説明

車載用通信装置

【課題】自車位置の近くに住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができ、利便性および運転の安全性を向上させることができる「車載用通信装置」を提供すること。
【解決手段】第1の連絡先抽出手段31により、連絡先記憶手段4,18に記憶された連絡先の中から、自車位置の近くの領域内に住所を有するとみなされる連絡相手の連絡先である第1の連絡先を抽出し、連絡先表示制御手段32の制御により、第1の連絡先抽出手段31によって抽出された前記第1の連絡先を連絡先表示手段25によって優先的に表示すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用通信装置に係り、特に、乗車中に連絡相手への連絡を行うのに好適な車載用通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載器には、運転中における通話相手との通話を安全かつ合法的に行うための手段として、電話機を把持しない状態で通話相手との通話を行うハンズフリー通話が可能とされた車載用ハンズフリー通話装置が採用されていた。
【0003】
このような車載用ハンズフリー通話装置においては、この通話装置本体に予め登録されている電話帳や通話装置本体に接続されている携帯電話機から読み込まれた電話帳を例えば50音順で車内のモニタに表示し、表示された電話帳の中からユーザが選択した所望の電話番号に対する発信を行うようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−287660号公報
【特許文献2】特開2006−23211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、知人宅に知人を車で迎えに行った際には、車載用ハンズフリー通話装置によって知人宅の近辺において知人宅に到着を知らせる電話をかけたい場合があるが、従来は、多数件の電話番号が登録された電話帳の中から乗車中に所望の電話番号を探すといった煩雑かつ危険をともなう操作を強いられる場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、自車位置の近辺に住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができ、利便性および運転の安全性を向上させることができる車載用通信装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用通信装置は、連絡相手の連絡先が記憶された連絡先記憶手段と、この連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先を選択可能な状態で表示部に表示する連絡先表示手段と、この連絡先表示手段によって表示された前記連絡先の中から選択された前記連絡先に対する連絡を行うことが可能とされた通信手段とを備えた車載用通信装置であって、住所を含む地図データが記憶された地図データ記憶手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、この自車位置検出手段によって検出された前記自車位置に該当する住所である自車位置該当住所を、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データから抽出する自車位置該当住所抽出手段と、この自車位置該当住所抽出手段によって抽出された前記自車位置該当住所を、前記連絡先記憶手段に前記連絡先に対応した状態で前記連絡先とともに記憶された前記連絡相手の住所である連絡先対応住所と比較することにより、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先の中から、前記自車位置の近くの領域内に住所を有するとみなされる前記連絡相手の連絡先である第1の連絡先を抽出する第1の連絡先抽出手段と、この第1の連絡先抽出手段によって前記第1の連絡先が抽出された場合に、前記連絡先表示手段に対して、前記第1の連絡先抽出手段によって抽出された前記第1の連絡先を優先的に表示するための制御を行う連絡先表示制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
そして、このような構成によれば、連絡先表示制御手段の制御により、連絡先表示手段によって第1の連絡先を優先的に表示することができるので、自車位置の近くに住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができ、利便性および運転の安全性を向上させることができる。
【0009】
また、前記第1の連絡先抽出手段は、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が所定の第1の程度以上となるような前記連絡先を、前記第1の連絡先として抽出してもよい。
【0010】
そして、このような構成によれば、第1の連絡先を簡便に抽出することができるので、第1の連絡先を迅速に表示することができる。
【0011】
さらに、前記第1の連絡先抽出手段によって抽出された前記第1の連絡先の件数が所定件数よりも多くなる場合に、前記自車位置該当住所を前記第1の連絡先に対応する前記連絡先対応住所と比較することにより、前記第1の連絡先の中から、前記自車位置のより近くの領域内に住所を有するとみなされる前記連絡相手の連絡先である第2の連絡先を抽出する第2の連絡先抽出手段を備え、前記連絡先表示制御手段は、前記第2の連絡先抽出手段によって前記第2の連絡先が抽出された場合には、前記連絡先表示手段に対して前記第2の連絡先を優先的に表示するための制御を行ってもよい。
【0012】
そして、このような構成によれば、第1の連絡先の件数が多い場合には、この第1の連絡先の中から絞られた第2の連絡先を優先的に表示することができるので、自車位置のより近辺に住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。
【0013】
さらにまた、前記第1の連絡先抽出手段は、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が所定の第1の程度以上となるような前記連絡先を、前記第1の連絡先として抽出し、前記第2の連絡先抽出手段は、前記第1の連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が前記第1の程度よりも高い所定の第2の程度以上となるような前記第1の連絡先を、前記第2の連絡先として抽出してもよい。
【0014】
そして、このような構成によれば、第2の連絡先を簡便に抽出することができるので、第2の連絡先を迅速に表示することができる。
【0015】
また、前記第1の連絡先の優先的な表示が行われた後において、前記自車位置該当住所を前記連絡先対応住所と比較することにより、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先の中から、前記自車位置の近くの領域よりも広域にわたる前記自車位置の周辺の領域内に住所を有するとみなされる前記連絡相手の連絡先である第3の連絡先を抽出可能とされた第3の連絡先抽出手段を備え、前記連絡先表示制御手段は、前記第3の連絡先抽出手段によって前記第3の連絡先が抽出された場合には、前記連絡先表示手段に対して前記第3の連絡先を優先的に表示するための制御を行ってもよい。
【0016】
そして、このような構成によれば、例えば、第1の連絡先の件数が少ない場合には、第3の連絡先を優先的に表示することができるので、自車位置の周辺に住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。
【0017】
さらに、前記第1の連絡先抽出手段は、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が所定の第1の程度以上となるような前記連絡先を、前記第1の連絡先として抽出し、前記第3の連絡先抽出手段は、前記第1の連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が前記第1の程度よりも低い所定の第3の程度以上となるような前記第1の連絡先を前記第3の連絡先として抽出してもよい。
【0018】
そして、このような構成によれば、第3の連絡先を簡便に抽出することができるので、第3の連絡先を迅速に表示することができる。
【0019】
さらにまた、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データには、郵便番号が含まれており、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置に該当する郵便番号である自車位置該当郵便番号を、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データから抽出する自車位置該当郵便番号抽出手段を備え、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先対応住所の件数が所定件数よりも少ない場合に、前記自車位置該当郵便番号抽出手段によって抽出された前記自車位置該当郵便番号を、前記連絡先記憶手段に前記連絡先に対応した状態で前記連絡先とともに記憶された前記連絡相手の郵便番号である連絡先対応郵便番号と比較することにより、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先の中から、前記自車位置該当郵便番号と一致する前記連絡先対応郵便番号に対応する前記連絡先である第4の連絡先を抽出する第4の連絡先抽出手段を備え、前記連絡先表示制御手段は、前記第4の連絡先抽出手段によって前記第4の連絡先が抽出された場合には、前記連絡先表示手段に対して前記第4の連絡先を優先的に表示するための制御を行ってもよい。
そして、このような構成によれば、連絡先記憶手段に記憶されている連絡先対応住所の件数が少ない場合には、第4の連絡先を優先的に表示することができるので、自車位置と郵便番号が一致する連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。
【0020】
また、前記連絡先は、前記連絡相手の電話番号を含み、前記通信手段は、前記電話番号に対する電話による連絡が可能とされた電話手段を備えるようにしてもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、自車位置の近くに住所を有する所望の連絡相手への電話連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。
【0022】
さらに、前記連絡先は、前記連絡相手の電子メールアドレスを含み、前記通信手段は、前記電子メールアドレスに対する電子メールによる連絡が可能とされた電子メール手段を備えるようにしてもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、自車位置の近くに住所を有する所望の連絡相手への電子メールによる連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、自車位置の近くに住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができ、利便性および運転の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る車載用通信装置の実施形態を示すハードウェア構成図
【図2】本発明に係る車載用通信装置の実施形態において、連絡先記憶手段に記憶されている連絡先を示す概念図
【図3】本発明に係る車載用通信装置の実施形態において、CPUの具体的な構成を示す機能ブロック図
【図4】本発明に係る車載用通信装置の実施形態において、連絡先のリスト画面を示す模式図
【図5】本発明に係る車載用通信装置の実施形態において、車載用通信装置の動作を画面遷移とともに示す動作工程図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る車載用通信装置の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態における車載用通信装置1は、大別して、車載器本体2と、この車載器本体2に有線(USB等)または無線(bluetooth(登録商標)等)を介して接続された携帯電話機3とによって構成されている。
【0028】
車載器本体2は、車載用ナビゲーション装置としての機能、ハンズフリー通話装置としての機能および電子メール送受信装置としての機能を有している。
【0029】
携帯電話機3は、通信手段の一部を構成するようになっている。また、携帯電話機3は、連絡先記憶手段としての内蔵されたメモリ4を有しており、このメモリ4には、図2に示すような電話帳が記憶されている。なお、図2の電話帳には、複数人の連絡相手の連絡先として、各連絡相手の電話番号および各連絡相手のメールアドレスが、各連絡相手の名称(図2においては名前)、各連絡相手の住所および各連絡相手の郵便番号等と対応した状態で格納されている。ここで、図2の電話帳における住所は、連絡先記憶手段(メモリ4)に連絡先に対応した状態で連絡先とともに記憶された連絡相手の住所である連絡先対応住所となる。また、図2の電話帳における郵便番号は、連絡先記憶手段(メモリ4)に連絡先に対応した状態で連絡先とともに記憶された連絡相手の郵便番号である連絡先対応郵便番号となる。このような電話帳は、携帯電話機の公知の電話帳登録機能によって各連絡相手ごとに個別に登録されたものであってもよい。
【0030】
図1に戻って、車載器本体2は、大別して、本体メインユニット5と、この本体メインユニット5にそれぞれ接続されたGPSレシーバ6、自律航法センサ7、入力操作部8、ディスプレイ10、スピーカ11およびマイク12とによって構成されている。
【0031】
GPSレシーバ6は、図示しないGPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS情報を本体メインユニット5側に出力するようになっている。
【0032】
自律航法センサ7は、自車両の加速度、車速および自車方位等を検出し、検出結果を本体メインユニット5側に出力するようになっている。この自律航法センサ7は、ジャイロセンサや車速センサ(車速パルス)等からなるものであってもよい。
【0033】
入力操作部8は、車載器本体2に対する種々の入力操作に用いられるようになっている。この入力操作部8は、リモコン、ディスプレイ10のタッチパネル、リニアエンコーダまたはロータリエンコーダ等であってもよい。
【0034】
次に、本体メインユニット5について詳述すると、図1に示すように、本体メインユニット5は、システムバス14にそれぞれ接続されたCPU15、ROM16、RAM17、ハードディスクドライブ(HDD)18、ユーザインターフェース(I/F)19、画像インターフェース(I/F)20、音声インターフェース(I/F)21および携帯電話インターフェース(I/F)22によって構成されている。なお、ユーザインターフェース19には入力操作部8が、画像インターフェース20にはディスプレイ10が、音声インターフェース21にはスピーカ11およびマイク12がそれぞれ接続されている。
【0035】
ここで、CPU15は、車載用ナビゲーション装置としての機能、ハンズフリー通話装置としての機能および電子メール送受信装置としての機能等の車載器本体2の各種の機能を実行するようになっている。
【0036】
また、ROM16には、CPU15の実行プログラムが記憶されており、CPU15は、この実行プログラムを実行することによって車載器本体2の機能を実行するようになっている。
【0037】
さらに、RAM17は、CPU15による処理結果等のデータの一時的な保存等に用いられるようになっている。
【0038】
さらにまた、ハードディスクドライブ18は、地図データ記憶手段として機能するようになっており、このハードディスクドライブ18には、地図データが記憶されている。地図データは、例えば、道路データ(形状補間点、セグメント、リンク、ノード、リンク列、道路名称、通行条件および交通看板等を構成要素とするデータ)、背景データ(点、ポリライン、ポリゴンおよびテキスト等を構成要素とするデータ)、道路ネットワークデータ(ノード、リンクおよび通行条件等を構成要素とするデータ)および検索データ(エリア名称、住所、郵便番号およびPOI(Points Of Interest)等を構成要素とするデータ)によって構成されている。このように構成された地図データは、CPU15の各種の機能の実行に適宜用いられるようになっている。
【0039】
次に、CPU15について詳述すると、図3に示すように、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、電話帳登録部24を有している。この電話帳登録部24は、電話帳を入力するための操作画面をディスプレイ10に表示した上で、表示された当該操作画面に対してユーザが入力操作部8を用いて入力した電話帳をハードディスクドライブ18に登録するようになっている。このハードディスクドライブ18に登録される電話帳は、図2に示したものと同様に、連絡相手の電話番号および連絡相手のメールアドレスが、連絡相手の名称、前記連絡先対応住所および前記連絡先対応郵便番号等と対応した状態で格納されたものである。すなわち、ハードディスクドライブ18は、連絡先記憶手段としても機能するようになっている。なお、電話帳登録部24は、携帯電話機3から車載器本体2側に読み込まれた電話帳をハードディスクドライブ18に登録可能とされたものであってもよい。
【0040】
また、図3に示すように、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、連絡先表示手段としての連絡先描画部25を有している。この連絡先描画部25は、携帯電話機3のメモリ4またはハードディスクドライブ19に記憶された電話帳内の連絡相手の連絡先をユーザが入力操作部8を用いて選択可能な状態でディスプレイ10に表示するようになっている。例えば、図4に示すように、連絡先描画部25は、連絡相手の連絡先(図4においては、電話番号およびメールアドレス)を、連絡相手の名称(図4における名前)と対応させたリスト画面26として表示してもよい。なお、この図4のリスト画面26は、タッチパネルのタッチ操作等によって画面26内の各連絡相手の電話番号またはメールアドレスが表記された項目26a,26bを択一的に選択可能とされた操作画面の機能を有している。また、リスト画面26には、スクロールバー26cが表示されており、このスクロールバー26cを入力操作部8を用いて操作することによって、現在表示されている数件の連絡先の前後の他の連絡先を表示させることができるようになっている。
【0041】
図3に戻って、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、携帯電話機3とともに通信手段を構成する電話手段としてのハンズフリー通話処理部27を有している。このハンズフリー通話処理部27は、連絡先描画部25によって表示された連絡先の中からユーザが選択した電話番号に対するハンズフリー通話(電話)による連絡を許容するようになっている。すなわち、ハンズフリー通話処理部27は、ユーザによって選択された電話番号に対する発信(発呼)を行うことによって、ユーザが、連絡相手との間で、携帯電話機3、スピーカ11およびマイク12を介したハンズフリー通話による通話状態を確保することが可能とされている。
【0042】
また、図3に示すように、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、携帯電話機3およびハンズフリー通話処理部27とともに通信手段を構成する電子メール手段としての電子メール送受信処理部28を有している。この電子メール送受信処理部28は、連絡先描画部25によって表示された連絡先の中からユーザが選択したメールアドレスに対して、携帯電話機3を介した電子メールの送信による連絡を行うことが可能とされている。なお、乗車中に電子メールを一文字ずつ作成することは危険をともなう場合があるので、電子メール送受信処理部28は、予め作成されている複数の短文を選択可能な状態でディスプレイ10に表示した上で、表示された複数の短文の中からユーザが入力操作部8を用いて選択した短文を送信するようにしてもよい。この場合に、短文は、例えば、「間もなく到着するよ」等の短文であってもよい。また、この短文は、車載器本体5においてデフォルトで用意されたものであってもよいし、ユーザが任意に作成してハードディスクドライブ18等に格納可能なものであってもよい。なお、電子メール送受信処理部28は、連絡相手等から車載器本体2のメールアドレスに対して送信された電子メールを受信可能とされている。
【0043】
さらに、図3に示すように、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、自車位置検出手段としての自車位置算出部29を有しており、この自車位置算出部29には、GPSレシーバ6から出力されたGPS情報および自律航法センサ7から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部29は、GPSレシーバ6側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出(検出)する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部29は、自律航法センサ7側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として算出(検出)する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部29は、ハードディスクドライブ18に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって算出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部18は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0044】
さらにまた、図3に示すように、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、自車位置該当住所抽出手段としての自車位置該当住所抽出部30を有している。この自車位置該当住所抽出部30は、自車位置算出部29によって算出された自車位置に該当する住所である自車位置該当住所を、ハードディスクドライブ18に記憶された地図データ(具体的には、前述した検索データ)から抽出するようになっている。
【0045】
また、図3に示すように、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、第1の連絡先抽出手段としての機能を備えた連絡先抽出部31を有している。この連絡先抽出部31は、ユーザが入力操作部8を用いて自車位置の近くに住所を有する携帯電話機3内の電話帳に登録された連絡相手の連絡先を優先的に表示するための入力操作を行った場合には、自車位置該当住所抽出部30によって抽出された前記自車位置該当住所を、携帯電話機3のメモリ4に記憶された前記連絡先対応住所と比較するようになっている。これにより、連絡先抽出部31は、メモリ4に記憶された連絡先の中から、自車位置の近くの領域内に住所を有するとみなされる連絡相手の連絡先である第1の連絡先を抽出するようになっている。また、連絡先抽出部31は、ユーザが入力操作部8を用いて自車位置の近くに住所を有する車載器本体2内の電話帳に登録された連絡相手の連絡先を優先的に表示するための入力操作を行った場合には、自車位置該当住所抽出部30によって抽出された前記自車位置該当住所をハードディスクドライブ18に記憶された前記連絡先対応住所と比較するようになっている。これにより、連絡先抽出部31は、ハードディスクドライブ18に記憶された連絡先の中から前記第1の連絡先を抽出するようになっている。
【0046】
以下、便宜上、特に言及しない限りはメモリ4とハードディスクドライブ18とを連絡先記憶手段4,18と称する。
【0047】
さらに、図3に示すように、CPU15は、その機能ブロックの1つとして、連絡先表示制御手段としての連絡先描画制御部32を有している。この連絡先描画制御部32は、連絡先抽出部31によって連絡先記憶手段4,18から前記第1の連絡先が抽出された場合には、連絡先描画部25に対して、抽出された前記第1の連絡先を優先的に表示するための制御を行うようになっている。この制御は、抽出された前記第1の連絡先のみを図4と同様のリスト画面として限定的に表示するための制御であってもよく、あるいは、前記第1の連絡先を電話帳内の連絡先のリスト画面の先頭側に表示するための制御であってもよい。
【0048】
そして、このような連絡先描画制御部32の制御を受けて、連絡先描画部25は、連絡先抽出部31によって連絡先記憶手段4,18から抽出された前記第1の連絡先を優先的に表示するようになっている。これにより、ユーザは、表示された前記第1の連絡先の中から自車位置の近辺に住所を有する所望の連絡相手の連絡先を即時に把握することができ、把握した連絡先を選択することによって、所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。
【0049】
上記構成に加えて、さらに、連絡先抽出部31は、連絡先記憶手段4,18に記憶された連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が所定の第1の程度以上となるような連絡先を前記第1の連絡先として抽出するようにしてもよい。ここで、日本の住所名は、都道府県の階層(第1の階層)、市町村の階層(第2階層)、大字・町・丁目の階層(第3階層)、番地の階層(第4の階層)および号の階層(第5の階層)といった階層構造を有している。そして、連絡先抽出部31が前記第1の連絡先を抽出する際の基準となる前記第1の程度は、前記自車位置該当住所の住所名と前記連絡先対応住所の住所名とが前記第1の階層から前記第5の階層に向かって順にいずれの階層まで互いに一致するかを示すものであってもよい。このように構成すれば、前記第1の連絡先を簡便に抽出することができるので、前記第1の連絡先を迅速に表示することができる。
【0050】
上記構成に加えて、さらに、連絡先抽出部31によって連絡先記憶手段4,18から抽出された前記第1の連絡先の件数が所定件数よりも多くなる場合には、連絡先抽出部31を第2の連絡先抽出手段として機能させるようにしてもよい。この場合には、連絡先抽出部31は、前記自車位置該当住所を連絡先記憶手段4,18から抽出された前記第1の連絡先に対応する前記連絡先対応住所と比較することにより、連絡先記憶手段4,18から抽出された前記第1の連絡先の中から、自車位置のより近くの領域内に住所を有するとみなされる連絡相手の連絡先である第2の連絡先を抽出する。そして、連絡先抽出部31によって前記第2の連絡先が抽出された場合には、連絡先描画制御部32は、連絡先描画部25に対して前記第2の連絡先を優先的に表示するための制御を行う。この制御は、抽出された前記第2の連絡先のみを図4と同様のリスト画面として限定的に表示するための制御であってもよく、あるいは、前記第2の連絡先を電話帳内の連絡先のリスト画面の先頭側に表示するための制御であってもよい。そして、このような前記第2の連絡先を優先的に表示するための制御により、連絡先描画部25は、連絡先抽出部31によって抽出された前記第2の連絡先を優先的に表示する。これにより、前記第1の連絡先の件数が多い場合には、その中から絞られた前記第2の連絡先を優先的に表示することができるので、自車位置のより近くに住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。なお、前記第2の連絡先の抽出は、前記第1の連絡先の件数が所定件数を超える場合に自動的に行うようにしてもよいし、優先的に表示される連絡先を自車位置により近い連絡先に絞り込む旨の指令を入力可能とされた操作ボタンを表示した上で、この操作ボタンの操作を待って行うようにしてもよい。
【0051】
上記構成に加えて、さらに、連絡先抽出部31は、前記第1の連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が前記第1の程度よりも高い所定の第2の程度以上となるような前記第1の連絡先を、前記第2の連絡先として抽出してもよい。例えば、前記第1の程度が、前記自車位置該当住所と前記連絡先対応住所との住所名が前記第1の階層〜前記第3の階層まで一致する旨である場合には、前記第2の程度は、前記自車位置該当住所と前記連絡先対応住所との住所名が前記第1の階層〜前記第4の階層まで一致する旨としてもよい。このように構成すれば、前記第2の連絡先を簡便に抽出することができるので、前記第2の連絡先を迅速に表示することができる。
【0052】
上記構成に加えて、さらに、前記第1の連絡先の優先的な表示が行われた後において、連絡先抽出部31を第3の連絡先抽出手段として機能させるようにしてもよい。この場合に、連絡先抽出部31は、前記自車位置該当住所を連絡先記憶手段4,18に記憶された前記連絡先対応住所と比較することにより、連絡先記憶手段4,18に記憶された前記連絡先の中から前記第3の連絡先を抽出する。ただし、前記第3の連絡先は、連絡先記憶手段4,18に記憶された前記連絡先のうちの自車位置の近くの領域よりも広域にわたる自車位置の周辺の領域内に住所を有するとみなされる連絡相手の連絡先である。この第3の連絡先には、前記第1の連絡先が含まれている。そして、連絡先抽出部31によって前記第3の連絡先が抽出された場合には、連絡先描画制御部32は、連絡先描画部25に対して前記第3の連絡先を優先的に表示するための制御を行う。この制御は、抽出された前記第3の連絡先のみを図4と同様のリスト画面として限定的に表示するための制御であってもよく、あるいは、前記第3の連絡先を電話帳内の連絡先のリスト画面の先頭側に表示するための制御であってもよい。そして、このような前記第3の連絡先を優先的に表示するための制御により、連絡先描画部25は、連絡先抽出部31によって抽出された前記第3の連絡先を優先的に表示する。これにより、例えば、前記第1の連絡先の件数が少ない場合には、前記第1の連絡先に対応する前記連絡先対応住所よりも広域にわたるような前記連絡先対応住所に対応する前記第3の連絡先を優先的に表示することができるので、自車位置の周辺に住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。なお、前記第3の連絡先の抽出は、前記第1の連絡先の表示画面上に、表示する連絡先を広域に広げる旨の指令を入力可能とされた操作ボタンを表示した上で、この操作ボタンの操作を待って行うようにすればよい。
【0053】
上記構成に加えて、さらに、連絡先抽出部31は、前記第1の連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が前記第1の程度よりも低い所定の第3の程度以上となるような前記第1の連絡先を前記第3の連絡先として抽出するようにしてもよい。例えば、前記第1の程度が、前記自車位置該当住所と前記連絡先対応住所との住所名が前記第1の階層〜前記第3の階層まで一致する旨である場合には、前記第3の程度は、前記自車位置該当住所と前記連絡先対応住所との住所名が前記第1の階層〜前記第2の階層まで一致する旨としてもよい。このように構成すれば、前記第3の連絡先を簡便に抽出することができるので、前記第3の連絡先を迅速に表示することができる。
【0054】
上記構成に加えて、さらに、CPU15に、自車位置算出部29によって算出された自車位置に該当する郵便番号である自車位置該当郵便番号をハードディスクドライブ18に記憶された地図データ(検索データ)から抽出する自車位置該当郵便番号抽出手段を設けるようにしてもよい。また、この場合には、連絡先抽出部31を第4の連絡先抽出手段として機能させる。すなわち、この場合に、連絡先抽出部31は、連絡先記憶手段4,18に記憶された前記連絡先対応住所の件数が所定件数よりも少ない場合に、前記自車位置該当郵便番号抽出手段によって抽出された前記自車位置該当郵便番号を、連絡先記憶手段4,18に記憶された前記連絡先対応郵便番号と比較する。そして、この比較により、連絡先抽出部31は、連絡先記憶手段4,18に記憶された連絡先の中から、前記自車位置該当郵便番号と一致する前記連絡先対応郵便番号に対応する連絡先である第4の連絡先を抽出する。そして、連絡先描画制御部32は、連絡先抽出部31によって前記第4の連絡先が抽出された場合には、連絡先抽出部31に対して前記第4の連絡先を優先的に表示するための制御を行う。この制御は、抽出された前記第4の連絡先のみを限定的に表示するための制御であってもよい。そして、このような前記第4の連絡先を優先的に表示するための制御により、連絡先描画部25は、連絡先描画部25によって抽出された前記第4の連絡先を優先的に表示する。これにより、連絡先記憶手段4,18に記憶されている前記連絡先対応住所の件数が少ない場合には、自車位置と郵便番号が一致する前記第4の連絡先を表示することができるので、自車位置の近くに住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができる。
【0055】
次に、本実施形態の作用の一例について説明する。
【0056】
本実施形態においては、まず、図5のステップ1(ST1)において、車載器本体2のハンズフリー通話装置の機能を起動するための操作を行う。この操作は、例えば、図示はしないが、CPU15によって表示された大メニューの中からの電話メニューを選択する操作ボタンの押し下げ、CPU15によって表示されたナビゲーション用の画面上に表示されたハンズフリー通話メニューボタンの押し下げまたは自車両のハンドルに配設されたハンズフリー通話メニューボタンの押し下げ等の公知の種々の操作であればよい。
【0057】
次いで、ステップ2(ST2)において、CPU15により、ステップ2(ST2)に示すような電話メニュー画面34をディスプレイ10に表示する。この電話メニュー画面34には、連絡先の表示方法を選択するための操作ボタン34a,34b,34cが、入力操作部8によって択一的に操作可能な状態で表示されており、これらの操作ボタン34a,34b,34cのうちの1つ34cは、自車位置の近くに住所を有する電話帳に登録された連絡相手の連絡先を表示する旨の表示方法を選択するための操作ボタン34cとされている。この操作ボタン34cは、「電話帳から近くの人を表示」という操作内容が表記されたボタンであってもよい。そして、本実施形態においては、入力操作部8を用いてこの操作ボタン34cを操作する。なお、他の操作ボタン34a,34bは、例えば、50音順で連絡相手の連絡先を表示する等の表示方法を選択可能なボタンであってもよい。
【0058】
次いで、ステップ3(ST3)において、CPU15により、ステップ3(ST3)に示すような電話帳選択画面35をディスプレイ10に表示する。この電話帳選択画面35には、表示する連絡先が登録されている電話帳を選択するための操作ボタン35a,35bが、入力操作部8によって択一的に操作可能な状態で表示されている。これらの操作ボタン35a,35bのうちの1つ35aは、携帯電話機3(メモリ4)内の電話帳を選択するための操作ボタン35aとされ、他の操作ボタン35bは、車載器本体2(ハードディスクドライブ18)内の電話帳を選択するための操作ボタン35bとされている。そして、本実施形態においては、入力操作部8を用いて携帯電話機3内の電話帳を選択するための操作ボタン35aを操作する。
【0059】
次いで、ステップ4(ST4)において、連絡先抽出部31により、携帯電話機機3のメモリ4から前記第1の連絡先を前述した手法によって抽出する。このとき、抽出された前記第1の連絡先の件数が所定件数よりも多くなる場合には、連絡先抽出部31は、前記第1の連絡先の中から前記第2の連絡先を前述した手法によって抽出してもよい。また、このとき、メモリ4に記憶された前記連絡先対応住所の件数が所定件数よりも少ない場合には、連絡先抽出部31は、メモリ4から前記第1の連絡先の替わりに前記第4の連絡先を前述した手法によって抽出してもよい。
【0060】
次いで、ステップ5(ST5)において、連絡先描画制御部32により、連絡先描画部25に対して、ステップ4(ST4)において抽出された前記第1の連絡先(ただし、前記第2の連絡先が抽出された場合には前記第2の連絡先、前記第4の連絡先が抽出された場合には前記第4の連絡先)を優先的に表示するための制御を行う。
【0061】
次いで、ステップ6(ST6)において、連絡先描画部25により、ステップ5(ST5)における連絡先描画制御部32の制御にしたがった連絡先の優先的な表示を、連絡先のリスト画面26の表示によって行う。このリスト画面26には、図4に示したものと同様に、優先的に表示された連絡先として、連絡相手の電話番号を示す項目26aおよび連絡相手のメールアドレスを示す項目26bが、連絡相手の名称と対応した状態で表示されており、これらの項目26a,26bは、入力操作部8を用いて択一的に選択可能とされている。さらに、このリスト画面26には、前記第3の連絡先の優先的な表示を指示するための操作ボタン(以下、広域指示ボタンと称する)27が表示されている。なお、このステップ6(ST6)のリスト画面26上に、ステップ3(ST3)の電話帳選択画面35に戻るための操作ボタンを表示してもよい。
【0062】
そして、このステップ6(ST6)のリスト画面26において、所望の連絡相手の電話番号を示す項目26aが選択された場合にはステップ7(ST7)に進み、所望の連絡相手のメールアドレスを示す項目26bが選択された場合にはステップ8(ST8)に進み、広域指示ボタン27が選択された場合にはステップ9(ST9)に進む。
【0063】
次いで、ステップ7(ST7)においては、ハンズフリー通話処理部27により、ステップ6(ST6)において選択された電話番号への発信を行うとともに、ステップ7(ST7)に示すような電話コール画面36をディスプレイ10に表示する。
【0064】
一方、ステップ8(ST8)においては、メール送受信処理部28により、ステップ8(ST8)に示すようなメール作成画面37をディスプレイ10に表示する。メール送受信処理部28は、このメール作成画面37において前述した短文の選択操作等によって作成された電子メールを、ステップ6(ST6)において選択されたメールアドレスに送信する。
【0065】
また、ステップ9(ST9)においては、連絡先抽出部31により、メモリ4から前記第3の連絡先を前述した手法によって抽出してステップ10(ST10)に進む。
【0066】
次いで、ステップ10(ST10)において、連絡先描画制御部32により、連絡先描画部25に対して、ステップ9(ST9)において抽出された前記第3の連絡先を優先的に表示するための制御を行ってステップ11(ST11)に進む。
【0067】
次いで、ステップ11(ST11)において、連絡先描画部25により、ステップ10(ST10)における連絡先描画制御部32の制御にしたがって前記第3の連絡先を優先的に表示する。このとき、連絡先描画部25は、ステップ11(ST11)に示すようなリスト画面26をディスプレイ10に表示する。このステップ11(ST11)におけるリスト画面26は、広域指示ボタン27がないこと以外は基本的な画面構成がステップ6(ST6)と同様である。このステップ11(ST11)のリスト画面26に対する操作結果は、ステップ7(ST7)またはステップ8(ST8)と同様である。
【0068】
なお、ステップ3(ST3)において車載器本体2内の電話帳を選択する操作ボタン35bが操作された場合にも、車載器本体2内の電話帳に登録された連絡先について、ステップ4(ST4)からステップ11(ST11)に示した工程を経ることができる。
【0069】
以上述べたように、本発明によれば、連絡先描画制御部32の制御により、連絡先描画部25によって前記第1の連絡先を優先的に表示することができるので、自車位置の近辺に住所を有する所望の連絡相手への連絡を簡便かつ迅速に行うことができ、利便性および運転の安全性を向上させることができる。
【0070】
なお、本発明は、以上の構成に限定されるものではなく必要に応じて種々変更することが可能である。
【0071】
例えば、連絡先描画部25によって表示される連絡先は、必ずしもメールアドレスを含む必要はなく、電話番号のみであってもよい。
【0072】
また、連絡先抽出部31は、前記第2の連絡先を抽出する場合に、抽出される前記第2の連絡先の件数が所定件数以下となるまで前記第2の連絡先の抽出を繰り返すようにしてもよい。その場合には、前記第2の連絡先の抽出回数が増すごとに、抽出されるべき前記第2の連絡先に対応する連絡相手が自車位置のより近くの領域内に住所を有するとみなされるか否かについての判断基準を引き上げるようにすればよい。具体的には、前記第2の連絡先の抽出回数が増すごとに、前記第2の連絡先を抽出する際の基準となる前記第2の程度を高めるようにすればよい。
【符号の説明】
【0073】
1 車載用通信装置
3 携帯電話機
4 メモリ
18 ハードディスクドライブ
25 連絡先描画部
27 ハンズフリー通話処理部
28 メール送受信処理部
30 自車位置該当住所抽出部
31 連絡先抽出部
32 連絡先描画制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連絡相手の連絡先が記憶された連絡先記憶手段と、
この連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先を選択可能な状態で表示部に表示する連絡先表示手段と、
この連絡先表示手段によって表示された前記連絡先の中から選択された前記連絡先に対する連絡を行うことが可能とされた通信手段と
を備えた車載用通信装置であって、
住所を含む地図データが記憶された地図データ記憶手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
この自車位置検出手段によって検出された前記自車位置に該当する住所である自車位置該当住所を、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データから抽出する自車位置該当住所抽出手段と、
この自車位置該当住所抽出手段によって抽出された前記自車位置該当住所を、前記連絡先記憶手段に前記連絡先に対応した状態で前記連絡先とともに記憶された前記連絡相手の住所である連絡先対応住所と比較することにより、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先の中から、前記自車位置の近くの領域内に住所を有するとみなされる前記連絡相手の連絡先である第1の連絡先を抽出する第1の連絡先抽出手段と、
この第1の連絡先抽出手段によって前記第1の連絡先が抽出された場合に、前記連絡先表示手段に対して、前記第1の連絡先抽出手段によって抽出された前記第1の連絡先を優先的に表示するための制御を行う連絡先表示制御手段と
を備えたことを特徴とする車載用通信装置。
【請求項2】
前記第1の連絡先抽出手段は、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が所定の第1の程度以上となるような前記連絡先を、前記第1の連絡先として抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の車載用通信装置。
【請求項3】
前記第1の連絡先抽出手段によって抽出された前記第1の連絡先の件数が所定件数よりも多くなる場合に、前記自車位置該当住所を前記第1の連絡先に対応する前記連絡先対応住所と比較することにより、前記第1の連絡先の中から、前記自車位置のより近くの領域内に住所を有するとみなされる前記連絡相手の連絡先である第2の連絡先を抽出する第2の連絡先抽出手段を備え、
前記連絡先表示制御手段は、前記第2の連絡先抽出手段によって前記第2の連絡先が抽出された場合には、前記連絡先表示手段に対して前記第2の連絡先を優先的に表示するための制御を行うこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用通信装置。
【請求項4】
前記第1の連絡先抽出手段は、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が所定の第1の程度以上となるような前記連絡先を、前記第1の連絡先として抽出し、
前記第2の連絡先抽出手段は、前記第1の連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が前記第1の程度よりも高い所定の第2の程度以上となるような前記第1の連絡先を、前記第2の連絡先として抽出すること
を特徴とする請求項3に記載の車載用通信装置。
【請求項5】
前記第1の連絡先の優先的な表示が行われた後において、前記自車位置該当住所を前記連絡先対応住所と比較することにより、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先の中から、前記自車位置の近くの領域よりも広域にわたる前記自車位置の周辺の領域内に住所を有するとみなされる前記連絡相手の連絡先である第3の連絡先を抽出可能とされた第3の連絡先抽出手段を備え、
前記連絡先表示制御手段は、前記第3の連絡先抽出手段によって前記第3の連絡先が抽出された場合には、前記連絡先表示手段に対して前記第3の連絡先を優先的に表示するための制御を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載用通信装置。
【請求項6】
前記第1の連絡先抽出手段は、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が所定の第1の程度以上となるような前記連絡先を、前記第1の連絡先として抽出し、
前記第3の連絡先抽出手段は、前記第1の連絡先のうち、前記自車位置該当住所に対する前記連絡先対応住所の住所名の近似の程度が前記第1の程度よりも低い所定の第3の程度以上となるような前記第1の連絡先を前記第3の連絡先として抽出すること
を特徴とする請求項5に記載の車載用通信装置。
【請求項7】
前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データには、郵便番号が含まれており、
前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置に該当する郵便番号である自車位置該当郵便番号を、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データから抽出する自車位置該当郵便番号抽出手段を備え、
前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先対応住所の件数が所定件数よりも少ない場合に、前記自車位置該当郵便番号抽出手段によって抽出された前記自車位置該当郵便番号を、前記連絡先記憶手段に前記連絡先に対応した状態で前記連絡先とともに記憶された前記連絡相手の郵便番号である連絡先対応郵便番号と比較することにより、前記連絡先記憶手段に記憶された前記連絡先の中から、前記自車位置該当郵便番号と一致する前記連絡先対応郵便番号に対応する前記連絡先である第4の連絡先を抽出する第4の連絡先抽出手段を備え、
前記連絡先表示制御手段は、前記第4の連絡先抽出手段によって前記第4の連絡先が抽出された場合には、前記連絡先表示手段に対して前記第4の連絡先を優先的に表示するための制御を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車載用通信装置。
【請求項8】
前記連絡先は、前記連絡相手の電話番号を含み、
前記通信手段は、前記電話番号に対する電話による連絡が可能とされた電話手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車載用通信装置。
【請求項9】
前記連絡先は、前記連絡相手の電子メールアドレスを含み、
前記通信手段は、前記電子メールアドレスに対する電子メールによる連絡が可能とされた電子メール手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の車載用通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−288195(P2010−288195A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142271(P2009−142271)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】