説明

通行管理装置、及び通行管理方法

【課題】短い処理時間で、且つ、高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び通行管理方法を提供する。
【解決手段】通行管理装置150は、特定エリアの第1の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像を入力し、前記入力された画像から顔画像を検出し、前記検出した顔画像から顔特徴情報を抽出し、前記顔特徴情報を記憶し、前記記憶されている顔特徴情報を選別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラにより取得した人物の顔画像に基づいて撮影対象者の顔を認識し、特定のエリアへの通行を管理する通行管理装置、及び通行管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラにより人物の顔画像を撮像し、撮像した顔画像に基づいて人物の認識を行う顔認識装置が多数実用化されている。このような顔認識装置を利用し、特定のエリアへの人物の出入場を管理する通行制御装置(出入場管理装置)も実用化されている。
【0003】
また、入場側の改札と出場側の改札とに顔認識装置を利用し、人物の顔を認識し、入場と出場とで対応付けを行ない、改札処理を行う改札システムが提供されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007―241853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した改札システム及び出入場管理装置は、人物が特定エリアに入場する場合、カメラにより人物の顔画像を撮像し、顔画像から顔特徴を抽出し、記憶する。出入場管理装置は、人物が特定エリアから出場する場合、再びカメラにより人物の顔画像を撮像し、顔画像から顔特徴を抽出し、記憶している顔特徴と一致するものが有るか否か対応付けを行なう。
【0006】
しかし、特定エリアを通行する人物が多い場合、記憶している顔特徴が多数存在する為、対応付けの処理に膨大な時間がかかるという問題がある。この結果、処理がおいつかず、エラーを出力する可能性があるという問題がある。
【0007】
本発明の一形態における目的は、短い処理時間で、且つ、高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び通行管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る通行管理装置は、特定エリアの第1の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像が入力される第1の画像入力手段と、前記第1の画像入力手段から入力された画像から顔画像を検出する第1の顔検出手段と、前記第1の顔検出手段により検出した顔画像から第1の顔特徴情報を抽出する第1の顔特徴抽出手段と、前記第1の顔特徴抽出手段により抽出された第1の顔特徴情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている第1の顔特徴情報を選別する選別手段と、を具備する。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る通行管理装置は、特定エリアの複数の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像が入力される複数の第1の画像入力手段と、前記複数の第1の画像入力手段から入力された画像から顔画像を検出する第1の顔検出手段と、前記第1の顔検出手段により検出した顔画像から第1の顔特徴情報を抽出する第1の顔特徴抽出手段と、前記第1の顔特徴抽出手段により抽出された第1の顔特徴情報を場所ごとに記憶する複数の記憶手段と、前記特定エリアの別の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像が入力される第2の画像入力手段と、前記第2の画像入力手段から入力された画像から顔画像を検出する第2の顔検出手段と、前記第2の顔検出手段により検出した顔画像から第2の顔特徴情報を抽出する第2の顔特徴抽出手段と、前記複数の記憶手段と対応し、対応している前記記憶手段により記憶されている第1の顔特徴情報と前記第2の顔特徴抽出手段により抽出された第2の顔特徴情報とを照合する複数の照合手段と、場所を示す場所情報が入力される場所情報入力手段と、前記場所情報入力手段により入力された場所情報に基づいて、前記第2の顔特徴抽出手段により抽出された第2の顔特徴情報を伝送する前記照合手段を、前記複数の照合手段のなかから選択して伝送する伝送制御手段と、を具備する。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る通行管理方法は、特定エリアの特定の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像を入力し、前記入力された画像から顔画像を検出し、前記検出した顔画像から顔特徴情報を抽出し、前記顔特徴情報を記憶し、前記記憶されている顔特徴情報を選別する。
【発明の効果】
【0011】
この発明の一形態によれば、短い処理時間で、且つ、高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び通行管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システムの構成例を概略的に説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す通行管理システムが適用された特定エリアの例を概略的に説明する為の説明図である。
【図3】図3は、カメラにより撮像される画像データの一例について説明する為の説明図である。
【図4】図4は、顔領域検出部により行われる顔領域の検出処理について説明する為のフローチャートである。
【図5】図5は、この顔領域の検出処理について模式的に説明する為の説明図である。
【図6】図6は、顔特徴記憶部により記憶されているデータの例について説明する為の説明図である。
【図7】図7は、照合部により行われる照合処理について説明する為のフローチャートである。
【図8】図8は、図1に示す通行管理装置の表示部に表示される通行確認画面の例について説明する為の説明図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システムの構成例を概略的に説明するためのブロック図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システムの構成例を概略的に説明するためのブロック図である。
【図11】図11は、図10に示す通行管理装置の表示部に表示される通行確認画面の例について説明する為の説明図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システムの構成例を概略的に説明するためのブロック図である。
【図13】図13は、図12に示す通行管理装置の表示部に表示される通行確認画面の例について説明する為の説明図である。
【図14】図14は、本発明の第5の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システムの構成例を概略的に説明するためのブロック図である。
【図15】図15は、本発明の第5の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システムの他の構成例を概略的に説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る通行管理装置、及び通行管理方法について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システム1の構成例を概略的に説明するためのブロック図である。通行管理システム1は、例えば、特定のエリアに通行する人物の状態を管理する。
【0014】
図1に示すように、通行管理システム1は、撮像端末110、120、130、窓口端末140、及び通行管理装置150を備えている。撮像端末110及び120は、特定エリアの通行場所(第1の場所)に設けられている。また、撮像端末130及び窓口端末140は、特定エリアの通行場所(第1の場所とは異なる第2の場所)に設けられていると仮定する。
【0015】
撮像端末110、120、130、及び窓口端末140は、例えばLANなどにより通行管理装置150に接続されている。通行管理装置150は、撮像端末110、120、130、及び窓口端末140とデータの送受信を行なう事ができる。
【0016】
撮像端末110、120、及び130は、それぞれ、カメラ111、121、及び131を備えている。図2に示すように、撮像端末110は、場所Aのある通路Aに設けられている。また、撮像端末120は、場所Bのある通路Bに設けられている。またさらに、撮像端末130は、場所Cのある通路Cに設けられている。
【0017】
窓口端末140は、係員の操作に基づいて認証に用いる画像を通路を通行する人物から取得する。窓口端末140は、カメラ141を備えている。窓口端末140は、場所Cの非常通路に設けられている窓口に設置されている。また、窓口端末140は、表示部142を備えている。表示部142は、通行管理装置150からの制御に基づき、種々の情報を表示する。
【0018】
カメラ111、121、131、及び141は、例えば、industrial television(ITV)カメラなどにより構成される。カメラ111、121、131、及び141は、撮像した画像を図示しないA/D変換器によりディジタル変換し、通行管理装置150に送信する。
【0019】
カメラ111は、通路Aを通行する人物の画像を取得する。カメラ121は、通路Bを通行する人物の画像を取得する。カメラ131は、通路Cを通行する人物の画像を取得する。カメラ141は、窓口を訪れる人物の画像を取得する。
【0020】
カメラ111、121、131、及び141は、例えば、図3に示すように、横方向512画素、縦方向512画素の濃淡情報として画像データを取得する。
【0021】
通行管理装置150は、顔領域検出部151、152、153、顔特徴抽出部154、155、及び156を備えている。また、通行管理装置150は、顔特徴記憶部157、照合部158、照合判定部159、選別部160、選別顔特徴記憶部161、表示部162、照合部163、及び照合判定部164を備えている。またさらに、通行管理装置150は、インターフェース165、166、及び167を備えている。
【0022】
インターフェース165、166、及び167は、それぞれ画像入力手段として機能する。インターフェース165及び166は、撮像端末110、撮像端末120、及び撮像端末130などの撮像端末に接続されている。インターフェース165及び166は、撮像端末110、撮像端末120、及び撮像端末130などから画像を受信する。インターフェース167は、窓口端末140に接続されている。インターフェース167は、窓口端末140から画像を受信する。
【0023】
顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出手段として機能する。顔領域検出部151、152、及び153は、それぞれ、インターフェース165、166、及び167に入力された入力画像において人物の顔が写っている領域(顔領域)を検出する。
【0024】
顔領域検出部151、152、及び153は、たとえば、入力画像において、あらかじめ用意された標準顔パターン(顔検出テンプレート)を移動させながら相関値を求めることにより、顔領域を検出する。ここでは、顔領域検出部151、152、及び153は、最も高い相関値が算出された位置を顔領域として検出する。
【0025】
図4は、顔領域検出部151、152、及び153により行われる顔領域の検出処理について説明する為のフローチャートである。図5は、この顔領域の検出処理について模式的に説明する為の説明図である。
【0026】
顔領域検出部151、152、及び153は、あらかじめ用意されたサイズSの異なる複数の顔検出テンプレートGs(i,j)を移動させながら相関値を求めることにより、顔領域を検出する。即ち、顔検出テンプレートGsは、例えば、S=1、S=2、・・・S=10のようにサイズの数だけ存在する。
【0027】
顔領域検出部151、152、及び153は、まず、S=1のサイズの顔検出テンプレートGs(i,j)を選択する(ステップS11)。
【0028】
顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)を設置する場合のY座標を0に設定する(ステップS12)。
【0029】
顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)を設置する場合のX座標を0に設定する(ステップS13)。
【0030】
顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートが設置されている領域を局所領域とする。顔領域検出部151、152、及び153は、局所領域内の入力画像f(x,y)と顔検出テンプレートGs(i,j)との相関Ms(x,y)を計算する(ステップS14)。なお、顔領域検出部151、152、及び153は、数式1に示すような計算式により相関Ms(x,y)を計算する。
【数1】

【0031】
顔領域検出部151、152、及び153は、相関Ms(x,y)と予め定めることが出来る顔領域を検出する為の閾値とを比較する(ステップS15)。ここで、相関Ms(x,y)が閾値以上であると判定した場合、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)が設置されている領域を顔領域と判定する。この場合、顔領域検出部151、152、及び153は、顔領域の座標及びサイズに関する情報(x,y,s)を結果として後段の顔特徴抽出部に出力する(ステップS16)。
【0032】
相関と閾値との比較を行うと、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)のX座標の値に1を加算する(ステップS17)。
【0033】
ここで、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)のX座標が入力画像の幅(WIDTH)を超えているか否か判定する(ステップS18)。顔検出テンプレートGs(i,j)のX座標が入力画像の幅(WIDTH)を超えていない場合(ステップS18、NO)、顔領域検出部151、152、及び153は、ステップS14にループする。
【0034】
顔検出テンプレートGs(i,j)のX座標が入力画像の幅(WIDTH)を超えている場合(ステップS18、YES)、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)のY座標の値に1を加算する(ステップS19)。
【0035】
ここで、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)のY座標が入力画像の高さ(HEIGHT)を超えているか否か判定する(ステップS20)。顔検出テンプレートGs(i,j)のY座標が入力画像の高さ(HEIGHT)を超えていない場合(ステップS20、NO)、顔領域検出部151、152、及び153は、ステップS13にループする。
【0036】
顔検出テンプレートGs(i,j)のY座標が入力画像の高さ(HEIGHT)を超えている場合(ステップS20、YES)、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートGs(i,j)のサイズを変更する。即ち、顔領域検出部151、152、及び153は、Sの値に1を加算する(ステップS21)
ここで、顔領域検出部151、152、及び153は、Sの値に対応するサイズの顔検出テンプレートGs(i,j)が存在するか否か判定する(ステップS22)。Sの値に対応するサイズの顔検出テンプレートGs(i,j)が存在する場合(ステップS22、YES)、顔領域検出部151、152、及び153は、ステップS12にループする。
【0037】
即ち、図5に示すように、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートを入力画像中で移動させ、各座標における相関を計算する。また、選択している顔検出テンプレートにより顔領域を検出することが出来ない場合、顔領域検出部151、152、及び153は、顔検出テンプレートのサイズを切り替え、顔領域の検出処理を行う。
【0038】
Sの値に対応するサイズの顔検出テンプレートGs(i,j)が存在しない場合(ステップS22、NO)、顔領域検出部151、152、及び153は、当該入力画像に対する顔領域の検出処理を終了する。
【0039】
顔領域を検出する方法は、種々の方法があり、上記した方法に限定されない。顔領域検出部は、例えば、固有空間法、または部分空間法などの他の顔領域を検出する為の方法を用いても実現することが出来る。
【0040】
顔特徴抽出部154、155、及び156は、顔特徴抽出手段として機能する。顔特徴抽出部154、155、及び156は、顔領域検出部により検出した顔領域の画像(顔画像)に基づいて顔特徴情報H(x,y)を抽出する。
【0041】
顔特徴抽出部154、155、及び156は、顔画像を、例えば、横32画素、縦32画素、輝度値の最高値255、且つ、輝度値の最低値0の画像に変換する。これにより、顔特徴抽出部154、155、及び156は、顔特徴情報を抽出する。
【0042】
図1に示す顔特徴抽出部154は、上記した処理により抽出した顔特徴情報を顔特徴記憶部157に送信する。
【0043】
顔特徴記憶部157は、顔特徴抽出部154から受信する顔特徴情報を記憶する。即ち、顔特徴記憶部157は、入力側の撮像端末のカメラにより取得された顔画像に基づいて抽出された顔特徴情報を記憶する。
【0044】
図6は、顔特徴記憶部157により記憶されているデータの例について説明する為の説明図である。図6に示すように、顔特徴記憶部157は、IDデータ、通行場所を示す場所情報、通行時間を示す情報、及び顔特徴情報を1つのカテゴリの登録データRc(i,j)とし、複数の登録データを記憶する。なお、照合部158から登録データを参照する場合、照合部158は、カテゴリCを値で指定し、照合に用いるカテゴリを選択する。
【0045】
通行管理装置150は、第1の場所に設置されている撮像端末により撮像された画像をインターフェース165により受信する。通行管理装置150は、第1の場所に設置されている撮像端末から入力された入力画像に基づき、顔特徴情報(第1の顔特徴情報)を抽出する。通行管理装置150は、抽出した顔特徴情報を顔特徴記憶部157に記憶する。この場合、通行管理装置150は、連番情報を自動的に発生させ、IDとして記憶する。
【0046】
また、通行管理装置150は、第1の場所に設置されている撮像端末により画像を撮像した時間に基づいて通行時間(第1の場所の通行時間)を特定し、通行時間を示す情報を顔特徴記憶部157に記憶する。またさらに、通行管理装置150は、画像を撮像した撮像端末が設置されている場所、即ち、第1の場所を示す場所情報(第1の場所情報)を顔特徴記憶部157に記憶する。
【0047】
また、通行管理装置150は、第2の場所に設置されている撮像端末から入力された入力画像に基づき、顔特徴情報(第2の顔特徴情報)を抽出する。照合部158は、第2の場所に設置されている撮像端末により撮像された画像に基づいて抽出された顔特徴情報と、顔特徴記憶部157に記憶されている登録データとで照合を行い、類似度を算出する。
【0048】
図7は、照合部158により行われる照合処理について説明する為のフローチャートである。
照合部158は、まず、カテゴリを示す情報であるCの値を0に設定する。(ステップS31)。
【0049】
照合部158は、顔特徴記憶部157に記憶されている登録データのうちの、カテゴリを示す情報がCであるカテゴリの登録データRc(i,j)と、第2の場所に設置されている撮像端末により撮像された画像に基づいて抽出された顔特徴情報H(x,y)とを照合し、類似度simcを算出する(ステップS32)。
【0050】
照合部158は、この場合、数式2に示すように、相関を求めることにより類似度simcを算出する。
【数2】

【0051】
照合部158は、1つの登録データと顔特徴情報との類似度simcを、例えば図示しないRAMメモリに出力する(ステップS33)。
【0052】
照合部158は、カテゴリを示す情報であるCの値に1を加算する(ステップS34)。
【0053】
ここで、照合部158は、顔特徴記憶部157に記憶されている全てのカテゴリの登録データについて類似度の算出が行なわれたか否か判定する(ステップS35)。
【0054】
顔特徴記憶部157に記憶されている全てのカテゴリの登録データについて類似度の算出が行なわれていないと判定した場合(ステップS35、NO)、照合部158は、ステップS32にループする。
【0055】
顔特徴記憶部157に記憶されている全てのカテゴリの登録データについて類似度の算出が行なわれたと判定した場合(ステップS35、YES)、照合部158は、算出した中で最も値の大きな類似度(最大の類似度)と、この類似度の算出に用いられた登録データのカテゴリのCの値とを照合判定部159に出力する(ステップS36)。
【0056】
なお、入力画像に基づく顔特徴情報と、登録されている顔特徴情報とを照合する方法は、種々の方法が存在し、上記した方法に限定されない。
【0057】
照合判定部159は、照合部158から出力された結果、即ち、最大の類似度とCの値とに基づき、入退場の管理についての最終判断を行う。照合判定部159は、最大の類似度と、予め定められている閾値とで比較を行う。
【0058】
照合判定部159は、最大の類似度が閾値以上である場合、「照合成功」と判定する。この場合、通行管理装置150は、特定のエリアの第1の場所を通行した人物が、第2の場所を通行したと判断する。照合判定部159は、「照合成功」という判定結果と、類似度と一緒に受信したCの値とを選別部160に出力する。
【0059】
また、照合判定部159は、最大の類似度が閾値未満である場合、「照合失敗」と判定する。即ち、照合部158及び照合判定部159は、顔特徴記憶部157により記憶されている顔特徴情報と顔特徴抽出部により抽出された顔特徴情報とを照合する照合手段として機能する。
【0060】
選別部160は、選別手段として機能する。選別部160は、人物の通行の状態を管理する。選別顔特徴記憶部161は、特定のエリアに滞在中の人物の登録データを記憶する。
【0061】
顔特徴記憶部157は、顔特徴情報を受信する毎に、登録データを選別顔特徴記憶部161にコピーする。なお、顔特徴記憶部157は、一定時間毎に、一定時間中に受信した顔特徴情報の登録データを選別顔特徴記憶部161にコピーするような構成であってもよい。
【0062】
即ち、選別顔特徴記憶部161及び、顔特徴記憶部157は、顔特徴抽出部により抽出された顔特徴情報を記憶する記憶手段として機能する。
【0063】
選別部160は、照合判定部159から「照合成功」という判定結果と、カテゴリを示すCの値とを受信した場合、このカテゴリの登録データに該当する人物が特定エリアに存在しないと判断する。選別部160は、存在しないと判断した人物に該当する登録データを、選別顔特徴記憶部161から削除する。即ち、選別部160は、照合判定部159から「照合成功」という判定結果と共に受信したCの値に該当するカテゴリの登録データを、選別顔特徴記憶部161から選別して削除する。
【0064】
上記した処理により、人物が第2の場所を通行するごとに選別顔特徴記憶部161から不要となった登録データが削除される。即ち、選別顔特徴記憶部161は、特定エリアに滞在中の人物の登録データのみを記憶する構成となっている。
【0065】
表示部162は、顔特徴記憶部157と選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データに基づいて、滞在状況を表示する。
【0066】
表示部162は、図8に示すような通行確認画面180を表示することが出来る。通行確認画面180は、複数のウィンド181乃至185を表示する。
【0067】
ウィンド181は、場所Aを通行した人物の顔特徴情報を一覧で表示する。ウィンド182は、場所Bを通行した人物の顔特徴情報を一覧で表示する。ウィンド183は、場所Cを通行した人物の顔特徴情報を一覧で表示する。
【0068】
ウィンド184は、場所Aを通行した人物のうちの、特定エリアに滞在中の人物の顔特徴情報を一覧で表示する。ウィンド185は、場所Bを通行した人物のうちの、特定エリアに滞在中の人物の顔特徴情報を一覧で表示する。
【0069】
図8に示すように、場所Aを通行した2名のうちの1名が、場所Cを通行していることが確認できる。また、場所Bを通行した2名が、場所Cを通行していることが確認できる。ここから、特定エリアに滞在中の人物を容易に確認することが出来る。また、特定エリアに滞在中の人物がどの場所を通行したかも容易に確認することが出来る。
【0070】
なお、表示部162は、顔特徴情報を表示するとして説明したが、顔特徴情報の抽出に用いた顔画像を表示するような構成であってもよい。
【0071】
照合部163は、窓口に設けられている窓口端末140のカメラ141により撮像された画像に基づいて抽出された顔特徴情報と、選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データとで照合を行い、類似度を算出する。即ち、照合部163は、入力画像から抽出した顔特徴情報と、特定エリアに滞在中の人物に該当する顔特徴情報とで照合を行う。
【0072】
照合判定部164は、照合判定部159と同様の処理により、「照合成功」と「照合失敗」のいずれかを判定し、判定結果を窓口端末140に出力する。照合判定部164は、「照合成功」と判定した場合、照合に用いた登録データ(IDデータ、通行場所を示す情報、通行時間を示す情報、及び顔特徴情報)などを「照合成功」の判定結果と共に窓口端末140に出力する。
【0073】
窓口端末140の表示部142は、通行管理装置150から受信した情報に基づき、種々の情報を表示する。即ち、表示部142は、カメラ141により撮像した人物がどの場所を通行したかを示す通行場所を示す情報を表示する。また、表示部142は、カメラ141により撮像した人物がどの時間に通行したかを示す通行時間を示す情報を表示する。
【0074】
また、表示部142は、照合判定部164から受信した顔特徴情報をさらに表示するようにしてもよい。
【0075】
なお、上記した顔領域検出部151、152、153、顔特徴抽出部154、155、156、照合部158、照合判定部159、選別部160、照合部163、及び照合判定部164は、図示しないCPU、RAM、ROM、及び不揮発性メモリにより実現される。
【0076】
CPUは、通行管理装置150の全体の制御を司るものである。CPUは、ROMあるいは不揮発性メモリに記憶されている制御プログラムや制御データに基づいて動作することにより、上記したような種々の処理部として機能する。
【0077】
RAMは、CPUのワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。即ち、RAMは、CPUが処理中のデータなどを一時保管する記憶手段として機能する。また、RAMは、入力部から受信したデータを一時保管する。ROMは、予め制御用のプログラムや制御データなどが記憶されている不揮発性のメモリである。
【0078】
不揮発性メモリは、例えば、EEPROMあるいはHDDなどの、データの書き込み及び書換えが可能な記憶媒体により構成される。不揮発性メモリには、当該通行管理装置150の運用用途に応じて制御プログラムや種々のデータが書込まれる。
【0079】
上記したように、本実施形態に係る通行管理装置は、特定エリアの第1の場所で取得した第1の顔特徴情報を顔特徴記憶部に蓄積する。顔特徴記憶部は、選別顔特徴記憶部に顔特徴情報をコピーする。通行管理装置は、第2の場所で取得した第2の顔特徴情報と顔特徴記憶部に記憶されている第1の顔特徴情報とで照合を行い、一致する顔特徴情報を選別顔特徴記憶部から削除する。
【0080】
人物の通行場所を確認する処理を行う場合、既に第2の場所を通行済みの人物の顔特徴情報が削除されている選別顔特徴記憶部に記憶されている顔特徴情報に基づいて照合を行う。このため、処理するデータの量を削減することができる。この結果として、短い処理時間で、且つ、高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び、通行管理方法を提供することができる。
【0081】
なお、本実施形態では、顔特徴情報を顔特徴記憶部に蓄積し、この顔特徴情報を選別顔特徴記憶部にコピーし、第2の場所を通行済みの人物の顔特徴情報を選別顔特徴記憶部から削除する構成として説明したが、これに限定されない。選別顔特徴記憶部に顔特徴情報をコピーせずに、第2の場所を通行済みの人物の顔特徴情報を顔特徴記憶部から削除する構成であってもよい。この場合、既に第2の場所を通行済みの人物の顔特徴情報が削除されている顔特徴記憶部に記憶されている顔特徴情報に基づいて人物が通行した場所を確認する処理を行う。
【0082】
また、本実施形態では、顔領域検出部151、152、153、顔特徴抽出部154、155、及び156を通行管理装置が備えている構成として説明したが、これに限定されない。撮像端末110、120、及び130がそれぞれ顔領域検出部と顔特徴抽出部とを備える構成であってもよい。
【0083】
次に、本発明の第2の実施形態に係る通行管理装置、及び、通行管理方法について、図を参照しながら詳細に説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システム2の構成例を概略的に説明するためのブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成には、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0084】
図9に示すように、通行管理システム2は、撮像端末110、120、130、窓口端末140、及び通行管理装置150を備えている。撮像端末110及び120は、特定エリアの第1の場所に設けられており、撮像端末130及び窓口端末140は、特定エリアの第2の場所に設けられていると仮定する。
【0085】
撮像端末110、120、及び130は、それぞれID入力部112、122、及び132を備えている。ID入力部112、122、及び132は、操作者に操作を入力させる為のID入力手段である。ID入力部112、122、及び132は、例えば、入力キー、若しくはカードリーダなどにより構成される。ID入力部112、122、及び132は、入力キーにより入力された入力情報、若しくは、カードリーダにより歩行者の所持するカード(例えば、ICカードなど)から情報を読み取る。
【0086】
ID入力部112、及び122は、読み取った情報をIDデータとして顔特徴記憶部157に送信する。通行管理装置150は、入力された入力画像に基づいて抽出した顔特徴情報を顔特徴記憶部157に記憶し、さらに、ID入力部から受信した情報を図6に示すIDデータとして記憶する。
【0087】
ID入力部112、及び122により入力されるIDデータ情報は、例えば、乗車券及びIDカードなどから得られる固有の情報である。
【0088】
ID入力部132は、読み取った情報を選別部160に送信する。選別部160は、ID入力部132からIDデータを受信した場合、受信したIDデータと顔特徴記憶部157に記憶されているIDデータとで照合を行う。
【0089】
一致するIDデータが見つかった場合、選別部160は、このIDデータを含む登録データに該当する人物が特定エリアの第2の場所を通行済みであると判断する。選別部160は、第2の場所を通行済みであると判断した人物に該当する登録データを、選別顔特徴記憶部161から削除する。
【0090】
なお、選別部160は、第1の実施形態に示すように、顔特徴情報の類似度に基づく照合も行う。この場合、選別部160は、顔画像の照合結果と、IDデータの照合の照合結果との論理和、若しくは論理積により統合的な照合結果を判断する。
【0091】
上記したように、本実施形態に係る通行管理装置は、特定エリアの第1の場所で顔特徴情報とIDデータとを取得し、顔特徴記憶部に蓄積する。顔特徴記憶部は、選別顔特徴記憶部に顔特徴情報及びIDデータをコピーする。通行管理装置は、第2の場所で取得した顔特徴情報及びIDデータと顔特徴記憶部に記憶されている顔特徴情報及びIDデータとでそれぞれ照合を行い、照合結果に基づいて選別顔特徴記憶部から登録データを削除する。
【0092】
この結果として、短い処理時間で、且つ、より高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び、通行管理方法を提供することができる。
【0093】
なお、本実施形態では、第2の場所で顔特徴情報及びIDデータを取得し、登録データとでそれぞれを照合する構成として説明したが、これに限定されない。第2の場所の撮像端末130のカメラ131を省き、登録データとの照合に取得したIDのみを用いる構成であってもよい。
【0094】
次に、本発明の第3の実施形態に係る通行管理装置、及び、通行管理方法について、図を参照しながら詳細に説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システム3の構成例を概略的に説明するためのブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成には、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
図10に示すように、通行管理システム3は、撮像端末110、120、130、窓口端末140、及び通行管理装置150を備えている。撮像端末110及び120は、特定エリアの第1の場所に設けられており、撮像端末130及び窓口端末140は、特定エリアの第2の場所に設けられていると仮定する。
【0096】
窓口端末140は、時間推定部143を備えている。時間推定部143は、時間推定手段として機能する。時間推定部143は、人物が場所Cの窓口に現れた時間tに基づいて、場所Aにおける通行時間、及び場所Bにおける通行時間を推定する。時間推定部143は、窓口端末140を操作する操作者の操作に応じて通行時間の推定を行う。
【0097】
即ち、時間推定部143は、場所Aから場所Cに移動することが可能な最短時間t1と、人物が場所Cの窓口に現れた時間tとに基づいて、場所Aにおける通行時間(推定通行時間)を推定する。また、時間推定部143は、場所Bから場所Cに移動することが可能な最短時間t2と、人物が場所Cの窓口に現れた時間tとに基づいて、場所Bにおける通行時間を推定する。
【0098】
時間推定部143は、推定した各場所における推定通行時間を示す情報を通行管理装置150に送信する。
【0099】
通行管理装置150は、検索部168、及び検索顔特徴記憶部169を備えている。検索部168は、検索手段として機能する。検索部168は、時間推定部143から各場所における推定通行時間を示す情報を受信する。検索部168は、時間推定部143から受信した各場所における推定通行時間を示す情報に基づいて、選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データを検索する。
【0100】
即ち、検索部168は、選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データの第1の場所を通行した時間を示す通過時間情報と、時間推定部143から受信した各場所における推定通行時間とを比較し、各場所における推定通行時間より前に通行している登録データを検索する。
【0101】
検索部168は、上記のように検索した登録データを検索顔特徴記憶部169に記憶する。即ち、検索顔特徴記憶部169は、窓口端末140が設置されている場所Cにたどりつく事が可能な登録データのみを記憶する。
【0102】
表示部162は、顔特徴記憶部157、選別顔特徴記憶部161、及び検索顔特徴記憶部169に記憶されている登録データに基づいて、滞在状況、及び特定の場所に到達可能な登録データの状況を表示する。
【0103】
表示部162は、図11に示すような通行確認画面180を表示することが出来る。通行確認画面180は、複数のウィンド181乃至185を表示する。さらに、通行確認画面180は、検索部168により検索した登録データを特定して表示する枠186及び枠187を表示する。
【0104】
前述したように、ウィンド184及びウィンド185は、場所Aまたは場所Bを通行した人物のうちの、第2の場所における通行が確認されていない人物の顔特徴情報を一覧で表示するウィンドである。
【0105】
枠186は、ウィンド184に表示されている顔特徴情報のうち、検索部168の検索条件に該当する登録データの顔特徴情報を特定して表示する。すなわち、ここでは、枠186は、場所Aを通行し、且つ、場所Cに到達可能な登録データの顔特徴情報を特定して表示する。
【0106】
枠187は、ウィンド185に表示されている顔特徴情報のうち、検索部168の検索条件に該当する登録データの顔特徴情報を特定して表示する。すなわち、ここでは、枠187は、場所Bを通行し、且つ、場所Cに到達可能な登録データの顔特徴情報を特定して表示する。
【0107】
図11に示すように、場所Aを通行した4名のうちの2名が特定エリアに滞在中であり、そのうちの1名が場所Cに到達している可能性があることが確認できる。また、場所Bを通行した4名のうちの3名が特定エリアに滞在中であり、そのうちの2名が場所Cに到達している可能性があることが確認できる。
【0108】
なお、表示部162は、顔特徴情報を表示するとして説明したが、顔特徴情報の抽出に用いた顔画像を表示するような構成であってもよい。
【0109】
照合部163は、窓口に設けられている窓口端末140のカメラ141により撮像された画像に基づいて抽出された顔特徴情報と、検索顔特徴記憶部169に記憶されている登録データとで照合を行い、類似度を算出する。即ち、照合部163は、入力画像から抽出した顔特徴情報と、場所Cに到達可能な人物の顔特徴情報とで照合を行う。
【0110】
上記したように、本実施形態に係る通行管理装置は、選別顔特徴記憶部に記憶されている登録データから、特定の条件にあてはまる登録データを検索する。通行管理装置は、検索した登録データを検索顔特徴記憶部に記憶する。窓口端末のカメラにより撮像した画像に基づいて人物の通行場所の確認を行う場合、通行管理装置は、検索顔特徴記憶部に記憶されている顔特徴情報を照合に用いる。この為、照合の対象となる登録データを絞ることが出来る。
【0111】
この結果として、より短い処理時間で、且つ、高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び、通行管理方法を提供することができる。
【0112】
次に、本発明の第4の実施形態に係る通行管理装置、及び、通行管理方法について、図を参照しながら詳細に説明する。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システム4の構成例を概略的に説明するためのブロック図である。なお、他の実施形態と同様の構成には、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0113】
図12に示すように、通行管理システム4は、撮像端末110、120、130、窓口端末140、及び通行管理装置150を備えている。撮像端末110及び120は、特定エリアの第1の場所に設けられており、撮像端末130及び窓口端末140は、特定エリアの第2の場所に設けられていると仮定する。
【0114】
窓口端末140は、場所情報入力部144を備えている。場所情報入力部144は、場所情報入力手段として機能する。場所情報入力部144は、場所Cの窓口に現れた人物が申告する場所を示す情報(場所情報)を入力するための入力手段である。場所情報入力部144は、キーボード若しくは、表示部142と一体に形成されたタッチパネルなどにより実現される。
【0115】
窓口端末140は、場所情報入力部144により入力された場所を示す場所情報を通行管理装置150に送信する。
【0116】
通行管理装置150は、検索部168、及び検索顔特徴記憶部169を備えている。検索部168は、場所情報入力部144により入力された場所情報を受信する。検索部168は、検索手段として機能する。検索部168は、場所情報入力部144により入力された場所情報に基づいて、選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データを検索する。
【0117】
即ち、検索部168は、選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データの通行場所を示す情報(第1の場所情報)と、場所情報入力部144により入力された場所を示す情報(第3の場所情報)とを比較し、一致する登録データを検索する。
【0118】
検索部168は、上記のように検索した登録データを検索顔特徴記憶部169に記憶する。即ち、検索顔特徴記憶部169は、場所情報入力部144により入力された第3の場所情報が示す場所を通行した人物の登録データのみを記憶する。
【0119】
表示部162は、顔特徴記憶部157、選別顔特徴記憶部161、及び検索顔特徴記憶部169に記憶されている登録データに基づいて、滞在状況を表示する。
【0120】
表示部162は、図13に示すような通行確認画面180を表示することが出来る。通行確認画面180は、複数のウィンド181、183、及び184を表示する。図13に示すように、場所Aを通行した4名のうちの2名が特定エリアに滞在中であることが確認できる。
【0121】
なお、表示部162は、顔特徴情報を表示するとして説明したが、顔特徴情報の抽出に用いた顔画像を表示するような構成であってもよい。
【0122】
照合部163は、窓口に設けられている窓口端末140のカメラ141により撮像された画像に基づいて抽出された顔特徴情報と、検索顔特徴記憶部169に記憶されている登録データとで照合を行い、類似度を算出する。即ち、照合部163は、入力画像から抽出した顔特徴情報と、場所情報入力部144により入力された場所で撮像した画像から抽出した顔特徴情報とで照合を行う。
【0123】
上記したように、本実施形態に係る通行管理装置は、選別顔特徴記憶部に記憶されている登録データから、特定の条件にあてはまる登録データを検索する。通行管理装置は、検索した登録データを検索顔特徴記憶部に記憶する。窓口端末のカメラにより撮像した画像に基づいて人物の通行場所の確認を行う場合、通行管理装置は、検索顔特徴記憶部に記憶されている顔特徴情報を照合に用いる。この為、照合の対象となる登録データを絞ることが出来る。
【0124】
この結果として、より短い処理時間で、且つ、高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び、通行管理方法を提供することができる。
【0125】
次に、本発明の第5の実施形態に係る通行管理装置、及び、通行管理方法について、図を参照しながら詳細に説明する。
図14は、本発明の第5の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システム5の構成例を概略的に説明するためのブロック図である。なお、他の実施形態と同様の構成には、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0126】
図14に示すように、通行管理システム5は、撮像端末110、120、窓口端末140、及び通行管理装置150を備えている。撮像端末110及び120は、特定エリアの第1の場所に設けられており、窓口端末140は、特定エリアの第2の場所に設けられていると仮定する。
【0127】
本実施形態に係る通行管理装置150は、第1の場所に設置されている撮像端末の数に対応する数の顔特徴記憶部157を備えている。顔特徴記憶部157は、図14に示すように、自身が対応する場所の撮像端末が定まっている。即ち、複数の顔特徴記憶部157は、それぞれ、所定の場所で取得された顔特徴情報のみを記憶する。
【0128】
また、本実施形態に係る通行管理装置150は、複数の顔特徴記憶部157に対応するように複数の照合部158を備えている。照合部158は、自身が対応する顔特徴記憶部157に記憶されている登録データと、窓口端末140のカメラ141により撮像した画像に基づいて抽出した顔特徴情報とで照合を行う。即ち、照合部158は、対応する顔特徴記憶部157に記憶されている各登録データ毎に類似度を算出する。
【0129】
また、本実施形態に係る通行管理装置150は、伝送制御手段としての伝送制御部170を備えている。伝送制御部170は、場所情報入力部144により入力された場所情報を受信する。伝送制御部170は、場所情報入力部144により入力された場所情報に基づいて、窓口端末140のカメラ141により撮像した画像に基づいて抽出した顔特徴情報を伝送する照合部158を複数の中から選択して伝送する
窓口端末140の表示部142は、通行管理装置150から受信した情報に基づき、種々の情報を表示する。本実施形態に係る表示部142は、照合部158により照合に用いられた登録データを類似度の値の高い順に並べて表示する。
【0130】
図15は、本発明の第5の実施形態に係る通行管理装置が適用される通行管理システムの他の構成例を概略的に説明するためのブロック図である。なお、他の実施形態と同様の構成には、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0131】
図15に示すように、通行管理システム6は、図14に示す通行管理装置150にさらに複数の選別部160及び複数の選別顔特徴記憶部161を備えている。また、各撮像端末110、120、及び130は、それぞれ、ID入力部112、122、及び132を備えている。
【0132】
顔特徴記憶部157は、第1の場所に設置されている撮像端末で入力されたIDデータを顔特徴情報と対応付けて記憶する。顔特徴記憶部157に記憶された登録データは、逐次、それぞれ対応する選別顔特徴記憶部161にコピーされる。
【0133】
選別部160は、図15に示すように、複数の顔特徴記憶部157及び複数の選別顔特徴記憶部161に対応するように複数設けられている。選別部160は、第2の場所に設置されている撮像端末130のID入力部132に入力されるIDデータに基づいて、選別顔特徴記憶部161の登録データを選別する。
【0134】
即ち、選別部160は、第2の場所に設置されている撮像端末130からIDデータを受信する。選別部160は、受信したIDデータと選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データのIDデータとで照合を行う。選別部160は、一致するIDデータが見つかった場合、このIDデータを含む登録データに該当する人物が特定エリアの第2の場所を通行したと判断する。選別部160は、第2の場所を通行した、即ち、特定エリア内に存在しないと判断した登録データを選別顔特徴記憶部161から削除する。
【0135】
照合部158は、複数の選別顔特徴記憶部161に対応するように複数設けられている。照合部158は、自身が対応する選別顔特徴記憶部161に記憶されている登録データと、窓口端末140のカメラ141により撮像した画像に基づいて抽出した顔特徴情報とで照合を行う。即ち、照合部158は、対応する選別顔特徴記憶部161に記憶されている各登録データ毎に類似度を算出する。
【0136】
窓口端末140の表示部142は、通行管理装置150から受信した情報に基づき、種々の情報を表示する。本実施形態に係る表示部142は、照合部158により照合に用いられた登録データを類似度の値の高い順に並べて表示する。
【0137】
このように、本実施形態に係る通行管理装置150は、場所毎に別の記憶部に顔特徴を記憶する。通行場所の確認を行う場合、通行管理装置150は、申請された場所に対応する記憶部に記憶されている登録データを用いて照合を行うことにより、処理時間を短縮することが出来る。
【0138】
上記したように、本実施形態に係る通行管理装置は、場所毎に別の記憶部に顔特徴を記憶する。通行場所の確認を行う場合、通行管理装置は、申請された場所に対応する記憶部に記憶されている登録データを用いて照合を行う。この為、照合の対象となる登録データを絞ることが出来る。
【0139】
この結果として、より短い処理時間で、且つ、高精度に人物の通行を管理する事ができる通行管理装置、及び、通行管理方法を提供することができる。
【0140】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1…通行管理システム、2…通行管理システム、3…通行管理システム、4…通行管理システム、5…通行管理システム、6…通行管理システム、110…撮像端末、111…カメラ、112…ID入力部、120…撮像端末、121…カメラ、122…ID入力部、130…撮像端末、131…カメラ、132…ID入力部、140…窓口端末、141…カメラ、142…表示部、143…時間推定部、144…場所情報入力部、150…通行管理装置、151…顔領域検出部、152…顔領域検出部、153…顔領域検出部、154…顔特徴抽出部、155…顔特徴抽出部、156…顔特徴抽出部、157…顔特徴記憶部、158…照合部、159…照合判定部、160…選別部、161…選別顔特徴記憶部、162…表示部、163…照合部、164…照合判定部、165…インターフェース、166…インターフェース、167…インターフェース、168…検索部、169…検索顔特徴記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定エリアの第1の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像が入力される第1の画像入力手段と、
前記第1の画像入力手段から入力された画像から顔画像を検出する第1の顔検出手段と、
前記第1の顔検出手段により検出した顔画像から第1の顔特徴情報を抽出する第1の顔特徴抽出手段と、
前記第1の顔特徴抽出手段により抽出された第1の顔特徴情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている第1の顔特徴情報を選別する選別手段と、
を具備することを特徴とする通行管理装置。
【請求項2】
前記特定エリアの前記第1の場所とは異なる第2の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像が入力される第2の画像入力手段と、
前記第2の画像入力手段から入力された画像から顔画像を検出する第2の顔検出手段と、
前記第2の顔検出手段により検出した顔画像から第2の顔特徴情報を抽出する第2の顔特徴抽出手段と、
前記記憶手段により記憶されている第1の顔特徴情報と前記第2の顔特徴抽出手段により抽出された第2の顔特徴情報とを照合する照合手段と、
をさらに具備し、
前記選別手段は、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記記憶手段により記憶されている第1の顔特徴情報を選別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通行管理装置。
【請求項3】
前記選別手段は、前記照合手段の照合において第2の顔特徴情報と一致する第1の顔特徴情報を前記記憶手段から削除することを特徴とする請求項2に記載の通行管理装置。
【請求項4】
前記人物により第1のIDデータが入力される第1のID入力手段と、
前記特定エリアの前記第1の場所とは異なる第2の場所を通過する人物により第2のIDデータが入力される第2のID入力手段と、
をさらに具備し、
前記記憶手段は、前記第1の顔特徴抽出手段により抽出された第1の顔特徴情報と、前記第1のID入力手段により入力された第1のIDデータとを対応付けて記憶し、
前記選別手段は、前記第2のID入力手段により入力された第2のIDデータと一致する第1のIDデータに対応付けられている顔特徴情報を前記記憶手段から削除することを特徴とする請求項1に記載の通行管理装置。
【請求項5】
第3の場所情報が入力される場所情報入力手段と、
前記場所情報入力手段により入力される第3の場所情報に基づいて前記記憶手段により記憶されている第1の顔特徴情報を検索する検索手段と、
をさらに具備し、
前記第1の画像入力手段は、前記特定エリアへの複数の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像を入力し、
前記記憶手段は、前記第1の顔特徴抽出手段により抽出された第1の顔特徴情報と、前記人物が通過した場所を示す第1の場所情報とを対応付けて記憶し、
前記検索手段は、前記場所情報入力手段により入力された第3の場所情報と一致する第1の場所情報に対応付けられている顔特徴情報を前記記憶手段から検索することを特徴とする請求項1に記載の通行管理装置。
【請求項6】
現時刻及び前記第1の場所とは異なる第2の場所を示す第2の場所情報に基づいて、前記人物が前記第1の場所を通過した推定通行時間を推定する時間推定手段と、
前記時間推定手段により推定される推定通行時間に基づいて前記記憶手段により記憶されている第1の顔特徴情報を検索する検索手段と、
をさらに具備し、
前記記憶手段は、前記第1の顔特徴抽出手段により抽出された第1の顔特徴情報と、前記人物が第1の場所を通過した時間を示す通過時間情報とを対応付けて記憶し、
前記検索手段は、前記時間推定手段により推定した推定通行時間より前の時間を示す前記第1の場所の通過時間情報に対応付けられている顔特徴情報を前記記憶手段から検索することを特徴とする請求項1に記載の通行管理装置。
【請求項7】
特定エリアの複数の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像が入力される複数の第1の画像入力手段と、
前記複数の第1の画像入力手段から入力された画像から顔画像を検出する第1の顔検出手段と、
前記第1の顔検出手段により検出した顔画像から第1の顔特徴情報を抽出する第1の顔特徴抽出手段と、
前記第1の顔特徴抽出手段により抽出された第1の顔特徴情報を場所ごとに記憶する複数の記憶手段と、
前記特定エリアの別の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像が入力される第2の画像入力手段と、
前記第2の画像入力手段から入力された画像から顔画像を検出する第2の顔検出手段と、
前記第2の顔検出手段により検出した顔画像から第2の顔特徴情報を抽出する第2の顔特徴抽出手段と、
前記複数の記憶手段と対応し、対応している前記記憶手段により記憶されている第1の顔特徴情報と前記第2の顔特徴抽出手段により抽出された第2の顔特徴情報とを照合する複数の照合手段と、
場所を示す場所情報が入力される場所情報入力手段と、
前記場所情報入力手段により入力された場所情報に基づいて、前記第2の顔特徴抽出手段により抽出された第2の顔特徴情報を伝送する前記照合手段を、前記複数の照合手段のなかから選択して伝送する伝送制御手段と、
を具備することを特徴とする通行管理装置。
【請求項8】
特定エリアの特定の場所を通過する人物の少なくとも顔を含む画像を入力し、
前記入力された画像から顔画像を検出し、
前記検出した顔画像から顔特徴情報を抽出し、
前記顔特徴情報を記憶し、
前記記憶されている顔特徴情報を選別する、
ことを特徴とする通行管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−204832(P2010−204832A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48116(P2009−48116)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】