説明

車室内部品

【課題】乗員の居室スペースへの影響を抑制することができる車室内部品の提供。
【解決手段】車体のルーフサイドレール15に沿って配設されるエアバッグ袋体16と、ルーフライニング22と隣接して配設されエアバッグ袋体16の車室内側を覆って意匠面を形成するカバー体74とを有し、エアバッグ袋体16とルーフライニング22との間に照明装置30を配設してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室内に配設される車室内部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車では、安全性を向上するための装備や快適性を向上するための装備が多く採用されている。一例として、車室内空間での快適性を向上するために、直接照明と間接照明とを車室内のルーフ部に設ける技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3959917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のように、安全性を向上するための装備や快適性を向上するための装備を多く採用することになると、配置関係を合理化しなければ、車室内の乗員の居室スペースを狭めてしまう可能性がある。
【0004】
したがって、本発明は、乗員の居室スペースへの影響を抑制することができる車室内部品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車体のルーフサイドレール(例えば実施形態におけるルーフサイドレール15)に沿って配設されるエアバッグ袋体(例えば実施形態におけるエアバッグ袋体16)と、ルーフライニング(例えば実施形態におけるルーフライニング22)と隣接して配設され前記エアバッグ袋体の車室内側を覆って意匠面を形成するカバー体(例えば実施形態におけるカバー体74)とを有する車室内部品であって、前記エアバッグ袋体と前記ルーフライニングとの間に照明装置(例えば実施形態における照明装置30)を配設してなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記照明装置は、光源(例えば実施形態における光源82)と導光体(例えば実施形態における光ファイバ80)とからなり、前記光源を、前記エアバッグ袋体にガスを導入するインフレータ(例えば実施形態におけるインフレータ17)と隣接して配設してなることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記エアバッグ袋体と前記カバー体とが一体化された状態で車体側に組み付けられることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記カバー体は、前記エアバッグ袋体を車体に取り付けるためのブラケット(例えば実施形態におけるブラケット45)を車室内側に露出させる開口部(例えば実施形態における開口部31)を有しており、該開口部に配設されて、露出する前記ブラケットを覆うサブカバー(例えば実施形態におけるアシストグリップ32)を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項3または4に係る発明において、前記カバー体は、前記エアバッグ袋体の車室内側を覆う表カバー(例えば実施形態におけるルーフサイドガーニッシュ23)と、前記エアバッグ袋体の車室外側を覆う裏カバー(例えば実施形態におけるベース46)とを結合部(例えば実施形態におけるヒンジ結合部57)で揺動可能にヒンジ結合してなり、前記裏カバーにおける前記結合部よりも上方位置に前記照明装置が配設されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記表カバーは、前記ルーフライニングとの間に前記照明装置の光路を形成しており、前記エアバッグ袋体の膨出による揺動時に前記光路内に入り込むことを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、エアバッグ袋体を収容する袋体収容凹部(例えば実施形態における袋体収容凹部61)と、該袋体収容凹部の上方にて照明装置を収容する照明収容凹部(例えば実施形態における照明収容凹部64)とを車室内側に向けて備える支持体(例えば実施形態におけるベース46)と、該支持体の前記袋体収容凹部に収容された前記エアバッグ袋体を車室内側で覆う車室内側カバー(例えば実施形態におけるルーフサイドガーニッシュ23)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、エアバッグ袋体とルーフライニングとの間に照明装置を配設してなるため、照明装置を合理的に配置することができ、乗員の居室スペースへの影響を抑制することができる。また、エアバッグ袋体とカバー体と照明装置とを一体化可能となり、取り付け作業の容易化が図れる。また、照明装置の印象によって、カバー体とルーフライニングとの間に生じる見切り線による見栄えの低下を目立たなくできる。また、エアバッグ袋体の上側に照明装置が配置されることになるため、エアバッグ袋体の展開性能に影響を及ぼすことなく照明装置を配置できる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、照明装置の光源とインフレータとを隣接して配設するため、これらの電源系を共用化することができ、電源系の配線・結線作業を容易化できる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、エアバッグ袋体とカバー体とが一体化された状態で車体側に組み付けられるため、取り付け作業の容易化が図れる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、カバー体の開口部から露出されたブラケットでエアバッグ袋体を車体に取り付け、その後、サブカバーを開口部に配設してブラケットを覆うことになるため、取り付け作業の容易化が図れた上で、取り付け後の見栄えも損なうことがない。また、車体への取付点をカバー体側に設けることができるため、ルーフライニングを組み付けた後に取り付けることができ、組み付けの自由度が向上する。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、エアバッグ袋体の車室内側を覆う表カバーを結合部を介して揺動可能に支持しつつエアバッグ袋体の車室外側を覆う裏カバーに、照明装置が設けられるため、組み立てが容易となる。また、裏カバーを基準にエアバッグ袋体を配置すれば、エアバッグ袋体と照明装置との位置関係を一定に維持でき、これらの相対的な位置ずれを少なくできる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、エアバッグ袋体の膨出による揺動時に、表カバーが、ルーフライニングとの間の照明装置の光路内に入り込むことになるため、表カバーを大きく揺動させることができる。
【0018】
請求項7に係る発明によれば、支持体の袋体収容凹部にエアバッグ袋体を収容し、支持体の袋体収容凹部の上方の照明収容凹部に照明装置を収容して、袋体収容凹部に収容されたエアバッグ袋体を車室内側カバーで覆うため、照明装置を合理的に配置することができ、乗員の居室スペースへの影響を抑制することができる。また、支持体とエアバッグ袋体と車室内側カバーと照明装置とを一体化可能となり、取り付け作業の容易化が図れる。また、袋体収容凹部および照明収容凹部が車室内側に向いているため、エアバッグ袋体および照明装置へのメンテナンス時等のアクセス性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、車両へ取り付けた状態の方向を用いて説明する。
【0020】
図1は、車両10を右斜め後方から見た斜視図であり、車両10には、その車体11のルーフ12の両側部に、側部ドア13で開閉されるドア開口部14の上縁を構成する左右一対のルーフサイドレール15が車両前後方向に延在するように設けられており、これらルーフサイドレール15の車室内側に、車室内にカーテン状に展開する長尺状のエアバッグ袋体16がルーフサイドレール15に沿ってそれぞれ配設されている。
【0021】
各エアバッグ袋体16の車両前後方向の後部には、ガスを導入してエアバッグ袋体16を膨張展開させるインフレータ17がそれぞれ設けられており、エアバッグ袋体16とインフレータ17とでエアバッグ装置18が構成されている。
【0022】
図2は、図1に示す右側のルーフサイドレール15の位置を車室内側から見たもので、ルーフサイドレール15の車室内側は、ルーフ12の車室内側を覆うルーフライニング22の車両前後方向に沿って延在する端末部と、このルーフライニング22に隣接して配設された車両前後方向に沿うルーフサイドガーニッシュ(表カバー、車室内側カバー)23とで覆われており、これらでルーフサイドレール15の位置の車室内側の意匠面が形成されている。ここで、図2中の符号24は、図1に示すフロントピラー25を車室内側で覆うフロントピラーガーニッシュであり、図2中の符号26は、図1に示すリヤピラー27を車室内側で覆うリヤピラーガーニッシュである。
【0023】
ルーフライニング22の端末部とルーフサイドガーニッシュ23との間には、車両前後方向に沿う隙間があり、この隙間を埋めるように車両前後方向に沿う長尺状の照明装置30が配設されている。また、ルーフサイドガーニッシュ23のルーフライニング22側には、前後二箇所に開口部31が形成されており、これらの開口部31を塞ぐようにアシストグリップ(サブカバー)32が配設されている。アシストグリップ32は、開口部31を塞ぐように設けられるベース33と、乗員により把持される、ベース33から引き出し可能なアシストグリップ本体34とで構成される格納式となっている。
【0024】
図3は図2のA−A断面図であり、図4は図2のB−B断面図である。これら図3および図4に示すように、車体11のルーフ12の車幅方向の側部側は、金属製のルーフ12と、このルーフ12に接合される金属製の閉断面構造の上記したルーフサイドレール15とを有しており、ルーフサイドレール15の車室内側を構成するインナパネル38に上記したエアバッグ装置18および照明装置30を含むエアバッグモジュール(車室内部品)40が取り付けられている。ここで、ルーフサイドレール15の下縁部には、ドア開口部14と図1に示す側部ドア13との隙間をシールするゴム製のシール部材42が取り付けられている。
【0025】
エアバッグモジュール40は、図5にも示すように、インナパネル38への取り付け用の金属製のブラケット45と、上下方向の中間部においてブラケット45に組み付けられる合成樹脂製のベース(裏カバー、支持体)46と、ベース46の車室内側に配置されてブラケット45に組み付けられる上記したエアバッグ装置18と、上部がブラケット45に組み付けられてエアバッグ装置18のエアバッグ袋体16の車室内側を覆う合成樹脂製の上記したルーフサイドガーニッシュ23と、ベース46のルーフサイドガーニッシュ23よりも上側部分に組み付けられる上記した照明装置30とを有している。
【0026】
エアバッグモジュール40はこれらが予め組み付けられ一体化された状態でブラケット45においてインナパネル38に取り付けられる。この取り付け状態で照明装置30がエアバッグ袋体16とルーフライニング22との間に配設される。なお、図3に示すように、ルーフサイドガーニッシュ23は、ブラケット45にそのウェルドナット48に螺合されるボルト49で固定され、ベース46は、ブラケット45にそのウェルドナット50に螺合されるボルト51で固定される。図示は略すがエアバッグ装置18もそのエアバッグ袋体16の図示略の上部の支持片がブラケット45にボルト等で固定される。
【0027】
ブラケット45は、図5に示すように、車室外側にあってインナパネル38に取り付けられる複数の取付板部55と、所定の隣り合う取付板部55間に取付板部55よりも車室内側に位置するように形成された支持板部56と、支持板部56の上縁部から上側凸の円弧状をなして車室内側に突出した後に支持板部56と平行をなして対向する複数のヒンジ結合部(結合部)57と、所定の取付板部55間に取付板部55よりも車室内側に位置するように形成された係合板部58とを有するプレス成形による一体成形品である。
【0028】
ベース46は、その下部にエアバッグ袋体16を収容する袋体収容凹部61が車室外側方向に凹むように形成されており、袋体収容凹部61の上側にブラケット45の支持板部56に固定される固定板部62が形成されている。この固定板部62には、支持板部56において固定されたブラケット45の中間位置の取付板部55が挿入される挿入穴63が形成されている。
【0029】
また、ベース46は、固定板部62よりも上側に、袋体収容凹部61の上方にて照明装置30を収容する照明収容凹部64が車室外側方向に凹むように形成されており、この照明収容凹部64よりも上側に、ルーフライニング22の端末部を車室内側に係合させる段差状の係合段差部65が形成されている。袋体収容凹部61および照明収容凹部64は、車室内側に向いて開口している。さらに、ベース46は、袋体収容凹部61の下端縁部から車室外側方向に突出する当接板部66を有しており、この当接板部66には図3に示すように係合溝67が形成されている。
【0030】
ルーフサイドガーニッシュ23は、図3に示すように、上部側が略平板状をなして上側ほど車室内側に位置するように傾斜するとともに下部側が車室外側に位置するように湾曲して車室内側の意匠面を構成する主板部70と、主板部70の上部側の中間位置から車室外側に突出した後に主板部70と平行をなすように上方に延出する固定板部71とを有しており、この固定板部71においてブラケット45のヒンジ結合部57にボルト49で固定される。ルーフサイドガーニッシュ23は、主板部70が、袋体収容凹部61に収容されたエアバッグ袋体16を車室内側で覆う。
【0031】
また、ルーフサイドガーニッシュ23は、主板部70の下部側に上方に突出する係合爪部72を有しており、主板部70の下部においてベース46の下部の当接板部66に下側から当接し、この係合爪部72においてベース46の下部の係合溝67に係脱可能に係合する。このようにルーフサイドガーニッシュ23とベース46とが互いの下部を係合させ、それぞれの上部をブラケット45に取り付けた状態で、袋体収容凹部61とルーフサイドガーニッシュ23とが略筒状をなし、その内側にエアバッグ袋体16が収納されることになる。エアバッグ袋体16の車室内側を覆うルーフサイドガーニッシュ23とエアバッグ袋体16の車室外側を覆うベース46とが、ブラケット45のヒンジ結合部57を介して揺動可能に結合されており、これらルーフサイドガーニッシュ23とベース46とがエアバッグ袋体16の車室内側を覆って意匠面を形成するカバー体74を構成する。
【0032】
ルーフサイドガーニッシュ23には、ブラケット45に取り付けられた状態で、図5に示すように、ブラケット45の前側の中間に位置する隣り合う二箇所の取付板部55と、図示略の後側の中間に位置する隣り合う二箇所の取付板部とをそれぞれ車室内側に露出させる上記した前後二箇所の開口部31が形成されている。ブラケット45のこれら取付板部55間に、上記した係合板部58が形成されており、この係合板部58も開口部31によって車室内側に露出する。そして、これら係合板部58には複数の係合穴76が形成されている。ルーフサイドガーニッシュ23の開口部31を埋め、開口部31から露出するブラケット45を覆うように上記したアシストグリップ32が配置されることになり、その際に、図4に示すようにアシストグリップ32のベース33に形成された係合爪77がこれら係合穴76に係合する。
【0033】
ルーフサイドガーニッシュ23およびアシストグリップ32の上端縁部は、図3および図4に示すように、ベース46の袋体収容凹部61と照明収容凹部64との間にあって車室内方に突出する凸部78に当接しており、ルーフサイドガーニッシュ23で被覆されない照明収容凹部64に、上記したように照明装置30が配設されている。この照明装置30は、図5に示すように、照明収容凹部64の底部側に収容される長尺状の光ファイバ(導光体)80と、光ファイバ80の車室内側を覆うように照明収容凹部64に嵌合される透光性の長尺状のカバー81と、光ファイバ80の一端部に固定されて光ファイバ80内に光を照射するLED等を含む光源82とを有している。光源82が光ファイバ80に光を照射すると、光ファイバ80の全体が発光しカバー81を介して車室内を照らす。
【0034】
ここで、図3および図4に示すように、照明収容凹部64よりも上側の係合段差部65の下側にルーフライニング22の端末部が係合されることになり、その際に、照明収容凹部64よりも下側のルーフサイドガーニッシュ23およびアシストグリップ32は、ルーフライニング22との間に照明装置30が車室内に向けて発光するための光路用空間84を形成する。なお、照明装置30は、ルーフサイドガーニッシュ23およびアシストグリップ32によって、着席する乗員から直接目視し難い位置にあり、いわゆる間接照明として車室内を照らす。
【0035】
ここで、光源82は、ルーフサイドガーニッシュ23およびベース46よりも外側まで延出しており、ルーフサイドガーニッシュ23およびベース46よりも外側まで延出するインフレータ17と同様の車両前後方向後側に設けられて、このインフレータ17と隣接して配置されている。
【0036】
以上のエアバッグモジュール40をルーフサイドレール15に取り付ける場合には、予め車体側に取り付けられたルーフライニング22に対して、ベース46の係合段差部65を係合させるようにして、エアバッグモジュール40をルーフサイドレール15に近接配置してから、ルーフサイドガーニッシュ23の長さ方向の両側から突出するブラケット45の前後両端の取付板部55を、ボルト86でルーフサイドレール15のインナパネル38に固定する。このとき、ボルト86はインナパネル38のウェルドナット87に螺合される。また、ブラケット45の中間の取付板部55を、ボルト86でインナパネル38に固定する。このとき、ルーフサイドガーニッシュ23の開口部31を介して工具およびボルト86を挿入し、ボルト86をインナパネル38のウェルドナット87に螺合させる。また、インフレータ17の取付板部89が図1に示すリヤピラー27にボルト90で固定され、光源82の取付片部91がリヤピラー27にボルト92で固定される。
【0037】
その後、図4に示すように、アシストグリップ32が、係合爪77でブラケット45の係合穴76に係合して開口部31を塞ぐように取り付けられることになり、開口部31から車室内に露出していた取付板部55を含むブラケット45がアシストグリップ32で覆われることになる。また、エアバッグモジュール40のルーフサイドガーニッシュ23から突出するブラケット45の前後両端の取付板部55とインフレータ17および光源82は、その後に取り付けられるフロントピラーガーニッシュ24およびリヤピラーガーニッシュ26で覆われることになる。
【0038】
そして、エアバッグ袋体16の展開時には、下方に膨出するエアバッグ袋体16で押圧されてルーフサイドガーニッシュ23が、係合爪部72をベース46から外しつつ、ヒンジ結合部57を開方向に変形させて下部をベース46から離間させるように揺動することになり、このようにして形成されたルーフサイドガーニッシュ23とベース46との下部の開口からエアバッグ袋体16が車室内に展開する。このエアバッグ袋体16の膨出による揺動時にルーフサイドガーニッシュ23はその上端縁部が光路用空間84内に入り込むことで、揺動角度を確保する。
【0039】
以上に述べた本実施形態によれば、エアバッグ袋体16とルーフライニング22との間に照明装置30を配設してなるため、照明装置30を合理的に配置することができ、乗員の居室スペースへの影響を抑制することができる。また、エアバッグ袋体16と、ルーフサイドガーニッシュ23およびベース46からなるカバー体74と、照明装置30とを一体化してエアバッグモジュール40とするため、取り付け作業の容易化が図れる。また、照明装置30の印象によって、カバー体74とルーフライニング22との間に生じる見切り線による見栄えの低下を目立たなくできる。また、エアバッグ袋体16の上側に照明装置30が配置されることになるため、エアバッグ袋体16の展開性能に影響を及ぼすことなく照明装置30を配置できる。
【0040】
また、照明装置30の光源82とインフレータ17とを車両前後方向同側に隣接して配設するため、これらの電源系を共用化することができ、電源系の配線・結線作業を容易化できる。
【0041】
また、エアバッグ袋体16と、ルーフサイドガーニッシュ23およびベース46からなるカバー体74とが一体化された状態で車体側に組み付けられるため、取り付け作業の容易化が図れる。
【0042】
また、カバー体74を構成するルーフサイドガーニッシュ23の開口部31から露出されたブラケット45でエアバッグ袋体16を車体に取り付け、その後、アシストグリップ32を開口部31に配設してブラケット45を覆うことになるため、取り付け作業の容易化が図れた上で、取り付け後の見栄えも損なうことがない。また、車体への取付点をカバー体74側に設けることができるため、ルーフライニング22を組み付けた後にエアバッグモジュール40を取り付けることができ、組み付けの自由度が向上する。
【0043】
また、エアバッグ袋体16の車室内側を覆うルーフサイドガーニッシュ23をヒンジ結合部57を介して揺動可能に支持しつつエアバッグ袋体16の車室外側を覆うベース46に、照明装置30が設けられるため、組み立てが容易となる。また、ベース46を基準にエアバッグ袋体16を配置すれば、エアバッグ袋体16と照明装置20との位置関係を一定に維持でき、これらの相対的な位置ずれを少なくできる。
【0044】
また、エアバッグ袋体16の膨出による揺動時に、ルーフサイドガーニッシュ23が、ルーフライニング22との間の照明装置30の光路用空間84内に入り込むことになるため、ルーフサイドガーニッシュ23を大きく揺動させることができる。
【0045】
ベース46の袋体収容凹部61にエアバッグ袋体16を収容し、ベース46の袋体収容凹部61の上方の照明収容凹部64に照明装置30を収容して、袋体収容凹部61に収容されたエアバッグ袋体16をルーフサイドガーニッシュ23で覆うため、照明装置30を合理的に配置することができ、乗員の居室スペースへの影響を抑制することができる。また、袋体収容凹部61および照明収容凹部64が車室内側に向いているため、エアバッグ袋体16および照明装置30へのメンテナンス時等のアクセス性が向上する。
【0046】
なお、上記した照明装置30を車両前後方向で複数に分割したり、部分的に遮蔽したりして、照明パターンを断続的なパターンとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態が適用された車両を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用された車両の車室内を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す図2のB−B断面図である。
【図5】本発明の一実施形態のエアバッグモジュールを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
11 車体
15 ルーフサイドレール
16 エアバッグ袋体
17 インフレータ
18 エアバッグ装置
22 ルーフライニング
23 ルーフサイドガーニッシュ(表カバー、車室内側カバー)
30 照明装置
31 開口部
32 アシストグリップ(サブカバー)
40 エアバッグモジュール(車室内部品)
45 ブラケット
46 ベース(裏カバー、支持体)
57 ヒンジ結合部(結合部)
58 係合板部
61 袋体収容凹部
62 固定板部
64 照明収容凹部
74 カバー体
80 光ファイバ(導光体)
81 カバー
82 光源
84 光路用空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のルーフサイドレールに沿って配設されるエアバッグ袋体と、ルーフライニングと隣接して配設され前記エアバッグ袋体の車室内側を覆って意匠面を形成するカバー体とを有する車室内部品であって、
前記エアバッグ袋体と前記ルーフライニングとの間に照明装置を配設してなることを特徴とする車室内部品。
【請求項2】
前記照明装置は、光源と導光体とからなり、前記光源を、前記エアバッグ袋体にガスを導入するインフレータと隣接して配設してなることを特徴とする請求項1に記載の車室内部品。
【請求項3】
前記エアバッグ袋体と前記カバー体とが一体化された状態で車体側に組み付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の車室内部品。
【請求項4】
前記カバー体は、前記エアバッグ袋体を車体に取り付けるためのブラケットを車室内側に露出させる開口部を有しており、該開口部に配設されて、露出する前記ブラケットを覆うサブカバーを備えることを特徴とする請求項3に記載の車室内部品。
【請求項5】
前記カバー体は、前記エアバッグ袋体の車室内側を覆う表カバーと、前記エアバッグ袋体の車室外側を覆う裏カバーとを結合部で揺動可能にヒンジ結合してなり、
前記裏カバーにおける前記結合部よりも上方位置に前記照明装置が配設されていることを特徴とする請求項3または4に記載の車室内部品。
【請求項6】
前記表カバーは、前記ルーフライニングとの間に前記照明装置の光路を形成しており、前記エアバッグ袋体の膨出による揺動時に前記光路内に入り込むことを特徴とする請求項5に記載の車室内部品。
【請求項7】
エアバッグ袋体を収容する袋体収容凹部と、該袋体収容凹部の上方にて照明装置を収容する照明収容凹部とを車室内側に向けて備える支持体と、
該支持体の前記袋体収容凹部に収容された前記エアバッグ袋体を車室内側で覆う車室内側カバーとを備えることを特徴とする車室内部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−274581(P2009−274581A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127627(P2008−127627)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】