的に示す断面図である。図16Aは加熱中の状態を示し、図16Bは冷却中を示している。
【0110】
図16A及び図16Bに示すように、第5の実施形態においては、シート状の流路部材20が断熱材11と接合部40a及び40bを介して部分的に接合されている。シート状の流路部材20は、接合部40aと接合部40bとの間においては断熱材11と接合されない(未接合部41)。本例では、断熱材11は、変形、又は伸縮可能な材質からなる。
【0111】
(加熱)
図16Aに示すように、被加熱体10を加熱するとき、あるいは待機中のように保温したいときには、断熱材11は被加熱体10にシート状の流路部材20を介して密着される。
【0112】
(冷却)
図16Bに示すように、被加熱体10を冷却するとき、接合部40aと接合部40bとの間における未接合部41aに、冷却流体、例えば、空気を送り込む。これにより、未接合部41は、例えば、ドーム状に膨らみ、第2の実施形態と同様に空間23が形成される。空間23に、冷却流体を通流させることで、第2の実施形態と同様に、被加熱体10を冷却することができる。
【0113】
以上、この発明を、いくつかの実施形態により説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0114】
例えば、上記一実施形態では、基板処理装置として、半導体ウエハを処理する基板処理装置を例示したが、例えば、液晶表示装置(LCD)用のガラス基板に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板等を処理する基板処理装置、太陽電池の製造に使用されるガラス基板を処理する基板処理装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0115】
また、上記実施形態においては、冷却流体として気体、例えば、空気を例示したが、冷却流体として液体、例えば、水を利用することもできる。
【符号の説明】
【0116】
10…被加熱体、11、11a〜11g…断熱材、12、12a〜12i…加熱ヒータ、13…空間、14…冷却流体、15…冷却流体源、20、20a〜20g…冷却流体流路部材、21…冷却流体導入口、22…冷却流体排出口、23…空間、24…露出部、25…段差部、26…スリット、27…均熱部材、28…スリット閉塞蓋、29…均熱ブロック、30…クリアランス、40…接合部、41…未接合部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、被加熱体の冷却方法、及び冷却システムに係わり、特に、半導体ウエハ等の被処理基板に高温処理を施す基板処理装置に使用されるような被加熱体の冷却方法、及び冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)上に集積回路を形成するために、絶縁膜、金属膜、及び金属化合物膜等の薄膜を成膜するプロセスが行われる。成膜処理は基板処理装置として、CVD装置、PVD装置、ALD装置等の成膜装置を用いて行われる。
【0003】
これらの成膜装置においては、成膜処理中、処理容器の内部のウエハを、例えば、ステージヒーターを用いて高温に加熱したり、内部の電極が発熱したりする。このため、処理容器自体も高温となる(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、処理容器自体も、処理容器の内部やシャワーヘッド内部での反応を促進するために、シャワーヘッドを加熱するとともに、高温となったシャワーヘッドを、断熱材を用いて保温する方式がある(例えば、特許文献2)。
【0005】
特許文献1では、高温となった処理容器を冷却するために、放熱フィンを備えている。
【0006】
特許文献2では、高温に制御されるシャワーヘッドの温度を調節するために、断熱材とシャワーヘッドとの間に冷却ガスが供給される空間(冷却流路)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−68710号公報
【特許文献2】特開2008−214763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
放熱フィンや冷却流路等の冷却機構を持つ基板処理装置は、基板処理装置の冷却性に優れている。しかしながら、加熱時においては、冷却機構を介して熱が逃げてしまうため、冷却機構を持たない基板処理装置に比較して加熱性に劣る、という事情がある。また、加熱した熱が逃げてしまうために、エネルギー効率にも課題がある。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することが可能な被加熱体の冷却方法と冷却システム、及びその冷却システムを備えた基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明の第1の態様に係る被加熱体の冷却方法は、少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、前記被加熱体を加熱するとき、前記断熱材を前記被加熱体に密着させ、前記被加熱体を冷却するとき、前記被加熱体と前記断熱材との間に空間が生じるように、前記断熱材を前記被加熱体から離間させ、前記空間中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却する。
【0011】
また、この発明の第2の態様に係る被加熱体の冷却方法は、少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、前記被加熱体と前記断熱材との間に、膨縮可能な冷却流体流路部材を設け、前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させ、前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させ、膨張した前記冷却流体流路部材中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却する。
【0012】
また、この発明の第3の態様に係る被加熱体の冷却システムは、少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する冷却システムであって、前記被加熱体と前記断熱材との間に設けられた、膨縮可能な冷却流体流路部材と、前記冷却流体流路部材中に、冷却流体を送り込む冷却流体源と、を具備する。
【0013】
また、この発明の第4の態様に係る基板処理装置は、被処理基板に処理を施す処理容器と、前記処理容器の内部に、前記被処理基板に処理を施すプロセスガスを供給するプロセスガス供給管と、前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を加熱するヒータと、前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を覆う断熱材と、を備えた基板処理装置であって、前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方の冷却に、第3の態様に係る冷却システムが用いられている。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することが可能な被加熱体の冷却方法と冷却システム、及びその冷却システムを備えた基板処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】この発明の第1の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図1B】この発明の第1の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図2A】この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図2B】この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図3A】冷却流体流路部材の一例を示す斜視図
【図3B】冷却流体流路部材の一例を示す斜視図
【図4】冷却流体流路部材の一変形例を示す斜視図
【図5】冷却流体流路部材の他変形例を示す斜視図
【図6】この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す斜視図
【図7A】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第1例を示す斜視図
【図7B】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第1例を示す斜視図
【図8A】図7A中の8A−8A線に沿う断面図
【図8B】図7B中の8B−8B線に沿う断面図
【図9A】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第2例を示す斜視図
【図9B】この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第2例を示す斜視図
【図10A】図9A中の10A−10A線に沿う断面図
【図10B】図9B中の10B−10B線に沿う断面図
【図11A】この発明の実施形態に係る被加熱体の冷却方法及び冷却システムを実施可能な成膜装置の一例を概略的に示す平面図
【図11B】図11A中の11B−11B線に沿う断面図
【図12A】処理容器101の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図12B】処理容器101の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図13A】第1例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図13B】図13A中の13B−13B線に沿う断面図
【図13C】第1例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図13D】図13C中の13D−13D線に沿う断面図
【図14A】第2例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図14B】図14A中の14B−14B線に沿う断面図
【図14C】第2例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図14D】図14C中の14D−14D線に沿う断面図
【図15A】第3例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは処理中の状態を拡大して示した断面図
【図15B】図15A中の15B−15B線に沿う断面図
【図15C】第3例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図
【図15D】図15C中の15D−15D線に沿う断面図
【図16A】この発明の第5の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【図16B】この発明の第5の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。この説明において、参照する図面全てにわたり、同一の部分については同一の参照符号を付す。
【0017】
(第1の実施形態)
図1A及び図1Bは、この発明の第1の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を模式的に示す断面図である。図1Aは加熱中の状態を示し、図1Bは冷却中を示している。
【0018】
第1の実施形態は、少なくとも一部が断熱材11で覆われた被加熱体10を冷却する被加熱体の冷却方法である。
【0019】
(加熱)
図1Aに示すように、被加熱体10を加熱するとき、断熱材11を被加熱体10に密着させる。この状態で、被加熱体10を、例えば、加熱ヒータ12を用いて加熱する。
【0020】
図1Aに示す状態は、被加熱体10が、例えば、基板処理装置の処理容器である場合には、図1は処理容器自体が加熱されている状態、又は処理容器の内部に載置された被処理基板、例えば、ウエハが加熱されている状態に対応する。
【0021】
また、被加熱体10が基板処理装置である場合には、処理容器を保温しておきたい場合がある。例えば、次に処理するウエハが到着するまでの待機状態等である。加熱中ばかりでなく、待機中においても、図1Aに示すように、断熱材11を被加熱体10に密着させておくこともでき、次の処理までに処理容器の温度が急速に下がってしまうこともない。
【0022】
(冷却)
図1Bに示すように、被加熱体10を冷却するとき、断熱材11を被加熱体10から離間させる。断熱材11を被加熱体10から離間させると、被加熱体10と断熱材11との間に空間13が生じる。この空間13に冷却流体14、例えば、空気を、冷却流体源15、例えば、冷却ファンを用いて送り込み、被加熱体10を冷却する。
【0023】
被加熱体10が基板処理装置である場合には、例えば、稼働時間毎に決められた定期点検や、又は不測の事態ときに行われる緊急点検の際、基板処理装置が止められる。被加熱体10が、例えば、基板処理装置の処理容器であるときには、処理容器の温度が、作業に支障がない温度まで下がり、安全が確認されるまでは点検を開始することができない。処理容器が断熱材11で覆われていると保温性が高いため、温度が下がり難い。このため、点検を開始するまで、長い時間待たなければならず、基板処理装置の停止時間が長くなってしまう。
【0024】
対して、第1の実施形態に係る冷却方法によれば、被加熱体10、即ち処理容器と処理容器を覆う断熱材11との間に空間13を生じさせ、この空間13に冷却流体14を送り込み、処理容器を冷却する。このため、処理容器が断熱材11で覆われていたとしても、冷却性が損なわれることがない。つまり、処理容器の温度が自然に下がるのを待つ場合に比較して、処理容器の温度を、より速く下げることができる。従って、基板処理装置の停止時間を短くでき、製品のスループットを向上させることができる。
【0025】
また、上述したように、第1の実施形態に係る冷却方法によれば、加熱中や待機中においては、断熱材11を被加熱体10に密着させることができる。このため、被加熱体10の加熱性や保温性が損なわれることもない。
【0026】
また、断熱材11を被加熱体10に密着させるため、加熱した熱が逃げることも抑制される。このため、被加熱体10に放熱フィンや冷却流路を設ける場合に比較して、エネルギー効率も向上させることができる。
【0027】
このように、第1の実施形態によれば、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することができる被加熱体の冷却方法、及びこの冷却方法を実施する冷却システムを得ることができる。
【0028】
なお、第1の実施形態において、断熱材11を被加熱体10から離間させる方法としては、冷却流体14を、断熱材11と被加熱体10との間に送り込み、断熱材11を浮上させることで空間13を生じさせることが好ましい。冷却流体14による浮力を利用して断熱材11を浮上させ被加熱体10から離間させることで、例えば、断熱材11を機械的に被加熱体10から離間させる場合に比較して、第1の実施形態に係る冷却方法を利用した冷却システムを、より簡易な構成にて実施できる、という利点を得ることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図2A及び図2Bは、この発明の第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を模式的に示す断面図である。図2Aは加熱中の状態を示し、図2Bは冷却中を示している。
【0030】
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した冷却方法を、具現化する一例に関する。
【0031】
図2A及び図2Bに示すように、第2の実施形態は、被加熱体10と断熱材11との間に、膨縮可能な冷却流体流路部材20を設けたものである。冷却流体流路部材20の一例を、図3A及び図3Bに示す。
【0032】
図3A及び図3Bの斜視図に示すように、冷却流体流路部材20(以下流路部材という)は膨縮可能な袋状の部材であり、内部に冷却流体を通流させることが可能となっている。流路部材20の材質の一例はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のシートである。流路部材20の一端には冷却流体14を内部に導入する冷却流体導入口21が設けられ、他端には冷却流体14を外部に排出する冷却流体排出口22が設けられている。
【0033】
流路部材20の内部から冷却流体14を排出すると、流路部材20は収縮する(図3A参照)、反対に、内部に冷却流体14を送り込むと、冷却流路20は膨張する(図3B参照)。流路部材20を膨張させることで、流路部材20の内部に、第1の実施形態において説明した空間13と同様な空間23を生じさせることができる。この空間23に、冷却流体14を送り込むことで、第1の実施形態と同様に、被加熱体10を冷却することができる。
【0034】
また、図4に示すように、冷却流体排出口22の数を、冷却流体導入口21よりも多くすると、空間23内に、より均一な冷却流体14の流れを作り出すこともできる。
【0035】
また、図5に示すように、冷却流体流路部材20の被加熱体10側の面に、被加熱体10が露出する露出部24、例えば、スリットや、図5に示すように複数の開孔部を形成しても良い。冷却流体流路部材20の被加熱体10側の面に露出部24を形成すると、冷却流体14を被加熱体10に直接に接触させることができ、冷却効率を、さらに向上させることができる。
【0036】
この図5に示す変形は、図4に示す変形と組み合わせて実施することもできる。また、図4及び図5に示す変形は、後述する全ての実施形態に組み合わせることもできる。
【0037】
(加熱)
図2Aに示すように、被加熱体10を加熱するとき、流路部材20を収縮させる。流路部材20を収縮させることで、流路部材20中から空間23を無くし、断熱材11を被加熱体10に、収縮させた流路部材20を介して密着させる。この状態で、被加熱体10を、例えば、加熱ヒータ12を用いて加熱する。
【0038】
被加熱体10が、基板処理装置の処理容器であるときには、第1の実施形態と同様に、加熱中だけでなく待機中においても、断熱材11を被加熱体10に収縮させた流路部材20を介して密着させておいても良い。待機中、断熱材11を被加熱体10に収縮させた流路部材20を介して密着させておくことで、処理容器に良好な保温性を持たせることができる。
【0039】
(冷却)
図2Aに示すように、被加熱体10を冷却するとき、流路部材20を膨張させる。流路部材20を膨張させることで、被加熱体10と断熱材11との間に空間23を生じさせる。そして、空間23に冷却流体14、例えば、空気を、冷却ファン15を用いて送り込み、被加熱体10を冷却する。
【0040】
このように、第2の実施形態に係る被加熱体の冷却方法によっても、第1の実施形態と同様に、加熱性を損なうことなく被加熱体を冷却することができる被加熱体の冷却方法、及びこの冷却方法を実施する冷却システムを得ることができる。
【0041】
また、図6の斜視図に示すように、空間23は、冷却流体導入口21と冷却流体排出口22の部分のみが外部に連通し、他の部分は外部に連通しない、いわば閉塞空間である。このため、冷却流体14の流路を、流路部材20の内部に生じた空間23の中に制限することができる。冷却流体14の流路を閉塞した空間23の中に制限することで、断熱材11と被加熱体10との間から、例えば、熱風化した冷却流体14が突然出てきたり、出てきた冷却流体14で粉塵が巻き上げられたりすることを抑制することができる。従って、流路部材20を有する第2の実施形態は、例えば、全体を開放した開放空間を冷却流体14の流路として使用する場合に比較して、安全である。
【0042】
このように、第2の実施形態によれば、流路部材20を用いることで、冷却流体14の流路を制限でき、安全である、という利点を得ることもできる。
【0043】
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、断熱材11で、被加熱体10の面状の部分を覆う例を示した。しかしながら、この発明は、被加熱体10が面状ではなくとも、段差状、あるいは管状であっても、適用することができる。そのような例を、第3の実施形態として説明する。なお、第3の実施形態は、第2の実施形態において説明した、膨縮可能な流路部材20を設ける例に従って説明する。
【0044】
(第1例:段差状の被加熱体)
図7A及び図7Bは、この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第1例を示す斜視図である。
【0045】
流路部材20は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフレキシブルな材質を用いて形成することができる。このため、図7A及び図7Bに示すように、被加熱体10が段差部25を有し、かつ、断熱材11が、被加熱体10の段差部25を覆う場合であっても、流路部材20を、断熱材11と被加熱体10との間に設けることができる。
【0046】
図7Aは加熱中の状態を示しており、流路部材20は収縮している。図7Bは冷却中を示しており、流路部材20は膨張している。図7A中の8A−8A線に沿う断面を図8Aに、図7B中の8B−8B線に沿う断面を図8Bに示しておく。
【0047】
第1例の場合、第2の実施形態と同様に、流路部材20は袋状で良い。また、袋状の流路部材20は、袋状の流路部材20中に冷却流体14を送り込むことで膨張され、断熱材11を、段差部25を有した被加熱体10から離間させる。また、袋状の流路部材20が膨張することで生じた空間23中に、冷却流体14を通流させることで、被加熱体10を冷却することができる。
【0048】
(第2例:管状の被加熱体)
図9A及び図9Bは、この発明の第3の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の第2例を示す斜視図である。
【0049】
図9A及び図9Bに示すように、被加熱体20は管状であり、断熱材11は管状の被加熱体20の周囲をリング状に丸く覆っている。流路部材20は、断熱材11と管状の被加熱体10との間に設けられ、断熱材11と同様に、管状の被加熱体10をリング状に丸く覆っている。
【0050】
図9Aは加熱中の状態を示している。加熱中、流路部材20は収縮しており、断熱材11は流路部材20を介して管状の被加熱体10に密着されている。本例の場合、断熱材11は、例えば、ロックウールやグラスウールのような変形、又は伸縮自在な材質を用いて形成される。かつ、断熱材11が流路部材20の膨張に合わせて変形、又は伸縮可能となるように、スリット26が設けられる。
【0051】
図9Bは冷却中を示しており、流路部材20は膨張している。この膨張に合わせて、スリット26が開く。図9A中の10A−10A線に沿う断面を図10Aに、図9B中の10B−10B線に沿う断面を図10Bに示しておく。
【0052】
第2例の場合、流路部材20は袋状でも良いが、図9A及び図9Bに示すように、タイヤのチューブのような中空リング状とすることがより好ましい。流路部材20が袋状であると、流路部材20が膨張した際、管状の被加熱体10から離れてしまう箇所が発生する。この点、流路部材20が中空リング状であれば、被加熱体10を、中空リング状の流路部材20の内環部に挿入することができる。このため、流路部材20が膨張した場合においても、流路部材20が管状の被加熱体10から離れてしまうことがない。よって、高い冷却効率を維持することができる。中空リング状の流路部材20もまた、流路部材20中に冷却流体14を送り込むことで膨張され、断熱材11を、管状の被加熱体10から離間させる。中空リング状の流路部材20においても、内部には袋状の場合と同様に、膨張することで空間23が形成される。この空間23中に、冷却流体14を通流させることで、被加熱体10を冷却することができる。
【0053】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1、第2、第3の実施形態で説明した冷却方法及び冷却システムを適用した基板処理装置の一例に関する。第4の実施形態においては、基板処理装置として、被処理基板、例えば、半導体ウエハ(以下ウエハという)上に薄膜を成膜する成膜装置に適用した場合について示す。成膜装置としての一例は、ウエハ上に高誘電率絶縁膜、例えば、ハフニウム系の高誘電率絶縁膜を成膜するALD装置である。なお、この発明は、ALD装置に限って適用されるものではなく、CVD装置、PVD装置等、他の成膜装置にも適用できるし、成膜装置に限らず、エッチング装置等、他の基板処理装置にも適用できる。
【0054】
図11Aはこの発明の実施形態に係る被加熱体の冷却方法及び冷却システムを実施可能な成膜装置の一例を概略的に示す平面図、図11Bは図11A中の11B−11B線に沿う断面図である。
【0055】
図11A及び図11Bに示すように、成膜装置100は、ウエハWに処理を施す処理容器101と、処理容器101(101a〜101c)の内部に、ウエハWに処理を施すプロセスガスを供給するプロセスガス供給管(以下ガス供給管という)102と、処理容器101、及びガス供給管102の少なくともいずれか一方を加熱する加熱ヒータ12(12a〜12i)と、処理容器101、及びガス供給管102の少なくともいずれか一方を覆う断熱材11(11a〜11g)とを備えている。さらに、断熱材11と処理容器101との間には、流路部材20(20a〜20g)が設けられている。
【0056】
より具体的には、処理容器101は、主に、チャンバ101aと、チャンバ101a上に設けられ、処理空間104中のガスを排気する排気リング101bと、排気リング上101b上に設けられた天板101cとから構成される。
【0057】
チャンバ101aの内部にはウエハWを載置する載置台105が設けられ、チャンバ101aの側壁にはウエハWを処理室101の内部に搬入出する搬入出部106が設けられている。載置台105はチャンバ101a内において上下に動き、ウエハWをチャンバ101a側と処理空間104側との間で上げ下げする。
【0058】
排気リング101bは排気経路107を有する。排気経路107は環状にチャンバ101aの上方に形成され、本例では円筒状となる処理空間104の周囲を囲むように形成される。排気経路107の少なくとも一つの箇所は、図示せぬ排気ポンプ等の排気機構に接続される。排気経路107と処理空間104との間には側壁状のバッフルリング108が設けられている。バッフルリング108には、処理空間104に放出されたプロセスガスを排気する複数の排気孔108aが形成されている。
【0059】
天板101cは、排気リング101b上に設けられている。処理空間104は、天板101cと、排気リング101b、本例では、バッフルリング108と、バッフルリング108の底部まで上昇してきた載置台105とで囲まれることにより形成される。本例では、処理空間104が上述の通りに形成されるが、処理空間104の形成はこれに限られるものではない。排気リング101bを有さず、チャンバ101aの下方からプロセスガスを排気し、チャンバ101aと天板101cとで処理空間104が形成されるようにする、一般的な構成とされても良い。
【0060】
天板101cの処理空間104側には上側プレート109a、及び下側プレート109bが設けられている。下側プレート109bの処理空間104側の表面は皿状に窪んでおり、その中央部にはプロセスガスを放出するガス放出部110が設けられている。本例のガス放出部110は半球型であるが、ガス放出部110は半球型に限られるものではなく、例えば、シャワーヘッド型等、如何なる形状であっても良い。
【0061】
さらに、本例では、排気リング101b、及び天板101cの上に、内部にプロセスガス流路112が形成されているプロセスガス流路部材(以下ガス流路部材という)111が設けられている。ガス流路部材111は、天板101cのほぼ中心まで伸び、内部に形成されたプロセスガス流路112の一端は、プロセスガス導入部113に接続されている。プロセスガス導入部113は、本例では天板101c、上側プレート109a、及び下側プレート109に形成され、ガス放出部110に繋がる。プロセスガス流路112の他端はガス供給管102の一端に接続され、ガス供給管102の他端はプロセスガス供給機構114に接続されている。
【0062】
加熱ヒータ12a乃至12cはガス流路部材111の内部に設けられており、ガス流路部材111に形成されたプロセスガス流路112中を流れるプロセスガスを、ガス流路部材111を介して加熱する。加熱ヒータ12d及び12eは天板101cの上に設けられ、天板101cを加熱する。加熱ヒータ12f乃至12hは排気リング101bの内部に設けられ、排気リング101bを加熱する。加熱ヒータ12iはガス供給管102の周囲に設けられ、ガス供給管102中を流れるプロセスガスを、ガス供給管102を介して加熱する。なお、図11Aにおいては、加熱ヒータ12iのみを示し、加熱ヒータ12a乃至12hの図示は省略している。
【0063】
流路部材20a及び20bは、ガス流路部材111と断熱材11a及び11bとの間に設けられる。流路部材20c及び20dは、天板101cと断熱材11c及び11dとの間に設けられる。流路部材20e及び20fは、排気リング101bと断熱材11e及び11fとの間に設けられる。流路部材20gは、ガス供給管102と断熱材11gとの間に設けられる。流路部材20a乃至20gは、これら流路部材20a乃至20g中に冷却流体を送り込む冷却流体源15、例えば、空冷ファンに接続されている。
【0064】
制御部116は、成膜装置100の各構成部を制御する。制御部116は、各構成部の制御を実行するマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ117と、オペレータが成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース118と、成膜装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ117の制御にて実現するための制御プログラムや、各種データ、および処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ちレシピを記憶する記憶部119と、を備えている。ユーザーインターフェース118、及び記憶部119はプロセスコントローラ117に接続されている。レシピは記憶部119内の記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、ハードディスクであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば、専用回線を介して記憶媒体にレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。任意のレシピは、必要に応じてユーザーインターフェース118からの指示にて記憶部119から呼び出し、プロセスコントローラ117に実行させることで、成膜装置100は、プロセスコントローラ117の制御下で所望の成膜処理を行う。
【0065】
(処理容器:加熱/待機)
図12Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の処理容器101の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図である。
【0066】
図12Aに示すように、加熱中、もしくは待機中は、流路部材20(20a、20b、20c、及び20eが図示される)が収縮し、断熱材11(11a、11b、11c、及び11eが図示される)は、被加熱体、本例では処理容器101の排気リング101b及び天板101c、並びにガス流路部材111に断熱材20を介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、処理容器101及びガス流路部材の加熱性、及び保温性が維持される。
【0067】
また、排気リング101b、天板101c、及びガス流路部材111は段差部25を有しており、断熱材11は以下のように排気リング101b、天板101c、及びガス流路部材111を覆う。
【0068】
断熱材11cは、天板101cの上面上方から側面上方を、流路部材20cを介して覆う。断熱材11cの一側面は、天板101cの上面上方におけるガス流路部材111との相対面にクリアランス30aが生じるように、また、断熱材11cの他側面は、天板101cの側面上方における排気リング101bとの相対面にクリアランス30bが生じるように配置される。
【0069】
断熱材11aは、ガス流路部材111の上面上方から側面上方を、流路部材20aを介して覆う。断熱材11aの側面は、ガス流路部材111の側面上方において断熱材11cの上面と接触される。これにより、クリアランス30aは、断熱材11cと断熱材11aとによって囲まれる。
【0070】
断熱材11eは、排気リング101bの上面上方から側面上方を、流路部材20eを介して覆う。断熱材11eの側面は、排気リング101bの上面上方において断熱材11cの上面と接触される。これにより、クリアランス30bもまた、クリアランス30aと同様に、断熱材11cと断熱材11eとで囲まれる。
【0071】
このように、断熱材11が複数ある場合には、断熱材11どうしを接触、本例では、断熱材11cと断熱材11a、断熱材11cと断熱材11eを接触させる。これにより、被加熱体が、段差部25を有した排気リング101b、天板101c及びガス流路部材111を組み合わせて構成されるような複雑な形状をしている場合であっても、断熱材11を用いてすき間無く覆うことができる。よって、被加熱体の複雑な形状をしている場合でも、加熱性、及び保温性を良好に維持することができる。
【0072】
さらに、断熱材11と被加熱体との間に生じさせたクリアランス30、本例ではクリアランス30aを断熱材11aと断熱材11cとで囲み、クリアランス30bを断熱材11eと断熱材11cとで囲む。
【0073】
このように断熱材11と被加熱体との間に生じさせたクリアランス30を、断熱材11どうしで囲むようにすると、断熱材11と被加熱体との間に空間を形成することができる。この空間は、後述するように、冷却流体流路として機能させることができる。
【0074】
(処理容器:冷却)
図12Bは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の処理容器101の冷却中の状態を拡大して示した断面図である。
【0075】
図12Bに示すように、冷却中は、流路部材20(20a、20b、20c、及び20eが図示される)が膨張し、断熱材11(11a、11b、11c、及び11eが図示される)は、被加熱体、本例では処理容器101の排気リング101b及び天板101c、並びにガス流路部材111から離間される。膨張した流路部材20の内部には空間23が生じており、この空間23に連通する冷却流体導入口21から冷却流体14を導入し、空間23中を通流させることにより、被加熱体、本例では排気リング101b、天板101c、及びガス流路部材111を冷却することができる。
【0076】
さらに、本例では、冷却流体排出口22を、クリアランス30a及び30bに向かって形成している。クリアランス30aは、本例では、流路部材20が膨張した後においても、断熱材11aと断熱材11cとで囲まれた空間とされる。同様に、クリアランス30bも、流路部材20が膨張した後においても、断熱材11eと断熱材11cとで囲まれた空間とされる。このように断熱材11と被加熱体との間に生じさせたクリアランス30を、流路部材20が膨張した後においても、断熱材11どうしで囲まれた空間とする。このような空間を冷却流体の流路として用いることで、被加熱体の、断熱材11どうしで囲まれた空間に面した部分を、冷却流体排出口22から排出された冷却流体14によって冷却することもできる。
【0077】
また、クリアランス30を工場の熱排気に接続すると、熱風、及び粉塵の巻き上げを抑制することもできる。
【0078】
(第1例に係るプロセスガス供給管:加熱/待機)
図13Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第1例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図、図13Bは図13A中の13B−13B線に沿う断面図である。
【0079】
第1例に係るプロセスガス供給管は、プロセスガスを加熱する加熱ヒータとしてマントルヒータ120を用いた例である。
【0080】
本例のマントルヒータ120は、断熱材11gの中に加熱ヒータ12iを設けることで構成されている。断熱材11gの材質例は、変形、又は伸縮可能な材質であり、例えば、ロックウールやグラスウールを挙げることができる。また、加熱ヒータ12iの一例は、例えば、螺旋状のニクロム線である。
【0081】
さらに、本例では、ガス供給管102の周囲に、ガス供給管102を均熱に加熱するための均熱部材27が設けられている。均熱部材27は、二つの半円筒型の部材からなり、二つの部材を円筒型となるように組み合わせ、その中央部に、ガス供給管102を挟み込む。均熱部材27の材質例は、例えば、アルミニウム、又はアルミニウム合金である。均熱部材27は、流路部材20g、例えば、中空リング状の流路部材20gの内環部に挿入されている。
【0082】
マントルヒータ120は、均熱部材27の周囲を、例えば、中空リング状の流路部材20gを介して丸く覆っている。マントルヒータ120にはスリット26が形成されており、スリット26が開閉することで、マントルヒータ120は変形、又は伸縮する。
【0083】
さらに、本例では、スリット26を開閉するスリット閉塞蓋28が設けられており、図13A及び図13Bに示すように、ガス供給管102の加熱中、もしくは待機中においては、スリット閉塞蓋28はスリット26を塞いでいる。このように、スリット閉塞蓋28を設け、スリット閉塞蓋28を用いてスリット26を塞ぐようにすると、スリット26をスリット閉塞蓋28で塞がない場合に比較して、スリット26を介した放熱を抑制することができる。よって、加熱性、及び保温性が、さらに向上できる、という利点が得られる。
【0084】
また、加熱中、もしくは待機中は、流路部材20gが収縮し、断熱材11gを含むマントルヒータ120は、被加熱体、本例ではガス供給管102に流路部材20gを介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、ガス供給管102の加熱性、及び保温性が維持される。
【0085】
(第1例に係るプロセスガス供給管:冷却)
図13Cは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第1例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図、図13Dは図13C中の13D−13D線に沿う断面図である。
【0086】
図13C及び図13Dに示すように、冷却中は、流路部材20gが膨張する。断熱材11gを含むマントルヒータ120は、流路部材20gの膨張に合わせて、スリット26が開くことにより、被加熱体、本例ではガス供給管102から離間される。膨張した流路部材20gの内部には空間23が生じる。冷却流体導入口21は空間23に連通しており、スリット26が開き、かつ、本例では、スリット閉塞蓋28がスリット26から離れることにより、冷却流体導入口21から冷却流体14を導入することが可能となる。
【0087】
また、スリット閉塞蓋28に伸縮性を持たせ、断熱材11gの変形に合わせて変形するように構成すると、スリット閉塞蓋28をスリット26から離さずに済む。この場合には、スリット閉塞蓋28の外側から冷却流体導入口21に向かって冷却流体14を導入する導入管を設けると良い。
【0088】
これらのようにして冷却流体14を空間23に導入し、空間23中に冷却流体14を通流させることにより、被加熱体、本例ではガス供給管102を冷却することができる。
【0089】
(第2例に係るプロセスガス供給管:加熱/待機)
図14Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第2例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図、図14Bは図14A中の14B−14B線に沿う断面図である。
【0090】
第2例に係るプロセスガス供給管102は、プロセスガスを加熱する加熱ヒータとして加熱ブロック121を用いた例である。
【0091】
本例の加熱ブロック121は、金属製ブロック29の中に加熱ヒータ12iを設けることで構成されている。金属製ブロック29の材質例は、熱伝導性の良い金属、例えば、アルミニウムを挙げることができる。また、加熱ヒータ12iの一例は、例えば、ロッドヒータである。ロッドヒータは、金属製ブロック29にロッドヒータを挿入する挿入孔を開孔形成し、この挿入孔に挿入されれば良い。金属製ブロック29は、二つの角柱型の部材からなり、二つの部材を、例えば、正四角柱型となるように組み合わせて加熱ブロック121を形づくる。ガス供給管102は、加熱ブロック121の中央部に挟み込まれる。
【0092】
流路部材20gは、例えば、中空リング状であり、加熱ブロック121は、中空リング状の流路部材20gの内環部に挿入される。
【0093】
断熱材11gは、流路部材20gの周囲を覆う。本例の断熱材11gもまた、変形、又は伸縮可能な材質からなり、例えば、ロックウールやグラスウールから構成される。断熱材11gにはスリット26が形成されている。スリット26が開閉することで、断熱材11gは変形、又は伸縮する。
【0094】
本例もまた、スリット26を塞ぐスリット閉塞蓋28が設けられており、図14A及び図14Bに示すように、ガス供給管102の加熱中、もしくは待機中においては、スリット閉塞蓋28はスリット26を塞いでいる。
【0095】
加熱中、もしくは待機中は、流路部材20gが収縮しており、断熱材11gは、被加熱体、本例では内部にガス供給管102を挟み込んだ加熱ブロック121に断熱材20gを介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、ガス供給管102の加熱性、及び保温性が維持される。
【0096】
(第2例に係るプロセスガス供給管:冷却)
図14Cは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第2例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図、図14Dは図14C中の14D−14D線に沿う断面図である。
【0097】
図14C及び図14Dに示すように、冷却中は、流路部材20gが膨張する。断熱材11gは流路部材20gの膨張に合わせて、スリット26が開くことにより、被加熱体、本例ではガス供給管102から離間される。流路部材20gの内部には空間23が生じており、この空間23に、冷却流体導入口21を介して冷却流体14を導入する。冷却流体14は、本例ではスリット26が開き、かつ、スリット閉塞蓋28がスリット26から離れることにより、冷却流体導入口21から導入することが可能となる。もちろん、スリット閉塞蓋28に伸縮性を持たせ、断熱材11gの変形に合わせてスリット閉塞蓋28が変形するように構成しても良い。
【0098】
第2例においても、第1例と同様に冷却流体14を、空間23中を通流させることで、被加熱体、本例ではガス供給管102を冷却することができる。
【0099】
(第3例に係るプロセスガス供給管:加熱/待機)
図15Aは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第3例に係るプロセスガス供給管102の加熱中、もしくは待機中の状態を拡大して示した断面図、図15Bは図15A中の15B−15B線に沿う断面図である。
【0100】
第3例に係るプロセスガス供給管は、第1例に係るプロセスガス供給管と同様に、加熱ヒータとしてマントルヒータ120を用いた例である。異なるところは、図15A及び図15Bに示すように、マントルヒータ120の外側を配管ケース122で覆ったことである。断熱材11gの材質例は、変形、又は伸縮可能な材質であり、例えば、ロックウールやグラスウールである。また、加熱ヒータ12iの一例は、例えば、螺旋状のニクロム線である。
【0101】
加熱中、もしくは待機中は、第1例と同様に流路部材20gが収縮し、マントルヒータ120は、被加熱体、本例ではガス供給管102に流路部材20gを介して密着される。これにより、加熱中、もしくは待機中において、ガス供給管102の加熱性、及び保温性が維持される。
【0102】
(第3例に係るプロセスガス供給管:冷却)
図15Cは、図11A及び図11Bに示した成膜装置100の、第3例に係るプロセスガス供給管102の冷却中の状態を拡大して示した断面図、図15Dは図15C中の15D−15D線に沿う断面図である。
【0103】
図15C及び図15Dに示すように、第3例においては、被加熱体、本例ではガス供給管102、流路部材20g、マントルヒータ120(断熱材11g、加熱ヒータ12i)が配管ケース122で覆われている。このため、流路部材20gが膨張した際、断熱材11gの移動が配管ケース122により制限される。冷却中は流路部材20gが膨張するが、断熱材11gは伸縮可能であるため、流路部材20gとは反対に収縮する。
【0104】
流路部材20gは、第1例と同様に、冷却流体導入口21から冷却流体14を導入することで膨張される。本例では、導入の一例として配管ケース122に、冷却流体14を導入する導入管123を接続し、さらに、導入管123を冷却流体導入口21に接続するようにした。また、特に、図示はしないが、配管ケース122には、冷却流体排出口に接続された排出管が接続され、冷却流体14は、排出管を介して空間23の外に排出される。
【0105】
このように、第3例においても、冷却流体14を、空間23中を通流させることにより、被加熱体、本例ではガス供給管102を冷却することができる。
【0106】
このような第3例によれば、流路部材20gが膨張した際、断熱材11gの移動が配管ケース122により制限されるため、第1例のようにマントルヒータ120が膨らむことはない。このため、第1例に比較して、例えば、狭い空間等に配管されるガス供給管102への適用に有利である、という利点を、さらに得ることができる。
【0107】
なお、第3例は、加熱ブロック121を用いた第2例に係るプロセスガス供給管に適用することも可能である。
【0108】
(第5の実施形態)
第2の実施形態においては、断熱材11とは別個に流路部材20を設ける例を示した。しかしながら、流路部材20は断熱材11と一体的に設けることもできる。
【0109】
図16A及び図16Bは、この発明の第5の実施形態に係る被加熱体の冷却方法の一例を模式的に示す断面図である。図16Aは加熱中の状態を示し、図16Bは冷却中を示している。
【0110】
図16A及び図16Bに示すように、第5の実施形態においては、シート状の流路部材20が断熱材11と接合部40a及び40bを介して部分的に接合されている。シート状の流路部材20は、接合部40aと接合部40bとの間においては断熱材11と接合されない(未接合部41)。本例では、断熱材11は、変形、又は伸縮可能な材質からなる。
【0111】
(加熱)
図16Aに示すように、被加熱体10を加熱するとき、あるいは待機中のように保温したいときには、断熱材11は被加熱体10にシート状の流路部材20を介して密着される。
【0112】
(冷却)
図16Bに示すように、被加熱体10を冷却するとき、接合部40aと接合部40bとの間における未接合部41aに、冷却流体、例えば、空気を送り込む。これにより、未接合部41は、例えば、ドーム状に膨らみ、第2の実施形態と同様に空間23が形成される。空間23に、冷却流体を通流させることで、第2の実施形態と同様に、被加熱体10を冷却することができる。
【0113】
以上、この発明を、いくつかの実施形態により説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0114】
例えば、上記一実施形態では、基板処理装置として、半導体ウエハを処理する基板処理装置を例示したが、例えば、液晶表示装置(LCD)用のガラス基板に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板等を処理する基板処理装置、太陽電池の製造に使用されるガラス基板を処理する基板処理装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0115】
また、上記実施形態においては、冷却流体として気体、例えば、空気を例示したが、冷却流体として液体、例えば、水を利用することもできる。
【符号の説明】
【0116】
10…被加熱体、11、11a〜11g…断熱材、12、12a〜12i…加熱ヒータ、13…空間、14…冷却流体、15…冷却流体源、20、20a〜20g…冷却流体流路部材、21…冷却流体導入口、22…冷却流体排出口、23…空間、24…露出部、25…段差部、26…スリット、27…均熱部材、28…スリット閉塞蓋、29…均熱ブロック、30…クリアランス、40…接合部、41…未接合部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、
前記被加熱体を加熱するとき、前記断熱材を前記被加熱体に密着させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記被加熱体と前記断熱材との間に空間が生じるように、前記断熱材を前記被加熱体から離間させ、前記空間中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却することを特徴とする被加熱体の冷却方法。
【請求項2】
前記冷却流体を前記断熱材と前記被加熱体との間に送り込み、前記断熱材を浮上させることで、前記断熱材を前記被加熱体から離間させることを特徴とする被加熱体の冷却方法。
【請求項3】
少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、
前記被加熱体と前記断熱材との間に、膨縮可能な冷却流体流路部材を設け、
前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させ、膨張した前記冷却流体流路部材中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却することを特徴とする被加熱体の冷却方法。
【請求項4】
前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させてこの冷却流体流路部材中から空間を無くし、前記断熱材を前記被加熱体に、収縮させた前記冷却流体流路部材を介して密着させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させてこの冷却流体流路部材中に空間を生じさせ、前記断熱材を前記被加熱体から、膨張させた前記冷却流体流路部材を介して離間させることを特徴とする請求項3に記載の被加熱体の冷却方法。
【請求項5】
前記冷却流体流路部材が袋状であり、
前記袋状の冷却流体流路部材が、この袋状の冷却流体流路部材中に前記冷却流体を送り込むことで膨張されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の被加熱体の冷却方法。
【請求項6】
少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する冷却システムであって、
前記被加熱体と前記断熱材との間に設けられた、膨縮可能な冷却流体流路部材と、
前記冷却流体流路部材中に、冷却流体を送り込む冷却流体源と、
を具備することを特徴とする冷却システム。
【請求項7】
前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させてこの冷却流体流路部材中から空間を無くし、前記断熱材を前記被加熱体に、収縮させた前記冷却流体流路部材を介して密着させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させてこの冷却流体流路部材中に空間を生じさせ、前記断熱材を前記被加熱体から、膨張させた前記冷却流体流路部材を介して離間させることを特徴とする請求項6に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記冷却流体流路部材の前記加熱体側の面に、この加熱体が露出する露出部が設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記冷却流体流路部材が袋状であり、
前記袋状の冷却流体流路部材が、この袋状の冷却流体流路部材中に前記冷却流体を送り込むことで膨張されることを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記冷却流路が中空リング状であり、
前記中空リング状の冷却流体流路部材が、この中空リング状の冷却流体流路部材中に前記冷却流体を送り込むことで膨張されることを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記被加熱体が、前記中空リング状の冷却流体流路部材の内環部に挿入されることを特徴とする請求項10に記載の冷却システム。
【請求項12】
被処理基板に処理を施す処理容器と、
前記処理容器の内部に、前記被処理基板に処理を施すプロセスガスを供給するプロセスガス供給管と、
前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を加熱するヒータと、
前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を覆う断熱材と、を備えた基板処理装置であって、
前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方の冷却に、請求項6乃至請求項11いずれか一項に記載の冷却システムが用いられていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項1】
少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、
前記被加熱体を加熱するとき、前記断熱材を前記被加熱体に密着させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記被加熱体と前記断熱材との間に空間が生じるように、前記断熱材を前記被加熱体から離間させ、前記空間中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却することを特徴とする被加熱体の冷却方法。
【請求項2】
前記冷却流体を前記断熱材と前記被加熱体との間に送り込み、前記断熱材を浮上させることで、前記断熱材を前記被加熱体から離間させることを特徴とする被加熱体の冷却方法。
【請求項3】
少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する被加熱体の冷却方法であって、
前記被加熱体と前記断熱材との間に、膨縮可能な冷却流体流路部材を設け、
前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させ、膨張した前記冷却流体流路部材中に冷却流体を送り込み、前記被加熱体を冷却することを特徴とする被加熱体の冷却方法。
【請求項4】
前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させてこの冷却流体流路部材中から空間を無くし、前記断熱材を前記被加熱体に、収縮させた前記冷却流体流路部材を介して密着させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させてこの冷却流体流路部材中に空間を生じさせ、前記断熱材を前記被加熱体から、膨張させた前記冷却流体流路部材を介して離間させることを特徴とする請求項3に記載の被加熱体の冷却方法。
【請求項5】
前記冷却流体流路部材が袋状であり、
前記袋状の冷却流体流路部材が、この袋状の冷却流体流路部材中に前記冷却流体を送り込むことで膨張されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の被加熱体の冷却方法。
【請求項6】
少なくとも一部が断熱材で覆われた被加熱体を冷却する冷却システムであって、
前記被加熱体と前記断熱材との間に設けられた、膨縮可能な冷却流体流路部材と、
前記冷却流体流路部材中に、冷却流体を送り込む冷却流体源と、
を具備することを特徴とする冷却システム。
【請求項7】
前記被加熱体を加熱するとき、前記冷却流体流路部材を収縮させてこの冷却流体流路部材中から空間を無くし、前記断熱材を前記被加熱体に、収縮させた前記冷却流体流路部材を介して密着させ、
前記被加熱体を冷却するとき、前記冷却流体流路部材を膨張させてこの冷却流体流路部材中に空間を生じさせ、前記断熱材を前記被加熱体から、膨張させた前記冷却流体流路部材を介して離間させることを特徴とする請求項6に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記冷却流体流路部材の前記加熱体側の面に、この加熱体が露出する露出部が設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記冷却流体流路部材が袋状であり、
前記袋状の冷却流体流路部材が、この袋状の冷却流体流路部材中に前記冷却流体を送り込むことで膨張されることを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記冷却流路が中空リング状であり、
前記中空リング状の冷却流体流路部材が、この中空リング状の冷却流体流路部材中に前記冷却流体を送り込むことで膨張されることを特徴とする請求項6乃至請求項8いずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記被加熱体が、前記中空リング状の冷却流体流路部材の内環部に挿入されることを特徴とする請求項10に記載の冷却システム。
【請求項12】
被処理基板に処理を施す処理容器と、
前記処理容器の内部に、前記被処理基板に処理を施すプロセスガスを供給するプロセスガス供給管と、
前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を加熱するヒータと、
前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方を覆う断熱材と、を備えた基板処理装置であって、
前記処理容器、及び前記プロセスガス供給管の少なくともいずれか一方の冷却に、請求項6乃至請求項11いずれか一項に記載の冷却システムが用いられていることを特徴とする基板処理装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【公開番号】特開2010−206081(P2010−206081A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52009(P2009−52009)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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