説明

車両用データ更新装置、車両用データ更新システム、および、車両用データ更新方法

【課題】データ更新時に、情報センターから車載装置に送信されるデータ量が増大するのを抑制する。
【解決手段】車載機10に送信するPOIデータの最大数を情報センター20側で規定し、規定したデータ数以下のPOIデータの情報をリスト化して、車載機10に送信し、車載機10側において、POIデータベース1に格納されているPOIデータと情報センター20のPOIデータベース22に格納されているPOIデータとの間で異なるデータを抽出して、情報センター20に送信要求を出し、情報センター20から送信されてきたPOIデータを用いて、POIデータベース1に格納されているPOIデータを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機のデータを更新する車両用データ更新装置、車両用データ更新システム、および、車両用データ更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置(車載機)の地図データの一部を最新の地図データに更新するために、更新を希望するエリアの地図データのバージョン情報を情報センターに送信し、情報センターにおいて、最新の地図データのバージョン情報と比較して、更新が必要と判断されたデータをカーナビゲーション装置に送信する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−257975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、更新を希望するエリアにおいて、施設が急激に増加している等の理由により、更新すべきデータが大量に存在する場合には、膨大な量のデータをカーナビゲーション装置に送信しなければならず、通信負荷が大きくなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明による車両用データ更新システムは、車載機からのデータ更新要求に基づいて、情報センターから車載機に向けて、車載機で保持されているデータと相違するデータを送信するシステムであって、情報センターは、車載機に送信するデータを複数格納する第1のデータ格納手段と、車載機からのデータ更新要求に基づいて、情報センター側で予め規定したデータ数以下のデータを第1のデータ格納手段から抽出するデータ抽出手段と、抽出したデータの情報およびデータの抽出条件の情報を、データ更新要求のあった車載機に送信する送信手段とを備え、車載機は、データを複数格納する第2のデータ格納手段と、情報センターから送信されてきたデータの情報およびデータの抽出条件の情報に基づいて、第1の格納手段に格納されているデータと第2の格納手段に格納されているデータとの間で異なるデータを検出する差分データ検出手段と、差分データ検出手段によって検出されたデータの送信要求を情報センターに出して、情報センターからデータを受信する通信手段とを備えることを特徴とする。
(2)本発明による車両用データ更新装置は、車載機からのデータ更新要求に応じて、車載機で保持されているデータと相違するデータを車載機に送信する装置であって、車載機に送信するデータを複数格納するデータ格納手段から、車載機からのデータ更新要求に基づいて、予め規定したデータ数以下のデータを抽出し、抽出したデータの情報およびデータの抽出条件の情報を、データ更新要求のあった車載機に送信することを特徴とする。
(3)本発明による車両用データ更新方法は、車載機からのデータ更新要求に応じて、車載機で保持されているデータと相違するデータを情報センターから車載機に送信する方法であって、情報センターは、車載機からのデータ更新要求に基づいて、車載機に送信するデータが複数格納されているデータ格納手段から、予め規定したデータ数以下のデータを抽出し、抽出したデータの情報およびデータの抽出条件の情報を、データ更新要求のあった車載機に送信し、車載機は、情報センターから受信したデータの情報およびデータの抽出条件の情報に基づいて、保持しているデータと情報センターが保持しているデータとの間で異なるデータを検出して、検出したデータの送信要求を情報センターに出し、情報センターから送信されてくるデータを用いて、保持しているデータの更新を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による車両用データ更新システム、車両用データ更新装置、および、車両用データ更新方法によれば、車載機に送信可能なデータ数を予め規定しておき、規定したデータ数の範囲内のデータを車載機に送信するので、データの更新数が多い場合でも、通信負荷が大きくなるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、一実施の形態における車両用データ更新システムの全体構成を示す図である。この車両用データ更新システムでは、カーナビゲーション装置としての機能を備える車載機10が情報センター(車両用データ更新装置)20から、カーナビゲーション制御に使用するPOI(Point Of Interest)データを受信することにより、保持しているPOIデータを更新する。
【0008】
車載機10は、POIデータベース1、通信装置2および操作スイッチ7と、内部で行う処理機能上、データ更新制御部3、位置座標認識部4、POIリスト生成部5、および、差分確認部6とを備える。POIデータベース1には、カーナビゲーションシステムで利用する各種の施設データであるPOIデータが格納されている。通信装置2は、情報センター20との間で無線を介して、様々な情報のやり取りを行う。操作スイッチ7は、ユーザが車載機10に対して、様々な指令を出すためのスイッチである。
【0009】
データ更新制御部3は、POIデータの更新処理を制御する。更新処理の詳細な内容については、後述する。位置座標認識部4は、カーナビゲーションシステムによる経路案内が行われている場合等において、図示しない車内モニタに表示される地図上に示されているカーソルの位置座標を取得する。図2は、地図上に表示されているカーソル30の一例を示す図である。目的地までの経路案内が行われている場合には、車両の現在地をカーソル30によって表現する。ただし、このカーソルは、操作スイッチ7によって、ユーザが任意の位置に移動させることができる。
【0010】
POIリスト生成部5は、POIデータを更新するエリアに含まれているPOIデータのリスト(以下、POIリストと呼ぶ)を生成する。差分確認部6は、POIリスト生成部5で生成されるPOIリストと、後述する情報センター20から車載機10に送信されるPOIリストとを比較することにより、両リストの相違データを抽出する。
【0011】
情報センター20は、通信装置21およびPOIデータベース22と、内部で行う処理機能上、データ更新制御部23、更新設定記憶部24、および、POIリスト生成部25とを備える。通信装置21は、車載機10との間で無線を介して、様々な情報のやり取りを行う。POIデータベース22には、POIデータが複数格納されている。
【0012】
データ更新制御部23は、POIデータベース22に格納されているPOIデータの更新、および、後述するPOIリスト生成部25で生成されるPOIリストを、通信装置21を介して、車載機10に送信する処理を行う。POIデータの更新は、定期的に行うようにしてもよいし、不定期で行うようにしてもよい。更新設定記憶部24は、POIデータの更新条件に関するデータ(以下、更新条件データと呼ぶ)が記憶されている。更新条件データの詳細については、後述する。POIリスト生成部25は、車載機10から更新要求のあったエリアに含まれるPOIデータのリストを生成する。
【0013】
図3は、一実施の形態における車両用データ更新システムで行われる処理内容を示すフローチャートである。ステップS10〜ステップS80の処理は、車載機10側で行われる処理であり、ステップS100〜ステップS160の処理は、情報センター20側で行われる処理である。ユーザが操作スイッチ7を操作することによって、POIデータの更新指示を出すと、ステップS10の処理が開始される。
【0014】
ステップS10において、位置座標認識部4は、図示しない地図上に表示されているカーソルの位置座標を取得する。本実施の形態では、カーソルで示されている位置を中心としたエリア内のPOIデータを更新する。上述したように、カーソルの位置は、車両の現在地を示しているが、操作スイッチ7によって、ユーザが任意の位置に移動させることができる。従って、ユーザは、車両の現在地周辺のエリア以外のエリアのPOIデータを更新する場合には、操作スイッチ7の操作によって、更新を希望するエリアの地点までカーソルを移動させておく。ステップS20では、通信装置2を介して、ステップS10で取得した位置座標のデータを情報センター20に送信する。
【0015】
ステップS100において、情報センター20のデータ更新制御部23は、通信装置21を介して、車載機10が送信した位置座標のデータを受信したか否かを判定する。位置座標のデータを受信していないと判定するとステップS100で待機し、受信したと判定すると、ステップS110に進む。
【0016】
ステップS110において、POIリスト生成部25は、更新設定記憶部24に記憶されている更新条件データを取得する。更新条件データには、カーソル位置を中心として、どの距離までを更新範囲とするかを定義するPOI検索距離データと、後述する更新POIリストを作成する際に、更新POIリストに含めるPOIデータの最大の数を示すPOI件数データとが含まれる。POI検索距離データおよびPOI件数データは、実験等によって予め規定しておくことができる。
【0017】
ステップS110に続くステップS120において、POIリスト生成部25は、車載機10から送信されてきた位置座標、および、更新設定記憶部24から取得した更新条件データに基づいて、車載機10に送信するための更新POIリストを作成する。例えば、更新条件データに含まれるPOI検索距離データが10km、POI件数データが100件である場合には、車載機10から送信されてきた位置座標を中心とする半径10kmの範囲内に含まれるPOIデータをPOIデータベース22から取得する。
【0018】
図4(a)は、カーソルの位置を中心とする半径10km/hの範囲内で検索されたPOIデータの一例を示す図である。検索範囲内に存在するPOIデータがPOI件数データの100件を越える場合には、カーソルの位置から近い順に、100件のPOIデータをリストアップする。図4(a)に示す例では、カーソルの位置から、100件目のPOIデータの位置までの距離が8kmとなっている。
【0019】
更新POIリストには、POIデータとともに、各POIデータを更新した日のデータ、および、更新範囲を示すデータが少なくとも含まれるようにする。POIデータを更新した日のデータは、POIデータに付随するデータであり、POIデータベース22に格納されているPOIデータが更新される度に、データの更新日が上書きされて、保存されるようになっている。図4(b)は、図4(a)に示す更新範囲に対応した更新POIリストの一例を示す図である。図4(b)に示す更新POIリストには、100件のPOIデータ、各POIデータが更新された日のデータ(バージョン情報)、および、更新範囲がカーソルの位置から8km/hの範囲であることを示すデータが含まれている。
【0020】
図5(a)は、カーソルの位置を中心として、POI検索距離データの半径10kmの範囲内で検索されたPOIデータの別の一例を示す図である。図5(a)に示す例では、半径10kmの範囲内には、POIデータが40件しか存在しない。この場合、40件目のPOIデータの位置は、カーソルの位置から9km離れた位置となっているので、更新範囲は9kmとなる。図5(a)に示す更新範囲に対応した更新POIリストの一例を図5(b)に示す。
【0021】
ステップS120に続くステップS130では、ステップS120で作成された更新POIリストを、通信装置21を介して、車載機10に送信する。
【0022】
ステップS30において、車載機10のPOIリスト生成部5は、通信装置2を介して、情報センター20から送信された更新POIリストを受信したか否かを判定する。更新POIリストを受信していないと判定するとステップS30で待機し、受信したと判定すると、ステップS40に進む。
【0023】
ステップS40において、POIリスト生成部5は、更新範囲内に含まれるPOIデータをPOIデータベース1から取得して、POIリストを生成する。更新範囲のデータは、上述したように、情報センター20から送信される更新POIリストに含まれている。図4(b)に示す更新POIリストでは、カーソルの位置を中心とする半径8kmの範囲内が更新範囲となり、図5(b)に示す更新POIリストでは、半径9kmの範囲内が更新範囲となる。更新POIリストに含まれている更新範囲のデータに基づいて、更新範囲内のPOIデータをPOIデータベース1から取得して、POIリストを作成すると、ステップS50に進む。
【0024】
ステップS50において、差分確認部6は、POIリスト生成部5で生成されたPOIリストと、情報センター20から送信される更新POIリストとを比較することにより、両リストに含まれているPOIデータのうち、一致しないPOIデータを抽出して、差分リストを作成する。
【0025】
図6は、差分リストの作成方法を説明するための図である。差分確認部6は、情報センター20側で作成された更新POIリスト50、および、車載機10側で作成されたPOIリスト60を比較して、内容が異なるPOIデータを抽出する。情報センター20のPOIデータベース22に格納されているPOIデータの更新時に、POIデータが削除された場合、新たなPOIデータが追加された場合、および、POIデータの内容が更新された場合には、両リストのデータに相違が生じる。図6に示す例では、更新POIリスト50の3番目のPOIデータが削除されており、更新POIリスト50の72番目のデータが新たに追加されている。また、更新POIリスト50の39番目のPOIデータと、車載機10側で作成されたPOIリストの39番目のPOIデータの更新日が異なっているため、39目番のPOIデータの内容が更新されていることが分かる。
【0026】
なお、図6では、3番目のデータが削除されたことを示すために、3番目のPOIデータの欄に「削除」の文字を入れているが、POIデータベース22から削除されたPOIデータを、更新POIリスト50にはリストアップしないようにしてもよい。この場合でも、リスト50および60を比較することにより、3番目のPOIデータが削除されたことを把握することができる。
【0027】
差分確認部6は、情報センター20側で作成された更新POIリスト50、および、車載機10側で作成されたPOIリスト60に基づいて、データの異なるPOIデータを抽出して、抽出したPOIデータを示す差分リストを作成する。図6に、差分リスト70の一例を示す。
【0028】
差分確認部6によって作成された差分リストは、データ更新制御部3に送信される。ステップS50に続くステップS60において、データ更新制御部3は、差分リストに基づいて、削除すべきPOIデータをPOIデータベース1から削除する。図6に示す例では、POIリスト60に記載されている3番目のPOIデータをPOIデータベース1から削除する。また、通信装置2を介して、差分リストを情報センター20に送信する。
【0029】
ステップS140において、情報センター20のデータ更新制御部23は、通信装置21を介して、車載機10が送信した差分リストを受信したか否かを判定する。差分リストを受信していないと判定するとステップS140で待機し、受信したと判定すると、ステップS150に進む。
【0030】
ステップS150において、データ更新制御部23は、受信した差分リストに基づいて、車載機10に送信するPOIデータをPOIデータベース22から抽出する。図6に示す例では、内容が更新されている39番目のPOIデータ、および、新たに追加された72番目のPOIデータをPOIデータベース22から抽出する。車載機10に送信するPOIデータを抽出すると、ステップS160に進む。
【0031】
ステップS160では、ステップS150で抽出したPOIデータを、通信装置21を介して、車載機10に送信する。POIデータを車載機10に送信すると、情報センター20側で行われる処理は終了する。
【0032】
ステップS70において、車載機10のデータ更新制御部3は、通信装置2を介して、情報センター20から送信されたPOIデータを受信したか否かを判定する。POIデータを受信していないと判定するとステップS70で待機し、受信したと判定すると、ステップS80に進む。ステップS80において、データ更新制御部3は、受信したPOIデータを用いて、POIデータベース1に格納されているPOIデータの更新を行う。
【0033】
一実施の形態における車両用データ更新システムによれば、車載機10に送信するPOIデータの最大数を情報センター20側で規定し、規定したデータ数以下のPOIデータの情報をリスト化して、車載機10に送信し、車載機10側において、POIデータベース1に格納されているPOIデータと情報センター20のPOIデータベース22に格納されているPOIデータとの間で異なるデータを抽出して、情報センター20に送信要求を出し、情報センター20から送信されてきたPOIデータを用いて、POIデータベース1に格納されているPOIデータを更新するようにした。これにより、車載機10に送信するPOIデータの数が増大してしまうという事態が生じるのを防ぐことができる。
【0034】
地図データを所定の区域ごとに分割して、単位区域ごとにPOIデータの更新を行う従来の方法では、更新対象の区域内のPOIデータ量が多い場合に、情報センターから車載機に送信するデータ量を低減するために、単位区域を再度割り当てる等の処理を行う必要があった。しかし、一実施の形態における車両用データ更新システムでは、情報センター20側で車載機10に送信可能なPOIデータの最大数を設定するようにしたので、情報センターから車載機に送信するデータ量を容易に制限することができる。
【0035】
また、一実施の形態における車両用データ更新システムによれば、車載機10側において、POIデータベース1に格納されているPOIデータと情報センター20のPOIデータベース22に格納されているPOIデータとの間で異なるデータを抽出して、抽出したデータの送信要求を情報センター20に出すようにしたので、情報センター20における処理負荷を軽減することができる。図1では、1つの車載機10しか図示していないが、情報センター20は、複数の車載機10と通信を行うことができる。情報センター20において、車載機10側で更新が行われていないPOIデータを検出する従来のシステムでは、複数の車載機からデータ更新要求があった場合に、情報センター20の処理負荷が増大するという問題が生じてしまう。しかし、一実施の形態における車両用データ更新システムによれば、車載機10側で更新すべきデータを特定するので、情報センター20における処理負荷を軽減することができる。
【0036】
一実施の形態における車両用データ更新システムによれば、車載機10側で特定された更新対象地点を中心として、情報センター20側で予め規定した距離の範囲内のPOIデータをPOIデータベース22から抽出し、抽出したPOIデータの数が予め規定したデータ数を越える場合には、更新対象地点に近い位置にあるPOIのデータを、予め規定したデータ数だけPOIデータベース22から抽出して、POIデータの情報をリスト化するようにした。これにより、ユーザが更新を希望する更新対象地点に近い位置にあるPOIデータを優先的に更新させることができる。
【0037】
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。例えば、更新設定記憶部24に記憶されている更新条件データ、すなわち、POI検索距離データおよびPOI件数データを、地域ごとに異なる値を設定するようにしてもよい。例えば、郊外に比べて施設が多い都心部では、POI検索距離データを小さい値に設定しておくことができる。また、POI検索距離データおよびPOI件数データを、POIのジャンルごとに異なる値を設定するようにしてもよい。
【0038】
また、POI検索距離データおよびPOI件数データを固定した値とせずに、変更できるようにしてもよい。例えば、車載機10の通信装置2の通信速度や、情報センター20の通信装置21の通信速度が向上した場合には、POI件数データを大きくするように変更すれば、車載機10側で保持しているPOIデータのデータ変更数を多くすることができる。
【0039】
ユーザが更新を希望するPOIのジャンルを予め指定し、指定したジャンルのPOIデータのみを更新するようにしてもよい。この場合には、更新を希望しないPOIデータの更新を防いで、更新を希望するジャンルのPOIデータのみを効率よく更新することができる。
【0040】
POIデータベース22に登録されているPOIデータの更新時に、削除対象のPOIデータを削除せずに、削除されたことを示すフラグ等を付すようにしておいてもよい。
【0041】
上述した一実施の形態において、車載機10は、カーナビゲーション制御に利用するPOIデータを情報センター20から受信して更新するようにしたが、更新するデータは、POIデータに限られることはなく、様々な種類のデータを更新対象とすることができる。
【0042】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。車両用データ更新システムの請求項の構成要素との対応においては、POIデータベース22が第1のデータ格納手段を、POIリスト生成部25がデータ抽出手段を、通信装置21が送信手段を、POIデータベース1が第2のデータ格納手段を、差分確認部6が差分データ検出手段を、通信装置2が通信手段を、位置座標認識部4が更新対象地点取得手段をそれぞれ構成する。また、車両用データ更新装置の請求項の構成要素との対応については、POIデータベース22がデータ格納手段を、POIリスト生成部25がデータ抽出手段を、通信装置21が送信手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施の形態における車両用データ更新システムの全体構成を示す図
【図2】地図上に表示されているカーソルの一例を示す図
【図3】一実施の形態における車両用データ更新システムで行われる処理内容を示すフローチャート
【図4】カーソルの位置を中心とする半径10km/hの範囲内で検索されたPOIデータの一例を示す図、図4(b)は、図4(a)に示す更新範囲に対応した更新POIリストの一例を示す図
【図5】図5(a)は、カーソルの位置を中心として、POI検索距離データの半径10km/hの範囲内で検索されたPOIデータの別の一例を示す図、図5(b)は、図5(a)に示す更新範囲に対応した更新POIリストの一例を示す図
【図6】差分リストの作成方法を説明するための図
【符号の説明】
【0044】
1…POIデータベース、2…通信装置、3…データ更新制御部、4…位置座標認識部、5…POIリスト生成部、6…差分確認部、7…操作スイッチ、10…車載機、20…情報センター、21…通信装置、22…POIデータベース、23…データ更新制御部、24…更新設定記憶部、25…POIリスト生成部、30…カーソル、50…更新POIリスト、60…車載機側で生成されるPOIリスト、70…差分リスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機からのデータ更新要求に基づいて、車載機で保持している更新要求対象データと相違するデータを情報センターから車載機に送信する車両用データ更新システムにおいて、
情報センターは、車載機に送信するデータを複数格納する第1のデータ格納手段と、
車載機からのデータ更新要求に基づいて、情報センター側で予め規定したデータ数以下のデータを前記第1のデータ格納手段から抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段によって抽出されたデータの情報およびデータの抽出条件の情報を、データ更新要求のあった車載機に送信する送信手段とを備え、
車載機は、データを複数格納する第2のデータ格納手段と、
情報センターの前記送信手段から送信されてきたデータ情報および抽出条件の情報に基づいて、前記第1の格納手段に格納されているデータと、前記第2の格納手段に格納されているデータとの間で異なるデータを検出する差分データ検出手段と、
前記差分データ検出手段によって検出されたデータの送信要求を情報センターに出して、情報センターからデータを受信する通信手段とを備えることを特徴とする車両用データ更新システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用データ更新システムにおいて、
前記第1のデータ格納手段および前記第2のデータ格納手段にそれぞれ格納されているデータは、POIデータであり、
車載機は、POIデータを更新する対象地点を取得する更新対象地点取得手段をさらに備え、
車載機の前記通信手段は、前記更新対象地点取得手段で取得された更新対象地点の情報を情報センターに送信し、
情報センターの前記データ抽出手段は、POIデータの更新対象地点を含む所定範囲内で、前記予め規定したデータ数以下のPOIデータを前記第1のデータ格納手段から抽出することを特徴とする車両用データ更新システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用データ更新システムにおいて、
前記送信手段が送信するデータの抽出条件の情報は、前記予め規定したデータ数および前記POIデータを抽出する所定範囲に関する情報であることを特徴とする車両用データ更新システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の車両用データ更新システムにおいて、
前記予め規定したデータ数を、地域ごとに設定することを特徴とする車両用データ更新システム。
【請求項5】
請求項2〜4に記載の車両用データ更新システムにおいて、
前記予め規定したデータ数を、POIのジャンルごとに設定することを特徴とする車両用データ更新システム。
【請求項6】
車載機からのデータ更新要求に応じて、車載機で保持しているデータと相違するデータを車載機に送信する車両用データ更新装置において、
車載機に送信するデータを複数格納するデータ格納手段と、
車載機からのデータ更新要求に基づいて、予め規定したデータ数以下のデータを前記データ格納手段から抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段によって抽出されたデータの情報およびデータの抽出条件の情報を、データ更新要求のあった車載機に送信する送信手段とを備えることを特徴とする車両用データ更新装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用データ更新装置において、
前記送信手段によって送信されるデータの情報およびデータの抽出条件の情報に基づいて、前記データ格納手段に格納されているデータと車載機側で保持しているデータとの間で異なるデータが車載機で検出されて、検出されたデータの送信要求信号が車載機から送信され、
データの送信要求信号を車載機から受信すると、送信要求のあったデータを前記データ格納手段から抽出して、車載機に送信することを特徴とする車両用データ更新装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の車両用データ更新装置において、
前記データ格納手段に格納されているデータは、POIデータであり、
前記POIデータの更新対象地点の情報を車載機から受信する受信手段をさらに備え、
前記データ抽出手段は、前記受信手段で受信された更新対象地点を含む所定範囲内において、前記予め規定したデータ数以下のPOIデータを前記データ格納手段から抽出することを特徴とする車両用データ更新装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用データ更新装置において、
前記送信手段が送信するデータの抽出条件の情報は、前記予め規定したデータ数および前記POIデータを抽出する所定範囲に関する情報であることを特徴とする車両用データ更新装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の車両用データ更新装置において、
前記予め規定したデータ数を、地域ごとに設定することを特徴とする車両用データ更新装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載の車両用データ更新装置において、
前記予め規定したデータ数を、POIのジャンルごとに設定することを特徴とする車両用データ更新装置。
【請求項12】
車載機からのデータ更新要求に応じて、車載機で保持しているデータと相違するデータを情報センターから車載機に送信する車両用データ更新方法において、
情報センターは、車載機からのデータ更新要求に基づいて、車載機に送信するデータが複数格納されているデータ格納手段から、予め規定したデータ数以下のデータを抽出し、抽出したデータの情報およびデータの抽出条件の情報を、データ更新要求のあった車載機に送信し、
車載機は、情報センターから受信したデータの情報およびデータの抽出条件の情報に基づいて、保持しているデータと情報センターが保持しているデータとの間で異なるデータを検出して、検出したデータの送信要求を情報センターに出し、情報センターから送信されてくるデータを用いて、保持しているデータの更新を行うことを特徴とする車両用データ更新方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−293696(P2006−293696A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113603(P2005−113603)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】