説明

車載ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法

【課題】地点に関する情報を記憶する車載ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法の利便性の向上を図ること。
【解決手段】本発明は、目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報のうち外部装置が生成した第1の地点情報を外部装置から受信する受信手段と、地点情報のうち第2の地点情報を生成する地点情報生成手段と、第1の地点情報及び第2の地点情報の生成元が外部装置であるか否かを示す判定情報を生成する判定情報生成手段と、第1の地点情報及び第2の地点情報と、判定情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、を具備する車載ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法に関し、特に地点に関する情報を記憶する車載ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までのナビゲーションを行う車載ナビゲーション装置が広く用いられている。車載ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)受信機により現在地を認識し、車両を目的地へと案内する。また、携帯電話等の携帯装置にGPSを備え、ユーザを目的地に案内するナビゲーション装置も用いられている。ユーザが目的地を設定するために、POI(Point Of Interest)情報等の地点に関する情報である地点情報が用いられている。地点情報とは、例えば、地点に関する地点名、位置(緯度、経度、高さ等)、住所、電話番号等の情報等を含む情報である。
【0003】
特許文献1には、携帯電話の電話帳情報を読み出すことにより、電話帳情報に記憶されている電話番号や住所に対応する地点を登録することができるナビゲーション装置が開示されている。この装置によれば、ユーザが携帯電話を操作して携帯電話の電話帳情報を見ながらナビゲーション装置へ電話番号や住所情報を入力するという操作の煩雑さを改善することができる。特許文献2には、電話帳情報を複数の通信端末機器で共有するシステムが開示されている。このシステムによれば、各通信端末機器に電話帳情報を記憶する大容量のメモリが不要となり、また電話帳情報等の入力処理の手間或いは入力ミスを低減することができる。特許文献3には、コンテンツの情報源を表示する装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−23211号公報
【特許文献2】特開2002−44223号公報
【特許文献3】W02005/02496
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載ナビゲーション装置、及び、携帯電話等の携帯装置は、地点情報を生成して記憶する。車載ナビゲーション装置が、携帯装置から送信された地点情報を受信して記憶する場合、車載ナビゲーション装置には、生成元が車載ナビゲーション装置、及び、携帯装置である地点情報が記憶される。このとき、車載ナビゲーション装置は、地点情報の生成元を識別することができず、生成元が異なる地点情報を同一に扱ってしまう。例えば、車載ナビゲーション装置が地点情報のリストを画面に表示する場合、地点情報を区別することなく表示してしまう。このとき、ユーザは、地点情報を車載ナビゲーション装置で検索したのか、外部装置で検索したのかを容易に識別することができず、不便であった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、地点に関する情報を記憶する車載ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム及びその制御方法の利便性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本車載ナビゲーション装置は、目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報のうち外部装置が生成した第1の地点情報を前記外部装置から受信する受信手段と、前記地点情報のうち第2の地点情報を生成する地点情報生成手段と、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報の生成元が外部装置であるか否かを示す判定情報を生成する判定情報生成手段と、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報と、前記判定情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】
本ナビゲーションシステムは、目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報のうち第1の地点情報を車載ナビゲーション装置へ送信する送信手段を含む携帯装置と、前記第1の地点情報を前記携帯装置から受信する受信手段と、前記地点情報のうち第2の地点情報を生成する地点情報生成手段と、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報の生成元が前記携帯装置であるか否かを示す判定情報を生成する判定情報生成手段と、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報と、前記判定情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、を含む前記車載ナビゲーション装置と、を含む前記車載ナビゲーション装置と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本ナビゲーションシステムの制御方法は、車載ナビゲーション装置と携帯装置とを含むナビゲーションシステムの制御方法であって、前記携帯装置が、目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報のうち第1の地点情報を前記車載ナビゲーション装置へ送信するステップと、前記車載ナビゲーション装置が、前記第1の地点情報を前記携帯装置から受信するステップと、前記車載ナビゲーション装置が、前記地点情報のうち第2の地点情報を生成するステップと、前記車載ナビゲーション装置が、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報の生成元が前記携帯装置であるか否かを示す判定情報を生成するステップと、前記車載ナビゲーション装置が、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報と、前記判定情報と、を対応付けて記憶するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本構成によれば、車載ナビゲーション装置は、地点情報と、地点情報の生成元が外部装置であるか否かを示す判定情報と、を対応付けて記憶することにより、判定情報に基づいて、地点情報の生成元を識別することができる。よって、生成元が異なる地点情報の扱いを異ならせることができるため、利便性の向上に効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、図面を用いて実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係るナビゲーションシステムのブロック図である。図1を参照に、ナビゲーションシステム100は車載ナビゲーション装置10、及び、例えば携帯電話である携帯装置30を含む。車載ナビゲーション装置10、及び、携帯装置30は、目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報を生成して記憶する。車載ナビゲーション装置10と携帯装置30との間は、例えばBluetooth通信等の無線通信52や赤外線等の光通信を用いて、地点情報等の送受信を行う。
【0012】
車載ナビゲーション装置10は、制御部12、記憶部14、GPS受信部16、インターフェース(IF)24、ヒューマンインターフェース(HMI)部18、電源部26、表示部20及び操作部22を含む。記憶部14は、例えばハードディスクユニットであり、POI情報や地図に関する情報である地図情報等のデータベースや、生成した地点情報のデータを記憶する。記憶部14は、制御部12にPOI情報や地図情報等のデータを出力する。GPS受信部16はGPS信号より自車位置を認識し、自車位置に関する情報のデータを制御部12に出力する。また、GPS受信部16は、GPS信号に加え自律航法部(不図示)からの自律航法情報を用いて自車位置を認識することができる。HMI部18は表示部20及び操作部22と制御部12との間のインターフェースである。表示部20は、例えば液晶画面であり、制御部12からの信号により、POI情報、地図情報等のデータや、機能を選択するためのメニューリスト等を表示する。操作部22は、例えば、タッチパネルや釦等であり、制御部12に操作信号を出力する。例えば、ユーザが、操作部22を操作して、メニューリストから機能の選択等を行うことができる。IF24は、制御部12から取得した情報を携帯装置30に送信する。また、携帯装置30から受信した情報を制御部12に出力する。電源部26は、電源を供給する。
【0013】
携帯装置30は、制御部32、記憶部34、GPS受信部36、IF44、HMI部38、表示部40、操作部42及び電話IF46を含む。電話IF46は、移動体通信網54に接続し制御部32と外部との情報の送受信を行う。制御部32は、例えばセンターサーバ(CP)50から移動体通信網54及び電話IF46を介し、最新のPOI情報や地図情報等のデータを取得することができる。その他の各部の機能は車載ナビゲーション装置10と同様であり説明を省略する。
【0014】
このように、ナビゲーションシステム100は、車載ナビゲーション装置10と携帯装置30との間で送受信された地点情報、地図情報等により、ユーザを目的地に案内することができる。
【0015】
以下、図2及び図3を参照に、実施例1に係る携帯装置30及び車載ナビゲーション装置10の機能を説明する。図2は、実施例1に係る携帯装置30の機能ブロックを説明するブロック図である。図3は、実施例1に係る車載ナビゲーション装置10の機能ブロックを説明するブロック図である。図1に示す符号と同じ符号の説明は省略する。
【0016】
図2を参照に、携帯装置30の制御部32は、操作手段68、地点情報生成手段60、記憶手段64、地点情報選択手段62、表示手段65及び送信手段66として機能する。
【0017】
操作手段68は、ユーザによる操作部42の操作に基づいて、地点情報生成手段60、記憶手段64、地点情報選択手段62、表示手段65、送信手段66に対して、処理の実行を指示する。
【0018】
地点情報生成手段60は、電話IF46を介してPOI情報45を取得して、第3の地点情報67を生成する。第3の地点情報67は、POI情報、POI情報を取得した日時に関する情報である取得日時情報、及び、ユーザにより選択されたか否かを示す情報である選択有無情報を含む。
【0019】
記憶手段64は、地点情報生成手段60が生成した第3の地点情報67を、記憶部34に記憶する。第3の地点情報67のデータ構造は、例えば、複数の地点情報を並べた構造である。
【0020】
地点情報選択手段62は、記憶部34に記憶された第3の地点情報67から、第3の地点情報67の一部である第1の地点情報69を選択する。第1の地点情報69のデータ構造は、第3の地点情報67のデータ構造と同様である。地点情報選択手段62により、例えば、ユーザは、車で行きたいと思う地点に関する第1の地点情報69を、第3の地点情報67から選択することができる。
【0021】
表示手段65は、記憶部34が出力する第3の地点情報67に対応する画面を表示部40に表示する。以下、地点情報に対応する画面を、地点リストと記す。
【0022】
送信手段66は、記憶部34が出力する第1の地点情報69を、IF44を介して、車載ナビゲーション装置10へ送信する。
【0023】
車載ナビゲーション装置10の制御部12は、操作手段84、受信手段82、地点情報生成手段70、判定情報生成手段72、記憶手段78、表示手段80、電源設定管理手段74及び地点情報消去手段76として機能する。
【0024】
操作手段84は、ユーザによる操作部22の操作に基づいて、受信手段82、地点情報生成手段70、判定情報生成手段72、記憶手段78、表示手段80、電源設定管理手段74、地点情報消去手段76に対して、処理の実行を指示する。
【0025】
受信手段82は、IF24を介して、携帯装置30から送信された第1の地点情報69を受信する。
【0026】
地点情報生成手段70は、記憶部14が記憶する例えばPOI情報データベース81から、POI情報83を取得して、第2の地点情報75を生成する。第2の地点情報75は、POI情報及びPOI情報の取得日時情報を含む。第2の地点情報75のデータ構造は、例えば、複数の地点情報を並べた構造である。
【0027】
判定情報生成手段72は、受信手段82から通知された第1の地点情報69に基づいて、第1の地点情報69の生成元が携帯装置30であるか否かを示す判定情報73を生成する。また、判定情報生成手段72は、地点情報生成手段70から通知された第2の地点情報75に基づいて、第2の地点情報75の生成元が携帯装置30であるか否かを示す判定情報77を生成する。
【0028】
記憶手段78は、第1の地点情報69と、第1の地点情報69の生成元が携帯装置30であるか否かを示す判定情報73と、を対応付けて記憶部14に記憶し、及び、第2の地点情報75と、第2の地点情報75の生成元が携帯装置30であるか否かを示す判定情報77と、を対応付けて、記憶部14に記憶する。
【0029】
表示手段80は、記憶部14が出力する第1の地点情報69及び第2の地点情報75に対応する地点リストを、表示部20に表示する。また、表示手段80は、ユーザの操作部22の操作に基づき、地点リストの項目を並べ替えて表示部20に表示する。
【0030】
電源設定管理手段74は、車載ナビゲーション装置10の電源スイッチがユーザによりオン及びオフのいずれかに設定されたことを検知して、電源部26をオン及びオフのいずれかに設定する。電源設定管理手段74は、電源がオフに設定されたことを検知した場合、地点情報消去手段76に記憶部14に記憶された地点情報の消去を指示する。その後、電源部26をオフに設定する。
【0031】
地点情報消去手段76は、電源設定管理手段74からの指示を受けて、記憶部14に記憶された判定情報73に基づいて、第1の地点情報69を消去する。
【0032】
以下、実施例1に係る携帯装置30及び車載ナビゲーション装置10の動作について説明する。実施例1では、携帯装置30が、地点A、B及びCに関する第3の地点情報67を記憶し、ユーザにより選択された地点A及びCに関する第1の地点情報69を車載ナビゲーション装置10に送信する場合の動作を説明する。また、車載ナビゲーション装置10が、地点D、E及びFに関する第2の地点情報75、及び、携帯装置30から受信した地点A及びCに関する第1の地点情報69を記憶する場合の動作を説明する。
【0033】
以下、図2、図4、図5及び図6を参照に、実施例1に係る携帯装置30の動作について説明する。図4は、実施例1に係る携帯装置30の動作を示すフローチャートである。図5は、記憶部34が記憶する第3の地点情報67のデータの一例を示す図である。図6は、第3の地点情報67のデータに対応する画面表示の一例である。
【0034】
図2、図4、図5及び図6を参照に、操作手段68は、ユーザの操作部42の操作に基づいて、POI情報を検索するか否かを判断する(ステップS60)。ユーザが操作部42を用いてPOI検索スイッチをオンに設定すると、操作手段68はPOI情報を検索すると判断する。ステップS60がYESの場合、操作手段68は、地点情報生成手段60にPOI情報の検索を指示する。地点情報生成手段60は、電話IF46を介して、POI情報を取得し(ステップS62)、第3の地点情報67を生成する(ステップS64)。記憶手段64は、地点情報生成手段60から通知された第3の地点情報67を記憶部34に記憶し(ステップS72)、ステップS60に戻る。
【0035】
ステップS72において、記憶部34に記憶された第3の地点情報67のデータの一例を、図5(a)の89に示す。第3の地点情報67のデータ89は、POI情報が含む地点名90、POI情報を取得した日時に関する情報である取得日時情報92、及び、ユーザにより選択されたか否かを示す情報である選択有無情報94を含む。第3の地点情報67のデータ89は、地点A、B及びCに関する地点情報96、98及び99を含む。ステップS72において、地点情報96、98及び99は、いずれもユーザにより選択されていない。そのため、図5(a)に示すように、地点情報96、98及び99が含む選択有無情報94は”選択無し”と設定される。
【0036】
ステップS60がNOの場合、操作手段68は、ユーザの操作部42の操作に基づいて、第3の地点情報67から、第3の地点情報67の一部を選択するか否かを判断する(ステップS84)。ユーザが操作部42を用いて地点情報の選択スイッチをオンに設定して、第3の地点情報67から、第3の地点情報67の一部を選択すると、操作手段68は、第3の地点情報67から、第3の地点情報67の一部を選択すると判断する。ステップS84がYESの場合、操作手段68は地点情報選択手段62に第3の地点情報67から、第3の地点情報67の一部の選択を指示する。地点情報選択手段62は、記憶部34に記憶された第3の地点情報67から、ユーザが選択した第3の地点情報67の一部である第1の地点情報69を選択し(ステップS86)、ステップS60に戻る。
【0037】
ステップS86において、記憶部34に記憶された第3の地点情報67のデータの一例を、図5(b)の91に示す。図5(b)に示すように、第1の地点情報69に対応する地点A及びCに関する地点情報96及び99が含む選択有無情報94(図中に網掛けで示す。)は、ユーザにより選択されたことを示す”選択有り”という情報に設定される。
【0038】
ステップS84がNOの場合、操作手段68は、ユーザの操作部42の操作に基づいて、第3の地点情報67に対応する地点リストを表示するか否かを判断する(ステップS78)。ユーザが操作部42を用いて地点リストの表示スイッチをオンに設定すると、操作手段68は、第3の地点情報67に対応する地点リストを表示すると判断する。ステップS78がYESの場合、操作手段68は表示手段65に、第3の地点情報67に対応する地点リストの表示を指示する。表示手段65は、記憶部34から第3の地点情報67を取得する(ステップS79)。表示手段65は、第3の地点情報67に対応する地点リストを表示部40に表示し(ステップS80)、ステップS60に戻る。
【0039】
ステップS80において、表示部40に表示される第3の地点情報67に対応する地点リストの画面の一例を、図6(a)及び(b)に示す。
【0040】
図6(a)に示す地点リスト102は、図5(a)に示す第3の地点情報67のデータ89に対応する。図5(a)、図6(a)を参照に、欄104は地点名90を表示する欄であり、欄106は選択有無情報94に対応するマークを表示する欄である。
【0041】
図6(b)に示す地点リスト103は、図5(b)に示す第3の地点情報67のデータ91に対応する。地点リスト103の欄106のうち、地点A及びCに対応する欄に、選択有無情報94が”選択有り”であることを示すマークが表示される。
【0042】
ステップS78がNOの場合、操作手段68は、ユーザの操作部42の操作に基づいて、車載ナビゲーション装置10と接続したか否かを判断する(ステップS88)。ユーザが操作部42を用いて無線通信52により携帯装置30と車載ナビゲーション装置10とを接続すると、操作手段68は、車載ナビゲーション装置10と接続したと判断する。ステップS88がYESの場合、操作手段68は送信手段66に、第1の地点情報69の送信を指示する。送信手段66は、記憶部34に記憶された第1の地点情報69を車載ナビゲーション装置10へ送信し(ステップS90)、ステップS60に戻る。以上が、携帯装置30の動作である。
【0043】
以下、図3、図7、図8及び図9を参照に、実施例1に係る車載ナビゲーション装置10の動作について説明する。図7は、実施例1に係る車載ナビゲーション装置10の動作を示すフローチャートである。図8は、記憶部14が記憶する第2の地点情報のデータの一例を示す図である。図9は、図8に示す第2の地点情報のデータに対応する画面表示の一例である。
【0044】
図3、図7、図8及び図9を参照に、操作手段84は、ユーザの操作部22の操作に基づいて、POI情報を検索するか否かを判断する(ステップS102)。ユーザが操作部22を用いてPOI検索スイッチをオンに設定すると、操作手段84はPOI情報を検索すると判断する。ステップS102がYESの場合、操作手段84は、地点情報生成手段70にPOI情報の検索を指示する。地点情報生成手段70は、記憶部14に記憶されたPOI情報データベース81から、POI情報83を取得し(ステップS106)、第2の地点情報75を生成する(ステップS108)。判定情報生成手段72は、地点情報生成手段70から通知された第2の地点情報75に基づいて、第2の地点情報75の生成元が携帯装置30であるか否かを示す判定情報77を生成する(ステップS117)。判定情報77は、第2の地点情報75の生成元が携帯装置ではないことを示す情報である。記憶手段78は、第2の地点情報75と、判定情報77と、を対応付けて記憶部14に記憶し(ステップS119)、ステップS102に戻る。
【0045】
ステップS119において、記憶部14に記憶されたデータの一例を、図8(a)の109に示す。データ109は、第2の地点情報75と判定情報77とを対応付けて記憶したデータの一例である。データ109において、行116、118及び120の地点D、E及びFに関する地点名110及び取得日時情報112が第2の地点情報75に対応する。また、行116、118及び120の地点D、E及びFに関する判定情報114が、判定情報77に対応する。第2の地点情報75の生成元は、携帯装置30ではない。そのため、図8(a)のように、地点D、E及びFに関する判定情報114は、”生成元が携帯装置ではない”と設定される。
【0046】
ステップS102がNOの場合、受信手段82は、携帯装置30と接続したか否かを判断する(ステップS104)。IF24が無線通信により携帯装置30と接続した場合、受信手段82は携帯装置30と接続したと判断する。ステップS104がYESの場合、受信手段82は携帯装置30から送信される第1の地点情報69を受信する(ステップS130)。判定情報生成手段72は、受信手段82から通知された第1の地点情報69に基づいて、第1の地点情報69の生成元が携帯装置30であるか否かを示す判定情報73を生成する(ステップS116)。判定情報73は、第1の地点情報69の生成元が携帯装置であることを示す情報である。記憶手段78は、第1の地点情報69と、判定情報73と、を対応付けて記憶部14に記憶し(ステップS118)、ステップS102に戻る。
【0047】
ステップS118において、記憶部14に記憶されたデータの一例を、図8(b)の111に示す。データ111は、図8(a)の109のデータに加え、第1の地点情報69と判定情報73とを対応付けて記憶した場合のデータの一例である。データ111は、取得日時情報の昇順に並べ替えた例である。データ111において、行122及び124の地点A及びCに関する地点名110及び取得日時情報112(図中に網掛けで示す。)が、第1の地点情報69に対応する。また、行122及び124の地点A及びCに関する判定情報114(図中に網掛けで示す。)が、判定情報73に対応する。第1の地点情報69の生成元は、携帯装置30である。そのため、図8(b)のように、地点A及びCに関する判定情報114は、”生成元が携帯装置である”と設定される。第2の地点情報75及び判定情報77については、図8(a)のデータ109と同様のため、説明を省略する。
【0048】
ステップS104がNOの場合、操作手段84は、ユーザの操作部22の操作に基づいて、記憶部14に記憶された地点情報と判定情報とに対応する地点リストを表示するか否かを判断する(ステップS124)。ユーザが操作部22を用いて地点リストの表示スイッチをオンに設定すると、操作手段84は、記憶部14に記憶された地点情報と判定情報とに対応する地点リストを表示すると判断する。ステップS124がYESの場合、操作手段84は表示手段80に、記憶部14に記憶された地点情報と判定情報とに対応する地点リストの表示を指示する。表示手段80は、記憶部14から、記憶部14に記憶された第1の地点情報69、判定情報73、第2の地点情報75及び判定情報77を取得する(ステップS125)。表示手段80は、第1の地点情報69、判定情報73、第2の地点情報75及び判定情報77に対応する地点リストを表示部20に表示し(ステップS126)、ステップS102に戻る。
【0049】
ステップS126において、表示部20に表示される第1の地点情報69、判定情報73、第2の地点情報75及び判定情報77に対応する地点リストの画面の一例を、図9(a)、(b)及び(c)に示す。
【0050】
図9(a)に示す地点リスト115は、図8(a)に示すデータ109に対応する。図8(a)、図9(a)を参照に、欄121は地点名110を表示する欄であり、欄123は判定情報114に対応するマークを表示する欄である。欄123には、例えば、判定情報114が”生成元が携帯装置である”と設定される場合、地点名110と対応付けてマークを表示し、そうでない場合、マークを表示しない。図8(a)を参照に、地点D、E及びFに関する判定情報114は、”生成元が携帯装置ではない”と設定されるため、図9(a)の欄123にマークは表示されない。
【0051】
図9(b)及び(c)に示す地点リスト117及び119は、図8(b)に示すデータ111に対応する。図8(b)を参照に、地点A及びCに関する判定情報114は、”生成元が携帯装置である”と設定されるため、図9(b)及び(c)の地点A及びCに関する欄123に、例えば、携帯電話を模したマーク126が表示される。一方、図9(b)及び(c)の地点D、E及びFに関する欄123に、マーク126は表示されない。図9(b)は、第2の地点情報のデータ111を、地点情報が含む取得日時情報の昇順に並べ替えて表示した例である。図9(c)は、第2の地点情報のデータ111を、判定情報に基づくマーク126の昇順に並び替えて表示した例である。ユーザは、例えば、操作部22の表示ソートスイッチにより、図9(b)及び(c)に示すように、地点リストに表示された項目を並べ替えることができる。
【0052】
ステップS124がNOの場合、操作手段84は、ユーザの操作部22の操作に基づいて、電源をオフに設定するか否かを判断する(ステップS132)。ユーザが操作部22を用いて電源スイッチをオフに設定すると、操作手段84は、電源をオフに設定すると判断する。ステップS132がYESの場合、操作手段84は、電源設定管理手段74に電源をオフに設定するように指示する。電源設定管理手段74は、地点情報消去手段76に記憶部14に記憶された地点情報の消去を指示する(ステップS133)。地点情報消去手段76は、記憶部14に記憶された判定情報73及び判定情報77に基づいて、第1の地点情報69及び第2の地点情報75のうちいずれか一方を消去する(ステップS134)。例えば、生成元が携帯装置30である地点情報を消去する場合、”生成元が携帯装置である”という情報である判定情報73に基づいて、判定情報73と対応付けられた第1の地点情報69を消去する。その後、電源設定管理手段74が電源部26をオフに設定し(ステップS136)、ステップS102に戻る。以上が、車載ナビゲーション装置10の動作である。
【0053】
実施例1の車載ナビゲーション装置10によれば、図7のステップS130のように、受信手段82は、外部装置である携帯装置30が生成した第1の地点情報69を携帯装置30から受信することに対応する。ステップS108のように、地点情報生成手段70は、第2の地点情報75を生成することに対応する。ステップS116及びS117のように、判定情報生成手段72が、第1の地点情報69及び第2の地点情報の生成元が携帯装置30であるか否かを示す判定情報73及び77を生成することに対応する。ステップS118及びS119のように、記憶手段78は、第1の地点情報69及び第2の地点情報75と、判定情報73及び77と、を対応付けて記憶することに対応する。これにより、車載ナビゲーション装置10は、判定情報に基づいて、地点情報の生成元を識別することができる。よって、生成元が異なる地点情報の扱いを異ならせることができるため、例えば、以下に示すように、判定情報に基づいて、地点情報を識別しやすく表示することができる。ゆえに、利便性の向上に効果がある。
【0054】
実施例1の車載ナビゲーション装置10によれば、図7のステップS126、図9(b)及び(c)のように、表示手段80は、第1の地点情報69及び第2の地点情報75を表示するとき、第1の地点情報69と対応付けられた判定情報73を示すマーク126を表示することに対応する。これにより、ユーザは、地点リストに表示された地点情報を、車載ナビゲーション装置で検索したか、外部装置で検索したかのいずれかであるかを容易に識別することができるため、利便性の向上に効果がある。
【0055】
なお、図7のステップS126、図9(b)及び(c)においては、表示手段80は、第1の地点情報69及び第2の地点情報75を表示するとき、第1の地点情報69と対応付けられた判定情報73を示すマーク126を表示する例を説明した。表示手段80は、第1の地点情報69及び第2の地点情報75を表示するとき、第2の地点情報75と対応付けられた判定情報77を示すマークを表示してもよい。表示手段80は、判定情報73を示すマークと、判定情報77を示すマークと、を異ならせて表示してもよい。
【0056】
表示手段80は、第1の地点情報69と、第2の地点情報75と、を別々に表示して、切り換えて表示するようにしてもよい。
【0057】
車載ナビゲーション装置10が、複数の携帯装置から送信された第1の地点情報69を受信して記憶する場合、表示手段80は、各携帯装置ごとに、第1の地点情報69を別々に表示して、切り換えて表示するようにしてもよい。
【0058】
実施例1の車載ナビゲーション装置10によれば、図7のステップS134のように、地点情報消去手段76は、車載ナビゲーション装置10の電源がオフされるとき、判定情報73に基づいて、第1の地点情報69を消去することに対応する。これにより、車載ナビゲーション装置の電源がオフされるとき、外部装置が生成した地点情報を消去し、再度、車載ナビゲーション装置の電源がオンされるとき、外部装置が生成した地点情報を受信することができる。ゆえに、車載ナビゲーション装置は、外部装置が生成して記憶している最新の地点情報を受信して記憶することができるため、利便性の向上に効果がある。
【0059】
外部装置は、外部装置と接続される装置や、ネットワークを介して外部装置と連携できる装置等の他の装置が生成した地点情報を取得して記憶してもよい。このとき、外部装置は、地点情報と、その地点情報の生成元が他の装置であることを示す付加情報と、を対応付けて記憶して、地点情報及び地点情報に対応する付加情報を車載ナビゲーション装置に送信してもよい。車載ナビゲーション装置の表示手段80は、第1の地点情報69、第2の地点情報75及び他の装置が生成した地点情報をユーザが識別できるように、判定情報73、77及び付加情報を示すマークを異ならせて表示してもよい。
【0060】
実施例1において、車載ナビゲーション装置10と送受信を行うIFを有する外部装置の一例として、携帯装置30を例に説明した。外部装置は、携帯装置30でなくともよい。
【0061】
実施例1のナビゲーションシステムが含む携帯装置30によれば、図4のステップS64のように、地点情報生成手段60は、第3の地点情報67を生成することに対応する。ステップS86のように、地点情報選択手段62は、第3の地点情報67から、第3の地点情報67の一部である第1の地点情報69を選択することに対応する。これにより、例えば、ユーザは車で行きたい地点情報を予め携帯装置で選択して、選択した地点情報を携帯装置から車載ナビゲーション装置へ送信することができる。ゆえに、利便性の向上に効果がある。
【0062】
実施例1において、車載ナビゲーション装置10及び携帯装置30が記憶する地点情報が、POI情報が含む情報のうち、地点名を含む場合を説明した。POI情報は、地点名、位置(緯度、経度、高さ等)、住所、電話番号等の情報の少なくとも一つを含む情報である。そのため、地点情報が、POI情報が含む情報のうち、地点名以外の情報を含んでもよい。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、実施例1に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係る携帯装置の機能ブロック図である。
【図3】図3は、実施例1に係る車載ナビゲーション装置の機能ブロック図である。
【図4】図4は、実施例1に係る携帯装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】図5(a)から図5(b)は、実施例1に係る携帯装置が記憶する第3の地点情報のデータを例示する図である。
【図6】図6(a)から図6(b)は、実施例1に係る携帯装置が表示する第3の地点情報の画面を例示する図である。
【図7】図7は、実施例1に係る車載ナビゲーション装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)から図8(b)は、実施例1に係る車載ナビゲーション装置が記憶する第2の地点情報のデータを例示する図である。
【図9】図9(a)から図9(c)は、実施例1に係る車載ナビゲーション装置が表示する第2の地点情報の画面を例示する図である。
【符号の説明】
【0065】
10 車載ナビゲーション装置
30 携帯装置
69 第1の地点情報
70 地点情報生成手段
72 判定情報生成手段
73 判定情報
75 第2の地点情報
77 判定情報
78 記憶手段
82 受信手段
100 ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報のうち外部装置が生成した第1の地点情報を前記外部装置から受信する受信手段と、
前記地点情報のうち第2の地点情報を生成する地点情報生成手段と、
前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報の生成元が外部装置であるか否かを示す判定情報を生成する判定情報生成手段と、
前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報と、前記判定情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
を具備することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報を表示するとき、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報のうち少なくとも一方と対応付けられた前記判定情報を示すマークを表示する表示手段を具備することを特徴とする請求項1記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記車載ナビゲーション装置の電源がオフされるとき、前記判定情報に基づいて、前記第1の地点情報を消去する地点情報消去手段を具備することを特徴とする請求項1記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記外部装置は、携帯装置であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報のうち第1の地点情報を車載ナビゲーション装置へ送信する送信手段を含む携帯装置と、
前記第1の地点情報を前記携帯装置から受信する受信手段と、前記地点情報のうち第2の地点情報を生成する地点情報生成手段と、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報の生成元が前記携帯装置であるか否かを示す判定情報を生成する判定情報生成手段と、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報と、前記判定情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、を含む前記車載ナビゲーション装置と、
を具備することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記携帯装置は、
前記地点情報のうち第3の地点情報を生成する地点情報生成手段と、
前記第3の地点情報から、前記第3の地点情報の一部である前記第1の地点情報を選択する地点情報選択手段と、を具備することを特徴とする請求項5記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記車載ナビゲーション装置は、
前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報を表示するとき、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報のうち少なくとも一方と対応付けられた前記判定情報を示すマークを表示する表示手段を具備することを特徴とする請求項5及び6のうちいずれか一項記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記車載ナビゲーション装置は、
前記車載ナビゲーション装置の電源がオフされるとき、前記判定情報に基づいて、前記第1の地点情報を消去する消去手段を具備することを特徴とする請求項5及び6のうちいずれか一項記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
車載ナビゲーション装置と携帯装置とを含むナビゲーションシステムの制御方法であって、
前記携帯装置が、目的地を設定するための地点に関する情報である地点情報のうち第1の地点情報を前記車載ナビゲーション装置へ送信するステップと、
前記車載ナビゲーション装置が、前記第1の地点情報を前記携帯装置から受信するステップと、
前記車載ナビゲーション装置が、前記地点情報のうち第2の地点情報を生成するステップと、
前記車載ナビゲーション装置が、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報の生成元が前記携帯装置であるか否かを示す判定情報を生成するステップと、
前記車載ナビゲーション装置が、前記第1の地点情報及び前記第2の地点情報と、前記判定情報と、を対応付けて記憶するステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーションシステムの制御方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−38589(P2010−38589A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198964(P2008−198964)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】