説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】ルート沿いスクロール機能使用時にスクロールを一時停止する案内ポイントに関する詳細情報を表示できる「車載用ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】車載用ナビゲーション装置は、画面上で案内情報を提供する表示手段と、地図データ及び各種施設に関する情報を格納したメモリ手段と、前記表示手段及びメモリ手段に動作可能に接続された制御手段とを有する。前記制御手段は、前記表示手段に対し画面上でルート沿いスクロール表示を行わせている状態で、前記表示手段の画面上に案内ポイントが表示されたときに、前記メモリ手段から当該案内ポイントの詳細情報44を取得し、当該取得した案内ポイントの詳細情報44を、前記案内ポイント43に対応付けて前記表示手段の画面上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導経路に従って車両を目的地まで案内する車載用ナビゲーション装置に関し、特に、ルート沿いスクロール時に施設(例えば、サービスエリアやパーキングエリア)の場所を地図上に表示する機能を備えた車載用ナビゲーション装置に関する。なお、以下の記述において特に定義しない限り、単に「車両」とは、自車を指すものとする。
【背景技術】
【0002】
従来の典型的な車載用ナビゲーション装置は、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU等の制御装置、地図データを予め記憶させたDVD(Digital Versatile Disk)−ROMやICメモリカード等の記憶装置、表示装置、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロや車速センサ等の車両の現在位置及び現在方位を検出する検出装置等を有している。そして、制御装置により、車両の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像を表示装置の画面に表示すると共に、自車の現在位置を指示する車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0003】
また、通常、車載用ナビゲーション装置には、ユーザ(例えば運転者)が所望の目的地を設定すると、その目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにした経路誘導機能が搭載されている。この経路誘導機能によれば、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ最適な経路を横型探索法又はダイクストラ法等のシミュレーション計算を行って自動探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上に誘導経路を他の道路とは色を変えて太く描画して画面表示したり、車両が誘導経路上の進路を変更すべき交差点に一定距離内に近づいたときに、地図画像上の進路を変更すべき交差点に進路を示す矢印を描画して画面表示したりすることで、ユーザを目的地まで案内する。
【0004】
経路探索時には、予めユーザが目的地を設定し、必要に応じて目的地に至る途中の経由地を設定する。また、必要であれば、各種の条件(有料道路優先で行くのか又は一般道路優先で行くのか等)も併せて設定する。ナビゲーション装置では、これらの設定されたデータに基づいて、目的地までの複数の経路の探索を行い、探索された経路を例えば色分けして表示し、その中からユーザが選択した1つの経路に従って経路案内を行う。
【0005】
また、ナビゲーション装置には、表示装置の画面上で誘導経路に沿って車両位置マークの位置からカーソルを進めながら地図画面をスクロールし、交差点や分岐点等の案内ポイントに達したときにカーソルを一時停止させ(スクロールの停止)、その案内ポイントをユーザに見せるようにした「ルート沿いスクロール機能」が搭載されているものもある。これに関する技術として、例えば、特許文献1には、表示エリア以外の地図情報を視認するために自動的に走行経路に沿った地図情報をスクロール表示する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平7−260505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来のルート沿いスクロール機能では、案内ポイントの周辺の地図や右左折すべき交差点の情報を知らせる機能を有している。このような情報は、一般道路を走行中には、複数存在する右左折ポイントを予め知ることができるので、ルート沿いスクロール機能は有効に利用されている。一方、高速道路を走行中には、高速道路の分岐点の数は多くはないため、分岐点の情報を得るためにルート沿いスクロールを利用するというケースはほとんど無い。
【0007】
また、従来のルート沿いスクロール機能では、案内ポイント周辺の地図情報を知ることはできるが、案内ポイントに関する情報の提供が十分にはされていない。例えば、案内ポイントとして交差点だけでなくガソリンスタンドやSA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)が設定されていた場合にも、従来のルート沿いスクロール機能では、それらの案内ポイントでスクロールを一時停止し、その場所を表示するだけであった。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、ルート沿いスクロール機能使用時にスクロールを一時停止する案内ポイントに関する詳細情報を表示し、ひいてはユーザビリティの向上に寄与することができる車載用ナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の基本形態によれば、画面上で案内情報を提供する表示手段と、地図データ及び各種施設に関する情報を格納したメモリ手段と、前記表示手段及びメモリ手段に動作可能に接続された制御手段とを有し、前記制御手段は、前記表示手段に対し画面上でルート沿いスクロール表示を行わせている状態で、前記表示手段の画面上に案内ポイントが表示されたときに、前記メモリ手段から当該案内ポイントの詳細情報を取得し、当該取得した案内ポイントの詳細情報を前記案内ポイントに対応付けて前記表示手段の画面上に表示させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置が提供される。
【0010】
本発明においては、車載用ナビゲーション装置において、ルート沿いスクロール機能使用時に案内ポイントの詳細情報を画面に表示するようにしている。これにより、有料道路を走行中に自動的にSA/PAの詳細情報が表示され、高速走行中であっても安全に案内ポイントの詳細情報を取得することができ、ユーザビリティが向上する。
【0011】
また、上記の形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記案内ポイントの詳細情報の表示に対応して表示される経由地ボタンが選択されたと判定したときに、当該案内ポイントを経由地に設定して経路案内を行うようにしてもよい。
【0012】
本発明においては、案内ポイントの詳細情報を表示するとともに、当該案内ポイントを経由地に設定できるようにしている。これにより、詳細情報を参考にして新たに経由地を設定することが可能となり、ユーザビリティが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0014】
(車載用ナビゲーション装置の構成)
図1は本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図中、1は地図データその他の案内データが記憶されている記憶媒体である。本実施形態では、このようなデータを記憶する記憶媒体としてDVD(DVD−ROM)を使用しているが、ハードディスク又はその他の記憶媒体を使用してもよい。ここに格納されている地図は、1/12500、1/25000、1/50000、1/100000等の各縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、この地図に含まれる道路、建築物、施設その他の各種物件は、経度及び緯度で表現された点(ノード)の座標集合として記憶されている。地図データは、(1)道路リスト、ノードテーブル、交差点構成ノードリスト等からなる道路レイヤ、(2)地図画像上に道路、建築物、公園、河川等を表示するための背景レイヤ、(3)市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名、有料道路に付帯する施設の名称などを指示する文字や地図記号等を表示するための文字・記号レイヤなどから構成されている。
【0016】
また、2はナビゲーション装置本体10を操作するための操作ボタン等が設けられた操作部である。本実施形態では、操作部2にリモコン送信機及びリモコン受信機が含まれており、ユーザは手元のリモコン送信機でナビゲーション装置本体10を操作することもできる。
【0017】
図2はリモコン送信機の一例を示す平面図である。この図2に示すように、リモコン送信機30には、ジョイスティック31や、「決定」ボタン32、「メニュー」ボタン33及び「戻る」ボタン34等の各種ボタンが設けられている。これらのジョイスティック31及び操作ボタン32〜34は、動作モードに応じた機能が割付される。
【0018】
また、5はGPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の経度及び緯度を検出するGPS受信機、6は自立航法センサを示す。この自立航法センサ6は、車両回転角度を検出するジャイロ等の角度センサ6aと、一定の走行距離毎にパルスを発生する走行距離センサ6bとにより構成されている。
【0019】
また、7は液晶パネル等の表示装置であり、ナビゲーション装置本体10は、この表示装置7に車両の現在位置の周囲の地図を表示したり、出発地から目的地までの誘導経路や車両マーク及びその他の案内情報を表示する。8は音声によりユーザに案内情報を提供するためのスピーカーである。
【0020】
ナビゲーション装置本体10は以下のものから構成されている。11はDVD1からの地図データの読み取りを制御するDVDコントローラである。12はDVD1から読み出した地図データを一時的に記憶するバッファメモリである。13は操作部2と接続されるインタフェース、16はGPS受信機5と接続されるインタフェース、17は自立航法センサ6と接続されるインタフェースである。
【0021】
18はマイクロコンピュータにより構成される制御部である。制御部18は、インタフェース16、17から入力される情報を基に車両の現在位置を検出したり、DVDコントローラ11を介してDVD1から所定の地図データをバッファメモリ12に読み出したり、バッファメモリ12に読み出された地図データを用いて設定された探索条件で出発地から目的地までの誘導経路を探索するなど、種々の処理を実行する。
【0022】
19はバッファメモリ12に読み出された地図データを用いて地図画像を生成する地図描画部、20は動作状況に応じた各種メニュー画面(操作画面)や車両位置マーク及びカーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部である。
【0023】
21は制御部18で探索した誘導経路を記憶する誘導経路記憶部、22は誘導経路を描画する誘導経路描画部である。誘導経路記憶部21には、制御部18によって探索された誘導経路の全ノードが出発地から目的地まで記憶される。誘導経路描画部22は、地図を表示する際に、誘導経路記憶部21から誘導経路情報(ノード列)を読み出して、誘導経路を他の道路とは異なる色及び線幅で描画する。
【0024】
23は画像合成部であり、地図描画部19で描画された地図画像に、操作画面・マーク発生部20で生成した各種マークや操作画面、誘導経路描画部22で描画した誘導経路などを重ね合わせて表示装置7に表示させる。
【0025】
24は音声出力部であり、制御部18からの信号に基づいて音声信号をスピーカー8に供給する。
【0026】
以上のように構成された車載用ナビゲーション装置において、DVD1は「メモリ手段」に、表示装置7は「表示手段」に、スピーカー8は「音声出力手段」に、制御部18は「制御手段」にそれぞれ対応している。
【0027】
本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置は、後述するように、ルート沿いスクロール時に案内ポイントの詳細情報を表示するときの動作態様が異なる点を除いて、基本的には従来の車載用ナビゲーション装置と同様に以下の動作を行う。
【0028】
すなわち、制御部18は、GPS受信機5で受信したGPS信号と自立航法センサ6で検出された信号とに基づいて車両の現在位置を検出する。そして、DVD1から車両の現在位置の周囲の地図データを読み出してバッファメモリ12に格納する。地図描画部19は、バッファメモリ12に読み出された地図データに基づいて地図画像を生成し、表示装置7に車両の現在位置の周囲の地図画像を表示する。
【0029】
また、制御部18は、車両の移動に伴ってGPS受信機5及び自立航法センサ6から出力された信号に基づいて車両の現在位置を検出し、その検出結果に応じて、表示装置7に表示された地図画像に車両位置マークを重ね合わせ、車両の移動に伴って車両位置マークを移動させたり、地図画像をスクロール表示する。
【0030】
さらに、ユーザが操作部2を操作して目的地を設定すると、制御部18は、車両の現在位置を出発点とし、出発点から目的地までを結ぶ最もコストが低い経路をDVD1の地図データを用いて探索する。そして、探索により得られた経路を誘導経路として誘導経路記憶部21に記憶し、地図画像上にその誘導経路を重ねて表示させる。また、制御部18は車両の走行に伴って適宜案内情報を出力し、車両を目的地まで誘導経路に沿って走行するように案内する。
【0031】
本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置は、その基本的な特徴として、ルート沿いスクロール時に案内ポイントの詳細情報を表示するようにしている。かかる表示態様とすることで、ユーザは、高速走行中でも安全にSA/PA等の案内ポイントの情報を取得することが可能となる。
【0032】
また、更なる特徴として、案内ポイントの詳細情報の表示と共に、当該案内ポイントを経由地に設定するか否かの選択ができるようにしている。これにより、ユーザは案内ポイントの詳細情報を見て、経由地にするか否かを判断でき、ナビゲーション装置の使い勝ってが向上するという効果が得られる。
【0033】
図3(a)〜(d)は、本実施形態のナビゲーション装置が行うルート沿いスクロール時の案内ポイントの詳細情報表示に係る画面表示例を示したものである。
【0034】
図3(a)は、ルート沿いスクロール開始前における誘導経路の画面表示の一例である。表示画面40に表示された地図画像40aには、車両の現在位置を示す車両位置マーク41と共に、目的地へ向かう誘導経路42が表示されている。ここに、誘導経路42はユーザが識別し易いように他の道路とは異なる表示態様(例えば、目立つ色で表示したり、線幅を太くしたりする)で表示される。
【0035】
図3(b)に示す画面表示例は、ユーザがナビゲーション装置の操作部2を操作して、ルート沿いスクロールが開始し、SAを発見した状態の画面表示例である。図3(a)に示す地図画像40aが自動的にスクロールし、現在の走行位置よりも先の方の地図画像40bが表示されている。
【0036】
SAが発見されると、SAの詳細情報が詳細情報表示領域44に表示される。
【0037】
詳細情報としては、SAの特徴や施設情報が表示される。さらに、詳細情報表示領域44には、詳細情報と共に、各種機能ボタンが用意される。機能ボタンの一つである詳細情報表示領域スクロールボタン45a、45bは、詳細情報が詳細情報表示領域44に一度に表示しきれない場合に詳細情報のページ送りをするときに使用する。また、「経由地」ボタン46は、これを押下することにより、当該詳細情報が表示されている案内ポイントを経由地と設定することができる。更に、「地図」ボタン47は、これを押下することにより、当該SAの詳細情報を図3(d)に示すように地図52で表示する。なお、「戻る」ボタン53を押下することにより、地図画像40cと地図52が表示されている図3(d)に示す画面から図3(b)に示す画面に戻ることができる。また、地図52に表示される「経由地」ボタン54を押下することにより、当該詳細情報が表示されている案内ポイントを経由地と設定することもできる。
【0038】
このように、案内ポイントの詳細情報を表示することにより、高速走行中であっても、事前に比較的安全に案内ポイントの情報を取得することができる。
【0039】
図3(c)に示す画面表示例は、ユーザがナビゲーション装置の操作部2を操作して、ルート沿いスクロールが開始し、SAを発見した状態の画面表示例であり、図3(b)と異なり、2画面表示している例である。図3(c)の左側の画面50はルート沿いスクロール開始前の画面を表示し、車両の進行に伴って地図画像50aがスクロールするような通常の経路誘導をしている画面である。図3(c)の右側の画面51は案内ポイント43の詳細情報を表示する画面であるが、図3(b)とは異なり、車両の現在地を示す車両位置マーク41とルート沿いスクロールによって発見された案内ポイント43の両地点が一画面に入るように自動的に縮尺を変更した地図画像51aを表示している。ここで表示される詳細情報表示領域44の構成は図3(b)に示した詳細情報表示領域と同様の構成である。
【0040】
このように、2画面表示をすることにより、車両が現在どこを走行しているかが判ると同時に、案内ポイントの詳細情報を取得することが可能となる。
【0041】
(ルート沿いスクロール時の案内ポイントの詳細情報表示)
以下、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置が行うルート沿いスクロール時の案内ポイントの詳細情報表示処理について、その処理フローの一例を示す図4を参照しながら説明する。
【0042】
以下の説明では、既に目的地までの誘導経路が探索されているものとする。また、案内ポイントには、予め、SA/PA、分岐点などが設定されているものとする。なお、ルート沿いスクロールを行うか行わないかは、誘導経路の目的地設定の際に選択することが可能である。また、ルート沿いスクロールを行う場合には、案内ポイント(例えば、ガソリンスタンドや道の駅)のジャンルを選択することが可能である。
【0043】
まず、ステップS11では、ユーザによりリモコン送信機30の「ルート沿いスクロール」ボタン35が押下されたか否かを判定する。「ルート沿いスクロール」ボタン35が押下されたと判定された場合はステップS12に移行する。以下、「ルート沿いスクロール」ボタン35が押下された場合の車載用ナビゲーション装置の動作モードを「ルート沿いスクロールモード」と呼ぶ。
【0044】
次のステップS12では、図3(a)に示す車両の現在位置の周囲を表示する地図画面40aから、ルート沿いスクロールモードの画面に切り換える。本実施形態では、ルート沿いスクロールモード時には、制御部18が、表示装置7の画面上で誘導経路42に沿って車両位置マーク41の位置からカーソルを進めながら地図画像40bをスクロールさせる。
【0045】
次のステップS13では、制御部18が表示装置7の画面上に案内ポイント43が表示され、カーソルが案内ポイントに達したか否かを判定する。カーソルが達した地点が案内ポイントか否かは、制御部18が誘導経路記憶部21に記憶された誘導経路情報と、DVD1に記憶された地図データとを参照して判定する。案内ポイント43が画面上に表示され、カーソルが案内ポイントに達したと判定された場合はステップS14に移行する。
【0046】
次のステップS14では、案内ポイント43の詳細情報の表示を行う。図3(b)に示すように、案内ポイント43に詳細情報があればその詳細情報の表示を行う。案内ポイント43の詳細情報は、制御部18がDVD1からバッファメモリ12に読み出された詳細情報を検索し詳細情報表示領域44に表示する。
【0047】
案内ポイント43の詳細情報は、ルート沿いスクロールモードにおいて案内ポイント43にカーソルが到達したときに地図画面40aが一時停止する間、表示されている。
【0048】
なお、詳細情報を有する案内ポイント43に到達したことをユーザに知らせるために、音(例えば、“ポーン”という音)をスピーカー8から出力してもよい。さらに、当該案内ポイント43における詳細情報を読み上げて音声案内によりスピーカー8から音声出力してもよい。
【0049】
次のステップS15では、案内ポイント43を経由地として設定するか否かを判定する。ステップS14において、案内ポイント43の詳細情報を表示すると共に、図3(b)に示すように、「経由地」ボタン46を表示している。この「経由地」ボタン46を押下することにより、当該案内ポイント43を経由地とすることができる。ユーザが経由地ボタン46により当該案内ポイント43を経由地に選択した場合は、ステップS16に移行し、経由地としない場合には、ステップS17に移行する。
【0050】
次のステップS16では、ステップS15で選択した案内ポイント43を経由地とする処理を行う。
【0051】
次のステップS17では、制御部18は、リモコン送信機30の「戻る」ボタン34が押下されたか否かを判定する。そして、リモコン送信機の「戻る」34ボタンが押下された場合は、ルート沿いスクロールモードを終了し、ステップS18において表示装置7の表示画面を図3(a)に示すルート沿いスクロール開始前の画面に変更し、ルート沿いスクロール時の案内ポイントの詳細表示処理を終了する。一方、リモコン送信機の「戻る」ボタン34が押下されない場合は、ステップS12に戻り、ルート沿いスクロール時の案内ポイントの詳細表示処理を継続する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置においては、ルート沿いスクロールにおいて、案内ポイントの詳細情報を表示する。これにより、有料道路を走行中に自動的にSA/PAの詳細情報が表示され、高速走行中であっても安全に案内ポイントの詳細情報を取得することができ、ユーザビリティが向上する。
【0053】
また、本実施形態においては、案内ポイントの詳細情報を表示するとともに、当該案内ポイントを経由地に設定できるようにしている。これにより、詳細情報を参考にして新たに経由地を設定することが可能となり、ユーザビリティが向上する。
【0054】
(変形例1)
本実施形態では、ルート沿いスクロール時に案内ポイントの詳細情報を表示する際に、スクロール先の案内ポイントを中心に画面表示をした。この場合、現在走行している車両との位置関係が分からなくなるという不都合が生じる。
【0055】
そこで、図3(c)に示すように、車両の進行に伴って地図画面がスクロールするような通常の経路誘導をする画面と、現在の車両位置を示す車両位置マーク41及び案内ポイント43を共に表示するように縮尺が調整された地図表示画面の2つの画面に分割された表示画面にすることも可能である。これにより、詳細情報を取得することもでき、同時に現在位置と案内ポイントとの位置関係を把握することも可能となる。
【0056】
(変形例2)
本実施形態では、ルート沿いスクロール時に案内ポイントの詳細情報を文字により表示している。この場合、ルート沿いスクロールで表示画面のスクロールが一時停止する間の限られた時間しか詳細情報を見ることができず、文字表示では詳細を把握することが困難になるという不都合が生ずる場合がある。
【0057】
そこで、案内ポイントの詳細情報を文字表示ではなく、図3(d)に示すように、地図で表示することも可能である。このように表示することにより、例えば、SA内にある施設及び各施設の位置情報を容易に把握することが可能となる。これにより、短時間で案内ポイントの詳細情報を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】リモコン送信機の一例を示す平面図である。
【図3】図3(a)は、ルート沿いスクロール開始前の誘導経路の画面表示の一例を示す図である。図3(b)は、ルート沿いスクロール開始後の画面表示の一例を示す図である。図3(c)は、ルート沿いスクロール開始後の2画面表示の一例を示す図である。図3(d)は、地図により詳細情報を表示した一例を示す図である。
【図4】図1の車載用ナビゲーション装置が行うルート沿いスクロール時における案内ポイントの詳細情報表示処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0059】
1… DVD、
2…操作部、
5…GPS受信機、
6…自立航法センサ、
7…表示装置、
8…スピーカー、
10…ナビゲーション装置本体、
18…制御部、
40、50、51…表示画面、
40a、40b、40c、50a、51a…地図画像、
41…車両位置マーク、
42…誘導経路、
43…案内ポイント、
44…詳細情報表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上で案内情報を提供する表示手段と、
地図データ及び各種施設に関する情報を格納したメモリ手段と、
前記表示手段及びメモリ手段に動作可能に接続された制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記表示手段に対し画面上でルート沿いスクロール表示を行わせている状態で、前記表示手段の画面上に案内ポイントが表示されたときに、前記メモリ手段から当該案内ポイントの詳細情報を取得し、当該取得した案内ポイントの詳細情報を前記案内ポイントに対応付けて前記表示手段の画面上に表示させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
更に、音声を出力する音声出力手段を有し、前記制御手段は、前記案内ポイントの詳細情報を前記表示手段の画面上に表示させる際に、所定の音を前記音声出力手段から出力させることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記所定の音を前記音声出力手段から出力させたときに、更に前記案内ポイントの詳細情報を該音声出力手段から音声出力させることを特徴とする請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記案内ポイントの詳細情報の表示に対応して表示される経由地ボタンが選択されたと判定したときに、当該案内ポイントを経由地に設定して経路案内を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記表示手段の画面上に案内ポイントが表示されたときに、前記表示手段の画面を2分割して一方の画面に車両の現在位置の周囲の地図画像を表示させ、他方の画面に前記案内ポイントの詳細情報を当該案内ポイントに対応付けて表示させることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記他方の画面に前記案内ポイントと共に前記車両の現在位置を表示させることを特徴とする請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記案内ポイントの詳細情報を文字又は地図の表示態様で表示させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−214939(P2006−214939A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29506(P2005−29506)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】