説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】ユーザが、有料道路においてETCカードの所持枚数に応じた有効な割引の適用を受けることができる経済性に優れた「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】ユーザが所持しているETCカードの枚数を登録するカード枚数登録手段21と、走行距離が所定の条件を満足する場合に通行料金の割引が適用されるような有料道路を含む推奨経路であって、カード枚数登録手段21に登録されたETCカードの枚数に応じて前記割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索する経路探索手段25とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、有料道路における通行料金の割引が適用されるように自車を現在地から目的地まで案内するのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、自車を現在地から目的地まで案内するために最適な推奨経路を探索し、探索された推奨経路に沿って自車を現在地から目的地まで画像や音声を介して案内することが行われていた。
【0003】
このような推奨経路の探索には、経路コストという概念が導入されており、この経路コストが最小となるような経路を経路計算によって算出するようになっていた。
【0004】
この経路計算に際しては、例えば、自車が現在地から目的地まで最短時間で到達することができる経路を算出することや、あるいは、ユーザが指定した高速道路等の有料道路を含む経路を算出すること等の、各種の経路計算条件が考慮されるようになっていた。
【0005】
ところで、近年、ETCシステム(Electronic Toll Collection System )が整備されている有料道路においては、有料道路の利用時間が特定の時間帯の場合に、当該有料道路の通行料金が割り引きされる、いわゆる、時間帯割引が実施されるようになった。
【0006】
このような時間帯割引の一例としては、朝夕の通勤時間帯(例えば、6時〜9時、17時〜20時)に有料道路を利用する場合であって、走行距離が所定距離以内(例えば、100km以内)の場合に、所定の割引率(例えば、50%)の割引を適用する通勤割引がある。
【0007】
また、時間帯割引の他の例としては、夜間から早朝にかけての時間帯(例えば、22時〜翌朝6時)に有料道路を利用する場合であって、走行距離が所定距離以内の場合に、所定の割引率の割引を適用する早朝夜間割引がある。
【0008】
さらに、時間帯割引の他の例としては、深夜時間帯(例えば、0時〜4時)に全国の高速道路を利用する場合に、所定の割引率の割引を適用する深夜割引がある。
【0009】
このような有料道路における通行料金の割引を活用すべく、これまでにも、車載用ナビゲーション装置では、割引の適用を受けることができる推奨経路を探索することが行われていた。
【0010】
例えば、図4に示すように、車載用ナビゲーション装置は、朝の通勤時間帯(6時〜9時)において通勤割引の適用を受けるために、第1のインターチェンジ(IC)から高速道路に入り、かつ、割引の適用を受けることができる距離内(図において100km以内)に存在する第3のインターチェンジで高速道路を一旦降り、その後、第3のインターチェンジから高速道路に復帰して第6のインターチェンジで高速道路を降りるような推奨経路を探索するようになっていた。
【0011】
そして、車載用ナビゲーション装置は、このように探索した推奨経路にしたがって自車を案内(ルート案内)する際には、第3のインターチェンジの手前の地点Pにおいて、ユーザに対して、次の第3のインターチェンジで高速道路を一旦降りる旨の音声案内および表示案内の少なくとも一方を行うようになっていた。
【0012】
図4のような推奨経路を、ETC車載器にETCカードが挿入された状態の自車が走行する場合には、第1のインターチェンジと第3のインターチェンジとの間の区間において、所定の割引率(例えば50%)の通勤割引が適用されることになる。具体的には、第1のインターチェンジから第3のインターチェンジまでの通常の通行料金が2000円で、割引率が50%の場合には、通行料金が1000円安くなる。
【0013】
【特許文献1】特開2001−41760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来の車載用ナビゲーション装置では、1枚のETCカードを用いて割引の適用を受けることしか想定されていなかった。
【0015】
このため、ユーザが複数枚のETCカードを所持する場合であっても、これら複数枚のETCカードを活用してさらに有効な割引の適用を受けることができないといった問題が生じていた。
【0016】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、ユーザが有料道路においてETCカードの所持枚数に応じた有効な割引の適用を受けることができる経済性に優れた車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、ユーザが所持しているETCカードの枚数を登録するカード枚数登録手段と、走行距離が所定の条件を満足する場合に通行料金の割引が適用されるような有料道路を含む推奨経路であって、前記カード枚数登録手段に登録された前記ETCカードの枚数に応じて前記割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索する経路探索手段とを備えたことを特徴としている。
【0018】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、経路探索手段により、カード枚数登録手段に登録されたユーザのETCカードの所持枚数に応じて割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索することが可能となる。
【0019】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、走行距離の所定の条件が、走行距離が所定距離以内であることとされていることを特徴としている。
【0020】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、経路探索手段により、走行距離が所定距離以内の場合に適用される割引の適用回数が、ユーザのETCカードの所持枚数に応じて異なるような推奨経路を探索することが可能となる。
【0021】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、割引が、有料道路を所定の時間帯に走行する場合に適用される割引とされていることを特徴としている。
【0022】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、経路探索手段により、前述した時間帯割引の適用回数がユーザのETCカードの所持枚数に応じて異なるような推奨経路を探索することが可能となる。
【0023】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、経路探索手段によって探索された推奨経路を、自車がETCカードの枚数に応じた適用回数分の割引が適用される状態として走行するように、ユーザに対してETC車載器の操作に関する案内を行うETC車載器操作案内手段を備えたことを特徴としている。
【0024】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、ETC車載器操作案内手段により、ユーザに対して、経路探索手段によって探索された推奨経路においてユーザのETCカードの所持枚数に応じた適用回数分の割引が確実に適用されるためのETC車載器の操作に関する案内を行うことが可能となる。
【0025】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、走行距離の所定の条件が、前記走行距離が所定距離以内の場合であり、かつ、カード枚数登録手段に登録されたETCカードの枚数が複数枚の場合には、経路探索手段が、有料道路における自車の走行距離が前記所定距離を超える前に前記有料道路を一旦外れるような推奨経路を探索し、かつ、ETC車載器操作案内手段が、前記有料道路を前記自車が一旦外れた際に、ETC車載器の操作に関する案内として、前記ETC車載器に挿入されているETCカードを交換する旨の案内を行うように形成されていることを特徴としている。
【0026】
そして、このように構成された車載用ナビゲーション装置によれば、ETC車載器操作案内手段によるETCカードを交換する旨の案内により、ユーザのETCカードの所持枚数に応じた適用回数分の割引の適用をさらに確実に受けることが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、経路探索手段により、カード枚数登録手段に登録されたユーザのETCカードの所持枚数に応じて割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索することができる結果、ユーザが、有料道路においてETCカードの所持枚数に応じた有効な割引の適用を受けることができ、経済性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、経路探索手段により、走行距離が所定距離以内の場合に適用される割引の適用回数が、ユーザのETCカードの所持枚数に応じて異なるような推奨経路を探索することができる結果、そのような割引が適用される有料道路においてETCカードの所持枚数に応じた有効な割引の適用を受けることができる。
【0029】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、経路探索手段により、時間帯割引の適用回数がユーザのETCカードの所持枚数に応じて異なるような推奨経路を探索することができる結果、ETCカードの所持枚数に応じた有効な時間帯割引の適用を受けることができる。
【0030】
さらにまた、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、ETC車載器操作案内手段により、ユーザに対して、経路探索手段によって探索された推奨経路においてユーザのETCカードの所持枚数に応じた適用回数分の割引が確実に適用されるためのETC車載器の操作に関する案内を行うことができる結果、ETCカードの所持枚数に応じた有効な割引の適用を確実に受けることができる。
【0031】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、ETC車載器操作案内手段によるETCカードを交換する旨の案内により、ユーザのETCカードの所持枚数に応じた適用回数分の割引の適用をさらに確実に受けることができる結果、ETCカードの所持枚数に応じた有効な割引の適用をさらに確実に受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、現在地から目的地まで自車を案内するナビゲーションのための主たる処理や制御を行うナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2の入力側にそれぞれ接続されたGPSレシーバ3、ディスクドライブ5および入力操作部6と、ナビゲーションメインユニット2の出力側にそれぞれ接続されたディスプレイ7およびスピーカ8とによって構成されている。
【0034】
GPSレシーバ3は、GPS衛星10から、軌道および時刻に関する情報(以下、GPS情報と称する)を受信し、受信されたGPS情報をナビゲーションメインユニット2に入力するようになっている。
【0035】
ディスクドライブ5は、例えば、地図データが記録された地図ディスク(図示せず)が搭載可能とされたディスクドライブまたは地図データが記録されたハードディスクドライブであってもよい。
【0036】
また、入力操作部6は、例えば、リモコンユニット、リニアエンコーダ、または、ディスプレイ7のタッチパネルであってもよい。
【0037】
ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、このナビゲーションメインユニット2は主制御部としてのナビCPU11を有している。
【0038】
ナビCPU11の入力側には、GPSレシーバ3が接続されており、このGPSレシーバ3からのGPS情報が、ナビCPU11に入力されるようになっている。
【0039】
また、ナビCPU11の入力側には、ジャイロセンサ等の自律航法センサ14が接続されており、この自律航法センサ14は、自律航法によって自車位置を検出し、検出結果をナビCPU11に入力するようになっている。
【0040】
さらに、ナビCPU11には、システムバス15を介してデコーダ16が接続されており、このデコーダ16の入力側には、ディスクドライブ5が接続されている。デコーダ16は、ディスクドライブ5がナビCPU11からの読出し要求にしたがって読出した地図データをデコードし、デコードされた地図データをナビCPU11に渡すようになっている。
【0041】
さらにまた、ナビCPU11には、システムバス15および画像インターフェース(I/F)18を介してディスプレイ7が接続されている。
【0042】
また、ナビCPU11には、システムバス15およびユーザインターフェース(I/F)19を介して入力操作部6が接続されている。
【0043】
さらに、ナビCPU11には、音声インターフェース(I/F)20を介してスピーカ8が接続されている。
【0044】
そして、本実施形態において、ナビCPU11には、システムバス15を介してカード枚数登録手段としてのカード枚数登録部21が接続されており、このカード枚数登録部21には、入力操作部6の操作によって、ユーザが所持するETCカードの枚数(所持枚数)が登録されている。
【0045】
また、ナビCPU11の入力側には、割引情報取得部17が接続されており、この割引情報取得部17は、無線通信等を介して有料道路(例えば、自車位置と目的地との間に存在する有料道路)の割引情報を取得し、取得された割引情報をナビCPU11に入力するようになっている。
【0046】
割引情報には、割引が適用されるための有料道路における車両の走行距離の条件(所定の走行距離の条件)についての情報(以下、距離条件情報と称する)が含まれている。
【0047】
また、前述した時間帯割引のように、割引が適用されるための有料道路の利用時間の条件が課されるような場合には、割引情報には、当該利用時間の条件についての情報(以下、時間条件情報と称する)も含まれることになる。
【0048】
さらに、割引情報には、割引率についての情報(以下、割引率情報と称する)が含まれていてもよい。
【0049】
ナビCPU11は、自車位置計算部22を有しており、この自車位置計算部22は、GPSレシーバ3から入力されたGPS情報および自律航法センサ14から入力された検出結果を適宜用いることによって自車位置を計算するようになっている。この自車位置の計算の際に、自車位置計算部22は、ディスクドライブ5に対する地図データの読出し要求によってディスクドライブ5に地図データを読出させ、この読出させた地図データを用いることによって、自車位置を地図データ上の該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。
【0050】
ナビCPU11は、地図表示部23を有しており、この地図表示部23は、自車位置計算部22によって算出された自車位置およびその周辺の地図または入力操作部6の操作によって指定された地点およびその周辺の地図を描画する描画データを生成するようになっている。その際に、地図表示部23は、ディスクドライブ5に対する地図データの読出し要求によってディスクドライブ5に地図データを読出させ、この読出させた地図データを用いることによって描画データを生成するようになっている。地図表示部23は、生成された描画データをシステムバス15および画像インターフェース18を介してディスプレイ7に出力することによって、ディスプレイ7上に前述した地図を表示させるようになっている。
【0051】
ナビCPU11は、経路探索手段としての経路探索部25を有しており、この経路探索部25は、カード枚数登録部21に登録されたETCカードの所持枚数および割引情報取得部17によって取得された割引情報に基づいて、現在地(自車位置)から入力操作部6の操作によって設定された目的地までの推奨経路を探索するようになっている。
【0052】
すなわち、経路探索部25は、走行距離が所定の条件を満足する場合に通行料金の割引が適用されるような有料道路を含む推奨経路であって、ETCカードの所持枚数に応じて当該割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索するようになっている。
【0053】
なお、経路探索部25は、走行距離とともに利用時間が所定の条件を満足する場合に割引(時間帯割引等)が適用されるような有料道路を含み、かつ、ETCカードの所持枚数に応じて当該割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索するようにしてもよい。
【0054】
さらに、本実施形態において、ナビCPU11は、ETC車載器操作案内手段としてのETC車載器操作案内部26を有している。
【0055】
このETC車載器操作案内部26は、経路探索部25によって探索された推奨経路を、自車がETCカードの所持枚数に応じた適用回数分の割引が適用される状態として走行するように、ユーザに対してETC車載器の操作に関する案内を行うようになっている。
【0056】
すなわち、ETC車載器操作案内部26は、ETC車載器の操作に関する音声案内を行うための音声データを生成してスピーカ8に出力することによって、スピーカ8を介した当該音声案内を行うようになっている。なお、ETC車載器操作案内部26は、ETC車載器の操作に関する表示案内を行うための描画データを生成してディスプレイ7に出力することによって、当該表示案内を行うようにしてもよい。
【0057】
ナビCPU11は、経路案内部27を有しており、この経路案内部27は、経路探索部25によって探索された推奨経路に沿って自車を目的地まで案内する経路案内(ルート案内)を行うようになっている。この経路案内は、ディスプレイ7への案内画像の表示による表示案内であってもよく、または、スピーカ8からの案内音声の出力による音声案内であってもよく、あるいは、これら表示案内と音声案内との双方による案内であってもよい。
【0058】
次に、本実施形態の作用について、具体例を用いて説明する。
【0059】
本実施形態において、経路探索部25は、カード枚数登録部21に登録されたETCカードの枚数が2枚の場合であって、割引情報取得部17から取得された割引情報が、朝の通勤時間帯(6時〜9時)において走行距離が所定距離としての100km以内の場合に適用される通勤割引についての情報である場合には、図2に示すような通勤割引が適用される高速道路を含む推奨経路を探索する。
【0060】
図2に示す推奨経路は、図4に示したものと同様に、第1のインターチェンジから高速道路に入り、第3のインターチェンジで高速道路を一旦降りて(外れて)割引の適用を受け、第3のインターチェンジで高速道路に復帰し、最後に、第6のインターチェンジで高速道路を降りるものとなっている。
【0061】
ただし、図2に示す推奨経路は、図4に示したものとは異なり、第3のインターチェンジで高速道路を一旦降りて割引の適用を1回受けるだけに止まらず、第3のインターチェンジから100km以内の地点にある第5のインターチェンジ(IC)で高速道路を一旦降りることによって、2回目の割引の適用を受けることができるものとなっている。
【0062】
この2回目の割引が確実に適用されるようにするために、ETC車載器操作案内部26は、自車が第3のインターチェンジを一旦降りた際に、ユーザに対して、ETC車載器の操作に関する案内として、ETC車載器に挿入されているETCカードを交換する旨の音声案内および表示案内の少なくとも一方を行う。
【0063】
また、経路案内部27は、第5のインターチェンジの手前の地点Qにおいて、ユーザに対して、次の第5のインターチェンジで高速道路を一旦降りる旨の表示案内および音声案内の少なくとも一方を行う。
【0064】
これにより、ユーザが、2枚のETCカードを活用して合計2回の通勤割引の適用を受けることができ、通行料金を削減することができる。
【0065】
具体的には、第3のインターチェンジから第5のインターチェンジまでの通常の通行料金が2000円で、この区間の割引率が50%の場合には、図4の場合に比べて通行料金が1000円安くなる。
【0066】
また、本実施形態において、経路探索部25は、カード枚数登録部21に登録されたETCカードの枚数が3枚の場合であって、割引情報取得部17から取得された割引情報が図2と同様の通勤割引についての情報である場合には、図3に示すような通勤割引が適用される高速道路を含む推奨経路を探索する。
【0067】
図3に示す推奨経路は、図2に示したものと経路自体は同じであるが割引の適用回数が異なり、第3のインターチェンジおよび第5のインターチェンジで高速道路を一旦降りて割引の適用を2回受けるだけに止まらず、第5のインターチェンジから100km以内の地点にある第6のインターチェンジ(IC)で高速道路を降りる際に、3回目の割引の適用を受けることができるようになっている。
【0068】
すなわち、図3のようにETCカードの枚数が3枚の場合に、ETC車載器操作案内部26は、自車が第5のインターチェンジを一旦降りた際に、ユーザに対して、ETC車載器に挿入されているETCカードを交換する旨の音声案内および表示案内の少なくとも一方を行う。
【0069】
これにより、ユーザが、3枚のETCカードを活用して合計3回の通勤割引の適用を確実に受けることができ、通行料金を削減することができる。
【0070】
具体的には、第5のインターチェンジから第6のインターチェンジまでの通常の通行料金が500円で、この区間の割引率が50%の場合には、図2の場合よりも更に通行料金が250円安くなる。
【0071】
なお、カード枚数登録部21に登録されたETCカードの所持枚数が1枚の場合には、割引の適用は図4と同様の1回となり、カード枚数登録部21に登録されたETCカードの所持枚数が0枚の場合には、割引の適用は0回となる。
【0072】
以上述べたように、本実施形態によれば、経路探索部25により、カード枚数登録部21に登録されたユーザのETCカードの所持枚数に応じて割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索することができる。より具体的には、カード枚数登録部21に登録されているETCカードの所持枚数が多いほど、割引の適用回数が多くなるような推奨経路を探索することができる。
【0073】
この結果、ユーザが、有料道路においてETCカードの所持枚数に応じた有効な割引の適用を受けることができ、経済性を向上させることができる。
【0074】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0075】
例えば、カード枚数登録部21は、前述したように、入力操作部6の手動操作にともなってETCカードの所持枚数を登録するものに限る必要はない。例えば、将来的に、複数枚のETCカードを同時に挿入することができ、挿入された複数枚のETCカードの中から、料金所通過時に実際に使用するETCカードを択一的に選択することができるETC車載器が開発された場合には、そのようなETC車載器に挿入されたETCカードの枚数を自動的に登録するものであってもよい。この場合には、ETC車載器操作案内手段によって行われるETC車載器の操作に関する案内は、車載器に挿入されている複数枚のETCカードのうちの実際に使用されるETCカードの選択を切換えることをユーザに促すための案内となる。
【0076】
また、時間帯割引きにおける走行距離の条件は、走行区間(インターチェンジ間)ごとに異なるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、経路探索部によって探索された推奨経路および当該推奨経路において割引の適用を受けるために車載用ナビゲーション装置が行う動作の具体例を示す説明図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、経路探索部によって探索された推奨経路および当該推奨経路において割引の適用を受けるために車載用ナビゲーション装置が行う動作の図2と異なる具体例を示す説明図
【図4】従来の車載用ナビゲーション装置が割引の適用を受けるために行っていた動作の一例を示す説明図
【符号の説明】
【0078】
1 車載用ナビゲーション装置
21 カード枚数登録部
25 経路探索部
26 ETC車載器操作案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所持しているETCカードの枚数を登録するカード枚数登録手段と、
走行距離が所定の条件を満足する場合に通行料金の割引が適用されるような有料道路を含む推奨経路であって、前記カード枚数登録手段に登録された前記ETCカードの枚数に応じて前記割引の適用回数が異なるような推奨経路を探索する経路探索手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記走行距離の所定の条件が、前記走行距離が所定距離以内であることとされていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記割引が、前記有料道路を所定の時間帯に走行する場合に適用される割引とされていること
を特徴とする請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路探索手段によって探索された前記推奨経路を、自車が前記ETCカードの枚数に応じた適用回数分の割引が適用される状態として走行するように、前記ユーザに対してETC車載器の操作に関する案内を行うETC車載器操作案内手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記走行距離の所定の条件が、前記走行距離が所定距離以内の場合であり、かつ、前記カード枚数登録手段に登録された前記ETCカードの枚数が複数枚の場合には、前記経路探索手段が、前記有料道路における自車の走行距離が前記所定距離を超える前に前記有料道路を一旦外れるような推奨経路を探索し、かつ、前記ETC車載器操作案内手段が、前記有料道路を前記自車が一旦外れた際に、前記ETC車載器の操作に関する案内として、前記ETC車載器に挿入されているETCカードを交換する旨の案内を行うように形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−183128(P2007−183128A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518(P2006−518)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】