説明

警報システムおよび携帯電話

【課題】 事故発生の抑制効果を向上する警報システムおよび携帯電話を実現すること。
【解決手段】 複数の携帯電話より送られてきた位置情報により各携帯電話の移動方向および移動速度を算出し、各携帯電話ごとに定められた所定範囲内に他の携帯電話が存在する場合には、その旨および存在する携帯電話の移動方向および移動速度とともに各携帯電話に警報通知する携帯電話位置確認手段と、警報通知を受け付けると他の電話の移動方向が自己の移動方向と同じであり、かつ、加速度センサにより検出された自己の移動速度が記憶回路に記憶されている速度値をこえているかを確認し、該当する場合には前記ECUと接続する制御信号コネクタに減速を行なう旨の信号を送出する制御回路とを有する携帯電話、とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に関し、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を用いることにより、各位置情報の共有化、位置付近において他携帯電話所有者有無を認識し交通上の危険を事前に予測し回避することができる機能を備える刑法システムおよび携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機においては、GPSを用いて位置情報を確認する、また、位置情報を確認することで自動車や自動二輪、人の居場所を確認することが提案されている。
【0003】
特許文献1(特開2002−304700号公報)には、複数の携帯電話機がGPS信号に基いて各携帯電話機の現在位置をそれぞれ算出して情報サーバへ送信し、情報サーバでは各携帯電話の移動方向および移動速度および移動加速度による現在地および予測値を算出し、交錯する可能性のある携帯電話に警報情報を発信する構成が開示されている。
【特許文献1】特開2002−304700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車運転時、見通しの確認が困難な住宅地道路で、突然の歩行者、あるいは対向車等の存在を予測することは困難であり、目視による判断により、事故、危険回避のための急ブレーキ等の操作が必要であった。
【0005】
上述した従来の技術では、GPSによって、交錯することが予想される携帯電話に対して警報を送信するに留まっている。交通事故は減少傾向にあるとは言え、その発生件数は膨大であり、事故発生の抑制効果を向上するシステムを実現することが望まれている。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、事故発生の抑制効果を向上する警報システムおよび携帯電話を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の警報システムは、複数の携帯電話より送られてきた位置情報により各携帯電話の移動方向および移動速度を算出し、各携帯電話ごとに定められた所定範囲内に他の携帯電話が存在する場合には、その旨および存在する携帯電話の移動方向および移動速度とともに各携帯電話に警報通知する携帯電話位置確認手段と、
自己の位置を確認する位置情報判別回路と、自動車の動作を制御するECUと接続する制御信号コネクタと、自己の移動速度を検出する加速度センサと、予め設定された速度値を記憶する記憶回路と、該位置情報判別回路により得られた位置情報を前記携帯電話位置確認手段へ送信し、その後、前記警報通知を受け付けると他の電話の移動方向が自己の移動方向と同じであり、かつ、前記加速度センサにより検出された自己の移動速度が前記記憶回路に記憶されている速度値をこえているかを確認し、該当する場合には前記ECUと接続する制御信号コネクタに減速を行なう旨の信号を送出する制御回路とを有する携帯電話、とからなる。
【0008】
この場合、携帯電話位置確認手段は、記憶手段を備え、各携帯電話ごとに定められた所定範囲は、携帯電話の利用者の携帯電話への入力内容を前記記憶手段に記憶することにより、携帯電話の利用者が任意に設定できるとしてもよい。
【0009】
また、携帯電話位置確認手段は位置に対応した環境を記憶し、携帯電話の位置の環境に応じた前記携帯電話にECU接続状態を示す信号を送信し、制御回路はECUとの接続状態を前記ECU接続状態を示す信号内容に応じたものとするとしてもよい。
【0010】
本発明の携帯電話は、複数の携帯電話より送られてきた位置情報により各携帯電話の移動方向および移動速度を算出し、各携帯電話ごとに定められた所定範囲内に他の携帯電話が存在する場合には、その旨および存在する携帯電話の移動方向および移動速度とともに各携帯電話に警報通知する携帯電話位置確認手段とともにシステムを構成する携帯電話であって、
自己の位置を確認する位置情報判別回路と、自動車の動作を制御するECUと接続する制御信号コネクタと、自己の移動速度を検出する加速度センサと、予め設定された速度値を記憶する記憶回路と、該位置情報判別回路により得られた位置情報を前記携帯電話位置確認手段へ送信し、その後、前記警報通知を受け付けると他の電話の移動方向が自己の移動方向と同じであり、かつ、前記加速度センサにより検出された自己の移動速度が前記記憶回路に記憶されている速度値をこえているかを確認し、該当する場合には前記ECUと接続する制御信号コネクタに減速を行なう旨の信号を送出する制御回路とを有する。
【0011】
この場合、スピーカ、バイブレータ、複数色を発光するLEDを備え、警報通知を受けた場合に、制御装置はスピーカ鳴動、バイブレータ動作、LED点滅状態とし、その後、制御信号コネクタに減速を行なう旨の信号を送出する前にはスピーカ鳴動を大とし、LED点滅色を変更することとしてもよい。
【0012】
また、自動車の速度を減速するか否かの基準となる速度は、制御回路が利用者の入力内容を記憶回路に記憶させることにより利用者が携帯電話へ任意に設定できることとしてもよい。
【0013】
さらに、携帯電話は動作モードを複数備え、制御回路は前記動作モードに応じてスピーカ、バイブレータ、LEDへの制御を行うこととしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、各携帯電話の位置、移動量、移動方向を測定する手段と、それら情報を管理する手段と、各携帯電話内にてその利用者の状況を判別する手段と、各携帯電話の情報を管理する手段と、各利用者の必要とする情報を管理する手段と、自動車運転の際、他に携帯電話利用者が付近に存在するか否かを判断し、状況によっては、自動車を自動的に減速させる手段と、を備えた構成としてある。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、携帯電話の使用者は、自動車の運転時、見通しの困難な環境下、目視確認不可の状況でも、歩行者、あるいは対向車の有無を予測することが可能となり、さらに緊急な状況下においては、自動車が自動的に減速することで、危険回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明のGPSサービス機能付携帯電話機の実施例のシステム構成図である。
【0018】
本実施例のGPSサービス機能付携帯電話機は、GPS衛星群101と、携帯電話106,113と、通信可能エリア108、110、112、115、117、119をそれぞれ備える基地局107、109、111、114、116、118と、基準局102と、センター局103と、位置管理サーバ104と、位置管理サーバ104とともに携帯電話位置確認手段を構成する制御管理サーバ105と、ECU(Engine Control Unit)120とから構成されている。なお、図1には基地局については6局、携帯電話機については2つ示されているが、これらは実際には数多く設けられている。
【0019】
GPS衛星群101は位置を測定するための信号をそれぞれ送出する複数のGPS衛星からなる。携帯電話106,113はGPS衛星から送信されてきた信号を受信して現在位置を確認するGPSサービス機能を有する。制御管理サーバ105は各携帯電話の接続動作などを制御する。基地局107、109、111、114、116、118は制御管理サーバ105と接続され、通信可能エリア108、110、112、115、117、119をそれぞれ備え、該通信可能エリア108、110、112に在圏する携帯電話機と接続する。基準局102はGPS衛星から送信されてきた信号を受信し、測定誤差を計算し、GPS補正データを算出する。センター局103は基準局102で求められたGPS補正データをリアルタイムで管理する。位置管理サーバ104は基地局および制御管理サーバ105を介して携帯電話機からの現在位置を示すデータを受け付けると、センター局103で管理されているGPS補正データにより補正し、その現在位置が、住宅地か否か、車道路上か等が示された位置情報とともに、移動量、移動方向を識別して制御管理サーバ105へ再送する。携帯電話113は自動車の運転者が使用しており、携帯電話113は自動車のエンジン、ブレーキ等を制御するECU120と接続している。
【0020】
本実施例における携帯電話106、113がGPS衛星からの信号により位置を測定する動作は、既存のGPS技術、例えば、特開2002−202356号公報や特開2000−400094号公報に開示されている。
【0021】
本実施例において、基準局102は、位置情報に含まれている誤差を補正した後、センター局103へ送信する。センター局103は、GPSからの位置情報をリアルタイムで一括管理している。センター局103は、補正された位置情報を、位置管理サーバ104へ送信する。位置管理サーバ104は、位置情報を携帯電話内で利用できるフォーマットへ変換して、制御管理サーバ105へ送信する構成となっている。
【0022】
携帯電話113は、カーキット306経由で、あるいはECU307と直接、接続コネクタ、あるいはECU307ががBluetooth対応ならば、Bluetoothによる接続が可能となっている。従って、携帯電話305、カーキット306、ECU307がシリアルに接続されており、それらは電気信号、例えばATコマンドによる制御により、携帯電話113は、ECU120と接続されているか否かを認識することもできる。
【0023】
図2は、図1中の携帯電話106,113の構成を示すブロック図である。
【0024】
本実施例における携帯電話は、アンテナ201と、送受信回路202と、音声処理部203と、送受話器204と、位置情報判別回路205と、ECU制御信号出力回路206と、加速度センサ207と、制御回路208と、キースイッチ209と、着信音出力回路210と、スピーカ211と、記憶回路212と、表示部213と、制御信号コネクタ214と、を備えている。また、この他にGPSによる位置取得機能を当然備えているが、これは既知の技術によるものであるため、図示および説明は省略する。
【0025】
送受信回路202は無線通信制御を行う。音声処理部203は音声信号をデジタル信号に変換し、また、デジタル信号を音声信号に変換する。位置情報判別回路205は基地局を介して制御管理サーバ105へ携帯電話の位置情報を送信、あるいは、制御管理サーバ105から送信されてくる他の携帯電話の位置情報を判別する。ECU制御信号出力回路206は位置情報判別回路205によってECU120への制御信号を出力する。加速度センサ207は携帯電話の利用者の移動状況、例えば、歩いているのか、走っているのか、自転車に乗っているのか、電車に乗っているのか、などの状況を判断するために設けられている。制御回路208は位置情報判別回路205により判別された内容を示す情報信号をECU制御出力信号へ変換してECU制御信号を出力すべくECU制御信号出力回路206へ送信、または、加速度センサ207の値より演算して携帯電話の利用者の状況を認識、あるいは送受信制御、音声処理制御。表示制御等、GPSサービス機能付携帯電話機の各種制御を行う。キースイッチ209は各種の設定や制御を行うためのもので、複数のキーから構成されている。記憶回路212は自動的に自動車を減速させる際の速度基準X値や、着信履歴や電話番号、各種データの設定値を記憶する。制御信号コネクタ214は携帯電話機をカーキットを経由、あるいは直接ECU120へ接続するために設けられている。なお、カーキット経由でのECU接続は、携帯電話の接続信号コネクタ214を介してカーキットと接続し、カーキットがECUと無線もしくは有線にて接続することで、接続信号コネクタ214とECU120とが接続され、制御回路208は各種制御信号をECU120へ送出し、また、ECU120からの信号を認識することができる。
【0026】
携帯電話106、または、ECU120と接続されている携帯電話113は、半径Mm以内に他の携帯電話が存在するか、例えば、携帯電話106は携帯電話113の存在するかを、携帯電話113は携帯電話106の存在するかを、位置管理サーバ104、制御管理サーバ105、基地局114、116、118を介して送信されてくる信号によって認識する。なお、M値については、携帯電話106、113の利用者が事前に自分の利用する携帯電話106、113を用いて、メ−ル、あるいはWebにて制御管理サーバ105へ任意の値を登録することができる。
【0027】
携帯電話106側からみた説明をする。携帯電話106は、半径Mm以内に携帯電話113の存在を確認したとき、スピーカ鳴動、バイブレータ動作、LED点滅にて、携帯電話106の利用者へ、携帯電話113の存在を知らせる。従い半径Mm以内に、誰かが存在していることを確認することができる。
【0028】
次に、携帯電話113側からみた説明をする。携帯電話113は、半径Mm以内に携帯電話106の存在を確認したとき、スピーカ鳴動、バイブレータ動作、LED点滅にて、携帯電話113の利用者へ、携帯電話106の存在を知らせる。同時に、携帯電話113は、ECU120を介して自動車の速度を認識、Xkm/h超過の場合、携帯電話113は、ECU120へ減速信号を出力することで自動的に、自動車が減速される。なお、X値は、事前に携帯電話113の利用者が、携帯電話113へ任意の値を設定できる。
【0029】
位置管理サーバ104は上述したように、基地局および制御管理サーバ105を介して携帯電話106および113からの現在位置を示すデータを受け付けると、センター局103で管理されているGPS補正データにより補正し、各携帯電話機の位置および位置状況を制御管理サーバ105へ返送する。制御管理サーバ105では各携帯電話よりあらかじめ受け付けている上記のM値を下回ると携帯電話106、113に対してその旨を示す、スピーカ鳴動、バイブレータ動作、LED点滅を行わせる信号を送信する。
【0030】
図3は、携帯電話305と自動車との関係を示すブロック図である。
【0031】
制御管理サーバ105は携帯電話106、113とそれぞれ接続する基地局112、118と接続している。携帯電話113は自動車の運転者が使用しており、自動車(不図示)に設けられたカーキット306を介してECU120と接続する。また、ECU120は自動車のブレーキ装置308を制御可能とされている。
【0032】
携帯電話113とカーキット306との接続は、携帯電話113の接続信号コネクタ、もしくはBluetoothにより行なわれている。そして、カーキット306は、カーキットの接続コネクタと、ECU120の接続コネクタに接続されている。
【0033】
なお、カーキット306およびECU120はBluetoothによる接続も可能となっている。携帯電話113、カーキット306、ECU120がシリアルに接続されており、それらは電気信号、例えばATコマンドによる制御が可能となっている。そして、ECU120は、ブレーキ装置308に接続されており、ECU120にて自動車の減速を行うことが可能となっている。
【0034】
図4は携帯電話113の動作を示すフローチャートであり、本実施例の動作について図1および図4を参照して説明をする。
【0035】
携帯電話113の電源がONとなり(ステップ401)、自動車へ乗る際に、携帯電話113がカーキット306経由、あるいは直接ECU120へ接続する。携帯電話113は、ECU120と接続されたことを認識し、携帯電話113の使用者が自動車に乗車中であることを、制御管理サーバ105へ送信する(ステップ403)。
【0036】
携帯電話113はGPS衛星からの信号により位置を認識し(ステップ404)、その位置情報を制御管理サーバ105へ送信する。
【0037】
基準局102は、GPS衛星からの信号により測定誤差を補正する補正データをセンター局103へ送信する。センター局103は、補正データを一括リアルタイムで管理する。位置管理サーバ104は、制御管理サーバ105からの携帯電話113の位置情報をセンター局103で管理されている補正データにより補正し、制御管理サーバ105へ返送する。位置管理サーバ104は、位置に対応して、住宅地か否か、車道路上か等の環境情報を格納し、移動速度に応じて携帯電話の利用者の移動状況、例えば、歩行中であるか自転車、自動二輪、あるいは自動車を利用中などの移動状況を格納し、また、順次送られてくる携帯電話113の位置情報からその移動量、移動速度および移動方向を算出するもので、上記の制御管理サーバ105への返送には位置情報に示される位置に対応する環境情報、および、自動車の移動量、移動方向とともに送信する。制御管理サーバ105は位置管理サーバ104からの返送によりその内容を認識する(ステップ405)。
【0038】
制御管理サーバ105は、ステップ403における携帯電話113からの通知内容から、携帯電話113の使用者が自動車に乗車中であるか否かを認識している。また、制御管理サーバ105には、携帯電話の半径Mm以内に他の携帯電話が存在しているか否かの基準となるM値が、携帯電話113の利用者により予め設定されており、位置管理サーバ104からの返送を受け付けると、携帯電話113の位置が住宅地エリアか否かを判断する(ステップ406)。
【0039】
ステップ406において、携帯電話113の位置が住宅地エリア外であることが確認された場合には、制御管理サーバ105は、携帯電話113のECU制御機能がONであるかを確認し(ステップ407)、制御機能がOFFの場合にはそのままステップ404にもどり、ステップ407において携帯電話113のECU制御機能がONであることが確認された場合には携帯電話113へECU制御機能をOFFとする信号を送出して(ステップ408)ステップ404にもどる。
【0040】
ステップ406において、携帯電話113の位置が住宅地エリア内であることが確認された場合、制御管理サーバ105は、基地局118を介して携帯電話113内のECU制御機能をONとする信号を送出する(ステップ409)。また、このとき、制御管理サーバ105は位置管理サーバ104に対しては、携帯電話113についてのより詳細な環境状況および移動状況を問い合わせる。
【0041】
位置管理サーバ104は上記の問い合わせに応えて、車道か歩道か等の詳細な携帯電話113の位置、携帯電話113の移動方向、携帯電話113の移動量より移動速度を演算して、携帯電話の利用者の状況、歩行中であるか自転車、自動二輪、あるいは自動車に乗っているのか、他の携帯電話利用者と同方向に移動しているのか、対向しているのかの位置関係を認識し(ステップ410)、制御管理サーバ105へ返送する。
【0042】
位置制御サーバ105は、ステップ410で得た認識結果を基地局118を経由して、携帯電話113へ送信する(ステップ411)。
【0043】
携帯電話113は、ステップ411にて送信された認識結果の情報、さらには携帯電話113に内蔵されている加速度センサ207によって、歩行中なのか、自転車に乗っているのか、自動車に乗っているか、移動速度、移動方向をもとに、携帯電話113の利用者の状況を認識する(ステップ412)。
【0044】
ステップ410で得た認識結果を携帯電話113へ送信した制御管理サーバ105は、携帯電話113の半径Mm以内の他の携帯電話の存在を確認し(ステップ413)、その結果を携帯電話113へ通知する。この通知内容としては、半径Mm以内に他の携帯電話が存在した場合にはその携帯電話の移動方向および移動速度、位置情報が含まれる。
【0045】
ステップ413における通知を受け付けた携帯電話113は、自己の半径Mm以内に他の携帯電話の存在が確認するを調べる(ステップ414)。
【0046】
ステップ414にて携帯電話113の半径Mm以内に他の携帯電話が存在しないことが確認された場合、携帯電話113はECU120へ減速信号を出力しているかを確認し(ステップ415)、減速信号を出力している場合にはそのままステップ404へもどる。ステップ415にて携帯電話113がECU120へ減速信号を出力していることが確認された場合には、その出力を停止、解除して(ステップ416)ステップ404へもどる。このとき、スピーカ鳴動動作、バイブレータ動作、LED点滅動作を行っている場合にはこれらについてもその動作を停止させる。
【0047】
ステップ414にて携帯電話113の半径Mm以内に他の携帯電話が存在することが確認された場合、携帯電話113は、携帯電話113へ半径Mm以内に、他の携帯電話が存在していることを送信し、続いて、他の携帯電話の移動方向が携帯電話113と同方向であるかを確認する(ステップ417)。
【0048】
ステップ417において他の携帯電話の移動方向が携帯電話113と同方向に移動していることが確認された場合には、制御管理サーバ105は利用者の危険はないと判断して、ステップ404へもどる。
【0049】
ステップ417において他の携帯電話の移動方向が携帯電話113と同方向の移動ではないことが確認された場合には、携帯電話113は、他の携帯電話の利用者と接触の危険性があると判断して、小音量によるスピーカ鳴動、LED黄色点滅を行なわせて、利用者に注意を促す(ステップ418)。
【0050】
次に、ECU120の出力信号から自動車の速度を認識する(ステップ419)。続いて、携帯電話113は、利用者が予め携帯電話113に設定しているXkm/hと、ECU120の出力信号が示す自動車の速度を比較し、自動車の速度がXkm/hを超過しているかを確認する(ステップ420)。自動車の速度がXkm/hを超過していることが確認された場合、携帯電話113は、スピーカ鳴動音を大に、バイブレータ動作、LED赤色点滅させることで、携帯電話113が自動車の速度を減速する処理を行うことを利用者へ示し(ステップ421)、続いてECU120へ減速信号を出力する(ステップ422)。自動車は、ECU120の指示に従いXkm/h以下へ減速し(ステップ423)、この後、ステップ404へ戻り、携帯電話113の電源がOFFされるまで、以上の動作を繰り返す。
【0051】
なお、以上説明した実施例においては、携帯電話利用者への注意をスピーカ鳴動によることを含むとして説明したが、携帯電話の運転モード、音を一切発生させない打ち合わせモード、等各種モードに応じてスピーカ鳴動を行なわないこととしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す全体図である。
【図2】本発明による携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話と自動車の接続を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0053】
101 GPS衛星群
102 基準局
103 センター局
104 位置管理サーバ
105 制御管理サーバ
106 携帯電話
107 基地局
108 通信エリア
109 基地局
110 通信エリア
111 基地局
112 通信エリア
113 携帯電話
114 基地局
115 通信エリア
116 基地局
117 通信エリア
118 基地局
119 通信エリア
120 ECU
201 アンテナ
202 送受信回路
203 音声処理部
204 送受話器
205 位置情報判別回路
206 ECU制御信号出力回路
207 加速度センサ
208 制御回路
209 キースイッチ
210 着信音出力回路
211 スピーカ
212 記憶回路
213 表示部
214 制御信号コネクタ
306 カーキット
308 ブレーキ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯電話より送られてきた位置情報により各携帯電話の移動方向および移動速度を算出し、各携帯電話ごとに定められた所定範囲内に他の携帯電話が存在する場合には、その旨および存在する携帯電話の移動方向および移動速度とともに各携帯電話に警報通知する携帯電話位置確認手段と、
自己の位置を確認する位置情報判別回路と、自動車の動作を制御するECUと接続する制御信号コネクタと、自己の移動速度を検出する加速度センサと、予め設定された速度値を記憶する記憶回路と、該位置情報判別回路により得られた位置情報を前記携帯電話位置確認手段へ送信し、その後、前記警報通知を受け付けると他の電話の移動方向が自己の移動方向と同じであり、かつ、前記加速度センサにより検出された自己の移動速度が前記記憶回路に記憶されている速度値をこえているかを確認し、該当する場合には前記ECUと接続する制御信号コネクタに減速を行なう旨の信号を送出する制御回路とを有する携帯電話、とからなる警報システム。
【請求項2】
請求項1記載の警報システムにおいて、
携帯電話位置確認手段は、記憶手段を備え、各携帯電話ごとに定められた所定範囲は、携帯電話の利用者の携帯電話への入力内容を前記記憶手段に記憶することにより、携帯電話の利用者が任意に設定できることを特徴とする警報システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の警報システムにおいて、
携帯電話位置確認手段は位置に対応した環境を記憶し、携帯電話の位置の環境に応じた前記携帯電話にECU接続状態を示す信号を送信し、制御回路はECUとの接続状態を前記ECU接続状態を示す信号内容に応じたものとすることを特徴とする警報システム。
【請求項4】
複数の携帯電話より送られてきた位置情報により各携帯電話の移動方向および移動速度を算出し、各携帯電話ごとに定められた所定範囲内に他の携帯電話が存在する場合には、その旨および存在する携帯電話の移動方向および移動速度とともに各携帯電話に警報通知する携帯電話位置確認手段とともにシステムを構成する携帯電話であって、
自己の位置を確認する位置情報判別回路と、自動車の動作を制御するECUと接続する制御信号コネクタと、自己の移動速度を検出する加速度センサと、予め設定された速度値を記憶する記憶回路と、該位置情報判別回路により得られた位置情報を前記携帯電話位置確認手段へ送信し、その後、前記警報通知を受け付けると他の電話の移動方向が自己の移動方向と同じであり、かつ、前記加速度センサにより検出された自己の移動速度が前記記憶回路に記憶されている速度値をこえているかを確認し、該当する場合には前記ECUと接続する制御信号コネクタに減速を行なう旨の信号を送出する制御回路とを有する携帯電話。
【請求項5】
請求項4記載の携帯電話において、
スピーカ、バイブレータ、複数色を発光するLEDを備え、警報通知を受けた場合に、制御装置はスピーカ鳴動、バイブレータ動作、LED点滅状態とし、その後、制御信号コネクタに減速を行なう旨の信号を送出する前にはスピーカ鳴動を大とし、LED点滅色を変更することを特徴とする携帯電話。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の携帯電話において、
自動車の速度を減速するか否かの基準となる速度は、制御回路が利用者の入力内容を記憶回路に記憶させることにより利用者が携帯電話へ任意に設定できることを特徴とする携帯電話。
【請求項7】
請求項5に記載の携帯電話において、
携帯電話は動作モードを複数備え、制御回路は前記動作モードに応じてスピーカ、バイブレータ、LEDへの制御を行うことを特徴とする携帯電話。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−277572(P2006−277572A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98715(P2005−98715)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】