説明

車両用案内支援装置、車両用案内支援方法及びプログラム

【課題】表示画面を見なくても検索された各施設の方向を容易に把握することが可能となる車両用案内支援装置、車両用案内支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPU41は、設定されたジャンルの施設を自車位置を中心とする所定範囲内において検索し、この検索した施設を自車位置から近い順に、当該施設の位置情報を含めてリスト化する。そして、CPU41は、このリストから近い順に所定個数の施設を抽出して、液晶ディスプレイ15に一覧表示する。また、CPU41は、自車位置を中心として、自車周辺を自車方位に対して複数の分割領域に分割し、各分割領域のそれぞれに対して各スピーカ16FL〜16RRを割り当てる。そして、CPU41は、抽出した各施設が位置する分割領域に対応した各スピーカ16FL〜16RRを自車位置から近い施設順に順次選択し、所定メッセージやブザー音等を順次出力する(S11〜S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設を検索して案内する車両用案内支援装置、車両用案内支援方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自車位置と地図情報に基づいて、施設を検索して案内する技術に関して種々提案されている。
例えば、案内経路沿いのユーザの所望する施設を検索し、出発地から当該検索された施設までの距離と、その施設を通過する通過時間を算出する。そして、当該装置は、複数の施設が検索された場合、出発地から近い順に、検索された複数の施設と、算出された距離及び通過時間とを表示するように構成された車載ナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−029811号公報(段落(0015)〜(0054)、図1〜図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車載ナビゲーション装置では、検索された複数の施設と、算出された距離及び通過時間とが、出発地から近い順に表示されるが、各施設の方向を容易に把握することが難しいという問題がある。また、運転者が出発地から近い順に施設、距離及び通過時間が表示された表示画面を運転中に見ることが難しいという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、表示画面を見なくても検索された各施設の方向を容易に把握することが可能となる車両用案内支援装置、車両用案内支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係る車両用案内支援装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段(11)と、自車方位を検出する自車方位検出手段(11)と、地図情報を記憶する地図情報記憶手段(12)と、複数のスピーカ(16FL〜16RR)と、前記自車位置と前記地図情報とに基づいて自車周辺の施設を検索する施設検索手段(13)と、前記施設検索手段によって複数の施設が検索された場合には、前記自車方位に基づいて該施設検索手段によって検索された各施設の方向に対応する前記スピーカを選択し、この選択したスピーカからの出力音によって前記自車位置から近い順に前記各施設の方向を順次報知するように制御する報知制御手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る車両用案内支援装置は、請求項1に記載の車両用案内支援装置(1)において、前記自車周辺は複数の分割領域に分割され、前記複数の分割領域のそれぞれに対して前記複数のスピーカが割り当てられており、前記各施設が前記複数の分割領域のいずれに位置するかを検出する領域検出手段(13)を有し、前記報知制御手段(13)は、前記各施設が位置する前記分割領域に割り当てられたスピーカを該各施設の方向に対応するスピーカとして選択することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る車両用案内支援装置は、請求項2に記載の車両用案内支援装置(1)において、前記複数の分割領域は、前記自車位置を中心として前記自車方位に基づいて所定角度毎に分割して設定されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る車両用案内支援装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用案内支援装置(1)において、前記報知制御手段(13)は、前記施設検索手段によって検索された複数の施設から近い順に所定個数の施設を抽出して、この抽出した各施設に関する施設情報を表示手段(15)に一覧表示すると共に、この一覧表示された各施設の方向を順次報知するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る車両用案内支援装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用案内支援装置(1)において、前記報知制御手段(13)は、前記自車位置から前記施設検索手段によって検索された各施設までの距離に基づいて前記スピーカの出力音の音量を制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係る車両用案内支援方法は、自車位置と地図情報とに基づいて自車周辺の施設を検索する施設検索工程と、前記施設検索工程で複数の施設が検索された場合には、自車方位に基づいて該施設検索工程で検索された各施設の方向に対応するスピーカを複数のスピーカから選択し、この選択したスピーカからの出力音によって前記自車位置から近い順に前記各施設の方向を順次報知するように制御する報知制御工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
更に、請求項7に係るプログラムは、コンピュータに、自車位置と地図情報とに基づいて自車周辺の施設を検索する施設検索工程と、前記施設検索工程で複数の施設が検索された場合には、自車方位に基づいて該施設検索工程で検索された各施設の方向に対応するスピーカを複数のスピーカから選択し、この選択したスピーカからの出力音によって前記自車位置から近い順に前記各施設の方向を順次報知するように制御する報知制御工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
前記構成を有する請求項1に係る車両用案内支援装置では、運転者は表示画面を見ることなく、検索された自車周辺の各施設の自車方位に対する方向を、自車位置から近い順に、スピーカの出力音によって容易に把握することが可能となり、脇見運転を防止することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に係る車両用案内支援装置では、自車周辺は複数の分割領域に分割され、この各分割領域のそれぞれに対して複数のスピーカが割り当てられ、各施設が位置する前記分割領域に割り当てられたスピーカが、該各施設の方向に対応するスピーカとして選択される。このため、運転者は表示画面を見ることなく、自車周辺の各施設の方向を、スピーカの出力音によって更に詳細に判断することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る車両用案内支援装置では、自車周辺を自車位置を中心として自車方位に基づいて所定角度毎に複数の分割領域に分割し、この各分割領域のそれぞれに対して複数のスピーカが割り当てられている。このため、運転者は表示画面を見ることなく、自車周辺の各施設の方向を、スピーカの出力音によって更に詳細に判断することが可能となる。
【0015】
また、請求項4に係る車両用案内支援装置では、抽出した各施設に関する施設情報を表示手段に自車位置から近い順に一覧表示されると共に、この一覧表示された各施設の方向が、スピーカからの出力音によって自車位置から近い順に順次報知される。これにより、運転者は、スピーカの出力音によって選択した施設に関する施設情報を一覧表示から容易に選択して確認することが可能となる。
【0016】
また、請求項5に係る車両用案内支援装置では、運転者は表示画面を見ることなく、各施設までの距離の相対比較をスピーカの音量に基づいて容易に行うことが可能となる。
【0017】
また、請求項6に係る車両用案内支援方法では、運転者は表示画面を見ることなく、検索された自車周辺の各施設の自車方位に対する方向を、自車位置から近い順に、スピーカの出力音によって容易に把握することが可能となり、脇見運転を防止することが可能となる。
【0018】
更に、請求項7に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、該コンピュータは、検索した自車周辺の各施設の自車方位に対する方向を、自車位置から近い順に、スピーカの出力音によって順次報知する。このため、運転者は表示画面を見ることなく、検索された自車周辺の各施設の自車方位に対する方向を、自車位置から近い順に、スピーカの出力音によって容易に把握することが可能となり、脇見運転を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る車両用案内支援装置、車両用案内支援方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車両2(図4参照)の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、運転者の左前に配設された左前スピーカ16FLと、運転者の右前に配設された右前スピーカ16FRと、運転者の左後ろに配設された左後スピーカ16RLと、運転者の右後ろに配設された右後スピーカ16RRと、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。また、各スピーカ16FL〜16RRを介して音楽や経路案内等に関する音声ガイダンス等が出力される。
【0021】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車位置、自車の方位(以下、「自車方位」という。)等を検出することが可能となっている。
【0022】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0023】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、店舗データとしては、各地域のホテル、レストラン、コンビニエンスストア、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記憶されている。
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0024】
ここで、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0025】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の自車両2の周辺(以下、「自車周辺」という。)の施設を案内する施設案内処理のプログラム(図2参照)等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0026】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、各スピーカ16FL〜16RR、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0027】
この操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。更に、液晶ディスプレイ15の前面部には、タッチパネルが設けられ、画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。
【0028】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、後述の食事や休憩等のジャンル別の施設案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0029】
また、各スピーカ16FL〜16RRは、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0030】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0031】
[施設案内処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、自車周辺の施設を案内する「施設案内処理」について図2乃至図4に基づいて説明する。
図2は本実施例に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、自車周辺の施設を案内する「施設案内処理」を示すフローチャートである。尚、図2にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0032】
図2に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、RAM42を初期化する。
そして、S12において、CPU41は、タッチパネル等の操作部14を介して設定されたジャンル(例えば、「食事」、「コンビニエンスストア」、「ガソリンスタンド」等である。)の施設を、自車位置を中心とする所定範囲内(例えば、半径約5km以内の領域や約5km四方の領域である。)において、地図情報DB25に格納されるナビ地図情報26から検索して、各施設の位置情報を含めてRAM42に記憶する。
【0033】
続いて、S13において、CPU41は、上記S12で検索した各施設をRAM42から読み出し、自車位置から近い順に、当該施設の位置情報を含めてリスト化し、再度RAM42に記憶する。
【0034】
そして、S14において、CPU41は、上記S13で記憶した施設のリストから近い順に所定個数の施設(例えば、近い順に5施設である。)を抽出する。
続いて、S15において、CPU41は、この抽出した所定個数の各施設の施設名、自車位置から各施設までの距離、各施設が自車位置を中心として、自車方位に対しいずれの方向に位置するか等を、近い順に液晶ディスプレイ15に一覧表示する。
【0035】
また、CPU41は、自車位置を中心として、自車周辺を自車方位に対して複数の分割領域に分割し、各分割領域のそれぞれに対して各スピーカ16FL〜16RRを割り当てる。そして、CPU41は、抽出した各施設が位置する分割領域に対応した各スピーカ16FL〜16RRを自車位置から近い施設順に順次選択する。
【0036】
そして、CPU41は、この選択した各スピーカ16FL〜16RRの選択順に、該各スピーカ16FL〜16RRから所定メッセージ(例えば、施設までの距離が1kmの場合には、「1km先です。」等である。)やブザー音等を順次出力する。
これにより、CPU41は、各スピーカ16FL〜16RRからの所定メッセージやブザー音等の出力によって、抽出した所定個数の各施設の自車位置からの方向を、自車位置から近い施設順に報知することができる。
【0037】
尚、CPU41は、各スピーカ16FL〜16RRから音楽を出力している場合には、この選択した各スピーカ16FL〜16RRの選択順に、該選択された各スピーカ16FL〜16RRからの出力音を所定時間(例えば、約3秒間である。)ずつ順次停止するようにしてもよい。
【0038】
これにより、CPU41は、各スピーカ16FL〜16RRからの音楽の出力停止によって、抽出した所定個数の各施設の自車位置からの方向を、自車位置から近い施設順に報知することができる。従って、各スピーカ16FL〜16RRから音楽が出力されている場合には、運転者は音楽が出力されていないスピーカに割り当てられた分割領域内の方向に施設が位置することを容易に把握することが可能となる。
【0039】
ここで、S15において、CPU41が抽出した5個の施設を運転者に案内する一例について図3及び図4に基づいて説明する。
図3は自車周辺の分割領域及び各スピーカの割り当ての一例を示す説明図である。図4は抽出した5個の施設を運転者に案内する一例を説明する図である。
【0040】
図3に示すように、先ず、CPU41は、自車位置2Aを中心とする所定範囲(例えば、半径約5kmの領域である。)の自車周辺を、自車方位2Bに対して左右約22.5度の略扇状の領域を第1分割領域51とし、時計方向に中心角約45度の各扇状領域に分割して、第2分割領域52、第3分割領域53、・・・、第8分割領域58として、RAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車方位2B、即ち、自車両2の進行方向に対応する第1分割領域51に左前スピーカ16FLと右前スピーカ16FRとを割り当てて、RAM42に記憶する。
【0041】
また、CPU41は、自車方位2Bに対して右斜め前の第2分割領域52に右前スピーカ16FRを割り当てて、RAM42に記憶する。また、CPU41は、自車方位2Bに対して右側の第3分割領域53に右前スピーカ16FRと右後スピーカ16RRとを割り当てて、RAM42に記憶する。また、CPU41は、自車方位2Bに対して右斜め後の第4分割領域54に右後スピーカ16RRを割り当てて、RAM42に記憶する。また、自車方位2Bに対して後側の第5分割領域55に左後スピーカ16RLと右後スピーカ16RRとを割り当てて、RAM42に記憶する。
【0042】
また、CPU41は、自車方位2Bに対して左斜め後の第6分割領域56に左後スピーカ16RLを割り当てて、RAM42に記憶する。また、CPU41は、自車方位2Bに対して左側の第7分割領域57に左前スピーカ16FLと左後スピーカ16RLとを割り当てて、RAM42に記憶する。また、CPU41は、自車方位2Bに対して左斜め前の第8分割領域58に左前スピーカ16FLを割り当てて、RAM42に記憶する。
【0043】
そして、図4に示すように、先ず、CPU41は、設定された「ジャンル:食事」を液晶ディスプレイ15の表示画面の上端縁部に表示する。また、CPU41は、自車位置から近い順にA施設61〜E施設65の5施設を、上記S13でRAM42に記憶したリストから抽出する。そして、CPU41は、各施設61〜65の施設名、自車位置から各施設61〜65までの距離、各施設61〜65への自車位置からの方向等を、自車位置から近い順に液晶ディスプレイ15に一覧表示する。
【0044】
また、液晶ディスプレイ15の表示画面の下端縁部には、各スピーカ16FL〜16RRによる各施設61〜65への自車位置からの方向の再度の案内を指示する再案内ボタン15Aが表示されている。また、再案内ボタン15Aの右側には、施設の案内を終了して地図を表示するように指示する終了ボタン15Bが表示されている。また、この終了ボタン15Bの右側には、上記S13でRAM42に記憶したリストの中に、液晶ディスプレイ15に一覧表示されている施設の次に近い施設が残っている場合には、このリストから、自車位置から次に近い順の5個の施設(例えば、自車位置から6番目〜10番目に近い施設である。)を再度、抽出して案内するように指示する次頁ボタン15Cが表示されている。尚、次頁ボタン15Cは、上記S13でRAM42に記憶したリストの中に、液晶ディスプレイ15に一覧表示されている施設の次に近い施設(例えば、自車位置から6番目に近い施設である。)が残っていない場合には、表示されない。
【0045】
また、CPU41は、先ず、A施設61はナビ地図情報26から第8分割領域58に位置すると判定して、当該第8分割領域58に割り当てられた左前スピーカ16FLを選択して、この左前スピーカ16FLから「0.5km先です」と音声出力する。続いて、CPU41は、B施設62はナビ地図情報26から第3分割領域53に位置すると判定して、当該第3分割領域53に割り当てられた右前スピーカ16FRと右後スピーカ16RRを選択して、この右前スピーカ16FRと右後スピーカ16RRから「0.8km先です」と音声出力する。
【0046】
続いて、CPU41は、C施設63はナビ地図情報26から第6分割領域56に位置すると判定して、当該第6分割領域56に割り当てられた左後スピーカ16RLを選択して、この左後スピーカ16RLから「2km先です」と音声出力する。続いて、CPU41は、D施設64はナビ地図情報26から第5分割領域55に位置すると判定して、当該第5分割領域55に割り当てられた左後スピーカ16RLと右後スピーカ16RRを選択して、この左後スピーカ16RLと右後スピーカ16RRから「2.3km先です」と音声出力する。
【0047】
更に、CPU41は、E施設65はナビ地図情報26から第1分割領域51に位置すると判定して、当該第1分割領域51に割り当てられた左前スピーカ16FLと右前スピーカ16FRを選択して、この左前スピーカ16FLと右前スピーカ16FRから「3.1km先です」と音声出力する。
【0048】
尚、各施設61〜65までの各距離の音声案内に替えて、所定時間(例えば、約1秒間である。)ブザー音をそれぞれ出力するようにしてもよい。また、自車位置から遠くなるにつれて音量を順次小さくするようにしてもよい。これにより、運転者は表示画面を見ることなく、各施設までの距離の相対比較を各スピーカ16FL〜16RRの音量に基づいて容易に行うことが可能となる。
【0049】
また、一対の各スピーカ16FL、16RLと各スピーカ16FR、16RRとの一方の対のスピーカによる音声案内を男性の声で出力し、他方の対のスピーカによる音声案内を女性の声で出力する等のように、スピーカ毎に出力態様を変更するようにしてもよい。
【0050】
続いて、図2に示すように、S16において、CPU41は、上記S14で抽出した所定個数の各施設の自車位置からの方向を各スピーカ16FL〜16RRにより再度、案内するように指示されたか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、CPU41は、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示された再案内ボタン15A(図4参照)が押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
【0051】
そして、上記S14で抽出した所定個数の各施設の自車位置からの方向を各スピーカ16FL〜16RRにより再度、案内するように指示された場合には(S16:YES)、CPU41は、S15以降の処理を再度実行する。
一方、上記S14で抽出した所定個数の各施設の自車位置からの方向を各スピーカ16FL〜16RRにより再度、案内するように指示されていない場合には(S16:NO)、CPU41は、S17の処理に移行する。
【0052】
S17において、CPU41は、上記S13でRAM42に記憶したリストから、自車位置から次に近い順の所定個数の施設(例えば、自車位置から6番目〜10番目に近い施設である。)を再度、抽出して案内するように指示されたか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、CPU41は、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示された次頁ボタン15C(図4参照)が押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
【0053】
そして、上記S13でRAM42に記憶したリストから、自車位置から次に近い順の所定個数の施設を再度、抽出して案内するように指示された場合には(S17:YES)、CPU41は、S14以降の処理を再度実行する。つまり、S14において、CPU41は、上記S13でRAM42に記憶したリストから、自車位置から次に近い順の所定個数の施設を抽出後(例えば、次に近い順の5施設を抽出する。)、S15以降の処理を実行する。
【0054】
一方、上記S13でRAM42に記憶したリストから、自車位置から次に近い順の所定個数の施設を再度、抽出して案内するように指示されていない場合には(S17:NO)、CPU41は、S18の処理に移行する。S18において、CPU41は、上記S15で所定個数の各施設の自車位置からの方向を各スピーカ16FL〜16RRの出力音により案内した後、所定時間(例えば、約30秒である。)経過したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0055】
そして、所定時間経過していない場合には(S18:NO)、CPU41は、S16以降の処理を再度実行する。
一方、所定時間経過した場合には(S18:YES)、CPU41は、当該処理を終了して、液晶ディスプレイ15の表示画面に地図を表示後、誘導経路の案内を続けて行う。
【0056】
尚、CPU41は、上記S15で所定個数の各施設の自車位置からの方向を各スピーカ16FL〜16RRの出力音により案内した後、所定時間経過するまでに(S18:NO)、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示された所定個数の各施設のうちのいずれかが押下されて選択された場合には、当該処理を終了して、この選択された施設に関する詳細情報を液晶ディスプレイ15に表示し、また、各スピーカ16FL〜16RRのうちの当該選択された施設の自車位置からの方向を案内したスピーカから、この選択された施設に関する詳細情報を音声案内するようにしてもよい。
【0057】
また、CPU41は、上記S15で所定個数の各施設の自車位置からの方向を各スピーカ16FL〜16RRの出力音により案内した後、所定時間経過するまでに(S18:NO)、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示された終了ボタン15B(図4参照)が押下された場合には、当該処理を終了して、液晶ディスプレイ15の表示画面に地図を表示後、誘導経路の案内を続けて行うようにしてもよい。
【0058】
[上記実施例の効果]
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、設定されたジャンルの施設を自車位置を中心とする所定範囲内において検索し、この検索した施設を自車位置から近い順に、当該施設の位置情報を含めてリスト化する。そして、CPU41は、このリストから近い順に所定個数の施設を抽出して、液晶ディスプレイ15に一覧表示する。また、CPU41は、自車位置を中心として、自車周辺を自車方位に対して複数の分割領域に分割し、各分割領域のそれぞれに対して各スピーカ16FL〜16RRを割り当てる。そして、CPU41は、抽出した各施設が位置する分割領域に対応した各スピーカ16FL〜16RRを自車位置から近い施設順に順次選択し、所定メッセージやブザー音等を順次出力する(S11〜S15)。
【0059】
これにより、運転者は、所望の施設のジャンルを設定した場合には、液晶ディスプレイ15の表示画面を見ることなく、該当する各施設が、自車位置を中心とする複数の分割領域のうちのいずれの分割領域内に位置するか、つまり、自車周辺の該当する各施設の自車方位に対する方向を、自車位置から近い順に、各スピーカ16FL〜16RRの出力音によって容易に把握することが可能となり、脇見運転を防止することが可能となる。
【0060】
例えば、運転者は、左前スピーカ16FLからの出力音によって、該当施設が自車位置から左前方向に位置し、各スピーカ16FL、16FRからの出力音によって、該当施設がほぼ進行方向に位置することを容易に知ることが可能となる。
【0061】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0062】
(A)上記S15において、CPU41が抽出した5個の施設を運転者に案内する他の一例について図5及び図6に基づいて説明する。
図5は自車周辺の分割領域及び各スピーカの割り当ての他の一例を示す説明図である。図6は抽出した5個の施設を運転者に案内する他の一例を説明する図である。
【0063】
図5に示すように、CPU41は、自車位置2Aを中心とする所定範囲(例えば、半径約5kmの領域である。)の自車周辺を、自車方位2Bに対して時計方向に中心角約90度毎に4分割して、第1分割領域71、第2分割領域72、第3分割領域73、第4分割領域74として、RAM42に記憶するようにしてもよい。そして、CPU41は、第1分割領域71に右前スピーカ16FRを割り当て、第2分割領域72に右後スピーカ16RRを割り当て、第3分割領域73に左後スピーカ16RLを割り当て、更に、第4分割領域74に左前スピーカ16FLを割り当てて、RAM42に記憶するようにしてもよい。
【0064】
これにより、図6に示すように、CPU41は、先ず、A施設61はナビ地図情報26から第4分割領域74に位置すると判定して、当該第4分割領域74に割り当てられた左前スピーカ16FLを選択して、この左前スピーカ16FLから「0.5km先です」と音声出力する。続いて、CPU41は、B施設62はナビ地図情報26から第1分割領域71に位置すると判定して、当該第1分割領域71に割り当てられた右前スピーカ16FRを選択して、この右前スピーカ16FRから「0.8km先です」と音声出力する。
【0065】
続いて、CPU41は、C施設63はナビ地図情報26から第3分割領域73に位置すると判定して、当該第3分割領域73に割り当てられた左後スピーカ16RLを選択して、この左後スピーカ16RLから「2km先です」と音声出力する。続いて、CPU41は、D施設64はナビ地図情報26から第3分割領域73に位置すると判定して、当該第3分割領域73に割り当てられた左後スピーカ16RLを選択して、この左後スピーカ16RLから「2.3km先です」と音声出力する。
【0066】
更に、CPU41は、E施設65はナビ地図情報26から第1分割領域71に位置すると判定して、当該第1分割領域71に割り当てられた左前スピーカ16FLを選択して、この左前スピーカ16FLから「3.1km先です」と音声出力する。
【0067】
これにより、運転者は、所望の施設のジャンルを設定した場合には、液晶ディスプレイ15の表示画面を見ることなく、該当する各施設61〜65が、自車位置を中心とする各分割領域71〜74のうちのいずれの分割領域内に位置するか、つまり、自車周辺の該当する各施設61〜65への自車方位に対する方向を、自車位置から近い順に、各スピーカ16FL〜16RRの出力音によって容易に把握することが可能となり、脇見運転を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、自車周辺の施設を案内する「施設案内処理」を示すフローチャートである。
【図3】自車周辺の分割領域及び各スピーカの割り当ての一例を示す説明図である。
【図4】抽出した5個の施設を運転者に案内する一例を説明する図である。
【図5】自車周辺の分割領域及び各スピーカの割り当ての他の一例を示す説明図である。
【図6】抽出した5個の施設を運転者に案内する他の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0069】
1 ナビゲーション装置
2 自車両
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
15A 再案内ボタン
15B 終了ボタン
15C 次頁ボタン
16FL 左前スピーカ
16FR 右前スピーカ
16RL 左後スピーカ
16RR 右後スピーカ
25 地図情報DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51、71 第1分割領域
52、72 第2分割領域
53、73 第3分割領域
54、74 第4分割領域
55 第5分割領域
56 第6分割領域
57 第7分割領域
58 第8分割領域
61 A施設
62 B施設
63 C施設
64 D施設
65 E施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
自車方位を検出する自車方位検出手段と、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
複数のスピーカと、
前記自車位置と前記地図情報とに基づいて自車周辺の施設を検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段によって複数の施設が検索された場合には、前記自車方位に基づいて該施設検索手段によって検索された各施設の方向に対応する前記スピーカを選択し、この選択したスピーカからの出力音によって前記自車位置から近い順に前記各施設の方向を順次報知するように制御する報知制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両用案内支援装置。
【請求項2】
前記自車周辺は複数の分割領域に分割され、前記複数の分割領域のそれぞれに対して前記複数のスピーカが割り当てられており、前記各施設が前記複数の分割領域のいずれに位置するかを検出する領域検出手段を有し、
前記報知制御手段は、前記各施設が位置する前記分割領域に割り当てられたスピーカを該各施設の方向に対応するスピーカとして選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用案内支援装置。
【請求項3】
前記複数の分割領域は、前記自車位置を中心として前記自車方位に基づいて所定角度毎に分割して設定されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用案内支援装置。
【請求項4】
前記報知制御手段は、前記施設検索手段によって検索された複数の施設から近い順に所定個数の施設を抽出して、この抽出した各施設に関する施設情報を表示手段に一覧表示すると共に、この一覧表示された各施設の方向を順次報知するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用案内支援装置。
【請求項5】
前記報知制御手段は、前記自車位置から前記施設検索手段によって検索された各施設までの距離に基づいて前記スピーカの出力音の音量を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用案内支援装置。
【請求項6】
自車位置と地図情報とに基づいて自車周辺の施設を検索する施設検索工程と、
前記施設検索工程で複数の施設が検索された場合には、自車方位に基づいて該施設検索工程で検索された各施設の方向に対応するスピーカを複数のスピーカから選択し、この選択したスピーカからの出力音によって前記自車位置から近い順に前記各施設の方向を順次報知するように制御する報知制御工程と、
を備えたことを特徴とする車両用案内支援方法。
【請求項7】
コンピュータに、
自車位置と地図情報とに基づいて自車周辺の施設を検索する施設検索工程と、
前記施設検索工程で複数の施設が検索された場合には、自車方位に基づいて該施設検索工程で検索された各施設の方向に対応するスピーカを複数のスピーカから選択し、この選択したスピーカからの出力音によって前記自車位置から近い順に前記各施設の方向を順次報知するように制御する報知制御工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−180510(P2009−180510A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17084(P2008−17084)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】