説明

車両運転支援装置

【課題】走行中の運転者に対しカーブミラー内に映った鏡像を見やすくしたり、カーブミラー内における接近物体を自動的に認識して運転者に対する警報や車両制御を可能にしたりして、交差点やカーブでの出合い頭の事故を未然に且つ確実に防止できるようにする。
【解決手段】車両前方を撮像する撮像手段10aと、その前方画像からカーブミラーを認識して特定する特定手段21aと、そのカーブミラーにおけるミラー内画像を取得する取得手段21b(10b,11)と、そのミラー内画像を正面から見た正視画像に変換する画像変換手段21cと、その正視画像に対しミラー周辺部の画像歪み補正を行なう画像歪み補正手段21dと、その補正後正視画像を車両運転者に対し表示する表示手段40(23a)とをそなえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運転者の運転を支援する車両運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、道路の交差点やカーブなどには、例えば図7に示すように、カーブミラー(コーナーミラー)100が設置されている。自動車等の車両の運転者は、そのカーブミラー100に映る像を見て、歩行者,車両等の接近物体を視認すると、制動を掛けたりハンドル操作を行なったりして、交差点やカーブでの出合い頭の事故を未然に防止している。
【0003】
このようなカーブミラー100は、通常、凸面鏡であるため、広い視野角を有するが、ミラー中央部に映る像は小さく、運転者は、カーブミラー100にかなり接近しなければ、カーブミラー100内に映る接近物体を視認することが難しい。このため、運転者がカーブミラー100に映る接近車両や歩行者を見落とし、出合い頭の事故に至るケースが少なくない。しかしながら、走行中の運転者に対しカーブミラー100内に映った鏡像を見やすくするような技術は開発されていない。
【0004】
なお、例えば、下記特許文献1には、広角レンズを用いて撮像された歪みのある画像を歪みのない画像に変換する補正変換技術が開示されている。しかし、この技術は、あくまで広角レンズ画像の歪みを取り除くものであって、車両走行中に運転者によって視認されるべきカーブミラー内画像(凸面鏡像)に適用されるものではない。
【特許文献1】特開2004−199350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況に鑑み創案されたもので、走行中の運転者に対しカーブミラー内に映った鏡像を見やすくしたり、カーブミラー内における接近物体を自動的に認識して運転者に対する警報や車両制御を可能にしたりして、交差点やカーブでの出合い頭の事故を未然に且つ確実に防止できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の車両運転支援装置(請求項1)は、車両前方を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された車両前方画像からカーブミラーを認識して特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記カーブミラーにおけるミラー内画像を取得するミラー内画像取得手段と、前記ミラー内画像取得手段によって取得された前記ミラー内画像を正面から見た正視画像に変換する画像変換手段と、前記画像変換手段によって得られた前記正視画像に対しミラー周辺部の画像歪み補正を行なう画像歪み補正手段と、前記画像歪み補正手段によって得られた補正後正視画像を前記車両の運転者に対し表示する表示手段とをそなえて構成されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の車両運転支援装置(請求項2)は、上述した撮像手段,特定手段,ミラー内画像取得手段,画像変換手段および画像歪み補正手段をそなえるとともに、前記画像歪み補正手段によって得られた補正後正視画像から接近物体を認識する認識手段と、前記画像歪み補正手段によって得られた前記補正後正視画像と前記撮像手段によって撮像された前記車両前方画像とに基づき、前記車両と前記認識手段によって認識された前記接近物体との衝突可能性を危険度として算出する危険度算出手段と、前記危険度算出手段によって算出された前記危険度に応じ、前記車両の運転者に対する警報もしくは前記車両の制動もしくは前記車両の操舵による危険回避制御を行なう制御手段とをそなえて構成されていることを特徴とする。このような車両運転支援装置において、前記危険度算出手段は、前記車両前方画像から算出される前記カーブミラーの取付角度と前記補正後正視画像とに基づいて前記接近物体と前記カーブミラーとの距離を算出するとともに、前記車両前方画像に基づいて前記車両と前記カーブミラーとの距離を算出し、これらの距離に基づいて前記危険度を算出してもよい(請求項3)。
【発明の効果】
【0008】
上述した本発明の車両運転支援装置によれば、車両前方画像からカーブミラーが特定されると、そのカーブミラーのミラー内画像が取得され、そのミラー内画像は、正視画像に変換されてからミラー周辺部の画像歪み補正を施され、補正後正視画像が運転者に対して表示される。これにより、運転者に対し、カーブミラーに映った鏡像が平面鏡のように見やすく表示されるため、運転者は、カーブミラーに映る接近物体との距離や、その接近速度を判断しやすくなり、交差点やカーブでの出合い頭の事故を未然に且つ確実に防止することができる。
【0009】
また、本発明の車両運転支援装置によれば、車両前方画像からカーブミラーが特定されると、そのカーブミラーのミラー内画像が取得され、そのミラー内画像は、正視画像に変換されてからミラー周辺部の画像歪み補正を施される。そして、補正後正視画像から接近物体が認識されると、補正後正視画像と車両前方画像とに基づき、車両と接近物体との衝突可能性が危険度として算出され、その危険度に応じ、運転者に対する警報もしくは車両の制動もしくは車両の操舵による危険回避制御が行なわれる。このように画像認識処理を行なって接近物体の検知が容易に行なわれる。従って、カーブミラー内における接近物体を自動的に認識して運転者に対する警報や車両制御が可能になり、交差点やカーブでの出合い頭の事故を未然に且つより確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本実施形態の構成
図1は本発明の一実施形態としての車両運転支援装置の機能構成を示すブロック図で、この図1に示す本実施形態の車両運転支援装置1は、自動車等の車両に装備され、車両運転者の運転を支援するものである。そして、本実施形態の車両運転支援装置1は、第1カメラ10a,第2カメラ10b,カメラコントローラ11,処理部20,データベース30,ディスプレイ40,LEDランプ51およびスピーカ52をそなえ、ディスプレイ40によるカーブミラー内画像表示や、ディスプレイ40,LEDランプ51およびスピーカ52を用いた運転者に対する警告や、ブレーキ61,操舵系62およびエンジン63による車両制御を行なうものである。
【0011】
なお、データベース30には、(a1)後述するごとく車両前方画像からカーブミラーを認識して特定するために用いられるカーブミラーパターン(規格化されている複数種類のカーブミラーについての形状/サイズ)や、(a2)規格化されている複数種類のカーブミラーについての鏡面湾曲率に関する情報や、(a3)後述するごとく接近物体を認識するために用いられるテンプレートや、(a4)後述するごとく危険度を算出・判定するための基準情報や、(a5)後述するごとく危険度に応じた警報/制御態様(アクション)を定義するテーブル(図5参照)が、予め登録されている。
【0012】
第1カメラ(撮像手段)10aは、車両走行中に、車両前方を広く撮像して車両前方画像(例えば図2参照)を取得するものである。この第1カメラ10aとしては、本車両運転支援装置専用のものを設けてもよいし、例えばドライブレコーダ用のカメラ等を兼用することも可能である。
第2カメラ10bは、後述するごとくカーブミラー100をズームして撮像するためのもので、第1カメラ10aに比べ視野は狭いが高解像度のものが用いられる。
【0013】
カメラコントローラ(ミラー内画像取得手段)11は、処理部20と第1カメラ10aおよび第2カメラ10bとの間に設けられ、これらの第1カメラ10aおよび第2カメラ10bの撮像動作を制御するものである。特に、カメラコントローラ11は、後述する特定手段21aやミラー内画像取得手段21bでの処理結果に応じて、第2カメラ10bを制御し、この第2カメラ10bに、カーブミラー100のズーム画像(例えば図3参照)を撮像させるものである。
【0014】
処理部(CPU)20は、画像認識処理部21,判断処理部22および出力制御系23としての機能を果たすものである。この処理部20としては、本車両運転支援装置専用のものを設けてもよいし、例えば車両制御用CPUあるいはカーナビゲーションシステム用CPUなどを兼用することも可能である。
画像認識処理部21は、特定手段21a,ミラー内画像取得手段21b,画像変換手段21cおよび画像歪み補正手段21dとしての機能を有している。
【0015】
特定手段21aは、第1カメラ10aによって撮像された車両前方画像からカーブミラー100を認識して特定するものである。より具体的に、特定手段21aは、データベース30に登録されたカーブミラーパターン(a1)を用いたパターンマッチング処理により、例えば図2に示すような車両前方画像の中からカーブミラー100の存在する領域A1を探索する。カーブミラー100は、規格化されており形状もサイズも決まっているので、その形状やサイズの特徴からパターンマッチング処理によって容易に探索することができる。また、カーブミラー100は、通常、目線よりも少し上に設置されているので、車両前方画像のうちの、目線よりも少し上の領域を対象にしてパターンマッチング処理を行なうことにより、迅速かつ効率的にカーブミラー100を認識して特定することができる。なお、図2は本実施形態の第1カメラ10aで撮像された車両前方画像の一例を示す図である。
【0016】
ミラー内画像取得手段21bは、特定手段21aによって特定されたカーブミラー100におけるミラー内画像を取得するものである。より具体的に、ミラー内画像取得手段21bは、カメラコントローラ11を介し、車両前方画像の中でカーブミラー100の存在する領域A1(図2参照)を、第2カメラ10bによってズームして撮像させ、カーブミラー100内に映る画像(ミラー内画像;図3の領域A2内の画像)を取得する。なお、図3は本実施形態の第2カメラ10bで撮像されたカーブミラー100のズーム画像の一例を示す図である。
【0017】
ここで、通常、自車(本車両運転支援装置1を装備された車両)はカーブミラー100に接近しながら走行しているので、その走行状況に応じて、カメラコントローラ11が、第2カメラ10bによるズーム倍率を変えたり第2カメラ10bの向きを調整したりする。また、第1カメラ10aの解像度が十分に高い場合には、第2カメラ10bをそなえる必要はない。さらに、後述するように、第1カメラ10aがズーミング機能を有している場合にも、第2カメラ10bをそなえることなく、第1カメラ10aのズーミング機能を用いてカーブミラー100におけるミラー内画像を取得することが可能である。
【0018】
また、本実施形態において、上述したミラー内画像取得手段21bは、カーブミラー100の取付角度を算出する取付角度算出手段としての機能も果たすものとする。つまり、ミラー内画像取得手段21bは、図3に示すようなカーブミラー100のズーム画像に基づき、そのカーブミラー100の見た目の形状から、自車から見たカーブミラー100の角度を算出する。前述した通り、カーブミラー100は規格化されており、そのミラー100を正面から見た時の形状(以下、「正視形状」という)やサイズは、カーブミラーの種類毎にデータベース30に登録されている。従って、ミラー内画像取得手段21bは、ズーム画像中のカーブミラー100の形状と、データベース30に登録されている正視形状とに基づいて、カーブミラー100をどの角度から見たズーム画像であるか、つまり、カーブミラー100の取付角度を算出することが可能である。このとき、取付角度としては、例えば、俯角(上下方向の取付角度;水平軸まわりの角度)と、自車進行方向に対するミラー100の角度(左右方向の取付角度;鉛直軸まわりの角度)とが算出される。この取付角度は、後述する危険度算出手段22bにおいてミラー内距離を算出する際に用いられる。
【0019】
画像変換手段21cは、ミラー内画像取得手段21bによって取得されたミラー内画像(図3の領域A2参照)を正面から見た正視画像に変換するものである。より具体的に、画像変換手段21cは、今回特定されたカーブミラー100の正視形状をデータベース30から取得し、ミラー内画像取得手段21bによって取得されたミラー内画像(図3の領域A2内の画像)を、取得された正視形状の領域に写像するように、例えばアフィン変換による座標変換を行なう。この画像変換手段21cにより、ミラー内画像取得手段21bによって取得されたミラー内画像(図3の領域A2参照)が、斜めから見た状態から、正面から見た状態(正視画像)に変換されることになる。
【0020】
画像歪み補正手段21dは、画像変換手段21cによって得られた正視画像に対しミラー周辺部の画像歪み補正を行なうものである。画像変換手段21cによって得られた正視画像は、カーブミラー100を正面から見た状態になっているが、その画像のミラー周辺部には、カーブミラー100が凸面鏡であることに起因する歪みが生じている。この画像歪補正手段21dは、このような歪を取り除く補正を、画像変換手段21cによって得られた正視画像に対して行なうものである。
【0021】
その補正手法としては、例えば、高辻誠也ほか「グレイコードパターンを利用したレンズ歪みの補正手法」 (URL: http://www.am.sanken.osaka-u.ac.jp/~echigo/miru2005.pdf#search='グレイコードパターンを利用したレンズ歪みの補正手法') や、関海克ほか「デジタルカメラにおける画像補正技術」 (Ricoh Technical Report No.31, pp.103-110, DECEMBER, 2005) などに開示された画像変換技術(画像補正技術)を用いることができる。また、上記補正に際しては、画像歪み補正手段21dは、データベース30に登録された、当該カーブミラー100に対応する種類のカーブミラーの鏡面湾曲率(a2)を読み出して用いることができる。
【0022】
この画像歪み補正手段21dにより、凸面鏡であることに起因するミラー周辺部の歪みが補正され、カーブミラー100に映った画像が、平面鏡に映したような見やすい画像(例えば図4参照)に座標変換されることになる。なお、図4は本実施形態においてディスプレイ40に表示される歪み補正後正視画像の一例を示す図であり、この図4に示すように、画像歪み補正手段21dによって得られた補正後正視画像は、後述する出力制御系23の表示制御部23aによってディスプレイ(表示手段)40に表示される。
【0023】
判断処理部22は、接近物体認識手段22a,危険度算出手段22bおよび制御手段22cとしての機能を有している。
接近物体認識手段(認識手段)22aは、画像歪み補正手段21dによって得られた補正後正視画像から、車両,バイク,歩行者などの接近物体101(図4参照)を認識するものである。この接近物体認識手段22aは、既存の種々の物体認識手法、例えば、テンプレートマッチング(データベース30に予め登録されたテンプレート(a3)を用いたマッチング処理),ニューロなどの形状認識手法や移動物体認識手法を用いて、カーブミラー100に映る補正後正視画像から接近物体101を認識する。ここで適用される認識手法としては、車両前方を撮像するカメラによって得られた画像から移動物体(車らしき形状)を認識する技術として一般的に知られているものを用いることができる。
【0024】
危険度算出手段22bは、画像歪み補正手段21dによって得られた補正後正視画像と第1カメラ10aによって撮像された車両前方画像とに基づき、自車と接近物体認識手段22aによって認識された接近物体101との衝突可能性を危険度として算出するものである。より具体的に、危険度算出手段22bは、車両前方画像から算出されるカーブミラー100の取付角度(ミラー内画像取得手段21bの機能によって算出された取付角度)と補正後正視画像とに基づいて接近物体101とカーブミラー100との距離d1を算出するとともに、車両前方画像に基づいて自車とカーブミラー100との距離d2を算出し、これらの距離d1,d2に基づいて危険度の算出(危険度レベルの判定)を行なう。
【0025】
ここで、自車とカーブミラー100との距離d2は、第1カメラ10aの取付位置や指向方向が判明していれば、図2に示すように、第1カメラ10aによって撮像された車両前方画像のY軸座標から算出することが可能である。第1カメラ10aの取付位置や指向方向は、通常、既知の値として提供される。また、第1カメラ10aとしてステレオカメラを用いている場合には、視差(視野角)によって自車とカーブミラー100との距離d2を算出することも可能である。
【0026】
また、接近物体101とカーブミラー100との距離d1は、カーブミラー100の取付角度が判明していれば、図4に示すように、画像歪み補正手段21dによって得られた補正後正視画像のY軸座標から算出することが可能である。カーブミラー100の取付角度は、上述したように、ミラー内画像取得手段21bの取付角度算出機能によって算出される。そして、距離d1の時間微分値が、接近物体101の接近速度v1となる。
【0027】
危険度算出手段22bは、上述のごとく算出された距離d1,d2,接近速度v1および自車の速度v2(例えば速度センサから得られる値)に基づき、衝突の危険性(可能性)について、例えば下記のような5段階の危険度レベル(b1)〜(b5)での判定を行なう。
危険度レベル(b1):危険性なし
危険度レベル(b2):危険移行過程(危険状態に移行しつつある状態)
危険度レベル(b3):危険状態(そのまま何もせずに走ると衝突に至る状態)
危険度レベル(b4):危険臨界(緊急に回避行動をしないと衝突に至る状態)
危険度レベル(b5):衝突不可避(物理的に衝突回避は不可能な状態)
【0028】
ここで、距離d1,d2,接近速度v1および自車の速度v2と、上記5段階の危険度レベル(b1)〜(b5)との対応関係は、データベース30に基準情報(a4)として予め登録されている。実際には、自車と接近物体101との距離D(=d1+d2)、および、自車に対する接近物体101の接近速度V(=v1+v2)と、上記5段階の危険度レベル(b1)〜(b5)との対応関係が、基準情報(a4)として予め登録されている。
【0029】
危険度算出手段22bは、自車と接近物体101との現在の距離Dおよび接近速度Vを、上記基準情報(a4)に照らし、現在の状況が危険度レベル(b1)〜(b5)のいずれに該当するかを算出・判定する。例えば、距離Dが所定値以上で且つ速度Vが十分に遅い場合(例えば距離Dが50m以上で速度Vが10km/h以下)には、危険度レベル(b1)「危険性なし」と判定する。また、距離Dが所定値未満で且つ速度Vが速い場合(例えば距離Dが50m未満で速度Vが60km/h以上;この場合5秒以内に衝突)には、危険度レベル(b5)「衝突不可避」と判定する。このように基準情報(a4)を距離Dおよび接近速度Vについて段階的に適宜設定しておくことにより、危険度算出手段22bは、距離Dおよび接近速度Vに基づく危険度レベルの算出・判定を行なうことが可能になっている。
【0030】
制御手段22cは、危険度算出手段22bによって算出された危険度レベルに応じ、自車の運転者に対する警報や、自車の制動/操舵/エンジン制御による危険回避制御を行なうものである。上述した5段階の危険度レベル(b1)〜(b5)と各危険度レベルに応じた警報/制御態様(アクション)との対応関係は、データベース30に、図5に示すようなテーブル(a5)として予め登録されている。制御手段22cは、そのテーブル(a5)を参照し、危険度算出手段22bで得られた危険度レベルに応じた警報/制御態様(アクション)を認識し、認識した警報/制御態様(アクション)を、出力制御系23を介して実行させる。なお、図5は本実施形態における危険度に応じた警報/制御態様(アクション)を定義するテーブル(a5)の一例を示す図である。
【0031】
図5に示すテーブル(a5)の定義によれば、制御手段22cは、危険度レベル(b1)〜(b5)に応じて、例えば、以下のような制御動作(c1)〜(c5)を行なうようになっている。なお、図5に示すテーブル(a5)において、◎は必須アクションであることを示し、△は必要に応じて行なってもよいアクションであることを示している。
【0032】
(c1) 危険度レベル(b1)「危険性なし」の場合、何ら制御動作を行なわない。
(c2) 危険度レベル(b2)「危険移行過程」の場合、危険状態に移行しつつある状態であることを運転者に通知する情報提供を行なう。具体的に、制御手段22cは、出力制御系系23の表示制御部23aを介し、ディスプレイ40によって危険状態に移行しつつある状態である旨を表示させる制御を行ない、運転者に対する情報提供を行なうとともに、出力制御系23の警報制御部23bを介しLEDランプ51の色/点滅/点灯制御を行なったりスピーカ52からビープ音や人工音声を出力させる制御を行なって、上記情報提供を行なう。
【0033】
(c3) 危険度レベル(b3)「危険状態」の場合、そのまま何もせずに走ると衝突に至る状態であることを運転者に認識させる注意喚起を行なう。具体的に、制御手段22cは、出力制御系系23の表示制御部23aを介し、ディスプレイ40によって上記注意喚起の表示を行なわせるとともに、出力制御系23の警報制御部23bを介しLEDランプ51の色/点滅/点灯制御を行なったりスピーカ52からビープ音や人工音声を出力させる制御を行なって、上記注意喚起を行なう。このときのLEDランプ51やスピーカ52による注意喚起動作は、上記情報提供時よりも緊急度(危険度)が高いことが運転者に対して明確になるように、例えばLEDランプ51の点滅間隔やスピーカ52によるビープ音鳴動間隔を上記情報提供時よりも短くする。また、必要に応じて、制御手段22cは、出力制御系23の制動制御部23c,操舵制御部23dおよびエンジン制御部23eを介し、ブレーキ61の制動制御や操舵系62の操舵制御やエンジン63の動作制御を行なって衝突回避制御(介入制御)を行なってもよい。
【0034】
(c4) 危険度レベル(b4)「危険臨界」の場合に緊急に回避行動をしないと衝突に至る状態であることを運転者に認識させる警報を行なう。具体的に、制御手段22cは、出力制御系系23の表示制御部23aを介し、ディスプレイ40によって上記警報の表示を行なわせるとともに、出力制御系23の警報制御部23bを介しLEDランプ51の色/点滅/点灯制御を行なったりスピーカ52からビープ音や人工音声を出力させる制御を行なって、上記警報を行なう。このときのLEDランプ51やスピーカ52による警報動作は、上記注意喚起時よりも緊急度(危険度)が高いことが運転者に対して明確になるように、例えばLEDランプ51の点滅間隔やスピーカ52によるビープ音鳴動間隔を上記注意喚起時よりもさらに短くする。また、この時も、必要に応じて、制御手段22cは、出力制御系23の制動制御部23c,操舵制御部23dおよびエンジン制御部23eを介し、ブレーキ61の制動制御や操舵系62の操舵制御やエンジン63の動作制御を行なって衝突回避制御(介入制御)を行なってもよい。
【0035】
(c5) 危険度レベル(b5)「衝突不可避」の場合、物理的に衝突回避は不可能な状態であるため、警報のみならず強制的な衝突回避制御(介入制御)を行なう。具体的に、制御手段22cは、出力制御系系23の表示制御部23aを介し、ディスプレイ40によって衝突不可避状態であることを示す警報を出力させるとともに、出力制御系23の警報制御部23bを介しLEDランプ51の色/点滅/点灯制御を行なったりスピーカ52からビープ音や人工音声を出力させる制御を行なって、上記警報を行なう。この警報制御と同時に、制御手段22cは、出力制御系23の制動制御部23c,操舵制御部23dおよびエンジン制御部23eを介し、ブレーキ61の制動制御や操舵系62の操舵制御やエンジン63の動作制御を行なって衝突回避制御(介入制御)を強制的に行なう。
【0036】
なお、出力制御系23は、表示制御部23a,警報制御部23b,制動制御部23c,操舵制御部23dおよびエンジン制御部23eとしての機能を有している。
表示制御部23aは、ディスプレイ(表示手段)40の表示状態を制御するもので、画像歪み補正手段21dによって得られた補正後正視画像を、運転者に対して提示すべく、ディスプレイ40に表示させる機能を有するほか、上記制御動作(c2)〜(c5)に伴う制御手段22cからの指示に応じた、ディスプレイ40の表示制御を行なう機能を有している。
【0037】
警報制御部23bは、LEDランプ51およびスピーカ52の動作を制御するもので、上記制御動作(c2)〜(c5)に伴う制御手段22cからの指示に応じた、LEDランプ51およびスピーカ52の動作制御を行なう機能を有している。
【0038】
制動制御部23cは、ブレーキ61による制動を制御するもので、上記制御動作(c3)〜(c5)に伴う制御手段22cからの指示に応じた、ブレーキ61の制動制御(衝突回避のための介入制御)を行なう機能を有している。
【0039】
操舵制御部23dは、操舵系62による操舵を制御するもので、上記制御動作(c3)〜(c5)に伴う制御手段22cからの指示に応じた、操舵系62による操舵制御(衝突回避のための介入制御)を行なう機能を有している。
【0040】
エンジン制御部23eは、エンジン63の動作を制御するもので、上記制御動作(c3)〜(c5)に伴う制御手段22cからの指示に応じた、エンジン63の動作制御(衝突回避のための介入制御)を行なう機能を有している。
【0041】
〔2〕本実施形態の動作
次に、図6に示すフローチャート(ステップS11〜S32)に従って、上述のごとく構成された本実施形態の車両運転支援装置1の動作について説明する。
自車の走行中、第1カメラ10aによって撮像された車両前方画像は、常時、カメラコントローラ11を介し処理部20(特定手段21a)に入力され、特定手段21aによって、その車両前方画像中におけるカーブミラーの有無が調べられる(ステップS11)。
【0042】
特定手段21aによって車両前方画像中にカーブミラー100の存在する領域A(図2参照)が特定されると(ステップS11のYESルート)、特定手段21aの特定結果に基づき、カメラコントローラ11によって第2カメラ10bがカーブミラー100の方向に向けられ(ステップS12)、さらに、カメラコントローラ11によって第2カメラ10bをカーブミラー100にズームし(ステップS13)、第2カメラによって、カーブミラー100のズーム画像(図3参照)を撮像・取得する(ステップS14)。
【0043】
この後、ミラー内画像取得手段21bの取付角度算出手段としての機能により、カーブミラー100の取付角度が算出される(ステップS15)。その際、ステップS14で取得されたズーム画像中のカーブミラー100の形状と、データベース30に登録されている正視形状とに基づいて、カーブミラー100をどの角度から見たズーム画像であるか、つまり、カーブミラー100の取付角度として、俯角と、自車進行方向に対するミラー100の角度とが算出される。
【0044】
一方、ミラー内画像取得手段21bによって、ステップS14で取得されたズーム画像から、例えば図3の領域A2で示すミラー内画像が取得されると(ステップS16)、画像変換手段21cによって、ステップS16で取得されたミラー内画像(図3の領域A2参照)が、座標変換され、斜めから見た状態から、正面から見た状態(正視画像)に変換される(ステップS17)。
【0045】
そして、画像歪み補正手段21dによって、ステップS17で得られた正視画像を平面鏡の画像に座標変換することにより、その正視画像に対しミラー周辺部の画像歪み補正が施され、ミラー内画像のミラー周辺部に生じている、カーブミラー100が凸面鏡であることに起因する歪みが除去される(ステップS18)。
【0046】
ステップS18で得られた補正後正視画像は、表示制御部23aによって、ディスプレイ40に表示され、運転者に対して提示される(ステップS19)。これにより、運転者に対し、カーブミラー100に映った鏡像が平面鏡のように見やすく表示されることになる。
【0047】
さらに、接近物体認識手段22aによって、例えばテンプレートマッチング,ニューロなどの形状認識手法や移動物体認識手法を用い、ステップS18で得られた補正後正視画像(変換画像)から、車両,バイク,歩行者などの接近物体101(図4参照)が認識される(ステップS20)。ここで、接近物体101が認識されない場合には、例えばステップS11の処理に戻り上述と同様の処理を繰り返す。
【0048】
ステップS20で接近物体101が認識されると、危険度算出手段22bによって、ステップS18で得られた補正後正視画像のY軸座標に基づき、接近物体101とカーブミラー100との距離d1が算出されるとともに、その接近物体101の速度v1が、距離d1の時間微分値として算出される(ステップS21)。
【0049】
また、危険度算出手段22bによって、第1カメラ10aで撮像された車両前方画像のY軸座標に基づき、自車とカーブミラー100との距離d2が算出されるとともに、自車の走行速度v2が自車の速度センサによって得られる(ステップS22)。
【0050】
この後、危険度算出手段22bによって、自車と接近物体101との現在の距離D(=d1+d2)および接近速度V(=v1+v2)が、データベース30における上記基準情報(a4)に照らし合わされ、現在の状況が危険度レベル(b1)〜(b5)のいずれに該当するかが衝突可能性として算出・判定される(ステップS23)
【0051】
そして、制御手段22cによって、ステップS23で算出された危険度レベルに応じ、自車の運転者に対する警報や、自車の制動/操舵/エンジン制御による危険回避制御が実行される(ステップS24〜S32)。
【0052】
つまり、危険度レベル(b5)「衝突不可避」の場合(ステップS24のYESルート)、物理的に衝突回避は不可能な状態であるため、警報のみならず強制的な衝突回避制御(介入制御)が行なわれる。具体的には、制御動作(c5)として上述したように、ディスプレイ40,LEDランプ51およびスピーカ52による、運転者に対する警報が行なわれるとともに、ブレーキ61の制動制御や操舵系62の操舵制御やエンジン63の動作制御が行なわれ衝突回避制御(介入制御)が強制的に行なわれる(ステップS25)。
【0053】
危険度レベル(b4)「危険臨界」の場合(ステップS24のNOルートおよびステップS26のYESルート)、緊急に回避行動をしないと衝突に至る状態であることを運転者に認識させる警報が行なわれる。具体的には、制御動作(c4)として上述したように、ディスプレイ40,LEDランプ51およびスピーカ52による、運転者に対する警報が行なわれる(ステップS27)。このとき、警報と同時に、ブレーキ61の制動制御や操舵系62の操舵制御やエンジン63の動作制御を行なって、衝突回避制御(介入制御)を行なってもよい。
【0054】
危険度レベル(b3)「危険状態」の場合(ステップS26のNOルートおよびステップS28のYESルート)、そのまま何もせずに走ると衝突に至る状態であることを運転者に認識させる注意喚起が行なわれる。具体的には、制御動作(c3)として上述したように、ディスプレイ40,LEDランプ51およびスピーカ52による、運転者に対する注意喚起が行なわれる(ステップS29)。このときも、注意喚起と同時に、ブレーキ61の制動制御や操舵系62の操舵制御やエンジン63の動作制御を行なって、衝突回避制御(介入制御)を行なってもよい。
【0055】
危険度レベル(b2)「危険移行過程」の場合(ステップS28のNOルートおよびステップS30のYESルート)、危険状態に移行しつつある状態であることを運転者に通知する情報提供が行なわれる。具体的には、制御動作(c2)として上述したように、ディスプレイ40,LEDランプ51およびスピーカ52による、運転者に対する情報提供が行なわれる(ステップS31)。
【0056】
危険度レベル(b1)「危険性なし」の場合(ステップS30のNOルート)、直前までステップS25,S27,S29,S31のいずれかの衝突回避処理を実行していれば、その衝突回避処理を解除してから(ステップS32)、ステップS11の処理に戻る一方、直前に衝突回避処理を行なっていないければ、何ら制御動作を行なうことなくステップS11の処理に戻る。
【0057】
なお、図6に示す例では、迅速性を要求される危険度レベルの高い場合についての判定および衝突回避処理を優先的に行なっている。
【0058】
〔3〕本実施形態の効果
このように、本発明の一実施形態としての車両運転支援装置1によれば、車両前方画像からカーブミラー100が特定されると、そのカーブミラー100のミラー内画像が取得され、そのミラー内画像は、正視画像に変換されてからミラー周辺部の画像歪み補正を施され、補正後正視画像がディスプレイ40によって運転者に対して表示される。これにより、運転者に対し、カーブミラー100に映った鏡像が平面鏡のように見やすく表示されるため、運転者は、カーブミラー100に映る接近物体101との距離や、その接近速度を判断しやすくなり、交差点やカーブでの出合い頭の事故を未然に且つ確実に防止することができる。
【0059】
また、補正後正視画像から接近物体101が認識されると、補正後正視画像と車両前方画像とに基づき、自車と接近物体101との衝突可能性が危険度として算出され、その危険度に応じ、運転者に対する警報もしくは自車の制動/操舵/エンジン制御による危険回避制御(衝突回避制御)が行なわれる。このように画像認識処理を行なって接近物体101の検知が容易に行なわれる。従って、カーブミラー100内における接近物体101を自動的に認識し、運転者に対する警報や、運転者の意思に関係なく強制的な車両制御(危険回避制御/衝突回避制御)が可能になり、交差点やカーブでの出合い頭の事故を未然に且つより確実に防止することができる。
【0060】
さらに、ミラー内画像取得手段としての第2カメラ10bがズーミング機能を有する場合、走行に伴って自車がカーブミラー100に近づいても第2カメラ10bによって撮像されるズーム画像上でカーブミラー100が常に同じ大きさになるように、カメラコントローラ11が第2カメラ10bのズーム倍率を自動的に調整することにより、認識エンジン(画像認識処理部21)側で画像の大きさを調節する処理を行なう必要がなくなり、認識エンジン側の負荷を大幅に軽減することができる。
【0061】
〔4〕本実施形態の変形例
上述した実施形態では、車両前方を広く撮像して車両前方画像を取得する第1カメラ10aと、第1カメラ10aに比べ視野は狭いが高解像度の第2カメラ10bとの2台のカメラをそなえた場合について説明したが、以下のように、1台のカメラによっても上述と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0062】
例えば、撮像手段としての第1カメラ10aがズーミング機能を有するものであれば、このズーミング機能によってカーブミラー100のズーム画像を取得することが可能であり、このズーミング機能を有する第1カメラ10aによって、カーブミラー100におけるミラー内画像を取得することできる。このとき、カメラコントローラ11によって第1カメラ10aのズーミング機能が制御され、カーブミラー100が第1カメラ10aによって捕捉追従される。この場合、ズーミング機能を用いるため、第2カメラ10bが不要となるだけでなく、第1カメラ10aとして高解像度のものを用いる必要もなくなり、装置コストを大幅に削減することができる。
【0063】
また、撮像手段としての第1カメラ10aが、上述のようにズーミング機能を有する場合、走行に伴って自車がカーブミラー100に近づいても第1カメラ10aによって撮像されるズーム画像上でカーブミラー100が常に同じ大きさになるように、第1カメラ10aのズーム倍率を自動的に調整する機能(カメラコントローラ11によって実現可能)をそなえる。このような機能をそなえることにより、認識エンジン(画像認識処理部21)側で画像の大きさを調節する処理を行なう必要がなくなり、認識エンジン側の負荷を大幅に軽減することができる。
【0064】
さらに、車両前方画像を撮像する撮像手段としての第1カメラ10aを、上述した第2カメラ10bと同程度に高解像度のものとして構成した場合、第2カメラ10bを不要にすることができるほか、一つの高解像度の車両前方画像から、同時に2以上のカーブミラーのミラー内画像を取得し、その2以上のミラー内画像に対する画像変換処理や画像歪み補正を行なうことができる。
【0065】
〔5〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、カーブミラー100の形状が矩形である場合について説明しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、予め規格化されているカーブミラーであれば、その形状は矩形に限定されるものではなく円形やその他の形であってもよく、いずれの場合も、上述した実施形態と同様の作用効果を得られることはいうまでもない。また、上述した実施形態では、危険度レベルが(b1)〜(b5)の5段階である場合について説明したが、このような5段階に限定されるものではない。
【0066】
また、上述した画像認識処理部21(特定手段21a,ミラー内画像取得手段21b,画像変換手段21cおよび画像歪み補正手段21d),判断処理部22(接近物体認識手段22a,危険度算出手段22bおよび制御手段22c)および出力制御系23(表示制御部23a,警報制御部23b,制動制御部23c,操舵制御部23dおよびエンジン制御部23e)としての機能(全部もしくは一部の機能)は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(車両運転支援プログラム)を実行することによって実現される。
【0067】
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど),ブルーレイディスク等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体から車両運転支援プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0068】
ここで、コンピュータとは、ハードウエアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウエアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウエアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。上記車両運転支援プログラムとしてのアプリケーションプログラムは、上述のようなコンピュータに、上述した画像認識処理部21,判断処理部22および出力制御系23としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態としての車両運転支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の第1カメラで撮像された車両前方画像の一例を示す図である。
【図3】本実施形態の第2カメラで撮像されたカーブミラーのズーム画像の一例を示す図である。
【図4】本実施形態においてディスプレイに表示される歪み補正後正視画像の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における危険度に応じた警報/制御態様(アクション)を定義するテーブルの一例を示す図である。
【図6】図1に示す車両運転支援装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図7】一般的なカーブミラー(コーナーミラー)の設置状況を説明するための図である。
【符号の説明】
【0070】
1 車両運転支援装置
10a 第1カメラ(撮像手段)
10b 第2カメラ(ミラー内画像取得手段)
11 カメラコントローラ(ミラー内画像取得手段)
20 処理部(CPU)
21 画像認識処理部
21a 特定手段
21b ミラー内画像取得手段(取付角度算出手段)
21c 画像変換手段
21d 画像歪み補正手段
22 判断処理部
22a 接近物体認識手段(認識手段)
22b 危険度算出手段
22c 制御手段
23 出力制御系
23a 表示制御部
23b 警報制御部
23c 制動制御部
23d 操舵制御部
23e エンジン制御部
30 データベース
40 ディスプレイ(表示手段)
51 LEDランプ
52 スピーカ
61 ブレーキ
62 操舵系
63 エンジン
100 カーブミラー(コーナーミラー)
101 接近物体(車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された車両前方画像からカーブミラーを認識して特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記カーブミラーにおけるミラー内画像を取得するミラー内画像取得手段と、
前記ミラー内画像取得手段によって取得された前記ミラー内画像を正面から見た正視画像に変換する画像変換手段と、
前記画像変換手段によって得られた前記正視画像に対しミラー周辺部の画像歪み補正を行なう画像歪み補正手段と、
前記画像歪み補正手段によって得られた補正後正視画像を前記車両の運転者に対し表示する表示手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、車両運転支援装置。
【請求項2】
車両前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された車両前方画像からカーブミラーを認識して特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記カーブミラーにおけるミラー内画像を取得するミラー内画像取得手段と、
前記ミラー内画像取得手段によって取得された前記ミラー内画像を正面から見た正視画像に変換する画像変換手段と、
前記画像変換手段によって得られた前記正視画像に対しミラー周辺部の画像歪み補正を行なう画像歪み補正手段と、
前記画像歪み補正手段によって得られた補正後正視画像から接近物体を認識する認識手段と、
前記画像歪み補正手段によって得られた前記補正後正視画像と前記撮像手段によって撮像された前記車両前方画像とに基づき、前記車両と前記認識手段によって認識された前記接近物体との衝突可能性を危険度として算出する危険度算出手段と、
前記危険度算出手段によって算出された前記危険度に応じ、前記車両の運転者に対する警報もしくは前記車両の制動もしくは前記車両の操舵による危険回避制御を行なう制御手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、車両運転支援装置。
【請求項3】
前記危険度算出手段は、前記車両前方画像から算出される前記カーブミラーの取付角度と前記補正後正視画像とに基づいて前記接近物体と前記カーブミラーとの距離を算出するとともに、前記車両前方画像に基づいて前記車両と前記カーブミラーとの距離を算出し、これらの距離に基づいて前記危険度を算出することを特徴とする、請求項2記載の車両運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−122821(P2010−122821A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294743(P2008−294743)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】