説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている目的地に自車両が立ち入ることを未然に回避することができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】立ち入り規制領域内に存在する目的地が設定された場合に、立ち入り規制通報手段30によって目的地が立ち入り規制領域内に存在することを通報してユーザに注意を促し、立ち入り規制領域外案内手段31によってユーザに新たな目的地を提案して立ち入り規制領域外に向かうことを促す案内を行うこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、ユーザを目的までルート案内するのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、目的地までの推奨経路に沿って自車両を自車位置(現在地)から目的地までルート案内することが行われていた。
【0003】
この種の車載用ナビゲーション装置の中には、交通規則によって自車両の行動が制限されている道路上の位置(例えば、駐停車禁止位置)に自車位置がマッチングされた場合に、制限されている行動をアナウンスすることによってユーザに注意を促すものが既に知られている。
【0004】
このような車載用ナビゲーション装置によれば、交通規則を遵守した走行を支援することは可能であった。
【0005】
【特許文献1】特開平10−19596号公報
【特許文献2】特開2002−257570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、国や地域によっては、一般的な交通規則にはない例えば社会的な事情や政治的な事情等を背景とした特別な規則によって、一般人(特に外国人)の立ち入りが規制されている場所(例えば、軍事施設等)がある。そして、このような場所に一般人を乗せた車両が立ち入ってしまった場合には、現地の警察や軍関係者等に逮捕されたり連行されたりしてしまうことがあった。このような場合には、現地に長時間拘留されて取り調べを受けた上で、釈放されるために高い罰金を払うことを余儀なくされることがある。
【0007】
しかしながら、従来の車載用ナビゲーション装置は、そのような一般人の立ち入りが規制されている場所をナビゲーションの目的地として設定した場合であっても、その場所まで通常にルート案内が行われてしまうことがあったので、ユーザは、その場所への立ち入りが規制されていることを、予め認識しているか若しくは現地において気付くことがない限り、規則違反となることを免れることができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている目的地に自車両が立ち入ることを未然に回避することができ、ひいては、規則違反によってユーザに強いられる経済的な負担や精神的な苦痛を回避することができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、この目的地設定手段によって設定された前記目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段と、この推奨経路探索手段によって探索された前記推奨経路に沿って自車両を前記目的地までルート案内するルート案内手段とを備えた車載用ナビゲーション装置であって、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって車両の立ち入りが規制されている領域である立ち入り規制領域を示す情報が格納された立ち入り規制領域情報格納手段と、前記目的地設定手段によって設定された前記目的地と、前記立ち入り規制領域情報格納手段に格納された前記立ち入り規制領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記目的地が前記立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定を行う立ち入り規制判定手段と、この立ち入り規制判定手段によって、前記設定された前記目的地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記目的地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報を行う立ち入り規制通報手段と、この立ち入り規制通報手段による前記通報の後に、前記立ち入り規制領域外における前記設定された前記目的地から所定の距離以内の位置に存在する前記設定された前記目的地と同一の種別に属する地点、または、前記立ち入り規制領域外における前記立ち入り規制領域の入口もしくは出口の近傍に存在する地点を新たな目的地として提案することによって、ユーザに対して前記立ち入り規制領域外に向かうことを促す案内を行う立ち入り規制領域外案内手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、立ち入り規制領域内に存在する目的地が設定された場合であっても、立ち入り規制通報手段によって目的地が立ち入り規制領域内に存在することを通報してユーザに注意を促し、立ち入り規制領域外案内手段によってユーザに新たな目的地を提案して立ち入り規制領域外に向かうことを促す案内を行うことができるので、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている目的地に自車両が立ち入ることを未然に回避することができる。また、立ち入り規制領域外案内手段によってユーザに提案される新たな目的地は、当初の目的地に対して、距離が近い、あるいは、種別が同一であるといった関連性を有しているので、ユーザの当初の意思をできるだけ反映させた新たな目的地を提案することができ、ユーザの利便性を確保することもできる。
【0011】
また、本発明においては、経由地を設定する経由地設定手段を備え、前記推奨経路探索手段は、前記経由設定手段によって設定された前記経由地を経由するような前記目的地までの推奨経路を探索するように形成され、前記立ち入り規制判定手段は、前記経由地設定手段によって設定された前記経由地と、前記立ち入り規制領域情報格納手段に格納された前記立ち入り規制領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、前記立ち入り規制通報手段は、前記立ち入り規制判定手段によって、前記設定された前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報をも行うように形成され、前記立ち入り規制領域外案内手段は、前記立ち入り規制通報手段によって前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報が行われた後に、前記立ち入り規制領域外における前記設定された前記経由地から所定の距離以内の位置に存在する前記設定された前記経由地と同一の種別に属する地点、または、前記立ち入り規制領域外における前記立ち入り規制領域の入口もしくは出口の近傍に存在する地点を新たな経由地として提案することによって、ユーザに対して前記立ち入り規制領域外を経由することを促す案内をも行うように形成されていることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、立ち入り規制領域内に存在する経由地が設定された場合であっても、立ち入り規制通報手段によって経由地が立ち入り規制領域内に存在することを通報してユーザに注意を促し、立ち入り規制領域外案内手段によってユーザに新たな経由地を提案して立ち入り規制領域外を経由することを促す案内を行うことができるので、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている経由地に自車両が立ち入ることをも未然に回避することができる。また、立ち入り規制領域外案内手段によってユーザに提案される新たな経由地は、当初の経由地に対して、距離が近い、あるいは、種別が同一であるといった関連性を有しているので、ユーザの当初の意思をできるだけ反映させた新たな経由地を提案することができ、ユーザの利便性を確保することもできる。
【0013】
さらに、本発明において、前記立ち入り規制判定手段は、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置と、前記立ち入り規制領域情報格納手段に格納された前記立ち入り規制領域を示す情報とを比較することによって、前記検出された前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、前記立ち入り規制通報手段は、前記立ち入り規制判定手段によって、前記検出された前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報をも行うように形成され、前記立ち入り規制領域外案内手段は、前記立ち入り規制通報手段によって前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報が行われた後に、ユーザに対して前記立ち入り規制領域外への離脱を促す案内をも行うように形成されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、既に自車両が立ち入り規制領域内を走行している場合であっても、立ち入り規制通報手段によって自車位置が立ち入り規制領域内に存在することを通報してユーザに注意を促し、立ち入り規制領域外案内手段によってユーザに立ち入り規制領域外に離脱することを促す案内を行うことができるので、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている領域内に自車両が立ち入っている状態を迅速に解消することができる。
【0015】
さらにまた、本発明において、前記立ち入り規制領域が、外国人の立ち入りが禁止されている領域の場合に、ユーザが外国人であるか否かをユーザの入力操作に基づいて確認する確認手段を備え、前記立ち入り規制判定手段は、前記確認手段によってユーザが外国人であることが確認された場合にのみ判定動作を行うように形成されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、立ち入り規制領域が外国人のみの立ち入りを規制する領域の場合であっても、立ち入り規制判定手段が、確認手段によるユーザが外国人であることの確認を待って、目的地、経由地または自車位置が立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定を行うようにすることができるので、自国民にまで前記立ち入り規制通報手段による無用な通報および前記立ち入り規制領域外案内手段による無用な案内を行わないようにすることができる。
【0017】
また、本発明においては、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって車両の立ち入り後における当該車両の搭乗者の行動が制限されている領域である行動制限領域を示す情報が格納された行動制限領域情報格納手段と、前記目的地設定手段によって設定された前記目的地と、前記行動制限領域情報格納手段に格納された前記行動制限領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記目的地が前記行動制限領域内に存在するか否かの判定を行う行動制限判定手段と、この行動制限判定手段によって、前記設定された前記目的地が前記行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記目的地における行動制限の内容の通知を行う制限内容通知手段とを備えることが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、行動制限領域内に存在する目的地が設定された場合であっても、制限内容通知手段によって目的地における行動制限の内容を通知してユーザに注意を促すことができるので、ユーザが、目的地において一般的な交通規則にはない特別な規則によって定められている制限を超えた行動をとることを未然に回避することができる。
【0019】
さらに、本発明においては、経由地を設定する経由地設定手段を備え、前記推奨経路探索手段は、前記経由設定手段によって設定された前記経由地を経由するような前記目的地までの推奨経路を探索するように形成され、前記行動制限判定手段は、前記経由地設定手段によって設定された前記経由地と、前記行動制限領域情報格納手段に格納された前記行動制限領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記経由地が前記行動制限領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、前記制限内容通知手段は、前記行動制限判定手段によって、前記設定された前記経由地が前記行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記経由地における行動制限の内容の通知をも行うように形成されていることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、行動制限領域内に存在する経由地が設定された場合であっても、制限内容通知手段によって経由地における行動制限の内容を通知してユーザに注意を促すことができるので、ユーザが、経由地において一般的な交通規則にはない特別な規則によって定められている制限を超えた行動をとることを未然に回避することができる。
【0021】
さらにまた、本発明においては、前記行動制限判定手段は、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置と、前記行動制限領域情報格納手段に格納された前記行動制限領域を示す情報とを比較することによって、前記検出された前記自車位置が前記行動制限領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、前記制限内容通知手段は、前記行動制限判定手段によって、前記検出された前記自車位置が前記行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記自車位置における行動制限の内容の通知をも行うように形成されていることが好ましい。
【0022】
このような構成によれば、自車位置が行動制限領域内に存在する場合であっても、制限内容通知手段によって自車位置における行動制限の内容を通知してユーザに注意を促すことができるので、ユーザが、自車位置において一般的な交通規則にはない特別な規則によって定められている制限を超えた行動をとることを未然に回避することができる。
【0023】
また、本発明においては、前記行動制限領域は、当該領域内に存在する所定の施設の関係者ではない部外者の行動が制限されている領域とされ、ユーザが前記部外者である旨の入力を行うための入力手段を備え、前記行動制限判定手段は、前記入力手段によってユーザが前記部外者である旨の入力が行われた場合にのみ判定動作を行うように形成されていることが好ましい。
【0024】
このような構成によれば、行動制限領域が部外者の行動を制限する領域の場合であっても、行動制限判定手段が、確認手段によるユーザが部外者であることの確認を待って、目的地、経由地または自車位置が行動制限領域内に存在するか否かの判定を行うようにすることができるので、関係者にまで前記制限内容通知手段による無用な通知を行わないようにすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている目的地に自車両が立ち入ることを未然に回避することができ、ひいては、規則違反によってユーザに強いられる経済的な負担や精神的な苦痛を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたデータ読出装置3、入力操作部5、GPSレシーバ6、自律航法センサ7、ディスプレイ8およびスピーカ9とによって構成されている。
【0028】
なお、入力操作部5は、リモコン、ディスプレイ8のタッチパネルまたはロータリもしくはリニアエンコーダ等であってもよい。
【0029】
データ読出装置3には、ハードディスク等の記憶媒体12が搭載されており、この記憶媒体12には、地図データ等の車載用ナビゲーション装置1の機能を実行させるための各種のデータが記憶されている。なお、地図データは、地図表示機能および経路誘導機能の実行に用いられる道路データおよび背景データと、経路探索機能の実行に用いられる経路計算データと、目的地や施設等の検索機能の実行に用いられる検索データとを有している。
【0030】
また、本実施形態において、記憶媒体12は、立ち入り規制領域情報格納手段として機能するようになっている。すなわち、記憶媒体12には、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって車両の立ち入りが規制されている領域である立ち入り規制領域を示す情報(以下、立ち入り規制領域情報と称する)が、地図データ(特に、検索データ)と対応関係を有した状態として格納されている。なお、立ち入り規制領域は、軍事施設を備えた領域等であってもよい。
【0031】
さらに、本実施形態において、記憶媒体12は、行動制限領域情報格納手段としても機能するようになっている。すなわち、記憶媒体12には、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって車両の立ち入り後における当該車両の搭乗者の行動が制限されている領域である行動制限領域を示す情報(以下、行動制限領域情報と称する)が、地図データ(特に、検索データ)と対応関係を有した状態として格納されている。なお、行動制限領域は、軍港等であってもよい。また、行動制限領域における行動制限の内容は、例えば、巡回走行は許容するものの、駐停車や設備(軍艦等)の写真撮影は禁止すること等であってもよい。
【0032】
ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、このナビゲーションメインユニット2は、自車位置検出手段としての自車位置算出部15を有しており、この自車位置算出部15の入力側には、GPSレシーバ6および自律航法センサ7がそれぞれ接続されている。
【0033】
GPSレシーバ6は、図示しないGPS衛星から受信した軌道および時刻を含む情報を自車位置算出部15に出力するようになっている。自車位置算出部15は、GPSレシーバ6から出力された情報に基づいて、絶対座標としての自車位置を算出するようになっている(衛星航法)。
【0034】
自律航法センサ7は、自車両の角速度や車速等を検出し、検出結果を自車位置算出部15に出力するようになっている。自車位置算出部15は、自律航法センサ7から出力された検出結果に基づいて、直前の自車位置からの相対変化分としての自車位置を算出するようになっている(自律航法)。
【0035】
自車位置算出部15の出力側であってデータ読出装置3の入力側には、データ読出制御部16が接続されている。また、自車位置算出部15の入力側であってデータ読出装置3の出力側には、バッファ18が接続されている。
【0036】
データ読出制御部16は、自車位置算出部15によって算出された衛星航法または自律航法による自車位置の算出結果に基づいて、データ読出装置3に対して、記憶媒体12に格納された自車位置およびその周辺の地図データを読み出すための読出し要求を出力するようになっている。この読出し要求にしたがってデータ読出装置3によって記憶媒体12から読み出された地図データは、バッファ18を介して自車位置算出部15によって取得されるようになっている。そして、自車位置算出部15は、バッファ18を介して取得された地図データに基づいて、衛星航法または自律航法によって算出された自車位置が地図データにおける道路上にあるか否かを判定し、自車位置が地図データにおける道路上にない場合には、自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。自車位置算出部15は、マップマッチング処理を行った場合には、このマップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0037】
バッファ18には、地図描画部19が接続されており、この地図描画部19には、バッファ18に格納された自車位置およびその周辺の地図データが入力されるようになっている。そして、地図描画部19は、バッファ18から入力された地図データに基づいて、自車位置およびその周辺の地図を表示するための地図描画データを生成するようになっている。
【0038】
地図描画部19とディスプレイ8との間には、表示処理部20が接続されており、この表示処理部20には、地図描画部19によって生成された地図描画データが入力されるようになっている。そして、表示処理部20は、地図描画部19から入力された地図描画データに対応した地図をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0039】
自車位置算出部15と表示処理部20との間には、自車位置描画部21が接続されており、この自車位置描画部21には、自車位置算出部15によって算出された自車位置の情報が入力されるようになっている。自車位置描画部21は、自車位置算出部15から入力された自車位置の情報に基づいて、自車位置のマークを表示するための自車位置描画データを生成するようになっている。自車位置描画部21によって生成された自車位置描画データは、表示処理部20に入力されるようになっている。そして、表示処理部20は、入力された自車位置描画データに対応した自車位置のマークを、ディスプレイ8に表示された地図上に重畳表示するようになっている。
【0040】
表示処理部20の入力側には、操作画面描画部22が接続されており、この操作画面描画部22は、メニュー画面、目的地設定用の操作画面、経由地設定用の操作画面および経路算出条件入力用の操作画面等のユーザによる入力操作部5を用いた入力操作が可能な各種の操作画面の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部20に出力するようになっている。そして、表示処理部20は、操作画面描画部22によって出力された操作画面の描画データに対応した操作画面をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0041】
入力操作部5の出力側には、目的地設定手段としての目的地設定部23が接続されており、この目的地設定部23には、入力操作部5から、目的地設定用の操作画面に対する目的地を設定するためのユーザの入力操作の結果が入力されるようになっている。そして、目的地設定部23は、目的地設定用の操作画面に対する入力操作の結果に応じた目的地を設定するようになっている。
【0042】
また、入力操作部5の出力側には、経由地設定手段としての経由地設定部25が接続されており、この経由地設定部25には、入力操作部5から、経由地設定用の操作画面に対する経由地を設定するためのユーザの入力操作の結果が入力されるようになっている。そして、経由地設定部25は、経由地設定用の操作画面に対する入力操作の結果に応じた経由地を設定するようになっている。
【0043】
さらに、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット2は、推奨経路探索手段としての経路算出部24を有しており、この経路算出部24には、自車位置算出部15、データ読出制御部16、バッファ18、目的地設定部23および経由地設定部25がそれぞれ接続されている。
【0044】
経路算出部24は、自車位置算出部15によって算出された自車位置(現在地)から目的地設定部23によって設定された目的地までの推奨経路を算出(探索)するための経路計算を行うようになっている。さらに、経路算出部24は、経由地設定部25によって経由地が設定された場合には、設定された経由地を経由するような設定された目的地までの推奨経路を算出する経路計算を行うようになっている。
【0045】
この経路計算の際に、経路算出部24は、データ読出制御部16を介してデータ読出装置3に記憶媒体12に格納された地図データにおける経路計算データを読み出させ、この読み出された経路計算データを利用して、ユーザによって入力された経路算出条件(例えば、高速道路を通る等)を満足するような目的地までの推奨経路を計算するようになっている。なお、経路算出部24は、図示しないビーコン受信機等によって受信された交通情報に基づいて、交通渋滞や交通規制を回避することができる推奨経路を算出するようにしてもよい。この場合に、経路算出部24は、交通情報の変化に応じて新たな推奨経路を動的に算出するようにしてもよい。
【0046】
経路算出部24およびバッファ18の出力側であって、表示処理部20の入力側には、案内画像描画部26が接続されており、この案内画像描画部26は、表示処理部20およびディスプレイ8とともにルート案内手段を構成するようになっている。すなわち、案内画像描画部26は、経路算出部24によって算出された推奨経路に基づいて、地図上への推奨経路の重畳表示画像や交差点拡大画像等の案内画像を表示するための案内画像描画データを生成し、生成された案内画像描画データを表示処理部20に出力するようになっている。案内画像描画データの生成には、必要に応じてバッファ18に格納された地図データが利用されるようになっている。そして、表示処理部20は、案内画像描画部26から出力された案内画像描画データに対応した案内画像をディスプレイ8に表示するようになっている。これにより、案内画像を用いつつ推奨経路に沿って自車両を目的地まで案内するルート案内が行われることになる。
【0047】
経路算出部24とスピーカ9との間には、音声案内部27が接続されており、この音声案内部27は、スピーカ9とともにルート案内手段を構成するようになっている。すなわち、音声案内部27は、経路算出部24によって算出された推奨経路に基づいて、交差点右左折案内等の音声案内を行うための案内音声データを生成し、生成された案内音声データをスピーカ9に出力するようになっている。そして、スピーカ9は、音声案内部27によって生成された音声データを音声出力するようになっている。これにより、音声案内によるルート案内が行われることになる。
【0048】
そして、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット2は、立ち入り規制判定手段としての立ち入り規制判定部29を有しており、この立ち入り規制判定部29には、目的地設定部23、経由地設定部25、自車位置算出部15、データ読出制御部16およびバッファ18が、それぞれ接続されている。
【0049】
立ち入り規制判定部29は、目的地設定部23によって目的地が設定された場合、経由地設定部25によって経由地が設定された場合、または、自車位置算出部15によって自車位置が算出された場合には、データ読出制御部16に、記憶媒体12から立ち入り規制領域情報を読み出すための読出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。この読出し要求にしたがってデータ読出装置3によって記憶媒体12から読み出された立ち入り規制領域情報は、バッファ18を介して立ち入り規制判定部29によって取得されるようになっている。
【0050】
そして、立ち入り規制判定部29は、記憶媒体12から読み出されて取得された立ち入り規制領域情報と、目的地設定部23によって設定された目的地とを比較することによって、設定された目的地が立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定を行うようになっている。
【0051】
また、立ち入り規制判定部29は、記憶媒体12から読み出されて取得された立ち入り規制領域情報と、経由地設定部25によって設定された経由地とを比較することによって、設定された経由地が立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定を行うようになっている。
【0052】
さらに、立ち入り規制判定部29は、記憶媒体12から読み出されて取得された立ち入り規制領域情報と、自車位置算出部15によって算出された自車位置とを比較することによって、自車位置が立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定を行うようになっている。
【0053】
また、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット2は、立ち入り規制通報手段としての立ち入り規制通報部30を有しており、この立ち入り規制通報部30には、立ち入り規制判定部29、表示処理部20およびスピーカ9がそれぞれ接続されている。
【0054】
立ち入り規制通報部30は、立ち入り規制判定部29によって、設定された目的地が立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して、目的地が立ち入り規制領域内に存在する旨の通報を、ディスプレイ8に対する画像表示およびスピーカ9からの音声出力によって行うようになっている。この通報は、例えば、「一般人の立ち入りが禁止されているエリアに向かおうとしています。」といった内容のメッセージを画像表示または音声出力することであってもよい。
【0055】
また、立ち入り規制通報部30は、立ち入り規制判定部29によって、設定された経由地が立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して、経由地が立ち入り規制領域内に存在する旨の通報を、ディスプレイ8に対する画像表示およびスピーカ9からの音声出力によって行うようになっている。この通報は、例えば、「一般人の立ち入りが禁止されているエリアを経由しようとしています。」といった内容のメッセージを画像表示または音声出力することであってもよい。
【0056】
さらに、立ち入り規制通報部30は、立ち入り規制判定部29によって、自車位置が立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して、自車位置が立ち入り規制領域内に存在する旨の通報を、ディスプレイ8に対する画像表示およびスピーカ9からの音声出力によって行うようになっている。この通報は、例えば、「現在、一般人の立ち入りが禁止されているエリアを走行しています。」といった内容のメッセージを画像表示または音声出力することであってもよい。
【0057】
さらに、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット2は、立ち入り規制領域外案内手段としての立ち入り規制領域外案内部31を有しており、この立ち入り規制領域外案内部31には、立ち入り規制通報部30および表示処理部20がそれぞれ接続されている。
【0058】
立ち入り規制領域外案内部31は、立ち入り規制通報部30によって、設定された目的地が立ち入り規制領域内に存在する旨の通報が行われた場合には、当該通報の後に、新たな目的地をユーザに提案するようになっている。すなわち、立ち入り規制領域外案内部31は、新たな目的地として、立ち入り規制領域外における前記設定された目的地から所定の距離以内(例えば、設定された目的地を中心とした半径1km以内)の位置に存在する前記設定された目的地と同一の種別(例えば、駐車場や休憩所等の種別)に属する地点を、入力操作部5の操作によってユーザが選択可能な状態としてディスプレイ8に表示するようになっている。あるいは、立ち入り規制領域外案内部31は、新たな目的地の提案として、立ち入り規制領域外における立ち入り規制領域の入口または出口の近傍(例えば、入口または出口から100m以内の位置)に存在する地点を、入力操作部5の操作によってユーザが選択可能な状態としてディスプレイ8に表示するようにしてもよい。このようにして、立ち入り規制領域外案内部31は、ユーザに対して立ち入り規制領域外の目的地に向かうことを促す案内を行うようになっている。そして、このように提案された新たな目的地がユーザによって選択された場合には、この新たな目的地が目的地設定部23によって設定された上で、経路算出部24、案内画像描画部26および音声案内部27等によって、この新たな目的地までの推奨経路に沿ったルート案内に移行するようになっている。
【0059】
また、立ち入り規制領域外案内部31は、立ち入り規制通報部30によって、前記設定された経由地が立ち入り規制領域内に存在する旨の通報が行われた場合には、当該通報の後に、新たな経由地をユーザに提案するようになっている。すなわち、立ち入り規制領域外案内部31は、新たな経由地として、立ち入り規制領域外における前記設定された経由地から所定の距離以内(例えば、設定された経由地を中心として半径1km以内)に存在する前記設定された経由地と同一の種別(例えば、休憩所等)に属する地点を、入力操作部5の操作によってユーザが選択可能な状態としてディスプレイ8に表示するようになっている。あるいは、立ち入り規制領域外案内部31は、新たな経由地の提案として、立ち入り規制領域外における立ち入り規制領域の入口または出口の近傍に存在する地点を、入力操作部5の操作によってユーザが選択可能な状態としてディスプレイ8に表示するようにしてもよい。このようにして、立ち入り規制領域外案内部31は、ユーザに対して立ち入り規制領域外の経由地を経由することを促す案内を行うようになっている。そして、このように提案された新たな経由地がユーザによって選択された場合には、この新たな経由地が経由地設定部25によって設定された上で、経路算出部24、案内画像描画部26および音声案内部27等によって、この新たな経由地を経由する推奨経路に沿ったルート案内に移行するようになっている。
【0060】
さらに、立ち入り規制領域外案内部31は、立ち入り規制通報部30によって、自車位置が立ち入り規制領域内に存在する旨の通報が行われた場合には、当該通報の後に、立ち入り規制領域外への離脱を促すメッセージを、表示処理部20を介してディスプレイ8に表示するようになっている。このようにして、立ち入り規制領域外案内部31は、ユーザに対して立ち入り規制領域外への離脱を促す案内を行うようになっている。なお、この案内は、スピーカ9を介した音声出力によって行うようにしてもよい。また、この案内の際に、立ち入り規制領域外案内部31は、立ち入り規制領域の領域範囲と自車位置との関係を分かり易く地図表示することや、立ち入り規制領域から最も早く離脱することができる経路を表示することが好ましい。
【0061】
したがって、本実施形態によれば、立ち入り規制領域内に存在する目的地または経由地が設定された場合であっても、立ち入り規制通報部30によって目的地または経由地が立ち入り規制領域内に存在することを通報してユーザに注意を促し、立ち入り規制領域外案内部31によってユーザに新たな目的地または経由地を提案して立ち入り規制領域外に向かうことを促す案内を行うことができる。これにより、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている目的地および経由地に自車両が立ち入ることを未然に回避することができる。また、立ち入り規制領域外案内部31によってユーザに提案される新たな目的地および経由地は、当初の目的地および経由地に対して、距離が近い、あるいは、種別が同一であるといった関連性を有しているので、ユーザの当初の意思をできるだけ反映させた新たな目的地、経由地を提案することができ、ユーザの利便性を確保することもできる。
【0062】
さらに、本実施形態によれば、自車両が立ち入り規制領域内を走行している場合であっても、立ち入り規制通報部30によって自車位置が立ち入り規制領域内に存在することを通報してユーザに注意を促し、立ち入り規制領域外案内部31によってユーザに立ち入り規制領域外へと離脱することを促す案内を行うことができる。これにより、一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって立ち入りが規制されている領域内に自車両が立ち入っている状態を迅速に解消することができる。
【0063】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット2は、行動制限判定手段としての行動制限判定部32を有しており、この行動制限判定部32には、目的地設定部23、経由地設定部25、自車位置算出部15、データ読出制御部16およびバッファ18が、それぞれ接続されている。
【0064】
行動制限判定部32は、目的地設定部23によって目的地が設定された場合、または、経由地設定部25によって経由地が設定された場合、あるいは、自車位置算出部15によって自車位置が算出された場合には、データ読出制御部16に、記憶媒体12から行動制限領域情報を読み出すための読出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。この読出し要求にしたがってデータ読出装置3によって記憶媒体12から読み出された行動制限領域情報は、バッファ18を介して行動制限判定部32によって取得されるようになっている。
【0065】
そして、行動制限判定部32は、記憶媒体12から読み出されて取得された行動制限領域情報と、目的地設定部23によって設定された目的地とを比較することによって、設定された目的地が行動制限領域内に存在するか否かの判定を行うようになっている。
【0066】
なお、設定された目的地が立ち入り規制領域の場合には、そのような目的地が行動制限領域内に存在するか否かの判定を行うことは、ユーザが立ち入り規制領域に立ち入ることができる特別な事情(例えば、ユーザが立ち入り規制領域内の施設の関係者である等)がない限り全く意味がないものとなる。立ち入り規制領域内に立ち入ることができなければ当然に立ち入り規制領域内において何らの行動もとれないことになるからである。
【0067】
したがって、行動制限判定部32による判定は、設定された目的地が立ち入り規制領域外に存在する場合またはユーザが立ち入り規制領域内に立ち入ることができる事情がある場合に限って行うようにすることが好ましい。なお、ユーザが立ち入り規制領域内に立ち入ることができる事情の有無については、例えば、ユーザが立ち入り規制領域内の施設の関係者であるか否かを入力操作部5によって入力させるように構成し、その入力結果に基づいて判断するようにしてもよい。
【0068】
また、行動制限判定部32は、記憶媒体12から読み出されて取得された行動制限領域情報と、経由地設定部25によって設定された経由地とを比較することによって、設定された経由地が行動制限領域内に存在するか否かの判定を行うようになっている。なお、この経由地についての判定は、前述した目的地についての判定と同様の理由により、設定された経由地が立ち入り規制領域外に存在する場合またはユーザが立ち入り規制領域内に立ち入ることができる事情がある場合に限って行うようにすることが好ましい。
【0069】
さらに、行動制限判定部32は、記憶媒体12から読み出されて取得された行動制限領域情報と、自車位置算出部15によって算出された自車位置とを比較することによって、自車位置が行動制限領域内に存在するか否かの判定を行うようになっている。なお、この自車位置についての判定も、前述した目的地についての判定と同様の理由により、算出された自車位置が立ち入り規制領域外に存在する場合またはユーザが立ち入り規制領域内に立ち入ることができる事情がある場合に限って行うようにすることが好ましい。
【0070】
また、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット2は、制限内容通知手段としての制限内容通知部34を有しており、この制限内容通知部34には、行動制限判定部32、表示処理部20およびスピーカ9がそれぞれ接続されている。
【0071】
制限内容通知部34は、行動制限判定部32によって、設定された目的地が行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して、目的地における行動制限の内容の通知を、ディスプレイ8に対する画像表示およびスピーカ9からの音声出力によって行うようになっている。この通知は、例えば、「目的地では、駐停車および写真撮影が禁止されています。」といった内容のメッセージを画像表示または音声出力することであってもよい。
【0072】
また、制限内容通知部34は、行動制限判定部32によって、設定された経由地が行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して、経由地における行動制限の内容の通知を、ディスプレイ8に対する画像表示およびスピーカ9からの音声出力によって行うようになっている。この通知は、例えば、「経由地では、駐停車および写真撮影が禁止されています。」といった内容のメッセージを画像表示または音声出力することであってもよい。
【0073】
さらに、制限内容通知部34は、行動制限判定部32によって、自車位置が行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して、自車位置における行動制限の内容の通知を、ディスプレイ8に対する画像表示およびスピーカ9からの音声出力によって行うようになっている。この通報は、例えば、「現在地では、駐停車および写真撮影が禁止されています。」といった内容のメッセージを画像表示または音声出力することであってもよい。
【0074】
したがって、本実施形態によれば、設定された目的地または経由地もしくは算出された自車位置が行動制限領域内に存在する場合であっても、制限内容通知部34によって目的地、経由地または自車位置における行動制限の内容を通知してユーザに注意を促すことができる。これにより、ユーザは、目的地、経由地または自車位置において一般的な交通規則にない特別な規則によって定められている制限を超えた行動をとることを未然に回避することができる。
【0075】
次に、本実施形態の主たる作用について説明する。
【0076】
本実施形態においては、車載用ナビゲーション装置1を起動した後に、まず、ステップ1(ST1)に示すように、目的地設定部23による目的地の設定、経由地設定部25による経由地の設定および自車位置算出部15による自車位置の算出を行うことによって、以降の工程における処理の対象となる目的地、経由地および自車位置の各対象地点を確定する。
【0077】
次いで、ステップ2(ST2)においては、立ち入り規制判定部29により、ステップ1(ST1)において確定された対象地点が、立ち入り規制領域内に存在するか否かを判定し、立ち入り規制領域内に存在する対象地点については、ステップ3(ST3)に進み、立ち入り規制領域外に存在する対象地点については、ステップ7(ST7)に進む。
【0078】
ここで、ステップ3(ST3)以降の工程について先に説明すると、ステップ3(ST3)においては、立ち入り規制通報部30により、ユーザに対して、対象地点が立ち入り規制領域内に存在する旨の通報を行って、ステップ4(ST4)に進む。
【0079】
次いで、ステップ4(ST4)においては、立ち入り規制領域外案内部31により、ユーザに対して立ち入り規制領域外への案内を行って、ステップ5(ST5)に進む。具体的には、対象地点が目的地の場合には、立ち入り規制領域外に存在する新たな目的地を提案することによって、立ち入り規制領域外に向かうことを促す案内を行う。また、対象地点が経由地の場合には、立ち入り規制領域外に存在する新たな経由地を提案することによって、立ち入り規制領域外を経由することを促す案内を行う。さらに、対象地点が自車位置の場合には、立ち入り規制領域外に離脱することを促す案内を行う。
【0080】
次いで、ステップ5(ST5)においては、ステップ4(ST4)における案内に応じたユーザの選択(例えば、提案された新たな目的地の選択)を行って、ステップ6(ST6)に進む。
【0081】
一方、ステップ7(ST7)においては、行動制限判定部32により、対象地点が行動制限領域内に存在するか否かの判定を行い、行動制限領域内に存在する場合には、ステップ8(ST8)に進み、行動制限領域外に存在する場合には、処理を終了する。
【0082】
次いで、ステップ8(ST8)においては、制限内容通知部34により、行動制限領域における行動制限の内容を通知してステップ6(ST6)に進む。
【0083】
最後に、ステップ6(ST6)においては、ステップ5(ST5)におけるユーザの選択に基づく立ち入り規制領域に対する回避行動(例えば、立ち入り規制領域外の目的地へのルート案内)が取られること、また、ステップ8(ST8)において通知された行動制限の内容に適合した行動の制限が実行されることにより、立ち入り規制領域および行動制限領域における特別な規則が遵守されることになる。
【0084】
以上述べたように、本実施形態によれば、立ち入り規制領域内に自車両が立ち入ること、および、行動制限領域内において禁止されている行動が取られることを未然に回避することができ、ひいては、規則違反によってユーザに強いられる経済的な負担や精神的な苦痛を回避することができる。
【0085】
より好ましい実施形態としては、立ち入り規制領域が、外国人の立ち入りが禁止されている領域の場合に、ユーザが外国人であるか否かをユーザの入力操作に基づいて確認する確認手段を備えるようにする。そして、立ち入り規制判定部29は、当該確認手段によってユーザが外国人であることが確認された場合にのみ、目的地、経由地または自車位置が立ち入り規制領域内に存在するか否かを判定する判定動作を行うようにする。
【0086】
そのようにすれば、自国民にまで立ち入り規制判定部29による無用な通報および立ち入り規制領域外案内部31による無用な案内を行わないようにすることができる。
【0087】
より好ましい実施形態としては、行動制限領域が、当該領域内に存在する所定の施設の関係者ではない部外者の行動が制限されている領域の場合に、ユーザが部外者であるか否かをユーザの入力操作に基づいて確認する確認手段を備えるようにする。そして、行動制限判定部32は、当該確認手段によってユーザが部外者であることが確認された場合にのみ、目的地、経由地または自車位置が行動制限領域内に存在するか否かを判定する判定動作を行うようにする。
【0088】
そのようにすれば、関係者にまで制限内容通知部34による無用な通知を行わないようにすることができる。
【0089】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すフローチャート
【符号の説明】
【0091】
1 車載用ナビゲーション装置
23 目的地設定部
30 立ち入り規制通報部
31 立ち入り規制領域外案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
この目的地設定手段によって設定された前記目的地までの推奨経路を探索する推奨経路探索手段と、
この推奨経路探索手段によって探索された前記推奨経路に沿って自車両を前記目的地までルート案内するルート案内手段と
を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって車両の立ち入りが規制されている領域である立ち入り規制領域を示す情報が格納された立ち入り規制領域情報格納手段と、
前記目的地設定手段によって設定された前記目的地と、前記立ち入り規制領域情報格納手段に格納された前記立ち入り規制領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記目的地が前記立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定を行う立ち入り規制判定手段と、
この立ち入り規制判定手段によって、前記設定された前記目的地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記目的地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報を行う立ち入り規制通報手段と、
この立ち入り規制通報手段による前記通報の後に、前記立ち入り規制領域外における前記設定された前記目的地から所定の距離以内の位置に存在する前記設定された前記目的地と同一の種別に属する地点、または、前記立ち入り規制領域外における前記立ち入り規制領域の入口もしくは出口の近傍に存在する地点を新たな目的地として提案することによって、ユーザに対して前記立ち入り規制領域外に向かうことを促す案内を行う立ち入り規制領域外案内手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
経由地を設定する経由地設定手段を備え、
前記推奨経路探索手段は、前記経由設定手段によって設定された前記経由地を経由するような前記目的地までの推奨経路を探索するように形成され、
前記立ち入り規制判定手段は、前記経由地設定手段によって設定された前記経由地と、前記立ち入り規制領域情報格納手段に格納された前記立ち入り規制領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、
前記立ち入り規制通報手段は、前記立ち入り規制判定手段によって、前記設定された前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報をも行うように形成され、
前記立ち入り規制領域外案内手段は、前記立ち入り規制通報手段によって前記経由地が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報が行われた後に、前記立ち入り規制領域外における前記設定された前記経由地から所定の距離以内の位置に存在する前記設定された前記経由地と同一の種別に属する地点、または、前記立ち入り規制領域外における前記立ち入り規制領域の入口もしくは出口の近傍に存在する地点を新たな経由地として提案することによって、ユーザに対して前記立ち入り規制領域外を経由することを促す案内をも行うように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記立ち入り規制判定手段は、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置と、前記立ち入り規制領域情報格納手段に格納された前記立ち入り規制領域を示す情報とを比較することによって、前記検出された前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、
前記立ち入り規制通報手段は、前記立ち入り規制判定手段によって、前記検出された前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報をも行うように形成され、
前記立ち入り規制領域外案内手段は、前記立ち入り規制通報手段によって前記自車位置が前記立ち入り規制領域内に存在する旨の通報が行われた後に、ユーザに対して前記立ち入り規制領域外への離脱を促す案内をも行うように形成されていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記立ち入り規制領域が、外国人の立ち入りが禁止されている領域の場合に、ユーザが外国人であるか否かをユーザの入力操作に基づいて確認する確認手段を備え、
前記立ち入り規制判定手段は、前記確認手段によってユーザが外国人であることが確認された場合にのみ判定動作を行うように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
一般的な交通規則には定められていない特別な規則によって車両の立ち入り後における当該車両の搭乗者の行動が制限されている領域である行動制限領域を示す情報が格納された行動制限領域情報格納手段と、
前記目的地設定手段によって設定された前記目的地と、前記行動制限領域情報格納手段に格納された前記行動制限領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記目的地が前記行動制限領域内に存在するか否かの判定を行う行動制限判定手段と、
この行動制限判定手段によって、前記設定された前記目的地が前記行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記目的地における行動制限の内容の通知を行う制限内容通知手段と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
経由地を設定する経由地設定手段を備え、
前記推奨経路探索手段は、前記経由設定手段によって設定された前記経由地を経由するような前記目的地までの推奨経路を探索するように形成され、
前記行動制限判定手段は、前記経由地設定手段によって設定された前記経由地と、前記行動制限領域情報格納手段に格納された前記行動制限領域を示す情報とを比較することによって、前記設定された前記経由地が前記行動制限領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、
前記制限内容通知手段は、前記行動制限判定手段によって、前記設定された前記経由地が前記行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記経由地における行動制限の内容の通知をも行うように形成されていること
を特徴とする請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記行動制限判定手段は、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置と、前記行動制限領域情報格納手段に格納された前記行動制限領域を示す情報とを比較することによって、前記検出された前記自車位置が前記行動制限領域内に存在するか否かの判定をも行うように形成され、
前記制限内容通知手段は、前記行動制限判定手段によって、前記検出された前記自車位置が前記行動制限領域内に存在する旨の判定が行われた場合には、ユーザに対して前記自車位置における行動制限の内容の通知をも行うように形成されていること
を特徴とする請求項5または請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記行動制限領域が、当該領域内に存在する所定の施設の関係者ではない部外者の行動が制限されている領域の場合に、ユーザが部外者であるか否かをユーザの入力操作に基づいて確認する確認手段を備え、
前記行動制限判定手段は、前記確認手段によってユーザが前記部外者であることが確認された場合にのみ判定動作を行うように形成されていること
を特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−69117(P2009−69117A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240947(P2007−240947)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】