進行方向変更支援システム及び車々間通信システム
【課題】 ドライバーの運転操作の集中力低下を抑制することのできる進行方向変更支援システムを提供する。
【解決手段】 進行方向変更支援システムは、交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両に関わる他車両との衝突の危険性に関する情報を示す危険度情報を求める危険度判定部と、危険度情報を走行ルートに関する情報に付加する情報提供内容決定部と、走行ルートに関する情報と危険度情報とをドライバーに提供する画像表示部及び音声通知部とを備える。
【解決手段】 進行方向変更支援システムは、交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両に関わる他車両との衝突の危険性に関する情報を示す危険度情報を求める危険度判定部と、危険度情報を走行ルートに関する情報に付加する情報提供内容決定部と、走行ルートに関する情報と危険度情報とをドライバーに提供する画像表示部及び音声通知部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は進行方向変更支援システム及び車々間通信システムに関し、例えば、交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する車両に対して、無線通信により車両間で相互に情報を交換し、この交換した結果を基に他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供しようとしたものである。
【背景技術】
【0002】
交差点において、右折、左折及び直進のいずれかに進行する車両に対して、他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供する従来のシステムとしては、例えば、特許文献1に記載されている右折衝突防止システムが知られている。
【0003】
この右折衝突防止システムは、対向車検出手段と、データベース手段と、車両位置検出手段と、車両状態検出手段と、対向車検出手段の車両情報、路面状況検出手段からの路面情報、データベース手段からの道路線形情報、車両位置検出手段からの自車位置情報及び車両状態検出手段からの自車情報に基づいて、ドライバーへの情報提供、警報又は右折車の制御を選択する判断処理手段と、ドライバーへの情報提供又は警報を知らせる情報提供出力部と、自車の走行制御を行う車両制御手段とを備えている。
【0004】
また、通信手段としては、路車間通信を用いており、この路車間通信においては、道路側から一定周期で受信する情報及び自車両の位置や速度等の情報を更新しながら衝突危険性判定が繰り返し実行され、情報提供、警報又は停止制御は、衝突危険性判定ありと判定されている間継続される。
【特許文献1】特開2001−126199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された右折衝突防止システムでは、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、第1に、情報提供又は警報が継続して行われるために、過度の情報提供又は警報によるドライバーの運転操作の集中力低下を引き起こす危険性がある。
【0007】
第2に、通信手段として路車間通信を用いているために、図10(a)、(b)に示すように、車両IIによるシャドウイング例のように、車両Iと道路側通信装置IIIとの間の通信が困難となる状況が発生する。
【0008】
なお、図10(a)は交差点において、車両Iと車両IIとが並走している状態を上面より見た様子(上面から道路に向かって見た様子)を示し、図10(b)は図10(a)の矢印IVの方向から、並走している車両Iと車両IIを見た様子(正面の様子)を示す。
【0009】
図10(a)、(b)から明らかなように、車両IIよりも小型の車両Iは車両IIによるシャドウイング範囲に存在することになるので、車両Iと道路側通信装置IIIとの間の通信が困難となる状況が発生する。
【0010】
そのような状況の下では、車両Iに対しては、路車間通信に基づく衝突危険性判定が実施されずに、情報提供、警報又は停止制御が行われない恐れがあり、そのため車両Iは、他車両との衝突の危険性を回避することが困難となる場合がある。
【0011】
本発明は、ドライバーの運転操作の集中力低下を抑制することのできる進行方向変更支援システムを提供することを目的とする。また、本発明は、確実に他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供することのできる車々間通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1の発明に係る進行方向変更支援システムは、交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両に関わる他車両との衝突の危険性に関する情報を示す危険度情報を、走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記自車両を運転するドライバーに提供する提供手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、第2の発明に係る進行方向変更支援システムは、自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する位置検出手段と、自車両の速さ及び進行方向に関する自車両速度情報を検出する速度検出手段と、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報を保存するデータベースと、走行ルートに関するパラメータ、上記自車両位置情報、上記自車両速度情報及び上記道路情報を基に走行ルートに関する走行ルート情報を決定する走行ルート決定手段と、他車両から送信される当該他車両の走行に関する情報を受信する受信手段と、上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報、上記速度検出手段によって検出された自車両速度情報、上記データベースに保存されている道路情報、上記走行ルート決定手段によって決定された走行ルート情報、及び上記受信手段によって受信された受信内容を基に、自車両が次に接近する交差点における当該自車両と上記他車両との衝突の危険度に関する危険度情報を求める危険度情報取得手段と、上記危険度情報取得手段によって求められた危険度情報を走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両を運転するドライバーに提供する提供手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、第3の発明に係る車々間通信システムは、第1の他車両、第2の他車両及び第3の他車両から送信され、他車両位置情報、他車両速度情報、他車両接近交差点情報、他車両交差点走行状態情報、他車両交差点到着時刻情報及び他車両交差点進行方向情報を含む他車両情報を受信する受信手段と、交差点位置及び道路形状を含む道路情報を保存するデータベースと、自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する検出手段と、上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報及び上記第2の他車両に関する上記他車両情報と、上記データベースに保存されている道路情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があるか否かを判定する第1の判定手段と、上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報と、上記データベースに保存されている道路情報と、上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報、上記第2の他車両に関する上記他車両情報及び上記第3の他車両に関する上記他車両情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する第2の判定手段と、上記第1の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があると判定され、かつ上記第2の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にないと判定された場合に、上記第1の他車両に関する上記他車両情報を上記第2の他車両へ送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る進行方向変更支援システムによれば、危険度情報の情報提供は継続して行われないので、ドライバーの運転操作の集中力低下を抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る進行方向変更支援システムによれば、危険度情報の情報提供タイミングは、走行に関する情報の情報提供タイミング、例えばカーナビゲーション等の車両HMIの元々の情報提供タイミングと連動したタイミングで行われるので、危険度情報の警報のタイミングをドライバーが予測できることになり、危険度情報の見落とし及び聞き落としも防止することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る車々間通信システムによれば、シャドウイングが発生した場合であっても、他車両からの迂回通信すなわちホッピングによって通信を行うことができるので、他車両との衝突の危険性に関する情報(危険度情報)を通信により取得することができる。これにより、確実に危険度情報をドライバーに提供することができ、他車両との衝突の危険性を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の構成要素には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0019】
(A)第1の実施形態
(A−1)第1の実施形態の構成
図3は、カーナビゲーションシステム等の車両HMIの機能構成を示している。
【0020】
車両HMI10は、図3に示すように、パラメータ設定部11、走行ルート決定部12、情報提供内容決定部13、自車両位置及び速度検出部14、地図データベース15、画面表示部16及び声通知部17を備えている。
【0021】
パラメータ設定部11は、目的地情報及び走行ルート決定時の優先順位等のドライバーが設定した走行ルート決定パラメータ1を走行ルート決定部12へ送信する。また、パラメータ設定部11は、画面表示方法及び音声通知方法等の情報提供内容決定パラメータ2を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0022】
自車両位置及び速度検出部14は、GPS(全地球測位システム)受信機等で構成され、自車両の位置及び速度に関する情報(以下「自車両位置及び速度情報」という)3を走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0023】
地図データベース15は、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報4を走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0024】
走行ルート決定部12は、走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度情報3、及び道路情報4を基に走行ルート情報5を決定し、この走行ルート情報5を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0025】
情報提供内容決定部13は、情報提供内容決定パラメータ2、自車両位置及び速度情報3、道路情報4、及び走行ルート情報5を基に、現在の自車両位置から交差点までの距離に関する距離通知及び右左折指示などの情報(走行ルートに関する情報)としての画面表示情報6及び音声通知情報7を、それぞれ画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0026】
画面表示部16は画面表示情報6をディスプレイによる画面表示によってドライバーに提供し、音声通知部17は音声通知情報7をスピーカによる音声通知(音声出力)よってドライバーに提供する。
【0027】
図1は、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの機能構成を示している。
【0028】
この進行方向変更支援システム100は、図3に示した車両HMI10と、危険度判定部20とを有している。車両HMI10と危険度判定部20とで情報提供部として機能する。この情報提供部を有する進行方向変更支援システム100は各車両に設けられているようになっている。
【0029】
パラメータ設定部11は、目的地情報及び走行ルート決定時の優先順位等のドライバーが設定した走行ルート決定パラメータ1を走行ルート決定部12へ送信する。また、パラメータ設定部11は、画面表示方法及び音声通知方法等の情報提供内容決定パラメータ2を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0030】
自車両位置及び速度検出部(位置検出手段、速度検出手段)14は、GPS(全地球測位システム)受信機等で構成され、自車両の位置に関する自車両位置情報を検出すると共に、自車両の速さ及び進行方向に関する自車両速度情報を検出し、これらの情報を自車両位置及び速度情報3として、走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0031】
地図データベース15(データベース)は、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報4を走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0032】
走行ルート決定部(走行ルート決定手段)12は、走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度情報3、及び道路情報4を基に走行ルート情報5を決定し、この走行ルート情報5を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0033】
危険度判定部(危険度情報取得手段)20は、自車両が接近している交差点において自車両が他車両と衝突する危険度に関する危険度情報8を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0034】
情報提供内容決定部13は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、接近している交差点における自車両の右折又は左折の有無を推定する。情報提供内容決定部13は、自車両は交差点において右折又は左折を行うと推定した場合は、自車両位置及び交差点位置情報を基に現在の自車両位置から交差点までの距離を算出すると共に、その算出した交差点までの距離が決められた範囲の場合に、右折情報又は左折情報(交差点における進行方向に関わる右折情報又は左折情報)と自車両の交差点までの距離情報とを含む走行ルートに関する情報としての画面表示情報6を画面表示部16へ送信すると共に、右折情報又は左折情報(交差点における進行方向に関わる右折情報又は左折情報)と自車両の交差点までの距離情報とを含む走行ルートに関する情報としての音声通知情報7を音声通知部17へ送信する。
【0035】
このような情報提供内容決定部13の推定処理機能(交差点における自車両の右折又は左折の有無の推定処理機能)は、図3に示した車両HMI(カーナビゲーションシステムなど)10の場合と同様である。
【0036】
さらに情報提供内容決定部(付加手段)13は、危険度情報8の提供処理機能も有しており、危険度情報8を受信した場合は、危険度情報8を、上記走行ルートに関する情報としての画面表示情報6及び音声通知情報7に付加する形で、画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0037】
画面表示部(提供手段、表示手段)16は、画面表示情報6をディスプレイによってドライバーに提供し、また危険度情報8が画面表示情報6に付加されているときは、危険度情報8に関する画面表示も行う。すなわち、画面表示部16は、上記走行ルートに関する情報としての画面表示情報6と危険度情報8とを同時に表示する。
【0038】
音声通知部(提供手段、音声出力手段)17は、音声通知情報7をスピーカによってドライバーに提供し、また危険度情報8が音声通知情報7に付加されているときは、危険度情報8に関する音声通知も行う。すなわち、音声通知部17は、上記走行ルートに関する情報としての画面表示情報6と危険度情報8とを音声出力する。
【0039】
図2は、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの全体の機能構成を示している。
【0040】
図2に示した進行方向変更支援システム100は、図1に示した進行方向変更支援システム100(の情報提供部)の構成に、他車両情報受信部30、受信アンテナ40、自車両情報送信部50、送信アンテナ60及び自車両情報決定部70を追加した構成になっている。このような進行方向変更支援システム100は各車両に設けられるようになっている。
【0041】
パラメータ設定部(走行ルート設定手段)11は、目的地情報(目的地位置と目的地までの走行ルート設定)及び走行ルート決定時の優先順位等のドライバーが設定した走行ルート決定パラメータ(走行ルートに関するパラメータ)1を走行ルート決定部12へ送信する。
【0042】
また、パラメータ設定部(設定手段)11は、交差点における右折指示又は左折指示と、自車両と他車両との衝突の危険度とを含むドライバーへ提供すべき情報の提供方法に関するパラメータ、すなわち、画面表示方法及び音声通知方法等の情報提供内容決定パラメータ2を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0043】
自車両位置及び速度検出部14は、GPS受信機等で構成され、自車両位置及び速度情報3を、走行ルート決定部12、情報提供内容決定部13、危険度判定部20及び自車両情報決定部70へ送信する。
【0044】
地図データベース15は、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報4を、走行ルート決定部12、情報提供内容決定部13、危険度判定部20及び自車両情報決定部70へ送信する。
【0045】
走行ルート決定部12は、走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度情報3、及び路情報4を基に走行ルート情報5を決定し、この走行ルート情報5を情報提供内容決定部13、危険度判定部20及び自車両情報決定部70へ送信する。
【0046】
他車両情報受信部(受信手段)30は、受信アンテナ40(受信手段)を介して他車両情報21を受信し、危険度判定部20へ送信する。
【0047】
危険度判定部20は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4、走行ルート情報5及び他車両情報21を基に、自車両が接近している交差点において自車両が他車両と衝突する危険度を判定するとともに、この判定した結果、衝突する危険度が高い他車両が存在する場合は、危険度情報8を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0048】
情報提供内容決定部13は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、接近している交差点における自車両の右折又は左折の有無を推定する。
【0049】
情報提供内容決定部13は、自車両は交差点において右折又は左折を行うと推定した場合は、自車両位置及び交差点位置情報を基に現在の自車両位置から交差点までの距離を算出するとともに、その算出した交差点までの距離が決められた範囲の場合に、右折情報又は左折情報や交差点までの距離情報等の画面表示情報6及び音声通知情報7を、それぞれ画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0050】
このような情報提供内容決定部13の推定処理機能(交差点における自車両の右折又は左折の有無の推定処理機能)は、図3に示した車両HMI(カーナビゲーションシステム)10の場合と同様である。
【0051】
さらに情報提供内容決定部13は、危険度情報8の提供処理機能も有しており、危険度情報8を受信した場合は、危険度情報8を、上述した右折情報又は左折情報や交差点までの距離情報等の画面表示情報6及び音声通知情報7に付加する形で、画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0052】
画面表示部16は、画面表示情報6をディスプレイによってドライバーに提供し、また危険度情報8が画面表示情報6に付加されているときは、危険度情報8に関する画面表示も行う。
【0053】
音声通知部17は、音声通知情報7をスピーカによってドライバーに提供し、また危険度情報8が音声通知情報7に付加されているときは、危険度情報8に関する音声通知も行う。
【0054】
自車両情報決定部70は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、自車両が接近している交差点における自車両の走行状態、すなわち、交差点において右折、左折、直進のいずれの走行状態になるかを推定し、自車両が次の交差点に到着する時間(又は時刻)及び次の交差点における進行方向を算出する。
【0055】
自車両情報決定部70は、自車両位置情報、速度情報(進行方向を含む速度情報)つまり自車両速度情報、自車両が次に接近する交差点の位置情報(自車両接近交差点情報)、推定した自車両の走行状態情報(自車両の次に接近する交差点における推定した走行状態情報)つまり自車両交差点走行状態情報、交差点に到達する時間(又は時刻)情報(自車両交差点到着時刻情報)、及び交差点における自車両の進行方向情報(自車両交差点進行方向情報)を自車両情報22として自車両情報送信部50へ送信する。
【0056】
すなわち、自車両情報決定部70は、次の(1)〜(4)の各機能を有している。
【0057】
(1)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点に関する情報を示す自車両接近交差点情報を決定する交差点情報決定手段の機能。
【0058】
(2)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点における自車両の右折、左折及び直進のいずれかの走行状態を推定し、この推定した自車両の走行状態に関する情報を示す自車両交差点走行状態情報を決定する走行状態情報決定手段の機能。
【0059】
(3)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点に自車両が到着する時刻に関する情報を示す自車両交差点到着時刻情報を決定する到着時刻情報決定手段の機能。
【0060】
(4)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点における自車両の進行方向に関する情報を示す自車両交差点進行方向情報を決定する進行方向情報決定手段の機能。
【0061】
自車両情報送信部(送信手段)50は、送信アンテナ(送信手段)60を介して自車両情報22を他車両へ送信する。
【0062】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの情報提供処理について、図4及び図2を参照して説明する。
【0063】
図4は、その情報提供処理の処理手順を示すフローチャートである。このような処理手順の情報提供処理を各車両が実施するようになっている。
【0064】
各車両は、走行開始前又は走行中に車両HMI10のパラメータ設定部11において目的地などの走行ルートに関する走行ルート決定パラメータ1と、画面表示方法及び音声通知方法、交差点において衝突の危険性がある場合にドライバーへ警報を提供する範囲(以下「情報提供範囲」という)等に関する情報提供内容決定パラメータ2と、を設定する(ステップS101)。なお、事前に情報提供範囲の情報が設定されている場合は、その情報と自動的に一致させる。
【0065】
走行ルート決定部12は、パラメータ設定部11から送られた走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度検出部14から送られた現在の自車両位置及び速度情報3、及び地図データベース15の道路情報4を基に、走行ルート情報5を決定する(ステップS102)。
【0066】
各車両では、走行中に、自車両情報決定部70が、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、自車両が接近している交差点における自車両の走行状態、すなわち交差点において右折、左折、直進のいずれの走行状態になるかを推定する(ステップS103)。
【0067】
走行することにより交差点に接近する各車両では、自車両情報決定部70は、ステップS103において決定した走行状態と、現在の自車両位置及び速度情報3とを基に、自車両情報22を決定し(ステップS104)、これを自車両情報送信部50へ出力する。
【0068】
自車両情報送信部50は、自車両情報決定部70から送られた自車両情報22を、送信アンテナ60を介して他車両へ送信する(ステップS105)。
【0069】
各車両は、走行中、自車両情報22を他車両へ送信する一方で、受信アンテナ40及び他車両情報受信部30を用いて他車両から送信されてくる他車両情報21を受信する(ステップS106)。
【0070】
そして、各車両では、危険度判定部20が、自車両位置及び速度情報3、道路情報4、走行ルート情報5及び他車両情報21を基に、自車両が接近している交差点において自車両が他車両と衝突する危険度を判定する。
【0071】
すなわち、危険度判定部20は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、自車両が接近している交差点における自車両の走行状態、すなわち交差点において右折、左折、直進のいずれの走行状態になるかを推定する(ステップS107)。
【0072】
危険度判定部20は、自車両が右折する時には自車両位置及び速度情報3と道路情報4の中の交差点位置情報とを基に自車両が交差点を右折する時刻を推定するとともに、他車両情報21を基に、上記推定した右折時刻に前方から直進車両が接近するか否かを判断する(ステップS108)。
【0073】
ステップS108において前方から直進車両が接近すると判断した危険度判定部20は、他車両情報21を基に、上記推定した右折時刻に前方からの直進車両と接近する危険度を判定する(ステップS109)。
【0074】
また、危険度判定部20は、自車両が左折する時には自車両位置及び速度情報3と道路情報4の中の交差点位置情報とを基に自車両が交差点を左折する時刻を推定するとともに、他車両情報21を基に上記推定した左折時刻に後方から直進車両が接近するか否かを判断する(ステップS110)。
【0075】
ステップS110において後方から直進車両が接近すると判断した危険度判定部20は、他車両情報21を基に、上記推定した左折時刻に後方からの直進車両と接触する危険度を判定する(ステップS111)。
【0076】
さらに、危険度判定部20は、自車両が直進する時には自車両位置及び速度情報3と道路情報4の中の交差点位置情報とを基に自車両が交差点を直進する時刻を推定するとともに、他車両情報21を基に上記推定した直進時刻に前方から右折車両が接近又は自車両と同一方向に走行する左折車両が存在するか否かを判断する(ステップS112)。
【0077】
ステップS112において前方から右折車両が接近又は自車両と同一方向に走行する左折車両が存在すると判断した危険度判定部20は、他車両情報21を基に、上記推定した直進時刻に前方から接近する右折車両又は前方を自車両と同一方向に走行する左折車両と接触する危険度を判定する(ステップS113)。
【0078】
そして、危険度判定部20は、ステップS109を終了した場合、ステップS111を終了した場合、ステップS113を終了した場合は、他車両との衝突の危険度を判定した結果は衝突の危険度が大きいか否か(衝突の可能性があるか否か)を判定し(ステップS114)、この判定した結果、衝突の危険度が大きいと判定した場合は、危険度情報8を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0079】
危険度情報8を受信した情報提供内容決定部13は、自車両位置及び速度情報3、及び道路情報4を基に現在の自車両の位置から交差点までの距離を算出し、この算出した距離が情報提供範囲よりも短いか否かを判定する(ステップS115)。
【0080】
情報提供内容決定部13は、ステップS115において上記算出した距離が情報提供範囲よりも短いかと判定した場合は、危険度情報8を車両HMI(カーナビゲーションシステムなど)10が元々提供する画面表示情報6とともに画面表示部16へ送信するとともに、危険度情報8を車両HMI(カーナビゲーションシステムなど)10が元々提供する音声通知情報7とともに音声通知部17へ送信する。
【0081】
画面表示部16は、危険度情報8を受信した場合、その危険度情報8を画面表示情報6と一緒のタイミング(通知タイミング)でディスプレイに表示することで、衝突の危険性をドライバーに通知する。これと同時に、音声通知部17は、危険度情報8を受信した場合、その危険度情報8を音声通知情報7と一緒のタイミング(通知タイミング)でスピーカから出力することで、衝突の危険性をドライバーに通知する(ステップS116)。
【0082】
これに対し、情報提供内容決定部13は、ステップS115において上記算出した距離が情報提供範囲よりも長いと判定した場合は、走行中の自車両に関する現在の自車両位置から交差点までの距離が情報提供範囲内に達するまで待機した後、危険度情報8を車両HMI10が元々提供する画面表示情報6とともに画面表示部16へ送信するとともに、危険度情報8を車両HMI10が元々提供する音声通知情報7とともに音声通知部17へ送信する。
【0083】
画面表示部16及び音声通知部17は、走行中の自車両に関する現在の自車両位置から交差点までの距離が情報提供範囲内に達したときに、危険度情報8を受信したときは、ステップS115の場合と同様にして危険度情報8を出力することで、衝突の危険性をドライバーに通知する(ステップS117)。
【0084】
そして、ステップS116を終了した場合、ステップS117を終了した場合、ステップS108において前方から直進車両が接近しないと判断された場合、ステップS110において後方から直進車両が接近しないと判断された場合、ステップS112において前方から右折車両が接近又は自車両と同一方向に走行する左折車両が存在しないと判断された場合、ステップS114において衝突の危険度が小さいと判定された場合、各車両では、情報提供内容決定部13が、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、目的地に到着したか否かを判断する(ステップS118)。
【0085】
ステップS118において、目的地に到着していないと判断された場合には上記ステップS103に戻り、一方、目的地に到着したと判断された場合は、この処理を終了する。
【0086】
すなわち、ステップS103からステップS117の各処理の一連の動作は、車両が走行中は継続して行われ、車両が目的地に到着した後に終了する。
【0087】
なお、第1の実施形態においては、情報提供範囲の設定及びそれに伴う情報提供タイミングは1つとしているが、本発明はこれに限定されることなく、複数の情報提供範囲を設定し、これらの情報提供範囲に対応する複数の情報提供タイミングで危険度情報を提供するようにしてもよい。
【0088】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、危険度情報の情報提供は継続して行われないので、ドライバーの運転操作の集中力低下を抑制することができる。つまり過度の情報提供又は警報によるドライバーの運転操作の集中力低下を引き起こす危険性がない。
【0089】
また、第1の実施形態によれば、危険度情報の情報提供タイミングはカーナビゲーション等の車両HMIの元々の情報提供タイミングと連動するか、若しくはドライバーが設定したタイミングで行われるので、危険度情報の警報のタイミングをドライバーが予測できることになり、危険度情報の見落とし及び聞き落としも防止することができる。
【0090】
(B)第2の実施形態
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、本発明の第2の実施形態に係る車々間通信システムの機能構成を示している。
【0091】
この車々間通信システム200は、各車両に設けられるものであり、車々間通信部210、ホッピング決定部220、地図データベース230、及び自車両位置検出部240を備えている。
【0092】
車々間通信部210は、他車両情報送信部211、他車両情報受信部212、送信アンテナ213及び受信アンテナ214を備えている。
【0093】
他車両送信部(送信手段)211は、ホッピング決定部220から送られてきた他車両の位置、速度、進行方向、交差点における走行状態(右折、左折、直進)、及び交差点位置等の他車両両情報204を、送信アンテナ(送信手段)213を介して他車両へ送信する。
【0094】
他車両情報受信部(受信手段)212は、他車両の位置、速度、進行方向、交差点における走行状態、及び交差点位置情報等の他車両情報201を、受信アンテナ(受信手段)4を介して受信し、これをホッピング決定部220へ送信する。
【0095】
この第2の実施形態では、送信アンテナ213と受信アンテナ214とは別々の構成としているが、これらのアンテナが一体化されたアンテナつまり送受信可能な送受信一体のアンテナを使用するようにしてもよい。
【0096】
地図データベース(データベース)230は、交差点位置等の道路情報203を保存しており、ホッピング決定部220へ送信する。
【0097】
自車両位置検出部(位置検出手段)240は、自車両位置情報203をホッピング決定部220へ送信する。
【0098】
ホッピング決定部(第1の判定手段、第2の判定手段)220は、第1の車両(以下、第1の他車両とする)から送られてきた他車両情報201を受信した場合、第1の他車両の情報、自車両情報、及び第1の他車両以外の第2の車両(以下、第2の他車両とする)から受信した情報を用いて、第1の他車両の情報を第2の他車両へ送信するべきか(以下「ホッピング」という)否かを決定する。
【0099】
次に、ホッピング決定方法の一例について、図6から図8を参照して説明する。
【0100】
なお、図6は、送信元である第1の他車両が右折する際の受信先である第2の他車両が走行する領域、及び第1の他車両の走行状態の様子を示している。図7は、送信元である第1の他車両が左折する際の受信先である第2の他車両が走行する領域、及び第1の他車両の走行状態の様子を示している。図8は、送信元である第1の他車両が直進する際の受信先である第2の他車両が走行する領域、及び第1の他車両の走行状態の様子を示している。
【0101】
交差点において第1の他車両が右折する場合は、図6に示すように、第1の他車両300Aが交差点300で衝突する危険性があるのは第1の領域310を走行する直進車両である。従って、自車両は、第2の他車両が領域310を直進する場合のみホッピングを行う。
【0102】
次に、交差点において第1の他車両が左折する場合は、図7に示すように、第1の他車両300Aが交差点300で衝突する危険性があるのは第2の領域320を走行する直進車両である。従って、自車両は、第2の他車両が領域320を直進する場合のみホッピングを行う。
【0103】
最後に、交差点において第1の他車両が直進する場合は、図8に示すように、第1の他車両300Aが交差点300で衝突する危険性があるのは第3の領域330を走行する右折車両、若しくは第4の領域340を走行する左折車両である。従って、自車両は、第2の他車両が領域330を右折若しくは領域340を左折する場合のみホッピングを行う。
【0104】
ただし、自車両は、第1の他車両の位置情報、第2の他車両の位置情報、自車両の位置情報、第1の他車両及び第2の他車両以外の車両(第3の車両=第3の他車両)の位置情報、及びカーブ等の道路形状に関する道路情報を基に、第1の他車両と第2の他車両とがお互いに見通しの範囲内に位置するか否かを判断し、見通し内に位置すると判断した場合は、ホッピングは行わない。
【0105】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係る車々間通信システムを有する各車両による車々間通信処理について、図9を参照して説明する。
【0106】
図9は、その車々間通信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0107】
ここでは、説明の都合上、第1の他車両の情報を受信する場合のみの車々間通信処理について説明するが、実際には他車両から情報を受信したときには全て同様の車々間通信処理を行う。
【0108】
各車両は、第1の他車両(以下、他車両Aとする)から送られてきた他車両情報201を車々間通信部210の受信アンテナ214及び他車両情報受信部212を用いて受信した場合は(ステップS201)、その他車両情報201をホッピング決定部220へ送信する。
【0109】
ホッピング決定部220は、他車両情報201の他車両Aの位置及び走行状態に関する情報、及び地図データベース230から送られてきた道路情報203を基に、他車両Aの交差点における走行状態(右折、左折、直進)を判定し(ステップS202)、この判定した結果をも基に、図6から図8で説明したホッピングするべき他車両の走行する領域を決定する。
【0110】
(他車両Aが右折する場合)
すなわち、ホッピング決定部220は、ステップS202において他車両A(第1の他車両)が右折すると判定した場合は、図6に示した第1の領域310を決定し(ステップS203)、その後、領域310を走行する第2の車両(以下、他車両Bとする)から受信した情報を基に、他車両Bが直進するか否かを判定する(ステップS204)。
【0111】
ステップS204において他車両Bが直進すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両B以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両B(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内(見通しの範囲内)の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS205)。
【0112】
そして、ステップS205において他車両Bと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両A(第1の他車両)の情報を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両B(第2の他車両)へ送信する(ステップS206)。ステップS206が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0113】
(他車両Aが左折する場合)
また、ホッピング決定部220は、ステップS202において第1の他車両Aが左折すると判定した場合は、図7に示した第2の領域320を決定し(ステップS207)、その後、領域320を走行する第2の車両(以下、他車両Cとする)から受信した情報を基に、他車両Cが直進するか否かを判定する(ステップS208)。
【0114】
ステップS208において他車両Cが直進すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両C以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両C(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS209)。
【0115】
そして、ステップS209において他車両Cと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両A(第1の他車両)の情報を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両C(第2の他車両)へ送信する(ステップS210)。ステップS210が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0116】
(他車両Aが直進する場合)
さらに、ホッピング決定部220は、ステップS202において他車両Aが直進すると判定した場合は、図8に示した第3の領域330及び第4の領域340を決定し(ステップS211)、その後、領域330を走行する第2の車両(以下、他車両Dとする)から受信した情報を基に、他車両Dが右折するか否かを判定する(ステップS212)。
【0117】
ステップS212において他車両Dが右折すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両D以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両D(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS213)。
【0118】
そして、ステップS213において他車両Dと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両A(第1の他車両)の情報を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両D(第2の他車両)へ送信する(ステップS214)。ステップS214が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0119】
最後に、ステップS212において他車両Dは右折しないと判定したホッピング決定部220は、領域340を走行する第2の車両(以下、他車両Eとする)から受信した情報を基に他車両Eが左折するか否かを判定する(ステップS215)。
【0120】
ステップS215において他車両Eが左折すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両E以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両E(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS216)。
【0121】
そして、ステップS216において他車両Eと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両Aの情報(第1の他車両)を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両E(第2の他車両)へ送信する(ステップS217)。ステップS217が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0122】
なお、ステップS204において領域310を走行する他車両Bは直進しないと判定された場合、ステップS205において他車両Bと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合、ステップS208において領域320を走行する他車両Cは直進しないと判定された場合、ステップS209において他車両Cと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合、ステップS213において他車両Dと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合、ステップS215において領域340を走行する他車両Eは左折しないと判定された場合、ステップS216において他車両Eと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合は、この車々間通信処理を終了する。
【0123】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、図10に示した車両IIによるシャドウイング例の如くシャドウイングが発生した場合であっても、他車両からの迂回通信すなわちホッピングによって通信を行うことができる。
【0124】
そのため、他車両との衝突の危険性に関する情報(危険度情報)を通信により取得して、確実に危険度情報をドライバーに提供することができ、他車両との衝突の危険性を回避することが可能となる。
【0125】
これに対し、上述した特許文献1の右折衝突防止システムを含む、通信手段として路車間通信を用いている従来のシステムでは、図10に示したように車両IIによるシャドウイング例のように、通信のシャドウイングが発生することに起因して車両Iと道路側通信装置IIIとの間の通信が困難となる状況が発生して、他車両との衝突の危険性を回避することが困難となる。
【0126】
(C)他の実施形態
第1の実施形態では、車々間通信によって車両位置に関する情報をお互いに交換するようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0127】
すなわち、受信アンテナとしての複数の指向性アンテナを、例えば360度を均等に分割した角度をもって配置する。また、所定の角度をもって配置された各指向性アンテナからの受信信号の受信電力を検出する検出機能(検出手段)を備える。
【0128】
これにより、他車両情報を受信した指向性アンテナの向く方向から他車両が走行する方向を検出可能であり、しかも受信電力から他車両との相対距離を検出可能である。このように車両位置情報を車々間通信で交換することなく、第1の実施形態の場合と同様の進行方向変更支援システムを実現することができる。
【0129】
また、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システム100(図2参照)と第2の実施形態に係る車々間通信システム200(図5参照)とは、別々の構成としているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0130】
すなわち、進行方向変更支援システム100の機能と車々間通信システム200の機能とを有するシステム例えば走行支援システムとする。そして、このような走行支援システムを各車両に設けるようにする。この場合、進行方向変更支援システム100及び車々間通信システム200で用いられる地図データベース、送信アンテナ等の機能は共用することが可能である。
【0131】
本発明は、十字路やT字路などの交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する車両に対して、他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供するシステム(走行支援システム)に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの一部(情報提供部)の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの全体の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの一部(情報提供部)に含まれる車両HMIの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムを有する各車両の情報提供処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る車々間通信システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図6】送信元である第1の車両が右折する際の受信先である第2の車両が走行する領域、及び第1の車両の走行状態の様子を示す図である。
【図7】送信元である第1の車両が左折する際の受信先である第2の車両が走行する領域、及び第1の車両の走行状態の様子を示す図である。
【図8】送信元である第1の車両が直進する際の受信先である第2の車両が走行する領域、及び第1の車両の走行状態の様子を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係る車々間通信システムを有する各車両による車々間通信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】通信手段として路車間通信を行うシステムでのシャドウイングを説明する図である。
【符号の説明】
【0133】
10…車両HMI、11…パラメータ設定部(設定手段、走行ルート設定手段)、12…走行ルート決定部(走行ルート決定手段)、13…情報提供内容決定部(付加手段)、14…自車両位置及び速度検出部(位置検出手段、速度検出手段)、15…地図データベース(データベース)、16…画面表示部(提供手段)、17…音声通知部(提供手段)、20…危険度判定部(危険度情報取得手段)、30…他車両情報受信部(受信手段)、40…受信アンテナ(受信手段)、50…自車両情報送信部(送信手段)、60…送信アンテナ、(送信手段)、70…自車両情報決定部(交差点情報決定手段、走行状態情報決定手段、到着時刻情報決定手段、進行方向情報決定手段)、100…進行方向変更支援システム、200…車々間通信システム、210…車々間通信部、211…他車両情報送信部(送信手段)、212…他車両情報受信部(受信手段)、213…送信アンテナ(送信手段)、214…受信アンテナ(受信手段)、220…ホッピング決定部(第1の判定手段、第2の判定手段)、230…地図データベース(データベース)、240…自車両位置検出部(検出手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は進行方向変更支援システム及び車々間通信システムに関し、例えば、交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する車両に対して、無線通信により車両間で相互に情報を交換し、この交換した結果を基に他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供しようとしたものである。
【背景技術】
【0002】
交差点において、右折、左折及び直進のいずれかに進行する車両に対して、他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供する従来のシステムとしては、例えば、特許文献1に記載されている右折衝突防止システムが知られている。
【0003】
この右折衝突防止システムは、対向車検出手段と、データベース手段と、車両位置検出手段と、車両状態検出手段と、対向車検出手段の車両情報、路面状況検出手段からの路面情報、データベース手段からの道路線形情報、車両位置検出手段からの自車位置情報及び車両状態検出手段からの自車情報に基づいて、ドライバーへの情報提供、警報又は右折車の制御を選択する判断処理手段と、ドライバーへの情報提供又は警報を知らせる情報提供出力部と、自車の走行制御を行う車両制御手段とを備えている。
【0004】
また、通信手段としては、路車間通信を用いており、この路車間通信においては、道路側から一定周期で受信する情報及び自車両の位置や速度等の情報を更新しながら衝突危険性判定が繰り返し実行され、情報提供、警報又は停止制御は、衝突危険性判定ありと判定されている間継続される。
【特許文献1】特開2001−126199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された右折衝突防止システムでは、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、第1に、情報提供又は警報が継続して行われるために、過度の情報提供又は警報によるドライバーの運転操作の集中力低下を引き起こす危険性がある。
【0007】
第2に、通信手段として路車間通信を用いているために、図10(a)、(b)に示すように、車両IIによるシャドウイング例のように、車両Iと道路側通信装置IIIとの間の通信が困難となる状況が発生する。
【0008】
なお、図10(a)は交差点において、車両Iと車両IIとが並走している状態を上面より見た様子(上面から道路に向かって見た様子)を示し、図10(b)は図10(a)の矢印IVの方向から、並走している車両Iと車両IIを見た様子(正面の様子)を示す。
【0009】
図10(a)、(b)から明らかなように、車両IIよりも小型の車両Iは車両IIによるシャドウイング範囲に存在することになるので、車両Iと道路側通信装置IIIとの間の通信が困難となる状況が発生する。
【0010】
そのような状況の下では、車両Iに対しては、路車間通信に基づく衝突危険性判定が実施されずに、情報提供、警報又は停止制御が行われない恐れがあり、そのため車両Iは、他車両との衝突の危険性を回避することが困難となる場合がある。
【0011】
本発明は、ドライバーの運転操作の集中力低下を抑制することのできる進行方向変更支援システムを提供することを目的とする。また、本発明は、確実に他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供することのできる車々間通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1の発明に係る進行方向変更支援システムは、交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両に関わる他車両との衝突の危険性に関する情報を示す危険度情報を、走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記自車両を運転するドライバーに提供する提供手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、第2の発明に係る進行方向変更支援システムは、自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する位置検出手段と、自車両の速さ及び進行方向に関する自車両速度情報を検出する速度検出手段と、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報を保存するデータベースと、走行ルートに関するパラメータ、上記自車両位置情報、上記自車両速度情報及び上記道路情報を基に走行ルートに関する走行ルート情報を決定する走行ルート決定手段と、他車両から送信される当該他車両の走行に関する情報を受信する受信手段と、上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報、上記速度検出手段によって検出された自車両速度情報、上記データベースに保存されている道路情報、上記走行ルート決定手段によって決定された走行ルート情報、及び上記受信手段によって受信された受信内容を基に、自車両が次に接近する交差点における当該自車両と上記他車両との衝突の危険度に関する危険度情報を求める危険度情報取得手段と、上記危険度情報取得手段によって求められた危険度情報を走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両を運転するドライバーに提供する提供手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、第3の発明に係る車々間通信システムは、第1の他車両、第2の他車両及び第3の他車両から送信され、他車両位置情報、他車両速度情報、他車両接近交差点情報、他車両交差点走行状態情報、他車両交差点到着時刻情報及び他車両交差点進行方向情報を含む他車両情報を受信する受信手段と、交差点位置及び道路形状を含む道路情報を保存するデータベースと、自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する検出手段と、上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報及び上記第2の他車両に関する上記他車両情報と、上記データベースに保存されている道路情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があるか否かを判定する第1の判定手段と、上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報と、上記データベースに保存されている道路情報と、上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報、上記第2の他車両に関する上記他車両情報及び上記第3の他車両に関する上記他車両情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する第2の判定手段と、上記第1の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があると判定され、かつ上記第2の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にないと判定された場合に、上記第1の他車両に関する上記他車両情報を上記第2の他車両へ送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る進行方向変更支援システムによれば、危険度情報の情報提供は継続して行われないので、ドライバーの運転操作の集中力低下を抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る進行方向変更支援システムによれば、危険度情報の情報提供タイミングは、走行に関する情報の情報提供タイミング、例えばカーナビゲーション等の車両HMIの元々の情報提供タイミングと連動したタイミングで行われるので、危険度情報の警報のタイミングをドライバーが予測できることになり、危険度情報の見落とし及び聞き落としも防止することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る車々間通信システムによれば、シャドウイングが発生した場合であっても、他車両からの迂回通信すなわちホッピングによって通信を行うことができるので、他車両との衝突の危険性に関する情報(危険度情報)を通信により取得することができる。これにより、確実に危険度情報をドライバーに提供することができ、他車両との衝突の危険性を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の構成要素には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0019】
(A)第1の実施形態
(A−1)第1の実施形態の構成
図3は、カーナビゲーションシステム等の車両HMIの機能構成を示している。
【0020】
車両HMI10は、図3に示すように、パラメータ設定部11、走行ルート決定部12、情報提供内容決定部13、自車両位置及び速度検出部14、地図データベース15、画面表示部16及び声通知部17を備えている。
【0021】
パラメータ設定部11は、目的地情報及び走行ルート決定時の優先順位等のドライバーが設定した走行ルート決定パラメータ1を走行ルート決定部12へ送信する。また、パラメータ設定部11は、画面表示方法及び音声通知方法等の情報提供内容決定パラメータ2を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0022】
自車両位置及び速度検出部14は、GPS(全地球測位システム)受信機等で構成され、自車両の位置及び速度に関する情報(以下「自車両位置及び速度情報」という)3を走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0023】
地図データベース15は、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報4を走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0024】
走行ルート決定部12は、走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度情報3、及び道路情報4を基に走行ルート情報5を決定し、この走行ルート情報5を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0025】
情報提供内容決定部13は、情報提供内容決定パラメータ2、自車両位置及び速度情報3、道路情報4、及び走行ルート情報5を基に、現在の自車両位置から交差点までの距離に関する距離通知及び右左折指示などの情報(走行ルートに関する情報)としての画面表示情報6及び音声通知情報7を、それぞれ画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0026】
画面表示部16は画面表示情報6をディスプレイによる画面表示によってドライバーに提供し、音声通知部17は音声通知情報7をスピーカによる音声通知(音声出力)よってドライバーに提供する。
【0027】
図1は、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの機能構成を示している。
【0028】
この進行方向変更支援システム100は、図3に示した車両HMI10と、危険度判定部20とを有している。車両HMI10と危険度判定部20とで情報提供部として機能する。この情報提供部を有する進行方向変更支援システム100は各車両に設けられているようになっている。
【0029】
パラメータ設定部11は、目的地情報及び走行ルート決定時の優先順位等のドライバーが設定した走行ルート決定パラメータ1を走行ルート決定部12へ送信する。また、パラメータ設定部11は、画面表示方法及び音声通知方法等の情報提供内容決定パラメータ2を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0030】
自車両位置及び速度検出部(位置検出手段、速度検出手段)14は、GPS(全地球測位システム)受信機等で構成され、自車両の位置に関する自車両位置情報を検出すると共に、自車両の速さ及び進行方向に関する自車両速度情報を検出し、これらの情報を自車両位置及び速度情報3として、走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0031】
地図データベース15(データベース)は、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報4を走行ルート決定部12及び情報提供内容決定部13へ送信する。
【0032】
走行ルート決定部(走行ルート決定手段)12は、走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度情報3、及び道路情報4を基に走行ルート情報5を決定し、この走行ルート情報5を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0033】
危険度判定部(危険度情報取得手段)20は、自車両が接近している交差点において自車両が他車両と衝突する危険度に関する危険度情報8を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0034】
情報提供内容決定部13は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、接近している交差点における自車両の右折又は左折の有無を推定する。情報提供内容決定部13は、自車両は交差点において右折又は左折を行うと推定した場合は、自車両位置及び交差点位置情報を基に現在の自車両位置から交差点までの距離を算出すると共に、その算出した交差点までの距離が決められた範囲の場合に、右折情報又は左折情報(交差点における進行方向に関わる右折情報又は左折情報)と自車両の交差点までの距離情報とを含む走行ルートに関する情報としての画面表示情報6を画面表示部16へ送信すると共に、右折情報又は左折情報(交差点における進行方向に関わる右折情報又は左折情報)と自車両の交差点までの距離情報とを含む走行ルートに関する情報としての音声通知情報7を音声通知部17へ送信する。
【0035】
このような情報提供内容決定部13の推定処理機能(交差点における自車両の右折又は左折の有無の推定処理機能)は、図3に示した車両HMI(カーナビゲーションシステムなど)10の場合と同様である。
【0036】
さらに情報提供内容決定部(付加手段)13は、危険度情報8の提供処理機能も有しており、危険度情報8を受信した場合は、危険度情報8を、上記走行ルートに関する情報としての画面表示情報6及び音声通知情報7に付加する形で、画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0037】
画面表示部(提供手段、表示手段)16は、画面表示情報6をディスプレイによってドライバーに提供し、また危険度情報8が画面表示情報6に付加されているときは、危険度情報8に関する画面表示も行う。すなわち、画面表示部16は、上記走行ルートに関する情報としての画面表示情報6と危険度情報8とを同時に表示する。
【0038】
音声通知部(提供手段、音声出力手段)17は、音声通知情報7をスピーカによってドライバーに提供し、また危険度情報8が音声通知情報7に付加されているときは、危険度情報8に関する音声通知も行う。すなわち、音声通知部17は、上記走行ルートに関する情報としての画面表示情報6と危険度情報8とを音声出力する。
【0039】
図2は、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの全体の機能構成を示している。
【0040】
図2に示した進行方向変更支援システム100は、図1に示した進行方向変更支援システム100(の情報提供部)の構成に、他車両情報受信部30、受信アンテナ40、自車両情報送信部50、送信アンテナ60及び自車両情報決定部70を追加した構成になっている。このような進行方向変更支援システム100は各車両に設けられるようになっている。
【0041】
パラメータ設定部(走行ルート設定手段)11は、目的地情報(目的地位置と目的地までの走行ルート設定)及び走行ルート決定時の優先順位等のドライバーが設定した走行ルート決定パラメータ(走行ルートに関するパラメータ)1を走行ルート決定部12へ送信する。
【0042】
また、パラメータ設定部(設定手段)11は、交差点における右折指示又は左折指示と、自車両と他車両との衝突の危険度とを含むドライバーへ提供すべき情報の提供方法に関するパラメータ、すなわち、画面表示方法及び音声通知方法等の情報提供内容決定パラメータ2を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0043】
自車両位置及び速度検出部14は、GPS受信機等で構成され、自車両位置及び速度情報3を、走行ルート決定部12、情報提供内容決定部13、危険度判定部20及び自車両情報決定部70へ送信する。
【0044】
地図データベース15は、交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報4を、走行ルート決定部12、情報提供内容決定部13、危険度判定部20及び自車両情報決定部70へ送信する。
【0045】
走行ルート決定部12は、走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度情報3、及び路情報4を基に走行ルート情報5を決定し、この走行ルート情報5を情報提供内容決定部13、危険度判定部20及び自車両情報決定部70へ送信する。
【0046】
他車両情報受信部(受信手段)30は、受信アンテナ40(受信手段)を介して他車両情報21を受信し、危険度判定部20へ送信する。
【0047】
危険度判定部20は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4、走行ルート情報5及び他車両情報21を基に、自車両が接近している交差点において自車両が他車両と衝突する危険度を判定するとともに、この判定した結果、衝突する危険度が高い他車両が存在する場合は、危険度情報8を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0048】
情報提供内容決定部13は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、接近している交差点における自車両の右折又は左折の有無を推定する。
【0049】
情報提供内容決定部13は、自車両は交差点において右折又は左折を行うと推定した場合は、自車両位置及び交差点位置情報を基に現在の自車両位置から交差点までの距離を算出するとともに、その算出した交差点までの距離が決められた範囲の場合に、右折情報又は左折情報や交差点までの距離情報等の画面表示情報6及び音声通知情報7を、それぞれ画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0050】
このような情報提供内容決定部13の推定処理機能(交差点における自車両の右折又は左折の有無の推定処理機能)は、図3に示した車両HMI(カーナビゲーションシステム)10の場合と同様である。
【0051】
さらに情報提供内容決定部13は、危険度情報8の提供処理機能も有しており、危険度情報8を受信した場合は、危険度情報8を、上述した右折情報又は左折情報や交差点までの距離情報等の画面表示情報6及び音声通知情報7に付加する形で、画面表示部16及び音声通知部17へ送信する。
【0052】
画面表示部16は、画面表示情報6をディスプレイによってドライバーに提供し、また危険度情報8が画面表示情報6に付加されているときは、危険度情報8に関する画面表示も行う。
【0053】
音声通知部17は、音声通知情報7をスピーカによってドライバーに提供し、また危険度情報8が音声通知情報7に付加されているときは、危険度情報8に関する音声通知も行う。
【0054】
自車両情報決定部70は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、自車両が接近している交差点における自車両の走行状態、すなわち、交差点において右折、左折、直進のいずれの走行状態になるかを推定し、自車両が次の交差点に到着する時間(又は時刻)及び次の交差点における進行方向を算出する。
【0055】
自車両情報決定部70は、自車両位置情報、速度情報(進行方向を含む速度情報)つまり自車両速度情報、自車両が次に接近する交差点の位置情報(自車両接近交差点情報)、推定した自車両の走行状態情報(自車両の次に接近する交差点における推定した走行状態情報)つまり自車両交差点走行状態情報、交差点に到達する時間(又は時刻)情報(自車両交差点到着時刻情報)、及び交差点における自車両の進行方向情報(自車両交差点進行方向情報)を自車両情報22として自車両情報送信部50へ送信する。
【0056】
すなわち、自車両情報決定部70は、次の(1)〜(4)の各機能を有している。
【0057】
(1)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点に関する情報を示す自車両接近交差点情報を決定する交差点情報決定手段の機能。
【0058】
(2)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点における自車両の右折、左折及び直進のいずれかの走行状態を推定し、この推定した自車両の走行状態に関する情報を示す自車両交差点走行状態情報を決定する走行状態情報決定手段の機能。
【0059】
(3)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点に自車両が到着する時刻に関する情報を示す自車両交差点到着時刻情報を決定する到着時刻情報決定手段の機能。
【0060】
(4)自車両位置及び速度情報3(自車両位置情報、自車両速度情報)、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、次に接近する交差点における自車両の進行方向に関する情報を示す自車両交差点進行方向情報を決定する進行方向情報決定手段の機能。
【0061】
自車両情報送信部(送信手段)50は、送信アンテナ(送信手段)60を介して自車両情報22を他車両へ送信する。
【0062】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの情報提供処理について、図4及び図2を参照して説明する。
【0063】
図4は、その情報提供処理の処理手順を示すフローチャートである。このような処理手順の情報提供処理を各車両が実施するようになっている。
【0064】
各車両は、走行開始前又は走行中に車両HMI10のパラメータ設定部11において目的地などの走行ルートに関する走行ルート決定パラメータ1と、画面表示方法及び音声通知方法、交差点において衝突の危険性がある場合にドライバーへ警報を提供する範囲(以下「情報提供範囲」という)等に関する情報提供内容決定パラメータ2と、を設定する(ステップS101)。なお、事前に情報提供範囲の情報が設定されている場合は、その情報と自動的に一致させる。
【0065】
走行ルート決定部12は、パラメータ設定部11から送られた走行ルート決定パラメータ1、自車両位置及び速度検出部14から送られた現在の自車両位置及び速度情報3、及び地図データベース15の道路情報4を基に、走行ルート情報5を決定する(ステップS102)。
【0066】
各車両では、走行中に、自車両情報決定部70が、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、自車両が接近している交差点における自車両の走行状態、すなわち交差点において右折、左折、直進のいずれの走行状態になるかを推定する(ステップS103)。
【0067】
走行することにより交差点に接近する各車両では、自車両情報決定部70は、ステップS103において決定した走行状態と、現在の自車両位置及び速度情報3とを基に、自車両情報22を決定し(ステップS104)、これを自車両情報送信部50へ出力する。
【0068】
自車両情報送信部50は、自車両情報決定部70から送られた自車両情報22を、送信アンテナ60を介して他車両へ送信する(ステップS105)。
【0069】
各車両は、走行中、自車両情報22を他車両へ送信する一方で、受信アンテナ40及び他車両情報受信部30を用いて他車両から送信されてくる他車両情報21を受信する(ステップS106)。
【0070】
そして、各車両では、危険度判定部20が、自車両位置及び速度情報3、道路情報4、走行ルート情報5及び他車両情報21を基に、自車両が接近している交差点において自車両が他車両と衝突する危険度を判定する。
【0071】
すなわち、危険度判定部20は、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、自車両が接近している交差点における自車両の走行状態、すなわち交差点において右折、左折、直進のいずれの走行状態になるかを推定する(ステップS107)。
【0072】
危険度判定部20は、自車両が右折する時には自車両位置及び速度情報3と道路情報4の中の交差点位置情報とを基に自車両が交差点を右折する時刻を推定するとともに、他車両情報21を基に、上記推定した右折時刻に前方から直進車両が接近するか否かを判断する(ステップS108)。
【0073】
ステップS108において前方から直進車両が接近すると判断した危険度判定部20は、他車両情報21を基に、上記推定した右折時刻に前方からの直進車両と接近する危険度を判定する(ステップS109)。
【0074】
また、危険度判定部20は、自車両が左折する時には自車両位置及び速度情報3と道路情報4の中の交差点位置情報とを基に自車両が交差点を左折する時刻を推定するとともに、他車両情報21を基に上記推定した左折時刻に後方から直進車両が接近するか否かを判断する(ステップS110)。
【0075】
ステップS110において後方から直進車両が接近すると判断した危険度判定部20は、他車両情報21を基に、上記推定した左折時刻に後方からの直進車両と接触する危険度を判定する(ステップS111)。
【0076】
さらに、危険度判定部20は、自車両が直進する時には自車両位置及び速度情報3と道路情報4の中の交差点位置情報とを基に自車両が交差点を直進する時刻を推定するとともに、他車両情報21を基に上記推定した直進時刻に前方から右折車両が接近又は自車両と同一方向に走行する左折車両が存在するか否かを判断する(ステップS112)。
【0077】
ステップS112において前方から右折車両が接近又は自車両と同一方向に走行する左折車両が存在すると判断した危険度判定部20は、他車両情報21を基に、上記推定した直進時刻に前方から接近する右折車両又は前方を自車両と同一方向に走行する左折車両と接触する危険度を判定する(ステップS113)。
【0078】
そして、危険度判定部20は、ステップS109を終了した場合、ステップS111を終了した場合、ステップS113を終了した場合は、他車両との衝突の危険度を判定した結果は衝突の危険度が大きいか否か(衝突の可能性があるか否か)を判定し(ステップS114)、この判定した結果、衝突の危険度が大きいと判定した場合は、危険度情報8を情報提供内容決定部13へ送信する。
【0079】
危険度情報8を受信した情報提供内容決定部13は、自車両位置及び速度情報3、及び道路情報4を基に現在の自車両の位置から交差点までの距離を算出し、この算出した距離が情報提供範囲よりも短いか否かを判定する(ステップS115)。
【0080】
情報提供内容決定部13は、ステップS115において上記算出した距離が情報提供範囲よりも短いかと判定した場合は、危険度情報8を車両HMI(カーナビゲーションシステムなど)10が元々提供する画面表示情報6とともに画面表示部16へ送信するとともに、危険度情報8を車両HMI(カーナビゲーションシステムなど)10が元々提供する音声通知情報7とともに音声通知部17へ送信する。
【0081】
画面表示部16は、危険度情報8を受信した場合、その危険度情報8を画面表示情報6と一緒のタイミング(通知タイミング)でディスプレイに表示することで、衝突の危険性をドライバーに通知する。これと同時に、音声通知部17は、危険度情報8を受信した場合、その危険度情報8を音声通知情報7と一緒のタイミング(通知タイミング)でスピーカから出力することで、衝突の危険性をドライバーに通知する(ステップS116)。
【0082】
これに対し、情報提供内容決定部13は、ステップS115において上記算出した距離が情報提供範囲よりも長いと判定した場合は、走行中の自車両に関する現在の自車両位置から交差点までの距離が情報提供範囲内に達するまで待機した後、危険度情報8を車両HMI10が元々提供する画面表示情報6とともに画面表示部16へ送信するとともに、危険度情報8を車両HMI10が元々提供する音声通知情報7とともに音声通知部17へ送信する。
【0083】
画面表示部16及び音声通知部17は、走行中の自車両に関する現在の自車両位置から交差点までの距離が情報提供範囲内に達したときに、危険度情報8を受信したときは、ステップS115の場合と同様にして危険度情報8を出力することで、衝突の危険性をドライバーに通知する(ステップS117)。
【0084】
そして、ステップS116を終了した場合、ステップS117を終了した場合、ステップS108において前方から直進車両が接近しないと判断された場合、ステップS110において後方から直進車両が接近しないと判断された場合、ステップS112において前方から右折車両が接近又は自車両と同一方向に走行する左折車両が存在しないと判断された場合、ステップS114において衝突の危険度が小さいと判定された場合、各車両では、情報提供内容決定部13が、自車両位置及び速度情報3、道路情報4及び走行ルート情報5を基に、目的地に到着したか否かを判断する(ステップS118)。
【0085】
ステップS118において、目的地に到着していないと判断された場合には上記ステップS103に戻り、一方、目的地に到着したと判断された場合は、この処理を終了する。
【0086】
すなわち、ステップS103からステップS117の各処理の一連の動作は、車両が走行中は継続して行われ、車両が目的地に到着した後に終了する。
【0087】
なお、第1の実施形態においては、情報提供範囲の設定及びそれに伴う情報提供タイミングは1つとしているが、本発明はこれに限定されることなく、複数の情報提供範囲を設定し、これらの情報提供範囲に対応する複数の情報提供タイミングで危険度情報を提供するようにしてもよい。
【0088】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、危険度情報の情報提供は継続して行われないので、ドライバーの運転操作の集中力低下を抑制することができる。つまり過度の情報提供又は警報によるドライバーの運転操作の集中力低下を引き起こす危険性がない。
【0089】
また、第1の実施形態によれば、危険度情報の情報提供タイミングはカーナビゲーション等の車両HMIの元々の情報提供タイミングと連動するか、若しくはドライバーが設定したタイミングで行われるので、危険度情報の警報のタイミングをドライバーが予測できることになり、危険度情報の見落とし及び聞き落としも防止することができる。
【0090】
(B)第2の実施形態
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、本発明の第2の実施形態に係る車々間通信システムの機能構成を示している。
【0091】
この車々間通信システム200は、各車両に設けられるものであり、車々間通信部210、ホッピング決定部220、地図データベース230、及び自車両位置検出部240を備えている。
【0092】
車々間通信部210は、他車両情報送信部211、他車両情報受信部212、送信アンテナ213及び受信アンテナ214を備えている。
【0093】
他車両送信部(送信手段)211は、ホッピング決定部220から送られてきた他車両の位置、速度、進行方向、交差点における走行状態(右折、左折、直進)、及び交差点位置等の他車両両情報204を、送信アンテナ(送信手段)213を介して他車両へ送信する。
【0094】
他車両情報受信部(受信手段)212は、他車両の位置、速度、進行方向、交差点における走行状態、及び交差点位置情報等の他車両情報201を、受信アンテナ(受信手段)4を介して受信し、これをホッピング決定部220へ送信する。
【0095】
この第2の実施形態では、送信アンテナ213と受信アンテナ214とは別々の構成としているが、これらのアンテナが一体化されたアンテナつまり送受信可能な送受信一体のアンテナを使用するようにしてもよい。
【0096】
地図データベース(データベース)230は、交差点位置等の道路情報203を保存しており、ホッピング決定部220へ送信する。
【0097】
自車両位置検出部(位置検出手段)240は、自車両位置情報203をホッピング決定部220へ送信する。
【0098】
ホッピング決定部(第1の判定手段、第2の判定手段)220は、第1の車両(以下、第1の他車両とする)から送られてきた他車両情報201を受信した場合、第1の他車両の情報、自車両情報、及び第1の他車両以外の第2の車両(以下、第2の他車両とする)から受信した情報を用いて、第1の他車両の情報を第2の他車両へ送信するべきか(以下「ホッピング」という)否かを決定する。
【0099】
次に、ホッピング決定方法の一例について、図6から図8を参照して説明する。
【0100】
なお、図6は、送信元である第1の他車両が右折する際の受信先である第2の他車両が走行する領域、及び第1の他車両の走行状態の様子を示している。図7は、送信元である第1の他車両が左折する際の受信先である第2の他車両が走行する領域、及び第1の他車両の走行状態の様子を示している。図8は、送信元である第1の他車両が直進する際の受信先である第2の他車両が走行する領域、及び第1の他車両の走行状態の様子を示している。
【0101】
交差点において第1の他車両が右折する場合は、図6に示すように、第1の他車両300Aが交差点300で衝突する危険性があるのは第1の領域310を走行する直進車両である。従って、自車両は、第2の他車両が領域310を直進する場合のみホッピングを行う。
【0102】
次に、交差点において第1の他車両が左折する場合は、図7に示すように、第1の他車両300Aが交差点300で衝突する危険性があるのは第2の領域320を走行する直進車両である。従って、自車両は、第2の他車両が領域320を直進する場合のみホッピングを行う。
【0103】
最後に、交差点において第1の他車両が直進する場合は、図8に示すように、第1の他車両300Aが交差点300で衝突する危険性があるのは第3の領域330を走行する右折車両、若しくは第4の領域340を走行する左折車両である。従って、自車両は、第2の他車両が領域330を右折若しくは領域340を左折する場合のみホッピングを行う。
【0104】
ただし、自車両は、第1の他車両の位置情報、第2の他車両の位置情報、自車両の位置情報、第1の他車両及び第2の他車両以外の車両(第3の車両=第3の他車両)の位置情報、及びカーブ等の道路形状に関する道路情報を基に、第1の他車両と第2の他車両とがお互いに見通しの範囲内に位置するか否かを判断し、見通し内に位置すると判断した場合は、ホッピングは行わない。
【0105】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係る車々間通信システムを有する各車両による車々間通信処理について、図9を参照して説明する。
【0106】
図9は、その車々間通信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0107】
ここでは、説明の都合上、第1の他車両の情報を受信する場合のみの車々間通信処理について説明するが、実際には他車両から情報を受信したときには全て同様の車々間通信処理を行う。
【0108】
各車両は、第1の他車両(以下、他車両Aとする)から送られてきた他車両情報201を車々間通信部210の受信アンテナ214及び他車両情報受信部212を用いて受信した場合は(ステップS201)、その他車両情報201をホッピング決定部220へ送信する。
【0109】
ホッピング決定部220は、他車両情報201の他車両Aの位置及び走行状態に関する情報、及び地図データベース230から送られてきた道路情報203を基に、他車両Aの交差点における走行状態(右折、左折、直進)を判定し(ステップS202)、この判定した結果をも基に、図6から図8で説明したホッピングするべき他車両の走行する領域を決定する。
【0110】
(他車両Aが右折する場合)
すなわち、ホッピング決定部220は、ステップS202において他車両A(第1の他車両)が右折すると判定した場合は、図6に示した第1の領域310を決定し(ステップS203)、その後、領域310を走行する第2の車両(以下、他車両Bとする)から受信した情報を基に、他車両Bが直進するか否かを判定する(ステップS204)。
【0111】
ステップS204において他車両Bが直進すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両B以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両B(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内(見通しの範囲内)の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS205)。
【0112】
そして、ステップS205において他車両Bと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両A(第1の他車両)の情報を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両B(第2の他車両)へ送信する(ステップS206)。ステップS206が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0113】
(他車両Aが左折する場合)
また、ホッピング決定部220は、ステップS202において第1の他車両Aが左折すると判定した場合は、図7に示した第2の領域320を決定し(ステップS207)、その後、領域320を走行する第2の車両(以下、他車両Cとする)から受信した情報を基に、他車両Cが直進するか否かを判定する(ステップS208)。
【0114】
ステップS208において他車両Cが直進すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両C以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両C(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS209)。
【0115】
そして、ステップS209において他車両Cと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両A(第1の他車両)の情報を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両C(第2の他車両)へ送信する(ステップS210)。ステップS210が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0116】
(他車両Aが直進する場合)
さらに、ホッピング決定部220は、ステップS202において他車両Aが直進すると判定した場合は、図8に示した第3の領域330及び第4の領域340を決定し(ステップS211)、その後、領域330を走行する第2の車両(以下、他車両Dとする)から受信した情報を基に、他車両Dが右折するか否かを判定する(ステップS212)。
【0117】
ステップS212において他車両Dが右折すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両D以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両D(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS213)。
【0118】
そして、ステップS213において他車両Dと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両A(第1の他車両)の情報を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両D(第2の他車両)へ送信する(ステップS214)。ステップS214が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0119】
最後に、ステップS212において他車両Dは右折しないと判定したホッピング決定部220は、領域340を走行する第2の車両(以下、他車両Eとする)から受信した情報を基に他車両Eが左折するか否かを判定する(ステップS215)。
【0120】
ステップS215において他車両Eが左折すると判定したホッピング決定部220は、他車両A及び他車両E以外の車両(第3の他車両)の位置情報、及び道路情報203の道路形状に関する情報を基に、他車両E(第2の他車両)と他車両A(第1の他車両)とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する(ステップS216)。
【0121】
そして、ステップS216において他車両Eと他車両Aとが見通し内の位置関係にはないと判定したホッピング決定部220は、他車両Aの情報(第1の他車両)を、他車両情報送信部211及び送信アンテナ213を通して他車両E(第2の他車両)へ送信する(ステップS217)。ステップS217が終了した後は、この車々間通信処理を終了する。
【0122】
なお、ステップS204において領域310を走行する他車両Bは直進しないと判定された場合、ステップS205において他車両Bと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合、ステップS208において領域320を走行する他車両Cは直進しないと判定された場合、ステップS209において他車両Cと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合、ステップS213において他車両Dと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合、ステップS215において領域340を走行する他車両Eは左折しないと判定された場合、ステップS216において他車両Eと他車両Aとが見通し内の位置関係にあると判定された場合は、この車々間通信処理を終了する。
【0123】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、図10に示した車両IIによるシャドウイング例の如くシャドウイングが発生した場合であっても、他車両からの迂回通信すなわちホッピングによって通信を行うことができる。
【0124】
そのため、他車両との衝突の危険性に関する情報(危険度情報)を通信により取得して、確実に危険度情報をドライバーに提供することができ、他車両との衝突の危険性を回避することが可能となる。
【0125】
これに対し、上述した特許文献1の右折衝突防止システムを含む、通信手段として路車間通信を用いている従来のシステムでは、図10に示したように車両IIによるシャドウイング例のように、通信のシャドウイングが発生することに起因して車両Iと道路側通信装置IIIとの間の通信が困難となる状況が発生して、他車両との衝突の危険性を回避することが困難となる。
【0126】
(C)他の実施形態
第1の実施形態では、車々間通信によって車両位置に関する情報をお互いに交換するようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0127】
すなわち、受信アンテナとしての複数の指向性アンテナを、例えば360度を均等に分割した角度をもって配置する。また、所定の角度をもって配置された各指向性アンテナからの受信信号の受信電力を検出する検出機能(検出手段)を備える。
【0128】
これにより、他車両情報を受信した指向性アンテナの向く方向から他車両が走行する方向を検出可能であり、しかも受信電力から他車両との相対距離を検出可能である。このように車両位置情報を車々間通信で交換することなく、第1の実施形態の場合と同様の進行方向変更支援システムを実現することができる。
【0129】
また、第1の実施形態に係る進行方向変更支援システム100(図2参照)と第2の実施形態に係る車々間通信システム200(図5参照)とは、別々の構成としているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0130】
すなわち、進行方向変更支援システム100の機能と車々間通信システム200の機能とを有するシステム例えば走行支援システムとする。そして、このような走行支援システムを各車両に設けるようにする。この場合、進行方向変更支援システム100及び車々間通信システム200で用いられる地図データベース、送信アンテナ等の機能は共用することが可能である。
【0131】
本発明は、十字路やT字路などの交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する車両に対して、他車両との衝突の危険性に関する情報をドライバーに提供するシステム(走行支援システム)に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの一部(情報提供部)の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの全体の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムの一部(情報提供部)に含まれる車両HMIの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る進行方向変更支援システムを有する各車両の情報提供処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る車々間通信システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図6】送信元である第1の車両が右折する際の受信先である第2の車両が走行する領域、及び第1の車両の走行状態の様子を示す図である。
【図7】送信元である第1の車両が左折する際の受信先である第2の車両が走行する領域、及び第1の車両の走行状態の様子を示す図である。
【図8】送信元である第1の車両が直進する際の受信先である第2の車両が走行する領域、及び第1の車両の走行状態の様子を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係る車々間通信システムを有する各車両による車々間通信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】通信手段として路車間通信を行うシステムでのシャドウイングを説明する図である。
【符号の説明】
【0133】
10…車両HMI、11…パラメータ設定部(設定手段、走行ルート設定手段)、12…走行ルート決定部(走行ルート決定手段)、13…情報提供内容決定部(付加手段)、14…自車両位置及び速度検出部(位置検出手段、速度検出手段)、15…地図データベース(データベース)、16…画面表示部(提供手段)、17…音声通知部(提供手段)、20…危険度判定部(危険度情報取得手段)、30…他車両情報受信部(受信手段)、40…受信アンテナ(受信手段)、50…自車両情報送信部(送信手段)、60…送信アンテナ、(送信手段)、70…自車両情報決定部(交差点情報決定手段、走行状態情報決定手段、到着時刻情報決定手段、進行方向情報決定手段)、100…進行方向変更支援システム、200…車々間通信システム、210…車々間通信部、211…他車両情報送信部(送信手段)、212…他車両情報受信部(受信手段)、213…送信アンテナ(送信手段)、214…受信アンテナ(受信手段)、220…ホッピング決定部(第1の判定手段、第2の判定手段)、230…地図データベース(データベース)、240…自車両位置検出部(検出手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両に関わる他車両との衝突の危険性に関する情報を示す危険度情報を、走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、
上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記自車両を運転するドライバーに提供する提供手段と
を有することを特徴とする進行方向変更支援システム。
【請求項2】
自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する位置検出手段と、
自車両の速さ及び進行方向に関する自車両速度情報を検出する速度検出手段と、
交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報を保存するデータベースと、
走行ルートに関するパラメータ、上記自車両位置情報、上記自車両速度情報及び上記道路情報を基に走行ルートに関する走行ルート情報を決定する走行ルート決定手段と、
他車両から送信される当該他車両の走行に関する情報を受信する受信手段と、
上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報、上記速度検出手段によって検出された自車両速度情報、上記データベースに保存されている道路情報、上記走行ルート決定手段によって決定された走行ルート情報、及び上記受信手段によって受信された受信内容を基に、自車両が次に接近する交差点における当該自車両と上記他車両との衝突の危険度に関する危険度情報を求める危険度情報取得手段と、
上記危険度情報取得手段によって求められた危険度情報を走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、
上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両を運転するドライバーに提供する提供手段と
を有することを特徴とする進行方向変更支援システム。
【請求項3】
上記他車両の走行に関する情報は、当該他車両の位置及び速さに関する情報と、当該他車両の次に接近する所定の交差点に関する情報と、当該所定の交差点における当該他車両の走行状態に関する情報と、当該他車両が当該所定の交差点に到着する時刻に関する情報と、当該所定の交差点における当該他車両の進行方向に関する情報とを含む他車両情報であることを特徴とする請求項2に記載の進行方向変更支援システム。
【請求項4】
交差点における右折指示又は左折指示と、自車両と他車両との衝突の危険度とを含むドライバーへ提供すべき情報の提供方法に関するパラメータを設定する設定手段を更に備え、
上記提供手段は、上記設定手段によって設定されたパラメータに基づいて、上記危険度情報をドライバーに提供する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項5】
目的地位置と目的地までの走行ルート設定とを含む走行ルートに関するパラメータを設定する走行ルート設定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点に関する情報を示す自車両接近交差点情報を決定する交差点情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点における自車両の右折、左折及び直進のいずれかの走行状態を推定し、この推定した自車両の走行状態に関する情報を示す自車両交差点走行状態情報を決定する走行状態情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点に自車両が到着する時刻に関する情報を示す自車両交差点到着時刻情報を決定する到着時刻情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点における自車両の進行方向に関する情報を示す自車両交差点進行方向情報を決定する進行方向情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記自車両接近交差点情報、上記自車両交差点走行状態情報、上記自車両交差点到着時刻情報、及び上記自車両交差点進行方向情報を含む自車両情報を他車両に向けて送信する送信手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項6】
上記提供手段は、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを同時に表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項7】
上記提供手段は、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを音声出力する音声出力手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項8】
上記走行ルートに関する情報には、自車両の位置から次の交差点までの距離を示す距離情報と、交差点における進行方向に関わる右折情報又は左折情報とが含まれている、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項9】
第1の他車両、第2の他車両及び第3の他車両から送信され、他車両位置情報、他車両速度情報、他車両接近交差点情報、他車両交差点走行状態情報、他車両交差点到着時刻情報及び他車両交差点進行方向情報を含む他車両情報を受信する受信手段と、
交差点位置及び道路形状を含む道路情報を保存するデータベースと、
自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する検出手段と、
上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報及び上記第2の他車両に関する上記他車両情報と、上記データベースに保存されている道路情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があるか否かを判定する第1の判定手段と、
上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報と、上記データベースに保存されている道路情報と、上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報、上記第2の他車両に関する上記他車両情報及び上記第3の他車両に関する上記他車両情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する第2の判定手段と、
上記第1の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があると判定され、かつ上記第2の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にないと判定された場合に、上記第1の他車両に関する上記他車両情報を上記第2の他車両へ送信する送信手段と
を有することを特徴とする車々間通信システム。
【請求項1】
交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両に関わる他車両との衝突の危険性に関する情報を示す危険度情報を、走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、
上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記自車両を運転するドライバーに提供する提供手段と
を有することを特徴とする進行方向変更支援システム。
【請求項2】
自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する位置検出手段と、
自車両の速さ及び進行方向に関する自車両速度情報を検出する速度検出手段と、
交差点位置及び道路形状を含む道路に関する道路情報を保存するデータベースと、
走行ルートに関するパラメータ、上記自車両位置情報、上記自車両速度情報及び上記道路情報を基に走行ルートに関する走行ルート情報を決定する走行ルート決定手段と、
他車両から送信される当該他車両の走行に関する情報を受信する受信手段と、
上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報、上記速度検出手段によって検出された自車両速度情報、上記データベースに保存されている道路情報、上記走行ルート決定手段によって決定された走行ルート情報、及び上記受信手段によって受信された受信内容を基に、自車両が次に接近する交差点における当該自車両と上記他車両との衝突の危険度に関する危険度情報を求める危険度情報取得手段と、
上記危険度情報取得手段によって求められた危険度情報を走行ルートに関する情報に付加する付加手段と、
上記付加手段による付加処理の結果に基づき、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを、上記交差点において右折、左折及び直進のいずれかに進行する自車両を運転するドライバーに提供する提供手段と
を有することを特徴とする進行方向変更支援システム。
【請求項3】
上記他車両の走行に関する情報は、当該他車両の位置及び速さに関する情報と、当該他車両の次に接近する所定の交差点に関する情報と、当該所定の交差点における当該他車両の走行状態に関する情報と、当該他車両が当該所定の交差点に到着する時刻に関する情報と、当該所定の交差点における当該他車両の進行方向に関する情報とを含む他車両情報であることを特徴とする請求項2に記載の進行方向変更支援システム。
【請求項4】
交差点における右折指示又は左折指示と、自車両と他車両との衝突の危険度とを含むドライバーへ提供すべき情報の提供方法に関するパラメータを設定する設定手段を更に備え、
上記提供手段は、上記設定手段によって設定されたパラメータに基づいて、上記危険度情報をドライバーに提供する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項5】
目的地位置と目的地までの走行ルート設定とを含む走行ルートに関するパラメータを設定する走行ルート設定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点に関する情報を示す自車両接近交差点情報を決定する交差点情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点における自車両の右折、左折及び直進のいずれかの走行状態を推定し、この推定した自車両の走行状態に関する情報を示す自車両交差点走行状態情報を決定する走行状態情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点に自車両が到着する時刻に関する情報を示す自車両交差点到着時刻情報を決定する到着時刻情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記道路情報及び上記走行ルート情報を基に、次に接近する交差点における自車両の進行方向に関する情報を示す自車両交差点進行方向情報を決定する進行方向情報決定手段と、
上記自車両位置情報、上記自車両速度情報、上記自車両接近交差点情報、上記自車両交差点走行状態情報、上記自車両交差点到着時刻情報、及び上記自車両交差点進行方向情報を含む自車両情報を他車両に向けて送信する送信手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項6】
上記提供手段は、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを同時に表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項7】
上記提供手段は、上記走行ルートに関する情報と上記危険度情報とを音声出力する音声出力手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項8】
上記走行ルートに関する情報には、自車両の位置から次の交差点までの距離を示す距離情報と、交差点における進行方向に関わる右折情報又は左折情報とが含まれている、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の進行方向変更支援システム。
【請求項9】
第1の他車両、第2の他車両及び第3の他車両から送信され、他車両位置情報、他車両速度情報、他車両接近交差点情報、他車両交差点走行状態情報、他車両交差点到着時刻情報及び他車両交差点進行方向情報を含む他車両情報を受信する受信手段と、
交差点位置及び道路形状を含む道路情報を保存するデータベースと、
自車両の位置に関する自車両位置情報を検出する検出手段と、
上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報及び上記第2の他車両に関する上記他車両情報と、上記データベースに保存されている道路情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があるか否かを判定する第1の判定手段と、
上記位置検出手段によって検出された自車両位置情報と、上記データベースに保存されている道路情報と、上記受信手段によって受信された上記第1の他車両に関する上記他車両情報、上記第2の他車両に関する上記他車両情報及び上記第3の他車両に関する上記他車両情報とを基に、上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にあるか否かを判定する第2の判定手段と、
上記第1の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが交差点において衝突する可能性があると判定され、かつ上記第2の判定手段によって上記第1の他車両と上記第2の他車両とが見通し内の位置関係にないと判定された場合に、上記第1の他車両に関する上記他車両情報を上記第2の他車両へ送信する送信手段と
を有することを特徴とする車々間通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−52507(P2008−52507A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228133(P2006−228133)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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