説明

車載盗難防止装置

【課題】無線通信機によるドアのロック/アンロック及びエンジン始動を行う機能を備えた車輌にて、予備の無線通信機を車輌内に隠しておくことを可能とする車載盗難防止装置を提供する。
【解決手段】ECU10を搭載した車輌1においては、無警戒状態、警戒準備状態、警戒状態及び警報状態の4つの状態を遷移して制御部11が警戒処理を行う。制御部11は、予備キー5bが車輌1内に存在する場合であっても、メインキー5aが車輌1内に存在しなければ、警戒状態への遷移を可能とする。またECU10は、メインキー5aとの無線通信によるドアのロック/アンロックは行うが、予備キー5bとの無線通信によるドアのロック/アンロックは行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型の無線通信機によるドアのロック/アンロック及びエンジン始動等を行うことができる車輌において、車輌の停車中などに異常検知を行い、異常が発生した場合には警報又は通報等を行う車載盗難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カード型などの無線通信機(無線キー)をユーザが携帯し、車輌の特定箇所に対するユーザの接触操作又は車輌からユーザまでの距離等に応じて、車輌のドアのロック/アンロックを自動的に行うシステム、いわゆるスマートエントリシステムが普及している。このシステムは、従来の機械キーを用いたドアのロック/アンロックと比較して、ユーザが鞄又はポケット等から無線キーを取り出すことなくドアのロック/アンロックを行うことができるため、利便性が高い。またこのシステムでは、無線キーを携帯したユーザが、車内の運転席近傍などに配されたスイッチを操作することにより、機械キーによる操作を行うことなく、車輌のエンジンを始動させることも可能である。
【0003】
一方、近年の車輌には、車輌自体の盗難又は車内の機器の盗難(いわゆる車上荒らし)等を防止するための装置が搭載されている。この盗難防止装置は、車輌に各種のセンサを搭載し、車輌に加えられた異常振動、車輌の傾斜角の変化、車輌のガラス割れ、車内への侵入等の異常をセンサによって検知して警告音の出力などを行うことによって、車輌の盗難を未然に防止するものである。
【0004】
上述のスマートエントリシステム及び盗難防止装置を共に搭載した車輌では、例えば車輌のエンジンが停止され、車輌の全てのドアが閉じられ、各ドアがロックされた場合に、盗難防止装置がセンサによる異常の検知を開始する構成とすることができる。この構成では、無線キーが車内に存在する場合、ユーザが乗車している可能性があるため、盗難防止装置はセンサによる異常検知を行わない(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】TOYOTA CROWN HYBRID GWS204 電子技術マニュアル 2008.2 No.SC09P0J (CD-ROM)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
可搬型の無線キーを紛失した場合、ユーザは車輌のドアのアンロック及びエンジン始動等を行うことはできない。車輌のドアは、例えばロードサービスなどに依頼することによって強制的な開錠を行うことが可能である(ただし、盗難防止装置は動作する)。しかし、車輌のドアを強制的に開錠した場合であっても、無線キーを有していないためユーザは車輌のエンジンを始動することはできず、車輌を走行させることはできない。
【0007】
無線キーを紛失した場合に備えて、車輌内に予備の無線キーを置いて(隠して)おきたいという要望がある。しかしながら、上述のようにスマートエントリ及び盗難防止装置を共に搭載した車輌では、無線キーが車内に存在する場合には盗難防止装置が異常検知を行わないため、予備キーを車輌内に隠しておくことはできなかった。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、無線通信機によるドアのロック/アンロック及びエンジン始動を行う機能を備えた車輌にて、予備の無線通信機を車輌内に隠しておくことを可能とする車載盗難防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車載盗難防止装置は、可搬型の無線通信機との間で無線信号の送受信を行う無線通信手段と、該無線通信手段が送受信した無線信号に応じて、前記無線通信機が車輌内に存在するか否かを判定する判定手段と、前記車輌の異常を検知する異常検知手段と、該異常検知手段が異常を検知した場合に、警報又は通報を行う報知手段とを備え、前記異常検知手段による検知を行わない無警戒状態及び前記異常検知手段による検知を行う警戒状態を含む複数の動作状態を切り替えて、前記車輌の異常検知及び報知を行う車載盗難防止装置であって、前記無線通信手段は、第1及び第2の無線通信機を含む複数の無線通信機との間で無線信号の送受信を行うようにしてあり、前記第1の無線通信機が前記車輌内に存在しないと前記判定手段が判定した場合、前記第2の無線通信機が前記車輌内に存在すると前記判定手段が判定したときであっても、前記警戒状態への切り替えを可能にしてあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る車載盗難防止装置は、前記無線通信手段が送受信した無線信号又は前記車輌に設けられたドアのロック/アンロックに係る操作部に対する操作に応じて、前記車輌のドアのロック/アンロックの制御を行うドアロック制御手段と、前記車輌のドアの開閉状態を検知するドア状態検知手段とを更に備え、前記無線通信機との通信により前記ドアロック制御手段が複数のドアをアンロックした場合、前記操作部に対する操作により前記ドアロック制御手段が前記車輌のいずれかのドアをアンロックした場合、前記車輌のエンジン動作に係るスイッチがオン状態の場合、又は、前記車輌内に前記第1の無線通信機が存在すると前記判定手段が判定した場合に、前記無警戒状態で動作し、前記車輌のエンジン動作に係るスイッチがオフ状態であり、前記車輌の複数のドアが閉状態であり、且つ、前記無線通信機との通信により前記ドアロック制御手段が複数のドアをロックした場合に、前記警戒状態への切り替えを行うようにしてあることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る車載盗難防止装置は、前記ドアロック制御手段が、前記第1の無線通信機との無線通信によるドアのロック/アンロックを行い、前記第2の無線通信機との無線通信によるドアのロック/アンロックを行わないようにしてあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る車載盗難防止装置は、前記無線通信手段が送受信した無線信号に応じて、前記車輌のエンジン始動に係る制御を行う始動制御手段と、公衆の無線通信網を介して通信を行う公衆無線通信手段と、前記第2の無線通信機との通信により前記始動制御手段がエンジン始動を行った場合に、前記公衆無線通信手段によって所定の通報先への通報を行う通報手段とを更に備えることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、第1の無線通信機(メインキー)及び第2の無線通信機(予備キー)を含む複数の無線通信機(無線キー)との間で無線通信を行い、無線通信の結果に応じて車輌のドアのロック/アンロック及び車輌のエンジン始動等を行う。また車輌には、無線キーが車輌内に存在するか否かを判定する手段、車輌の異常を検知する手段、及び、異常が検知された場合に警報又は通報を行う手段等を設ける。
車輌盗難防止装置は、車輌の異常検知を行う警戒状態と異常検知を行わない無警戒状態とを含む複数の動作状態を切り替えて処理を行う。この構成において、車輌盗難防止装置は、予備キーが車輌内に存在すると判定した場合であっても、メインキーが車輌内に存在しないと判定した場合であれば、警戒状態への切り替えを可能とする。これにより、ユーザが予備キーを車輌内に隠し置いた場合であっても、車輌盗難防止装置は警戒状態への切り替えを行って、車輌の異常検知及び報知等の処理を行うことができる。
【0014】
また、本発明においては、無線キーとの無線通信又は車輌に設けられた操作部に対する操作に応じてドアのロック/アンロックの制御を行う手段と、車輌のドアの開閉状態を検知する手段とを、車輌に設ける。車輌盗難防止装置は、無線キーとの通信により複数(全て)のドアをアンロックした場合、操作部に対する操作によりいずれかのドアをアンロックした場合、車輌のエンジン動作に係るスイッチ(イグニッションスイッチ)がオン状態の場合、又は、メインキーが車輌内に存在すると判定した場合に、無警戒状態で動作する。これにより、車輌内にユーザが存在する可能性がある場合に、盗難防止に係る異常検知を停止することができる。
また車輌盗難防止装置は、イグニッションスイッチがオフ状態であり、複数(全て)のドアが閉状態であり、且つ、無線キーとの通信により複数(全て)のドアをロックした場合に、警戒状態への切り替えを行う。このように、無警戒状態と警戒状態との切り替え条件に、予備キーが車輌内に存在するか否かの条件を含めない構成とすることによって、ユーザが予備キーを車輌内に隠し置くことが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、メインキーとの無線通信によるドアのロック/アンロックは行うが、予備キーとの無線通信によるドアのロック/アンロックは行わない構成とする。予備キーは車輌のエンジン始動に用いることができる。これにより、予備キーの機能を制限することができ、予備キーが盗難された場合であっても盗難者が車輌に対して行い得る行動を制限することができる。
【0016】
また、本発明においては、無線キーとの無線通信によりエンジン始動に係る制御を行う手段と、携帯電話網又は公衆無線LAN(Local Area Network)等の公衆の無線通信網を介して通信を行う手段とを車輌に設ける。車載盗難防止装置は、予備キーとの通信によりエンジン始動を行った場合に、車輌の販売店又は警備会社等の所定の通報先へ、公衆の無線通信網を介した通報を行う。これにより、ユーザがメインキーを紛失して予備キーを使用したことを所定の通報先へ自動的に通報することができ、通報を受けた通報先では、例えばメインキーを使用不可能にするなどの処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による場合は、車載盗難防止装置が無警戒状態及び警戒状態を切り替えて処理を行うと共に、予備キーが車輌内に存在する場合であっても、メインキーが車輌内に存在しない場合には、警戒状態への切り替えを可能とする構成とすることにより、ユーザが予備キーを車輌内に隠し置くことができるため、メインキーを紛失した場合であっても予備キーを使用して車輌の走行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る車載盗難防止装置の構成を示すブロック図である。
【図2】無線キーの構成を示すブロック図である。
【図3】警戒処理を説明するための状態遷移図である。
【図4】無線キーを利用したドアのロック/アンロックに係る制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】車輌のエンジン始動に係る制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る車載盗難防止装置の構成を示すブロック図である。図において破線で示す1は車輌であり、車輌1には、ユーザが所持する可搬型の無線キー(メインキー5a及び予備キー5b)との間で無線通信を行って、車輌1のドアのロック/アンロック及びエンジンの始動等の制御処理を行うECU(Electronic Control Unit)10が搭載されている。車輌1では、無線キーを所持したユーザが、ドアに設けられたスイッチなどに触れることによって、ドアのロック/アンロックをおこなうことができ、運転席近傍に設けられたスイッチを操作することによりエンジンの始動を行うことができる。またECU10は、車輌1に発生した異常を検知して警報又は通報を行う機能を備えており、本発明の車載盗難防止装置でもある。
【0020】
ECU10には、車輌1のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)31からのオン/オフを示す信号と、車輌1の各ドアに設けられたロック/アンロックのためのロック操作部32からロック状態を示す信号とが入力されており、これらの信号に基づいてドアのロック/アンロック、エンジン始動及び盗難防止等の処理を行っている。IGスイッチ31は、2値信号を出力するものであり、車輌1のエンジン動作中にはオン状態を示す信号を出力し、車輌1のエンジン停止中にはオフ状態を示す信号を出力する。ロック操作部32は、車輌1の各ドアの内側に設けられ、無線キーの所持/非所持に関わらず乗員がドアのロック/アンロックを行うための操作部であり、各ドアのロック/アンロック状態を示す2値信号をそれぞれ出力する。
【0021】
ECU10は、制御部11、記憶部12、無線通信部13、ドア状態検知部14、異常検知部15、ロック制御部16、エンジン始動制御部17、警報部18及び通報部19等を備えて構成されている。制御部11は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等の演算処理装置で構成されるものであり、予め記憶部12に記憶されたプログラム及びデータを読み出して実行することにより、ECU10内の各部の動作の制御処理及び各種の演算処理等を行う。
【0022】
記憶部12は、制御部11の動作に必要なプログラム及びデータ等が予め記憶されていると共に、制御部11の処理に伴って生じたデータを記憶する。記憶部12は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等のデータ書き換え可能な不揮発性のメモリ素子で構成してもよく、マスクROM又はEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の(電気的に)データ書き換え不可能な不揮発性のメモリ素子とSRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子とを個別に備える構成としてもよい。また、記憶部12には、無線キーとの間で行う認証処理に必要な認証情報が記憶されている。
【0023】
無線通信部13は、カード型又はキーホルダ型等のような可搬型の無線キー(メインキー5a及び予備キー5b)との無線通信を行うものである。無線通信部13から無線キーへの無線送信と、無線キーから無線通信部13への無線送信とは、異なる周波数帯を利用するものであってよい。無線通信部13は、制御部11の制御に基づいて、車輌1の適所に設けられたアンテナを介して無線信号の送信を行うと共に、送信した無線信号に対する応答として無線キーから送信される無線信号をアンテナにて受信し、受信した無線信号に含まれるデータを制御部11へ与える。無線通信部13及び無線キーの間で送受信される無線信号には、暗号化されたID(IDentifier)番号などの識別情報及び暗号解読のための情報等が含まれている。制御部11は、無線通信部13との無線通信により得られた無線キーのID番号が、記憶部12に予め記憶されたID番号と一致するか否かを判定する認証処理を行い、認証処理に成功した場合(ID番号が一致した場合)に、ドアのロック/アンロック及びエンジン始動等の処理を行う。
【0024】
また無線通信部13は、無線キーから受信した無線信号に応じて、この無線キーが車輌1内に存在するか否かを判定することができる。例えば、車輌1には車内用アンテナと車外用アンテナとがそれぞれ個別に設けてあり、いずれのアンテナにて無線キーからの無線信号を受信したかにより、無線キーが車輌1内に存在するか車輌1外に存在するかを判定する構成とすることができる。また例えば、車輌1に複数の受信用アンテナを設け、各アンテナにて受信した無線キーからの無線信号の信号強度に基づいて、無線キーの位置を判断し、無線キーが車輌1内に存在するか否かを判定する構成とすることができる。
【0025】
ドア状態検知部14は、車輌1が有する複数のドアにそれぞれ設けられたセンサ又はスイッチ等(図示は省略する)の出力信号が入力されており、各ドアが開状態であるか又は閉状態であるかをそれぞれ個別に検知し、検知結果を制御部11へ与える。
【0026】
異常検知部15は、車輌1の適所に設けられた複数のセンサ(図示は省略する)からの出力信号が与えられており、これらの出力信号に基づいて、車輌1に生じた異常を検知する。例えば、車輌1の傾斜を検知するセンサを設けておき、車輌1の傾斜が変化した場合に異常検知部15が異常の発生を検知する構成とすることができる。また例えば、車輌1の特に窓ガラスなどに対して加えられた衝撃を検知するセンサを設けておき、加えられた衝撃が閾値を超えた場合に異常検知部15が異常の発生を検知する構成とすることができる。また例えば、車輌1内に赤外線又は電波等を利用して侵入者を検知するセンサを設けておき、このセンサが侵入者を検知した場合に異常検知部15が異常の発生を検知する構成とすることができる。なお、異常検知部15による車輌1の異常検知は上記のものに限定されず、その他の種々の手段によって車輌1の異常検知を行うことができる。
【0027】
ロック制御部16は、制御部11からの指示に応じて、車輌1の各ドアのロック/アンロックの制御を行うものである。車輌1の各ドアには、ロック/アンロックに係る機械機構及びこれを動作させるアクチュエータなどを有するロック機構(図示は省略する)がそれぞれ設けられており、ロック制御部16は各ロック機構に対するロック/アンロックを指示する制御信号を個別に出力する。またエンジン始動制御部17は、制御部11からの指示に応じて、車輌1に搭載されたエンジンの制御装置(図示は省略する)へ、エンジン始動の指示を与える。
【0028】
警報部18は、制御部11の制御に応じて、ブザー又はスピーカ等による警告音声の出力により車輌1外への警報を発するものである。ただし警報部18は、車輌1のホーンを動作させることによって警告音を発する構成であってもよい。また警報部18による警報は音声出力に限るものではなく、警報用のランプなどを点灯又は点滅させて警告を行う構成としてもよく、車輌1のヘッドライトなどの点灯又は点滅させて警告を行う構成としてもよく、液晶ディスプレイなどを車輌1に設けて警告メッセージを表示する構成としてもよく、その他の構成であってもよい。
【0029】
通報部19は、公衆の無線通信網(例えば携帯電話網又は無線LAN)を利用した無線通信を行う機能を有している。通報部19は、制御部11の制御に応じて、予め定められた通報先(例えば車輌1の販売店又は警備会社等)へ公衆の無線通信網を介した通報を行う。
【0030】
図2は、無線キーの構成を示すブロック図である。なお、メインキー5a及び予備キー5bの構成は略同じであるため、図2においてはこれらをまとめて無線キー5としてその構成を図示してある。無線キー5は、無線通信部51、制御部52及び記憶部53等を備えて構成されている。無線通信部51は、車輌1に搭載されたECU10の無線通信部13との無線通信を行うものである。無線通信部51は、内蔵されたアンテナ(図示は省略する)を介して車輌1からの無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれるデータを制御部52へ与える。また無線通信部51は、制御部52から与えられたデータを無線信号として車輌1へ送信する。
【0031】
制御部52は、無線キー5内の各部の動作の制御処理及び各種の演算処理を行うものである。制御部52は、車輌1からの受信データを無線通信部51から与えられた場合、このデータに含まれる車輌1のID番号と予め記憶部53に記憶された車輌1のID番号とが一致するか否かを判定し、車輌1のID番号が一致した場合に、車輌1への応答を無線通信により行う。車輌1への応答の際に、制御部52は、記憶部53に予め記憶された自らのID番号を読み出し、車輌1へ送信するデータにID番号を含める。無線キー5からの無線信号を受信した車輌1のECU10は、無線信号に含まれるID番号により認証処理を行う。
【0032】
記憶部53は、EEPROMなどのデータ書き換え可能な不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部53には、自らのID番号と、通信相手となる車輌1のID番号とが予め識別情報54として記憶されている。なお、メインキー5a及び予備キー5bは、識別情報54として記憶される自らのID番号が異なるのみであり、その他の構成は略同じである。
【0033】
車輌1のECU10の制御部11は、車輌1のドアの外側に設けられたロック/アンロック用のスイッチなどに対する操作がなされた場合に、無線通信部13による無線キー5との通信を行い、無線キー5から受信した情報に基づく認証処理に成功した場合に、ロック制御部16による各ドア(又は全ドア)のロック/アンロックをトグル的に行う。同様にECU10の制御部11は、運転席近傍のエンジン始動用のスイッチに対する操作がなされた場合に、無線キー5との無線通信及び認証処理を行い、認証処理に成功した場合に、エンジン始動制御部17によるエンジン始動を行う。
【0034】
ただし本実施の形態において、ECU10の制御部11は、無線通信によって受信した無線キー5のID番号が予備キー5bのID番号である場合、ドアのロック/アンロック制御は行わない(エンジン始動制御は行う)。即ち、予備キー5bは、エンジン始動に用いることはできるが、ドアのロック/アンロックに用いることはできない無線キー5として扱われる。このため、メインキー5a及び予備キー5bは、ユーザが容易に区別できるよう、異なる外観とすることが好ましい。
【0035】
また、ECU10の制御部11は、異常検知部15によって車輌1の異常検知を行い、異常の発生が検知された場合に警報部18による警報を発する処理(警戒処理)を行う。図3は、警戒処理を説明するための状態遷移図である。ECU10の制御部11は、上記の警戒処理を、4つの状態(無警戒状態、警戒準備状態、警戒状態及び警報状態)を遷移しながら行っている。
【0036】
無警戒状態は、車輌1の走行中及び車輌1内にユーザが乗車している場合等、警戒処理を行う必要がない状態であり、制御部11は警戒準備状態へ遷移する遷移条件1が成立するまで待機している。遷移条件1は、下記の(1)〜(4)の全てが成立した場合に、成立する。ただし下記の(1)〜(4)は一例であって、これに限るものではなく、遷移条件1に(1)〜(4)の全てを含んでいなくてもよく、遷移条件1に他の条件を含んでいてもよい。
(1)IGスイッチがオフ状態である。
(2)車輌1の全てのドア(必ずしも全てのドアでなくてよく、複数のドアであってもよい)が閉状態である。
(3)メインキー5aにより全てのドア(必ずしも全てのドアでなくてよく、複数のドアであってもよい)がロックされた。
(4)ユーザにより警戒処理の実行が許可されている(例えば、警戒処理実行のスイッチがオン状態である)。
【0037】
警戒準備状態は、遷移条件1の成立直後に警戒処理を開始すると、車輌1内のユーザなどを不審者として誤検知する虞があるため、警戒処理の開始までに一時的な待機状態を設けたものである。制御部11は、警戒準備状態に遷移した場合に内部のタイマなどを動作させ、所定時間(例えば数十秒〜数分)が経過(遷移条件2が成立)した場合に、警戒状態へ遷移する。
【0038】
警戒状態は、異常検知部15によって車輌1に生じる異常の検知を行う状態である。制御部11は、車輌1の傾斜が変化した場合、窓ガラスなどに対して加えられた衝撃が閾値を超えた場合又は車輌1内への侵入者を検知した場合等、異常検知部15により車輌1の異常を検知(遷移条件3が成立)した場合に、警報状態へ遷移する。上記の異常検知以外に、例えば車輌1のドアが不正な手段で開けられた場合、又は、車輌1のバッテリが非接続となった後に再接続された場合等にも警報状態へ遷移してもよい。
【0039】
警報状態は、車輌1の異常が検知されて、警報部18による警報を発する状態であり、このときに通報部19による通報を共に行ってもよい。警報状態において制御部11は、所定時間(例えば数十秒〜数分)に亘って警報部18による警報を行う。この所定時間が経過(遷移条件4が成立)した場合、制御部11は、警報部18による警報を停止して警戒状態へ遷移する。
【0040】
また警戒準備状態、警戒状態及び警報状態において、警戒処理を停止するための遷移条件5が成立した場合、制御部11は、異常検知などの処理を停止して無警戒状態へ遷移する。遷移条件5は、下記の(1)〜(4)のいずれかが成立した場合に、成立する。ただし下記の(1)〜(4)は一例であって、これに限るものではなく、遷移条件5に(1)〜(4)の全てを含んでいなくてもよく、遷移条件5に他の条件を含んでいてもよい。
(1)IGスイッチがオン状態である。
(2)メインキー5aにより全てのドア(必ずしも全てのドアでなくてよく、複数のドアであってもよい)がアンロックされた。
(3)車輌1内にメインキー5aが存在する。
(4)ユーザにより警戒処理の実行が許可されていない(例えば、警戒処理実行のスイッチがオフ状態である)。
【0041】
このように、ECU10の制御部11は、4つの状態を遷移して警戒処理を行っている。無警戒状態から警戒準備状態へ遷移するための遷移条件1と、警戒準備状態、警戒状態又は警報状態から無警戒状態へ遷移するための遷移条件5とには、予備キー5bが車輌1内に存在するか否かについての条件は含まれていない。このため、メインキー5aが車輌1内に存在する場合には遷移条件5が成立して制御部11は無警戒状態へ遷移し、警戒処理を行うことはできないが、予備キー5bが車輌1内に存在してもメインキー5aが車輌1内に存在しない場合であれば、制御部11は警戒準備状態から警戒状態へ遷移することができ、警戒処理を行うことができる。
【0042】
よって、車輌1のユーザは、普段はメインキー5aを所持して車輌1を利用すると共に、メインキー5aの紛失に備えて予備キー5bを車輌1内に隠しておくことができる。予備キー5bの隠し場所は、車輌1内のいずれであってもよいが、できるだけ他人が発見することができない場所であることが好ましい。
【0043】
盗難防止装置を搭載していない車輌にて予備キーを車輌内に備えておくと、盗難者に予備キーを発見された場合に、容易に車輌が盗難される虞があった。また従来の盗難防止装置を搭載した車輌では、予備キーを車輌内に備えておくと盗難防止装置が動作しないため、上記の問題を解決し得なかった。これに対して本発明の盗難防止装置では、予備キー5bを車輌1内に備えた場合であっても、盗難防止装置が警戒処理を行うことができ、盗難者が車輌1内の予備キー5bを発見する前に警報を発することができるため、車輌1が容易に盗難されることを防止できる。
【0044】
図4は、無線キー5を利用したドアのロック/アンロックに係る制御処理の手順を示すフローチャートであり、ECU10の制御部11が行う処理である。ECU10の制御部11は、車輌1のドアの外側に設けられたロック/アンロック用のスイッチに対する操作がなされたか否かを判定し(ステップS1)、スイッチに対する操作がなされていない場合には(S1:NO)、スイッチに対する操作がなされるまで待機する。
【0045】
ロック/アンロック用のスイッチに対する操作がなされた場合(S1:YES)、制御部11は、車輌1のIGスイッチ31がオフ状態であるか否かを判定する(ステップS2)。IGスイッチがオフ状態の場合(S2:YES)、制御部11は、車輌1の全てのドアが閉状態であるか否かを更に判定する(ステップS3)。IGスイッチがオン状態の場合(S2:NO)、又は、車輌1のいずれかのドアが開状態である場合(S3:NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0046】
車輌1の全てのドアが閉状態の場合(S3:YES)、制御部11は、無線通信部13にて無線キー5との無線通信を行い(ステップS4)、無線キー5から受信した無線信号に応じて無線キー5の位置判定を行う(ステップS5)。位置判定の結果から、制御部11は、メインキー5aが車輌1内に存在するか否かを判定し(ステップS6)、メインキー5aが車輌1内に存在しない場合(S6:NO)、メインキー5aが車輌1外に存在するか否かを更に判定する(ステップS7)。メインキー5aが車輌1内に存在する場合(S6:YES)、又は、メインキー5aが車輌1内にも車輌1外にも存在しない(メインキー5aが無線通信範囲外に存在する、即ちユーザがメインキー5aを所持していない)場合(S7:NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0047】
メインキー5aが車輌1外に存在する場合(S7:YES)、制御部11は、メインキー5aとの無線通信により得られた認証情報に基づいて認証処理を行い(ステップS8)、認証処理に成功したか否かを判定する(ステップS9)。認証処理に成功した場合(S9:YES)、制御部11は、ロック制御部16に指示を与えることによって、車輌1の全てのドアのロック/アンロックをトグル的に行い(ステップS10)、処理を終了する。認証処理に失敗した場合(S9:NO)、制御部11は、ドアのロック/アンロックを行うことなく、処理を終了する。
【0048】
図5は、車輌1のエンジン始動に係る制御処理の手順を示すフローチャートである。ECU10の制御部11は、車輌1内の運転席近傍に設けられたエンジン始動用のスイッチに対する操作がなされたか否かを判定し(ステップS30)、スイッチに対する操作がなされていない場合には(S30:NO)、スイッチに対する操作がなされるまで待機する。
【0049】
エンジン始動用のスイッチに対する操作がなされた場合(S30:YES)、制御部11は、動作状態が警報状態であるか否かを判定する(ステップS31)。動作状態が警報状態でない場合(S31:NO)、制御部11は、車輌1のブレーキペダルが踏み込まれているか否かを判定する(ステップS32)。ブレーキペダルが踏み込まれている場合(S32:YES)、制御部11は、車輌1のシフトレバーのポジションが「P(パーキング)」又は「N(ニュートラル)」であるか否かを更に判定する。動作状態が警報状態である場合(S31:YES)、ブレーキペダルが踏み込まれていない場合(S32:NO)、又は、シフトレバーのポジションが「P」若しくは「N」でない場合(S33:NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0050】
シフトレバーのポジションが「P」又は「N」の場合(S33:YES)、制御部11は、無線通信部13にて無線キー5との無線通信を行い(ステップS34)、無線キー5から受信した無線信号に応じて無線キー5の位置判定を行う(ステップS35)。位置判定の結果から、制御部11は、無線キー5が車輌1内に存在するか否かを判定し(ステップS36)、無線キー5が車輌1内に存在しない場合(S36:NO)、処理を終了する。
【0051】
無線キー5が車輌1外に存在する場合(S36:YES)、制御部11は、無線キー5との無線通信により得られた認証情報に基づいて認証処理を行い(ステップS37)、認証処理に成功したか否かを判定する(ステップS38)。認証処理に成功した場合(S38:YES)、制御部11は、エンジン始動制御部17に指示を与えることによって、車輌1のエンジンを始動し(ステップS39)、処理を終了する。認証処理に失敗した場合(S38:NO)、制御部11は、エンジン始動を行うことなく、処理を終了する。
【0052】
以上の構成のECU10(車載盗難防止装置)を搭載した車輌1においては、無警戒状態、警戒準備状態、警戒状態及び警報状態の4つの状態を遷移して制御部11が警戒処理を行う構成とし、予備キー5bが車輌1内に存在する場合であっても、メインキー5aが車輌1内に存在しなければ、警戒状態への遷移を可能とすることにより、車輌1のユーザが予備キー5bを車輌1内に隠し置くことができ、メインキー5aの紛失に備えることができる。予備キー5bを車輌内に隠し置いても、車輌1内に不正な侵入などがあれば異常検知部15が異常を検知して警報部18による警報を発することができるため、予備キー5bを利用した車輌1の盗難を防止することができる。
【0053】
また制御部11は、IGスイッチがオン状態の場合、ロック操作部32に対する操作によっていずれかのドアがアンロックされた場合、メインキー5aにより全てのドアがアンロックされた場合、又は、車輌1内にメインキー5aが存在すると判定した場合に、無警戒状態へ遷移する構成とすることにより、車輌1内にユーザが存在する可能性がある場合に異常検知部15による異常検知を停止し、警報部18が誤動作することを防止できる。また制御部11は、IGスイッチがオフ状態であり、車輌1の全てのドアが閉状態であり、且つ、メインキー5aにより全てのドアがロックされた場合に、警戒準備状態を経て警戒状態へ遷移する。このように、無警戒状態と警戒状態との遷移条件に予備キー5bが車輌1内に存在するか否かの条件を含めない構成とすることによって、ユーザが予備キー5bを車輌1内に隠し置くことが可能となる。
【0054】
また制御部11は、メインキー5aとの無線通信によるドアのロック/アンロックは行うが、予備キー5bとの無線通信によるドアのロック/アンロックは行わない構成とすることにより、予備キー5bをエンジン始動専用として機能制限することができ、予備キー5bが盗難された場合であっても盗難者が車輌1に対して行い得る行動を制限することができる。
【0055】
なお本実施の形態においては、1つのECU10が無線キー5との無線通信に応じたドアのロック/アンロックに係る制御処理、エンジン始動に係る制御処理、及び、車輌1の異常検知による警戒処理を行う構成としたが、これに限るものではなく、これら複数の処理を複数のECUが個別に行う構成とし、複数のECU間で必要な情報を送受信する構成としてもよい。また、制御部11が無警戒状態、警戒準備状態、警戒状態及び警報状態の4つの状態を遷移して警戒処理を行う構成としたが、これに限るものではなく、少なくとも無警戒状態及び警戒状態を含む構成であればよい。また各状態への遷移条件1〜5は一例であって、その他の条件で状態遷移を行う構成としてもよい。
【0056】
(変形例1)
また、上述の実施の形態においては、予備キー5bをエンジン始動専用とし、ドアのロック/アンロックに使用できない構成としたが、これに限るものではなく、予備キー5bにてドアのロック/アンロックを行うことができる構成としてもよい。この構成の場合、メインキー5a及び予備キー5bは、記憶部53に記憶されたID番号が異なるのみで、等価な無線キー5である。換言すれば、車輌1には複数の無線キー5が付属しており、ユーザがいずれかの無線キー5を予備キー5bとして車輌1内に隠し置くことができる構成である。
【0057】
無線キー5にメインキー5a又は予備キー5bの区別がない構成では、例えば最後に車輌1のドアのロックに使用された無線キー5をメインキー5aとして扱い、その他の無線キー5を予備キー5bとして扱う構成とすることができる。この場合、ECU10の制御部11は、無線キー5との無線通信に応じてドアのロックを行う際に、使用された無線キー5のID番号を記憶しておき、以後はID番号を記憶した無線キー5をメインキー5aとして図3〜図5に示した処理を行えばよい。
【0058】
(変形例2)
また、通報部19は、異常検知部15にて異常が検知された場合に通報を行うのみでなく、その他の通報を更に行う構成とすることもできる。例えば、車輌1のエンジン始動に予備キー5bが利用された場合に、通報部19が車輌1の販売店への通報を行う構成とすることができ、これにより販売店ではメインキー5aをユーザが紛失したことを把握できる。この場合、ECU10の制御部11は、図5に示したフローチャートのステップS38にて認証に成功したと判断した後、ステップS39にてエンジンの始動を行う前に、認証に成功した無線キー5がメインキー5a又は予備キー5bのいずれであるかを判定し、予備キー5bであれば通報部19による販売店への通報を行う構成とすればよい。
【符号の説明】
【0059】
1 車輌
5 無線キー(無線通信機)
5a メインキー(無線通信機、第1の無線通信機)
5b 予備キー(無線通信機、第2の無線通信機)
10 ECU
11 制御部
12 記憶部
13 無線通信部(無線通信手段、判定手段)
14 ドア状態検知部(ドア状態検知手段)
15 異常検知部(異常検知手段)
16 ロック制御部(ドアロック制御手段)
17 エンジン始動制御部(始動制御手段)
18 警報部(報知手段)
19 通報部(報知手段、公衆無線通信手段、通報手段)
31 IGスイッチ
32 ロック操作部
51 無線通信部
52 制御部
53 記憶部
54 識別情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の無線通信機との間で無線信号の送受信を行う無線通信手段と、該無線通信手段が送受信した無線信号に応じて、前記無線通信機が車輌内に存在するか否かを判定する判定手段と、前記車輌の異常を検知する異常検知手段と、該異常検知手段が異常を検知した場合に、警報又は通報を行う報知手段とを備え、前記異常検知手段による検知を行わない無警戒状態及び前記異常検知手段による検知を行う警戒状態を含む複数の動作状態を切り替えて、前記車輌の異常検知及び報知を行う車載盗難防止装置であって、
前記無線通信手段は、第1及び第2の無線通信機を含む複数の無線通信機との間で無線信号の送受信を行うようにしてあり、
前記第1の無線通信機が前記車輌内に存在しないと前記判定手段が判定した場合、前記第2の無線通信機が前記車輌内に存在すると前記判定手段が判定したときであっても、前記警戒状態への切り替えを可能にしてあること
を特徴とする車載盗難防止装置。
【請求項2】
前記無線通信手段が送受信した無線信号又は前記車輌に設けられたドアのロック/アンロックに係る操作部に対する操作に応じて、前記車輌のドアのロック/アンロックの制御を行うドアロック制御手段と、
前記車輌のドアの開閉状態を検知するドア状態検知手段と
を更に備え、
前記無線通信機との通信により前記ドアロック制御手段が複数のドアをアンロックした場合、前記操作部に対する操作により前記ドアロック制御手段が前記車輌のいずれかのドアをアンロックした場合、前記車輌のエンジン動作に係るスイッチがオン状態の場合、又は、前記車輌内に前記第1の無線通信機が存在すると前記判定手段が判定した場合に、前記無警戒状態で動作し、
前記車輌のエンジン動作に係るスイッチがオフ状態であり、前記車輌の複数のドアが閉状態であり、且つ、前記無線通信機との通信により前記ドアロック制御手段が複数のドアをロックした場合に、前記警戒状態への切り替えを行うようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の車載盗難防止装置。
【請求項3】
前記ドアロック制御手段は、前記第1の無線通信機との無線通信によるドアのロック/アンロックを行い、前記第2の無線通信機との無線通信によるドアのロック/アンロックを行わないようにしてあること
を特徴とする請求項2に記載の車載盗難防止装置。
【請求項4】
前記無線通信手段が送受信した無線信号に応じて、前記車輌のエンジン始動に係る制御を行う始動制御手段と、
公衆の無線通信網を介して通信を行う公衆無線通信手段と、
前記第2の無線通信機との通信により前記始動制御手段がエンジン始動を行った場合に、前記公衆無線通信手段によって所定の通報先への通報を行う通報手段と
を更に備えること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の車載盗難防止装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−102510(P2012−102510A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251050(P2010−251050)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】