説明

運転情報記録装置

【課題】 取付けの自由度を高め、作業工数を極力小さくすることができる運転情報記録装置を提供する。
【解決手段】 CPUは3軸方向の各Gセンサ出力値をチェックし、車両の前後方向および左右方向のGセンサ出力軸を確定すべく、Gセンサ出力値の大きい軸つまり縦方向の軸を破棄する。次にオフセット調整を実行し、CPUは使用する2軸を確定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転情報記録装置に関し、取り付けの自由度を高め、作業工数の低減を図ることができる運転情報記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば400MHz帯域のデジタル無線機を採用し、データ通信量を拡大して、車両位置情報などの収集精度を高めた配車システムが実用に供されている。この配車システムによれば、車両位置情報などの収集精度を高めたので、車両を配車する配車担当者および乗務員の業務効率の向上を図ることができる。ところで車両運転に関する運転情報を巡回して記録しておき、車両の衝突など事故があると、記録されている運転情報を別の記録媒体に記録させる技術が提案されている(たとえば特許文献1参照)。別の記録媒体に記録させる記録開始条件として、2軸Gセンサの出力値つまり車両の前後方向または左右方向のG値を閾値判断することが考えられる。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−16785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、車両の前後方向または左右方向のG値を検出するので、装置本体を水平姿勢にしかつ車両に対する装置本体の向きを特定する必要がある。したがって装置本体を車両に取り付ける手間がかかるうえ、装置本体の取付けの自由度が低くなる。それ故、作業工数が大となる。
【0005】
本発明の目的は、取付けの自由度を高め、作業工数を極力小さくすることができる運転情報記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(1)は、車両に設けられる運転情報記録装置において、
車両運転に関する運転情報を巡回して記憶する記憶手段と、
互いに直交する3軸方向の重力加速度を検出する検出手段によって検出される当該車両の前後、左右および上下方向の重力加速度の少なくともいずれか一つの出力値を記録開始条件として、記憶手段に記憶された運転情報を記録媒体に記録するよう制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記運転情報記録装置本体の当該車両への取付け姿勢に基づいて、上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定することを特徴とする運転情報記録装置である。
【0007】
また本発明(2)は、前記制御手段は、下方向に作用する重力加速度の出力値に基づいて上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定し、当該車両の走行開始時の重力加速度の出力値の変化に基づいて前後方向の重力加速度を検出する軸方向を特定することを特徴とする。
【0008】
また本発明(3)は、運転の操作状態を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、車両の走行開始時の重力加速度の出力値の変化と運転の操作状態とに基づいて前後方向の重力加速度を検出する軸方向を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明(1)によれば、制御手段は、記憶手段に記憶された運転情報を記録媒体に記録するよう制御する。特に記録開始条件として、検出手段によって検出される当該車両の前後、左右および上下方向の重力加速度の少なくともいずれか一つの出力値を適用する。制御手段は、運転情報記録装置本体の当該車両への取付け姿勢に基づいて、上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定している。したがって従来技術のように、運転情報記録装置本体を水平姿勢にしかつ車両に対する運転情報記録装置本体の向きを特定する必要がない。それ故、従来技術のものより、運転情報記録装置本体を車両に迅速に取り付けることが可能となり、取付けの自由度を高めることができる。よって作業工数を極力小さくすることができる運転情報記録装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。本実施形態に係るドライブレコーダは、たとえばバッテリ電圧が24ボルトの運輸トラックなどに好適に搭載される。ただし適用車両は、運輸トラックだけに限定されるものではなく、バッテリ電圧が12ボルトのタクシーに搭載されてもよい。以下の説明は、運転情報記録方法についての説明をも含む。
【0011】
図1は、センタ機器構成およびドライブレコーダ1を表す図であり、図1(a)はセンタ機器構成の一例を表す図、図1(b)はドライブレコーダ1の斜視図である。運転情報記録装置としてのドライブレコーダ1は、車両運転に関する運転情報を巡回して記録するとともに、予め定める条件が成立した場合に、前記運転情報等と関連付けて画像および音声情報を、記録媒体としてのCFカード2(CF:Compact Flash)に記録するように構成されている。CFカード2は、通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力を受け持つコントローラ回路とが電気的に接続されたものである。
【0012】
前記センタ機器は、CFカード2に記録されたこれらの情報を解析可能かつ出力可能に構成されている。センタ機器は、情報を解析するパーソナルコンピュータ3、CFカード2に記録された情報を読み出すCFカードリーダ4、解析された情報などを出力するディスプレイ5およびプリンタ6を含んで構成され、これらは電気的に接続されている。パーソナルコンピュータ3に、予め定める画像解析ソフトウェアなどのアプリケーションソフトウェアをインストールすることで、パーソナルコンピュータ3の演算手段は情報を解析可能に構成されている。ただしアプリケーションソフトウェアは画像解析ソフトウェアに限定されるものではない。
【0013】
ドライブレコーダ1は、運転情報記録装置本体であるドライブレコーダ本体7、撮像手段であるカメラ8、車室内の音声情報を取得するマイクロフォン9および記録スイッチの機能を含むスイッチ10(記録スイッチ10という場合がある)を有する。カメラ8、マイクロフォン9、スイッチ10は、ドライブレコーダ本体7に電気的に接続されて別体に設けられる、当該車両には、少なくとも一台のカメラ8が設けられる。カメラ8はCCDカメラ(CCD:Charge Coupled Device)によって実現される。カメラ8は車両前方を撮影すべく車両に固定される。車両前方以外たとえば車両後方を撮影すべく、増設カメラを車両に固定することも可能である。ドライブレコーダ本体7に、車両の位置情報および時間情報を取得するGPS(Global Positioning System)アンテナおよびGPSレシーバが付加されたドライブレコーダを車両に適用することも可能である。ドライブレコーダ本体7には、CFカード2を挿抜可能な挿入口7aが形成されている。
【0014】
図2は、ドライブレコーダ1の電気的構成を表す図である。図1(b)も参照しつつ説明する。ドライブレコーダ本体7は、制御手段としてのCPU11(CPU:Central
Processing Unit)、ROM12(ROM:Read Only Memory)、記憶手段としてのRAM13(RAM:Random Access Memory)、CFカードインタフェース14、JPEG IC15(JPEG:Joint Photographic coding Experts Group、IC:Integrated
Circuit)、ビデオスイッチ16および発光ダイオード17を有する。
【0015】
ドライブレコーダ本体7は、USBホスト機能を有する手段であるUSB HOST18(USB:Universal Serial Bus)、USBインタフェース19、通信用ドライバ20、LCD操作器コネクタ21(LCD:Liquid Crystal Display)、バッファ22、電源起動信号を検出する回路23、ウォッチドック機能を有するウォッチドックIC24、電源部25、Gセンサ26、車速パルスを集計する図示外のカウンタをさらに有する。LCD操作器コネクタ21には、乗務員データを入力可能なLCD操作器27が接続可能に構成されている。
【0016】
検出手段としての前記Gセンサ26は、互いに直交する3軸方向の重力加速度を検出するセンサである。このGセンサ26によって、車両の前後方向、左右方向および上下方向に作用する重力加速度いわゆるGセンサ出力値を検出可能である。車両に着座した乗務員の正面方向およびその後方を前後方向とし、車両に着座した乗務員の左および右方向を左右方向とする。鉛直方向を前記上下方向とする。CPU11は、Gセンサ26によって検出される車両の前後、左右および上下方向の重力加速度の少なくともいずれか一つの出力値を記録開始条件として、RAM13に記憶された運転情報をCFカード2に記録するよう制御する。
【0017】
CPU11は、たとえばCFカード2の挿入口7aを基準(CFカード2の挿抜を妨げないような基準)とするドライブレコーダ本体7の当該車両への取付け姿勢に基づいて、上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定する。具体的に、センタ機器のパーソナルコンピュータ3の入力手段3aおよび演算手段を用いて、CFカード2の挿入口7aを基準とするドライブレコーダ本体7の当該車両への取付け姿勢に基づいて、上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定する演算を実行する。パーソナルコンピュータ3の演算手段は、該演算されたデータをCFカード2に記録する制御を行う。ドライブレコーダ本体7の前記挿入口7aにCFカード2を挿入し、CFカード2に記録された前記データに基づいて、ドライブレコーダ本体7のCPU11は、上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定する。またCPU11は、下方向に作用する重力加速度の出力値に基づいて上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定し、当該車両の走行開始時の重力加速度の出力値の変化に基づいて、前後方向の重力加速度を検出する軸方向を特定する機能を有する。この場合は、予めセンタ側で上下方向の重力加速度を検出しなくても取付け状態で自動で上下方向の重力加速度を検出し、残り2軸を前後方向、左右方向の軸に特定することができる。前述のようにCFカード2の挿入口7aを基準とすることは一例であり、該基準は、挿入口7aだけに限定されるものではない。たとえば記録スイッチなど、装置本体の向きを特定できるものであればどのようなもの、部品を基準としてもよい。
【0018】
記録スイッチ10を使用したGセンサ26のオフセット調整について概略説明する。本実施形態では、Gセンサ26を内蔵するドライブレコーダ本体7を完全に水平に設置できない状況が考えられるので、Gセンサ26の前後および左右方向のオフセットを補正するオフセット調整を行うようになっている。ドライブレコーダ本体7の電源起動時またはドライブレコーダ1の動作中に、予め定める記録スイッチ10の操作{たとえば3秒以上記録スイッチ10を継続して押す操作(いわゆる長押し)}によって、オフセット調整の設定モード(オフセットモード)に入れる。換言すればCPU11は、電源起動の開始条件で、記録スイッチ10が予め定める操作をされたか否かを判断する。「否」との判断で本処理を終了し、予め定める操作がされたとの判断でCPU11はオフセット調整の設定モードに入れる。
【0019】
前記設定モードに入った状態で、さらに記録スイッチ10を操作することで、Gセンサの26オフセット調整を行う。つまりCPU11は、設定モードに移行後、記録スイッチ10が操作されたか否かを判断し、操作されたとの判断でGセンサ26のオフセット調整を行う。「否」との判断で設定モードに戻り、記録スイッチ10の操作待ち状態となる。Gセンサ26のオフセット調整後、本処理を終了する。
【0020】
前記RAM13は第1のSD−RAM28(SD−RAM:Synchronous DRAM)および第2のSD−RAM29を備え、第1のSD−RAM28は、カメラ8で撮影した生の画像を一旦記録するもので、記録した画像がJPEG形式の画像データに変換される。第2のSD−RAM29は、JPEG形式に変換された画像データ、前記Gセンサ26からのGセンサ出力値および音声などを巡回して記憶する。CPU11に、ROM12、第2のSD−RAM29、CFカードインタフェース14がそれぞれ電気的に接続され、CPU11に、JPEG−IC15を介して第1のSD−RAM28およびビデオスイッチ16が電気的に接続されている。前記ビデオスイッチ16は、複数のカメラ8が設けられる場合に所定時間間隔で撮像する複数のカメラ8を切り換えるための切換えスイッチである。
【0021】
CPU11には、USB HOST18を介してUSBインタフェース19が電気的に接続されるとともに、通信用ドライバ20、LCD操作器コネクタ21、バッファ22、ウォッチドッグIC24、Gセンサ26がそれぞれ電気的に接続されている。バッファ22は、電源起動信号を検出する回路23に電気的に接続される。ウォッチドッグIC24には、電源部25が電気的に接続される。前記電源駆動信号が得られない場合、通信用ドライバ20からの入力をスイッチ30でGPSアンテナ側への入力に切替える。この場合には、単独でGPSから当該車両の位置を検出できる。
【0022】
画像記録の条件などについて説明する。図3は、Gセンサ出力値31および速度変化32に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード2に記録される態様を表す図である。図4は、画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。CPU11は、カメラ8で撮像されドライブレコーダ本体7に入力された入力画像をJPEG IC15によってJPEG変換画像に変換し、その後CPU11は、JPEG変換画像を第2のSD−RAM29に順次記録する。このとき一枚の静止画像は、たとえば「画像*.jpg」という形式で記録される(図4参照)。ただし前記「*」は整数である。記録された静止画像の付加情報として、当該車両のGセンサ出力値、位置、時間および車速センサ33(図2参照)からの車速情報と、マイク9からの音声情報とを、第2のSD−RAM29に順次記録する。
【0023】
予め定める記録条件を満たした場合、CPU11は、第2のSD−RAM29に記録されたJPEG変換画像、Gセンサ出力値、位置、時間および車速センサ33からの車速情報をCFカード2に記録させる。本実施形態では、たとえば1秒間に10枚の静止画像が記録され、1イベント最大30秒間で300枚の静止画像がCFカード2に記録可能に構成されている。1イベントとは、予め定める記録条件を満たした一つの状態と同義である。
【0024】
図5は、閾値を超過したGセンサ出力値31と、CFカード2に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。図3および図4も参照しつつ説明する。記録条件としてGセンサ出力値31が閾値Gmax.またはGmin.を超過しかつ、当該車両が急減速{たとえば一定時間(1秒間)に車速15km/h減速}した場合、CPU11は事故および危険運転(つまり画像記録の条件を満たした)と判断する。CPU11はたとえば0.1秒毎に車速パルスによって車速を取得し、規定の速度変化つまり前記急減速の有無を判断する。急減速の有無の判断基準は、たとえば一般道路か高速道路かの道路区分毎にそれぞれ設定可能になっている。したがって事故または危険運転の確率が高い画像を確実にCFカード2に記録することが可能となる。
【0025】
本件出願人は、Gセンサを検出して事故および危険運転の画像を記録し、閾値つまりG検出値は走行速度に関係なく一定であるドライブレコーダを開発していた。該ドライブレコーダにおいては、段差またはカーブを走行する場合、低速走行時に比べて高速走行時の方がGセンサ出力値が大きく出る傾向がある。高速走行時を考慮して、G検出値を高く設定すると、低速走行時の事故画像がCFカードに記録されず、低速走行時を考慮してG検出値を低く設定すると、高速走行時にCFカードに不要な画像を記録してしまう。
【0026】
これに対して本実施形態に係るドライブレコーダ1では、低速走行時と高速走行時のG検出値を別々に設定できるようにし、走行時の車速に応じて設定すべきG検出値を自動的に判別することで、前述の問題を解決している。具体的に、センタ機器のパーソナルコンピュータ3の入力手段3aおよび演算手段を用いて、CFカードリーダ4にCFカード2を挿入した状態でG検出値設定モードにする。該G検出値設定モードにおいて、パーソナルコンピュータ3の演算手段は、低速走行時のG検出値および高速走行時のG検出値が入力されたか否かを判断する。「否」との判断でG検出値入力待ち状態となる。各G検出値が入力されたとの判断で、パーソナルコンピュータ3の演算手段は前記各G検出値をCFカード2に記録する制御を行う。
【0027】
ドライブレコーダ本体7の前記挿入口7aにCFカード2を挿入し、CFカード2に記録された前記各G検出値に基づいて、CPU11は低速走行時に該低速走行時のG検出値を超えたか否かを判断し、高速走行時に該高速走行時のG検出値を超えたか否かを判断する。本実施形態では、低速走行時と高速走行時の2段階でのG検出値を設定しているが、車速条件は前記2段階に限定されるものではなく、3段階以上に設定して各段階でのG検出値を設定してもよい。この場合には、事故および危険運転をCFカード2に記録させる確率を一層高めることができる。
【0028】
本件出願人は、画像を記録するパラメータとしてG検出値および検出時間があり、センタ機器のパーソナルコンピュータの入力手段および演算手段を用いてこれらパラメータの設定を行うドライブレコーダを開発していた。パーソナルコンピュータの演算手段は、設定されたG検出値および検出時間はCFカードに記録する制御を行う。ドライブレコーダ本体の前記挿入口にCFカードを挿入し、CFカードに記録されたG検出値および検出時間に基づいて、ドライブレコーダを動作させている。事故発生時にGセンサ出力値がどのような波形で出力するかわからず、G検出値および検出時間を設定する際にどのような値に設定したらよいか、ユーザーにとってわかりずらい。
【0029】
本実施形態では、センタ機器のパーソナルコンピュータ3によって、「敏感モード」(たとえば0.3GのG検出値)、「標準モード」(たとえば0.4GのG検出値)、「鈍感モード」(たとえば0.5GのG検出値)という簡易選択モードを追加した。このような簡易選択モードを追加することで、ユーザーは、ちょっとしたGセンサ出力値でも画像をCFカード2に記録したい場合は「敏感モード」を、大きな衝撃だけを記録したい場合は「敏感モード」を、標準的な値で記録したい場合は「標準モード」というように感覚的に選択できるようになっている。したがってG検出値を簡単かつ容易に設定することができる。本実施形態では、三つのモードを選択可能に構成されているが、二つのモードを選択可能にしてもよい。四つ以上のモードに選択可能にしてもよい。
【0030】
以上説明したドライブレコーダ本体7において、閾値超過時点を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM29に巡回して記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、位置、時間および車速情報と、マイク9からの音声情報とをCFカード2に記録する。閾値超過時点をトリガ発生時という場合がある。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。トリガ発生前5秒以上25秒以下、トリガ発生後5秒以上25秒以下の範囲で最大30秒間を設定可能になっている。
【0031】
本件出願人は、Gセンサ出力値が一定時間連続して設定した閾値を超えた場合に、事故および危険運転と判断して画像等をCFカード2に記録していた。乗用車の場合には、このような検知方法で問題ないが、トラックなど大型車の場合は事故時にGセンサ出力値があまり大きく検出されないおそれがある。前記閾値を低くすればこの問題を解決できそうに考えられるが、前記閾値を低く設定すると、事故、危険運転以外の通常走行時において、単なる走行時における振動によってGセンサ出力値が閾値を超えてしまい、不要な画像をCFカードに記録してしまう。
【0032】
これに対して適用車両が運輸トラックである本実施形態では、事故または急ブレーキ時には、急減速することを利用して、急減速でかつ一定のGセンサ出力値を検出したときに、CPU11は事故および危険運転と判断して画像等をCFカード2に記録する。したがって不要な画像をCFカード2に記録することを極力解消でき、CFカード2の記録容量を確保することができる。
【0033】
図6は、Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。CPU11は、Gセンサ26の出力を取得し、閾値Gabeを超えたか否かを判定する。Gセンサ26は、前述のように互いに直交する3軸タイプであり、車両の前後、左右および上下方向の重力加速度を検出可能に構成されている。先ず上下方向の重力加速度を検出する軸方向が特定され、次に前後方向の重力加速度を検出する軸方向が特定される。その後左右方向の重力加速度を検出する軸方向が特定される。したがって前後方向の衝突事故だけでなく、左右方向の衝突事故をも確実に検出することができ、その原因を分析することが可能となる。閾値判定は、前後方向の重力加速度と、左右方向の重力加速度とのベクトル和で実施する。この閾値は、設定により任意の値に変更可能になっている。
【0034】
図7は、3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断i、ii)を表すフローチャートである。図2も参照しつつ説明する。ドライブレコーダ本体7の電源起動時またはドライブレコーダ1の動作中に、たとえばスイッチ10の操作によってオフセットモードに移行する条件で本処理が開始する。本処理開始後ステップa1に移行して、CPU11は3軸方向の各Gセンサ出力値をチェックする。次にステップa2に移行して、CPU11は車両の前後方向および左右方向のGセンサ出力軸を確定すべく、Gセンサ出力値の大きい軸つまり縦方向の軸を破棄する。次にステップa3に移行して、オフセット調整を実行し、CPU11は使用する2軸を確定する。このオフセット調整を実行するサブルーチンについては、図12、図15に詳述する。
【0035】
次にステップa4に移行してCPU11は、前記オフセットモードから通常運用モードに移行させる。次にステップa5に移行してCPU11は、当該車両の速度が増加しているか否かを判断するため、車速センサ33を介して車速パルスをチェックしたとえば第2のSD−RAM29に一時記憶する。次にステップa6に移行してCPU11は車速が増加したか否かを判断する。「否」との判断でステップa6に戻る。車速が増加したとの判断でステップa7に移行し、CPU11は、前記使用する2軸のうち水平4方向のGセンサ出力値をチェックする。各Gセンサ出力値はたとえば第2のSD−RAM29に一時記憶される。
【0036】
次にステップa8(i)に移行して、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を「−Y」と確定する。「−Y」は進行方向とは逆向きの方向である。ステップa7の後、ステップa8(ii)に移行する場合もある。該ステップa8(ii)において、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を、進行方向である「Y」と確定する。ステップa8(i)または(ii)の後、ステップa9に移行して、CPU11は、水平4方向のうち、確定した方向を除く残余の3方向を確定する。その後本処理を終了する。
【0037】
図8は、3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断iii)を表すフローチャートである。本フローチャートにおいて、前述の図7のフローチャートに付したステップと同一のステップには、同一のステップ番号を付しその説明を省略する。その他本フローチャートの開始条件も前述の開始条件と同様とする。図8に示すように、ステップa4の後ステップa5(iii)に移行し、先ず進行方向またはその逆方向を確定するため、CPU11は当該車両の図示外のアクセルがオンか否かを判断する。「否」との判断でステップa5(iii)に戻る。アクセル「オン」との判断でステップa6(iii)に移行し、CPU11は、トランスミッションのギヤがリバースか否かを判断する。
【0038】
「否」との判断でステップa7(iiib)に移行し、CPU11は、前記使用する2軸のうち水平4方向のGセンサ出力値をチェックする。次にステップa8(iiib)に移行し、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を「−Y」と確定する。次にステップa9(iiib)に移行して、CPU11は、水平4方向のうち、確定した方向を除く残余の3方向を確定する。その後本処理を終了する。ステップa6(iii)でギヤがリバースであるとの判断で、CPU11は、使用する2軸のうち水平4方向のGセンサ出力値をチェックする。次にステップa8(iiia)に移行し、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を「Y」と確定する。次にステップa9(iiia)に移行して、CPU11は、水平4方向のうち、確定した方向を除く残余の3方向を確定する。その後本処理を終了する。
【0039】
図9は、3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断iv)を表すフローチャートである。本フローチャートの開始条件は図7のフローチャートの開始条件と同様とする。ステップa4の後、ステップa5(iv)に移行し、先ず進行方向またはその逆方向を確定するため、CPU11は、当該車両のブレーキが「オフ」から「オン」に切換わったか否かを判断する。「否」との判断でステップa5(iv)に戻る。ブレーキ「オン」との判断で、ステップa6(iv)に移行し、CPU11は、トランスミッションのギヤがリバースか否かを判断する。
【0040】
「否」との判断でステップa7(ivb)に移行し、CPU11は、前記使用する2軸のうち水平4方向のGセンサ出力値をチェックする。次にステップa8(ivb)に移行し、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を「Y」と確定する。次にステップa9(ivb)に移行して、CPU11は、水平4方向のうち、確定した方向を除く残余の3方向を確定する。その後本処理を終了する。ステップa6(iv)でギヤがリバースであるとの判断で、CPU11は、使用する2軸のうち水平4方向のGセンサ出力値をチェックする。次にステップa8(iva)に移行し、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を「−Y」と確定する。次にステップa9(iva)に移行して、CPU11は、水平4方向のうち、確定した方向を除く残余の3方向を確定する。その後本処理を終了する。
【0041】
図10は、3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断v)を表すフローチャートである。本フローチャートの開始条件は図7のフローチャートの開始条件と同様とする。ステップa4の後、ステップa5(v)に移行し、先ず進行方向またはその逆方向を確定するため、CPU11は、排気ブレーキが「オフ」から「オン」に切換わったか否かを判断する。「否」との判断でステップa5(v)に戻る。排気ブレーキが「オン」との判断で、ステップa6(v)に移行し、CPU11は、使用する2軸のうち水平4方向のGセンサ出力値をチェックする。次にステップa7(v)に移行し、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を「Y」と確定する。次にステップa8(v)に移行して、CPU11は、水平4方向のうち、確定した方向を除く残余の3方向を確定する。その後本処理を終了する。
【0042】
図11は、3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断vi)を表すフローチャートである。ドライブレコーダ本体7が電源起動する開始条件でステップb1に移行し、CPU11は、オフセットモードか否かを判断する。「否」との判断でステップb6に移行する。オフセットモードであるとの判断でステップb2に移行し、CPU11は3軸方向の各Gセンサ出力値をチェックする。次にステップb3に移行して、車両の前後方向および左右方向のGセンサ出力軸を確定すべく、Gセンサ出力値の大きい軸つまり縦方向の軸を破棄する。次にステップb4に移行して、オフセット調整を実行し、CPU11は使用する2軸を確定する。このオフセット調整を実行するサブルーチンについては、図12、図15に詳述する。
【0043】
次にステップb5に移行し、CPU11は、方向チェックカウンタを「0」に方向決定フラグを「0」にして、たとえば第2のSD−RAM29に一時記憶させる。次にステップb6に移行し、使用する2軸が確定しているかを確認すべく、CPU11は、方向決定フラグが「0」であるか否かを判断する。「否」との判断で本処理を終了する。方向決定フラグ=0との判断でステップb7に移行し、CPU11は、使用する2軸水平4方向のうち最初にGセンサ出力値が大きく出た方向を、たとえば第2のSD−RAM29に一時記憶する。次にステップb8に移行し、ステップb2〜b5を通ってきたか判断するため、CPU11は方向チェックカウンタが「0」であるか否かを判断する。「否」との判断でステップb11に移行する。方向チェックカウンタ=0との判断でステップb9に移行し、CPU11は方向チェックカウンタを「1」カウントアップする。次にステップb10に移行し、CPU11は、カウントアップした方向チェックカウンタをたとえば第2のSD−RAM29にバックアップする。その後本処理を終了する。
【0044】
ステップb11では、一致している方向の方向チェックカウンタをカウントアップするため、CPU11は、前回一時記憶された方向と、今回一時記憶された方向とが一致しているか否かを判断する。「否」つまり方向不一致との判断で、ステップb17に移行し、CPU11は方向チェックカウンタを「1」にする。次にステップb18に移行し、CPU11は、今回一時記憶された方向をたとえば第2のSD−RAM29にバックアップする。ステップb11において方向一致、ステップb11:YESとの判断でステップb12に移行し、CPU11は方向チェックカウンタを「1」カウントアップする。
【0045】
次にステップb13に移行し、確定する方向の正確さを高めるため、CPU11は方向チェックカウンタが「5」であるか否かを判断する。本ステップで判断するカウント数は「5」に限定されるものではなく、自然数であれば足りる。「否」、方向チェックカウンタが「5」ではないとの判断で本処理を終了する。方向チェックカウンタ=5との判断でステップb14に移行し、CPU11は、Gセンサ出力値の最も大きい方向を「−Y」と確定する。次にステップb15に移行して、CPU11は、水平4方向のうち、確定した方向を除く残余の3方向を確定する。次にステップb16に移行して、CPU11は方向決定フラグを「1」にしてたとえば第2のSD−RAM29に記憶する。その後本処理を終了する。
【0046】
以上説明したドライブレコーダ1によれば、CPU11は運転情報等をCFカード2に記録するよう制御する。特に記録開始条件として、3軸Gセンサ26によって検出される当該車両の前後、左右および上下方向の重力加速度の少なくともいずれか一つの出力値を適用する。したがって従来技術のように、ドライブレコーダ本体を水平姿勢にしかつ車両に対するドライブレコーダ本体の向きを特定する必要はない。それ故、従来技術のものより、ドライブレコーダ本体7を車両に迅速に取り付けることが可能となり、取付けの自由度を高めることができる。よって作業工数を極力小さくすることができるドライブレコーダを実現することができる。
【0047】
図12は、スイッチ10によってGセンサ26のオフセットを補正をする処理を表すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップf1において、CPU11はスイッチ10から指令情報が与えられたか否かを判断し、与えられたと判断するとステップf2に移行し、与えられてないと判断するとステップf3に移行する。ステップf2では、指令情報が与えられたので、CPU11はRAM13に記憶される運転情報を、CFカード2に書込むように各部を制御し、ステップf1に戻る。
【0048】
ステップf3では、CPU11はスイッチ10から特定情報が与えられたか否かを判断し、与えられたと判断するとステップf4に移行し、与えられてないと判断するとステップf1に戻る。ステップf4では、特定情報が与えられたので、CPU11は、前述したようにGセンサ26の前後および左右方向のオフセットを補正し、ステップf1に戻る。
【0049】
以上説明した本実施形態に係るドライブレコーダ1によれば、第2のSD−RAM29に複数の運転情報(画像、G値、位置、時間、車速、音声など)を巡回して記録する。前述したようにGセンサ26および車速などのトリガに基づいて、画像、G値、位置、時間、車速および音声をCFカード2に記録する。
【0050】
CPU11は、指令情報が特定情報であると判断すると、Gセンサ26のオフセットを補正する。換言すると、Gセンサ26の初期値を設定する。したがってスイッチ10は、本来、書込む動作を指令する指令情報を入力するスイッチング手段であるが、スイッチ10によって入力される指令情報が特定情報であると、前述のようにGセンサ26の初期値が設定される。これによってスイッチ10を用いて、Gセンサ26の初期値を設定することができる。したがってドライブレコーダ1の構成を簡略化するために、Gセンサ26の初期値を設定するための専用の手段を設けることなく、またLCD操作器27をLCD操作器コネクタ21に接続して、ドライブレコーダ本体7を設定、検査するためのメンテナンスモードに移行することなく、スイッチ10を用いてオフセット補正を容易に設定することができる。これによって利便性が向上する。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態に係るドライブレコーダ1Aに関して説明する。図13は、第2の実施形態に係るドライブレコーダ1Aの斜視図であり、図14は、ドライブレコーダ1Aの正面図である。図2も参照しつつ説明する。本実施の形態に係る第2ドライブレコーダ1Aは、電源手段として電源スイッチ61をさらに備える点に特徴を有する。前述の第1の実施形態に係るドライブレコーダ1では、たとえば電源起動信号に基づいて、電源部25が立ち上がるように構成されているが、本第2の実施形態に係るドライブレコーダ1Aでは、電源スイッチ61を操作することによって、CPU11に電源オン情報が与えられる。CPU11は、電源スイッチ61からの起動情報である電源オン情報に基づいて、電源部25を立ち上げるように構成される。電源スイッチ61は、CPU11に電気的に接続される。電源スイッチ61は、第2ドライブレコーダ1Aを起動するための電源オン情報を入力可能である。
【0052】
CPU11は、判断手段としての機能を有し、メモリスイッチ60によって入力される指令情報と、電源スイッチ61によって入力される電源オン情報とが同時に入力されたか否かを判断する。指令情報は、前述したようにメモリスイッチ60を通常のスイッチ操作することによって与えられる情報であって、予め定める時間、たとえば1秒間内に、予め定める回数、たとえば1回操作されたことに基づく情報である。電源オン情報は、前述したように電源スイッチ61を通常のスイッチ操作することによって与えられる情報であって、予め定める時間、たとえば1秒間内に、予め定める回数、たとえば1回操作されたことに基づく情報である。
【0053】
またCPU11は、設定手段としての機能を有し、メモリスイッチ60から与えられる指令情報と電源スイッチ61から与えられる電源オン情報とが同時に入力されたと判断すると、前述の第1の実施形態と同様にGセンサ26が検出する値を、予め定める初期値に設定する。ここで同時とは、完全に同時刻に各情報が与えられる場合に限らず、CPU11に指令情報が与えられる期間と、電源オン情報が与えられる期間との少なくとも一時期が重複していればよい。
【0054】
図15は、メモリスイッチ60および電源スイッチ61によってGセンサ26のオフセットを補正をする処理を表すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップg1において、CPU11はメモリスイッチ60から指令情報が与えられたか否かを判断し、与えられたと判断するとステップg2に移行し、与えられてないと判断するとステップg4に移行する。ステップg2において、CPU11は、指令情報が与えられている期間に、電源スイッチ61から電源オン情報が与えられたか否かを判断し、与えられた場合ステップg3に移行し、与えられてない場合ステップg6に移行する。
【0055】
ステップg6では、指令情報だけが与えられたので、CPU11は、RAM13に記憶される運転情報を、CFカード2に書込むように各部を制御し、ステップg1に戻る。ステップg3では、指令情報と電源オン情報とが同時に与えられたので、CPU11は前述したようにGセンサ26の前後および左右方向のオフセットを補正し、ステップg1に戻る。
【0056】
ステップg4では、CPU11は電源スイッチ61から電源オン情報が与えられたか否かを判断し、与えられたと判断するとステップg5に移行し、与えられてないと判断するとステップg1に戻る。ステップg5では、電源オン情報だけが与えられたので、電源部25を立ち上げステップg1に戻る。
【0057】
以上説明した第2の実施形態に係るドライブレコーダ1Aによれば、CPU11は、メモリスイッチ60から与えられる指令情報と電源スイッチ61から与えられる電源オン情報とが同時に入力されたと判断すると、Gセンサ26が検出する値を、予め定める初期値に設定する。メモリスイッチ60は、本来、書込む動作を指令する指令情報を入力するスイッチング手段であり、電源スイッチ61は、本来、ドライブレコーダ1(1A)を起動する電源オン情報を入力する手段であるが、各スイッチ60,61によって入力される情報が同時に入力されると、前述のようにGセンサ26の初期値が設定される。これらのスイッチ60,61は、通常の操作では同時に入力することがないので、このような特殊な操作によって、Gセンサ26の初期値を設定することができる。したがって第2ドライブレコーダ1Aの構成を簡略化するために、Gセンサ26の初期値を設定するための専用の手段を設けることなく、またLCD操作器27をLCD操作器コネクタ21に接続して、ドライブレコーダ本体7を設定、検査するためのメンテナンスモードに移行することなく、メモリスイッチ60および電源スイッチ61を用いてオフセット補正を容易に設定することができる。これによって利便性が向上する。
【0058】
次に、本発明の第3の実施形態に係るドライブレコーダ1Bに関して説明する。第3ドライブレコーダ1Bは、第1の実施形態に係る第1ドライブレコーダから、GPSに関する構成を除く残余の構成によって実現される。位置情報および時間情報は、GPSに関する構成によって取得することができるが、これらの構成がない場合は、運転手が時間情報を設定する必要がある。本第3の実施の形態では、メモリスイッチ60は、RAM13に記憶される運転情報を、CFカード2に書込む動作を指令する指令情報を入力可能であり、予め定める操作をすることによって、CPU11によって計時されている時刻を補正することができる。
【0059】
CPU11は、計時手段としての機能を有し、時刻を計時している。したがってCPU11によって計時される時間情報に基づいて、画像の撮像時間などが決定される。またCPU11は、判断手段としての機能を有し、メモリスイッチ60によって入力される指令情報が、予め定める特定情報か否かを判断する。指令情報は、メモリスイッチ60を通常のスイッチ操作することによって与えられる情報であって、予め定める時間、たとえば1秒間内に、予め定める回数、たとえば1回操作されたことに基づく情報である。特定情報は、メモリスイッチ60を通常ではしない特別なスイッチ操作することによって与えられる情報であって、予め定める時間、たとえば1秒間内に、予め定める回数、たとえば2回操作されたことに基づく情報である。またたとえば特定情報は、予め定める時間たとえば5秒間継続して、メモリスイッチ60が操作されたことに基づく情報である。したがってCPU11は、メモリスイッチ60から与えられる指令情報が、特定情報であるか否かを判断することができる。
【0060】
またCPU11は、設定手段としての機能を有し、メモリスイッチ60から与えられる指令情報が特定情報であると判断されると、CPU11が計時する時刻を予め定める時刻に設定する。したがってメモリスイッチ60を前述のように特別な操作をすることによって、時刻が補正される。たとえば、現在時刻が(T−1)時30分からT時29分までの期間(Tは、0〜23までの整数)に、前述の特定情報がCPU11に与えられると、現在時刻をT時00分00秒に設定するように構成される。このように設定されている場合、たとえば現在時刻が11時38分のとき、メモリスイッチ60によって特定情報を入力することによって、現在時刻が12時00分00秒に設定される。
【0061】
またたとえば現在時刻が(T−1)時45分からT時14分までの期間に、前述の特定情報がCPU11に与えられると、現在時刻をT時00分00秒に設定し、現在時刻がT時15分からT時44分までの期間に、前述の特定情報がCPU11に与えられると、現在時刻をT時30分00秒に設定するように構成してもよい。このように設定されている場合、たとえば現在時刻が11時38分のとき、メモリスイッチ60によって特定情報を入力することによって、現在時刻が11時30分00秒に設定される。またたとえば現在時刻が12時02分のとき、メモリスイッチ60によって特定情報を入力することによって、現在時刻が12時00分00秒に設定される。
【0062】
図16は、メモリスイッチ60によって時刻補正をする処理を表すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップh1において、CPU11は、メモリスイッチ60から指令情報が与えられたか否かを判断し、与えられた場合、ステップh2に移行し、与えられてない場合、ステップh3に移行する。ステップh2では、指令情報が与えられたので、CPU11はRAM13に記憶される運転情報を、CFカード2に書込むように各部を制御し、ステップh1に戻る。
【0063】
ステップh3では、CPU11はメモリスイッチ60から特定情報が与えられたか否かを判断し、与えられたと判断するとステップh4に移行し、与えられてないと判断するとステップh1に戻る。ステップh4では、特定情報が与えられたので、CPU11は、前述したように時刻を補正し、ステップh1に戻る。
【0064】
以上説明した第3の実施形態に係るドライブレコーダ1Bによれば、CPU11は、指令情報が特定情報であると判断すると、時刻を補正する。メモリスイッチ60は、本来、書込む動作を指令する指令情報を入力する手段であるが、メモリスイッチ60によって入力される指令情報が特定情報であると、前述のように現在時刻が予め定める時刻に設定される。これによってメモリスイッチ60を用いて、現在時刻を設定することができる。したがって第3ドライブレコーダ1Bの構成を簡略化するために、GPSに関連する構成がなく現在時刻をいわば自動的に補正する機能が無い場合であっても、時刻を設定するための専用のスイッチ手段を設けることなく、またLCD操作器27をLCD操作器コネクタ21に接続して、ドライブレコーダ本体7を設定、検査するためのメンテナンスモードに移行することなく、メモリスイッチ60を用いて時刻を容易に設定することができる。これによって利便性が向上する。
【0065】
次に、本発明の第4の実施形態に係るドライブレコーダに関して説明する。本実施の形態は、第2の実施形態に係るドライブレコーダに類似しており、電源スイッチ61をさらに備える点に特徴を有する。CPU11は、判断手段としての機能を有し、メモリスイッチ60によって入力される指令情報と、電源スイッチ61によって入力される電源オン情報とが同時に入力されたか否かを判断する。指令情報は、前述したようにメモリスイッチ60を通常のスイッチ操作することによって与えられる情報であって、予め定める時間、たとえば1秒間内に、予め定める回数、たとえば1回操作されたことに基づく情報である。電源オン情報は、前述したように電源スイッチ61を通常のスイッチ操作することによって与えられる情報であって、予め定める時間、たとえば1秒間内に、予め定める回数、たとえば1回操作されたことに基づく情報である。
【0066】
またCPU11は、設定手段としての機能を有し、メモリスイッチ60から与えられる指令情報と電源スイッチ61から与えられる電源オン情報とが同時に入力されたと判断すると、前述の第3の実施形態と同様にCPU11が計時する時刻を予め定める時刻に設定する。
【0067】
図17は、メモリスイッチ60および電源スイッチ61によって時刻補正をする処理を表すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップi1において、CPU11は、メモリスイッチ60から指令情報が与えられたか否かを判断し、与えられたと判断するとステップi2に移行し、与えられてないと判断するとステップi4に移行する。ステップi2において、指令情報が与えられている期間に、電源スイッチ61から電源オン情報が与えられたか否かを判断し、与えられた場合ステップi3に移行し、与えられてない場合ステップi6に移行する。
【0068】
ステップi6では、指令情報だけが与えられたので、RAM13に記憶される運転情報を、CFカード2に書込むように、各部を制御し、ステップi1に戻る。ステップi3では、指令情報と電源オン情報とが同時に与えられたので、前述したように時刻を補正し、ステップi1に戻る。
【0069】
ステップi4では、電源スイッチ61から電源オン情報が与えられたか否かを判断し、与えられた場合、ステップi5に移行し、与えられてない場合、ステップi1に戻る。ステップi5では、電源オン情報だけが与えられたので、電源部を立ち上げ、ステップi1に戻る。
【0070】
以上説明した第4実施形態に係るドライブレコーダによれば、CPU11は、メモリスイッチ60から与えられる指令情報と電源スイッチ61から与えられる電源オン情報とが同時に入力されたと判断すると、CPU11が計時する時刻を予め定める時刻に設定する。メモリスイッチ60は、本来、書込む動作を指令する指令情報を入力する手段であり、電源スイッチ61は、本来、ドライブレコーダを起動する電源オン情報を入力する手段であるが、各スイッチ60,61によって入力される情報が同時に入力されると、前述のように計時する時刻を予め定める時刻に設定される。これらのスイッチ60,61は、通常の操作では同時に入力することがないので、このような特殊な操作によって、時刻を予め定める時刻に設定することができる。したがってドライブレコーダの構成を簡略化するために、GPSに関連する構成がなく現在時刻をいわば自動的に補正する機能が無い場合であっても、時刻を設定するための専用のスイッチ手段を設けることなく、またLCD操作器27をLCD操作器コネクタ21に接続して、ドライブレコーダ本体7を設定、検査するためのメンテナンスモードに移行することなく、メモリスイッチ60および電源スイッチ61を用いて時刻を容易に設定することができる。これによって利便性が向上する。
【0071】
次に、本発明の第5の実施形態に係るドライブレコーダに関して説明する。本第5の実施形態に係るドライブレコーダは、前述の第3ドライブレコーダと類似しており、GPSに関する構成を除く残余の構成によって実現される。第5ドライブレコーダは、前述したように、ACC信号がオフでかつ、車速に予め搭載される運行管理の制御装置の第2電源部がオフ(立ち下がり信号)になっても、データ記録を実施できるように、ソフトウェアにより終了制御するようになっている。この終了制御のとき、CPU11は、ACC信号がオフとなった時刻(オフ時刻という場合がある)をCFカード2に記録するように制御する。
【0072】
前記センタ機器は、CFカード2に記録された情報を解析可能かつ出力可能に構成されている。センタ機器は、CFカード2に記録された情報を解析するために、CFカード2に記録される情報を読出し手段であるCFカードリーダ4によって読出す場合、CFカード2に記憶される最新のオフ時刻と、センタ機器が計時している現在時刻とを比較する。センタ機器は、この比較結果、オフ時刻から予め定める時間、たとえば24時間経過している場合、予め定める時間経過していることをディスプレイ5などによって報知する。ディスプレイ5は、たとえば「車両番号*に設定している車載装置の時刻設定が正しいか確認して下さい。」という文章を表示する。ただし前記「*」は整数である。
【0073】
次に、本実施の形態のドライブレコーダの動作についてフローチャートを用いて説明する。図18は、オフ時刻を記録する処理を表すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンとなる条件で、本フローが開始する。ステップj1では、CPU11は、ACC信号がオフとなったか否かを判断し、オフとなった場合、ステップj2に移行し、オフとなっていない場合、ステップj1を繰り返す。ステップj2では。ACC信号がオフとなったので、CPU11は、ACC信号がオフとなったオフ時刻をCFカード2に書込むように制御し、ステップj1に戻る。このように処理されることによって、ACC信号がオフとなった時刻が、CFカード2に書込まれる。
【0074】
図19は、時刻補正を促す処理を表すフローチャートである。図1(a)も参照しつつ説明する。本フローは、センタ機器のパーソナルコンピュータ3の演算手段によって実行される。パーソナルコンピュータ本体の電源投入状態で、本フローが開始される。開始後ステップk1では、前記演算手段は、CFカード2がCFカードリーダ4に挿入された否かを判断し、挿入されたと判断するとステップk2に移り、挿入されてないと判断するとステップk1に戻る。
【0075】
ステップk2では、前記演算手段は、CFカード2に記録される最新のオフ時刻を読出し、ステップk3に移る。ステップk3では、前記演算手段は、センタ機器が計時している現在時刻と、最新のオフ時刻とを比較し、オフ時刻から予め定める時間、たとえば24時間経過している場合、ステップk4に移行し、経過していない場合、ステップk1に戻る。ステップk4では、オフ時刻から予め定める時間経過していることを報知し、ステップk1に戻る。このように処理されることによって、CFカード2に記録される最新のオフ時刻から、予め定める時間経過している場合に、経過していることをセンタ機器の操作者は認識することができる。
【0076】
以上説明した第5の実施形態に係るドライブレコーダによれば、CPU11は、ACC信号がオフとなったオフ時刻を、CFカード2に記録する。したがって第5ドライブレコーダの構成を簡略化するために、第5ドライブレコーダが計時している時刻を報知する手段がない場合であっても、運転手は第5ドライブレコーダが計時している時刻をCFカードに記録されるオフ時刻に基づいて確認することができる。
【0077】
またセンタ機器は、CFカード2に記録される最新のオフ時刻から、センタ機器が計時する時刻が、予め定める時間経過している場合、経過していることを報知する。車両を停止する時刻がある程度一定の場合、ACC信号がオフとなったオフ時刻はある程度一定であり、またCFカード2をセンタ機器に読込ませる時間も一定である場合が多いので、このような場合に、前述のようにオフ時刻と現在時刻とを比較することによって、第5ドライブレコーダが計時する時刻が現在時刻からずれていることを、認識することができる。したがって第5ドライブレコーダの構成を簡略化するために、GPSに関連する構成がなく現在時刻をいわば自動的に補正する機能が無い場合であっても、時刻のずれをいわば自動的に認識することができるので、このような時刻のずれに基づいて、時刻の補正を運転手に促すことができる。これによって利便性が向上する。
【0078】
前述の第1から第4までの実施の形態では、メモリスイッチ60によってGセンサのオフセット補正と、時刻補正とのいずれか一方が実現されているが、いずれか一方に限ることはなく、2つの補正をできるように構成したもよい。たとえばオフセット補正のための特定情報と、時刻補正のための特定情報とが互いに異なるように設定することによって、2つの補正を1つのメモリスイッチ60によって補正することができる。
【0079】
またメモリスイッチ60および電源スイッチ61によって特定情報が入力された場合、特定情報が入力されたことを運転手が認識できるように、発光ダイオードの発光形態を個別に変更するように設定することが好ましい。これによって運転手は、特定情報を入力することができたか否かを発光ダイオードの発光形態によって認識することができ、誤操作することを防ぐことができる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。
【0080】
次に、車速情報の取得の切換処理について説明する。車速情報を取得する方法としては、車速センサ33によって検出される車速パルスに基づいて取得する方法と、GPSレシーバによって受信した電波信号に基づいて測定して取得する方法とがある。車速情報を取得するにあたって、これらの2つの取得方法のうちいずれか1つに固定して取得するようにすると、前記従来技術のように、正確な車速を取得することができない、または確実に車速を取得することができないなどの不具合が発生してしまう。
【0081】
そこで、本実施の形態では、車速センサ33によって検出される車速パルスに基づいて車速情報を取得する場合(以下「車速検出モードという)と、GPSレシーバによって受信した電波信号に基づいて車速情報を測定して取得する場合(以下「車速測定モード」という)とを、所定の条件に基づいて切換可能に構成している。
【0082】
CFカード2には、予めセンタ機器のPC3の入力手段を用いて、ドライブレコーダ1の動作時に車速検出モードおよび車速測定モードのうちいずれのモードによって車速を取得するかを表す車速取得情報が記録される。また車速取得情報として、車速検出モードが選択されてCFカード2に記録される場合は、さらに車速パルスの種別を表すパルス種別情報も併せてCFカード2に記録される。車速パルスの種別としては、電気式および機械式などがあり、車両に応じて設定可能になっている。このような車速取得情報およびパルス種別情報が記録されたCFカード2をドライブレコーダ1に装着すると、CPU11によって前記車速取得情報およびパルス種別情報が読出され、各情報に基づいた動作が実行される。車速パルスの種別は、前述のように車両に応じて設定可能となっているが、この設定を誤った場合、あるいは車速パルスを伝送する信号線の断線などによって車速パルスを検出することができない故障が生じた場合には、車速検出モードからGPSによる車速測定モードに移行する必要がある。そのため、車速検出モード時の車速と、車速測定モード時の車速とが10km/h以上異なる場合は、車速測定モードにする。
【0083】
図20は、車速情報の取得の切換えに関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図3も参照しつつ説明する。ドライブレコーダ本体7が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップm1に移行する。
【0084】
ステップm1では、車速測定モードに設定され、GPSアンテナを介してGPSレシーバによって受信した電波信号に基づいて車速情報を取得する。次にステップm2に移行し、前記GPSレシーバによって受信した電波信号に基づいて取得した車速情報が表す速度が予め定める速度、本実施の形態では30km/h以上であるか否かを判断し、30km/h以上であれば、前記取得した車速情報が表す速度は比較的信頼性の高い速度であると判断してステップm3に移行し、30km/h未満であれば、前記取得した車速情報が表す速度は比較的信頼性の低い速度であると判断して、速度が30km/h以上になるまで待機する。
【0085】
ステップm3では、車速センサ33を介して車速パルスをチェックし、たとえば第2SD−RAM29に一時記憶する。次にステップm4に移行して、車速センサ33から出力される車速パルスの入力があるか否かを判断し、車速パルスのCPU11への入力があればステップm5に移行し、車速パルスの入力がなければ、当該車両がトンネルに入るなどしてGPS用衛星からの電波信号を受信できない状態にあると判断して、車速パルスの入力があるまで待機する。
【0086】
ステップm5では、車速測定モードから、車速検出モードすなわち車速センサ33によって検出される車速パルスに基づいて車速情報を取得するモードに設定を切換える。したがって車速情報は、車速パルスに基づいて取得される。次にステップm6に移行し、前述のステップm3と同様の処理を行い、ステップm7に移行する。
【0087】
ステップm7では、車速センサ33から出力される車速パルスのCPU11への入力があるか否かを判断し、車速パルスの入力がなければステップm8に移行し、車速パルスの入力があればステップm6に戻る。
【0088】
ステップm8では、GPSレシーバによって受信した電波信号に基づいて取得される車速情報が表す速度が予め定める速度、本実施の形態では30km/h以上であるか否かを判断し、30km/h以上であれば、前記取得した車速情報が表す速度は比較的信頼性の高い速度であると判断してステップm9に移行し、30km/h未満であれば、前記取得した車速情報が表す速度は比較的信頼性の低い速度であると判断してステップm6に戻る。
【0089】
ステップm9では、車速検出モードから、車速測定モードすなわちGPSアンテナを介してGPSレシーバによって受信した電波信号に基づいて車速情報を取得するモードに設定を切換えて、ステップm2に戻り、前述と同様の処理を行う。
【0090】
前述のように本実施の形態によれば、所定の条件、具体的には車速が予め定める速度以上である条件を満足するとき、CPU11によって、車速測定モードおよび車速検出モードのうち、いずれか一方のモードから他方のモードへ切換えられる。これによって、たとえば車速測定モード時に、車速センサ33によって車速パルスが検出され、車速パルスがCPU11に入力されている場合は、CPU11によって、車速測定モードよりも高精度に車速を検出することができる車速検出モードへ切換えられる。したがって、車速測定モードに比べて正確な車速を取得することができる。
【0091】
また車速検出モード時に、車速パルスを伝送する信号線が断線するなどして、車速センサ33によって車速パルスが検出されない場合でも、CPU11によって、車速検出モードから車速測定モードへ切換えられるので、車速を確実に取得することができる。
【0092】
また本実施の形態によれば、車速測定モード時に、GPSレシーバによって受信した電波信号に基づいて測定される車両情報が表す速度が予め定める速度以上であるとき、車速センサ33によって車速パルスが検出されたか否かが、CPU11によって判断される。車速センサ33によって車速パルスが検出されたとCPU11によって判断されたとき、CPU11によって、車速測定モードから車速検出モードへ切換えられる。これによって車速測定モード時に、車速センサ33によって車速パルスが検出されている場合は、CPU11によって車速測定モードよりも高精度に車速を検出することができる車速検出モードへ切換えられるので、車速測定モードに比べて正確な車速を取得することができる。
【0093】
また本実施の形態によれば、車速検出モード時に、車速センサ33によって検出される車両情報が表す速度が予め定める速度以上であるとき、車速センサ33によって車速パルスが検出されたか否かが、CPU11によって判断される。車速センサ33によって車速パルスが検出されたとCPU11によって判断されたとき、CPU11によって、車速検出モードから車速測定モードへ切換えられる。これによって、車速検出モード時に、車速パルスを伝送する信号線が断線するなどして、車速センサ33によって車速パルスが検出されない場合でも、CPU11によって車速測定モードへ切換えられるので、車速を確実に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】センタ機器構成およびドライブレコーダ1を表す図であり、図1(a)はセンタ機器構成の一例を表す図、図1(b)はドライブレコーダ1の斜視図である。
【図2】ドライブレコーダ1の電気的構成を表す図である。
【図3】Gセンサ出力値31および速度変化32に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード2に記録される態様を表す図である。
【図4】画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。
【図5】閾値を超過したGセンサ出力値31と、CFカード2に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図6】Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。
【図7】3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断i、ii)を表すフローチャートである。
【図8】3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断iii)を表すフローチャートである。
【図9】3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断iv)を表すフローチャートである。
【図10】3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断v)を表すフローチャートである。
【図11A】3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断vi)を表すフローチャートである。
【図11B】3軸Gセンサ26から使用する2軸および向きを自動判断する処理(自動判断vi)を表すフローチャートである。
【図12】スイッチ10によってGセンサ26のオフセットを補正をする処理を表すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態に係るドライブレコーダ1Aの斜視図である。
【図14】ドライブレコーダ1Aの正面図である。
【図15】メモリスイッチ60および電源スイッチ61によってGセンサのオフセットを補正をする処理を表すフローチャートである。
【図16】メモリスイッチ60によって時刻補正をする処理を表すフローチャートである。
【図17】メモリスイッチ60および電源スイッチ61によって時刻補正をする処理を表すフローチャートである。
【図18】オフ時刻を記録する処理を表すフローチャートである。
【図19】時刻補正を促す処理を表すフローチャートである。
【図20】車速情報の取得の切換えに関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1 ドライブレコーダ
2 CFカード
7a 挿入口
11 CPU
13 RAM
26 Gセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる運転情報記録装置において、
車両運転に関する運転情報を巡回して記憶する記憶手段と、
互いに直交する3軸方向の重力加速度を検出する検出手段によって検出される当該車両の前後、左右および上下方向の重力加速度の少なくともいずれか一つの出力値を記録開始条件として、記憶手段に記憶された運転情報を記録媒体に記録するよう制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記運転情報記録装置本体の当該車両への取付け姿勢に基づいて、上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定することを特徴とする運転情報記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、下方向に作用する重力加速度の出力値に基づいて上下方向の重力加速度を検出する軸方向を特定し、当該車両の走行開始時の重力加速度の出力値の変化に基づいて前後方向の重力加速度を検出する軸方向を特定することを特徴とする請求項1記載の運転情報記録装置。
【請求項3】
運転の操作状態を検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、車両の走行開始時の重力加速度の出力値の変化と運転の操作状態とに基づいて前後方向の重力加速度を検出する軸方向を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の運転情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−32661(P2008−32661A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209308(P2006−209308)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】