説明

車体構造

【課題】本発明は、車体前部の側部にサブウインドウとフロントフェンダーを備えた車体構造において、サブウインドウガラスを取り外すことなく、フロントフェンダーの交換性を確保して、さらに、フロントフェンダー上部の撓みやガタツキを防止することができる車体構造を提供することを目的とする。
【解決手段】フロントフェンダー4の車幅方向内方側に、ドアヒンジピラー70側に突出する取付けガセット46を設け、その取付けガセット46の車幅方向内端に、ドアヒンジピラー70に固定される締結ボルト47を挿通する挿通穴46cを設け、側面視で取付けガセット46と重複するフロントフェンダー4の外表面に、開口45を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の車体構造に関し、特に、車体前部の側部に三角窓等のサブウインドウとフロントフェンダーを備えた車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ミニバン等の自動車において、車体前部の側方視界を向上するためフロントピラーの下部に三角窓等のサブウインドウを設けることが知られている。
例えば、下記特許文献1では、フロントピラーの下部に三角窓を設ける車体構造が開示されており、これにより、車体前部の側方視界を向上している。
この特許文献1では、さらに、その周辺構造であるエプロンレインメンバ等も開示され、この三角窓周辺が複数の構成要素で構成されていることが開示されている。
【特許文献1】特開2000−103360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、車体側部のフロントフェンダーの車体への固定方法は、フロントフェンダーの上端にフランジ部等を形成して、このフランジ部等を車体側部のエプロンレイン等に締結固定するのが一般的である。
【0004】
しかし、前述の特許文献1のようにサブウインドウを採用する自動車においては、サブウインドウガラスの下縁部とフロントフェンダーの上縁部とが隣接して一致するために、この部分のフロントフェンダー上部(以下、フェンダー窓下辺部という)の車体への固定方法が問題となる。
【0005】
この点、フェンダー窓下辺部に上向きのフランジ部を形成して、車体側部(ヒンジピラー等)に締結固定する構成を採用することが考えられるが、この構成を採用すると、フランジ部がサブウインドウガラスによって覆われてしまうため、損傷時におけるフロントフェンダーの交換性を確保するために、サブウインドウガラスもボルト締結等により着脱可能に構成して、フェンダー交換時には、サブウインドウガラスを車体から取り外すことにより、前述のフランジ部に締結作業のアクセスができるようにしなければならない。
【0006】
しかし、フロントフェンダーの交換のために、わざわざサブウインドウガラスの着脱作業を行なうこととなれば、その作業は多大な工数を要するし、また、サブウインドウガラスを車体に接着固定できず、圧着したゴム製シールでサブウインドウガラスと車体開口部の間の防水性を確保しなければならなくなり、このゴム製シールの経年劣化等により、雨漏りがしやすくなるという問題が生じる。
【0007】
こうした問題から、フェンダー窓下辺部に、車体側部への固定部を設定しないことも考えられるが、固定部を設定しない場合には、サブウインドウガラスの下縁部の前後方向長さが長くなると、フェンダー窓下辺部で車体に固定されない領域が長くなり、フロントフェンダー上部で撓みや、車両走行中のガタツキが生じるといった新たな問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、車体前部の側部にサブウインドウとフロントフェンダーを備えた車体構造において、サブウインドウガラスを取り外すことなく、フロントフェンダーの交換性を確保して、さらに、フロントフェンダー上部の撓みやガタツキを防止することができる車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の車体構造は、車体側部のドアヒンジピラーの上方に、サブウインドウガラスを装着するサブウインドウ開口部を設けた車体構造であって、前記サブウインドウ開口部の下方の車幅方向外方に、ホイールアーチを下部に有するフロントフェンダーを配置して、該フロントフェンダーの車幅方向内方に、前記ドアヒンジピラー側に突出する取付けガセットを設け、該取付けガセットの車幅方向内端に、該ドアヒンジピラーに固定される締結固定部を設け、前記フロントフェンダーの外表面に、側面視で前記取付けガセットの締結固定部と重複する位置に締結作業用開口部を形成したものである。
【0010】
上記構成によれば、フロントフェンダーは、その車幅方向内方側に設けた取付けガセットで、ドアヒンジピラーに締結固定される。そして、その締結作業の際には、締結作業用開口部を介して、フロントフェンダー内の取付けガセットが締結操作されることになる。
このため、フロントフェンダーは、その車体への締結固定を、フロントフェンダー内の車幅方向内方位置で行うことができ、フロントフェンダー上縁部に締結フランジを設定しなくても、車体に締結固定できる。
なお、取付けガセットの形状は、フロントフェンダーをドアヒンジピラーに締結固定できるものであれば、どのような形状であってもよく、例えば、筒形状、クランク形状、ハット形状、コーン形状等であってもよい。
【0011】
発明の一実施態様においては、前記締結作業用開口部に、灯具を着脱自在に装着したものである。
上記構成によれば、フロントフェンダーの締結作業用開口部は、着脱自在な灯具によって覆われる。
このため、締結作業用開口部は、車体外表面に露出しないため、車体の美感を悪化させることがない。また、灯具側においても、締結作業用開口部を利用してフロントフェンダーに装着できるため、別途、灯具の取り付けのための開口等を設ける必要がない。
よって、フロントフェンダーの締結固定のために、締結作業用開口部を設けたとしても、車体の美感を確保することができ、また、締結作業用開口部に灯具設置部としての機能も兼ねさせることができる。
なお、この灯具の固定方法は、灯具が着脱自在であれば、係止爪による嵌合固定であってもよいし、締結ネジによる締結固定であってもよい。
また、装着固定される灯具も、ウィンカーランプや、フロントドアの足もとを照らすフットランプ等であってもよい。
【0012】
発明の一実施形態においては、前記締結作業用開口部に、ガーニッシュを着脱自在に装着したものである。
上記構成によれば、フロントフェンダーの締結作業用開口部は、着脱自在なガーニッシュによって覆われる。
このため、締結作業用開口部は、車体外表面に露出しないため、車体の美感を悪化させることがない。また、フロントフェンダーにガーニッシュを設定できるため、車体側部の美感を向上することができる。
よって、フロントフェンダーの締結固定のために、締結作業用開口部を設けたとしても、車体の美感を確保することができ、さらにガーニッシュを設けたため、車体側部の美感をさらに向上することができる。
なお、このガーニッシュの固定方法も、ガーニッシュが着脱自在であれば、係止爪による嵌合固定であってもよいし、締結ネジによる締結固定であってもよい。
また、装着固定されるガーニッシュも、単に反射機能を有するリフレクタ板であってもよいし、車体内部の熱気を外部に排出するサイドエアダクトであってもよい。
【0013】
発明の一実施形態においては、前記取付けガセットには、ドアヒンジピラーに当接する当接部と、フロントフェンダーに固定される固定部とを設け、該当接部と固定部との間に、車幅方向に延びる脚部を設けたものである。
上記構成によれば、取付けガセットは、車幅方向に延びる脚部を設けていることから、フロントフェンダーとドアヒンジピラーの間で、車幅方向に突っ張った状態で、フロントフェンダー内に位置することになる。
このため、フロントフェンダーは、取付けガセットによって、その設置位置の車幅方向の面剛性を高めることができる。
よって、フロントフェンダーは、外部から押圧されても容易に変形することがなく、長期間にわたって、その形状を維持することができる。
【0014】
発明の一実施形態においては、前記取付けガセットの脚部を、前記締結作業用開口部を取り囲むように配置した略筒状の板状体で構成し、前記取付けガセットの固定部を、該締結作業用開口部を取り囲むように配置した当接フランジで構成して、該当接フランジを、該締結作業用開口部の周囲に接着固定したものである。
上記構成によれば、取付けガセットは、フロントフェンダーの締結作業用開口部を取り囲むようにして板状の脚部と当接フランジ部を設けて、そのうちの当接フランジ部を締結作業用開口部の周囲に接着している。
【0015】
このため、締結作業用開口部は、取付けガセットの板状の脚部と当接フランジ部に取り囲まれることで、周囲がボックス形状に補強されることになり、その形状を保持することができる。
【0016】
よって、フロントフェンダーは、締結作業用開口部を設けても、取付けガセットによりその剛性低下が抑制されて、高い面剛性を維持することができる。
【0017】
発明の一実施形態においては、前記サブウインドウガラスの下縁部を、前記フロントフェンダーの上縁部に隣接するように設置して、該サブウインドウガラスを、前記サブウインドウ開口部の周囲に接着固定したものである。
上記構成によれば、サブウインドウガラスの下縁部をフロントフェンダーの上縁部に隣接して一致させたことで、通常であればサブウインドウガラスを着脱式としなければならないが、前述のように取付けガセットを設けたため、締結フランジの設定が不要となり、これに伴って、サブウインドウガラスも接着固定することができ、雨水等の浸入を防止でき、サブウインドウ部分の防水性を向上できる。
すなわち、フロントフェンダーの交換の際に、サブウインドウ開口部からサブウインドウガラスを取り外す必要がないため、サブウインドウガラスを接着固定することができ、雨水等の浸入を完全に遮断することができるのである。
よって、フロントフェンダーを着脱できるように構成しつつも、サブウインドウ部分の防水性を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、フロントフェンダーは、その車体への締結固定を、フロントフェンダー内の車幅方向内方位置で行うことができ、フロントフェンダー上縁部に締結フランジを設定しなくても、車体に締結固定できる。
よって、車体前部の側部にサブウインドウとフロントフェンダーを備えた車体構造において、サブウインドウガラスを取り外すことなく、フロントフェンダーの交換性を確保して、さらに、フロントフェンダー上部の撓みやガタツキを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
まず、図1〜図11により、第一実施形態について説明する。図1は本発明の車体構造を採用した自動車の前部右側の全体斜視図、図2はその車体構造の前部側部の側面図、図3はサブウインドウガラス等を分解した分解斜視図、図4はフロントフェンダー等を分解した分解斜視図、図5はサブウインドウ開口部周辺の車体を分解した分解斜視図、図6は図1のA−A線矢視断面図、図7は図1のB−B線矢視断面図、図8は図1のC−C線矢視断面図、図9はフロントフェンダーの車体内方側の斜視図、図10は図9のD−D線矢視断面図、図11は図9のE−E線矢視断面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の自動車は、車体前部に設けられるエンジンルームE部分が前後に短い、所謂ミニバンタイプの車体構造1で構成される。
この車体構造1は、エンジンルームEの上方に前傾して設置されるボンネット2と、エンジンルームEの前方で車幅方向にわたって設置されるフロントバンパー3と、エンジンルームEの側方に車体前後方向にわたって設置されてホイールアーチHを下部に有するフロントフェンダー4と、そのフロントフェンダー4の後方に連なるように設置されるフロントドア5と、ボンネット2後方で、上方に向って傾斜設置されるフロントウインドウガラス6と、フロントウインドウガラス6の後方で略水平状に配置されるルーフパネル7とを備える。また、フロントフェンダー4の内方には、エンジンルームEの側壁上縁を構成するエプロンレインメンバ8を配置している。このエプロンレインメンバ8の上方には、前述のボンネット2が延在している。
【0021】
そして、この車体側部には、車体前後方向に延びるように、ヘッドランプ10、クリアガーニッシュ20及びサブウインドウガラス30を、それぞれ車体前方側から順に配置している。
【0022】
このヘッドランプ10、クリアガーニッシュ20及びサブウインドウガラス30は、共に外表面が透明又は半透明となっており、これらが車体側面の中央付近で水平線状(所謂ベルトライン)に位置することで、車体側面に光の反射率の高い透明又は半透明のベルトライン面部Fを形成している。
【0023】
図2に示すように、このベルトライン面部Fは、車体前端から車体後方側にかけて直線状に延びるとともに、ヘッドランプ10前端部の幅t1と、クリアガーニッシュ20の幅t2と、サブウインドウガラス30の幅t3とが、t1<t2<t3となるように車体前方側から車体後方側に向かうにしたがって、徐々に幅広となるように設定している。
【0024】
そして、各部材10,20,30の下端縁11,21,31を直線状に形成し、上端縁12,22,32をなだらかな湾曲線状に形成することで、ベルトライン面部Fが一体となって車外から視認されるように構成している。
【0025】
また、この実施形態では、ベルトライン面部Fの後方に、フロントドア5のドアウインドウガラス50が位置するように設定されている。このため、ドアウインドウガラス50も含めて、透明又は半透明領域を構成することができ、車体側面に、より広い範囲の透明又は半透明領域を形成することができる。
【0026】
ベルトライン面部Fの上方には、車体前方から、車体構成部材であるボンネット側端部2a、フロントフェンダーの上部であるアッパーフェンダー51、それとフロントピラー52が順に配置され、各部材の形状は、側面視で、ベルトライン面部Fの上端縁と略一致するように湾曲形成されている。
なお、ここでフロントピラー52は、前述のフロントウインドウガラス6の側端部を支持して上下方向に延在している。
【0027】
特に、アッパーフェンダー51は、図2に示すように、側面視で、ボンネット側端部2aの緩やかな傾斜角α1と、フロントピラー52の急な傾斜角α2が滑らかに連続するように、下凸の円弧状に湾曲して、弓形に反った円弧形状として構成している。これにより、外観上、ボンネット2とフロントピラー52が連続するように視認されることになる。
【0028】
次に、ベルトライン面部Fを構成する車体構造について説明する。
このベルトライン面部Fは、図3に示すように、車体前部の側面部に形成したベルトライン凹部60に、ヘッドランプ10、クリアガーニッシュ20及びサブウインドウガラス30を収容装着することで構成している(図3では、クリアガーニッシュ20とサブウインドウガラス30を分解した状態を図示)。
【0029】
このベルトライン凹部60は、上部をボンネット側端部2a、アッパーフェンダー51の下端縁部51a、フロントピラー52の下縁部52aで、下部をフロントフェンダー4の上端縁部4aで挟まれ、さらに、前部をフロントバンパー3のヘッドランプ切欠縁部3aで仕切られ、車体外表面から一段凹んだ領域で構成している。
【0030】
このベルトライン凹部60に対して、ヘッドランプ10を締結固定によって固定して、クリアガーニッシュ20をクリップ固定によって固定して、さらに、サブウインドウガラス30を接着固定で固定することで、フロントフェンダー4とボンネット2との間の車体外表面を、連続させるように構成している。
【0031】
クリアガーニッシュ20については、その裏面に複数(4つ)のクリップ脚21…を設けて、その対応するアッパーフェンダー基部51bに複数(4つ)の係止穴22…を設け、クリアガーニッシュ20を車幅方向外方から押圧し、クリップ脚21を係止穴22に係合させることで、ベルトライン凹部60に装着している。
【0032】
一方、サブウインドウガラス30については、略三角形状に開口したサブウインドウ開口部30Aの周囲に接着剤を塗布して、車幅方向外方から組付け、サブウインドウ開口部30A周縁にサブウインドウガラス30を接着固定することで、ベルトライン凹部60に装着している。
【0033】
こうしてサブウインドウガラス30を接着固定とすることで、車外からの雨水等の浸入を防ぐことができ、サブウインドウ開口部30Aの防水性を高めることができる。
【0034】
これに対して、クリアガーニッシュ20については、クリップ固定としたことで、車体から取り外し自在とすることができる。このため、後述するようにフロントフェンダー4を修理交換する際に、自由に着脱することができ、フロントフェンダー4の交換性を確保することができる。
【0035】
なお、このサブウインドウ開口部30Aに接着されるサブウインドウガラス30は、図3に示すように、前端上縁33が角部となった略台形形状のガラス体で構成しており、通常の三角形状のものよりも、前端上縁33部分のガラス領域を増加させている。
これは、前述のようにアッパーフェンダー51の下端縁部51aが下凸状に湾曲形成されていることによるが、このため、サブウインドウガラス30は、従来のものより、前端部分の可視領域を広げることができる。
【0036】
また、図4に示すように、フロントフェンダー4とアッパーフェンダー51は、車体から自由に取り外すことができるように構成している。
具体的には、クリップ固定されたクリアガーニッシュ20(図3参照)を工具等で取り外し、フロントフェンダー4とアッパーフェンダー51の締結固定部42,43を露出させ(図3参照)、この締結固定部42,43に位置する締結ボルト41,41(図4参照)を、取り外すことで、フロントフェンダー4とアッパーフェンダー51を、車体から取り外す。
【0037】
フロントフェンダー4の上部には、車幅方向外方側から締結固定できるように、上方に突出する締結フランジ42,42を二つ設け、フロントフェンダー4上部を、車体に締結固定できるように構成している。
【0038】
また、アッパーフェンダー51の下部には、平板状の基部51bを設け、この基部51aに締結固定部たるボルト挿通穴43,43を二つ形成して、フロントフェンダー4と共に、車体に共締め固定できるように構成している。
【0039】
さらに、フロントフェンダー4の後部には、ウィンカーランプ(方向指示燈)44を装着する開口45を設け、その開口45に対応する車幅方向内方側に、フロントフェンダー4を車体(ドアヒンジピラー70)に締結固定する取付けガセット46を設けている。
【0040】
また、フロントフェンダー4の前部や下部にも、同様に、車体に対して取り外し可能となる締結部を設けているが、従来と同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
【0041】
一方、アッパーフェンダー51については、その上部をフロントピラー52に設けた後述する取付けブラケット53を介して、車体に締結固定している。
【0042】
ベルトライン面部Fの車体内方側の車体構造は、さらに図5に示すように、複数の構成要素を組み合わせて構成している。
【0043】
この車体構造は、前述のフロントフェンダー4とアッパーフェンダー51に加え、上下方向に延びてフロントピラー52の外表面を構成するピラーアウタパネル61と、車体前後方向に延びてエンジンルームE側端上縁を構成するエプロンレインメンバ8と、サブウインドウ開口部30A周囲に位置してサブウインドウ開口部30Aの剛性を高めるピラーレイン62と、車室内方側に位置してフロントピラー52の内表面を構成するピラーインナパネル63とを備え、このうち、ピラーアウタパネル61、エプロンレインメンバ8、ピラーレイン62及びピラーインナパネル63の4つの構成要素を接合することで、構成している。
【0044】
前述のピラーアウタパネル61は、上部にフロントピラー52の外表面を構成する曲面形状の化粧面61aを設け、その下部に一段低くなった絞り部61bを設けている。また、絞り部61bの上面中央には、アッパーフェンダー51を締結固定する取付けブラケット53を接合している。この取付けブラケット53は、L字状断面のブラケット部材で形成され、前後二つのボルト締結穴を有する締結部53aを備えている。
【0045】
また、このピラーアウタパネル61は、後端位置に化粧面61aから下方に延びる縦梁部61cを設けることで、略三角形状に開口したサブウインドウ開口部30Aを形成している。そして、このサブウインドウ開口部30Aの周囲に、前述のサブウインドウガラス30を接着固定する接着座部61dを形成している。
【0046】
また、この接着座部61dからサブウインドウ開口部30A中心側の一段奥まった位置には、ピラーインナパネル63と接合を行なう接合フランジ61eを設けている。さらに、接着座部61dの前方に、折り曲げ形成した段差接合部61fを設けている。この段差接合部61fを設けることで、エプロンレインメンバ8に溶接する際に生じる「熱歪み」が、サブウインドウ開口部30A周囲の接着座部61dに生じないようにしている。
【0047】
前述のエプロンレインメンバ8は、車体前後方向に延びる上下二段の閉断面を有する前後メンバ部8aと、その後方位置でフロントピラー52側(上方側)とドアヒンジピラー側(下方側)にそれぞれ分岐して延びる分岐メンバ部8bとを設け、サブウインドウ開口部30A前方の骨格部材として車体剛性を確保している。また、分岐メンバ部8bの上方には、ボンネット2後端の回転ヒンジ(図示せず)を固定するヒンジブラケット64を設けている。
【0048】
前述のピラーレイン62は、ピラーアウタパネル61のサブウインドウ開口部30Aに対応するように三角形状の開口62aを形成した略三角形のパネル体で構成している。上端縁62b、前端縁62c及び下端縁62dを、車幅方向内方側に折り曲げると共に、前端縁62cと下端縁62dには、上下方向に延びる接合フランジ62eを設けている。
【0049】
前述のピラーインナパネル63は、斜め上方に延びるピラーメンバ部63aと、サブウインドウ開口部30A周囲に位置する三角枠部63bとを設け、フロントピラー52の内側面を構成している。このうち、三角枠部63bには、その中心側に車幅方向外方側に突出する棚部63cを形成し、その内端には、ピラーアウタパネル61に接合される接合フランジ63eを形成している。
【0050】
このように構成された各構成要素は、エプロンレインメンバ8の後端に対して、車幅方向の両側からピラーアウタパネル61の前端とピラーインナパネル63の前端を挟み込むようにして組み合わせ、さらに、このピラーアウタパネル61とピラーインナパネル63との間にピラーレイン62を挟持し、各構成要素の接合フランジ等を溶接ガン(図示せず)で溶接することで、車体構造を構成している。
【0051】
図6の断面図に示すように、この車体構造は、車体前方側に第一閉断面S1を有するエプロンレインメンバ8を設置し、その後方に、エプロンレインメンバ8に接合されるピラーレイン62と、エプロンレインメンバ8のインナパネル81に接合されるピラーインナパネル63とを設置して、エプロンレインメンバ8との間で第二閉断面S2を構成している。また、このピラーインナパネル63の前部と後端の接合フランジ63eに対してピラーレイン62の前端の接合フランジ62eと後端をそれぞれ接合して、ピラーインナパネル63とピラーレイン62との間で第三閉断面S3を構成し、さらに、ピラーレイン62の中央と後端に対してピラーアウタパネル61の前端の段差接合部61fを接合し、後端の接合フランジ61eを接合することで、ピラーレイン62とピラーアウタパネル61との間で第四閉断面S4を構成している。
【0052】
このように複数の閉断面を構成することで、本実施形態の車体構造では、ベルトライン面部Fの車体内方側の車体剛性を高めている。
【0053】
本実施形態では、この剛性の高い車体構造に対して、ヘッドランプ10、クリアガーニッシュ20及びサブウインドウガラス30を、図6に示すように、各外表面が面一となるように設置している。
【0054】
ヘッドランプ10は、図示しない取付けネジ等で車体に装着固定されている。また、クリアガーニッシュ20は、その裏面のクリップ脚21がアッパーフェンダー51の基部51bに対してクリップ固定され、このアッパーフェンダー51の基部51bが締結ボルト41,41で車体に固定されることで、車体に装着固定されている。さらに、サブウインドウガラス30は、接着剤Gによってピラーアウタパネル61の接着座部61dに接着されて、車体に装着固定されている。
【0055】
また、図7の断面図に示すように、本実施形態では、フロントピラー52の断面形状をサブウインドウ開口部30Aの前部52Aと後部52Bとで変更して、運転者の視界を広げる構造を採用している。すなわち、フロントピラー前部52Aのサブウインドウ開口部30A側の接合フランジ52A1を、後部52Bの接合フランジ52B1と相違させ、サブウインドウガラス30から離間した車体内方側に位置するように形成している。
【0056】
このように、接合フランジ52A1をサブウインドウガラス30から離間して形成することにより、図示するように、運転者Dからの可視範囲をより車体前方側まで広げることができる(一点鎖線P1が可視範囲を示す線で、二点鎖線P2がそのまま延ばした場合の可視範囲を示す線)。なお、mは、フロントピラー52A、52Bを覆うピラートリムである。
【0057】
さらに、図8の断面図に示すように、本実施形態では、アッパーフェンダー51の上部の取り付け構造についても、視界を広げる構造を採用している。
すなわち、前述したようにフロントピラー52の絞り部61bの上面61b1に、別途、取付けブラケット53を設け、この取付けブラケット53に対して、上方から廻り込むアッパーフェンダー51の上端フランジ部51cを、車幅方向内方側から外方側に延びる締結ボルト51dで締結固定することで、アッパーフェンダー51の上部を取り付けている。
【0058】
例えば、従来構造であると、二点鎖線で示すように、アッパーフェンダー51の上端フランジ部51c′を、ピラーアウタパネル61とピラーインナパネル63の接合フランジ位置まで延ばし、その位置で上下方向に延びる締結ボルト51d′によってフロントピラー52に取り付けることが考えられるが、こうした構造を採用した場合には、フロントウインドウガラス6を支持する位置が必然的に車幅方向内方側に設定されてしまい、その分フロントウインドウガラス6を小さくする必要が生じて、車体前方の視界を制限してしまう。
【0059】
これに対して、本実施形態のように、フロントピラー52の絞り部61の上面61aに、別途取付けブラケット53を設けて、アッパーフェンダー51の上端フランジ部51cを車幅方向に延びる締結ボルト51dで締結することで、フロントウインドウガラス6を車幅方向外方側に大きく延設することが可能となり、車体前方の視界を広げることができる。
【0060】
次に、フロントフェンダー4の内部に設けられる取付けガセット46について説明する。図9に示すように、フロントフェンダー4の車幅方向内方側には、前述したように取付けガセット46を設けている。
【0061】
この取付けガセット46は、中央に車幅方向内方側に隆起する山型隆起部46aを設け、その頂の平面部46bに締結ボルト47(図10参照)を挿通する挿通穴46cを設けている。また、周縁にフロントフェンダー4の内壁面4bに接着クッション材46dを介して当接する当接フランジ部46eを設け、さらに、当接フランジ部46eの上端と後端には、それぞれフロントフェンダー4に接合される接合フランジ46f,46gを設けている。なお、取付けガセット46の下側部分46hは、開放している(図10参照)。
【0062】
この取付けガセット46は、フロントフェンダー4の後部を、サブウインドウ開口部30Aの下方に位置するドアヒンジピラー70(図3参照)に締結固定するために、側面視でウィンカーランプ44の位置と略一致する位置に設置している(図2参照)。この位置に設置することで、ウィンカーランプ44を装着する開口45を通じて、締結ボルト47を締結操作して、フロントフェンダー4を着脱できるように構成している。
【0063】
このように、取付けガセット46を設けて、フロントフェンダー4を車体(ドアヒンジピラー70)に固定することにより、フロントフェンダー4上部の撓みやガタツキを確実に抑えることができる。
【0064】
すなわち、本実施形態のように、サブウインドウガラス30を接着固定した場合には、その下方のフロントフェンダー4上部の締結場所を確保できないため、フロントフェンダー4上部の締結力が低下して、フロントフェンダー4上部に撓みやガタツキが生じるおそれがある。これを、取付けガセット46を設けることで、フロントフェンダー4内の車体(ドアヒンジピラー70)に、締結固定できるため、フロントフェンダー4の締結力を高めることができるのである。
【0065】
また、本実施形態と異なり、サブウインドウガラス30を着脱式とした場合でも、フロントフェンダー4交換の際に、わざわざサブウインドウガラス30を取り外す必要がなくなり、フロントフェンダー4の交換性を向上することができる。
【0066】
このフロントフェンダー4の取り外し方法は、まず、図11に示すように、フロントフェンダー4の開口45に装着されたウィンカーランプ44を、マイナスドライバー等の工具Tを用いて、爪44aとフック44bによる係合固定を解除して、さらにコネクタ48(図10参照)との結合を外したうえで、ウィンカーランプ44をフロントフェンダー4の開口45から取り外す。
【0067】
そして、フロントフェンダー4の開口45を通じて、露出した締結ボルト47を、開口45から挿入した工具(図示せず)を用いて解除操作する。こうして、締結ボルト47の締結を解除して、フロントフェンダー4を車体から取り外す。
【0068】
このように、ウィンカーランプ44の開口45を利用して、取付けガセット46の締結ボルト47を解除するため、フロントフェンダー4の着脱のために別途、フロントフェンダー4に開口等を形成する必要がなく、フロントフェンダー4の外表面の見栄えの悪化も防止することができる。
【0069】
次に、本実施形態の作用効果について、詳述する。
この実施形態の車体構造は、サブウインドウ開口部30A下方の車幅方向外方に、ホイールアーチHを下部に形成したフロントフェンダー4を設置して、そのフロントフェンダー4の車幅方向内方側に、ドアヒンジピラー70側に突出する取付けガセット46を設け、その取付けガセット46の車幅方向内端に、ドアヒンジピラー70に固定される締結ボルト47を挿通する挿通穴46cを設け、側面視で取付けガセット46と重複するフロントフェンダー4の外表面に、開口45を形成している。
【0070】
これにより、フロントフェンダー4は、その車幅方向内方側に設けた取付けガセット46で、その車幅方向内方に位置するドアヒンジピラー70に締結固定される。そして、その締結作業の際には、開口45を介して取付けガセット46が締結操作されることになる。
このため、フロントフェンダー4は、その車体への締結固定を、フロントフェンダー4内の車幅方向内方位置で行うことができ、フロントフェンダー4上縁部に締結フランジを設定しなくても、車体に締結固定することができる。
よって、車体前部の側部にサブウインドウ開口部30Aとフロントフェンダー4を備えた車体構造において、サブウインドウガラス30を取り外すことなく、フロントフェンダー4の交換性を確保して、さらに、フロントフェンダー4上部撓みやガタツキを防止することができる。
なお、取付けガセット46の形状は、本実施形態のもの以外にも、フロントフェンダー4内方で車幅方向に延びて、フロントフェンダー4とドアヒンジピラー70を締結固定するものであれば、どのような形状であってもよく、例えば、円筒形状、クランク形状、ハット形状等であってもよい。
また、この実施形態では、フロントフェンダー4の開口45に、ウィンカーランプ44を着脱自在に装着固定している。
これにより、フロントフェンダー4の開口45は、着脱自在なウィンカーランプ44によって覆われる。
このため、着脱操作を行なう開口45は、車体外表面に露出しないため、車体の美感を悪化させることがない。また、ウィンカーランプ44側においても、着脱操作を行なう開口45を利用して、フロントフェンダー4に装着できるため、別途、ウィンカーランプ44の取り付けのための開口等を設ける必要がない。
よって、フロントフェンダー4に、着脱操作のために開口45を設けたとしても、車体の美感を確保することができ、また、開口45にウィンカーランプ44の設置部としての機能を兼ねさせることができる。
なお、このウィンカーランプ44の固定方法は、本実施形態のような嵌合固定に限定されるものではなく、例えば、締結ネジによる締結固定であってもよい。
また、この開口45には、ウィンカーランプ44の代わりに、フロントドアの足もとを照らすフットランプ等を装着固定してもよい。
【0071】
また、この実施形態では、取付けガセット46に、ドアヒンジピラー70に当接する当接平面部46b(図10参照)と、フロントフェンダー4に固定される固定フランジ部46g,46fとを設け、その当接平面部46bと固定フランジ部46g,46fとの間に、車幅方向に延びる山型隆起部46aを設けている。
これにより、取付けガセット46は、車幅方向に延びる山型隆起部46aを設けていることから、フロントフェンダー4とドアヒンジピラー70の間で突っ張った状態で、フロントフェンダー4内に位置することになる。
このため、フロントフェンダー4は、取付けガセット46によって、その設置位置の車幅方向の面剛性を高めることができる。
よって、フロントフェンダー4は、外部から押圧されても容易に変形することがなく、長期間にわたって、その形状を維持することができる。
【0072】
また、この実施形態は、取付けガセット46の山型隆起部46aを、フロントフェンダー4の開口45を取り囲むように配置した板材で形成し、その山型隆起部46aのフロントフェンダー4側に、その開口45を取り囲むように当接フランジ部46eを設け、その当接フランジ部46eを、複数の接着クッション材46dを介して開口45の周囲に接着固定している。
これにより、取付けガセット46は、フロントフェンダー4の開口45を取り囲むようにして板状の山型隆起部46aと当接フランジ部46eを設けて、そのうちの当接フランジ部46eを開口45の周囲に接着している。
【0073】
このため、開口45は、取付けガセット46の板状の山型隆起部46aと当接フランジ部46eに取り囲まれることで、周囲がボックス形状に補強されることになり、その形状を保持することができる。
【0074】
よって、フロントフェンダー4は、開口45を設けても、取付けガセット46により、その剛性低下が抑制されて、高い面剛性を維持することができる。
【0075】
また、この実施形態では、サブウインドウガラス30の下縁部を、フロントフェンダー4の上縁部に隣接するように設置して、そのサブウインドウガラス30を、サブウインドウ開口部30Aの周囲に接着固定している。
これにより、サブウインドウガラス30の下縁部をフロントフェンダー4の上縁部に隣接して一致することで、通常であればサブウインドウガラス30を着脱式としなければならないが、前述のように取付けガセット46を設けたため、締結フランジの設定が不要となり、これに伴って、サブウインドウガラス30も接着固定することができ、雨水等の浸入を防止でき、サブウインドウ部分の防水性を向上できる。
すなわち、フロントフェンダー4の取り外しの際に、サブウインドウ開口部30Aからサブウインドウガラス30を取り外す必要がないため、サブウインドウガラス30を接着固定することができ、雨水等の浸入を完全に遮断することができるのである。
よって、フロントフェンダー4を着脱できるように構成しつつも、サブウインドウ開口部30Aの防水性を高めることができる。
【0076】
次に、本発明の第二実施形態について、図12〜図15より説明する。図12は図2に対応する側面図、図13は図4に対応する分解斜視図、図14は図10に対応する断面図、図15は図11に対応する断面図である。
【0077】
この第二実施形態は、フロントフェンダー104の開口145に、ウィンカーランプの代わりにサイドエアダクト144を装着固定して、フロントフェンダー104の開口145を覆うように構成したものである。すなわち、フロントフェンダー104の締結固定のための開口145を、車体内部の熱気排出機能や装飾機能を有するサイドエアダクト144で覆うことで、車体美感の悪化を防止すると共に、熱気排出効果、装飾効果を得るものである。その他の構成については、第一実施形態と同様であり、同一構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
図12に示すように、本実施形態の車体構造のサイドエアダクト144は、側面視で、フロントフェンダー104の取付けガセット46と重複する位置に設置されている。このサイドエアダクト144は、上下方向を長尺とした上広がりの略扇形状の枠部144aに水平方向に延びる複数のルーバー144b…を設けることで構成している。
【0079】
図13に示すように、このサイドエアダクト144は、フロントフェンダー104に設けた開口145に対して、着脱自在となるように装着されており、このサイドエアダクト144を開口145から取り外すことで、取付けガセット46の締結ボルト47が、開口145を通じて外部に露出するように構成している。
【0080】
図14、図15に示すように、このサイドエアダクト144は、フロントフェンダー104の開口145に、枠部144aに設けた差込部144cを嵌め込み、その差込部144cの爪144dとフック144eを、開口145の周縁に係合することで、フロントフェンダー104に嵌合固定している。
【0081】
このように、サイドエアダクト144をフロントフェンダー104に装着固定することで、サイドエアダクト144からは、車体内方のエンジンルームEの熱気や、ブレーキ装置(図示せず)の熱気等が車外に排出されることになる。また、こうしてサイドエアダクト144を装着することで、車体側部の外観も、スポーティなイメージを作り出すことができる。
【0082】
この実施形態における、フロントフェンダー104の取り外し方法も、前述の第一実施形態と同様に、図15に示すように、まず、フロントフェンダー104の開口145に装着されたサイドエアダクト144を、マイナスドライバー等の工具Tを用いて、爪144dとフック144eによる係合固定を解除して、フロントフェンダー104の開口145から取り外す。その上で、この開口145を通じて露出した締結ボルト47を解除操作することで、フロントフェンダー104を車体から取り外す。
【0083】
このように、本実施形態では、フロントフェンダー104の開口145に、サイドエアダクト144を着脱自在に装着固定している。
これにより、フロントフェンダー104の開口145は、車体外表面に露出しないため、車体の美感を悪化させることがない。また、フロントフェンダー104を装飾できるため、車体側部を装飾することができる。
よって、フロントフェンダー104の締結固定のために、開口145を設けたとしても、車体の美感を確保することができ、さらにサイドエアダクト144によって開口145を覆っているため、車体側部の美感をさらに向上することができる。
なお、このサイドエアダクト144の固定方法も、嵌合固定に限定されるものではなく、例えば、締結ネジによる締結固定であってもよい。
さらに、この開口145に装着される部材は、サイドエアダクト144以外にも、単に反射機能を有するリフレクタ板等であってもよい。
その他の作用効果については、前述の第一実施形態と同様である。
【0084】
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の締結作業用開口部は、実施形態の開口45,145に対応し、
以下、同様に、
灯具は、ウィンカーランプ44に対応し、
ガーニッシュは、サイドエアダクト144に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車体構造に適用する実施形態を含むものである。この実施形態では、ミニバンタイプの車体構造で説明をしたが、その他の、セダンタイプ、ワゴンタイプ等々の車体構造で採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の車体構造を採用した自動車の前部右側の全体斜視図。
【図2】車体構造の前部側部の側面図。
【図3】サブウインドウガラス等を分解した分解斜視図。
【図4】フロントフェンダー等を分解した分解斜視図。
【図5】サブウインドウ開口部周辺の車体を分解した分解斜視図。
【図6】図1のA−A線矢視断面図。
【図7】図1のB−B線矢視断面図。
【図8】図1のC−C線矢視断面図。
【図9】フロントフェンダーの車体内方側の斜視図。
【図10】図9のD−D線矢視断面図。
【図11】図9のE−E線矢視断面図。
【図12】第二実施形態の車体構造の前部側部の側面図。
【図13】第二実施形態のフロントフェンダーを分解した分解斜視図。
【図14】第二実施形態の図10に相当する断面図。
【図15】第二実施形態の図11に相当する断面図。
【符号の説明】
【0086】
E…エンジンルーム
F…ベルトライン面部
1…車体構造
2…ボンネット
4…フロントフェンダー
30A…サブウインドウ開口部
44…ウィンカーランプ
45…開口
46…取付けガセット
104…フロントフェンダー
144…サイドエアダクト
145…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側部のドアヒンジピラーの上方に、サブウインドウガラスを装着するサブウインドウ開口部を設けた車体構造であって、
前記サブウインドウ開口部の下方の車幅方向外方に、ホイールアーチを下部に有するフロントフェンダーを配置して、
該フロントフェンダーの車幅方向内方に、前記ドアヒンジピラー側に突出する取付けガセットを設け、
該取付けガセットの車幅方向内端に、該ドアヒンジピラーに固定される締結固定部を設け、
前記フロントフェンダーの外表面に、側面視で前記取付けガセットの締結固定部と重複する位置に締結作業用開口部を形成した
車体構造。
【請求項2】
前記締結作業用開口部に、灯具を着脱自在に装着した
請求項1記載の車体構造。
【請求項3】
前記締結作業用開口部に、ガーニッシュを着脱自在に装着した
請求項1記載の車体構造。
【請求項4】
前記取付けガセットには、ドアヒンジピラーに当接する当接部と、フロントフェンダーに固定される固定部とを設け、
該当接部と固定部との間に、車幅方向に延びる脚部を設けた
請求項1〜3いずれか記載の車体構造。
【請求項5】
前記取付けガセットの脚部を、前記締結作業用開口部を取り囲むように配置した略筒状の板状体で構成し、
前記取付けガセットの固定部を、該締結作業用開口部を取り囲むように配置した当接フランジで構成して、
該当接フランジを、該締結作業用開口部の周囲に接着固定した
請求項4記載の車体構造。
【請求項6】
前記サブウインドウガラスの下縁部を、前記フロントフェンダーの上縁部に隣接するように設置して、
該サブウインドウガラスを、前記サブウインドウ開口部の周囲に接着固定した
請求項1〜5いずれか記載の車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−307977(P2007−307977A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137577(P2006−137577)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】