説明

車両用の運転ダイナミクスコントロールシステム

この発明は、車両用の運転ダイナミクスコントロールシステムに関し、一方では目標値仕様を、そして他方では、運転状態変数を、入力データとして与えられる少なくとも1つの運転ダイナミクスコントローラを有し、また ドライバーと無関係に調整可能な車両の前および/または後車軸におけるステアリングのように、車両の原動力をコントロールし、規定し、また変更することができる複数のアクチュエータを有する。
ドライバーと無関係に調整可能なシャシ、ドライバーと無関係に調整可能なブレーキ、およびドライバーと無関係に調整可能な運転列を有し、運転ダイナミクスコントローラは、目標値仕様および運転状態変数から中央コントロール仕様を決定し、さらにアクチュエータを駆動するために操作変数内にコントロール仕様を分配する分配アルゴリズムにそれを供給する。
アクチュエータ(1、、m)の操作変数()に対するコントロール仕様(ν)の最適分配を提供するために、それは、現在のコントロール可能性、アクチュエータ(1、、m)の現在のアクチュエーティング速度、およびコントロール仕様(ν)の実行に対するそれらの可能性ある貢献を考慮するために操作変数()を生成する場合に、分配アルゴリズム(C)が、アクチュエータ(1、、m)の状態を与えられるという、この発明によって提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用の運転ダイナミクスコントロールシステムに係り、入力データとして、一方では目標値仕様を、他方では運転状態変数(driving state variables)を与えられる少なくとも1つの運転ダイナミクスコントローラを有し、車両の前および/または後車軸において、ドライバーと無関係に調整可能なステアリングのような、車両ダイナミクスをコントロールされ、および/または、規定され、かつ修正することができる複数のアクチュエータと、ドライバーと無関係に調整可能なシャシと、ドライバーと無関係に調整可能なブレーキと、を有し、前記運転ダイナミクスコントローラは、目標値仕様および運転状態変数から中央コントロール仕様を決定し、それをさらにアクチュエータを駆動するための操作変数(manipulated variables)内にコントロール仕様を分配する分配アルゴリズム(distribution algorithm)に与える。
【0002】
それらは、目標とされた方法で、自動車両の運転動作(driving behavior)に影響を及ぼすために使用することができるので、独立して動作可能なアクチュエータを備えた、アクティブな、電気的に動作可能なシャシおよび駆動列部品が、現代の自動車技術に侵入を増加してきている。運転ダイナミクスコントロールシステムは、今やそれがコントロール仕様として1つまたはそれ以上のアクチュエータ間で計算した安定化介在を分割する必要の作業に直面している。
【0003】
他のシステムと共存して、システムがそれぞれそのための責任を負うそのアクチュエータを動作するという事実のために、自動車両の運転動作に独立して影響を及ぼす先行技術システムから知られている。この場合、アクチュエータを動作することによって所望の運転動作を達成することを、相互に無関係に試みる個別のコントロールシステム以外には、統合された運転ダイナミクスコントローラはない。
【0004】
中央運転ダイナミクスコントローラを有するシステムの場合には、その先行技術は、運転ダイナミクスコントローラのコントロール仕様の規則に基づいた除法定理(division algorithm)を開示している。そのアクチュエータの操作変数間の運転ダイナミクスコントローラのコントロール仕様の分割のいずれか一方は、経験的に決定された分布係数(distribution factor)、または個々の操作変数の連続する連鎖(sequential concatenation)によって実行される。経験的に決定された分布係数を備えた方法の場合には、シミュレーション研究の、または直接車両におけるトライアルシリーズによる分布係数を決定することが慣習的である。連続する連鎖は、さらに、アクチュエータが異なる快適さ必要条件を満たすという事実を考慮する。したがって、連続する連鎖の場合には、第1のステップは、最も快適にコントロール要求を実行することができるこれらのアクチュエータを考慮することである。それらの可能性が不十分な場合には、より不快なアクチュエータが使用に入る。
【0005】
WO2004/101337A1は、入力データとして、車両データ、環境データ、およびドライバーの希望に関連するデータ提供する信号分配を有する、車両用の運転ダイナミクスコントロールシステムを開示している。このプロセスにおいて、ドライバーと無関係なステアリング、ドライバーと無関係に調整可能なシャシ、ドライバーと無関係に調整可能なブレーキ、およびドライバーと無関係に調整可能な駆動列のような車両ダイナミクスをコントロールし、および/または、規定し、かつ修正することができる複数のサブシステムが、設けられている。以前に周知の運転ダイナミクスコントロールシステムの場合においては、信号供給からのデータは、中央の決定ユニットに供給され、そして、この中央の決定ユニットが、信号供給のデータから中央コントロール目標を決定している。この中央コントロール目標は、そのコントロール目標が車両上のサブシステムによって実行されるように、このサブシステムを備えたインタラクティブ通信において、前記サブシステムを駆動する中央の処理変数分配、または中央の運転状態コントローラに供給される。しかしながら、この方法は、運転ダイナミクスに関して、正常な運転範囲、および制限範囲において、より適切ではない。
【発明の概要】
【0006】
したがって、この発明の目的は、縦方向の、横方向の、および垂直方向のダイナミクスに関する自動車両の運転特性が改善されるように、初めに特定された総括的なタイプの運転ダイナミクスコントロールシステムを改善することである。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。ここに、運転ダイナミクスコントロールシステムは、任意の所望のアクティブなシャシ部品間のアクチュエータの最適に割当て(dividing)操作変数のためである。この目的のために、現在のコントロール可能性、アクチュエータの現在の動作速度、およびコントロール仕様の実行に対するそれらの起こり得る貢献を考慮するために操作変数を生成する場合に、分配(distribution)アルゴリズムは、アクチュエータの状態を供給される。
【0008】
有益な展開は、従属請求項から集めることができる。
【0009】
運転ダイナミクスコントローラのコントロール仕様は、縦方向、横方向、および垂直方向のダイナミクスの物理的変数からなり、さらに運転状態変数およびアクチュエータの操作変数のベクトル関数である。特に有益な展開においては、運転ダイナミクスに関して正常な運転範囲および制限範囲の両方における自動車両の運転動作を改善するために分配アルゴリズムが、車両ダイナミクスおよび操作変数のコントロール仕様の間の偏差を最小にすることが規定される。
【0010】
次の連立方程式が、コントロール仕様と操作変数との間の偏差を最小にするために適用される:
【数1】

【0011】
さらなる有益な展開は、分配アルゴリズムが、操作変数がコントロール仕様を得るために増加する支援を備えたマトリクスを有することを規定し、このマトリクスは、各動作ポイントのために、現在のコントロールの可能性あるアクチュエータを有し、アクチュエータの操作変数内にコントロール仕様の最適分配を保証する。
【0012】
ここで、このマトリクスは、そのエントリーが運転状態変数のベクトル関数およびアクチュエータの操作変数の偏導関数(partial derivatives)から形成されるヤコビマトリクスとして設計されており、そのマトリクスは次の関係の支援によって決定されている:
【数2】

【0013】
ヨーモーメントの物理的変数からなるコントロール仕様については、分配アルゴリズムは、前輪ステアリングのための補足ステアリング角、後輪ステアリングのための補足ステアリング角、および、ドライバーと無関係に操作可能なシャシの2つのスタビライザ間のロール支持力を割当てるための分配パラメータを計算し、そして分配する。
【0014】
広域の縦方向力、広域の横方向力、および広域のヨーモーメントの物理的変数からなるコントロール仕様については、その分配アルゴリズムは、ドライバーと無関係に操作可能なシャシの2つのスタビライザ間のロール支持力を割当てるための分配パラメータと同様に、前輪ステアリングのためのステアリング角、後輪ステアリングのためのステアリング角、および個別のホイールブレーキまたはホイール駆動トルクを計算し、そして分配する。
【0015】
この発明は、添付の図とともに2つの代表的な実施例の助けによってより詳細に以下に説明される。ここで:
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、この発明の運転ダイナミクススコントロールシステムの基本構造の単純化された例証を示す;
【図2】図2は、ヨーモーメントを計算するために使用される車両モデルの概略を示す;
【図3】図3は、横方向の力が、固定の摩擦値を与えられた様々な垂直方向の力のために、スリップ角に対してプロットされるのに使用される、タイヤモデルの線図を示す; そして
【図4】図4は、この発明の分配アルゴリズムに影響を及ぼすパラメータの概略を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この運転ダイナミクスコントロールシステムは、コントロールループとして図1におけるその基本構造に例証される。運転ダイナミクスコントローラAは、目標値仕様および運転状態変数からの運転ダイナミクススコントローラのコントロール仕様νを計算する。図1において例証されるように、運転ダイナミクスコントローラのコントロール仕様νは、縦方向の、横方向の、および垂直方向のダイナミクスの場合における3つの広域の力成分FxG、MzG、およびFzGを有している。この場合における力成分FxGは、自動車両の縦方向力を表示するが、一方では、力成分MzGは、ヨーモーメント、力成分FzG、および車両本体の支持力を表示する。例えば、自動車両の横方向力FyG、縦方向モーメントMxG、または横方向力MyGのようなさらなる要素を、もし要求されるならば、加えることができる。この用途によって、その操作変数は、運転ダイナミクスの限界範囲内に自動車両を安定させるか、または正常な運転範囲内に車両快適さを増加させる役目をする。
【0018】
この発明に記述された分配アルゴリズムCは、アクチュエータ1−mの間で、方程式Iにおいて特定された最適化関数(optimization function)にしたがって運転ダイナミクスコントローラAのコントロール仕様νを分割し、そしてそのために対応する操作変数を生成する。このことは、コントロール範囲、およびアクチュエータ1−mのアクチュエーティング速度のための第2の条件を備えた方程式の、劣決定系(underdetermined system)の解を要求し、このことは、最小誤差2乗(least error square)の方法の助けよってなされる:
【数3】

【0019】
最初の被加数においては、その関数は、コントロール仕様νと操作変数との間の偏差について記述する。操作変数をコントロール仕様νと比較することができるために、それらは、(m×n)−マトリックスB が掛けられる。マトリックスBは、アクチュエータの物理的な操作変数と、運転ダイナミクスコントローラAによって計算されたコントロール仕様νとの間にリニア関係を示す。したがって、マトリックスBは、現在の動作ポイントでリニア化されたアクチュエータ可能性について記述する。分配アルゴリズムCは、今や、操作変数とコントロール仕様νとの間の偏差を最小限にすることを試みる。
【0020】
コントロール仕様νは、重み行列Wによって、個々に重みを加えることができる。
【0021】
コントロール仕様νおよび操作変数は、
【数4】

【0022】
にしたがうベクトル関数
【数5】

【0023】
によって、写像(mapping)することができると仮定すると、マトリックスBは、次の関係によってヤコビマトリックスとして計算することができる:
【数6】

【0024】
次の代表的な実施例は、以前に記述された方法の適用によって、自動車両の横方向ダイナミクスのコントロールを示している。考慮されるものは、以下のアクティブな、電子的に駆動可能なシャシ部品:角度重ね合せ(angle superposition)を備えた前輪ステアリング、後輪ステアリング、およびロールスタビライザを有する車両である。ここに、ヨーモーメントMzGの物理的変数を有するコントロール仕様νのために、分配アルゴリズムCは、ドライバーと無関係に操作可能なシャシの2つのスタビライザ間のロール支持力を割当てるために、前輪ステアリング用の補足ステアリング角Δδ、後輪ステアリング用の補足ステアリング角Δδ、および分配パラメータλを計算し、そしてこれらを適切に分配する。
【0025】
ヨーモーメントMzGは、コントロール仕様νと見なされる。アクチュエータの操作変数は、前輪ステアリング用の補足ステアリング角Δδ、後輪ステアリング用の補足ステアリング角Δδ、および2つのスタビライザ間のロール支持力を割当てるための分配パラメータλである。
【0026】
図2は、車輪に作用する縦方向および横方向力と一緒に考慮中の車両モデルを示している。方程式IVにおいて表現されるように、車両に作用するヨーモーメントMzGは、そのモーメントの平衡を保つことによって、付加的なステアリング角ΔδおよびΔδの関数として決定することができる。
【数7】

【0027】
横方向力Fは、方程式Vで特定されたタイヤモデルから与えられる。このモデルは、スリップ角α、さらにいくつかのタイヤモデルパラメータと同様に、縦方向力F、および車輪垂直方向力Fの関数として、横方向力の解析計算に使用することができる。このタイヤモデルは、さらにFに依存するスリップスチフネスCα0を有する。
【数8】

【0028】
図3は、選択された垂直方向力Fのための横方向力/スリップ角線図、および摩擦の固定的係数、としてタイヤ特性を例証する。縦方向力Fは、ブレーキをかける間に及ぼされるブレーキトルクによって、さらには、駆動トルクによって、付加的に、駆動された車軸上において決定される。それらは、方程式VIを用いることによって、ほぼ計算することができる:
【数9】

【0029】
2つの車両車軸間のロールモーメントを割当てるための分配パラメータλは、
個別の車輪の垂直方向力Fにおいて、以下のように作用する:
【数10】

【0030】
m=車両の大きさ
g=重力加速度
v=車両(縦方向)速度
h=重心高さ
s=軌跡
=重心から前車軸までの距離
=重心から前車軸までの距離
Ψ=ヨーレート
分配パラメータλは、0と1の間の範囲内で変化し、λ=0は、後車軸の全ロールモーメントが適用されるということを意味する。相応して、全ロールモーメントは、値λ=1を与えられた前車軸によって支持される。
【0031】
方程式IVにおいて、方程式V、VI、およびVIIを代用することは、仮想ヨーモーメントMzGおよびアクチュエータ操作変数Δδ、Δδ、およびλの間の閉じた表現(closed presentation)を形成する。次の関係は、方程式IIに類推して結果する:
【数11】

【0032】
方程式IIIにしたがうB−マトリックスの計算の後に、方程式Iにおいて特定された最適化アルコリズムを、直接適用することができ、かつ最適の操作変数を計算することができる。
【0033】
第2の代表的な実施例において、広域の縦方向力、横方向力、およびヨーモーメントは、コントロール仕様として使用される。この第2の代表的な実施例は、上述の方法の適用による自動車両の横方向ダイナミクスのコントロールを示す。考慮されることは、次のアクティブな、電子的に駆動可能なシャシ部品:角度インターフェースを備えた前輪ステアリング、後輪ステアリング、ロールスタビライザ、およびホイールトルクインターフェースを備えたブレーキシステム、または二者択一の、ホイールトルクのモニタリング、またはホイールハブモータを備えたシステム、を有する車両である。広域の縦方向力FxG、広域の横方向力FyG、および広域のヨーモーメントMzGの物理的変数を有するコントロール仕様νのために、分配アルゴリズムCは、ドライバーと無関係に操作することができるシャシの2つのスタビライザの間のロール支持力を割当てるための分配パラメータλと同様に、前輪ステアリング用のステアリング角Δδ、後輪ステアリング用のステアリング角Δδ、および個別のホイールブレーキ、またはホイール駆動トルクMwheel、vl、Mwheel、vr、Mwheel、hl、Mwheel、hr、を計算する。
次の関係が、操作変数およびコントロール仕様νのために結果する:
【数12】

【0034】
広域の力およびモーメント/トルクは、以下に、この方程式から2次元の車両モデルのために決定される:
【数13】

【0035】
方程式Xにおける横方向力Fは、方程式Vにおいて特定されたタイヤモデルから続く。次の関係が、方程式Vおよび方程式XにおけるFのために使用される:
【数14】

【0036】
適用(application)パラメータk、摩擦係数μ、およびカムの円(Kamm’s circle)に起因する方程式VIIからの垂直方向力を有し、不等式
【数15】

【0037】
は、さらに方程式Iにおける第2の条件の場合に補足することができる。
【0038】
ヤコビマトリクスBは、方程式IIIにしたがって作り出される。
【数16】

【0039】
説明の目的で、図4は、入力パラメータ、この発明の分配アルゴリズムCの影響を概略的に例証する。分配アルゴリズムCは、コントロール仕様νを与えられ、さらに、分配アルゴリズムCは、コントロール仕様νの実行に対するそれらの現在のコントロール可能性、それらの現在のアクチュエーティング速度、およびそれらの可能性ある貢献を考慮するために、アクチュエータ状態を考慮する操作変数を作り出す。分配アルゴリズムCは、それによって、操作変数が、コントロール仕様νを得るために増加するマトリックスBを有する。方程式Vで示され、図3に例証されるタイヤモデルのデータ、自動車両の車輪の垂直方向力と一緒の自動車両の運転状態、および摩擦係数は、マトリックスBにおいて特徴づけられる。他方では、コントロール範囲、およびしたがって操作変数、およびそれらの速度の境界は、駆動されたアクチュエータタイプに、駆動されたアクチュエータタイプの電力制限に、および、順番に、自動車両の車輪の垂直方向力と一緒に摩擦係数に依存する。
【0040】
図4においてさらに例証されるように、分配アルゴリズムCは、コントロール仕様νの重み行列Wによって影響を受け、この重み行列Wは、呼出側関数(invoking function)に依存する。操作変数の重み行列Wは、自動車両による快適な運転を可能にする呼出側関数、アクチュエータ配位 、およびさらなる快適性パラメータに依存する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データとして、一方では、目標値仕様()を、また、他方では、運転状態変数()を、供給される少なくとも1つの運転ダイナミクスコントローラ(A)を有し、さらに、また、車両の前、および/または、後車軸における、ドライバーと無関係に調整可能なステアリング、ドライバーと無関係に調整可能なシャシ、ドライバーと無関係に調整可能なブレーキ、およびドライバーと無関係に調整可能な駆動列のように、車両のダイナミクスをコントロールし、および/または、規定し、かつ変更することができる、複数のアクチュエータ(1、、m)を有し、運転ダイナミクスコントローラ(A)は、目標値仕様()および運転状態変数()から中央コントロール仕様(ν)を決定し、さらに、アクチュエータ(1、、m)を駆動するための操作変数()内にコントロール仕様(ν)を分配する分配アルゴリズム(C)にそれを与えてなり、
その分配アルゴリズム(C)は、現在のコントロール可能性、アクチュエータ(1−m)の現在のアクチュエーティング速度、およびコントロール仕様(ν)の実行に対するそれらの可能性ある貢献を考慮するために操作変数()を生成する場合には、アクチュエータ(1−m)の状態を与えられることを特徴とする車両用の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【請求項2】
運転ダイナミクスコントローラ(A)のコントロール仕様(ν)は、縦方向の、横方向の、および垂直方向のダイナミクスの物理的変数からなることを特徴とする請求項1記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【請求項3】
分配アルゴリズム(C)は、正常な運転範囲および運転ダイナミクスに関する制限範囲の両方において、自動車両の運転動作を改善するために、車両ダイナミクスコントローラ(A)のコントロール仕様(ν)と操作変数()との間の偏差を最小限にすることを特徴とする、請求項1、または2のいずれか1項記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【請求項4】
次の連立方程式がコントロール仕様(ν)と操作変数()との間の偏差を最小限にするために適用されることを特徴とする請求項3記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【数1】

【請求項5】
コントロール仕様(ν)は、運転状態変数()および操作変数()のベクトル関数 ν) であることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【請求項6】
分配アルゴリズム(C)は、操作変数()は、コントロール仕様(ν)を得るために増加する支援を備えたマトリックス(B)を有し、マトリックス(B)は、アクチュエータ(1−m)の操作変数()内へコントロール仕様(ν)の最適分配を保証するために、各動作ポイント用に、現在のコントロールの可能性あるアクチュエータ(1−m)を有することを特徴とする請求項1−5のいずれか1項記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【請求項7】
マトリックス(B)は、そのエントリーがベクトル関数gの偏導関数から形成されるヤコビマトリックスとして設計されており、そのマトリックス(B)は、次の関係の支援によって決定されることを特徴とする請求項6記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【数2】

【請求項8】
ヨーモーメント(MzG)の物理的変数からなるコントロール仕様(ν)用の分配アルゴリズム(C)は、前輪ステアリング用の補足ステアリング角(Δδ)、後輪ステアリング用の補足ステアリング角(Δδ)、およびドライバーと無関係に操作可能なシャシの2つのスタビライザ間の回転支持力を分割するための分配パラメータ(λ)を計算し、さらに分配することを特徴とする請求項1−7のいずれか1項記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【請求項9】
計算は、ベクトル関数 ν= MzG(Δδ、Δδ、λ)の支援によって実行されることを特徴とする請求項8記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。
【請求項10】
広域の縦方向力(FxG)、広域の横方向力(FyG)、および広域のヨーモーメント(MzG)の物理的変数からなるコントロール仕様(ν)用の分配アルゴリズム(C)は、ドライバーと無関係に操作可能なシャシの2つのスタビライザ間のロール支持力を割当てるための分配パラメータ(λ)と同様に、前輪ステアリング用のステアリング角(Δδ)、後輪ステアリング用のステアリング角(Δδ)、および個別のホイールブレーキまたはホイール駆動トルク(Mwheel、v1、Mwheel、vr、Mwheel、hl、Mwheel、hr)を計算し、さらに分配することを特徴とする請求項1−7のいずれか1項記載の運転ダイナミクスコントロールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−505789(P2012−505789A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531492(P2011−531492)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063509
【国際公開番号】WO2010/043686
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】