説明

車両用表示装置

【課題】カメラの撮像により得られた画像から適切な情報を認識させる。
【解決手段】他車両検知部21により検知された他車両に対し、距離取得部22から出力される実車間距離が所定距離以下である場合または車速算出部23から出力される相対速度が所定速度以下である場合、あるいは、他車両検知部21により検知された各画像中の他車両に係る輝度が所定輝度以上である場合には、各画像中の領域のうち、少なくとも他車両以外の領域(例えば、予め各画像中に設定された所定領域αの左右の側方領域L,R等)を表示部14にて表示させる表示領域として設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自車両の前方の走行環境に応じて、自車両の外界を撮像するカメラの画角を変更する車両用表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−81610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術に係る車両用表示装置においては、自車両の前方の走行環境として、例えば先行車両に対する車間距離や自車両の速度等に応じて、カメラの画角が変更されるだけであるから、例えば広角側に画角が変更された場合には撮像画像中の情報量は増大することになる。しかしながら、単に、撮像画像中の情報量が増大するだけでは、撮像画像中の各情報に対する注意が散漫となってしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、カメラの撮像により得られた画像から適切な情報を認識させることが可能な車両用表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両用表示装置は、自車両の進行方向前方を撮像する撮像手段(例えば、実施の形態で可視カメラ11a、赤外カメラ12a)と、前記撮像手段にて撮像された画像の少なくとも一部を表示する表示手段(例えば、実施の形態で表示部14)とを備えた車両用表示装置であって、前記撮像手段にて撮像された画像中に存在する他車両を検知する他車両検知手段(例えば、実施の形態で他車両検知部21)と、前記他車両検知手段にて検知された他車両に対する自車両の相対的な車両状態を検出する車両状態検出手段(例えば、実施の形態で車両状態センサ15)と、前記車両状態検出手段による検出結果に応じて、前記撮像手段にて撮像された画像から前記表示手段にて表示する画像表示領域を設定する画像表示領域設定手段(例えば、実施の形態で表示領域設定部26)とを備える。
【0005】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用表示装置では、前記車両状態検出手段は、前記他車両検知手段にて検知された他車両までの実空間での距離を検出する距離検出手段(例えば、実施の形態で距離センサ、距離取得部22)を備え、前記画像表示領域設定手段は、前記距離算出手段にて検出された距離が所定距離以下である場合は、前記画像中の領域のうち、少なくとも前記他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定する。
【0006】
さらに、本発明の第3態様に係る車両用表示装置では、前記車両状態検出手段は、少なくとも自車両の速度を検出する速度検出手段(例えば、実施の形態で車速センサ、車速算出部23)を備え、前記画像表示領域設定手段は、前記距離算出手段にて検出された距離が所定距離以下、かつ、前記速度検出手段にて検知された少なくとも自車両の速度が所定速度以下である場合は、前記画像中の領域のうち、少なくとも前記他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定する。
【0007】
また、本発明の第4態様に係る車両用表示装置は、自車両の進行方向前方を撮像する撮像手段(例えば、実施の形態で可視カメラ11a、赤外カメラ12a)と、前記撮像手段にて撮像された画像の少なくとも一部を表示する表示手段(例えば、実施の形態で表示部14)とを備えた車両用表示装置であって、前記撮像手段にて撮像された画像中に存在する他車両を検知する他車両検知手段(例えば、実施の形態で他車両検知部21)と、前記撮像手段にて撮像された画像中の領域のうち、前記他車両検知手段にて検知された他車両に係る領域の輝度を検知する輝度検知手段(例えば、実施の形態で第1輝度算出部24,第2輝度算出部25)と、前記輝度検知手段にて検知された輝度が所定輝度以上である場合は、前記画像中の領域のうち、少なくとも前記他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定する画像表示領域設定手段(例えば、実施の形態で表示領域設定部26)とを備える。
【0008】
さらに、本発明の第5態様に係る車両用表示装置では、前記画像表示領域は、前記他車両検知手段にて検知された他車両の左右の領域である。
【0009】
さらに、本発明の第6態様に係る車両用表示装置では、前記表示手段は、前記画像表示領域を拡大して表示する。
【0010】
さらに、本発明の第7態様に係る車両用表示装置では、前記撮像手段は、可視カメラ(例えば、実施の形態での可視カメラ11a)と赤外カメラ(例えば、実施の形態で赤外カメラ12a)からなり、前記画像表示領域設定手段は、前記可視カメラによって撮像される可視画像と前記赤外カメラによって撮像される赤外画像とを重畳した重畳画像に対して前記表示手段にて表示する前記画像表示領域を設定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1態様に係る車両用表示装置によれば、車両状態検出手段による検出結果に応じて、撮像手段にて撮像された画像から表示手段にて表示する画像表示領域を設定することから、他車両に対する自車両の相対的な車両状態に応じて、重要度が相対的に高い情報を含む領域が画像中で変動する場合であっても、適切な領域を表示することができる。
【0012】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用表示装置によれば、距離算出手段にて検出された距離が所定距離以下である場合は、画像中の領域のうち、少なくとも他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定することから、例えば画像表示領域において先行車両等の他車両の大きさが過剰に大きくなり、この他車両の存在を示す情報以外の他の情報、例えば他車両の側方から自車両の進行方向前方を横切る歩行者の存在を示す情報や、例えば他車両の側方を通過して他車両を追い抜く自動2輪車等の存在を示す情報等を取得することが困難となることを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明の第3態様に係る車両用表示装置によれば、距離算出手段にて検出された距離が所定距離以下である場合、かつ、速度検出手段にて検出された、少なくとも自車両の速度(つまり、自車両および他車両の速度でもよい)が所定速度以下である場合は、画像中の領域のうち、少なくとも他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定することから、例えば渋滞時等であって、画像表示領域において先行車両等の他車両の大きさが過剰に大きくなり、この他車両の存在を示す情報以外の他の情報、例えば他車両の側方から自車両の進行方向前方を横切る歩行者の存在を示す情報や、例えば他車両の側方を通過して他車両を追い抜く自動2輪車等の存在を示す情報等を取得することが困難となることを防止することができる。
【0014】
また、本発明の第4態様に係る車両用表示装置によれば、撮像手段にて撮像された画像中の領域のうち、他車両検知手段にて検知された他車両に係る領域の輝度が所定輝度以上である場合は、画像中の領域のうち、少なくとも他車両以外の領域を画像表示領域として設定することから、例えば画像表示領域において先行車両等の他車両の車幅灯や尾灯に起因して視認性が過剰に低下してしまうことを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明の第5態様に係る車両用表示装置によれば、例えば他車両の側方から自車両の進行方向前方を横切る歩行者の存在を示す情報や、例えば他車両の側方を通過して他車両を追い抜く自動2輪車等の存在を示す情報等を取得することができる。
さらに、本発明の第6態様に係る車両用表示装置によれば、画像表示領域の視認性を向上させることができる。
さらに、本発明の第7態様に係る車両用表示装置によれば、重畳画像の視認性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用表示装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両用表示装置10は、例えば図1に示すように、可視外界センサ11と、赤外外界センサ12と、処理装置13と、表示部14と、車両状態センサ15とを備えて構成されている。
さらに、処理装置13は、例えば他車両検知部21と、距離取得部22と、車速算出部23と、第1輝度算出部24と、第2輝度算出部25と、表示領域設定部26と、重畳画像生成部27とを備えて構成されている。
【0017】
可視外界センサ11は、例えば可視光領域にて撮像可能な可視カメラ11aおよび画像処理部11bとを備えて構成されている。
また、赤外外界センサ12は、例えば赤外線領域にて撮像可能な赤外カメラ12aおよび画像処理部12bとを備えて構成され、赤外カメラ12aは可視カメラ11aにて撮像する領域の少なくとも一部を含む領域を撮像する。
そして、各画像処理部11b,12bは、各カメラ11a,12aにより撮影して得た自車両の進行方向の外界の各画像に対して、例えばフィルタリングや二値化処理等の所定の画像処理を行い、二次元配列の画素からなる各画像のデータを生成して処理装置13へ出力する。
【0018】
車両状態センサ15は、自車両の車両情報として、例えば自車両の速度(車速)を検出する車速センサや、例えばミリ波レーダ等により自車両の外界の物体(例えば、先行車両等)までの距離を検出する距離センサ等を備えて構成されている。
【0019】
処理装置13の他車両検知部21は、可視外界センサ11から出力される可視画像に対する所定の画像認識処理等により、可視画像中に存在する他車両(例えば、先行車両等)を検知する。
距離取得部22は、車両状態センサ15の距離センサから出力される自車両の外界の物体までの距離の検出値と、他車両検知部21による他車両の検知結果とに基づき、自車両と他車両との実車間距離を取得する。
車速算出部23は、車両状態センサ15の車速センサから出力される自車両の車速を取得すると共に、車両状態センサ15の距離センサから出力される自車両の外界の物体までの距離の検出値の時間変化等に基づき、他車両の速度を算出する。
【0020】
第1輝度算出部24は、可視外界センサ11から出力される可視画像の各画素の輝度に基づき、例えば図2(a)に示す所定領域αのように、可視画像中に予め設定された所定領域の平均輝度等からなる輝度レベルを算出する。
【0021】
第2輝度算出部25は、赤外外界センサ12から出力される赤外画像の各画素の輝度に基づき、例えば赤外画像中に予め設定された所定領域の平均輝度等からなる輝度レベルを算出する。
【0022】
表示領域設定部26は、例えば、他車両検知部21による他車両の検知結果と、距離取得部22から出力される自車両と他車両との実車間距離と、車速算出部23から出力される自車両および他車両の速度と、各輝度算出部24,25から出力される各画像の輝度レベルとに基づき、表示部14に表示する各画像の表示領域を設定する。
表示領域設定部26は、例えば図2(a)に示す可視画像中の所定領域αのように、各画像中に予め設定された所定領域を、例えば図2(b)に示すように、表示部14に表示する表示領域として設定しており、この所定領域は、例えば自車両の進行方向前方の先行車両を主に含む領域とされている。
【0023】
そして、表示領域設定部26は、例えば他車両検知部21により検知された他車両(例えば、先行車両等)に対し、距離取得部22から出力される実車間距離が所定距離以下である場合には、各画像中に予め設定された所定領域において先行車両の領域が過剰に大きくなると判断して、例えば図3(a)に示す所定領域αの左右に設定された側方領域L,R等のように、他の所定領域を表示部14に表示する表示領域として新たに設定する。例えば図3(a)に示す側方領域L,Rは、予め設定された所定領域αにおいて先行車両の大きさが所定値に到達した状態で、この先行車両の左右の側方領域を主に含む領域とされている。
【0024】
さらに、表示領域設定部26は、例えば他車両検知部21により検知された他車両(例えば、先行車両等)に対し、車速算出部23から出力される自車両および先行車両の速度が所定速度以下である場合(例えば、渋滞時等)には、各画像中に予め設定された所定領域において先行車両の領域が過剰に大きくなると共に、先行車両に対する注意喚起の重要度が相対的に低くなり、例えば先行車両の左右の領域での歩行者や二輪車等に対する注意喚起の重要度が相対的に高くなると判断して、例えば図3(a)に示す所定領域αの左右に設定された側方領域L,R等のように、他の所定領域を表示部14に表示する表示領域として新たに設定する。
また、表示領域設定部26は、例えば各輝度算出部24,25から出力される各画像の輝度レベルに基づき、他車両検知部21により検知された他車両(例えば、先行車両等)に係る輝度が所定輝度以上である場合には、各画像中に予め設定された所定領域において先行車両の車幅灯や尾灯等に起因して視認性が過剰に低下すると判断して、例えば図3(a)に示す所定領域αの左右に設定された側方領域L,R等のように、他の所定領域を表示部14に表示する表示領域として新たに設定する。
【0025】
そして、表示領域設定部26は、各画像に対して設定した表示領域を、重畳画像生成部27またはモニター等からなる表示部14に出力する。
なお、表示領域設定部26は、例えば図3(a)に示す所定領域αの左右に設定された側方領域L,R等のように、各画像中に予め設定された所定領域の代わりに、複数の他の所定領域を表示領域として新たに設定した場合には、例えば図3(b)に示すように、複数の他の所定領域を適宜に隣接配置した状態で出力する。
【0026】
重畳画像生成部27は、表示領域設定部26から出力される可視画像および赤外画像の各表示領域を重畳して、重畳画像を生成する。
そして、重畳画像生成部27は、生成した重畳画像を、モニター等からなる表示部14に出力する。
なお、表示部14は、表示領域設定部26から入力される各画像の表示領域または重畳画像生成部27から入力される重畳画像を適宜に拡大して表示する。
【0027】
本実施の形態による車両用表示装置10は上記構成を備えており、次に、この車両用表示装置10の動作について説明する。
【0028】
先ず、図4に示すステップS01においては、自車両の進行方向前方の外界領域の可視画像および赤外画像を取得する。
次に、ステップS02においては、可視画像または赤外画像中に先行車両が存在するか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
【0029】
そして、ステップS03においては、先行車両に対する自車両の実車間距離と、自車両および先行車両の速度を取得する。
そして、ステップS04においては、実車間距離が所定距離以下であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS07に進む。
【0030】
そして、ステップS05においては、自車両および先行車両の速度が所定速度以下であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS08に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS06に進む。
【0031】
そして、ステップS06においては、可視画像または赤外画像中の先行車両を含む所定領域の輝度が所定輝度以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS08に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進む。
そして、ステップS07においては、各画像中に予め設定された所定領域を表示部14に表示する表示領域として設定し、この表示領域を表示部14にて拡大表示して、一連の処理を終了する。
【0032】
また、ステップS08においては、各画像中に予め設定された所定領域の代わりに、他の所定領域を表示部14に表示する表示領域として新たに設定し、この表示領域を表示部14にて拡大表示して、一連の処理を終了する。
【0033】
上述したように、本実施の形態による車両用表示装置10によれば、他車両検知部21により検知された他車両(例えば、先行車両等)に対し、距離取得部22から出力される実車間距離が所定距離以下である場合、かつ、車速算出部23から出力される自車両および先行車両の速度が所定速度以下である場合は、各画像中の領域のうち、少なくとも先行車両以外の領域(例えば、予め設定された所定領域αの左右に設定された側方領域L,R)を表示領域として設定することから、例えば表示領域において先行車両等の他車両の大きさが過剰に大きくなり、この他車両の存在を示す情報以外の他の情報、例えば他車両の側方から自車両の進行方向前方を横切る歩行者の存在を示す情報や、例えば他車両の側方を通過して他車両を追い抜く自動2輪車等の存在を示す情報等を取得することが困難となることを防止することができ、車両の乗員に対して適切な注意喚起を行うことができる。
また、他車両検知部21により検知された他車両(例えば、先行車両等)に係る輝度が所定輝度以上である場合には、各画像中の領域のうち、少なくとも先行車両以外の領域(例えば、予め設定された所定領域αの左右に設定された側方領域L,R)を表示領域として設定することから、例えば予め設定された所定領域αにおいて先行車両の車幅灯や尾灯等に起因して視認性が過剰に低下することを防止することができる。
【0034】
なお、上述した実施の形態において、距離取得部22は、車両状態センサ15の距離センサから出力される検出値に基づき、実車間距離を取得するとしたが、これに限定されず、例えば赤外外界センサ12の赤外カメラ12aがステレオカメラである場合や、赤外カメラ12が複数のカメラを備えて構成される場合には、複数の画像データに基づく三角測量法等により自車両の外界の物体までの距離を算出してもよい。
【0035】
なお、上述した実施の形態においては、図4に示すステップS05において、単に、自車両の速度が所定速度以下であるか否かを判定してもよい。
また、上述した実施の形態においては、図4に示すステップS06は省略してもよい。
また、上述した実施の形態においては、図4に示すステップS05およびステップS06を省略してもよい。この場合には、図4に示すステップS04での判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進み、一方、ステップS04での判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進む。
また、上述した実施の形態においては、図4に示すステップS04およびステップS05を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用表示装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る可視画像中に予め設定された所定領域αを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る可視画像中に予め設定された所定領域αの左右に設定された側方領域L,Rを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用表示装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
10 車両用表示装置
11a 可視カメラ(撮像手段)
12a 赤外カメラ(撮像手段)
14 表示部(表示手段)
15 車両状態センサ(車両状態検出手段、距離検出手段、速度検出手段)
21 他車両検知部(他車両検知手段)
23 車速算出部(速度検出手段)
22 距離取得部(距離検出手段)
24 第1輝度算出部(輝度検知手段)
25 第2輝度算出部(輝度検知手段)
26 表示領域設定部(画像表示領域設定手段)
27 重畳画像生成部(重畳手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の進行方向前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段にて撮像された画像の少なくとも一部を表示する表示手段とを備えた車両用表示装置であって、
前記撮像手段にて撮像された画像中に存在する他車両を検知する他車両検知手段と、
前記他車両検知手段にて検知された他車両に対する自車両の相対的な車両状態を検出する車両状態検出手段と、
前記車両状態検出手段による検出結果に応じて、前記撮像手段にて撮像された画像から前記表示手段にて表示する画像表示領域を設定する画像表示領域設定手段とを備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記車両状態検出手段は、前記他車両検知手段にて検知された他車両までの実空間での距離を検出する距離検出手段を備え、
前記画像表示領域設定手段は、前記距離算出手段にて検出された距離が所定距離以下である場合は、前記画像中の領域のうち、少なくとも前記他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記車両状態検出手段は、少なくとも自車両の速度を検出する速度検出手段を備え、
前記画像表示領域設定手段は、前記距離算出手段にて検出された距離が所定距離以下、かつ、前記速度検出手段にて検知された少なくとも自車両の速度が所定速度以下である場合は、前記画像中の領域のうち、少なくとも前記他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定することを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
自車両の進行方向前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段にて撮像された画像の少なくとも一部を表示する表示手段とを備えた車両用表示装置であって、
前記撮像手段にて撮像された画像中に存在する他車両を検知する他車両検知手段と、
前記撮像手段にて撮像された画像中の領域のうち、前記他車両検知手段にて検知された他車両に係る領域の輝度を検知する輝度検知手段と、
前記輝度検知手段にて検知された輝度が所定輝度以上である場合は、前記画像中の領域のうち、少なくとも前記他車両検知手段にて検知された他車両以外の領域を画像表示領域として設定する画像表示領域設定手段とを備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項5】
前記画像表示領域は、前記他車両検知手段にて検知された他車両の左右の領域であることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1つに記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記画像表示領域を拡大して表示することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記撮像手段は、可視カメラと赤外カメラからなり、
前記画像表示領域設定手段は、前記可視カメラによって撮像される可視画像と前記赤外カメラによって撮像される赤外画像とを重畳した重畳画像に対して前記表示手段にて表示する前記画像表示領域を設定することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1つに記載の車両用表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−244906(P2008−244906A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83208(P2007−83208)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】