説明

超音波センサ

【課題】超音波センサをハウジング内に収容して、車両バンパや樹脂部分の裏面に取り付ける場合でも、良好な指向性を確保することが可能な超音波センサを提供すること。
【解決手段】超音波振動子1と車両バンパ11との間に介在するハウジング2の底面部3の一部に、ハウジング2の材質とは異なる材質で、超音波伝達部4を形成する。従って、この超音波伝達部4の音響インピーダンスを、ハウジング2の音響インピーダンスよりも、圧電振動子1と車両用バンパ11の音響インピーダンスの中間値に近づけることができる。その結果、圧電振動子1による超音波の送受信時において、ハウジング2の底面部3における超音波の伝達が、主に超音波伝達部4を介して行われる。このため、車両バンパ11における振動部位が制限できるので、指向性が過度に狭くなったり、不規則となったりすることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用バンパあるいは車体の樹脂部分の内面側に取り付けられる超音波センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波センサを用いて車両周辺に位置する障害物を検知する装置が公知である。例えば特許文献1の装置では、車両のバンパに孔が設けられ、当該孔からバンパの外面と同一平面となるよう超音波センサの頭部が露出される。しかしながら、この従来装置では、超音波センサの頭部が車両外部に露出するため、車両の外観が損われる問題があった。
【0003】
この問題に対し、特許文献2の装置では、車両のバンパの裏側に凹部を設け、当該凹部に超音波振動式のセンサを収容して、超音波センサを外部から見えなくすることで、車両の外観を良好に保つようにしている。
【特許文献1】特開2004−264264号公報
【特許文献2】特開平10−123236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献2の装置では、金属ベースに固定された振動子としてのセラミックからなる超音波センサを、車両バンパの裏面に形成した凹所に、直接、取り付けるようにしている。
【0005】
このため、車両バンパの裏面側ではあるが、超音波センサが外気に晒されることになり、特に、金属ベースや配線コード等に腐食が発生する恐れがある。従って、超音波センサを外気から保護するため、筐体に収容しつつ、車両バンパの裏面に取り付けることが好ましい。
【0006】
しかしながら、超音波センサを筐体内に収容した場合、超音波振動子が超音波を送受信する際、筐体及び車両バンパを介して超音波が伝達されることになる。この場合、特に、超音波センサの指向性の面で問題が生じやすい。すなわち、超音波振動子が発生した超音波が、筐体から車両バンパに伝達されたとき、超音波が比較的広い範囲で車両バンパに伝わると、結果的に、超音波センサの指向性が狭く絞られてしまったり、その指向性が不規則になったりするとの問題が生じる。これは、車両バンパの振動が広範囲に及ぶ場合、その中心部位と周辺部位等、各部位での位相が異なって、相互に打ち消し合ったり、干渉することが原因と考えられる。
【0007】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、超音波センサを筐体内に収容して、車両バンパあるいは樹脂部分の裏面に取り付ける場合でも、良好な指向性を確保することが可能な超音波センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、請求項1に記載の超音波センサは、
超音波を送受信する超音波振動子と、
超音波振動子を収容するものであって、当該超音波振動子を底面部の内面に接触させて固定するとともに、当該底面部の外面が、車両用バンパの内面に当接する筐体とを有し、
筐体の底面部の一部に、車両用バンパあるいは樹脂部分及び超音波振動子と接触するように、前記筐体の材質とは異なる材質であって、超音波振動子の音響インピーダンスと車両用バンパあるいは樹脂部分の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスを有する材質からなる超音波伝達部を形成し、超音波の送受信を、超音波伝達部及び前記車両用バンパあるいは樹脂部分を介して行うことを特徴とする。
【0009】
上述したように、請求項1に記載の超音波センサによれば、超音波振動子と車両用バンパあるいは樹脂部分との間に介在する筐体の底面部の一部に、筐体の材質とは異なる材質であって、超音波振動子の音響インピーダンスと車両用バンパあるいは樹脂部分の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスを有する材質からなる超音波伝達部を形成した。超音波は、音響インピーダンスの異なる部材間においては、その音響インピーダンスの変化が大きいほど、その部材間において反射される反射量が増加する特性を有している。請求項1の超音波センサでは、底面部の一部に、超音波伝達部を形成しているので、その音響インピーダンスを適宜設定可能である。従って、超音波振動子と超音波伝達部間、さらには超音波伝達部と車両用バンパ或いは樹脂部分間における超音波反射量を低減して、超音波の伝達量を向上することができる。
【0010】
一方、筐体は、超音波振動子を固定したり、車両用バンパあるいは樹脂部分に取り付けるために求められる剛性等の特性を満足する必要がある。そのため、筐体の材質として、超音波を伝達する上で最適なものを採用することは非常に困難である。その結果、超音波伝達部の周囲の筐体材質からなる底面部では、超音波の伝達量が、上記の超音波伝達部よりも低下する。従って、車両用バンパあるいは樹脂部分における超音波の主要な伝達範囲を、超音波伝達部に対応する範囲に絞ることができる。このため、車両バンパあるいは樹脂部分における振動部位が制限されるので、指向性が過度に狭くなったり、不規則となったりすることを防止できる。
【0011】
具体的には、請求項2に記載するように、超音波伝達部の音響インピーダンスは、当該超音波伝達部の周囲にある筐体の底面部の音響インピーダンスよりも、超音波振動子の音響インピーダンスと車両用バンパあるいは樹脂部分の音響インピーダンスとの中間値に近いことが好ましい。これにより、超音波伝達部における超音波の伝達量を、その周囲の筐体部分における超音波伝達量よりも確実に大きくすることができる。
【0012】
請求項3に記載したように、超音波伝達部の形成領域は、超音波振動子の大きさよりも小さく、かつ、超音波振動子の底面部への接触範囲に全て含まれるように、超音波伝達部を底面部の一部に設けることが好ましい。このようにすれば、超音波の送受信時に、超音波振動子と超音波伝達部との間で効率的に超音波を伝達することができるとともに、超音波振動子の大きさによらず、車両用バンパあるいは樹脂部分における超音波の伝達範囲を、好ましい指向性が得られるように、任意に設定することができる。
【0013】
請求項4に記載するように、超音波伝達部は、その周囲の底面部の外面よりも突出するように設けられ、この突出した超音波伝達部の外面が車両用バンパあるいは樹脂部分に当接するように構成しても良い。このようにすれば、筐体と車両用バンパあるいは樹脂部分間における超音波の伝達部位を、実質的に超音波伝達部のみに制限することができる。
【0014】
請求項5に記載したように、超音波伝達部の周囲の底面部には、筐体の材質とは異なる材質であって、超音波の減衰係数が、筐体の材質よりも大きい材質からなる超音波減衰部が形成されても良い。このようにしても、筐体と車両用バンパあるいは樹脂部分間における超音波の伝達部位を、実質的に超音波伝達部に制限することができる。なお、超音波減衰部を形成するための材質としては、例えばゴムやエラストマーなどが挙げられる。
【0015】
請求項6に記載したように、超音波減衰部は、少なくとも超音波振動子の底面部への接触範囲をカバーするように、底面部に設けられることが好ましい。これにより、超音波振動子から筐体への直接的な超音波の伝達を防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態による超音波センサについて説明する。なお、第1実施形態による超音波センサは、例えば車両の四隅及び後ろ側の車両バンパに取り付けられ、車両の周囲の障害物を検出する障害物検出装置に適用される。
【0017】
図1は、本実施形態による超音波センサ100が車両バンパ11に取り付けられた状態における、超音波センサ100の構造を示す断面図である。この図1に示すように、超音波センサ100は、車両のバンパ11の裏側に接するよう装着される。まず、この超音波センサ100の構成について説明する。
【0018】
超音波センサ100は、主に、超音波振動子としての圧電振動子1、圧電振動子1などを収容するハウジング2、ハウジング2の底面部3の一部に設けられた超音波伝達部4、圧電振動子1による超音波の送受信結果に基づいて、障害物までの距離の算出等の処理を行う処理回路が形成された回路基板9などから構成されている。
【0019】
圧電振動子2は、例えばチタン酸バリウム等の金属酸化物の粉末を圧縮焼成した圧電セラミックからなり、ハウジング2の底面部3に設置される。このハウジング2は、例えばガラスクロスによって強化された比較的剛性の高い樹脂によって構成される。
【0020】
ハウジング2の底面部3の中央には、ハウジング2の材質とは異なる材質の、例えば樹脂によって形成された超音波伝達部4が、車両用バンパ11及び超音波振動子1の両方と接触するように設けられている。ここで、ハウジング2の材質と異なる材質とは、例えばハウジング2の樹脂材料と超音波伝達部4の樹脂材料とが異なる場合は勿論のこと、同じ樹脂材料であっても、一方にはガラスクロスが含有され、他方には含まれていない場合も含む概念である。
【0021】
この超音波伝達部4は、その音響インピーダンスが、圧電振動子1の音響インピーダンスと車両バンパ11の音響インピーダンスとのほぼ中間となるように、その材質や形状等が設定されている。
【0022】
振動吸収体6は、ハウジング2の底面部3に面する面を除いて圧電振動子1を取り囲むように設けられている。この振動吸収体6は、圧電振動子1による振動がハウジング2の底面部3以外の部位に伝わることを防止するために、例えばシリコン製ゴムやポリウレタン等の弾性を備える弾性体によって形成されている。なお、この振動吸収体6を固定するために、ハウジング2内にストッパ7が設けられている。
【0023】
回路基板9は、リード線5を介して、圧電振動子1と接続されており、この圧電振動子1を振動させて超音波を発生するための駆動信号を出力したり、圧電振動子1に超音波が伝達されて、圧電振動子1に歪みが生じた場合に、圧電効果によって生じる電圧信号を入力する処理回路が形成されている。処理回路では、超音波の送信から受信までの時間に基づいて、車両の周囲に存在する障害物までの距離等を算出する。なお、8はスペーサであり、回路基板9をハウジング2内の所定の位置に保持するために設けられている。また、10はコネクタであり、回路基板9の処理回路と、例えば車室内に設けられている報知処理等を行う制御部とを接続するものである。
【0024】
次に、超音波センサ100の車両バンパ11への取り付けについて説明する。図1に示すように、車両バンパ11の裏面側には、超音波センサ100の外径に対応するように、突起10aが設けられている。この突起10aは、図1に示すように、外側の面に切欠部が形成されている。なお、この突起10aは、超音波センサ100の全周に対応するように設けても良いし、3箇所以上の複数箇所に分離して設けても良い。
【0025】
超音波センサ100の取り付け時には、突起10aによって囲まれる範囲において、ハウジング2の底面部3が、車両バンパ11に当接するように、超音波センサ100が位置決めされる。その状態において、先端部の内周面に突部12aが形成されたカバー12を、超音波センサ100に被せるように装着する。すると、カバー12の突部12aが、突起10aの切欠部に勘合する。これにより、ハウジング2の底面部3が車両バンパ11の裏面に当接した状態で、超音波センサ100が車両バンパ11の裏面に固定保持される。
【0026】
次に、本実施形態による超音波センサ100の作動について説明する。回路基板9に形成された処理回路から駆動信号が印加されると、圧電振動子1は誘電分極によって歪みが生じ、縦方向(厚み方向)に振動して超音波を発生する。この発生した超音波は、ハウジング2の底面部3を介して車両バンパ11に伝播し、車両バンパ11から車外へと送信される。また、圧電振動子1は、車両バンパ11およびハウジング2の底面部3を介して超音波による振動を受けると、圧電効果によって電圧信号を発生し、リード線5を介して処理回路に出力する。
【0027】
本実施形態では、このような圧電振動子1による超音波の送受信時において、ハウジング2の底面部3における超音波の伝達が、主に超音波伝達部4を介して行われる。この点について、以下、詳細に説明する。
【0028】
超音波は、音響インピーダンスの異なる部材間において、その音響インピーダンスの変化が大きいほど、その部材間で伝達されずに反射される反射量が増加する特性を有している。超音波伝達部4は、上述したように、その音響インピーダンスが、圧電振動子1の音響インピーダンスと車両バンパ11の音響インピーダンスとのほぼ中間となっている。従って、超音波振動子と超音波伝達部間、さらには超音波伝達部と車両用バンパ間における超音波反射量を効率的に低減して、超音波の伝達量を増加することができる。
【0029】
一方、ハウジング2は、超音波振動子1等を固定したり、車両バンパ11に取り付けりするために求められる剛性等の特性を満足する必要がある。そのため、ハウジング2の材質として、超音波を伝達する上で最適なものを採用することは非常に困難である。その結果、超音波伝達部4の周囲のハウジング2の形成材質からなる底面部3の音響インピーダンスは、圧電振動子1の音響インピーダンスと車両用バンパ11の音響インピーダンスとの間の範囲から外れたり、その間に含まれていたとしても、圧電振動子1と車両用バンパ11の音響インピーダンスの一方に近い値となり、他方の音響インピーダンスとの差が大きくなる。このため、超音波伝達部4に比較して、超音波の反射量が増加するので、ハウジング2の形成素材からなる底面部3では、超音波伝達部4よりも超音波の伝達量が低下する。
【0030】
すなわち、本実施形態では、ハウジング2の材質とは異なる材質で超音波伝達部4を形成しているので、超音波伝達部4の音響インピーダンスを、ハウジング2の音響インピーダンスよりも、圧電振動子1と車両用バンパ11の音響インピーダンスの中間値に近づけることができるのである。
【0031】
従って、上述したように、圧電振動子1による超音波の送受信時において、ハウジング2の底面部3における超音波の伝達が、主に超音波伝達部4を介して行われることになるのである。その結果、車両バンパ11における超音波の主要な伝達範囲を、超音波伝達部4に対応する範囲に絞ることができる。このため、車両バンパ11における振動部位が制限されるので、指向性が過度に狭くなったり、不規則となったりすることを防止でき、所望の広がりを持った指向性を実現することができる。
【0032】
例えば、超音波センサからの超音波が比較的広い範囲で車両バンパに伝わると、図2(a)に示すように、超音波センサの指向性が狭く絞られてしまったり、その指向性が不規則になったりする。これは、車両バンパの超音波による振動が広範囲に及ぶ場合、各部位での位相が異なって、相互に打ち消し合ったり、干渉することが原因と考えられる。それに対して、図2(b)に示すように、車両バンパの振動部位を狭い範囲に制限すると、上述した干渉等が発生せずに、相対的に広い範囲の指向性が得られるのである。
【0033】
特に、図1に示すように、本実施形態では、超音波伝達部4の形成領域は、超音波振動子1の大きさよりも小さく設定されている。さらに、超音波伝達部4は、超音波振動子1の底面部3への接触範囲に全て含まれるように、ハウジング2の底面部3に設けられている。このため、超音波の送受信時に、超音波振動子1と超音波伝達部4との間で効率的に超音波を伝達することができるとともに、超音波振動子1の大きさによらず、車両バンパ11における超音波の伝達範囲を、好ましい指向性が得られるように、任意に設定することができる。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0035】
例えば、図3に示すように、超音波伝達部4aを、その周囲の、ハウジング2の形成素材からなる底面部3の外面よりも突出するように形成しても良い。これにより、超音波伝達部4aの先端面のみを車両バンパ11に当接するように構成することができる。この場合、ハウジング2の形成素材からなる底面部3の外面と車両バンパ11との間には隙間が設けられるので、この底面部3における超音波の伝達量をより一層低減することができる。その結果、ハウジング2側と車両バンパ11間における超音波の伝達部位を、実質的に超音波伝達部4aのみに制限することができる。
【0036】
また、図4に示すように、超音波伝達部4の周囲に、超音波の減衰係数が、ハウジング2の形成素材よりも大きな素材からなる超音波減衰部2aを設けても良い。この場合、超音波伝達部4を底面部3の外面から突出させなくとも、ハウジング2側と車両バンパ11間における超音波の伝達部位を、実質的に超音波伝達部4に制限することができる。なお、超音波減衰部2aを形成するための材質としては、例えばゴムやエラストマーなどが挙げられる。ゴムやエラストマーは、内部を超音波が伝播する際に、その超音波を大きく減衰させる特性を有するためである。
【0037】
超音波減衰部2aは、図3に示すように、超音波伝達部4の周囲において、少なくとも超音波振動子1の底面部3への接触範囲をカバーするように、底面部2に設けられる。これにより、超音波振動子1からハウジング2の形成素材からなる底面部3への直接的な超音波の伝達を防止することができる。
【0038】
なお、超音波減衰部2aは、図4に示すように、底面部3の厚み方向の一部にのみ設けても良いし、超音波伝達部4のように、その厚み全体が超音波減衰部2aとなるように設けても良い。
【0039】
また、上述した実施形態では、1つの圧電振動子1によって、超音波を送受信する例について説明したが、超音波送信用の圧電振動子と超音波受信用の圧電振動子とを分けても良い。
【0040】
また、上述した実施形態では、いわゆるスナップフィットによって、超音波センサ100を車両バンパ11の裏面に固定する例について説明した。しかしながら、超音波センサ100を固定する手段としては、接着、ねじ止め等の種々の手段を用いることができる。
【0041】
さらに、上述した実施形態では、超音波センサ100が、処理回路を形成した回路基板を有する例について説明したが、この処理回路は、超音波センサ100とは分離して設けられても良い。
【0042】
また、上述した実施形態では、超音波センサ10を車両のバンパ11の裏面に取り付ける場合について説明したが、これに限るものでなく、例えば、車両のバンパ周辺、あるいは車両の側面で、取り付ける部分が樹脂であれば、その内面側に取り付けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態による超音波が車両バンパに取り付けられた状態における、超音波センサの構造を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)は、車両バンパの振動部位の広さと、超音波の指向性との関係を説明するための説明図である。
【図3】図1の実施形態の変形例による超音波センサの構成を示す断面図である。
【図4】図1の実施形態のその他の変形例による超音波センサの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1…圧電振動子
2…ハウジング
3…底面部
4…超音波伝達部
5…リード線
7…ストッパ
9…回路基板
11…車両バンパ
12…カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用バンパあるいは樹脂部分の内面側に取り付けられる超音波センサであって、
前記超音波センサは、
超音波を送受信する超音波振動子と、
前記超音波振動子を収容するものであって、当該超音波振動子を底面部の内面に接触させて固定するとともに、当該底面部の外面が、前記車両用バンパあるいは樹脂部分の内面に当接する筐体とを有し、
前記筐体の底面部の一部に、前記車両用バンパあるいは樹脂部分及び前記超音波振動子と接触するように、前記筐体の材質とは異なる材質であって、前記超音波振動子の音響インピーダンスと前記車両用バンパあるいは樹脂部分の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスを有する材質からなる超音波伝達部を形成し、前記超音波の送受信を、前記超音波伝達部及び前記車両用バンパあるいは樹脂部分を介して行うことを特徴とする超音波センサ。
【請求項2】
前記超音波伝達部の音響インピーダンスは、当該超音波伝達部の周囲にある前記筐体の底面部の音響インピーダンスよりも、前記超音波振動子の音響インピーダンスと前記車両用バンパあるいは樹脂部分の音響インピーダンスとの中間値に近いことを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記超音波伝達部の形成領域は、前記超音波振動子の大きさよりも小さく、かつ、前記超音波振動子の前記底面部への接触範囲に全て含まれるように、前記超音波伝達部を前記底面部の一部に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波センサ。
【請求項4】
前記超音波伝達部は、その周囲の底面部の外面よりも突出するように設けられ、この突出した超音波伝達部の外面が前記車両用バンパあるいは車体の樹脂部分に当接することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記超音波伝達部の周囲の底面部には、前記筐体の材質とは異なる材質であって、前記超音波の減衰係数が、前記筐体の材質よりも大きい材質からなる超音波減衰部が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記超音波減衰部は、少なくとも前記超音波振動子の前記底面部への接触範囲をカバーするように、前記底面部に設けられることを特徴とする請求項5に記載の超音波センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−142967(P2007−142967A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336127(P2005−336127)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【Fターム(参考)】