説明

運転操作評価装置

【課題】運転者による運転操作を車両の周囲の状況に応じて適正に評価する。
【解決手段】運転操作評価ECU1は、該車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する移動体検出部101と、検出された移動体の該車両からの距離、及び、相対速度に基づき、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する優良操作推定部108と、該車両の運転者による運転操作を検出する運転操作検出部104と、優良操作推定部108によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づき、運転操作検出部104によって検出された運転操作の適否を評価する操作評価部110と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両に搭載され、運転者による運転操作の適否を評価する運転操作評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者による運転操作の安全性を改善する目的で、運転者によって行われた運転操作が安全性の観点から適切なものであるか否かを評価する種々の装置、方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の安全運転評価装置は、運転者の状態を検出する運転者状態検出手段、自車の運転状態を検出する車両状態検出手段、及び、自車の周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段、の検出情報に基づき運転の内容を評価する運転評価手段と、運転評価手段の評価結果を運転者に認知させるために出力する評価出力手段とを備える。
【0004】
上記特許文献1に記載の安全運転評価装置によれば、運転者の状態、自車の運転状態、及び、自車の周囲の走行環境、の検出情報に基づき運転内容を評価し、これを出力して運転者に認知させることができ、安全度の低い運転をしている場合には運転者に安全運転を促すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−268297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の安全運転評価装置には、種々の実施形態が記載されているが、運転内容の評価基準が画一的であって、車両の周囲の状況に応じた適正な評価がされない虞がある。
【0007】
例えば、上記特許文献1の図11には、車間距離が安全領域にあるか否かに基づいて、運転内容の評価する技術が開示されている。しかしながら、交通量の多寡等の、該車両の周囲の状況に応じて、運転者は、車間距離を臨機応変に決定する必要があるため、上述のような評価では、適正な結果が得られない場合がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、運転者による運転操作を車両の周囲の状況に応じて適正に評価することの可能な運転操作評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有している。第1の発明は、車両に搭載され、運転者による運転操作の適否を評価する運転操作評価装置であって、該車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する移動体検出手段と、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、及び、相対速度に基づき、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する優良操作推定手段と、該車両の運転者による運転操作を検出する運転操作検出手段と、前記優良操作推定手段によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づき、前記運転操作検出手段によって検出された運転操作の適否を評価する操作評価手段と、を備える。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、ナビゲーションシステムを介して、該車両が走行している道路近傍に敷設され、該車両の周囲に存在する信号機、標識、横断歩道を含む敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報を取得する敷設物情報取得手段を備え、前記優良操作推定手段が、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報に基づき、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する。
【0011】
第3の発明は、上記第1の発明において、前記移動体検出手段が、該車両の前方及び側方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する。
【0012】
第4の発明は、上記第3の発明において、前記移動体検出手段が、該車両の後方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する。
【0013】
第5の発明は、上記第1の発明において、前記移動体検出手段が、画像情報を生成するカメラ、及び、レーダ装置を介して、該車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する。
【0014】
第6の発明は、上記第2の発明において、前記運転操作検出手段によって検出された該車両の運転者による運転操作、及び、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報、位置情報、該車両の地図上の位置情報、の少なくとも一方に基づいて、該車両の右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作の少なくとも1つの操作を含み、予め設定された複数の評価対象操作の内、いずれかが行われたか否かを判定する操作判定手段を備え、前記操作評価手段が、前記操作判定手段によって前記複数の評価対象操作のいずれかが行われたと判定された場合に、前記運転操作検出手段によって検出された運転操作の適否を評価する。
【0015】
第7の発明は、上記第1の発明において、前記操作評価手段が、前記移動体検出手段によって検出された移動体と該車両との距離に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0016】
第8の発明は、上記第7の発明において、前記操作評価手段が、前記移動体検出手段によって検出された移動体との相対速度に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0017】
第9の発明は、上記第7の発明において、前記操作評価手段が、前記移動体検出手段によって検出された移動体と該車両との距離を、前記優良操作推定手段によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作による仮想的な車両から前記移動体検出手段によって検出された移動体までの距離と比較することによって、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0018】
第10の発明は、上記第7の発明において、前記移動体検出手段によって検出された移動体の種類を推定する移動体判別手段を備え、前記操作評価手段が、前記移動体判別手段によって推定された移動体の種類に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0019】
第11の発明は、上記第2の発明において、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報及び位置情報、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、前記運転操作検出手段によって検出された該車両の運転者による運転操作に基づいて、前記敷設物の種類、位置、前記移動体の位置、及び、該車両の位置を含み、予め設定された第1所定時間毎の予め設定された第1所定範囲の鳥瞰図である第1鳥瞰図を生成する第1鳥瞰図生成手段を備え、前記操作評価手段が、前記第1鳥瞰図に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0020】
第12の発明は、上記第11の発明において、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報及び位置情報、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、前記優良操作推定手段によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づいて、前記敷設物の種類、位置、前記移動体の位置、及び、前記仮想的な優良運転者が運転操作する仮想的な車両の位置を含み、予め設定された第2所定時間毎の予め設定された第2所定範囲の鳥瞰図である第2鳥瞰図を生成する第2鳥瞰図生成手段を備え、前記操作評価手段が、前記第1鳥瞰図及び前記第2鳥瞰図に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0021】
第13の発明は、上記第12の発明において、前記第2所定時間が、前記第1所定時間と略同一値に設定され、前記第2所定範囲が、前記第1所定範囲と略同一範囲に設定されている。
【0022】
第14の発明は、上記第12の発明において、前記操作評価手段が、前記第1鳥瞰図における該車両の位置の時間的変化を、前記第2鳥瞰図における前記仮想的な車両の位置の時間的変化と比較して、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0023】
第15の発明は、上記第12の発明において、前記操作評価手段による評価結果を、該車両の運転者へ視認可能に出力する評価結果出力手段を備える。
【0024】
第16の発明は、上記第15の発明において、前記評価結果出力手段が、前記第1鳥瞰図及び前記第2鳥瞰図の少なくとも一方を、該車両の運転者に視認可能に表示する。
【0025】
第17の発明は、上記第15の発明において、前記評価結果出力手段が、前記操作評価手段による評価結果を説明する音声情報を生成し、生成された音声を出力する。
【0026】
第18の発明は、上記第1の発明において、前記操作評価手段による評価結果を、該車両の運転者へ視認可能に出力する評価結果出力手段を備える。
【0027】
第19の発明は、上記第18の発明において、前記操作評価手段による評価結果を該車両の運転者へ出力するタイミングである出力タイミングを決定する出力時点決定手段を備え、前記評価結果出力手段が、前記出力時点決定手段によって決定された出力タイミングにおいて、前記操作評価手段による評価結果を出力する。
【0028】
第20の発明は、上記第19の発明において、前記出力時点決定手段が、前記操作評価手段による評価が終了した後、該車両が安全な状況になったタイミングを前記出力タイミングとして決定する。
【0029】
第21の発明は、上記第20の発明において、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類及び位置、該車両の地図上の位置、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、前記運転操作検出手段によって検出された該車両の運転者による運転操作に基づいて、該車両が安全な状況であるか否かを判定する状況判定手段を備え、前記出力時点決定手段が、前記状況判定手段によって該車両が安全な状況になったと判定されたタイミングを前記出力タイミングとして決定する。
【発明の効果】
【0030】
上記第1の発明によれば、車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度が検出される。そして、検出された移動体の該車両からの距離、及び、相対速度に基づき、仮想的な優良運転者の運転操作が推定される。また、該車両の運転者による運転操作が検出される。更に、推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づき、検出された運転操作の適否が評価される。従って、運転者による運転操作を車両の周囲の状況に応じて適正に評価することができる。
【0031】
すなわち、車両の周囲の状況として、車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度が検出される。そして、この車両の周囲の状況において、仮想的な優良運転者の運転操作が推定され、推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づき、検出された運転操作の適否が評価されるため、運転者による運転操作を、具体的な車両の周囲の状況における仮想的な優良運転者の運転操作と対比することによって、運転者による運転操作を車両の周囲の状況に応じて適正に評価することができるのである。
【0032】
上記第2の発明によれば、ナビゲーションシステムを介して、該車両が走行している道路近傍に敷設され、該車両の周囲に存在する信号機、標識、横断歩道を含む敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報が取得される。そして、取得された敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報に基づき、仮想的な優良運転者の運転操作が推定される。従って、仮想的な優良運転者の運転操作を更に正確に推定することができる。
【0033】
すなわち、車両の周囲の状況として、更に、該車両が走行している道路近傍に敷設され、該車両の周囲に存在する信号機、標識、横断歩道を含む敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報が取得されるため、車両の周囲の状況を更に正確に認識することができる。そこで、更に正確に認識された車両の周囲の状況に基づいて、仮想的な優良運転者の運転操作が推定されるため、仮想的な優良運転者の運転操作を更に正確に推定することができるのである。
【0034】
上記第3の発明によれば、該車両の前方及び側方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度が検出されるため、仮想的な優良運転者の運転操作を正確に推定することができる。
【0035】
すなわち、該車両の周囲の状況として、該車両の進行方向に存在する移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出することが重要である。そこで、該車両の前方及び側方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度が検出されるため、該車両の周囲の状況を適正に検出することができるので、仮想的な優良運転者の運転操作を正確に推定することができるのである。
【0036】
上記第4の発明によれば、該車両の後方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度が検出される。従って、仮想的な優良運転者の運転操作を更に正確に推定することができる。
【0037】
すなわち、該車両の前方及び側方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度に加えて、該車両の後方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度が検出されるため、該車両の周囲の状況を更に適正に検出することができるので、仮想的な優良運転者の運転操作を更に正確に推定することができるのである。
【0038】
上記第5の発明によれば、画像情報を生成するカメラ、及び、レーダ装置を介して、該車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度が検出される。従って、簡素な構成で正確に該車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出することができる。
【0039】
上記第6の発明によれば、検出された該車両の運転者による運転操作、及び、取得された敷設物の種類情報、位置情報、該車両の地図上の位置情報、の少なくとも一方に基づいて、該車両の右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作の少なくとも1つの操作を含み、予め設定された複数の評価対象操作の内、いずれかが行われたか否かが判定される。そして、前記複数の評価対象操作のいずれかが行われたと判定された場合に、検出された運転操作の適否が評価される。従って、運転者による運転操作の内、前記複数の評価対象操作に含まれる運転操作を、車両の周囲の状況に応じて適正に評価することができる。
【0040】
すなわち、該車両の右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作は、事故の発生する危険性の高い運転操作である。そこで、これらの運転操作が行われた場合(=前記複数の評価対象操作のいずれかが行われたと判定された場合)に、検出された運転操作の適否が評価されるため、前記複数の評価対象操作を適正に設定することによって、危険性の高い運転操作に関して、車両の周囲の状況に応じた適正な評価を行うことができるのである。
【0041】
上記第7の発明によれば、検出された移動体と該車両との距離に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否が評価される。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0042】
すなわち、例えば、該車両が右折する際に、該車両の進行方向において歩行者が横断歩道を渡っている場合(図4参照)には、優良運転者は、前記歩行者が危険を感じない程度の距離閾値Lsh(例えば、5m)を確保して、この距離を確保するべく運転操作を行う。これに対して、該車両と前記歩行者との距離が距離閾値Lsh以下(図5、図6参照)である場合には、該車両の運転者による運転操作が適切ではないと評価する。このようにして、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができるのである。
【0043】
上記第8の発明によれば、検出された移動体との相対速度に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否が評価される。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0044】
すなわち、例えば、該車両が右折する際に、該車両の進行方向において歩行者が横断歩道を渡っている場合(図4参照)には、優良運転者は、前記横断歩道近傍において、前記歩行者が危険を感じない程度の閾値速度(例えば、10km/時)以下とするべく運転操作を行う。これに対して、該車両と前記歩行者との相対速度が閾値速度より大きい場合には、該車両の運転者による運転操作が適切ではないと評価する。このようにして、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができるのである。
【0045】
上記第9の発明によれば、検出された移動体と該車両との距離を、推定された仮想的な優良運転者の運転操作による仮想的な車両から移動体までの距離と比較することによって、該車両の運転者による運転操作の適否が評価される。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0046】
すなわち、例えば、該車両が右折する際に、該車両の進行方向において歩行者が横断歩道を渡っている場合(図5参照)には、優良運転者は、前記歩行者が危険を感じない程度の距離閾値Lsh(例えば、5m)を確保して、この距離を確保するべく運転操作を行う。これに対して、該車両と前記歩行者との距離が距離閾値Lsh以下(図4、図6参照)である場合には、該車両の運転者による運転操作が適切ではないと評価する。このようにして、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができるのである。
【0047】
上記第10の発明によれば、検出された移動体の種類が推定される。そして、推定された移動体の種類に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否が評価される。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0048】
すなわち、例えば、移動体の種類が子供であると推定された場合には、進行方向を急に変えることがある、急に走り出すことがある等の子供の行動特性を反映して、運転操作を評価することができる。また、例えば、移動体の種類が老人であると推定された場合には、危険な状況になった場合に立ち止まる等の老人の行動特性を反映して、運転操作を評価することができる。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができるのである。
【0049】
上記第11の発明によれば、取得された敷設物の種類情報及び位置情報、検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、検出された該車両の運転者による運転操作に基づいて、前記敷設物の種類、位置、前記移動体の位置、及び、該車両の位置を含み、予め設定された第1所定時間毎の予め設定された第1所定範囲の鳥瞰図である第1鳥瞰図が生成される。そして、生成された第1鳥瞰図に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否が評価される。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0050】
すなわち、前記第1鳥瞰図には、例えば、図4に示すように、予め設定された第1所定範囲(図4では、車両VC1が右折する交差点の近傍)における信号機、横断歩道、停止線等の敷設物の種類情報及び位置情報が含まれている。また、前記第1鳥瞰図には、例えば、図4に示すように、予め設定された第1所定時間(例えば、0.5sec)毎の、前記移動体(ここでは、歩行者WP)の位置P20〜P27、車両VC1の位置P10〜P17が含まれている。つまり、前記第1鳥瞰図には、車両の周囲の状況と、車両VC1の位置の変化とが含まれているため、生成された第1鳥瞰図に基づいて、該車両(=車両VC1)の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができるのである。
【0051】
上記第12の発明によれば、取得された敷設物の種類情報及び位置情報、検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づいて、前記敷設物の種類、位置、前記移動体の位置、及び、前記仮想的な優良運転者が運転操作する仮想的な車両の位置を含み、予め設定された第2所定時間毎の予め設定された第2所定範囲の鳥瞰図である第2鳥瞰図が生成される。そして、前記第1鳥瞰図及び前記第2鳥瞰図に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否が評価される。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0052】
すなわち、前記第2鳥瞰図には、例えば、図5に示すように、予め設定された第2所定範囲(図5では、車両VC1が右折する交差点の近傍)における信号機、横断歩道、停止線等の敷設物の種類情報及び位置情報が含まれている。また、前記第2鳥瞰図には、例えば、図5に示すように、予め設定された第1所定時間(例えば、0.5sec)毎の、前記移動体(ここでは、歩行者WP)の位置P20〜P27、仮想的な車両VC10の位置Q10〜Q17が含まれている。つまり、前記第2鳥瞰図には、車両の周囲の状況と、仮想的な車両VC10の位置の変化とが含まれているため、生成された第2鳥瞰図と、前記第1鳥瞰図とに基づいて、該車両(=車両VC1)の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができるのである。
【0053】
上記第13の発明によれば、前記第2所定時間が、前記第1所定時間と略同一値に設定され、前記第2所定範囲が、前記第1所定範囲と略同一範囲に設定されている。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0054】
すなわち、前記第2所定時間が、前記第1所定時間と略同一値に設定され、前記第2所定範囲が、前記第1所定範囲と略同一範囲に設定されているため、前記第1鳥瞰図上の該車両VC1の位置と、前記第2鳥瞰図上の仮想的な車両VC10の位置とを、直接的に比較することが可能となるので、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができるのである。
【0055】
上記第14の発明によれば、前記第1鳥瞰図における該車両の位置の時間的変化を、前記第2鳥瞰図における前記仮想的な車両の位置の時間的変化と比較して、該車両の運転者による運転操作の適否が評価される。従って、該車両の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0056】
すなわち、前記第1鳥瞰図における該車両VC1の位置の時間的変化(マークP10〜マークP17:図4参照)と、前記第2鳥瞰図における仮想的な車両VC10の位置の時間的変化(マークQ10〜マークQ17:図5参照)とを比較することによって、視覚的に両者の動きを比較して、該車両の運転者による運転操作を適正に評価することができるのである。
【0057】
上記第15の発明によれば、該車両の運転者による運転操作の評価結果が、該車両の運転者へ視認可能に出力される。従って、該車両の運転者による運転操作の評価結果を容易に把握することができる。
【0058】
上記第16の発明によれば、前記第1鳥瞰図及び前記第2鳥瞰図の少なくとも一方が、該車両の運転者に視認可能に表示される。従って、該車両の運転者による運転操作の評価結果を更に容易に把握することができる。
【0059】
上記第17の発明によれば、該車両の運転者による運転操作の評価結果を説明する音声情報が生成され、生成された音声が出力される。従って、該車両の運転者が、運転操作の評価結果を更に容易に把握することができる。
【0060】
上記第18の発明によれば、該車両の運転者による運転操作の評価結果が、該車両の運転者へ視認可能に出力される。従って、該車両の運転者による運転操作の評価結果を容易に把握することができる。
【0061】
上記第19の発明によれば、該車両の運転者による運転操作の評価結果を該車両の運転者へ出力するタイミングである出力タイミングが決定される。そして、決定された出力タイミングにおいて、該車両の運転者による運転操作の評価結果が出力される。従って、適正な出力タイミングを決定することによって、該車両の運転者による運転操作の評価結果を適正なタイミングで出力することができる。
【0062】
上記第20の発明によれば、該車両の運転者による運転操作の評価が終了した後、該車両が安全な状況になったタイミングが前記出力タイミングとして決定される。従って、適正な出力タイミングを決定することができる。
【0063】
上記第21の発明によれば、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類及び位置、該車両の地図上の位置、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、前記運転操作検出手段によって検出された該車両の運転者による運転操作に基づいて、該車両が安全な状況であるか否かが判定される。そして、該車両が安全な状況になったと判定されたタイミングが前記出力タイミングとして決定される。従って、該車両が安全な状況であるか否かを適正に判定することができるので、更に適正な出力タイミングを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る運転操作評価装置の構成の一例を示すブロック図
【図2】図1に示すレーダ装置、カメラの搭載位置の一例を示す平面図
【図3】図1に示す運転操作評価ECUの機能構成の一例を示すブロック図
【図4】第1鳥瞰図表示画面の一例を示す画面図
【図5】第2鳥瞰図表示画面の一例を示す画面図
【図6】歩行者との距離の変化の一例を示すグラフ
【図7】評価結果の出力タイミングの一例を示す平面図
【図8】運転操作評価ECUの動作の一例を示すフローチャート(前半部)
【図9】運転操作評価ECUの動作の一例を示すフローチャート(後半部)
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、図面を参照して本発明に係る運転操作評価装置の実施形態について説明する。本発明に係る運転操作評価装置は、例えば、車両に搭載され、運転者による運転操作の適否を評価する装置である。まず、図1を用いて、本発明に係る運転操作評価装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る運転操作評価装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る運転操作評価ECU(Electronic Control Unit)1(=運転操作評価装置に相当する)は、周辺機器としての入力機器2及び出力機器3と通信可能に接続されている。
【0066】
入力機器2は、レーダ装置21、カメラ22、ナビゲーションシステム23、車速センサ24、操舵角センサ25、加速操作センサ26、減速操作センサ27、及び、方向指示操作センサ28を備えている。また、出力機器3は、ディスプレイ31、及び、スピーカ32を備えている。
【0067】
レーダ装置21(レーダ装置211〜216:図2参照)は、例えば、ミリ波等を介して、車両VC1の周囲に存在する他の車両、歩行者等の移動体との距離、及び、相対速度を検出する装置である。また、レーダ装置21は、運転操作評価ECU1(ここでは、移動体検出部101:図3参照)に対して、車両VC1の周囲に存在する移動体との距離及び相対速度を示す信号を出力する。
【0068】
カメラ22は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等のセンサを備え、車両VC1の前方の画像を生成し、画像処理等を施して、車両VC1の前方に存在する他の車両、歩行者等の移動体との距離、及び、相対速度を検出するカメラである。また、カメラ22は、運転操作評価ECU1(ここでは、移動体検出部101:図3参照)に対して、車両VC1の前方に存在する移動体との距離及び相対速度を示す信号を出力する。
【0069】
図2は、図1に示すレーダ装置21、カメラ22の搭載位置の一例を示す平面図である。ここでは、車両VC1には、車両VC1の前方に存在する移動体を検出するレーダ装置211及びカメラ22が車両VC1の前端部に搭載されている。また、車両VC1には、車両VC1の側方に存在する移動体を検出するレーダ装置212〜215が、車両VC1の側面に搭載されている。更に、車両VC1には、車両VC1の後方に存在する移動体を検出するレーダ装置216が、車両VC1の後端部に搭載されている。
【0070】
なお、レーダ装置211〜216は、略同一の構成を有するため、以下の説明においては、レーダ装置21と総称する。また、本実施形態では、レーダ装置21が、車両VC1の周囲に存在する移動体を検出し、カメラ22が、車両VC1の前方に存在する移動体を検出する場合について説明するが、レーダ装置21及びカメラ22の少なくとも一方が、車両VC1の周囲に存在する移動体を検出する形態であれば良い。更には、車両VC1に、その他のセンサ(例えば、超音波センサ)等が搭載され、該センサを介して、車両VC1の周囲に存在する移動体を検出する形態でも良い。
【0071】
再び、図1に戻って、入力機器2について説明する。ナビゲーションシステム23は、
地図情報を備え、GPS(Global Positioning System)等を介して、車両の地図上の位置である車両位置を検出し、地図上の車両位置をディスプレイ31に表示するシステムである。また、ナビゲーションシステム23は、運転操作評価ECU1(ここでは、敷設物情報取得部103:図3参照)に対して、前記車両位置情報、及び、該車両位置の周囲に敷設された信号機、標識、横断歩道を含む敷設物の種類情報、位置情報を出力する。
【0072】
車速センサ24は、車両の走行速度を検出するセンサであって、検出された車速情報を運転操作評価ECU1(ここでは、運転操作検出部104:図3参照)に対して出力する。
【0073】
操舵角センサ25は、ステアリングセンサ等からなり、操舵角を検出するセンサであって、検出された操舵角情報を運転操作評価ECU1(ここでは、運転操作検出部104:図3参照)に対して出力する。
【0074】
加速操作センサ26は、スロットル開度センサ等からなり、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサであって、検出されたアクセル踏込量情報を運転操作評価ECU1(ここでは、運転操作検出部104:図3参照)に対して出力する。
【0075】
減速操作センサ27は、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するセンサであって、検出されたブレーキ踏込量情報を運転操作評価ECU1(ここでは、運転操作検出部104:図3参照)に対して出力する。
【0076】
方向指示操作センサ28は、方向指示レバーを介して行われる方向指示操作を検出するセンサであって、検出された方向指示操作情報を運転操作評価ECU1(ここでは、運転操作検出部104:図3参照)に対して出力する。
【0077】
ディスプレイ31は、車両VC1の運転席前方のフロントパネル等に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、種々の画像情報(例えば、ナビゲーションシステム23からの車両位置情報、図4、図5を用いて後述する第1鳥瞰図画像情報、第2鳥瞰図画像情報等)を運転者に視認可能に表示するものである。
【0078】
スピーカ32は、車両VC1の運転席の周囲に配設され、運転者に対して種々の音声情報(ガイダンス情報、警報情報等)を出力するものである。
【0079】
図3は、図1に示す運転操作評価ECU1の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、運転操作評価ECU1は、機能的に、移動体検出部101、移動体判別部102、敷設物情報取得部103、運転操作検出部104、操作判定部105、第1鳥瞰図生成部106、優良操作記憶部107、優良操作推定部108、第2鳥瞰図生成部109、操作評価部110、状況判定部111、出力時点決定部112、及び、評価結果出力部113を備えている。
【0080】
なお、運転操作評価ECU1は、運転操作評価ECU1の適所に配設されたマイクロコンピュータに、運転操作評価ECU1の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、運転操作評価ECU1は、機能的に、移動体検出部101、移動体判別部102、敷設物情報取得部103、運転操作検出部104、操作判定部105、第1鳥瞰図生成部106、優良操作記憶部107、優良操作推定部108、第2鳥瞰図生成部109、操作評価部110、状況判定部111、出力時点決定部112、評価結果出力部113等の機能部として機能させる。
【0081】
移動体検出部101は、レーダ装置21及びカメラ22を介して、車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両VC1からの距離、及び、相対速度を検出する機能部である。ここで、移動体検出部101は、移動体検出手段に相当する。また、移動体検出部101は、レーダ装置21及びカメラ22を介して、車両の周囲に存在する移動体の大きさ、輪郭等の形状等を検出する。
【0082】
移動体判別部102は、移動体検出部101によって検出された移動体の種類を推定する機能部である。ここで、移動体判別部102は、移動体判別手段に相当する。また、移動体判別部102は、具体的には、移動体検出部101によって検出された移動体の相対速度、大きさ、輪郭等の形状に基づいて、車両、歩行者、自転車等の移動体の種類を推定する。
【0083】
敷設物情報取得部103は、ナビゲーションシステム23を介して、車両VC1が走行している道路近傍に敷設され、車両VC1の周囲に存在する信号機、標識、横断歩道を含む敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報を取得する機能部である。ここで、敷設物情報取得部103は、敷設物情報取得手段に相当する。
【0084】
運転操作検出部104は、車速センサ24、操舵角センサ25、加速操作センサ26、減速操作センサ27、及び、方向指示操作センサ28を介して、車両VC1の運転者による運転操作を検出する機能部である。ここで、運転操作検出部104は、運転操作検出手段に相当する。また、運転操作検出部104は、具体的には、運転操作として、車両VC1の車速、操舵角、アクセル踏込量、ブレーキ踏込量、方向指示操作を検出する。
【0085】
操作判定部105は、運転操作検出部104によって検出された車両VC1の運転者による運転操作、及び、敷設物情報取得部103によって取得された敷設物の種類情報、位置情報、車両VC1の地図上の位置情報に基づいて、予め設定された複数の評価対象操作の内、いずれかが行われたか否かを判定する機能部である。ここで、操作判定部105は、操作判定手段に相当する。
【0086】
また、「評価対象操作」とは、操作評価部110によって評価される対象の操作であって、ここでは、車両VC1の右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作を含む。
【0087】
第1鳥瞰図生成部106は、車両VC1が走行している道路近傍に敷設された敷設物の種類、位置、車両VC1の周囲に存在する移動体の位置、及び、車両VC1の位置を含み、予め設定された第1所定時間ΔT1(例えば、0.5sec)毎の予め設定された第1所定範囲(例えば、車両VC1が右折する交差点近傍)の鳥瞰図である第1鳥瞰図BM1(図4参照)を生成する機能部である。ここで、第1鳥瞰図生成部106は、第1鳥瞰図生成手段に相当する。
【0088】
また、第1鳥瞰図生成部106は、具体的には、敷設物情報取得部103によって取得された敷設物の種類情報及び位置情報、移動体検出部101によって検出された移動体の車両VC1からの距離、相対速度、移動体判別部102によって推定された移動体の種類、及び、運転操作検出部104によって検出された車両VC1の運転者による運転操作に基づいて、第1鳥瞰図BM1を生成する。更に、第1鳥瞰図生成部106によって生成された第1鳥瞰図BM1は、操作評価部110によって、車両VC1の運転者による運転操作の評価に用いられると共に、評価結果出力部113によって、ディスプレイ31に表示される。
【0089】
図4は、評価結果出力部113によってディスプレイ31に表示される第1鳥瞰図表示画面の一例を示す画面図である。ここで、第1鳥瞰図表示画面は、第1鳥瞰図BM1を表示する画面である。ここでは、図4に示すように、第1鳥瞰図表示画面には、敷設物情報取得部103によって取得された敷設物として、実線で示す車線、破線で示す中央区分線、横断歩道が表示されている。また、第1鳥瞰図表示画面には、移動体検出部101によって検出された移動体(ここでは、車両VC2、歩行者WP)の位置が、移動体判別部102によって推定された移動体の種類(ここでは、種類を示す画像)と対応付けて表示されている。
【0090】
更に、第1鳥瞰図表示画面には、運転操作検出部104によって検出された車両VC1の運転者による運転操作に基づいて、予め設定された第1所定時間ΔT1(例えば、0.5sec)毎の車両VC1の位置を示すマーク(ここでは、黒丸●)P10〜P17が表示されている。加えて、第1鳥瞰図表示画面には、移動体検出部101によって検出された歩行者WPの位置を示すマーク(ここでは、白抜きの丸○)P20〜P27が表示されている。ここで、マークP10〜P17、及び、マークP20〜P27は、時点T0〜T7(図6参照)における車両VC1及び歩行者WPの位置をそれぞれ示すマークである。また、時点T0〜T7は、第1所定時間ΔT1(例えば、0.5sec)間隔の時点である。
【0091】
再び、図3に戻って、運転操作評価ECU1の機能構成について説明する。優良操作記憶部107は、車両VC1の周囲の状況における仮想的な優良運転者の運転操作を推定するための各種データを格納する機能部である。ここで、優良操作記憶部107は、優良操作推定手段の一部に相当する。また、優良操作記憶部107は、具体的には、車両VC1の周囲の状況と対応付けて、仮想的な優良運転者の運転操作情報を格納している。ここで、車両VC1の周囲の状況は、右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作を含む評価対象操作毎に分類されている。
【0092】
更に、優良操作記憶部107には、評価対象操作毎に、種々の車両VC1の周囲の状況を示す情報が格納されている。例えば、評価対象操作が右折操作である場合には、対向車両、歩行者、自転車、自動二輪車等との関係において、典型的な周囲の状況が格納されている。例えば、片側2車線の交差点において、手前側の対向車両の陰に自動二輪車が隠れていて、運転者による該自動二輪車の確認が遅れることによって、事故が発生し得る状況(以下の説明において、便宜上「状況A」という)を示す情報が格納されている。また、例えば、横断中の歩行者の横断に注目している場合に、右側からの自転車の接近に気付くのが遅れることによって、事故が発生し得る状況(以下の説明において、便宜上「状況B」という)を示す情報が格納されている。
【0093】
加えて、優良操作記憶部107は、上記評価対象操作毎の各周囲の状況を示す情報に対応付けて、仮想的な優良運転者の運転操作情報を格納している。例えば、状況Aを示す情報に対応付けて、仮想的な優良運転者の運転操作としては、手前側の対向車両が通りすぎて、直ぐに右折を開始するのではなく、安全確認をして、自動二輪車が通りすぎたのを確認した後に、右折を開始することを示す運転操作情報を格納している。また、例えば、状況Bを示す情報に対応付けて、仮想的な優良運転者の運転操作としては、歩行者の横断の安全を確認して、直ぐに加速操作を開始するのではなく、周囲の安全を再度確認し、自転車の通過の後に、緩やかに加速操作を行うことを示す運転操作情報を格納している。
【0094】
優良操作推定部108は、車両VC1の周囲の状況における仮想的な優良運転者の運転操作を推定する機能部である。ここで、優良操作記憶部107は、優良操作推定手段の一部に相当する。また、優良操作推定部108は、具体的には、敷設物情報取得部103によって取得された敷設物の種類情報及び位置情報、移動体検出部101によって検出された移動体の車両VC1からの距離、相対速度、及び、移動体判別部102によって推定された移動体の種類に基づいて、優良操作記憶部107に格納されている周囲の状況の中から、近似する周囲の状況を検索する。そして、優良操作推定部108は、近似する周囲の状況に対応付けて優良操作記憶部107に格納されている仮想的な優良運転者の運転操作情報を読み出すことによって、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する。
【0095】
第2鳥瞰図生成部109は、車両VC1が走行している道路近傍に敷設された敷設物の種類、位置、車両VC1の周囲に存在する移動体の位置、及び、仮想的な優良運転者が運転操作する仮想的な車両VC10の位置を含み、予め設定された第2所定時間ΔT2(例えば、0.5sec)毎の予め設定された第2所定範囲(例えば、車両VC1が右折する交差点近傍)の鳥瞰図である第2鳥瞰図BM2(図5参照)を生成する機能部である。ここで、第2鳥瞰図生成部109は、第2鳥瞰図生成手段に相当する。
【0096】
なお、第2所定時間ΔT2が、第1所定時間ΔT1と同一値(ここでは、0.5sec)に設定され、前記第2所定範囲が、前記第1所定範囲と同一範囲(ここでは、車両VC1が右折する交差点近傍)に設定されている。
【0097】
このように、第2所定時間ΔT2が、第1所定時間ΔT1と同一値に設定され、前記第2所定範囲が、前記第1所定範囲と同一範囲(ここでは、車両VC1が右折する交差点近傍)に設定されているため、第1鳥瞰図BM1上の車両VC1の位置を示すマークP10〜P17と、第2鳥瞰図BM2上の仮想的な車両VC10の位置を示すマークQ10〜Q17とを、直接的に比較することが可能となるので、車両VC1の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0098】
また、第2鳥瞰図生成部109は、具体的には、敷設物情報取得部103によって取得された敷設物の種類情報及び位置情報、移動体検出部101によって検出された移動体の車両VC1からの距離、相対速度、移動体判別部102によって推定された移動体の種類、及び、運転操作検出部108によって推定された仮想的な車両VC10の仮想的な運転者による運転操作に基づいて、第2鳥瞰図BM2を生成する。更に、第2鳥瞰図生成部109によって生成された第2鳥瞰図BM2は、操作評価部110によって、車両VC1の運転者による運転操作の評価に用いられると共に、評価結果出力部113によって、ディスプレイ31に表示される。
【0099】
図5は、評価結果出力部113によってディスプレイ31に表示される第2鳥瞰図表示画面の一例を示す画面図である。ここで、第2鳥瞰図表示画面は、第2鳥瞰図BM2を表示する画面である。ここでは、図5に示すように、第2鳥瞰図表示画面には、敷設物情報取得部103によって取得された敷設物として、実線で示す車線、破線で示す中央区分線、横断歩道が表示されている。また、第2鳥瞰図表示画面には、移動体検出部101によって検出された移動体(ここでは、車両VC2、歩行者WP)の位置が、移動体判別部102によって推定された移動体の種類(ここでは、種類を示す画像)と対応付けて表示されている。
【0100】
更に、第2鳥瞰図表示画面には、優良操作推定部108によって推定された仮想的な車両VC10の仮想的な優良運転者による運転操作に基づいて、予め設定された第2所定時間ΔT2(例えば、0.5sec)毎の車両VC10の位置を示すマーク(ここでは、黒丸●)Q10〜Q17が表示されている。加えて、第2鳥瞰図表示画面には、移動体検出部101によって検出された歩行者WPの位置を示すマーク(ここでは、白抜きの丸○)P20〜P27が表示されている。ここで、マークQ10〜Q17、及び、マークP20〜P27は、時点T0〜T7(図6参照)における車両VC10及び歩行者WPの位置をそれぞれ示すマークである。また、時点T0〜T7は、第2所定時間ΔT1(例えば、0.5sec)間隔の時点である。
【0101】
再び、図3に戻って、運転操作評価ECU1の機能構成について説明する。操作評価部110は、優良操作推定部108によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づき、運転操作検出部104によって検出された運転操作の適否を評価する機能部である。ここでは、操作評価部110は、操作評価手段に相当する。また、操作評価部110は、具体的には、操作判定部105によって前記複数の評価対象操作のいずれかが行われたと判定された場合に、運転操作検出部104によって検出された運転操作の適否を評価する。すなわち、ここでは、操作判定部105によって、該車両の右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作のいずれかが行われたと判定された場合に、操作評価部110は、運転操作検出部104によって検出された運転操作の適否を評価する。
【0102】
また、操作評価部110は、第1鳥瞰図生成部106によって生成された第1鳥瞰図BM1(図4参照)、及び、第2鳥瞰図生成部109によって生成された第2鳥瞰図BM2(図5参照)に基づいて、運転操作検出部104によって検出された運転操作の適否を評価する。更に、操作評価部110は、第1鳥瞰図BM1における車両VC1の位置の時間的変化(図4に示すマークP10〜P17)を、第2鳥瞰図BM2における仮想的な車両VC10の位置の時間的変化(図5に示すマークQ10〜Q17)と比較して、車両VC1の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0103】
このようにして、第1鳥瞰図BM1における車両VC1の位置の時間的変化(マークP10〜マークP17:図4参照)と、第2鳥瞰図BM2における仮想的な車両VC10の位置の時間的変化(マークQ10〜マークQ17:図5参照)とを比較することによって、視覚的に両者の動きを比較して、車両VC1の運転者による運転操作を適正に評価することができる。
【0104】
加えて、操作評価部110は、移動体検出部101によって検出された移動体(例えば、歩行者WP)と車両VC1との距離L1を、優良操作推定部108によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作による仮想的な車両VC10から移動体検出部101によって検出された移動体(例えば、歩行者WP)までの距離L10と比較することによって、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する。
【0105】
図6は、車両VC1(車両VC10)と歩行者WPとの距離Lの変化の一例を示すグラフである。図の横軸は、時間であって、縦軸は、車両VC1と歩行者WPとの距離L1(又は、車両VC10と歩行者WPとの距離L10)である。ここでは、便宜上、距離L1、距離L10を距離Lと表記している。グラフG1は、車両VC1と歩行者WPとの距離L1の時間的変化を示すグラフであり、グラフG2は、車両VC10と歩行者WPとの距離L10の時間的変化を示すグラフである。
【0106】
図のグラフG2に示すように、車両VC10と歩行者WPとの距離L10は、予め設定された距離閾値Lsh(例えば、5m)以下となることはない。これに対して、図のグラフG1に示すように、車両VC1と歩行者WPとの距離L1は、時間T5において距離閾値Lsh以下となっている。そこで、操作評価部110は、車両VC1の運転者による運転操作を、適正な運転操作ではないと評価する。
【0107】
このようにして、例えば、車両VC1が右折する際に、車両VC1の進行方向において歩行者WPが横断歩道を渡っている場合(図5参照)には、優良運転者は、歩行者WPが危険を感じない程度の距離閾値Lsh(ここでは、5m)を確保して、この距離を確保するべく運転操作を行う。これに対して、車両VC1と歩行者WPとの距離が距離閾値Lsh以下(図4、図6参照)である場合には、車両VC1の運転者による運転操作が適切ではないと評価する。このようにして、車両VC1の運転者による運転操作を、車両の周囲の状況に応じて更に適正に評価することができる。
【0108】
本実施形態では、操作評価部110が、車両VC1と歩行者WPとの距離L1を、仮想的な車両VC10と歩行者WPまでの距離L10と比較することによって、車両VC1の運転者による運転操作の適否を評価する場合について説明したが、操作評価部110が、車両VC1の歩行者WP等の移動体との距離及び相対速度を、仮想的な車両VC10の歩行者WP等の移動体との距離及び相対速度と比較することによって、車両VC1の運転者による運転操作の適否を評価する形態でも良い。この場合には、更に車両VC1の運転者による運転操作の適否を更に適正に評価することができる。
【0109】
再び、図3に戻って、運転操作評価ECU1の機能構成について説明する。状況判定部111は、車両VC1が安全な状況であるか否かを判定する機能部である。ここで、状況判定部111は、状況判定手段に相当する。また、状況判定部111は、具体的には、敷設物情報取得部103によって取得された敷設物の種類及び位置、車両VC1の地図上の位置、移動体検出部101によって検出された移動体の車両VC1からの距離、相対速度、移動体判別部102によって推定された移動体の種類、及び、運転操作検出部104によって検出された車両VC1の運転者による運転操作に基づいて、車両VC1が安全な状況であるか否かを判定する。
【0110】
出力時点決定部112は、操作評価部110による評価結果を車両VC1の運転者へ出力するタイミングである出力タイミングを決定する機能部である。ここで、出力時点決定部112は、出力時点決定手段に相当する。また、出力時点決定部112は、具体的には、状況判定部111によって車両VC1が安全な状況になったと判定されたタイミングを前記出力タイミングとして決定する。
【0111】
図7は、操作評価部110による評価結果の出力タイミングの一例を示す平面図である。図7に示すように車両VC1は、片側1車線の道路を、図の上向きに直進している。時点T20においては、車両VC1の前方に、駐車している車両VC3があり、更に、対向車線を走行する車両VC4が存在している。なお、これらの車両VC3、車両VC4は、移動体検出部101によって検出される。また、図7に示すように、車両VC1の進行方向には、交差点がある。この交差点は、敷設物情報取得部103によって取得される。
【0112】
時点T20においては、上述のように、駐車している車両VC3、対向車線を走行する車両VC4、及び、交差点の存在に基づき、状況判定部111によって、車両VC1が安全な状況ではないと判定される。そして、車両VC1が、車両VC3を避けて走行し、車両VC4と離合し、更に、交差点を通過した時点T21において、状況判定部111によって、車両VC1が安全な状況であると判定される。そして、出力時点決定部112によって、時点T21が、操作評価部110による評価結果を車両VC1の運転者へ出力するタイミングである出力タイミングとして決定される。
【0113】
このようにして、状況判定部111によって、敷設物の種類及び位置、車両VC1の地図上の位置、移動体の車両VC1からの距離、相対速度、移動体の種類、及び、車両VC1の運転者による運転操作に基づいて、車両VC1が安全な状況であるか否かが判定されるため、車両が安全な状況であるか否かを適正に判定することができる。
【0114】
また、出力時点決定部112によって、車両VC1が安全な状況になったと判定されたタイミングが、操作評価部110による評価結果を車両VC1の運転者へ出力するタイミングである出力タイミングとして決定されるため、適正な出力タイミングを決定することができる。
【0115】
本実施形態では、出力時点決定部112が、状況判定部111によって車両VC1が安全な状況になったと判定されたタイミングを前記出力タイミングとして決定する場合について説明するが、出力時点決定部112が、その他のタイミングを前記出力タイミングとして決定する形態でも良い。例えば、出力時点決定部112が、操作評価部110によって評価結果が出力された後、車両VC1が信号待ち等で停車したタイミングを前記出力タイミングとして決定する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
【0116】
再び、図3に戻って、運転操作評価ECU1の機能構成について説明する。評価結果出力部113は、操作評価部110による評価結果を、車両VC1の運転者へ視認可能に出力する機能部である。ここで、評価結果出力部113は、評価結果出力手段に相当する。また、評価結果出力部113は、具体的には、ディスプレイ31を介して、第1鳥瞰図BM1(図4参照)及び第2鳥瞰図MP2(図5参照)を、車両VC1の運転者に視認可能に表示する。更に、評価結果出力部113は、操作評価部110による評価結果を説明する音声情報を生成し、生成された音声を、スピーカ32を介して出力する。なお、評価結果出力部113は、出力時点決定部112によって決定された出力タイミング(例えば、図7に示す時点T21)において、操作評価部110による評価結果を出力する。
【0117】
このようにして、評価結果出力部113によって、第1鳥瞰図BM1及び第2鳥瞰図BM2が、車両VC1の運転者に視認可能にディスプレイ31を介して表示されるため、車両VC1の運転者が、運転操作の評価結果を容易に把握することができる。
【0118】
また、評価結果出力部113によって、車両VC1の運転者による運転操作の評価結果を説明する音声情報が生成され、生成された音声がスピーカ32を介して出力されるため、車両VC1の運転者が、運転操作の評価結果を更に容易に把握することができる。
【0119】
本実施形態では、評価結果出力部113が、第1鳥瞰図BM1及び第2鳥瞰図BM2を表示する場合について説明するが、評価結果出力部113が、第1鳥瞰図BM1及び第2鳥瞰図BM2の少なくとも一方を表示する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
【0120】
また、本実施形態では、評価結果出力部113が、車両VC1の運転者による運転操作の評価結果を説明する音声を出力する場合について説明するが、評価結果出力部113が、車両VC1の運転者による運転操作の評価結果を説明する文字情報を生成して、生成された文字情報を、第1鳥瞰図BM1及び第2鳥瞰図BM2と共に、ディスプレイ31を介して表示する形態でも良い。
【0121】
図8、図9は、図3に示す運転操作評価ECU1の動作の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、移動体検出部101によって、車両VC1の周囲に存在する移動体との距離及び相対速度が検出される(S101)。そして、移動体判別部102によって、ステップS101において検出された移動体の種類が推定される(S103)。次いで、敷設物情報取得部103によって、車両VC1が走行している道路近傍に敷設され、車両VC1の周囲に存在する敷設物の種類、位置、及び、車両VC1の地図上の位置が取得される(S105)。次に、運転操作検出部104によって、車両VC1の運転者による運転操作が検出される(S107)。
【0122】
そして、操作判定部105によって、評価対象操作が行われたか否かが判定される(S109)。評価対象操作が行われていないと判定された場合(S109でNO)には、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。評価対象操作が行われたと判定された場合(S109でYES)には、第1鳥瞰図生成部106によって、ステップS107において検出された車両VC1の運転者による運転操作等に基づいて、第1鳥瞰図BM1が生成される(S111)。そして、優良操作推定部108によって、車両VC1の周囲の状況における仮想的な優良運転者の運転操作が推定される(S113)。次に、第2鳥瞰図生成部109によって、ステップS113において推定された車両VC10の仮想的な優良運転者による運転操作等に基づいて、第2鳥瞰図BM2が生成される(S115)。
【0123】
次いで、図9に示すように、操作評価部110によって、図8のステップS111において生成された第1鳥瞰図BM1、図8のステップS115において生成された第2鳥瞰図BM2に基づいて、図8のステップS107において検出された運転操作の適否が評価される(S117)。そして、評価結果出力部113によって、第1鳥瞰図BM1を含む第1鳥瞰図表示画面情報、第2鳥瞰図BM2を含む第2鳥瞰図表示画面情報、評価結果を説明する音声情報等からなる評価結果出力情報が生成される(S119)。
【0124】
次に、移動体検出部101によって、車両VC1の周囲に存在する移動体との距離及び相対速度が検出される(S121)。そして、移動体判別部102によって、ステップS121において検出された移動体の種類が推定される(S123)。次いで、敷設物情報取得部103によって、車両VC1が走行している道路近傍に敷設され、車両VC1の周囲に存在する敷設物の種類、位置、及び、車両VC1の地図上の位置が取得される(S125)。次に、運転操作検出部104によって、車両VC1の運転者による運転操作が検出される(S127)。
【0125】
そして、状況判定部111によって、車両VC1が安全な状況であるか否かが判定され
る(S129)。車両VC1が安全な状況ではないと判定された場合(S129でNO)には、処理がステップS121に戻され、ステップS121以降の処理が繰り返し実行される。車両VC1が安全な状況であると判定された場合(S129でYES)には、出力時点決定部112によって、ステップS129において車両VC1が安全な状況になったと判定されたタイミングが、評価結果の出力タイミングとして決定される(S131)。そして、評価結果出力部113によって、ステップS119において生成された評価結果出力情報が、ディスプレイ31、スピーカ32を介して出力されて(S133)、処理が終了される。
【0126】
このようにして、車両VC1の周囲の状況において、仮想的な優良運転者の運転操作が推定され、推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づき、検出された運転操作の適否が評価されるため、運転者による運転操作を、具体的な車両の周囲の状況における仮想的な優良運転者の運転操作と対比することによって、運転者による運転操作を車両VC1の周囲の状況に応じて適正に評価することができる。
【0127】
なお、本発明に係る運転操作評価装置は、上記実施形態に係る運転操作評価ECU1に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)本実施形態においては、移動体検出部101が、レーダ装置21(レーダ装置211〜216:図2参照)及びカメラ22を介して、車両VC1の周囲に存在する移動体を検出する場合について説明したが、移動体検出部101が、少なくとも車両VC1の前方に存在する移動体を検出する形態であれば良い。この場合には、構成及び処理が簡略化される。
【0128】
(B)本実施形態においては、運転操作検出部104が、車速センサ24、操舵角センサ25、加速操作センサ26、減速操作センサ27、及び、方向指示操作センサ28を介して、運転操作を検出する場合について説明したが、運転操作検出部104が、少なくとも車速センサ24及び操舵角センサ25を介して、運転操作を検出する形態であれば良い。この場合には、構成及び処理が簡略化される。
【0129】
(C)本実施形態においては、評価結果出力部113が、ディスプレイ31及びスピーカ32を介して、評価結果を出力する場合について説明したが、評価結果出力部113が、ディスプレイ31又はスピーカ32を介して、評価結果を出力する形態でも良い。この場合には、構成及び処理が簡略化される。
【0130】
(D)本実施形態においては、運転操作評価ECU1が、機能的に、移動体検出部101、移動体判別部102、敷設物情報取得部103、運転操作検出部104、操作判定部105、第1鳥瞰図生成部106、優良操作記憶部107、優良操作推定部108、第2鳥瞰図生成部109、操作評価部110、状況判定部111、出力時点決定部112、評価結果出力部113等を備える場合について説明したが、移動体検出部101、移動体判別部102、敷設物情報取得部103、運転操作検出部104、操作判定部105、第1鳥瞰図生成部106、優良操作記憶部107、優良操作推定部108、第2鳥瞰図生成部109、操作評価部110、状況判定部111、出力時点決定部112、及び、評価結果出力部113の内、少なくとも1の機能部が、電気回路等のハードウェアによって構成されている形態でも良い。
【0131】
(E)本実施形態においては、操作評価部110によって評価される対象の運転操作である評価対象操作が、右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作を含む場合について説明したが、評価対象操作が、右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作の少なくとも1つを含む形態であれば良い。評価対象操作の個数が少ない程、処理が簡略化される。
【0132】
(F)本実施形態においては、操作評価部110が、操作判定部105によって前記複数の評価対象操作のいずれかが行われたと判定された場合に、運転操作の適否を評価する場合について説明したが、操作評価部110が、予め設定された条件を満たすと、運転操作の適否を評価する形態でも良い。例えば、ナビゲーションシステム23に目的地を設定している場合に、操作評価部110が、予め設定された事故発生多発地点を通過するとの条件を満たすと、運転操作の適否を評価する形態でも良い。
【0133】
(G)本実施形態においては、優良操作推定部108が、優良操作記憶部107に予め格納されている運転操作情報を読み出すことによって、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する場合について説明したが、優良操作推定部108が、その他の方法で仮想的な優良運転者の運転操作を推定する形態でも良い。例えば、優良操作推定部108が、敷設物の種類情報及び位置情報、移動体の車両VC1からの距離、相対速度、及び、移動体の種類等の周囲の状況に基づいて、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する形態でも良い。すなわち、仮想的な優良運転者の運転操作を規定する複数のルールを予め設定しておき、該ルールに則って仮想的な優良運転者の運転操作を推定する形態でも良い。この場合には、上記複数のルールを適正に設定することによって、仮想的な優良運転者の運転操作を正確に推定するができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、例えば、車両に搭載され、運転者による運転操作の適否を評価する運転操作評価装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0135】
1 運転操作評価ECU(運転操作評価装置)
101 移動体検出部(移動体検出手段)
102 移動体判別部(移動体判別手段)
103 敷設物情報取得部(敷設物情報取得手段)
104 運転操作検出部(運転操作検出手段)
105 操作判定部(操作判定手段)
106 第1鳥瞰図生成部(第1鳥瞰図生成手段)
107 優良操作記憶部(優良操作推定手段の一部)
108 優良操作推定部(優良操作推定手段の一部)
109 第2鳥瞰図生成部(第2鳥瞰図生成手段)
110 操作評価部(操作評価手段)
111 状況判定部(状況判定手段)
112 出力時点決定部(出力時点決定手段)
113 評価結果出力部(評価結果出力手段)
2 入力機器
21(211〜216) レーダ装置
22 カメラ
23 ナビゲーションシステム
24 車速センサ
25 操舵角センサ
26 加速操作センサ
27 減速操作センサ
28 方向指示操作センサ
3 出力機器
31 ディスプレイ
32 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、運転者による運転操作の適否を評価する運転操作評価装置であって、
該車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離及び相対速度を検出する移動体検出手段と、
前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、及び、相対速度に基づき、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する優良操作推定手段と、
該車両の運転者による運転操作を検出する運転操作検出手段と、
前記優良操作推定手段によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づき、前記運転操作検出手段によって検出された運転操作の適否を評価する操作評価手段と、を備える、運転操作評価装置。
【請求項2】
ナビゲーションシステムを介して、該車両が走行している道路近傍に敷設され、該車両の周囲に存在する信号機、標識、横断歩道を含む敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報を取得する敷設物情報取得手段を備え、
前記優良操作推定手段は、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報、位置情報、及び、該車両の地図上の位置情報に基づき、仮想的な優良運転者の運転操作を推定する、請求項1に記載の運転操作評価装置。
【請求項3】
前記移動体検出手段は、該車両の前方及び側方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する、請求項1に記載の運転操作評価装置。
【請求項4】
前記移動体検出手段は、該車両の後方に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する、請求項3に記載の運転操作評価装置。
【請求項5】
前記移動体検出手段は、画像情報を生成するカメラ、及び、レーダ装置を介して、該車両の周囲に存在する他の車両、歩行者を含む移動体の該車両からの距離、及び、相対速度を検出する、請求項1に記載の運転操作評価装置。
【請求項6】
前記運転操作検出手段によって検出された該車両の運転者による運転操作、及び、前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報、位置情報、該車両の地図上の位置情報、の少なくとも一方に基づいて、該車両の右折操作、左折操作、追い越し操作、車線変更操作、一時停止操作、及び、交差点通過操作の少なくとも1つの操作を含み、予め設定された複数の評価対象操作の内、いずれかが行われたか否かを判定する操作判定手段を備え、
前記操作評価手段は、前記操作判定手段によって前記複数の評価対象操作のいずれかが行われたと判定された場合に、前記運転操作検出手段によって検出された運転操作の適否を評価する、請求項2に記載の運転操作評価装置。
【請求項7】
前記操作評価手段は、前記移動体検出手段によって検出された移動体と該車両との距離に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する、請求項1に記載の運転操作評価装置。
【請求項8】
前記操作評価手段は、前記移動体検出手段によって検出された移動体との相対速度に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する、請求項7に記載の運転操作評価装置。
【請求項9】
前記操作評価手段は、前記移動体検出手段によって検出された移動体と該車両との距離を、前記優良操作推定手段によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作による仮想的な車両から前記移動体検出手段によって検出された移動体までの距離と比較することによって、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する、請求項7に記載の運転操作評価装置。
【請求項10】
前記移動体検出手段によって検出された移動体の種類を推定する移動体判別手段を備え、
前記操作評価手段は、前記移動体判別手段によって推定された移動体の種類に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する、請求項7に記載の運転操作評価装置。
【請求項11】
前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報及び位置情報、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、前記運転操作検出手段によって検出された該車両の運転者による運転操作に基づいて、前記敷設物の種類、位置、前記移動体の位置、及び、該車両の位置を含み、予め設定された第1所定時間毎の予め設定された第1所定範囲の鳥瞰図である第1鳥瞰図を生成する第1鳥瞰図生成手段を備え、
前記操作評価手段は、前記第1鳥瞰図に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する、請求項2に記載の運転操作評価装置。
【請求項12】
前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類情報及び位置情報、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、前記優良操作推定手段によって推定された仮想的な優良運転者の運転操作に基づいて、前記敷設物の種類、位置、前記移動体の位置、及び、前記仮想的な優良運転者が運転操作する仮想的な車両の位置を含み、予め設定された第2所定時間毎の予め設定された第2所定範囲の鳥瞰図である第2鳥瞰図を生成する第2鳥瞰図生成手段を備え、
前記操作評価手段は、前記第1鳥瞰図及び前記第2鳥瞰図に基づいて、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する、請求項11に記載の運転操作評価装置。
【請求項13】
前記第2所定時間は、前記第1所定時間と略同一値に設定され、前記第2所定範囲は、前記第1所定範囲と略同一範囲に設定されている、請求項12に記載の運転操作評価装置。
【請求項14】
前記操作評価手段は、前記第1鳥瞰図における該車両の位置の時間的変化を、前記第2鳥瞰図における前記仮想的な車両の位置の時間的変化と比較して、該車両の運転者による運転操作の適否を評価する、請求項12に記載の運転操作評価装置。
【請求項15】
前記操作評価手段による評価結果を、該車両の運転者へ視認可能に出力する評価結果出力手段を備える、請求項12に記載の運転操作評価装置。
【請求項16】
前記評価結果出力手段は、前記第1鳥瞰図及び前記第2鳥瞰図の少なくとも一方を、該車両の運転者に視認可能に表示する、請求項15に記載の運転操作評価装置。
【請求項17】
前記評価結果出力手段は、前記操作評価手段による評価結果を説明する音声情報を生成し、生成された音声を出力する、請求項15に記載の運転操作評価装置。
【請求項18】
前記操作評価手段による評価結果を、該車両の運転者へ視認可能に出力する評価結果出力手段を備える、請求項1に記載の運転操作評価装置。
【請求項19】
前記操作評価手段による評価結果を該車両の運転者へ出力するタイミングである出力タイミングを決定する出力時点決定手段を備え、
前記評価結果出力手段は、前記出力時点決定手段によって決定された出力タイミングにおいて、前記操作評価手段による評価結果を出力する、請求項18に記載の運転操作評価装置。
【請求項20】
前記出力時点決定手段は、前記操作評価手段による評価が終了した後、該車両が安全な状況になったタイミングを前記出力タイミングとして決定する、請求項19に記載の運転操作評価装置。
【請求項21】
前記敷設物情報取得手段によって取得された敷設物の種類及び位置、該車両の地図上の位置、前記移動体検出手段によって検出された移動体の該車両からの距離、相対速度、及び、前記運転操作検出手段によって検出された該車両の運転者による運転操作に基づいて、該車両が安全な状況であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記出力時点決定手段は、前記状況判定手段によって該車両が安全な状況になったと判定されたタイミングを前記出力タイミングとして決定する、請求項20に記載の運転操作評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−8699(P2011−8699A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153970(P2009−153970)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】