説明

送風機

【課題】効果的なモータ放熱ならびに好適な流体工学的特性が保証される送風機の提供。
【解決手段】絶縁部材(14)でカプセル状に覆われたステータ(6)と、ステータ(6)をポット状に包囲してインペラ(4)を保持するロータ(8)とからなるアウターロータ形モータ(2)とインペラ(4)とを備えた送風機(1)。ロータ(8)は前端壁(18)に通気孔(20)を有し、ステータ(6)は前端面(22)に、全周にわたって分散配置された、通気孔(20)に対向するリブ突起(24)を有する。前端壁(18)とは反対側の前記ロータ(8)の周縁(36)とステータ(6)のステータベース(38)との間の隙間領域(34)が送風機運転中に前記ステータ(6)の周囲を流れる冷却用空気の流入部を作り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウターロータ形モータとインペラとを備え、このアウターロータ形モータが、絶縁部材でカプセル状に覆われたステータと、ステータをポット状に包囲してインペラを保持するロータとからなる送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の送風機は文献、欧州特許公開公報第1404008号明細書から公知であり、該文献には、外周にインペラを保持するアウターロータを有する電動機が開示されている。ステータは特に熱硬化性プラスチックからなるステータ絶縁被覆を有しており、その際、ステータコイルの付されたステータ積層鉄芯も絶縁部材で同時整形プレスされている。ロータもステータを包囲することになり、運転中に、ステータの領域にかなりの熱が生ずる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州公開第1404008号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記のタイプの送風機を改良して、効果的なモータ放熱ならびに好適な流体工学的特性が保証されることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記課題は、絶縁部材でカプセル状に覆われたステータと、前記ステータをポット状に包囲して前記インペラを保持するロータとからなるアウターロータ形モータとインペラとを備えた送風機において、
前記ロータは前端壁に通気孔を有し、前記ステータは前端面に、全周にわたって分散配置された、前記通気孔に対向するリブ突起を有し、前記前端壁とは反対側の前記ロータの周縁と前記ステータのステータベースとの間の隙間領域が送風機運転中に前記ステータの周囲を流れる冷却用空気の流入部を作り出すことによって、解決される。
なお、本発明の好適な実施態様の特徴は請求項2から15に記載されている。
【0006】
本発明によれば、一方で、ロータは前端壁に冷却用空気を貫流させるための通気孔を有し、他方で、ステータは前端面に、全周にわたって分散配置された、上記通気孔に軸方向において対向するリブ突起を有し、前端壁とは反対側のロータ周縁とフランジ状ステータベースとの間の隙間領域が、送風機運転中にステータの周囲を流れる冷却用空気流の流入部を作り出す。このことにより、一方で、ロータの上記通気孔、他方で、ロータの上記周縁とステータベースの間の流入部によって、冷却用空気の貫流によるモータの放熱が可能となり、その際、冷却用空気はステータとロータとの間の周回隙間を通ってステータの周囲を流れる。ここで、冷却用空気の貫流方向は、送風機のタイプならびに特に、送風機運転中にいずれの軸方向側にそれぞれ低圧ないし高圧が形成されるかによって異なる。たとえば、ラジアルまたは斜流送風機の場合、軸方向吸込み口の領域に低圧が生じ、ロータの前端壁と通気孔がインペラの吸込み口に対向していれば、この低圧によって冷却用空気は反対側から吸込まれる。換言すれば、冷却用空気はロータの上記周縁の流入部を通って流入し、ステータの周囲を流れ、上記前端壁の通気孔を通って再び流出する。軸流送風機の場合、冷却用空気の貫流方向はインペラの本来の送気方向に依存し、しかもそれは常に送気方向とは逆方向となる。
【0007】
本発明において、ロータの上記通気孔とステータの上記リブ突起とは、送風機運転中のロータ回転時、モータ冷却用空気がステータリブ突起と記ロータ通気孔との間の領域で一種の「渦巻き効果」によって乱流化されるよう互いに相対配置されている。したがって、ロータの上記通気孔と好ましくは絶縁部材から一体成形されているステータのリブ突起との相互作用はモータ放熱(冷却)の達成に特に重要である。したがって、運転中に送風機側の支配的な低圧によって吸込まれ、冷却用空気としてモータ内に流入する空気は、通気孔とリブ突起の間の領域で、実際に渦巻き原理によって乱流化され、これが、リブ突起によって面積が拡大された、対流面として作用するステータ表面と相互作用して非常に効果的な熱吸収(対流)をもたらす。つまり、冷却用空気によってモータの熱が吸収され、モータないしステータの放熱(冷却)が実現される。さらに、冷却用空気はロータとステータの間に存在する周回隙間を通ってステータの周囲を流れ、そのことによって、ステータからの放熱がいっそう促進される。
【0008】
本発明による冷却用空気貫流にもかかわらず、送風機は湿潤域での使用(たとえば、冷却用および空調用)にも適しており、それはカプセル被覆すなわち型プレスまたは吹付け被覆成形されたステータによってDINEN60529およびDIN40050Teil9に準拠した高いIP保護等級が保証されているためである。
【0009】
さらに別の好適な実施態様において、所定の孔個数で設けられる通気孔および所定のリブ個数で設けられるリブ突起は共に周方向全体にわたって特に放射対称的に分散配置されている。この場合、孔個数とリブ個数とはことなっており、また好ましくは互いに素の関係であることが好ましい。一方で通気孔、他方でリブ突起の、こうした異なるかつまた好ましくは互いに素をなす形成個数により、共鳴あるいは回転音現象の低下による好適な、つまり運転騒音の低減が達成される。具体的には、少なくとも2個、好ましくはそれ以上の数の通気孔が設けられている。図示した好適な実施態様において、たとえば、7個の通気孔と6個のリブ突起が設けられている。その際、これらの通気孔は総体として、軸方向に投影されたロータ断面積全体に対して10%〜30%を占める実効孔断面積を有している。
【0010】
さらに好ましくは、通気孔はそれぞれ、ステータの方向に向かって最大奥行き4mmの形状で上記リブ突起の近傍までノズル状に突出した孔周回端縁を有している。これらの突出した孔周回端縁は、「対向突起」として上記リブ突起と連携することにより、本発明による「渦巻き効果」をさらに高める。したがって、冷却用空気は互いに相対回転する孔周回端縁とリブ突起の間で、軸方向において互いに対向する両面で乱流化される。
【0011】
さらにもう一つの本発明の目的により、特にラジアル送風機としての設計にかかわる流体工学的特性の改善のため、ロータはその前端壁の径方向外側領域において1つの斜面状壁面区域を経て円筒状の周壁に連続してつながっており、この斜面状壁面区域はモータの長手軸との間に、30°〜60°の範囲内、好ましくは50°の斜面角を挟角として含んでいる。さらに、好適には、通気孔を有するロータの前端壁は長手軸に対して所定の円錐角をなしてやや円錐状に傾斜して延びており、この円錐角は60°〜80°の範囲内、特に70°である。こうした特別な形態により、ラジアル送風機の場合、軸方向全長が短くとも、すなわちコンパクトタイプであっても、ラジアル送風機の軸方向吸込み口と、径流インペラとして形成されたインペラと、ロータの間に形成される吸込み断面積の拡大が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】片側吸込み式ラジアル送風機(半径流ブロワ)としての第一の実施形態による本発明による送風機を一部切断して示す側面図である。
【図2】両側吸込み式ラジアル送風機としての第二の実施形態の送風機を示す図1と同様な図である。
【図3】本発明によるアウターロータ形モータを前面側(ロータ側)から見た別個の斜視図である。
【図4】前記アウターロータ形モータを裏面側(ステータもしくはキャリア側)から見た斜視図である。
【図5】図3と図4に示したアウターロータ形モータの基本要素の斜視分解図で、(a)はステータの斜視分解図、(b)はロータの斜視分解図、(c)補助的な取付け部品ないしハウジング部の斜視分解図である。
【図6】図3〜5に示したアウターロータ形モータの軸方向拡大断面図である。
【図7】(a)はロータの軸方向断面図、(b)は切断されたロータの斜視図である。
【図8】冷却用空気流れを説明するための本発明によるアウターロータ形モータの拡大偏心縦断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
さらに、本発明の好適な実施形態以下に説明する。 図面の各図において、同一部分には常に同一の符号が付されている。
先ず図1および2からそれぞれ明らかなように、本発明による送風機1は、アウターロータ形モータ2と、インペラ4とからなっている。その他の図3〜8に別個に図示したように、アウターロータ形モータ2自体は、ステータ6(特に図5aを参照)と、ステータ6を軸方向側からポット状に包囲するロータ(アウターロータ)8(図5bを参照)とからなっている。特に図5a、6および8から明らかなように、ステータ6は、ステータコイル10の付されたステータ積層鉄芯12を含めて、絶縁部材14で賦形カプセル被覆されている。これは、成形プレス、ただし特に、適切なプラスチックたとえば熱硬化性プラスチックによる吹付け被覆成形によって実施可能であり、これによって、ステータ6は図5aに示したように全体として円筒状の基本形状となる。
【0014】
さらに図1および2から明らかなように、インペラ4はロータ8の外周に固定されており、そのため、ロータ8はインペラ4を保持している。
【0015】
アウターロータ形モータ2は、好ましくは電子整流式永久磁石励磁型直流モータとして形成されており、ロータ8はその内周に永久磁石16を有している。この点については、特に、図6および8に示した断面図が参照される。ステータ6はそれ自体公知の方法で回転磁界をつくり出し、これにより、永久磁石16との相互作用によってロータ8が回転する。回転磁界を作り出すため、ステータ6のコイル10は電子制御システムによって制御された電流ないしは電圧をもって給電される。
【0016】
本発明によれば、ロータ8は前端壁18に通気孔20を有している。また、ステータ6は前端面22に、全周にわたって分散配置され、軸方向においてロータ8の通気孔20に対向するリブ突起24を有している。この点については、特に、図5aおよび図8が参照される。好ましくは、リブ突起24は絶縁部材14から一体成形されて配置されている。したがって、送風機1の運転中、通気孔20を有したロータ8は、リブ突起24を有したステータ6に対して相対回転する。その際、図1および2に示したように、インペラ4によって、図示した矢印26の方向に空気が吸込まれ、こうして、吸込まれた空気は所定通り、インペラ4によって加速され、矢印30の方向に吹き出される。その際に形成される、ラジアル送風機としての図示例において、前端壁18の前方領域における低圧に起因して、さらに、矢印28で示唆された冷却用空気流れが発生する。
【0017】
特に図8から明らかなように、冷却用空気はロータ前端壁18とステータ前端面22の間の領域で、通気孔20とリブ突起24との相互作用によって強度に乱流化され、これによって、冷却用空気はステータ6から効果的に熱を奪い取る。冷却用空気は、たとえば、図示した矢印方向28に応じて、ステータ6とロータ8の間の周回隙間32を通って流れる。この場合、冷却用空気は、ロータ8とステータベース38の間の隙間領域34を経て径方向外側から流れ込み、次いで、通気孔20から再び流出する。冷却用空気のこの流れは図8に矢印によって図示されている。ただし、これについては、送風機のタイプによって、冷却用空気が逆方向に流れることもある。
【0018】
通気孔20は好ましくは所定の孔個数xで、周方向全体にわたって、放射対称的に分散配置されており、その際、通気孔20は少なくとも2個設けられている(x≧2)。相応して、リブ突起24も所定のリブ個数yで、周方向全体にわたって、好ましくは放射対称的に分散配置されている。この場合、好ましくは通気孔20とリブ突起24との数x、yはいずれにせよ不同であり、特に数学的に互いに素である。したがって、x≠yかつ好ましくはxとyは互いに素である。こうした構成により、好適な騒音挙動が達成される。図示した好ましい実施形態において、7個の通気孔20(x=7)と6個のリブ突起24(y=6)が設けられている。ただし、本発明はこの実施形態に制限されるものではない。
【0019】
さらに、通気孔20は好ましくは隅の領域が丸められた台形状ないし台形状扇形の孔断面形状を有し、放射状に切り分けた円形クリスマスケーキのケーキ片のように内側から径方向外側に向かって幅広になってゆく。これによって、利用可能面の優れた利用率が達成される。つまり、前端面22の領域における利用可能面の全体(基本的に、ロータ8の軸方向投影面積)の10%〜30%の部分が通気孔20によって通気されるようにすることができる。
【0020】
さらに別の好適な実施態様において、各々の通気孔20は、ステータ6の方向に向かってノズル状に延びる孔周回端縁40を有している。これらの孔周回端縁40は4mmまでの軸方向最大奥行きの形状でリブ突起24の近傍まで延びている。したがって、送風機運転中、これらの孔周回端縁40を備えた通気孔20はリブ突起24に対して該突起の近傍で相対回転し、これによって、効果的な気流の乱流化が達成される。
【0021】
続いて、ステータ6のリブ突起24に関しては、図5aに示したように、前端面22上に好ましくは放射星形状に配置されている。前端面22はモータ長手軸(ロータ8の回転軸)に対して垂直をなす面内にある。径方向内側領域には、軸方向に突出した同心円環リブ突起42が形成されている。リブ突起24はこの円環リブ突起42から出発して、先ず低い位置から徐々に軸方向に向かって高さを増し径方向外側に向かって延びている。したがって、該突起の表面は径方向内側から外側に向かって徐々に高まっている。軸方向から見たリブ突起24の基本形状は大略方形をなして、またはやや台形をなして外側に向かって狭幅化し延びている。リブ突起24は周方向にフランク面を有しており、これらのフランク面はリブ突起24が軸方向にテーパするように斜面として形成されていてよい。リブ突起24の形状は、通気孔20とそれらの孔周回端縁40との相互作用により、送風機運転中に流入して通気孔20を通って再び流出する冷却用空気の乱流化に影響を及ぼす。
【0022】
さらに、図3、図5(b)、図7(a)、図7(b)および図8から明らかなように、ロータ8の周端36の領域には少なくとも1個の、冷却用空気の流れ断面積を拡大するための凹欠箇所44が形成されていてよい。
【0023】
本発明のもう一つの目的は送風機1の流体工学的設計の改善に関する。これに関連して、ロータ8はその前端壁18の径方向外側領域において少なくとも1つの斜面状壁面区域46を経て円筒状の周壁48につながっている。さらに、図7(a)に見られるように、通気孔20を有するロータ8の前端壁18は長手軸50に対して円錐角αをなしてやや円錐状に傾斜している。この円錐角αは好ましくは60°〜80°の範囲内にあり、特に70°である。前端壁18と周壁48とをつなぐ斜面状壁面区域46は長手軸50との間に、好ましくは30°〜60°の範囲内の、特に50°の斜面角βで形成されている。
【0024】
上述した好適な設計態様により、前端壁が長手軸50に対して垂直をなす面内にあり、かつ直角をなして直接に周壁48に連続しているロータに比較して、前端壁18と周壁48の間の外端移行領域に実際に一種のアンダカットが達成される。図1に図示したように、これによって、ロータ8と、ラジアル送風機として形成された送風機1の吸込み領域52の間に大きな内法間隔Aが形成されるため、吸込み断面積の拡大が達成される。加えてさらに図1には、従来の送風機との比較が鎖線で図示されており、この場合に生ずる間隔A’は相対的に小さい。
【0025】
さらに別の好適な実施態様において、図5(a)に示したように、ステータベース38はステータ6をカプセル状に覆う絶縁部材14から一体成形されたフランジ部材として形成されている。このフランジ状ステータベース38は、さらに、ステータ6とは反対側で、補助ハウジング部54(図5(c)による別個の図を参照)と一緒になって詳細不図示の電子制御システム用のコントロールボックスを形成する。さらに、このハウジング部54は、取付け部品56(図1および2を参照)を介して送風機ハウジングに取付けまたは取付け可能であるため、アウターロータ形モータ2全体のキャリア部としても機能する。
【0026】
最後に、本発明はラジアルまたは斜流送風機に適していると共に、基本的に軸流送風機にも適していることを主張しておく。図1には、一例として、片側吸込み式ラジアル送風機としての実施形態が表されており、この場合、インペラ4は、(吸込み領域52に続く)前方軸方向吸込み口と、複数枚の径流ブレードと、径流吹出し方向とを有する径流インペラとして形成されている。径流ブレードは通例、被覆板間に配置されている。送風機ハウジングは必要に応じ、吸込み領域52の前部に保護格子(保護ネット)58を有していてよい。
【0027】
図2には、両側吸込み式ラジアル送風機としての実施形態が示されており、ここでは、インペラ4は、軸方向において対向した2吸込み口と、複数の径流ブレードと、同じく径流吹出し方向とを有する径流インペラとして形成されている。
【0028】
図1および2に示したいずれの場合にも、径流ブレードは後方に彎曲、前方に彎曲または必要に応じ真直ぐ(径方向)に形成されていてもよい。
【0029】
ロータ8は金属またはプラスチック製の成形品として製作することができる。軟磁性金属からなる実施形態において、周壁48は、内側に配置された永久磁石16用の磁気ヨークエレメントとしても機能する。これに代えてロータ8がとりわけプラスチックからなる場合には、内側にさらにヨークリングが必要である。
【0030】
本発明は図示説明した実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨と同様に機能するすべての実施形態を含むものである。実施形態は必ずしも、コンビネーションされたすべての特徴に制限されるものではなく、個々のいずれの部分特徴も、その他のすべての部分特徴から切り離されても、独立して本発明上の意義を有している旨をここに述べておく。さらに、本発明は従来のように、請求項1によって定義された特徴コンビネーションに制限されるものでもなく、開示されたすべての個別特徴のうちの所定の特徴のいかなる任意のコンビネーションによって定義されていてもよい。このことは、基本的に請求項1のいずれの個別特徴も実際のところ捨象可能であり、あるいは本出願のその他の箇所に開示された少なくとも1つの個別特徴によって置き換えられてもよいことを意味している。その限りで、請求項1は単に発明を画定するための第1の試みとして理解されなければならない。
【0031】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
1送風機
2アウターロータ形モータ
4インペラ
6ステータ
8ロータ
14絶縁部材
18前端壁
20通気孔
22前端面
24リブ突起
34隙間領域
36周縁
38ステータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁部材(14)でカプセル状に覆われたステータ(6)と、前記ステータ(6)をポット状に包囲して前記インペラ(4)を保持するロータ(8)とからなるアウターロータ形モータ(2)とインペラ(4)とを備えた送風機(1)であって、
前記ロータ(8)は前端壁(18)に通気孔(20)を有し、前記ステータ(6)は前端面(22)に、全周にわたって分散配置された、前記通気孔(20)に対向するリブ突起(24)を有し、前記前端壁(18)とは反対側の前記ロータ(8)の周縁(36)と前記ステータ(6)のステータベース(38)との間の隙間領域(34)が送風機運転中に前記ステータ(6)の周囲を流れる冷却用空気の流入部を作り出すことを特徴とする送風機。
【請求項2】
所定の孔個数xで設けられた前記通気孔(20)及び所定のリブ個数yで設けられた前記リブ突起(24)は共に周方向全体にわたって放射対称的に分散配置されており、前記孔個数xと前記リブ個数yとは異なっており、特に互いに素であることを特徴とする請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記通気孔(20)は台形状の孔断面形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の送風機。
【請求項4】
前記通気孔(20)はそれぞれ、前記ステータ(6)の方向に向かって最大奥行き4mmの形状で前記リブ突起(24)の近傍までノズル状に突出した孔周回端縁(40)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項5】
前記通気孔(20)のトータル断面積が、前記ロータ(8)の断面積に対して10%〜30%の比を持つように各孔断面積が決定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項6】
前記ステータ(6)の前記リブ突起(24)は放射状に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項7】
前記ロータ(8)の前記周縁(36)の領域には、冷却用空気の流れ断面積を拡大するための少なくとも1個の凹欠箇所(44)が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項8】
前記通気孔(20)を有する前記ロータ(8)の前記前端壁は長手軸(50)に対して円錐角(α)をなして円錐状に傾斜して延びており、前記円錐角(α)は60°〜80°の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項9】
前記ロータ(8)はその前端壁(18)の径方向外側領域において1つの斜面状壁面区域(46)を経て周壁(48)に連続しており、前記斜面状壁面区域(46)は長手軸(50)との間に、30°〜60°の範囲内の斜面角(β)を挟角として含んでいることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項10】
前記ステータベース(38)は前記ステータ(6)をカプセル状に覆う絶縁部材(14)と一体成形されたフランジ部材として形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項11】
前記ステータベース(38)は、前記ステータ(6)とは反対側で、補助ハウジング部(54)とともに電子制御用のコントロールボックスを形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項12】
前記インペラ(4)が、前方軸方向吸込み口と、複数枚の径流ブレードと、径流吹出し方向とを有する径流インペラとして形成されており、片側吸込み式ラジアル送風機として構成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項13】
前記インペラ(4)が、軸方向において対向する左右2つのブレードと、径流吹出し方向とを有する径流インペラとして形成されており、両側吸込み式ラジアル送風機として構成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項14】
前記インペラ(4)が複数枚の軸流ブレードを有する軸流インペラとして形成されており、軸流送風機として構成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項15】
前記アウターロータ形モータ(2)がブラシレスモータとして形成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−200112(P2011−200112A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62750(P2011−62750)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(507336503)エーベーエム‐パプスト・ムルフィンゲン・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コー・カー・ゲー (4)
【氏名又は名称原語表記】EBM‐PAPST MULFINGEN GMBH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】BACHMUEHLE 2, 74673 MULFINGEN, BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
【Fターム(参考)】