説明

車両運転支援装置および車両運転支援方法

【課題】自車両の前端部に対する左右の側方の領域の状況を簡便かつ適切に確認することができる「車両運転支援装置および車両運転支援方法」を提供することを目的とするものである。
【解決手段】車載カメラ11の撮影映像3に含まれる物体に対する車両の姿勢を検出する姿勢検出装置17と、この姿勢検出装置17の検出結果に基づいて、車両の姿勢にかかわらずに状況確認に必要とみなされる領域を含み、物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような第1の画像1および第2の画像2を生成する画像生成装置18と、この画像生成装置18によって生成された画像1,2を合成して表示部14に表示する画像合成装置20とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運転支援装置および車両運転支援方法に係り、特に、車両の前端部に対する左側方および右側方の領域の状況を確認するための画像を表示することによって車両の運転を支援するのに好適な車両運転支援装置および車両運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、魚眼レンズ等の超広角レンズを備えた車載カメラによって撮影された映像を用いて、自車両の周辺の状況を確認するための種々の画像を生成し、生成された画像を車内のディスプレイに表示することによって、自車両の周辺の死角を低減して自車両の安全かつ円滑な運転を支援するシステムが採用されるようになった。
【0003】
このようなシステムによる画像の表示の一態様としては、図15に示すように、自車両の前端部に対する左側方の領域(実世界上の領域)の状況を確認するための第1の画像1と、自車両の前端部に対する右側方の領域(実世界上の領域)の状況を確認するための第2の画像2とをディスプレイの表示領域4に左右に並列させた状態として同時に表示することが行われており、このような画像1,2は、特に、交差点進入時における安全確認に活用されていた。
【0004】
ここで、図15に示す2つの画像1,2は、自車両が図16に示すようなT字路の交差点に直進状態で進入した際に、自車両に搭載された図示しない車載カメラによって、図16に示すような自車両の前方から自車両の前端部に対する左右の両側方にわたる広視野角の撮影領域Rを撮影し、この撮影によって得られた図17に示す撮影映像3を用いて生成されたものである。
【0005】
すなわち、図15に示す第1の画像1は、図17の撮影映像3のうちの予め設定された所定の範囲内の映像5を切り出すことによって生成されるようになっていた。
【0006】
また、図15に示す第2の画像2も、図17の撮影映像3のうちの予め設定された所定の範囲内の映像6を切り出すことによって生成されるようになっていた。
【0007】
このようにして生成された第1の画像1には、自車両が図16の交差点において左折する際における進入先の車道、この車道に沿った歩道および縁石が含まれている。また、第2の画像2には、自車両が図16の交差点において左折する場合における進入先の車道に対する進行方向後方の車道、この車道に沿った歩道および縁石が含まれている。
【0008】
したがって、ユーザは、これらの画像1,2を見ることによって、交差点における自車両の左右からの人や車両の往来を確認することができるようになっていた。
【0009】
【特許文献1】特開2007−299047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来は、車載カメラの撮像映像3における第1の画像1の生成に用いられる映像5と、車載カメラの撮像映像3における第2の画像2の生成に用いられる映像6とが、ともに予め設定された一定の範囲内の映像に固定されていたため、自車両の周辺の物体に対する自車両の姿勢によっては、ユーザが確認したい領域の状況を簡便かつ適切に確認することができない場合があった。
【0011】
例えば、図18に示すように、自車両が図16に示したものと同様の交差点に、進入先の道路の方向(図18における左方向)に傾きを有した状態で進入した場合には、図18に示すように、車載カメラの撮影領域Rも、図16に示したものよりも進入先の道路の方向に傾くことになる。これにともなって、図19に示すように、車載カメラの撮影映像3には、図17の場合には含まれていなかった自車両の左側方に存在する塀が大きく映り込むことになる。
【0012】
そして、従来は、このような場合においても、第1の画像1の生成に用いられる映像5が、図17に示したものと同一の座標範囲(画素領域)内の映像5に固定されており、また、第2の画像2の生成に用いられる映像6も、図17に示したものと同一の座標範囲内の映像6に固定されていた。
【0013】
したがって、このような図19に示す撮影映像3を用いて生成された第1の画像1は、図20に示すように、自車両の左側方に存在する不要な塀が占める割合が高く、肝心な進入先の車道や歩道については、画像1中に含まれる範囲が不十分なものとなっているため、進入先の道路周辺の状況を適切に確認することが困難なものとなっている。
【0014】
また、図20に示す第1の画像1および第2の画像2は、画像1,2上における物体の角度がディスプレイへの表示状態において互いに左右非対称なものとなっている。具体的には、図20に示す第1の画像1および第2の画像2には、いずれも実世界において互いに直線上に位置する歩道の白線がそれぞれ含まれているが、図20においては、第1の画像1における歩道の白線の長手方向が画像横幅方向に対してなす角度(但し、図20における時計回りを正とする角度)が、第2の画像2における歩道の白線の長手方向が画像横幅方向に対してなす角度(但し、図20における反時計回りを正とする角度)よりも大きくなっている。つまり、図20においては、第1の画像1の方が第2の画像2よりも画像上における物体の角度が大きくなっている。
【0015】
したがって、ユーザは、実世界上の交差点における往来の方向と、画像1,2上における往来の方向との整合をとることが困難となり、交差点における左右の往来の状況を簡便かつ適切に確認することが困難となっていた。
【0016】
このような状況は、T字路あるいは十字路の交差点に対して自車両が傾いた状態で進入した場合に限らず、例えば、図21に示すように、Y字路の交差点のような自車両(進入元の道路)に対して道路形状が左右非対称の道路の交差点に自車両が直進状態で進入する場合にも生じていた。
【0017】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、自車両の前端部に対する左右の側方の領域の状況を簡便かつ適切に確認することができる車両運転支援装置および車両運転支援方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車両運転支援装置は、車両に搭載され、前記車両の前方から前記車両の前端部に対する左右の両側方にわたる広視野角の撮影領域を撮影可能とされた車載カメラと、この車載カメラの撮影映像に基づいて、前記車両の前端部に対する左側方の領域の状況を確認するための第1の画像および前記車両の前端部に対する右側方の領域の状況を確認するための第2の画像を生成し、生成された第1の画像および第2の画像を表示部に左右に並列させた状態として同時に表示する画像表示処理装置とを備え、前記第1の画像および前記第2の画像を表示することによって前記車両の運転を支援することが可能とされた車両運転支援装置であって、前記画像表示処理装置は、前記車載カメラの撮影映像に基づいて、当該撮影映像に含まれる物体に対する前記車両の姿勢を検出する姿勢検出装置と、この姿勢検出装置の検出結果に基づいて、前記第1の画像および前記第2の画像として、前記車両の姿勢にかかわらずに状況確認が必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成する画像生成装置と、この画像生成装置によって生成された前記第1の画像および前記第2の画像を合成して前記表示部に表示する画像合成装置とを備えたことを特徴としている。
【0019】
そして、このような構成によれば、画像表示処理装置により、姿勢検出装置の検出結果に基づいて、車両の姿勢にかかわらずに状況確認に必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような第1の画像および第2の画像を表示することができるので、自車両の前端部に対する左右の側方の領域の状況を簡便かつ適切に確認することができる。
【0020】
また、前記画像生成装置は、前記車載カメラの撮影映像から、前記姿勢検出装置の検出結果に応じた範囲に属するような前記第1の画像の元となる第1の元画像と、前記姿勢検出装置の検出結果に応じた範囲に属するような前記第2の画像の元となる第2の元画像とをそれぞれ取得し、取得された前記第1の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第1の画像が表示される第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うとともに、取得された前記第2の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第2の画像が表示される第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成するように形成されていてもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、画像生成装置により、第1の元画像および第2の元画像に対して縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような第1の画像および第2の画像をそれぞれ生成することができるので、第1の画像および第2の画像の生成に要する処理を簡素化することができる。
【0022】
さらに、前記車両運転支援装置本体は、予め設定された前記第1の表示範囲であって前記表示部の表示領域における左側に位置する矩形の第1の表示範囲の情報が記憶された第1の表示範囲記憶装置と、予め設定された前記第2の表示範囲であって前記表示部の表示領域における右側に位置する前記第1の表示範囲と縦横の寸法比が同一の矩形の第2の表示範囲の情報が記憶された第2の表示範囲記憶装置と、予め設定された前記第1の表示範囲中に仮想的に位置する前記第1の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第1の表示基準線分であって、その左端部が前記第1の表示範囲の左端辺を所定の割合で分割し、その右端部が前記第1の表示範囲の右下端部に至るような第1の表示基準線分の情報が記憶された第1の表示基準線分記憶装置と、予め設定された前記第2の表示範囲中に仮想的に位置する前記第2の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第2の表示基準線分であって、その右端部が前記第2の表示範囲の右端辺を前記所定の割合で分割し、その左端部が前記第2の表示範囲の左下端部に至るような第2の表示基準線分の情報が記憶された第2の表示基準線分記憶装置と、予め設定された前記車載カメラの撮像範囲における前記第1の元画像を取得するための第1の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の角度範囲の情報が記憶された第1の角度範囲記憶装置と、予め設定された前記車載カメラの撮像範囲における前記第2の元画像を取得するための第2の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の角度範囲の情報が記憶された第2の角度範囲記憶装置とを備え、前記姿勢検出装置は、前記車載カメラの撮影映像から、当該撮影映像中の物体の区切りとみなされる特徴線を抽出する特徴線抽出装置と、この特徴線抽出装置によって抽出された前記特徴線からなる画像における左側から中央側に向かって、前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の楕円上の線分に近似することが可能な第1の線分を順次検索する第1の検索装置と、前記特徴線抽出装置によって抽出された前記特徴線からなる画像における右側から中央側に向かって、前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の楕円上の線分に近似することが可能な第2の線分を順次検索する第2の検索装置とを備え、前記車両の姿勢を、前記第1の検索装置および前記第2の検索装置の検索結果として検出するように形成され、前記画像生成装置は、前記第1の検索装置によって検索された前記第1の線分を前記第1の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第1の線分と前記第1の角度範囲記憶装置に記憶された前記第1の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第1の元画像を取得するための矩形の第1の取得範囲として、その右下端部に、前記第1の楕円に含まれる第1の楕円弧であって前記第1の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第1の線分を含むような第1の楕円弧の右端部かつ下端部が位置され、その左端辺を、前記近似後の第1の線分が前記所定の割合で分割するような第1の取得範囲を抽出する第1の取得範囲抽出装置と、前記第2の検索装置によって検索された前記第2の線分を前記第2の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第2の線分と前記第2の角度範囲記憶装置に記憶された前記第2の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第2の元画像を取得するための矩形の第2の取得範囲として、その左下端部に、前記第2の楕円に含まれる第2の楕円弧であって前記第2の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第2の線分を含むような第2の楕円弧の左端部かつ下端部が位置され、その右端辺を、前記近似後の第2の線分が前記所定の割合で分割するような第2の取得範囲を抽出する第2の取得範囲抽出装置と、前記車載カメラの撮影映像における前記第1の取得範囲抽出装置によって抽出された前記第1の取得範囲に対応する映像を前記第1の元画像として取得し、取得された前記第1の元画像に対して前記第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第1の画像を生成する第1の元画像寸法変更装置と、前記車載カメラの撮影映像における前記第2の取得範囲抽出装置によって抽出された前記第2の取得範囲に対応する映像を前記第2の元画像として取得し、取得された前記第2の元画像に対して前記第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第2の画像を生成する第2の元画像寸法変更装置とを備えるようにしてもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、姿勢検出装置により、車両の姿勢を、車載カメラの撮影映像から抽出された特徴線を用いた第1の線分および第2の線分の検索結果として取得し、画像生成装置により、第1の元画像を、第1の線分と予め設定された第1の角度範囲とに基づいて抽出された第1の取得範囲を用いて取得し、第2の元画像を、第2の線分と予め設定された第2の角度範囲とに基づいて抽出された第2の取得範囲を用いて取得し、第1の元画像に対して縦横の寸法の変更を行うことによって第1の画像を生成し、第2の元画像に対して縦横の寸法の変更を行うことによって第2の画像を生成することができるので、第1の画像および第2の画像を画像処理によって簡便かつ適切に生成することができる。
【0024】
さらにまた、前記特徴線抽出装置は、前記車載カメラの撮影映像における隣接する画素との色差が閾値以上となる箇所を前記特徴線として抽出するように形成されていてもよい。
【0025】
そして、このような構成によれば、車載カメラの撮影映像における隣接する画素との色差が閾値以上となる箇所を特徴線として抽出することによって、姿勢検出装置による車両の姿勢の検出を画像処理によって簡便かつ適切に行うことができる。
【0026】
また、前記特徴線抽出装置は、抽出された前記特徴線を一旦太線化して当該特徴線の途切れ目を補間した後に、前記太線化された前記特徴線を細線化して元の太さに戻すことによって、所定画素数以下の途切れ目を有しない状態の前記特徴線を抽出するように形成されていてもよい。
【0027】
そして、このような構成によれば、途切れ目が補間された特徴線を抽出することができるので、姿勢検出装置による車両の姿勢の検出をさらに確実に行うことができる。
【0028】
さらに、前記第1の検索装置は、前記第1の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第1の線分を検索するように形成され、前記第2の検索装置は、前記第2の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第2の線分を検索するように形成されていてもよい。
【0029】
そして、このような構成によれば、第1の検索装置による第1の線分の検索範囲および第2の検索装置による第2の線分の検索範囲をそれぞれ必要最小限の範囲に限定することができるので、第1の画像および第2の画像を迅速に生成することができる。
【0030】
さらにまた、前記第1の取得範囲抽出装置は、前記第1の取得範囲を抽出する際に、前記第1の楕円弧全体を含む前記第1の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺上に前記近似後の第1の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第1の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺が、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第1の取得範囲を抽出するように形成され、前記第2の取得範囲抽出装置は、前記第2の取得範囲を抽出する際に、前記第2の楕円弧全体を含む前記第2の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺上に前記近似後の第2の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第2の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺が、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第2の取得範囲を抽出するように形成されていてもよい。
【0031】
そして、このような構成によれば、第1の取得範囲抽出装置により、第1の取得範囲を抽出する際に、近似後の第1の線分の左端部の左方に位置する範囲を、自車両の前端部に対する左側方の領域の状況の確認に不要な範囲として第1の取得範囲から除外し、第2の取得範囲抽出装置により、第2の取得範囲を抽出する際に、近似後の第2の線分の右端部の右方に位置する範囲を、自車両の前端部に対する右側方の領域の状況の確認に不要な範囲として第2の取得範囲から除外することにより、状況確認に不要な領域が十分に低減された第1の画像および第2の画像を得ることができる。
【0032】
また、本発明に係る車両運転支援方法は、車両の前方から前記車両の前端部に対する左右の両側方にわたる広視野角の撮影領域を前記車両に搭載された車載カメラを用いて撮影し、前記車載カメラの撮影映像に基づいて、前記車両の前端部に対する左側方の領域の状況を確認するための第1の画像および前記車両の前端部に対する右側方の領域の状況を確認するための第2の画像を生成し、生成された第1の画像および第2の画像を表示部に左右に並列させた状態として同時に表示するとによって、前記車両の運転を支援する車両運転支援方法であって、前記車載カメラの撮影映像に基づいて、当該撮影映像に含まれる物体に対する前記車両の姿勢を検出し、検出された前記車両の姿勢に基づいて、前記第1の画像および前記第2の画像として、前記車両の姿勢にかかわらずに状況確認に必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成し、生成された前記第1の画像および前記第2の画像を合成して前記表示部に表示することを特徴としている。
【0033】
そして、このような方法によれば、車両の姿勢の検出結果に基づいて、車両の姿勢にかかわらずに状況確認に必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような第1の画像および第2の画像を表示することができるので、自車両の前端部に対する左右の側方の領域の状況を簡便かつ適切に確認することができる。
【0034】
さらに、前記車載カメラの撮影映像から、検出された前記車両の姿勢に応じた範囲に属するような前記第1の画像の元となる第1の元画像と、検出された前記車両の姿勢に応じた範囲に属するような前記第2の画像の元となる第2の元画像とをそれぞれ取得し、取得された前記第1の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第1の画像が表示される第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うとともに、取得された前記第2の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第2の画像が表示される第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成してもよい。
【0035】
そして、このような方法によれば、第1の元画像および第2の元画像に対して縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような第1の画像および第2の画像をそれぞれ生成することができるので、第1の画像および第2の画像の生成に要する処理を簡素化することができる。
【0036】
さらにまた、前記第1の表示範囲であって前記表示部の表示領域における左側に位置する矩形の第1の表示範囲と、前記第2の表示範囲であって前記表示部の表示領域における右側に位置する前記第1の表示範囲と縦横の寸法比が同一の矩形の第2の表示範囲と、前記第1の表示範囲中に仮想的に位置する前記第1の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第1の表示基準線分であって、その左端部が前記第1の表示範囲の左端辺を所定の割合で分割し、その右端部が前記第1の表示範囲の右下端部に至るような第1の表示基準線分と、前記第2の表示範囲中に仮想的に位置する前記第2の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第2の表示基準線分であって、その右端部が前記第2の表示範囲の右端辺を前記所定の割合で分割し、その左端部が前記第2の表示範囲の左下端部に至るような第2の表示基準線分と、前記車載カメラの撮像範囲における前記第1の元画像を取得するための第1の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の角度範囲と、前記車載カメラの撮像範囲における前記第2の元画像を取得するための第2の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の角度範囲とを予め設定しておき、前記車載カメラの撮影映像から、当該撮影映像中の物体の区切りとみなされる特徴線を抽出した上で、抽出された前記特徴線からなる画像における左側から中央側に向かって、抽出された前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の楕円上の線分に近似することが可能な第1の線分を順次検索するとともに、抽出された前記特徴線からなる画像における右側から中央側に向かって、抽出された前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の楕円上の線分に近似することが可能な第2の線分を順次検索することによって、前記車両の姿勢を、前記第1の線分および前記第2の線分の検索結果として検出し、検索された前記第1の線分を前記第1の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第1の線分と予め設定された前記第1の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第1の元画像を取得するための矩形の第1の取得範囲として、その右下端部に、前記第1の楕円に含まれる第1の楕円弧であって前記第1の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第1の線分を含むような第1の楕円弧の右端部かつ下端部が位置され、その左端辺を、前記近似後の第1の線分が前記所定の割合で分割するような第1の取得範囲を抽出し、検索された前記第2の線分を前記第2の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第2の線分と予め設定された前記第2の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第2の元画像を取得するための矩形の第2の取得範囲として、その左下端部に、前記第2の楕円に含まれる第2の楕円弧であって前記第2の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第2の線分を含むような第2の楕円弧の左端部かつ下端部が位置され、その右端辺を、前記近似後の第2の線分が前記所定の割合で分割するような第2の取得範囲を抽出し、前記車載カメラの撮影映像における抽出された前記第1の取得範囲に対応する映像を前記第1の元画像として取得し、取得された前記第1の元画像に対して前記第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第1の画像を生成し、前記車載カメラの撮影映像における抽出された前記第2の取得範囲に対応する映像を前記第2の元画像として取得し、取得された前記第2の元画像に対して前記第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第2の画像を生成してもよい。
【0037】
そして、このような方法によれば、車両の姿勢を、車載カメラの撮影映像から抽出された特徴線を用いた第1の線分および第2の線分の検索結果として取得し、第1の元画像を、第1の線分と予め設定された第1の角度範囲とに基づいて抽出された第1の取得範囲を用いて取得し、第2の元画像を、第2の線分と予め設定された第2の角度範囲とに基づいて抽出された第2の取得範囲を用いて取得し、第1の元画像に対して縦横の寸法の変更を行うことによって第1の画像を生成し、第2の元画像に対して縦横の寸法の変更を行うことによって第2の画像を生成することができるので、第1の画像および第2の画像を画像処理によって簡便かつ適切に生成することができる。
【0038】
また、前記車載カメラの撮影映像における隣接する画素との色差が閾値以上となる箇所を前記特徴線として抽出してもよい。
【0039】
そして、このような方法によれば、車載カメラの撮影映像における隣接する画素との色差が閾値以上となる箇所を特徴線として抽出することによって、車両の姿勢の検出を画像処理によって簡便かつ適切に行うことができる。
【0040】
さらに、抽出された前記特徴線を一旦太線化して当該特徴線の途切れ目を補間した後に、前記太線化された前記特徴線を細線化して元の太さに戻すことによって、所定画素数以下の途切れ目を有しない状態の前記特徴線を抽出してもよい。
【0041】
そして、このような方法によれば、途切れ目が補間された特徴線を抽出することができるので、車両の姿勢の検出をさらに確実に行うことができる。
【0042】
さらにまた、前記第1の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第1の線分を検索し、前記第2の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第2の線分を検索してもよい。
【0043】
そして、このような方法によれば、第1の線分の検索範囲および第2の線分の検索範囲をそれぞれ必要最小限の範囲に限定することができるので、第1の画像および第2の画像を迅速に生成することができる。
【0044】
また、前記第1の取得範囲を抽出する際に、前記第1の楕円弧全体を含む前記第1の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺上に前記近似後の第1の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第1の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺が、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第1の取得範囲を抽出し、前記第2の取得範囲を抽出する際に、前記第2の楕円弧全体を含む前記第2の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺上に前記近似後の第2の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第2の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺が、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第2の取得範囲を抽出してもよい。
【0045】
そして、このような方法によれば、第1の取得範囲を抽出する際に、第1の線分の左端部の左方に位置する範囲を、自車両の前端部に対する左側方の領域の状況の確認に不要な範囲として第1の取得範囲から除外し、第2の取得範囲を抽出する際に、第2の線分の右端部の右方に位置する範囲を、自車両の前端部に対する右側方の領域の状況の確認に不要な範囲として第2の取得範囲から除外することにより、状況確認に不要な領域が十分に低減された第1の画像および第2の画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明に係る車両運転支援装置および車両運転支援方法によれば、自車両の前端部に対する左右の側方の領域の状況を簡便かつ適切に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明に係る車両運転支援装置の実施形態について、図1乃至図12を参照して説明する。
【0048】
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0049】
図1に示すように本実施形態における車両運転支援装置10は、自車両の所定の取付け位置(例えば、自車両の前端部における中央)に取付けられた状態として自車両に搭載された1台の車載カメラ11を有している。この車載カメラ11は、魚眼レンズ等の超広角レンズと、CCDやCMOS等の撮像素子とを備えており、図16に示したものと同様に、自車両の前方から自車両の前端部に対する左右の両側方にわたる広視野角の撮影領域R(図16参照)を撮影するようになっている。
【0050】
また、図1に示すように、車載カメラ11には、画像表示処理装置としての画像表示処理部12が接続されており、この画像表示処理部12は、車載カメラ11の撮影映像を車載カメラ11から取得するようになっている。
【0051】
そして、画像表示処理部12は、車載カメラ11から取得した撮影映像に基づいて、図15に示したものと同様に、自車両の前端部に対する左側方の領域の状況を確認するための第1の画像1と、自車両の前端部に対する右側方の領域の状況を確認するための第2の画像2とを生成するようになっている。
【0052】
さらに、図1に示すように、画像表示処理部12には、表示部としてのディスプレイ14が接続されており、画像表示処理部12は、生成された第1の画像1および第2の画像2を、このディスプレイ14の表示領域4(図15参照)に左右に並列させた状態として同時に表示することによって、自車両の運転を支援するようになっている。具体的には、画像表示処理部12は、図15に示したものと同様に、第1の画像1を表示領域4における左側に、第2の画像2を表示領域4における右側に表示するようになっている。
【0053】
なお、画像表示処理部12は、図示しないROM等のメモリに格納されたプログラムを実行することによって第1の画像1および第2の画像2の表示処理を行うように機能するCPUの機能ブロックであってもよい。
【0054】
さらにまた、図1に示すように、画像表示処理部12には、CPUの機能ブロック等からなる制御部15が接続されており、この制御部15は、画像表示処理部12による画像の表示処理を制御するようになっている。すなわち、制御部15には、自車両の車速パルスが入力されるようになっており、制御部15は、この車速パルスに示される自車両の車速が所定速度以下の場合に、画像表示処理部12に第1の画像および第2の画像を生成して表示させるようになっている。
【0055】
また、図1に示すように、画像表示処理部12には、記憶部16が接続されており、この記憶部16には、画像表示処理部12が第1の画像1および第2の画像2を生成するために用いる種々の情報が記憶されている。
【0056】
画像表示処理部12についてさらに詳述すると、図2に示すように、画像表示処理部12は、姿勢検出装置としての姿勢検出部17を有しており、この姿勢検出部17には、車載カメラ11から取得した撮影映像が入力されるようになっている。
【0057】
そして、姿勢検出部17は、入力された車載カメラ11の撮影映像に基づいて、当該撮影映像に含まれる物体に対する自車両の姿勢を検出し、検出結果を後段に出力するようになっている。
【0058】
また、図2に示すように、画像表示処理部12は、姿勢検出部17の後段に接続された画像生成装置としての画像生成部18を有しており、この画像生成部18には、姿勢検出部17から出力された自車両の姿勢の検出結果が入力されるようになっている。
【0059】
そして、画像生成部18は、入力された姿勢検出部17の検出結果に基づいて、第1の画像および第2の画像として、自車両の姿勢にかかわらずに状況確認に必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称(線対称)となるような第1の画像および第2の画像をそれぞれ生成するようになっている。
【0060】
具体的には、画像生成部18は、例えば、図16に示したように、自車両がT字路または十字路の交差点に直進状態で進入した場合には、従来のシステムと同様に、図15に示したように、自車両の前端部に対する左側方の状況確認に必要とみなされる領域のみが十分な大きさで表示された第1の画像1と、自車両の前端部に対する右側方の状況確認に必要とみなされる領域のみが十分な大きさで表示された第2の画像2とを生成するようになっている。なお、これらの第1の画像1および第2の画像2は、画像上における物体の角度(換言すれば傾き)がディスプレイ14への表示状態において互いにほぼ左右対称となっている。例えば、図15に示すように、第1の画像1は、画像1上における歩道の白線(物体)が画像横幅方向に対して時計回りに所定の角度だけ傾いたような画像1となっており、第2の画像2は、画像2上における歩道の白線(物体)が画像横幅方向に対して反時計回りに当該所定の角度とほぼ同角度傾いたような画像2となっている。
【0061】
さらに、画像生成部18は、例えば、図18に示したように、自車両がT字路または十字路の交差点に左側方に傾いた状態(左折方向にハンドルを操舵した状態)で進入した場合や、図21に示したように、自車両がY字路の交差点に直進状態で進入した場合には、図20に示したような従来の画像1,2とは異なり、図3に示すような自車両の前端部に対する左右の両側方の領域の状況の確認に好適な第1の画像1および第2の画像2を生成するようになっている。
【0062】
ここで、図3に示す第1の画像1は、自車両の前端部に対する左側方の状況確認に必要とみなされる領域が、不要な物体(例えば、塀等の障害物)が十分に低減された状態として十分な大きさで表示された画像1となっている。また、図3に示す第2の画像2も、自車両の前端部に対する右側方の状況確認に必要とみなされる領域が、不要な物体が十分に低減された状態として十分な大きさで表示された画像2となっている。さらに、図3に示す第1の画像1と第2の画像2とは、図15に示したものと同様に、画像上における物体の角度がディスプレイ14への表示状態において互いにほぼ左右対称となっている。
【0063】
そして、画像生成部18は、生成された第1の画像1および第2の画像2を後段に出力するようになっている。
【0064】
さらに、図2に戻って、画像表示処理部12は、画像生成部18の後段に接続された画像合成装置としての画像合成部20を有しており、この画像合成部20には、画像生成部18から出力された第1の画像1および第2の画像2が入力されるようになっている。
【0065】
そして、画像合成部20は、入力された第1の画像1と第2の画像2とを合成してディスプレイ14に出力することによって、図15または図3に示すような第1の画像1と第2の画像3とが左右に並列された合成画像をディスプレイ14に表示するようになっている。
【0066】
したがって、本実施形態によれば、画像表示処理部12により、姿勢検出部17の検出結果に基づいて、車両の姿勢にかかわらずに状況確認に必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が互いにほぼ左右対称となるような第1の画像1および第2の画像2を表示することができるので、ユーザは、自車両の前端部に対する左右の側方の領域の状況を簡便かつ適切に確認することができる。
【0067】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、画像生成部18は、図17や図19に示したものと同様の車載カメラ11の撮影映像3から、姿勢検出部17の検出結果に応じた範囲(後述する第1の取得範囲)に属するような第1の画像1の元となる第1の元画像を取得し、取得された第1の元画像に対して、予め設定されたディスプレイ17の表示領域4における第1の画像1が表示される第1の表示範囲21(図4参照)に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度の調整をともなった第1の画像1の生成を行うようになっている。
【0068】
また、画像生成部18は、車載カメラ11の撮影映像3から、姿勢検出部17の検出結果に応じた範囲(後述する第2の取得範囲)に属するような第2の画像2の元となる第2の元画像を取得し、取得された第2の元画像に対して、予め設定されたディスプレイ17の表示領域4における第2の画像2が表示される第2の表示範囲22(図4参照)に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度の調整をともなった第2の画像2の生成を行うようになっている。
【0069】
このようにして、画像生成部18は、画像上における物体の角度がディスプレイ17への表示状態において互いに左右対称となるような第1の画像1および第2の画像2を生成するようになっている。
【0070】
したがって、本実施形態によれば、第1の画像1および第2の画像2上における物体の角度調整を、各画像1,2の生成段階における第1の元画像および第2の元画像に対する縦横寸法の変更によって行うことができるので、第1の画像1および第2の画像2の生成に要する処理を簡素化して各画像1,2の生成を迅速化することができる。
【0071】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、記憶部16は、第1の表示範囲記憶装置として機能するようになっており、このように機能する記憶部16には、予め設定された図4に示した第1の表示範囲21すなわち表示領域4における左側に位置する矩形の第1の表示範囲21の情報が記憶されている。
【0072】
また、記憶部16は、第2の表示範囲記憶装置として機能するようになっており、このように機能する記憶部16には、予め設定された図4に示した第2の表示範囲22すなわち表示領域4における右側に位置する第1の表示範囲21と縦横の寸法比が同一(本実施形態においては寸法自体も同一)の矩形の第2の表示範囲22の情報が記憶されている。
【0073】
さらに、記憶部16は、第1の表示基準線分記憶装置として機能するようになっており、このように機能する記憶部16には、図4に示すような予め設定された楕円孤状の第1の表示基準線分23の情報が記憶されている。
【0074】
ここで、第1の表示基準線分23は、第1の表示範囲21中に仮想的に位置する線分とされているとともに、図4に示すように、その左端部が第1の表示範囲21の左端辺を所定の割合としてのa:b(但し、a、bは正の実数)で2分割し、その右端部が第1の表示範囲21の右下端部(換言すれば、右下角部)に至るような線分とされている。
【0075】
さらにまた、記憶部16は、第2の表示基準線分記憶装置として機能するようになっており、このように機能する記憶部16には、図4に示すような予め設定された楕円孤状の第2の表示基準線分24の情報が記憶されている。
【0076】
ここで、第2の表示基準線分24は、第2の表示範囲22中に仮想的に位置する線分とされているとともに、図4に示すように、その右端部が第2の表示範囲22の右端辺を第1の表示基準線分23と同様の所定の割合としてのa:bで2分割し、その左端部が第2の表示範囲22の左下端部(換言すれば、左下角部)に至るような線分とされている。また、第2の表示基準線分24は、第1の表示基準線分23と左右対称(線対称)形状を有している。
【0077】
また、記憶部16は、第1の角度範囲記憶装置として機能するようになっており、このように機能する記憶部16には、図5に示すような予め設定された車載カメラ11の撮像範囲(例えば、カメラ11の撮像素子における有効画素領域)26における第1の元画像を取得するための第1の角度範囲αの情報が記憶されている。
【0078】
ここで、第1の角度範囲αは、撮像範囲26における車載カメラ11の光軸に対応する点Pを中心とした角度範囲とされている。また、図5に示すように、第1の角度範囲αは、点Pから撮像範囲26の下端辺に向かって垂直に下ろした垂線Lを角度の基準0〔°〕とした図5における時計回りにθ〔°〕の角度からθ〔°〕の角度までの範囲とされている。
【0079】
さらに、記憶部16は、第2の角度範囲記憶装置として機能するようになっており、このように機能する記憶部16には、図5に示すような予め設定された車載カメラ11の撮像範囲26における第2の元画像を取得するための第2の角度範囲βの情報が記憶されている。
【0080】
ここで、第2の角度範囲βは、撮像範囲26における車載カメラ11の光軸に対応する点Pを中心とした角度範囲とされている。また、図5に示すように、第2の角度範囲βは、点Pから撮像範囲26の下端辺に向かって垂直に下ろした垂線Lを角度の基準0〔°〕とした図5における反時計回りにθ〔°〕の角度からθ〔°〕の角度までの範囲とされている。
【0081】
なお、第1の角度範囲αおよび第2の角度範囲βとしては、コンセプトに応じて種々の値を設定することができる。
【0082】
さらにまた、図6に示すように、姿勢検出部17は、特徴線抽出装置としての特徴線抽出部29を有しており、この特徴線抽出部29には、車載カメラ11の撮影映像3が入力されるようになっている。
【0083】
そして、特徴線抽出部29は、入力された車載カメラ11の撮影映像3から、当該撮影映像3中の物体の区切りとみなされる特徴線を抽出し、抽出結果を後段に出力するようになっている。この特徴線は、車両の姿勢を検出するための基準となる線であり、途切れ目がなくシャープであることが好ましい。そこで、特徴線抽出部29は、例えば、図7(a)〜(d)に示すような工程を経て特徴線を抽出するようにしてもよい。
【0084】
すなわち、図7(a)においては、車載カメラ11の撮影映像3をそのままの状態で取得した後に、図7(b)に示すように、図7(a)の撮影映像3における隣接する画素との色差が閾値以上となる箇所を特徴線として抽出する。なお、図7(b)において、特徴線は白線で示されている。次いで、図7(c)においては、図7(b)の工程において抽出された特徴線を一旦太線化することによって、図7(b)における特徴線の途切れ目を補間する。最後に、図7(d)においては、図7(c)において太線化された特徴線を細線化して図7(b)に示した元の太さに戻すことにより、所定画素数(例えば、5ピクセル)以下の途切れ目を有しない状態のシャープな特徴線を抽出する。このようにして特徴線を抽出すれば、姿勢検出部17による車両の姿勢の検出を画像処理によって簡便、適切かつ確実に行うことができる。
【0085】
また、図6に示すように、姿勢検出部17は、特徴線抽出部29の後段に接続された第1の検索装置としての第1検索部31および第2の検索装置としての第2検索部32を有しており、これら第1検索部31および第2検索部32には、特徴線抽出部29から出力された抽出結果が入力されるようになっている。
【0086】
そして、第1検索部31は、入力された特徴線抽出部29の抽出結果に基づいて、図8に示すように、撮影映像3および撮像範囲26と同一範囲を有する特徴線からなる画像33における左端部側から中央部側に向かって、特徴線からなる画像33上にとられた車載カメラ11の光軸に対応する点pを中心とした第1の楕円上の線分に近似することが可能な特徴線中の第1の線分を順次検索するようになっている。なお、第1の楕円は、その中心点が点pに固定されているものの、第1の線分の検索が進行することにともなってその大きさおよび形状が変化し得るような楕円とされている。また、第1検索部31は、その検索開始位置を特徴線からなる画像33の左端部とし、その検索終了位置を画像33の中央部とするものであってもよい。
【0087】
この第1検索部31による第1の線分の検索結果は、姿勢検出部17による車両の姿勢の検出結果の一部となって画像生成部18へと出力されるようになっている。
【0088】
一方、第2検索部32は、入力された特徴線抽出部29の抽出結果に基づいて、図9に示すように、特徴線からなる画像33における右端部側から中央部側に向かって、特徴線からなる画像33上にとられた車載カメラ11の光軸に対応する点pを中心とした第2の楕円上の線分に近似することが可能な特徴線中の第2の線分を順次検索するようになっている。なお、第2の楕円は、その中心点が点pに固定されているものの、第2の線分の検索が進行することにともなってその大きさおよび形状が変化し得るような楕円とされている。また、第2検索部32は、その検索開始位置を特徴線からなる画像33の右端部とし、その検索終了位置を画像33の中央部とするものであってもよい。
【0089】
この第2検索部32による第2の線分の検索結果は、姿勢検出部17による車両の姿勢の検出結果の一部となって画像生成部18へと出力されるようになっている。
【0090】
したがって、本実施形態においては、自車両の姿勢が、第1の検索部31および第2の検索部32の検索結果として検出されるようになっている。
【0091】
さらに、図10に示すように、画像生成部18は、第1の取得範囲抽出装置としての第1取得範囲抽出部34と、第2の取得範囲抽出装置としての第2取得範囲抽出部35とを有しており、第1取得範囲抽出部34には、第1検索部31から出力された第1の線分の検索結果が、第2取得範囲抽出部35には、第2検索部32から出力された第2の線分の検索結果が、それぞれ入力されるようになっている。
【0092】
そして、第1取得範囲抽出部34は、入力された第1検索部31の検索結果が示す第1の線分を第1の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第1の線分と、記憶部16に記憶された第1の角度範囲αとに基づいて、特徴線からなる画像33から、第1の元画像を取得するための矩形の第1の取得範囲を抽出するようになっている。
【0093】
より具体的には、図11に示すように、第1の取得範囲37は、その右下端部に、第1の楕円に含まれる第1の楕円弧38として、第1の角度範囲αに対応する(換言すれば、αによって第1の楕円における他の部分とは区切られる)とともに、近似後の第1の線分39を含むような第1の楕円弧38の下端部たる右端部(右端部と下端部とが一致しているという意味である)が位置されるような範囲とされている。したがって、第1の取得範囲37の右端部および下端部は、第1の楕円弧38の下端部たる右端部によって規定されている。また、図11に示すように、第1の取得範囲37は、その左端辺を、近似後の第1の線分39が所定の割合としての前述したa:bで分割するような範囲とされている。
【0094】
さらに、このような第1の取得範囲37は、第1の角度範囲αと近似後の第1の線分39とを用いて段階的に抽出された範囲とされている。
【0095】
すなわち、本実施形態において、第1取得範囲抽出部34は、第1の取得範囲37を抽出する際に、まず、第1の角度範囲αと第1の線分の検索の際に用いた第1の楕円とを用いて第1の楕円弧38を割り出した上で、この第1の楕円弧38全体を含む第1の楕円弧38と横幅が同一の範囲(以下、第1楕円弧同幅範囲と称する)40を抽出するようになっている。このとき、抽出された第1楕円弧同幅範囲40は、縦幅が定まっていない範囲となっている。
【0096】
そして、第1取得範囲抽出部34は、抽出された第1楕円弧同幅範囲40における左端辺上に近似後の第1の線分39が到達している場合、すなわち、近似後の第1の線分39が第1の楕円弧38の左端部を構成する場合には、第1楕円弧同幅範囲40に対して近似後の第1の線分39による第1の取得範囲37の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって第1の取得範囲37を抽出するようになっている。
【0097】
これに対し、第1楕円弧同幅範囲40における左端辺が、近似後の第1の線分39の左端部よりも左側に位置する場合には、第1取得範囲抽出部34は、第1楕円弧同幅範囲40に対して、近似後の第1の線分39の左端部よりも左側の範囲を除去することによって横幅の限定(減縮)を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲40’に対して、近似後の第1の線分39による第1の取得範囲37の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって第1の取得範囲37を抽出するようになっている。なお、図11における第1の取得範囲37は、このような第1楕円弧同幅範囲40に対する横幅の限定および当該横幅の限定によって得られた限定後の新たな範囲40’に対する縦幅の限定を行うことによって抽出された範囲とされている。
【0098】
このようにして第1の取得範囲37を抽出することによって、近似後の第1の線分39の左端部の左方に位置する範囲を、自車両の前端部に対する左側方の領域の状況の確認に不要な範囲として第1の取得範囲37から除外することができる。
【0099】
そして、第1取得範囲抽出部34は、第1の取得範囲37の抽出結果を後段に出力するようになっている。
【0100】
一方、第2取得範囲抽出部35は、入力された第2検索部32の検索結果が示す第2の線分を第2の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第2の線分と、記憶部16に記憶された第2の角度範囲βとに基づいて、特徴線からなる画像33から、第2の元画像を取得するための矩形の第2の取得範囲を抽出するようになっている。
【0101】
より具体的には、図11に示すように、第2の取得範囲42は、その左下端部に、第2の楕円に含まれる第2の楕円弧43として、第2の角度範囲βに対応する(換言すれば、βによって第2の楕円における他の部分とは区切られる)とともに、近似後の第2の線分45を含むような第2の楕円弧43の下端部たる左端部(左端部と下端部とが一致しているという意味である)が位置されるような範囲とされている。したがって、第2の取得範囲42の左端部および下端部は、第2の楕円弧43の下端部たる左端部によって規定されている。さらに、図11に示すように、第2の取得範囲42は、その右端辺を、近似後の第2の線分45が所定の割合としての前述したa:bで分割するような範囲とされている。
【0102】
さらに、このような第2の取得範囲42は、第2の角度範囲βと近似後の第2の線分45とを用いて段階的に抽出された範囲とされている。
【0103】
すなわち、本実施形態において、第2取得範囲抽出部35は、第2の取得範囲42を抽出する際に、まず、第2の角度範囲βと第2の線分の検索の際に用いた第2の楕円とを用いて第2の楕円弧43を割り出した上で、この第2の楕円弧43全体を含む第2の楕円弧43と横幅が同一の範囲(以下、第2楕円弧同幅範囲と称する)46を抽出するようになっている。このとき、抽出された第2楕円弧同幅範囲46は、縦幅が定まっていない範囲となっている。
【0104】
そして、第2取得範囲抽出部35は、抽出された第2楕円弧同幅範囲46における右端辺上に近似後の第2の線分45が到達している場合、すなわち、近似後の第2の線分45が第2の楕円弧43の右端部を構成する場合には、第2楕円弧同幅範囲46に対して近似後の第2の線分45による第2の取得範囲42の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって第2の取得範囲42を抽出するようになっている。なお、図11における第2の取得範囲42は、このような第2楕円弧同幅範囲46に対する縦幅の限定のみを行うことによって抽出された範囲とされている。
【0105】
これに対し、第2楕円弧同幅範囲46における右端辺が、近似後の第2の線分45の右端部よりも右側に位置する場合には、第2取得範囲抽出部35は、第2楕円弧同幅範囲46に対して、近似後の第2の線分45の右端部よりも右側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、近似後の第2の線分45による第2の取得範囲42の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって第2の取得範囲42を抽出するようになっている。
【0106】
そして、第2取得範囲抽出部35は、第2の取得範囲42の抽出結果を後段に出力するようになっている。
【0107】
図10に戻って、画像生成部18は、第1取得範囲抽出部34の後段に接続された第1の元画像寸法変更装置としての第1元画像寸法変更部47が接続されており、この第1元画像寸法変更部47には、第1取得範囲抽出部34から出力された第1の取得範囲37の抽出結果が入力されるようになっている。
【0108】
そして、第1元画像寸法変更部47は、入力された第1取得範囲抽出部34の抽出結果に基づいて、図12に示すように、車載カメラ3の撮影映像3における第1の取得範囲37に対応する(すなわち、第1の取得範囲37と同一のXY座標範囲(画素領域)内に属する)映像3Aを、第1の元画像3Aとして取得するようになっている。
【0109】
さらに、第1元画像寸法変更部47は、取得された第1の元画像3Aに対して、第1の表示範囲21に適合(換言すれば、合致)するような縦方向(Y方向)および横方向(X方向)の寸法の変更を適宜行うことによって、第1の画像1を生成するようになっている。
【0110】
なお、このような第1の元画像3Aに対する縦横の寸法の変更は、第1の元画像3A中の物体を、あたかも実世界上に仮定された鉛直方向の回転軸を中心として実世界上において回転させたような角度補正に相当する処理である。
【0111】
このようにして生成された第1の画像1は、図示はしないが、その近似後の第1の線分39に対応する線分の位置が、第1の表示基準線分23上に合致する(重なった)ような画像1になっており、このような意味で、第1の表示基準線分23は、第1の画像1を表示する際の基準となっている。ここで、近似後の第1の線分39に対応する線分とは、前述した特徴線からなる画像33上において求められた近似後の第1の線分39と同一の形状および大きさを有する線分を、車載カメラ11の撮影映像3上における特徴線からなる画像33上の近似後の第1の線分39と同一のXY座標位置(第1の取得範囲37に対応する位置)上に定義し、さらに、このように定義された線分を、第1元画像寸法変更部47による第1の元画像3Aの寸法変更にともなって第1の元画像3Aと一体的に寸法変更させたと仮定した場合における当該寸法変更によって生成された第1の画像1上に仮想的に位置される線分のことをいう。
【0112】
そして、第1元画像寸法変更部47は、生成された第1の画像1を後段の画像合成部20に出力するようになっている。
【0113】
また、図10に示すように、画像生成部18は、第2取得範囲抽出部35の後段に接続された第2の元画像寸法変更装置としての第2元画像寸法変更部48が接続されており、この第2元画像寸法変更部48には、第2取得範囲抽出部35から出力された第2の取得範囲42の抽出結果が入力されるようになっている。
【0114】
そして、第2元画像寸法変更部48は、入力された第2取得範囲抽出部35の抽出結果に基づいて、図12に示すように、車載カメラ3の撮影映像3における第2の取得範囲42に対応する(すなわち、第2の取得範囲42と同一のXY座標範囲(画素領域)内に属する)映像3Bを、第2の元画像3Bとして取得するようになっている。
【0115】
さらに、第2元画像寸法変更部48は、取得された第2の元画像3Bに対して、第2の表示範囲22に適合(換言すれば、合致)するような縦方向(Y方向)および横方向(X方向)の寸法の変更を適宜行うことによって、第2の画像2を生成するようになっている。
【0116】
なお、このような第2の元画像3Bに対する縦横の寸法の変更は、第2の元画像3B中の物体を、あたかも実世界上に仮定された鉛直方向の回転軸を中心として実世界上において回転させたような角度補正に相当する処理である。
【0117】
このようにして生成された第2の画像2は、図示はしないが、その近似後の第2の線分45に対応する線分が、第2の表示基準線分24上に合致するような画像2になっており、このような意味で、第2の表示基準線分24は、第2の画像2を表示する際の基準となっている。ここで、近似後の第2の線分45に対応する線分とは、前述した特徴線からなる画像33上において求められた近似後の第2の線分45と同一の形状および大きさを有する線分を、車載カメラ11の撮影映像3上における特徴線からなる画像33上の近似後の第2の線分45と同一のXY座標位置(第2の取得範囲42に対応する位置)上に定義し、さらに、このように定義された線分を、第2元画像寸法変更部48による第2の元画像3Bの寸法変更にともなって第2の元画像3Bと一体的に寸法変更させたと仮定した場合における当該寸法変更によって生成された第2の画像2上に仮想的に位置する線分のことをいう。
【0118】
そして、第2元画像寸法変更部48は、生成された第2の画像2を後段の画像合成部20に出力するようになっている。
【0119】
画像合成部20に出力された第1の画像1と第2の画像2とは、図12に示すように、互いに合成された上で、ディスプレイ14の表示領域4における第1の表示範囲21に第1の画像1が、第2の表示範囲22に第2の画像2が、それぞれ表示されるようになっている。
【0120】
したがって、本実施形態によれば、自車両の前端部に対する左右の両側方の確認に好適な第1の画像1および第2の画像2を、画像処理によって簡便かつ適切に生成することができる。
【0121】
なお、第1検索部31は、第1の角度範囲αに対応するような画像33上の検索範囲において第1の線分を検索し、第2検索部32は、第2の角度範囲βに対応するような画像33上の検索範囲において第2の線分を検索するように構成してもよい。
【0122】
このような構成によれば、第1検索部31による第1の線分の検索範囲および第2検索部32による第2の線分の検索範囲をそれぞれ必要最小限の範囲に限定することができるので、第1の画像1および第2の画像2を迅速に生成することができる。
【0123】
次に、本発明に係る車両運転支援方法の実施形態について、図13および図14を参照して説明する。
【0124】
なお、本実施形態における車両運転支援方法は、便宜上、前述した車両運転支援装置10を用いて実施することとする。
【0125】
すなわち、本実施形態においては、まず、図13のステップ1(ST1)において、記憶部16に、第1の表示範囲21、第2の表示範囲22、第1の表示基準線分23、第2の表示基準線分24、第1の角度範囲αおよび第2の角度範囲βを画像1,2の生成開始前に予め記憶させて(設定して)おく。
【0126】
次いで、ステップ2(ST2)においては、制御部15により、車速パルスに基づいて自車両の車速が所定速度以下であるか否かを判定し、所定速度以下である場合には、ステップ3(ST3)に進み、所定速度を上回る場合には、処理を終了する。
【0127】
次いで、ステップ3(ST3)においては、制御部15による画像表示処理部12の制御により、第1の画像1および第2の画像2の表示処理に移行し、まず、姿勢検出部17における特徴線抽出部29により、車載カメラ11の撮影映像3から、例えば、図7(a)〜(d)に示した工程を経ることによって特徴線の抽出を行う。
【0128】
次いで、ステップ4(ST4)においては、ステップ3(ST3)における特徴線の抽出結果を用いることによって、姿勢検出部17における第1検索部31により、特徴線からなる画像33から、例えば図8に示したように第1の線分の検索を行うとともに、姿勢検出部17における第2検索部32により、特徴線からなる画像33から、例えば図9に示したように第2の線分の検索を行う。
【0129】
次いで、ステップ5(ST5)においては、第1取得範囲抽出部34により、ステップ4における第1の線分の検索結果に基づいて第1の取得範囲37の抽出を行うとともに、第2取得範囲抽出部35により、ステップ4における第2の線分の検索結果に基づいて第2の取得範囲42の抽出を行う。
【0130】
すなわち、ステップ5(ST5)においては、まず、図14のステップ5−1(ST5−1)に示すように、第1の線分を、この第1の線分の検索の際に用いた第1の楕円上の線分に近似するとともに、第2の線分を、この第2の線分の検索の際に用いた第2の楕円上の線分に近似する。
【0131】
次いで、ステップ5−2(ST5−2)に示すように、記憶部16に記憶された第1の角度範囲αと第1の楕円とを用いることによって第1の楕円弧38(図11参照)を割り出すとともに、記憶部16に記憶された第2の角度範囲βと第2の楕円とを用いることによって第2の楕円弧43(図11参照)を割り出す。
【0132】
次いで、ステップ5−3(ST5−3)に示すように、第1楕円弧同幅範囲40を抽出するとともに、第2楕円弧同幅範囲46を抽出する(図11参照)。
【0133】
次いで、ステップ5−4(ST5−4)に示すように、ステップ5−3(ST5−3)において抽出された第1楕円弧同幅範囲40における左端辺上に近似後の第1の線分39が到達しているか否かを判定するとともに、ステップ5−3(ST5−3)において抽出された第2楕円弧同幅範囲46における右端辺上に近似後の第2の線分45が到達しているか否かを判定する。
【0134】
そして、第1楕円弧同幅範囲40に対するステップ5−4(ST5−4)の判定の結果、第1楕円弧同幅範囲40における左端辺上に近似後の第1の線分39が到達している場合にはステップ5−5(ST5−5)に進み、到達していない場合、すなわち、第1楕円弧同幅範囲40における左端辺が近似後の第1の線分39よりも左側に位置している場合には、ステップ5−6(ST5−6)に進む。
【0135】
また、第2楕円弧同幅範囲46に対するステップ5−4(ST5−4)の判定の結果、第2楕円弧同幅範囲46における右端辺上に近似後の第2の線分45が到達している場合にはステップ5−5(ST5−5)に進み、到達していない場合、すなわち、第2楕円弧同幅範囲46における右端辺が近似後の第2の線分45よりも右側に位置している場合には、ステップ5−6(ST5−6)に進む。
【0136】
次いで、ステップ5−5(ST5−5)においては、第1楕円弧同幅範囲40に対して近似後の第1の線分39による第1の取得範囲37の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって第1の取得範囲37を抽出する。具体的には、第1の楕円弧38の下端部によって第1楕円弧同幅範囲40の下端を限定し、第1楕円弧同幅範囲40の左端辺を近似後の第1の線分39が所定の割合(a:b)で分割するように第1楕円弧同幅範囲40の上端を限定する。
【0137】
同様に、ステップ5−5(ST5−5)においては、第2楕円弧同幅範囲46に対して近似後の第2の線分45による第2の取得範囲42の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって第2の取得範囲42を抽出する。具体的には、第2の楕円弧43の下端部によって第2楕円弧同幅範囲46の下端を限定し、第2楕円弧同幅範囲46の右端辺を近似後の第2の線分45が所定の割合(a:b)で分割するように第2楕円弧同幅範囲46の上端を限定する。
【0138】
一方、ステップ5−6(ST5−6)においては、第1楕円弧同幅範囲40に対して、近似後の第1の線分39の左端部よりも左側の範囲を除去することによって横幅の限定(減縮)を行うとともに、第2楕円弧同幅範囲46に対して、近似後の第2の線分45の右端部よりも右側の範囲を除去することによって横幅の限定(減縮)を行ってステップ5−7(ST5−7)に進む。
【0139】
次いで、ステップ5−7(ST5−7)においては、ステップ5−6(ST5−6)における横幅限定によって得られた新たな範囲に対して、ステップ5−5(ST5−5)と同様の縦幅の限定を行って第1の取得範囲37を抽出するととおに、第2楕円弧同幅範囲46に対して、ステップ5−5(ST5−5)と同様の縦幅の限定を行って第2の取得範囲42を抽出する。
【0140】
次いで、図13のステップ6(ST6)においては、画像生成部18における第1元画像寸法変更部47により、ステップ5(ST5)において抽出された第1の取得範囲37に対応する車載カメラ11の撮影映像3内の映像3Aを第1の元画像3Aとして取得する。
【0141】
また、このとき、画像生成部18における第2元画像寸法変更部48により、ステップ5(ST5)において抽出された第2の取得範囲42に対応する車載カメラ11の撮影映像3内の映像3Bを第2の元画像3Bとして取得する。
【0142】
次いで、ステップ7(ST7)においては、第1元画像寸法変更部47により、ステップ6(ST6)において取得された第1の元画像3Aに対して、記憶部16に記憶された第1の表示範囲21に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、第1の画像1を生成する。
【0143】
また、このとき、第2元画像寸法変更部48により、ステップ6(ST6)において取得された第2の元画像3Bに対して、記憶部16に記憶された第2の表示範囲22に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、第2の画像2を生成する。
【0144】
次いで、ステップ8(ST8)においては、画像合成部20により、ステップ7(ST7)において生成された第1の画像1と第2の画像2とを合成し、合成された画像1,2をディスプレイ14に表示して処理を終了する。このとき、第1の画像1は、ディスプレイ14の表示領域における第1の表示範囲21に表示し、第2の画像2は、ディスプレイ14の表示領域4における第2の表示範囲22に表示する。
【0145】
以上述べたように、本実施形態によれば、画像表示処理部12により、姿勢検出部17の検出結果に基づいて、自車両の姿勢にかかわらずに自車両の前端部に対する左右の側方の状況確認に必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような第1の画像1および第2の画像2を表示することができるので、自車両の前端部に対する左右の側方の領域の状況を簡便かつ適切に確認することができる。
【0146】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、図1における画像表示処理部の詳細な構成を示すブロック図
【図3】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、第1の画像および第2の画像の表示状態を示す図
【図4】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、第1および第2の表示範囲ならびに第1および第2の表示基準線を説明するための説明図
【図5】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、第1および第2の角度範囲を説明するための説明図
【図6】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、図2における姿勢検出部の詳細な構成を示すブロック図
【図7】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態における特徴線の抽出処理を示す工程図であって、(a)は、車載カメラの撮影映像の取得工程を、(b)は、初期段階の特徴線の抽出工程を、(c)は、特徴線の太線化による特徴線の途切れ目の補間工程を、(d)は、特徴線の細線化による途切れ目が補間された状態の最終的な特徴線の抽出工程をそれぞれ示す図
【図8】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、第1の線分の検索処理を説明するための説明図
【図9】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、第2の線分の検索処理を説明するための説明図
【図10】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、図2における画像生成部の詳細な構成を説明するための説明図
【図11】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、第1および第2の取得範囲の抽出処理を説明するための説明図
【図12】本発明に係る車両運転支援装置の実施形態において、第1および第2の元画像の伸縮処理を説明するための説明図
【図13】本発明に係る車両運転支援方法の実施形態を示す第1のフローチャート
【図14】本発明に係る車両運転支援方法の実施形態を示す第2のフローチャート
【図15】第1の画像および第2の画像の表示状態を示す図
【図16】図15に対応する実世界上の自車両の姿勢を示す模式図
【図17】図15の画像の生成に用いられた車載カメラの撮影映像を示す図
【図18】従来の問題点が発生する場合における実世界上の自車両の姿勢を示す模式図
【図19】図18に対応する車載カメラの撮影映像を示す図
【図20】従来の問題点として、図18の場合に対応する第1の画像および第2の画像の表示状態を示す図
【図21】図20と同様の問題が発生する場合における実世界上の自車両の姿勢を示す模式図
【符号の説明】
【0148】
1 第1の画像
2 第2の画像
3 撮影映像
10 車両運転支援装置
11 車載カメラ
12 画像表示処理装置
14 ディスプレイ
17 姿勢検出部
18 画像生成部
20 画像合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両の前方から前記車両の前端部に対する左右の両側方にわたる広視野角の撮影領域を撮影可能とされた車載カメラと、
この車載カメラの撮影映像に基づいて、前記車両の前端部に対する左側方の領域の状況を確認するための第1の画像および前記車両の前端部に対する右側方の領域の状況を確認するための第2の画像を生成し、生成された第1の画像および第2の画像を表示部に左右に並列させた状態として同時に表示する画像表示処理装置と
を備え、
前記第1の画像および前記第2の画像を表示することによって前記車両の運転を支援することが可能とされた車両運転支援装置であって、
前記画像表示処理装置は、
前記車載カメラの撮影映像に基づいて、当該撮影映像に含まれる物体に対する前記車両の姿勢を検出する姿勢検出装置と、
この姿勢検出装置の検出結果に基づいて、前記第1の画像および前記第2の画像として、前記車両の姿勢にかかわらずに状況確認が必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成する画像生成装置と、
この画像生成装置によって生成された前記第1の画像および前記第2の画像を合成して前記表示部に表示する画像合成装置と
を備えたことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項2】
前記画像生成装置は、
前記車載カメラの撮影映像から、前記姿勢検出装置の検出結果に応じた範囲に属するような前記第1の画像の元となる第1の元画像と、前記姿勢検出装置の検出結果に応じた範囲に属するような前記第2の画像の元となる第2の元画像とをそれぞれ取得し、取得された前記第1の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第1の画像が表示される第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うとともに、取得された前記第2の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第2の画像が表示される第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車両運転支援装置。
【請求項3】
前記車両運転支援装置本体は、
予め設定された前記第1の表示範囲であって前記表示部の表示領域における左側に位置する矩形の第1の表示範囲の情報が記憶された第1の表示範囲記憶装置と、
予め設定された前記第2の表示範囲であって前記表示部の表示領域における右側に位置する前記第1の表示範囲と縦横の寸法比が同一の矩形の第2の表示範囲の情報が記憶された第2の表示範囲記憶装置と、
予め設定された前記第1の表示範囲中に仮想的に位置する前記第1の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第1の表示基準線分であって、その左端部が前記第1の表示範囲の左端辺を所定の割合で分割し、その右端部が前記第1の表示範囲の右下端部に至るような第1の表示基準線分の情報が記憶された第1の表示基準線分記憶装置と、
予め設定された前記第2の表示範囲中に仮想的に位置する前記第2の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第2の表示基準線分であって、その右端部が前記第2の表示範囲の右端辺を前記所定の割合で分割し、その左端部が前記第2の表示範囲の左下端部に至るような第2の表示基準線分の情報が記憶された第2の表示基準線分記憶装置と、
予め設定された前記車載カメラの撮像範囲における前記第1の元画像を取得するための第1の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の角度範囲の情報が記憶された第1の角度範囲記憶装置と、
予め設定された前記車載カメラの撮像範囲における前記第2の元画像を取得するための第2の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の角度範囲の情報が記憶された第2の角度範囲記憶装置と
を備え、
前記姿勢検出装置は、
前記車載カメラの撮影映像から、当該撮影映像中の物体の区切りとみなされる特徴線を抽出する特徴線抽出装置と、
この特徴線抽出装置によって抽出された前記特徴線からなる画像における左側から中央側に向かって、前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の楕円上の線分に近似することが可能な第1の線分を順次検索する第1の検索装置と、
前記特徴線抽出装置によって抽出された前記特徴線からなる画像における右側から中央側に向かって、前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の楕円上の線分に近似することが可能な第2の線分を順次検索する第2の検索装置と
を備え、前記車両の姿勢を、前記第1の検索装置および前記第2の検索装置の検索結果として検出するように形成され、
前記画像生成装置は、
前記第1の検索装置によって検索された前記第1の線分を前記第1の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第1の線分と前記第1の角度範囲記憶装置に記憶された前記第1の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第1の元画像を取得するための矩形の第1の取得範囲として、その右下端部に、前記第1の楕円に含まれる第1の楕円弧であって前記第1の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第1の線分を含むような第1の楕円弧の右端部かつ下端部が位置され、その左端辺を、前記近似後の第1の線分が前記所定の割合で分割するような第1の取得範囲を抽出する第1の取得範囲抽出装置と、
前記第2の検索装置によって検索された前記第2の線分を前記第2の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第2の線分と前記第2の角度範囲記憶装置に記憶された前記第2の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第2の元画像を取得するための矩形の第2の取得範囲として、その左下端部に、前記第2の楕円に含まれる第2の楕円弧であって前記第2の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第2の線分を含むような第2の楕円弧の左端部かつ下端部が位置され、その右端辺を、前記近似後の第2の線分が前記所定の割合で分割するような第2の取得範囲を抽出する第2の取得範囲抽出装置と、
前記車載カメラの撮影映像における前記第1の取得範囲抽出装置によって抽出された前記第1の取得範囲に対応する映像を前記第1の元画像として取得し、取得された前記第1の元画像に対して前記第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第1の画像を生成する第1の元画像寸法変更装置と、
前記車載カメラの撮影映像における前記第2の取得範囲抽出装置によって抽出された前記第2の取得範囲に対応する映像を前記第2の元画像として取得し、取得された前記第2の元画像に対して前記第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第2の画像を生成する第2の元画像寸法変更装置とを備えたこと
を特徴とする請求項2に記載の車両運転支援装置。
【請求項4】
前記特徴線抽出装置は、前記車載カメラの撮影映像における隣接する画素との色差が閾値以上となる箇所を前記特徴線として抽出するように形成されていること
を特徴とする請求項3に記載の車両運転支援装置。
【請求項5】
前記特徴線抽出装置は、抽出された前記特徴線を一旦太線化して当該特徴線の途切れ目を補間した後に、前記太線化された前記特徴線を細線化して元の太さに戻すことによって、所定画素数以下の途切れ目を有しない状態の前記特徴線を抽出するように形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の車両運転支援装置。
【請求項6】
前記第1の検索装置は、
前記第1の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第1の線分を検索するように形成され、
前記第2の検索装置は、
前記第2の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第2の線分を検索するように形成されていること
を特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両運転支援装置。
【請求項7】
前記第1の取得範囲抽出装置は、
前記第1の取得範囲を抽出する際に、前記第1の楕円弧全体を含む前記第1の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺上に前記近似後の第1の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第1の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺が、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第1の取得範囲を抽出するように形成され、
前記第2の取得範囲抽出装置は、前記第2の取得範囲を抽出する際に、前記第2の楕円弧全体を含む前記第2の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺上に前記近似後の第2の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第2の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺が、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第2の取得範囲を抽出するように形成されていること
を特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両運転支援装置。
【請求項8】
車両の前方から前記車両の前端部に対する左右の両側方にわたる広視野角の撮影領域を前記車両に搭載された車載カメラを用いて撮影し、前記車載カメラの撮影映像に基づいて、前記車両の前端部に対する左側方の領域の状況を確認するための第1の画像および前記車両の前端部に対する右側方の領域の状況を確認するための第2の画像を生成し、生成された第1の画像および第2の画像を表示部に左右に並列させた状態として同時に表示するとによって、前記車両の運転を支援する車両運転支援方法であって、
前記車載カメラの撮影映像に基づいて、当該撮影映像に含まれる物体に対する前記車両の姿勢を検出し、
検出された前記車両の姿勢に基づいて、前記第1の画像および前記第2の画像として、前記車両の姿勢にかかわらずに状況確認に必要とみなされる領域を常に含むとともに、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成し、
生成された前記第1の画像および前記第2の画像を合成して前記表示部に表示すること
を特徴とする車両運転支援方法。
【請求項9】
前記車載カメラの撮影映像から、検出された前記車両の姿勢に応じた範囲に属するような前記第1の画像の元となる第1の元画像と、検出された前記車両の姿勢に応じた範囲に属するような前記第2の画像の元となる第2の元画像とをそれぞれ取得し、取得された前記第1の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第1の画像が表示される第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うとともに、取得された前記第2の元画像に対して、予め設定された前記表示部における前記第2の画像が表示される第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって、画像上における物体の角度が表示状態において互いに左右対称となるような前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ生成すること
を特徴とする請求項8に記載の車両運転支援方法。
【請求項10】
前記第1の表示範囲であって前記表示部の表示領域における左側に位置する矩形の第1の表示範囲と、
前記第2の表示範囲であって前記表示部の表示領域における右側に位置する前記第1の表示範囲と縦横の寸法比が同一の矩形の第2の表示範囲と、
前記第1の表示範囲中に仮想的に位置する前記第1の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第1の表示基準線分であって、その左端部が前記第1の表示範囲の左端辺を所定の割合で分割し、その右端部が前記第1の表示範囲の右下端部に至るような第1の表示基準線分と、
前記第2の表示範囲中に仮想的に位置する前記第2の画像を表示する際の基準となる楕円弧状の第2の表示基準線分であって、その右端部が前記第2の表示範囲の右端辺を前記所定の割合で分割し、その左端部が前記第2の表示範囲の左下端部に至るような第2の表示基準線分と、
前記車載カメラの撮像範囲における前記第1の元画像を取得するための第1の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の角度範囲と、
前記車載カメラの撮像範囲における前記第2の元画像を取得するための第2の角度範囲であって、当該撮像範囲における前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の角度範囲と
を予め設定しておき、
前記車載カメラの撮影映像から、当該撮影映像中の物体の区切りとみなされる特徴線を抽出した上で、抽出された前記特徴線からなる画像における左側から中央側に向かって、抽出された前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第1の楕円上の線分に近似することが可能な第1の線分を順次検索するとともに、抽出された前記特徴線からなる画像における右側から中央側に向かって、抽出された前記特徴線のうちの前記特徴線からなる画像上にとられた前記車載カメラの光軸に対応する点を中心とした第2の楕円上の線分に近似することが可能な第2の線分を順次検索することによって、前記車両の姿勢を、前記第1の線分および前記第2の線分の検索結果として検出し、
検索された前記第1の線分を前記第1の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第1の線分と予め設定された前記第1の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第1の元画像を取得するための矩形の第1の取得範囲として、その右下端部に、前記第1の楕円に含まれる第1の楕円弧であって前記第1の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第1の線分を含むような第1の楕円弧の右端部かつ下端部が位置され、その左端辺を、前記近似後の第1の線分が前記所定の割合で分割するような第1の取得範囲を抽出し、
検索された前記第2の線分を前記第2の楕円上の線分に近似させた上で、近似後の第2の線分と予め設定された前記第2の角度範囲とに基づいて、前記特徴線からなる画像から、前記第2の元画像を取得するための矩形の第2の取得範囲として、その左下端部に、前記第2の楕円に含まれる第2の楕円弧であって前記第2の角度範囲に対応するとともに前記近似後の第2の線分を含むような第2の楕円弧の左端部かつ下端部が位置され、その右端辺を、前記近似後の第2の線分が前記所定の割合で分割するような第2の取得範囲を抽出し、
前記車載カメラの撮影映像における抽出された前記第1の取得範囲に対応する映像を前記第1の元画像として取得し、取得された前記第1の元画像に対して前記第1の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第1の画像を生成し、前記車載カメラの撮影映像における抽出された前記第2の取得範囲に対応する映像を前記第2の元画像として取得し、取得された前記第2の元画像に対して前記第2の表示範囲に適合するような縦横の寸法の変更を行うことによって前記第2の画像を生成すること
を特徴とする請求項9に記載の車両運転支援方法。
【請求項11】
前記車載カメラの撮影映像における隣接する画素との色差が閾値以上となる箇所を前記特徴線として抽出すること
を特徴とする請求項10に記載の車両運転支援方法。
【請求項12】
抽出された前記特徴線を一旦太線化して当該特徴線の途切れ目を補間した後に、前記太線化された前記特徴線を細線化して元の太さに戻すことによって、所定画素数以下の途切れ目を有しない状態の前記特徴線を抽出すること
を特徴とする請求項11に記載の車両運転支援方法。
【請求項13】
前記第1の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第1の線分を検索し、
前記第2の角度範囲に対応するような検索範囲において前記第2の線分を検索すること
を特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の車両運転支援方法。
【請求項14】
前記第1の取得範囲を抽出する際に、前記第1の楕円弧全体を含む前記第1の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺上に前記近似後の第1の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第1の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における左端辺が、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第1の線分の左端部よりも左側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第1の線分による前記第1の取得範囲の左端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第1の取得範囲を抽出し、
前記第2の取得範囲を抽出する際に、前記第2の楕円弧全体を含む前記第2の楕円弧と横幅が同一の範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺上に前記近似後の第2の線分が到達している場合には、当該横幅が同一の範囲に対して前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定のみを行うことによって前記第2の取得範囲を抽出し、抽出された当該横幅が同一の範囲における右端辺が、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側に位置する場合には、当該横幅が同一の範囲に対して、前記近似後の第2の線分の右端部よりも右側の範囲を除去することによって横幅の限定を行い、さらに、当該横幅の限定によって得られた新たな範囲に対して、前記近似後の第2の線分による前記第2の取得範囲の右端辺の分割位置を考慮した縦幅の限定を行うことによって前記第2の取得範囲を抽出すること
を特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の車両運転支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−136081(P2010−136081A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309715(P2008−309715)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】